JP2017226081A - インクジェット装置および染色システム - Google Patents

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芳郎 柏原
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Abstract

【課題】布地の送り速度が安定しない期間においても布地の所定の位置にインクの液滴を着弾させることが可能なインクジェット装置およびそれを備えた染色システムを提供する。
【解決手段】インクジェット装置2は、布地50を送るための搬送部と、布地50の送り方向に所定の間隔で配置された複数のインクジェットヘッド11〜14と、搬送部と複数のインクジェットヘッド11〜14とを制御する制御部と、を備える。制御部は、搬送部による布地50の搬送速度に関する情報に基づいて、複数のインクジェットヘッド11〜14におけるインクの吐出タイミングを、搬送速度が速いほど早めるよう制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、被印刷面にインクを吐出してインクの液滴を着弾させるインクジェット装置およびそれを用いた染色システムに関する。
インクジェット装置は、インクジェットヘッドからインクを吐出することにより、被印刷面に印字や描画を行う装置である。インクジェットヘッドには、微細なノズルが列に並んで多数設けられている。被印刷面に対する描画のパターンに応じて、インクを吐出するノズルとインクの吐出量が設定される。
以下の特許文献1には、記録ヘッドを加速または減速させながらインクの吐出動作を行う加減速区間において、当該加減速区間で用いる吐出駆動パルスの形状を、記録ヘッドを定速移動させつつ吐出動作を行う定速区間で使用される吐出駆動パルスの形状を基準として補正することにより、加減速区間において吐出されるインクの量を増加させることが記載されている。
特開06201665号公報
ところで、衣服等の生地となる布地の染色は、これまで、染色対象の色の染料に布地を浸すことによって行われていた。このため、布地の染色のために多量の染料が必要であった。また、染色に用いた染料を除去および廃棄する際に、大量の水が使用され、さらに、バクテリアで染料を分解する処理等も必要となっていた。このため、これらの処理に大きなコストが掛かっていた。
これに対し、インクジェット装置を用いて布地を染色すれば、染色に必要な量のインクを布地に吐出するのみで済むため、染色に用いるインクの量を大幅に削減できる。また、染料を除去および廃棄する必要がないため、染料の後処理に必要なコストも削減できる。
インクジェット装置を用いて布地を染色する構成として、布地を長手方向に送るための搬送機構と、布地の送り方向に所定の間隔をおいて配置された複数のインクジェットヘッドとを備える構成を用い得る。この構成では、搬送機構によって布地を長手方向に送りながら、それぞれのインクジェットヘッドから、異なる色のインクを布地に吐出する制御が行われる。こうして、布地の各部位に所望の色のインクの液滴が着弾される。
この構成では、各インクジェットヘッドと布地との間にギャップがあるため、吐出されたインクの液滴は、このギャップを飛行した後に、布地に着弾する。このため、布地の搬送を開始した直後の加速期間と布地の搬送を終了させる際の減速期間において、インクの液滴が吐出されてから布地に着弾するまでの間に布地が送られる距離が変化する。したがって、布地の送りに同期してインクの吐出を制御すると、加速期間と減速期間において、布地におけるインクの着弾位置が布地の長手方向において粗あるいは密となってしまう。
また、この構成では、複数のインクジェットヘッドが間隔をおいて配置されるため、布地の所定の部位が各インクジェットヘッドを通過するタイミングが異なることになる。このため、加速期間と減速期間において、各インクジェットヘッドからの液滴が布地において疎または密となる領域が、布地の長手方向において互いにずれることになる。その結果、布地において、各色のインクが適正に調和せず、印刷後の布地の色味が所望の色味と異なることが起こり得る。
このように、加速期間と減速期間において布地にインクを吐出すると、種々の問題が起こり得る。このため、加速期間と減速期間にはインクの吐出を行わず、布地の送りが一定速度に安定した状態においてインクを吐出するよう制御する方法をとり得る。しかし、この制御では、加速期間と減速期間においてインクが吐出されなかった布地の部分が無駄になってしまうとの問題が生じる。
かかる課題に鑑み、本発明は、布地の送り速度が安定しない期間においても布地の所定の位置にインクの液滴を着弾させることが可能なインクジェット装置およびそれを用いた染色システムを提供することを目的とする。
本発明の第1の態様は、布地にインクを吐出して布地を染色するためのインクジェット装置に関する。第1の態様に係るインクジェット装置は、布地を送るための搬送部と、前記布地の送り方向に所定の間隔で配置された複数のインクジェットヘッドと、前記搬送部と前記複数のインクジェットヘッドとを制御する制御部と、を備える。ここで、前記制御部は、前記搬送部による前記布地の搬送速度に関する情報に基づいて、前記複数のインクジェットヘッドにおけるインクの吐出タイミングを、前記搬送速度が速いほど早めるよう制御する
本態様に係るインクジェット装置によれば、布地の搬送速度に応じてインクの吐出タイミングが制御される。よって、布地の搬送を開始した直後の加速期間と布地の搬送を終了させる際の減速期間において各インクジェットヘッドからインクを吐出させた場合も、搬送速度の変化によって生じるインクの着弾位置のずれが抑制される。よって、各インクジェットヘッドから所定の位置にインクの液滴を着弾させることができる。
本発明の第2の態様は、染色システムに関する。第2の態様に係る染色システムは、第1の態様に係るインクジェット装置と、前記布地を前記搬送部に供給する布供給部と、前記複数のインクジェットヘッドにより染色された布地を乾燥させる乾燥部と、を備える。
本態様に係る染色システムによれば、第1の態様と同様の効果が奏され得る。
以上のとおり、本発明に係るインクジェット装置および染色システムによれば、布地の送り速度が安定しない期間においても布地の所定の位置にインクの液滴を着弾させることができる。
本発明の効果ないし意義は、以下に示す実施の形態の説明により更に明らかとなろう。ただし、以下に示す実施の形態は、あくまでも、本発明を実施化する際の一つの例示であって、本発明は、以下の実施の形態に記載されたものに何ら制限されるものではない。
