以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
本願では、典型的な蛇口の姿勢に基づいて、「上」、「上側」、「下」、「下側」等の文言が用いられる。また、この典型的な状況における使用者の視点に基づいて、「右」、「右側」、「左」、「左側」等の文言が用いられる。蛇口の姿勢が非典型的である場合、これらの文言は、当該姿勢に沿って解釈される。
図1は、第1実施形態に係るホース接続具100が水栓f1に装着された状態を示す斜視図である。図2は、図1の断面図である。図3は、図1の分解斜視図である。図4は、図3の下側部材が更に分解された分解斜視図である。
ホース接続具100は、上側部材200と、下側部材300とを有する。上側部材200と下側部材300とは、互いに取り外し可能に接続されている。上側部材200が下側部材300の内側に挿入された状態で、両者が接続される。
水栓f1は、水栓本体f2と、排出管f3と、操作部f4とを有する。更に水栓f1には、バルブ(図示されず)が内蔵されている。操作部f4を操作(回転)させることで、吐止水の切替及び吐水量の調整が可能である。
本実施形態において、水栓f1は、水栓本体f2に対して排出管f3が固定されている。当業者において、この水栓f1は、横水栓と称されている。なお、この水栓f1では水栓本体f2と排出管f3との境界が不明である。便宜上、バルブよりも下流側の部分が排出管f3とみなされうる。
上側部材200は、全体として一体的に成形された部材である。上側部材200は、全体として、ドーム状構造における周方向の一部が欠落した形状を有する。上側部材200の詳細については、後述される。
図3が示すように、下側部材300は、排出管挿入部302と、下側係合部304と、ホース接続部306とを有する。排出管挿入部302は、円筒内面を有している。排出管挿入部302に、排出管f3の下端部が挿入される。ホース接続部306には、ホース(ホースの端に取り付けられたコネクタ)が接続される。
図4が示すように、排出管挿入部302は、スライドリング308と、本体部310と、パッキン312とを有する。本体部310は、周方向の複数箇所(3箇所)に、開口314を有する。
下側係合部304は、係合弾性体316を有する。係合弾性体316は、周方向における複数箇所(3箇所)に設けられている。係合弾性体316は、基部317と、この基部317の上端から斜め下方に延びる係合爪318を有する。開口314のそれぞれに、係合弾性体316が配置されている。押圧されていない自然状態では、係合爪318は、開口314から、半径方向内側に突出している。
パッキン312は、フランジ部320と円筒部322とを有する。フランジ部320は、円筒部322の上端から、半径方向外側に延びている。円筒部322の内径は、当該円筒部322に挿入される部分における排出管f3の外径よりも小さく設定されている。
図4が示すように、ホース接続部306は、ニップル部材330によって構成されている。ニップル部材330は、ホース接続部306と、ねじ部332とを有する。このねじ部332は、雄ねじである。一方、図2が示すように、本体部310はねじ部340を有する。このねじ部340は雌ねじである。ねじ部332とねじ部340とがねじ結合されている。
ねじ部332とねじ部340とのねじ結合を利用して、パッキン312が固定されている。具体的には、パッキン312のフランジ部320が、本体部310の内側延在部342とニップル部材330の上端面344とによって挟まれている。上記ねじ結合のねじ込み量を増やすほど、内側延在部342と上端面344とが接近し、フランジ部320が強く挟み込まれる。この構成により、パッキン312は容易に且つ確実に固定されている。
図3が示すように、下側部材300の排出管挿入部302は、その周方向における一部が欠落した欠落部350を有している。この欠落部350は、スライドリング308の欠落部352及び本体部310の欠落部354によって構成されている(図4参照)。
図5(a)は、右斜め上方から見た上側部材200の斜視図である。図5(b)は、右斜め下方から見た上側部材200の斜視図である。図5(c)は、左斜め下方から見た上側部材200の斜視図である。図6(a)は、上側部材200の平面図である。図6(b)は、上側部材200の正面図である。図6(c)は、上側部材200の底面図である。図7(a)は、上側部材200の右側面図である。図7(b)は、図6(b)のA−A線に沿った断面図である。図7(c)は、上側部材200の背面図である。
上側部材200は、側壁部202と、上壁部204とを有する。上側部材200は下方に開放されている。側壁部202は、略円筒形状であるが、その周方向における一部が欠落している。すなわち、側壁部202は欠落部206を有する。
上側部材200は、排出管f3に上側から当接しうる当接部210を有する(図2参照)。上側部材200の上壁部204において、欠落部206の上側に位置する部分が、当接部210である。
上側部材200は、上側係合部220を有している。上側係合部220は、側壁部202に設けられている。上側係合部220は、凹みである。より詳細には、上側係合部220は、周方向に沿って設けられた溝である。ただし、欠落部206が存在する領域では、上側係合部220(溝)は途切れている。この上側係合部220は、係合弾性体316の係合爪318と係合しうる。
[接続状態及び取付状態]
本願では、上側部材200と下側部材300とが互いに係合した状態が、接続状態とも称される。図2が示すように、この接続状態により、曲がって延びる排出管f3が挟み込まれている。この挟み込みにより、ホース接続具100は排出管f3に固定されている。接続状態が維持されている限り、ホース接続具100が排出管f3から抜けることはない。なお、本願において「排出管f3の挟み込み」とは、排出管f3が抜けない状態で保持されていることを意味する。
接続状態は、上側部材200及び下側部材300のうちの一方を他方に対して押し付けることにより、形成される。上側部材200を下側部材300に押し付けてもよいし、下側部材300を上側部材200に押し付けても良い。なお、「押し付ける」との文言は、後述される係合弾性体316のような部材(係合が完了するまでの過程で一時的に変形される部材)を変形させるための力を考慮したものである。接続状態を形成するための係合は、上側部材200と下側部材300との間の位置関係が所定の位置関係になると発現する凹凸係合である。上側部材200及び下側部材300のいずれか一方が圧縮による弾性変形により退行する凸部を有し、他方が上記所定の位置関係において前記凸部の突出を許容しつつ当該突出した凸部と係合する凹部を有していれば良い。接続状態は、ワンタッチで形成される。以下、この係合がワンタッチ接続とも称される。接続状態の形成は非常に容易である。
上側部材200と下側部材300との係合は、弾性変形による係合である。本実施形態では、下側部材300の係合弾性体316が弾性変形している。弾性変形する部分は、下側部材300の少なくとも一部であってもよく、上側部材200の少なくとも一部であってもよい。弾性変形による係合により、ワンタッチ接続が達成されている。
ホース接続具100の取付方法として、次の手順A及び手順Bが可能である。手順A及び手順Bにより、接続状態の完了と同時に、取付状態が完了する。
(手順A)排出管f3に上側部材200を上から被せて、次に、排出管f3を排出管挿入部302に挿入しつつ、下側部材300を下から上側部材200に押し付ける。
(手順B)排出管f3に下側部材300を下から取付けて、次に上側部材200を上から下側部材300に押し付ける。
いずれの手順においても、上側係合部220(凹み)が下側係合部304(係合弾性体316)に係合することで、接続状態が完了する。上側部材200及び下側部材300のいずれか一方が他方に対して押し付けられる過程で、上側部材200の下端部が係合爪318を押圧する。係合爪318は斜め下方に向かって延びているため、上から下に向かって移動する上側部材200により容易に押圧され、半径方向外側に退行する。上側部材200の上側係合部220(凹み)が係合爪318の位置にまで達すると、係合爪318は、押圧から開放され、上側係合部220(凹み)の内側に突出する。この結果、係合爪318と上側係合部220とが係合する。換言すれば、上側係合部220と下側係合部304とが係合する。このように、上側部材200及び下側部材300のうちの一方を他方に対して押し付けるだけで、接続状態を形成することができる。
なお、スライドリング308は、上側係合部220(凹み)と下側係合部304(係合爪318)との係合を保持するロック機能を有する。スライドリング308は、本体部310に対して上下方向にスライド移動しうる。図2の断面図では、スライドリング308は、本体部310に対して、上側に移動している。このスライドリング308の位置をロック位置とする。この状態では、係合弾性体316の基部317が、スライドリング308の内面(第1内面D1)に当接しているため、係合爪318が退行しにくい。よって上述のロック機構が働く。一方、図示しないが、スライドリング308が下方にスライドされると、係合弾性体316の外側には、第2内面D2が配置される。このときのスライドリング308の位置を解除位置とする。第2内面D2は、第1内面D1よりも、半径方向外側に位置する。よって、基部317の外側と第2内面D2との間に、隙間が確保される。この隙間に起因して、上記ロック機構が解除され、係合爪318が退行しやすくなる。このため、接続状態の解除が容易となる。
本実施形態では採用されていないが、スライドリング308のスライド移動を規制するスライド規制部材が更に設けられてもよい。このスライド規制部材は、上記ロック機構の維持に寄与し、ひいては取付状態の維持に寄与する。このスライド規制部材の一例は、スライドリング308の下端と本体部310のフランジ部との間の隙間g1(図2参照)に配置されるリング部材である。このリング部材は、例えば弾性変形が容易な部材とされ、上記隙間g1に嵌め込まれる。上記ロック機構を解除するときは、このリング部材を取り外せばよい。このスライド規制部材の他の例は、スライドリング308を上側(上記解除位置からロック位置へと向かう方向)に付勢する付勢部材である。上記ロック機構を解除するときは、この付勢力を超える外力をスライドリング308に付与し、スライドリング308を上記解除位置に移動させればよい。
ホース接続具100では、上述した2通りの取付方法が可能であり、利便性が高い。特に手順Bは、片手でも可能である。ホース接続具100の取付は非常に容易である。周方向の複数箇所に配置されたねじを締め付ける従来のホース接続具と比べると、取付の容易性は明らかである。
本願では、ホース接続具100が排出管f3に取付られた状態が、取付状態とも称される。取付状態では、上記接続状態とされた上側部材200及び下側部材300が、排出管f3を挟み込んでいる。
取付状態では、上側部材200の欠落部206と下側部材300の欠落部350とが重なっており、この重なった欠落部に排出管f3が挿通されている。図2が示すように、取付状態において、排出管f3の下端部が、パッキン312の円筒部322に内側から食い込んでいる。パッキン312は、排出管f3の外周面に密着している。この密着により、水密性が達成されている。
取付状態では、接続状態が維持される限り、パッキン312は排出管f3に密着している。この密着により、水密性が保たれている。
取付状態において、当接部210の当接位置c1は、排出管f3の下端部の中心線CL1よりも給水側(図2における右側)に位置する。したがって、排出管f3に対するホース接続具100の固定の確実性が向上している。なお、中心線CL1は、排出管f3の下端部において真っ直ぐに延びる円筒部の中心線である。
