JP2017221912A - 硫酸イオンの低減方法、硫酸イオンの低減装置および硫酸イオンの反応剤 - Google Patents

硫酸イオンの低減方法、硫酸イオンの低減装置および硫酸イオンの反応剤 Download PDF

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Abstract

【課題】発電プラントにおいて、硫酸イオン除去の際に硫酸イオン除去剤の耐熱温度に応じて冷却材温度を低下させる必要の無い硫酸イオンの低減技術を提供することを目的とする。
【解決手段】硫酸イオンの低減方法は、少なくとも硫酸イオンを含む水が発電プラントの水系統を流れる水流ステップと、水系統の一部に設けられた反応剤に水が接触する接触ステップと、硫酸イオンが反応剤と反応する反応ステップと、反応により硫酸バリウムまたは硫酸ストロンチウムの少なくともいずれか一方を生成する生成ステップと、生成ステップで生成された物質を含む固形分を水から除去する除去ステップと、を含む。
【選択図】 図3

Description

本発明の実施形態は、原子力発電や火力発電を行うプラントなどに設けられた水系統における硫酸イオンの低減技術に関する。
従来、原子力発電や火力発電を行うプラントなどでは、蒸気タービンを駆動する水蒸気を発生させるために用いる水(以下、冷却材と呼称する)に、硫酸イオンなどの不純物が混じることがある。このような不純物を除去するために、イオン交換樹脂が設けられた浄化系が設けられている。以下、イオン交換樹脂など、硫酸イオンを除去するために設けられた材料を硫酸イオン除去剤と呼称する。
なお、水に含まれる硫酸イオンを除去する技術として、石灰石などの炭酸塩系統の天然石を用いた技術や、アルミン酸ナトリウムとpH制御を用いた技術や、ハイドロタルサイト類化合物などを用いた技術などがある(例えば、特許文献1から3参照)。
特開平2−18872号公報 特開2003−305477号公報 国際公開第2007/077779号
従来、発電プラントの冷却材中の硫酸イオンはイオン交換樹脂で除去されており、イオン交換樹脂の耐熱温度は60℃程度である。そのため、冷却材温度を60℃以下に低下させてから硫酸イオンの除去を行い、硫酸イオンの除去後、再び冷却材の温度を上昇させていた。このように、イオン交換樹脂を用いた硫酸イオンの除去方法では熱損失が発生するため、イオン交換樹脂を用いた硫酸イオンの除去は発電効率を低下させる要因の一つであった。
本発明の実施形態はこのような事情を考慮してなされたもので、発電プラントにおいて、硫酸イオン除去の際に硫酸イオン除去剤の耐熱温度に応じて冷却材温度を低下させる必要の無い硫酸イオンの低減技術を提供することを目的とする。
本発明の実施形態に係る硫酸イオンの低減方法は、少なくとも硫酸イオンを含む水が発電プラントの水系統を流れる水流ステップと、前記水系統の一部に設けられた反応剤に前記水が接触する接触ステップと、前記硫酸イオンが前記反応剤と反応する反応ステップと、前記反応により硫酸バリウムまたは硫酸ストロンチウムの少なくともいずれか一方を生成する生成ステップと、前記生成ステップで生成された物質を含む固形分を前記水から除去する除去ステップと、を含むことを特徴とする。
本発明の実施形態により、発電プラントにおいて、硫酸イオン除去の際に硫酸イオン除去剤の耐熱温度に応じて冷却材温度を低下させる必要の無い硫酸イオンの低減技術が提供される。
沸騰水型原子炉の水系統を示す図。 第1実施形態の浄化系を示す図。 硫酸イオンの低減方法を示すフローチャート。 第2実施形態の浄化系を示す図。
(第1実施形態)
以下、本実施形態を添付図面に基づいて説明する。図1の符号1は、原子力発電プラントである。なお、本実施形態では、沸騰水型原子炉(BWR)を原子力発電プラント1の一例として説明する。
