JP2017222216A - 4輪駆動車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】プロペラシャフトの回転が停止する2輪駆動時のシール部材へのオイルの供給量を従来に比較して向上させる4輪駆動車両を提供する。
【解決手段】中央車軸90の第1軸受100とシール部材156との間に、2輪駆動時に第2ユニットケース96内のオイルを掻き上げる掻上部材158が相対回転不能に設けられている。このため、プロペラシャフト28が回転停止して第2リングギヤ94によって第2ユニットケース96内のオイルが掻き上げられない2輪駆動時の場合には、後輪16が回転することによって中央車軸90と共に掻上部材158が回転させられるので、掻上部材158によって第2ユニットケース96内のオイルが掻き上げられて、シール部材156へのオイルの供給量が掻上部材158を設けていない従来の4輪駆動車両10に比較して向上する。
【選択図】図4

Description

本発明は、4輪駆動時に副駆動輪へ駆動源からの動力を伝達するプロペラシャフトを、2輪駆動時に前記駆動源および前記副駆動輪から切り離すディスコネクト機構を備える4輪駆動車両において、プロペラシャフトの回転が停止する2輪駆動時の例えばシール部材等へのオイルの供給量を向上させる技術に関するものである。
副駆動輪に動力伝達可能に接続された伝達軸へ駆動源からの動力を4輪駆動時に伝達するプロペラシャフトを、2輪駆動時に前記駆動源および前記伝達軸から切り離すディスコネクト機構と、ケース内において回転可能に支持され、前記プロペラシャフトに動力伝達可能に接続されたピニオンギヤに噛み合うリングギヤとを備える4輪駆動車両が知られている。例えば、特許文献1に記載された4輪駆動車両がそれである。上記のような4輪駆動車両には、例えば、前記リングギヤに内嵌されて前記伝達軸を相対回転可能に前記リングギヤと同心に支持するベアリングと、前記伝達軸の前記ベアリングよりも軸端側と前記ケースとの間に配設されたシール部材とを備えることが考えられ、4輪駆動時には前記リングギヤが回転して前記ケース内のオイルが掻き上げられることによって、前記ベアリングおよび前記シール部材等にオイルが供給させられる。
特開2015−193368号公報
しかしながら、上記のような4輪駆動車両では、2輪駆動時に前記ディスコネクト機構によって前記プロペラシャフトの回転が停止させられて前記リングギヤも回転しなくなるので、前記ベアリングおよび前記シール部材に供給されるオイルの供給量が低減してしまう問題があった。特に、前記ベアリングよりも軸端側に配設された前記シール部材には、4輪駆動時に前記ベアリングによって前記リングギヤの回転により掻き上げられたオイルの到達が制限されるので、前記シール部材へのオイルの供給が不足し易くなる。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、プロペラシャフトの回転が停止する2輪駆動時のシール部材へのオイルの供給量を従来に比較して向上させる4輪駆動車両を提供することにある。
第1発明の要旨とするところは、(a)副駆動輪に動力伝達可能に接続された伝達軸へ駆動源からの動力を4輪駆動時に伝達するプロペラシャフトを、2輪駆動時に前記駆動源および前記伝達軸から切り離すディスコネクト機構と、ケース内において回転可能に支持され、前記プロペラシャフトに動力伝達可能に接続されたピニオンギヤに噛み合うリングギヤと、前記リングギヤに内嵌されて前記伝達軸を相対回転可能に前記リングギヤと同心に支持するベアリングと、前記伝達軸の前記ベアリングよりも軸端側と前記ケースとの間に配設されたシール部材とを備える4輪駆動車両であって、(b)前記伝達軸の前記ベアリングと前記シール部材との間に、2輪駆動時に前記ケース内のオイルを掻き上げる掻上部材が相対回転不能に設けられていることにある。
第1発明によれば、前記伝達軸の前記ベアリングと前記シール部材との間に、2輪駆動時に前記ケース内のオイルを掻き上げる掻上部材が相対回転不能に設けられている。このため、前記プロペラシャフトが回転停止して前記リングギヤによって前記ケース内のオイルが掻き上げられない2輪駆動時の場合には、前記副駆動輪が回転することによって前記伝達軸と共に前記掻上部材が回転させられるので、前記掻上部材によって前記ケース内のオイルが掻き上げられて前記シール部材へのオイルの供給量が従来に比較して向上する。
本発明が好適に適用された4輪駆動車両の構成を概略的に説明する骨子図である。 図1の4輪駆動車両に設けられたトランスファの構成を説明する断面図である。 図1の4輪駆動車両に設けられた後輪用駆動力配分ユニットの構成を説明する断面図である。 図3の後輪用駆動力配分ユニットの一部を拡大する拡大図である。 図4のV−V視断面図である。 本発明の他の実施例の4輪駆動車両に設けられた掻上部材の形状を説明する断面図である。 本発明の他の実施例の4輪駆動車両に設けられた掻上部材の形状を説明する断面図である。
