JP4028732B2 - 発電方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、負極に燃料として金属水素錯化合物のアルカリ性水溶液を、正極にその燃料の酸化剤を連続的に供給して化学反応を行わせ、その際の自由エネルギー変化を直接電気エネルギーに変換する方法関するものである。
【0002】
【従来の技術】
燃料電池の1つとして、負極に金属水素錯化合物、例えば水素化ホウ素アルカリ金属を溶解したアルカリ水溶液を供給し、これを酸化してホウ酸アルカリ金属塩とすると同時に電流を発生させる液体燃料電池が知られている(米国特許第5804329号明細書、特表2000−502822号公報)。
そして、このような水素化ホウ素アルカリ金属を直接に燃料として用いる液体燃料電池は、水素を燃料とする燃料電池(理論電圧1.23V)よりも高い起電力を得ることができる点で有利である。
【0003】
しかしながら、燃料として水素化ホウ素アルカリ金属を溶解したアルカリ水溶液を用いる液体燃料電池においては、負極に供給する燃料として所定濃度の水素化ホウ素アルカリ金属溶液をあらかじめ調製し、貯蔵タンクに安定な状態で保存する必要がある上に、所望の出力に応じて濃度を変えた水素化ホウ素アルカリ金属溶液を準備し、それぞれ別々の貯蔵タンクに収容しておかなければならず、装置が複雑になるのを免れない。
【0004】
しかも、このような液体燃料電池では、出力を停止した際、負極部アルカリ水溶液中に水素化ホウ素アルカリ金属が残存し、水素の発生と酸化物生成が継続するため、原料の水素化ホウ素アルカリ金属が無駄に消費されるとともに、負極の性能劣化が進行する。そして、燃料電池の不使用時に水素化アルカリ金属含有アルカリ水溶液を排出した場合の負極の劣化を避けるために、負極を外気との接触から完全に遮断する措置を講ずることが必要になる。
【0005】
このように、燃料電池の燃料として水素化ホウ素アルカリ金属を溶解したアルカリ水溶液を用いる場合には、その保存、貯蔵、出力制御における濃度調整、出力停止時の残液処理などに十分な配慮を払わなければならないという煩わしさがある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような事情のもとで、従来の、負極に対し燃料として水素化ホウ素アルカリ金属含有アルカリ水溶液を連続的に供給して発電する方式の燃料電池における種々の欠点を克服し、所望の出力に応じて任意に水素化ホウ素アルカリ金属の濃度を変えたアルカリ水溶液を供給することができ、かつ出力停止時に負極部に水素化ホウ素アルカリ金属を残存させずにエネルギーの無駄な消費を抑制し、再使用時には何らの機能低下なしに十分な性能を発揮しうる発電方法提供することを目的としてなされたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、負極への燃料として金属水素錯化合物含有アルカリ性水溶液を供給して発電させる方法について種々研究を重ねた結果、負極に供給する燃料として、アルカリ性水溶液の中へ必要な濃度が得られるような量の金属水素錯化合物をその出力に応じてその都度添加して調製した溶液を用いることにより、各出力ごとに異なった濃度の溶液を貯蔵する複数のタンクを用意することなく、単にアルカリ性水溶液の貯蔵タンクと金属水素錯化合物のタンクだけを備えるだけで、所望の濃度の金属水素錯化合物を含むアルカリ性水溶液を供給しうること、及びこのようにすれば、出力停止時にアルカリ性水溶液中に金属水素錯化合物が残存するのを避けうることを見出し、この知見に基づいて本発明をなすに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、イオン透過性膜により分画された2つの帯域の一方に負極を、他方に正極を配置し、かつ負極に燃料として金属水素錯化合物含有アルカリ性水溶液を、正極にその燃料の酸化剤として酸素又は過酸化物をそれぞれ連続的に供給して化学反応させ、その際に生じる自由エネルギー変化を直接電気エネルギー変化に変換して発電する方法において、負極に対しアルカリ性水溶液を所望の出力に応じ必要な濃度になるように金属水素錯化合物を添加しながら供給し、反応済のアルカリ性水溶液を排出させながら行い、この負極排出液から金属水素錯化合物の酸化生成物を分離し、残液を循環させ、アルカリ性水溶液として再使用することを特徴とする発電方法提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に、本発明方法構成を添付図面に従って説明する。
