JP2017226687A - アレルゲンエキスを製造するための方法 - Google Patents

アレルゲンエキスを製造するための方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2017226687A
JP2017226687A JP2017151921A JP2017151921A JP2017226687A JP 2017226687 A JP2017226687 A JP 2017226687A JP 2017151921 A JP2017151921 A JP 2017151921A JP 2017151921 A JP2017151921 A JP 2017151921A JP 2017226687 A JP2017226687 A JP 2017226687A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
allergen
extract
allergen extract
allergens
kda
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2017151921A
Other languages
English (en)
Inventor
サンチェス,ヘロニモ カルネス
Carnes Sanchez Jeronimo
サンチェス,ヘロニモ カルネス
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Laboratorios Leti SA
Original Assignee
Laboratorios Leti SA
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Laboratorios Leti SA filed Critical Laboratorios Leti SA
Publication of JP2017226687A publication Critical patent/JP2017226687A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K39/00Medicinal preparations containing antigens or antibodies
    • A61K39/35Allergens
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P37/00Drugs for immunological or allergic disorders
    • A61P37/08Antiallergic agents
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/37Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from fungi
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/415Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from plants
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • C07K14/43504Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans from invertebrates
    • C07K14/43513Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans from invertebrates from arachnidae
    • C07K14/43531Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans from invertebrates from arachnidae from mites
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • C07K14/46Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans from vertebrates
    • C07K14/47Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans from vertebrates from mammals
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K39/00Medicinal preparations containing antigens or antibodies
    • A61K2039/57Medicinal preparations containing antigens or antibodies characterised by the type of response, e.g. Th1, Th2
    • A61K2039/577Medicinal preparations containing antigens or antibodies characterised by the type of response, e.g. Th1, Th2 tolerising response

Abstract

【課題】精製アレルゲンエキスを製造するための方法、並びに、前記エキスを含む医薬組成物及びワクチン剤の提供。【解決手段】アレルゲンエキスを製造する方法であって、a)供給源材料を液体抽出剤と接触させ、脂質、アレルゲン、タンパク質を含む供給源材料残渣からなる固相を生成する、b)前記混合物から前記供給源材料残渣を単離する、c)前記供給源材料残渣をアレルゲン抽出剤と接触させ、液相に溶解したアレルゲンの混合物及び非アレルギー性残渣からなる固相を生成する、d)前記混合物から液層に溶解した前記アレルゲンを単離し、粗アレルゲンエキスを生成する、e)前記粗アレルゲンエキスを低分子画分除去し、3.5kDa未満の分子サイズを有する分子を除去する、f)前記アレルゲンエキスが3〜5℃にて1000μS/cm未満の伝導率になるまで、e)のステップを実行して、精製天然アレルゲンエキスを得るステップとを含む方法。【選択図】なし

