JP2017222436A - エレベーターの油飛散防止装置およびエレベーターロープのメンテナンス方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】過剰油がロープからロープの周囲に飛散することを抑制するとともに、エレベーターの保守点検時の作業性を向上させることができるエレベーターの油飛散防止装置を得る。
【解決手段】移動中のロープ5に振動を与えて、ロープ5から油を飛散させる振動付与装置8と、振動付与装置8によってロープ5から飛散した油を受ける油受けカバー9とを備え、振動付与装置8は、ロープ5の長手方向に離れて設けられそれぞれがロープ5に接触する振動付与滑車8aおよび振動付与滑車8bを有し、ロープ5の自励振動の振動数と、ロープ5における振動付与滑車8aおよび振動付与滑車8bの間の部分の固有振動数とを一致させて、ロープ5を共振させることによって、ロープ5から油を飛散させる。
【選択図】図2
【解決手段】移動中のロープ5に振動を与えて、ロープ5から油を飛散させる振動付与装置8と、振動付与装置8によってロープ5から飛散した油を受ける油受けカバー9とを備え、振動付与装置8は、ロープ5の長手方向に離れて設けられそれぞれがロープ5に接触する振動付与滑車8aおよび振動付与滑車8bを有し、ロープ5の自励振動の振動数と、ロープ5における振動付与滑車8aおよび振動付与滑車8bの間の部分の固有振動数とを一致させて、ロープ5を共振させることによって、ロープ5から油を飛散させる。
【選択図】図2
Description
この発明は、エレベーターのロープから油が飛散することを防止するエレベーターの油飛散防止装置およびエレベーターロープのメンテナンス方法に関する。
エレベーターのロープには、油が含浸されている。これにより、ロープが巻き掛けられている滑車に形成された溝の摩耗およびロープの劣化のそれぞれの進行が抑制される。ロープにおける油の含有率は、製造時に調整される。しかしながら、環境温度が高いためにロープの内部から表面への油の染み出し量が多い場合またはロープのメンテナンス時に多量の油が供給されてしまった場合には、油の量が過剰となる。このような状態では、ロープにおける滑車に巻き掛けられている部分が滑車を通過するときの回転により生じる慣性力またはロープの振動により生じる慣性力によって、過剰油がロープからロープの周囲に飛散する。ロープから飛散した過剰油は、ロープの周囲を汚してしまい、また、巻上機のブレーキに付着する場合にはブレーキの制動能力を低下させてしまう。そこで、従来、機械室において、ロープにおける滑車に巻き掛けられている部分を覆うカバーと、カバーに設けられたダクトと、飛散した過剰油を回収するフィルタとを備えたエレベーターの油飛散防止装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、ロープにおける滑車に巻き掛けられている部分をカバーが常に覆っているので、エレベーターの保守点検時の作業性が悪化するという課題があった。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、過剰油がロープからロープの周囲に飛散することを抑制するとともに、エレベーターの保守点検時の作業性を向上させることができるエレベーターの油飛散防止装置およびエレベーターロープのメンテナンス方法を提供するものである。
この発明に係るエレベーターの油飛散防止装置は、移動中のロープに振動を与えて、ロープから油を飛散させる振動付与装置と、振動付与装置によってロープから飛散した油を受ける油受けカバーとを備えている。
この発明に係るエレベーターの油飛散防止装置によれば、ロープに振動を与えてロープから油を飛散させ、飛散した油を油受けカバーが受けるので、過剰油は油受けカバーに回収される。これにより、エレベーターの通常運転時に過剰油がロープからロープの周囲に飛散することを抑制することができる。また、ロープにおける滑車に巻き掛けられている部分を覆う必要がないので、エレベーターの保守点検時の作業性を向上させることができる。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係るエレベーターの油飛散防止装置を示す構成図である。図1では、エレベーターの油飛散防止装置が取り付けられるエレベーターも示している。図において、昇降路1の上方には、機械室2が設けられている。機械室2には、綱車3およびそらせ車4が設けられている。そらせ車4は、綱車3の近傍に配置されている。綱車3およびそらせ車4には、ロープ5が巻き掛けられている。ロープ5の第1端部には、かご6が接続されている。一方、ロープ5の第2端部には、釣り合いおもり7が接続されている。かご6および釣り合いおもり7は、昇降路1に配置されている。綱車3およびそらせ車4は、ロープ5が巻き掛けられる滑車となっている。