図1(a)は、実施の形態に係る染色システムの外観構成を模式的に示す平面図、図1(b)は、実施の形態に係る染色システムの外観構成を模式的に示す側面図である。 図2は、実施の形態に係るインクジェット装置の構成を模式的に示す斜視図である。 図3(a)は、実施の形態に係るヘッドブロックの構成を模式的に示す斜視図である。図3(b)は、実施の形態に係るヘッド部の下面の構成を模式的に示す平面図である。図3(c)は、実施の形態に係るヘッドブロックをZ軸負方向に見た場合のヘッドモジュールの配置構成を模式的に示す図である。 図4は、実施の形態に係るインクジェット装置の構成を示すブロック図である。 図5は、実施の形態に係る印刷同期信号の生成に関する制御部の構成を示すブロック図である。 図6は、実施の形態に係る周期カウンタの動作を説明するタイミングチャートである。 図7は、実施の形態に係る動作状態の設定方法を説明するタイミングチャートである。 図8は、実施の形態に係る各インクジェットヘッドに対する動作状態ST1の設定形態を説明する図である。 図9(a)は、実施の形態に係る染色動作の基本フローを示すフローチャートである。図9(b)は、実施の形態に係る印刷同期処理を示すフローチャートである。 図10(a)は、実施の形態に係る動作状態ST0における処理を示すフローチャートである。図10(b)は、実施の形態に係る動作状態ST1における処理を示すフローチャートである。 図11は、実施の形態に係る動作状態ST2における処理を示すフローチャートである。 図12は、実施の形態に係るカウンタの計数動作と印刷同期信号の出力タイミングを示すタイミングチャートである。 図13は、実施の形態に係るカウンタの計数動作と印刷同期信号の出力タイミングを示すタイミングチャートである。 図14(a)は、比較例に係る第1のインクジェットヘッドにおけるインクの吐出動作を模式的に示す図である。図14(b)は、比較例に係る第2のインクジェットヘッドにおけるインクの吐出動作を模式的に示す図である。 図15(a)は、実施の形態に係る第1のインクジェットヘッドにおけるインクの吐出動作を模式的に示す図である。図15(b)は、実施の形態に係る第2のインクジェットヘッドにおけるインクの吐出動作を模式的に示す図である。
本発明の実施の形態について、図を参照して説明する。便宜上、各図には互いに直交するX、Y、Z軸が付記されている。XY平面は水平面に平行であり、Z軸方向は鉛直方向に平行である。X軸正方向が布地の搬送方向であり、Y軸方向は布地の幅方向である。
図1(a)は、染色システム1の外観構成を模式的に示す平面図、図1(b)は、染色システム1の外観構成を模式的に示す側面図である。
染色システム1は、インクジェット装置2と、布供給部30と、乾燥部40とを備えている。インクジェット装置2は、第1のインクジェットヘッド11と、第2のインクジェットヘッド12と、第3のインクジェットヘッド13と、第4のインクジェットヘッド14と、搬送部20とを備えている。
第1のインクジェットヘッド11〜第4のインクジェットヘッド14は、布地50の搬送方向(X軸正方向)に所定の間隔で配置されている。第1のインクジェットヘッド11〜第4のインクジェットヘッド14は、互いに異なる色のインクを、布地50に向けて吐出する。たとえば、第1のインクジェットヘッド11、第2のインクジェットヘッド12、第3のインクジェットヘッド13および第4のインクジェットヘッド14、それぞれ、シアン、マゼンダ、イエロー、ブラックのインクを吐出する。
搬送部20は、搬送ベルト21と、ローラ22、23とを備えている。布地50は搬送ベルト21の上面に貼り付いた状態で、搬送ベルト21によってX軸正方向に送られる。搬送部20の構成については、追って、図2を参照して説明する。
布供給部30は、支軸31aを備える設置ユニット31と、フレームに支持されたローラ32〜34とを備えている。一方向に巻き取られた布地50が、回転可能に設置ユニット31の支軸31aにセットされる。設置ユニット31にセットされた布地50の端部が引き出されて、ローラ32、33の上面に掛けられる。布地50の端部がローラ34の下面に掛けられて、搬送ベルト21へと導かれる。布地50の端部は、搬送ベルト21の上面に貼り付けられる。搬送ベルト21の移動に伴い、設置ユニット31から布地50が引き出されて、布地50がX軸正方向に移動する。
乾燥部40は、乾燥機41と、ローラ42、43とを備える。乾燥機41は、ローラ42を介して導入された布地50のインクを乾燥させる。ローラ42は、搬送ベルト21の上面から布地50を剥離させて乾燥機41へと導入させるためのものである。ローラ43は、乾燥機41から搬出された布地50を後方へと案内するためのものである。
図2は、インクジェット装置2の構成を模式的に示す斜視図である。
インクジェット装置2は、第1のインクジェットヘッド11〜第4のインクジェットヘッド14、搬送ベルト21およびローラ22、23の他に、支柱61、62と、支持部63〜66と、を備える。インクジェット装置2は、布地50にインクを吐出して布地50を染色する。なお、図2では、便宜上、支持部66と第4のインクジェットヘッド14の外形が破線で示されており、第4のインクジェットヘッド14の内部が透視され、第4のインクジェットヘッド14の内部のヘッドブロック100が図示されている。
支柱61、62は、X軸方向に延びた枠部材であり、Y軸方向に互いに離れている。支柱61と支柱62の間には、X軸負側の位置にローラ22が設けられ、X軸正側の位置にローラ23が設けられている。ローラ22、23は、それぞれ、Y軸方向に延びた支軸22a、23aを備えている。支軸22a、23aは、回転可能となるよう支柱61、62に支持されている。また、支軸22a、23aは、図示しないモータによりY軸正方向に見て時計回りに回転される。
搬送ベルト21は、Y軸方向に所定の幅を有し、ローラ22、23に掛け渡されている。搬送ベルト21の表面には、布地50が滑らないように、粘着剤樹脂が塗布されており、印写が終わるとベルトから剥離される。支軸22a、23aがモータにより回転されると、ローラ22、23が回転し、搬送ベルト21に設置された布地50がX軸正方向に搬送される。
支持部63〜66は、Y軸方向に延びた枠部材であり、支柱61と支柱62に掛け渡されている。第1のインクジェットヘッド11は、支持部63に設置されており、第2のインクジェットヘッド12は、支持部64に設置されており、第3のインクジェットヘッド13は、支持部65に設置されており、第4のインクジェットヘッド14は、支持部66に設置されている。第1のインクジェットヘッド11と、第2のインクジェットヘッド12と、第3のインクジェットヘッド13と、第4のインクジェットヘッド14は、搬送ベルト21によって搬送される布地50に対して対向するように設置されている。第1のインクジェットヘッド11〜第4のインクジェットヘッド13は、それぞれ、6つのヘッドブロック100を備える。
