JP2017226613A - 塩基性線維芽細胞増殖因子産生促進剤 - Google Patents

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【課題】塩基性線維芽細胞増殖因子の産生を促進させる、皮膚潰瘍治療剤、皮膚創傷治癒剤、口腔用歯周組織再生剤、歯周病予防改善剤、及びこれらを含有する食品組成物を提供する。【解決手段】オオムギを含有する塩基性線維芽細胞増殖因子産生促進剤を提供する。塩基性線維芽細胞増殖因子の産生を促進させることで、皮膚潰瘍治療効果、皮膚創傷治癒効果、口腔用歯周組織再生効果、歯周病予防改善効果が得られる。また、請求項に示す用途で食品組成物としても利用できる。【選択図】なし

Description

本発明は、オオムギを含有する塩基性線維芽細胞増殖因子(以下、bFGFという。)産生促進剤に関する。より詳しくは、オオムギを含有する皮膚潰瘍治療剤、皮膚創傷治癒剤、口腔用歯周組織再生剤、歯周病予防改善剤、及びこれらを含有する食品組成物に関する。
塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF、basic Fibroblast Growth Factor)は、FGF−2とも呼ばれ、成長因子ファミリーの一つで、多種の作用を持つたんぱく質であり、血管形成、傷治癒,胎児の発育等に関係する成長因子であることが知られている(特許文献1)。加えて、血管内皮細胞の増殖作用、線維芽細胞の増殖作用、創傷治癒、創傷治癒時の肉芽組織を作る作用等が知られている。さらに、中枢神経系の発達に重要な役割を果たし、脳(海馬)内の神経形成、シナプスの柔軟性、記憶、学習プロセス等に関係していると考えられている。
bFGFは発生、器官形成、生体の恒常性維持等、非常に幅広い生理活性を有するため、各分野において、bFGFに着目した疾患の治療方法が提案されている。例えば、皮膚分野において、創傷治癒を目的とした皮膚再生や皮膚潰瘍の治療に、bFGFを有効成分として配合した治療剤が発売されている(科研製薬株式会社:フィブラストスプレー)。また、骨疾患治療剤としての利用も提案されている(特許文献2)。
また、口腔分野においては、歯周病患者に対して、手術時にbFGFを歯肉に直接投与する臨床治験が試みられ、歯周組織再生誘導薬として、その効果性が明らかになりつつある(非特許文献1)。
以上のことから、bFGFは、皮膚や歯肉の再生、あるいは皮膚創傷や皮膚潰瘍の治療に重要である。これまでに、bFGFを有効成分とする皮膚化粧料(特許文献3)、骨疾患治療剤(特許文献2)等、bFGFを有効成分として配合した化粧料や治療剤が提案されている。しかし、bFGF自体が非常に高額であることから、日常的に、安価に使用できないのが現状である。そこで、化粧料や治療剤に直接bFGFを配合するのではなく、本発明で示す様に、治療部位に存在する細胞に働きかけて、細胞のbFGF産生能を促進させることで効果を発揮する成分が求められていた。細胞のbFGF産生を促進する成分を含有することで、安価な医薬品、化粧料、医薬部外品、食品を提供することが可能となる。
特開2012−158573号公報 特開平05−124975号公報 特開平05−043442号公報
村上,日歯周誌,54,38−45,2012
本発明は、オオムギを含有するbFGF産生促進剤、より詳しくは、オオムギを含有する皮膚潰瘍治療剤、皮膚創傷治癒剤、口腔用歯周組織再生剤、歯周病予防改善剤、及びこれらを含有する食品組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意研究した結果、イネ科オオムギ属に属するオオムギにbFGF産生促進作用があることを見出した。bFGFの産生を促進することで、皮膚潰瘍治療剤、皮膚創傷治癒剤、口腔用歯周組織再生剤、歯周病予防改善剤、及びこれらを含有する食品組成物として利用できることから本発明を完成するに至った。