図1に示すように、原子力発電プラント1は、燃料集合体などで構成される炉心2と、この炉心2を格納する圧力容器3と、この圧力容器3を格納する原子炉格納容器4と、圧力容器3の内部で発生した水蒸気により駆動される蒸気タービン5と、この蒸気タービン5の駆動により発電を行う発電機6と、蒸気タービン5を駆動させた水蒸気を水に戻す復水器7と、この復水器7から排出される水の脱塩を行う脱塩装置8と、圧力容器3の内部の冷却材9を浄化する浄化系10と、を備える。
このような原子力発電プラント1では、圧力容器3の内部の冷却材9が炉心2により加熱されて沸騰することで水蒸気が発生する。この水蒸気は、主蒸気管11を通して蒸気タービン5まで導かれる。そして、蒸気タービン5で仕事をして膨張した水蒸気が復水器7で冷却されて水に戻る。この復水器7は、その内部に多数の凝縮管(図示略)を有している。これらの凝縮管の内部に冷たい海水を通すことにより、凝縮管の表面に接触した水蒸気を水に凝縮させる。
なお、復水器7から排出される凝縮水は、脱塩装置8(ろ過脱塩塔)を通過する。この脱塩装置8は、凝縮水に含まれる塩類などを取り除くようにしている。例えば、イオン交換樹脂(図示略)や除去フィルタ(図示略)などを用いて脱塩を行う。また、脱塩装置8で処理された凝縮水は、復水ポンプ12などで昇圧され、給水管13を通して圧力容器3まで導かれる。
なお、圧力容器3は、炉心2の入れ物であり、内部の高温高圧に耐えながら、外部との間に冷却材としての水を流通させるステンレス製の構造物である。この圧力容器3の内部の冷却材9の温度は、約280℃に達する。さらに、圧力容器3を格納する原子炉格納容器4は、炉心2で発生した放射性物質および放射線が漏れないように外部と遮断する機能も有している。
また、圧力容器3には、炉心2を制御する複数の制御棒14と、制御棒14を駆動する制御棒駆動機構15と、炉心2で加熱された冷却材9から水蒸気を分離する気水分離器16と、分離された水蒸気を乾燥させる蒸気乾燥器17と、この水蒸気を主蒸気管11を介して蒸気タービン5に導く蒸気出口18と、復水器7で凝縮された水を給水管13を介して再び圧力容器3に戻す給水入口19と、冷却材9を循環させるジェットポンプ用の再循環ノズル20と、が設けられる。
また、再循環ノズル20は、圧力容器3の内部に配置される。また、圧力容器3の外部には、圧力容器3の内部の冷却材9を取り出して昇圧する再循環ポンプ21が設けられる。この再循環ポンプ21と再循環ノズル20は、再循環ループ管22で接続されている。なお、再循環ノズル20と再循環ポンプ21と再循環ループ管22とでジェットポンプ(再循環系)が構成される。
さらに、再循環ノズル20は、圧力容器3の内部に戻された水を噴き出す際に、給水入口19から補給された冷却材9を取り込みつつ、圧力容器3の底部に向かうジェット水流を生じさせる。このジェット水流は、圧力容器3の底部において進行方向を反転させて、炉心2の内部を上昇する。そして、冷却材9が炉心2により再び加熱される。
なお、圧力容器3の内部の冷却材9は、不純物を含まない純水となっているが、長年の使用により様々な不純物が冷却材9に混じることがある。この不純物には、金属酸化物やシリカや硫酸イオンなどがある。
これらの不純物は、各種配管の差圧の上昇や、材料の応力腐食割の要因となる可能性があるため、冷却材中の不純物濃度は、所定の許容量以下になるように規制されている。例えば、BWRプラントにおいて硫酸イオンは、濃度が10ppb以下に設定されている。
沸騰水型原子炉の場合、圧力容器3の冷却材9は沸騰されるので、不揮発性の不純物が圧力容器3の内部で濃縮され、不純物による影響を受けやすい。そのため、圧力容器3には不純物を除去するために、浄化系10が設けられている。本実施形態の浄化系10は、圧力容器の冷却材9を高温の状態で取り出し、温度を低下させること無く浄化し、再び圧力容器3に戻す水系統である。なお、ここで言う「温度を低下させること無く」とは、熱交換器等を用いて意図的に温度を低下させることはしない、ということであり、配管からの放熱等によって自然に温度が低下する、ことは含まないものとする。
