JP6646408B2 - セラミド産生促進剤 - Google Patents

セラミド産生促進剤 Download PDF

Info

Publication number
JP6646408B2
JP6646408B2 JP2015220149A JP2015220149A JP6646408B2 JP 6646408 B2 JP6646408 B2 JP 6646408B2 JP 2015220149 A JP2015220149 A JP 2015220149A JP 2015220149 A JP2015220149 A JP 2015220149A JP 6646408 B2 JP6646408 B2 JP 6646408B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
extract
ceramide
canna
hair
production
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015220149A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017088539A (ja
Inventor
祐子 村上
祐子 村上
田中 浩
浩 田中
愛実 幅
愛実 幅
山羽 宏行
宏行 山羽
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Menard Cosmetic Co Ltd
Original Assignee
Nippon Menard Cosmetic Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Menard Cosmetic Co Ltd filed Critical Nippon Menard Cosmetic Co Ltd
Priority to JP2015220149A priority Critical patent/JP6646408B2/ja
Publication of JP2017088539A publication Critical patent/JP2017088539A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6646408B2 publication Critical patent/JP6646408B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Description

本発明は、カンナの抽出物を含有することを特徴とするセラミド産生促進剤、並びに該セラミド産生促進剤を含む医薬品、医薬部外品、化粧品及び飲食品等の各種組成物に関するものである。
セラミドは、スフィンゴ脂質の一種であり、スフィンゴシンと脂肪酸がアミド結合した化合物群の総称である。セラミドは、細胞膜において高濃度で存在することが知られている。又、セラミドは、角質細胞間脂質の構成成分の一種であり、角化の過程において細胞外に分泌され、皮膚のバリア機能や水分保持能に重要な役割を果たしている。更に、セラミドは、シグナル伝達物質として、細胞の増殖、分化及びアポトーシス等を制御することが知られている。
近年、生体内において、セラミドが皮膚のバリア機能や水分保持能以外にも様々な機能を担っていることが明らかになってきた。例えば、セラミドに毛髪のハリ若しくはコシを付与する作用があることが報告されている(特許文献1)。
毛髪は、キューティクル(毛表皮)と細胞膜複合体(cell membrane complex:CMC)を含むキューティクル領域、コルテックス(毛皮質)とCMCを含むコルテックス領域、メデュラ(毛髄質)を含む3層から成り立っている。CMCの主な成分はセラミドであり、毛髪内部に水分を蓄えたり、キューティクルを接着させたりすることによって、毛髪にハリ若しくはコシを付与する役割を担っている。CMCは、加齢、熱、紫外線等によるダメージによって減少し、それが毛髪のハリ若しくはコシの低下を招く原因と考えられている(非特許文献1)。そのため、毛髪のハリ若しくはコシを回復するには、CMCを構成しているセラミド等を補充する必要がある。
従来、セラミド産生促進剤としては、例えば、ユーカリ(特許文献2)、ゲンクワニン(特許文献3)、センキュウ抽出物(特許文献4)、スフィンゴイド類(特許文献5)、ダイオウ(特許文献6)が知られている。
