JP2017223907A - 映像投影用構造体および透明スクリーン - Google Patents
映像投影用構造体および透明スクリーン Download PDFInfo
- Publication number
- JP2017223907A JP2017223907A JP2016120980A JP2016120980A JP2017223907A JP 2017223907 A JP2017223907 A JP 2017223907A JP 2016120980 A JP2016120980 A JP 2016120980A JP 2016120980 A JP2016120980 A JP 2016120980A JP 2017223907 A JP2017223907 A JP 2017223907A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- transparent
- layer
- projection structure
- transparent layer
- transparent screen
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Overhead Projectors And Projection Screens (AREA)
- Optical Elements Other Than Lenses (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
Abstract
【課題】透明スクリーン用の映像投影用構造体を提供する。【解決手段】凹凸表面を有する第1の透明層と、反射層と、第2の透明層と、を有し、第1の透明層の側から測定される透過率(%)をT1とし、ヘイズ(%)をP1とし、拡散反射率(%)をD1とし、入射角3゜における拡散角(半値全幅)(゜)をθ1としたとき、以下の式で表される第1のパラメータA1(%)は、A1(%)=T1×(100−P1)/1000.5%よりも大きく、以下の式で表される第2のパラメータB1は、B1=(D1/T1)×Δθ1200よりも大きい、映像投影用構造体。【選択図】図1
Description
本発明は、例えば、透明スクリーン等に適用され得る映像投影用構造体、およびそのような映像投影用構造体を有する透明スクリーンに関する。
スクリーンの後ろにある背景が視認できる状態で、前方に映像を表示することができる透明スクリーンが各分野で注目されている。
このような透明スクリーンには、例えば、観者の側から透明スクリーンに映像を投射するフロント投射タイプと、観者とは反対の側から透明スクリーンに映像を投射するリア投射タイプがある。
このうち、フロント投射タイプの透明スクリーンは、例えば、映像を表示させるための構造体(以下、「映像投影用構造体」という)を、透明基板の表面に配置することにより構成される。映像投影用構造体は、凹凸表面を有する第1の透明樹脂層の凹凸表面上に反射層を設置し、さらに反射層の上に第2の透明樹脂層を設置することにより構成される(例えば特許文献1)。
そのような透明スクリーンは、各種形態を取り得る。例えば、フィルム状の映像投影用構造体を透明基板に貼り付けることにより、フィルム貼付式の透明スクリーンを構成することができる。また、映像投影用構造体を2枚のガラス基板の間に挟み込むことにより、埋め込み式の透明スクリーンを構成することもできる。
近年、フロント投射タイプの透明スクリーンにおいては、その使用態様に関する新たなニーズが高まっている。
例えば、建物の窓、バスおよび車などの移動体の窓、ならびに商店街のアーケードなどのような、屋外(または車外。以下同じ)と屋内(または車内。以下同じ)の境界に透明スクリーンを配置することが検討されている。この場合、屋内側から屋外の背景を眺めながら、透明スクリーンに映し出される映像を楽しむことができ、新たな生活環境を提供することができると考えられる。
しかしながら、このような透明スクリーンの使用態様では、観者は、屋内という比較的暗い位置(「視認位置」ともいう)から、屋外という比較的明るい位置(「背景」ともいう)に向かって、透明スクリーンを眺めることになる。従って、通常の場合、観者は、鮮明な映像を見ることが難しくなる。
そこで、この問題に対処するため、透明スクリーンのヘイズを高めるなどして、透明スクリーンの透過率を低下させることが考えられる。しかしながら、その場合、透明スクリーンに鮮明な映像を映し出すことができたとしても、背景が見えなくなり、透明スクリーンが実質的に「不透明なスクリーン」になってしまう。
このように、屋外と屋内の境界に透明スクリーンを配置する使用態様を普及させるためには、解決すべき課題が存在する。
本発明は、このような背景に鑑みなされたものであり、本発明では、背景よりも暗い視認位置から視認した場合であっても、映像を視認することができる上、背景も眺めることができるような、透明スクリーン用の映像投影用構造体を提供することを目的とする。また、本発明では、背景よりも暗い視認位置から視認した場合であっても、映像を視認することができる上、背景も眺めることができるような、透明スクリーンを提供することを目的とする。
本発明では、映像投影用構造体であって、
凹凸表面を有する第1の透明層と、
該第1の透明層の前記凹凸表面に設置された反射層と、
該反射層の上に配置された第2の透明層と、
を有し、
当該映像投影用構造体において、第1の透明層の側から測定される透過率(%)をT1とし、ヘイズ(%)をP1とし、拡散反射率(%)をD1とし、入射角3゜における拡散角(半値全幅)(゜)をθ1としたとき、
以下の(1)式で表される第1のパラメータA1(%)は、
A1(%)=T1×(100−P1)/100 (1)式
0.5%よりも大きく、
以下の(2)式で表される第2のパラメータB1は、
B1=(D1/T1)×Δθ1 (2)式
200よりも大きい、映像投影用構造体が提供される。
凹凸表面を有する第1の透明層と、
該第1の透明層の前記凹凸表面に設置された反射層と、
該反射層の上に配置された第2の透明層と、
を有し、
当該映像投影用構造体において、第1の透明層の側から測定される透過率(%)をT1とし、ヘイズ(%)をP1とし、拡散反射率(%)をD1とし、入射角3゜における拡散角(半値全幅)(゜)をθ1としたとき、
以下の(1)式で表される第1のパラメータA1(%)は、
A1(%)=T1×(100−P1)/100 (1)式
0.5%よりも大きく、
以下の(2)式で表される第2のパラメータB1は、
B1=(D1/T1)×Δθ1 (2)式
200よりも大きい、映像投影用構造体が提供される。
また、本発明では、少なくとも一つの透明基板と、該透明基板の表面に配置された映像投影用構造体とを有する透明スクリーンであって、
前記映像投影用構造体は、
凹凸表面を有する第1の透明層と、
該第1の透明層の前記凹凸表面に設置された反射層と、
該反射層の上に配置された第2の透明層と、
を有し、
当該透明スクリーンにおいて、第1の透明層の側から測定される透過率(%)をT2とし、ヘイズ(%)をP2とし、拡散反射率(%)をD2とし、入射角3゜における拡散角(半値全幅)(゜)をθ2としたとき、
