JP2017226188A - 徐放性フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】有効成分たる気化性物質を必要な量だけ安定的に放出することが可能であり、且つ、気化性物質を変質させることなく内部に安定的に保持することが可能な、徐放性フィルムを提供すること。
【解決手段】基材フィルムにおける一方の面上に、香料、防臭剤、防菌・防黴剤及び防食・防錆剤からなる群より選ばれる少なくとも一種以上の気化性物質を含有する有効成分層を形成し、この有効成分層上に、蒸着重合膜からなる有効成分透過層を形成することにより、徐放性フィルムを構成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、徐放性フィルムに関するものである。
従来より、香料や気化性抗菌作用を有する薬剤等の気化性物質の効果を長期間に亘って享受することを可能ならしめるべく、それら気化性物質が時間の経過と共に徐々に気化し、外部に放出されるように構成された徐放性フィルムが、包装材料等として広く使用されている。
例えば、特許文献1(実開平5−16663号公報)においては、包装体内面から、発泡合成樹脂層、気化性抗菌作用を有する薄膜層及び発泡合成樹脂層より気体透過性の小さい合成樹脂フィルム層の少なくとも3層構造を有することを特徴とする抗菌性包装材料が、提案されている。具体的には、合成樹脂層3としての厚さ30〜50μmのポリスチレン系フィルムに対して、気化性抗菌作用を有するアリルイソチオシアネートを含む抗菌剤をウレタン系透明印刷インキに混合してなる溶液を、グラビア印刷機にてコーティングして、合成樹脂層3(ポリスチレン系フィルム)上に気化性抗菌作用を有する薄膜層2を形成し、次いで、発泡合成樹脂層1としての約12倍に発泡したポリスチレンペーパーを、薄膜層2の面に積層し、熱ロールを通して一体化せしめることにより、特許文献1に開示の抗菌性包装材料が作製される旨が明示されている(同文献の明細書段落[0013]参照)。
また、特許文献2(特許第3311833号公報)においては、水分を含むか、または表面に水分が付着した食品包装用の抗菌性積層体であって、水蒸気非透過性の基材フィルムと、所定の水蒸気透過率を有する水蒸気透過性フィルムとを、アリルイソチオシアネート(AITC)のシクロデキストリン包接化合物を含有する接着剤層を介して積層したことを特徴とする抗菌性積層体が、開示されている。
このように、従来の包装材料等において採用されている、積層構造を呈する徐放性フィルムにあっては、気化性物質を含有する層(気化性物質のみからなる層を含む)が設けられた合成樹脂層と他の合成樹脂層とを、熱融着(ヒートシール)や紫外線(UV)照射等の外部エネルギーを用いて、或いは接着剤を用いて、積層化する手法や、特許文献2に開示の如く、基材フィルムと気化性物質が透過可能な透過性フィルムとを、かかる気化性物質を含有する接着剤を用いて積層化する手法に従って、作製されるのが一般的である。
しかしながら、上述の如き、従来の手法に従って作製される徐放性フィルムにあっては、湿度による加水分解や、急激な及び/又は連続的な温度変化(ヒートショック)、或いは折り曲げ等の外力によって、気化性物質を含有する層と他の層とが剥離(層間剥離が発生)する恐れがある。このような層間剥離が発生した状態の徐放性フィルムにおいては、気化性物質を含有する層が直接、外気と接触して、気化性物質の気化が必要以上に進行するため、例えば、防菌・防黴剤等の気化性物質の匂いが被包装物(例えば食品)に移る等の問題を惹起しかねない。また、積層化に際して熱融着(ヒートシール)や紫外線(UV)照射等の手段を用いると、熱やUV等の外部エネルギーによって、香料等の気化性物質が変質する恐れがある。一方、接着剤を用いて積層化された徐放性フィルムにおいては、接着剤に含まれる気化成分によって、目的とする気化性物質の気化が阻害される恐れがある。このように、従来の徐放性フィルムにあっては、有効成分たる気化性物質を、変質することなく保持すると共に、安定的に且つ持続的に気化せしめるという点において、未だ改善の余地が残されているのである。
実開平5−16663号公報 特許第3311833号公報
ここにおいて、本発明は、かかる事情を背景にして為されたものであって、その解決すべき課題とするところは、有効成分たる気化性物質を必要な量だけ安定的に放出することが可能であり、且つ、気化性物質を変質させることなく内部に安定的に保持することが可能な、徐放性フィルムを提供することにある。
そして、本発明は、かかる課題を解決するために、基材フィルムにおける一方の面上に、香料、防臭剤、防菌・防黴剤及び防食・防錆剤からなる群より選ばれる少なくとも一種以上の気化性物質を含有する有効成分層が設けられており、該有効成分層上に、蒸着重合膜からなる有効成分透過層が形成されてなる徐放性フィルムを、その第一の態様とするものである。
また、本発明は、基剤フィルムにおける一方の面上に、香料、防臭剤、防菌・防黴剤及び防食・防錆剤からなる群より選ばれる少なくとも一種以上の気化性物質を含有する第一の有効成分層が設けられ、かかる第一の有効成分層上における所定の部位に、香料、防臭剤、防菌・防黴剤及び防食・防錆剤からなる群より選ばれる少なくとも一種以上の気化性物質を含有する第二の有効成分層が設けられており、該第二の有効成分層上に、蒸着重合膜からなる第一の有効成分透過層が形成されてなる徐放性フィルムを、その第二の態様とするものである。
なお、上記した、本発明の第二の態様に係る徐放性フィルムにおいては、好ましくは、前記第一の有効成分層上における前記第二の有効成分層が設けられていない部位に、蒸着重合膜からなる第二の有効成分透過層が形成されて、構成されている。