図3(a)は、ヘッドブロック100の構成を模式的に示す斜視図である。
図3(a)に示すように、ヘッドブロック100は、フレーム101と、6つのヘッドモジュール110と、を備える。ヘッドモジュール110は、フレーム101に形成された矩形の凹部(図示せず)に嵌まるようにフレーム101設置されている。フレーム101の凹部には、ヘッドブロック100からZ軸正方向にインクを吐出可能とするための開口が形成されている。ヘッドモジュール110は、X軸方向に並んだ4つのヘッド部111からなる。
図3(b)は、ヘッド部111の下面の構成を模式的に示す平面図である。
図3(b)に示すように、ヘッド部111の下面には、インクを吐出するための多数のノズル111aがY軸方向に一列に並ぶように配置されている。具体的には、ヘッド部111の下面には、ノズル111aの列L1〜L4が配置されている。列L1〜L4には、それぞれ、多数のノズル111aが一定間隔で設けられている。後述するインク供給部400(図4参照)から供給されたインクは、ノズル111aから下方向(Z軸正方向)に吐出され、搬送ベルト21上の布地50に印写される。
図3(c)は、ヘッドブロック100をZ軸負方向に見た場合のヘッドモジュール110の配置構成を模式的に示す図である。
上述したように、ヘッド部111の下面には、ノズル111aがY軸方向に並ぶ列L1〜L4が配置されており、ヘッドモジュール110は、X軸方向に並んだ4つのヘッド部111からなる。したがって、図3(c)に示すように、1つのヘッドモジュール110を下面側から見ると、Y軸方向に並んだノズル111aの列がX軸方向に16列並ぶことになる。
また、図3(c)に示すように、6つのヘッドモジュール110は、Y軸方向の位置が重なるように並んでいる。すなわち、Y軸正側から1、3、5番目のヘッドモジュール110は、X軸正側に配置されており、Y軸正側から2、4、6番目のヘッドモジュール110とは、X軸負側に配置されている。そして、X軸方向に隣り合う2つのヘッドモジュール110は、Y軸方向に所定の幅w1だけ重なるように配置されている。これにより、X軸正側のヘッドモジュール110のY軸負側の端のノズル111aとX軸負側のヘッドモジュール110のY軸正側の端のノズル111aとの間のY軸方向の距離が、各列L1〜L4のノズル111aの間隔と同じになっている。
このように6つのヘッドモジュール110が配置されることにより、1つのヘッドブロック100内のノズル111aは、Y軸方向において等間隔となるように、並ぶこととなる。これにより、1列のノズル数の6倍の幅で等間隔に、インクの液滴を布地50に吐出することができる。
図2に戻り、インクジェット装置2によって布地50を染色する際には、図1(a)、(b)を参照して説明したようにして、布地50が搬送ベルト21上に設置され、ローラ22、23が回転される。これにより搬送ベルト21上の布地50が、各インクジェットヘッドの吐出領域を通過するようにX軸正方向に搬送される。このとき、布地50に対して、第1のインクジェットヘッド11、第2のインクジェットヘッド12、第3のインクジェットヘッド13および第4のインクジェットヘッド14のノズル111aから、適宜、各色のインクが吐出される。
図4は、インクジェット装置2の構成を示すブロック図である。
インクジェット装置2は、第1のインクジェットヘッド11と、第2のインクジェットヘッド12と、第3のインクジェットヘッド13と、第4のインクジェットヘッド14の他、制御部200と、搬送部300と、インク供給部400と、インターフェース500と、を備える。
搬送部300は、ローラ22、23と、ローラ22、23を回転させるためのモータと、搬送ベルト21の他に、ローラ22の回転を検出するためのエンコーダ301を含んでいる。エンコーダ301は、ローラ22が一定角度回転するごとにパルスを1つ出力する。たとえば、エンコーダ301は、ローラ22が1回転する間に、10000個程度のパルスを出力する。
制御部200は、信号処理回路とメモリを備え、メモリに保持されたプログラムに従って、インクジェット装置2の各部を制御する。さらに、制御部200は、印刷同期信号を出力するための構成を備えている。印刷同期信号は、第1のインクジェットヘッド11〜第4のインクジェットヘッド14におけるインクの吐出タイミングを設定するために用いられる。
インク供給部400は、4つのインクジェットヘッドにそれぞれ対応する色のインクを供給するための構成を備える。インターフェース500は、布地50に染色すべき色および色調の入力を受け付けて、当該染色情報を制御部200に出力する。
制御部200は、入力された染色情報に従って、4つのインクジェットヘッドと、インク供給部400と、搬送部300と、を制御し、布地50に染色を行う。これにより、布地50がX軸正方向に搬送されながら、4つのインクジェットヘッドのノズル111aからインクが布地50に吐出され、布地50に染色が行われる。
図5は、印刷同期信号の生成に関する制御部200の構成を示すブロック図である。印刷同期信号は、各インクジェットヘッドに対しインクの吐出タイミングを規定するためのものである。便宜上、図5には、搬送部300に含まれるエンコーダ301が併せて示されている。
制御部200は、周期カウンタ201と、第1のカウンタコントローラ202〜第4のカウンタコントローラ205とを備えている。周期カウンタ201は、エンコーダ301から入力される信号(エンコーダ信号)に基づいて、制御部200の内部クロックを計数し、計数結果を周期データとして、第1のカウンタコントローラ202〜第4のカウンタコントローラ205に出力する。クロックは、たとえば、周波数が数10MHz程度の固定クロックである。
図6は、周期カウンタ201の動作を説明するタイミングチャートである。
図6に示すように、周期カウンタ201は、エンコーダ信号の立ち下がりに応じてリセットされ、クロックの計数を開始する。その後、周期カウンタ201は、次にエンコーダ信号が立ち下がるまでクロックを計数し、次のエンコーダ信号の立ち下がりに応じて、そのときの計数値を周期データとして出力する。すなわち、周期カウンタ201は、エンコーダ信号の1周期に含まれるクロック数を周期データとして出力する。