以下の(3)式で表される第1のパラメータA2(%)は、
A2(%)=T2×(100−P2)/100 (3)式
0.5%よりも大きく、
以下の(4)式で表される第2のパラメータB2は、
B2=(D2/T2)×Δθ2 (4)式
200よりも大きい、透明スクリーンが提供される。
前記映像投影用構造体は、
凹凸表面を有する第1の透明層と、
該第1の透明層の前記凹凸表面に設置された反射層と、
該反射層の上に配置された第2の透明層と、
を有し、
当該透明スクリーンにおいて、第1の透明層の側から測定される透過率(%)をT2とし、ヘイズ(%)をP2とし、拡散反射率(%)をD2とし、入射角3゜における拡散角(半値全幅)(゜)をθ2としたとき、
以下の(3)式で表される第1のパラメータA2(%)は、
A2(%)=T2×(100−P2)/100 (3)式
0.5%よりも大きく、
以下の(4)式で表される第2のパラメータB2は、
B2=(D2/T2)×Δθ2 (4)式
200よりも大きい、透明スクリーンが提供される。
本発明では、背景よりも暗い視認位置から視認した場合であっても、映像を視認することができる上、背景も眺めることができるような、透明スクリーン用の映像投影用構造体を提供することができる。また、本発明では、背景よりも暗い視認位置から視認した場合であっても、映像を視認することができる上、背景も眺めることができるような、透明スクリーンを提供することができる。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
図1には、本発明の一実施形態による映像投影用構造体(以下、「第1の映像投影用構造体」と称する)の断面の一例を概略的に示す。
図1に示すように、第1の映像投影用構造体101は、第1の透明層110と、反射層120と、第2の透明層130とをこの順に有する。
第1の透明層110は、凹凸表面112を有し、反射層120は、この凹凸表面112上に設置される。反射層120は比較的薄いため、反射層120の最表面122は、第1の透明層110の凹凸表面112と実質的に同等の凹凸形状を有する。第2の透明層130は、反射層120の最表面122上に設置される。
図1に示した例では、第1の映像投影用構造体101は、さらに、第1の支持部材140および第2の支持部材145を有する。第1の支持部材140は、第1の透明層110の凹凸表面112とは反対の表面の側に配置される。また、第2の支持部材145は、第2の透明層130の反射層120から遠い表面の側に配置される。
第1の支持部材140および第2の支持部材145は、第1の映像投影用構造体101を支持し、第1の映像投影用構造体101のハンドリングを容易にする役割を有する。例えば、第1の支持部材140および第2の支持部材145を含まない場合、第1の映像投影用構造体101の厚さは、通常、1μm〜100μm程度であり、あまり剛性が得られない。しかしながら、少なくとも第1の支持部材140または第2の支持部材145のいずれか一方を提供することにより、第1の映像投影用構造体101に剛性が得られ、ハンドリングが容易になる。
ただし、第1の映像投影用構造体101に剛性があまり必要とされない場合など、特定の場合には、第1の支持部材140および第2の支持部材145の少なくとも一方は、省略されても良い。
また、図1に示した例には記載されていないが、第1の映像投影用構造体101は、さらに、反射層120と第2の透明層130との間に、両者の密着性を高めるための、密着層を有しても良い。
このような構成を有する第1の映像投影用構造体101では、凹凸状の反射層120が、いわゆるハーフミラーとして機能する。すなわち、反射層120は、入射光の一部を反射、凹凸形状により散乱させ、他の一部を透過させることができる。反射層120を構成する層自体は比較的薄いため光をほとんど散乱せずに透過させることができる。
このため、第1の映像投影用構造体101に、前方(例えば第1の透明層110の側)から映像を投射すると、第1の映像投影用構造体101の後方(例えば第2の透明層130の側)にある背景が視認できる状態で、前方に映像を表示することが可能となる。
従って、第1の映像投影用構造体101は、フロント投射タイプの透明スクリーンに、適用することができる。
ここで、従来のフロント投射タイプの透明スクリーンを屋外と屋内の境界に配置した場合、観者は、屋内という比較的暗い視認位置から、屋外の比較的明るい背景に向かって、透明スクリーンを眺めることになる。従って、この場合、観者が鮮明な映像を見ることが難しくなる。
一方、この問題に対処するため、透明スクリーンのヘイズを高めるなどして、透明スクリーンの透過率を低下させることが考えられる。しかしながら、その場合、透明スクリーンに鮮明な映像を映し出すことができたとしても、背景が見えなくなり、透明スクリーンが実質的に「不透明なスクリーン」になってしまう。
これに対して、第1の映像投影用構造体101は、
第1の透明層110の側から測定される透過率(%)をT1とし、ヘイズ(%)をP1とし、拡散反射率(%)をD1とし、入射角3゜における拡散角(半値全幅)(゜)をθ1としたとき、
以下の(1)式で表される第1のパラメータA1(%)は、
A1(%)=T1×(100−P1)/100 (1)式
0.5%よりも大きく、
以下の(2)式で表される第2のパラメータB1は、
B1=(D1/T1)×θ1 (2)式
200よりも大きいという特徴を有する。また、前記A1は、1.0%以上が好ましく、前記B1は、300よりも大きいことが好ましい。
第1の透明層110の側から測定される透過率(%)をT1とし、ヘイズ(%)をP1とし、拡散反射率(%)をD1とし、入射角3゜における拡散角(半値全幅)(゜)をθ1としたとき、
以下の(1)式で表される第1のパラメータA1(%)は、
A1(%)=T1×(100−P1)/100 (1)式
0.5%よりも大きく、
以下の(2)式で表される第2のパラメータB1は、
B1=(D1/T1)×θ1 (2)式
200よりも大きいという特徴を有する。また、前記A1は、1.0%以上が好ましく、前記B1は、300よりも大きいことが好ましい。
ここで、透過率T1(%)は、D65光源を利用した場合の透過率を意味する。
また、拡散反射率D1(%)は、測色計を用いて測定される値である。より具体的には、拡散反射率D1(%)は、測定サンプルの表面の法線に対して、8゜の方向(8゜±5゜)から、測定サンプルに測定光を照明し、反射光を積分球で受光することにより得ることができる。
一方、入射角3゜における拡散角(半値全幅)θ1(゜)は、以下のように測定される。
図2には、拡散角θ1の測定方法を概略的に示す。
図2に示すように、拡散角θ1を測定する際には、光源2から、透明サンプル4の表面4aに対して、所定の入射角φ(本願では、φ=3゜)で平行光3が照射される。ここで、透明サンプル4の表面4aをXY平面とし、表面4aの法線Pの方向をZ軸の方向とすると、入射角φは、平面YZ平面に対する「仰角」に相当する。