一方、本発明は、上記した第二の態様に係る徐放性フィルムの製造方法にして、1)前記基材フィルムにおける一方の面上に、香料、防臭剤、防菌・防黴剤及び防食・防錆剤からなる群より選ばれる少なくとも一種以上の気化性物質を含有する第一の有効成分層を形成せしめる工程と、2)前記第一の有効成分層上に、香料、防臭剤、防菌・防黴剤及び防食・防錆剤からなる群より選ばれる少なくとも一種以上の気化性物質を含有する第二の有効成分層を形成せしめる工程と、3)蒸着重合法に従い、前記第二の有効成分層上における所定の部位に蒸着重合膜からなる前記第一の有効成分透過層を形成せしめる工程と、4)前記第二の有効成分層における、上面に前記第一の有効成分透過層が形成されていない部位を消失せしめる工程と、を有する徐放性フィルムの製造方法をも、その要旨とするものである。
このように、本発明に従う徐放性フィルムにおいては、有効成分透過層が蒸着重合膜にて構成されているところ、蒸着重合膜の形成は、成膜対象の表面の段差(本発明では有効成分層表面の微細な凹凸)に追従して進行するという特性がある。従って、本発明の徐放性フィルムにあっては、蒸着重合膜からなる有効成分透過層と有効成分層との間の密着性が十分に確保され、加水分解やヒートショック等に起因する層間剥離の発生が効果的に抑制されることとなるところから、有効成分たる気化性物質を必要な量だけ安定的に放出することが可能ならしめられるのである。
また、有効成分透過層として蒸着重合膜を用いることにより、本発明の徐放性フィルムを作製するに際しては、従来の徐放性フィルムを作製する際に使用されていた接着剤は不要となる。このため、本発明の徐放性フィルムにおいては、接着剤に含まれる気化成分によって有効成分たる気化性物質の気化が阻害される可能性も有利に排除され、有効成分の安定的な放出が担保されるのである。
さらに、本発明の徐放性フィルムにあっては、積層化に際して熱や紫外線(UV)等の外部エネルギーが使用されていないことから、気化性物質の変質が効果的に抑制され、気化性物質はフィルム内に安定的に保持されることとなるのである。
本発明に従う徐放性フィルムの一例を示す部分断面図である。 本発明に従う徐放性フィルムの他の一例を示す平面図である。 図2に示される徐放性フィルムのA−A断面における部分断面図である。 本発明に従う徐放性フィルムの更に他の一例を示す部分断面図である。 図1に示される徐放性フィルムの製造装置の一例を示す概略説明図である。 (a)は、図2及び図3に示される徐放性フィルムの製造装置の一例を示す概略説明図であり、(b)は、そこで用いられるマスク部材の平面図である。 (a)は、図2及び図4に示される徐放性フィルムの製造装置の一例を示す概略説明図であり、(b)は、そこで用いられる一のマスク部材の平面図、(c)は他の一のマスク部材の平面図、である。 実施例における試料の重量変化を示すグラフである。 実施例における試料の官能試験結果を示すグラフである。
以下、図面を適宜に参照しながら、本発明を詳細に説明する。
図1には、本発明に従う徐放性フィルムの一例が示されている。具体的に、図1は、平面矩形状を呈する徐放性フィルム10を、有効成分層及び有効成分透過層の積層方向に平行な面で切断し、その断面を部分的に示す説明図である。かかる図1より明らかなように、本発明に係る徐放性フィルム10は、基材フィルム12の一方の面上に、有効成分層14及び有効成分透過層16が、基材フィルム12側よりこの順に従って積層形成されることにより、構成されている。
そのような本発明に従う徐放性フィルム10において、先ず、基材フィルム12は、主として有効成分層14及び有効成分透過層16を支持するために用いられるものである。基材フィルム12を構成する材料としては、種々の金属材料や樹脂材料等を例示することが出来、それら各種の材料の中から、有効成分層14に含まれる有効成分(香料等の気化性物質)の種類や徐放性フィルム10の用途等に応じたものが適宜、選択されることとなる。例えば、徐放性フィルム10を、食品における雑菌や黴(カビ)の発生防止効果を兼ね備えた包装材料として使用する場合には、気化した防菌・防黴剤が有効成分透過層16側からのみ透過して、防菌・防黴剤による効果を有利に享受出来るように、気化した防菌・防黴剤が透過しない材料によって基材フィルム12を構成することが好ましい。また、本発明に係る徐放性フィルムを、例えば生鮮食品の包装材として使用する場合には、視覚によって、被包装物たる生鮮食品の鮮度や色調等の確認が可能となるように、基材フィルム12は、合成樹脂等の透明性に優れた材料にて構成されていることが好ましい。
なお、基材フィルム12の厚さは、基材フィルム12を構成する材料を考慮した上で、徐放性フィルム10の用途や使用される際の大きさ等に応じて適宜に決定されることとなるが、一般的には、10μm〜数mm程度とされる。
本発明に係る徐放性フィルム10にあっては、上述した基材フィルム12の一方の面上に、所定の群より選ばれる少なくとも一種以上の気化性物質を含有する有効成分層14が形成されている。ここで、本明細書及び特許請求の範囲における「気化性物質を含有する」とは、気化性物質を気化可能な状態で含有していれば足りる趣旨である。従って、本発明における有効成分層としては、実質的に気化性物質のみから構成されるものや、気化性物質と他の材料(例えば合成樹脂)との混合物から構成されるもの等を、例示することが出来る。
本発明において、有効成分層14に含まれる気化性物質は、香料、防臭剤、防菌・防黴剤及び防食・防錆剤からなる群より選ばれる少なくとも一種以上のものである。かかる香料等の気化性物質の中から、徐放性フィルム10の用途等に応じたものが適宜に選択されて、使用される。本発明においては、従来より公知の香料、防臭剤、防菌・防黴剤又は防食・防錆剤であって、気化可能な状態で有効成分層14を構成することが可能なものであれば、天然物や合成物を問わず、何れも使用することが可能である。具体的には、特開平8−183897号公報にて提示されている香料等を、例示することが出来る。
そのような気化性物質の一種以上を含む有効成分層14を、基材フィルム12上に形成するに際しては、使用される気化性物質の形態や性質等に応じた手法が適宜に選択されることとなる。例えば、香料の一種であるl−メントールのように、常温で固体である気化性物質を使用する場合には、所定の溶媒(例えばエタノール)にl−メントールを溶解させて溶液を調製し、かかる溶液を基材フィルム12上に塗工し、その後に溶媒を乾燥させることによって、実質的に気化性物質たるl−メントールのみから構成される有効成分層14を形成することが可能である。