カンナは、カンナ(Canna)科カンナ(Canna)属に属する多年草で、地下に根茎(球根)を作る。カンナには多くの園芸品種があり、主に鑑賞用に用いられるが、これまで、抗炎症作用(特許文献7)、エストロゲン様作用(特許文献8)、ホルモン補充療法効果促進作用(特許文献9)、皮脂合成抑制作用(特許文献10)があることが知られている。しかしながら、これまでに、カンナにセラミド産生促進を介した毛髪のハリ若しくはコシを付与する効果について、何ら知られていない。
特開平10−152421 特開2000−169359 特開2004−161648 特開2010−150237 特開2012−92032 特開2014−74074 特開平4−270224 特開2007−191452 特開2011−111390 特開2015−124188
Masukawa et al,Lipids,41(2),197−205(2006)
本発明は、セラミドの産生を促進することにより、毛髪のCMC内に存在するセラミドの増加を介して、毛髪内部に水分を蓄えたり、キューティクルを接着させたりして、毛髪にハリ若しくはコシを付与することができる、セラミド産生促進剤を提供することである。
本発明者らは、上記課題の解決に向け鋭意検討を行った結果、カンナの抽出物が優れたセラミド産生促進作用を有すること、それにより毛髪のCMC内に存在するセラミドの生成を介して毛髪にハリ若しくはコシを付与することを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、以下の発明を包含する。
(1)カンナの抽出物を含有することを特徴とするセラミド産生促進剤。
(2)(1)記載の剤を含む、毛髪のハリ若しくはコシの付与用皮膚外用組成物。
(3)皮膚外用組成物が医薬品又は医薬部外品である、(2)記載の皮膚外用組成物。
(4)皮膚外用組成物が化粧品である、(2)記載の皮膚外用組成物。
(5)(1)記載の剤を含む、毛髪のハリ若しくはコシの付与用飲食品。
(6)飲食品が健康食品、機能性食品、特定保健用食品又は栄養補助食品である、(5)記載の飲食品。
本発明のカンナの抽出物は、セラミド産生促進効果に優れていた。この抽出物を含有することを特徴とするセラミド産生促進剤は、毛髪のCMC内に存在するセラミドの生成を高め、毛髪にハリ若しくはコシを付与する。又、本発明のセラミド産生促進剤は、作用が緩和な植物の抽出物を有効成分とすることから、副作用がなく安全性が高い。よって、医薬品、医薬部外品、化粧品、飲食品に安心して使用できる。
本発明でいうカンナには、ハナカンナ(Canna generalis Bailey)、ダンドク(Canna indica L. var. orientalis Hook. fil.)及びその種間雑種或いは属間雑種等カンナ科に含まれる植物が挙げられ、ハナカンナやその種間雑種等は市販されている品種を、そして、ダンドクは九州等に自生するものを利用することができる。
本発明に用いるカンナの抽出物とは、植物体の葉、茎、花、実、根茎等の植物体の一部又は全草から抽出したものである。好ましくは、植物体の根茎から抽出して得られるものが良い。又、抽出には、これらの植物体をそのまま使用しても良く、乾燥、粉砕、細切等の処理を行っても良い。
本発明のカンナの抽出方法は、特に限定されず、例えば、加熱抽出したものであっても良いし、常温又は低温で抽出したものであっても良い。抽出する溶媒としては、例えば、水、低級アルコール類(メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール等)、液状多価アルコール(1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)、アセトニトリル、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル等)、炭化水素類(ヘキサン、ヘプタン、流動パラフィン等)、エーテル類(エチルエーテル、テトラヒドロフラン、プロピルエーテル等)が挙げられる。好ましくは、水、低級アルコール及び液状多価アルコール等の極性溶媒が良く、特に好ましくは、水、エタノール、1,3−ブチレングリコール及びプロピレングリコールが良い。これらの溶媒は、1種でも2種以上を混合して用いても良い。