取付状態において、ホース接続具100と排出管f3の間に遊びがあってもよい。すなわち、排出管f3が抜けない限り、取付状態のホース接続具100が、排出管f3に対して動いても良い。この遊びがある場合、当該遊びの全範囲において、パッキン312と排出管f3との間の接触圧(水密性)が維持されているのが好ましい。
図8は、第2実施形態に係るホース接続具400が水栓f10に装着された状態を示す斜視図である。図9は、図8の断面図である。図10は、図8の分解斜視図である。図11は、図10の下側部材が更に分解された分解斜視図である。
ホース接続具400は、上側部材500と、下側部材600とを有する。上側部材500と下側部材600とは、互いに取り外し可能に接続されている。
水栓f10は、水栓本体f20と、排出管f30と、操作部f40とを有する。更に水栓f10には、バルブ(図示されず)が内蔵されている。操作部f40を操作(回転)させることで、吐止水の切替及び吐水量の調整が可能である。
本実施形態において、水栓f10は、水栓本体f20に対して排出管f30が回転可能である。当業者において、この水栓f10は、万能水栓と称されている。この水栓f10では、排出管f30が斜めに延びている。このため、取付状態において、上側部材500は下側部材600に対して斜め上側に位置する(図9参照)。
図11が示すように、上側部材500は、全体として一体的に成形された部材である。上側部材500は、全体として、U字型に曲がって延在する略帯状の部材である。上側部材500の詳細については、後述される。
下側部材600は、排出管挿入部602と、下側係合部604と、ホース接続部606とを有する。排出管挿入部602は、円筒内面を有している。この排出管挿入部602に、排出管f30の下端部が挿入される。ホース接続部606には、ホース(ホースの端に取り付けられたコネクタ)が接続される。
図11が示すように、排出管挿入部602は、スライドリング608と、本体部610と、パッキン612とを有する。本体部610は、周方向の複数箇所(4箇所)に、開口614を有する。
下側係合部604は、係合弾性体616を有する。係合弾性体616は、周方向における複数箇所(4箇所)に設けられている。係合弾性体616は、基部617と、この基部617の上端から斜め下方に延びる係合爪618を有する。開口614のそれぞれに、係合弾性体616が配置されている。押圧されていない自然状態では、係合爪618は、開口614から、半径方向内側に突出している。
パッキン612は、フランジ部620と円筒部622とを有する。フランジ部620は、円筒部622の上端から、半径方向外側に延びている。
図11が示すように、ホース接続部606は、ニップル部材630によって構成されている。ニップル部材630は、ホース接続部606と、ねじ部632とを有する。このねじ部632は、雄ねじである。一方、図9が示すように、本体部610はねじ部640を有する。このねじ部640は雌ねじである。ねじ部632とねじ部640とがねじ結合されている。
ねじ部632とねじ部640とのねじ結合を利用して、パッキン612が固定されている。具体的には、パッキン612のフランジ部620が、本体部610の内側延在部642とニップル部材630の上端面644とによって挟まれている。上記ねじ結合のねじ込み量を増やすほど、内側延在部342と上端面644とが接近し、フランジ部620を強く挟み込む。この構成により、パッキン612は容易に且つ確実に固定されている。
図12(a)は、右斜め上方から見た上側部材500の斜視図である。図12(b)は、右斜め下方から見た上側部材500の斜視図である。図12(c)は、左斜め下方から見た上側部材500の斜視図である。図13(a)は、上側部材500の平面図である。図13(b)は、上側部材500の正面図である。図13(c)は、上側部材500の底面図である。図14(a)は、上側部材500の右側面図である。図14(b)は、図13(b)のA−A線に沿った断面図である。図14(c)は、上側部材500の背面図である。
上側部材500は、右側壁部502と、左側壁部503と、連結部504とを有する。図13(c)が示すように、右側壁部502は、円周に沿った壁面を構成している。左側壁部503も、円周に沿った壁面を構成している。右側壁部502及び左側壁部503は、一つの円周面に沿った内壁面を構成している。
連結部504は帯状である。連結部504は、湾曲している。左右連結部504は、U字型に曲がっている。連結部504は、右側壁部502と左側壁部503とを繋いでいる。連結部504の一端に右側壁部502が設けられている。連結部504の他端に左側壁部503が設けられている。
図12(a)及び図12(b)が示すように、上側部材500は下方に開放されている。更に、図12(a)〜(c)及び図13(b)が示すように、上側部材500は、正面側及び背面側に開放されている。右側壁部502及び左側壁部503は、周方向における2箇所が欠落した側壁部を構成している。換言すれば、上側部材500は、周方向における2箇所で分断された側壁部として、右側壁部502及び左側壁部503を有する。
上側部材500は、排出管f3に上側から当接しうる当接部510を有する(図9参照)。連結部504の一部(頂部)が、当接部510である。
湾曲した(U字型の)連結部504により、前後方向に連通する空間が形成されている。すなわち、連結部504は、正面開口k1と、背面開口k2と、内部空間s1とを有する。内部空間s1は、正面開口k1と背面開口k2との間の空間である。
上側部材500は、上側係合部520を有している。上側係合部520は、右側壁部502及び左側壁部503のそれぞれに設けられている。すなわち、上側係合部520は、右側壁部502に設けられた第1係合部520Rと、左側壁部503に設けられた第2係合部520Lとを有する。上側係合部520は、凹みである。より詳細には、上側係合部520は、周方向に沿って設けられた溝である。右側壁部502の上側係合部520と左側壁部503の上側係合部520とを合わせると、一つの円周面に略沿った周溝が構成されている。ただし、右側壁部502と左側壁部503とが互いに分離していることに起因して、この周溝は、周方向の2箇所で分断されている(図13(b)及び図13(c)参照)。つまり、この周溝は、第1係合部520Rと第2係合部520Lとに分断されている。この上側係合部520は、係合弾性体616の係合爪618と係合しうる。
図12(a)及び図12(b)が示すように、右側壁部502と左側壁部503とにより、円周内面が構成されている。図13(c)が示すように、右側壁部502と左側壁部503との間に、内部空間s2が形成されている。この内部空間s2は、円柱状の空間である。
取付状態では、右側壁部502と左側壁部503との間に、排出管f30が挿通される。排出管f30は管状であり、その断面は円形である。このため、排出管f30は、右側壁部502及び左側壁部503によって安定的に保持される。
連結部504は弾性変形しうる。連結部504の弾性変形に起因して、内部空間s2の幅は変化しうる。換言すれば、連結部504の弾性変形に起因して、右側壁部502と左側壁部503との間の距離は変化しうる。排出管f30の太さに応じて、右側壁部502と左側壁部503との間の距離が調整されうる。このため、排出管f30の太さ(直径)及び曲がり具合が変動しても、上側部材500は排出管f30を安定的に保持しうる。上側部材500は、排出管f30の寸法及び形状に合わせて変形することができ、排出管への適応性に優れる。
[接続状態及び取付状態]
図9が示すように、この上側部材500と下側部材600とが係合した接続状態により、曲がって延びる排出管f30が挟み込まれている。この挟み込みにより、ホース接続具400は排出管f30に固定されている。接続状態が維持されている限り、ホース接続具400が排出管f30から抜けることはない。
接続状態は、上側部材500及び下側部材600のうちの一方を他方に対して押し付けることにより、形成される。上側部材500を下側部材600に押し付けてもよいし、下側部材600を上側部材500に押し付けても良い。接続状態は、ワンタッチで形成される。接続状態の形成は非常に容易である。
ホース接続具400の取付方法として、次の手順Cが可能である。この手順Cにより、接続状態の完了と同時に、取付状態が完了する。
(手順C)排出管f30の下端部を背面開口k2から内部空間s2へと通すことにより、上側部材500を排出管f30に装着する。次に、下側部材600を下から上側部材500に押し付ける。
なお、連結部504の弾性変形の度合いを高めることにより、前述した手順A及び手順Bも可能となる。一方、上記手順Cでは、連結部504の弾性変形を抑制することができるので、連結部504への負担が小さい。
手順AからCのいずれにおいても、上側係合部520(凹み)が下側係合部604(係合弾性体616)に係合することで、接続状態が完了する。上側部材500及び下側部材600のいずれか一方が他方に対して押し付けられる過程で、上側部材500の下端部が係合爪618を押圧する。係合爪618は斜め下方に向かって延びているため、上から下に向かって移動する上側部材500により容易に押圧され、半径方向外側に退行する。上側部材500の上側係合部520(凹み)が係合爪618の位置にまで達すると、係合爪618は、上側部材200による押圧から開放され、半径方向内側に突出する。この結果、係合爪618と上側係合部520とが係合する。換言すれば、上側係合部520が下側係合部604に係合する。このように、上側部材500及び下側部材600のうちの一方を他方に対して押し付けるだけで、接続状態を形成することができる。
スライドリング608は、上側係合部520(凹み)と下側係合部604(係合爪618)との係合を保持するロック機能を有する。このロック機構の構成は、前述した第1実施形態と同様である。
ホース接続具400でも、接続状態の形成は容易であり、利便性が高い。また、上側部材500の変形容易性に起因して、排出管f30への適応性が高い。上述の通り、排出管f30の太さ及び曲がりによって、右側壁部502と左側壁部503との間の間隔が変化しうる。この変化によって、第1係合部520Rと第2係合部520Lとの間の距離も変化するが、この距離の変化は、上側係合部520と下側係合部604との間の係合に影響しない。このように、ホース接続具400は、排出管f30の形状の変化に対する適応性に優れ、且つ、取付状態が容易に形成されうる。周方向の複数箇所に配置されたねじを締め付ける従来のホース接続具と比べると、取付の容易性は明らかである。
この第2実施形態においても、取付状態では、接続状態とされた上側部材500及び下側部材600が、排出管f3を挟み込んでいる。
図9が示すように、取付状態において、排出管f30の下端部が、パッキン612の円筒部622に内側から食い込んでいる。パッキン612は、排出管f30の外周面に密着している。この密着により、水密性が達成されている。
取付状態では、接続状態が維持される限り、パッキン612は排出管f30に密着している。この密着により、水密性が保たれている。
取付状態において、当接部510の当接位置c1は、排出管f3の下端部の中心線CL1よりも給水側(図9における右側)に位置する。したがって、排出管f30に対するホース接続具400の固定の確実性が向上している。
取付状態において、ホース接続具400と排出管f30の間に遊びがあってもよい。すなわち、排出管f30が抜けない限り、取付状態のホース接続具400が、排出管f30に対して動いても良い。この遊びがある場合、当該遊びの全範囲において、パッキン612と排出管f30との間の接触圧(水密性)が維持されているのが好ましい。
