JP2020008431A - トリチウム汚染水処理システム - Google Patents
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Abstract
【課題】トリチウム汚染水からトリチウムを確実に分離することができ、トリチウム汚染水からトリチウムを完全に除去することができるトリチウム汚染水処理システムを提供する。【解決手段】トリチウム汚染水処理システム10Aは、トリチウム汚染水から酸素を分離して水素ガスとトリチウムガスとを発生させる触媒反応炉12A,12Bを備えている。触媒反応炉12A,12Bでは、アルカリ金属の水酸化物(溶融塩触媒)とオーステナイト系ステンレス鋼(メタル触媒)とが触媒反応炉12A,12Bのカセットの内部に収容され、トリチウム汚染水がカセットの内部に注入され、加熱手段でカセットを所定温度に加熱しつつ、カセットの内部におけるNaOH+Fe+H2O+HTO→NaAFeBOCTD+1.5H2+HTの気層反応によってトリチウム汚染水水素ガス(H2)とトリチウムガス(HT)との混合ガスにガス化処理される。【選択図】図1
Description
本発明は、トリチウムを含むトリチウム汚染水から前記トリチウムを除去するトリチウム汚染水処理システムに関する。
トリチウム水と普通水とが混合しているトリチウム汚染水を送水パイプの内部を通過させつつ、トリチウム汚染水に対する電磁作用によって普通水の水素核のみを共鳴させてトリチウム水と普通水とに蒸発温度差を生じさせる流体活性化装置と、流体活性化装置から送水される蒸発温度差が生じたトリチウム水と普通水とに対する減圧蒸留処理を行い普通水のみ蒸発させて分離し、蒸発分を凝縮させて排水用として排水タンクに送り、トリチウム水を保管用の濃縮トリチウム水として保管用タンクに送る減圧蒸留分離装置とを有するトリチウム汚染水処理装置が開示されている(特許文献1参照)。
前記特許文献1に開示のトリチウム汚染水処理装置は、原子力施設において生成されたトリチウム汚染水に含まれるトリチウム水と普通水とを分離し、濃縮トリチウム水の貯留に必要な保管用タンクを小規模化することが可能となるとともに、その保管費用の低減を実現することができる。しかし、濃縮トリチウム水からトリチウムを除去することはできず、依然として濃縮されたトリチウム汚染水が残存し、トリチウム汚染水からトリチウムを完全に除去することができない。
本発明の目的は、トリチウムを含むトリチウム汚染水やトリチウム汚染蒸気からトリチウムを確実に分離することができ、トリチウム汚染水やトリチウム汚染蒸気からトリチウムを完全に除去することができるトリチウム汚染水処理システムを提供することにある。本発明の他の目的は、トリチウム汚染水やトリチウム汚染蒸気からトリチウムを除去しつつ、大量の水素ガス燃料を発生させることができるトリチウム汚染水処理システムを提供することにある。
前記課題を解決するための本発明の前提は、トリチウムを含むトリチウム汚染水からトリチウムを除去するトリチウム汚染水処理システムである。
前記前提における本発明の特徴は、トリチウム汚染水処理システムが、トリチウム汚染水とトリチウム汚染水を蒸気化したトリチウム汚染蒸気とのいずれか一方から酸素を分離して水素ガスとトリチウムガスとを発生させる触媒反応炉を備え、触媒反応炉が、ケーシングと、ケーシングを所定温度に加熱する加熱手段とから形成され、触媒反応炉では、アルカリ金属の水酸化物とオーステナイト系ステンレス鋼とがケーシングの内部に収容され、トリチウム汚染水とトリチウム汚染蒸気とのいずれか一方がケーシングの内部に注入され、加熱手段でケーシングを所定温度に加熱しつつ、ケーシングの内部におけるNaOH+Fe+H2O+HTO→NaAFeBOCTD+1.5H2+HTの気層反応によってトリチウム汚染水またはトリチウム汚染蒸気が水素ガス(H2)とトリチウムガス(HT)との混合ガスにガス化処理されることにある。
本発明の一例としては、オーステナイト系ステンレス鋼が、微粉砕された粉状メタル触媒、粒状に成形された粒状メタル触媒、板状に成形された板状メタル触媒、線状に成形された線状メタル触媒のうちの少なくとも1つの形態でケーシングの内部に収容されている。
本発明の他の一例としては、ケーシングの内部に収容されるオーステナイト系ステンレス鋼が、SUS304とSUS304LとSUS316Lとのうちの少なくとも1つである。
本発明の他の一例としては、トリチウム処理システムが、触媒反応炉の下流側に設置されてケーシングから流出した水蒸気を液化するコールドトラップまたは水トラップを含む。
本発明の他の一例としては、加熱手段によって加熱されるケーシングの温度が、450〜550℃の範囲にあり、ケーシングの内部の気圧が、−0.1〜+0.1MPsの範囲にある。
本発明の他の一例としては、ケーシングが、オーステナイト系ステンレス鋼から作られている。
本発明の他の一例としては、アルカリ金属の水酸化物が、水酸化ナトリウムと水酸化カリウムとのうちの少なくとも一方である。
本発明の他の一例としては、トリチウム汚染水処理システムが、触媒反応炉でガス化処理された水素ガス(H2)とトリチウムガス(HT)との混合ガスを水素ガス(H2)とトリチウムガス(HT)とに分離する分離塔を含み、分離塔が、上下方向へ延びる冷却塔と、冷却塔の下端部から上端部に向かって冷却塔の外周面に巻き付けられ、触媒反応炉で生成された水素ガス(H2)とトリチウムガス(HT)との混合ガスが流入する長尺チューブとから形成され、分離塔において分離されたトリチウムガス(HT)が、冷却塔の下端部に巻き付く長尺チューブに位置し、分離塔において分離された水素ガス(H2)が、冷却塔の下端部を除く残余の部位に巻き付く長尺チューブに位置する。
本発明の他の一例として、長尺チューブの内周面には、複数の凸部と複数の凹部とが形成されている。
本発明の他の一例としては、冷却塔の上下方向の高さ寸法が、4〜100mの範囲にあり、冷却塔の温度が、0〜5℃の範囲にある。
本発明に係るトリチウム汚染水処理システムによれば、アルカリ金属の水酸化物とオーステナイト系ステンレス鋼とが触媒反応炉のケーシングの内部に収容され、トリチウム汚染水とトリチウム汚染水を蒸気化したトリチウム汚染蒸気とのいずれか一方が触媒反応炉のケーシングの内部に注入され、加熱手段でケーシングを所定温度に加熱しつつ、ケーシングの内部におけるNaOH+Fe+H2O+HTO→NaAFeBOCTD+1.5H2+HTの気層反応によってトリチウム汚染水またはトリチウム汚染蒸気が水素ガス(H2)とトリチウムガス(HT)との混合ガスにガス化処理されるから、トリチウム汚染水やトリチウム汚染蒸気からトリチウムをトリチウムガス(HT)として確実に分離することができ、トリチウム汚染水やトリチウム汚染蒸気からトリチウムを完全に除去することができる。トリチウム汚染水処理システムは、トリチウム汚染水またはトリチウム汚染蒸気をガス化処理することで大量の水素ガスが発生し、その水素ガスを燃料として使用することができ、トリチウムを除去しつつ大量の水素ガス燃料を生成することができる。
オーステナイト系ステンレス鋼が微粉砕された粉状メタル触媒、粒状に成形された粒状メタル触媒、板状に成形された板状メタル触媒、線状に成形された線状メタル触媒のうちの少なくとも1つの形態でケーシングの内部に収容されているトリチウム汚染水処理システムは、それらの形態のオーステナイト系ステンレス鋼のメタル触媒とアルカリ金属の水酸化物とを使用することで、トリチウム汚染水またはトリチウム汚染蒸気を確実にガス化処理することができ、トリチウム汚染水やトリチウム汚染蒸気からトリチウムをトリチウムガス(HT)として確実に分離することができ、トリチウム汚染水やトリチウム汚染蒸気からトリチウムを完全に除去することができる。トリチウム汚染水処理システムは、それらの形態のオーステナイト系ステンレス鋼のメタル触媒とアルカリ金属の水酸化物とを使用してトリチウム汚染水またはトリチウム汚染蒸気をガス化処理することで大量の水素ガスが発生し、その水素ガスを燃料として使用することができ、トリチウムを除去しつつ大量の水素ガス燃料を生成することができる。
ケーシングの内部に収容されるオーステナイト系ステンレス鋼がSUS304とSUS304LとSUS316Lとのうちの少なくとも1つであるトリチウム汚染水処理システムは、オーステナイト系ステンレス鋼としてSUS304とSUS304LとSUS316Lとのうちの少なくとも1つとアルカリ金属の水酸化物とを使用することで、トリチウム汚染水またはトリチウム汚染蒸気を確実にガス化処理することができ、トリチウム汚染水やトリチウム汚染蒸気からトリチウムをトリチウムガス(HT)として確実に分離することができ、トリチウム汚染水やトリチウム汚染蒸気からトリチウムを完全に除去することができる。トリチウム汚染水処理システムは、SUS304とSUS304LとSUS316Lとのうちの少なくとも1つとアルカリ金属の水酸化物とを使用してトリチウム汚染水またはトリチウム汚染蒸気をガス化処理することで大量の水素ガスが発生し、その水素ガスを燃料として使用することができ、トリチウムを除去しつつ大量の水素ガス燃料を生成することができる。