図1はこの発明の実施の形態1に係るエレベーターの油飛散防止装置を示す構成図である。図1では、エレベーターの油飛散防止装置が取り付けられるエレベーターも示している。図において、昇降路1の上方には、機械室2が設けられている。機械室2には、綱車3およびそらせ車4が設けられている。そらせ車4は、綱車3の近傍に配置されている。綱車3およびそらせ車4には、ロープ5が巻き掛けられている。ロープ5の第1端部には、かご6が接続されている。一方、ロープ5の第2端部には、釣り合いおもり7が接続されている。かご6および釣り合いおもり7は、昇降路1に配置されている。綱車3およびそらせ車4は、ロープ5が巻き掛けられる滑車となっている。
エレベーターは、1:1ローピングのエレベーターとなっている。ロープ5における綱車3とかご6との間の部分には、振動付与滑車8aおよび振動付与滑車8bが設けられている。振動付与滑車8aおよび振動付与滑車8bは、ロープ5に接触している。振動付与滑車8aおよび振動付与滑車8bは、ロープ5の長手方向に離れて配置されている。また、振動付与滑車8aおよび振動付与滑車8bは、ロープ5の長手方向に視た場合に、ロープ5を径方向に挟むように配置されている。
ロープ5における振動付与滑車8aが接触する点を接点5aとし、ロープ5における振動付与滑車8bが接触する点を接点5bとする。振動付与滑車8aは、固定部材10aを介して昇降路1の側壁に回転可能に支持されている。振動付与滑車8bは、固定部材10bを介して昇降路1の側壁に回転可能に支持されている。振動付与滑車8aおよび振動付与滑車8bのそれぞれは、昇降路1を昇降するかご6の移動経路に重ならない位置に配置されている。言い換えれば、振動付与滑車8aおよび振動付与滑車8bのそれぞれは、かご6と干渉しない位置に配置されている。ロープ5における接点5aから接点5bまでの部分を油受けカバー9が覆っている。油受けカバー9は、固定部材10cを介して昇降路1の側壁に固定されている。油受けカバー9は、昇降路1を昇降するかご6の移動経路に重ならない位置に配置されている。言い換えれば、油受けカバー9は、かご6と干渉しない位置に配置されている。
この発明の実施の形態1に係るエレベーターの油飛散防止装置は、振動付与滑車8a、振動付与滑車8b、固定部材10a、固定部材10b、固定部材10c、油受けカバー9から構成されている。振動付与滑車8aおよび振動付与滑車8bから振動付与装置8が構成されている。このエレベーターの油飛散防止装置では、ロープ5の自励振動の周波数と、ロープ5における接点5aから接点5bまでの部分の固有周波数とが一致している。これにより、ロープ5における接点5aから接点5bまでの部分が共振し、ロープ5から過剰油が飛散し、飛散した過剰油が油受けカバー9に回収される。これにより、エレベーターの通常運転時にロープ5から油が飛散することが防止される。その結果、エレベーターの通常運転時に、ロープ5の周囲が汚されることが防止され、巻上機のブレーキの制動能力を低下させることを防止される。
次に、ロープ5の自励振動の周波数について説明する。ロープ5は、ストランドが芯のまわりに撚り合わされた構造となっている。したがって、ロープ5には、ストランドが芯のまわりを1回転する長さであるロープピッチ長さが滑車を通過する周期で、自励振動が発生する。ロープ5の自励振動の周波数fvibは、下記の式(1)で表される。
上記の式(1)において、Vはロープ5の速度、pはロープピッチ長さである。
次に、ロープ5における接点5aから接点5bまでの部分の固有周波数について説明する。ロープ5における接点5aから接点5bまでの部分の固有周波数fnは下記の式(2)で表される。
上記の式(2)において、nは固有振動の次数、Lはロープ5における接点5aから接点5bまでの長さ、Tはロープ5の張力、ρはロープ5の線密度である。
上記の式(1)で表されたロープ5の自励振動の周波数fvibと上記の式(2)で表されたロープ5の固有周波数fnとが等しくなるように、振動付与滑車8aおよび振動付与滑車8bを配置することによって、ロープ5における接点5aから接点5bまでの部分を共振させることができる。エレベーターの油飛散防止装置が取り付けられていないエレベーターでは、ロープ5における綱車3に巻き掛けられている部分が綱車3を通過する時の回転による慣性力、ロープ5におけるそらせ車4に巻き掛けられている部分がそらせ車4を通過する時の回転による慣性力およびロープ5の自励振動による慣性力が過剰油に発生して、過剰油がロープ5の周囲に飛散してしまう。一方、エレベーターの油飛散防止装置が取り付けられているエレベーターでは、ロープ5における接点5aから接点5bまでの部分が共振することによって、ロープ5における綱車3に掛けられている部分が綱車3を通過する時の回転による慣性力、ロープ5におけるそらせ車4に巻き掛けられている部分がそらせ車4を通過する時の回転による慣性力およびロープ5の自励振動による慣性力よりも大きな慣性力が過剰油に発生する。したがって、エレベーターの通常運転時に過剰油がロープ5からロープの周囲に飛散する前に、短時間で、過剰油をロープ5から油受けカバー9に飛ばして回収することができる。
