JP2017226610A - 液晶技術を利用した粉体化粧料 - Google Patents
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Abstract
【課題】 パウダー剤型でなく、洗浄性に非常に優れ、且つ、経時安定性にも優れる粉体化粧料の提供を目的とする。【解決手段】 (a)親水性界面活性剤を10−60質量%、(b)多価アルコール、(c)水、(d)油分を0−20質量%、(e)粉体を1−60質量%、を含有し、(a)の配合量を(b)及び(c)の配合量の和で除した値が0.5以上であり、(a)、(b)、及び(c)がラメラ液晶を形成している、粉体化粧料。【選択図】 図2
Description
本発明は、粉体化粧料に関し、さら詳しくは、ラメラ液晶構造を含む粉体化粧料に関する。
メイクアップにおいて重要な役割を担う粉体化粧料は、多量の粉体を基剤中に分散させたものである。代表的な剤型は、基剤(主に結合剤としての油分)で被覆した粉体を容器に充填した“パウダー剤型”であるが、粉体と結合剤とのスラリー状混合物に固形脂を添加して固化した“オイルゲル剤型”や、スラリー状混合物を乳化した“リキッド剤型”のものも作製されている(非特許文献1)。
ゲルやリキッド剤型のような流動性を有する剤型の粉体化粧料は、肌に密着した化粧膜を容易に形成できるという利点を有する。しかしながら、当該化粧膜は肌上から除去しにくく、洗浄には通常クレンジング剤が必要である。また、化粧料に汎用される粉体のなかには、ゲルやリキッド剤型では経時で凝集や排液現象を引き起こすものが知られており(例として、金属酸化物)、経時安定性の問題が指摘されていた。
そこで、粉体を油分で架橋してネットワーク構造を形成させることによりゲル状化した粉体化粧料(パウダージェル型と呼ばれる)が開発されている(非特許文献1、2)。しかしながら、この方法に用いることができる粉体は多孔質の球状粉体であり、金属酸化物等への応用は困難である。
このような事情から、パウダー剤型でなく、洗浄性と経時安定性に優れる粉体化粧料が求められていた。
鈴木敏幸監修「化粧品の機能創製・素材開発・応用技術」技術教育出版有限会社出版、第195−199頁、2002年10月10日
Hotta H., et al, Studies in Surface Science and Catalysis, 132:1021-1024, 2001
本発明は上記技術的背景を鑑みてなされたものであり、パウダー剤型でなく、洗浄性に非常に優れ、且つ、経時安定性にも優れる粉体化粧料の提供を目的とする。
前記目的を達成するために本発明者が鋭意検討を行った結果、10−60質量%の親水性界面活性剤と、該界面剤の2倍量以下の多価アルコール及び水とを配合(すなわち、[親水性界面活性剤/(多価アルコール+水)]≧0.5)してラメラ液晶を形成させることで、多量の粉体を安定に保持することができ、且つ、水洗によって肌から容易に除去される粉体化粧料が得られることを見出した。当該粉体化粧料からなる化粧膜は顕著な保湿効果を奏することができ、さらに、当該粉体化粧料を化粧下地に用いた場合には、その上に塗布した化粧料とともに、水洗によって肌上から容易に除去できることが明らかとなった。
これらのことに基づいて、本発明を完成させるに至った。
これらのことに基づいて、本発明を完成させるに至った。
本発明は以下を包含する。
[1] (a)親水性界面活性剤を10−60質量%、(b)多価アルコール、(c)水、(d)油分を0−20質量%、及び(e)粉体を1−60質量%を含有し、
(a)の配合量を(b)及び(c)の配合量の和で除した値が0.5以上であり、
(a)、(b)、及び(c)がラメラ液晶を形成している粉体化粧料の提供。
[2] 前記[1]において、前記(a)親水性界面活性剤のHLB値が6.0−16.0である粉体化粧料の提供。
[3] 前記[1]又は[2]において、前記(d)油分の配合量が0質量%である粉体化粧料の提供。
[4] 前記[1]−[3]のいずれかに記載の粉体化粧料からなる部分用ファンデーションの提供。
[5] 前記[1]−[3]のいずれかに記載の粉体化粧料からなるベース用ファンデーションの提供。
[1] (a)親水性界面活性剤を10−60質量%、(b)多価アルコール、(c)水、(d)油分を0−20質量%、及び(e)粉体を1−60質量%を含有し、
(a)の配合量を(b)及び(c)の配合量の和で除した値が0.5以上であり、
(a)、(b)、及び(c)がラメラ液晶を形成している粉体化粧料の提供。
[2] 前記[1]において、前記(a)親水性界面活性剤のHLB値が6.0−16.0である粉体化粧料の提供。
[3] 前記[1]又は[2]において、前記(d)油分の配合量が0質量%である粉体化粧料の提供。
[4] 前記[1]−[3]のいずれかに記載の粉体化粧料からなる部分用ファンデーションの提供。
[5] 前記[1]−[3]のいずれかに記載の粉体化粧料からなるベース用ファンデーションの提供。
本発明により、経時安定性に優れ、水で洗浄可能な粉体化粧料が提供される。
以下、本発明の好適な実施形態について説明する。
本発明に係る粉体化粧料は、特定比率の界面活性剤、多価アルコール、及び水からなるラメラ液晶を高密度で含むことを特徴とするものである。最初に、本発明に係る粉体化粧料の構成成分について説明する。
本発明に係る粉体化粧料は、特定比率の界面活性剤、多価アルコール、及び水からなるラメラ液晶を高密度で含むことを特徴とするものである。最初に、本発明に係る粉体化粧料の構成成分について説明する。