触媒反応炉の下流側に設置されてケーシングから流出した水蒸気を液化するコールドトラップまたは水トラップを含むトリチウム汚染水処理システムは、コールドトラップまたは水トラップによってケーシングから流出した混合ガスに含まれる水蒸気を液化することで、水蒸気を除去した水素ガス(H2)とトリチウムガス(HT)との混合ガスを取り出すことができ、トリチウム汚染水やトリチウム汚染蒸気からトリチウムをトリチウムガス(HT)として確実に分離することができるとともに、大量の水素燃料を生成することができる。
加熱手段によって加熱されるケーシングの温度が450〜550℃の範囲にあり、ケーシングの内部の気圧が−0.1〜+0.1MPsの範囲にあるトリチウム汚染水処理システムは、ケーシングの温度を前記範囲にし、ケーシングの内部の気圧を前記範囲にすることで、ケーシングの内部においてNaOH+Fe+H2O+HTO→NaAFeBOCTD+1.5H2+HTの気層反応が促進され、トリチウム汚染水やトリチウム汚染蒸気からトリチウムをトリチウムガス(HT)として確実に分離することができるとともに、大量の水素ガス燃料を生成することができる。
ケーシングがオーステナイト系ステンレス鋼から作られているトリチウム汚染水処理システムは、ケーシングをオーステナイト系ステンレス鋼から作ることで、ケーシングの内部においてNaOH+Fe+H2O+HTO→NaAFeBOCTD+1.5H2+HTの気層反応が確実に起こり、トリチウム汚染水やトリチウム汚染蒸気からトリチウムをトリチウムガス(HT)として確実に分離することができるとともに、大量の水素ガス燃料を生成することができる。
アルカリ金属の水酸化物が水酸化ナトリウムと水酸化カリウムとのうちの少なくとも一方であるトリチウム汚染水処理システムは、水酸化ナトリウムと水酸化カリウムとのうちの少なくとも一方とオーステナイト系ステンレス鋼の触媒とを使用することで、トリチウム汚染水またはトリチウム汚染蒸気を確実にガス化処理することができ、トリチウム汚染水やトリチウム汚染蒸気からトリチウムをトリチウムガス(HT)として確実に分離することができ、トリチウム汚染水やトリチウム汚染蒸気からトリチウムを完全に除去することができる。トリチウム汚染水処理システムは、水酸化ナトリウムと水酸化カリウムとのうちの少なくとも一方とオーステナイト系ステンレス鋼の触媒とを使用してトリチウム汚染水またはトリチウム汚染蒸気をガス化処理することで大量の水素ガスが発生し、その水素ガスを燃料として使用することができ、トリチウムを除去しつつ大量の水素ガス燃料を生成することができる。
触媒反応炉でガス化処理された水素ガス(H2)とトリチウムガス(HT)との混合ガスを水素ガス(H2)とトリチウムガス(HT)とに分離する分離塔を含み、分離塔が、上下方向へ延びる冷却塔と、冷却塔の下端部から上端部に向かって冷却塔の外周面に巻き付けられ、触媒反応炉で生成された水素ガス(H2)とトリチウムガス(HT)との混合ガスが流入する長尺チューブとから形成され、分離塔において分離されたトリチウムガス(HT)が冷却塔の下端部に巻き付く長尺チューブに位置し、分離塔において分離された水素ガス(H2)が冷却塔の下端部を除く残余の部位に巻き付く長尺チューブに位置するトリチウム汚染水処理システムは、触媒反応炉において発生した水素ガス(H2)とトリチウムガス(HT)との混合ガスが分離塔において水素ガス(H2)とトリチウムガス(HT)とに分離され、トリチウムガス(HT)が分離塔の下端部に巻き付く長尺チューブに位置し、水素ガス(H2)が冷却塔の下端部を除く残余の部位に巻き付く長尺チューブに位置するから、触媒反応炉において発生した混合ガスを分離塔において水素ガス(H2)とトリチウムガス(HT)とに確実に分離することができ、水素ガス(H2)のみを燃料として取り出すことができるとともに、トリチウムガス(HT)を取り出すことで、トリチウム汚染水やトリチウム汚染蒸気からトリチウムを完全に除去することができる。
複数の凸部と複数の凹部とが長尺チューブの内周面に形成されているトリチウム汚染水処理システムは、長尺チューブに流入した水素ガス(H2)とトリチウムガス(HT)との混合ガスが凸部や凹部に衝突し、質量が重いトリチウムガス(HT)の運動速度が質量の軽い水素ガス(H2)よりも減速し、トリチウムガス(HT)を分離塔の下端部に巻き付く長尺チューブに位置させることができ、水素ガス(H2)を分離塔の下端部を除く残余の部位に巻き付く長尺チューブに位置させることができる。トリチウム汚染水処理システムは、触媒反応炉において発生した混合ガスを分離塔において水素ガス(H2)とトリチウムガス(HT)とに確実に分離することができ、水素ガス(H2)のみを燃料として取り出すことができるとともに、トリチウムガス(HT)を取り出すことで、トリチウム汚染水やトリチウム汚染蒸気からトリチウムを完全に除去することができる。
冷却塔の上下方向の高さ寸法が4〜100mの範囲にあり、冷却塔の温度が0〜5℃の範囲にあるトリチウム汚染水処理システムは、冷却塔の上下方向の高さ寸法を前記範囲にすることで、冷却塔に巻き付く長尺チューブの長さ寸法を長くすることができ、分離塔において多量の水素を取り出すことができる。トリチウム汚染水処理システムは、冷却塔の温度を前記範囲にすることで、長尺チューブの内部の混合ガスの運動が減少し、トリチウムガス(HT)を冷却塔の下端部に巻き付く長尺チューブに位置させることができ、水素ガス(H2)を冷却塔の下端部を除く残余の部位に巻き付く長尺チューブに位置させることができる。
一例として示すトリチウム汚染水処理システム10Aの構成図である図1等の添付の図面を参照し、本発明に係るトリチウム汚染水処理システムの詳細を説明すると、以下のとおりである。なお、図2は、一例として示す触媒反応炉12A,12Bの側面図であり、図3は、一例として示す分離塔14の斜視図である。図4は、長尺チューブの内部を示す断面図である。
なお、図1では、1つの汚染水貯水タンク11のみを図示しているが、実際のトリチウム汚染水処理システム10Aには、複数の汚染水貯水タンク11が存在する。また、1つの分離塔14のみを図示しているが、実際のトリチウム汚染水処理システム10Aには、複数の分離塔14が用意されている。トリチウム汚染水処理システム10Aは、トリチウムを含むトリチウム汚染水からトリチウムをトリチウムガス(HT)として取り出し、トリチウム汚染水からトリチウムを除去する。
トリチウム汚染水処理システム10Aは、汚染水貯水タンク11と第1及び第2触媒反応炉12A,12Bとコールドトラップ13と分離塔14と冷却水循環装置15(チラー)と真空ポンプ16とから形成されている。それら触媒反応炉12A,12Bは、トリチウム汚染水から酸素を分離して水素ガス(H2)とトリチウムガス(HT)とを発生させ、トリチウム汚染水を水素ガスとトリチウムガスとの混合ガスにガス化処理する。図1では、2台の触媒反応炉12A,12Bが並列に接続されているが、触媒反応炉の数に制限はなく、3台以上の触媒反応炉が並列に接続されていてもよい。また、2台以上の触媒反応炉が直列に接続されていてもよい。
汚染水貯水タンク11は、所定容積の円筒状に成形され、第1及び第2触媒反応炉12A,12Bの上流側に位置している。汚染水貯水タンク11は、トリチウムを含む所定量のトリチウム汚染水を貯水する。第1及び第2触媒反応炉12A,12Bは、汚染水貯水タンク11の下流側に位置し、汚染水貯水タンク11に水管路17(パイプ)によって連結されている。
それら触媒反応炉12A,12Bは、図2に示すように、一方向へ長い筒状または箱状に成形された所定容積のケーシング18と、ケーシング18を所定温度に加熱する加熱手段19とから形成されている。ケーシング18の内部には、一方向へ長い筒状または箱状に成形された所定容積のカセット20が収容されている。ケーシング17及びカセット20は、オーステナイト系ステンレス鋼から作られている。オーステナイト系ステンレス鋼には、SUS304とSUS304LとSUS316Lとのうちの少なくとも1つが使用されている。ケーシング18の後端部21には、開閉蓋22が設置されている。ケーシング18は、開閉蓋22を開けることで、その内部が開放され、開閉蓋22を閉めることで、その内部が気密に閉鎖される。