所定の入射角φで、透明サンプル4の表面4aに向かって照射された平行光3は、通常、透明サンプル4の表面4aで反射される際に、周囲に発散し、拡散光6(6a、6b、6cなど)となる。
この拡散光6について、XZ平面内に拡散された光の光量を測定し、−90゜(図2における−X方向)〜+90゜(図2における+X方向)の各角度における相対強度を表すと、図3に示すようなグラフが得られる。
得られたグラフから、半値全幅(FWHM)、すなわち、最大ピークQmaxの1/2の強度1/2Qmaxが得られる角度領域として、拡散角θ1が求められる。
前述の(1)式および(2)式を満たす第1の映像投影用構造体101では、第1の透明層110の側が第2の透明層130の側よりも暗くなる状況下において、第1の透明層110の側から映像を投射した場合でも、映像を明確に視認することができる。また、第1の透明層110の側から、背景も同時に眺めることができる。
従って、第1の映像投影用構造体101を透明スクリーンに適用した場合、そのような透明スクリーンでは、背景よりも暗い視認位置から視認した場合であっても、映像を視認することができる上、背景も眺めることが可能となる。
(1)の左辺が0.5%程度以上になるということは、青空を250Lux程度の屋内の背景と同程度に視認することを想定しており、(1)の数値が高ければ、透明感が高い状態を表しており、(2)の数値が高ければ、広い範囲での映像視認性が高い状態を表しており、これら2つを両立させることで、透明感が高く(背景を眺めることができる)、かつ、映像視認性が高い状態が得られる。
すなわち、入射光を反射および透過する機能が高く散乱する機能が小さい反射性の膜と入射光を散乱する構造とを選択し、前記(1)式および前記(2)式を満たすようにすることで、透明感が高くかつ映像視認性が高い状態を得ることができる。
(各構成部材)
次に、本発明の一実施形態による映像投影用構造体を構成する各部材について、より詳しく説明する。
次に、本発明の一実施形態による映像投影用構造体を構成する各部材について、より詳しく説明する。
なお、ここでは、図1に示した第1の映像投影用構造体101を例に、各構成部材について説明する。従って、各部材を表す際には、図1に示した参照符号を使用する。
(第1の透明層110)
第1の透明層110は、表面に凹凸を形成することが可能な透明材料である限り、その材質は、特に限られない。例えば、第1の透明層110は、透明な樹脂で構成されても良い。そのような樹脂用原料としては、例えば、アクリル樹脂およびエポキシ樹脂などのような、光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂および熱可塑性樹脂が挙げられる。
第1の透明層110は、表面に凹凸を形成することが可能な透明材料である限り、その材質は、特に限られない。例えば、第1の透明層110は、透明な樹脂で構成されても良い。そのような樹脂用原料としては、例えば、アクリル樹脂およびエポキシ樹脂などのような、光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂および熱可塑性樹脂が挙げられる。
第1の透明層110の凹凸表面112は、算術平均粗さRaが0.01μm〜20μmの範囲であっても良い。算術平均粗さRaは、0.01μm〜20μmの範囲であることが好ましい。
また、第1の透明層110の凹凸表面112は、最大高さと最小高さの差(「最大PV値」と称する)が0.5μm〜100μmの範囲であっても良い。最大PV値は、8μm〜50μmの範囲であることが好ましい。このような範囲にすると、ヘイズが調整しやすく、透明感が高くしやすい。
第1の透明層110の透過率は、5%〜100%の範囲であることが好ましく、10%〜100%の範囲であることがより好ましく、25%〜100%の範囲であることがさらに好ましい。
第1の透明層110の厚さ(最大厚さ)は、例えば、0.5μm〜50μmの範囲である。
(第2の透明層130)
第2の透明層130は、透明である限り、その材質は特に限られない。例えば、第2の透明層130は、透明な樹脂で構成されても良い。そのような樹脂用原料としては、例えば、アクリル樹脂およびエポキシ樹脂などのような、光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂および熱可塑性樹脂が挙げられる。
第2の透明層130は、透明である限り、その材質は特に限られない。例えば、第2の透明層130は、透明な樹脂で構成されても良い。そのような樹脂用原料としては、例えば、アクリル樹脂およびエポキシ樹脂などのような、光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂および熱可塑性樹脂が挙げられる。
第2の透明層130は、第1の透明層110と同じ材料で構成されても良い。
第2の透明層130の透過率は、5%〜100%の範囲であることが好ましく、10%〜100%の範囲であることがより好ましく、25%〜100%の範囲であることがさらに好ましい。第2の透明層130は第1の透明層の材料と単位厚み当たりの吸光度の差が±20%以内であれば、第1の透明層と異なる材料で構成されても良い。
第2の透明層130の厚さ(最大厚さ)は、例えば、1μm〜100μmの範囲である。
(反射層120)
反射層120は、入射光の一部を反射し、他の一部を透過する機能を有するように構成される。なお、反射層120は、必ずしも単層膜である必要はなく、多層構造を有しても良い。
反射層120は、入射光の一部を反射し、他の一部を透過する機能を有するように構成される。なお、反射層120は、必ずしも単層膜である必要はなく、多層構造を有しても良い。
例えば、反射層120は、金属(合金を含む)、金属酸化物、金属窒化物、およびそれらの組み合わせにより構成されても良い。金属としては、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、またはこれらの合金(例えば、金と銀の合金など)が挙げられる。また、金属酸化物としては、チタニア、ニオビア、アルミナ、シリカが挙げられる。さらに、金属窒化物としては、タンタル、シリコン、シリカの窒化物等が挙げられる。反射層120がアルミニウム(Al)および銀(Ag)で構成されると、透明感を維持しながら映像の視認性を良好にしやすい。
あるいは、反射層120は、金属膜と酸化物膜の繰り返し構造を有しても良い。この場合、金属膜および酸化物膜の厚さは、例えば、1nm〜500nmの範囲であり、例えば、4nm〜250nmの範囲であることが好ましい。
反射層120の厚さ(多層膜の場合、総厚)は、例えば、10nm〜10000nmの範囲であり、20nm〜5000nmの範囲であることが好ましい。
また、反射層120にはチタン(Ti)またはモリブデン(Mo)の層を含むことが好ましい。これらの層は酸化により黒色を示す。前記金属膜および酸化物膜で反射し、映像投影構造体の外部に出ずに映像投影構造体の内部を伝搬する光(迷光)を、TiまたはMoの層が吸収するため、透明感を維持しながらより映像の視認性の高い状態にしやすい。反射層120に光を吸収する層を有すると、迷光が拡散する前に吸収できるためより透明感を維持しやすい。
