JP2017222550A - 水素化ナトリウムの製造方法、水素発生方法及び水素発生装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】大量の水素化ナトリウム(NaH)を製造するとともにこのNaHを利用して大量に水素を発生せしめる。【解決手段】ステンレス製の反応容器1、20の下端部を500〜600℃に加熱してその中央部分を空冷し、その底部にNaOHとSUS粉からなる反応剤を収納し、前記中央部分内にNaHを保持するための育成保存体を形成し、反応容器内に水蒸気又は窒素等の冷却気体を供給してNaHを大量に形成し、これに水を供給して水素を発生させるとともにカセイソーダ水溶液を作り、カセイソーダ水溶液から水を排出して固体のカセイソーダとし、再度500〜600℃に加熱してNa循環処理して大量の水素を発生せしめる。【選択図】図1
Description
本発明は、金属水素化物で水素を保有する水素化ナトリウム(NaH)の製造方法、NaHを使用した水素発生方法及び水素発生装置に関する。
水素の貯蔵搬送用の水素吸蔵材料及び水素発生のための水素発生材料として水素化ナトリウム(NaH)の利用が考えられるが、本件発明者は、NaHの製造方法及び製造装置について特許出願している。
前記特許出願で開示されているものは、反応炉全体を加熱しているため水素化ナトリウムの生成量が少ないばかりでなく、生成された水素化ナトリウムに水を加えて水素を発生させた後のカセイソーダ(NaOH)の有効利用が図られていなかった。
本発明の水素化ナトリウムの製造方法は、ステンレス製の反応容器の一端側を加熱し、前記一端側に少なくともカセイソーダ(NaOH)を含む反応剤を供給し、前記反応容器内の中央部分を冷却し、前記反応容器内に、水素化ナトリウムを育成保持するための育成保持体が設けられ、前記反応容器内には、反応容器内を冷却する冷却気体が供給される水素化ナトリウムの製造方法。
前記反応剤は、カセイソーダにSUSの細粉を加えてなることが好ましい。
更に、前記育成保持体は反応容器内壁に形成されたステンレス製のフィンであることが好ましい。
前記反応容器の他端側を開閉自在とし、前記育成保持体は反応容器内に着脱自在に設けられたカセット筒であることが好ましい。
前記冷却気体は、水又は水蒸気を反応容器内に供給して生成された水素、窒素、アルゴン及びヘリウムのうちの一種であることが好ましい。
前記反応容器の中央部分を大気に開放して空冷とすることが好ましい。
本発明の水素発生方法は、水素化ナトリウムを生成し、前記反応容器内に生成した水素化ナトリウムに多量の水を供給して水素を発生せしめるとともにカセイソーダ水溶液を作り、次いで、反応容器を加熱してカセイソーダ水溶液の水を蒸発させて固体カセイソーダとし、この固体カセイソーダを更に加熱しつつ水又は水蒸気を反応容器内に供給して水素を発生せしめるようにした。
更に、本発明の別の水素発生方法は、反応容器内に着脱自在のカセット筒体内で水素化ナトリウムを生成し、前記カセット筒体を反応容器とは別個の密閉容器内に収納し、前記密閉容器内のカセット筒体内に水を供給して水素を発生せしめるとともにカセイソーダ水溶液を生成し、このカセイソーダ水溶液とカセット筒体を反応容器に戻して加熱して固体カセイソーダとし、この固体カセイソーダを加熱しつつ水又は水蒸気を供給して水素を発生せしめるようにした。
本発明の水素発生装置は、ステンレス製の反応容器と、この反応容器の一端側を加熱する加熱装置と、前記反応容器の一端側に収納される少なくともカセイソーダ(NaOH)を含む反応剤と、前記反応容器内に設けられ水素化ナトリウムを育成保持するための育成保持体と、前記反応容器内に供給される冷却気体からなる。
前記育成保持体は、反応容器内壁に取付けられたステンレス製のフィンであることが好ましい。