上記のように、エンコーダ信号は、布地50を送るローラ22の回転に同期して出力される。したがって、エンコーダ信号の周期は、布地50の搬送速度を反映したものとなる。すなわち、布地50の搬送速度が早いとエンコーダ信号の周期が短くなる。この場合、周期カウンタ201から出力される周期データ(クロックの計数値)は小さくなる。また、布地50の搬送速度が遅いとエンコーダ信号の周期が長くなる。この場合、周期カウンタ201から出力される周期データ(クロックの計数値)は大きくなる。したがって、周期カウンタ201から出力される周期データは、布地50の搬送速度を反映した情報となる。
図5に戻り、第1のカウンタコントローラ202〜第4のカウンタコントローラ205は、それぞれ、第1のインクジェットヘッド11〜第4のインクジェットヘッド12に対応づけられている。第1のカウンタコントローラ202〜第4のカウンタコントローラ205は、それぞれ、カウンタを備えており、これらのカウンタで、エンコーダ信号のパルスを計数する。第1のカウンタコントローラ202〜第4のカウンタコントローラ205は、計数可能な最大計数値が互いに同じとなっている。すなわち、第1のカウンタコントローラ202〜第4のカウンタコントローラ205は、互いに同じ最大計数値でオーバーフローする。
染色動作が開始されると、制御部200は、周期カウンタ201から出力される周期データに基づいて、布地50が所定の速度で搬送されるように搬送部300を制御する。これにより布地50の搬送が開始されると、制御部200は、第1のカウンタコントローラ202、第2のカウンタコントローラ203、第3のカウンタコントローラ204および第4のカウンタコントローラ205に、それぞれ、第1のプリデータ、第2のプリデータ、第3のプリデータおよび第4のプリデータをプリロードする。これらプリデータの内容については、追って、図8を参照して説明する。
その後、制御部200は、第1のカウンタコントローラ202、第2のカウンタコントローラ203、第3のカウンタコントローラ204および第4のカウンタコントローラ205を制御して、印刷同期信号を生成する。これらの印刷同期信号は、それぞれ、第1のインクジェットヘッド11、第2のインクジェットヘッド12、第3のインクジェットヘッド13および第4のインクジェットヘッド12のインクの吐出タイミングを規定するために用いられる。制御部200における制御の内容については、追って、図9(a)〜図11を参照して説明する。
図7は、染色動作における動作状態の設定方法を説明するタイミングチャートである。
図7の最上段は、布地50に対する染色動作が開始してから終了するまでの間の布地50の搬送速度の変化を模式的に示している。染色動作が開始され、布地50の搬送が開始されると、布地50の搬送が加速し、時刻T3において所定の速度V2に到達する。その後、布地50の搬送速度は時刻T4まで速度V2に維持される。やがて、染色動作が終了に近づくと、時刻T4において、布地50の搬送が減速し、その後、布地50の搬送が停止する。このような布地50の搬送速度の変化に伴い、周期カウンタ201から出力される周期データが、図7の中段のように変化する。
制御部200は、布地50の搬送速度に応じて、動作状態をST0〜ST2に設定する。布地50に対する各インクジェットヘッドによる印刷は、動作状態ST2において行われる。動作状態ST1は、布地50の印刷開始位置を各インクジェットヘッドに位置付けるために設けられている。動作状態ST1の時間長、すなわち、時刻T1から時刻T2の間の時間長は、制御対象のインクジェットヘッドごとに異なっている。
図8は、各インクジェットヘッドに対する動作状態ST1の設定形態を説明する図である。
図8において、SP1〜SP4は、それぞれ、第1のインクジェットヘッド11〜第4のインクジェットヘッド14の位置を示している。白抜きの矢印は、布地50の搬送方向である。50aは、布地50の印刷開始位置である。SP0は、図7の時刻T1のタイミング、すなわち、布地50の搬送速度が速度V1に到達したタイミングにおける印刷開始位置の位置を示している。上下に並ぶ5つの布地50は、時間の経過に伴い搬送された布地50を示している。ST1−11〜ST1−14は、それぞれ、第1のインクジェットヘッド11〜第4のインクジェットヘッド14に対して設定された動作状態ST1における布地50の搬送距離を示している。
図8に示すように、インクジェットヘッドごとに動作状態ST1における布地50の搬送距離ST1−11〜ST1−14が異なっている。各インクジェットヘッドに設定される搬送距離ST1−11〜ST1−14は、布地50の印刷開始位置50aが位置SP0から対応するインクジェットヘッドの位置SP1〜SP4に到達するのに要する距離に制御される。搬送距離ST1−11〜ST1−14は、図5に示す第1〜第4のプリデータと周期データ(布地50の搬送速度)とに基づいて設定される。
より詳細には、搬送距離ST1−11〜ST1−14に応じて第1〜第4のプリデータが設定されている。第1のプリデータの値(計数値)と第1のカウンタコントローラ202のカウンタの最大計数値との差分が、搬送距離ST1−11に応じたエンコーダ信号のパルス数に略等しくなるように設定されている。また、第2のプリデータの値(計数値)と第2のカウンタコントローラ203のカウンタの最大計数値との差分が、搬送距離ST1−12に応じたエンコーダ信号のパルス数に略等しくなるように設定されている。第3のプリデータと第4のプリデータも同様の方法で設定されている。
制御部200は、こうして調整された第1〜第4のプリデータと周期データ(布地50の搬送速度)とに基づいて、インクジェットヘッドごとに、動作状態をST1からST2へと移行させるタイミングを制御する。動作状態ST1における制御については、追って、図10(b)を参照して説明する。
次に、染色動作における制御について、図9(a)〜図11を参照して説明する。以下の制御は、第1のインクジェットヘッド11〜第4のインクジェットヘッド14に対して個別に行われる。各インクジェットヘッドに対する制御は、制御対象のインクジェットヘッドに対応付けられたカウンタコントローラを用いて行われる。たとえば、第1のインクジェットヘッド11に対する制御は、第1のカウンタコントローラ202を用いて行われる。
図9(a)は、染色動作の基本フローを示すフローチャートである。
染色動作が開始されると、制御部200は、動作状態をST0に設定し(S11)、搬送部300の駆動を開始させる(S12)。これにより、布地50の搬送が開始される。その後、制御部200は、染色動作が終了するまで(S14:NO)、印刷同期処理(S13)を実行する。染色動作が終了すると(S14:YES)、制御部200は、搬送部300を停止させる(S15)。これにより、染色動作が終了する。なお、染色動作の開始時に、図5に示す周期カウンタ201と第1のカウンタコントローラ202〜第4のカウンタコントローラ205は、全てリセットされる。
