JP2017222268A - 重量物移動台車 - Google Patents
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Abstract
【課題】 家庭や事務所等で使用する家具等の重量物を一人で移動させるときに、重量物の下面四隅に設置して使用する重量物移動台車において、壁際コーナー部や複数並べて置かれた重量物の下面四隅の奥一点、あるいは二点に重量物移動台車を設置する事が、一人での作業では困難なことから、重量物の引き出しや移動を行う事が出来ない状況に於いても、重量物を一人の作業で安全、容易に引き出しや移動が出来る重量物移動台車を提供する。【解決手段】重量物の下面に挿入され、前記重量物と接する天板を上部に有する台車本体と、前記台車本体の下部に設けられ、所定の軸で軸支された複数のローラと、複数台の前記台車本体を直線状に連結する連結部を備え、前記連結部は、弾性部材を配置して構成した長尺の台車を、重量物の前面から挿入し、重量物奥行きの中間より更に奥まで前記台車本体の先頭を到達設置することにより、重量物を安全・容易に移動できるようにした。【選択図】 図2
Description
本発明は、一般家庭や事務所等で使用する家具等の重量物を、一人で移動させるために使用する重量物移動台車に関するものである。
図13、図14および図15は従来の重量物移動台車を示している。これら重量物移動台車は、図10に示す様なテコの原理を応用した持ち上げ装置30を補助に使い、フォーク31で重量物下面を持ち上げることにより、重量物下面に設置して使用されるものであり、この従来例は、例えば、特許文献1に記載されているもの、特許文献2に記載されているもの及び、特許文献3に記載されているものと同種のものである。本体の上に水平回動あるいは、水平回動及び垂直伸縮可能に軸承された回転台が設けられ、かつ前側枠から前方に突出するつまみを備え、下端部には軸支された複数のローラを持った構造の移動台車を、少なくとも4つ用いて家具等の重量物の下面4隅に挿入して該重量物を支持しながら,その該重量物から受ける荷重により該重量物と一体化して移動できるものであった。
登録実用新案第3051835号公報
特許公開2010−143419号公報
特許第5187605号
上記の重量物移動台車においては、図10に示す様なテコの原理を応用した持ち上げ装置30を補助的に使い、一人での作業で、フォーク31により重量物10の下面10aを持ち上げ、図11に示すように、重量物移動台車1a,1b,1c,1dを重量物10の下面4隅に設置することにより、該重量物10を支持しながら,該重量物10から受ける荷重により該重量物10と一体化し、作業者は該重量物10の重量の約5%から10%の力で該重量物10を移動できるものであるが、一人の作業で移動のできる重量物は、周囲に障害物のない場所に置かれ、下面4隅に重量物移動台車が挿入可能なものに限られていた。
多くの場合、家具等の重量物10は、部屋の壁際コーナーや複数並べて置いてあり、該重量物10の後ろ側に廻り込んでの作業は不可能であった。よって、該重量物10の下面4隅全てに重量物移動台車を設置することは困難であり、該重量物10の前面側からだけの作業で、重量物移動台車の設置を余儀なくされていた。そのため、一人での移動は諦めるか、あるいは、図12に示すように、重量物移動台車1a、1b、1c、の3台での移動を試みていたが、重量物移動台車1a、1b、1c、の3台で該重量物10を支持した場合、該重量物10を安定的に保持できる重量配分は大凡53%乃至55%に限られることから、該重量物10を移動すべく、該重量物10の重量の約6%から10%の力で押し引きすると、該重量物10は、重量物移動台車1a、1cの接線上を中心に揺動を起こし、移動することが出来なかった。
そこで、本発明は、部屋の壁際コーナーや、複数並べて置いてある家具等の重量物を一人で、容易に安定良く、かつ安全に移動できる重量物移動台車を提供することを目的とするものである。
上記の課題を解決するためになされた本発明の重量物移動台車は、重量物の下面に挿入され、前記重量物と接する天板を上部に有する台車本体と、前記台車本体の下部に設けられ、所定の軸で軸支された複数のローラと、複数台の前記台車本体を直線状に連結する連結部を備え、前記連結部は、弾性部材を配置して構成したこと、を特徴とするものである。