第1実施形態のホース接続具100において、上側部材200の上側係合部220は、周方向における一部が欠落した欠落部206を有している。上側係合部220と下側係合部304との係合は、凹凸係合である。このため、欠落部206が存在していても、上側係合部220と下側係合部304との係合は、確実且つ安定的である。また、欠落部206は、排出管f3の形状に合わせて設けることができる。この欠落部206を有する上側部材200は、排出管への適応性に優れる。加えて、この欠落部206は、前述した手順A及び手順Bを可能とする。
なお、上側部材200の内面形状と、排出管の外面の形状との間で、厳密な一致性は要求されない。この点は、図2に示された空間s4の大きさからも明らかである。取付状態では、接続状態にあるホース接続具から排出管が抜けない状態であればよい。曲がっている排出管の抜けを拘束するのに、上側部材200の内面と排出管の外面が一致している必要はない。このように、上側部材200は、排出管f3の形状との厳密な一致性を要することなく、排出管f3に対するホース接続具100の固定を可能としている。上側部材200は、上から被せることができるのに加えて、排出管への適合性に優れる。
第2実施形態のホース接続具400において、右側壁部502と左側壁部503との間には隙間506が存在する(図13(b)及び図13(c)参照)。これら隙間506は、上記欠落部である。すなわち、上側部材500の上側係合部520は、周方向における一部が欠落した欠落部506を有している。これらの欠落部506により、連結部504の変形が容易となる。欠落部506を有する上側部材500は、排出管f30への適応性に優れる。
第2実施形態のホース接続具400においては、欠落部506が周方向における2箇所に設けられることで、上側係合部520が第1係合部520Rと第2係合部520Lとに分断されている。そして、上側部材500は、第1係合部520Rと第2係合部520Lとを繋ぐ連結部504を有している。この左右連結部504が、当接部510を有している。排出管f30は管状であるため、湾曲した連結部504は、排出管f30を挿通させつつ、上側から排出管f30に当接しやすい。この湾曲した連結部504は、排出管f30を安定的に挟み込むのに寄与している。
第1実施形態において、パッキン312が、排出管f3の外面に密着しうる円筒部322を有している。この円筒部322の内径は、排出管f3の外径よりも小さい。排出管f3を円筒部322に挿入すると、円筒部322は排出管f3の外面に密着する。この密着により水密性が発現される。また、図2が示すように、円筒部322の外側に空間s3が設けられている。通水時に、この空間s3には水が流れ込む。よって、通水時には、水圧が円筒部322を排出管f3に向かって押圧する。このため、水密性がより一層高められている。
ホース接続具の取付に関して、前述した手順A及び手順Bでは、上側部材は、上側から排出管に取り付けられている。したがって、排出管の上側から上側部材を、且つ、下側から下側部材を、それぞれ取り付けることができ、取付が容易である。前述した手順Cの場合、上側部材を上側から取り付けることはできないので、取付の容易性は、手順A及び手順Bに比べて低下する。しかしこの手順Cでも、手順A及び手順Bと同様に、ワンタッチ係合が可能である。これら手順A,B及びCでは、周方向の複数箇所に配置されたねじを締め付ける従来のホース接続具に比べで、取付の手間及び時間が大幅に短縮される。
前述した特表2007−528458号公報に記載の蛇口接続用カップリングとの比較において、本願実施形態の効果は、以下の通りである。
[効果1]
本願実施形態では、接続のための係合がねじ結合ではない。このため、ホースが接続される部材(下側部材)の回転規制が可能である。前述したホース接続具400は、上側部材500に対する下側部材600の回転を規制する凹凸係合を有する。図12(a)〜(c)が示すように、上側部材500は、係合凸部530を有している。係合凸部530は、挿入方向に延在している。一方、図10が示すように、下側部材600は、係合凸部530に係合する係合凹部650を有する。係合凹部650は、挿入方向に延在している。接続状態では、係合凸部530と係合凹部650とが係合する。この係合により、上側部材500に対する下側部材600の回転が規制される。なお、挿入方向とは、下側部材600に対して上側部材500が挿入されるときの挿入方向を意味する。
一方、特表2007−528458号公報に記載の蛇口接続用カップリングでは、接続のための係合がねじ結合であるため、上述の回転規制が不可能である。よって、ホースが接続される部材(下側部材)の回転を防止したい場合があっても、当該回転を防止することができない。回転を防止したい場合の一例は、分岐シャワーを付ける場合である。本願実施形態は、回転規制が可能であるため、利便性に優れる。
[効果2]
特表2007−528458号公報に記載の蛇口接続用カップリングでは、ホースの回転によって上記ねじ結合に緩みが生じうる。このねじ結合の緩みは、水漏れに繋がる。一方、本願実施形態では、接続のための係合がねじ結合ではないので、下側部材が回転しても水漏れは生じない。
[効果3]
蛇口の排出管内部の出口付近には、整流板が配置されていることが多い。特表2007−528458号公報に記載の蛇口接続用カップリングでは、蛇口の排出管内部に挿入される部材(接続具20)があるため、整流板が配置されている蛇口には取り付けることができない。一方、本願実施形態では、蛇口の排出管内部に挿入される部材はないため、整流板があっても取り付けられる。
[効果4]
特表2007−528458号公報に記載の蛇口接続用カップリングでは、ねじ結合をどこまで締めればよいかが、分かりにくい。締め付けが不足している場合、水漏れが生じうる。また、締め付けが過剰である場合、パッキンが傷む。一方、本願実施形態では、係合の完了が分かりやすい。例えば、ホース接続具100においては、係合の完了と同時に、係合爪318が上側係合部220(凹み)の内側に突出する。この突出の際に音及び/又は振動が生じうる。これらの音及び/又は振動により、取り付けの完了を認識することができる。すなわち、本願実施形態では、聴覚又は触覚によって、取り付けの完了を認識することができる。
また、本願実施形態では、視覚によって取り付けの完了を認識することもできる。図8が示すように、上側部材500の連結部504は、外側突出部540を有する。外側突出部540は、左右のそれぞれに設けられている。第1の外側突出部540は、右側壁部502の上側に隣接して設けられている。第2の外側突出部540は、左側壁部503の上側に隣接して設けられている。下側部材600の上端面と外側突出部540との間隔によって、取り付けの完了を認識することができる。例えば、下側部材600の上端面と外側突出部540との間の隙間が無い状態を、取り付けの完了とすることができる。
[効果5]
特表2007−528458号公報に記載の蛇口接続用カップリングでは、円筒状の固定具10に蛇口の排出管を通す必要があるため、排出管が長い場合には取り付けが困難となる。例えば、前述した万能水栓10(図10参照)への取り付けは、困難である。一方、前述した上側部材200及び上側部材500は、排出管への適応性に優れており、使用可能な水栓の範囲が広い。
[効果6]
特表2007−528458号公報に記載の蛇口接続用カップリングでは、締結具30とのねじ結合を締め付けることによって接続具20を上方に押し上げ、この押し上げ力によって水密性を確保している。よって、上述したワンタッチ接続をこの従来の構成に適用すると、水密性の確保が困難である。なぜなら、ワンタッチ接続では、通常、遊びが生ずるからである。一方、前述したホース接続具100及びホース接続具400では、中心線CL1の方向に沿って、パッキンと排出管との密着範囲が確保されている。このため、当該遊びがあっても水密性が確保されている。すなわち、本願実施形態では、ワンタッチ接続を採用しても水密性が確保される。
[効果7]
前述したホース接続具100のパッキン312は、中心線CL1に沿って延びる円筒部322を有している。この円筒部322の長さによって、パッキン312と排出管f3との密着面積が確保され、水密性が高められている。このパッキン312が従来の蛇口接続用カップリングに適用された場合、この円筒部322の長さに加えて、固定具10と締結具30との間のねじ結合の長さが必要となる。ところが、図3に示されるような水栓f1の場合、排出管f3が短い。このような場合にパッキン312を適用すると、固定具10と締結具30との間のねじ結合の長さを確保できない。一方、本願実施形態では、上述の係合構造が採用されているので、係合部分の長さ(中心線CL1方向の長さ)を短くすることができる。本願実施形態のホース接続具100は、排出管への適応性に優れる。
[効果8]
特表2007−528458号公報に記載の蛇口接続用カップリングでは、固定具10と締結具30とでねじを締める作業が必要である。これに対して、上述したワンタッチ接続では、取り付けの作業性に優れる。
[効果9]
下側部材300は、既存のニップル継手と同じ構造であるため、他の製品との共通化が可能である。この共通化により、下側部材300は、既存のホース継手や、既存の散水ノズル等に接続することが可能となる。
[効果10]
本願実施形態のホース接続具では、取り付け及び取り外しが容易であるため、清掃しやすい。
[効果11]
本願実施形態のホース接続具では、パッキンの円筒部が、排出管の外径に合わせて拡張することができる。よって、多様な外径の排出管に対して適合しうる。なお、本願実施形態で用いられているようなパッキンは、ウイングパッキンとも称される。
[効果12]
特表2007−528458号公報に記載の蛇口接続用カップリングでは、接続のための係合がねじ結合である。当該ねじ結合の部分に欠落部を設けるのが好ましくなく、雄ねじ及び雌ねじとも完全な円筒面に設けられるのが好ましい。この観点から、上側部材及び下側部材の形状が制約されている。一方、ホース接続具100では、上側部材200及び下側部材300に欠落部を設けても、係合が達成されている。またホース接続具400では、上側係合部520が第1係合部520Rと第2係合部520Lとに分断されており、これらの距離が変化しうるにも関わらず、係合が達成されている。本願実施形態は、上側部材及び下側部材の形状の自由度に優れる。
[効果13]
特表2007−528458号公報に記載の蛇口接続用カップリングでは、固定具10と締結具30とのねじ結合の軸力により、接続具20を押し上げて、水密性を確保している。よってこの従来技術では、上側部材(締結具30)が、パッキン(接続具20)に圧縮力を付与している。この圧縮力を付与するため、固定具10及び締結具30を円筒状とし、両者の間にねじ結合が締結されている。この構成では、固定具10及び締結具30の形状の自由度が低く、排出管への適合性が限定される。一方、ホース接続具100では、接続状態において、上側部材200が、パッキン312に圧縮力を付与していない。上側部材200は、下側部材300の移動を規制しているが、パッキン312の圧縮力を高めるような力を付与していない。仮に、下側部材300がなんらかの外力によって下方に引っ張られた場合には、結果として上側部材200は下側部材300に上方への力を付与することになる。この上方への力はパッキン312の圧縮力に影響しうるが、通常の使用状態では、上側部材200は下側部材300に上方への力を付与しない。
このように、上側部材200の役割は下側部材300の移動を規制するのみである。上側部材200は、下側部材300に対して上方向への力を付与する必要がない。よって、上側部材200の形状自由度を高くすることができ、多様な排出管f3に適合することが可能となる。
本実施形態のホース接続具には以上のような効果を奏するが、実際の使用に際して特に顕著な効果は、取り付けの作業性及び排出管への適合性である。