なお、有効成分層14の厚さは、特に徐放性フィルム10に対して要求される、気化性物質の気化による効果を享受出来る時間(期間)を念頭に置いて、気化性物質の種類や含有量を考慮した上で、適宜に決定されることとなる。本発明の徐放性フィルムにおける有効成分層の厚さは、通常、数μm〜数mm程度とされる。
そして、本発明に従う徐放性フィルム10にあっては、有効成分層14上に、有効成分透過層16としての蒸着重合膜(蒸着重合法に従って得られる薄膜)が形成され、構成されているところに、大きな技術的特徴が存するのである。
蒸着重合膜は、一般的に、加熱により蒸気化された二種以上の原料モノマーを、真空状態の成膜室内に導入し、成膜室内に配置された成膜対象物の表面に付着させ、かかる表面にて原料モノマー間の重合を進行させることによって、形成されるものである。即ち、膜の形成が、成膜対象物の表面(本発明では有効成分層の表面)に存在する微細な凹凸に追従しながら進行することにより、形成される有効成分透過層たる蒸着重合膜は、有効成分層との間において優れた密着性を発揮することとなる。また、蒸着重合膜は、極めて薄い膜厚においても作製することが可能であり、得られる蒸着重合膜は、不純物の含有が非常に少ないという利点をも有する。従って、本発明に係る徐放性フィルムにあっては、有効成分透過層と有効成分層との間において、加水分解やヒートショック等に起因する層間剥離の発生が有利に抑制され、以て、有効成分たる気化性物質を、必要な量だけ安定的に、放出することが可能ならしめられるのである。
また、本発明の徐放性フィルムは、有効成分透過層として蒸着重合膜を使用するものであり、従来の徐放性フィルムの如く、有効成分透過層として他の手法により得られる合成樹脂膜を使用し、かかる合成樹脂膜と有効成分層が形成された基材フィルムとを接着する際に使用されていた、接着剤や、熱や紫外線等の外部エネルギーを用いた積層化処理が不調である。従って、本発明に係る徐放性フィルムにあっては、接着剤に含まれる気化成分によって有効成分たる気化性物質の気化が阻害される可能性も有利に排除され、有効成分の安定的な放出が担保されることとなる。また、積層化に際して熱や紫外線等の外部エネルギーが使用されていないことから、気化性物質の変質が効果的に抑制され、気化性物質はフィルム内に安定的に保持されることとなるのである。
さらに、特許文献2に開示の抗菌性フィルムや特開2006−199852号公報に開示の食品用抗菌生分解性フィルム等において、有効成分たる気化性物質は、シクロデキストリンに包摂された状態(包接化合物)で使用されるものであるところ、本発明に従う徐放性フィルムにおいて、気化性物質は、そのような包接化合物の状態で使用する必要はない。シクロデキストリンの包接化合物は、可視可能なサイズに凝集すると、白く濁ったような色調を呈するため、例えば、シクロデキストリンの包接化合物を用いた包装材にて生鮮食品を包装すると、外部より、被包装物である生鮮食品の鮮度や色調等を視覚で確認し難くなる恐れがある。一方、本発明に係る徐放性フィルムにあっては、気化性物質を、包接化合物の状態ではなく、そのまま使用するものであるところから、基材フィルム及び蒸着重合膜を構成する材料として透明性に優れたものを選択することにより、被包装物の色調等を外部から容易に確認することが可能なものとなるのである。
ここで、本発明に従う徐放性フィルムにおいて、有効成分透過層16を構成する合成樹脂としては、従来より公知の蒸着重合法に従って膜形成が可能な合成樹脂の中から、有効成分層14に含まれる気化性物質に応じたものが適宜に選択され、使用されることとなる。具体的には、気化した気化性物質が透過可能な合成樹脂の中から、徐放性フィルムの用途や使用状態等に応じたものが、適宜に選択されることとなる。有効成分透過層16を構成する合成樹脂膜としては、ポリユリア樹脂膜、ポリアミド樹脂膜、ポリイミド樹脂膜、ポリアミドイミド樹脂膜、ポリエステル樹脂膜、ポリアゾメチン樹脂膜やポリウレタン樹脂膜等の、従来より公知の蒸着重合法に従って作製可能な各種の合成樹脂膜を例示することが出来る。このような合成樹脂膜の中でも、特にポリユリア樹脂膜にあっては、気化した気化性物質が効果的に透過可能な架橋構造を呈するものであるところから、有利に採用されることとなる。なお、有効成分透過層16を構成する蒸着重合膜は、従来より公知の各種蒸着重合法に従って、作製されることとなる。
また、有効成分透過層16の厚さは、気化性物質のフィルム外部への単位時間当たりの放出量(以下、徐放速度という)や、有効成分層14に含まれる気化性物質の種類や量等を総合的に考慮し、適宜に決定される。本発明に従う徐放性フィルムにおける有効成分透過層の厚さは、通常、数μm〜数mm程度とされる。
以上、本発明に係る徐放性フィルムの代表的な実施形態の一つについて詳述してきたが、本発明の徐放性フィルムが上述した実施形態に限定されるものでないことは、言うまでもないところである。
図2及び図3には本発明に従う徐放性フィルムの他の一例が、また、図4には本発明に従う徐放性フィルムの更に別の一例が、それぞれ示されている。なお、図2乃至図4において、同一の符号を付した部分は同一の構成を有しているものである。また、以下に説明する実施形態における基材フィルム、有効成分層(気化性物質)及び有効成分透過層については、先述した実施形態と同様のものを使用可能であることから、詳細な説明は省略する。
先ず、図2及び図3には、本発明に従う徐放性フィルムの他の一例に係るもの(徐放性フィルム20)が示されている。具体的には、図2は、徐放性フィルム20についての、2つの有効成分層及び有効成分透過層が形成された側の面より観察される平面図であり、図3は、図2のA−A面にて切断された断面を部分的に示す説明図である。