第1実施形態の浄化系10(水系統)は、前述の再循環ループ管22を流れる冷却材9の一部を取り込むための取込管23と、取り込んだ冷却材を浄化するために一旦収容する収容部24と、浄化された冷却材を昇圧するための浄化系ポンプ25と、浄化した冷却材を給水管13に戻すための復帰管26と、を備える。なお、第1実施形態では、浄化系ポンプ25が収容部24の下流側に設けられているが、浄化系ポンプ25を収容部24の上流側に設けるようにしても良い。
図2に示すように、収容部24の内部には、予め決められた物質で構成された反応剤27が収容される。さらに、この反応剤27の下流側には、金属製のフィルタ28が設けられる。なお、反応剤27は、粉粒体で構成されている。この反応剤27は、収容部24の下流側に流れ出ないように、フィルタ28によって保持されている。なお、粉粒体とは、粉、粒、或いは、それに類する形状のものが集まったもの(集合体)である。また、本実施形態の反応剤27は、粒径が10μmの粉粒体となっている。この反応剤27の粒径は、5μmから1mmまでの範囲であれば良い。また、反応剤27は冷却材27から硫酸イオンを除去する材料であり、硫酸イオン除去剤の一つである。
なお、反応剤27の粒径が5μm以上の粉粒体であることで、反応剤27が冷却材と接触する面積を増大させることができ、かつ水が粉粒体の隙間を通過し易くなる。そのため、水系統における冷却材の流れを妨げることなく反応剤27を設けることができる。例えば、反応剤27の粒径が5μm未満であると、冷却材が粉粒体を通過し難くなるので、反応剤27の上流側と下流側で圧力(水圧)に差が生じるようになってしまう。本実施形態では、この差圧を生じ難くすることができる。
また、反応剤27を構成する物質は、炭酸バリウムまたはジルコン酸ストロンチウムで構成される。なお、これら両方の物質が含まれるものであっても良いし、いずれか一方の物質のみが含まれるものであっても良い。また、これらの物質以外の物質が混じっていても良い。本実施形態では、冷却材に含まれる硫酸イオンが反応剤27と反応することで、硫酸バリウムまたは硫酸ストロンチウムが生成される。
例えば、炭酸バリウム(BaCO)と硫酸イオン(SO 2−)が反応した場合は、硫酸バリウム(BaSO)と炭酸イオン(CO 2−)が生成される。その化学反応式(1)は、以下の通りである。
BaCO+SO 2− → BaSO+CO 2−
また、ジルコン酸ストロンチウム(SrZrO)と硫酸イオン(SO 2−)と水(HO)が反応した場合は、硫酸ストロンチウム(SrSO)と酸化ジルコニウム(ZrO)と水酸化物イオン(2OH)が生成される。その化学反応式(2)は、以下の通りである。
SrZrO+SO 2−+HO → SrSO+ZrO+2OH
なお、硫酸バリウムや硫酸ストロンチウムや酸化ジルコニウムは、水に対して不溶性の固形分であり、これらの固形分は、水と分離される。本実施形態では、生成された固形分が冷却材からフィルタ28により除去される。なお、炭酸イオンは、高温でも安定的であるので、冷却材9に悪影響を与えことがなく、水蒸気とともに揮発される。さらに、水酸化物イオンも冷却材9に悪影響を与えことがない。
また、炭酸バリウムおよびジルコン酸ストロンチウムは、耐熱性が高く、約280℃の冷却材反応剤27に含有される硫酸イオンと反応することができる。そのため、冷却材中の硫酸イオンを除去するために、反応剤の耐熱温度に合わせて意図的に冷却材の温度を低下させる必要が無く、冷却材の熱損失が低減される。
なお、炭酸バリウムまたはジルコン酸ストロンチウムは、水に対して不溶性である。また、炭酸バリウムまたはジルコン酸ストロンチウムは、高温でも安定的な物質である。そのため、反応剤27から溶出する不純物は、殆ど無く、この反応剤27が原因となる不純物の濃度を1ppb以下に抑えることができる。つまり、反応剤27が不純物の発生源となる可能性が低く、冷却材9に悪影響を与えことがない。