取り付けの作業性に関して、ホース接続具100では、上側部材200を上から被せるだけで取り付けることができる。前述した手順A及び手順Bのいずれにしても、上側部材200は排出管f3の上から被せ、下側部材300は下から排出管f3を挿入して、両者をワンタッチ接続するだけである。片手での取り付けが可能である点については、前述のとおりである。ホース接続具400についても同様であり、ワンタッチ接続が可能である。この取り付けの作業量は、従来のホース接続具に比べて、はるかに少ない。排出管への適合性に関して、前述の通り、上側部材200及び上側部材500は、多様な排出管に適合しうる。また上述の通り、ウイングパッキンは多様な排出管に適合しうる。このように、実施形態に係るホース接続具は、取り付けの作業性に優れ、且つ、適合する水栓の範囲が従来品よりも広いという効果を有する。実施形態に係るホース接続具は、利便性が極めて高い。
ホース接続具100では、係合弾性体316が本体部310とは別部材である。しかし、係合弾性体316を本体部310と一体化してもよいことは、言うまでもない。また係合弾性体316の数は限定されない。接続状態の安定性の観点から、係合弾性体316の数は、2以上であるのが好ましい。ホース接続具100の製造コストを考慮すると、係合弾性体316の数は、6以下が好ましく、5以下がより好ましく、4以下がより好ましい。係合弾性体316が複数である場合、これらは周方向に均等に配分されるのが好ましい。
接続状態のロック機構に関して、上述の通り、スライドリングの移動を規制するスライド規制部材が設けられてもよい。上述の通り、スライド規制部材は、スライドリングをロック位置に維持するのに寄与する。仮に使用者が意図しない下向き外力がスライドリングに作用しても、スライド規制部材により接続状態が確実に維持されうる。スライド規制部材が隙間g1(図2参照)に配置される部材(例えば前述のリング部材)である場合、ロック位置の維持がより一層確実となる一方で、当該部材の装着には若干の手間を要する。これに対して、スライド規制部材が上述の付勢部材(スプリング等)である場合、当該手間が削減されるメリットがある一方で、ロック位置の維持の確実性は若干低下する。
前述の通り、本体部310とニップル部材330との間の固定構造として、ねじ止めが採用されている(図2及び図4参照)。この固定構造は、ねじ止めに限定されない。この固定構造として、ねじ止め、接着及び溶着が例示される。上述の通り、パッキン312の固定を容易とする観点からは、ねじ止めが好ましい。一方、成形金型の複雑性を抑制する観点からは、接着及び溶着が好ましい。更に、量産時の加工安定性を考慮すると、溶着が好ましい。
水栓へのホース接続具の固定に関して、上述の通り、当接部210の当接位置c1は中心線CL1よりも給水側に位置するのが好ましい(図2参照)。一方、通常の取付状態では、本体部310は水栓f1に接しておらず、パッキン312が水栓f1に接している。すなわち、パッキン312が下側部材300全体を支持している。ただし、ホース接続具100が傾いた場合には、本体部310が排出管f3に当接する。この当接により、更なるホース接続具100の傾きが防止され、ひいてはホース接続具100の外れが防止されている。また、本体部310の代わりに、スライドリング308又はニップル部材330が水栓f1に当接する場合もある。このように、ホース接続具100の姿勢によっては、下側部材300のいずれかの部分が水栓f1に当接して、ホース接続具100の傾きを防止し、ひいてはホース接続具100の外れが防止されている。なお、ホース接続具100が傾いた場合等において、当接部210は水栓f1に当接しない状態となりうる。
このように、ホース接続具100の姿勢によって、当接部210又は下側部材300の少なくともいずれかが水栓f1に当接し、ホース接続具100の更なる傾斜を抑制する。この当接により、ホース接続具100の傾斜が所定の臨界点までに規制され、ホース接続具100からの排出管f3の抜けが防止される。当接部210、スライドリング308、本体部310及びニップル部材330からなる群から選択される1又は2以上の部材は、傾斜抑制部材として機能する。
例えば図8に示されるホース接続具400において、上側部材500の形状は略帯状であって、排出管f30の形状との一致性は低い。このような上側部材500であっても、排出管f30に対して確実に固定することができる。排出管f30の形状との一致性が低いということは、上側部材500が適合しうる排出管f30の範囲が広いことを意味している。すなわち、上側部材500は、多様な排出管f30に適合しうる。排出管f3の表面は滑らかな曲面であり、滑りやすいため、ホース接続具の固定は容易でないと思われていた。しかし、上側部材500と下側部材600とによって曲がって延びる排出管f30を挟み込むことで、上側部材500の形状がそれほど制約されずに、排出管f30への固定が可能であることが判明した。本発明のホース接続具では、取付作業が容易な上に、排出管への適応性が高く、且つ、確実な固定が可能である。
図2において両矢印D1で示されているのは、空間s3の軸方向長さである。パッキン312に対する排出管f3の挿入長さの自由度を高めると共に、水圧に起因する水密性を高める観点から、長さD1は、5mm以上が好ましく、7mm以上がより好ましく、8mm以上がより好ましい。ホース接続具100の小型化の観点から、長さD1は、16mm以下が好ましく、14mm以下がより好ましく、12mm以下が更に好ましい。図2の実施形態では、長さD1は9mmとされた。なお、軸方向とは、中心線CL1の方向を意味する。
図2において両矢印D2で示されているのは、円筒部322の軸方向長さである。パッキン312に対する排出管f3の挿入長さの自由度を高める観点から、長さD2は、9mm以上が好ましく、10mm以上がより好ましく、12mm以上がより好ましい。ホース接続具100の小型化の観点から、長さD2は、20mm以下が好ましく、18mm以下がより好ましく、16mm以下が更に好ましい。図2の実施形態では、長さD2は14mmとされた。
図2において両矢印D3で示されているのは、空間s3の半径方向長さの最大値である。排出管f3の外径の自由度を高める観点から、長さD3は、1mm以上が好ましく、2mm以上がより好ましく、3mm以上がより好ましい。ホース接続具100の小型化の観点から、長さD3は、8mm以下が好ましく、7mm以下がより好ましく、6mm以下が更に好ましい。図2の実施形態では、長さD3は4mmとされた。長さD3は、排出管f3が挿入されていない状態で測定される。なお、半径方向とは、中心線CL1に交わり且つ中心線CL1に対して垂直な直線の方向を意味する。
図13(c)において両矢印D4で示されるのは、右側壁部502と左側壁部503との間の離間距離である。細い排出管f3を保持することを考慮すると、距離D4を確保するのが好ましい。この観点から、距離D4は、0.5mm以上が好ましく、1mm以上がより好ましく、1.5mm以上がより好ましい。太い排出管f3を通した場合、連結部504が変形し、当該離間距離が拡大しうる。第1係合部520Rと第2係合部520Lとの連続性を考慮すると、当該離間距離が過大となるのは好ましくない。この観点から、距離D4は、6mm以下が好ましく、5mm以下がより好ましく、4mm以下がより好ましい。図13の実施形態では、距離D4は2mmとされた。なお、距離D4は、上側部材500に外力が付与されていない自然状態で測定される。
図6において両矢印θ1で示されているのは、欠落部206の中心角である。多様な太さの排出管f3への適合性を高める観点から、角θ1は、60°以上が好ましく、70°以上がより好ましく、80°以上が更に好ましい。上側係合部220の周方向範囲を増やす観点から、角θ1は、120°以下が好ましく、110°以下がより好ましく、100°以下がより好ましい。図6の実施形態では、角θ1は90°とされた。なお、角θ1の中心は、上側部材200の内面又は外面の少なくとも一部に存在する円周面の中心とされうる。
図13において両矢印θ2で示されているのは、正面開口k1(及び背面開口k2)の中心角である。多様な太さの排出管f3への適合性を高める観点から、角θ2は、60°以上が好ましく、70°以上がより好ましく、80°以上が更に好ましい。繰り返しの弾性変形における連結部504の耐久性を考慮すると、角θ2は、120°以下が好ましく、110°以下がより好ましく、100°以下がより好ましい。図13の実施形態では、角θ2は90°とされた。なお、角θ2は、上側部材500に外力が付与されていない自然状態で測定される。
図15は、第3実施形態に係るホース接続具700が水栓f1に装着された状態を示す斜視図である。図16は、図15の断面図である。
ホース接続具700は、上側部材800と、下側部材300とを有する。上側部材800と下側部材300とは、互いに取り外し可能に接続されている。
前述したホース接続具100とこのホース接続具700との相違は、第2上側係合部222の有無のみである。図16が示すように、上側部材800は、前述した上側部材200と同様に、上側係合部220を有している。加えて、上側部材800は、第2上側係合部222を有している。接続状態において、上側係合部220と第2上側係合部222とでは、軸方向位置が相違する。上側係合部220に加えて、第2上側係合部222にも、下側係合部304(係合弾性体316の係合爪318)が係合しうる。
これら複数の上側係合部220,222は、長さが異なる排出管f3への適応性を高める。排出管f3が図16のように短いとき、係合爪318は上側係合部220に係合する。排出管f3が長いときは、係合爪318が第2上側係合部222に係合することができる。このように、複数の上側係合部を設けることで、長さが異なる排出管f3への適合性が高まる。この観点から、接続状態において軸方向位置が相違する複数の上側係合部が設けられるのが好ましい。この実施形態では上側係合部は2段であるが、3段以上の多段であってもよい。
図17は、第4実施形態に係るホース接続具900が水栓f10に装着された状態を示す斜視図である。図18は、図17の断面図である。図19は、図17の分解斜視図である。図20は、図19の下側部材が更に分解された分解斜視図である。
ホース接続具900は、上側部材1000と、下側部材1100とを有する。上側部材1000と下側部材1100とは、互いに取り外し可能に接続されている。
水栓f10は、水栓本体f20と、排出管f30と、操作部f40とを有する。更に水栓f10には、バルブ(図示されず)が内蔵されている。操作部f40を操作(回転)させることで、吐止水の切替及び吐水量の調整が可能である。
本実施形態において、水栓f10は、水栓本体f20に対して排出管f30が回転可能である。当業者において、この水栓f10は、万能水栓と称されている。この水栓f10では、排出管f30が斜めに延びている。このため、取付状態において、上側部材1000は下側部材1100に対して斜め上側に位置する(図17参照)。
上側部材1000は、全体として一体的に成形された部材である。上側部材1000は、全体として、周方向の一部が開放され、且つ下方に開放された部材である。上側部材1000の詳細については、後述される。
下側部材1100は、排出管挿入部1102と、リング係合体1104と、ホース接続部1106とを有する。排出管挿入部1102は、円筒内面を有している。この排出管挿入部1102に、排出管f30の下端部が挿入される。ホース接続部1106には、ホース(ホースの端に取り付けられたコネクタ)が接続される。ホース接続部1106は、Oリング1108を有する。Oリング1108は、接続部における水密性を高める。
図20が示すように、排出管挿入部1102は、本体部1110と、パッキン1112とを有する。本体部1110は、全体として円筒状の部材である。本体部1110は、周方向の複数箇所(3箇所)に、貫通孔1114を有する(図20参照)。パッキン1112は、ウイングパッキンである。