(a)親水性界面活性剤
本発明には、親水性界面活性剤として、HLB値が6.0以上、好ましくは7.0以上、さらに好ましくは8.0以上、最も好ましくは8.5以上の界面活性剤を好適に用いることができる。HLB値の上限は、特に限定する必要はないが、例えば、16.0以下、好ましくは15.0以下、さらに好ましくは14.0以下、最も好ましくは13.0以下とすることができる。ここでHLB値とは、界面活性剤の親水性と疎水性とのバランスを示す公知の指標であり、大木道則他編集、東京化学同人発行の化学辞典、第178頁等にその求め方が記載されている。例えば界面活性剤が脂肪酸エステルの場合は、次の式にしたがって計算される。
HLB=20×{1−(SV/NV)}
ここで、SVはエステルのケン化価、NVは脂肪酸の中和価である。
本発明には、親水性界面活性剤として、HLB値が6.0以上、好ましくは7.0以上、さらに好ましくは8.0以上、最も好ましくは8.5以上の界面活性剤を好適に用いることができる。HLB値の上限は、特に限定する必要はないが、例えば、16.0以下、好ましくは15.0以下、さらに好ましくは14.0以下、最も好ましくは13.0以下とすることができる。ここでHLB値とは、界面活性剤の親水性と疎水性とのバランスを示す公知の指標であり、大木道則他編集、東京化学同人発行の化学辞典、第178頁等にその求め方が記載されている。例えば界面活性剤が脂肪酸エステルの場合は、次の式にしたがって計算される。
HLB=20×{1−(SV/NV)}
ここで、SVはエステルのケン化価、NVは脂肪酸の中和価である。
本発明に係る(a)親水性界面活性剤は、化粧料に通常用いられるものであればよく、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤のいずれであってもよい。このうち、特に好ましくは、非イオン性界面活性剤である。
本発明に好適な非イオン性界面活性剤の例としては、ラウリン酸ポリグリセリル-2(HLB8.5)、ジイソステアリン酸ポリグリセリル-10(HLB11.1)、ジミリスチン酸ポリグリセリル-10(HLB12.3)等のポリグリセリン脂肪酸エステル、ステアリン酸PEG-15グリセリル(HLB13.5)等のポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、PEG-20ソルビタンココエート(ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸ソルビタン(20E.O.)、HLB17.0)等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、PEG-20水添ヒマシ油(HLB10.5)、PEG-30水添ヒマシ油(HLB11.0)、PEG-40水添ヒマシ油(HLB12.5)等のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、オレス-15(ポリオキシエチレン(10)ベヘニルエーテル、(HLB10.0))、ベヘネス-10(ポリオキシエチレン(15)オレイルエーテル、(HLB16.0))、ポリオキシエチレン(7)ドデシルエーテル(HLB11.0)等のポリオキシエチレンアルキルエーテル、ラウリン酸PEG-10(HLB12.5)、ステアリン酸PEG-10(HLB11.0)等のポリエチレングリコール脂肪酸エステル等が挙げられる。
このうち、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテルが特に好ましく、ラウリン酸ポリグリセリル-2(HLB8.5)、ジイソステアリン酸ポリグリセリル-10(HLB11.1)、ジミリスチン酸ポリグリセリル-10(HLB12.3)、PEG-30水添ヒマシ油(HLB11.0)、及びポリオキシエチレン(7)ドデシルエーテル(HLB11.0)等を特に好適に用いることができる。
本発明に係る粉体化粧料には、前述した化合物に例示される親水性界面活性剤を1種又は2種以上配合することができる。
このうち、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテルが特に好ましく、ラウリン酸ポリグリセリル-2(HLB8.5)、ジイソステアリン酸ポリグリセリル-10(HLB11.1)、ジミリスチン酸ポリグリセリル-10(HLB12.3)、PEG-30水添ヒマシ油(HLB11.0)、及びポリオキシエチレン(7)ドデシルエーテル(HLB11.0)等を特に好適に用いることができる。
本発明に係る粉体化粧料には、前述した化合物に例示される親水性界面活性剤を1種又は2種以上配合することができる。
(b)多価アルコール
本発明に用いることができる(b)多価アルコールは、特に限定されることはなく、化粧料に通常使用されるものを用いることができる。例として、グリセリン、ジグリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、イソプレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,3−プロパンジオール、ソルビトール、マルチトール等が挙げられる。このうち、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、ソルビトールが特に好ましく、最も好ましくはグリセリン、ソルビトールである。