上記抽出物は抽出した溶液のまま用いても良く、必要に応じて濃縮、希釈、濾過、活性炭等による脱色、脱臭等の処理をして用いても良い。又、抽出した溶液を濃縮乾固、噴霧乾燥、凍結乾燥等の処理を行い、乾燥物として用いても良いし、カラム精製等を行い、有効成分を濃縮したり単離したりしてから用いても良い。本発明で用いるカンナは天然由来の植物であり、カンナから抽出される成分は多様な構造の化合物が多数同時に存在する混合物である。従って、含有する成分の構造又は特性を全て明らかにすることは困難であり、抽出物として扱うことが好ましい。
本発明における「セラミド産生促進」とは、皮膚の角質細胞間や毛髪のCMC内に存在するスフィンゴ脂質であるセラミドの産生促進をいうが、セラミド産生に関わる酵素の活性亢進をも包含する。
毛髪は、中心のメデュラ、その周りを取り囲むコルテックス、そして表面を覆うキューティクルの3層から成る。この3つの層を繋ぐCMCはセラミドや脂肪酸等で構成されており、毛髪内部に水分を蓄えたり、キューティクルを接着させて成分の流出を防いだりすることで、毛髪にハリ若しくはコシを付与する役割を担っている。従って、本発明に用いるカンナの抽出物は、セラミド産生を促進する作用を介して、毛髪にハリ若しくはコシを付与することができる。
本発明のセラミド産生促進剤を生体内に投与する場合は、そのまま投与することも可能であるが、本発明の効果を損なわない範囲で適当な添加物と共に皮膚外用組成物に含有して提供することが好ましい。本発明の皮膚外用組成物には、医薬品、医薬部外品、化粧品等が含まれる。
本発明のセラミド産生促進剤を医薬品に含有する場合は、薬理学的及び製剤学的に許容し得る添加物と混合し、患部に適用するのに適した製剤形態の各種製剤に製剤化することができる。薬理学的及び製剤学的に許容し得る添加物としては、その剤形、用途に応じて賦形剤、増粘剤、等張化剤、pH調節剤、安定化剤、防腐剤、保存剤、分散剤、乳化剤、ゲル化剤、色素、香料等を用いることができる。本発明の医薬品に適した形態は外用製剤であり、例えば、軟膏剤、クリーム剤、ゲル剤、液剤、貼付剤等が挙げられる。軟膏剤は、均質な半固形状の外用製剤をいい、油脂性軟膏、乳剤性軟膏、水溶性軟膏を含む。ゲル剤は、水不溶性成分の抱水化合物を水性液に懸濁した外用製剤をいう。液剤は、液状の外用製剤をいい、ローション剤、懸濁剤、乳剤、リニメント剤等を含む。
本発明のセラミド産生促進剤を医薬部外品や化粧品に含有する場合は、その剤形は、水溶液系、可溶化系、乳化系、粉末系、粉末分散系、油液系、ゲル系、軟膏系、エアゾール系、水−油2層系又は水−油−粉末3層系等のいずれでも良い。又、当該医薬部外品や化粧品は、セラミド産生促進剤と共に、皮膚外用組成物において通常使用されている各種成分、添加剤、基剤等をその種類に応じて選択し、適宜含有し、当分野で公知の手法に従って製造することができる。その形態は、液状、乳液状、クリーム状、ゲル状、ペースト状、スプレー状等のいずれであっても良い。含有成分としては、例えば、油脂類(オリーブ油、ヤシ油、月見草油、ホホバ油、ヒマシ油、硬化ヒマシ油等)、ロウ類(ラノリン、ミツロウ、カルナウバロウ等)、炭化水素類(流動パラフィン、スクワレン、スクワラン、ワセリン等)、脂肪酸類(ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸等)、高級アルコール類(ミリスチルアルコール、セタノール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等)、エステル類(ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、トリオクタン酸グリセリン、ミリスチン酸オクチルドデシル、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸ステアリル等)、有機酸類(クエン酸、乳酸、α-ヒドロキシ酢酸、ピロリドンカルボン酸等)、糖類(マルチトール、ソルビトール、キシロビオース、N-アセチル-D-グルコサミン等)、蛋白質及び蛋白質の加水分解物、アミノ酸類及びその塩、ビタミン類、植物・動物抽出成分、種々の界面活性剤、保湿剤、紫外線吸収剤、抗酸化剤、安定化剤、防腐剤、殺菌剤、香料等が挙げられる。