本体部1110は、欠落部1110aを有する。欠落部1110aは、本体部1110の上端面から下方に向かって延在している。この欠落部1110aは、排出管f30と下側部材1100との干渉を防止している。欠落部1110aにより、ホース接続具900が取り付け可能な水栓f10の形状自由度が高まる。
リング係合体1104は、上側部材1000の上側係合部1020と係合しうる下側係合部の一例である。リング係合体1104は、有端の環状部材である。リング係合体1104の詳細については、後述される。
リング係合体1104は、本体部1110(下側部材1100)に、取り外し可能に取り付けられている。リング係合体1104は、本体部1110(下側部材1100)の外面に取り付けられている(図19)。リング係合体1104は、本体部1110(下側部材1100)の側面に取り付けられている。本体部1110(下側部材1100)は、リング係合体1104が嵌まり込む周溝1116を有する(図20参照)。
上側部材1000と下側部材1100とが互いに係合した接続状態において、リング係合体1104は、下側部材1100(本体部1110)から取り外されうる。本願では、前記接続状態における上側部材1000と下側部材1100との相対的な位置関係が、正規接続位置とも称される。上側部材1000及び下側部材1100が正規接続位置にあるとき、リング係合体1104は下側部材1100から取り外されうる。上側部材1000及び下側部材1100(リング係合体1104を除く)が正規接続位置にあるとき、リング係合体1104は下側部材1100に取り付けられうる。
図18及び図20が示すように、パッキン1112は、フランジ部1120と円筒部1122とを有する。フランジ部1120は、円筒部1122の上端から、半径方向外側に延びている。
取付状態において、排出管f30は、フランジ部1120の円筒部1122を通過している。自然状態における円筒部1122の内径は、この円筒部1122を通過している排出管f30の外径よりも小さい。よって、取付状態において、フランジ部1120の円筒部1122は、排出管f30の外面に密着している(図18参照)。この密着により、水漏れが防止されている。
図20が示すように、ホース接続部1106は、ニップル部材1130によって構成されている。ニップル部材1130は、ホース接続部1106と、結合部1132とを有する。この結合部1132が、本体部1110の内側に挿入されつつ固定されている。パッキン1112は、本体部1110とニップル部材1130とに挟まれて、固定されている。
図21(a)は、右斜め上方から見た上側部材1000の斜視図である。図21(b)は、右斜め下方から見た上側部材1000の斜視図である。図21(c)は、左斜め下方から見た上側部材1000の斜視図である。図22(a)は、上側部材1000の正面図である。図22(b)は、図22(a)のA−A線に沿った断面図である。図22(c)は、上側部材1000の背面図である。
上側部材1000は、側壁部1002と、上壁部1004とを有する。上側部材1000は下方に開放されている。側壁部1002は、略円筒形状であるが、その周方向における一部が欠落している。すなわち、側壁部1002は欠落部1006を有する。
上側部材1000は、排出管f3に上側から当接しうる当接部1010を有する(図18参照)。上側部材1000の上壁部1004において、欠落部1006の上側に位置する部分が、当接部1010である。
取付状態において、排出管f30は、上側部材1000の欠落部1006を通り、上側部材1000の内部空間を経由して、下側部材1100に至る。
上側部材1000は、当接面M1を有する。当接面M1は、上側部材1000の下端に設けられている。当接面M1は、傾斜面である。上側部材1000及び下側部材1100のうちの一方を他方に対して押し付ける過程で、当接面M1は、リング係合体1104の係合突出部1104a(後述)に当接しうる。
上側部材1000は、上側係合部1020を有している。上側係合部1020は、側壁部1002に設けられている。上側係合部1020は、凹みである。より詳細には、上側係合部1020は、周方向に沿って設けられた溝である。ただし、欠落部1006が存在する領域では、上側係合部1020(溝)は途切れている。この上側係合部1020は、リング係合体1104の係合突出部1104a(後述)と係合しうる。
上側部材1000は、回り止め凹部1030を有する。この回り止め凹部1030は、挿入方向に延びる溝であり、この溝の下端は開放されている。一方、本体部1110は、回り止め突部1118を有する(図20参照)。接続状態において、回り止め凹部1030と回り止め突部1118とが係合する。凹凸係合により、下側部材1100(本体部1110)に対する上側部材1000の回転が規制されている。
図23(a)は、リング係合体1104の斜視図であり、図23(b)は他の視点から見たリング係合体1104の斜視図である。図23(c)はリング係合体1104の平面図であり、図23(d)はリング係合体1104の底面図である。
リング係合体1104は、略C型の部材である。リング係合体1104は、有端の環状部材である。リング係合体1104は、係合突出部1104aと、第1端t1と、第2端t2と、連結部1104bとを有する。
リング係合体1104の材質は、樹脂である。連結部1104bは、弾性変形しうる。リング係合体1104は、第1端t1と第2端t2との距離が大きくなるように弾性変形しうる。このリング係合体1104の弾性変形が、拡開変形とも称される。拡開変形したリング係合体1104は、弾性力により、自然状態に戻ろうとする。すなわち、拡開変形したリング係合体1104は、第1端t1と第2端t2との距離が小さくなるように弾性変形しうる。このリング係合体1104の弾性変形が、縮径変形とも称される。
リング係合体1104は、半径方向内側に突出している複数の係合突出部1104aを有する。図23の実施形態では、複数(3つ)の係合突出部1104aとして、係合突出部p1、係合突出部p2及び係合突出部p3が設けられている。係合突出部p1と係合突出部p2との間に、係合突出部p3が設けられている。係合突出部p3と第1端t1との間に、係合突出部p1が設けられている。係合突出部p3と第2端t2との間に、係合突出部p2が設けられている。
連結部1104bは、係合突出部1104a同士をつないでいる。第1の連結部1104bは、係合突出部p1と係合突出部p3とをつないでいる。第2の連結部1104bは、係合突出部p2と係合突出部p3とをつないでいる。係合突出部1104aは、連結部1104bに対して半径方向内側に突出している。
前述の通り、このリング係合体1104は、下側部材1100(本体部1110)の外面に取り付けられる。この取り付けは、容易である。リング係合体1104の第1端t1及び第2端t2を本体部1110(の周溝1116)に押し付けると、リング係合体1104は、拡開変形を経て縮径変形し、本体部1110(の周溝1116)に外嵌される。同時に、係合突出部1104aのそれぞれは、本体部1110の貫通孔1114を貫通し、本体部1110の内面よりも内側に突出する(図19参照)。このリング係合体1104の状態が正規装着状態とも称される。
[接続状態及び取付状態]
図18が示すように、この上側部材1000と下側部材1100とが係合した接続状態により、曲がって延びる排出管f30が挟み込まれている。この挟み込みにより、ホース接続具900は排出管f30に固定されている。接続状態が維持されている限り、ホース接続具900が排出管f30から抜けることはない。
接続状態は、上側部材1000及び下側部材1100のうちの一方を他方に対して押し付けることにより、形成される。上側部材1000を下側部材1100に押し付けてもよいし、下側部材1100を上側部材1000に押し付けても良い。接続状態は、ワンタッチで形成される。接続状態の形成は非常に容易である。
図24(a)及び図24(b)は、上側部材1000と下側部材1100との接続について説明する断面図である。この接続では、リング係合体1104が正規装着状態にある。上側部材1000及び下側部材1100の一方を他方に押し付けることで、上側部材1000の当接面M1が係合突出部1104a(係合突出部p1からp3のそれぞれ)に当接する。当接面M1は、上側部材1000の端面に近づくほど上側部材1000の内側となるように傾斜している。このため、上側部材1000が下側部材1100側に移動するほど、当接面M1は係合突出部1104aを外側に変位させる。この変位により、リング係合体1104は拡開変形する。上側部材1000の上側係合部1020が係合突出部1104aの位置に達すると、リング係合体1104の弾性復元力により、リング係合体1104が縮径変形する。この縮径変形により、係合突出部1104aが上側係合部1020に入り込む(係合する)(図24(b))。
ホース接続具900の取付方法として、次の手順D及びEが可能である。この手順D及びEにより、接続状態の完了と同時に、取付状態が完了する。
(手順D)排出管f3に上側部材1000を上から被せて、次に、排出管f30を排出管挿入部1102に挿入しつつ、下側部材1100を下から上側部材1000に押し付ける。
(手順E)排出管f30に下側部材1100を下から取付けて、次に上側部材1000を上から下側部材1100に押し付ける。
取り付けの作業性に関して、ホース接続具900では、上側部材1000を上から被せるだけで取り付けることができる。前述した手順D及び手順Eのいずれにしても、上側部材1000は排出管f30の上から被せ、下側部材1100は下から排出管f30を挿入して、ワンタッチ接続を行うだけである。よって、片手での取り付けも可能である。
これらの手順D及びEでは、上側部材1000と下側部材1100とを接続する前に、リング係合体1104が下側部材1100に装着されている。換言すれば、上側部材1000と下側部材1100とを接続する前に、リング係合体1104が正規装着状態とされる。これが事前装着とも称される。事前装着の場合、上側部材1000及び下側部材1100のうちの一方を他方に対して押し付けるだけで、接続状態を形成することができる。すなわち、ワンタッチ接続が可能となる。
なお、上述の通り、リング係合体1104は、下側部材1100の外側に取り外し可能に取り付けられている。よって、上側部材1000と下側部材1100とを接続状態と同じ位置関係とした後に、リング係合体1104を装着することもできる。これは、事後装着とも称される。円滑な接続(ワンタッチ接続)の観点からは、この事後装着よりも、上記事前装着が好ましい。すなわち、上記手順D及びEのように、リング係合体1104を予め正規装着状態とした上で取り付けるのが好ましい。換言すれば、上側部材1000及び下側部材1100のうちの一方を他方に対して押し付ける前に、下側部材1100にリング係合体1104が装着されている(リング係合体1104は正規装着状態にある)のが好ましい。
このように、ホース接続具900では、下側係合部が有端の環状部材であるリング係合体1104によって構成されている。上側部材1000は、上側係合部としての凹部1020と、当接面M1を有している。下側部材1100は、貫通孔1114を有している(図20)。リング係合体1104は、下側部材1100の外側に嵌められている。リング係合体1104の弾性変形(拡開変形及び縮径変形)に起因して、リング係合体1104は下側部材1100の外面に取り外し可能に取り付けられている。リング係合体1104が正規装着状態にあるとき、係合突出部1104aが貫通孔1114を通過して下側部材1100の内部に突出している(図19)。当接面M1は、上側部材1000及び下側部材1100のうちの一方を他方に対して押し付けることにより、下側部材1100の内部に突出する係合突出部1104aに当接してリング係合体1104を拡開変形させるように構成されている(図24(a))。係合突出部1104aは、前記拡開変形後のリング係合体の縮径変形により凹部1020に入り込んでいる。これにより前記接続状態が形成される(図18、図24(b))。