又本発明は、前記連結部は、平板を屈曲させて弾性を有するように形成されること、を特徴とするものである。
又本発明は、前記連結部は、少なくとも、前記重量物の下面に最初に挿入される位置にある前記台車本体である先頭台車本体の長さが、前記先頭台車本体以外の前記台車本体の全体の長さよりも短いこと、を特徴とするものである。
又本発明は、前記先頭台車本体に設けられている前記ローラの間隔が、前記先頭台車本体以外の前記台車本体に設けられている前記ローラの間隔より短いこと、を特徴とするものである。
又本発明は、前記台車本体及び前記連結部は、一体成型されていること、を特徴としているものである。
これによれば、部屋の壁際コーナーや、複数並べて置いてある家具等で、該重量物10の下面4隅全てに重量物移動台車を設置することが困難な場合においても、図6及び図9に示すように、全長の長い、本発明の重量物移動台車1eは、該重量物10の前面から、該重量物10の下面奥行き半ば以上の奥まで、設置することが可能になる。
これにより、図6に示すように、従来の重量物移動台車1a、1bと、本発明の重量物移動台車1eで該重量物10を保持した時、該重量物10を安定的に保持できる重量配分は大凡75%乃至80%以上になる。このことから、従来の重量物移動台車1a、1b、と、本発明の重量物移動台車1eで該重量物10を移動するとき、該重量物10は、該重量物10の重量の50%乃至60%以上の力で押し引きされない限り揺動することは無い。さらに、図7に示すように、本発明の重量物移動台車1e及び1fの2台使用の場合も同様に該重量物10は、該重量物10の重量の50%乃至60%以上の力で押し引きされない限り揺動することは無い。
図8は、本発明の重量物移動台車を用いて重量物を移動する時の台車の走行抵抗つまり該重量物を移動させるのに必要な力を試験した実測値であり、一般的な床材の畳、フローリング、カーペットにおいて測定したもので該重量物を移動させるのに必要な力は、畳の床で該重量物重量の10%、フローリングで該重量物重量の5%、カーペット床で該重量物重量の12%の値であった。つまりこの値5%乃至12%は、該重量物10を移動させるのに必要な押し引きの力であり、本発明の重量物移動台車を用いて重量物を移動する時に該重量物10が揺動を起こす力すなわち該重量物10の重量の50%乃至60%以上の値に比較し、大きく下回った値であり該重量物10は揺動を起こす事無く安定的に移動が可能になることを示している。
また、本発明の重量物移動台車は、全長を長くしたことにより、ローラ5及び軸6を多数配置できることから、耐荷重性、走行性を低下させることなくローラの径を従来の重量物移動台車に比較して小径に収めることが可能であり、高さの低い台車を提供出来ることになる。このことは、該重量物10の下面を必要以上に持ち上げることなく、より奥への挿入設置が可能になることを示している。
さらに、本発明の重量物移動台車は、該重量物10の下面奥深く挿入した時、図9に示すように、床40と重量物下面10aの角度Xに対応して連結部21が屈折し、先頭台車本体2の天板2aが重量物10の下面10aに当接し、該重量物10からの荷重を偏ることなく受け止める事ができる。
以上詳述したように、本発明に係る重量物移動台車は、複数の台車を直線的に連結し、全長を延伸一体化した長尺の重量物移動台車を構成したことから、部屋の壁際コーナーや、複数並べて置いてある家具等の該重量物10の下面4隅全てに重量物移動台車を設置することが困難で場合においても、一人の作業で、該重量物10の前面から、該重量物10下面の奥深くまで重量物移動台車を設置することが可能で、ほとんどの家具等の重量物の移動を、一人での作業で行う事ができる多大な効果が有る。
また、本発明の重量物移動台車は、全長を長くしたことにより、ローラ5及び軸6を多数配置できることから、耐荷重性、走行性を低下させることなくローラを小径に収めることが可能であり、高さの低い台車を提供でき、該重量物10の下面を必要以上に持ち上げることなく、一人での作業が安全で容易に行える多大な効果が有る。