図9(b)は、印刷同期処理(図9(a)のS13)を示すフローチャートである。
エンコーダ301から出力されるエンコーダ信号が立ち下がると(S21)、制御部200は、周期カウンタ201から周期データを取得する(S22)。そして、制御部200は、現在の動作状態がST0〜ST2の何れにあるかを判定し(S23)、現在の動作状態に応じた処理を実行する(S24〜S26)。
図10(a)は、動作状態ST0における処理を示すフローチャートである。
制御部200は、図9(b)のステップS22で取得した周期データが図7に示す閾値PD1以下となったか否か、すなわち、布地50の搬送速度が速度V1以上となったか否かを判定する(S31)。ステップS31の判定がNOの場合、制御部200は、今回の動作状態ST0の処理を終了する。ステップS31の判定がYESの場合、制御部200は、制御対象のインクジェットヘッドに対応するカウンタコントローラにプリデータをロードし(S32)、当該インクジェットヘッドの動作状態をST1に設定する(S33)。たとえば、制御対象のインクジェットヘッドが第1のインクジェットヘッド11である場合、制御部200は、第1のカウンタコントローラ202に第1のプリデータをロードし、第1のインクジェットヘッド11の動作状態をST1に設定する。
図10(b)は、動作状態ST1における処理を示すフローチャートである。
制御部200は、図9(b)のステップS22で取得した周期データが、図7に示す閾値PD3以下であるか否か、すなわち、布地50の搬送速度が速度V3以上であるか否かを判定する(S41)。ステップS41の判定がNOの場合、制御部200は、動作状態をST0に変更し(S42)、処理を終了する。
ステップS41の判定がYESの場合、制御対象のインクジェットヘッドに対応するカウンタコントローラは、カウンタの計数値(EnCount)を1だけ増加させる(S43)。さらに、カウンタコントローラは、カウントアップ後の計数値(EnCount)に布地50の搬送速度に応じた補正値(Nc/PD)を加算して、速度補正計数値(EnCalc)を取得する(S44)。たとえば、制御対象のインクジェットヘッドが第1のインクジェットヘッド11である場合、第1のカウンタコントローラ202は、自身のカウンタを1だけカウントアップさせ、さらに、カウントアップ後の計数値(EnCount)に補正値(Nc/PD)を加算して速度補正計数値(EnCalc)を取得する。
ここで、補正値(Nc/PD)は、所定の係数Ncを、図9(b)のステップS22で取得した周期データPDで除算した商の値である。したがって、布地50の搬送速度が速いほど、すなわち、周期データPDの値が小さいほど、補正値(Nc/PD)は大きくなる。係数Ncは、第1のカウンタコントローラ202〜第4のカウンタコントローラ205において共通である。
続いて、カウンタコントローラは、ステップS44で求めた速度補正計数値(EnCalc)がカウンタの最大計数値(Cmax)以上であるか否か、すなわち、速度補正計数値(EnCalc)によってカウンタがオーバーフローするか否かを判定する(S45)。ステップS45の判定がNOの場合、カウンタコントローラは、今回の動作状態ST1の処理を終了する。
ステップS45の判定がYESの場合、カウンタコントローラは、カウンタをクリアする(S46)。これに伴い、制御部200は、制御対象のインクジェットヘッドに対する動作状態をST2に設定する(S47)。たとえば、制御対象のインクジェットヘッドが第1のインクジェットヘッド11である場合、ステップS46において、第1のカウンタコントローラ202のカウンタがクリアされ、ステップS47において、第1のインクジェットヘッド11の動作状態がST2に設定される。
図11は、動作状態ST2における処理を示すフローチャートである。
制御部200は、図9(b)のステップS22で取得した周期データが、図7に示す閾値PD3以下であるか否か、すなわち、布地50の搬送速度が速度V3以上であるか否かを判定する(S51)。ステップS51の判定がNOの場合、制御部200は、動作状態をST0に変更し(S52)、処理を終了する。
ステップS51の判定がYESの場合、制御対象のインクジェットヘッドに対応するカウンタコントローラは、カウンタの計数値(EnCount)を1だけ増加させる(S53)。さらに、カウンタコントローラは、カウントアップ後の計数値(EnCount)に布地50の搬送速度に応じた補正値(Nc/PD)を加算して、速度補正計数値(EnCalc)を取得する(S54)。補正値(Nc/PD)は、図10(b)のステップS44で用いる補正値(Nc/PD)と同様である。たとえば、制御対象のインクジェットヘッドが第1のインクジェットヘッド11である場合、第1のカウンタコントローラ202は、自身のカウンタを1だけカウントアップさせ、さらに、カウントアップ後の計数値(EnCount)に補正値(Nc/PD)を加算して速度補正計数値(EnCalc)を取得する。
続いて、カウンタコントローラは、ステップS54で求めた速度補正計数値(EnCalc)がカウンタの最大計数値(Cmax)以上であるか否か、すなわち、速度補正計数値(EnCalc)によってカウンタがオーバーフローするか否かを判定する(S55)。ステップS55の判定がNOの場合、カウンタコントローラは、処理をステップS57に進める。ステップS55の判定がYESの場合、カウンタコントローラは、カウンタをクリアして(S56)、処理をステップS57に進める。
ステップS57において、カウンタコントローラは、速度補正計数値(EnCalc)を変数nで分周して、同期計算値(SyncCalc)を取得する。同期計算値(SyncCalc)は、速度補正計数値(EnCalc)を変数nで除算した商である。そして、カウンタコントローラは、取得した同期計算値(SyncCalc)が1回前の処理で取得した同期計算値(SyncCalc)と相違するか否かを判定する(S58)。これら2つの同期計算値(SyncCalc)が互いに相違する場合(S58:YES)、カウンタコントローラは、印刷同期信号を出力し(S59)、ステップS57で取得した同期計算値(SyncCalc)を保存する(S60)。これら2つの同期計算値(SyncCalc)が相違しない場合(S58:NO)、カウンタコントローラは、印刷同期信号を出力せずに、ステップS57で取得した同期計算値(SyncCalc)を保存する(S60)。