カセット20は、ケーシング18の内部に挿脱可能に収容される。カセット20(ケーシング18)の内部には、アルカリ金属の水酸化物23とオーステナイト系ステンレス鋼24とが収容される。カセット20は、その後端部25に開閉蓋26が設置され、その頂部27に一方向へ並ぶ複数の排気開口28が形成されている。
カセット20の開閉蓋26には、水管路17に気密に連結される連結開口(図示せず)が形成されている。カセット20の頂部27には、水酸化物23を補充する補充管路29(パイプ)が着脱可能に連結されているとともに、ガス管路30(パイプ)が着脱可能に連結されている。補充管路29には、補充バルブ31(手動弁)が設置されている。カセット20は、開閉蓋26を開けることで、その内部が開放され、開閉蓋26を閉めることで、その内部が気密に閉鎖される。
カセット20(ケーシング18)の内部に収容されるアルカリ金属の水酸化物23としては、水酸化ナトリウム(NAOH)と水酸化カリウム(KOH)とのうちの少なくとも一方が使用される。カセット20(ケーシング18)の内部に収容されるオーステナイト系ステンレス鋼24としては、SUS304とSUS304LとSUS316Lとのうちの少なくとも1つが使用される。
オーステナイト系ステンレス鋼24は、微粉砕された粉状オーステナイト系ステンレス鋼触媒(紛状メタル触媒)、粒状に成形された粒状オーステナイト系ステンレス鋼触媒(粒状メタル触媒)、板状に成形された板状オーステナイト系ステンレス鋼触媒(板状メタル触媒)、細長い線状に成形された線状オーステナイト系ステンレス鋼触媒(線状メタル触媒)のうちの少なくとも1つの形態でカセット20(ケーシング18)の内部に収容される。
加熱手段19は、ケーシング18の外周面を取り巻くように設置され、ケーシング18を450〜550℃の範囲に加熱する。加熱手段19には、マントルヒーターやジャケットヒーターが使用され、その加熱方式として抵抗加熱や高周波誘導加熱が利用される。加熱手段19は、その制御部がインターフェイス(有線又は無線)を介してコントローラ(図示せず)に接続されている。
汚染水貯水タンク11と第1及び第2触媒反応炉12A,12Bとの間に延びる水管路17には、トリチウム汚染水を第1及び第2触媒反応炉12A,12Bに給水する給水ポンプ32と、水管路17を開閉する給水バルブ33(電磁弁)とが設置されている。給水ポンプ32と給水バルブ33とは、それらの制御部がインターフェイスを介して図示しないコントローラに接続されている。
コールドトラップ13は、第1及び第2触媒反応炉12A,12Bの下流側に位置し、それら触媒反応炉12A,12Bにガス管路30によって連結されている。コールドトラップ13は、カセット20(ケーシング18)から流出した微量の水蒸気を液化する。なお、コールドトラップ13の他に、水トラップを使用することもできる。第1及び第2触媒反応炉12A,12Bとコールドトラップ13との間に延びるガス管路30には、ガス管路30を開閉する給気バルブ34(電磁弁)が設置されている。給気バルブ34は、その制御部がインターフェイスを介して図示しないコントローラに接続されている。
分離塔14は、コールドトラップ13の下流側に位置し、第1及び第2触媒反応炉12A,12Bでガス化処理された水素ガス(H2)とトリチウムガス(HT)との混合ガスを水素ガスとトリチウムガスとに分離する。分離塔14は、冷却塔35と長尺チューブ36とから形成されている。冷却塔35は、上下方向へ延びる円柱状に成形されている。
冷却塔35は、円柱状の他に、四角柱状や多角柱状であってもよい。冷却塔35は、下端部37から上端部38までの上下方向の高さ寸法が4〜100mの範囲にある。トリチウム汚染水処理システム10Aは、冷却塔35の上下方向の高さ寸法を前記範囲にすることで、冷却塔35に巻き付く長尺チューブ36の長さ寸法を長くすることができ、長尺チューブ36における混合ガスの貯蔵量を多くすることができる。
長尺チューブ36は、ゴムチューブまたは合成樹脂チューブであり、冷却塔35の下端部37から上端部38に向かって冷却塔35の外周面に巻き付けられている。長尺チューブ36は、その外周面の一部が冷却塔35の外周面に密着している。長尺チューブ36の内部には、図4に示すように、その内周面から中心に向かって凸となる複数の凸部39と、その中心から内周面に向かって凹む複数の凹部40とが形成され、内周面が平坦ではない。長尺チューブ36の内部には、それら触媒反応炉12A,12Bにおいて発生した水素ガス(H2)とトリチウムガス(HT)との混合ガスが流入する。
冷却塔35の下端部37に位置する長尺チューブ36は、ガス管路41(パイプ)によってコールドトラップ13に連結されている。冷却塔35の下端部37に位置する長尺チューブ36には、トリチウムガス(HT)を取り出すトリチウムガス取り出し管路42が設置されている。トリチウムガス取り出し管路42は、トリチウムガス貯蔵タンク(図示せず)に着脱可能に連結される。トリチウムガス取り出し管路42には、管路42を開閉するトリチウムガス排気バルブ43(手動弁)が設置されている。
冷却塔35の上端部38に位置する長尺チューブ36には、水素ガス(H2)を取り出す水素ガス取り出し管路44が設置されている。水素ガス取り出し管路44は、水素ガス貯蔵タンク(図示せず)に着脱可能に連結される。水素ガス取り出し管路44には、管路44を開閉する水素ガス排気バルブ45(手動弁)が設置されている。
冷却水循環装置15(チラー)は、冷却塔35の中央部46に連結され、冷却塔35を所定温度に冷却する。冷却塔35の冷却温度は、0〜5℃の範囲にある。したがって、冷却塔35によって長尺チューブ36が0〜5℃の範囲に冷却される。冷却水循環装置15(チラー)は、その制御部がインターフェイスを介して図示しないコントローラに接続されている。
真空ポンプ16は、コールドトラップ13と冷却塔35の下端部37に位置する長尺チューブ36とを連結するガス管路41に設置されている。真空ポンプ16は、コールドトラップ13と第1及び第2触媒反応炉12A,12Bとを真空引きする。真空ポンプ16によって真空引きされた第1及び第2触媒反応炉12A,12Bの内部の気圧(ケーシング18の内部の気圧)は、−0.1〜+0.1MPsの範囲に保持される。
真空ポンプ16と長尺チューブ36との間に延びるガス管路41には、ガス流量計47とガス給気ポンプ48と混合ガス注入バルブ49(電磁弁)とが設置されている。ガス流量計47やガス給気ポンプ48、混合ガス注入バルブ49はガス管路41の上流側から下流側に向かってガス流量計47、ガス給気ポンプ48、混合ガス注入バルブ49の順で並んでいる。
ガス流量計47は、ガス管路41に通流する混合ガスの流量を測定する。ガス流量計47は、その制御部が介して図示しないコントローラに接続され、測定した流量をコントローラに送信する。ガス給気ポンプ48は、所定量の混合ガスを長尺チューブ36に給気する。ガス給気ポンプ48は、その制御部が介して図示しないコントローラに接続されている。混合ガス注入バルブ49は、ガス管路41を開閉する。混合ガス注入バルブ49は、その制御部がインターフェイスを介して図示しないコントローラに接続されている。
コントローラは、中央処理部(CPUまたはMPU)とメモリ(メインメモリおよびキャッシュメモリ)とを有して独立したオペレーティングシステム(OS)によって動作する物理的なコンピュータであり、大容量記憶領域を実装している。コントローラには、液晶画面であるタッチパネル(図示せず)が接続されている。コントローラの大容量記憶領域には、給水ポンプ32やガス給気ポンプ48の設定出力、真空ポンプ16の設定真空度、加熱手段19の設定加熱温度、冷却水循環装置(チラー)15の設定温度、長尺チューブ36における混合ガスの設定貯蔵量が記憶(格納)されている。給水ポンプ32及びガス給気ポンプ48の設定出力や真空ポンプ16の設定真空度、加熱手段19の設定加熱温度、冷却水循環装置(チラー)15の設定温度、長尺チューブ36の設定貯蔵量は、タッチパネルにおいて自由に設定・変更することができる。
コントローラは、給水ポンプ32におけるトリチウム汚染水の給水量(給水ポンプ32の出力)を制御し、ガス給気ポンプ48における混合ガスの給気量(ガス給気ポンプ48の出力)を制御する。コントローラは、加熱手段19における加熱温度(加熱手段19の出力)を制御し、真空ポンプ16における真空度(真空ポンプ16の出力)を制御する。コントローラは、冷却水循環装置15(チラー)における冷却温度(冷却水循環装置15の出力)を制御し、給水バルブ33や給気バルブ34、混合ガス注入バルブ49の発停を制御する。
図5は、稼働中のトリチウム汚染水処理システム10Aを示す図1と同様の図であり、図6は、稼働中の触媒反応炉12A,12Bを示す図2と同様の図である。図7は、トリチウム汚染水処理システム10Aにおけるガス化処理を説明する図である。トリチウム汚染水処理システム10Aにおけるガス化処理の手順の一例は、以下のとおりである。なお、以下の説明では、複数の分離塔14が用意されているものとする。