化粧品や医薬部外品の種類としては、例えば、化粧水、乳液、ジェル、美容液、一般クリーム、日焼け止めクリーム、パック、マスク、洗顔料、化粧石鹸、ファンデーション、おしろい、浴用剤、ボディローション、ボディシャンプー、ヘアシャンプー、ヘアコンディショナー、頭皮用ローション、頭皮用クリーム、ヘアトニック、育毛剤等が挙げられる。
本発明の皮膚外用組成物におけるセラミド産生促進剤の含有量は、皮膚の角質細胞間や毛髪のCMC内に存在するスフィンゴ脂質であるセラミドの産生促進作用を発揮できる量である限り特に限定はされないが、例えば、カンナの抽出物の乾燥固形物重量として0.00001〜10重量%が好ましく、0.0001〜1重量%がより好ましい。上記の量はあくまで例示であって、組成物の種類や形態、一般的な使用量、効能・効果及びコスト等を考慮して適宜設定・調整すれば良い。
又、本発明のセラミド産生促進剤は、飲食品にも含有できる。本発明において、飲食品とは、健康食品、機能性食品、栄養補助食品又は特定保健用食品を含む意味で用いられる。飲食品の形態は、食用に適した形態、例えば、固形状、液状、顆粒状、粒状、粉末状、カプセル状、クリーム状、ペースト状のいずれであっても良い。
飲食品の種類としては、パン類、麺類、菓子類、乳製品、水産・畜産加工食品、油脂及び油脂加工食品、調味料、各種飲料(清涼飲料、炭酸飲料、美容ドリンク、栄養飲料、果実飲料、乳飲料等)、該飲料の濃縮原液及び調整用粉末等が挙げられるが、これらに限定はされない。
本発明の飲食品は、その種類に応じて通常使用される添加物を適宜含有しても良い。添加物としては、食品衛生上許容され得る添加物であればいずれも使用できるが、例えば、ブドウ糖、ショ糖、果糖、異性化液糖、アスパルテーム、ステビア等の甘味料;クエン酸、リンゴ酸、酒石酸等の酸味料;デキストリン、澱粉等の賦形剤;結合剤、希釈剤、香料、着色料、緩衝剤、増粘剤、ゲル化剤、安定剤、保存剤、乳化剤、分散剤、懸濁化剤、防腐剤等が挙げられる。
本発明の飲食品におけるカンナの抽出物の含有量は、皮膚や毛髪におけるセラミド産生促進作用を発揮できる量であれば良いが、対象飲食品の一般的な摂取量、飲食品の形態、効能・効果、呈味性、嗜好性及びコスト等を考慮して適宜設定すれば良い。
次に、本発明を詳細に説明するため、具体的な実施例を挙げて説明する。これらの実施例は効果を具体的に説明するもので、発明の範囲を限定するものではない。実施例中の含有量は重量%である。
[実施例1]
カンナの抽出物を、以下の通りに製造した。
(製造例1)ハナカンナ根茎の熱水抽出物の調製
ハナカンナ(根茎の乾燥品)100gに精製水を2L加え、90〜100℃で2時間抽出した後、濾過し、その濾液を濃縮し、凍結乾燥してハナカンナ根茎の熱水抽出物1.5gを得た。
(製造例2)ハナカンナ根茎の50%エタノール抽出物の調製
ハナカンナ(根茎の乾燥品)100gに50%エタノール水溶液を2L加え、室温で1週間抽出した後、濾過し、その濾液を減圧濃縮し、凍結乾燥してハナカンナ根茎の50%エタノール抽出物1.3gを得た。
(製造例3)ハナカンナ根茎のエタノール抽出物の調製
ハナカンナ(根茎の乾燥品)100gにエタノールを2L加え、室温で1週間抽出した後、濾過し、その濾液を減圧濃縮し、凍結乾燥してハナカンナ根茎のエタノール抽出物0.9gを得た。
(製造例4)ハナカンナ全草の熱水抽出物の調製
ハナカンナ(全草の乾燥品)100gに精製水を2L加え、90〜100℃で2時間抽出した後、濾過し、その濾液を濃縮し、凍結乾燥してハナカンナ全草の熱水抽出物1.7gを得た。
(製造例5)ハナカンナ全草の50%エタノール抽出物の調製
ハナカンナ(全草の乾燥品)100gに50%エタノール水溶液を2L加え、室温で1週間抽出した後、濾過し、その濾液を減圧濃縮し、凍結乾燥してハナカンナ全草の50%エタノール抽出物1.2gを得た。
(製造例6)ハナカンナ全草のエタノール抽出物の調製
ハナカンナ(全草の乾燥品)100gにエタノールを2L加え、室温で1週間抽出した後、濾過し、その濾液を減圧濃縮し、凍結乾燥してハナカンナ全草のエタノール抽出物0.7gを得た。
(比較製造例1)ジオウの熱水抽出物の調製
ジオウ100gに精製水を2L加え、90〜100℃で2時間抽出した後、濾過し、その濾液を濃縮し、凍結乾燥してジオウの熱水抽出物9.2gを得た。
[実施例2]
ハナカンナの抽出物の効果の評価実験を、以下の通りに行った。
(試験例1)ケラチノサイトにおけるセラミド産生促進効果の評価