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の実施例において、図は適宜簡略化或いは変形されており、各部の寸法比および形状等は必ずしも正確に描かれていない。
図1は、本発明が好適に適用された4輪駆動車両10の構成を概略的に説明する骨子図である。図1において、4輪駆動車両10は、エンジン12を駆動源とし、エンジン12の動力を主駆動輪に対応する左右の前輪14Lおよび14R(特に区別しない場合には、前輪14という)に伝達する第1の動力伝達経路と、エンジン12の動力を副駆動輪に対応する左右の後輪16Lおよび16R(特に区別しない場合には、後輪16という)に伝達する第2の動力伝達経路とを備えているFFベースの4輪駆動装置を備えている。この4輪駆動車両10の2輪駆動状態では、エンジン12から自動変速機18を介して伝達された駆動力が前輪用駆動力配分ユニット20および左右の車軸22L、22Rを通して左右の前輪14Lおよび14Rへ伝達される。この2輪駆動状態では、少なくとも第1噛合クラッチ24が解放され、トランスファ26、プロペラシャフト28、および、後輪用駆動力配分ユニット30および後輪16へは動力が伝達されない。しかし、4輪駆動状態では、上記2輪駆動状態に加えて、第1噛合クラッチ24および第2噛合クラッチ32が共に係合されるとともに、左電磁カップリング34Lにより左車軸36Lおよび後輪16Lへの伝達トルクが制御され、且つ右電磁カップリング34Rにより右車軸36Rおよび後輪16Rへの伝達トルクが制御されるようになっている。
差動歯車装置から構成される前輪用駆動力配分ユニット20は、回転軸線C1まわりに回転可能に設けられ、自動変速機18の出力歯車18aと噛み合うリングギヤ20rと、それに固定されたデフケース(ディファレンシャルケース)20cと、デフケース20c内に収容された差動歯車機構20dとを有しており、前輪14の左右の車軸22L、22Rにそれらの差回転を許容しつつ駆動力を伝達する。なお、デフケース20cには、トランスファ26に設けられた入力軸38の軸端に形成された第1外周スプライン歯38aと嵌合する内周噛合歯20aが形成されている。
トランスファ26は、図1および図2に示すように、プロペラシャフト28を駆動するためにプロペラシャフト28の一端部に連結されたドリブンピニオン40と動力伝達のために噛み合う円筒状の第1リングギヤ42と、エンジン12からデフケース20cを介して前輪14Lおよび14Rへ伝達される駆動力の一部が入力される円筒状の入力軸38と、エンジン12からプロペラシャフト28への動力伝達経路において、エンジン12に動力伝達可能に連結されたデフケース20cとプロペラシャフト28との間すなわちデフケース20cに連結された入力軸38とプロペラシャフト28に連結された第1リングギヤ42との間を断接する第1噛合クラッチ24とを備えており、第1噛合クラッチ24が係合して入力軸38と第1リングギヤ42との間の動力伝達経路が接続されると、エンジン12から左右の前輪14Lおよび14Rに伝達される駆動力の一部が、プロペラシャフト28を介して左右の後輪16Lおよび16Rへ出力されるようになっている。
円筒状の入力軸38は、図2に示すように、円筒状の第1リングギヤ42の内側を貫通して、入力軸38の一部が第1リングギヤ42の内側に配置されている。また、円筒状の入力軸38は、第1ユニットケース44内に設けられた一対の軸受46、48に両端部が支持されることによって、入力軸38が回転軸線C1まわりに回動可能にすなわち第1リングギヤ42と同心に回転可能に支持されている。また、円筒状の入力軸38には、入力軸38の前輪14L側の端部の外周面に形成された第1外周スプライン歯38aと、入力軸38の中央部の外周面に形成された第2外周スプライン歯38bと、入力軸38の前輪14R側の端部の外周面に形成された第3外周スプライン歯38cとが一体に備えられている。
第1噛合クラッチ24には、第1リングギヤ42の軸部42aの前輪14L側の側面42bに形成された第1噛合歯42cと、入力軸38に対して回転軸線C1まわりの相対回転が不能且つ回転軸線C1方向の移動が可能にその入力軸38の第2外周スプライン歯38bに噛み合う内周噛合歯50aが形成され、回転軸線C1方向に移動することにより第1噛合歯42cとの噛み合いが可能な第1噛合歯50bが形成された円筒状の第1可動スリーブ50と、第1可動スリーブ50を回転軸線C1方向に移動させて、第1可動スリーブ50を第1コネクト位置と第1ディスコネクト位置とに移動させる第1移動機構52とが備えられている。なお、上記第1コネクト位置は、第1可動スリーブ50が回転軸線C1方向に移動し第1可動スリーブ50の第1噛合歯50bが第1リングギヤ42の第1噛合歯42cと噛み合う位置であり、上記第1コネクト位置では、第1リングギヤ42と入力軸38との相対回転が不能となり、第1噛合クラッチ24が係合させられる。また、上記第1ディスコネクト位置は、第1可動スリーブ50が回転軸線C1方向に移動し第1可動スリーブ50の第1噛合歯50bが第1リングギヤ42の第1噛合歯42cと噛み合わない位置であり、上記第1ディスコネクト位置では、第1リングギヤ42と入力軸38との相対回転が可能となり、第1噛合クラッチ24が解放させられる。