トリチウム汚染水処理システム10Aを起動させるには、カセット20の開閉蓋26を開けてカセット20の内部を開放し、カセット20の内部に水酸化ナトリウム(NAOH)と水酸化カリウム(KOH)とのうちの少なくとも一方(アルカリ金属の水酸化物23)を収容するとともに、カセット20の内部に粉状オーステナイト系ステンレス鋼触媒(紛状メタル触媒)、粒状オーステナイト系ステンレス鋼触媒(粒状メタル触媒)、板状オーステナイト系ステンレス鋼触媒(板状メタル触媒)、線状オーステナイト系ステンレス鋼触媒(線状メタル触媒)のうちの少なくとも1つ(オーステナイト系ステンレス鋼24)を収容する。なお、カセット20の内部には、水酸化ナトリウムと粉状オーステナイト系ステンレス鋼触媒(紛状メタル触媒)とが収容されたものとする。
水酸化ナトリウムと粉状オーステナイト系ステンレス鋼触媒(紛状メタル触媒)とを収容した後、カセット20の開閉蓋26を閉めてカセット20の内部を気密に閉鎖し、水酸化ナトリウムと粉状オーステナイト系ステンレス鋼の粉状メタル触媒とをカセット20の内部に封じ込める。次に、ケーシング18の開閉蓋22を開けてその内部を開放し、ケーシング18の内部にカセット20を収容するとともに、カセット20の連結開口に水管路17を気密に連結し、カセット20の頂部27に補充管路29とガス管路30とを連結した後、開閉蓋22を閉めてケーシング18の内部を気密に閉鎖する。
ケーシング18にカセット20を収容した後、コントローラのスイッチをONにすると、コントローラに接続されたタッチパネルには、システム起動ボタンおよびOFFボタンを表示した初期画面が表示(出力)される。OFFボタンをタップ(クリック)すると、コントローラがOFFになる。初期画面のシステム起動ボタンをタップ(クリック)すると、タッチパネルには、設定値確認画面(図示せず)が表示(出力)される。
設定値確認画面には、給水ポンプ32の設定出力を表示した給水ポンプ設定出力表示エリア、ガス給気ポンプ48の設定出力を表示したガス給気ポンプ設定出力表示エリア、真空ポンプ16の設定真空度を表示した真空ポンプ設定真空度表示エリア、加熱手段19の設定加熱温度を表示した設定加熱温度表示エリア、冷却水循環装置15(チラー)の設定温度を表示した設定温度表示エリア、確認ボタン、設定ボタン、キャンセルボタンが表示される。キャンセルボタンをタップ(クリック)すると、初期画面に戻る(以下のキャンセルボタンも同様)。
なお、各設定値を設定していない場合は、各表示エリアがブランクになる。各表示エリアに表示された設定値を変更または各表示エリアに新規に設定値を入力するには、設定値確認画面の設定ボタンをタップする。設定ボタンをタップすると、タッチパネルには、設定値入力画面(図示せず)が表示(出力)される。設定値入力画面には、給水ポンプ32の設定出力を入力する給水ポンプ設定出力入力エリア、ガス給気ポンプ48の設定出力を入力するガス給気ポンプ設定出力入力エリア、真空ポンプ16の設定真空度を入力する真空ポンプ設定真空度入力エリア、加熱手段19の設定加熱温度を入力する設定加熱温度入力エリア、冷却水循環装置15(チラー)の設定温度を入力する設定温度入力エリア、設定登録ボタン、戻るボタン、キャンセルボタンが表示される。
なお、各入力エリアには、既に入力されている設定値が表示される。各入力エリアの設定値を変更(または新規入力)するには、各入力エリアに表示された設定値を変更入力(または新規入力)した後、設定登録ボタンをタップする。設定登録ボタンをタップすると、コントローラは、大容量記憶領域に記憶した設定値を各入力エリアに入力された設定値に更新した後、タッチパネルに設定値確認画面を表示(出力)される。
設定値を変更(または新規入力)した後、または、設定値に変更がない場合、設定値確認画面の確認ボタンをタップしてトリチウム汚染水処理システム10Aを起動させる。確認ボタンをタップすると、コントローラは、給水ポンプ32の制御部に給水量設定信号(設定出力信号)及び起動信号を送信し、ガス給気ポンプ48の制御部に給気量設定信号(設定出力信号)及び起動信号を送信する。コントローラは、加熱手段19の制御部における加熱温度設定信号(設定出力信号)及び起動信号を送信し、真空ポンプ16の制御部に真空度設定信号(設定出力信号)及び起動信号を送信する。コントローラは、冷却水循環装置15(チラー)の制御部に冷却温度設定信号(設定出力信号)及び起動信号を送信し、ガス流量計47の制御部に起動信号を送信する。コントローラは、給水バルブ33の制御部や給気バルブ34の制御部、混合ガス注入バルブ49の制御部に開放信号(ON信号)を送信する。
コントローラから給水量設定信号(設定出力信号)及び起動信号を受信した給水ポンプ32の制御部は、給水ポンプ32を起動させるとともに、設定給水量で給水ポンプ32を運転する。コントローラから給気量設定信号(設定出力信号)及び起動信号を受信したガス給気ポンプ48の制御部は、ガス給気ポンプ48を起動させるとともに、設定給気量でガス給気ポンプ48を運転する。コントローラから加熱温度設定信号(設定出力信号)及び起動信号を受信した加熱手段19の制御部は、加熱手段19を起動させるとともに、設定加熱温度で加熱手段19を運転する。
コントローラから真空度設定信号(設定出力信号)及び起動信号を受信した真空ポンプ16の制御部は、真空ポンプ16を起動させるとともに、設定真空度で真空ポンプ16を運転する。コントローラから冷却温度設定信号(設定出力信号)及び起動信号を受信した冷却水循環装置15(チラー)の制御部は、冷却水循環装置15を起動させるとともに、設定冷却温度で冷却水循環装置15を運転する。コントローラから起動信号を受信したガス流量計47は、ガス管路41に通流する混合ガスの流量測定を開始し、測定した流量をコントローラに送信する。
コントローラから開放信号(ON信号)を受信した給水バルブ33の制御部は、給水バルブ33の弁機構を開放し、水管路17を開放する。コントローラから開放信号(ON信号)を受信した給気バルブ34の制御部は、給気バルブ34の弁機構を開放し、ガス管路30を開放する。コントローラから開放信号(ON信号)を受信した混合ガス注入バルブ49の制御部は、混合ガス注入バルブ49の弁機構を開放し、ガス管路41を開放する。コントローラは、ガス流量計47が測定した混合ガスの流量および流量の積算値を表示した流量表示エリア、システムOFFボタンをタッチパネルに表示する。システムOFFボタンをタップすると、稼働中のトリチウム汚染水処理システム10Aが停止する。なお、補充バルブ31やトリチウムガス排気バルブ43、水素ガス排気バルブ45の弁機構は、手動によって閉鎖されている。
給水ポンプ32が起動し、給水バルブ33の弁機構が開放されると、図5,6に矢印で示すように、汚染水貯水タンク11に貯水されたトリチウム汚染水が給水ポンプ32によって汚染水貯水タンク11から水管路17に流入し、給水バルブ33を通過して第1及び第2触媒反応炉12A,12Bのカセット20の内部に流入する。加熱手段19が起動すると、加熱手段19によって第1及び第2触媒反応炉12A,12Bのケーシング18(カセット20)が設定温度(450〜550℃の範囲、図7では、500℃)に加熱される。
真空ポンプ16が起動すると、設定真空度で運転された真空ポンプ16によって真空引きが行われ、ケーシング18(カセット20)の内部の気圧が設定気圧(−0.1〜+0.1MPsの範囲、図7では、−0.1MPs)に保持される。冷却水循環装置15(チラー)が起動すると、冷却水循環装置15によって冷却塔35が冷却され、さらに、冷却塔35によって長尺チューブ36が0〜5℃の範囲に冷却される。
ケーシング18(カセット20)の加熱温度が450℃未満であってケーシング18(カセット20)の内部の気圧が+0.1MPsを超過すると、ケーシング18(カセット20)の内部における気層反応を促進することができず、トリチウム汚染水を速やかにガス化処理することができない。トリチウム汚染水処理システム10Aは、ケーシング18(カセット20)の加熱温度が前記範囲にあり、ケーシング18(カセット20)の内部の気圧が前記範囲にあるから、ケーシング18(カセット20)の内部における気層反応を促進することができ、トリチウム汚染水を速やかにガス化処理することができる。