本発明に係る粉体化粧料には、前述した化合物に例示される多価アルコールを1種又は2種以上配合することができる。
本発明に用いることができる(b)多価アルコールは、特に限定されることはなく、化粧料に通常使用されるものを用いることができる。例として、グリセリン、ジグリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、イソプレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,3−プロパンジオール、ソルビトール、マルチトール等が挙げられる。このうち、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、ソルビトールが特に好ましく、最も好ましくはグリセリン、ソルビトールである。
本発明に係る粉体化粧料には、前述した化合物に例示される多価アルコールを1種又は2種以上配合することができる。
(c)水
本発明に用いられる水は、当業者に周知の任意の水であってよい。例えば、これに限定されるものではないが、水道水を用いてもよく、また、蒸留水、イオン交換水、逆浸透水、超純水等の精製水を用いてもよい。これらの水は、当業者に周知の方法を用いて適宜滅菌処理して用いてもよい。
本発明に用いられる水は、当業者に周知の任意の水であってよい。例えば、これに限定されるものではないが、水道水を用いてもよく、また、蒸留水、イオン交換水、逆浸透水、超純水等の精製水を用いてもよい。これらの水は、当業者に周知の方法を用いて適宜滅菌処理して用いてもよい。
本発明における成分(a)−(c)は、当該3成分の配合量の和を100質量%とした場合に、(a)の配合量が約15質量%以上である場合(すなわち、a/(b+c)値が約0.18以上)にラメラ液晶を形成し得ることが認められている。
しかしながら、経時安定性に優れた紛体化粧料を得るには、a/(b+c)値は0.5以上であることを要し、さらに0.55以上、好ましくは0.6以上であることが望ましい。a/(b+c)値の上限値は、他の成分を配合する必要から成分(a)の配合量が制限されることを考慮して、6.0、好ましくは5.0、さらに好ましくは4.0としてもよい。本発明者は、a/(b+c)値が4.0の場合にも、成分(a)−(c)が良好なラメラ液晶を形成し、水洗性と経時安定性に優れる粉体化粧料が得られることを確認している。
しかしながら、経時安定性に優れた紛体化粧料を得るには、a/(b+c)値は0.5以上であることを要し、さらに0.55以上、好ましくは0.6以上であることが望ましい。a/(b+c)値の上限値は、他の成分を配合する必要から成分(a)の配合量が制限されることを考慮して、6.0、好ましくは5.0、さらに好ましくは4.0としてもよい。本発明者は、a/(b+c)値が4.0の場合にも、成分(a)−(c)が良好なラメラ液晶を形成し、水洗性と経時安定性に優れる粉体化粧料が得られることを確認している。
本発明の粉体化粧料における成分(a)の配合量は、10−60質量%、好ましくは15−55質量%、さらに好ましくは20−50質量%、最も好ましくは25−45質量%であることが望ましい。また、(b)又は(c)のいずれか一方は0質量%であってもよい。成分(b)又は(c)のいずれか一方しか存在しない場合にも、上記条件を満たす範囲内において良好なラメラ液晶が形成されるからである。
(d)油分
本発明に係る粉体化粧料には、本発明の効果を損なわない範囲内で、油分を配合することができる。油分の種類としては特に限定されることはなく、化粧料に通常用いられるものを配合することができ、例えば、液体油脂、固体油脂、ロウ類、炭化水素油、高級脂肪酸、合成エステル油、シリコーン油、高級アルコール等が挙げられる。このうち、炭化水素油、高級脂肪酸、合成エステル油を好適に用いることができる。
本発明に係る粉体化粧料には、本発明の効果を損なわない範囲内で、油分を配合することができる。油分の種類としては特に限定されることはなく、化粧料に通常用いられるものを配合することができ、例えば、液体油脂、固体油脂、ロウ類、炭化水素油、高級脂肪酸、合成エステル油、シリコーン油、高級アルコール等が挙げられる。このうち、炭化水素油、高級脂肪酸、合成エステル油を好適に用いることができる。
粉体化粧料には通常、結合剤として又は粉体を分散させる基剤として油分が配合されるが、本発明に係る粉体化粧料では成分(a)−(c)からなるラメラ液晶内に粉体が保持されるため、油分の配合は必須ではない。しかしながら、一般に油分の配合によって化粧料の使用性や使用感等が向上することから、本発明に係る粉体化粧料についても、20質量%、好ましくは15質量%、さらに好ましくは10質量%、最も好ましくは5質量%を上限の目安として、油分を配合してもよい。
(e)粉体