Description

本発明は、精製アレルゲンエキスを製造するための方法、ならびにアレルギーの診断および処置に使用するための医薬組成物およびワクチン剤に関する。
アレルギーは免疫系の後天性過敏症であり、アレルゲンとして知られている無害な環境物質への曝露によって誘発される。I型過敏反応はアレルギー反応に特徴的であり、過剰量のIgE抗体が産生され、それによって、炎症反応を誘発する好塩基球および肥満細胞が次に活性化される。その影響は、アナフィラキシー反応を誘発する血管拡張、粘液分泌、神経刺激および平滑筋収縮など全身に及び場合も、または体内の特定の領域、例えば呼吸器に限局される場合もある。
食物アレルギーは、学童の約6%および成人の約4%が冒され、致死的なアナフィラキシー反応を含む重大の結果をもたらし得る、新たに現れた主要な公衆衛生問題である(1)。したがって、アレルギーは、患者のアレルギー症状の当面の臨床的影響および家族の日常活動を越えて広がり、生活の質の精神社会面に顕著な影響を及ぼし得る(2)。現在、この型のアレルギーに対する標準的ケアとしては、問題となるアレルゲンの厳格な回避およびエピネフリンによる処置が挙げられる。
ピーナッツアレルギーは、免疫系の過剰反応を誘発する、ピーナッツ由来の食材に対するI型過敏(IgE媒介)免疫応答である。米国喘息アレルギー財団(Asthma and Allergy Foundation of America)は、ピーナッツアレルギーが米国おける食品関連の死亡原因として最も多いと推測し、人口の0.4〜0.6%が冒されていると評価している。ピーカン、ピスタチオ、松果およびクルミなどの木の実もまた、一般的なナッツアレルゲンである。
これまでに、11種のアレルゲン(Ara h 1からAra h 11まで)がピーナッツ(アラキス・ヒポゲア(Arachis hypogea))から同定されており、それらの多くが配列決定され、クローニングされている。国際免疫学会連合(International Union of Immunological Societies)(IUIS)の名称に基づけば、これらのアレルゲンには以下のものが含まれる。Ara h 1、64kDaのクピン(Cupin)(ビシリン(Vicillin)型、7Sグロブリン);Ara h 2、17kDaのコングルチン(2Sアルブミン);Ara h 3、60kDaのクピン(レグミン型、11Sグロブリン、グリシニン);Ara h 4、37kDaのクピン(レグミン型、11S、グリシニン);Ara h 5、15kDaのプロフィリン;Ara h 6、15kDaのコングルチン(2Sアルブミン);Ara h 7、15kDaのコングルチン(2Sアルブミン);Ara h 8、17kDaの感染特異的タンパク質、PR−10;Ara h 9、9.8kDaの非特異的脂質輸送タンパク質1;Ara h 10、16kDaのオレオシン、およびAra h 11、14kDaのオレオシン。
ネコに対するアレルギーは極めて一般的であり、アレルギー罹患者の最大25%に起こる。ネコアレルギーは、イヌの鱗屑に対するアレルギーよりも一般的であり、このことは、アレルゲンとしてのネコの毛および鱗屑の能力ならびに一般にはネコを入浴させないという事実と関係している可能性がある。ネコアレルゲンは、一部ホルモン制御下にあるので、特に非去勢雄ネコが大量に産生する。鱗屑は、常に空気で運ばれ、粘着性があり、公共の場所、ネコがいない場所でも見出される。これは、ネコの飼い主の衣類に載って運ばれ、その後公共の場所に落とされた鱗屑によるものである。したがって、ネコアレルゲンは、ネコが住んだことがない家の中でも、ハウスダストの一成分になっている。ネコの鱗屑粒子のサイズは極めて小さく、肺の中深くに吸入される。したがって、ネコの鱗屑はアレルギー喘息の一般的な原因となり、ネコに対してアレルギーのあるネコの飼い主は、喘息症状が一層悪化する傾向がある(8、9)
ネコおよびイヌの主要なアレルゲンは、毛/鱗屑エキスおよび唾液の中に見出すことができ、それ故、上皮アレルゲンと考えられる。相異なる8種のアレルゲンがネコにおいて同定され、それらの多くが配列決定され、クローニングされている。IUISウェブサイトによれば、これらのアレルゲンには、以下のものが含まれる。Fel d 1、14および4kDaのウテログロビン;Fel d 2、69kDaのアルブミン;Fel d 3、11kDaのシスタチン;Fel d 4、22kDaのリポカリン;Fel d 5、400kDaの免疫グロブリンA;Fel d 6、800〜1000kDaの免疫グロブリンM;Fel d 7、17.5kDaのフォンエブネル腺タンパク質;Fel d 8、24kDaのラセリン(Latherin)様タンパク質。主要なネコアレルゲンであるFel d 1は、タンパク質および免疫化学の手法により広範に特徴づけられており、最近、組換えアレルゲンとして発現された。Fel d 1は、17kdの2つのサブユニットからなる約36kDaの二量体である(10)
草アレルギーは、特定の季節にその病歴のある人々が冒される、最も一般的で流行しているアレルギー形態の1つである。このアレルゲンは、晩春および初夏の数か月の間、空気中に存在し、そのためアレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎および喘息を誘発し得る。草に座るかまたは芝生を刈ることにより皮膚が草と直接接触すると、皮膚のそう痒、蕁麻疹およびアトピー性皮膚炎が誘発されることがある。最も代表的な種の1つは、草群の筆頭として選択されるオオアワガエリ(Phleum pratense)である。相異なる9つのアレルゲンがオオアワガエリ(Phleum pratense)種から同定された。アレルゲンウェブサイトによれば、これらのアレルゲンには以下のものが含まれる。Phl p 1、27kDaのベータ−エクスパンシン);Phl p 2、10〜12kDaの草群II/III);Phl p4、55kDaのタンパク質、Phl p 5、32kD、Phl p 6、11kDa、Phl p 7、6kDaのカルシウム結合タンパク質、Phl p 11、20kDaのOle e 1関連タンパク質、Phl p 12、14kDaのプロフィリン、およびPhl p 13、55kDaのポリガラクツロナーゼ。
アシ属(Phragmites)は、草群に属する属である。P.オーストラリス(P.australis)またはアシ(P.communis)を含むいくつかの種が記載されている。アシ(Phragmites communis)の花粉は、様々な地域でアレルゲン性があると報告されている。受粉は、緯度と高度に応じて夏から秋の間に起こる。
IgE結合能を有する相異なる5つのタンパク質がアシ属(Phragmites)で同定された。Allergomeウェブサイトによれば、これらのアレルゲンには以下のものが含まれる。30kDaのエクスパンシン;草群4に属する60kDaのタンパク質;35kDaのリボヌクレアーゼ、14kDaのプロフィラン(profilun)、および最後にポリガラクツロナーゼ。
ブタクサ(Ragweed)(ブタクサ属(Ambrosia))は、中央ヨーロッパで主として生育する雑草である。植物はある季節のみ生きるが、この植物は最大数千の花粉粒を生成する。日の出後の暖気、湿度および微風が、花粉粒の放出を促す。これまでに、相異なる3つの種がアレルギー症状と関連づけられている(アンブロシア・アルテミシイフォリア(Amborsia artemisiifolia(ショートブタクサ)、A.プシロスタキア(A.psilostachya)(西洋ブタクサ)およびA.トリフィダ(A.trifida)(ジャイアントブタクサ))。相異なる10種のアレルゲンがショートブタクサにおいて同定されており、それらの多くは配列決定され、クローニングされている。アンブロシア・アルテミシイフォリア(Amborsia artemisiifolia)の場合には、アレルゲンの国際命名法に従って、これらのアレルゲンはAmb a 1からAmb a 10と名付けられている。IUISウェブサイトによれば、これらのアレルゲンには以下のものが含まれる。Amb a 1、38kDaのペクチン酸リアーゼ;Amb a 2、38kDaのペクチン酸リアーゼ;Amb a 3、11kDaのプラストシアニン;Amb a 4、30kDaのデフェンシン様タンパク質;Amb a 5、5kDa;Amb a 6、10kDaの脂質輸送タンパク質;Amb a 7、12kDaのプラストシアニン;Amb a 8、14kDaのプロフィリン;Amb a 9、10kDaのポルカンシン(Polcancin)、およびAmb a 10、18kDaのポルカンシン様タンパク質。A.プシロスタキア(A.psilostachya)の場合、アレルゲンAmb p 5のみが生物学的機能が未知であると記載されている。5kDaの1つのアレルゲンのみがA.トリフィダ(A.trifida)においても記載されている。
雑草は、それらのアレルゲンエキスの分類に従って、相同群に分類することができる。アンブロシア(Ambrosia)をこの群の植物の筆頭の1つとして選択した。このため、この花粉エキスで得られた結果は他の雑草に外挿することができる
アレルギーは、アレルゲン免疫療法、特異的免疫療法(SIT)または特異的アレルギーワクチン接種(SAV)を含むいくつかの公知の方法により処置することができ、SAVはアレルギー性疾患のための免疫療法の一形態であり、免疫寛容を誘導する目的でアレルゲンエキスを漸進的に増量して患者にワクチン接種するものである。アレルゲン免疫療法は、アレルギー反応により誘導された症状を改善するものというよりアレルゲンへの免疫応答を調節するものであり、薬物治療の必要性の低減、症状の重症度の軽減、または過敏状態すべての除去のいずれかを行うことができる。
アレルゲン免疫療法が、アレルゲン回避は別として、アレルゲン吸入により、また膜翅目群の昆虫に刺されることにより誘発されるIgE媒介アレルギー性疾患を原因処置するための唯一の手段であるという多くの証拠があるが、アレルゲンエキスによる免疫療法は、食物アレルギーの処置には通常用いられない。最近の2つの研究によってのみ、ヘーゼルナッツおよび桃でそれぞれ感作された個体に舌下免疫療法を用いて、中程度の臨床効果が得られることが実証されている(3、4)
これまでの研究では、免疫系を確立するために徐々に大きくする極小ピーナッツ片を小児に与えて小量免疫寛容を誘導する試みがなされてきた(4、6)。初期の臨床試験データは、免疫療法を用いてピーナッツアレルギーを改善できることを示すが(7)、ピーナッツに対するアレルギー反応を予防または治療するための確立された処置は現在なく、アトピー個体の唯一の有効な選択肢は、全ピーナッツ、ピーナッツ小片およびピーナッツ油を含有するかまたは混入する食物を回避すること、およびエピネフリンの自己注射を容易にできるようにすることである。
免疫療法のリスクの1つは、感作された患者へのアレルゲンの注入が重篤なアレルギー反応またはアナフィラキシーを誘発する可能性があることである。20世紀の初頭におけるその最初の使用以来、アレルゲン免疫療法の安全性および効果をさらに改善するために多くの努力がなされてきた。アプローチの1つは、アレルゲン性は低減されているが免疫原性は維持されているアレルゲンワクチン剤を使用することである。
米国特許第5,770,698号明細書および欧州特許第0662080号明細書は、アレルゲンエキスを精製するために、かつアレルゲン/タンパク質の最終含量を高めるために、物質類および他の低分子量物質を除去する方法について開示している。この方法は、アレルギー活性のあるタンパク質から非アレルギー性化合物を解離させるような条件下で静電力、疎水力またはその他の物理力を破壊することからなる。この方法は、それぞれのアレルゲンタンパク質のpIより下にpHを低下させることによって、温和に酸処理することから構成することができる。
アレルゲン性を低減する種々の方法の1つは、アルデヒド、主としてホルムアルデヒドおよびグルタルアルデヒドを用いて天然アレルゲンエキスを化学的に修飾してアレルゴイドを生成することからなる。このアルデヒド処理により、それらのアレルゲン性の一部が失われ(すなわち、IgE反応性B細胞エピトープの低減を示す)、アレルギー性副作用が軽減した反応生成物(主としてポリマー)が得られる。同時に、アレルゲンの天然免疫原性はT細胞エピトープが不変であるために保持される。アレルゲン修飾のこのルートは、アレルゲンワクチン剤の製造業者の一部に採用されて、この原理に基づいた市販品が開発されている。一般には、アレルゲンエキスをさらに精製して、最も重要でかつ臨床に関連するアレルゲンを慎重に選別する傾向がある。
欧州特許第1834649号明細書および欧州特許第1834648号明細書は、アレルゲンエキスを製造する方法について開示している。しかしながら、そのような方法では、混入する低分子量タンパク質は十分に除去されない。
混入する低分子量タンパク質、刺激物および有毒成分の除去を保証するようにアレルゲン精製工程を最適化することにより、アレルギー性疾患の免疫療法で使用する医薬品の安全性および効果をさらに改善する必要がある。
本発明者らは、重合工程をさらに改善し、ダニ、花粉(草、雑草および樹木を含む)、上皮アレルゲンおよび食物アレルゲンなどの特定のエキスのアレルゲン性を低減するために、重合前、グルタルアルデヒドによる処理の前の中間ステップを開発してきた。
本発明の目的は、アレルゲンを含むエキスの調製方法、ならびにアレルギー処置のための医薬組成物およびワクチン剤を提供することである。さらなる目的は、IgE結合能は低減しているがその免疫原性は保持している、最適な効果を有するアレルゲンエキスを提供することである。
本発明の第1の態様により、アレルゲンエキスを製造する方法であって、
a)アレルゲンを含む供給源材料を液体抽出剤と接触させて、液相に溶解した脂質を含む混合物ならびにアレルゲンおよびタンパク質を含む供給源材料残渣からなる固相を生成するステップと、
b)混合物を第1の分離ステップに供して、供給源材料残渣を単離するステップと、
c)供給源材料残渣をアレルゲン抽出剤と接触させて、液相に溶解したアレルゲンの混合物および非アレルギー性残渣からなる固相を生成するステップと、
d)混合物を第2の分離ステップに供して、液層に溶解したアレルゲンを単離し、粗アレルゲンエキスを生成するステップと、
e)粗アレルゲンエキスを低分子画分除去ステップに供して、3.5kDa未満の分子サイズを有する分子を除去するステップと、
f)アレルゲンエキスが3〜5℃にて1000μS/cm未満の伝導率になるまで、ステップe)を実行して、精製された天然アレルゲンエキスを得るステップと
を含む方法を提供する。
さらなる処置ステップとして、
g)天然アレルゲンエキスを酸性にして、3.5kDa未満の分子サイズを有する分子を除去し、そのpHを中和して、脱色アレルゲンエキスを生成するステップを含むことができる。
この方法は、
h)天然アレルゲンエキスまたは脱色アレルゲンエキスをアルデヒドと接触させるステップと、
i)100kDa未満の分子サイズを有する分子を除去するステップと
を含む重合ステップをさらに含むことができる。
本発明の第2の態様により、本発明の第1の態様の方法により得られるアレルゲンエキスを提供する。
本発明の第3の態様により、アレルギー処置において有効な治療物質として使用するための精製アレルゲンエキスを提供する。
定義
「アレルゲン」は、IgE応答および/またはI型アレルギー反応を誘導することができる分子と定義することができる。
本明細書において言及する用語「脱色(アレルゲンエキス)」は、含有され得る吸着色素を含む無関係の物質を除去することにより、天然エキスから得られる半精製アレルゲンエキスと定義することができる。
本発明のアレルゲンエキスは、IgE媒介免疫反応を個体に惹起することが知られている天然アレルゲンを含むいかなる供給源材料に由来してもよい。そのようなアレルゲンとしては、食物アレルゲン(例えば、ピーナッツ)、空気媒介アレルゲン(例えば、草、樹木、薬草および雑草からの花粉、チリダニ、菌類およびカビ)、昆虫アレルゲン(例えば、ゴキブリ、ノミ、ミツバチおよびスズメバチの毒)、ならびに上皮アレルゲン(動物の毛、動物の鱗屑(例えば、ネコおよびイヌの鱗屑))を挙げることができる。
樹木、草および雑草からの花粉アレルゲンは、ブナ目(Fagales)(例えば、ハンノキ属(Alnus)およびカバノキ属(Betula))、シソ目(Lamiales)(例えば、オリーブ属(Olea)およびオオバコ属(Plantago))、イネ目(Poales)(例えば、オオアワガエリ(Phleum pratense))、キク目(Asterales)(例えば、ブタクサ属(Ambrosia)およびヨモギ属(Artemisia))、ナデシコ目(Cayophyllales)(例えば、アカザ属(Chenopodium)およびオカヒジキ属(Salsola))、バラ目(Rosales)(例えば、ヒカゲミズ属(Parietaria))、ヤマモガシ目(Proteales)(例えば、プラタナス属(Platanus))の分類目群に由来する。チリダニは、コナダニ(Astigmata)(例えば、ヒョウヒダニ属(Dermatophagoides)およびユーログリファス属(Euroglyphus))の目群に属する。カビおよび菌類に由来する空気媒介アレルゲンは、プレオスポラ(Pleosporales)目(例えば、アルテルナリア属(Alternaria))、カプノディウム(Capnodiales)目(例えば、クラドスポリウム属(Cladosporium))などに属する。