たとえば、制御対象のインクジェットヘッドが第1のインクジェットヘッド11である場合、第1のカウンタコントローラ202がステップS55〜ステップS60の制御を行う。ステップS58の判定がYESの場合、第1のカウンタコントローラ202は、第1のインクジェットヘッド11の吐出タイミングを規定する印刷同期信号を出力する。この印刷同期信号に同期して、第1のインクジェットヘッド11からインクが吐出される。
図12および図13は、図10(a)〜図11の制御に基づくカウンタの計数動作と印刷同期信号の出力タイミングを示すタイミングチャートである。以下では、便宜上、第1のインクジェットヘッド11に対する制御を例に挙げて説明を行う。
まず、図12を参照して、動作状態がST0からST1に切り替わると、第1のカウンタコントローラ202のカウンタに第1のプリデータがロードされる。その後、周期カウンタ201から出力されるエンコーダ信号が立ち下がるごとに、第1のカウンタコントローラ202のカウンタが1ずつカウントアップされ、カウントアップ後の計数値に基づいて速度補正計数値(EnCal)が取得される。上記のように、速度補正計数値(EnCal)は、カウントアップ後の計数値(EnCount)に補正値(Nc/PD)を加算したものである。
やがて、速度補正計数値(EnCal)が第1のカウンタコントローラ202のカウンタの最大計数値(Cmax)に到達すると、第1のカウンタコントローラ202のカウンタがリセットされ、動作状態がST1からST2に切り替えられる。その後、周期カウンタ201から出力されるエンコーダ信号が立ち下がるごとに、第1のカウンタコントローラ202のカウンタが1ずつカウントアップされ、カウントアップ後の計数値に基づいて速度補正計数値(EnCal)が取得される。動作状態ST1の場合と同様、速度補正計数値(EnCal)は、カウントアップ後の計数値(EnCount)に補正値(Nc/PD)を加算して取得される。
動作状態ST2では、速度補正計数値(EnCal)が取得されるごとに、速度補正計数値(EnCal)を変数nで分周して同期計算値(SyncCal)が取得される。その後、暫く、同期計算値(SyncCal)は同じ値に維持される。動作状態がST1からST2に切り替わった後に、エンコーダ301から変数nよりやや少ない数のパルスが出力されたタイミング付近で、同期計算値(SyncCal)が変化する。これに応じて、印刷同期信号が出力される。出力された印刷同期信号に応じて、第1のインクジェットヘッド11からインクが吐出される。
その後は、図13に示すように、周期カウンタ201から出力されるエンコーダ信号が立ち下がるごとに、速度補正計数値(EnCal)がステップ状に増加する。そして、1回前に印刷同期信号が出力された後に、エンコーダ301から変数nよりやや少ない数のパルスが出力されたタイミング付近で、同期計算値(SyncCal)が変化し、印刷同期信号が出力される。出力された印刷同期信号に応じて、第1のインクジェットヘッド11からインクが吐出される。
ここで、変数nは、印刷の解像度に応じた値に設定される。変数nが大きいほど、印刷同期信号が出力される間隔が広くなり、布地50に転写されるインクの間隔が広くなる。すなわち、変数nが大きいほど、印刷の解像度が低くなる。
ただし、印刷同期信号は、変数nと同数のパルス分に対応する距離だけ布地50が進むごとに出力されるものではない。すなわち、図11のフローチャートでは、ステップS53で取得されたパルスの計数値(EnCount)がステップS57で分周されるのではなく、ステップS54において、布地50の搬送速度を反映した補正値(Nc/PD)をカウンタコントローラの計数値(EnCount)に加算して取得された速度補正計数値(EnCal)がステップS57で分周される。したがって、ステップS57で取得される同期計算値(SyncCalc)が変化するタイミングは、変数nと同数のパルス分に対応する距離だけ布地50が進んだタイミングに対して、補正値(Nc/PD)の大きさ、すなわち、布地50の搬送速度に応じた時間だけ前後する。つまり、布地50の搬送速度が速いほど、印刷同期信号の出力タイミングが、変数nと同じ数のパルス分に対応する距離だけ布地50が進んだタイミングから早められる。
こうして、制御部200は、搬送部300による布地50の搬送速度に基づいて、インクジェットヘッドにおけるインクの吐出タイミングを、搬送速度が速いほど早めるように制御する。なお、図11のステップS54における係数Ncは、布地50の搬送速度が加速方向および減速方向に変化した場合に、略一定の間隔で布地50にインクが転写されるように調整される。
図14(a)は、比較例に係る第1のインクジェットヘッド11におけるインクの吐出動作を模式的に示す図である。図14(b)は、比較例に係る第2のインクジェットヘッド12におけるインクの吐出動作を模式的に示す図である。
比較例では、変数nと同数のパルス分に対応する距離だけ布地50が進むごとに印刷同期信号が出力される。したがって、布地50の長手方向の同じ位置に第1のインクジェットヘッド11および第2のインクジェットヘッド12からインクを転写する場合、比較例では、たとえば、布地50上の位置P0が、第1のインクジェットヘッド11および第2のインクジェットヘッド12からそれぞれ同じ距離だけ手前の位置に到達したタイミングで、第1のインクジェットヘッド11および第2のインクジェットヘッド12に対する印刷同期信号が出力される。
この場合、布地50の搬送が加速状態にあると、第1のインクジェットヘッド11に対して印刷同期信号が出力された時点の布地50の搬送速度Vaよりも、第2のインクジェットヘッド12に対して印刷同期信号が出力された時点の布地50の搬送速度Vbが速くなる。他方、第1のインクジェットヘッド11および第2のインクジェットヘッド12と布地との間にはギャップG0があるため、第1のインクジェットヘッド11および第2のインクジェットヘッド12からそれぞれ吐出されたインクの液滴71、72は、このギャップG0を飛行した後に、布地50に着弾する。
しかし、搬送速度Vaに比べて搬送速度Vbが速いため、液滴71が吐出されてから布地50に着弾するまでの間に布地50が送られる距離Daに比べて、液滴72が吐出されてから布地50に着弾するまでの間に布地50が送られる距離Dbが長くなる。このため、液滴71は布地50上の位置P0に着弾し、液滴72は布地50上の位置P0から布地50の搬送方向と逆方向にずれた位置に着弾する。