それら図2及び図3より明らかなように、徐放性フィルム20は、a)基材フィルム22上に第一の有効成分層24が形成されており、また、b)この第一の有効成分層24上の所定の部位に第二の有効成分層26が形成されており、更に、c)この第二の有効成分層26上に第一の有効成分透過層28が形成されている。そして、図2に示されるように、第二の有効成分層26及び第一の有効成分透過層28が形成されていない部位によって、徐放性フィルム20におけるそれら二つの層が形成された側の面には、所定幅の平面視矩形状を呈する凹部30が構成されている。
また、図4には、本発明の徐放性フィルムに係る、更に別の態様のフィルム(徐放性フィルム40)が示されている。具体的に、図4に示される徐放性フィルム40は、図2及び図3に示される徐放性フィルム20における凹部30に、第二の有効成分透過層42が形成されて、構成されるものである。
上述の如き徐放性フィルム20、40にあっては、有効成分層を2層、有しているところから、以下の如き利点を有している。
例えば、徐放性フィルム20(40)において、第一の有効成分層24に含まれる気化性物質と第二の有効成分層26に含まれる気化性物質とを同一成分とした場合、先ず、凹部30の直下に存在する第一の有効成分層24に含まれる気化性物質の外部への放出が進行し、第二の有効成分層26に含まれる気化性物質の放出は、徐々に進行することとなる。従って、単層の有効成分層を有する徐放性フィルムと比較して、気化性物質の放出をより長期間に亘って持続することが可能なものとなっているのである。
一方、徐放性フィルム20(40)において、第一の有効成分層24に含まれる気化性物質と第二の有効成分層26に含まれる気化性物質とを異なる成分とした場合、各気化性物質の気化による異なった効果を享受することが可能である。例えば、第一の有効成分層24に含まれる気化性物質を防菌・防黴剤とし、第二の有効成分層26に含まれる気化性物質を防臭剤とした場合、先ず、第一の有効成分層24に含まれる防菌・防黴剤の気化が進行し、被包装物における細菌の繁殖や黴の発生が有利に抑制されると共に、第二の有効成分層26に含まれる防臭剤の気化が徐々に進行し、被包装物への防菌・防黴剤の匂いの沈着が効果的に抑制されることとなるのである。
なお、徐放性フィルム20(40)において、第一の有効成分層24に含まれる気化性物質及び第二の有効成分層26に含まれる気化性物質の各徐放速度は、第一の有効成分透過層28(及び第二の有効成分透過層42)を構成する材料や、その厚さ等を変更することにより、適宜に設定することが可能である。
ところで、図1乃至図4に示される本発明に従う徐放性フィルムの各々は、図5乃至図7に示される各製造装置を用いることにより、有利に製造することが可能である。なお、図5乃至図7に示される各製造装置において、共通する構成要素は同一の符号を付すものとし、先の装置において説明した構成要素については、後の装置において説明を省略することとする。
先ず、図5は、図1に示される徐放性フィルム10を有利に製造することができる製造装置の一例を、概略的に示す説明図である。そこに示される製造装置50は、反応室としての真空槽52を有している。この真空槽52の一つの側壁部には排気パイプ54が接続されており、また、かかる排気パイプ54上には、真空ポンプ56が設置されている。そして、この真空ポンプ56の作動により、真空槽52内の空気が排気パイプ54を通じて外部に排出されることによって、真空槽52内が真空状態とされるようになっている。
また、真空槽52内には、メインローラ58が設置されている。更に、真空槽52内のメインローラ58を間に挟んだ両側には、巻出しローラ60及び巻取りローラ62が、各々、メインローラ58と所定距離、離間して配置されている。尚、メインローラ58及び巻取りローラ62は、それぞれ図示しない電動モータ等の回転駆動装置によって、連続的に回転駆動するようになっている。
さらに、巻出しローラ60には、徐放性フィルム10の基材である基材フィルム12のロールが取り付けられており、このロールから巻き出された基材フィルム12は、メインローラ58に巻き掛けられている。また、メインローラ58から送り出された基材フィルム12は、巻取りローラ62にて巻き取られるようになっている。
かくして、図5に示される製造装置50においては、メインローラ58及び巻取りローラ62の回転駆動により、巻出しローラ60から巻き出された基材フィルム12は、メインローラ58の外周面上を周方向の一方向(図中、矢印:αにて示される方向)に走行する。そして、基材フィルム12がメインローラ58の外周面上を走行している間に、後述する層形成ユニットの各々により、基材フィルム12上に、有効成分層14及び有効成分透過層16がこの順に従って形成され、目的とする長手状の徐放性フィルム10が、巻取りローラ62にて巻き取られるようになっているのである。なお、図5中、64a及び64bはテンションローラである。
有効成分層形成ユニット66は、収容ポット68と、この収容ポット68を加熱するためのヒータ70a、70bとを有している。かかる収容ポット68内には、真空状態の下、液状の気化性物質72が収容されている。また、収容ポット68と真空槽52との間には、それらを相互に接続するための蒸気供給パイプ74が、収容ポット68との接続部上に開閉バルブ76が設置された状態にて、配置されている。加えて、蒸気供給パイプ74の先端開口部は、真空槽52内において、メインローラ58の外周面に対向するように配置されている。
そして、有効成分層形成ユニット66にあっては、ヒータ70a、70bの加熱により、収容ポット68内にて気化性物質72の蒸気を発生させ、この蒸気を、開閉バルブ76を開作動させて、蒸気供給パイプ74を通じて真空槽52内に供給することにより、メインローラ58の外周面上を周方向に走行する基材フィルム12上に、吹き付けるようになっているのである。