トリチウム汚染水は、図6に矢印で示すように、水管路17からカセット20の開閉蓋26の連結開口を通ってカセット20の内部に流入する。カセット20の内部(ケーシング18の内部)では、そこに収容された水酸化ナトリウム(NAOH)(アルカリ金属の水酸化物23)が溶融して溶融塩触媒となり、水酸化ナトリウム(NAOH)(溶融塩触媒)と粉状オーステナイト系ステンレス鋼触媒(紛状メタル触媒)(オーステナイト系ステンレス鋼24)とが優れた触媒活性(触媒作用)を示し、トリチウム汚染水から酸素を分離し、図7に示すNaOH+Fe+H2O+HTO→NaAFeBOCTD+1.5H2+HTの気層反応によってトリチウム汚染水が水素ガス(H2)とトリチウムガス(HT)との混合ガスにガス化処理される。混合ガスには、微量の水蒸気が含まれている。
トリチウム汚染水処理システム10Aでは、分離された酸素が酸化物として水酸化ナトリウム(NAOH)(アルカリ金属の水酸化物23)及び粉状オーステナイト系ステンレス鋼触媒(紛状メタル触媒)(オーステナイト系ステンレス鋼24)に取り込まれている。また、トリチウムは、それの一定量が水酸化ナトリウム(NAOH)及び粉状オーステナイト系ステンレス鋼触媒(紛状メタル触媒)に取り込まれ、それ以上のトリチウムがトリチウムガス(HT)となってカセット20の内部(ケーシングの内部)から流出する。なお、ガス化処理の過程において、補充バルブ31を手動で開放し、補充管路29から水酸化ナトリウム(NAOH)(アルカリ金属の水酸化物23)をカセット20(ケーシング18)の内部に補充する。
給気バルブ34の弁機構が開放され、ガス化処理によって発生した水素ガス(H2)とトリチウムガス(HT)との混合ガスがカセット20の排気開口28からケーシング18に流出し、ケーシング18からガス管路30に流入し、給気バルブ34を通ってコールドトラップ13に流入する。コールドトラップ13では、混合ガスに含まれる微量の水蒸気が液化され、液化された水蒸気(水)がコールドトラップ13の外部に排水されるとともに、水蒸気が除去された混合ガスがコールドトラップ13からガス管路41に流入する。トリチウム汚染水処理システム10Aは、コールドトラップ13によってカセット20(ケーシング18)から流出した混合ガスに含まれる水蒸気を液化することで、水蒸気を除去した水素ガス(H2)とトリチウムガス(HT)との混合ガスを取り出すことができる。
ガス管路41に流入した混合ガスは、真空ポンプ16を通ってガス流量計47に流入し、流量計47によってその流量が測定される。流量計47は、測定した混合ガスの流量をコントローラに送信し、コントローラは、流量計47から受信した混合ガスの流量および流量の積算値を時系列にタッチパネルに表示する。混合ガスは、ガス注入バルブ49を通って長尺チューブ36の内部に流入し、冷却塔35の下端部37から上端部38に向かって長尺チューブ36の内部を流動する。
なお、長尺チューブ36に流入した混合ガスの流量(流量計47によって測定された混合ガスの積算値)が長尺チューブ36の設定貯蔵量に達した場合、コントローラは、混合ガス注入完了メッセージ及び分離塔交換メッセージ、分離塔交換完了ボタンをタッチパネルに表示するとともに、混合ガス注入バルブ49の制御部に閉鎖信号(OFF信号)を送信する。混合ガス注入バルブ49の制御部は、コントローラから受信した閉鎖信号にしたがって混合ガス注入バルブ49の弁機構を閉鎖し、混合ガスの長尺チューブ36への流入を停止させる。
混合ガスが長尺チューブ36の設定貯蔵量に達した分離塔14は、長尺チューブ36とガス管路41との連結が解除されてシステム10Aから切り離され、所定の箇所に保管される。混合ガスが設定貯蔵量に達した分離塔14をシステム10Aから切り離した後、長尺チューブ36に混合ガスが存在しないあらたな分離塔14をシステム10Aに連結する(入れ替える)。あらたな分離塔14の長尺チューブ36とガス管路41とを連結し、あらたな分離塔14をシステム10Aに接続した後、タッチパネルに表示された分離塔交換完了ボタンをタップする。
分離塔交換完了ボタンをタップすると、コントローラは、混合ガス注入バルブ49の制御部に開放信号(ON信号)を送信する。混合ガス注入バルブ49の制御部は、コントローラから受信した開放信号にしたがって混合ガス注入バルブ49の弁機構を開放し、混合ガスの長尺チューブ36への流入を再開させる。既述の手順によって第1及び第2触媒反応炉12A,12Bにおいて発生した混合ガスを複数の分離塔14の長尺チューブ36に順に貯蔵させる。
システム10Aから切り離されて保管された各分離塔14の長尺チューブ36の内部の混合ガスは、冷却水循環装置15(チラー)によって冷却された長尺チューブ36において0〜5℃の範囲に冷却されるとともに、長尺チューブ36の内部に形成された凸部39や凹部40に衝突を繰り返しつつ、質量が重いトリチウムガス(HT)の運動速度が質量の軽い水素ガス(H2)よりも早く減速する。
それら長尺チューブ36の内部では、混合ガスが所定温度の低温に冷却され、混合ガスがチューブ36の凸部39と凹部40とに繰り返し衝突してその運動速度が減速することで、混合ガスが水素ガス(H2)とトリチウムガス(HT)とに次第に分離される。分離塔14において分離されたトリチウムガスは、水素ガスよりも質量が重く、冷却塔35の下端部37に巻き付く長尺チューブ36に位置する。分離塔14において分離された水素ガスは、トリチウムガスよりも質量が軽く、冷却塔35の下端部37を除く残余の部位(中央部46及び上端部38)に巻き付く長尺チューブ36に位置する。なお、分離塔14(長尺チューブ36)における混合ガスの分離時間は、長尺チューブ36における混合ガスの設定貯蔵量よって異なるが、6〜24時間である。
分離時間が経過した後、ガス線量測定装置(図示せず)を利用して長尺チューブ36における水素ガス(H2)とトリチウムガス(HT)とを測定し、ガスの分離が完了したことを確認する。分離塔14において水素ガス(H2)とトリチウムガス(HT)との分離が完了した後、長尺チューブ36の下端部に延びるトリチウムガス取り出し管路42をトリチウムガス貯蔵タンクに連結し、長尺チューブ36の上端部に延びる水素ガス取り出し管路44を水素ガス貯蔵タンクに連結する。各管路42,44を各タンクに連結した後、トリチウムガス排気バルブ43や水素ガス排気バルブ45の弁機構を手動によって開放する。
トリチウムガス排気バルブ43の弁機構を開放すると、トリチウムガスが長尺チューブ36からトリチウムガス取り出し管路42を通ってトリチウムガス貯蔵タンクに流入し、トリチウムガスがトリチウムガス貯蔵タンクに貯蔵される。水素ガス排気バルブ45の弁機構を開放すると、水素ガスが長尺チューブ36から水素ガス取り出し管路44を通って水素ガス貯蔵タンクに流入し、水素ガスが水素ガス貯蔵タンクに貯蔵される。
汚染水貯水タンク11に貯水されたトリチウム汚染水のすべてをガス化処理した後、タッチパネルに表示されたシステムOFFボタンをタップし、トリチウム汚染水処理システム10Aを停止する。トリチウム汚染水処理システム10Aの停止においてコントローラは、給水ポンプ32の制御部に停止信号を送信し、ガス給気ポンプ48の制御部に停止信号を送信するとともに、加熱手段19の制御部に停止信号を送信する。さらに、真空ポンプ16の制御部に停止信号を送信し、冷却水循環装置15(チラー)の制御部に停止信号を送信するとともに、ガス流量計47の制御部に停止信号を送信する。コントローラは、給水バルブ33の制御部や給気バルブ34の制御部、混合ガス注入バルブ49の制御部に閉鎖信号(OFF信号)を送信する。コントローラは、システム停止メッセージをタッチパネルに表示する。
コントローラから停止信号を受信した給水ポンプ32の制御部は、給水ポンプ32を停止させ、コントローラから停止信号を受信したガス給気ポンプ48の制御部は、ガス給気ポンプ48を停止させるとともに、コントローラから停止信号を受信した加熱手段19の制御部は、加熱手段19を停止させる。コントローラから停止信号を受信した真空ポンプ16の制御部は、真空ポンプ16を停止させ、コントローラから停止信号を受信した冷却水循環装置15(チラー)の制御部は、冷却水循環装置15を停止させるとともに、コントローラから停止信号を受信したガス流量計47は、流量測定47を停止させる。コントローラから閉鎖信号(OFF信号)を受信した給水バルブ33の制御部や給気バルブ34の制御部、混合ガス注入バルブ49の制御部は、それらバルブ33,34,49の弁機構を閉鎖する。