本発明による供給源材料は、食物アレルゲン、ピーナッツ、全ピーナッツ、空気媒介アレルゲン(例えば、花粉(樹木の花粉、雑草の花粉、草の花粉、穀草の花粉)、チリダニ、菌類、カビ)、ダニ、草、樹木および雑草のアレルゲン、上皮アレルゲン(動物の毛、動物の鱗屑、例えば、ネコの毛および鱗屑、イヌの毛および鱗屑)、ならびに昆虫アレルゲン(例えば、ゴキブリ、ノミ、ミツバチおよびスズメバチの毒)を含む任意のアレルゲンであってよい。
好ましい食物アレルゲンはピーナッツである。ピーナッツアレルゲンはアラキス・ヒポゲア(Arachis hypogeal)がより好ましい。
空気媒介アレルゲンは、樹木花粉(セイヨウヤマハンノキ(Alnus glutinosa)、シラカバ(Betula alba)、セイヨウハシバミ(Corylus avellana)、アリゾナイトスギ(Cupressus arizonica)、オリーブ(Olea europea)、プラタナス(Platanus)種)、草花粉(ギョウギシバ(Cynodon dactylon)、カモガヤ(Dactylis glomerata)、ヒロハノウシノケグサ(Festuca elatior)、シラゲガヤ(Holcus lanatus)、ホソムギ(Lolium perenne)、オオアワガエリ(Phleum pratense)、アシ(Phragmites communis)、ナガハグサ(Poa pratensis))、雑草花粉(ブタクサ(Ambrosia elatior)、オウシュウヨモギ(Artemisia vulgaris)、アカザ(Chenopodium album)、ヒカゲミズ(Parietaria judaica)、ヘラオオバコ(Plantago lanceolata)、オカヒジキ(Salsola kali))および穀草花粉(マカラスムギ(Avena sativa)、オオムギ(Hordeum vulgare)、ライムギ(Secale cereal)、コムギ(Triticum aestivum)、トウモロコシ(Zea mays))、チリダニ(アシブトコナダニ(Acarus siro)、ネッタイタマニクダニ(Blomia tropicalis)、コナヒョウヒダニ(Dermatophagoides farinae)、デルマトファゴイデス・ミクロセラス(Dermatophagoides microceras)、ヤケヒョウヒダニ(Dermatophagoidespteronyssinus)、ユーログリファス・マイネイ(Euroglyphus maynei)、レピドグリファス・デストラクター(lepidoglyphus destructor)、ケナガコナダニ(Tyrophagus putrescentiae))、菌類およびカビ(アルテルナリア・アルテルナート(Alternaria alternate)、クラドスポリウム・ヘルバラム(Cladosporium herbarum)、アスペルギルス・フミガーツス(Aspergillusfumigatus))の群から選択することができる/または群から選択することができる。
上皮アレルゲンは、ネコの毛および鱗屑、イヌの毛および鱗屑、ウマの毛および鱗屑、ヒトの毛および鱗屑、ウサギの毛および鱗屑、ならびに羽毛を含む、任意の動物から選択することができる。
昆虫アレルゲンは、アリ、ノミ、ダニ(アシブトコナダニ(Acarus siro)、ネッタイタマニクダニ(Blomia tropicalis)、コナヒョウヒダニ(Dermatophagoides farinae)、デルマトファゴイデス・ミクロセラス(Dermatophagoides microceras)、ヤケヒョウヒダニ(Dermatophagoidespteronyssinus)、ユーログリファス・マイネイ(Euroglyphus maynei)、レピドグリファス・デストラクター(lepidoglyphus destructor)、ケナガコナダニ(Tyrophagus putrescentiae))、ゴキブリ、スズメバチ毒およびミツバチ毒から選択することができる。
好ましくは、供給源材料は、食物アレルゲン(アラキス・ヒポゲア(Arachis hypogeal))、花粉(セイヨウヤマハンノキ(Alnus glutinosa)、シラカバ(Betula alba)、セイヨウハシバミ(Corylus avellana)、アリゾナイトスギ(Cupressus arizonica)、オリーブ(Olea europea)、プラタナス(Platanus)種、ギョウギシバ(Cynodon dactylon)、カモガヤ(Dactylis glomerata)、ヒロハノウシノケグサ(Festuca elatior)、シラゲガヤ(Holcus lanatus)、ホソムギ(Lolium perenne)、オオアワガエリ(Phleum pratense)、アシ(Phragmites communis)、ナガハグサ(Poa pratensis)、ブタクサ(Ambrosia elatior)、オウシュウヨモギ(Artemisia vulgaris)、アカザ(Chenopodium album)、ヒカゲミズ(Parietaria judaica)、ヘラオオバコ(Plantago lanceolata)、オカヒジキ(Salsola kali)、マカラスムギ(Avena sativa)、オオムギ(Hordeum vulgare)、ライムギ(Secale cereal)、コムギ(Triticum aestivum)、トウモロコシ(Zea mays))、チリダニ(アシブトコナダニ(Acarus siro)、ネッタイタマニクダニ(Blomia tropicalis)、コナヒョウヒダニ(Dermatophagoides farinae)、デルマトファゴイデス・ミクロセラス(Dermatophagoides microceras)、ヤケヒョウヒダニ(Dermatophagoidespteronyssinus)、ユーログリファス・マイネイ(Euroglyphus maynei)、レピドグリファス・デストラクター(lepidoglyphus destructor)、ケナガコナダニ(Tyrophagus putrescentiae))、菌類およびカビ(アルテルナリア・アルテルナート(Alternaria alternate)、クラドスポリウム・ヘルバラム(Cladosporium herbarum)、アスペルギルス・フミガーツス(Aspergillusfumigatus))、上皮アレルゲン(ネコの毛および鱗屑、イヌの毛および鱗屑、ウマの毛および鱗屑、ヒトの毛および鱗屑、ウサギの毛および鱗屑、ならびに羽毛)、昆虫アレルゲン(アリ、ノミ、ダニ、ゴキブリ、スズメバチ毒およびミツバチ毒)から選択される。
より好ましくは、供給源材料は、ピーナッツ(アラキス・ヒポゲア(Arachis hypogea))、花粉(オリーブ(Olea europaea)、ヒカゲミズ(Parietaria judaica)、アシ(Phragmites communis)およびオオアワガエリ(Phleum pratense))、ダニ(ヤケヒョウヒダニ(Dermatophagoides pteronyssinus))、ならびに上皮(ネコの鱗屑)から選択される。
本発明の好ましい実施形態では、供給源材料は、アラキス・ヒポゲア(Arachis hypogeal)、オリーブ(Olea europaea)、ヒカゲミズ(Parietaria judaica)、オオアワガエリ(Phleum pratense)、ヤケヒョウヒダニ(Dermatophagoides pteronyssinus)、アシ(Phragmites communis)、ヒカゲミズ(Parietaria judaica)およびネコの鱗屑から選択される。
本発明のより一層好ましい実施形態では、供給源材料は、アラキス・ヒポゲア(Arachis hypogea)、オオアワガエリ(Phleum pratense)、アシ(Phragmites communis)、ヒカゲミズ(Parietaria judaica)およびネコの鱗屑から選択される。
本発明のより好ましい実施形態では、アレルゲンはアラキス・ヒポゲア(Arachis hypogeal)である。
供給源材料がピーナッツである場合、好ましくは、皮を取り除くか、またはこの材料を粉砕するか、もしくは粉末化することができる。ピーナッツは、トーストするか、ローストするか、フライにするか、または生のままとすることができる。
供給源材料は、液体抽出剤との接触のために表面積を最大にするように処理することができる。供給源材料をホモジナイズ、ブレンド、粉砕または粉末化して、液体抽出のための均質のスラリーにすることができる。液体抽出ステップは、供給源材料から脂質および脂肪酸などの親油性化合物を除去する「脱脂」ステップである。
液体抽出剤はアセトンとすることができ、アセトンは冷たくてもよい。液体抽出ステップは、1:1の比(供給源材料の重量/液体抽出剤の重量)、または液体抽出剤の重量が供給源材料の重量を超える任意の比、例えば1:2、1:3、1:5、1:10で実施することができる。液体抽出ステップは、供給源材料1kgと液体抽出剤2Lの比で実施することが好ましい。液体抽出ステップは、供給源材料中の脂質が液体抽出剤に溶解するのに十分な時間実施することが好ましく、この時間は、1分超、好ましくは5分超、より好ましくは30分超、最も好ましくは1時間以上とすることができる。液体抽出ステップは、20〜25℃の間で実施することができるが、好ましくは2〜6℃、最も好ましくは3〜5℃の間で冷却して実施する。液体抽出ステップの間、供給源材料を液体抽出剤と共に撹拌または揺動することが好ましい。
第1の分離ステップは濾過とすることができる。
第1の分離ステップの後、供給源材料残渣を液体抽出剤で洗浄することができる。場合によっては、供給源材料残渣を、液体抽出剤でさらに抽出し、次いで分離することができる。1回、2回またはそれ以上のさらなる液体抽出ステップを実施することが好ましい。供給源材料残渣と接触させた後、液体抽出剤が透明なままになるまで、供給源材料残渣の液体抽出を継続することが好ましい。
液体抽出の後、供給源材料残渣は乾燥させることができる。供給源材料残渣は2〜25℃の間で乾燥させることができ、室温で乾燥させることが好ましい。乾燥ステップは、供給源材料残渣から液体抽出剤を除去することを可能にするのに十分な時間継続することが好ましく、この時間は、1〜24時間、6〜18時間、10〜14時間、好ましくは約12時間とすることができる。
アレルゲンは、液層に溶解したアレルゲン含む粗アレルゲンエキスおよび「不要な」非アレルギー性残渣からなる固相を生成するためのアレルゲン抽出剤による抽出により、「脱脂」供給源材料残渣から得ることができる。アレルゲン抽出剤は水溶液とすることができ、緩衝剤を含むことが好ましい。アレルゲン抽出剤には、PBSおよび/またはNaCl、例えば0.01M PBS/0.15M NaClの溶液を含むことができる。供給源材料残渣は、アレルゲン抽出剤の重量が供給源材料残渣の重量を超える任意の比、例えば1:2、1:3、1:5、1:10、1:20、1:50で、アレルゲン抽出剤に抽出することができる。供給源材料残渣:アレルゲン抽出剤(重量/重量)を1:10の比にして、供給源材料残渣をアレルゲン抽出剤に抽出することが好ましい。抽出ステップにおけるアレルゲン抽出剤に対する供給源材料残渣の比は変動させることができるが、供給源材料残渣中のアレルゲンがアレルゲン抽出剤に溶解することができるような比にすべきである。アレルゲン抽出剤による供給源材料残渣の抽出は、供給源材料残渣中のアレルゲンがアレルゲン抽出剤に溶解するのに十分な時間実施することが好ましく、この時間は、30分〜12時間、好ましくは1〜6時間、より好ましくは2〜5時間、最も好ましくは約4時間とすることができる。アレルゲン抽出ステップは、20〜25℃の間で実施することができるが、好ましくは2〜6℃、最も好ましくは3〜5℃の間で冷却して実施する。アレルゲン抽出ステップの間、供給源材料残渣をアレルゲン抽出剤と共に撹拌または揺動することが好ましい。
アレルゲン抽出ステップの後、液相に溶解したアレルゲンを非アレルギー性残渣から分離して、粗アレルゲンエキスを生成することができる。当業者には周知である、液体から固体を分離する多くの手法が適用できるが、この分離ステップには遠心分離が好ましい。液相に溶解したアレルゲンは、2〜6℃の間、好ましくは3〜5℃の間で、非アレルギー性残渣をペレットとして沈殿させるのに十分な時間、例えば1分〜1時間または1時間超の間、遠心分離することが好ましい。粗アレルゲンエキス(すなわち溶解したアレルゲンを含有する上清)は、2〜6℃の間で保存することができる。非アレルギー性残渣ペレットは、第1のアレルゲン抽出ステップと同じ条件を用い、好ましくは4〜8時間、8〜12時間または12時間超など、より長い抽出時間で、アレルゲン抽出剤によりさらに抽出することができる。第2のアレルゲン抽出ステップの後、液相に溶解したアレルゲンを非アレルギー性残渣から分離して、粗アレルゲンエキスを生成することができる。第1および第2のアレルゲン抽出ステップから得られた粗アレルゲンエキスは、次の処理のためにプールすることが好ましい。
粗アレルゲンエキスは、例えば孔径0.45μmのフィルターを用いて濾過することができる。粗アレルゲンエキスは、低分子画分除去ステップに供して、塩および他の非アレルギー性化合物など低分子サイズの分子を除去することができる。本出願人は、ピーナッツエキスのタンパク質およびアレルゲン組成物が8〜150kDaの間であることを実験的に明らかにした。これらのアレルゲンは、分子画分除去ステップの間、保持する必要がある。例えば、ピーナッツの脂質輸送タンパク質(LTP)−重要なアレルゲン−は8kDaであり、これは、低分子画分除去ステップの間、保持する必要がある。ステップe)では、8kDa未満、または7kDa未満、または6kDa未満、または5kDa未満、または4kDa未満、または3.5kDa未満の分子サイズを有する分子を除去することができる。アレルゲンエキスの伝導率が、3〜5℃にて、900μS/cm未満、または800μS/cm未満、または700μS/cm未満、または600μS/cm未満、またはより好ましくは500μS/cm未満になるまで、低分子画分除去ステップを継続することが好ましい。アレルゲンエキスの伝導率が、3〜5℃にて、200から1000μS/cmの間、または300から900μS/cmの間、または最も好ましくは400から800μS/cmの間になるまで、低分子画分除去ステップを継続することが好ましい。
得られた精製天然アレルゲンエキスは、例えば、孔径0.45および/または0.22μmのフィルターを用いて濾過することができる。
この天然アレルゲンエキスは、規格化、診断、合成およびワクチン接種のための医薬組成物またはワクチン剤の調製に使用することができる。
この方法は、アレルゲンタンパク質に付着する非アレルギー性化合物を、非アレルギー性化合物のタンパク質への付着の原因である静電力、疎水力またはその他の物理力を破壊する手段を用いて除去する、さらなる処理ステップを含むことができる。静電力、疎水力またはその他の物理力を破壊する手段は、陰イオンおよび陽イオン交換物質を含む酸性およびアルカリ性物質、塩ならびに電流からなる化学的手段の群から選択することができる。酸性およびアルカリ性の化学的手段は、タンパク質の等電点を超過させる量で使用することができる。さらなる処理ステップから得られたアレルゲンエキスは、以下の本明細書において、脱色アレルゲンエキスと呼ばれる。
さらなる処置ステップは、
g)天然アレルゲンエキスを酸性にして、3.5kDa未満の分子サイズを有する分子を除去し、そのpHを中和して、脱色アレルゲンエキスを生成するステップを含むことができる。
さらなる処理ステップは温和な酸処理を含むことが好ましい。温和な酸処理では、アレルゲンタンパク質のpHは、pH3未満、例えば2.0から2.5の間のpH値に低下させることができる。アレルゲンタンパク質のpHは、2.0から6.0の間にあってもよい。本出願人は、アレルゲンタンパク質に付着する非アレルギー性化合物を解離させるための至適pHは、pH2.0から2.1の間であることを実験的に同定した。2.0未満のpH値では、脱色アレルゲンエキスのタンパク質プロフィールが不完全になり、pHの低下が不十分、例えば3.0超であると、得られる脱色アレルゲンエキス中の非アレルギー性化合物の除去が不完全になる。