更に、前記反応容器内には、反応容器に対して絶縁された電極棒が伸長され、この電極棒と反応容器壁とは対極をなし、反応容器内で発生する電離水素ガスにより水素を発生させながら電流を外部に取出すようにすることが好ましい。。
更に、前記冷却気体は、トリチウム水蒸気から発生したH2、HT、T2ガスであり、更に反応容器から排出したH2ガスとHT、T2ガスとは、螺旋状に垂直方向に巻かれた長尺ホースからなる分離筒により分離されてH2ガスが取出されることが好ましい。
水酸化ナトリウム(NaH)の分解温度は、420℃前後であり、NaHを生成するためには、これ以下の温度に維持する必要があり、一方、反応剤としてのカセイソーダの溶融点は、300℃前後であり、カセイソーダはそれ以上の温度で溶融塩となり、その液面からはカセイソーダの目視できない微粒子(ナノオーダー)が反応空間内に飛散し、この微細粒子が反応容器により空冷又は水冷され、250〜350℃程度の温度でその部分に設けられた育成保持体に付着して結晶として発達する。この結晶の発達に関して、反応空間内に水又は水蒸気の供給により反応容器内で生成された水素、窒素、アルゴン、ヘリウム等の冷却気体を送ると、より多くの結晶が生成される。これらの反応は反応容器内の常圧で起こり、特に反応容器内を減圧する必要もない。
上述のように生成された反応容器内の水素化ナトリウムに多量の(NaHと当モル以上)水を供給すれば常温でNaHと当モルの水素が発生し反応容器の底部にカセイソーダ(NaOH)水溶液が保留される。この状態でカセイソーダ水溶液の水を除去するためにカセイソーダ水溶液を100℃以上に加熱すると、水が水蒸気として排気された後に固形のカセイソーダが残留し、この固形のカセイソーダを200℃程度に加熱すると水素が固形カセイソーダから発生し、更に500℃程度に加熱すると、カセイソーダの溶融塩から上述のように微粒子が反応空間内に飛散し、反応容器内壁及び育成保持体の表面にNaHを含む反応膜が形成される。
更に、この状態の反応膜を加熱しつつ(500℃)、水を供給すれば多量の水素が発生する。このように、第1段階として水又は水蒸気を冷却気体として反応容器内に供給すれば、水素を採集しつつNaHを形成し、第2A段階としてこのNaHに水を常温で供給すれば、NaHと当モルの水素が発生し、出来たカセイソーダの水を排除してNaHを含む反応膜を形成し、そこに水又は水蒸気を供給すれば第3段階として水素を所定量発生できるので、このように3段階で水素を発生することになり、多量の水素が採集できることとなる。
更に、育成保持体をカセット筒体として反応容器に着脱自在とし、第2B段階としてカセット筒体を反応容器とは別個の密閉容器内に収納しこの密閉容器内で、第2A段階の処理を行い、カセット筒体を反応容器に戻すとととに、第2段階で発生したカセイソーダ水溶液を反応容器に供給し、第3段階の処理を行えば、密閉容器を移動自在の水素発生装置として利用できるばかりでなく、反応容器を何回でも使用できることとなる。
また、反応容器内で発生する水素は電離しており、反応容器内に電極を設ければ水素を発生しながら電流を取出すことが出来る。また、反応容器の反応空間内に冷却気体としてのトリチウム水蒸気を供給すれば、トリチウム水蒸気から水素ガスを採集でき、分離筒でH2ガスをHT、T2ガスを分離すれば、H2ガスのみを選択的に採集できる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1において、本発明の水素発生装置Mは、円筒状の反応容器1を有し、この反応容器1は、ステンレス製からなり、特にオーステナイト系のNi成分を含むSUS304、SUS316が好ましい。前記反応容器1は蓋体2により、その上面が閉塞され、前記蓋体2は反応容器1に図示しない手段により着脱自在に接合されている。前記反応容器1の内壁には、生成される水素化ナトリウム(NaH)を育成保持するための育成保持体3が形成され、この育成保持体体3は、反応容器1の内壁にその周方向に所定間隔で容器の軸方向に伸びるように複数枚固定されたフィン4、4…4からなり、このフィン4も反応容器と同じ成分のSUS304、SUS316からなっている。