図1は、本発明方法の実施態様を説明するための系統図であって、燃料電池1は、イオン透過性膜2により負極部3及び正極部4に分画され、負極部3には、燃料供給口5及び反応済燃料排出口6が設けられている。アルカリ性水溶液は、アルカリ性水溶液貯槽タンク7から調節バルブ8を介し送液ポンプ9により管路10を経由して燃料供給口5を通って負極部3に供給される。この管路10は分岐管11により金属水素錯化合物貯蔵タンク12に通じており、必要量の金属水素錯化合物が調節バルブ13を介して管路10を通過するアルカリ性水溶液中に添加される。
【0010】
負極部での反応により生じた金属水素錯化合物の酸化生成物を含むアルカリ性水溶液は、反応済燃料排出口6から開閉バルブ16を経て管路14を通って固液分離器15に送られ、ここで固体分が除かれたのち、アルカリ性水溶液の流れる管路10と合流し、再使用される。
【0011】
負極部に供給される燃料中の金属水素錯化合物の濃度は、管路10の適所に配置された濃度センサー(図示せず)からの情報に基づいて自動的に操作される調節バルブ13を介して金属水素錯化合物貯蔵タンク12から供給される所定量の金属水素錯化合物により、所望の値に維持される。
【0012】
本発明方法において、燃料原液として用いられるアルカリ性水溶液貯蔵タンク7中のアルカリ性水溶液は、金属水素錯化合物を全く含まないものでもよいし、また希薄濃度の金属水素錯化合物を含むものでもよい。負極部3から排出される反応済燃料には、通常未反応の金属水素錯化合物が含まれているので、管路14を経て管路10に合流するアルカリ性水溶液は、金属水素錯化合物を希薄濃度で含むアルカリ性水溶液である。
【0013】
前記の固液分離器15においては、反応済燃料を冷却し、その中に含まれている金属水素錯化合物の酸化生成物を結晶として析出させ、分離するのが好ましい。この酸化生成物を分離した後のアルカリ性水溶液は必要に応じ水を補給してアルカリ濃度を調整して循環させ再使用する。
【0014】
また、燃料電池の出力を一時停止させる場合は、調節バルブ13を閉止して、金属水素錯化合物の添加を中止する。このようにすると、金属水素錯化合物を全く含まないか、わずかに含むアルカリ性水溶液のみが負極部3に供給され、所定濃度の金属水素錯化合物を含むアルカリ性水溶液と置き換るため、水素発生が止み、かつ金属水素錯化合物の無駄な消費が防止される。
【0015】
次に、前記の負極部3と正極部4とを分画するのに用いられるイオン透過性膜2は、負極液及び正極液の両方に対して耐食性を有する材料で構成されていなければならない。そして、このイオン透過性膜は、陰イオン透過性隔膜、すなわち正極において生成する水酸イオンを透過し、負極で生じるプロトンを透過しないものでもよいし、また陽イオン透過性膜、すなわち負極で生じるプロトンを透過し、正極で生じる水酸イオンを透過しないものであってもよい。また、所望により、両方のイオンを透過する双極性透過膜を用いることもできる。このような透過膜の代表的なものとしては、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、オレフィン系重合体又はフルオロカーボン重合体にスルホン酸基や第四級アンモニウム塩基を導入した膜や、ポリビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロリド、ポリスチレンスルホン酸ナトリウムを水−アセトン−臭化ナトリウムに溶解して得た膜、アクリロニトリル−メタクリルスルホン酸ナトリウム共重合体膜などを挙げることができる。これらの透過膜は市販品として容易に入手することができる。プロトンを透過しうる高分子電解膜としては、例えばナフィオン(デュポン株式会社製,陽イオン透過性膜の商品名)である。
【0016】
次に、本発明方法における正極及び負極の電極材料としては、例えば炭素、白金を分散した炭素や鉄、ニッケル、クロム、銅、白金、パラジウムのような金属やそれらの合金が用いられる。発電効率や耐久性がよく、低コストという点でニッケル又はニッケル・クロム合金の多孔体、例えば粒状焼結体や発泡体を基材とし、その表面に白金、パラジウムのような貴金属をめっきしたものが好ましい。
正極としては、その表面で酸素の還元反応が容易に進行する導電性材料が好ましい。また、正極には、酸素呼吸材料、すなわち酸素ガスと接触して酸素を可逆的に吸収、放出しうる材料も用いることができる。