このように、比較例では、布地50の搬送が加速状態にある場合、本来同じ位置に着弾されるべき液滴71、72が、布地50上の長手方向にずれた位置に着弾してしまう。布地50の搬送が減速状態にある場合も、同様に、布地50上の長手方向にずれた位置に液滴71、72が着弾する。布地50の搬送が減速状態にある場合、液滴72は、液滴71に対して布地50の搬送方向にずれた位置に着弾する。
このように、比較例では、布地50の搬送が加速状態または減速状態にある場合、本来同じ位置に着弾されるべき液滴71、72が、布地50上の長手方向にずれた位置に着弾する。このため、布地50において、各色のインクが適正に調和せず、印刷後の布地の色味が所望の色味と異なることが起こり得る。
また、比較例では、布地50の搬送が加速状態または減速状態にある場合、たとえば、第1のインクジェットヘッド11の下方を通過する布地50の搬送速度が、時間の経過と共に変化する。このため、第1のインクジェットヘッド11からインクの液滴71が吐出されてから布地50に着弾するまでの間に布地50が送られる距離Daが、時間の経過と共に変化する。したがって、比較例のように、布地50が一定距離だけ送られるごとにインクの吐出するように制御すると、加速状態と減速状態において、布地50におけるインクの着弾位置が布地50の長手方向において粗あるいは密となってしまう。これによっても、印刷後の布地の色味が所望の色味と異なることが起こり得る。
図15(a)は、実施の形態に係る第1のインクジェットヘッド11におけるインクの吐出動作を模式的に示す図である。図15(b)は、実施の形態に係る第2のインクジェットヘッド12におけるインクの吐出動作を模式的に示す図である。
本実施の形態では、上記のように、インクジェットヘッドにおけるインクの吐出タイミングが、布地50の搬送速度が速いほど早めるように制御される。したがって、たとえば、図15(b)に示すように、第2のインクジェットヘッド12でインクを吐出する際の布地50の搬送速度Vbが、第1のインクジェットヘッド11でインクを吐出する際の布地50の搬送速度Vaよりも速い場合、速度の変化に応じて、第2のインクジェットヘッド12に対する印刷同期信号の出力タイミングが早められる。これにより、第2のインクジェットヘッド12から吐出されたインクの液滴72は、液滴71と略同じ位置P0に着弾するようになる。布地50の搬送が減速状態にある場合も同様に、インクの液滴72は液滴71と略同じ位置に着弾するようになる。
また、本実施の形態では、上記のように、インクジェットヘッドにおけるインクの吐出タイミングが、布地50の搬送速度が速いほど早めるように制御されるため、布地50の搬送が加速状態および減速状態にある場合も、長手方向において略一定のピッチで、各インクジェットヘッドからのインクの液滴を布地50に着弾させることができる。よって、加速状態と減速状態において、布地50におけるインクの着弾位置が布地50の長手方向において粗あるいは密となることを抑制することができる。
<実施形態の効果>
以上、本実施の形態によれば、以下の効果が奏される。
布地50の搬送速度に応じてインクの吐出タイミングが制御されるため、布地50の搬送を開始した直後の加速期間と布地の搬送を終了させる際の減速期間において各インクジェットヘッドからインクを吐出させた場合も、搬送速度の変化によって生じるインクの着弾位置のずれが抑制される。よって、各インクジェットヘッドから所定の位置にインクの液滴を着弾させることができる。
また、第1のカウンタコントローラ202〜第4のカウンタコントローラ205によってエンコーダ301からのパルスを計数することにより、動作状態ST1、ST2における印刷同期のための制御を一連の制御として行う構成であるため、簡易な構成により効率的に印刷同期信号を生成することができる。
また、動作状態ST1では、第1のカウンタコントローラ202〜第4のカウンタコントローラ205に第1のプリデータないし第4のプリデータがプリロードされた後に、第1のカウンタコントローラ202〜第4のカウンタコントローラ205の計数値(EnCount)に補正値(Nc/PD)を加算した速度補正計数値(EnClac)がカウンタの最大計数値(Cmax)に到達したか否かに基づいて、動作状態ST2への切り替えタイミングが調整されている。このように、動作状態をST1からST2へと切り替える際にも、布地50の搬送速度を加味することにより、たとえば、布地50の印刷開始位置50aが第1のインクジェットヘッド11に到達する直前の布地50の搬送速度が速い場合には、早めに動作状態がST1からST2へと切り替えられてインクの吐出が開始される。したがって、第1のインクジェットヘッド11〜第4のインクジェットヘッド14にそれぞれ印刷開始位置50aが到達する際の布地50の搬送速度が互いに異なっている場合に、それぞれの搬送速度に適したタイミングで、動作状態ST2への切り替えが行われて、インクの吐出が開始される。よって、第1のインクジェットヘッド11〜第4のインクジェットヘッド14から最初に吐出されたインクを、それぞれ、印刷開始位置50aに着弾させることができる。
<変更例>
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に何らの制限を受けるものではない。
たとえば、上記実施の形態では、動作状態ST1において、第1のカウンタコントローラ202〜第4のカウンタコントローラ205に互いに異なるプリデータがプリロードされたが、動作状態ST1における処理は、これに限られるものではない。たとえば、第1のカウンタコントローラ202〜第4のカウンタコントローラ205にプリデータをプリロードすることなくエンコーダ信号のパルスを計数し、この計数値(EnCount)に搬送速度に基づく補正値(Nc/PD)を加算した速度補正計数値(EnCalc)が、それぞれ、第1のカウンタコントローラ202〜第4のカウンタコントローラ205に対して設定された互いに異なる閾値に到達したタイミングで、動作状態をST1からST2へと切り替えてもよい。この場合、第1のカウンタコントローラ202〜第4のカウンタコントローラ205に対して設定される閾値は、図8に示す搬送距離ST1−11〜ST1―14に対応する値とすればよい。
また、上記実施の形態では、動作状態ST1において、速度補正計数値(EnCalc)がカウンタコントローラの最大計数値に到達することによって、動作状態がST2へと切り替えられたが、速度補正計数値(EnCalc)がカウンタコントローラの最大計数値よりも小さい閾値に到達することによって、動作状態がST2へと切り替えられてもよい。この場合、第1〜第4のプリデータは、当該閾値に応じて、上記実施の形態よりも小さい値に設定されればよい。