安定した係合の観点から、係合突出部1104aの数は、2以上が好ましく、3以上がより好ましい。係合突出部1104aの大きさを確保すると、係合突出部1104aの数は限定される。また、係合突出部1104aの数が過大であると、構造が複雑化し、円滑な係合の点で好ましくない。この観点から、係合突出部1104aの数は、6以下が好ましく、4以下がより好ましい。
リング係合体1104は、上下を逆としても装着可能である。リング係合体1104が上下逆向きに装着されても、上側部材1000の当接面M1(傾斜面)は、リング係合体1104の係合突出部1104aを押圧しうる。リング係合体1104が上下逆向きに装着されても、ワンタッチ接続が可能である。
前述した第1〜第3実施形態に記載の接続構造(係合爪タイプ)と、この第4実施形態に係るホース接続具900の接続構造(リング係合体タイプ)とは、いずれも、水圧が作用しても水栓から抜けにくい。すなわち、いずれのタイプも、高い抜け防止性能を有する。特に、ホース接続具900は、より高い抜け防止性能を有する。高水圧時には、上側部材と下側部材とを引き離す方向の力(水圧力)が大きくなる。前述した係合爪タイプの場合、周方向に分散して配置された複数の係合爪の全てが確実に係合するように、上側係合部と係合爪との間で挿入方向のクリアランス(係合の遊び)を比較的大きくとる必要がある。また、係合爪は水圧力により変形しうる。これに対して、リング係合体タイプは、前記クリアランスが少なくて済み、且つ、高水圧時でもリング係合体1104の変形は少ない。よって、リング係合体タイプのホース接続具は、高水圧時における抜け防止性能が極めて高い。もちろん、係合爪タイプのホース接続具も、実用的な抜け防止性能を有しうる。
リング係合体タイプは、係合爪タイプに比べて、構造が単純であり、部品点数が少ない。よって、リング係合体タイプは、組み立てが容易であり、故障も少ない。また、リング係合体は着脱可能であるため、単独での部品交換が容易である。更に、リング係合体は使用者でも着脱可能であるため、リング係合体を装着することなく出荷することもでき、使用者側での部品交換も可能となる。そして、リング係合タイプは、単純な構造でありながら、クリアランス(遊び)が少なく確実性の高い係合を実現しうる。
図25は、第5実施形態に係るホース接続具1200が水栓f10に装着された状態を示す斜視図である。図26は、図25の断面図である。図27は、図25の分解斜視図である。図28は、図27の下側部材が更に分解された分解斜視図である。
ホース接続具1200は、上側部材1300と、下側部材1400とを有する。上側部材1300と下側部材1400とは、互いに取り外し可能に接続されている。
水栓f10は、水栓本体f20と、排出管f30と、操作部f40とを有する。更に水栓f10には、バルブ(図示されず)が内蔵されている。操作部f40を操作(回転)させることで、吐止水の切替及び吐水量の調整が可能である。
前述の通り、この水栓f10は、万能水栓と称されている。この水栓f10では、排出管f30が斜めに延びている。このため、取付状態において、上側部材1300は下側部材1400に対して斜め上側に位置する(図25参照)。
上側部材1300は、本体部1302と、調節部1304と、逆回転防止部材1306と、押さえ部1308と、結合部材1310とを有する。調節部1304は、操作によって回転されうるダイヤルである。結合部材1310は、ネジである。上側部材1300の詳細については、後述される。
下側部材1400は、排出管挿入部1402と、リング係合体1404と、ホース接続部1406とを有する。排出管挿入部1402は、円筒内面を有している。この排出管挿入部1402に、排出管f30の下端部が挿入される。ホース接続部1406には、ホース(ホースの端に取り付けられたコネクタ)が接続される。ホース接続部1406は、Oリング1408を有する。Oリング1408は、接続部における水密性を高める。
図28が示すように、排出管挿入部1402は、本体部1410と、パッキン1412とを有する。本体部1410は、周方向の複数箇所(3箇所)に、貫通孔1414を有する。パッキン1412は、ウイングパッキンである。
本体部1410は、欠落部1410aを有する。欠落部1410aは、本体部1410の上端面から下方に向かって延在している。この欠落部1410aは、排出管f30と下側部材1400との干渉を防止している。欠落部1410aにより、ホース接続具1200が取り付け可能な水栓f10の形状自由度が高まる。
本体部1410は、外方延在部1410bを有する。外方延在部1410bは、欠落部1410aの下端から外側に向かって延びている。外方延在部1410bに指を当てることで、排出管f30への下側部材1400の取り付けが容易となる。
リング係合体1104は、前述の第4実施形態で用いられているものと同じである。
リング係合体1104は、下側部材1400に、取り外し可能に取り付けられている。本体部1410(下側部材1400)は、リング係合体1104が嵌まり込む周溝1416を有する(図28参照)。
上側部材1300と下側部材1400とが互いに係合した接続状態において、リング係合体1104は、下側部材1400(本体部1410)から取り外されうる。上側部材1300及び下側部材1400が正規接続位置にあるとき、リング係合体1404は下側部材1400から取り外されうる。上側部材1300及び下側部材1400(リング係合体1104を除く)が正規接続位置にあるとき、リング係合体1104は下側部材1400に取り付けられうる。
図28が示すように、パッキン1412は、フランジ部1420と円筒部1422とを有する。フランジ部1420は、円筒部1422の上端から、半径方向外側に延びている。
取付状態において、排出管f30は、フランジ部1420の円筒部1422を通過している。自然状態における円筒部1422の内径は、この円筒部1422を通過している排出管f30の外径よりも小さい。よって、取付状態において、フランジ部1420の円筒部1422は、排出管f30の外面に密着している。この密着により、水漏れが防止されている。
図28が示すように、ホース接続部1406は、ニップル部材1430によって構成されている。ニップル部材1430は、ホース接続部1406と、結合部1432とを有する。この結合部1432が、本体部1410の内側にネジ結合で固定されている。パッキン1412は、本体部1410とニップル部材1430とに挟まれて、固定されている。
図29(a)は、ホース接続具1200の正面図であり、図29(b)は、図29(a)のA−A線に沿った断面図である。
図28が示すように、結合部材1310は、押さえ部1308と調節部1304とを結合している。押さえ部1308は、調節部1304と一体で回転する。逆回転防止部材1306は、上側部材1300の本体部1302に固定されている。
図29(b)が示すように、調節部1304の内面には、複数の凸u1が形成されている。調節部1304の内面には、複数の凹r1が形成されている。隣り合う凸u1同士の間に、凹r1が形成されている。これらの凸u1(凹r1)は、調節部1304の周方向において均等に配置されている。結果として、調節部1304の内面には、歯車(内歯車)が形成されている。この歯車(内歯車)と、逆回転防止部材1306とが、噛み合っている。
図30(a)は、右斜め上方から見た本体部1302の斜視図である。図30(b)は、左斜め下方から見た本体部1302の斜視図である。図30(c)は、右斜め下方から見た本体部1302の斜視図である。図31(a)は、本体部1302の正面図である。図31(b)は、図31(a)のA−A線に沿った断面図である。図31(c)は、本体部1302の背面図である。
本体部1302は、側壁部1322と、上壁部1324とを有する。本体部1302は下方に開放されている。側壁部1322は、略円筒形状であるが、その周方向における一部が欠落している。すなわち、側壁部1322は欠落部1326を有する。
上壁部1324は、貫通孔1328と、下面1330とを有する。貫通孔1328には、結合部材1310が挿通される(図26参照)。調節部1304は、上壁部1324の上側に配置される。押さえ部1308は、上壁部1324の下側に配置される。調節部1304と押さえ部1308とで、上壁部1324が挟まれている。これら調節部1304と押さえ部1308とが結合部材1310で連結されることで、調節部1304及び押さえ部1308は、上壁部1324(上側部材1300)に、回転可能に固定されている。
取付状態において、排出管f30は、本体部1302の欠落部1326を通り、本体部1302の内部空間を経由して、下側部材1400に至る。
本体部1302は、当接面M1を有する。当接面M1は、本体部1302の下端に設けられている。当接面M1は、傾斜面である。上側部材1300及び下側部材1400のうちの一方を他方に対して押し付ける過程で、当接面M1は、リング係合体1104の係合突出部1104aに当接しうる。
本体部1302は、上側係合部1340を有している。上側係合部1340は、側壁部1322に設けられている。上側係合部1340は、凹みである。より詳細には、上側係合部1340は、周方向に沿って設けられた溝である。この上側係合部1340は、リング係合体1104の係合突出部1104aと係合しうる。
本体部1302は、回り止め凹部1350を有する。この回り止め凹部1350は、挿入方向に延びる溝であり、この溝の下端は開放されている。一方、下側部材1400の本体部1410は、回り止め突部1418を有する(図28参照)。接続状態において、回り止め凹部1350と回り止め突部1418とが係合する。凹凸係合により、下側部材1400(本体部1410)に対する上側部材1300(本体部1302)の回転が規制されている。
図32(a)は、調節部1304を上方から見た斜視図である。図32(b)は、調節部1304を下方から見た斜視図である。図32(c)は、調節部1304の底面図である。
調節部1304は、全体として円筒形である。調節部1304の内側は、下方に開放されている。調節部1304の円周内面に、内歯車1304aが形成されている。更に、調節部1304は、下方に向かって延びる中央突起1304bを有する。中央突起1304bの中央には、係合孔1304cが形成されている。係合孔1304cは雌ねじであり、結合部材1310(ネジ)と結合している。中央突起1304bは、その下端部に、非円形端部1304dを有する。非円形端部1304dの外面の断面形状は、非円形(六角形)である。
図33(a)は、逆回転防止部材1306を上方から見た斜視図である。図33(b)は、逆回転防止部材1306の平面図である。図33(c)は、逆回転防止部材1306を下方から見た斜視図である。
逆回転防止部材1306は、複数(2つ)の歯止め1306aを有する。これらの歯止め1306aは、周方向において均等に配置されている。なお、この周方向とは、調節部1304の周方向である。
逆回転防止部材1306は、中央貫通孔1306bを有する。中央貫通孔1306bの断面形状は、円形である。中央貫通孔1306bに、調節部1304の中央突起1304bが挿通されている。図29(b)が示すように、逆回転防止部材1306は、調節部1304と同軸で配置されている。
逆回転防止部材1306は、凸部1306cを有する。凸部1306cは、本体部1302の凹部1352に嵌め込まれている(図28参照)。凸部1306cは、本体部1302に固定されている。