天然アレルゲンエキスのpHは、適切な酸、例えばHClを用いて低下させることができる。酸性化されたエキスは、1〜60分、好ましくは5〜30分、より好ましくは10〜20分、最も好ましくは約15分の間、低pHに維持することができる。3.5kDa未満の分子サイズを有する分子は、低分子画分除去ステップで除去することができる。
さらなる処理ステップの後、得られた脱色エキスを集めることができ、アレルゲンエキスのpHを適切なアルカリ、例えばNaOHを用いて中和することができる。タンパク質の沈殿を回避する値、たとえば、pH7.0超、好ましくはpH7.0から8.0の間、より好ましくはpH7.0から7.5の間、最も好ましくはpH7.3から7.4の間に、pH値を調整することができる。
さらなる処置ステップは、
g)天然アレルゲンエキスをpH2〜2.1に酸性化して、酸性化したエキスを5〜30分間維持した後、このエキスを低分子画分除去ステップに供して、3.5kDa未満の分子サイズを有する分子を除去し、pHを7.3〜7.4に調節して脱色アレルゲンエキスを生成するステップ
を含むことができる。
さらなる処理ステップは、天然アレルゲンエキスをpH2.0〜4.0に酸性化することを含むことができる。
静電力を破壊するための手段は、電気泳動の形態の電流を含むことができる。非アレルギー性化合物の分子量は、8,000Da未満、5,000Da、好ましくは3,500未満の分子量とすることができ、フラボノイドおよび/またはそれらの配糖体を含むことがある。
低分子画分除去ステップは、エキスを精製水または緩衝液などの透析液に対して透析する透析ステップとすることができる。低分子画分除去ステップは、20〜25℃の間で実施することができるが、好ましくは2〜6℃、最も好ましくは3〜5℃の間で冷却して実施する。低分子画分除去ステップは、12〜24時間実施することができ、溶媒、または透析の場合には透析液を定期的に交換して反応を持続する。
得られた脱色アレルゲンエキスは、例えば、孔径0.45μmおよび/または0.22μmのフィルターを用いて濾過することができ、保存用に凍結または凍結乾燥することができる。
本発明の方法を用いて生成したエキスのいずれもさらに処理することができる。この方法は、
h)天然アレルゲンエキスまたは脱色アレルゲンエキスをアルデヒドと接触させるステップと、
i)100kDa未満の分子サイズを有する分子を除去するステップと
を含む重合ステップをさらに含むことができる。
アルデヒドは任意の適切なアルデヒド、例えばグルタルアルデヒドまたはホルムアルデヒドとすることができる。
重合ステップは、
h)天然アレルゲンエキスまたは脱色アレルゲンエキスをグルタルアルデヒドまたはホルムアルデヒドと接触させるステップと、
i)前記エキスを分子画分除去ステップに供して、100kDa未満の分子サイズを有する分子を除去するステップと、
j)前記アレルゲンエキスの伝導率が3〜5℃にて210μS/cm未満になるまで、かつ/またはグルタルアルデヒドがなくなるまでステップi)を実行して、重合アレルゲンエキスまたは脱色重合アレルゲンエキスを得るステップと
を含むことができる。
重合のためのエキスを凍結乾燥している場合、そのエキスを、緩衝液、例えば0.01M PBS/0.15M NaClの中で、最終濃度0.1〜500mg/ml、好ましくは1〜100mg/ml、最も好ましくは10〜50mg/mlに再構成することができる。
重合反応は、100kDa未満(例えば14〜25kDa)のタンパク質バンドが非還元SDS−PAGEで重合エキス中に検出できなくなるまで実施することが好ましい。本出願人は、2つのパラメーターが重合の最適条件に影響を及ぼすことを実験的に明らかにした(表2を参照のこと)。
第1に、グルタルアルデヒドの最終濃度が重要であり、グルタルアルデヒド濃度が増加するとポリマー収率が低下し、透析前の遠心分離によって得られる残渣収率が増加する。約5mg/mlのグルタルアルデヒド濃度(すなわちアレルゲンエキス1ml当たりグルタルアルデヒド0.009ml)を使用する、従来知られている重合条件とは対照的に、最適なグルタルアルデヒド濃度は、公知量の約2倍、すなわち10mg/ml(アレルゲンエキス1ml当たりグルタルアルデヒド0.02ml)であることが実験的に明らかになった。アルデヒドは1〜20mg/mlの範囲で加えることができる。グルタルアルデヒドの最終濃度に従来の公知量を使用すると、アレルゲンの重合を一部得ることができるが、最適な重合を達成するためには、アルデヒドを最終濃度10mg/mlまで加えるか、またはエキス1ml当たりグルタルアルデヒド0.02mlの比で加えることが好ましい。
第2に、グルタルアルデヒドの添加速度を低下させると、ポリマー収率が低下し、残渣収率が増加することを本出願人は明らかにした。アルデヒドは、一定の速度、例えば、毎分0.001〜0.5ml(1〜500μl/分、60〜3000μl/時)でエキスに加えることができる。
重合反応は、室温で1〜12時間、好ましくは7時間の間持続することができる。重合反応は、重合エキス溶液1ml当たり40mgの割合でグリシンを用いて停止させることができる。停止反応は、3〜5℃で一晩、好ましくは撹拌しながら、持続することができる。液相中の重合アレルゲンは、不溶残渣から分離して、重合アレルゲンエキスまたは脱色重合アレルゲンエキスを生成することができる。当業者には周知である多くの分離手法が適用できるが、分離ステップには遠心分離が好ましい。エキスは、2〜6℃の間、好ましくは3〜5℃の間で、不溶残渣をペレットとして沈殿させるのに十分な時間、例えば1分〜1時間または1時間超の間、遠心分離することが好ましい。上清(可溶性アレルゲンを含有する)を収集し、分子画分除去ステップ(i)に供することができる。
ステップi)では、150kDa未満の分子サイズを有する分子を除去することができる。3MDa超の分子量を有する分子は、沈殿することが見出されており、重合ステップの間に除去することもできる。
分子画分除去ステップは、エキスを精製水または緩衝液などの透析液に対して3〜5℃で透析する透析ステップとすることが好ましい。3〜5℃で測定した伝導率が、200μS/cm未満、より好ましくは175μS/cm未満、より好ましくは150μS/cm未満、より好ましくは125μS/cm未満、より好ましくは100μS/cm未満、より好ましくは50から200μS/cmの間、最も好ましくは100から150μS/cmの間になるまで、分子画分除去ステップを継続することができる。
得られたアレルゲンエキスは、例えば、孔径0.45μmおよび/または0.22μmのフィルターを用いて濾過することができ、保存用に凍結または凍結乾燥することができる。
低分子画分除去ステップc)、e)またはg)のいずれも、限外濾過ステップ、ダイアフィルトレーションステップ、透析ステップまたは濾過を含むことができる。
その最も単純な形態では、本発明の方法は、天然可溶性アレルゲンエキスを調製するステップと、場合によっては、例えば温和な酸処理によってエキスをさらに処理して、低分子サイズを有する非アレルギー性化合物を除去するステップと、アルデヒドを用いて、エキスを重合するステップとを含むことができる。天然可溶性アレルゲンエキスは、ピーナッツ、花粉、草、上皮、カビ、菌類、昆虫またはダニのアレルゲンとすることができる。本発明の方法により、IgE結合能は低減しているが、その免疫原性は保持しているアレルゲンエキスが得られる。
本発明は、アレルギーのための処置およびアレルギーのための診断薬をさらに含み、両方とも、本発明の方法により生成するアレルゲンエキスを有効成分として含む。本明細書で議論しているように、アレルギーは、IgE媒介アレルギー応答を惹起する様々なアレルゲンへの曝露と関連している可能性がある。
本発明の第2の態様により、本発明の第1の態様の方法により得られるアレルゲンエキスを提供する。有効な治療物質として使用するための精製アレルゲンエキスを提供する。本発明の第1の態様の方法により得られる、天然アレルゲンエキス、重合天然アレルゲンエキス、脱色アレルゲンエキス、脱色重合アレルゲンエキスを提供する。エキスは、好ましくは重合天然アレルゲンエキスであり、より好ましくは脱色重合アレルゲンエキスである。
アレルゲンエキスは、ピーナッツ(アラキス・ヒポゲア(Arachis hypogeal))、花粉(オリーブ(Olea europaea)、ヒカゲミズ(Parietaria judaica)、アシ(Phragmites communis)、ヒカゲミズ(Parietaria judaica)およびオオアワガエリ(Phleum pratense))、ダニ(ヤケヒョウヒダニ(Dermatophagoides pteronyssinus))、ならびに上皮(ネコの鱗屑)から選択することができる。
アレルゲンエキスはアレルギーの処置に使用することを目的とすることができる。好ましい実施形態では、アレルゲンエキスであるアラキス・ヒポゲア(Arachis hypogeal)は、ピーナッツアレルギーの処置に使用することを目的とすることができる。
脱色重合アレルゲンエキスは以下の物理化学的および生物学的特性を特徴とすることができる。
i.水に可溶であること、
ii.100kDa未満の分子量を有する非重合アレルゲン/タンパク質を含まないこと(非還元条件のSDS−PAGEによるバンドとして同定)、
iii.100kDa未満の分子量を有するIgE認識バンドを含まないこと(非還元条件の免疫ブロット法による同定)、
iv.100kDa未満の分子量を有する重合分子を含まないこと(HPLCを用いるサイズ排除クロマトグラフィーによる測定)、
v.天然エキスに対して、遊離アミノ基が75%減少していること(フルオレサミン法による測定)、
vi.天然アレルゲンエキスに対して、生物学的効力が低下(95%)していること(感作個体に由来する血清の特定プールを用いる、IgE ELISA阻害実験による測定)、および
vii.マウスにおいて異常毒性がないこと。
本発明のアレルゲンエキスは、特定のアレルゲンに対する寛容を誘導する目的で、アレルギー個体を処置するための医薬品の有効成分として使用するためのものとすることができる。
免疫疾患の診断における、好ましくはアレルギー性疾患を検出するための、本発明によるアレルゲンエキスの使用を提供する。アレルギー処置のための、またはアレルギー処置のための医薬品の製造における、本発明によるアレルゲンエキスの使用を提供する。この使用は、免疫療法のためであってもよい。この使用は、規格化、診断、合成およびワクチン接種のためであってもよい。この使用は、患者の治療的処置、好ましくは免疫療法におけるものであってもよい。この使用は、免疫療法中に患者をモニターするものであってもよい。
本発明のさらなる態様により、本発明によるアレルゲンエキスを含む医薬組成物を提供する。本発明によるアレルゲンエキスの医薬的有効量を有効成分として含み、かつ少なくとも1つの医薬的に許容される担体または希釈剤を含む、アレルギー処置のための医薬組成物を提供する。本発明によるアレルゲンエキスの診断用有効量を有効成分として含む、アレルギーのための診断用組成物を提供する。
本発明のさらなる態様により、本発明によるアレルゲンエキスを含むワクチン剤を提供する。医薬組成物およびワクチン剤は、1つまたは複数のアジュバント、希釈剤、防腐剤またはそれらの混合物をさらに含むことができる。医薬組成物またはワクチン剤は、生理学的に許容される担体を含むことができる。本明細書で使用する句「医薬的に許容される」は、政府の規制当局により承認されているか、あるいはヒトでの使用に関し、欧州薬局方もしくは米国薬局方または別の一般に認知された薬局方に掲載されていることを意味することが好ましい。
そのような医薬的に許容される担体は、ピーナッツ油、大豆油、鉱油、ゴマ油等、石油、動物、植物または合成起源の油を含む、水および油などの滅菌液体とすることができる。生理食塩水ならびにデキストロースおよびグリセリンの水溶液もまた、特に注射剤のための液体担体として使用することができる。好適な医薬賦形剤としては、マンニトール、ヒト血清アルブミン(HSA)、デンプン、グルコース、ラクトース、スクロース、ゼラチン、麦芽、米、小麦粉、チョーク、シリカゲル、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ナトリウム、グリセロールモノステアレート、タルク、塩化ナトリウム、脱脂粉乳、グリセロール、プロピレン、グリコール、水、エタノール等が挙げられる。
本発明のさらなる態様により、本発明によるアレルゲンエキスを、1つまたは複数のアジュバント、希釈剤、防腐剤またはそれらの混合物と共に製剤化することを含む、アレルゲンワクチン剤を製造するための方法を提供する。
本発明のさらなる態様の方法により得られるワクチン剤を提供する。ワクチン剤は皮下使用または舌下使用を目的とすることができる。
アレルギー処置における、またはアレルギー処置のための医薬品の製造における、本発明によるワクチン剤の使用を提供する。
本発明のさらなる態様により、本発明のアレルゲンエキス、医薬組成物またはワクチン剤の有効量に個体を曝露するステップを含むアレルゲン感作を予防する方法を提供する。
本発明のさらなる態様により、本発明のアレルゲンエキス、医薬組成物またはワクチン剤の有効量を個体に投与するステップを含む、感作個体のアレルギーを処置する方法を提供する。アレルゲンエキス、医薬組成物またはワクチン剤は、皮下または舌下に投与することができ、用量を増加させながらまたは一定の用量で投与することができる。
個体はヒトまたは動物、好ましくはヒトとすることができる。
図1は、アレルゲンエキスの製造方法の要約を示す図である。 図2は、天然ピーナッツアレルゲンエキスのHPLC分析を示す図である。BioRad低範囲標準(レーン1)、天然エキス(レーン2)、沈殿(レーン3)、分画20(レーン4)、分画21(レーン5)、分画40(レーン6)、分画78(レーン7)、分画96(レーン8)、分画111(レーン9)。 図3は、脱色重合ピーナッツアレルゲンエキスのHPLC分析を示す図である。 図4は、脱色重合ピーナッツアレルゲンエキス残渣のHPLC分析を示す図である。BioRad低範囲標準(レーン1)、脱色重合エキス残渣(レーン2)、沈殿(3)、分画21(レーン4)、分画51(レーン5)、分画74(レーン6)、分画75(レーン7)、分画120(レーン8)。 図5は、ピーナッツアレルゲンエキス40μgのSDS PAGE分析を示す図である。STD(標準Bio−Rad低範囲)、レーン1〜4は還元条件下、レーン5〜8は非還元条件下、ピーナッツ230209/LN 天然(レーン1)、ピーナッツ230209/LD 脱色(レーン2)、ピーナッツ030309/LP 脱色/重合(レーン3)、ピーナッツ030309/LP 脱色/重合残渣(レーン4)、ピーナッツ230209/LN 天然(レーン5)、ピーナッツ230209/LD 脱色(レーン6)、030309ピーナッツ/LP 脱色/重合(レーン7)、およびピーナッツ030309/LP 脱色/重合残渣(レーン8)。 図6は、ピーナッツアレルゲンエキス40μgのIEF分析を示す図である。標準Bio−Rad IEFマーカー、pI4.45〜9.6(レーン1および2)、ピーナッツ230209/LN 天然(レーン3)、ピーナッツ230209/LD 脱色(レーン4)、ピーナッツ030309/LP 脱色/重合(レーン5)、ピーナッツ030309/LP 脱色/重合残渣(レーン6)。 図7aは、ピーナッツアレルギードナーの血清プール(希釈1/20)およびα−IgE−PO(120705、希釈1/500)を用いる、還元条件下におけるピーナッツアレルゲンエキス40μgの免疫ブロット分析を示す図である。ピーナッツ230209/LN 天然(レーン1)、ピーナッツ230209/LD 脱色(レーン2)、ピーナッツ030309/LP 脱色/重合(レーン3)、ピーナッツ030309/LP 脱色/重合残渣(レーン4)。図7bは、ピーナッツアレルギードナーの血清プール(希釈1/20)およびα−IgE−PO(120705、希釈1/500)を用いる、非還元条件下におけるピーナッツアレルゲンエキス40μgの免疫ブロット分析を示す図である。ピーナッツ230209/LN 天然(レーン1)、ピーナッツ230209/LD 脱色(レーン2)、ピーナッツ030309/LP 脱色/重合(レーン3)、ピーナッツ030309/LP 脱色/重合残渣(レーン4)。 図8は、ピーナッツアレルギードナーの血清プール(希釈1/20)およびα−IgE−PO(120705、希釈1/500)を用いる、還元条件下におけるピーナッツアレルゲンエキスの免疫ブロット阻害分析を示す図である。レーン1は対照(血清のみ)であり、レーン2〜4は、血清プールに、脱色/重合ピーナッツアレルゲンエキス800μg、エキス400μg(レーン3)およびエキス200μg(レーン4)を加えたものである。 図9は、ELISAに基づいた、ピーナッツアレルゲンエキスのIgE阻害分析を示す図である。