前記反応容器1の下端部の外側は、加熱装置としてのマントルヒータ5により加熱され、反応容器1の内底部には、反応剤6が収納されてマントルヒータ5により加熱される。前記反応剤は、固体の水酸化ナトリウム(NaOH)又は水酸化カリウム(KOH)にSUS304又はSUS316の粉末(例えば150μ)を混合したものである。反応容器1の内壁には、SUS304、316の粉末と同一の作用をするので、NaOH又はKOHのみを反応剤とすることができる。前記反応容器1の中央部分は大気に開放され、その下端部を500〜600℃に加熱しても冷却されて250〜350℃程度に保たれている。水酸化ナトリウム(NaH)の分解温度は420℃程度であり、それ以下の温度に維持しなければNaHを生成することができない。前記蓋体2の上面には、反応容器1内に水又は水蒸気を供給するための水パイプ7が固定されるとともに、容器内で発生した水素を排出するための水素管8が設けられ、蓋体2の上面中央には、ニッケル棒からなる電極棒9が固定され、この電極棒9は、反応容器1の側壁(育成保持体3及び蓋体2を含む)と対極をなして反応容器全体が電池を構成している。前記電極棒9は蓋体2に絶縁体9aを介して固定され、反応容器全体に対して絶縁されている。前記反応容器1と電極棒9間に電池回路Cが形成され、この電池回路Cには負荷10が接続されている。
前記反応容器3の下部は500〜600℃に加熱され、前記反応容器1の中央部分は冷却されて、その内部(反応空間)は250〜350℃程度に維持され、前記水パイプ7から水又は水蒸気が供給されると、反応容器1の中央部分の反応空間内では、水蒸気と反応剤の液面から飛散する微細粒子(電離したNa+、OH-、ステンレス成分Fe2+、Cr3+、Ni2+を含む)とが衝突して水素化ナトリウム(NaH)11が大量に生成される。これと同時に水素ガス(H2ガス)が水素管8から排出される。
前記NaHが大量に生成されるためには、容器外部が冷却されるとともに、反応空間内が十分冷却される必要があり、このために、水又は水蒸気が反応空間内に供給されると、前記微細粒子との反応によりH2Oが分裂して
H2O→H2+O
に分かれるが、この時の反応は吸熱反応であり、この吸熱により反応空間が急冷されて排気されるH2ガスは50℃程度となり、冷却気体として機能し、大量のNaHが生成される。
(実験例1)
反応炉 SUS304製(径89mm、高さ25cm)
育成支持体 SUS304製 放射状配置6枚 フィン長15cm
反応剤 NaOH 80g、SUS304粉(径150μ)100g
加熱温度 600℃
生成NaH量 約60g
NaHのX線分析 面心立方格子(格子定数4.8)
NaHの成分分析 Na90% P1.06% Ce2.01%
La1.26% Ni0.89% Mn0.99% その他。
H2O→H2+O
に分かれるが、この時の反応は吸熱反応であり、この吸熱により反応空間が急冷されて排気されるH2ガスは50℃程度となり、冷却気体として機能し、大量のNaHが生成される。
(実験例1)
反応炉 SUS304製(径89mm、高さ25cm)
育成支持体 SUS304製 放射状配置6枚 フィン長15cm
反応剤 NaOH 80g、SUS304粉(径150μ)100g
加熱温度 600℃
生成NaH量 約60g
NaHのX線分析 面心立方格子(格子定数4.8)
NaHの成分分析 Na90% P1.06% Ce2.01%
La1.26% Ni0.89% Mn0.99% その他。
