JP2017225777A - 有床義歯の作製方法、有床義歯、有床義歯の作製装置 - Google Patents

有床義歯の作製方法、有床義歯、有床義歯の作製装置 Download PDF

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Abstract

【課題】適合性及びその再現性が高く短納期で作製が可能な有床義歯の作製方法、有床義歯、有床義歯の作製装置を提供する。【解決手段】実施形態の有床義歯の作製方法は、人工歯部と、顎堤粘膜を被覆する顎堤被覆部を有する義歯床とを備えてなる有床義歯の作製方法であって、有床義歯の形状データを取得する形状データ取得ステップと、取得された形状データに基づき、性状を変化させて有床義歯を三次元に造形する造形ステップとを含む。【選択図】図3

Description

本発明は、有床義歯の作製方法、有床義歯、有床義歯の作製装置に関する。
高齢者の歯の欠損に対する補綴方法としては、口腔内のケアの面から固定式補綴装置より、可撤式有床義歯(以下、「有床義歯」という。)による補綴方法が推奨されている。有床義歯は、人工歯と、人工歯を保持する義歯床とを有し、義歯床は、義歯床粘膜面、義歯床縁及び義歯床研磨面を有す。義歯床の中で口腔内の顎堤(歯肉)粘膜を被覆する部分(「顎堤被覆部」という。)は、顎堤粘膜と適切な圧力や隙間で接触することにより、咬合時に顎堤粘膜に生じる疼痛等が少なく又は咬合時の安定性が高い等の適切な適合性を得ることができる。
しかし、有床義歯を長期間使用すると、加齢的な要因又は病的な要因による顎骨の吸収が進み、顎堤被覆部と顎堤粘膜との間に隙間が発生する等、適合性が経時的に低下する場合がある。適合性が低下すると、顎堤被覆部と顎堤粘膜との隙間に食べ物が入り、また、顎堤被覆部の内部に食物が介入し、その結果、咬合時の疼痛,顎堤粘膜の潰瘍等が発症する場合がある。
従来の有床義歯においては、人工歯を保持するために顎堤被覆部にはある程度の硬さを有する樹脂が使用されていた。また、顎堤被覆部の中の顎堤粘膜に接する部分においては、咬合時の疼痛を緩和するために軟質の樹脂である義歯床用長期弾性裏装材(以下、「軟質裏装材」という。)を接着剤等で貼付するものがあった(例えば、特許文献1を参照)。
特開2005−177172号公報
しかし、従来の有床義歯においては、経時的に、軟質裏装材の表面が粗造化し、軟質裏装材の弾性の喪失、着色や変色が発生し、又は軟質裏装材が義歯から剥離する等の劣化が発生する場合があった。軟質裏装材の劣化が発生すると、顎堤の吸収がさらに助長され,褥瘡性潰瘍,義歯性線維症,フラビーガムなどの病変が発生し,または軟質裏装材へのデンチャープラークが堆積して義歯性口内炎の発症を惹起する場合があった。
また、劣化した軟質裏装材を一旦除去して再度新たな軟質裏装材を貼付するには、古い接着剤の除去に溶剤を使用する等の衛生面で問題があり、また、新たな有床義歯を作製する場合、再度患者から印象を採取して、樹脂を重合し、さらに、疼痛を緩和するために必要に応じて軟質裏装材を貼付する等、適合性の調整を繰り返す。このため、有床義歯の作製から患者が違和感なく使用できるまでには相当の期間が必要となる。
さらに、有床義歯の形状は、印象材の種類、印象の採取者、患者の状態、重合作業等によって異なるため、再作製された有床義歯には形状の再現性がなく、適合性はその都度異なってしまう場合があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、適合性及びその再現性が高く短納期で作製が可能な有床義歯の作製方法、有床義歯、有床義歯の作製装置を提供することを目的とする。
(1)上記の課題を解決するため、本発明の有床義歯の作製方法は、人工歯部と、顎堤粘膜を被覆する顎堤被覆部を有する義歯床とを備えてなる有床義歯の作製方法であって、前記有床義歯の形状データを取得する形状データ取得ステップと、取得された前記形状データに基づき、性状を変化させて前記有床義歯を三次元に造形する造形ステップとを含む。
(2)また、本発明の有床義歯の作製方法は、前記造形ステップにおいて、積層造形することにより前記有床義歯を三次元に造形する。
(3)また、本発明の有床義歯の作製方法は、前記造形ステップにおいて、複数の素材の使用割合を変化させることにより前記性状を変化させる。
(4)また、本発明の有床義歯の作製方法は、前記造形ステップにおいて、単一の素材を用いて前記性状を変化させる。
(5)また、本発明の有床義歯の作製方法は、前記造形ステップにおいて、3Dプリンタのヘッドから吐出される複数の素材の吐出割合を変化させることにより前記使用割合を変化させる。
(6)また、本発明の有床義歯の作製方法は、前記造形ステップにおいて、前記顎堤被覆部の硬さを変化させることにより前記性状を変化させる。
(7)また、本発明の有床義歯の作製方法は、前記造形ステップにおいて、硬さの低い造形した素材の厚みを変化させることにより、前記顎堤被覆部の硬さを変化させる。
(8)また、本発明の有床義歯の作製方法は、前記造形ステップにおいて、前記顎堤被覆部の中で前記顎堤粘膜に接する部分の硬さを前記顎堤被覆部の他の部分に比べて相対的に低くすることにより前記顎堤被覆部の硬さを変化させる。
(9)また、本発明の有床義歯の作製方法は、前記造形ステップにおいて、前記顎堤粘膜に接する部分の中で特定部分の硬さを前記顎堤粘膜に接する他の部分に比べて相対的に低くすることにより前記顎堤被覆部の硬さを変化させる。
(10)また、本発明の有床義歯の作製方法は、前記造形ステップにおいて、前記特定部分は、上顎における解剖学的ランドマークである、口蓋ヒダ、切歯乳頭、口蓋隆起又は歯槽頂、若しくは下顎における解剖学的ランドマークである、下顎隆起、歯槽頂、顎舌骨筋線又はオトガイ孔の中から選択される少なくとも1つ以上の部位である。
(11)また、本発明の有床義歯の作製方法は、前記形状データを保存する保存ステップをさらに含み、前記造形ステップにおいて、保存された前記形状データに基づき、前記有床義歯を三次元に造形する。
(12)また、本発明の有床義歯の作製方法は、取得された前記形状データを、前記人工歯部に係る歯部データと、前記義歯床に係る義歯床データとに分離する分離ステップをさらに有し、前記造形ステップにおいて、分離された前記形状データに基づき、前記人工歯部及び前記義歯床を造形する。