第1移動機構52には、第1ボールカム54と、第1アクチュエータ56と、第1スプリング58と、第1ラチェット機構(掛外し機構)60とが備えられている。第1アクチュエータ56は、第1補助クラッチ62と第1補助クラッチ62に回転制動トルクを発生させる第1電磁コイル64とを有し、第1ユニットケース44に一体的に固定されている。第1ボールカム54は、第1アクチュエータ56により第1補助クラッチ62を介して後述する環状の第2ケージ66に回転制動トルクが発生させられると、入力軸38の回転力を入力軸38の回転軸線C1方向の推力に変換する装置である。第1ラチェット機構60は、第1ボールカム54により変換された推力によって第1可動スリーブ50を移動させ且つ第1可動スリーブ50の移動位置を保持する。第1スプリング58は、一対の軸受46、48において前輪14L側の軸受46と第1可動スリーブ50との間に介在されており、第1可動スリーブ50を前記第1ディスコネクト位置から前記第1コネクト位置に向かって付勢すなわち第1可動スリーブ50を回転軸線C1方向において前輪14R側に付勢する。これによって、第1移動機構52は、第1アクチュエータ56において第1電磁コイル64と第1補助クラッチ62とで第2ケージ66に回転制動トルクを付与して第1ボールカム54に回転軸線C1方向の推力を発生させ、後述する第1ケージ68で第1ラチェット機構60を介して第1可動スリーブ50を第1スプリング58の付勢力に抗して回転軸線C1方向に移動させる。
第1ラチェット機構60は、第1アクチュエータ56の第1電磁コイル64が円板状の可動片69を吸着することにより第1ボールカム54を介して所定のストロークで回転軸線C1方向に往復移動させられる環状の第1ピストン68aと、入力軸38に対して相対回転可能に設けられ、第1ピストン68aにより第1スプリング58の付勢力に抗して回転軸線C1方向に移動させられる環状の第2ピストン70と、掛止歯を有して入力軸38に対して相対回転不能かつ回転軸線C1方向の移動不能に設けられ、その掛止歯で第1ピストン68aにより移動させられた第2ピストン70を掛け止める環状のホルダー72とを備えている。第1ラチェット機構60では、第1ピストン68aが回転軸線C1方向に往復移動させられることで、第2ピストン70によって第1可動スリーブ50が前記第1ディスコネクト位置へ第1スプリング58の付勢力に抗して移動させられ、第2ピストン70がホルダー72の掛止歯に掛け止められる。そして、さらに、第1ピストン68aが回転軸線C1方向に往復移動させられると、第2ピストン70がホルダー72の掛止歯から掛け外されて第1スプリング58の付勢力に従って第1可動スリーブ50が前記第1コネクト位置へ移動させられる。なお、第1ボールカム54の第1ケージ68には、図2に示すように、第1ラチェット機構60の第1ピストン68aが一体に設けられており、第1ラチェット機構60は、第1ボールカム54の第2ケージ66と第1可動スリーブ50との間に配設されている。
第1ボールカム54は、第1ラチェット機構60の第2ピストン70と一対の軸受46、48における前輪14R側の軸受48との間に、回転軸線C1方向において重なるように介挿された環状の一対の第1ケージ68および第2ケージ66と、それら第1ケージ68と第2ケージ66とにおいて周方向の複数箇所に形成された、周方向で深さが変化する互いに対向する溝状の一対のカム面66a、68bで挟まれた複数個の球状転動体74とを有し、それら第1ケージ68と第2ケージ66とが相対回転させられると、第1ケージ68と第2ケージ66とが回転軸線C1方向に離隔させられる。これによって、第1ボールカム54により第1ピストン68aが回転軸線C1方向において前輪14R側、前輪14L側へ1回往復移動させられると、図2に示すように、第1可動スリーブ50が第1ラチェット機構60を介して前記第1ディスコネクト位置へ第1スプリング58の付勢力に抗して移動させられる。そして、第1可動スリーブ50の第1噛合歯50bと第1リングギヤ42の第1噛合歯42cとの噛み合いが解かれて第1噛合クラッチ24が解放する。また、第1ボールカム54によって第1ピストン68aが2回往復移動すなわち第1可動スリーブ50が前記第1ディスコネクト位置に配置された状態でさらに第1ピストン68aが1回往復移動させられると、図示しないが、第2ピストン70がホルダー72の掛止歯から掛け外され第1可動スリーブ50が第1スプリング58の付勢力によって前記第1コネクト位置へ移動させられる。そして、第1可動スリーブ50の第1噛合歯50bと第1リングギヤ42の第1噛合歯42cとが噛み合わされ第1噛合クラッチ24が係合する。