実施例1で製造したハナカンナの抽出物(製造例1〜6)及びジオウの抽出物(比較製造例1)のセラミド産生に及ぼす影響を、セラミド生成の律速酵素であるセリンパルミトイル転移酵素(serine palmitoyltransferase:SPT)のmRNA発現量を指標に評価した。具体的方法について、以下に記載する。
ケラチノサイト由来HaCaT細胞を6cmシャーレに1×10個播種し、10%FBSを含むDMEM培養液にて、37℃、5%CO条件下で4日間培養した。次に、各試料(最終濃度10および100μg/mL)を添加したDMEM培養液にて、24時間培養した後、総RNAの抽出を行った。細胞からの総RNAの抽出はTRIZOL Reagent(Invitrogen)を用いて行い、総RNA量は分光光度計(NanoDrop)を用いて260nmにおける吸光度により求めた。mRNA発現量の測定は、細胞から抽出した総RNAを基にしてリアルタイムRT−PCR法により行った。リアルタイムRT−PCR法には、SuperScriptIII Platinum Two−Step qRT−PCR Kit with SYBR Green(Invitrogen)を用いた。即ち、500ngの総RNAを逆転写反応後、PCR反応(95℃:15秒間、60℃:30秒間、40cycles)を行った。その他の操作は定められた方法に従い、SPT mRNAの発現量を、内部標準であるβ−アクチン mRNAの発現量に対する割合として求めた。SPT発現量は、コントロールのSPT mRNAの発現量に対する試料添加群のSPT mRNAの発現量の比率として算出した。尚、SPT及びβ−アクチン用のプライマーは、以下に示したものを使用した。
SPT用のプライマーセット
TGGTCACGGTGGAACAAACA(配列番号1)
GCCTGGGCTACCTCCTTGA(配列番号2)
β−アクチン用のプライマーセット
CACTCTTCCAGCCTTCCTTCC(配列番号3)
GTGTTGGCGTACAGGTCTTTG(配列番号4)
これらの試験結果を表1及び2に示した。その結果、ハナカンナの抽出物(製造例1〜6)の全てに、顕著なセラミド産生促進効果が認められた。その効果は、根茎の方が全草よりも良く、又、エタノール抽出物の方が熱水抽出物よりも良かった。
[実施例3]製品の処方例
製造例1〜6で製造したハナカンナの抽出物を含有した製品の処方例を以下に示す。
(処方例1)ローション
処方 含有量(重量%)
1.ハナカンナの抽出物 0.1
2.1,3−ブチレングリコール 8.0
3.グリセリン 2.0
4.キサンタンガム 0.02
5.クエン酸 0.01
6.クエン酸ナトリウム 0.1
7.エタノール 5.0
8.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
9.ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(40E.O.) 0.1
10.香料 0.1
11.精製水 残量
[製造方法]成分1〜6及び11と、成分7〜10をそれぞれ均一に溶解した後、両者を混合し濾過しローションを調製する。
(処方例2)クリーム
処方 含有量(重量%)
1.ハナカンナの抽出物 0.1
2.スクワラン 5.5
3.オリーブ油 3.0
4.ステアリン酸 2.0
5.ミツロウ 2.0
6.ミリスチン酸オクチルドデシル 3.5
7.ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.O.) 3.0
8.ベヘニルアルコール 1.5
9.モノステアリン酸グリセリン 2.5
10.香料 0.1
11.パラオキシ安息香酸メチル 0.2
12.パラオキシ安息香酸エチル 0.05
13.1,3−ブチレングリコール 8.5
14.精製水 残量
[製造方法]成分2〜9を加熱溶解して混合し、70℃に保ち油相とする。成分1及び11〜14を加熱溶解して混合し、75℃に保ち水相とする。次いで、油相に水相を加えて乳化して、かき混ぜながら冷却し、45℃で成分10を加え、更に30℃まで冷却して製品とする。
(処方例3)乳液
処方 含有量(重量%)
1.ハナカンナの抽出物 0.1
2.スクワラン 5.0
3.オリーブ油 5.0
4.ホホバ油 5.0
5.セタノール 1.5
6.モノステアリン酸グリセリン 2.0