本発明に係る粉体化粧料に配合する粉体は、特に限定されることはなく、化粧料に通常配合されるものであればよい。例えば、無機粉体(例として、タルク、カオリン、セリサイト、白雲母、合成雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、リチア雲母、バーミキュライト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、珪藻土、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、シリカ、ヒドロキシアパタイト、ゼオライト、窒化ホウ素、セラミクスパウダー等);有機粉体(例として、ポリアミド樹脂粉体(ナイロン粉体)、ポリエチレン粉体、ポリメタクリル酸メチル粉体、ポリスチレン粉体、スチレンとアクリル酸の共重合体樹脂粉体、ベンゾグアナミン樹脂粉体、ポリ四弗化エチレン粉体、セルロース粉体等);無機白色顔料(例として、酸化亜鉛、酸化チタン、硫酸バリウム等);無機赤色系顔料(例として、チタン酸鉄等);無機紫色系顔料(例として、マンゴバイオレット、コバルトバイオレット等);無機緑色系顔料(例として、酸化クロム、水酸化クロム、チタン酸コバルト等);無機青色系顔料(例として、群青、紺青等);パール顔料(例として、酸化チタンコーテッドマイカ、酸化チタンコーテッドオキシ塩化ビスマス、酸化チタンコーテッドタルク、着色酸化チタンコーテッドマイカ、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔等);金属粉体顔料(例として、アルミニウムパウダー、カッパーパウダー等);ジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキ等の有機顔料(例として、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色228号、赤色405号、橙色203号、橙色204号、黄色205号、黄色401号、及び青色404号などの有機顔料、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色227号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、緑色3号及び青色1号等);天然色素(例として、クロロフィル、β−カロチン等)等が挙げられる。
本発明に係る粉体化粧料に配合する粉体は、特に限定されることはなく、化粧料に通常配合されるものであればよい。例えば、無機粉体(例として、タルク、カオリン、セリサイト、白雲母、合成雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、リチア雲母、バーミキュライト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、珪藻土、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、シリカ、ヒドロキシアパタイト、ゼオライト、窒化ホウ素、セラミクスパウダー等);有機粉体(例として、ポリアミド樹脂粉体(ナイロン粉体)、ポリエチレン粉体、ポリメタクリル酸メチル粉体、ポリスチレン粉体、スチレンとアクリル酸の共重合体樹脂粉体、ベンゾグアナミン樹脂粉体、ポリ四弗化エチレン粉体、セルロース粉体等);無機白色顔料(例として、酸化亜鉛、酸化チタン、硫酸バリウム等);無機赤色系顔料(例として、チタン酸鉄等);無機紫色系顔料(例として、マンゴバイオレット、コバルトバイオレット等);無機緑色系顔料(例として、酸化クロム、水酸化クロム、チタン酸コバルト等);無機青色系顔料(例として、群青、紺青等);パール顔料(例として、酸化チタンコーテッドマイカ、酸化チタンコーテッドオキシ塩化ビスマス、酸化チタンコーテッドタルク、着色酸化チタンコーテッドマイカ、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔等);金属粉体顔料(例として、アルミニウムパウダー、カッパーパウダー等);ジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキ等の有機顔料(例として、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色228号、赤色405号、橙色203号、橙色204号、黄色205号、黄色401号、及び青色404号などの有機顔料、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色227号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、緑色3号及び青色1号等);天然色素(例として、クロロフィル、β−カロチン等)等が挙げられる。
本発明に配合する粉体は、様々な表面処理剤によって表面処理されていてもよい。表面処理剤の例としては、シリコーン系化合物、フッ素系化合物、金属石鹸、金属塩、レシチン、水素添加レシチン、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル、ワックス、ロウ、界面活性剤、アミノ酸、及びこれらの誘導体等の疎水化処理剤が挙げられる。本発明には、これらの表面処理剤の1種又は2種以上を用いて表面処理されたものを用いてもよい。
本発明に係る粉体化粧料には、前述した粉体に例示される粉体を1種又は2種以上配合することができる。本発明の粉体化粧料における(e)粉体の配合量は、1−60質量%、好ましくは5−50質量%、より好ましくは10−40質量%、最も好ましくは15−30質量%であることが望ましい。
本発明の粉体化粧料には、本発明の効果を損なわない範囲内で、通常の化粧料に配合される成分をさらに配合することができる。そのような任意成分の例としては、低級アルコール類、塩類、抗酸化剤、紫外線吸収剤、植物エキス、動物エキス(例として、プラセンタ、コラーゲン等)、保湿剤、殺菌剤、抗炎症剤、防腐剤、着色剤、香料、増粘剤等が挙げられる。
(剤型)
本発明に係る粉体化粧料は、室温において、液状、ゲル状、乳液状、クリーム状に代表される様々な流動性のある剤型にすることができる。特に限定を意味するものではないが、例えば、25℃において、粘度が10〜3000Pa・s、好ましくは10〜1500Pa・sであってもよい。