図2は図1のエレベーターの油飛散防止装置を用いてロープ5の過剰油を回収する手順を示すフローチャートである。まず、ステップS101において、本装置取付工程を行う。本装置取付工程では、エレベーターの据付直後、ロープ5に給油した直後などの過剰油を回収する必要があるエレベーターに対して、図1に示すように、エレベーターの油飛散防止装置をエレベーターに取り付ける。ここで、ロープ5の自励振動の周波数fvibとロープ5の固有周波数fnとが等しくなるようにエレベーターの油飛散防止装置を設置する。ロープ5の線密度ρおよびロープピッチ長さpは、ロープ5によって定まる固有値であるので、調整可能なパラメーターは、ロープ5の張力T、ロープ5の速度Vおよびロープ5における接点5aから接点5bまでの長さLである。
ロープ5の張力Tは、かご6または釣り合いおもり7におもりを積載することによって調整可能である。ロープ5の速度Vは、エレベーターの制御盤を操作するによって調整可能である。ロープ5における接点5aから接点5bまでの長さLは、振動付与滑車8aおよび振動付与滑車8bのそれぞれの取付位置を変更することによって調整可能である。どのようにこれらのパラメーターを調整してもよいが、例えば、ロープ5の張力Tは変化させずに、ロープ5の速度Vを定格速度にして、ロープ5の接点5aから接点5bまでの長さLを調節することによって、ロープ5の自励振動の周波数fvibとロープ5の固有周波数fnとを一致させることができる。
その後、ステップS102において、油回収運転工程を行う。油回収運転工程では、ロープ5に供給された過剰油を回収するためにエレベーターが運転する。エレベーターの油飛散防止装置は、ロープ5における接点5aから接点5bまでの間の部分の過剰油を飛ばして回収するので、ロープ5の全長の中で、綱車3またはそらせ車4を通過する範囲が、ロープ5における接点5aから接点5bまでの間の部分を通過するように運転する必要がある。そのため、エレベーターは、かご6が最上階と最下階との間を行き来するように終端階往復運転を行う。ここで、厳密には、かご6が最下階に位置する時に綱車3またはそらせ車4に巻き掛けられているロープ5の部分は、接点5aから接点5bまでの間の部分を通過しない。しかしながら、この部分は、エレベーターの通常運転において加速し始める時および減速し終える時に、綱車3およびそらせ車4と通過する部分である。すなわち、この部分は、定格速度に比べて非常に速度が小さい時に綱車3およびそらせ車4を通過する。そのため、この部分は、発生する慣性力が小さく、油飛散の発生しない部分であり、問題とはならない。
その後、ステップS103において、油回収完了判断工程を行う。油回収完了判断工程では、ロープ5に供給された過剰油の回収が完了して、油回収運転を終了するか否かの判断を行う。油回収運転を終了するタイミングは、回収油量の変化に基づいて判断する。図3は図1のエレベーターの油飛散防止装置を用いてエレベーターを起動させた場合のエレベーターの起動回数と1起動あたりの油回収量との関係を示すグラフである。エレベーターの1起動あたりの油回収量が、ロープ5に過剰油が無い場合と同じ量となった時に、油回収運転が終了する。一方、エレベーターの1起動あたりの油回収量が、ロープ5に過剰油が無い場合と同じ量よりも多い場合には、油回収運転を継続する。
油回収運転が終了した後、ステップS104において、本装置取外工程を行う。本装置取外工程では、エレベーターからエレベーターの油飛散防止装置を取り外す。ここで、エレベーターからエレベーターの油飛散防止装置を取り外す理由は、油の過剰な回収によって、ロープ5が劣化することを防止し、また、綱車3およびそらせ車4が異常摩耗することを防止するためである。また、エレベーターからエレベーターの油飛散防止装置を取り外す理由は、共振によって騒音が発生することを防止し、また、エレベーターの乗り心地が低下することを防止するためである。
なお、油回収量の変化を判断する方法としては、例えば、1起動毎に油受けカバー9に回収された油の重さを測る方法、油受けカバー9に秤を取り付けて1起動毎に油の重さを出力する方法、油受けカバー9を透明な容器として、この容器に目盛りつけて、1起動毎に油回収量の変化を記録する方法などが挙げられる。
また、過剰油が無い場合の1起動あたりの油回収量は、あらかじめ、過剰油がない正常なロープ5に対してエレベーターの油飛散防止装置を取り付けて測定することにより、容易に得ることができる。