(13)また、本発明の有床義歯の作製方法は、前記形状データ取得ステップにおいて、患者への適合が調整された義歯のモデルを三次元スキャナでスキャンして前記形状データを取得する。
(14)また、本発明の有床義歯の作製方法は、前記形状データ取得ステップにおいて、患者の口腔内を三次元スキャナでスキャンして前記形状データを取得する。
(15)上記の課題を解決するため、本発明の有床義歯は、形状データに基づき、性状を変化させて三次元に造形された、人工歯部と、顎堤粘膜を被覆する顎堤被覆部を有する義歯床とを備える。
(16)上記の課題を解決するため、本発明の有床義歯の作製装置は、人工歯部と、顎堤粘膜を被覆する顎堤被覆部を有する義歯床とを備えてなる有床義歯の作製装置であって、前記有床義歯の形状データを取得する形状データ取得部と、取得された前記形状データに基づき、性状を変化させて前記有床義歯を三次元に造形する造形部とを有する。
本発明によれば、適合性及びその再現性が高く短納期で作製が可能な有床義歯の作製方法、有床義歯、有床義歯の作製装置を提供することができる。
実施形態に係る有床義歯作製システムの一例を示す構成図である。 実施形態に係る有床義歯作製装置の機能の一例を示す機能構成図である。 実施形態に係る有床義歯作製装置の動作の一例を示すフローチャートである。 実施形態に係る義歯モデルのデータ化の一例を示す図である。 実施形態に係る形状データに対する素材指定の一例を示す図である。 実施形態に係る形状データに対する詳細な素材指定の一例を示す図である。 実施形態に係る素材割合の設定の一例を示す図である。 実施形態に係る上顎におけるリリーフ部の選択画面の一例を示す図である。 実施形態に係る下顎におけるリリーフ部の選択画面の一例を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態に係るに有床義歯の作製方法、有床義歯、有床義歯の作製装置ついて説明する。
先ず、図1を用いて、有床義歯作製システムの構成を説明する。図1は、実施形態に係る有床義歯作製システムの一例を示す構成図である。
図1において、有床義歯作製システム1は、有床義歯作製装置10、三次元スキャナ20及び外部サーバ30を有する。有床義歯作製装置10は、データ処理装置11及び3Dプリンタ12を有する。データ処理装置11は、制御装置111、入力装置112、表示装置113、DB(Database)114及び通信装置115を有する。
データ処理装置11は、有床義歯作製装置10におけるデータ処理を実行する。図1は、有床義歯作製装置10が、データ処理装置11を3Dプリンタ12と別個に有する場合を示しているが、データ処理装置11は、制御装置111、入力装置112、表示装置113、DB(Database)114及び通信装置115の機能を一つの装置として表現したものであり、例えば、その機能の一部又は全部を3Dプリンタ12が有していてもよい。
制御装置111は、データ処理装置11を制御する。制御装置111は、図示しないCPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)等を有するコンピュータ装置を用いることができる。CPUは、RAM、ROM又はHDDに記憶されたプログラムを実行することにより、データ処理装置11の機能を実現することができる。データ処理装置11の機能の詳細は、図2を用いて説明する。
入力装置112は、例えば、キーボード、マウス等の操作入力装置、記録媒体の情報を読込む装置、バーコードリーダ等の情報を入力するための装置である。表示装置113は、例えばタッチパネル又は液晶ディスプレイ等の情報を表示するための装置である。
DB114は、三次元スキャナ20で計測された義歯モデルの形状データ、義歯モデルの形状データに基づき分離された人工歯部に係る歯部データ及び顎堤被覆部に係る顎堤被覆部データ、人工歯部と顎堤被覆部において使用される素材のデータ、3Dプリンタに出力するための造形データである有床義歯データ等のデータを保存する。本実施形態において、形状データとは、有床義歯の形状を三次元のデータで表現したものをいい、歯部データと顎堤被覆部データを含む。人工歯部(「歯部」と省略する場合もある。)とは、本実施形態において従来の有床義歯の人工歯に相当する部分をいう。歯部データは、有床義歯の表面に見える歯冠に相当する部分を含み、さらに顎堤被覆部に埋没している歯根に相当する部分について含んでいてもよい。形状データには、三次元スキャナ20で計測された元の形状データに調整(修正)を加えたものを含んでいてもよい。また、有床義歯データとは、歯部データと顎堤被覆部データの形状データに対してそれぞれの部位における素材が指定されたデータ(素材が指定された形状データ)をいう。同じ形状データであっても素材の指定が異なる場合、異なる有床義歯データとなる。DB114には、例えばHDDを用いることができる。通信装置115は、ネットワークを介した通信を制御する。通信装置115は、ネットワークを介して、例えば外部サーバ30と通信しデータの送受信を行う。
3Dプリンタ12は、有床義歯データに基づき、複数の素材を一体的に造形する有床義歯を造形(作製)する。図1に図示するU2は3Dプリンタ12が造形した上顎の有床義歯であり、L2は3Dプリンタ12が造形した下顎の有床義歯である。3Dプリンタ12は、材料A収納部121、材料B収納部122、及び材料C収納部123を有する。図1における3Dプリンタ12は、素材として素材A、素材B及び素材Cの3種類の素材を使用する場合を例示している。但し、使用する素材の種類及び数はこれに限定されるものではない。
素材A〜素材Cは、造形したときの硬さの異なる素材である。素材A〜素材Cは、硬さ以外に、例えば、造形したときの色、光沢、含水率等が異なるものであってもよい。本実施形態において、素材Aは、歯部に用いる素材であって、硬さが高く(硬く)、歯に近い白色の素材である。素材Bは、顎堤被覆部に用いる素材であって、硬さが低く(柔らかく)、顎堤に近い色の素材である、また、素材Cは、顎堤被覆部の中で顎堤粘膜に接触する顎堤接触部に用いる素材であって、硬さが素材Bより低く、顎堤への適合性に優れる素材である。