本発明に用いるオオムギ(Hordeum vulgare L.)は、イネ科オオムギ属に属し、主に北半球と南米の温帯及び南アフリカに広く分布する一年草あるいは多年草のイネ科の植物である。オオムギは、穂の形状の違いから、二条オオムギ、四条オオムギ、六条オオムギ、裸オオムギ、野生オオムギ等に分類されるが、いずれも本発明に用いることができる。また、例えば頴や頴果が紫色、黒色、白色(有色ではない)等のオオムギを用いることもできる。場合によっては、茎や葉も有色であるオオムギも本発明に用いることができる。使用するオオムギの部位は、特に限定されないが、例えば、植物体全体、器官(花、葉、茎、根、樹皮、果実、果皮、種子もしくは発芽種子又はこれらの混合物等)等が挙げられ、特に茎、葉及び種子を使用することが好ましい。
本発明は、オオムギの植物体そのもの、あるいはオオムギの部位や器官をそのまま用いても良く、乾燥、粉砕、細切等の処理を行ったものでも良い。また、溶媒での抽出物を用いても良い。抽出には、オオムギの植物体そのもの、あるいはオオムギの部位や器官をそのまま用いても良く、乾燥、粉砕、細切等の処理を行ってから抽出を行っても良い。抽出する溶媒としては、例えば、水、低級アルコール類(メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール等)、液状多価アルコール類(1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)、アセトニトリル、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル等)、炭化水素類(ヘキサン、ヘプタン等)、エーテル類(エチルエーテル、テトラヒドロフラン、プロピルエーテル等)が挙げられる。これらの溶媒は、1種又は2種以上を混合して用いても良い。好ましくは、水、低級アルコール等の極性溶媒が良く、特に好ましくは、水である。
上記抽出物は、抽出した溶液のまま用いても良く、必要に応じて、濃縮、希釈、濾過、活性炭等による脱色、脱臭、エタノール沈殿等の処理をして用いても良い。さらには、抽出した溶液を濃縮乾固、噴霧乾燥、凍結乾燥等の処理を行い、乾燥物として用いても良い。
上記抽出物の含有量は、外用剤の場合、特に限定されないが、0.00001〜10重量%、より好ましくは0.0001〜1重量%、特に好ましくは0.0001〜0.1重量%である。口腔用歯周組織再生剤、歯周病予防改善剤、食品組成物など口腔用を含む内服剤の場合は、形態、使用目的、年齢、体重等によって異なるが、抽出物の1日当りの使用量として、0.1〜1000μgが好ましい。上記範囲より少ない量で十分な場合もあるし、また、範囲を超えて含有する必要がある場合もある。
本発明は、医薬品、医薬部外品、化粧品、食品に用いることができる。製剤形態は種々のものを選択でき、例えば、化粧水、クリーム、乳液、ローション、ヘアクリーム、ヘアコンディショナー、ヘアジェル、ヘアミスト、ヘアフォーム、シャンプー、リンス、浴用剤、ファンデーション、パック、打粉、口紅、軟膏、パップ剤、ペースト剤、プラスター剤、エッセンス、散剤、丸剤、錠剤、注射剤、坐剤、乳剤、カプセル剤、顆粒剤、液剤(チンキ剤、流エキス剤、酒精剤、懸濁剤、リモナーデ剤等を含む)等が挙げられる。また、口腔用としては、例えば、練歯磨き、洗口液、トローチ等が挙げられる。さらに、飲料、タブレット、飴、ガム等の食品の形態を採用することもできる。
本発明には、上記抽出物をそのまま使用しても良く、抽出物の効果を損なわない範囲内において、医薬品、医薬部外品、化粧品、食品に用いられる他の成分を含有することもできる。他の成分としては、固体、液体、半固体でも良く、例えば、研磨剤、発泡剤、湿潤剤、保湿剤、結合剤、他の薬効成分等を含有することができる。さらに、ビタミン、ミネラル、アミノ酸等の他に、乳糖、デンプン、セルロース、マルチトール、デキストリン等の賦形剤、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等の界面活性剤、ゼラチン、プルラン、シェラック、ツェイン等の被膜剤、小麦胚芽油、米胚芽油、サフラワー油等の油脂類、ミツロウ、米糠ロウ、カルナウバロウ等のワックス類、ショ糖、ブドウ糖、果糖、ステビア、サッカリン、スクラロース等の甘味料、並びにクエン酸、リンゴ酸、グルコン酸等の酸味料等を適宜含有することができる。