また、従来の硫酸イオンの除去技術に用いたイオン交換樹脂の吸着容量は、およそ2meq/gである。例えば、イオン交換樹脂が1gあたり約0.1gの硫酸イオンを吸着する。これに対して、本実施形態の炭酸バリウムは、1gあたり0.4g以上の硫酸イオンと反応する。つまり、炭酸バリウムを用いた反応剤27は、単位堆積あたりの硫酸イオン除去量が、従来のイオン交換樹脂よりも多い。また、生成される硫酸バリウムは、理論密度が4.5g/cmであるが、イオン交換樹脂の密度は、1g/cmである。すなわち、使用済みの反応剤27は放射性廃棄物として廃棄されることとなるが、反応剤27は、単位堆積あたりの硫酸イオン除去量が、従来のイオン交換樹脂よりも多く、生成物密度も高いため、放射性廃棄物として廃棄される物量を低減させることができる。
本実施形態の反応剤27は、280℃以上の環境であっても硫酸イオンの除去を行うことができる。そのため、反応剤27の耐熱温度に合わせて冷却材の温度を低下させなくても硫酸イオンを除去することができ、熱損失を低減させることができる。すなわち、原子力発電プラント1の発電効率を向上させることができる。さらに、冷却材の温度を一旦下げるための熱交換器などの装置を浄化系に設置しなくても済み、水系統のメンテナンスがより容易になる。また、メンテナンスが容易になった分、メンテナンスの作業時間が低減されるため、メンテナンスに関わる作業者の被ばく量を低減させることができる。
また、本実施形態のフィルタ28は、金属製となっているので、高い水温に耐えられる。なお、このフィルタ28は、ステンレス合金などで構成されている。また、本実施形態のフィルタ28のメッシュサイズ(目開き)は、10μm未満となっている。なお、フィルタ28のメッシュサイズは、反応剤27の粒径に合わせて適宜変更しても良い。例えば、反応剤27の粒径が5μmである場合は、フィルタ28のメッシュサイズが5μm未満であっても良い。また、反応剤27の粒径が1mmである場合は、フィルタ28のメッシュサイズが1mm未満であっても良い。
また、収容部24に接続される取込管23には、添加剤を注入するための注入装置29が設けられている。本実施形態では、添加剤としてバリウム化合物を用いている。例えば、酸化バリウムや水酸化バリウムなどを用いる。なお、バリウム化合物は、バリウムイオンを放出する物質であれは良く、その他のバリウム化合物を用いても良い。この添加剤を添加することで、バリウムイオンと硫酸イオンとが反応し、反応剤27の反応が活性化されるので、硫酸バリウムまたは硫酸ストロンチウムなどが生成され易くなる。なお、本実施形態では、注入装置29から注入される添加剤の濃度が約1ppmとなっている。
次に、本実施形態の硫酸イオンの低減方法について図3を用いて説明する。なお、フローチャートの各ステップの説明にて、例えば「ステップS11」と記載する箇所を「S11」と略記する。
まず、再循環ループ管22を流れる圧力容器3の冷却材9の一部が、浄化系10の取込管23に流れ込む(S11:水流ステップ)。なお、この冷却材9は、硫酸イオンを含んでいる。そして、注入装置29は、取込管23に流れ込んだ冷却材9に対し、添加剤としてのバリウム化合物を添加する(S12:添加ステップ)。
次に、取込管23から収容部24の内部に冷却材9が流れ、この冷却材9が、炭酸バリウムまたはジルコン酸ストロンチウムで構成される反応剤27と接触する(S13:接触ステップ)。そして、冷却材9に含まれる硫酸イオンが反応剤27と反応する(S14:反応ステップ)。