さらに、重量物移動台車の設置作業中に、補助に使用した持ち上げ装置30のフォーク31を重量物下面10aから取り外し、該重量物の荷重を、重量物移動台車に換置する時においても、本発明の重量物移動台車1eは、連結部21が屈折し、先頭台車本体2の天板2aが重量物10の下面10aに当接していることから、該重量物10の荷重と前記角度Xにより発生する押し返しの反力や、ツマミ20側が跳ね上がるなどの異常動作を起こすことが無く、作業の安全に多大な効果が有る。また、連結部が屈折し、先頭台車本体2の天板2aが重量物10の下面10aに当接して角度が変わることは、先頭台車本体2は、さらに奥深くへの設置が可能になることから、安全面での効果が増加する。
図1〜図5は本発明に係る重量物移動台車1の実施形態を示している。この重量物移動台車1e,1fは合成樹脂製の先頭台車本体2及び台車本体3と、合成樹脂製のローラ5と、金属製のローラ軸6a,6b,6c,6d,6e,6f,6g,6h,6i,6jと、合成樹脂製の天板2a、3a及び連結部21により構成されたものである。
前記先頭台車本体2及び台車本体3は図1〜図5に示すように、天板2a、3aから前後左右側面2b、2c、2d、2e及び3b、3c、3d、3eまで、ローラを半分ほど覆う曲面形状の外面と、天板2a、3a、下面にリブ7を備え、前面3cの前側面にはツマミ20が設けられ、下面は開口している。
また、図2に示すように、天板2a、3aは、側面2c、3bを経て、屈曲状に結合し、弾性機能を持つ連結部21を構成し、先頭台車本体2及び台車本体3を一体化している。
また、図5に示すように、下面に設けられたリブ7は、前後左右の側面2b、2c、2d、2e及び3b、3c、3d、3eから蜂の巣状に一体成形され、さらに、ローラ軸6a,6b,6c,6d,6e,6f,6g,6h,6i,6jを支持する軸受け部25を左右の側面2c、2d、3c、3dおよびリブ7に40か所設け、ローラ5を20か所に別けて軸支できるように配置されている。
また、先頭台車本体2のローラ軸6a,6b,6cは、軸間距離を狭く配置し、先頭台車本体2の耐荷重能力を高めている。さらに、先頭台車本体2の全長は短くし、連結部が屈折して天板2aと重量物下面10aの当接が容易になるようにしている。
台車本体3は、多くのローラ軸6d〜6jを配置し、台車本体2に比較して軸間距離は広く配置し、台車本体3の全長を長くしている。
前記天板2a及び天板3aの上面には、摩擦係数の高いウレタン等の滑り止め8を付勢している。
以下、図1から図15を用いて本発明の重量物移動台車の動作を説明する。
従来台車の場合、図11に示すように、周囲に障害物のない場所に置かれた重量物10においては、図10に示す様なテコの原理を応用した持ち上げ装置30を補助的に使い、フォーク31により持ち上げられた重量物10の下面10aと床40の間隙に、重量物移動台車1aを設置し、順次、重量物移動台車1b、1c、1dをそれぞれ単独で、重量物10の下面四隅に設置することが、一人での作業で行え、該重量物10を安全容易に移動することが出来た。しかし、図12に示すように、壁際コーナーや複数並びで置かれた重量物10の場合、該重量物10の下面4隅全てに重量物移動台車を設置することは困難であり、重量物移動台車は、1a、1b、1c、の3台で該重量物10を保持する事になる。この時、該重量物10を安定的に保持できる重量配分は大凡53%乃至55%に限られ、該重量物10の重量の6%乃至10%の力が加わると該重量物10は揺動してしまい、移動は困難で有った。
従来台車の場合、図11に示すように、周囲に障害物のない場所に置かれた重量物10においては、図10に示す様なテコの原理を応用した持ち上げ装置30を補助的に使い、フォーク31により持ち上げられた重量物10の下面10aと床40の間隙に、重量物移動台車1aを設置し、順次、重量物移動台車1b、1c、1dをそれぞれ単独で、重量物10の下面四隅に設置することが、一人での作業で行え、該重量物10を安全容易に移動することが出来た。しかし、図12に示すように、壁際コーナーや複数並びで置かれた重量物10の場合、該重量物10の下面4隅全てに重量物移動台車を設置することは困難であり、重量物移動台車は、1a、1b、1c、の3台で該重量物10を保持する事になる。この時、該重量物10を安定的に保持できる重量配分は大凡53%乃至55%に限られ、該重量物10の重量の6%乃至10%の力が加わると該重量物10は揺動してしまい、移動は困難で有った。