(その他の層)
本発明の一実施形態による映像投影用構造体は、第1の透明層110、第2の透明層130、および反射層120以外に光を吸収する層を有してもよい。光を吸収すると迷光によって映像が白くぼやけるのを抑制でき、透明感を良好にしやすい。
本発明の一実施形態による映像投影用構造体は、第1の透明層110、第2の透明層130、および反射層120以外に光を吸収する層を有してもよい。光を吸収すると迷光によって映像が白くぼやけるのを抑制でき、透明感を良好にしやすい。
(第1の支持部材140/第2の支持部材145)
第1の支持部材140は、透明な材料である限り、いかなる材料で構成されても良い。第1の支持部材140は、例えば、ガラス、樹脂、またはプラスチックであっても良い。
第1の支持部材140は、透明な材料である限り、いかなる材料で構成されても良い。第1の支持部材140は、例えば、ガラス、樹脂、またはプラスチックであっても良い。
第1の支持部材140を構成するガラスとしては、例えば、ソーダライムガラスおよび無アルカリガラス等が挙げられる。ガラスは、耐久性を向上させるため、化学強化処理またはハードコート処理されたものであっても良い。
第1の支持部材140を構成するプラスチックとしては、ポリカーボネート、PET、PEN、シクロオレフィンポリマー、オレフィン・シクロオレフィンコポリマー、およびポリエステル等が好ましい。これらは、フイルム状で提供されても良い。
第1の支持部材140は、複屈折がないことが好ましい。
第1の支持部材140の厚さは、例えば、0.01mm〜10mmの範囲であり、0.05mm〜5mmの範囲であることが好ましく、0.1mm〜0.5mmの範囲であることがより好ましく、0.1mm〜0.3mmの範囲であることがさらに好ましい。
第2の支持部材145についても、第1の支持部材140と同様のことが言える。
なお、前述のように、第1の支持部材140および第2の支持部材145の少なくとも一つは、省略されても良い。
(第1の映像投影用構造体101)
以下、第1の映像投影用構造体101の各特性について説明する。なお、ここで記載される各特性値は、少なくとも第1の映像投影用構造体101が第1の支持部材140または第2の支持部材145のいずれか一方を備える場合、これらを含む構成における値である。
以下、第1の映像投影用構造体101の各特性について説明する。なお、ここで記載される各特性値は、少なくとも第1の映像投影用構造体101が第1の支持部材140または第2の支持部材145のいずれか一方を備える場合、これらを含む構成における値である。
第1の映像投影用構造体101は、透過率T1が0.1%〜10%の範囲であっても良い。透過率T1は、1%〜5%の範囲であることが好ましい。
第1の映像投影用構造体101は、ヘイズP1が60%以下であっても良い。ヘイズP1は、0%〜45%の範囲であることが好ましい。
第1の映像投影用構造体101は、拡散反射率D1が30%以上であっても良い。拡散反射率D1は、35%〜80%の範囲であることが好ましい。
第1の映像投影用構造体101は、入射角3゜における拡散角θ1が10゜〜180゜の範囲であっても良い。入射角3゜における拡散角θ1は、40゜〜130゜の範囲であることが好ましい。
第1の映像投影用構造体101は、全反射率が30%〜90%の範囲であっても良い。全反射率は、40%〜85%の範囲であることが好ましい。
なお、第1の映像投影用構造体101の全反射率は、以下の方法で測定することができる。
(本発明の一実施形態による透明スクリーン)
次に、図4を参照して、本発明の一実施形態による透明スクリーンの一構成例について説明する。なお、以下に示す透明スクリーンは、フロント投射タイプの透明スクリーンである。
次に、図4を参照して、本発明の一実施形態による透明スクリーンの一構成例について説明する。なお、以下に示す透明スクリーンは、フロント投射タイプの透明スクリーンである。
図4には、本発明の一実施形態による透明スクリーン(以下、「第1の透明スクリーン」と称する)の断面の一例を概略的に示す。
図4に示すように、第1の透明スクリーン200は、第1の透明基板250と、第2の透明基板255と、両者の間に配置された映像投影用構造体201とを有する。
第1の透明基板250は、例えば、ガラス、樹脂、プラスチックなどで構成されても良い。第2の透明基板255についても、第1の透明基板250と同様のことが言える。
第1の透明基板250と映像投影用構造体201との間には、第1の接着層260が設置されており、これにより、第1の透明基板250と映像投影用構造体201を接合することができる。また、第2の透明基板255と映像投影用構造体201との間には、第2の接着層262が設置されており、これにより、第2の透明基板255と映像投影用構造体201を接合することができる。
ただし、不要な場合、第1の接着層260または第2の接着層262は、省略しても良い。
第1の接着層260は、透明な材料、例えば透明樹脂等で構成される。そのような透明樹脂としては、例えば、PVB(ポリビニルブチラール)樹脂、EVA(エチレンビニルアセテート)樹脂、アクリル系粘着剤、およびその他粘着剤などが挙げられる。
第2の接着層262においても同様のことが言える。
なお、第1の透明基板250または第2の透明基板255は、不要な場合、省略されても良い。
映像投影用構造体201は、第1の支持部材240、第1の透明層210、反射層220、第2の透明層230、および第2の支持部材245をこの順に備える。ただし、前述のように、第1の支持部材240および第2の支持部材245の少なくとも一つは、省略しても良い。
映像投影用構造体201は、例えば、前述のような第1の映像投影用構造体101であっても良い。
なお、映像投影用構造体201を構成する各部材の仕様については、前述の第1の映像投影用構造体101に関する記載が参照できるため、ここでは、詳細な記載は省略する。
ここで、第1の透明スクリーン200は、
第1の透明基板250の側(存在しない場合、第1の透明層210の側。以下同じ)から測定される透過率(%)をT2とし、ヘイズ(%)をP2とし、拡散反射率(%)をD2とし、入射角3゜における拡散角(半値全幅)(゜)をθ2としたとき、
以下の(3)式で表される第1のパラメータA2(%)は、
A2(%)=T2×(100−P2)/100 (3)式
0.5%よりも大きく、
以下の(4)式で表される第2のパラメータB2は、
B2=(D2/T2)×θ2 (4)式
200よりも大きいという特徴を有する。また、前記A2は、1.0%以上が好ましく、前記B2は、300よりも大きいことが好ましい。
第1の透明基板250の側(存在しない場合、第1の透明層210の側。以下同じ)から測定される透過率(%)をT2とし、ヘイズ(%)をP2とし、拡散反射率(%)をD2とし、入射角3゜における拡散角(半値全幅)(゜)をθ2としたとき、
以下の(3)式で表される第1のパラメータA2(%)は、
A2(%)=T2×(100−P2)/100 (3)式