注水量 20cc
(実験例2)
実験例1と同一条件の反応炉に注水する代わりに、窒素ガス(N2ガス)を1時間毎に反応炉が0.5気圧程度になるように10回注入した後に反応炉を開けたら、約65gのNaHが採集できた。
(実験例3)
NaH生成時に、水素ガス(H2)の発生量にほぼ比例して電池回路Cに電流が流れるのがテスターで確認した。
(実験例2)
実験例1と同一条件の反応炉に注水する代わりに、窒素ガス(N2ガス)を1時間毎に反応炉が0.5気圧程度になるように10回注入した後に反応炉を開けたら、約65gのNaHが採集できた。
(実験例3)
NaH生成時に、水素ガス(H2)の発生量にほぼ比例して電池回路Cに電流が流れるのがテスターで確認した。
最大電流 0.05mA
これによれば、反応容器1内の水素ガスは電離気体となっていると思われる。
これによれば、反応容器1内の水素ガスは電離気体となっていると思われる。
次に、水素を大量に採集するための水素の発生方法について説明する。
図2において、反応容器1内に注水して十分NaHが生成されると(第1段階)、マントルヒータはOFFされ、反応容器1は常温まで冷却される(図2(a))。そして、次に生成したNaHのモル数に相当するモル数の水(H2O)を水パイプ7から反応容器1内に加え、次の反応式によりH2を排出しつつカセイソーダ水溶液2を生成する(図2(b))(第2A段階)。
NaH+H2O→NaOH+H2↑
次いで、マントルヒータ5を200℃設定とし、反応容器1を加熱してカセイソーダ水溶液中の水分を蒸発せしめ(図2(c))。固体のカセイソーダ13を生成せしめる。なお、水分蒸発行程において、適宜固体のカセイソーダとSUS304粉を補充してもよい。前記固体のカセイソーダ13中には残留しているSUS304粉が混入している。この状態で、マントルヒータ5の温度を500℃以上に上昇せしめれば、再び固体カセイソーダ13は溶融塩となり、その液面からは微細粒子が飛散し、水(H2O)を反応容器1内に供給すると、H2ガスが生成し、これに伴って、反応空間の冷却部分に対応してNaHが生成され(第3段階)、再び上述の工程が繰り返され、同一反応容器1内で反応剤(NaOH、SUS粉末)を補充すれば多くの水素が採集できる(これをNaサイクルと称する。)。
次いで、マントルヒータ5を200℃設定とし、反応容器1を加熱してカセイソーダ水溶液中の水分を蒸発せしめ(図2(c))。固体のカセイソーダ13を生成せしめる。なお、水分蒸発行程において、適宜固体のカセイソーダとSUS304粉を補充してもよい。前記固体のカセイソーダ13中には残留しているSUS304粉が混入している。この状態で、マントルヒータ5の温度を500℃以上に上昇せしめれば、再び固体カセイソーダ13は溶融塩となり、その液面からは微細粒子が飛散し、水(H2O)を反応容器1内に供給すると、H2ガスが生成し、これに伴って、反応空間の冷却部分に対応してNaHが生成され(第3段階)、再び上述の工程が繰り返され、同一反応容器1内で反応剤(NaOH、SUS粉末)を補充すれば多くの水素が採集できる(これをNaサイクルと称する。)。
次に、図3、4を参照して反応容器の他の実施例についても説明する。
他の実施例である反応容器20は、円筒形の反応容器本体21を有し、この本体21はニッケル材からなるか、SUS材の内面にニッケルメッキを施したものである。前記本体21の上面は本体21と同一材料からなる蓋体22で閉塞されている。前記本体21の内側には円筒状のSUS314、316からなるカセット筒23が着脱自在に収納され、このカセット筒23の上端は、着脱自在に蓋体22の嵌合凹部24に嵌合しており、カセット筒23の内部には、図4に示すように複数枚(例えば、4枚)のフィン状のSUS材からなる(例えばSUS304、316)育成支持体25、25…25がカセット筒23の軸方向に支持され、これら育成支持体25とカセット筒の内壁によって、生成されたNaH11が支持されている。前記カセット筒23の上下端とも開口し、反応剤(NaOH、SUS粉)6が反応容器下端からその内部に入っている。なお、図1と同様にマントルヒータ5、水パイプ7、水素管8、電極棒9を有している。