以上説明したように、この発明の実施の形態1に係るエレベーターの油飛散防止装置によれば、ロープ5における接点5aから接点5bまでの部分を共振させて、短時間で過剰油をロープ5から油受けカバー9に飛ばして回収することができるので、エレベーターの通常運転時に過剰油がロープ5からロープ5の周囲に飛散することを抑制することができる。また、ロープ5における綱車3およびそらせ車4に掛けられている部分を覆う必要がないので、エレベーターの保守点検時の作業性を向上させることができる。
なお、上記実施の形態1では、ロープ5の数が1本であるエレベーターについて説明したが、ロープ5の数が複数本であるエレベーターの場合には、各ロープ5に対して、ロープ5の自励振動の周波数fvibとロープ5の固有周波数fnとが等しくなるようにする必要がある。各ロープ5の張力Tにばらつきがなく全て等しい場合には、各ロープ5の接点5aから接点5bまでの長さLは全て同一の長さとすればよく、振動付与滑車8aおよび振動付与滑車8bに対して、ロープ5の本数分だけ溝を設ければよい。一方、各ロープ5の張力Tにばらつきがある場合には、振動付与滑車8aおよび振動付与滑車8bをロープ5の本数分だけ設けて、各ロープ5に対して、ロープ5の接点5aから接点5bまでの長さLを調整する必要がある。ただし、油受けカバー9については、ロープ5の本数分を用意する必要はなく、各ロープ5の接点5aから接点5bまでの全てを覆う大きさの油受けカバー9を1つ設ければよい。また、油回収運転を終了するタイミングは、油回収量がロープ5の本数分だけ増加することに注意して判断する必要がある。
図4は実施の形態1に係るエレベーターの油飛散防止装置の変形例を示す構成図である。図4では、エレベーターの油飛散防止装置が取り付けられるエレベーターも示している。この変形例では、振動付与滑車8aおよび振動付与滑車8bは、ロープ5の長手方向に視た場合に、ロープ5の径方向について片側に配置されている。その他の構成は、実施の形態1と同様である。この場合であっても、実施の形態1と同様の効果が得られる。また、振動付与滑車8aおよび振動付与滑車8bをこのように配置する場合、実施の形態1と比較して、ロープ5に対して逆曲げの力が加えられないので、ロープ曲げ疲労寿命への影響を低減させることができる。
また、上記実施の形態1では、振動付与滑車8a、振動付与滑車8bおよび油受けカバー9が昇降路1に配置される構成について説明したが、振動付与滑車8bおよび油受けカバー9が機械室2に配置される構成であってもよい。
また、上記実施の形態1では、ロープ5における綱車3とかご6との間の部分に振動付与滑車8aおよび振動付与滑車8bが設けられている構成について説明したが、ロープ5における綱車3とそらせ車4との間の部分またはロープ5におけるそらせ車4と釣り合いおもり7との間の部分に振動付与滑車8aおよび振動付与滑車8bが設けられる構成であってもよい。ロープ5におけるそらせ車4と釣り合いおもり7との間の部分に振動付与滑車8aおよび振動付与滑車8bが設けられる構成の場合、振動付与滑車8a、振動付与滑車8bおよび油受けカバー9は、昇降路1を昇降する釣り合いおもり7の移動経路に重ならない位置に配置される必要がある。言い換えれば、振動付与滑車8a、振動付与滑車8bおよび油受けカバー9は、釣り合いおもり7と干渉しない位置に配置される必要がある。
図5は実施の形態1に係るエレベーターの油飛散防止装置の変形例を示す構成図である。図5では、エレベーターの油飛散防止装置が取り付けられるエレベーターも示している。この変形例では、実施の形態1の振動付与滑車8bの代わりに綱車3が利用されている。言い換えれば、振動付与滑車として、綱車3が利用されている。その他の構成は、実施の形態1と同様である。この場合であっても、実施の形態1と同様の効果が得られる。また、同様にして、振動付与滑車8bの代わりにそらせ車4を利用する構成であっても、実施の形態1と同様の効果が得られる。
図6は実施の形態1に係るエレベーターの油飛散防止装置の変形例を示す構成図である。図6では、エレベーターの油飛散防止装置が取り付けられるエレベーターも示している。この変形例では、実施の形態1の振動付与滑車8aおよび振動付与滑車8bの代わりに綱車3およびそらせ車4が利用されている。言い換えれば、振動付与滑車として、綱車3およびそらせ車4が利用されている。その他の構成は、実施の形態1と同様である。この場合であっても、実施の形態1と同様の効果が得られる。なお、この場合、ロープ5における綱車3との接点5aからロープ5におけるそらせ車4との接点5bまでの長さLを調整することができないので、ロープ5の張力Tまたはロープ5の速度Vを調整する必要がある。
また、上記実施の形態1では、ロープ5の自励振動は、ロープピッチ長さが振動付与滑車を通過する周期により発生する例について説明したが、ロープ5の自励振動は、隣接するストランドの山同士の長さが振動付与滑車を通過する周期によっても発生する。したがって、上記の式(1)において、pは隣接するストランドの山同士の長さであっても同様の効果が得られる。
実施の形態2.