本発明に係る粉体化粧料は、室温において、液状、ゲル状、乳液状、クリーム状に代表される様々な流動性のある剤型にすることができる。特に限定を意味するものではないが、例えば、25℃において、粘度が10〜3000Pa・s、好ましくは10〜1500Pa・sであってもよい。
本発明に係る粉体化粧料は、リキッドファンデーション、クリームファンデーション等のメイクアップ用ファンデーション、化粧下地等のベース用ファンデーション、コンシーラー、アイカラー、アイシャドウ等の部分用ファンデーションとして好適である。特に、ベース用ファンデーションとして用いた場合には、その上に重ねて塗布したメイクアップ用ファンデーション等を(クレンジング剤を用いなくとも)水洗により容易に除去することができ、さらに、肌に対する保湿効果も奏するため、非常に有益である。また、本発明に係る粉体化粧料は、多量の粉体を塗布し易い剤型で安定に保持できることから、コンシーラー、アイカラー等の部分用ファンデーションとしても非常に有益である。
また、本発明に係る粉体化粧料は、パック(フェイスパック及び部分用パックを含む)、マッサージクリーム等の洗い流すタイプのスキンケア化粧料としても好適である。使用中は肌上で密封性の高い塗布膜を形成し、その後は水洗いにより除去できるという特性は、有効成分の肌への短時間集中到達を目的としたこれらの製品にとって理想的である。
また、本発明に係る粉体化粧料は、パック(フェイスパック及び部分用パックを含む)、マッサージクリーム等の洗い流すタイプのスキンケア化粧料としても好適である。使用中は肌上で密封性の高い塗布膜を形成し、その後は水洗いにより除去できるという特性は、有効成分の肌への短時間集中到達を目的としたこれらの製品にとって理想的である。
(製造方法)
本発明に係る粉体化粧料は定法を用いて製造することができる。例えば、これに限定されるものではないが、(a)親水性界面活性剤、(b)多価アルコール、及び(c)水を含む水性成分を50−60℃で混合してラメラ液晶を形成させた後、予め(e)粉体成分を(d)油分中に分散させた油相を前記ラメラ液晶を含む混合物に室温にて添加し、ディスパー等を用いて攪拌分散することで製造してもよい。本発明に係る粉体化粧料に(d)油分を配合しない場合には、前記ラメラ液晶を含む混合物をディスパー等を用いて攪拌しながら、(e)粉体成分を該混合物に徐添し、均一になるまで攪拌することで製造してもよい。
本発明に係る粉体化粧料は定法を用いて製造することができる。例えば、これに限定されるものではないが、(a)親水性界面活性剤、(b)多価アルコール、及び(c)水を含む水性成分を50−60℃で混合してラメラ液晶を形成させた後、予め(e)粉体成分を(d)油分中に分散させた油相を前記ラメラ液晶を含む混合物に室温にて添加し、ディスパー等を用いて攪拌分散することで製造してもよい。本発明に係る粉体化粧料に(d)油分を配合しない場合には、前記ラメラ液晶を含む混合物をディスパー等を用いて攪拌しながら、(e)粉体成分を該混合物に徐添し、均一になるまで攪拌することで製造してもよい。
以下に、実施例を用いて本発明をさらに詳細に説明するが、これらの実施例により本発明の範囲が限定されるものではない。最初に、本願実施例で使用した成分、粉体化粧料の製造方法、及びその評価項目について説明する。
<粉体混合物A>
成分(製品名) 配合量(質量%)
表面処理タルク 17.2
表面処理赤酸化鉄 1.5
表面処理黄酸化鉄 5.5
表面処理黒酸化鉄 0.8
ナイロン 15.0
酸化チタン 23.0
表面処理酸化チタン 37.0
計 100.0
(このうち、金属酸化物は67.8質量%)
なお、表中の表面処理粉体は、ラウロイルアスパラギン酸Na、塩化亜鉛、及びトリイソステアリン酸イソプロピルチタンで処理された疎水化粉体である。
成分(製品名) 配合量(質量%)
表面処理タルク 17.2
表面処理赤酸化鉄 1.5
表面処理黄酸化鉄 5.5
表面処理黒酸化鉄 0.8
ナイロン 15.0
酸化チタン 23.0
表面処理酸化チタン 37.0
計 100.0
(このうち、金属酸化物は67.8質量%)
なお、表中の表面処理粉体は、ラウロイルアスパラギン酸Na、塩化亜鉛、及びトリイソステアリン酸イソプロピルチタンで処理された疎水化粉体である。
<製造方法>
粉体混合物Aを成分(d)中に分散させた油相を調製した。界面活性剤(又は成分(a))、成分(b)及び(c)を50−60℃で混合した後、室温にて前記油相を添加し、ディスパーを用いて攪拌分散して化粧料を得た。なお、油分を含まない実施例17では、前記(a)−(c)からなる混合物に、該混合物をディスパーを用いて攪拌しながら粉体混合物Aを徐添し、均一になるまで攪拌して化粧料を得た。
粉体混合物Aを成分(d)中に分散させた油相を調製した。界面活性剤(又は成分(a))、成分(b)及び(c)を50−60℃で混合した後、室温にて前記油相を添加し、ディスパーを用いて攪拌分散して化粧料を得た。なお、油分を含まない実施例17では、前記(a)−(c)からなる混合物に、該混合物をディスパーを用いて攪拌しながら粉体混合物Aを徐添し、均一になるまで攪拌して化粧料を得た。
<評価項目>
・液晶形成
前記(a)−(c)からなる混合物に対して偏光顕微鏡観察を行い、光学異方性を示し、且つ、ラメラ液晶に特徴的な組織像(オイリーストークス像等)が認められたものを、液晶を有すると判断した。
・水洗性