本発明は、オオムギがbFGF産生促進作用を発揮することで、皮膚潰瘍治療作用、皮膚創傷治癒作用、口腔用歯周組織再生作用及び歯周病予防改善作用を有する。
本発明を詳細に説明するため実施例を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。実施例に示す含有量の%は重量%を示す。
以下に、オオムギを用いた溶媒抽出物の製造例を示す。
製造例1 オオムギの熱水抽出物
オオムギの種子の破砕物25gに精製水500mLを加え、95〜100℃で2時間抽出した。ろ液を減圧下で濃縮し、凍結乾燥することでオオムギの熱水抽出物2.1gを得た。
製造例2 オオムギの50%エタノール抽出物
オオムギの種子の破砕物25gに50(v/v)%エタノール500mLを加え、常温で5日間抽出した。ろ液を減圧下で濃縮乾固してオオムギの50%エタノール抽出物を0.9g得た。
製造例3 オオムギのエタノール抽出物
オオムギの種子の破砕物100gにエタノール1Lを加え、常温で7日間抽出した。ろ液を減圧下で濃縮乾固して、オオムギのエタノール抽出物を3.1g得た。
処方例1 化粧水
処方 含有量(%)
1.オオムギの熱水抽出物(製造例1) 0.001
2.1,3−ブチレングリコール 8.0
3.グリセリン 2.0
4.キサンタンガム 0.02
5.クエン酸 0.01
6.クエン酸ナトリウム 0.1
7.エタノール 5.0
8.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
9.ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(40E.O.) 0.1
10.香料 適量
11.精製水にて全量を100とする
[製造方法]成分1〜6及び11と、成分7〜10をそれぞれ均一に溶解し、両者を混合し濾過して製品とする。
処方例2 クリーム
処方 含有量(%)
1.オオムギの50%エタノール抽出物(製造例2) 0.01
2.スクワラン 5.5
3.オリーブ油 3.0
4.ステアリン酸 2.0
5.ミツロウ 2.0
6.ミリスチン酸オクチルドデシル 3.5
7.ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.O.) 3.0
8.ベヘニルアルコール 1.5
9.モノステアリン酸グリセリン 2.5
10.香料 0.1
11.パラオキシ安息香酸メチル 0.25
12.1,3−ブチレングリコール 8.5
13.精製水にて全量を100とする
[製造方法]成分2〜9を加熱溶解して混合し、70℃に保ち油相とする。成分1及び11〜13を加熱溶解して混合し、75℃に保ち水相とする。油相に水相を加えて乳化して、かき混ぜながら冷却し、45℃で成分10を加え、更に30℃まで冷却して製品とする。
処方例3 乳液
処方 含有量(%)
1.オオムギのエタノール抽出物(製造例3) 0.0001
2.スクワラン 5.0
3.オリーブ油 5.0
4.ホホバ油 5.0
5.セタノール 1.5
6.モノステアリン酸グリセリン 2.0
7.ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.O.) 3.0
8.ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート(20E.O.) 2.0
9.香料 0.1
10.プロピレングリコール 1.0
11.グリセリン 2.0
12.パラオキシ安息香酸メチル 0.2
13.精製水にて全量を100とする
[製造方法]成分2〜8を加熱溶解して混合し、70℃に保ち油相とする。成分1及び10〜13を加熱溶解して混合し、75℃に保ち水相とする。油相に水相を加えて乳化して、かき混ぜながら冷却し、45℃で成分9を加え、更に30℃まで冷却して製品とする。