図7はこの発明の実施の形態2に係るエレベーターの油飛散防止装置を示す構成図である。図7では、エレベーターの油飛散防止装置が取り付けられるエレベーターも示している。図において、昇降路1の上方には、機械室2が設けられている。機械室2には、綱車3およびそらせ車4が設けられている。そらせ車4は、綱車3の近傍に配置されている。綱車3およびそらせ車4には、ロープ5が巻き掛けられている。ロープ5の第1端部は、機械室2に接続されている。ロープ5の第2端部は、機械室2に接続されている。ロープ5における綱車3と第1端部との間の部分は、かご6に取り付けられている吊り車11aおよび吊り車11bに巻き掛けられている。かご6は、吊り車11aおよび吊り車11bを介してロープ5に支持されている。ロープ5におけるそらせ車4と第2端部との間の部分は、釣り合いおもり7に取り付けられている吊り車11cに巻き掛けられている。釣り合いおもり7は、吊り車11cを介してロープ5に支持されている。かご6および釣り合いおもり7は、昇降路1に配置されている。
図7はこの発明の実施の形態2に係るエレベーターの油飛散防止装置を示す構成図である。図7では、エレベーターの油飛散防止装置が取り付けられるエレベーターも示している。図において、昇降路1の上方には、機械室2が設けられている。機械室2には、綱車3およびそらせ車4が設けられている。そらせ車4は、綱車3の近傍に配置されている。綱車3およびそらせ車4には、ロープ5が巻き掛けられている。ロープ5の第1端部は、機械室2に接続されている。ロープ5の第2端部は、機械室2に接続されている。ロープ5における綱車3と第1端部との間の部分は、かご6に取り付けられている吊り車11aおよび吊り車11bに巻き掛けられている。かご6は、吊り車11aおよび吊り車11bを介してロープ5に支持されている。ロープ5におけるそらせ車4と第2端部との間の部分は、釣り合いおもり7に取り付けられている吊り車11cに巻き掛けられている。釣り合いおもり7は、吊り車11cを介してロープ5に支持されている。かご6および釣り合いおもり7は、昇降路1に配置されている。
エレベーターは、2:1ローピングのエレベーターとなっている。ロープ5における吊り車11aが接触する点を接点5cとし、ロープ5における吊り車11bが接触する点を接点5dとする。ロープ5における接点5cから接点5dまでの部分を油受けカバー9bが覆っている。油受けカバー9bは、固定部材10dを介してかご6に固定されている。吊り車11aおよび吊り車11bは、一対の振動付与滑車を構成している。
ロープ5におけるそらせ車4と吊り車11cとの間の部分には、振動付与滑車8cが設けられている。振動付与滑車8cは、ロープ5に接触している。ロープ5における振動付与滑車8cが接触する点を接点5eとし、ロープ5における吊り車11cが接触する点を接点5fとする。振動付与滑車8cは、固定部材10eを介して釣り合いおもり7に回転可能に支持されている。ロープ5における接点5eから接点5fまでの部分を油受けカバー9cが覆っている。油受けカバー9cは、固定部材10fを介して釣り合いおもり7に固定されている。吊り車11cおよび振動付与滑車8cは、一対の振動付与滑車を構成している。
このエレベーターの油飛散防止装置では、振動付与装置は、複数の一対の振動付与滑車を有している。
この発明の実施の形態2に係るエレベーターの油飛散防止装置は、ロープ5を共振させてロープ5から過剰油を飛ばして回収する区間が複数設けられている。具体的には、ロープ5における接点5cから接点5dまでの間と、ロープ5における接点5eから接点5fまでの間とが過剰油を飛ばして回収する区間である。
ロープ5における過剰油を回収する範囲は、ロープ5の全長の中で、エレベーターに設けられた滑車を通過する全範囲である。ここで、エレベーターに設けられた滑車とは、綱車3、そらせ車4、吊り車11a、吊り車11bおよび吊り車11cである。
エレベーターの油飛散防止装置をエレベーターに取り付けた状態で終端階往復運転を行うことにより、ロープ5の中で過剰油を回収したい範囲の全てが、過剰油を飛ばして回収する区間を通過する。したがって、実施の形態1で示した図2のフローチャートと同様の手順を行うことにより、過剰油が回収される。その他の構成は、実施の形態1と同様である。
以上説明したように、この発明の実施の形態2に係るエレベーターの油飛散防止装置によれば、ロープ5を共振させてロープ5から過剰油を飛ばして回収する構成を複数設けられているので、ロープ5の中で過剰油を回収した範囲の全てが、過剰油を飛ばして回収する区間を通過することができる。これにより、エレベーターの通常運転時に過剰油がロープ5からロープ5の周囲に飛散することをより確実に防止することができる。
なお、上記実施の形態2では、機械室2を備えたエレベーターに取り付けられるエレベーターの油飛散防止装置の構成について説明したが、これに限らず、機械室レスのエレベーターに取り付けられるエレベーターの油飛散防止装置であってもよい。ここで、返し車をさらに設けて巻上機を昇降路1下部に配置する構成である場合には、ロープ5が滑車を通過する範囲が広くなる。この場合であっても、ロープ5を共振させてロープ5から過剰油を飛ばして回収する構成を複数設けて、ロープ5の過剰油を回収したい範囲の全てが、過剰油を飛ばして回収する区間を通過することで、エレベーターの通常運転時に過剰油がロープ5からロープ5の周囲に飛散することをより確実に防止することができる。ここで、振動付与滑車として、返し車を利用してもよい。
実施の形態3.