3Dプリンタ12は使用する素材の使用割合を変えることにより、造形したときの硬さを変化させることができる。素材の使用割合とは、0%〜100%までの割合である。すなわち、3Dプリンタ12は、使用割合100%において、1つの素材のみを使用した造形を行うことができる。1つの素材を用いた造形したときの硬さは、その素材の硬さとなる。一方、複数の素材を用いたときの造形したときの硬さは、素材の使用割合によって異なる。例えば、素材Bと素材Cの使用割合を変化させて使用する場合、硬さの高い素材Bの使用割合を高くすると造形したときの硬さが高くなる。
3Dプリンタ12は、素材A用のヘッド、素材B用のヘッド、及び素材Cのそれぞれのヘッドからの吐出割合を変化させることにより使用割合を変化させることができる。3Dプリンタ12は、素材を積層することにより有床義歯を造形する。素材の使用割合を変化させるとは、1回の積層における素材の使用割合を同じ積層の断面の中で変化させるものであっても、積層の度に素材の使用割合を変化させるものであってもよい。
3Dプリンタにおいては、硬化する前の素材をそれぞれのヘッドから吐出させるため、硬化した素材には、所謂つなぎ目が生じ難い。従って、異なる素材の境界において剥離が発生しにくくなる。また、複数の素材の使用割合を有床義歯の部位によって細かく指定することが可能となるので有床義歯の部位に応じた硬さの設定が可能となる。
3Dプリンタ12で使用する素材は、造形方式によって変更することができる。3Dプリンタ12の造形方式は任意である。3Dプリンタ12は、例えば、光造形方式、インクジェット方式、又は熱溶解積層方式等の造形方式のプリンタである。光造形方式は、紫外線又は可視光線によって硬化する樹脂(紫外線硬化樹脂、可視光線硬化樹脂)の液を満たした槽内に対して紫外線レーザ又は可視光レーザを照射して硬化させて造形する方式である。光造形方式には、紫外線又は可視光線によって硬化する樹脂をヘッドから吐出して、吐出した樹脂に対してレーザを照射して硬化させて積層することにより有床義歯を造形する方式を用いてもよい。インクジェット方式は、インクジェットヘッドで細かい粒子にした素材を噴射し、紫外線等の照射で硬化させて積層することにより有床義歯を造形する方式である。光造形方式又はインクジェット方式においては、例えば、アクリル化合物、エポキシ化合物、シリコーン化合物、歯科用コンポジットレジン等の樹脂を用いることができる。例えば、インクジェット方式でアクリル化合物を用いた場合、共重合成分の種類、割合を調整することにより、シュアD硬度で80台からシュアA硬度で20台までの、硬質〜軟質までの樹脂を造形することができるので、個々の部材の要求に応じて対応することが可能となる。また、熱溶解積層方式は、溶熱解させた樹脂等の素材をヘッドから吐出させて積層することにより有床義歯を造形する方式である。また、3Dプリンタ12は、樹脂粉末を熱レーザで焼き固めて積層することにより有床義歯を造形する方式であってもよい。また、3Dプリンタ12は、複数の造形方式を有するものであってもよい。
三次元スキャナ20は、義歯モデルをスキャンして形状データを生成する。義歯モデルとは、造形する有床義歯の形状データを生成するための元となるモデルである。図1に図示するU1は上顎の義歯モデルであり、L1は下顎の義歯モデルである。三次元スキャナ20は、例えば、U1又はL1にレーザ光を照射して、外形面の「点群データ」を取得して、取得した点群データを三角面の集合体であるポリゴンデータに変換して形状データを生成することができる。義歯モデルは、患者への適合が調整された従来の方法により作製された有床義歯を使用することができる。従来の有床義歯において、歯科医師は、義歯が作製されてから、患者の口の中で適合を確認し、レジン重合時の変形等、細かな調整を行う。また、歯科医師は、後述する解剖学的ランドマークにおけるリリーフの調整等によって義歯の適合性を高めることができる。三次元スキャナ20は、患者への適合が調整された有床義歯を義歯モデルとしてスキャンして形状データを生成することによって、歯科医師のノウハウを含む調整結果を形状データとして数値化して保存することが可能となる。形状データとして数値化された歯科医師の調整結果を含む義歯モデルは、3Dプリンタにおいて繰り返し同じ形状の有床義歯として再現できるとともに、数値の変更によって容易に形状や素材(硬さを含む)を調整することが可能となる。例えば、顎堤被覆部の中で顎堤粘膜に接触する部分の数値を変更することにより、疼痛を緩和する形状に調整することが可能となる。
また、三次元スキャナ20は、患者の口腔内を三次元でスキャンして形状データを生成するものであってもよい。患者の口腔内をスキャンするとは、口腔内の解剖学的形状をスキャンすることを含む。患者の口腔内をスキャンするスキャナとしては、例えば、患者の口腔を光学的にスキャンするスキャナを用いることができる。また、患者の口腔をスキャンするスキャナには、CT(Computed Tomography)、MRI(Magnetic Resonance Imaging)等の断層撮影装置を用いてもよい。X線を用いるCTは主に歯及び骨等のデータを取得することができる。一方、磁力による磁気共鳴を用いるMRIは、歯肉等のデータを取得することができる。口腔の形状データとしては、CTで取得したデータとMRIで取得したデータを重畳したものを用いてもよい。患者の口腔を三次元でスキャンすることにより、義歯モデルを用いずに直接形状データを生成することが可能となる。なお、患者の口腔をスキャン(撮像)するときには、患者の口腔には義歯を入れないで形状データを取得する。しかし、患者の口腔をスキャンするときに、患者の口腔に義歯を入れた状態で形状データを取得してもよい。義歯又は義歯に類似した形状のものを入れた状態でスキャンすることにより、噛合状態における口腔の形状データを生成することが可能となる。