次に、硫酸イオンと反応剤27との反応により硫酸バリウムまたは硫酸ストロンチウムで構成される特定物質が生成される(S15:生成ステップ)。そして、冷却材9が金属製のフィルタ28を通過するときに、特定物質を含む固形分がフィルタ28により除去される(S16:除去ステップ)。そして、浄化された冷却材9は、浄化系ポンプ25により昇圧されて給水管13へ流れ、再び圧力容器3の内部に戻る(S17:復帰ステップ)。
なお、本実施形態では、添加剤を注入するための注入装置29が設けられているが、この注入装置29を設けない構成にしても良く、添加剤を冷却材9に添加しないで、反応剤27のみで浄化を行っても良い。つまり、本実施形態の硫酸イオンの低減方法において、添加ステップを省略しても良い。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態の硫酸イオンの低減方法について図4を用いて説明する。なお、前述した実施形態に示される構成部分と同一構成部分については同一符号を付して重複する説明を省略する。
図4に示すように、第2実施形態の浄化系10A(水系統)は、前述の第1実施形態と同様に、取込管23と、浄化系ポンプ25と、注入装置29と、収容部24と、反応剤27と、フィルタ28と、復帰管26とを備える。なお、この第2実施形態では、浄化系ポンプ25が収容部24の上流側に設けられている。また、第2実施形態の浄化系10Aは、再生熱交換器30と、非再生熱交換器31と、をさらに備える。
なお、再生熱交換器30は、収容部24にて浄化された水を温めてから圧力容器3に戻すための装置である。そのため、再生熱交換器30には、取込管23と復帰管26とがそれぞれ接続され、互いを流れる水同士が熱交換を行う。そして、取込管23を通過する冷却材9は、再生熱交換器30により冷却され、復帰管26を通過する冷却材9は、再生熱交換器30により加熱される。また、非再生熱交換器31は、冷媒として他の冷却材を用いて水を冷却する装置である。この非再生熱交換器31は、取込管23のみに接続され、この取込管23を通過する冷却材9を冷却する。
なお、第2実施形態では、従来の沸騰水型原子炉(BWR)にて用いられている浄化系10Aを利用することができる。つまり、従来の浄化系10Aの収容部24(ろ過脱塩塔:脱塩装置)に設けられたイオン交換樹脂と樹脂製のフィルタを、反応剤27と金属製のフィルタ28とに交換するだけで、この第2実施形態の浄化系10Aを構築できる。
この第2実施形態では、圧力容器3の冷却材9の一部が、浄化系10の取込管23に流れ込み、再生熱交換器30と非再生熱交換器31に冷却されことになるが、その温度は60℃まで低減させる必要は無い。例えば、冷却材は70℃以上であっても良い。冷却材を60℃以下に冷却する必要がないので、従来のイオン交換樹脂を用いた場合に比べて、冷却材9の熱損失を低減させることができる。また、冷却材9が再生熱交換器30および非再生熱交換器31を通過しても、冷却材9の温度が一切下がらなくても良い。
また、再生熱交換器30と非再生熱交換器31とを通過した冷却材9は、浄化系ポンプ25により昇圧されて収容部24に入る。なお、冷却材9には、注入装置29により添加剤が添加される。そして、炭酸バリウムまたはジルコン酸ストロンチウムで構成された反応剤27と、硫酸イオンが含まれる冷却材9とが反応することで、硫酸バリウムまたは硫酸ストロンチウムが生成される。さらに、生成された固形分がフィルタ28により除去される。なお、この浄化された水は、復帰管26を通って再生熱交換器30により加熱された後、給水管13へ流れ、再び圧力容器3の内部に戻る。
実施形態に係る硫酸イオンの低減方法を第1実施形態から第2実施形態に基づいて説明したが、いずれか1の実施形態において適用された構成を他の実施形態に適用しても良いし、各実施形態において適用された構成を組み合わせても良い。
なお、本実施形態に係る硫酸イオンの低減方法を、沸騰水型原子炉(BWR)に適用しているが、改良型沸騰水型原子炉(ABWR)や加圧水型原子炉(PWR)などに、本実施形態に係る硫酸イオンの低減方法を適用しても良い。また、火力発電プラントや大型船舶などにおいて、蒸気タービンを駆動させる水蒸気を発生させるための水の浄化に、本実施形態に係る硫酸イオンの低減方法を適用しても良い。