図8はこの発明の実施の形態3に係るエレベーターの油飛散防止装置を示す構成図である。図8では、エレベーターの油飛散防止装置が取り付けられるエレベーターも示している。実施の形態3では、実施の形態1に記載の振動付与滑車8aおよび振動付与滑車8bの代わりに、振動付与滑車8dが設けられている。ロープ5における綱車3とかご6との間の部分に、振動付与滑車8dが配置されている。振動付与滑車8dは、ロープ5に接触している。振動付与滑車8dの回転軸81は、振動付与滑車8dの中心から径方向にずれて配置されている。言い換えれば、振動付与滑車8dには、中心から径方向にずれた位置に回転軸81が取り付けられている。
図8はこの発明の実施の形態3に係るエレベーターの油飛散防止装置を示す構成図である。図8では、エレベーターの油飛散防止装置が取り付けられるエレベーターも示している。実施の形態3では、実施の形態1に記載の振動付与滑車8aおよび振動付与滑車8bの代わりに、振動付与滑車8dが設けられている。ロープ5における綱車3とかご6との間の部分に、振動付与滑車8dが配置されている。振動付与滑車8dは、ロープ5に接触している。振動付与滑車8dの回転軸81は、振動付与滑車8dの中心から径方向にずれて配置されている。言い換えれば、振動付与滑車8dには、中心から径方向にずれた位置に回転軸81が取り付けられている。
このエレベーターの油飛散防止装置をエレベーターに取り付けた状態でエレベーターが運転すると、振動付与滑車8dにより、ロープ5に正弦波振動が加えられる。この振動の周波数f8dは、下記の式(3)で表される。
上記の式(3)において、Vはロープ5の速度、Dは振動付与滑車8dの直径である。また、この振動の振幅A8dは、下記の式(4)で表される。
上記の式(4)において、lは振動付与滑車8dの回転軸81から振動付与滑車8dの中心までの距離である。
このエレベーターの油飛散防止装置が取り付けられていないエレベーターにおいて過剰油に発生する慣性力は、ロープ5における綱車3に巻き掛けられている部分が綱車3を通過する時の回転による慣性力、ロープ5におけるそらせ車4に巻き掛けられている部分がそらせ車4を通過する時の回転による慣性力およびロープ5の自励振動による慣性力である。これらの慣性力よりも大きな慣性力が発生するように、上記の式(3)および式(4)で示した振動の周波数f8dおよび振幅A8dを調整する。また、実施の形態1で示した図2のフローチャートと同様の手順を行うことにより、過剰油が回収される。その他の構成は、実施の形態1と同様である。
以上説明したように、この発明の実施の形態3に係るエレベーターの油飛散防止装置によれば、振動付与滑車8dによりロープ5を振動させるので、実施の形態1と同様に、ロープ5を振動させてロープ5から過剰油を飛ばして回収することができる。これにより、エレベーターの通常運転時に過剰油がロープ5からロープ5の周囲に飛散することを防止することができる。
実施の形態4.
図9はこの発明の実施の形態4に係るエレベーターの油飛散防止装置を示す構成図である。図9では、エレベーターの油飛散防止装置が取り付けられるエレベーターも示している。実施の形態4では、実施の形態1に記載の振動付与滑車8aおよび振動付与滑車8bの代わりに、振動付与滑車8eが設けられている。ロープ5における綱車3とかご6との間の部分に、振動付与滑車8eが配置されている。振動付与滑車8eは、ロープ5に接触している。振動付与滑車8eは、面取りされた正方形形状の滑車となっている。
図9はこの発明の実施の形態4に係るエレベーターの油飛散防止装置を示す構成図である。図9では、エレベーターの油飛散防止装置が取り付けられるエレベーターも示している。実施の形態4では、実施の形態1に記載の振動付与滑車8aおよび振動付与滑車8bの代わりに、振動付与滑車8eが設けられている。ロープ5における綱車3とかご6との間の部分に、振動付与滑車8eが配置されている。振動付与滑車8eは、ロープ5に接触している。振動付与滑車8eは、面取りされた正方形形状の滑車となっている。
このエレベーターの油飛散防止装置が取り付けられたエレベーターが運転すると、振動付与滑車8eにより、ロープ5に振動が加えられる。この振動の周波数f8eは、下記の式(5)で表される。
上記の式(5)において、Vはロープ5の速度、aは面取りする前の正方形の辺の長さ、bは面取りの円弧の半径である。また、この振動の振幅A8eは下記の式(6)で表される。
実施の形態3と同様に、エレベーターの油飛散防止装置が取り付けられていないエレベーターにおいて過剰油に発生する慣性力よりも大きな慣性力が発生するように、上記の式(5)および式(6)で示した振動の周波数f8eおよび振幅A8eを調整する。また、実施の形態1で示した図2のフローチャートと同様の手順を行うことにより、過剰油が回収される。その他の構成は、実施の形態1と同様である。
以上説明したように、この発明の実施の形態4に係るエレベーターの油飛散防止装置によれば、振動付与滑車8eによりロープ5を振動させるので、実施の形態1と同様に、ロープ5を振動させてロープ5から過剰油を飛ばして回収することができる。これにより、エレベーターの通常運転時に過剰油がロープ5からロープ5の周囲に飛散することを防止することができる。
なお、上記実施の形態4では、振動付与滑車8eは面取りされた正方形形状の滑車である構成について説明したが、振動付与滑車8eは面取りされた正n角形形状の滑車であればよい。この場合、ロープ5に振動が加えられる振動の周波数f8e’は、下記の式(7)で表される。
上記の式(7)において、Vはロープ5の速度、aは面取りする前の正n角形の辺の長さ、bは面取りの円弧の半径である。また、この振動の振幅A8e’は、下記の式(8)で表される。
実施の形態5.