アレルゲンを含むエキスの調製、精製、さらなる処理および重合の方法を詳述する以下の実施例により本発明を説明する。
方法A〜Dでは、アレルゲンエキスを製造する方法を詳述し、実施例1〜8では、脱色重合アレルゲンエキスまたは脱色アレルゲンエキスの実験的特徴づけを記載する。
方法
A.アレルゲン原料の脱脂方法
脱脂エキスは、原料の性質に応じた種々の方法により得た。各アレルゲンについての方法は各実施例の中で説明している。一般には、ホモジナイズされた材料を3〜5℃にてアセトン中で脱脂し、濾過する。アセトンが透明になるまで、このステップを繰り返す。脱脂材料を回収し、アセトンがすべて除去されるまで、室温で乾燥する。
B.天然アレルゲンエキスの調製。
乾燥脱脂材料を秤量し、0.01M PBS/0.15M NaClの中に1:10の比で入れ、3〜5℃にて4時間、マグネチックスターラで撹拌しながら抽出した。その後、この溶液を4℃にて30分間、10.000r.p.m.で遠心分離した。得られた上清は収集して3〜5℃で保存し、ペレットは0.01M/NaCl 0.15Mの中で再構成(1:10)し、3〜5℃にて一晩、マグネチックスターラで撹拌しながら抽出した。この溶液を3〜5℃にて30分間、10.000r.p.mで遠心分離し、その上清を収集し、先に得られた分画と混合した。孔径0.45μmのフィルターを用いて、合体したエキスを濾過し、伝導率が1000μS/cm未満になるまで、3kDaカットオフの透析膜で徹底的に透析した。次いで、孔径0.22μmのフィルターを用いてこのエキスを濾過した。
C.脱色アレルゲンエキスの調製
3〜5℃で保持した天然エキス水溶液を、以下の手順を用いてさらに処理した。マグネチックスターラで撹拌しながら、0.1M HClを添加して、この溶液のpHを2〜2.1に調整し、この条件下で15分間保持した。その後、精製水を用いて、3.5kDaカットオフの透析膜でこのエキスを透析した。この透析は10容量の精製水に対して3〜5℃にて17時間行った。精製水は、この時間に4回交換した。温和な酸処理の後、このエキスを収集し、0.1M NaOHを用いて、pHを7.3〜7.4に調整した。最後に、0.22μmのフィルターまでエキスを滅菌濾過して凍結し、凍結乾燥した。
D.重合脱色アレルゲンエキスの調製
完全に希釈されるまでマグネチックスターラで撹拌しながら、最終濃度15mg/mlになるように、0.01M PBS/0.15M NaClの中で、凍結乾燥した脱色エキスを再構成した。重合工程は、脱色エキス1ml当たりグルタルアルデヒド0.02mlを用いて、グルタルアルデヒドを添加することからなる。自動注入器を用いて、一定速度(36ml/時間)で脱色エキスにグルタルアルデヒドを添加した。重合反応は室温で7時間持続した。溶液1ml当たりグリセリン40mgの割合でグリシンを添加して反応を停止した。マグネチックスターラで継続して撹拌しながら、3〜5℃で一晩、この反応を持続した。その後、3〜5℃にて30分間、10.000r.p.m.で溶液を遠心分離した。ペレットを除去して上清を収集し、冷却条件下で、精製水(エキス1ml当たり水16.67ml)を用いて100kDaカットオフの透析膜で徹底的に透析した。この工程は、伝導率が210μS/cm未満になった時点で終了と見なし、グルタルアルデヒドがないことをUV/可視走査により確認した。最後に、孔径0.22μmのフィルターを用いてエキスを滅菌濾過して凍結し、凍結乾燥した。
最終生成物は、凍結乾燥された脱色重合エキスからなり、凍結乾燥状態で4℃にて保存する。
免疫学的特徴づけ
タンパク質含量
天然エキス、脱色エキス、脱色/重合エキスおよび脱色/重合残渣のタンパク質含量を、製造業者の説明書に従いローリービウレット法により測定した。実施例1の一実験ロットに対する結果を表1に示す。
サイズ排除クロマトグラフィー(HPLC)
エキスの凍結乾燥試料を最終濃度1mg/mlになるように高精製水に再懸濁し、10〜15分間撹拌した。この試料を13000r.p.m.で10分間遠心分離し、その上清を自動注入用のバイアルに移した。HPLC分析には、あらかじめ水で平衡化したPL−アクアゲル−OH 60 8μm(PolymerLabs)カラムを使用した。このカラムはサイズの相違に基づいて分画する。1ml/分の流速(製造業者の推奨に従い)で試料を流した。254nmおよび280nmのUVシグナルを検出してクロマトグラムを得た。HPLC分析の結果を図2〜4に示す。
ドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳動
ドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)分析を用いて、エキスのタンパク質/抗原プロフィールを決定した。天然状態または変性状態(緩衝液はβ−メルカプトエタノールを含有し、95℃で10分間加熱した)の試料を、2.67%C、15%Tのアクリルアミドを用いるSDS−PAGEゲルに流した。各エキスの凍結乾燥物40μgをゲルにロードした。分子量が既知の参照マーカー(BioRad Laboratories,Hercules,CA,USA)を同じゲルに流した。Coomassie Brilliant Blue R−250(BioRad Laboratories)でゲルを染色した。抗原プロフィールは、スキャナ(Sharp JX−330;Sharp Electronics Corp,Mahwah,NJ)を用いて測定し、Image Master 1−D Elite v 4.00(Pharmacia Biotech,Uppsala,Sweden)を用いて分析した。図5に、Coomassie Blue染色ゲルを示すが、この図により、脱色/重合アレルゲンエキスは、非還元条件下(レーン7)で、100kDa未満の分子量を有する非重合アレルゲン/タンパク質を含まないことが示される。
等電点電気泳動
等電点電気泳動(IEF)分析を用いて、タンパク質の等電点による、エキスのタンパク質/抗原プロフィールを決定した。天然状態の試料をポリアクリルアミド電気泳動ゲルに流した。各エキスの凍結乾燥物40μgをゲルにロードした。等電点が既知の参照マーカー(BioRad Laboratories,Hercules,CA,USA)を同じゲルに流した。Coomassie Brilliant Blue R−250(BioRad Laboratories)でゲルを染色し、抗原プロフィールは、スキャナ(Sharp JX−330;Sharp Electronics Corp,Mahwah,NJ)を用いて測定し、Image Master 1−D Elite v 4.00(Pharmacia Biotech,Uppsala,Sweden)を用いて分析した。図6のレーン3〜6に、天然(レーン3)、脱色(レーン4)、脱色/重合(レーン5)および脱色/重合残渣(レーン6)の結果を示す。
免疫ブロッティング
電気泳動で分離したタンパク質は、P−Immobilon膜(Millipore,Bedford,MA)に転写した。転写後、室温で4時間、膜を乾燥した。この膜を、0.01Mリン酸緩衝生理食塩水−2%Tweenの中に希釈した血清プールと共に、一晩インキュベートした。ペルオキシダーゼ結合モノクローナル抗ヒトIgE(Ingenasa,Madrid)を用いて、2時間かけて、特異的IgE結合を検出した。アレルゲンプロフィールは、Sharp JX−330を用いて測定し、Image Master 1−D Elite v4.00を用いて分析した。図7bのレーン1〜4に、非還元条件下における、天然(レーン1)、脱色(レーン2)、脱色/重合(レーン3)および脱色/重合残渣(レーン4)の結果を示す。脱色/重合アレルゲンエキスは、100kDa未満のIgE認識バンドを示さない。図8では、ピーナッツアレルギードナーの血清プールと比較すると、重合ピーナッツアレルゲンエキスの希釈溶液を用いてIgE阻害が観察される。
IgE阻害
エキス(天然、脱色および重合)のin vitroアレルゲン活性を、ELISA阻害によって試験し、参照として天然エキスを用いて、50%阻害点を判定した。プラスチックマイクロタイタープレート(Immulon IV;Dynex Technologies,Chantilly,VA)を、天然エキス(タンパク質10μg/ml)で一晩コーティングした。天然エキス、脱色エキスおよび重合エキスから数段階希釈溶液を作製した。各希釈溶液を室温で2時間、血清プールと共にインキュベートした。その後、これらのエキス希釈溶液を、天然エキスでコーティングしたプレートに移し、2時間インキュベートした。洗浄後、抗ヒトIgEペルオキシダーゼ100μlを加え、室温で30分間静置した。洗浄後、プレートを30分間発色させ、硫酸(1N)で停止した。脱色/重合アレルゲンエキスを用いた場合に、IgE結合の最大阻害が観察される(図9)。
IgG阻害
エキス(天然、脱色および重合)のin vitroアレルゲン活性を、ELISA阻害によって試験し、参照として天然エキスを用いて、50%阻害点を判定した。プラスチックマイクロタイタープレート(Immulon II;Dynex Technologies,Chantilly,VA)を、天然エキス(タンパク質10μg/ml)で一晩コーティングした。天然エキス、脱色エキスおよび重合エキスから数段階希釈溶液を作製した。各希釈溶液を室温で2時間、血清プールと共にインキュベートした。その後、これらのエキス希釈溶液を、天然エキスでコーティングしたプレートに移し、2時間インキュベートした。洗浄後、抗ヒトIgGペルオキシダーゼ100μlを加え、室温で30分間静置した。洗浄後、プレートを30分間発色させ、硫酸(1N)で停止した。
フルオレサミン
天然エキス、脱色エキスおよび脱色重合エキス中の遊離アミノ基を測定し検出した。アレルゲン間の架橋が反応性の遊離アミノ基により媒介されるので、重合により遊離アミノ基の数は減少する。天然エキスおよび脱色エキスは25μg/ml、脱色重合エキスは1000μg/mlに調製する。2〜10mg/mlの6−アミノカプロン酸を標準として使用する。Evans溶液をすべての試料に加える。アミノ基をこの緩衝液で希釈する。その後、ホウ酸ナトリウム緩衝液(0.2M)をすべての試料に加え、ホモジナイズする。最後に、あらかじめアセトンで希釈したフルオレサミンをこの混合物に加え、励起390nmおよび発光480nmを用いて蛍光光度計で溶液を測定する。
UV/可視の走査分光測光
天然アレルゲンエキス、脱色アレルゲンエキスおよび脱色重合アレルゲンエキスを、0.01M PBSで1mg/mlに希釈する。稀釈後、200から600nmの間のλで試料を分析する。
HEPによる生物学的効力
エキス(天然および脱色)の生物活性を、REINA拮抗法により測定する。プラスチックマイクロタイタープレートを抗IgEでコーティングする。アレルギー個体からの血清プールをマイクロプレートに加え、30分間インキュベートする。試料および内部標準(IHR)をあらかじめ希釈し、ペルオキシダーゼ標識IHRと共にインキュベートする。その後、マイクロプレートを洗浄し、インキュベートした試料をマイクロプレートに加え、30分間インキュベートする。最後に、マイクロプレートを徹底的に洗浄し、クロモゲン(cromogen)と共にインキュベートする。プレートを450nmで読み取る。
マウスにおける異常毒性
欧州薬局方の規格に従い、雌マウス(NMRI系統)に、0.1mg/mlおよび1mg/ml濃度の脱色重合ピーナッツエキス1mlを注射した。投与には腹腔内注射を使用した。観察期間は7日であり、その後、体重および行動における顕著な変化は動物に観察されなかった。
実施例1−ピーナッツアレルゲンエキス
ステップA ピーナッツ原料の脱脂工程
皮を剥いたピーナッツをブレンダーの中でホモジナイズして、ホモジナイズされたスラリーを得た。スラリー1kgに対しある割合の冷アセトンを用いて、ホモジナイズされた材料を脱脂した、すなわちマグネチックスターラで撹拌しながら3〜5℃で1時間、アセトン2Lを用いて、脂質、脂肪酸および遊離フラボノイドを抽出した。得られた溶液を、ブフナー漏斗で濾過した。アセトンを除去し、エキスをフィルターに集め、新しいアセトンで2回洗浄した。集めたアセトンが透明になるまで、全工程をさらに2回繰り返した。この工程を終了した後、脱脂ピーナッツエキスを集め、この材料が完全に乾燥しアセトンがすべて除去されるまで、ラミナーフローフードの下で室温にて乾燥した。
方法ステップB〜Dにより、脱色重合ピーナッツアレルゲンエキスを得た。
ピーナッツアレルゲンエキスの特徴づけ
脱色重合ピーナッツアレルゲンエキス生成物は、以下の規格を満たさなければならない。
a.水に可溶な生成物であること、
b.100kDa未満の分子量を有する非重合アレルゲン/タンパク質を含まないこと(非還元条件のSDS−PAGEによるバンドとして同定)、
c.100kDa未満の分子量を有するIgE認識バンドを含まないこと(非還元条件の免疫ブロッティングによる同定)、
d.100kDa未満の分子量を有する重合分子を含まないこと(HPLCを用いるサイズ排除クロマトグラフィーによる測定)、
e.天然エキスに対して、遊離アミノ基が減少(75%)していること(フルオレサミン法による測定)、
f.天然アレルゲンエキスに対して、生物学的効力が低下(95%)していること(感作個体に由来する血清の特定プールを用いる、IgE ELISA阻害実験による測定)、
g.マウスにおいて異常毒性がないこと。
脱色/重合残渣を含むペレットは、天然エキス、脱色エキスおよび脱色/重合エキスの特徴づけにおける対照として利用した(表1および2を参照のこと)。
Figure 2017226687
実施例2−ブタクサアレルゲンエキス(アンブロシア・アルテミシイフォリア(Ambrosia artemisiifolia))
ステップA アレルゲン原料の脱脂工程
受粉後ブタクサから採取したブタクサ花粉を、3〜5℃にて3時間、撹拌を継続しながら、1:4(w/v)の割合の冷アセトンで脱脂する。得られた溶液をブフナー漏斗で濾過し、新しいアセトンで少なくとも3回洗浄した。この工程を終了した後、脱脂エキスを集め、この材料が完全に乾燥しアセトンがすべて除去されるまで、ラミナーフローフードの下で室温にて12時間乾燥した。
方法ステップB〜Dにより、脱色重合ブタクサ(アンブロシア・アルテミシイフォリア(Ambrosia artemisiifolia))を得た。ステップ3で0.1M HClを添加することにより、溶液のpHを4〜4.1に調整する。
最終生成物は、凍結乾燥された脱色重合ブタクサエキスからなり、凍結乾燥状態で4℃にて保存する。得られた生成物は、以下の規格を満たさなければならない。
a.水に可溶な生成物であること、
b.100kDa未満の分子量を有する非重合アレルゲン/タンパク質を含まないこと(非還元条件のSDS−PAGEによるバンドとして同定)、
c.100kDa未満の分子量を有するIgE認識バンドを含まないこと(非還元条件の免疫ブロットによる同定)、
d.100kDa未満の分子量を有する重合分子を含まないこと(HPLCを用いるサイズ排除クロマトグラフィーによる測定)、
e.天然エキスに対して、遊離アミノ基が減少(75%)していること(フルオレサミン法による測定)、
f.天然エキスに対して、生物学的効力が顕著に低下していること(感作個体に由来する血清の特定プールを用いる、IgE ELISA阻害実験による測定)、
g.主要アレルゲンAmb a 1が検出されること、モノクローナル抗体、
h.マウスにおいて異常毒性がないこと。
主要アレルゲン含量
主要アレルゲンAmb a 1含量は、Indoor Biotechキット(INDOOR Biotechnologies Inc.Charlottesville,Virginia,USA)を用いて測定する。抗Amb a 1ポリクローナルIgG抗体をコーティングする(1mg/mlで調製したバイアルから1:1000)。標準曲線は、Amb a 1活性2.5U/mlを含有する米国FDA(Amb a 1のための放射免疫拡散リファレンス、30U Amb a 1/mlを含有するC14−RAS)ブタクサエキスに対して定量化および標準化したものを用いて作成する。二次抗体は、ショートブタクサアレルゲンに対して産生されたウサギポリクローナルIgGビオチン化抗体からなる。天然試料および脱色試料を500ng/mlに希釈する。これらの値を用いて、重合エキス中の主要アレルゲン含量を計算する。
脱色/重合残渣を含むペレットは、天然エキス、脱色エキスおよび脱色/重合エキスの特徴づけにおける対照として利用した(表3aおよび3bを参照のこと)。
Figure 2017226687
Figure 2017226687
実施例3−花粉アレルゲンエキス(オリーブ(Olea euopaea))
受粉後オリーブ(Olea europaea)の樹木から採取したオリーブ(Olea europaea)花粉を、3〜5℃にて3時間、撹拌を継続しながら、1:4(w/v)の割合の冷アセトンで脱脂する。得られた溶液をブフナー漏斗で濾過し、新しいアセトンで少なくとも3回洗浄した。この工程を終了した後、脱脂エキスを集め、この材料が完全に乾燥しアセトンがすべて除去されるまで、ラミナーフローフードの下で室温にて12時間乾燥した。