【0017】
また、負極としては、上記の電極材料を用いてもよいが、特に好ましいのは水素吸蔵合金又はその水素化物である。この水素吸蔵合金又はその水素化物は、水素を可逆的に吸収、放出し得るものであれば特に制限はなく、例えばMg2Ni合金、Mg2NiとMgとの共晶合金のような、Mg2Ni系合金、ZrNi2系合金、TiNi2系合金などのラベス相系AB2型合金、TiFe系合金のようなAB型合金、LaNi5系合金のようなAB5型合金、TiV2系合金のようなBCC型合金の中から任意に選ぶことができる。
【0018】
この中で好ましいのは、LaNi4.7Al0.3合金、MmNi0.35Mn0.4Al0.3Co0.75合金(ただしMmはミッシュメタル)、MmNi3.75Co0.75Mn0.20Al0.30合金(ただしMmはミッシュメタル)、Ti0.5Zr0.5Mn0.8Cr0.8Ni0.4、Ti0.5Zr0.5Mn0.5Cr0.5Ni、Ti0.5Zr0.50.75Ni1.25、Ti0.5Zr0.50.5Ni1.5、Ti0.1Zr0.90.2Mn0.6Co0.1Ni1.1、MmNi3.87Co0.78Mn0.10Al0.38(ただしMmはミッシュメタル)などである。
【0019】
これらの水素吸蔵合金又はその水素化物は、表面をフッ化処理することにより、その性能を著しく高めることができる。すなわち、このようなフッ化処理を行うことにより、接触する負極液に対する耐腐食性が付与され、かつ長期間にわたって高い発電容量を維持しうる。
【0020】
このフッ化処理は、例えば水素吸蔵合金又はその水素化物をフッ化剤含有水溶液中に浸せきし、その表面をフッ素化することによって行われる。
このフッ化剤含有水溶液としては、通常、フッ素イオンとアルカリイオンを含む水溶液が用いられ、これは、例えばフッ化アリカリを0.2〜20質量%程度の濃度で含有する水溶液に、フッ化水素を加えて、pHを2.0〜6.5程度、好ましくは4.0〜6.0の範囲に調整することにより調製することができる。この際用いるフッ化アリカリとしては、特に制限はなく、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化アンモニウムなどの、水に対して易溶性のものが好ましく、特にフッ化カリウムが好適である。これらのフッ化アルカリは単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0021】
フッ化剤含有水溶液のフッ化アルカリの好ましい濃度は、フッ化ナトリウムの場合0.3〜3質量%、フッ化カリウムの場合0.5〜5質量%、フッ化アンモニウムの場合0.5〜8質量%の範囲である。フッ化アルカリの濃度が上記範囲よりも低いとフッ化処理表面の形成に長時間を要し、実用的でないし、上記範囲より高いと十分な厚さのフッ化処理表面が形成されにくいため、安定化効果が不十分となる。
【0022】
上記したpH範囲に調整するのに必要なフッ化水素の量は、通常、フッ化アルカリ1モルに対し、フッ化ナトリウムの場合1〜3モル、フッ化カリウムの場合0.2〜3モル、フッ化アンモニウムの場合0.2〜1モルの範囲である。
【0023】
このようなフッ化剤含有水溶液を用いて、水素吸蔵合金又はその水素化物にフッ化処理表面を形成させるには、このフッ化剤含有水溶液中にこれを浸せきし、通常、常圧下で0〜80℃程度、好ましくは30〜60℃の範囲の温度において、その表面に十分な厚さ、すなわち0.01〜1μm程度のフッ化処理表面が形成されるまで保持する。これに要する時間は1〜60分間程度である。
【0024】
本発明方法における電極は、陽極をイオン透過性膜に接合したり、一方の側を陽極とし、他方の側を陰極とした両極電極として構成することもできる。電極の形状は任意であり、目的に応じて種々の形状、例えばシート状、管状、円筒状、方体状、球状などにすることができる。また、発泡体状やコロイド状、粉体状に形成することもできる。
【0025】
次に、本発明方法において、負極液を構成する金属水素錯化合物としては、例えば一般式
IIII4-nn (I)
又は
II(MIII4-nn2 (II)
(式中のMIはアルカリ金属、MIIはアルカリ土類金属又は亜鉛、MIIIはホウ素、アルミニウム又はガリウムであり、Rは炭化水素基、ヒドロカルビルオキシ基又はアシルオキシ基、nは0〜3の整数である)