0.5%よりも大きく、
以下の(4)式で表される第2のパラメータB2は、
B2=(D2/T2)×θ2 (4)式
200よりも大きいという特徴を有する。また、前記A2は、1.0%以上が好ましく、前記B2は、300よりも大きいことが好ましい。
ここで、透過率T2(%)、拡散反射率D2(%)、および入射角3゜における拡散角θ2(゜)の測定方法は、前述の通りである。
このような特徴を有する第1の透明スクリーン200では、第1の透明基板250の側が第2の透明基板255の側(存在しない場合、第2の透明層230の側。以下同じ)よりも暗くなる状況下において、第1の透明基板250の側から映像を投射した場合でも、第1の透明基板250の側にいる観者が、映像を明確に視認することができる。また、観者は、第1の透明基板250の側から、背景も同時に眺めることができる。
なお、第1の透明スクリーン200は、第1の透明基板250の側から測定した場合、透過率T2が0.5%〜10%の範囲であっても良い。透過率T2は、1%〜5%の範囲であることが好ましい。
また、第1の透明スクリーン200は、ヘイズP2が60%以下であっても良い。ヘイズP2は、0%〜45%の範囲であることが好ましい。
また、第1の透明スクリーン200は、拡散反射率D2が30%以上であっても良い。拡散反射率D2は、35%〜80%の範囲であることが好ましい。
また、第1の透明スクリーン200は、入射角3゜における拡散角θ2が10゜〜180゜の範囲であっても良い。入射角3゜における拡散角θ2は、40゜〜130゜の範囲であることが好ましい。
さらに、第1の透明スクリーン200は、全反射率が30%〜90%の範囲であっても良い。全反射率は、40%〜85%の範囲であることが好ましい。
以上、第1の透明スクリーン200を例に、本発明の一実施形態による透明スクリーンの構成例について説明した。
ただし、上記第1の透明スクリーン200は、単なる一例であって、本発明による透明スクリーンは、その他の構成を有しても良い。
例えば、第1の支持部材240が省略された構成において、映像投影用構造体201の第1の透明層210が接着層としての役割を兼ねる場合、第1の接着層260を省略することができる。同様に、第2の支持部材245が省略された構成において、映像投影用構造体201の第2の透明層230が接着層としての役割を兼ねる場合、第2の接着層262を省略することができる。
なお、第1の透明スクリーン200において、第1の透明基板250、第2の透明基板255、第1の接着層260、および第2の接着層262の全てが省略された場合、そのような部材は、結局、少なくとも第1の支持部材140または第2の支持部材145のいずれか一方を有する映像投影用構造体に帰結する。
そのような映像投影用構造体をフィルム状に調製し、別の透明体に貼付することにより、透明スクリーンが構成されても良い。この場合も、透明スクリーン全体を、前述の(3)式で表される第1のパラメータA2が0.5%よりも大きくなり、前述の(4)式で表される第2のパラメータB2が200よりも大きくなるように調整することにより、前述のような効果を得ることができる。
第1のパラメータA2は、1.0%以上であることがより好ましい。また、第2のパラメータB2は、300よりも大きいことがより好ましい。
(本発明の一実施形態による映像投影用構造体の製造方法)
次に、図5〜図9を参照して、本発明の一実施形態による映像投影用構造体の製造方法の一例について説明する。
次に、図5〜図9を参照して、本発明の一実施形態による映像投影用構造体の製造方法の一例について説明する。
図5には、本発明の一実施形態による映像投影用構造体の製造方法のフローを概略的に示す。また、図6〜図9には、図5に示した製造方法における一工程を概略的に示す。
図5に示すように、本発明の一実施形態による映像投影用構造体の製造方法(以下、「第1の製造方法」という)は、
(1)凹凸表面を有する第1の透明層を準備する工程(工程S110)と、
(2)前記第1の透明層の前記凹凸表面に、反射層を設置する工程(工程S120)と、
(3)前記反射層の上に、第2の透明層を設置する工程(工程S130)と、
を有する。
(1)凹凸表面を有する第1の透明層を準備する工程(工程S110)と、
(2)前記第1の透明層の前記凹凸表面に、反射層を設置する工程(工程S120)と、
(3)前記反射層の上に、第2の透明層を設置する工程(工程S130)と、
を有する。
以下、図6〜図9を参照して、各工程について説明する。
なお、ここでは、映像投影用構造体の一例として、図1に示したような構成を有する第1の映像投影用構造体101を例に、その製造方法について説明する。また、以降の説明では、各部材を表す際に、図1に示した参照符号を使用する。
また、以下の記載では、第1および第2の透明層110、130は、何れも樹脂層であると仮定する。
(工程S110)
まず、凹凸表面112を有する第1の透明層110が準備される。第1の透明層110は、例えば、図1に示すように、第1の支持部材140の上に形成されても良い。
まず、凹凸表面112を有する第1の透明層110が準備される。第1の透明層110は、例えば、図1に示すように、第1の支持部材140の上に形成されても良い。
この場合、まず、第1の支持部材140上に、第1の樹脂が設置される。第1の樹脂は、紫外線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、および熱可塑性樹脂など、外部からの刺激(エネルギー印加)によって、硬化する樹脂が好ましい。
第1の樹脂の設置方法は、特に限られない。第1の樹脂は、例えば、ダイコート、スピンコート、インクジェット塗布、スプレーコート等により、第1の支持部材140上に設置されても良い。
次に、第1の樹脂の上に、成形型が設置される。図6には、第1の支持部材140上で、第1の樹脂の上に成形型が設置された状態を模式的に示す。
図6に示すように、成形型170は、凹凸表面172を有する。成形型170は、凹凸表面172が第1の樹脂175と接触するようにして、第1の樹脂175上に設置される。成形型170は、例えば、金型であっても良く、あるいはフィルム状部材であっても良い。
次に、成形型170を第1の樹脂175に押し付けた状態で、第1の樹脂175に、例えば、紫外線または熱のような外部刺激を与える。これにより、第1の樹脂175が硬化され、表面に成形型170の凹凸表面172が転写された第1の透明層110が形成される。
その後、成形型170を取り除くことにより、第1の支持部材140上に、図7に示すような、凹凸表面112を有する第1の透明層110が形成される。
凹凸表面112の算術平均粗さRaは、例えば、0.01μm〜20μmの範囲である。また、凹凸表面112の最大PV値は、0.5μm〜50μmの範囲である。
(工程S120)
次に、図8に示すように、第1の透明層110の凹凸表面112に、反射層120が設置される。
次に、図8に示すように、第1の透明層110の凹凸表面112に、反射層120が設置される。