トリチウム汚染水処理システム10Aは、アルカリ金属の水酸化物23(水酸化ナトリウムと水酸化カリウムとのうちの少なくとも一方)と、SUS304とSUS304LとSUS316Lとのうちの少なくとも1つであるオーステナイト系ステンレス鋼24(オーステナイト系ステンレス鋼を微粉砕された粉状メタル触媒、オーステナイト系ステンレス鋼を粒状に成形した粒状メタル触媒、オーステナイト系ステンレス鋼を板状に成形した板状メタル触媒、オーステナイト系ステンレス鋼を線状に成形した線状メタル触媒のうちの少なくとも1つ)とが第1及び第2触媒反応炉12A,12Bのカセット20(ケーシング18)の内部に収容され、トリチウム汚染水が触媒反応炉12A,12Bのカセット20(ケーシング18)の内部に注入され、加熱手段19でカセット20(ケーシング18)を所定温度(450〜550℃)に加熱しつつ、アルカリ金属の水酸化物23(溶融塩触媒)およびオーステナイト系ステンレス鋼24(メタル触媒)の優れた触媒作用を利用し、カセット20(ケーシング18)の内部におけるNaOH+Fe+H2O+HTO→NaAFeBOCTD+1.5H2+HTの気層反応によってトリチウム汚染水が水素ガス(H2)とトリチウムガス(HT)との混合ガスにガス化処理されるから、トリチウム汚染水からトリチウムをトリチウムガスとして確実に分離することができ、トリチウム汚染水からトリチウムを完全に除去することができる。
トリチウム汚染水処理システム10Aは、それらの形態のオーステナイト系ステンレス鋼24のメタル触媒とアルカリ金属の水酸化物23(水酸化ナトリウムと水酸化カリウムとのうちの少なくとも一方)の溶融塩触媒とを使用してトリチウム汚染水をガス化処理することで大量の水素ガスが発生し、その水素ガスを燃料として使用することができ、トリチウム汚染水からトリチウムを除去しつつ大量の水素ガス燃料を生成することができる。
トリチウム汚染水処理システム10Aは、第1及び第2触媒反応炉12A,12Bのカセット20(ケーシング18)において発生した水素ガス(H2)とトリチウムガス(HT)との混合ガスが分離塔14において水素ガスとトリチウムガスとに分離され、トリチウムガスが冷却塔35の下端部37に巻き付く長尺チューブ36に位置し、水素ガスが冷却塔35の下端部37を除く残余の部位に巻き付く長尺チューブ36に位置するから、それら触媒反応炉12A,12Bにおいて発生した混合ガスを分離塔14において水素ガスとトリチウムガスとに確実に分離することができ、水素ガスのみを燃料として取り出すことができるとともに、トリチウムガスを取り出すことで、トリチウム汚染水からトリチウムを完全に除去することができる。
トリチウム汚染水処理システム10Aは、第1及び第2触媒反応炉12A,12Bにおいてトリチウム汚染水をガス化処理することで発生した水素ガス(H2)とトリチウムガス(HT)との混合ガスが長尺チューブ36の内部に流入し、水素ガスとトリチウムガスとの混合ガスが長尺チューブ36の内部に形成された凸部39や凹部40に衝突を繰り返し、質量が重いトリチウムガスの運動速度が質量の軽い水素ガスよりも早く減速し、トリチウムガスを冷却塔35の下端部37に巻き付く長尺チューブ36に位置させることができ、水素ガスを冷却塔35の下端部37を除く残余の部位に巻き付く長尺チューブ36に位置させることができる。
図8は、稼働中のトリチウム汚染水処理システムの10B他の一例を示す図である。このトリチウム汚染水処理システム10Bが図1のそれと異なるところは、トリチウム汚染水を蒸気化してトリチウム汚染蒸気を作る蒸気発生装置50を有する点、蒸気発生装置50によって作られたトリチウム汚染蒸気をカセット20(ケーシング18)に供給する点にあり、その他の構成は図1のトリチウム汚染水処理システム10Aのそれらと同一であるから、図1のトリチウム汚染水処理システム10Aと同一の符号を付すとともに、図1のシステム10Aの説明を援用することで、このトリチウム汚染水処理システム10Bのその他の構成の詳細な説明は省略する。
トリチウム汚染水処理システム10Bは、図1のそれと同様に、トリチウムを含むトリチウム汚染蒸気からトリチウムをトリチウムガス(HT)として取り出し、トリチウム汚染蒸気からトリチウムを除去する。トリチウム汚染水処理システム10Bは、汚染水貯水タンク11と蒸気発生装置50と第1及び第2触媒反応炉12A,12Bとコールドトラップ13と分離塔14と冷却水循環装置15(チラー)と真空ポンプ16とから形成されている。
汚染水貯水タンク11や第1及び第2触媒反応炉12A,12B、コールドトラップ13、分離塔14、冷却水循環装置15(チラー)、真空ポンプ16は、図1のトリチウム汚染水処理システム10Aのそれらと同一である。カセット20(ケーシング18)の内部に収容されるアルカリ金属の水酸化物23やオーステナイト系ステンレス鋼24は、図1のトリチウム汚染水処理システム10Aのそれらと同一である。ケーシング18(カセット20)の加熱温度(450〜550℃の範囲)やケーシング18(カセット20)の内部の気圧(−0.1〜+0.1MPsの範囲)、冷却水循環装置15(チラー)の冷却温度(0〜5℃の範囲)は、図1のトリチウム汚染水処理システム10Aのそれらと同一である。
蒸気発生装置50は、汚染水貯水タンク11と第1及び第2触媒反応炉12A,12Bとの間に位置し、水管路17によって汚染水貯水タンク11に連結され、蒸気管路51(パイプ)によって第1及び第2触媒反応炉12A,12B(カセット20)に連結されている。蒸気発生装置50は、汚染水貯水タンク11から給水されたトリチウム汚染水を加熱してトリチウム汚染蒸気にする。蒸気発生装置50は、その制御部がインターフェイスを介して図示しないコントローラに接続されている。
トリチウム汚染水処理システム10Bにおけるガス化処理の手順の一例は、以下のとおりである。なお、以下の説明では、複数の分離塔14が用意されているものとする。カセット20の開閉蓋26を開けてカセット20の内部を開放し、カセット20の内部に水酸化ナトリウム(NAOH)(アルカリ金属の水酸化物23)を収容するとともに、カセット20の内部に粉状オーステナイト系ステンレス鋼触媒(紛状触媒)(オーステナイト系ステンレス鋼24)を収容する。水酸化ナトリウムと粉状オーステナイト系ステンレス鋼触媒(紛状触媒)とをカセット20の内部に収容した後、カセット20の開閉蓋26を閉めてカセット20の内部を気密に閉鎖する。ケーシング18の開閉蓋22を開けてその内部を開放し、ケーシング18の内部にカセット20を収容するとともに、カセット20の連結開口に蒸気管路51を気密に接続し、カセット20の頂部27に補充管路29とガス管路30とを連結した後、開閉蓋22を閉めてケーシング18の内部を気密に閉鎖する。
ケーシング18にカセット20を収容した後、コントローラのスイッチをONにすると、システム起動ボタンおよびOFFボタンを表示した初期画面がコントローラに接続されたタッチパネルに表示(出力)される。初期画面のシステム起動ボタンをタップ(クリック)すると、図1のシステム10Aと同様の設定値確認画面がタッチパネルに表示(出力)される。図1のシステム10Aと同様の設定値入力画面において設定値を変更(または新規入力)した後、または、設定値に変更がない場合、設定値確認画面の確認ボタンをタップしてシステム10Bを起動させる。
設定値確認画面の確認ボタンをタップすると、コントローラは、給水ポンプ32の制御部に給水量設定信号(設定出力信号)及び起動信号を送信し、蒸気発生装置50の制御部に蒸気量設定信号(設定出力信号)及び起動信号を送信するとともに、ガス給気ポンプ48の制御部に給気量設定信号(設定出力信号)及び起動信号を送信する。コントローラは、加熱手段19の制御部における加熱温度設定信号(設定出力信号)及び起動信号を送信し、真空ポンプ16の制御部に真空度設定信号(設定出力信号)及び起動信号を送信する。コントローラは、冷却水循環装置15(チラー)の制御部に冷却温度設定信号(設定出力信号)及び起動信号を送信し、ガス流量計47の制御部に起動信号を送信する。コントローラは、給水バルブ33の制御部や給気バルブ34の制御部、混合ガス注入バルブ49の制御部に開放信号(ON信号)を送信する。
コントローラから給水量設定信号(設定出力信号)及び起動信号を受信した給水ポンプ32の制御部は、給水ポンプ32を起動させるとともに、設定給水量で給水ポンプ32を運転する。コントローラから蒸気量設定信号(設定出力信号)及び起動信号を受信した蒸気発生装置50の制御部は、蒸気発生装置50を起動させるとともに、設定蒸気量で蒸気発生装置50を運転する。コントローラから給気量設定信号(設定出力信号)及び起動信号を受信したガス給気ポンプ48の制御部は、ガス給気ポンプ48を起動させるとともに、設定給気量でガス給気ポンプ48を運転する。コントローラから加熱温度設定信号(設定出力信号)及び起動信号を受信した加熱手段19の制御部は、加熱手段19を起動させるとともに、設定加熱温度で加熱手段19を運転する。
コントローラから真空度設定信号(設定出力信号)及び起動信号を受信した真空ポンプ16の制御部は、真空ポンプ16を起動させるとともに、設定真空度で真空ポンプ16を運転する。コントローラから冷却温度設定信号(設定出力信号)及び起動信号を受信した冷却水循環装置15(チラー)の制御部は、冷却水循環装置15を起動させるとともに、設定冷却温度で冷却水循環装置15を運転する。コントローラから起動信号を受信したガス流量計47は、ガス管路41に通流する混合ガスの流量測定を開始し、測定した流量をコントローラに送信する。