図33(b)がよく示すように、歯止め1306aの延在方向は、径方向に対して傾斜している。この径方向とは、中央貫通孔1306bの径方向であり、調節部1304の径方向でもある。この径方向とは、回転防止部材1306の回転軸線に対して垂直な方向である。複数の歯止め1306aは、径方向に対して、同じ方向に傾斜している。複数の歯止め1306aは、径方向に対して、同じ角度で傾斜している。
図32(c)及び図29(b)が示すように、内歯車1304aを構成する歯のそれぞれは、歯止め1306aと同じ方向に傾斜している。この内歯車1304aと歯止め1306aとが噛み合うことで、逆回転防止機構が形成されている。この逆回転防止機構は、ラチェット機構である。調節部1304(内歯車1304a)と逆回転防止部材1306(歯止め1306a)との間で、ラチェット機構が構成されている。調節部1304は、第1方向DR1(図29(b)では時計回り方向)には回転できるが、第2方向DR2(図29(b)では反時計回り方向)には回転できない。
なお、本願では、排出管f30と当接する当接部が排出管f30に近づくときの操作方向が第1方向DR1とされ、前記当接部が排出管f30から遠ざかるときの操作方向が第2方向DR2とされる。また、本願において、操作方向S1とは、第1方向DR1及び第2方向DR2を含む概念である。第2方向DR2は、第1方向DR1の逆方向である。
図34(a)は押さえ部1308を上方から見た斜視図であり、図34(b)は押さえ部1308の側面図であり、図34(c)は押さえ部1308を下方から見た斜視図であり、図34(d)は押さえ部1308の底面図である。
押さえ部1308は、中央貫通孔1308aを有する。中央貫通孔1308aには、結合部材1310が挿通されている。押さえ部1308は、非円形孔1308bを有する。非円形孔1308bは、中央貫通孔1308aの上側に形成されている。この非円形孔1308bに、調節部1304の非円形端部1304dが嵌め込まれている。非円形孔1308bと非円形端部1304dとの係合により、押さえ部1308は、調節部1304と一体で回転する。
押さえ部1308は、高さ変化部1308cを有する。高さ変化部1308cは、押さえ部1308の側面を構成している。この高さ変化部に起因して、押さえ部1308の側面の高さは、押さえ部1308の周方向位置により変化している。高さ変化部1308cは、下面1308dを有する。下面1308dは、螺旋状に延在している。この螺旋形状に起因して、高さ変化部1308cの高さは、周方向位置により徐々に変化している。高さ変化部1308cにおける高さの変化は、無段階的な変化であってもよいし、段階的な変化であってもよい。
前記接続状態において、押さえ部1308が、排出管f30に当接する。押さえ部1308の下面1308dが、排出管f30と当接する当接部である。調節部1304を回転させることで、排出管f30と当接している位置における押さえ部1308の高さが変化する。換言すれば、調節部1304を回転させることで、下面1308d(当接部)の排出管f30に対する位置が変化する。排出管f30の形状の変化に対応して、当接部の位置を変化させることができる。このため、ホース接続具1200異なる種類の水栓f10に適応しうる。ホース接続具1200は、横水栓に装着することができ、且つ、万能水栓に装着することができる。
[接続状態及び取付状態]
図26が示すように、この上側部材1300と下側部材1400とが係合した接続状態により、曲がって延びる排出管f30が挟み込まれている。この挟み込みにより、ホース接続具1200は排出管f30に固定されている。接続状態が維持されている限り、ホース接続具1200が排出管f30から抜けることはない。
接続状態は、上側部材1300及び下側部材1400のうちの一方を他方に対して押し付けることにより、形成される。上側部材1300を下側部材1400に押し付けてもよいし、下側部材1400を上側部材1300に押し付けても良い。接続状態は、ワンタッチで形成される。接続状態の形成は非常に容易である。
図35(a)及び図35(b)は、上側部材1300と下側部材1400との接続について説明する断面図である。この接続では、リング係合体1104が正規装着状態にある。上側部材1300及び下側部材1400の一方を他方に押し付けることで、上側部材1300の当接面M1が係合突出部1104aに当接する。当接面M1は、上側部材1300の端面に近づくほど上側部材1300の内側となるように傾斜している。このため、上側部材1300が下側部材1400側に移動するほど、当接面M1は係合突出部1104aを外側に変位させる。この変位により、リング係合体1104は拡開変形する。上側部材1300の上側係合部1340が係合突出部1104aの位置に達すると、リング係合体1104の弾性復元力により、リング係合体1104が縮径変形する。この縮径変形により、係合突出部1104aが上側係合部1340に入り込む(図35(b))。
このように、第5実施形態は、第4実施形態と同様に、前述した手順D及び手順Eのいずれによっても装着が可能である。ワンタッチ接続が可能であり、片手での取り付けも可能である。また、リング係合体1104に関して、前記事前装着が可能であり、前記事後装着も可能である。この第5実施形態も、リング係合体タイプであるから、上述した種々の利点を有する。
図36は、第6実施形態に係るホース接続具1500が水栓f10に装着された状態を示す斜視図である。図37は、図36の断面図である。図38は、図36の分解斜視図である。図39は、図38の下側部材が更に分解された分解斜視図である。
ホース接続具1500は、上側部材1600と、下側部材1400とを有する。上側部材1600と下側部材1400とは、互いに取り外し可能に接続されている。
水栓f10は、水栓本体f20と、排出管f30と、操作部f40とを有する。更に水栓f10には、バルブ(図示されず)が内蔵されている。操作部f40を操作(回転)させることで、吐止水の切替及び吐水量の調整が可能である。
上側部材1600は、本体部1602と、調節部1604とを有する。調節部1604は、操作によって移動しうる。上側部材1600の詳細については、後述される。
下側部材1400は、前述の第5実施形態で用いられているものと同じである。リング係合体1104は、前述の第4及び第5実施形態に用いられているものと同じである。
図40(a)は、ホース接続具1500の背面図であり、図40(b)は、図40(a)のA−A線に沿った断面図である。
図39及び図40(b)が示すように、調節部1604の側面には、複数の凸u1が形成されている。これらの凸u1は、調節部1604の移動方向(操作方向)における異なる位置に配置されている。調節部1604の側面には、複数の凹r1が形成されている。隣り合う凸u1同士の間に、凹r1が形成されている。これらの凹r1は、調節部1604の移動方向(操作方向)における異なる位置に配置されている。この凹r1と、本体部1602の凸u2とが、噛み合っている(図40(b))。
図41(a)は、右斜め上方から見た本体部1602の斜視図である。図41(b)は、右斜め下方から見た本体部1602の斜視図である。図41(c)は、左斜め下方から見た本体部1602の斜視図である。図42(a)は、本体部1602の正面図である。図42(b)は、図42(a)のA−A線に沿った断面図である。図42(c)は、本体部1602の背面図である。図42(d)は、本体部1602の底面図である。
本体部1602は、側壁部1622と、上壁部1624とを有する。本体部1602は下方に開放されている。側壁部1622は、略円筒形状であるが、その周方向における一部が欠落している。すなわち、側壁部1622は欠落部1626を有する。
本体部1602は、調節部1604を出退移動が可能な状態で保持しうる保持部1640を有する。保持部1640は、調節部1604を挿入しうる内部空間K1と、調節部1604を通過させうる開口P1と、調節部1604に係合しうる係合部1642とを有する。係合部1642は、左右それぞれに設けられた凸u2である。凸u2のそれぞれは、上下方向に延在する縁部である。
これら2つの凸u2の間に、調節部1604が保持される(図40(b)参照)。調節部1604の凹r1と、本体部1602の凸u2とが係合することで、調節部1604は本体部1602に保持されている。
取付状態において、排出管f30は、本体部1602の欠落部1626を通り、本体部1602の内部空間を経由して、下側部材1400に至る。
本体部1602は、当接面M1を有する。当接面M1は、本体部1602の下端に設けられている。当接面M1は、傾斜面である。上側部材1600及び下側部材1400のうちの一方を他方に対して押し付ける過程で、当接面M1は、リング係合体1104の係合突出部1104aに当接しうる。
本体部1602は、上側係合部1646を有している。上側係合部1646は、側壁部1622に設けられている。上側係合部1646は、凹みである。より詳細には、上側係合部1646は、周方向に沿って設けられた溝である。この上側係合部1646は、リング係合体1104の係合突出部1104aと係合しうる。
本体部1602は、回り止め凹部1650を有する。この回り止め凹部1650は、挿入方向に延びる溝であり、この溝の下端は開放されている。接続状態において、回り止め凹部1650と下側部材1400の回り止め突部1418とが係合する。凹凸係合により、下側部材1400に対する上側部材1600の回転が規制されている。
図43(a)は、調節部1604を上方から見た斜視図である。図43(b)は、調節部1604を下方から見た斜視図である。図43(c)は、調節部1604の底面図である。
調節部1604は、第1アーム1604aと、第2アーム1604bと、中央部1604cと、基部1604dとを有する。基部1604dは、調節部1604の操作部である。操作部1604dを操作して、調節部1604を移動させる。
第1アーム1604aは、基部1604dから一方向に延びている。第2アーム1604bは、基部1604dから一方向に延びている。中央部1604cは、基部1604dから一方向に延びている。第1アーム1604aと第2アーム1604bとは、互いに平行に延びている。中央部1604cと第1アーム1604aとは、互いに平行に延びている。中央部1604cと第2アーム1604bとは、互いに平行に延びている。第1アーム1604aと第2アーム1604bとで、一対のアームが構成されている。
前述の通り、調節部1604は、複数の凸u1を有する。複数の凸u1は、各アームのそれぞれに設けられている。調節部1604は、複数の凹r1を有する。複数の凹r1は、各アームのそれぞれに設けられている。凹r1は、互いに隣り合う凸u1の間に位置する。凸u1が形成された結果として、凹r1が形成されている。
以下、調節部1604の挿入方向が第1方向DR1とも称され、この第1方向に対する逆方向が第2方向DR2とも称される(図40(b)参照)。第1方向及び第2方向は、調節部1604の操作方向S1に平行である。
凸u1は、操作方向S1に対して垂直な方向に突出している。図43(c)が示すように、凸u1のそれぞれは、第1面m1と、第2面m2とを有する。第1面m1及び第2面m2は、凸u1の側面を構成している。ある一つの凸u1において、第1面m1は、第2面m2に対して、第1方向側(前側)に位置する。
第1面m1は、アームの延在方向に対して傾斜している。第1面m1は、第1方向側にいくほど凸u1の突出高さが低くなるように傾斜している。第2面m2は、操作方向S1に対して垂直である。
図43(b)が示すように、中央部1604cは、高さ変化部1604eを有する。高さ変化部1604eでは、中央部1604cの下面の位置が変化している。中央部1604cの下面は、階段状である。中央部1604cの下面の位置は、第1方向側に行くほど上側となるように変化している。本実施形態では、この変化は段階的である。この変化は、無段階的であってもよい。