外部サーバ30は、形状データ又は有床義歯データを保存するサーバである。形状データは、三次元スキャナで義歯モデルを計測することにより生成されるが、有床義歯作製装置10は、他の三次元スキャナ等において生成され、外部サーバ30に保存された形状データを、ネットワークを介して取得してもよい。同様に、有床義歯データについても、外部サーバ30に保存しておくことができる。有床義歯作製装置10は、外部サーバ30と通信可能であれば、有床義歯作製装置10(3Dプリンタ12)の設置場所に拘わらず、外部サーバ30に保存された形状データ等を取得(ダウンロード)して有床義歯を作製(造形)することが可能となる。すなわち、外部サーバ30に保存された形状データ等は、複数の有床義歯作製装置において共有することが可能となる。外部サーバ30に通信回線を介して接続できる有床義歯作製装置10は、オンデマンドで有床義歯を作製することが可能となる。従って、例えば、有床義歯作製装置10を設置した店舗においては、印刷物を必要なときに印刷するオンデマンドプリントと同様に、必要なときに必要な数量の有床義歯を作製することが可能となる。有床義歯作製装置10は、形状データ等をDB114に保存するだけでなく、外部サーバ30に保存(アップロード)するようにしてもよい。
次に、図2を用いて、有床義歯作製装置10の機能を説明する。図2は、実施形態に係る有床義歯作製装置の機能の一例を示す機能構成図である。
図2において、有床義歯作製装置10は、データ取得部101、データ分離処理部102、データ調整部103、素材指定部104、データ保存処理部105、データ検索処理部106、及び造形処理部107の機能を有する。有床義歯作製装置10の機能は、図1の制御装置111において、CPUがプログラムを実行することによって実現することができる。すなわち、有床義歯作製装置10の上記各機能は、ソフトウェアによって実現される機能モジュールである。
データ取得部101は、有床義歯の形状データを、三次元スキャナ20又は外部サーバ30から取得する。データ取得部101は、例えば。三次元スキャナ20又は外部サーバ30から送信された形状データを受信することによって取得する。また、データ取得部101は、三次元スキャナ20又は外部サーバ30に対して形状データの取得を要求して取得してもよい。
データ分離処理部102は、データ取得部101において取得された形状データを、人工歯部に係る歯部データと、顎堤被覆部に係る顎堤被覆部データとに分離する。また、データ分離処理部102は、顎堤被覆部データを、「顎堤接触部データ」と「顎堤非接触部データ」に分離する。顎堤接触部データは、顎堤被覆部の中で顎堤粘膜に接触する部分を含む「顎堤接触部」の形状データである。また、顎堤非接触部データは、顎堤被覆部の中で顎堤接触部以外の「顎堤非接触部」の形状データである。
データ分離処理部102は、例えば、形状データの中から歯部と顎堤被覆部の境界を自動的に抽出して、形状データを歯部データと顎堤被覆部データに分離する。また、データ分離処理部102は、形状データを表示装置113に表示して、歯部と顎堤被覆部とを指定できるUI(User Interface)を提供してもよい。UIは、有床義歯作製装置10の利用者に対して所定の情報を表示して操作入力を可能にするものである。データ分離処理部102は、歯冠に相当する部分に加えて、歯根に相当する部分についても歯部データとしてもよい。歯根に相当する部分について歯部として造形することにより、顎堤被覆部の下に歯部の色が透けて見えるように有床義歯を作製することができる。
また、データ分離処理部102は、顎堤被覆部データの中で顎堤に接触する所定の厚み分を顎堤接触部データとして分離する。データ分離処理部102は、顎堤接触部とする厚みを、部位毎に予め設定された数値とすることができる。例えば、データ分離処理部102は、後述する特定部分の中でリリーフ部とする部位と接触する顎堤接触部の厚みを厚くするようにしてもよい。データ分離処理部102は、顎堤接触部データと顎堤非接触部データを設定するためのUIを提供してもよい。
データ調整部103は、データ取得部101において取得された形状データを調整する。形状データの調整とは、顎堤被覆部の形状の補正による顎堤への適合性の調整、歯部の形状(角度を含む)の補正による咬合の調整等である。有床義歯は患者の顎骨の吸収等によって適合性が経時的に変化する。また、有床義歯は、患者のフラビーガムの状況によって歯科用印象の形状が安定しないため、適合性が悪くなる場合がある。本実施形態においては、データ調整部103において、形状データを調整することによって、適合性等の調整を容易にすることができる。
顎堤被覆部の形状の補正としては、上顎又は下顎における特定の部分(特定部分)の形状を削除したり追加したりするものが含まれる。データ調整部103は、例えば、形状データを調整するためのUIを提供することによって、形状データの調整を容易にする。データ調整部103は、形状データを表示装置113に表示して、マウス等で指定した部分を「削る」又は「追加」する操作を可能にするUIを提供してもよい。データ調整部103は、形状データを調整するときに、上述した素材毎に削除又は追加をできるようにしてもよい。例えば、データ調整部103は、顎堤接触部(素材C)の内側にある顎堤非接触部(素材B)のみを調整してもよい。従来の有床義歯においては、有床義歯の表面を歯科用タービン等で削ることにより形状を調整するため、軟質裏装材が貼付された後はその内側の硬質樹脂を削ることはできなかったが、本実施形態においては、顎堤非接触部データを調整することにより、顎堤接触部(素材C)の厚みを変えることなく顎堤被覆部の形状を調整することが可能となる。
特定部分とは、例えば、上顎における、口蓋小窩、ハミュラーノッチ、上顎結節、口蓋ヒダ、切歯乳頭、上唇小帯、きょう小帯、口蓋隆起、歯槽頂、翼突下顎ヒダ又はアーライン、若しくは下顎における、レトロモラーパッド、顎舌骨筋線、外斜線、舌小帯、下唇小帯、きょう小帯又、下顎隆起、歯槽頂、歯槽隆起、咬筋切痕、頬棚、前顎舌骨筋窩、後顎舌骨筋窩、翼突下顎ヒダと呼ばれる解剖学的ランドマークである。解剖学的ランドマークは、有床義歯を作製する上で重要な解剖学的部位をいう。有床義歯の作製においては、解剖学的ランドマークとの接触部分について適切な調整を行うことにより適合性を向上させることができる。例えば、解剖学的ランドマークの中で口蓋隆起や顎舌骨筋線に接する部分に適切なリリーフ部を設けることにより適合性を高めることが可能となる。データ調整部103は、形状データを容易に変更することができるので、特定部分における適合性を調整することが可能となる。リリーフ部は、顎堤被覆部の顎堤接触部(粘膜面)の一部に設けられた凹状であって、顎堤被覆部を介して顎堤粘膜又は顎骨に加えられる咬合力を緩和するための部位である。本実施形態においてリリーフ部とは、凹状の形状の代わりに軟質素材を用いて顎堤被覆部を介して顎堤粘膜又は顎骨に加えられる咬合力を緩和する部位であってもよい。