7.ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.O.) 3.0
8.ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート(20E.O.) 2.0
9.香料 0.1
10.プロピレングリコール 1.0
11.グリセリン 2.0
12.パラオキシ安息香酸メチル 0.2
13.精製水 残量
[製造方法]成分2〜8を加熱溶解して混合し、70℃に保ち油相とする。成分1及び10〜13を加熱溶解して混合し、75℃に保ち水相とする。油相に水相を加えて乳化して、かき混ぜながら冷却し、45℃で成分9を加え、更に30℃まで冷却して製品とする。
(処方例4)ゲル剤
処方 含有量(重量%)
1.ハナカンナの抽出物 0.1
2.エタノール 5.0
3.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
4.ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(60E.О.) 0.1
5.香料 適量
6.1,3−ブチレングリコール 5.0
7.グリセリン 5.0
8.キサンタンガム 0.1
9.カルボキシビニルポリマー 0.2
10.水酸化カリウム 0.2
11.精製水 残量
[製造方法]成分2〜5と、成分1及び6〜11をそれぞれ均一に溶解し、両者を混合して製品とする。
(処方例5)軟膏
処方 含有量(重量%)
1.ハナカンナの抽出物 2.0
2.ポリオキシエチレンセチルエーテル(30E.O.) 2.0
3.モノステアリン酸グリセリン 10.0
4.流動パラフィン 5.0
5.セタノール 6.0
6.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
7.プロピレングリコール 10.0
8.精製水 残量
[製造方法]成分2〜5を加熱溶解して混合し、70℃に保ち油相とする。成分1及び6〜8を加熱溶解して混合し、75℃に保ち水相とする。油相に水相を加えて乳化し、かき混ぜながら30℃まで冷却して製品とする。
(処方例6)パック
処方 含有量(重量%)
1.ハナカンナの抽出物 0.1
2.ポリビニルアルコール 12.0
3.エタノール 5.0
4.1,3−ブチレングリコール 8.0
5.パラオキシ安息香酸メチル 0.2
6.ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(20E.O.) 0.5
7.クエン酸 0.1
8.クエン酸ナトリウム 0.3
9.香料 適量
10.精製水 残量
[製造方法]成分1〜10を均一に溶解し、製品とする。
(処方例7)ファンデーション
処方 含有量(重量%)
1.ハナカンナの抽出物 1.0
2.ステアリン酸 2.4
3.ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート(20E.O.) 1.0
4.ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.O.) 2.0
5.セタノール 1.0
6.液状ラノリン 2.0
7.流動パラフィン 3.0
8.ミリスチン酸イソプロピル 6.5
9.パラオキシ安息香酸ブチル 0.1
10.カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.1
11.ベントナイト 0.5
12.プロピレングリコール 4.0
13.トリエタノールアミン 1.1
14.パラオキシ安息香酸メチル 0.2
15.二酸化チタン 8.0
16.タルク 4.0
17.ベンガラ 1.0
18.黄酸化鉄 2.0
19.香料 適量
20.精製水 残量
[製造方法]成分2〜9を加熱溶解し、80℃に保ち油相とする。成分20に成分10をよく膨潤させ、続いて、成分1及び11〜14を加えて均一に混合する。これに粉砕機で粉砕混合した成分15〜18を加え、水相とする。水相を80℃に昇温し、油相に水相を徐々に加え乳化する。その後、撹拌しながら冷却し、45℃で成分19を加え、30℃まで冷却して製品とする。
(処方例8)固形石鹸
処方 含有量(重量%)
1.ハナカンナの抽出物 0.1
2.石鹸素地(*) 80.0
3.グリセリン 10.0
4.ソルビトール 1.0
5.エデト酸 0.1
6.酸化チタン 0.1
7.香料 適量