前記反応容器20内のカセット筒23内にNaHを生成する操作は図1の反応容器1と同様であり、本体21の中央部分は外気に露出されて冷却され、水パイプ7から水が供給され発生した水素は水素管8から採集され、NaHが最大量形成されたら(第1段階)、反応容器20は常温に冷却され、次いで蓋体22を本体21から外すと、これとともにカセット筒23も本体21から取り外される(反応剤6は本体21の底部に残る。)。カセット筒23内のNaH11が空気に触れないようにアルゴン雰囲気のグローブボックス内で蓋体22を本体21から取り外すのが好ましい。前記グローブボックス内で蓋体22からカセット筒23を引離し、その上端を嵌合凹部24から外し、グローブボックス内で図5(育成支持体25は図示省略)に示すような密閉容器30内に載置する。前記密閉容器30内には、複数の反応容器21内で使用された複数のカセット筒23、23…23が載置される。前記密閉容器30の上部には、散水管31が配置され、この散水管31は、ポンプ32を介して水タンク33に接続され、散水管31からは、所定量の水が散水され、この水はカセット筒23内のNaH11に供給され、このNaH11の消費に伴って水素ガスH2が外部に取出され(第2B段階)、この水素ガスH2は燃料電池等に供給され、電気に変換されるか、燃料として種々の機器に供給される。一方、密閉容器30内の底部には、カセイソーダ水溶液34が徐々に溜まっていく。この時の
NaH+H2O→NaOH+H2↑
の反応を活発に行わせるためにはヒータ35によって50〜80℃程度に加熱するのがよい。各カセット筒23内のNaH11が完全に消費されると、ある程度の量のカセイソーダ水溶液34ができ、この水溶液34は回収されて反応容器本体21内に供給され、これと同時にNaHが消費されたカセット筒23も本体21に戻され、必要に応じて反応剤6(NaOH、SUS304粉)も補充されてヒータ5により200℃程度に加熱され、カセイソーダ水溶液34から水蒸気が排気され固体のカセイソーダになった後に、図2(d)に示すように水を供給すれば、再びNaHが生成され(第3段階)、図3乃至図5のサイクルが繰返される。
NaH+H2O→NaOH+H2↑
の反応を活発に行わせるためにはヒータ35によって50〜80℃程度に加熱するのがよい。各カセット筒23内のNaH11が完全に消費されると、ある程度の量のカセイソーダ水溶液34ができ、この水溶液34は回収されて反応容器本体21内に供給され、これと同時にNaHが消費されたカセット筒23も本体21に戻され、必要に応じて反応剤6(NaOH、SUS304粉)も補充されてヒータ5により200℃程度に加熱され、カセイソーダ水溶液34から水蒸気が排気され固体のカセイソーダになった後に、図2(d)に示すように水を供給すれば、再びNaHが生成され(第3段階)、図3乃至図5のサイクルが繰返される。
次に、図6を参照して本発明の更に他の実施例について説明する。