素材指定部104は、有床義歯の造形に用いる素材の使用割合を有床義歯の部位に応じて変化させて指定する。使用割合には、上述のように、0〜100%の範囲を含み、単一の素材(使用割合100%)を指定するものであってもよい。単一の素材を指定する場合としては、例えば、素材指定部104は、歯部データに対して素材A(使用割合100%)を指定する。素材指定部104は、顎堤非接触部データに対して素材B(使用割合100%)を指定する。また、素材指定部104は、顎堤接触部データに対いて素材C(使用割合100%)を指定する。また、素材指定部104は、図7の説明で後述するように、使用する素材の割合を部位に応じて徐々に変化させるように指定してもよい。
素材指定部104は、リリーフ部に対して周囲の顎堤接触部に比べて硬さが低い(柔らかい)素材を指定するようにしてもよい。リリーフ部に対して周囲の顎堤接触部に比べて柔らかい素材を指定することにより、顎堤接触部を凹状とするのと同様の効果を得ることが可能となる。素材指定部104は、形状データの情報に対応した素材データの情報を付加して、有床義歯データを生成する。素材指定部104は、データ分離処理部102と同様に、素材を指定するためのUIを提供してもよい。なお、本実施形態において素材指定部104は、素材A〜素材Cの3種類の素材の使用割合を指定する場合を説明したが、指定する素材の種類は3種類以外であってもよい。
データ保存処理部105は、データ取得部101、データ分離処理部102、データ調整部103又は素材指定部104の各機能において、取得、生成等された形状データ、有床義歯データ等のデータをDB114に保存する。データ保存処理部105は、データの保存先として、外部サーバ30を指定できるようにしてもよい。データ保存処理部105は、保存するデータの付帯情報として、患者の氏名、患者を特定するための識別情報等を含めてもよい。データ検索処理部106は、DB114に保存されたデータを検索して、造形処理部107等に提供する。データの検索は、例えばデータ保存処理部105において付帯情報としてデータに付帯して保存した患者の識別情報に基づき検索を実行してもよい。
造形処理部107は、3Dプリンタのヘッドから吐出される素材A〜素材Cの吐出割合を変化させて有床義歯を造形する。造形処理部107は、DB114に保存された、有床義歯データを読み出して、プリンタ制御を行う。3Dプリンタを造形に利用することにより、複数の素材が一体化した有床義歯を短期間で作製することが可能となる。造形処理部107は、例えば3Dプリンタ12のプリンタドライバ等のソフトウェアであってもよい。また、造形処理部107は、プリンタヘッドやレーザ光線照射部等のハードウェアを含むものであってもよい。
なお、有床義歯作製装置10は、3Dプリンタの機能の一部として3Dプリンタに実装されるものであってもよい。例えば、有床義歯作製装置10における造形処理部107は、3Dプリンタの造形方式によって造形に必要なデータが異なるため、造形方式に応じた機能が実装されることになる。
また、本実施形態では、複数の素材の使用割合を変化させることにより硬度等の性状を変化させる場合を説明したが、単一の素材を用いて性状を変化させるようにしてもよい。単一の素材を用いて性状を変化させる方法としては、例えば、3Dプリンタとして光造形方式のプリンタを用いて、照射する紫外線の強度、照射時間又は波長等、照射する紫外線のエネルギー量を変化させることにより、樹脂の架橋度を変化させて硬度を変化させるようにしてもよい。また、単一の素材を用いて性状を変化させる方法として、単一の素材とともに添加物を吐出して、添加物の吐出量を変化させることにより樹脂の重合度を変化させて性状を変化させてもよい。
また、図2においては、有床義歯作製装置10の、データ取得部101、データ分離処理部102、データ調整部103、素材指定部104、データ保存処理部105、データ検索処理部106、及び造形処理部107の機能がソフトウェアによって実現される場合を説明した。しかし、有床義歯作製装置10が有する上記1つ以上の機能は、ハードウェアによって実現されるものであっても良い。また、有床義歯作製装置10が有する上記各機能は、1つの機能を複数の機能に分割して実施してもよい。また、有床義歯作製装置10が有する上記各機能は、2つ以上の機能を1つの機能に集約して実施してもよい。
次に、図3を用いて、有床義歯作製装置10における有床義歯作製方法の動作を説明する。図3は、実施形態に係る有床義歯作製装置10の動作の一例を示すフローチャートである。
図3において、有床義歯作製装置10は、有床義歯データとして保存されたデータを使用するか否かを判断する(ステップS11)。有床義歯データは、素材が指定された形状データであり、例えば、図1のDB114又は外部サーバ30等に保存されている。
保存されたデータを使用しないと判断した場合(ステップS11:NO)、有床義歯作製装置10のデータ取得部101は、形状データを取得する(ステップS12)。有床義歯作製装置10は、形状データを、三次元スキャナ20、外部サーバ30又はDB114から取得する。
ステップS12の処理を実行した後、有床義歯作製装置10のデータ分離処理部は、形状データを、歯部データ、顎堤接触部データ及び顎堤非接触部データに分離する(ステップS13)。
ステップS13の処理を実行した後、有床義歯作製装置10のデータ調整部103は、データ調整処理を実行する(ステップS14)。
ステップS14の処理を実行した後、有床義歯作製装置10の素材指定部104は、取得された形状データに基づき、複数の素材の使用割合を変化させ、硬さを変化させるように素材を指定可能にする。
ステップS14の処理を実行した後、有床義歯作製装置10のデータ保存処理部105は、データ保存処理を実行する(ステップS16)。有床義歯作製装置10は、素材が指定された形状データである有床義歯データを、DB114に保存する。有床義歯作製装置10は、有床義歯データをさらに外部サーバ30に保存してもよい。