パネルの前腕内側部に試料0.1gを指で塗り広げて塗布(塗布面積:約2×3cm)し、乾燥させた後、水道の水を用いて水洗を行った。下記評価基準に従って水洗性を評価した。
◎:水流のみで洗い流された
○:指で2・3回こすると洗い流された
×:指で2・3回こすっても洗い流されなかった
・経時安定性
各化粧料を50℃で2週間静置した後、下記基準に従って目視で評価した。
○:油分の分離及び粉体の凝集のいずれも認められなかった
×:油分の分離又は粉体の凝集が認められた
・液晶形成
前記(a)−(c)からなる混合物に対して偏光顕微鏡観察を行い、光学異方性を示し、且つ、ラメラ液晶に特徴的な組織像(オイリーストークス像等)が認められたものを、液晶を有すると判断した。
・水洗性
パネルの前腕内側部に試料0.1gを指で塗り広げて塗布(塗布面積:約2×3cm)し、乾燥させた後、水道の水を用いて水洗を行った。下記評価基準に従って水洗性を評価した。
◎:水流のみで洗い流された
○:指で2・3回こすると洗い流された
×:指で2・3回こすっても洗い流されなかった
・経時安定性
各化粧料を50℃で2週間静置した後、下記基準に従って目視で評価した。
○:油分の分離及び粉体の凝集のいずれも認められなかった
×:油分の分離又は粉体の凝集が認められた
試験例1:界面活性剤の種類の検討
HLBの異なる6種類の界面活性剤を用いて粉体化粧料を作製し、ラメラ液晶形成の有無と水洗性について評価した。当該化粧料の処方及び評価結果を表1に示す。
HLBの異なる6種類の界面活性剤を用いて粉体化粧料を作製し、ラメラ液晶形成の有無と水洗性について評価した。当該化粧料の処方及び評価結果を表1に示す。
いずれの化粧料においてもラメラ液晶の形成が確認されたが、HLB5.3であるセスキオレイン酸ポリグリセリル-2を配合した化粧料は、水洗してもほとんど除去されなかった(比較例1)。これに対し、ラウリン酸ポリグリセリル-2(HLB8.5)、ポリオキシエチレン(7)ドデシルエーテル(HLB11.0)、PEG-30水添ヒマシ油(HLB11.0)、ジイソステアリン酸ポリグリセリル-10(HLB11.1)、ジミリスチン酸ポリグリセリル-10(HLB12.3)のいずれかを配合した化粧料は、水洗によって容易に除去された(実施例1−9)。
よって、HLBが6.0以上、好ましくは7.0以上の親水性界面活性剤を配合してラメラ液晶を形成させることにより、水で容易に除去できる粉体化粧料が得られることが示された。また、当該親水性界面活性剤として、ポリグリセリン脂肪酸エステル(実施例1−3、6−9)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(実施例4)、及びポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(実施例5)等の非イオン性界面活性剤を好適に使用できることも明らかとなった。
また、成分(b)として、グリセリン、ソルビトール、1,3−ブチレングリコール、1,3−プロパンジオール、及びジプロピレングリコール等の化粧料に汎用される多価アルコールを配合できることが確認された(実施例1−9)。さらに、成分(d)として、エステル油(実施例1−7、9)、炭化水素油(実施例8)、及び、シリコーン油(実施例9)等の化粧料に汎用される油分を好適に配合できることも確認された。
試験例2:成分(a)−(c)の配合比の検討−1
ラメラ液晶の構成成分である(a)−(c)の3成分系において、ラメラ液晶が形成され得る配合比の範囲を解析した。
成分(a)としてジイソステアリン酸ポリグリセリル-10、(b)としてグリセリン、(c)として精製水をさまざまな配合比で混合し、得られた混合物におけるラメラ液晶の有無を解析した。結果を図1に示す。
図1より、成分(a)−(c)の3成分系では、(a)の配合量が約15質量%以上の場合にラメラ液晶が形成され得ることが明らかとなった。また、成分(b)、(c)は、いずれか一方のみでも、(a)とともにラメラ液晶を形成し得ることが示された。
ラメラ液晶の構成成分である(a)−(c)の3成分系において、ラメラ液晶が形成され得る配合比の範囲を解析した。
成分(a)としてジイソステアリン酸ポリグリセリル-10、(b)としてグリセリン、(c)として精製水をさまざまな配合比で混合し、得られた混合物におけるラメラ液晶の有無を解析した。結果を図1に示す。
図1より、成分(a)−(c)の3成分系では、(a)の配合量が約15質量%以上の場合にラメラ液晶が形成され得ることが明らかとなった。また、成分(b)、(c)は、いずれか一方のみでも、(a)とともにラメラ液晶を形成し得ることが示された。
試験例3:成分(a)−(c)の配合比の検討−2
成分(a)−(c)の配合量の総和とその他の成分の配合量を固定して、成分(a)−(c)の配合比のみが異なる粉体化粧料を作製した。当該化粧料の処方と評価結果を表2に示す。なお、実施例10−12と比較例2における成分(a)−(c)の配合比は、図1においてラメラ液晶を形成し得る範囲内のものであり、比較例3及び4における当該配合比は、前記ラメラ液晶を形成し得る範囲外のものである。
成分(a)−(c)の配合量の総和とその他の成分の配合量を固定して、成分(a)−(c)の配合比のみが異なる粉体化粧料を作製した。当該化粧料の処方と評価結果を表2に示す。なお、実施例10−12と比較例2における成分(a)−(c)の配合比は、図1においてラメラ液晶を形成し得る範囲内のものであり、比較例3及び4における当該配合比は、前記ラメラ液晶を形成し得る範囲外のものである。