一方、有効成分透過層形成ユニット78は、二つの収容ポット80a、80bと、それら二つの収容ポットのそれぞれを加熱するためのヒータ82a、82b、82c、82dとを有している。収容ポット80a、80bの各々には、有効成分透過層たる蒸着重合膜の原料モノマー84a、84bが、真空下、液体状態にて収容されている。なお、二つの収容ポット80a、80b内に収容される原料モノマー84a、84bは、目的とする有効成分透過層たる蒸着重合膜に応じて、適宜に選定され得るものであり、例えば、ポリユリアの蒸着重合膜を形成する場合には、ジエチレントリアミン等の2官能以上を有するアミンが一の収容ポットに、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン等の2官能以上を有するイソシアネートが他の一の収容ポットに、それぞれ収容される。また、三種類以上の原料モノマーを用いて蒸着重合膜を形成する場合には、適宜、収容ポット及び加熱ヒータが追加されることとなる。
また、収容ポット80a、80bと真空槽52との間には、それらを相互に接続するための蒸気供給パイプ86が、収容ポット80a、80bとの接続部上の各々に開閉バルブ88a、88bが設置された状態にて、配置されている。この蒸気供給パイプ86の先端開口部は、真空槽52内において、メインローラ58の外周面に対向するように配置されている。
そして、有効成分透過層形成ユニット78にあっては、各ヒータの加熱により収容ポット80a、80b内にて原料モノマー84a、84bの蒸気を発生させ、これらの蒸気を、開閉バルブ88a、88bを開作動させ、蒸気供給パイプ86を通じて真空槽52内に供給することにより、メインローラ58の外周面上を周方向に走行する基材フィルム12上に、吹き付けるようになっているのである。
かくの如き構造を有する製造装置50を用いて、徐放性フィルム10を製造する際には、以下の手順に従い、その操作が進められる。
先ず、巻出しローラ60に取り付けられた基材フィルム12のロールより一部を巻き出し、その巻き出された基材フィルム12を、テンションローラ64a、メインローラ及びテンションローラ64bにこの順に従って巻き掛け、最後に、巻取りローラ62に巻取り可能に取り付ける。その後、真空ポンプ56を作動させて、真空槽52内を真空状態とする。この際、真空槽52内は、例えば1×10-4〜1×102 程度の圧力となるまで減圧される。
次いで、メインローラ58と巻取りローラ62とを回転駆動させることにより、基材フィルム12のロールから、基材フィルム12を連続的に巻き出しながら、メインローラ58に送り出し、メインローラ58の外周面上を走行させた後に、巻取りローラ62側に搬送する。
そして、メインローラ58による基材フィルム12の搬送開始と共に、有効成分層形成ユニット66の収容ポット68内で発生した気化性物質72の蒸気が、蒸気供給パイプ74の先端開口部より、メインローラ58の外周面上を走行する基材フィルム12の表面に吹き付けられる。基材フィルム12上に吹き付けられた気化性物質72の蒸気は、温度低下により固体となり、以て、基材フィルム12上に、気化性物質72からなる有効成分層14が形成される。
その後、基材フィルム12における、気化性物質72からなる有効成分層14が形成された部分が、有効成分透過層形成ユニット78における蒸気供給パイプ86の先端開口部に対応する位置に到達すると、有効成分透過層形成ユニット78における収容ポット80a、80b内で発生させた二種類の原料モノマー84a、84bの蒸気が、蒸気供給パイプ86の先端開口部より、メインローラ58の外周面上を走行する基材フィルム12の有効成分層14上に、混合状態で同時に吹き付けられる。これにより、有効成分層14上で、二種類の原料モノマー84a、84bの重合が進行し、以て、蒸着重合膜からなる有効成分透過層16が形成される。
以上の如くして、有効成分層14と有効成分透過層16とが、この順に従って基材フィルム12上に積層形成されてなる徐放性フィルム10が、長尺な帯状形態にて製造されるのである。
なお、製造装置50は、有効成分層14が形成された基材フィルム12は、かかる有効成分層14上に有効成分透過層16が形成されるまでの間、真空槽52内を搬送されるように構成されている。このため、有効成分層14を構成する気化性物質72は、有効成分層14の形成直後から昇華(気化)が進行することとなる。従って、基材フィルム12上に、目的とする有効成分層14を十分な量(厚さ)において残存させるべく、有効成分透過層形成ユニット78における蒸気供給パイプ86の先端開口部は、気化性物質72の種類や真空槽52内の各種条件等に応じて、適宜に配置されることが必要である。
一方、図6(a)には、図2及び図3に示される徐放性フィルム20を有利に製造することができる製造装置の一例が、概略的に示されている。かかる図6(a)より明らかなように、そこに示される製造装置90は、層形成ユニットとして、二つの有効成分層形成ユニット(第一の有効成分層形成ユニット92、第二の有効成分層形成ユニット104)と、一つの有効成分透過層形成ユニット(第一の有効成分透過層形成ユニット116)とを備えている。
ここで、第一の有効成分層形成ユニット92及び第二の有効成分層形成ユニット104は、何れも、図5に示される製造装置50における有効成分層形成ユニット66と同様の構成を有するものである。具体的に、第一の有効成分層形成ユニット92(第二の有効成分層形成ユニット104)は、真空状態の下に液状の気化性物質98(110)が収容されている収容ポット94(106)と、ヒータ96a、96b(108a、108b)とを有している。また、収容ポット94(106)と真空槽52との間には、それらを相互に接続するための蒸気供給パイプ100(112)が、収容ポット94(106)との接続部上に開閉バルブ102(114)が設置された状態にて、配置されている。
また、第一の有効成分透過層形成ユニット116も、図5に示される製造装置50における有効成分透過層形成ユニット78と同様の構成を有しており、真空状態の下に液状の原料モノマー122a、122bが収容されている収容ポット118a、118bと、それら二つの収容ポットを加熱するためのヒータ120a、120b、120c、120dとを有している。収容ポット118a、118bと真空槽52との間には、それらを相互に接続するための蒸気供給パイプ124が、収容ポット118a、118bとの接続部上の各々に開閉バルブ126a、126bが設置された状態にて、配置されている。