処方例4 パック
処方 含有量(%)
1.オオムギのエタノール抽出物(製造例3) 0.0001
2.ポリビニルアルコール 12.0
3.エタノール 5.0
4.1,3−ブチレングリコール 8.0
5.パラオキシ安息香酸メチル 0.2
6.ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(20E.O.) 0.5
7.クエン酸 0.1
8.クエン酸ナトリウム 0.3
9.香料 適量
10.精製水にて全量を100とする
[製造方法]成分1〜10を均一に溶解し製品とする。
処方例5 ファンデーション
処方 含有量(%)
1.オオムギの熱水抽出物(製造例1) 0.01
2.ステアリン酸 2.4
3.ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート(20E.O.) 1.0
4.ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.O.) 2.0
5.セタノール 1.0
6.液状ラノリン 2.0
7.流動パラフィン 3.0
8.ミリスチン酸イソプロピル 6.5
9.カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.1
10.ベントナイト 0.5
11.プロピレングリコール 4.0
12.トリエタノールアミン 1.1
13.パラオキシ安息香酸メチル 0.2
14.二酸化チタン 8.0
15.タルク 4.0
16.ベンガラ 1.0
17.黄酸化鉄 2.0
18.香料 適量
19.精製水にて全量を100とする
[製造方法]成分2〜8を加熱溶解し、80℃に保ち油相とする。成分19に成分9をよく膨潤させ、続いて、成分1及び10〜13を加えて均一に混合する。これに粉砕機で粉砕混合した成分14〜17を加え、ホモミキサーで撹拌し75℃に保ち水相とする。この油相に水相をかき混ぜながら加え、乳化する。その後冷却し、45℃で成分18を加え、かき混ぜながら30℃まで冷却して製品とする。
処方例6 浴用剤
処方 含有量(%)
1.オオムギの50%エタノール抽出物(製造例2) 0.1
2.炭酸水素ナトリウム 50.0
3.黄色202号(1) 適量
4.香料 適量
5.硫酸ナトリウムにて全量を100とする
[製造方法]成分1〜5を均一に混合し製品とする。
処方例7 練歯磨き1
処方 含有量(%)
1.リン酸水素カルシウム 42.0
2.ラウリル硫酸ナトリウム 1.2
3.オオムギの熱水抽出物(製造例1) 0.0001
4.グリセリン 18.0
5.カラギーナン 0.9
6.サッカリンナトリウム 1.0
7.グルコン酸クロルヘキシジン 0.1
8.香料 0.1
9.パラオキシ安息香酸エチル 0.1
10.水にて全量を100とする
[製造方法]成分3〜10をよく混合した後、成分1〜2を加えて練和し、脱泡後チューブに充填して練歯磨きを得た。1回に1g、1日3回使用する。
処方例8 練歯磨き2
処方 含有量(%)
1.炭酸カルシウム 42.0
2.ラウリル硫酸ナトリウム 1.2
3.オオムギの熱水抽出物(製造例1) 0.00001
4.グリセリン 18.0
5.カラギーナン 0.9
6.サッカリンナトリウム 1.0
7.香料 0.1
8.パラオキシ安息香酸エチル 0.1
9.水にて全量を100とする
[製造方法]成分3〜9をよく混合した後、成分1〜2を加えて練和し、脱泡後チューブに充填して練歯磨きを得た。1回に1g、1日3回使用する。
処方例9 洗口液
処方 含有量(%)
1.エタノール 20.0
2.グリセリン 10.0
3.オオムギの50%エタノール抽出物(製造例2) 0.001
4.サッカリンナトリウム 0.1
5.香料 0.1
6.ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(60E.O.) 1.5
7.パラオキシ安息香酸エチル 0.1
8.水にて全量を100とする