実施例10−12及び比較例2の化粧料ではラメラ液晶が形成されたが、比較例3及び4ではラメラ液晶が形成されなかった(表2)。比較例3、4の化粧料においてラメラ液晶が形成されなかったのは、図1より、成分(a)の配合量に対する成分(b)と(c)の配合量が多すぎたため(すなわち、a/(b+c)値が低すぎたため)と考えられる。さらに、これらの化粧料では経時で油分の分離と粉体の沈殿が観察され、経時安定性に劣っていた(比較例3、4)。
a/(b+c)値が0.49である比較例2の化粧料では、ラメラ液晶の形成は確認されたが、油分の分離が認められた。
これに対し、a/(b+c)値が0.62以上の化粧料では、経時による油分の分離や粉体の沈殿は全く認められず、水洗性にも非常に優れていた(実施例10−12)。
a/(b+c)値が0.49である比較例2の化粧料では、ラメラ液晶の形成は確認されたが、油分の分離が認められた。
これに対し、a/(b+c)値が0.62以上の化粧料では、経時による油分の分離や粉体の沈殿は全く認められず、水洗性にも非常に優れていた(実施例10−12)。
よって、a/(b+c)の値が0.5以上となるように成分(a)−(c)を配合することで、ラメラ液晶を含み、水洗性と経時安定性に優れる粉体化粧料が得られることが明らかとなった。
試験例4:成分(d)及び(e)の検討
続いて、粉体の配合量と、油分の必要性について検討した。結果を表3に示す。
続いて、粉体の配合量と、油分の必要性について検討した。結果を表3に示す。
実施例10−16より、粉体を30.0−50.4質量%(金属酸化物に換算すると20.3−34.2質量%)配合しても、水洗性と経時安定性に優れる化粧料が得られることが示された。また、油分を配合せずに作製した場合にも、水洗性と経時安定性の両方に優れる粉体化粧料が得られることが示された(実施例17)。
よって、本発明に係る粉体化粧料は、金属酸化物を含め、多量の粉体を安定に保持できることが確認された。ラメラ液晶が形成されない場合にはより少ない粉体量であっても安定には保持できないことから(比較例3、4)、本発明に係る化粧料では、そのラメラ液晶中に粉体が保持されるために経時安定性に優れると考えられる。また、成分(a)の配合量が約10質量%以上、好ましくは約12.0質量%であると、十分量のラメラ液晶が形成されて、経時安定性と水洗性に優れる粉体化粧料となることも明らかとなった(実施例16)。
さらに、本発明に係る粉体化粧料において油分は必須成分ではなく、油分を配合しなくても水洗性と経時安定性に優れることも示された。
試験例5:保湿効果の検討
本発明に係る粉体化粧料を塗布した場合の、肌に対する保湿効果について検討した。以下にその試験方法を説明する。
本発明に係る粉体化粧料を塗布した場合の、肌に対する保湿効果について検討した。以下にその試験方法を説明する。
<水分含量の測定方法>
パネルに恒温恒湿室(20℃、湿度50%)で30分間過ごしてもらった後、恒温恒湿室内で前腕内側部の水分量を測定した(=初期水分量)。当該前腕内側部に、表4、表5に示す試料1(0.1g)を塗布面積が約2×3cmとなるように指で塗り広げて塗布し、その上に(必要に応じて)試料2をパフで5回はたいて塗布した。
パネルを恒温恒湿室から退室させて6時間自由行動をさせた後、前記塗布部を水のみ又は市販メーク落としQを用いて洗浄してもらった。なお、肌上の水滴はキムワイプを用いて完全に除去した。パネルを再び恒温恒湿室に入室させて、30分間過ごしてもらった後、前記塗布部の水分量を測定した(=試験後の水分量)。
試験後の水分量から初期水分量を引いた値を、初期水分量に対する割合で表した値を“水分増加率”として計算した。
パネルに恒温恒湿室(20℃、湿度50%)で30分間過ごしてもらった後、恒温恒湿室内で前腕内側部の水分量を測定した(=初期水分量)。当該前腕内側部に、表4、表5に示す試料1(0.1g)を塗布面積が約2×3cmとなるように指で塗り広げて塗布し、その上に(必要に応じて)試料2をパフで5回はたいて塗布した。
パネルを恒温恒湿室から退室させて6時間自由行動をさせた後、前記塗布部を水のみ又は市販メーク落としQを用いて洗浄してもらった。なお、肌上の水滴はキムワイプを用いて完全に除去した。パネルを再び恒温恒湿室に入室させて、30分間過ごしてもらった後、前記塗布部の水分量を測定した(=試験後の水分量)。
試験後の水分量から初期水分量を引いた値を、初期水分量に対する割合で表した値を“水分増加率”として計算した。
表4、表5の試験結果をグラフ化したものを、それぞれ図2、図3に示す。各グラフはパネル4名を用いた試験結果の平均値を表す。
市販のコンシーラーの上にファンデーションを塗布し、メーク落としで除去した場合には、塗布前よりも肌の水分含量が低下した(図2の比較例6、7)。これに対し、本発明に係る実施例10の化粧料の上に前記ファンデーションを塗布して水洗した場合には、肌の水分含量が塗布前よりも顕著に増加した(図2の実施例18)。前記ファンデーションのみを塗布して水洗した場合には肌の水分含量が低下したことから(図2の比較例5)、実施例18でみられた水分含量の増加は、実施例10の化粧料の化粧膜に起因することがわかる。さらに、実施例10の化粧料のみを塗布して水洗した場合にも水分含量が顕著に増加したことから(図2の実施例19)、実施例10の化粧料の化粧膜には肌からの水分喪失を抑制する効果があると考えられる。
また、油分を含まない本願実施例17の化粧料のみを塗布し、水洗した場合にも、肌の水分含量が大幅に増加した(図3)。これにより、本発明の化粧料が奏する水分喪失抑制効果は、油分による被膜形成によるものではないことがわかる。