反射層120の設置方法は特に限られない。反射層120は、例えば、蒸着法、物理気相成膜(PVD)法、およびスパッタリング法等の成膜技術により、第1の透明層110上に設置されても良い。
反射層120の材料は、前述のように、金属(合金を含む)、金属酸化物、金属窒化物、およびそれらの組み合わせにより構成されても良い。また、反射層120は、多層膜で構成されても良い。
反射層120の厚さは、例えば、1nm〜20nmの範囲である。反射層120は、比較的薄いため、反射層120の最表面122は、下側の第1の透明層110の凹凸表面112の形状が反映された凹凸表面となる。
反射層120の形成後に、反射層120の上に、密着層を設置しても良い。これにより、反射層120と、次工程で設置される第2の透明層130の間の密着性が向上する。
(工程S130)
次に、図9に示すように、反射層120の上(密着層が存在する場合は、その上)に、第2の透明層130が設置される。
次に、図9に示すように、反射層120の上(密着層が存在する場合は、その上)に、第2の透明層130が設置される。
第2の透明層130は、反射層120の上に第2の樹脂を設置し、これを硬化することにより形成される。
第2の樹脂は、紫外線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、および熱可塑性樹脂など、外部からの刺激(エネルギー印加)によって、硬化する樹脂が好ましい。
第2の樹脂の設置方法は、特に限られない。第2の樹脂は、例えば、ダイコート、スピンコート、インクジェット塗布、スプレーコート等により、設置されても良い。
その後、第2の樹脂を硬化することにより、反射層120の上に第2の透明層130が形成される。
その後、必要な場合、第2の透明層130の上部に、第2の支持部材145が設置されても良い。
以上の工程により、図1に示したような、第1の映像投影用構造体101を製造することができる。
ここで、第1の製造方法では、第1の透明層110および第2の透明層130の種類と、第1の透明層110の凹凸表面112の形態と、反射層120の種類および厚さ等とを各種組み合わせることにより、前述の各パラメータ、すなわち透過率T1、ヘイズP1、拡散反射率D1、および入射角3゜における拡散角θ1を制御することができる。
また、これにより、前述の(1)式で表される第1のパラメータA1を0.5%よりも大きくすることができ、前述の(2)式で表される第2のパラメータB1を200よりも大きくすることができる。
次に、本発明の実施例について説明する。
(例1)
以下の方法により、透明スクリーンを製造した。
以下の方法により、透明スクリーンを製造した。
(映像投影用構造体の製造)
まず、第1の支持部材として、厚さ0.075mmのPETフィルムを準備した。また、成形型として、表面にランダムな凹凸が形成されたサンドブラストフィルムを準備した。サンドブラストフィルムの凹凸の算術平均粗さRaは約0.2μmであり、PV値は1.8μmであった。
まず、第1の支持部材として、厚さ0.075mmのPETフィルムを準備した。また、成形型として、表面にランダムな凹凸が形成されたサンドブラストフィルムを準備した。サンドブラストフィルムの凹凸の算術平均粗さRaは約0.2μmであり、PV値は1.8μmであった。
次に、PETフィルムの上に、ダイコート法により第1の樹脂を塗布した。第1の樹脂には、UV硬化型のアクリル樹脂のモノマーやオリゴマー等を使用した。
次に、第1の樹脂の上に、前述の成形型を設置した。成形型は、凹凸の形成されている側が第1の樹脂と接するように配置した。この状態で、成形型の反対側から1000mJのUV光を照射して、第1の樹脂を硬化させ、第1の透明層を形成した。
その後、成形型を除去することにより、PETフィルム上に、凹凸表面を有する第1の透明層が得られた。
第1の透明層の凹凸表面の算術平均粗さRaは、約0.41であった。また、第1の透明層の凹凸表面のPV値は、約5.7μmであった。第1の透明層の厚さは、約8μmであった。
次に、第1の透明層の凹凸表面に、スパッタリング法により反射層を設置した。反射層は、Ag−Au合金層とした。反射層の目標厚さは、15nmとした。
次に、反射層の上に、ダイコート法により、第2の樹脂を塗布した。第2の樹脂には、UV硬化型のアクリル樹脂のモノマーやオリゴマー等を使用した。
この状態で、第2の樹脂の側から1000mJのUV光を照射して、第2の樹脂を硬化させ、第2の透明層を形成した。第2の透明層の厚さは、約8μmであった。
第2の透明層の上に、第2の支持部材を設置した。第2の支持部材には、第1の支持部材と同様のものを使用した。
以上の方法により、映像投影用構造体(以下、「例1に係る映像投影用構造体」と称する)が製造された。
(透明スクリーンの製造)
次に、以下の方法により、例1に係る映像投影用構造体を用いて透明スクリーンを製造した。
次に、以下の方法により、例1に係る映像投影用構造体を用いて透明スクリーンを製造した。
まず、第1および第2の透明基板として、厚さ2mmのソーダライムガラス基板を準備した。このガラス基板の透過率は、90%である。
また、第1および第2の接着層として、厚さ0.38mmのPVBフィルムを準備した。
次に、第1の透明基板、第1の接着層、例1に係る映像投影用構造体、第2の接着層、第2の透明基板をこの順に積層して、積層体を構成した。
次に、この積層体を真空パックした状態で、120℃で1時間加熱した。これにより、透明スクリーン(以下「例1に係る透明スクリーン」と称する)が製造された。
例1に係る透明スクリーンの室内での外観は、白銀色であった。
(例2〜例3)
例1と同様の方法により、透明スクリーンを製造した。ただし、例2および例3では、反射層の目標厚さを、例1の場合とは変化させた。得られた透明スクリーンを、それぞれ、「例2に係る透明スクリーン」および「例3に係る透明スクリーン」と称する。
例1と同様の方法により、透明スクリーンを製造した。ただし、例2および例3では、反射層の目標厚さを、例1の場合とは変化させた。得られた透明スクリーンを、それぞれ、「例2に係る透明スクリーン」および「例3に係る透明スクリーン」と称する。
(例4)
例1と同様の方法により、透明スクリーンを製造した。ただし、この例4では、成形型として、表面に微細な凹凸が周期的に形成されたフィルムを使用した。このフィルムの凹凸表面の算術平均粗さRaは約0.41μmであり、PV値は5.7μmであった。
例1と同様の方法により、透明スクリーンを製造した。ただし、この例4では、成形型として、表面に微細な凹凸が周期的に形成されたフィルムを使用した。このフィルムの凹凸表面の算術平均粗さRaは約0.41μmであり、PV値は5.7μmであった。
得られた透明スクリーンを、「例4に係る透明スクリーン」と称する。
(例5〜例6)
例4と同様の方法により、透明スクリーンを製造した。ただし、例5および例6では、反射層の目標厚さを、例4の場合とは変化させた。得られた透明スクリーンを、それぞれ、「例5に係る透明スクリーン」および「例6に係る透明スクリーン」と称する。