また、第1アクチュエータ56において第1電磁コイル64と可動片69との間には、図2に詳細に示すように、第1電磁コイル64と可動片69との間に配設され、第1ユニットケース44に形成された内周スプライン歯44aと回転軸線C1回りの回転が不能且つ回転軸線C1方向の移動が可能に係合された円板状の一対の第1摩擦板76、78と、一対の第1摩擦板76、78との間に配設され、第2ケージ66に形成された外周スプライン歯66bと回転軸線C1回りの回転が不能且つ回転軸線C1方向の移動が可能に係合された円板状の第2摩擦板80とを有する第1補助クラッチ62が備えられている。また、環状の第1ケージ68と環状の第2ケージ66との間の周方向の複数箇所に形成された凹溝状のカム面68b、66aは、その周方向に向かうに連れてそれらカム面68b、66aの間の回転軸線C1方向における距離が短くなるように傾斜している。また、第1ケージ68の内周面には、入力軸38の第3外周スプライン歯38cと相対回転不能且つ回転軸線C1方向の移動可能に噛み合う内周噛合歯68cが形成されている。
また、図2に示すように、トランスファ26には、第1可動スリーブ50が前記第1コネクト位置に移動させられるのに先立って最も前記第1ディスコネクト位置側に移動したときに、第1可動スリーブ50の第1噛合歯50bの回転と第1リングギヤ42の第1噛合歯42cの回転とを略同期させる同期装置84が備えられている。
図1および図3に示すように、後輪用駆動力配分ユニット30は、プロペラシャフト28から左右の後輪16Lおよび16Rへの動力伝達経路に、プロペラシャフト28と左右の後輪16Lおよび16Rとの間を断接するための第2噛合クラッチ32と、第2噛合クラッチ32と左右の後輪16Lおよび16Rとの間の伝達トルクをそれぞれ制御する摩擦係合式の電子制御カップリングである左電磁カップリング34Lおよび右電磁カップリング34Rとを備えている。
後輪用駆動力配分ユニット30では、左電磁カップリング34Lは円筒形状の中央車軸(伝達軸)90と左車軸36Lとの間に介在させられ、右電磁カップリング34Rは中央車軸90と右車軸36Rとの間に介在させられている。後輪用駆動力配分ユニット30には、プロペラシャフト28に動力伝達可能に接続されたドライブピニオン(ピニオンギヤ)92と噛み合う外周係合歯94aを有する第2リングギヤ(リングギヤ)94が中央車軸90と同心で且つ相対回転可能に設けられており、第2噛合クラッチ32は、それら中央車軸90と第2リングギヤ94との間の動力伝達経路を断接する。
円筒状の第2リングギヤ94は、図3および図4に示すように、例えば斜歯又はハイポイドギヤが形成された傘歯車であり、第2リングギヤ94の内周部から後輪16L側に略円筒状に突出する軸部94bが形成されている。また、円筒状の第2リングギヤ94は、第2ユニットケース(ケース)96内に設けられた軸受98により軸部94bが支持されることによって、第2ユニットケース内において回転軸線C2まわりに回転可能に片持状に支持されている。
円筒状の中央車軸90は、図3および図4に示すように、円筒状の第2リングギヤ94の内側を貫通して、中央車軸90の一部が第2リングギヤ94の内側に配置されている。また、円筒状の中央車軸90は、第2リングギヤ94の軸部94bに内嵌された第1軸受(ベアリング)100と第2ユニットケース96内に嵌合された第2軸受101とに両端部が支持されることによって、中央車軸90が回転軸線C2まわりに回動可能にすなわち第2リングギヤ94と同心に回転可能に支持されている。また、円筒状の中央車軸90には、中央車軸90の中央部の外周面に形成された第1外周スプライン歯90aと、中央車軸90の後輪16R側の端部の外周面に形成された第2外周スプライン歯90bとが一体に備えられている。
第2噛合クラッチ32は、左右の後輪16Lおよび16Rに単板クラッチまたは多板クラッチである左電磁カップリング34Lおよび右電磁カップリング34Rを介して両端がそれぞれ連結された中央車軸90とプロペラシャフト28との間の動力伝達経路を断接するための断接機構(ドグクラッチ)である。第2噛合クラッチ32には、図4に示すように、第2リングギヤ94の内周面に形成された第2噛合歯94cと、中央車軸90に対して回転軸線C2まわりの相対回転が不能且つ回転軸線C2方向の移動が可能に中央車軸90の第1外周スプライン歯90aに噛み合う内周噛合歯102aが形成され、回転軸線C2方向に移動することにより第2噛合歯94cとの噛み合いが可能な第2噛合歯102bが形成された円筒状の第2可動スリーブ102と、第2可動スリーブ102を回転軸線C2方向に移動させて、第2可動スリーブ102を第2コネクト位置と第2ディスコネクト位置とに移動させる第2移動機構104とが備えられている。なお、上記第2コネクト位置は、第2可動スリーブ102が回転軸線C2方向に移動し第2可動スリーブ102の第2噛合歯102bが第2リングギヤ94の第2噛合歯94cと噛み合う位置であり、上記第2コネクト位置では、第2リングギヤ94と中央車軸90との相対回転が不能となり、第2噛合クラッチ32が係合させられる。また、上記第2ディスコネクト位置は、第2可動スリーブ102が回転軸線C2方向に移動し第2可動スリーブ102の第2噛合歯102bが第2リングギヤ94の第2噛合歯94cと噛み合わない位置であり、上記第2ディスコネクト位置では、第2リングギヤ94と中央車軸90との相対回転が可能となり、第2噛合クラッチ32が解放させられる。