で表わされる金属水素錯化合物がある。
【0026】
これらの式中のMIはアルカリ金属、例えばリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウムなどであり、MIIはアルカリ土類金属、例えばマグネシウム、カルシウム、ストロンチウム又は亜鉛であり、MIIIはホウ素、アルミニウム又はガリウムである。Rは例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、フェニル基のような炭化水素基、メトキシ基、エトキシ基、n‐プロポキシ基、iso‐プロポキシ基、n‐ブトキシ基、iso‐ブトキシ基、sec‐ブトキシ基、tert‐ブトキシ基、2‐メトキシエトキシ基、2‐エトキシメトキシ基のようなヒドロカルビルオキシ基又はアセトキシ基、プロピオニルオキシ基のようなアシルオキシ基である。
【0027】
すなわち、一般式(I)で表わされる金属水素錯化合物の例としては、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)、水素化ホウ素カリウム(KBH4)、水素化アルミニウムリチウム(LiAlH4)、トリメトキシ水素化ホウ素ナトリウム[NaBH(OCH3)]、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム[NaBH(OCOCH33]、トリフェノキシ水素化ホウ素ナトリウム[NaBH(OC653]、水素化トリエチルホウ素リチウム[Li(C253BH]、水素化トリ‐s‐ブチルホウ素リチウム[Li(s‐C493BH]、水素化トリブチルホウ素リチウム[Li(n‐C493BH]、水素化トリ‐s‐ブチルホウ素カリウム[K(s‐C493BH]、水素化トリフェニルホウ素カリウム[K(C653BH]、トリメトキシ水素化アルミニウムリチウム[LiAlH(OCH33]、モノエトキシ水素化アルミニウムリチウム[LiAlH3(OC25)]、トリ‐tert‐ブトキシ水素化アルミニウムリチウム、水素化ビス(2‐メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウムなどを挙げることができる。また、一般式(II)で表わされる金属水素錯化合物の例としては、水素化ホウ素亜鉛[Zn(BH42]、水素化ホウ素カルシウム[Ca(BH42]、テトラメトキシ水素化ホウ素亜鉛〔Zn[B(OCH3222〕、ヘキサエトキシ水素化ホウ素カルシウム〔Ca[B(OC253H]2〕などを挙げることができる。これらの金属水素錯化合物は公知であり、選択的水素化用試薬として市販されている。
【0028】
本発明方法においては、これらの金属水素錯化合物を燃料電池の負極部に送液する管路10のアルカリ性水性媒質中に添加、溶解し、金属水素錯化合物のアルカリ性水溶液として濃度を調整しながら用いることが必要である。そのような金属水素錯化合物の添加により濃度を任意に調整したアルカリ性水溶液を容易に得るために、金属水素錯化合物を粉末状あるいは高濃度のアルカリ性水性媒質中に溶解度以上に存在させたスラリーとして外部タンクに貯蔵して用いることが好ましい。
【0029】
アルカリ性水溶液のアルカリ性物質としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのようなアルカリ金属水酸化物や、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシドのような第四アルキルアンモニウム化合物がある。
【0030】
本発明方法においては、これらのアルカリ性物質を少なくとも5質量%、好ましくは少なくとも10質量%の濃度で、所定の溶剤に溶解してアルカリ性媒質の水溶液を調製して用いる。このアルカリ濃度の上限は、あまり高濃度にすると金属水素錯化合物が溶解しにくくなるので、アルカリ性物質の飽和濃度である。
【0031】
また、本発明方法において、アルカリ性水溶液に添加、溶解する金属水素錯化合物は、目的とする発電容量及びアルカリ性水溶液に対する溶解性を考慮して、一般に0.1〜50質量%の濃度に調整して用いるのが好ましい。
なお、電解液のイオン伝導性を向上させるために、水酸化リチウムを少量、例えば0.01〜0.1質量%で添加することもできる。
【0032】