以上説明した実施形態によれば、反応により硫酸バリウムまたは硫酸ストロンチウムの少なくともいずれか一方を生成する生成ステップを備えることにより、冷却材中の硫酸イオンを除去するために、反応剤の耐熱温度に合わせて意図的に冷却材の温度を低下させる必要が無く、冷却材の熱損失が低減される。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組み合わせを行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1…原子力発電プラント、2…炉心、3…圧力容器、4…原子炉格納容器、5…蒸気タービン、6…発電機、7…復水器、8…脱塩装置、9…冷却材、10,10A…浄化系、11…主蒸気管、12…復水ポンプ、13…給水管、14…制御棒、15…制御棒駆動機構、16…気水分離器、17…蒸気乾燥器、18…蒸気出口、19…給水入口、20…再循環ノズル、21…再循環ポンプ、22…再循環ループ管、23…取込管、24…収容部、25…浄化系ポンプ、26…復帰管、27…反応剤、28…フィルタ、29…注入装置、30…再生熱交換器、31…非再生熱交換器。

Claims (9)

  1. 少なくとも硫酸イオンを含む水が発電プラントの水系統を流れる水流ステップと、
    前記水系統の一部に設けられた反応剤に前記水が接触する接触ステップと、
    前記硫酸イオンが前記反応剤と反応する反応ステップと、
    前記反応により硫酸バリウムまたは硫酸ストロンチウムの少なくともいずれか一方を生成する生成ステップと、
    前記生成ステップで生成された物質を含む固形分を前記水から除去する除去ステップと、
    を含むことを特徴とする硫酸イオンの低減方法。
  2. 前記反応剤は、炭酸バリウムまたはジルコン酸ストロンチウムの少なくともいずれか一方を含む請求項1に記載の硫酸イオンの低減方法。
  3. 前記反応ステップ以前に前記水にバリウム化合物を添加する添加ステップを含む請求項1または請求項2に記載の硫酸イオンの低減方法。
  4. 前記反応剤は、粒径が5μm以上の粉粒体である請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の硫酸イオンの低減方法。
  5. 前記反応ステップにて水温が70℃以上である請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の硫酸イオンの低減方法。
  6. 前記除去ステップにて金属製のフィルタを用いて前記固形分を除去する請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の硫酸イオンの低減方法。
  7. 前記水系統は、原子力発電プラントまたは火力発電プラントに設けられる請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の硫酸イオンの低減方法。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の硫酸イオンの低減方法に用いる装置であって、
    前記水系統の一部に設けられて前記反応剤を収容する収容部と、
    前記反応剤の下流側に設けられて前記固形分を除去するフィルタと、
    を備えることを特徴とする硫酸イオンの低減装置。
  9. 請求項8に記載の硫酸イオンの低減装置に用いる反応剤であって、
    前記反応剤は、粒径が5μm以上の粉粒体であることを特徴とする硫酸イオンの反応剤。
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