なお、第2噛合クラッチ32では、第1噛合クラッチ24が解放されている2輪駆動状態において、図1に示すように、第2移動機構104によって第2可動スリーブ102が前記第2ディスコネクト位置に移動させられて、プロペラシャフト28と後輪16Lおよび16Rとの間すなわち第2リングギヤ94と中央車軸90との間が解放されると、左右の後輪16Lおよび16Rからプロペラシャフト28が切り離されて、プロペラシャフト28等の回転抵抗による車両の走行抵抗が低減される。本実施例では、第1噛合クラッチ24および第2噛合クラッチ32がディスコネクト機構105に対応している。すなわち、ディスコネクト機構105では、第1噛合クラッチ24および第2噛合クラッチ32が解放されることによって、左電磁カップリング34L、右電磁カップリング34Rを介して後輪16L、16Rに動力伝達可能に接続された中央車軸90へエンジン12からの動力を4輪駆動時に伝達するプロペラシャフト28が、2輪駆動時にエンジン12および中央車軸90から切り離される。
左電磁カップリング34Lおよび右電磁カップリング34Rは、図3に示すように、第2ユニットケース96に固定された位置固定の環状の第3電磁コイル106Lおよび第4電磁コイル106Rと、第3電磁コイル106L、第4電磁コイル106Rに通電することにより発生する磁力によって副押圧部材108Lおよび108Rに摩擦トルクを発生させる副摩擦係合装置110Lおよび110Rと、傾斜凹溝内の球状転動体112Lおよび112Rを副押圧部材108Lおよび108Rとの間で挟持する主押圧部材114Lおよび114Rと、副押圧部材108Lおよび108Rの主押圧部材114Lおよび114Rに対する相対回転により発生するスラスト力を受けて摩擦トルクを発生させる主摩擦係合装置116Lおよび116Rとを備えている。主摩擦係合装置116Lおよび116Rは、左車軸36Lおよび右車軸36Rと嵌合してそれに相対回転不能に連結されてそれと共に回転するクラッチハブ118Lおよび118Rと、中央車軸90と相対回転不能に連結されるクラッチドラム120Lおよび120Rと、それらクラッチハブ118Lおよび118Rとクラッチドラム120Lおよび120Rとにそれぞれ相対回転不能に装着され且つ互い違いに重ねられたハブ側摩擦板122およびケース側摩擦板124とを、備えている。これにより、左電磁カップリング34Lおよび右電磁カップリング34Rは、後述する電子制御装置82から第3電磁コイル106Lおよび第4電磁コイル106Rに供給される励磁電流(トルク指令値)に応じた伝達トルクを、左右の後輪16Lおよび16Rへ伝達する。
第2移動機構104には、第2ボールカム126と、第2アクチュエータ128と、第2スプリング130と、第2ラチェット機構(掛外し機構)132とが備えられている。第2アクチュエータ128は、第2補助クラッチ134と、第2補助クラッチ134に回転制動トルクを発生させる第2電磁コイル136と有し、第2ユニットケース96に一体的に固定されている。第2ボールカム126は、第2アクチュエータ128により第2補助クラッチ134を介して後述する環状の第2ケージ138に回転制動トルクが発生させられると、後述する環状の第1ケージ140に伝えられる中央車軸90の回転力を中央車軸90の回転軸線C2方向の推力に変換する装置である。第2ラチェット機構132は、第2ボールカム126により変換された推力によって第2スプリング130の付勢力(反力)に抗して第2可動スリーブ102を移動させ且つ第2可動スリーブ102の移動位置を保持する。第2スプリング130は、第1軸受100と第2可動スリーブ102との間に介在されており、第2可動スリーブ102を前記第2コネクト位置から前記第2ディスコネクト位置に向かって付勢すなわち第2可動スリーブ102を回転軸線C2方向において後輪16R側に付勢する。これによって、第2移動機構104は、第2アクチュエータ128において第2ボールカム126の第1ケージ140に伝わる中央車軸90の回転力を第2ボールカム126の第2ケージ138に回転制動トルクを付与することにより、第2ボールカム126に第2スプリング130の付勢力(反力)に抗する回転軸線C2方向の推力を発生させることで、第1ケージ140で第2ラチェット機構132を介して第2可動スリーブ102を第2スプリング130の付勢力に抗して回転軸線C2方向に移動させる。