例4と同様の方法により、透明スクリーンを製造した。ただし、例5および例6では、反射層の目標厚さを、例4の場合とは変化させた。得られた透明スクリーンを、それぞれ、「例5に係る透明スクリーン」および「例6に係る透明スクリーン」と称する。
(例7)
例1と同様の方法により、透明スクリーンを製造した。ただし、この例7では、成形型として、表面に周期的な凹凸が形成されたフィルムを使用した。このフィルムの凹凸表面の算術平均粗さRaは約0.18μmであり、PV値は0.93μmであった。
例1と同様の方法により、透明スクリーンを製造した。ただし、この例7では、成形型として、表面に周期的な凹凸が形成されたフィルムを使用した。このフィルムの凹凸表面の算術平均粗さRaは約0.18μmであり、PV値は0.93μmであった。
得られた透明スクリーンを、「例7に係る透明スクリーン」と称する。
(例8〜例10)
例7と同様の方法により、透明スクリーンを製造した。ただし、例8〜例10では、成形型として、例7とは異なるフィルムを使用した。このフィルムの凹凸表面の算術平均粗さRaは約0.60μmであり、PV値は4.6μmであった。また、反射層の目標厚さを、例7の場合とは変化させた。
例7と同様の方法により、透明スクリーンを製造した。ただし、例8〜例10では、成形型として、例7とは異なるフィルムを使用した。このフィルムの凹凸表面の算術平均粗さRaは約0.60μmであり、PV値は4.6μmであった。また、反射層の目標厚さを、例7の場合とは変化させた。
得られた透明スクリーンを、それぞれ、「例8に係る透明スクリーン」、「例9に係る透明スクリーン」および「例10に係る透明スクリーン」と称する。
以下の表1には、各例に係る透明スクリーンにおける第1の透明層の凹凸表面の算術平均粗さRaおよびPV値、ならびに外観を、まとめて示した。
(各種特性の測定)
各サンプルについて、第1の透明基板の側から光を照射し、透過率T2(%)、ヘイズP2(%)、拡散反射率D2(%)、および入射角3゜における拡散角θ1(゜)を測定した。
各サンプルについて、第1の透明基板の側から光を照射し、透過率T2(%)、ヘイズP2(%)、拡散反射率D2(%)、および入射角3゜における拡散角θ1(゜)を測定した。
透過率T2およびヘイズP2の測定にはヘイズメータ(ヘイズガード2:BYKガードナー社製)を使用した。拡散反射率D2の測定には、測色計(型番:コニカミノルタ社製)を使用した。入射角3゜における拡散角θ1の測定には、光検出器(CS1000:コニカミノルタ社製)を使用した。
得られた結果から、前述の(3)式で表される第1のパラメータA2、および前述の(4)
式で表される第2のパラメータB2を算定した。
式で表される第2のパラメータB2を算定した。
以下の表2には、各透明スクリーンにおける評価結果をまとめて示した。
(設置試験)
各サンプルを、建物の窓枠に設置し、透過性試験および映像視認性試験を実施した。
各サンプルを、建物の窓枠に設置し、透過性試験および映像視認性試験を実施した。
各サンプルは、第1の透明基板の側が屋内側となり、第2の透明基板の側が屋外側となるように設置した。なお、試験の際の屋内の明るさは、約200Lux〜500Luxであり、屋外の明るさは、約3500Luxであった。
透過性試験では、屋内からサンプルを介して屋外を視認した際に、背景が見えるかどうかを判定した。また、映像視認性試験では、サンプルの第1の透明基板の側に映像を投影し、屋内から映像を見た際に、映像が適正に視認できるかどうかを判定した。
以下の表3には、試験結果をまとめて示す。
表3から、例1〜例5、例7、および例8に係る透明スクリーンでは、透過性試験および映像視認性試験のいずれにおいても、良好な結果が得られていることがわかる。これに対して、例6、例9、および例10に係る透明スクリーンでは、いずれも透過性試験において、良好な結果が得られていないことがわかる。
ここで、透過性試験および映像視認性試験において良好な結果が得られた例1〜例5、例7、および例8に係る透明スクリーンは、いずれも、A2>0.5%であり、B2>200を満たす。
このように、(3)式で表される第1のパラメータA2を0.5%よりも大きくし、(4)式で表される第2のパラメータB2を200よりも大きくすることにより、明るい屋外と暗い屋内の境界に透明スクリーンを配置した場合でも、映像を適正に視認することができる上、背景も眺めることができることが確認された。
2 光源
3 平行光
4 透明サンプル
4a 表面
4b 裏面
6 拡散光
101 映像投影用構造体
110 第1の透明層
112 凹凸表面
120 反射層
122 最表面
130 第2の透明層
140 第1の支持部材
145 第2の支持部材
170 成形型
172 凹凸表面
175 第1の樹脂
200 透明スクリーン
201 映像投影用構造体
210 第1の透明層
220 反射層
230 第2の透明層
240 第1の支持部材
245 第2の支持部材
250 第1の透明基板
255 第2の透明基板
260 第1の接着層
262 第2の接着層
3 平行光
4 透明サンプル
4a 表面
4b 裏面
6 拡散光
101 映像投影用構造体
110 第1の透明層
112 凹凸表面
120 反射層
122 最表面
130 第2の透明層
140 第1の支持部材
145 第2の支持部材
170 成形型
172 凹凸表面
175 第1の樹脂
200 透明スクリーン
201 映像投影用構造体
210 第1の透明層
220 反射層
230 第2の透明層
240 第1の支持部材
245 第2の支持部材
250 第1の透明基板
255 第2の透明基板
260 第1の接着層
262 第2の接着層
Claims (13)
- 映像投影用構造体であって、
凹凸表面を有する第1の透明層と、
該第1の透明層の前記凹凸表面に設置された反射層と、
該反射層の上に配置された第2の透明層と、
を有し、
当該映像投影用構造体において、第1の透明層の側から測定される透過率(%)をT1とし、ヘイズ(%)をP1とし、拡散反射率(%)をD1とし、入射角3゜における拡散角(半値全幅)(゜)をθ1としたとき、
以下の(1)式で表される第1のパラメータA1(%)は、
A1(%)=T1×(100−P1)/100 (1)式
0.5%よりも大きく、
以下の(2)式で表される第2のパラメータB1は、
B1=(D1/T1)×Δθ1 (2)式
200よりも大きい、映像投影用構造体。 - さらに、
少なくとも前記第1の透明層の前記凹凸表面とは反対の側に設置された第1の支持部材、または
前記第2の透明層の前記反射層から遠い側に設置された第2の支持部材、
のいずれか一方を有し、
前記第1の透明層の側から評価した際に、前記A1(%)は、0.5%よりも大きく、前記B1(%)は、200よりも大きい、請求項1に記載の映像投影用構造体。 - 少なくとも前記第1の支持部材または前記第2の支持部材のいずれか一方は、プラスチック、樹脂およびガラスから選定される少なくとも一つを有する、請求項2に記載の映像投影用構造体。
- 少なくとも前記第1または第2の支持部材のいずれか一方は、フィルム状または板状である、請求項2または3に記載の映像投影用構造体。