8.精製水 残量
(*)ラウリン酸ナトリウム、ミリスチン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウムを含む高級脂肪酸ナトリウム混合物
[製造方法]全成分を混合して、ミキサー及びローラーで混練し、プロッダーで圧縮することによって棒状の成型物に型打ちし、次いで、成形物を冷却し、乾燥することによって製品とする。
(処方例9)ボディ用洗浄料
処方 含有量(重量%)
1.ハナカンナの抽出物 0.2
2.ステアリン酸 10.0
3.パルミチン酸 8.0
4.ミリスチン酸 12.0
5.ラウリン酸 4.0
6.オレイルアルコール 1.5
7.精製ラノリン 1.0
8.ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 1.0
9.グリセリン 10.0
10.水酸化カリウム 6.0
11.香料 適量
12.防腐剤 適量
13.金属イオン封鎖剤 適量
14.精製水 残量
[製造方法]成分2〜5を加熱溶解して混合し、70℃に保ち油相とする。成分14の適量に成分10を溶解し、油相に添加しケン化を行う。続いて、成分6〜9をケン化物に添加し、室温で更に成分1、成分11〜13及び残りの成分14を添加する。
(処方例10)
ヘアローション
処方 含有量(重量%)
1.ハナカンナの抽出物 0.2
2.ステアリン酸 5.0
3.セチルアルコール 5.0
4.流動パラフィン 2.0
5.グリセリンモノステアレート 1.3
6.ソルビタンモノオレート 1.5
7.ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート(10E.О.) 0.8
8.グリセリン 6.0
9.防腐剤 適量
10.精製水 残量
[製造方法]成分2〜7を加熱溶解して混合し、70℃に保ち油相とする。成分1及び8〜10を加熱溶解して混合し、75℃に保ち水相とする。油相に水相を加えて乳化し、かき混ぜながら冷却して製品とする。
(処方例11)ヘアトニック
処方 含有量(重量%)
1.ハナカンナの抽出物 2.0
2.95%エタノール 60.0
3.グリセリン 2.0
4.精製水 残量
[製造方法]成分1を成分2に溶解し、成分3及び4を加え、十分撹拌混合し、製品とする。
(処方例12)シャンプー
処方 含有量(重量%)
1.ハナカンナの抽出物 0.1
2.アルキル硫酸トリエタノールアミン 18.0
3.ラウリン酸ジエタノールアミド 3.0
4.メチルセルロース 0.5
5.香料 適量
6.精製水 残量
[製造方法]成分6に成分4を均一に溶解した後、成分1及び2を加え、70〜75℃で加熱溶解した後、成分3を加え、冷却途中に成分5を加え、30℃まで冷却して製品とする。
(処方例13)浴用剤
処方 含有量(重量%)
1.ハナカンナの抽出物 5.0
2.炭酸水素ナトリウム 50.0
3.黄色202号 適量
4.香料 適量
5.無水硫酸ナトリウム 残量
[製造方法]成分1〜5を均一に混合し、製品とする。
(処方例14)錠剤
処方 含有量(重量%)
1.ハナカンナの抽出物 5.0
2.トウモロコシデンプン 10.0
3.精製白糖 20.0
4.カルボキシメチルセルロースカルシウム 10.0
5.微結晶セルロース 40.0
6.ポリビニルピロリドン 5.0
7.タルク 10.0
[製造方法]成分1〜5を混合し、次いで成分6の水溶液を結合剤として加え、常法により顆粒化する。これに滑沢剤として成分7を加えた後、1錠100mgの錠剤に打錠する。
(処方例15)飲料
処方 含有量(重量%)
1.ハナカンナの抽出物 0.1
2.ステビア 0.05
3.リンゴ酸 5.0
4.アスコルビン酸ナトリウム 1.0
5.香料 0.1
6.精製水 残量
[製造方法]成分1〜5を成分6の一部の精製水に撹拌溶解する。次いで、成分6の残りの精製水を加えて混合し、90℃に加熱して50mLのガラス瓶に充填する。
本発明に関わるカンナの抽出物を含有することを特徴とするセラミド産生促進剤は、毛髪のハリ若しくはコシを付与する効果を発揮する。従って、カンナは、セラミドの産生を促進することにより、毛髪のCMC内に存在するセラミドの増加を介して、毛髪内部に水分を蓄えたり、キューティクルを接着させたりして、毛髪にハリ若しくはコシを与えることを目的とした医薬品、医薬部外品、化粧品及び飲食品の製造分野において利用できる。