また、上記実施の形態では、周期カウンタ201で内部クロックを計数することにより布地の搬送速度に関する情報(周期データ)が取得されたが、布地の搬送速度に関する情報が他の構成により取得されてもよい。また、布地50の搬送速度に基づく各インクジェットヘッドの吐出タイミングの制御が、第1のカウンタコントローラ202〜第4のカウンタコントローラ205を用いた構成により実現されたが、他の構成により布地50の搬送速度に基づく各インクジェットヘッドの吐出タイミングの制御が行われてもよい。
また、上記実施の形態では、4つのインクジェットヘッドが支持部63〜66に固定される方式のインクジェット装置2を示したが、これに限らず、たとえば、布地50の搬送方向に垂直な方向(Y軸方向)に各色のインクジェットヘッドが移動可能な方式のインクジェット装置であってもよい。
また、上記実施の形態では、4つのインクジェットヘッドが布地50の搬送方向に並んで配置されたが、布地50の搬送方向に並んで配置されるインクジェットヘッドの数は4つに限られるものではなく、2つ以上の他の数であってもよい。また、各インクジェットヘッドは、必ずしも、他のインクジェットヘッドと異なる色のインクを吐出しなくてもよく、複数のインクジェットヘッドが同色のインクを吐出してもよい。
また、制御部200は、必ずしも1つの制御ユニットで構成されなくともよく、たとえば、第1のインクジェットヘッド11〜第4のインクジェットヘッド14とインク供給部400を制御する印刷制御ユニットと、搬送部300を制御する搬送制御ユニットと、これら2つの制御ユニットと布供給部30および乾燥部40とを制御する中央制御ユニットから構成されてもよい。この場合、図9(a)〜図11の制御は中央制御ユニットが行い、中央制御ユニットにより出力される印刷同期信号に基づいて、印刷制御ユニットが、第1のインクジェットヘッド11〜第4のインクジェットヘッド14の吐出タイミングを制御する。
この他、本発明の実施の形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。
1 … 染色システム
2 … インクジェット装置
11 … 第1のインクジェットヘッド
12 … 第2のインクジェットヘッド
13 … 第3のインクジェットヘッド
14 … 第4のインクジェットヘッド
21 … 搬送ベルト
22、23 … ローラ
211a … ノズル
200 … 制御部
202 … 第1のカウンタコントローラ(カウンタ、制御部)
203 … 第2のカウンタコントローラ(カウンタ、制御部)
204 … 第3のカウンタコントローラ(カウンタ、制御部)
205 … 第4のカウンタコントローラ(カウンタ、制御部)
300 … 搬送部
301 … エンコーダ

Claims (9)

  1. 布地にインクを吐出して布地を染色するためのインクジェット装置であって、
    前記布地を送るための搬送部と、
    前記布地の送り方向に所定の間隔で配置された複数のインクジェットヘッドと、
    前記搬送部と前記複数のインクジェットヘッドとを制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、前記搬送部による前記布地の搬送速度に関する情報に基づいて、前記複数のインクジェットヘッドにおけるインクの吐出タイミングを、前記搬送速度が速いほど早めるよう制御する、
    ことを特徴とするインクジェット装置。
  2. 請求項1に記載のインクジェット装置において、
    前記搬送部は、
    前記布地を送るための搬送ベルトと、
    前記搬送ベルトを駆動するためのローラと、
    前記ローラの回転を検出するためのエンコーダと、を備え、
    前記制御部は、それぞれの前記インクジェットヘッドに対応づけられた複数のカウンタを備え、前記エンコーダから出力されるパルスを、それぞれの前記カウンタに計数させ、前記各カウンタの計数値と、前記搬送速度に関する情報とに基づいて、前記各カウンタに対応する前記インクジェットヘッドに対するインクの吐出制御を実行する、
    ことを特徴とするインクジェット装置。
  3. 請求項2に記載のインクジェット装置において、
    前記制御部は、前記各カウンタの計数値と、前記搬送速度に関する情報とに基づいて、前記各カウンタに対応する前記インクジェットヘッドに前記布地の印刷開始位置が到達したか否かを判定し、前記インクジェットヘッドに前記布地の前記印刷開始位置が到達した後に、当該インクジェットヘッドに対するインクの吐出を開始させる、
    ことを特徴とするインクジェット装置。
  4. 請求項3に記載のインクジェット装置において、
    前記制御部は、前記各カウンタに互いに異なる初期値を設定した後、前記各カウンタに前記パルスの計数を開始させ、前記各カウンタの計数値に前記搬送速度に応じた値を加算した加算値が所定の値に到達したか否かに基づいて、前記各カウンタに対応する前記インクジェットヘッドに前記布地の前記印刷開始位置が到達したか否かを判定する、
    ことを特徴とするインクジェット装置。
  5. 請求項4に記載のインクジェット装置において、
    前記所定の値は、前記カウンタが計数可能な最大値である、
    ことを特徴とするインクジェット装置。
  6. 請求項2ないし5の何れか一項に記載のインクジェット装置において、
    前記制御部は、前記各カウンタに対応する前記インクジェットヘッドにインクを吐出させる動作期間において、前記エンコーダから出力される前記パルスを前記各カウンタに計数させ、前記パルスの計数値と前記搬送速度に関する情報とに基づいて、前記インクジェットヘッドにおけるインクの吐出タイミングを設定する、
    ことを特徴とするインクジェット装置。
  7. 請求項6に記載のインクジェット装置において、
    前記制御部は、前記パルスの計数値に前記搬送速度に応じた値を加算した算出値を印刷の解像度に応じた値で分周し、分周値が変化したタイミングを、前記インクジェットヘッドにおけるインクの吐出タイミングに設定する、
    ことを特徴とするインクジェット装置。
  8. 請求項1ないし7の何れか一項に記載のインクジェット装置において、
    前記複数のインクジェットヘッドは、吐出するインクの色が互いに異なっている、
    ことを特徴とするインクジェット装置。
  9. 請求項1ないし8の何れか一項に記載のインクジェット装置と、
    前記布地を前記搬送部に供給する布供給部と、
    前記複数のインクジェットヘッドにより染色された布地を乾燥させる乾燥部と、を備える、染色システム。
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