本発明の重量物移動台車1e,1fにおいては、図1、図2に示すように、先頭台車本体2と台車本体3が直線的に連結し、長尺の重量物移動台車を構成していることから、壁際コーナーや複数並びで置かれた重量物10で、該重量物10の下面4隅全てに重量物移動台車を設置することが困難であっても、図6及び図9に示すように、本発明の重量物移動台車1eは、図10に示す様なテコの原理を応用した持ち上げ装置30を補助的に使いフォーク31により重量物10の下面10aと床40に確保した間隙に、該重量物10の前面からの作業で、該重量物10の奥行き半ば過ぎまで設置することが可能になり重量物移動台車1eは、該重量物10の奥を保持することができることになる。この時の、該重量物10を安定的に保持できる重量配分は大凡75%乃至80%であり、該重量物10の重量の50%乃至60%の力が加わらない限り該重量物10は揺動しないことから、図6に示す「台車走行負荷試験結果」のデーターにおけるタイルカーペット床での台車走行負荷の12%に対し4倍以上の安全率が確保され、安全な移動が可能になる。
さらに、本発明の重量物移動台車は、先頭台車本体2の全長は短く、台車本体3の全長は長く構成しているので、図9に示すように、重量物10の下面奥深くへの挿入設置する時、行き止まりになった位置で、先頭台車本体2と台車本体3の連結部21が屈折し易く、先頭台車本体2の天板2aが重量物10の下面10aに容易に当接し、該重量物10からの荷重を偏ることなく受け止める事ができることから本発明の重量物移動台車は、補助に使用した持ち上げ装置30を重量物下面から取り外し、該重量物の荷重を、重量物移動台車に換置する時においても押し返しの反力を受けることや、ツマミ20側が跳ね上がるなどの異常動作を起こすことなく、安全容易に一人での作業が可能となる。
また、図7に示すように、本発明の重量物移動台車を、2台使用しての該重量物10の移動も可能である。さらに、本発明の重量物移動台車は、全長を長くしたことにより、ローラ5及び軸6を多数配置できることから、耐荷重性、走行性を低下させることなくローラの径を従来の重量物移動台車に比較して小径に収め、高さの低い台車を提供出来ることになった。このことは、該重量物10の下面を必要以上に持ち上げることなく、より奥への挿入設置が可能になり、より安全容易な作業が一人で出来る。
1a従来の重量物移動台車
1b従来の重量物移動台車
1c従来の重量物移動台車
1d従来の重量物移動台車
1e本発明の重量物移動台車
1f本発明の重量物移動台車
2先頭台車本体
3台車本体
5ローラ
6a〜6jローラ軸
7リブ
8滑り止め
10重量物
10a重量物下面
20ツマミ
21連結部
25軸受
30持ち上げ装置
31フォーク
40床
1b従来の重量物移動台車
1c従来の重量物移動台車
1d従来の重量物移動台車
1e本発明の重量物移動台車
1f本発明の重量物移動台車
2先頭台車本体
3台車本体
5ローラ
6a〜6jローラ軸
7リブ
8滑り止め
10重量物
10a重量物下面
20ツマミ
21連結部
25軸受
30持ち上げ装置
31フォーク
40床
Claims (5)
- 重量物の下面に挿入され、前記重量物と接する天板を上部に有する台車本体と、前記台車本体の下部に設けられ、所定の軸で軸支された複数のローラと、複数台の前記台車本体を直線状に連結する連結部を備え、前記連結部は、弾性部材を配置して構成したこと、を特徴とする重量物移動台車。
- 前記連結部は、平板を屈曲させて弾性を有するように形成されること、を特徴としている請求項1に記載の重量物移動台車。
- 前記連結部は、少なくとも、前記重量物の下面に最初に挿入される位置にある前記台車本体である先頭台車本体の長さが、前記先頭台車本体以外の前記台車本体の全体の長さよりも短いこと、を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の重量物移動台車。
- 前記先頭台車本体に設けられている前記ローラの間隔が、前記先頭台車本体以外の前記台車本体に設けられている前記ローラの間隔より短いこと、を特徴とする請求項1〜請求項3に記載のいずれかの重量物移動台車。
- 前記台車本体及び前記連結部は、一体成型されていること、を特徴としている請求項1〜請求項4に記載のいずれかの重量物移動台車。
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