方法ステップB〜Dにより、脱色花粉アレルゲンエキスを得た。
最終生成物は、凍結乾燥された脱色エキスからなり、凍結乾燥状態で4℃にて保存する。得られた生成物は、以下の規格を満たさなければならない。
a.水に可溶な生成物であること、
b.2次元SDS−PAGEで測定した場合、天然エキスと同様のタンパク質プロフィールであること、
c.免疫ブロットで測定した場合、天然エキスと同様のアレルゲンプロフィールであること、
d.天然エキスと同様のタンパク質含量であること、
e.天然エキスと同様の主要アレルゲン含量であること、
f.天然エキスと同様の生物活性であること。
Figure 2017226687
実施例4−花粉アレルゲンエキス(ヒカゲミズ(Parietaria judaica))
受粉後ヒカケミズ(Parietaria judaica)から採取したヒカゲミズ(Parietaria judaica)花粉を、3〜5℃にて3時間、撹拌を継続しながら、1:4(w/v)の割合の冷アセトンで脱脂する。得られた溶液をブフナー漏斗で濾過し、新しいアセトンで少なくとも3回洗浄した。この工程を終了した後、脱脂エキスを集め、この材料が完全に乾燥しアセトンがすべて除去されるまで、ラミナーフローフードの下で室温にて12時間乾燥した。
方法ステップBにより、脱色花粉アレルゲンエキスを得た。
最終生成物は、凍結乾燥された脱色エキスからなり、凍結乾燥状態で4℃にて保存する。得られた生成物は、以下の規格を満たさなければならない。
a.水に可溶な生成物であること、
b.2次元SDS−PAGEで測定した場合、天然エキスと同様のタンパク質プロフィールであること、
c.免疫ブロットで測定した場合、天然エキスと同様のアレルゲンプロフィールであること、
d.天然エキスと同様のタンパク質含量であること、
e.天然エキスと同様の主要アレルゲン含量であること、
f.天然エキスと同様の生物活性であること。
Figure 2017226687
実施例5−ダニアレルゲンエキス(ヤケヒョウヒダニ(Dermatophagoides pteronyssinus))
ダニアレルゲンエキスは、ヤケヒョウヒダニ(Dermatophagoides pteronyssinus)の成熟培養物から方法ステップBにより得た。
最終生成物は、凍結乾燥された脱色エキスからなり、凍結乾燥状態で4℃にて保存する。得られた生成物は、以下の規格を満たさなければならない。
a.水に可溶な生成物であること、
b.2次元SDS−PAGEで測定した場合、天然エキスと同様のタンパク質プロフィールであること、
c.免疫ブロットで測定した場合、天然エキスと同様のアレルゲンプロフィールであること、
d.天然エキスと同様のタンパク質含量であること、
e.天然エキスと同様の主要アレルゲン含量であること、
f.天然エキスと同様の生物活性であること。
主要アレルゲン含量
ヤケヒョウヒダニ(D.pteronyssinus)における主要アレルゲン含量(Der p 1およびDer p 2)をIndoor Biotechキットを用いて測定する。抗Der p 1および/または抗Der p 2のモノクローナルIgG抗体をポリスチレンマイクロタイターウェル(NUNC Maxisorp)にコーティングする(Der p 1については1mg/ml、Der p 2については2mg/mlで調製したバイアルから1:1000)。標準曲線は、定量化および標準化されたユニバーサル標準(2500ng/mlのDer p 1および1000ng/mlのDer p 2を含有するWHO/IUISヤケヒョウヒダニ(D.pteronyssinus)リファレンスに対してサブ標準化された)を用いて作成する。対照曲線の希釈溶液は、Der p 1については250〜0.49ng/ml、Der p 2については100〜0.2ng/mlである。ダニ試料は通常2倍希釈である。プレートを洗浄した後、希釈アレルゲン標準および試料を100μl加え、室温で1時間インキュベートする。プレートを洗浄した後、1/1000希釈の二次抗体(ビオチン化モノクローナルIgG抗体)を100μl加え、室温で1時間インキュベートする。プレートを洗浄した後、1/1000希釈のストレプトアビジンペルオキシダーゼを100μl加え、室温で30分間インキュベートする。最後に、プレートを洗浄し、1/1000希釈の30%H2O2(すなわち10μl/10ml ABTS)を含有する70mMクエン酸リン酸緩衝液、pH4.2中の1mM ABTSを100μl加えて発色させ、405nmの光学密度が2.0〜2.4に到達したとき読み取る。
Figure 2017226687
実施例6−ブタクサアレルゲンエキス(アシ(Phragmites communis))
受粉後アシ(Phragmites communis)から採取したアシ(Phragmites communis)花粉を、3〜5℃にて3時間、撹拌を継続しながら、1:4(w/v)の割合の冷アセトンで脱脂する。得られた溶液をブフナー漏斗で濾過し、新しいアセトンで少なくとも3回洗浄した。この工程を終了した後、脱脂エキスを集め、この材料が完全に乾燥しアセトンがすべて除去されるまで、ラミナーフローフードの下で室温にて12時間乾燥した。
方法ステップB〜Dにより、脱色重合アシ(Phragmites)アレルゲンエキスを得た。
ステップDでは、重合工程は、エキス1ml当たりグルタルアルデヒド0.015mlの割合を用いて、グルタルアルデヒドを添加することからなる。
最終生成物は、凍結乾燥された脱色重合アシエキスからなり、凍結乾燥状態で4℃にて保存する。得られた生成物は、以下の規格を満たさなければならない。
a.水に可溶な生成物であること、
b.100kDa未満の分子量を有する非重合アレルゲン/タンパク質を含まないこと(非還元条件のSDS−PAGEによるバンドとして同定)、
c.100kDa未満の分子量を有するIgE認識バンドを含まないこと(非還元条件の免疫ブロットによる同定)、
d.100kDa未満の分子量を有する重合分子を含まないこと(HPLCを用いるサイズ排除クロマトグラフィーによる測定)、
e.天然エキスに対して、遊離アミノ基が減少(75%)していること(フルオレサミン法による測定)、
f.天然エキスに対して、生物学的効力が顕著に低下していること(感作個体に由来する血清の特定プールを用いる、IgE ELISA阻害実験による測定)、
g.マウスにおいて異常毒性がないこと。
脱色/重合残渣を含むペレットは、天然エキス、脱色エキスおよび脱色/重合エキスの特徴づけにおける対照として利用した(表7aおよび7bを参照のこと)。
Figure 2017226687
Figure 2017226687
実施例7ネコ上皮アレルゲンエキス
ネコの毛を、3〜5℃にて7時間にわたり毎時5分間撹拌した後、1:40(w/v)の割合の冷アセトンで脱脂する。脱脂は、撹拌せずに少なくとも16時間継続した。得られた溶液をブフナー漏斗で濾過し、フレークを保持した。ネコの毛を、室温で1時間、同じアセトンで再度脱脂し、これを2回繰り返した。得られたフレークを集め、この材料が完全に乾燥しアセトンがすべて除去されるまで、ラミナーフローフードの下で室温にて15時間乾燥した。
ステップBでは、ネコの毛から得られた乾燥脱脂皮膚フレーク材料を秤量し、1:40の割合でPBS 0.01M/NaCl 0.15Mの中に入れ、3〜5℃で4時間、マグネチックスターラで撹拌しながら抽出する。
方法ステップB〜Dにより、脱色重合ネコアレルゲンエキスを得た。
最終生成物は、凍結乾燥された脱色重合ネコ上皮エキスからなり、凍結乾燥状態で4℃にて保存する。得られた生成物は、以下の規格を満たさなければならない。
a.水に可溶な生成物であること、
b.天然エキスに対して、遊離アミノ基が減少(75%)していること(フルオレサミン法による測定)、
c.天然エキスに対して、生物学的効力が顕著に低下していること(感作個体に由来する血清の特定プールを用いる、IgE REINA拮抗実験による測定)、
d.主要アレルゲンFel d 1が検出されること、モノクローナル抗体、
e.マウスにおいて異常毒性がないこと。
主要アレルゲン含量
主要アレルゲンFel d 1含量はIndoor Biotechキットを用いて測定する。抗Amb a 1モノクローナルIgG1抗体をコーティングする(1mg/mlで調製したバイアルから1:1000)。標準曲線は、1000ng Fel d 1/mlを含有するユニバーサルアレルゲン標準を用いて作成する。二次抗体は、ネコ上皮アレルゲンに対して産生されたモノクローナル抗体IgG1ビオチン化抗体からなる。天然試料および脱色試料を250ng/mlに希釈する。これらの値を用いて、重合エキス中の主要アレルゲン含量を計算する。
脱色/重合残渣を含むペレットは、天然エキス、脱色エキスおよび脱色/重合エキスの特徴づけにおける対照として利用した(表8を参照のこと)。
Figure 2017226687
実施例8オオアワガエリ(Phleum pratense)アレルゲンエキス
受粉後オオアワガエリ(Phleum pratense)から採取したオオアワガエリ(Phleum pratense)花粉を、3〜5℃にて3時間、撹拌を継続しながら、1:4(w/v)の割合の冷アセトンで脱脂する。得られた溶液をブフナー漏斗で濾過し、新しいアセトンで少なくとも3回洗浄した。この工程を終了した後、脱脂ピーナッツエキスを集め、この材料が完全に乾燥しアセトンがすべて除去されるまで、ラミナーフローフードの下で室温にて12時間乾燥した。
方法ステップB〜Dにより、脱色重合オオアワガエリ(Phleum pratense)アレルゲンエキスを得た。
ステップDでは、重合工程は、エキス1ml当たりグルタルアルデヒド0.009mlの割合を用いて、グルタルアルデヒドを添加することからなる。
最終生成物は、凍結乾燥された脱色重合オオアワガエリ(Phleum pratense)エキスからなり、凍結乾燥状態で4℃にて保存する。得られた生成物は、以下の規格を満たさなければならない。
a.水に可溶な生成物であること、
b.100kDa未満の分子量を有する非重合アレルゲン/タンパク質を含まないこと(非還元条件のSDS−PAGEによるバンドとして同定)、
c.100kDa未満の分子量を有するIgE認識バンドを含まないこと(非還元条件の免疫ブロットによる同定)、
d.100kDa未満の分子量を有する重合分子を含まないこと(HPLCを用いるサイズ排除クロマトグラフィーによる測定)、
e.天然エキスに対して、遊離アミノ基が減少(75%)していること(フルオレサミン法による測定)、
f.天然エキスに対して、生物学的効力が顕著に低下していること(感作個体に由来する血清の特定プールを用いる、IgE ELISA阻害実験による測定)、
g.マウスにおいて異常毒性がないこと。
主要アレルゲン含量
主要アレルゲンPhl p 5含量は、Indoor Biotechキットを用いて測定する。抗Phl p 5モノクローナルIgG1抗体をコーティングする(2mg/mlで調製したバイアルから1:1000)。標準曲線は組換えPhl p 5aを用いて作成する。二次抗体は、オオアワガエリ(Phleum pratense)アレルゲンに対して産生されたモノクローナル抗体IgG1ビオチン化抗体からなる。天然試料および脱色試料を250ng/mlに希釈する。これらの値を用いて、重合エキス中の主要アレルゲン含量を計算する。
脱色/重合残渣を含むペレットは、天然エキス、脱色エキスおよび脱色/重合エキスの特徴づけにおける対照として利用した(表9を参照のこと)。
Figure 2017226687
参照文献
1.Vickery, B., Burks, W. Immunotherapy in the treatment of food allergy: focus oral tolerance. Curr. Opin. Allergy Clin. Immunol. 2009; 9:364−370.
2.King, R.M., Knibb, R.C., and Hourihane, J.O.B. Impact of peanut allergy on quality of life, stress and anxiety in the family. Allergy 2009; 64: 461−468.
3.Enrique, E., Pineda, F., Malek, T., Bartra, J., Basagana, M., Tella, R., Castello, J.V., Alonso, R., de Mateo, J.A., Cerda−Trias, T., San Miguel−Moncin Mdel, M., Monzon, S., Garcia, M., Palacios, R., Cistero−Bahima, A. Sublingual immunotherapy for hazelnut food allergy: a randomized, double−blind, placebo−controlled study with a standardized hazelnut extract. J. Allergy Clin. Immunol. 2005;116(5):1073−9.
4.Fernandez−Rivas, M., Garrido Fernandez, S., Nadal, J.A., Diaz de Durana, M.D., Garcia, B.E., Gonzalez−Mancebo, E., Martin, S., Barber, D., Rico, P., Tabar, A.I. Randomized double−blind, placebo−controlled trial of sublingual immunotherapy with a Pru p 3 quantified peach extract. Allergy. 2009; 64(6):876−83.
5.Hofmann, A.M., Scurlock, A.M., Jones, S.M., Palmer, K.P., Lokhnygina, Y., Steele, P.H., Kamilaris, J., Burks, A.W. Safety of a peanut oral immunotherapy protocol in children with peanut allergy. J. Allergy Clin. Immunol. 2009 May 26.
6.Jones, S.M., Pons, L., Roberts, J.L., Scurlock, A.M., Perry, T.T., Kulis, M., Shreffler, W.G., Steele, P., Henry, K.A., Adair, M., Francis, J.M., Durham, S., Vickery, B.P., Zhong, X., Burks, A.W. Clinical efficacy and immune regulation with peanut oral immunotherapy. J. Allergy. Clin. Immunol. 2009 Aug; 124(2):292−300, 300.
7.Clark, A.T., Islam, S., King, Y. Successful oral tolerance induction in severe peanut allergy. Allergy 2009 Aug; 64(8):1218−20.
8.Wallace DV. Pet dander and perennial allergic rhinitis: therapeutic options. Allergy Asthma Proc. 2009 Nov−Dec; 30(6):573−83.
9.Ling M, Long AA Pet dander and difficult−to−control asthma: Therapeutic options. Allergy Asthma Proc. 2010 Sep; 31(5):385−91.
10.Groenlund H, Saarne T, Gafvelin G, van Hage M. The major cat allergen, Fel d 1, in diagnosis and therapy. Int Arch Allergy Immunol. 2010;151(4):265−74. Epub 2009 Oct 22. Review.
参照ウェブサイト
. Allergen nomenclature. International Union of Immunological Societies Allergen Nomenclature Sub−Committee. List last update 21 of July 2009.
Figure 2017226687