第2ラチェット機構132は、第2アクチュエータ128の第2電磁コイル136が円板状の可動片142を吸着することにより第2ボールカム126を介して所定のストロークで回転軸線C2方向に往復移動させられる環状の第1ピストン140aと、中央車軸90に対して相対回転可能に設けられ、第1ピストン140aにより第2スプリング130の付勢力に抗して回転軸線C2方向に移動させられる環状の第2ピストン144と、掛止歯を有して中央車軸90に対して相対回転不能かつ回転軸線C2方向の移動不能に設けられ、掛止歯で第1ピストン140aにより移動させられた第2ピストン144を掛け止める環状のホルダー146とを備えている。第2ラチェット機構132では、第1ピストン140aが回転軸線C2方向に往復移動させられることで、第2ピストン144によって第2可動スリーブ102が前記第2コネクト位置へ第2スプリング130の付勢力に抗して移動させられ、第2ピストン144がホルダー146の掛止歯に掛け止められる。そして、さらに、第1ピストン140aが回転軸線C2方向に往復移動させられると、第2ピストン144がホルダー146の掛止歯から掛け外されて第2スプリング130の付勢力に従って第2可動スリーブ102が前記第2ディスコネクト位置へ移動させられる。なお、第2ボールカム126の第1ケージ140には、図3に示すように、第2ラチェット機構132の第1ピストン140aが一体に設けられており、第2ラチェット機構132は、第2ボールカム126の第2ケージ138と第2可動スリーブ102との間に配設されている。
第2ボールカム126は、第2ラチェット機構132の第2ピストン144と第2軸受101との間に、回転軸線C2方向において重なるように介挿された環状の一対の第1ケージ140および第2ケージ138と、それら第1ケージ140と第2ケージ138とにおいて周方向の複数箇所に形成された、周方向で深さが変化する互いに対向する溝状の一対のカム面138a、140bで挟まれた複数個の球状転動体148とを有し、それら第1ケージ140と第2ケージ138とが相対回転させられると、それら第1ケージ140と第2ケージ138が回転軸線C2方向に離隔させられる。これによって、第2ボールカム126により第1ピストン140aが回転軸線C2方向において後輪16R側、後輪16L側へ1回往復移動させられると、第2可動スリーブ102が第2ラチェット機構132を介して前記第2コネクト位置へ第2スプリング130の付勢力に抗して移動させられる。そして、第2可動スリーブ102の第2噛合歯102bと第2リングギヤ94の第2噛合歯94cとが噛み合わされ第2噛合クラッチ32が係合する。また、第2ボールカム126によって第1ピストン140aが2回往復移動すなわち第2可動スリーブ102が前記第2コネクト位置に配置された状態でさらに第1ピストン140aが1回往復移動させられると、第2ピストン144がホルダー146の掛止歯から掛け外され第2可動スリーブ102が第2スプリング130の付勢力によって前記第2ディスコネクト位置へ移動させられる。そして、第2可動スリーブ102の第2噛合歯102bと第2リングギヤ94の第2噛合歯94cとの噛み合いが解かれて第2噛合クラッチ32が解放する。
また、第2アクチュエータ128において第2電磁コイル136と可動片142との間には、図3に示すように、第2ユニットケース96に形成された内周スプライン歯96aと回転軸線C2回りの回転が不能且つ回転軸線C2方向の移動が可能に係合された円板状の一対の第1摩擦板150、152と、一対の第1摩擦板150、152との間に配設され、第2ケージ138に形成された外周スプライン歯138bと回転軸線C2回りの回転が不能且つ回転軸線C2方向の移動が可能に係合された円板状の第2摩擦板154とを有する第2補助クラッチ134が備えられている。また、環状の第1ケージ140と環状の第2ケージ138との間の周方向の複数箇所に形成された凹溝状のカム面140b、138aは、その周方向に向かうに連れてそれらカム面140b、138aの間の回転軸線C2方向における距離が短くなるように傾斜している。また、第1ケージ140の内周面には、中央車軸90の第2外周スプライン歯90bと相対回転不能且つ回転軸線C2方向の移動可能に噛み合う内周噛合歯140cが形成されている。すなわち、第2ボールカム126の第1ケージ140は、中央車軸90に相対回転不能に支持されている。また、第2ボールカム126の第2ケージ138は、中央車軸90に相対回転可能に支持され且つ第2補助クラッチ134を介して非回転部材である第2ユニットケース96に連結されている。
図4に示すように、第2ユニットケース96には、シール部材156を嵌め付けてそれを支持する環状のシール部96bが形成されており、第2ユニットケース96のシール部96bと中央車軸90の第1軸受100よりも軸端側の外周面との間にシール部材156が配設され、シール部材156の内周縁(リップ)が中央車軸90の外周面に摺接させられている。例えば、ディスコネクト機構105で第1噛合クラッチ24および第2噛合クラッチ32が係合させられた4輪駆動時において、プロペラシャフト28と共に第2リングギヤ94が回転すると、第2リングギヤ94によって第2ユニットケース96に貯留されたオイルが掻き上げられて、その掻き上げられたオイルが例えば第1軸受100およびシール部材156等に供給される。しかし、2輪駆動時においては、第2リングギヤ94によるオイルの掻き上げがなく、中央車軸90およびそれに装着された第2ラチェット機構132、第2可動スリーブ102の回転によって、第2ユニットケース96内のオイルレベルすなわち油面Foilは、車速に応じて変化する図4の動的油面高さHに示すものとなる。なお、図4では、上記動的油面高さHの油面Foilの最低値Hminが1点鎖線で示されている。