コントローラから開放信号(ON信号)を受信した給水バルブ33の制御部は、給水バルブ33の弁機構を開放し、水管路17及び蒸気管路51を開放する。コントローラから開放信号(ON信号)を受信した給気バルブ34の制御部は、給気バルブ34の弁機構を開放し、ガス管路30を開放する。コントローラから開放信号(ON信号)を受信した混合ガス注入バルブ49の制御部は、混合ガス注入バルブ49の弁機構を開放し、ガス管路41を開放する。コントローラは、ガス流量計47が測定した混合ガスの流量および流量の積算値を表示した流量表示エリア、システムOFFボタンをタッチパネルに表示する。
給水ポンプ32が起動し、給水バルブ33の弁機構が開放されると、図8に矢印で示すように、汚染水貯水タンク11に貯水されたトリチウム汚染水が給水ポンプ32によって汚染水貯水タンク11から水管路17を通って蒸気発生装置50に流入する。蒸気発生装置50によってトリチウム汚染水が加熱されてトリチウム汚染蒸気になり、トリチウム汚染蒸気が蒸気管路51を通って給水バルブ33を通過し、第1及び第2触媒反応炉12A,12Bに流入する。加熱手段19が起動すると、加熱手段19によって第1及び第2触媒反応炉12A,12Bのケーシング18(カセット20)が設定温度(450〜550℃の範囲、図7では、500℃)に加熱される。
真空ポンプ16が起動すると、設定真空度で運転する真空ポンプ16によって真空引きが行われ、ケーシング18(カセット20)の内部の気圧が設定気圧(−0.1〜+0.1MPsの範囲、図7では、−0.1MPs)に保持される。冷却水循環装置15(チラー)が起動すると、冷却水循環装置15によって冷却塔が冷却され、さらに、冷却塔35によって長尺チューブ36が0〜5℃の範囲に冷却される。
トリチウム汚染蒸気は、蒸気管路51からカセット20の開閉蓋26の連結開口を通ってカセット20の内部に流入する。カセット20の内部(ケーシング18の内部)では、そこに収容された水酸化ナトリウム(NAOH)(アルカリ金属の水酸化物23)が溶融して溶融塩触媒となり、水酸化ナトリウム(NAOH)(溶融塩触媒)と粉状オーステナイト系ステンレス鋼触媒(紛状触媒)(オーステナイト系ステンレス鋼24)とが優れた触媒活性(触媒作用)を示し、トリチウム汚染蒸気から酸素を分離し、図7に示すNaOH+Fe+H2O+HTO→NaAFeBOCTD+1.5H2+HTの気層反応によってトリチウム汚染蒸気が水素ガス(H2)とトリチウムガス(HT)との混合ガスにガス化処理される。混合ガスには、微量の水蒸気が含まれている。
トリチウム汚染水処理システム10Bでは、分離された酸素が酸化物として水酸化ナトリウム(NAOH)(アルカリ金属の水酸化物23)及び粉状オーステナイト系ステンレス鋼触媒(紛状触媒)(オーステナイト系ステンレス鋼24)に取り込まれている。また、トリチウムは、それの一定量が水酸化ナトリウム(NAOH)及び粉状オーステナイト系ステンレス鋼触媒(紛状触媒)に取り込まれ、それ以上のトリチウムがトリチウムガス(HT)となってカセット20の内部(ケーシング18の内部)から流出する。なお、ガス化処理の過程において、補充バルブ31を手動で開放し、補充管路29から水酸化ナトリウム(NAOH)(アルカリ金属の水酸化物23)をカセット20(ケーシング18)の内部に補充する。
ガス化処理によって発生した水素ガス(H2)とトリチウムガス(HT)との混合ガスがカセット20(ケーシング18)からガス管路30に流入し、給気バルブ34を通ってコールドトラップ13に流入する。コールドトラップ13では、混合ガスに含まれる微量の水蒸気が液化され、液化された水蒸気(水)がコールドトラップ13の外部に排水されるとともに、水蒸気が除去された混合ガスがコールドトラップ13からガス管路41に流入する。トリチウム汚染水処理システム10Bは、コールドトラップ13によってカセット20(ケーシング18)から流出した混合ガスに含まれる水蒸気を液化することで、水蒸気を除去した水素ガス(H2)とトリチウムガス(HT)との混合ガスを取り出すことができる。
ガス管路41に流入した混合ガスは、真空ポンプ16を通ってガス流量計47に流入し、流量計47によってその流量が測定される。コントローラは、ガス流量計47から受信した混合ガスの流量および流量の積算値を時系列にタッチパネルに表示する。混合ガスは、ガス注入バルブ49を通って長尺チューブ36の内部に流入し、冷却塔35の下端部37から上端部38に向かって長尺チューブ36の内部を流動する。長尺チューブ36に流入した混合ガスの流量(流量計47によって測定された混合ガスの積算値)が長尺チューブ36の設定貯蔵量に達した場合、コントローラは、混合ガス注入バルブ49の制御部に閉鎖信号(OFF信号)を送信し、混合ガス注入バルブ49の制御部は、閉鎖信号にしたがって混合ガス注入バルブ49の弁機構を閉鎖し、混合ガスの長尺チューブ36への流入を停止させる。
図1のシステム10Aと同様に、混合ガスが設定貯蔵量に達した分離塔14は、システム10Bから切り離され、所定の箇所に保管される。混合ガスが設定貯蔵量に達した分離塔14をシステム10Bから切り離した後、長尺チューブ36に混合ガスが存在しないあらたな分離塔14をシステム10Bに連結する(入れ替える)。あらたな分離塔14をシステム10Bに接続した後、タッチパネルに表示された分離塔交換完了ボタンをタップすると、コントローラは、混合ガス注入バルブ49の制御部に開放信号(ON信号)を送信する。混合ガス注入バルブ49の制御部は、コントローラから受信した開放信号にしたがって混合ガス注入バルブ48の弁機構を開放し、混合ガスの長尺チューブ36への流入を再開させる。
システム10Bから切り離されて保管された各分離塔14の長尺チューブ36の内部の混合ガスは、冷却水循環装置15(チラー)によって冷却された長尺チューブ36において0〜5℃の範囲に冷却されるとともに、長尺チューブ36の内部に形成された凸部38や凹部40に衝突を繰り返しつつ、質量が重いトリチウムガス(HT)の運動速度が質量の軽い水素ガス(H2)よりも早く減速する。それら長尺チューブ36の内部では、混合ガスが所定温度の低温に冷却され、混合ガスがチューブ36の凸部39と凹部40とに繰り返し衝突してその運動速度が減速することで、混合ガスが水素ガス(H2)とトリチウムガス(HT)とに次第に分離される。分離塔14において分離されたトリチウムガスは、水素ガスよりも質量が重く、冷却塔35の下端部37に巻き付く長尺チューブ36に位置する。分離塔14において分離された水素ガスは、トリチウムガスよりも質量が軽く、冷却塔35の下端部37を除く残余の部位(中央部46及び上端部38)に巻き付く長尺チューブ36に位置する。
分離時間が経過した後、ガス線量測定装置(図示せず)を利用して長尺チューブ36における水素ガス(H2)とトリチウムガス(HT)とを測定し、ガスの分離が完了したことを確認する。分離塔14において水素ガス(H2)とトリチウムガス(HT)との分離が完了した後、長尺チューブ36の下端部に延びるトリチウムガス取り出し管路42をトリチウムガス貯蔵タンクに連結し、長尺チューブ36の上端部に延びる水素ガス取り出し管路44を水素ガス貯蔵タンクに連結する。各管路42,44を各タンクに連結した後、トリチウムガス排気バルブ43や水素ガス排気バルブ45の弁機構を手動によって開放することで、トリチウムガスがトリチウムガス貯蔵タンクに流入してトリチウムガス貯蔵タンクに貯蔵され、水素ガスが水素ガス貯蔵タンクに流入して水素ガス貯蔵タンクに貯蔵される。汚染水貯水タンク11に貯水されたトリチウム汚染水のすべてをガス化処理した後、タッチパネルに表示されたシステムOFFボタンをタップし、トリチウム汚染水処理システム10Bを停止する。トリチウム汚染水処理システム10Bの停止は、図1のシステム10Aのそれと同一である。