図10はこの発明の実施の形態5に係るエレベーターの油飛散防止装置を示す構成図である。図10では、エレベーターの油飛散防止装置が取り付けられるエレベーターも示している。実施の形態5では、実施の形態1における振動付与滑車8aおよび振動付与滑車8bの代わりに、振動付与滑車8fが設けられている。振動付与滑車8fの回転軸81は、ロープ5の長手方向に対して垂直の方向に移動可能となっている。振動付与滑車8fは、回転軸81とともにロープ5の長手方向に対して垂直の方向に移動する。振動付与滑車8fは、ロープ5に接触した状態で、ロープ5の長手方向に対して垂直の方向に移動する。これにより、ロープ5には、振動が加えられる。
図10はこの発明の実施の形態5に係るエレベーターの油飛散防止装置を示す構成図である。図10では、エレベーターの油飛散防止装置が取り付けられるエレベーターも示している。実施の形態5では、実施の形態1における振動付与滑車8aおよび振動付与滑車8bの代わりに、振動付与滑車8fが設けられている。振動付与滑車8fの回転軸81は、ロープ5の長手方向に対して垂直の方向に移動可能となっている。振動付与滑車8fは、回転軸81とともにロープ5の長手方向に対して垂直の方向に移動する。振動付与滑車8fは、ロープ5に接触した状態で、ロープ5の長手方向に対して垂直の方向に移動する。これにより、ロープ5には、振動が加えられる。
図11は図10の振動付与滑車8fが変位した状態を示す図である。振動付与滑車8fは、ロープ5の長手方向に対して垂直の方向に移動することによって、ロープ5に接触する接触位置と、ロープ5から離れる離間位置との間で変位する。エレベーターの油飛散防止装置による油回収運転を行わない場合には、振動付与滑車8fの位置が離間位置となる。
振動付与滑車8fには、振動付与滑車8fを変位させる図示しない駆動装置が設けられている。ロープ5の長手方向に対して垂直の方向ついての振動付与滑車8fの位置は、任意の位置に制御可能となっている。したがって、駆動装置が振動付与滑車8fを変位させることによって、ロープ5に任意の振動を加えることができる。
実施の形態3と同様に、エレベーターの油飛散防止装置が取り付けられていないエレベーターにおいて過剰油に発生する慣性力よりも大きな慣性力が発生するように、振動付与滑車8fでロープ5に加えられる振動の周波数および振幅を調整する。また、実施の形態1で示した図2のフローチャートと同様の手順により、過剰油が回収される。その他の構成は、実施の形態1と同様である。
次に、エレベーターの油飛散防止装置を用いてロープ5の定期メンテナンスを実施する方法について説明する。図12は図10のエレベーターの油飛散防止装置を用いてロープ5の定期メンテナンスを実施する手順を示すフローチャートである。まず、ステップS201において、本装置取付工程を行う。本装置取付工程では、図11に示すように、振動付与滑車8fがロープ5に接触しない位置である離間位置に配置する。
その後、ステップS202において、エレベーター運用工程を行う。エレベーター運用工程では、エレベーターの運用を開始し、エレベーターが通常運転を行う。
その後、ステップS203において、ロープメンテナンス実施判断工程を行う。ロープメンテナンス実施判断工程では、ロープ5のメンテナンスを実施するか否かを判断する。ロープ5のメンテナンスを実施するか否かの判断の方法としては、例えば、エレベーターの定期点検毎に実施する方法、前回にロープ5をメンテナンスした時からのエレベーターの起動回数が予め設定された回数を超えた場合に実施する方法などが挙げられる。ロープ5のメンテナンスを実施しないと判断する場合、ステップS202に戻る。一方、ロープ5のメンテナンスを実施すると判断する場合、ステップS204において、油塗布工程を行う。油塗布工程では、ロープ5に油を塗布する。
その後、ステップS205において、油回収運転工程を行う。油回収運転工程では、振動付与滑車8fをロープ5に接触する位置である接触位置に移動させて、さらに、振動付与滑車8fでロープ5に振動を与える。これにより、過剰油が回収される。
その後、ステップS206において、油回収完了判断工程を行う。油回収完了判断工程では、ロープ5に供給された過剰油の回収が完了して、油回収運転を終了するか否かの判断を行う。油回収完了判断工程は、実施の形態1と同様である。油回収運転を終了しないと判断する場合には、ステップS205に戻る。一方、油回収運転を終了すると判断する場合には、振動付与滑車収納工程を行う。振動付与滑車収納工程では、振動付与滑車8fをロープ5から離れる位置である離間位置に移動させる。その後、ステップS202に戻り、エレベーターの運用を再開する。
以上説明したように、この発明の実施の形態5に係るエレベーターの油飛散防止装置によれば、振動付与滑車8fによりロープ5を振動させるので、実施の形態1と同様に、ロープ5を振動させてロープ5から過剰油を飛ばして回収することができる。これにより、エレベーターの通常運転時に過剰油がロープ5からロープ5の周囲に飛散することを防止することができる。