Claims (16)

  1. アレルゲンエキスを製造する方法であって、
    a)供給源材料を液体抽出剤と接触させて、液相に溶解した脂質を含む混合物ならびにアレルゲンおよびタンパク質を含む供給源材料残渣からなる固相を生成するステップと、
    b)前記混合物を第1の分離ステップに供して、前記供給源材料残渣を単離するステップと、
    c)前記供給源材料残渣をアレルゲン抽出剤と接触させて、液相に溶解したアレルゲンの混合物および非アレルギー性残渣からなる固相を生成するステップと、
    d)前記混合物を第2の分離ステップに供して、液層に溶解した前記アレルゲンを単離し、粗アレルゲンエキスを生成するステップと、
    e)前記粗アレルゲンエキスを低分子画分除去ステップに供して、3.5kDa未満の分子サイズを有する分子を除去するステップと、
    f)前記アレルゲンエキスが3〜5℃にて1000μS/cm未満の伝導率になるまで、ステップe)を実行して、精製された天然アレルゲンエキスを得るステップと
    を含む方法。
  2. 請求項1に記載の方法において、前記伝導率が3〜5℃にて500μS/cm未満になるまで、前記低分子画分除去ステップが継続されることを特徴とする方法。
  3. 請求項1または2に記載の方法において、
    g)前記天然アレルゲンエキスをpH2〜3.0に酸性化して、前記酸性化したエキスを5〜30分間維持した後、前記エキスを低分子画分除去ステップに供して、3.5kDa未満の分子サイズを有する分子を除去し、pHを7.0〜8.0に調節して脱色アレルゲンエキスを生成するステップ
    を含むさらなる処理ステップをさらに含むことを特徴とする方法。
  4. 請求項3に記載の方法において、前記天然アレルゲンエキスが、pH2〜2.1に酸性化されることを特徴とする方法。
  5. 請求項3に記載の方法において、前記天然アレルゲンエキスが、pH2.0〜4.0に酸性化されることを特徴とする方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法において、
    h)天然アレルゲンエキスまたは脱色アレルゲンエキスをグルタルアルデヒドまたはホルムアルデヒドと接触させるステップと、
    i)前記エキスを分子画分除去ステップに供して、100kDa未満の分子サイズを有する分子を除去するステップと、
    j)前記アレルゲンエキスの伝導率が3〜5℃にて210μS/cm未満になるまで、かつ/またはUVまたは可視走査により測定した場合にグルタルアルデヒドがなくなるまでステップi)を実行して、脱色重合アレルゲンエキスを得るステップと
    を含む重合ステップをさらに含むことを特徴とする方法。
  7. 請求項のいずれか一項に記載の方法により得られる天然アレルゲンエキス。
  8. 請求項3または4に記載の方法により得られる脱色アレルゲンエキス。
  9. 請求項5に記載の方法により得られる脱色重合アレルゲンエキス。
  10. 請求項6〜8のいずれか一項に記載のアレルゲンエキスにおいて、前記供給源材料が、食物アレルゲン、ピーナッツ、全ピーナッツ、空気媒介アレルゲン(例えば、花粉(樹木の花粉、雑草の花粉、草の花粉、穀草の花粉)、チリダニ、菌類、カビ)、ダニ、草、樹木および雑草のアレルゲン、上皮アレルゲン(動物の毛、動物の鱗屑、例えば、ネコの毛および鱗屑、イヌの毛および鱗屑)、ならびに昆虫アレルゲン(例えば、ゴキブリ、ノミ、ミツバチおよびスズメバチの毒)を含むものから選択されることを特徴とするアレルゲンエキス。
  11. 請求項9に記載のアレルゲンエキスにおいて、前記供給源材料が、食物アレルゲン(アラキス・ヒポゲア(Arachis hypogeal))、花粉(セイヨウヤマハンノキ(Alnus glutinosa)、シラカバ(Betula alba)、セイヨウハシバミ(Corylus avellana)、アリゾナイトスギ(Cupressus arizonica)、オリーブ(Olea europea)、プラタナス(Platanus)種、ギョウギシバ(Cynodon dactylon)、カモガヤ(Dactylis glomerata)、ヒロハノウシノケグサ(Festuca elatior)、シラゲガヤ(Holcus lanatus)、ホソムギ(Lolium perenne)、オオアワガエリ(Phleum pratense)、アシ(Phragmites communis)、ナガハグサ(Poa pratensis)、ブタクサ(Ambrosia elatior)、オウシュウヨモギ(Artemisia vulgaris)、アカザ(Chenopodium album)、ヒカゲミズ(Parietaria judaica)、ヘラオオバコ(Plantago lanceolata)、オカヒジキ(Salsola kali)、マカラスムギ(Avena sativa)、オオムギ(Hordeum vulgare)、ライムギ(Secale cereal)、コムギ(Triticum aestivum)、トウモロコシ(Zea mays))、チリダニ(アシブトコナダニ(Acarus siro)、ネッタイタマニクダニ(Blomia tropicalis)、コナヒョウヒダニ(Dermatophagoides farinae)、デルマトファゴイデス・ミクロセラス(Dermatophagoides microceras)、ヤケヒョウヒダニ(Dermatophagoidespteronyssinus)、ユーログリファス・マイネイ(Euroglyphus maynei)、レピドグリファス・デストラクター(lepidoglyphus destructor)、ケナガコナダニ(Tyrophagus putrescentiae))、菌類およびカビ(アルテルナリア・アルテルナート(Alternaria alternate)、クラドスポリウム・ヘルバラム(Cladosporium herbarum)、アスペルギルス・フミガーツス(Aspergillusfumigatus))、上皮アレルゲン(ネコの毛および鱗屑、イヌの毛および鱗屑、ウマの毛および鱗屑、ヒトの毛および鱗屑、ウサギの毛および鱗屑、ならびに羽毛)、昆虫アレルゲン(アリ、ノミ、ダニ、ゴキブリ、スズメバチ毒およびミツバチ毒)から選択されることを特徴とするアレルゲンエキス。
  12. 請求項9に記載のアレルゲンエキスにおいて、前記供給源材料が、ピーナッツ(アラキス・ヒポゲア(Arachis hypogea))、花粉(オリーブ(Olea europaea)、ヒカゲミズ(Parietaria judaica)、アシ(Phragmites communis)およびオオアワガエリ(Phleum pratense))、ダニ(ヤケヒョウヒダニ(Dermatophagoides pteronyssinus))、ならびに上皮(ネコの鱗屑)から選択されることを特徴とするアレルゲンエキス。
  13. 請求項12に記載のアレルゲンエキスにおいて、前記供給源材料が、アラキス・ヒポゲア(Arachis hypogea)であることを特徴とするアレルゲンエキス。
  14. アレルギー処置に使用するための、請求項6〜13のいずれか一項に記載のアレルゲンエキス。
  15. 請求項12〜14のいずれか一項に記載のアレルゲンエキスを含む医薬組成物。
  16. 請求項6〜13のいずれか一項に記載のアレルゲンエキスを含むワクチン剤。
JP2017151921A 2010-02-12 2017-08-04 アレルゲンエキスを製造するための方法 Pending JP2017226687A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
ESP201030199 2010-02-12
ES201030199 2010-02-12