また、図4に示すように、中央車軸90には、第1軸受100とシール部材156との間には、2輪駆動時に第2ユニットケース96内に貯留されたオイルを掻き上げる円板形状の掻上部材158が相対回転不能に設けられている。図5に示すように、中央車軸90のシール部材156側の軸端部には、クラッチドラム120Lの軸部120La側に凹む溝部90cが形成されており、掻上部材158の内周部には、中央車軸90の溝部90cに係合するように突出した係合突部158aが形成されている。このため、中央車軸90が回転軸線C2まわりに回転すると掻上部材158も回転軸線C2まわりに回転する。なお、クラッチドラム120Lに形成された軸部120Laは、例えばスプライン嵌合等によって中央車軸90と相対回転不能に連結されている。
図4および図5に示すように、円板形状の掻上部材158は、その外径の半径rが最小半径r1より大きく且つ最大半径r2未満(r1<r<r2)となるように設定されている。なお、最小半径r1は、例えば、回転軸線C2から第2ユニットケース96に貯留されたオイルの動的油面高さHの最低値Hminまでの距離すなわち掻上部材158の外周部の一部が第2ユニットケース96に貯留されたオイルの油面Foilに接触する距離である。また、最大半径r2は、図4に示すように、例えば、第2リングギヤ94の軸部94bと第1軸受100との間に配設された環状の環状部材160において中央車軸90側に突き出すように形成されたストッパ部160aの先端から回転軸線C2までの距離である。すなわち、2輪駆動走行時に、車速に応じて変動する動的油面高さHの油面Foilに掻上部材158の外周部の一部が必ず接触し且つ、他の部品と干渉しないように、その掻上部材158の半径rが設定されている。
図4に示すように、円板形状の掻上部材158は、その厚みtが最大許容値t1未満(t<t1)となるように設定されている。なお、最大許容値t1は、例えば、第2ユニットケース96のシール部96bの第1軸受100側の側面96cと第1軸受100のシール部材156側の側面100aとの間の距離である。また、掻上部材158の厚みtを大きく設定するほど、掻上部材158が回転させられた時のオイルの掻上量すなわちシール部材156および第1軸受100等に供給されるオイルの供給量が増加する。
以上のように構成された4輪駆動車両10では、例えば、第1噛合クラッチ24および第2噛合クラッチ32が共に係合されている4輪駆動状態において、電子制御装置82で2輪駆動走行モードが選択されると、トランスファ26において第1移動機構52によって第1可動スリーブ50が前記第1ディスコネクト位置に移動して第1噛合クラッチ24が解放され、後輪用駆動力配分ユニット30において第2移動機構104によって第2可動スリーブ102が前記第2ディスコネクト位置に移動して第2噛合クラッチ32が解放されて、駆動源であるエンジン12とプロペラシャフト28との間の動力伝達経路および副駆動輪である後輪16とプロペラシャフト28との間の動力伝達経路がそれぞれ切り離されたディスコネクト状態となる。また、前記ディスコネクト状態から、電子制御装置82で4輪駆動走行モードが選択されると、トランスファ26において同期装置84によって第1噛合クラッチ24のそれぞれの第1噛合歯42c、50bの回転が同期されて第1噛合クラッチ24が係合される。そして、第1噛合クラッチ24の係合後に第2噛合クラッチ32が係合されて、前記ディスコネクト状態が解除される。
また、4輪駆動車両10では、2輪駆動走行時にエンジン12とプロペラシャフト28との間の動力伝達経路および後輪16とプロペラシャフト28との間の動力伝達経路がそれぞれ切り離されたディスコネクト状態となり、プロペラシャフト28と共に第2リングギヤ94の回転軸線C2まわりの回転が停止させられるが、後輪16が回転することによって中央車軸90と共に掻上部材158が回転させられるので、掻上部材158によって第2ユニットケース96内に貯留されたオイルが掻き上げられる。
上述のように、本実施例の4輪駆動車両10によれば、中央車軸90の第1軸受100とシール部材156との間に、2輪駆動時に第2ユニットケース96内のオイルを掻き上げる掻上部材158が相対回転不能に設けられている。このため、プロペラシャフト28が回転停止して第2リングギヤ94によって第2ユニットケース96内のオイルが掻き上げられない2輪駆動時の場合には、後輪16が回転することによって中央車軸90と共に掻上部材158が回転させられるので、掻上部材158によって第2ユニットケース96内のオイルが掻き上げられて、シール部材156へのオイルの供給量が掻上部材158を設けていない従来の4輪駆動車両10に比較して向上する。この結果、使用頻度の高い2輪駆動による走行時、特に高速走行の時におけるシール部材156へのオイル供給が確保されてその耐久性が高められるので、シール部材156の異常摩耗やそれに起因するオイル漏れが抑制される。