トリチウム汚染水処理システム10Bは、アルカリ金属の水酸化物23(水酸化ナトリウムと水酸化カリウムとのうちの少なくとも一方)と、SUS304とSUS304LとSUS316Lとのうちの少なくとも1つであるオーステナイト系ステンレス鋼24(オーステナイト系ステンレス鋼を微粉砕された粉状メタル触媒、オーステナイト系ステンレス鋼を粒状に成形した粒状メタル触媒、オーステナイト系ステンレス鋼を板状に成形した板状メタル触媒、オーステナイト系ステンレス鋼を線状に成形した線状メタル触媒のうちの少なくとも1つ)とが第1及び第2触媒反応炉12A,12Bのカセット20(ケーシング18)の内部に収容され、トリチウム汚染蒸気が触媒反応炉12A,12Bのカセット20(ケーシング18)の内部に注入され、加熱手段19でカセット20(ケーシング18)を所定温度(450〜550℃)に加熱しつつ、アルカリ金属の水酸化物23(溶融塩触媒)およびオーステナイト系ステンレス鋼24(メタル触媒)の優れた触媒作用を利用し、カセット20(ケーシング18)の内部におけるNaOH+Fe+H2O+HTO→NaAFeBOCTD+1.5H2+HTの気層反応によってトリチウム汚染蒸気が水素ガス(H2)とトリチウムガス(HT)との混合ガスにガス化処理されるから、トリチウム汚染蒸気からトリチウムをトリチウムガスとして確実に分離することができ、トリチウム汚染蒸気からトリチウムを完全に除去することができる。
トリチウム汚染水処理システム10Bは、それらの形態のオーステナイト系ステンレス鋼24のメタル触媒とアルカリ金属の水酸化物(水酸化ナトリウムと水酸化カリウムとのうちの少なくとも一方)の溶融塩触媒とを使用してトリチウム汚染蒸気をガス化処理することで大量の水素ガスが発生し、その水素ガスを燃料として使用することができ、トリチウム汚染蒸気からトリチウムを除去しつつ大量の水素ガス燃料を生成することができる。
トリチウム汚染水処理システム10Bは、第1及び第2触媒反応炉12A,12Bのカセット20(ケーシング18)において発生した水素ガス(H2)とトリチウムガス(HT)との混合ガスが分離塔14において水素ガスとトリチウムガスとに分離され、トリチウムガスが冷却塔35の下端部37に巻き付く長尺チューブ36に位置し、水素ガスが冷却塔35の下端部37を除く残余の部位に巻き付く長尺チューブ36に位置するから、それら触媒反応炉12A,12Bにおいて発生した混合ガスを分離塔14において水素ガスとトリチウムガスとに確実に分離することができ、水素ガスのみを燃料として取り出すことができるとともに、トリチウムガスを取り出すことで、トリチウム汚染蒸気からトリチウムを完全に除去することができる。
トリチウム汚染水処理システム10Bは、第1及び第2触媒反応炉12A,12Bにおいてトリチウム汚染蒸気をガス化処理することで発生した水素ガス(H2)とトリチウムガス(HT)との混合ガスが長尺チューブ36の内部に流入し、水素ガスとトリチウムガスとの混合ガスが長尺チューブ36の内部に形成された凸部39や凹部40に衝突を繰り返し、質量が重いトリチウムガスの運動速度が質量の軽い水素ガスよりも早く減速し、トリチウムガスを冷却塔35の下端部37に巻き付く長尺チューブ36に位置させることができ、水素ガスを冷却塔35の下端部37を除く残余の部位に巻き付く長尺チューブ36に位置させることができる。
10A トリチウム汚染水処理システム
10B トリチウム汚染水処理システム
11 汚染水貯水タンク
12A 第1触媒反応炉
12B 第2触媒反応炉
13 コールドトラップ
14 分離塔
15 冷却水循環装置(チラー)
16 真空ポンプ
17 水管路
18 ケーシング
19 加熱手段
20 カセット
21 後端部
22 開閉蓋
23 アルカリ金属の水酸化物
24 オーステナイト系ステンレス鋼
25 後端部
26 開閉蓋
27 頂部
28 排気開口
29 補充管路
30 ガス管路
31 補充バルブ
32 給水ポンプ
33 給水バルブ
34 給気バルブ
35 冷却塔
36 長尺チューブ
37 下端部
38 上端部
39 凸部
40 凹部
41 ガス管路
42 トリチウムガス取り出し管路
43 トリチウムガス排気バルブ
44 管路
45 水素ガス排気バルブ
46 中央部
47 ガス流量計
48 ガス給気ポンプ
49 混合ガス注入バルブ
50 蒸気発生装置
51 蒸気管路
10B トリチウム汚染水処理システム
11 汚染水貯水タンク
12A 第1触媒反応炉
12B 第2触媒反応炉
13 コールドトラップ
14 分離塔
15 冷却水循環装置(チラー)
16 真空ポンプ
17 水管路
18 ケーシング
19 加熱手段
20 カセット
21 後端部
22 開閉蓋
23 アルカリ金属の水酸化物
24 オーステナイト系ステンレス鋼
25 後端部
26 開閉蓋
27 頂部
28 排気開口
29 補充管路
30 ガス管路
31 補充バルブ
32 給水ポンプ
33 給水バルブ
34 給気バルブ
35 冷却塔
36 長尺チューブ
37 下端部
38 上端部
39 凸部
40 凹部
41 ガス管路
42 トリチウムガス取り出し管路
43 トリチウムガス排気バルブ
44 管路
45 水素ガス排気バルブ
46 中央部
47 ガス流量計
48 ガス給気ポンプ
49 混合ガス注入バルブ
50 蒸気発生装置
51 蒸気管路
Claims (10)
- トリチウムを含むトリチウム汚染水から前記トリチウムを除去するトリチウム汚染水処理システムにおいて、
前記トリチウム汚染水処理システムが、前記トリチウム汚染水と該トリチウム汚染水を蒸気化したトリチウム汚染蒸気とのいずれか一方から酸素を分離して水素ガスとトリチウムガスとを発生させる触媒反応炉を備え、前記触媒反応炉が、ケーシングと、前記ケーシングを所定温度に加熱する加熱手段とから形成され、
前記触媒反応炉では、アルカリ金属の水酸化物とオーステナイト系ステンレス鋼とが前記ケーシングの内部に収容され、前記トリチウム汚染水と前記トリチウム汚染蒸気とのいずれか一方が前記ケーシングの内部に注入され、前記加熱手段で前記ケーシングを所定温度に加熱しつつ、前記ケーシングの内部におけるNaOH+Fe+H2O+HTO→NaAFeBOCTD+1.5H2+HTの気層反応によって前記トリチウム汚染水または前記トリチウム汚染蒸気が水素ガス(H2)とトリチウムガス(HT)との混合ガスにガス化処理されることを特徴とするトリチウム汚染水処理システム。 - 前記オーステナイト系ステンレス鋼が、微粉砕された粉状メタル触媒、粒状に成形された粒状メタル触媒、板状に成形された板状メタル触媒、線状に成形された線状メタル触媒のうちの少なくとも1つの形態で前記ケーシングの内部に収容されている請求項1に記載のトリチウム汚染水処理システム。
- 前記ケーシングの内部に収容されるオーステナイト系ステンレス鋼が、SUS304とSUS304LとSUS316Lとのうちの少なくとも1つである請求項1または請求項2に記載のトリチウム汚染水処理システム。
- 前記トリチウム処理システムが、前記触媒反応炉の下流側に設置されて前記ケーシングから流出した水蒸気を液化するコールドトラップまたは水トラップを含む請求項1ないしは請求項3いずれかに記載のトリチウム汚染水処理システム。
- 前記加熱手段によって加熱される前記ケーシングの温度が、450〜550℃の範囲にあり、前記ケーシングの内部の気圧が、−0.1〜+0.1MPsの範囲にある請求項1ないし請求項4いずれかに記載のトリチウム汚染水処理システム。
- 前記ケーシングが、オーステナイト系ステンレス鋼から作られている請求項1ないし請求項5いずれかに記載のトリチウム汚染水処理システム。
- 前記アルカリ金属の水酸化物が、水酸化ナトリウムと水酸化カリウムとのうちの少なくとも一方である請求項1ないし請求項6いずれかに記載のトリチウム汚染水処理システム。
- 前記トリチウム汚染水処理システムが、前記触媒反応炉でガス化処理された前記水素ガス(H2)と前記トリチウムガス(HT)との混合ガスを該水素ガス(H2)と該トリチウムガス(HT)とに分離する分離塔を含み、前記分離塔が、上下方向へ延びる冷却塔と、前記冷却塔の下端部から上端部に向かって該冷却塔の外周面に巻き付けられ、前記触媒反応炉で生成された前記水素ガス(H2)と前記トリチウムガス(HT)との混合ガスが流入する長尺チューブとから形成され、前記分離塔において分離されたトリチウムガス(HT)が、前記冷却塔の下端部に巻き付く長尺チューブに位置し、前記分離塔において分離された水素ガス(H2)が、前記冷却塔の下端部を除く残余の部位に巻き付く長尺チューブに位置する請求項1ないし請求項7いずれかに記載のトリチウム汚染水処理システム。
- 前記長尺チューブの内周面には、複数の凸部と複数の凹部とが形成されている請求項8に記載のトリチウム汚染水処理システム。
- 前記冷却塔の上下方向の高さ寸法が、4〜100mの範囲にあり、前記冷却塔の温度が、0〜5℃の範囲にある請求項8または請求項9に記載のトリチウム汚染水処理システム。
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2019
- 2019-07-09 WO PCT/JP2019/027099 patent/WO2020013167A1/ja active Application Filing
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