加えて、上述した三つの層形成ユニットにおける各蒸気供給パイプの先端開口部も、図5に示される製造装置50における層形成ユニットの各々と同様に、真空槽52内において、メインローラ58の外周面に対向するように配置されている。より詳細には、製造装置90において、三つの層形成ユニットの各先端開口部は、基材フィルム22の搬送方向の上流側から下流側に向かって、第一の有効成分層形成ユニット92、第二の有効成分層形成ユニット104、そして第一の有効成分透過層形成ユニット116の順となるように、配置されている。
さらにまた、図6(a)に示される製造装置90においては、第一の有効成分透過層形成ユニット116における蒸気供給パイプ124の先端開口部に、図6(b)に平面図にて示されるマスク部材128が取り付けられている。このマスク部材128は、図6(b)からも明らかなように、マスク部(図中、黒色で塗りつぶした箇所。以下、同じ。)と非マスク部(図中、非着色の部分。以下、同じ。)とから構成されており、それらマスク部及び非マスク部は、何れも、基材フィルム22の搬送方向に延びる帯状を呈している。このようなマスク部材128が蒸気供給パイプ124の先端開口部に取り付けられていることによって、かかる先端開口部の直下を走行する基材フィルム22における、マスク部材128のマスク部に対応する部位には、第一の有効成分透過層形成ユニット116より吹き付けられる原料モノマー122a、122bの混合蒸気の付着が、効果的に阻止されることとなる。
そして、以上の如き製造装置90においては、第一に、メインローラ58による基材フィルム22の搬送開始と共に、第一の有効成分層形成ユニット92の収容ポット94内で発生した気化性物質98の蒸気が、蒸気供給パイプ100の先端開口部より、メインローラ58の外周面上を走行する基材フィルム22の表面に吹き付けられることによって、基材フィルム22上に、気化性物質98からなる第一の有効成分層24が形成される。
次いで、基材フィルム22における、気化性物質98からなる第一の有効成分層24が形成された部分が、第二の有効成分層形成ユニット104における蒸気供給パイプ112の先端開口部に対応する位置に到達すると、かかる部分に対して、第二の有効成分層形成ユニット104の収容ポット106内で発生した気化性物質110の蒸気が、蒸気供給パイプ112の先端開口部より吹き付けられる。これにより、基材フィルム22の第一の有効成分層24上に、気化性物質110からなる第二の有効成分層26が形成される。なお、この時点においては、第一の有効成分層24上の全面に亘って、第二の有効成分層26が形成される。
さらに、第一の有効成分層24及び第二の有効成分層26が形成された基材フィルム22の部分が、第一の有効成分透過層形成ユニット116における蒸気供給パイプ124の先端開口部に対応する位置に到達すると、二種類の原料モノマー122a、122bの混合蒸気が、蒸気供給パイプ124の先端開口部よりマスク部材128を介して、メインローラ58の外周面上を走行する基材フィルム22の第二の有効成分層26上に吹き付けられる。これによって、第二の有効成分層26上における、マスク部材128の非マスク部に対応する部位にのみ、二種類の原料モノマー122a、122bの混合蒸気が付着し、それらの重合が進行することにより、第二の有効成分層26上の所定の部位に、第一の有効成分透過層28が形成される。
そして、第二の有効成分層26上の所定の部位に第一の有効成分透過層28が形成された基材フィルム22が、真空槽52内を搬送されると、その搬送の間に、第二の有効成分層26にあっては、その上面に第一の有効成分透過層28が形成されていない部位が、その他の部位(上面に第一の有効成分透過層28が形成されている部位)と比較して、格段に昇華(気化)が進行することとなる。その結果、第二の有効成分層26における、上面に第一の有効成分透過層28が形成されていない部位は、効果的に消失することとなり、以て、図2及び図3に示される如き徐放性フィルム20が、長尺な帯状形態にて製造されるのである。
なお、第一の有効成分透過層28が形成された基材フィルム22を、長時間に亘って真空槽52内を搬送させると、第二の有効成分層26における、上面に第一の有効成分透過層28が形成されていない部位が昇華(気化)によって消失した後、当該部位の直下に位置する第一の有効成分層24までも、真空状態に晒されることとなり、結果として格段に昇華(気化)が進行する恐れがある。従って、上面に第一の有効成分透過層28が形成されていない第二の有効成分層26の部位のみを効果的に消失させるべく、例えば、第一の有効成分透過層28形成後の基材フィルム22が真空槽52内を搬送する距離を、適宜に設定すること等が必要である。
また、前述した製造装置50と同様に、製造装置90においても、そこにおいて形成される第一の有効成分層24及び第二の有効成分層26は、それらの形成直後から真空状態に晒され、昇華(気化)が進行することとなる。従って、基材フィルム22上に、第一の有効成分層24及び第二の有効成分層26を十分な量(厚さ)において残存させるべく、1)第二の有効成分層形成ユニット104における蒸気供給パイプ112の先端開口部は、第一の有効成分層24を構成する気化性物質98の種類や真空槽52内の各種条件等に応じて、また、2)第一の有効成分透過層形成ユニット116における蒸気供給パイプ124の先端開口部は、第二の有効成分層26を構成する気化性物質110の種類や真空槽52内の各種条件等に応じて、各々、適宜に配置されることとなる。