また、振動付与滑車8fは、ロープ5に接触する接触位置と、ロープ5から離れる離間位置との間で変位するので、エレベーター運用工程において振動付与滑車8fをロープ5から離れる位置に配置することができる。これにより、エレベーター運用工程においてエレベーターの油飛散防止装置をエレベーターから取り外す必要がなくなる。その結果、エレベーターの油飛散防止装置をエレベーターに常設することができる。したがって、短時間でロープ5のメンテナンスを行うことができる。
また、この発明の実施の形態5に係るエレベーターロープのメンテナンス方法によれば、ロープ5に油を多めに塗布した場合であっても、直後に実施される油回収運転工程において、過剰油が回収され、ロープ5に残る油の量を適切な量にすることができるので、ロープ5に塗布する油の量を厳密に調整する必要がなくなる。その結果、効率よくロープ5の定期メンテナンスを実施することができる。
また、このエレベーターロープのメンテナンス方法によれば、油回収運転工程の後、振動付与滑車8fをロープ5から離す振動付与滑車収納工程をさらに備えているので、エレベーター運用工程においてエレベーターの油飛散防止装置をエレベーターから取り外す必要がなくなる。その結果、エレベーターの油飛散防止装置をエレベーターに常設することができる。したがって、短時間でロープ5のメンテナンスを行うことができる。
なお、上記実施の形態5では、振動付与滑車8fがロープ5に接触する接触位置とロープ5から離れる離間位置との間で変位可能となっている構成について説明したが、実施の形態1〜4に記載のエレベーターの油飛散防止装置に対して、振動付与滑車をロープ5から離れる位置に移動させて固定できる機構を追加した構成であってもよい。
1 昇降路、2 機械室、3 綱車、4 そらせ車、5 ロープ、5a 接点、5b 接点、5c 接点、5d 接点、5e 接点、5f 接点、6 かご、7 釣り合いおもり、8 振動付与装置、8a 振動付与滑車、8b 振動付与滑車、8c 振動付与滑車、8d 振動付与滑車、8e 振動付与滑車、8f 振動付与滑車、9 油受けカバー、9b 油受けカバー、9c 油受けカバー、10a 固定部材、10b 固定部材、10c 固定部材、10d 固定部材、10e 固定部材、10f 固定部材、11a 吊り車、11b 吊り車、11c 吊り車、81 回転軸。
Claims (9)
- 移動中のロープに振動を与えて、前記ロープから油を飛散させる振動付与装置と、
前記振動付与装置によって前記ロープから飛散した油を受ける油受けカバーと
を備えているエレベーターの油飛散防止装置。 - 前記振動付与装置は、前記ロープの長手方向に離れて設けられそれぞれが前記ロープに接触する一対の振動付与滑車を有し、前記ロープの自励振動の振動数と、前記ロープにおける各前記振動付与滑車の間の部分の固有振動数とを一致させて前記ロープを共振させることによって、前記ロープから油を飛散させる請求項1に記載のエレベーターの油飛散防止装置。
- 前記一対の振動付与滑車の少なくとも一方は、綱車、そらせ車、返し車、かごに設けられた吊り車または釣り合いおもりに設けられた吊り車である請求項2に記載のエレベーターの油飛散防止装置。
- 前記振動付与装置は、複数の前記一対の振動付与滑車を有し、
前記ロープにおける綱車、そらせ車、返し車、かごに設けられた吊り車および釣り合いおもりに設けられた吊り車を通過する全範囲は、複数の前記一対の振動付与滑車の中の何れかの前記一対の振動付与滑車の間を通過する請求項2または請求項3に記載のエレベーターの油飛散防止装置。 - 前記振動付与装置は、回転軸と、回転軸を中心に回転する振動付与滑車とを有し、
前記回転軸は、前記振動付与滑車の中心から径方向にずれて配置されている請求項1に記載のエレベーターの油飛散防止装置。 - 前記振動付与装置は、面取りされた正多角形状の振動付与滑車を有している請求項1に記載のエレベーターの油飛散防止装置。
- 前記振動付与装置は、振動付与滑車と、前記振動付与滑車を前記ロープの長手方向に対して垂直な方向に変位させる駆動装置とを有している請求項1に記載のエレベーターの油飛散防止装置。
- ロープに油を塗布する油塗布工程と、
前記油塗布工程の後、前記ロープを移動させながら前記ロープに振動を与えて前記ロープから油を飛散させ、前記ロープから飛散した油を回収する油回収運転工程と
を備えているエレベーターロープのメンテナンス方法。 - 前記油回収運転工程の後、移動中の前記ロープに振動を与えて前記ロープから油を飛散させる振動付与装置を前記ロープから離す振動付与滑車収納工程をさらに備えている請求項8に記載のエレベーターロープのメンテナンス方法。
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CN116812713A (zh) * | 2023-08-28 | 2023-09-29 | 成都思越智能装备股份有限公司 | 一种电梯钢丝绳缺陷检测方法 |
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