図6において、左右の反応容器60、61は、本体62、63をそれぞれ有し、本体62は蓋体64、65でそれぞれ閉塞され、各本体62、63内には、育成保持体66、67が設けられ、両本体62、63は連結パイプ68で連結され、この連結パイプ68は絶縁筒69と、バルブVを備え、絶縁筒69は、中空で反応容器61で生成された気体は通すが連結パイプ68の絶縁駒69の左右部分は電気的に絶縁されている。前記各本体62、63の下部は面状ヒータ70、71でそれぞれ加熱され、各本体62、63の底部には、上述の反応剤72、73が収納され、前記本体62、63の中央部分は冷却され両本体62、63は電気回路l1で接続され、回路l1には負荷Lが設けられている。今、右側の反応容器61内に適宜注水されると、反応容器61内の水は水蒸気となり、水素(H2)に分解される。この水素ガス(H2)は吸熱反応により50℃程度に冷却され、この冷却気体としての水素は連結パイプ68を通って(バブルV開)、左側の反応容器60内に入り、左側の反応容器60内の中央部分を冷却し、NaH74を生成すると同時に水素ガスも生成し、左右の反応容器60、61内で生成した水素ガスは左側の反応容器60から排出され、適宜利用される。また、水が供給される右側の反応容器61内にもNaH75が生成される。
更に、電気回路l1には微弱電流が流れ、その電流値は全体に発生する水素量にほぼ比例していることが確認されている。すなわち、各反応容器60、61内では、発生する水素ガスが電離気体として作用し、各本体62、63にテスターを当てると(本体の一方にプラス側を、他方にマイナス側を当てる)、両反応容器60、61内を流れる電離気体の抵抗が5KΩより小さくなることがあるのが確認されている。更に、左右の反応容器60、61内の水素電離度に差ができると、電圧の差が生じ負荷Lに電流が流れる(0.05mAを確認)。
なお、各反応容器60、61の材質、育成保持体66、67の材質、各容器60、61の加熱温度反応剤72、73の種類等は、図1に示したものと同一である。
次に、処理すべき水としてトリチウム水を使用した場合の水素の発生方法及び発生装置について述べる。
図7において、本発明に係る図1に示す反応容器1と同一構造の反応容器100には、トリチウム水103を収納した加熱容器101で加熱装置102によって煮沸された水蒸気が蒸気パイプ104を介して供給され、この水蒸気は反応容器100内で分解され、H2ガス、HTガス、T2ガスに分解される。これら3種類のガスと未分解の水蒸気はパイプライン105に送られる。このパイプライン105は、排気ポンプ106、放射能濃度測定器107及び未分解の水蒸気をトラップするコールドトラップ108を有している。コールドトラップ108でトラップされたトリチウム水はライン109により蒸気パイプ104に送られて反応容器100内で再び処理される。前記パイプライン105内を流れるH2ガス、HTガス、T2ガスは分離筒110に送られる。この分離筒110は、プラスチック筒からなる中空芯管111と、この周面に螺旋状に巻回された細径で長尺のゴムホース112(内径3〜5cm、長さ50m以上)を有する。前記3種類のガスは、重力により分離され、ゴムホース112の下部には、HT、T2ガスが溜まり、軽いH2ガスはゴムホース112の上部に移動する(1日〜2日時間を要する。)。なお、ゴムホース112の下部はウォータージャケット113により、冷却され(5℃以下)、ゴムホース内の気体が対流しないようにされている。ウォータージャケット113は、チラー114により冷却された冷却水が循環され、ゴムホース全体は断熱材114により外気と断熱され対流が防止される。
(実験例4)
60万ベクレルの試薬を本発明の反応容器100に供給した場合のデータを表1に示す。すなわち、60万Bq(ベクレル)の試薬1ccを反応容器100内に注入する試験を13回行ったところ、反応容器100内でトリチウムが60%以上除去され、T2ガス、HTガスを含むH2ガスが計24l以上排出された。
(実験例4)
60万ベクレルの試薬を本発明の反応容器100に供給した場合のデータを表1に示す。すなわち、60万Bq(ベクレル)の試薬1ccを反応容器100内に注入する試験を13回行ったところ、反応容器100内でトリチウムが60%以上除去され、T2ガス、HTガスを含むH2ガスが計24l以上排出された。