Claims (1)

  1. カンナの抽出物を含有することを特徴とするセラミド産生促進剤。
JP2015220149A 2015-11-10 2015-11-10 セラミド産生促進剤 Active JP6646408B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015220149A JP6646408B2 (ja) 2015-11-10 2015-11-10 セラミド産生促進剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015220149A JP6646408B2 (ja) 2015-11-10 2015-11-10 セラミド産生促進剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017088539A JP2017088539A (ja) 2017-05-25
JP6646408B2 true JP6646408B2 (ja) 2020-02-14

Family

ID=58769595

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015220149A Active JP6646408B2 (ja) 2015-11-10 2015-11-10 セラミド産生促進剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6646408B2 (ja)

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007191452A (ja) * 2006-01-23 2007-08-02 Nippon Menaade Keshohin Kk エストロゲン様作用剤
EP2332558B1 (en) * 2008-08-18 2018-10-17 Zhongshan Hospital Of Fudan University Ceramide production-accelerating agent
JP2011111408A (ja) * 2009-11-26 2011-06-09 Yu Sakihara 皮膚外用剤
JP2011231058A (ja) * 2010-04-28 2011-11-17 Kao Corp セラミド産生促進剤
JP2012171901A (ja) * 2011-02-21 2012-09-10 Fiburo Seiyaku Kk 男性用の発毛および育毛用経口摂取食品
JP2015124188A (ja) * 2013-12-26 2015-07-06 日本メナード化粧品株式会社 皮脂合成抑制剤

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017088539A (ja) 2017-05-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6663719B2 (ja) ジンセノサイド含量が増進された高麗人参抽出物を有効性分として含む組成物
CN111053716B (zh) 一种茯茶提取物在制备皮肤调节产品中的用途
KR102113193B1 (ko) 청호, 병풀 및 녹차의 혼합 추출물 또는 이의 분획물을 유효 성분으로 함유하는 피부 상태 개선용 조성물 및 이를 이용한 피부 상태 개선 방법
CN105555285B (zh) 用于促进生发及毛发生长的组合物
JP6753602B2 (ja) プロトンポンプ機能促進剤
JP2015124188A (ja) 皮脂合成抑制剤
JP6267957B2 (ja) 皮脂合成抑制剤
KR20200048141A (ko) 저근백피 추출물을 유효성분으로 함유하는 여드름성 피부 개선용 또는 피지 분비 억제용 조성물
TW201618803A (zh) 用於預防掉髮或加速頭髮生長之包含高山黃芩萃取之組合物
JP4247091B2 (ja) 皮膚老化防止剤
JP6371520B2 (ja) 皮脂合成促進剤
JP6320034B2 (ja) 皮脂合成促進剤
JP6646408B2 (ja) セラミド産生促進剤
KR20180064202A (ko) 사상자 추출물 및 카퍼트리펩타이드-1 혼합물을 유효성분으로 함유하는 아토피 피부염의 예방, 개선 또는 치료용 조성물
JP6341661B2 (ja) 皮脂合成促進剤
KR20210123548A (ko) 단삼 추출물을 유효성분으로 포함하는 안면홍조 개선용 조성물
JP2017088538A (ja) フィラグリン産生促進剤
JP6587908B2 (ja) プロトンポンプ機能促進剤
JP2004224789A (ja) 脂肪分解促進剤
JP5313524B2 (ja) 抗炎症剤及び抗炎症用皮膚外用剤
JP6908265B2 (ja) アポトーシス抑制剤
KR20220124390A (ko) 검정콩, 풋귤 및 울금 추출물을 포함하는 탈모 증상 예방 또는 개선용 화장료 조성물
JP2023025885A (ja) ヒスチダーゼ産生促進剤
JP6646534B2 (ja) 塩基性線維芽細胞増殖因子産生促進剤
KR20230101739A (ko) 담팔수 추출물을 포함하는 피부 개선용 화장료 조성물

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180921

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190723

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190806

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191001

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200107

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200110

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6646408

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250