一方、図7(a)には、図2及び図4に示される徐放性フィルム40を有利に製造することができる製造装置の一例が、概略的に示されている。かかる図7(a)より明らかなように、そこに示される製造装置130は、層形成ユニットとして、二つの有効成分層形成ユニット(第一の有効成分層形成ユニット92、第二の有効成分層形成ユニット104)と、二つの有効成分透過層形成ユニット(第一の有効成分透過層形成ユニット116、第二の有効成分透過層形成ユニット132)とを備えている。
なお、図7(a)から明らかなように、第二の有効成分透過層形成ユニット132は、第一の有効成分透過層形成ユニット116と同様の構成を有しており、真空状態の下に液状の原料モノマー138a、138bが収容されている収容ポット134a、134bと、それら二つの収容ポットを加熱するためのヒータ136a、136b、136c、136dとを有している。収容ポット134a、134bと真空槽52との間には、それらを相互に接続するための蒸気供給パイプ140が、収容ポット134a、134bとの接続部上の各々に開閉バルブ142a、142bが設置された状態にて、配置されている。二つの収容ポット134a、134bに収容される原料モノマー138a、138bは、第一の有効成分透過層形成ユニット116で用いられる原料モノマー122a、122bと同一であっても構わない。
また、図7(a)に示される製造装置130においても、四つの層形成ユニットにおける各蒸気供給パイプの先端開口部は、上述した製造装置50や製造装置90における層形成ユニットの各々と同様に、真空槽52内において、メインローラ58の外周面に対向するように配置されている。より詳細には、製造装置130において、四つの層形成ユニットの各先端開口部は、基材フィルム22の搬送方向の上流側から下流側に向かって、第一の有効成分層形成ユニット92、第二の有効成分層形成ユニット104、第一の有効成分透過層形成ユニット116、そして第二の有効成分透過層形成ユニット132の順となるように、配置されている。
加えて、製造装置130においては、第一の有効成分透過層形成ユニット116における蒸気供給パイプ124の先端開口部に、図7(b)に平面図にて示されるマスク部材128が取り付けられていると共に、第二の有効成分透過層形成ユニット132における蒸気供給パイプ140の先端開口部には、図7(c)に平面図にて示されるマスク部材144が取り付けられている。かかるマスク部材144は、第一の有効成分透過層形成ユニット116にて用いられているマスク部材128と同様に、基材フィルム22の搬送方向に延びる帯状を呈するマスク部と非マスク部とから構成されているものの、マスク部材144においては、マスク部材128のマスク部に対応する部位は、非マスク部とされている一方で、マスク部材128における非マスク部に対応する部位は、マスク部とされている(図7(b)及び(c)を参照)。
そのような製造装置130においては、先述した製造装置90と同様に、基材フィルム22上に、先ず、第一の有効成分層形成ユニット92により第一の有効成分層24が形成され、次いで、第二の有効成分層形成ユニット104により第二の有効成分層26が形成され、更に、第一の有効成分透過層形成ユニット116により、第二の有効成分層26上の所定の部位に、第一の有効成分透過層28が形成される。その後、これら各層が積層形成された基材フィルム22が真空槽52内を搬送されることにより、第二の有効成分層26における、上面に第一の有効成分透過層28が形成されていない部位は、消失する。ここまでの工程において得られる積層フィルムは、図2及び図3に示される如き構成のものである。
そして、第一の有効成分層24、第二の有効成分層26及び第一の有効成分透過層28が形成された基材フィルム22の部分が、第二の有効成分透過層形成ユニット132における蒸気供給パイプ140の先端開口部に対応する位置に到達すると、二種類の原料モノマー138a、138bの混合蒸気が、蒸気供給パイプ140の先端開口部よりマスク部材144を介して、メインローラ58の外周面上を走行する基材フィルム22の第二の有効成分層26上に吹き付けられる。即ち、前述した構成のマスク部材144を介して混合蒸気の吹き付けが実施されることにより、基材フィルム22における第一の有効成分層24のみが形成されている部位(図3における凹所30)に混合蒸気が付着するのであり、そこにおいてのみ混合蒸気を構成する二成分の重合が進行することにより、以て、図4に示されるように、第一の有効成分層24上の所定の部位に、第二の有効成分透過層42が形成された徐放性フィルム40が、長尺な帯状形態にて製造されるのである。
なお、製造装置130を用いて、図2及び図4に示される如き徐放性フィルムを製造するに際しては、第一の有効成分透過層28の形成後から第二の有効成分透過層42の形成が開始するまでの間に、上面に第一の有効成分透過層28が形成されていない第二の有効成分層26の部位を、昇華(気化)により消失させる必要がある。かかる消失を十分に進行させるべく、第二の有効成分透過層形成ユニット132における蒸気供給パイプ140の先端開口部は、第二の有効成分層26を構成する気化性物質110の種類や真空槽52内の各種条件等に応じて、適宜に配置される。
また、製造装置130においても、前述した製造装置50や製造装置90と同様に、第一の有効成分層24及び第二の有効成分層26は、それらの形成直後から真空状態に晒され、昇華(気化)が進行することとなる。従って、基材フィルム22上に、第一の有効成分層24及び第二の有効成分層26を十分な量(厚さ)において残存させるべく、1)第二の有効成分層形成ユニット104における蒸気供給パイプ112の先端開口部は、第一の有効成分層24を構成する気化性物質98の種類や真空槽52内の各種条件等に応じて、また、2)第一の有効成分透過層形成ユニット116における蒸気供給パイプ124の先端開口部は、第二の有効成分層26を構成する気化性物質110の種類や真空槽52内の各種条件等に応じて、各々、適宜に配置されることとなる。
以上、本発明に従う徐放性フィルムを有利に製造することができる製造装置及び製造工程について詳述したが、本発明の徐放性フィルムが、上記した製造装置や製造工程に従って製造された物のみに限定されるものでないことは、言うまでもないところである。