- 前記透過率T1(%)は、10%未満である、請求項1乃至4のいずれか一つに記載の映像投影用構造体。
- 前記ヘイズP1(%)は、60%以下である、請求項1乃至5のいずれか一つに記載の映像投影用構造体。
- 前記拡散反射率D1(%)は、30%以上である、請求項1乃至6のいずれか一つに記載の映像投影用構造体。
- 少なくとも一つの透明基板と、該透明基板の表面に配置された映像投影用構造体とを有する透明スクリーンであって、
前記映像投影用構造体は、
凹凸表面を有する第1の透明層と、
該第1の透明層の前記凹凸表面に設置された反射層と、
該反射層の上に配置された第2の透明層と、
を有し、
当該透明スクリーンにおいて、第1の透明層の側から測定される透過率(%)をT2とし、ヘイズ(%)をP2とし、拡散反射率(%)をD2とし、入射角3゜における拡散角(半値全幅)(゜)をθ2としたとき、
以下の(3)式で表される第1のパラメータA2(%)は、
A2(%)=T2×(100−P2)/100 (3)式
0.5%よりも大きく、
以下の(4)式で表される第2のパラメータB2は、
B2=(D2/T2)×Δθ2 (4)式
200よりも大きい、透明スクリーン。 - 前記透明基板は、前記映像投影用構造体の前記第1の透明層の側または前記第2の透明層の側のいずれか一方に配置される、請求項8に記載の透明スクリーン。
- 当該透明スクリーンは、第1および第2の透明基板を有し、
前記第1の透明基板は、前記映像投影用構造体の前記第1の透明層の側に配置され、
前記第2の透明基板は、前記映像投影用構造体の前記第2の透明層の側に配置される、請求項8に記載の透明スクリーン。 - 前記透過率T2(%)は、10%未満である、請求項8乃至10のいずれか一つに記載の透明スクリーン。
- 前記ヘイズP2(%)は、60%以下である、請求項8乃至11のいずれか一つに記載の透明スクリーン。
- 前記拡散反射率D2(%)は、30%以上である、請求項8乃至12のいずれか一つに記載の透明スクリーン。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016120980A JP2017223907A (ja) | 2016-06-17 | 2016-06-17 | 映像投影用構造体および透明スクリーン |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016120980A JP2017223907A (ja) | 2016-06-17 | 2016-06-17 | 映像投影用構造体および透明スクリーン |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017223907A true JP2017223907A (ja) | 2017-12-21 |
Family
ID=60688339
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016120980A Pending JP2017223907A (ja) | 2016-06-17 | 2016-06-17 | 映像投影用構造体および透明スクリーン |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2017223907A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020194099A (ja) * | 2019-05-29 | 2020-12-03 | 大日本印刷株式会社 | 反射スクリーン、映像表示装置 |
-
2016
- 2016-06-17 JP JP2016120980A patent/JP2017223907A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020194099A (ja) * | 2019-05-29 | 2020-12-03 | 大日本印刷株式会社 | 反射スクリーン、映像表示装置 |
JP7238602B2 (ja) | 2019-05-29 | 2023-03-14 | 大日本印刷株式会社 | 反射スクリーン、映像表示装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP7192829B2 (ja) | 映像表示透明部材、映像表示システムおよび映像表示方法 | |
US8004768B2 (en) | Vehicle mirror and manufacturing method therefor | |
US8508703B2 (en) | Display device | |
WO2015186668A1 (ja) | 映像投影構造体、映像投影構造体の製造方法、映像投影方法及び自動車用窓 | |
JP6529728B2 (ja) | 映像表示システムおよび映像表示方法 | |
JP6569673B2 (ja) | 映像表示透明部材、映像表示システムおよび映像表示方法 | |
US20090109366A1 (en) | Liquid Crystal Display Without Bezel | |
JP7209461B2 (ja) | 車両用合わせガラス、映像表示システム及びウィンドシールド | |
JP2017090617A (ja) | 調光機能付きスクリーンガラスおよび映像表示システム | |
JP2017001649A (ja) | 可動ドア装置 | |
JP2021534457A (ja) | サイドペインを備える乗物用投影アセンブリ | |
TW202038206A (zh) | 可動態調節之顯示系統及動態調節顯示器之方法 | |
KR20120028947A (ko) | 근거리 영상투사를 위한 칠판 겸용 무반사 유리스크린 및 그 제조방법 | |
JP2016095456A (ja) | 映像表示透明部材、映像表示システムおよび映像表示方法 | |
JP2016109778A (ja) | 透過型透明スクリーン、映像表示システムおよび映像表示方法 | |
JP6565581B2 (ja) | 映像表示透明部材を備える透明スクリーン、および映像表示システム | |
CN110720077B (zh) | 深色或黑色的前投影屏幕 | |
JP2016109894A (ja) | 映像表示透明部材、映像表示システムおよび映像表示方法 | |
JP2007101912A (ja) | 防眩性フィルム、偏光フィルム、光学フィルム及び画像表示装置 | |
JP2017223907A (ja) | 映像投影用構造体および透明スクリーン | |
JP2019066832A (ja) | 映像投影用構造体および透明スクリーン | |
JP2013195914A (ja) | 反射スクリーン、映像表示装置 | |
JP2017090616A (ja) | スクリーン機能付きブラインドガラスおよび映像表示システム | |
JP6957891B2 (ja) | 反射スクリーン、映像表示装置 | |
JP7036247B2 (ja) | 反射スクリーン、映像表示装置 |