一方、ステップS11において、保存されたデータを使用すると判断した場合(ステップS11:YES)、有床義歯作製装置10は、保存された有床義歯データを、DB114又は外部サーバ30から取得する。有床義歯作製装置10は、保存された有床義歯データを取得して次の造形処理に用いることにより、過去に利用された有床義歯データを再利用することができる。有床義歯データを再利用することにより、有床義歯の作製期間をさらに短くすることが可能となる。
ステップS16の処理又はステップS19の処理を実行した後、有床義歯作製装置10の造形処理部107は、造形処理を実行する(ステップS17)。積層造形を行う3Dプリンタを用いた造形処理においては、有床義歯データは、有床義歯データを積層する断面において輪切りにしたコンターデータ(輪郭線)に変換されて、層毎に造形される。輪切りにするピッチ(造形ピッチ)は装置の仕様の範囲内で任意に設定できる。造形ピッチは指定できるようにしてもよい。有床義歯データは指定された造形ピッチでコンターデータに変換される。ステップS11からステップS17までの処理において有床義歯を作製することにより、適合性及びその再現性が高い有床義歯を短納期で作製することが可能になる。
次に、図4を用いて、三次元スキャナ20を用いた義歯モデルのデータ化について説明する。図4は、実施形態に係る義歯モデルのデータ化の一例を示す図である。
図4において、(A1)は、三次元スキャナ20で計測する上顎の義歯モデルU1を示していている。また、(B1)は、三次元スキャナ20で計測する下顎の義歯モデルL1を示していている。義歯モデルU1及び義歯モデルL1は、従来の有床義歯であって、歯科医師によって患者への適合が調整されているものであるとする。三次元スキャナ20は、義歯モデルU1及び義歯モデルL1に対してレーザ光を照射して、外形面を複数の点の集合である点群データを取得する。三次元スキャナ20は、取得した点群データを三角面の集合体であるポリゴンデータに変換して形状データを生成する。
図4において、(A2)は、三次元スキャナ20で計測して生成した上顎の形状データU2を示していている。また、(B2)は、三次元スキャナ20で計測して生成した下顎の形状データL2を示していている。図示するU2及びL2は、形状データを表示装置113に立体的に表示した表示画像であり、形状データ自体は数値データである。三次元スキャナ20は生成した形状データを有床義歯作製装置10に送信する。なお、形状データを表示することにより、義歯モデルとの比較を視認することが可能となり、三次元スキャナ20における計測のミス等を確認することができる。
なお、図4においては、義歯モデルを三次元スキャナでデータ化する場合を説明したが、上述の通り、三次元スキャナは、口腔内の解剖学的形状をスキャンするものであってもよい。
次に、図5を用いて、素材指定部104において実行される形状データに対する素材の指定について説明する。図5は、実施形態に係る形状データに対する素材指定の一例を示す図である。
図5において、有床義歯データL3は、三次元スキャナ20等から取得した下顎の形状データL2に対して素材を指定したデータを立体的に表示した表示画像である。形状データL2は、データ分離処理部102において、歯部データ、顎堤非接触部データ及び顎堤接触部データに分離される。有床義歯データL3、素材指定部104において、分離された歯部データ、顎堤被覆部における顎堤非接触部データ、及び顎堤被覆部における顎堤接触部データに対してそれぞれ素材を指定したデータである。
歯部データには、素材Aが指定されている。素材Aは、硬さが高く、歯に近い白色の素材である。歯部データにおける素材の指定は、審美的な観点から自然な色となるように、色見本等によって指定できるようにしてもよい。例えば、素材Aに対して所定の着色料を混入するように歯部データを生成する。
顎堤非接触部データには、素材Bが指定されている。素材Bは、硬さが素材Aより低く、顎堤に近い色の素材である、素材Bは、歯部を保持して嵌合を安定させる強度が要求される。また、素材B及び素材Cにおいても審美的な観点から自然な色となるように色見本による色の指定、着色料の使用等ができるようにしてもよい。
顎堤接触部データには、素材Cが指定されている。素材Cは、硬さが素材Bより低く、顎堤に接触する素材である。素材Cは、咬合時の疼痛を軽減する目的で使用されるものである。顎堤接触部データにおいて、上述した特定部分には、特定部分の周辺に比べて硬さが低くなるように、素材Cの厚みや割合を指定することができる。顎堤接触部に素材Cを指定することにより顎堤に対して咬合力を分散することができる。
歯部データ、顎堤非接触部データ及び顎堤接触部データにおける、素材A〜素材Cは、それぞれの部位において3Dプリンタ12のヘッドから吐出されて造形されるので、それぞれの素材の境界において剥離することがない。なお、3Dプリンタが単一の素材を用いた光造形によるものである場合は、素材の性状は、それぞれの部位においてコンターデータに従って造形中に変化されるので、それぞれの素材の境界において剥離することがない。
なお、図5においては、歯部データ、顎堤非接触部データ及び顎堤接触部データにおいてそれぞれ1種類の素材を指定する場合を示したが、素材の指定方法はこれに限定されるものではない。複数の素材の使用割合を指定する素材の指定方法については図7を用いて後述する。
また、素材の指定には、色、光沢、表面粗さ等の指定を含んでいてもよい。例えば、歯部の表面に光沢のある素材を指定して、また、3Dプリンタにおける積層時に表面が滑らかになるように歯部データを生成してもよい。また、それぞれの部位の表面には研磨によって光沢が得られる素材を指定してもよい。
次に、図6を用いて、素材指定部104において実行される、形状データに対する詳細な素材指定について説明する。図6は、実施形態に係る形状データに対する詳細な素材指定の一例を示す図である。歯部データ、顎堤非接触部データ及び顎堤接触部データにおいてそれぞれ指定される素材A〜Cは、図5の説明と同様であるため説明を省略する。
図6において、顎堤接触部データにおける素材Cは。素材指定部104によって部位に応じた厚みが指定されていることを示している。例えば、素材Cは、図示d1の部位において2〜3mmの厚みが指定されている。素材Cは、図示d2の部位において1〜2mmの厚みが指定されている。また、素材Cは、図示d3の部位において0.5〜1mmの厚みが指定されている。本実施形態においては、データ調整部103において、それぞれの部位に各素材の厚み等の形状を調整することができるものとする。以下に、素材Bと素材Cの形状を変更する場合を例示する。