例えば、上述した製造装置において、有効成分層は、何れも、液状の気化性物質の蒸気を利用する蒸着法に従って製造されているが、蒸着法によっては層状に形成することが困難な気化性物質については、例えば塗工法等の公知の手法に従って、有効成分層を形成することが可能である。
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範疇に含まれるものであることは、言うまでもないところである。
以下に、本発明の実施例を幾つか示し、本発明を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明が、そのような実施例の記載によって、何等の制約をも受けるものでないことは、言うまでもないところである。また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には上記した具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等が加えられ得るものであることが、理解されるべきである。
先ず、気化性物質としてl−メントールを準備し、これをエタノールに溶解して、l−メントールの濃度が50wt%のエタノール溶液を調製した。このエタノール溶液を、バーコーターを備えた塗工機(株式会社安田精機製作所製、No.542-AB )を用いて、アルミ箔(厚さ:12μm)上に、乾燥後の塗膜の厚さが1μmとなるように塗工した。エタノール溶液からなる塗膜を乾燥することにより、実質的にl−メントールのみからなる厚さ:1μmの有効成分層を形成した後に、かかる有効成分層上に、ロール・ツー・ロール(roll to roll)方式の蒸着重合膜形成装置を用いて、ポリユリア樹脂からなる蒸着重合膜を作製した。ポリユリア樹脂からなる蒸着重合膜は、厚さ:2μm又は4μmにて作製し、それぞれの厚さにおいて3枚の徐放性フィルムを作製した(蒸着重合膜の厚さが4μmの徐放性フィルム:試料1〜3、蒸着重合膜の厚さが2μmの徐放性フィルム:試料4〜6)。
以上の如くして作製された試料を用いて、以下の実験を行なった。
−重量測定−
先ず、各試料について、その作製直後に重量を測定した。その後、各試料を、常温・常圧下に放置し、試料作製から3日後、4日後及び14日後に、各試料の重量を測定した。所定期間経過後の測定値から作製直後の測定値を減じ、算出された重量変化量(g)を図8にグラフとして示す。
−官能評価試験−
作製直後の試料、作製から3日経過した試料、作製から4日経過した試料、並びに、作製から14日経過した試料について、6人の被験者による官能評価試験を行なった。具体的には、被験者に試料の匂いを嗅いでもらい、被験者が感じたl−メントールの匂いの強弱を、以下に示す基準に従って評価してもらい、6人の被験者の評価点の平均(官能評価点数)を算出した。官能評価点数と、試料作製から経過した日時との関係を、図9にグラフとして示す。
3点:強いl−メントールの臭いを感じる。
2点:l−メントールの臭いを感じる。
1点:弱いながらもl−メントールの臭いを感じる。
0点:l−メントールの臭いを感じない。
図8及び図9にて示されるグラフより明らかなように、本発明に従う徐放性フィルムにあっては、長期間に亘って、有効成分たるl−メントールの安定的な放出が担保され得るものであることが、確認されたのである。
10 徐放性フィルム
12 基材フィルム
14 有効成分層
16 有効成分透過層
20 徐放性フィルム
22 基材フィルム
24 第一の有効成分層
26 第二の有効成分層
28 第一の有効成分透過層
30 凹部
40 徐放性フィルム
42 第二の有効成分透過層
50 製造装置
66 有効成分層形成ユニット
78 有効成分透過層形成ユニット
90 製造装置
92 第一の有効成分層形成ユニット
104 第二の有効成分層形成ユニット
116 第一の有効成分透過層形成ユニット
130 製造装置
132 第二の有効成分透過層形成ユニット

Claims (4)

  1. 基材フィルムにおける一方の面上に、香料、防臭剤、防菌・防黴剤及び防食・防錆剤からなる群より選ばれる少なくとも一種以上の気化性物質を含有する有効成分層が設けられており、該有効成分層上に、蒸着重合膜からなる有効成分透過層が形成されてなる徐放性フィルム。
  2. 基剤フィルムにおける一方の面上に、香料、防臭剤、防菌・防黴剤及び防食・防錆剤からなる群より選ばれる少なくとも一種以上の気化性物質を含有する第一の有効成分層が設けられ、かかる第一の有効成分層上における所定の部位に、香料、防臭剤、防菌・防黴剤及び防食・防錆剤からなる群より選ばれる少なくとも一種以上の気化性物質を含有する第二の有効成分層が設けられており、該第二の有効成分層上に、蒸着重合膜からなる第一の有効成分透過層が形成されてなる徐放性フィルム。
  3. 前記第一の有効成分層上における前記第二の有効成分層が設けられていない部位に、蒸着重合膜からなる第二の有効成分透過層が形成されてなる請求項2に記載の徐放性フィルム。
  4. 請求項2に記載の徐放性フィルムの製造方法にして、
    前記基材フィルムにおける一方の面上に、香料、防臭剤、防菌・防黴剤及び防食・防錆剤からなる群より選ばれる少なくとも一種以上の気化性物質を含有する第一の有効成分層を形成せしめる工程と、
    前記第一の有効成分層上に、香料、防臭剤、防菌・防黴剤及び防食・防錆剤からなる群より選ばれる少なくとも一種以上の気化性物質を含有する第二の有効成分層を形成せしめる工程と、
    蒸着重合法に従い、前記第二の有効成分層上における所定の部位に蒸着重合膜からなる前記第一の有効成分透過層を形成せしめる工程と、
    前記第二の有効成分層における、上面に前記第一の有効成分透過層が形成されていない部位を消失せしめる工程と、
    を有する徐放性フィルムの製造方法。
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