次に、本発明の他の実施例を説明する。なお、前述の実施例1と共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
図6は、本発明の他の実施例の4輪駆動車両を説明する図である。本実施例の4輪駆動車両は、実施例1の4輪駆動車両10に比較して、掻上部材162の形状が異なる点で相違しており、その他の構成および作用効果は実施例1の4輪駆動車両10と略同じである。掻上部材162は、図6に示すように、その外周部に複数の歯が形成された歯車形状である。また、掻上部材162には、実施例1の掻上部材158の係合突部158aと同様な機能を有する係合突部162aが形成されており、掻上部材162は、中央車軸90に相対回転不能に、第1軸受100とシール部材156との間に配設されている。なお、実施例1の掻上部材158と同様に、掻上部材160の半径rは、最小半径r1より大きく且つ最大半径r2未満(r1<r<r2)となるように設定され、掻上部材162の厚みtは、最大許容値t1未満(t<t1)となるように設定されている。なお、掻上部材162と実施例1の掻上部材158とが同じ回転速度で回転した場合、掻上部材162によって掻き上げられるオイルの掻上量は、実施例1の掻上部材158によって掻き上げられるオイルの掻上量より大きい。
図7は、本発明の他の実施例の4輪駆動車両を説明する図である。本実施例の4輪駆動車両は、実施例1の4輪駆動車両10に比較して、掻上部材164の形状が異なる点で相違しており、その他の構成および作用効果は実施例1の4輪駆動車両10と略同じである。掻上部材164は、図7に示すように、その外周部に複数の羽根が形成されたプロペラ形状である。また、掻上部材164には、実施例1の掻上部材158の係合突部158aと同様な機能を有する係合突部164aが形成されており、掻上部材164は、中央車軸90に相対回転不能に、第1軸受100とシール部材156との間に配設されている。なお、実施例1の掻上部材158と同様に、掻上部材162の半径rは、最小半径r1より大きく且つ最大半径r2未満(r1<r<r2)となるように設定され、掻上部材164の厚みtは、最大許容値t1未満(t<t1)となるように設定されている。なお、掻上部材164と実施例2の掻上部材162とが同じ回転速度で回転した場合、掻上部材164によって掻き上げられるオイルの掻上量は、実施例2の掻上部材162によって掻き上げられるオイルの掻上量より大きい。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
例えば、前述の実施例の4輪駆動車両10において、掻上部材158、162、164を中央車軸90に相対回転不能に設けるために、掻上部材158、162、164には、中央車軸90に形成された溝部90cに嵌合させられる一つの係合突部158a、162a、164aが形成されていたが、例えば、掻上部材158、162、164に2つ以上の係合突部158a、162a、164aを形成させてそれら係合突部158a、162a、164aが嵌め入れられるように中央車軸90に2つ以上の溝部90cを形成させても良い。また、掻上部材158、162、164を中央車軸90に相対回転不能に設けるために、前述した実施例以外の方法で例えば溶接、圧入、接着、かしめ付け等で掻上部材158、162、164を中央車軸90に相対回転不能に設けても良い。
なお、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
10:4輪駆動車両
12:エンジン(駆動源)
16L、16R:後輪(副駆動輪)
28:プロペラシャフト
90:中央車軸(伝達軸)
92:ドライブピニオン(ピニオンギヤ)
94:第2リングギヤ(リングギヤ)
96:第2ユニットケース(ケース)
100:第1軸受(ベアリング)
105:ディスコネクト機構
156:シール部材
158、162、164:掻上部材

Claims (1)

  1. 副駆動輪に動力伝達可能に接続された伝達軸へ駆動源からの動力を4輪駆動時に伝達するプロペラシャフトを、2輪駆動時に前記駆動源および前記伝達軸から切り離すディスコネクト機構と、ケース内において回転可能に支持され、前記プロペラシャフトに動力伝達可能に接続されたピニオンギヤに噛み合うリングギヤと、前記リングギヤに内嵌されて前記伝達軸を相対回転可能に前記リングギヤと同心に支持するベアリングと、前記伝達軸の前記ベアリングよりも軸端側と前記ケースとの間に配設されたシール部材とを備える4輪駆動車両であって、
    前記伝達軸の前記ベアリングと前記シール部材との間に、2輪駆動時に前記ケース内のオイルを掻き上げる掻上部材が相対回転不能に設けられていることを特徴とする4輪駆動車両。
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