[顎堤被覆部の表面形状を変更することなく、素材Cの厚みのみを変更する場合]
顎堤被覆部の表面形状を固定する設定にした上で、素材Bの下端の点をマウス等によって指定して、指定した点を上方に移動する(削る)又は下方に移動する(増やす)操作を行う。指定した点以外の部分は近似曲線等を用いて修正することができる。顎堤被覆部の表面形状は変更されないため、素材Bの形状が変更された分、素材Cの厚みが変更される。この操作によって、顎堤被覆部の表面形状を変更することなく顎堤被覆部の所定部分の硬さを変更(素材Cの厚みを変更)することが可能となる。
[素材Cの厚みを変更することなく顎堤被覆部の表面形状を変更する場合]
顎堤被覆部の表面形状を変更する設定にした上で、素材Bの下端の点を指定して、指定した点を上方に移動する又は下方に移動する操作を行う。素材Bの形状が変更された分、顎堤被覆部の表面形状が変更されるため、素材Cの厚みが変更されることなく所定部分の硬さを変更することが可能となる。
[素材Cの形状を変更して顎堤被覆部の表面形状を変更する場合]
顎堤被覆部の表面形状を変更する設定にした上で、素材Cの下端の点を指定して、指定した点を上方に移動する又は下方に移動する操作を行う。従来の歯科用タービンを用いて表面を形状を変更する場合は、素材を削ることしかできなかったが、本実施形態においては、素材を削ることに加えて、素材を増やすることが可能となる。
なお、図6は、各素材の厚みが確認しやすいように形状データを断面表示して調整する場合を示しているが、形状データの表示方法はこれに限定されるものではない。例えば、図5で示したように、形状データを立体表示して調整するようにしてもよい。また、形状データを立体表示して調整する部位を指定してから指定した部位における断面表示をするようにしてもよい。
次に、図7を用いて、図6で説明したd2の部位における、素材割合の設定を説明する。図7は、実施形態に係る素材割合の設定の一例を示す図である。図6においては、歯部データ、顎堤非接触部データ及び顎堤接触部データでそれぞれ指定する素材A〜素材Cは、それぞれの部位において単独(1種類)で使用されるものとして説明したが、図7は、複数の素材の使用割合を部位によって徐々に変更する場合を例示する。なお、d2における素材B及び素材Cの使用割合は0〜2mmで変化するものとする。
図7において、グラフの横軸は、顎堤接触点からの深さd(mm)を示す。すなわち、横軸におけるd=0mmは、顎堤接触部の表面である。また、グラフの縦軸は、素材Bと素材Cの使用割合(%)を示す。素材Bと素材Cの使用割合は、合計値が100%となる。グラフはd2の部位における使用割合を示している。太線は、使用割合が直線的に変化する場合を示している。細線は、使用割合が曲線的に変化することを示している。
d2の部位において、深さd=0mmすなわち顎堤接触部の表面は、素材Cの使用割合が100%であり、素材Bの使用割合が0%である。深さdが大きくなる程、素材Cの使用割合が徐々に減り、素材Bの使用割合が徐々に増え、深さd=2mmにおいて素材Bの使用割合が100%となる。素材の使用割合を深さに応じて変化させることにより、硬さ、色等の物性を徐々に変化させる調整をすることが可能となる。
なお、図7は、素材の使用割合が直線的に変化する場合と曲線的に変化する場合を示したが、使用割合の変化は任意に変更することができるものとする。例えば、使用割合を深さdに対して階段状に変化させてもよい。
次に、図8及び図9を用いて、データ調整部103において実行される、リリーフ部の選択について説明する。図8は、実施形態に係る上顎におけるリリーフ部の選択画面の一例を示す図である。図9は、実施形態に係る下顎におけるリリーフ部の選択画面の一例を示す図である。
図8及び図9は、上顎と下顎の形状データの平面表示である、図8及び図9においては、説明のため解剖学的ランドマークの部位を図示している。図8及び図9に示す解剖学的ランドマークの中で、四角で囲った、上顎における、口蓋ヒダ、切歯乳頭、口蓋隆起又は歯槽頂、若しくは下顎における、下顎隆起、歯槽頂、顎舌骨筋線又はオトガイ孔はリリーフ部として指定される。例えば、図8に図示する歯槽頂等を特定部分としてリリーフする場合、表示装置113に表示された平面表示の中からリリーフ部をマウス等によって指定する。指定する部分は点であっても所定の面積を有する面であってもよい。リリーフ部を指定した後は、図6で示した断面図を表示して素材の厚み等を指定するようにしてもよい。図8及び図9においては、リリーフ部毎に素材の厚みを指定して患者毎のリリーフ部の微調整を可能にしている。
以上説明したように、本実施形態の有床義歯の作製方法は、人工歯部と、顎堤粘膜を被覆する顎堤被覆部を有する義歯床とを備えてなる有床義歯の作製方法であって、前記有床義歯の形状データを取得する形状データ取得ステップと、取得された前記形状データに基づき、性状を変化させて前記有床義歯を三次元に造形する造形ステップとを含むことにより、適合性及びその再現性が高く短納期で作製が可能な有床義歯の作製方法を提供することが可能となる。
なお、本実施形態における有床義歯の作製方法においては、有床義歯を三次元に造形する方法として、人工歯部と義歯床の両方を3Dプリンタで造形する場合を説明した。しかし、有床義歯を三次元の造形に造形する方法はこれに限定されるものではない。例えば、人工歯部は予め用意された人工歯を用いて、3Dプリンタで造形された義歯床と人工歯を組み合わせることにより有床義歯を造形してもよい。すなわち、本実施形態の有床義歯の作製方法は、顎堤粘膜を被覆する顎堤被覆部を有する義歯床とを備えてなる有床義歯の作製方法であって、有床義歯の形状データを取得する形状データ取得ステップと、取得された前記形状データに基づき、性状を変化させて前記有床義歯を三次元に造形する造形ステップとを含むものであってもよい。3Dプリンタで造形された義歯床と人工歯を組み合わせる方法としては、例えば、予め用意された人工歯を固定して、固定した人工歯の歯根部を被覆するように光造形を用いた3Dプリンタで義歯床を造形するようにしてもよい。また、3Dプリンタで造形された義歯床に人工歯を挿入して組み合わせてもよい。人工歯部に予め用意された人工歯を用いることにより、3Dプリンタで造形する人工歯部に比べて硬い歯部とすることができる。なお、予め用意された人工歯は、従来の有床義歯に用いられる既存の人工歯を流用してもよい。また、予め用意された人工歯は、3Dプリンタで造形された義歯床との接合力を向上させるために、人工歯の歯根部を義歯床との接合力が高い素材又は形状としてもよい。