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016046766A Division JP6646480B2 (ja) 2010-02-12 2016-03-10 アレルゲンエキスを製造するための方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2017226687A true JP2017226687A (ja) 2017-12-28

Family

ID=43760024

Family Applications (3)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012552413A Active JP5969922B2 (ja) 2010-02-12 2011-02-11 アレルゲンエキスを製造するための方法
JP2016046766A Active JP6646480B2 (ja) 2010-02-12 2016-03-10 アレルゲンエキスを製造するための方法
JP2017151921A Pending JP2017226687A (ja) 2010-02-12 2017-08-04 アレルゲンエキスを製造するための方法

Family Applications Before (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012552413A Active JP5969922B2 (ja) 2010-02-12 2011-02-11 アレルゲンエキスを製造するための方法
JP2016046766A Active JP6646480B2 (ja) 2010-02-12 2016-03-10 アレルゲンエキスを製造するための方法

Country Status (17)

Country Link
US (3) US9884111B2 (ja)
EP (2) EP2533808B1 (ja)
JP (3) JP5969922B2 (ja)
CN (2) CN102821785B (ja)
AU (1) AU2011214316B2 (ja)
BR (1) BR112012019848B1 (ja)
CA (2) CA2789174C (ja)
CL (1) CL2012002246A1 (ja)
CO (1) CO6602140A2 (ja)
EC (1) ECSP12012102A (ja)
ES (2) ES2395093T3 (ja)
MX (1) MX2012009267A (ja)
PE (1) PE20130044A1 (ja)
PL (2) PL2853271T3 (ja)
PT (2) PT2853271T (ja)
RU (2) RU2572230C2 (ja)
WO (1) WO2011098569A1 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
MX2012009267A (es) 2010-02-12 2013-02-07 Leti Sl Lab Proceso para producir un extracto alergenico.
EP2875828B8 (en) * 2012-07-20 2019-07-24 Diater, Laboratorio de Diagnóstico y Aplicaciones Terapéuticas, S.A. Composition for intradermal administration of allergoids
CN104447943A (zh) * 2014-11-21 2015-03-25 浙江我武生物科技股份有限公司 一种提取狗毛皮屑变应原的方法
US20210085782A1 (en) * 2017-07-31 2021-03-25 Laboratorios Leti S.L. Unipersonal Veterinary product
US11408895B1 (en) 2018-04-09 2022-08-09 Hob Biotech Group Corp., Ltd. Allergen characterization, potent allergen product formulation, comprehensive allergen reagent, and allergy assay
EP3911343A1 (en) * 2019-01-17 2021-11-24 Leti Pharma S.L. Methods of purifying an allergen extract
CN113817037A (zh) * 2021-10-29 2021-12-21 南昌大学 一种从生腰果中制备高纯度致敏原Ana o 3的方法

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58126816A (ja) * 1982-01-06 1983-07-28 ビ−チヤム・グル−プ・ピ−エルシ− 改質されたアレルゲン、その製法及びそれを含む医薬組成物
JPH02138130A (ja) * 1988-11-04 1990-05-28 Corporacion Biolog Farmaceut Sa Cbf Sa 重合されたアレルゲンの製造方法
JPH08504187A (ja) * 1992-09-21 1996-05-07 ラボラトリオス レティ ソシエダッド アノニマ アレルゲンとして活性なタンパク質を含有する水性エキスの精製方法,この方法で得られるエキスならびにそれらの使用
JP2016145235A (ja) * 2010-02-12 2016-08-12 ラボラトリオス レティ, エセ.エレ.Laboratorios Leti, S.L. アレルゲンエキスを製造するための方法

Family Cites Families (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US2463740A (en) 1946-03-29 1949-03-08 Raymond S Burnett Preparation of peanut protein free from peanut skin pigment
GB1283989A (en) * 1969-12-15 1972-08-02 Omega Lab Ltd Allergenic extracts and method for their preparation
US4234569A (en) * 1978-10-04 1980-11-18 The Johns Hopkins University Production of aldehyde-treated allergen-containing substances
JPS5645417A (en) * 1979-09-19 1981-04-25 Mochida Pharmaceut Co Ltd Pharmaceutical composition having antiallergic activity
US4716120A (en) * 1983-03-17 1987-12-29 Minnesota Mining And Manufacturing Company Stable allergenic extracts and methods
EP0582672A4 (en) * 1991-04-26 1994-06-29 Emanuel Calenoff Methods to detect and treat diseases caused by bacterial allergens
DE122005000034I1 (de) 1992-09-21 2005-10-20 Leti Lab Verfahren zur Reinigung von waessrigen Extrakten, die allergenische Proteine enthalten, so erhalteneExtrakte und ihre Verwendung.
US20030170763A1 (en) * 2001-02-05 2003-09-11 Buchanan Bob B. Ragweed allergens
WO2002072615A1 (fr) * 2001-03-09 2002-09-19 Chugai Seiyaku Kabushiki Kaisha Methode de purification de proteines
RU2205661C2 (ru) * 2001-07-13 2003-06-10 Петров Рем Викторович Аллерготропин для лечения полинозов и способ лечения полинозов
CN1430052A (zh) * 2001-12-31 2003-07-16 合富生化科技股份有限公司 过敏原检测芯片
FR2841906B1 (fr) * 2002-07-05 2006-08-18 Stallergenes Sa Molecule d'acide nucleique codant une preproproteine d'allergene d'un acarien du genre dermatophagoides ou euroglyphus et son utilisation pour la production dudit allergene dans les plantes
BRPI0406470A (pt) * 2003-01-09 2005-12-06 Genentech Inc Método para a purificação de polipeptìdeo heterólogo e caldo ou homogeneizado de fermentação
DK1440979T3 (da) * 2003-01-21 2005-12-19 Biomay Prod & Handel Fremgangsmåde til fremstillingen af hypoallergene mosaikproteiner
EP1834649A1 (en) 2006-03-14 2007-09-19 Alk-Abello A/S Method of developing a process for producing an allergen extract
EP1834648B1 (en) * 2006-03-14 2013-07-31 Alk-Abelló A/S Process for producing an allergen extract
US7887821B2 (en) * 2007-12-20 2011-02-15 Alk-Abello A/S Process for producing an allergen extract

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58126816A (ja) * 1982-01-06 1983-07-28 ビ−チヤム・グル−プ・ピ−エルシ− 改質されたアレルゲン、その製法及びそれを含む医薬組成物
JPH02138130A (ja) * 1988-11-04 1990-05-28 Corporacion Biolog Farmaceut Sa Cbf Sa 重合されたアレルゲンの製造方法
JPH08504187A (ja) * 1992-09-21 1996-05-07 ラボラトリオス レティ ソシエダッド アノニマ アレルゲンとして活性なタンパク質を含有する水性エキスの精製方法,この方法で得られるエキスならびにそれらの使用
JP2016145235A (ja) * 2010-02-12 2016-08-12 ラボラトリオス レティ, エセ.エレ.Laboratorios Leti, S.L. アレルゲンエキスを製造するための方法

Non-Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
JOURNAL OF AGRICULTURAL FOOD CHEMISTRY, vol. 52, no. 14, JPN6016047997, 2004, pages 4541 - 4545, ISSN: 0004034584 *
JOURNAL OF ALLERGY AND CLINICAL IMMUNOLOGY, vol. 124, no. 2, JPN6015003418, 2009, pages 292 - 300, ISSN: 0004034582 *
JOURNAL OF ALLERGY AND CLINICAL IMMUNOLOGY, vol. Vol.75,No.1,Part 2, JPN6015003419, 1985, pages 177, ISSN: 0004034583 *
日本耳鼻咽喉科学会会報, vol. 90, no. 11, JPN6015003417, 1987, pages 1812 - 1822, ISSN: 0004034581 *

Also Published As

Publication number Publication date
CA2789174C (en) 2021-08-24
CO6602140A2 (es) 2013-01-18
JP2013519656A (ja) 2013-05-30
RU2706685C2 (ru) 2019-11-20
PE20130044A1 (es) 2013-02-14
RU2012134032A (ru) 2014-03-20
CN102821785B (zh) 2014-12-10
CL2012002246A1 (es) 2013-05-24
BR112012019848A2 (pt) 2020-07-07
WO2011098569A9 (en) 2012-03-15
PT2533808E (pt) 2014-11-28
PT2853271T (pt) 2018-07-09
US9884111B2 (en) 2018-02-06
ES2395093T1 (es) 2013-02-08
MX2012009267A (es) 2013-02-07
AU2011214316B2 (en) 2015-07-02
US20180200362A1 (en) 2018-07-19
RU2572230C2 (ru) 2015-12-27
JP6646480B2 (ja) 2020-02-14
ECSP12012102A (es) 2013-04-30
CN102821785A (zh) 2012-12-12
CA3060638A1 (en) 2011-08-18
RU2015149538A3 (ja) 2019-05-08
ES2676058T3 (es) 2018-07-16
CN104371016A (zh) 2015-02-25
BR112012019848B1 (pt) 2022-03-15
CA2789174A1 (en) 2011-08-18
EP2853271A1 (en) 2015-04-01
EP2533808B1 (en) 2014-08-20
JP5969922B2 (ja) 2016-08-17
PL2853271T3 (pl) 2018-09-28
JP2016145235A (ja) 2016-08-12
ES2395093T3 (es) 2014-12-22
CN104371016B (zh) 2018-05-15
US20180200363A1 (en) 2018-07-19
EP2853271B1 (en) 2018-04-04
EP2533808A1 (en) 2012-12-19
US20150306211A1 (en) 2015-10-29
US11246923B2 (en) 2022-02-15
RU2015149538A (ru) 2019-01-15
AU2011214316A1 (en) 2012-08-16
PL2533808T3 (pl) 2015-03-31
WO2011098569A1 (en) 2011-08-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6646480B2 (ja) アレルゲンエキスを製造するための方法
JP6029803B2 (ja) 加水分解アレルゲンの製造方法
JP6042600B2 (ja) 免疫療法と診断を目的としてピキア・パストリスにおいて“天然様”アレルゲンとして発現する組み換えDerp2
US9522939B2 (en) Hypoallergenic chimeric proteins belonging to the lipid transfer family of Parietaria judaica for use in the treatment of allergies
RU2809823C2 (ru) Способы очистки экстракта аллергена
US20220110983A1 (en) Methods of purifying an allergen extract

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170904

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170904

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180605

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20180822

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20190521