加熱源としてCO2を排出しないものを選択することにより、CO2を排出しないで水素を採集することができ水素社会の中心技術となり得る。
1、20、60、61…反応容器
2、22、64、65…蓋体
3、25…育成保持体
6、72、73…反応剤
9…電極棒
11、74、75…NaH
12、34…カセイソーダ水溶液
13…カセイソーダ
23…カセット筒
30…密閉容器
68…連結パイプ
103…トリチウム水
110…分離筒
2、22、64、65…蓋体
3、25…育成保持体
6、72、73…反応剤
9…電極棒
11、74、75…NaH
12、34…カセイソーダ水溶液
13…カセイソーダ
23…カセット筒
30…密閉容器
68…連結パイプ
103…トリチウム水
110…分離筒
Claims (12)
- ステンレス製の反応容器の一端側を加熱し、前記一端側に少なくともカセイソーダ(NaOH)を含む反応剤を供給し、前記反応容器内の中央部分を冷却し、前記反応容器内には、水素化ナトリウムを育成保持するための育成保持体が設けられ、前記反応容器内には、反応容器内を冷却する冷却気体が供給される水素化ナトリウムの製造方法。
- 前記反応剤は、カセイソーダにSUSの細粉を加えてなる請求項1記載の水素化ナトリウムの製造方法。
- 前記育成保持体は反応容器内壁に形成されたステンレス製のフィンである請求項1記載の水素化ナトリウムの製造方法。
- 前記反応容器の他端側を開閉自在とし、前記育成保持体は反応容器内に着脱自在に設けられたカセット筒である請求項1記載の水素化ナトリウムの製造方法。
- 前記冷却気体は、水又は水蒸気を反応容器内に供給して生成された水素、窒素、アルゴンおよびヘリウムのうちの一種である請求項1記載の水素化ナトリウムの製造方法。
- 前記反応容器の中央部分を大気に開放して空冷とした請求項1記載の水素化ナトリウムの製造方法。
- 請求項1乃至3、及び5乃至6のいずれかの方法により水素化ナトリウムを生成し、前記反応容器内に生成した水素化ナトリウムに多量の水を供給して水素を発生せしめるとともにカセイソーダ水溶液を作り、次いで、反応容器を加熱してカセイソーダ水溶液内の水を蒸発させて固体カセイソーダとし、この固体カセイソーダを更に加熱しつつ水又は水蒸気を反応容器内に供給して水素を発生せしめる水素発生方法。
- 請求項4の方法により水素化ナトリウムを生成し、前記カセット筒体を反応容器とは別個の密閉容器内に収納し、前記密閉容器内のカセット筒体内に水を供給して水素を発生せしめるとともにカセイソーダ水溶液を生成し、このカセイソーダ水溶液を反応容器内で加熱して固体カセイソーダとし、この固体カセイソーダを加熱しつつ水又は水蒸気を供給して水素を発生せしめる水素発生方法。
- ステンレス製の反応容器と、この反応容器の一端側を加熱する加熱装置と、前記反応容器の一端側に収納される少なくともカセイソーダ(NaOH)を含む反応剤と、前記反応容器内に設けられ水素化ナトリウムを育成保持するための育成保持体と、前記反応容器内に供給される冷却気体からなる水素発生装置。
- 前記育成保持体は、反応容器内壁に取付けられたステンレス製のフィンである請求項9記載の水素発生装置。
- 前記反応容器内には、反応容器に対して絶縁された電極棒が伸長され、この電極棒と反応容器壁とは対極をなし、反応容器内で発生する電離水素ガスにより水素を発生させながら電流を外部に取出すことができる請求項9記載の水素発生装置。
- 前記冷却気体は、トリチウム水蒸気から発生したH2、HT、T2ガスであり、更に反応容器から排出したH2ガスとHT、T2ガスとは、螺旋状に垂直方向に巻かれた長尺ホースからなる分離筒により分離されてH2ガスが取出される請求項9記載の水素発生装置。
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