一方、ラメラ液晶を含まない比較例4の化粧料を塗布しても、水分喪失は抑制されなかった(図2の比較例8、図3の比較例10)。これにより、本発明の化粧料は、ラメラ液晶を含有することに起因して保湿効果を発揮することが示唆された。
一方、ラメラ液晶を含まない比較例4の化粧料を塗布しても、水分喪失は抑制されなかった(図2の比較例8、図3の比較例10)。これにより、本発明の化粧料は、ラメラ液晶を含有することに起因して保湿効果を発揮することが示唆された。
以上の結果より、本発明に係る粉体化粧料は、ラメラ液晶膜を高密度で含む化粧膜を肌上で形成することにより、顕著な保湿効果を奏することが明らかとなった。
なお、市販ファンデーションPを含め、メイクアップ用ファンデーションの多くは、水洗では肌から除去されず、除去にはメーク落とし(クレンジング剤)による洗浄が必要である。そのため、比較例5及び9では、市販ファンデーションPは肌上に残留していた。これに対し、実施例18及び20では、市販ファンデーションPの残留は認められず、肌上から完全に除去されていた。
よって、本願化粧料を下地に用いれば、その上に塗布したファンデーションを、メーク落としを用いることなく、水洗するだけで除去できることも示された。
よって、本願化粧料を下地に用いれば、その上に塗布したファンデーションを、メーク落としを用いることなく、水洗するだけで除去できることも示された。
以下に、本発明に係る技術を利用した化粧料の処方例を示す。
・パック
成分 配合量(質量%)
ジイソステアリン酸ポリグリセリル-10 27.0
グリセリン 14.0
ジプロピレングリコール 5.0
精製水 7.0
ポリヒドロキシステアリン酸エチルヘキシル 5.0
スクワラン 8.0
ホホバ油 2.0
ヒアルロン酸ナトリウム 0.5
コラーゲン 1.0
アルギニン 0.5
表面処理タルク 12.0
酸化チタン 6.0
表面処理チタン 12.0
計 100.0%
・パック
成分 配合量(質量%)
ジイソステアリン酸ポリグリセリル-10 27.0
グリセリン 14.0
ジプロピレングリコール 5.0
精製水 7.0
ポリヒドロキシステアリン酸エチルヘキシル 5.0
スクワラン 8.0
ホホバ油 2.0
ヒアルロン酸ナトリウム 0.5
コラーゲン 1.0
アルギニン 0.5
表面処理タルク 12.0
酸化チタン 6.0
表面処理チタン 12.0
計 100.0%
本発明に係る粉体化粧料は、パフ不要で塗布することができ、塗布中には肌への保湿効果を奏し、最後は水洗いで除去できるという、これまでにない特性を備えたものである。特に、下地用化粧料として用いる場合には、その上に塗布する化粧料が(本来は)洗浄困難なものでも水洗いで除去できるようになるため、肌の負担軽減と洗顔時間の短縮が可能となる。
このように、本発明に係る粉体化粧料は、産業上のさまざまな利用可能性を有するものである。
このように、本発明に係る粉体化粧料は、産業上のさまざまな利用可能性を有するものである。
Claims (5)
- (a)親水性界面活性剤を10−60質量%、
(b)多価アルコール、
(c)水、
(d)油分を0−20質量%、
(e)粉体を1−60質量%、
を含有し、
(a)の配合量を(b)及び(c)の配合量の和で除した値が0.5以上であり、
(a)、(b)、及び(c)がラメラ液晶を形成している、
粉体化粧料。 - 前記(a)親水性界面活性剤のHLB値が6.0−16.0である、請求項1に記載の粉体化粧料。
- 前記(d)油分の配合量が0質量%である、請求項1又は2に記載の粉体化粧料。
- 請求項1−3のいずれかに記載の粉体化粧料からなる部分用ファンデーション。
- 請求項1−3のいずれかに記載の粉体化粧料からなるベース用ファンデーション。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016123127A JP2017226610A (ja) | 2016-06-22 | 2016-06-22 | 液晶技術を利用した粉体化粧料 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP (1) | JP2017226610A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPWO2021100600A1 (ja) * | 2019-11-21 | 2021-05-27 |
-
2016
- 2016-06-22 JP JP2016123127A patent/JP2017226610A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPWO2021100600A1 (ja) * | 2019-11-21 | 2021-05-27 | ||
WO2021100600A1 (ja) * | 2019-11-21 | 2021-05-27 | 三好化成株式会社 | グリセリン分散体及び化粧料 |
CN114650804A (zh) * | 2019-11-21 | 2022-06-21 | 三好化成株式会社 | 甘油分散体及化妆品 |
JP7408168B2 (ja) | 2019-11-21 | 2024-01-05 | 三好化成株式会社 | グリセリン分散体及び化粧料 |
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