[製造方法]成分8に成分2〜7を溶解した後、成分1を加えて洗口液を得た。1回に10mL、1日3回使用する。
処方例10 粒チューインガム
処方 含有量(%)
1.オオムギの熱水抽出物(製造例1) 0.001
2.ガムベース 全量が100となる様に加える
3.キシリトール 10.0
4.スクラロース 0.01
5.アスパルテーム 0.01
6.香料 1.0
[製造方法]成分1〜6を混合し、混練し、成形してチューインガムを得た。1粒2.2g、1日9粒摂取する。
以下に、実施例1で示した製造例1〜3のオオムギの抽出物を用いた、bFGF産生促進効果の実験例とその結果を示す。
実験例1 皮膚線維芽細胞におけるbFGF産生促進効果
24wellプレートに、ヒト皮膚線維芽細胞(Riken RBC CELL BANKより購入)を播種し、製造例1〜3のオオムギ抽出物を最終濃度が100μg/mLとなるように添加し、培養を行った。培養後、培養上清を回収し、培養上清中のbFGF濃度をHuman bFGF ELISA Kit(RayBiotech社製)を用いて測定することにより、皮膚線維芽細胞におけるbFGF産生促進効果を評価した。陽性対象として、一般的に線維芽細胞の増殖促進因子として使用されるTGFβ1 10ng/mL(Pepro Tech社製)を用い、比較対象とした。
試験結果を表1に示した。その結果、全ての抽出物に皮膚線維芽細胞に対する、顕著なbFGF産生促進効果が認められた。また、いずれの抽出物においても、陽性対象のTGFβ1よりも高い効果を示した。
実験例2 歯肉線維芽細胞におけるbFGF産生促進効果
24wellプレートに、ヒト歯肉線維芽細胞(ScienCell社製)を播種し、製造例1〜3のオオムギ抽出物を最終濃度が100μg/mLとなるように添加し、培養を行った。培養後、培養上清を回収し、培養上清中のbFGF濃度をHuman bFGF ELISA Kit(RayBiotech社製)を用いて測定することにより、歯肉線維芽細胞におけるbFGF産生促進効果を評価した。陽性対象として、一般的に線維芽細胞の増殖促進因子として使用されるTGFβ1 10ng/mL(Pepro Tech社製)を用い、比較対象とした。
試験結果を表2に示した。その結果、全ての抽出物に歯肉線維芽細胞に対する、顕著なbFGF産生促進効果が認められた。また、いずれの抽出物においても、陽性対象のTGFβ1よりも高い効果を示した。
オオムギの抽出物は、皮膚線維芽細胞及び歯肉線維芽細胞におけるbFGFの産生を促進することが明らかとなった。以上の作用を有することで、皮膚潰瘍治療剤、皮膚創傷治癒剤、口腔用歯周組織再生剤、歯周病予防改善剤、及びこれらを含有する食品組成物に利用することができる。また、皮膚分野と口腔分野への適用の他にも、bFGFの産生促進が寄与する各種医療分野においても、オオムギの有用性は当然期待できる。
本発明は、bFGF産生促進効果を有することから、皮膚潰瘍治療、皮膚創傷治癒、歯周組織再生、歯周病予防改善を目的とした医薬品、医薬部外品、化粧品、食品に利用できる。また、これらの産業分野において、安価な製剤を提供することが可能となる。

Claims (10)

  1. オオムギを含有することを特徴とするbFGF産生促進剤。
  2. オオムギを含有することを特徴とする皮膚潰瘍治療剤。
  3. オオムギを含有することを特徴とする皮膚創傷治癒剤。
  4. オオムギを含有することを特徴とする口腔用歯周組織再生剤。
  5. オオムギを含有することを特徴とする歯周病予防改善剤。
  6. オオムギを含有することを特徴とするbFGF産生促進用食品組成物。
  7. オオムギを含有することを特徴とする皮膚潰瘍治療用食品組成物。
  8. オオムギを含有することを特徴とする皮膚創傷治癒用食品組成物。
  9. オオムギを含有することを特徴とする口腔用歯周組織再生用食品組成物。
  10. オオムギを含有することを特徴とする歯周病予防改善用食品組成物。
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