また、図4及び図5においては、有床義歯として総義歯における例を示したが、本実施形態においては、局部床義歯においても実施することができる。局部床義歯は、歯部、クラスプ(鉤部)、レスト、連結子、床部等から構成されるが、本実施形態においては、それぞれの部位において異なる素材を用いて造形することができる。例えば、総義歯においては歯部と床部を異なる硬さのアクリル化合物で造形する場合を例示したが、局部床義歯においては、一部を金属又は金属に代替する素材において造形するようにしてもよい。本実施形態においては素材を連続的に変化させて造形することができるので、素材間における剥離等が生じにくい有床義歯を作製することが可能となる。
また、本実施形態で説明した装置を構成する機能を実現するためのプログラムを、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、当該記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読込ませ、実行することにより、本実施形態の上述した種々の処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現するもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
以上、本発明の実施形態について、図面を参照して説明してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲においての種々の変更も含まれる。
1…有床義歯作製システム
10…有床義歯作製装置
11…データ処理装置
12…3Dプリンタ
111…制御装置
112…入力装置
113…表示装置
114…DB
115…通信装置
20…三次元スキャナ
30…外部サーバ
101…データ取得部
102…データ分離処理部
103…データ調整部
104…素材指定部
105…データ保存処理部
106…データ検索処理部
107…造形処理部

Claims (16)

  1. 人工歯部と、顎堤粘膜を被覆する顎堤被覆部を有する義歯床とを備えてなる有床義歯の作製方法であって、
    前記有床義歯の形状データを取得する形状データ取得ステップと、
    取得された前記形状データに基づき、性状を変化させて前記有床義歯を三次元に造形する造形ステップと
    を含む、有床義歯の作製方法。
  2. 前記造形ステップにおいて、積層造形することにより前記有床義歯を三次元に造形する、請求項1に記載の有床義歯の作製方法。
  3. 前記造形ステップにおいて、複数の素材の使用割合を変化させることにより前記性状を変化させる、請求項1又は2に記載の有床義歯の作製方法。
  4. 前記造形ステップにおいて、単一の素材を用いて前記性状を変化させる、請求項1又は2に記載の有床義歯の作製方法。
  5. 前記造形ステップにおいて、3Dプリンタのヘッドから吐出される複数の素材の吐出割合を変化させることにより前記使用割合を変化させる、請求項3に記載の有床義歯の作製方法。
  6. 前記造形ステップにおいて、前記顎堤被覆部の硬さを変化させることにより前記性状を変化させる、請求項1から5のいずれか一項に記載の有床義歯の作製方法。
  7. 前記造形ステップにおいて、硬さの低い造形した素材の厚みを変化させることにより、前記顎堤被覆部の硬さを変化させる、請求項6に記載の有床義歯の作製方法。
  8. 前記造形ステップにおいて、前記顎堤被覆部の中で前記顎堤粘膜に接する部分の硬さを前記顎堤被覆部の他の部分に比べて相対的に低くすることにより前記顎堤被覆部の硬さを変化させる、請求項6に記載の有床義歯の作製方法。
  9. 前記造形ステップにおいて、前記顎堤粘膜に接する部分の中で特定部分の硬さを前記顎堤粘膜に接する他の部分に比べて相対的に低くすることにより前記顎堤被覆部の硬さを変化させる、請求項8に記載の有床義歯の作製方法。
  10. 前記造形ステップにおいて、前記特定部分は、上顎における解剖学的ランドマークである、口蓋ヒダ、切歯乳頭、口蓋隆起又は歯槽頂、若しくは下顎における解剖学的ランドマークである、下顎隆起、歯槽頂、顎舌骨筋線又はオトガイ孔の中から選択される少なくとも1つ以上の部位である、請求項9に記載の有床義歯の作製方法。
  11. 前記形状データを保存する保存ステップをさらに含み、
    前記造形ステップにおいて、保存された前記形状データに基づき、前記有床義歯を三次元に造形する、請求項1から又は10のいずれか一項に記載の有床義歯の作製方法。
  12. 取得された前記形状データを、前記人工歯部に係る歯部データと、前記義歯床に係る義歯床データとに分離する分離ステップをさらに有し、
    前記造形ステップにおいて、分離された前記形状データに基づき、前記人工歯部及び前記義歯床を造形する、請求項1から11のいずれか一項に記載の有床義歯の作製方法。
  13. 前記形状データ取得ステップにおいて、患者への適合が調整された義歯のモデルを三次元スキャナでスキャンして前記形状データを取得する、請求項1から12のいずれか一項に記載の有床義歯の作製方法。
  14. 前記形状データ取得ステップにおいて、患者の口腔を三次元スキャナでスキャンして前記形状データを取得する、請求項1から12のいずれか一項に記載の有床義歯の作製方法。
  15. 形状データに基づき、性状を変化させて三次元に造形された、人工歯部と、顎堤粘膜を被覆する顎堤被覆部を有する義歯床とを備える、有床義歯。
  16. 人工歯部と、顎堤粘膜を被覆する顎堤被覆部を有する義歯床とを備えてなる有床義歯の作製装置であって、
    前記有床義歯の形状データを取得する形状データ取得部と、
    取得された前記形状データに基づき、性状を変化させて前記有床義歯を三次元に造形する造形部と
    を有する、有床義歯の作製装置。
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