なお、本発明方法において、正極部に供給する酸化剤としては、空気、酸素の気体、あるいは例えば過酸化水素、過酢酸、過酸化ベンゾイル、イソプロピルペルオキシド、過硫酸などの水溶液を用いることもできる。これら酸化剤の水溶液は、一般に1〜40質量%、好ましくは2〜10質量%の濃度で用いられる。さらに、これらの酸化剤の水溶液には、所望に応じて安定剤としてリン酸、尿酸、馬尿酸、バルビタール、アセトニトリルなどを0.01〜0.1質量%の濃度で添加することができる。
【0033】
【実施例】
次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
【0034】
実施例1
1リットル体積の円筒状容器を陽イオン透過性膜(デュポン株式会社製,商品名「ナフィオン(Nafion)NE−424」)により分画し、一方の区画にニッケル多孔質材料(平均細孔径400μm、気孔率99%)の板状体(100×70×1.15mm)に水素吸蔵合金(LaNi4.7Al0.3)の粉末(平均粒子径75μm)7.5gを担持させた負極を、他方の区画にニッケル多孔質材料の板状体(47.5×70×1.15mm)を4枚重ねた正極をそれぞれ配置した。
次いで、負極側に20質量%濃度の水酸化ナトリウム水溶液を20ml/分の割合で、また正極側に3質量%濃度のH22水溶液(0.01質量%のリン酸を添加)18ml/分で通し、かつ上記の水酸化ナトリウム水溶液にNaBH4を2質量%の濃度になる量で添加し、かつ同量の反応済燃料を負極部から抜き出しながら負極と正極との間を導線で連結し、発生電圧を測定したところ10分後において1.85Vであった。
【0035】
実施例2
実施例1において、負極部から抜き出した反応済燃料を0℃に冷却したところ、NaBH4・4H2O5.5gが析出してきたので、これをろ去し、アルカリ水溶液のみを回収した。これを20ml/分の循環量になるように調整したのち、水酸化ナトリウム水溶液の代りに送液し、実施例1と同様に操作したところ発生電圧1.80Vを得た。
【0036】
実施例3
実施例1において10分間出力させたのち、NaBH4の添加を停止し、水酸化ナトリウム水溶液のみ負極に供給したところ、1分後に出力は0になった。
【0037】
【発明の効果】
本発明によると、出力に応じて必要な濃度の燃料を容易に調製し、供給することができ、かつ出力を停止させる場合にも、急速に燃料の供給を中止することができるので、負極の劣化を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明方法を説明するための系統図。
【符号の説明】
1 燃料電池
2 イオン透過性膜
3 負極部
4 正極部
5 燃料供給口
6 反応済燃料排出口
7 アルカリ性水溶液貯蔵タンク
8,13,16 調節バルブ
9 送液ポンプ
10,14 管路
11 分岐管
12 金属水素錯化合物貯蔵タンク
15 固液分離器

Claims (7)

  1. イオン透過性膜により分画された2つの帯域の一方に負極を、他方に正極を配置し、かつ負極に燃料として金属水素錯化合物含有アルカリ性水溶液を、正極にその燃料の酸化剤として酸素又は過酸化物をそれぞれ連続的に供給して化学反応させ、その際に生じる自由エネルギー変化を直接電気エネルギー変化に変換して発電する方法において、負極に対しアルカリ性水溶液を所望の出力に応じ必要な濃度になるように金属水素錯化合物を添加しながら供給し、反応済のアルカリ性水溶液を排出させながら行い、この負極排出液から金属水素錯化合物の酸化生成物を分離し、残液を循環させ、アルカリ性水溶液として再使用することを特徴とする発電方法。
  2. 負極排出液を冷却し、金属水素錯化合物の酸化生成物を結晶として析出させ分離する請求項記載の発電方法。
  3. 発電不要時において、アルカリ性水溶液のみを負極に供給し、発電必要時において出力に応じて必要な濃度になるまでの金属水素錯化合物をアルカリ性水溶液に添加する請求項1又は2記載の発電方法。
  4. 正極に供給される燃料の酸化剤が、空気、酸素又は過酸化物である請求項1ないしのいずれかに記載の発電方法。
  5. アルカリ性水溶液がアルカリ金属水酸化物の水溶液である請求項1ないしのいずれかに記載の発電方法。
  6. 金属水素錯化合物が水素化ホウ素アルカリ金属である請求項1ないしのいずれかに記載の発電方法。
  7. 金属水素錯化合物を粉末状又はスラリー状でアルカリ性水溶液に添加する請求項1ないしのいずれかに記載の発電方法。
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