この調節部1604は、本体部1602に挿入される(図38参照)。調節部1604は、本体部1602の保持部1640に挿入される。調節部1604は、先端側から挿入される。調節部1604は、操作方向S1(図40(b)参照)に沿って移動しうる。
調節部1604を本体部1602に挿入すると、最も第1方向側に位置する凸u1が、係合部1642の凸u2に当接する。より詳細には、最も第1方向側に位置する凸u1の第1面m1が、凸u2に当接する。調節部1604が第1方向DR1に進むにつれて、凸u2は、第1面m1上をスライド移動しつつ、第1面m1を押圧する。この押圧により、第1アーム1604aは、弾性変形により、調節部1604の中心側(中央部1604c側)に撓む。同様に、第2アーム1604bは、弾性変形により、調節部1604の中心側(中央部1604c側)に撓む。これらの弾性変形を伴いつつ、凸u2は凸u1を乗り越える。凸u2が凸u1を乗り越えると、上記弾性変形が回復すると同時に、凸u2は凹r1に入り込む。図40(b)は、凸u2が最も第1方向側の凹r1に入り込んだ状態を示している。
調節部1604を更に第1方向側に押し込むと、上述した弾性変形及び弾性回復を経て、凸u2が前方から2番目の凹r1に入り込む。調節部1604を更に第1方向側に押し込むと、上述した弾性変形及び弾性回復を経て、凸u2が第1方向側から3番目の凸u1の後方に入り込む。このように、調節部1604は、操作方向S1における複数の位置で、本体部1602に保持される。
第1面m1の傾斜に起因して、調節部1604は、第1方向(挿入方向)には容易に移動する。一方、第2面m2の向きに起因して、調節部1604は、第2方向には容易に移動できない。調節部1604において、挿入方向とは逆方向への移動は規制されている。
前記接続状態において、中央部1604cが、排出管f30に当接する。調節部1604の移動に伴い、排出管f30が高さ変化部1604eのどこに当接するかが、変化する。調節部1604を移動することで、排出管f30と当接している位置における調節部1604の高さが変化する。排出管f30の形状の変化に対応して、調節部1604の高さを変化させることができる。このため、ホース接続具1500は、異なる種類の水栓f10に適応しうる。
[接続状態及び取付状態]
図37が示すように、上側部材1600と下側部材1400とが係合した接続状態により、曲がって延びる排出管f30が挟み込まれている。この挟み込みにより、ホース接続具1500は排出管f30に固定されている。接続状態が維持されている限り、ホース接続具1500が排出管f30から抜けることはない。
接続状態は、上側部材1600及び下側部材1400のうちの一方を他方に対して押し付けることにより、形成される。上側部材1600を下側部材1400に押し付けてもよいし、下側部材1400を上側部材1600に押し付けても良い。接続状態は、ワンタッチで形成される。接続状態の形成は非常に容易である。
図44(a)及び図44(b)は、上側部材1600と下側部材1400との接続について説明する断面図である。この接続では、リング係合体1104が正規装着状態にある。上側部材1600及び下側部材1400の一方を他方に押し付けることで、上側部材1600の当接面M1が係合突出部1104aに当接する。当接面M1は、上側部材1600の端面に近づくほど上側部材1600の内側となるように傾斜している。このため、上側部材1600が下側部材1400側に移動するほど、当接面M1は係合突出部1104aを外側に変位させる。この変位により、リング係合体1104は拡開変形する。上側部材1600の上側係合部1646が係合突出部1104aの位置に達すると、リング係合体1104の弾性復元力により、リング係合体1104が縮径変形する。この縮径変形により、係合突出部1104aが上側係合部1646に入り込む(図44(b))。
このように、第6実施形態は、第4及び第5実施形態と同様に、前述した手順D及び手順Eのいずれによっても装着が可能である。ワンタッチ接続が可能であり、片手での取り付けも可能である。また、リング係合体1104に関して、前記事前装着が可能であり、前記事後装着も可能である。この第6実施形態も、リング係合体タイプであるから、上述した種々の利点を有する。
図45は、第7実施形態に係るホース接続具1700が水栓f10に装着された状態を示す斜視図である。図46は、図45の断面図である。図47は、図45の分解斜視図である。図48は、図47の下側部材が更に分解された分解斜視図である。
ホース接続具1700は、上側部材1800と、下側部材1400とを有する。上側部材1800と下側部材1400とは、互いに取り外し可能に接続されている。
水栓f10は、水栓本体f20と、排出管f30と、操作部f40とを有する。更に水栓f10には、バルブ(図示されず)が内蔵されている。操作部f40を操作(回転)させることで、吐止水の切替及び吐水量の調整が可能である。
上側部材1800は、本体部1802と、調節部1804とを有する。調節部1804は、操作によって移動しうる。上側部材1800の詳細については、後述される。
下側部材1400は、前述の第5及び第6実施形態で用いられているものと同じである。リング係合体1104は、前述の第4、第5及び第6実施形態に用いられているものと同じである。
図49(a)は、ホース接続具1700の側面図であり、図49(b)は、図49(a)のA−A線に沿った断面図である。
図48及び図49(b)が示すように、調節部1804の側面には、複数の凸u1が形成されている。これらの凸u1は、調節部1804の操作方向における異なる位置に配置されている。調節部1804の側面には、複数の凹r1が形成されている。隣り合う凸u1同士の間に、凹r1が形成されている。これらの凹r1は、調節部1804の操作方向における異なる位置に配置されている。この凹r1と、本体部1802の凸u2とが、噛み合っている(図49(b))。
図50(a)は、右斜め上方から見た本体部1802の斜視図である。図50(b)は、右斜め下方から見た本体部1802の斜視図である。図50(c)は、左斜め下方から見た本体部1802の斜視図である。図51(a)は、本体部1802の正面図である。図51(b)は、図51(a)のA−A線に沿った断面図である。図51(c)は、本体部1802の背面図である。
本体部1802は、側壁部1822と、上壁部1824とを有する。本体部1802は下方に開放されている。側壁部1822は、略円筒形状であるが、その周方向における一部が欠落している。すなわち、側壁部1822は欠落部1826を有する。
本体部1802は、調節部1804を出退移動が可能な状態で保持しうる保持部1840を有する。保持部1840は、調節部1804を挿入しうる内部空間K1と、調節部1804を通過させうる開口P1と、調節部1804に係合しうる係合部1842とを有する。係合部1842は、左右それぞれに設けられた凸u2である。凸u2のそれぞれは、上壁部1824に沿って延在する縁部である。開口P1は、上壁部1824を貫通する貫通孔である(図50(a))。凸u2は、開口P1の枠部の一部である。
これら2つの凸u2の間に、調節部1804が保持される(図49(b)参照)。調節部1804の凹r1と、本体部1802の凸u2とが係合することで、調節部1804は本体部1802に保持されている。
取付状態において、排出管f30は、本体部1802の欠落部1826を通り、本体部1802の内部空間を経由して、下側部材1400に至る。
本体部1802は、当接面M1を有する。当接面M1は、本体部1802の下端に設けられている。当接面M1は、傾斜面である。上側部材1800及び下側部材1400のうちの一方を他方に対して押し付ける過程で、当接面M1は、リング係合体1104の係合突出部1104aに当接しうる。
本体部1802は、上側係合部1846を有している。上側係合部1846は、側壁部1822に設けられている。上側係合部1846は、凹みである。より詳細には、上側係合部1846は、周方向に沿って設けられた溝である。この上側係合部1846は、リング係合体1104の係合突出部1104aと係合しうる。
本体部1802は、回り止め凹部1850を有する。この回り止め凹部1850は、挿入方向に延びる溝であり、この溝の下端は開放されている。接続状態において、回り止め凹部1850と下側部材1400の回り止め突部1418とが係合する。凹凸係合により、下側部材1400に対する上側部材1800の回転が規制されている。
図52(a)は、調節部1804を上方から見た斜視図である。図52(b)は、調節部1804を下方から見た斜視図である。図52(c)は、調節部1804の側面図である。図52(d)は、図52(c)のA−A線に沿った断面図である。
調節部1804は、第1アーム1804aと、第2アーム1804bと、中央部1804cと、基部1804dとを有する。基部1804dは、調節部1804の操作部である。操作部1804dを操作して、調節部1804を移動させる。
基部1804dは、円盤状である。中央部1804cは、円筒である。基部1804dと中央部1804cとは、互いに同軸である。第1アーム1804aは、全体として、円筒の一部を構成している。第2アーム1804bは、全体として、円筒の一部を構成している。第1アーム1804aがその一部を構成する円筒と、第2アーム1804bがその一部を構成する円筒とは、共通である。この円筒は、中央部1804cと同軸である。
第1アーム1804aは、基部1804dから一方向に延びている。第2アーム1804bは、基部1804dから一方向に延びている。中央部1804cは、基部1804dから一方向に延びている。第1アーム1804aと第2アーム1804bとは、互いに平行に延びている。中央部1804cと第1アーム1804aとは、互いに平行に延びている。中央部1804cと第2アーム1804bとは、互いに平行に延びている。第1アーム1804aと第2アーム1804bとで、一対のアームが構成されている。
調節部1804は、複数の凸u1を有する。複数の凸u1は、各アームのそれぞれに設けられている。調節部1804は、複数の凹r1を有する。複数の凹r1は、各アームのそれぞれに設けられている。凹r1は、互いに隣り合う凸u1の間に位置する。凸u1が形成された結果として、凹r1が形成されている。
以下、調節部1804の挿入方向が第1方向DR1とも称され、この第1方向に対する逆方向が第2方向DR2とも称される(図40(a)参照)。第1方向及び第2方向は、調節部1804の操作方向S1に平行である。
凸u1は、操作方向S1に対して垂直な方向に突出している。図52(d)が示すように、凸u1のそれぞれは、第1面m1と、第2面m2とを有する。第1面m1及び第2面m2は、凸u1の側面を構成している。ある一つの凸u1において、第1面m1は、第2面m2に対して、第1方向側(下側)に位置する。
第1面m1は、アームの延在方向に対して傾斜している。第1面m1は、第1方向側にいくほど凸u1の突出高さが低くなるように傾斜している。第2面m2は、操作方向S1に対して垂直である。
この調節部1804は、本体部1802に挿入される(図38参照)。調節部1804は、本体部1802の保持部1840に挿入される。調節部1804は、先端側(基部1804dとは逆側)から挿入される。調節部1604は、操作方向S1(図49(b)参照)に沿って移動しうる。
調節部1804を本体部1802に挿入すると、最も第1方向側に位置する凸u1が、係合部1842の凸u2に当接する。より詳細には、最も第1方向側に位置する凸u1の第1面m1が、凸u2に当接する。調節部1804が第1方向DR1に進むにつれて、凸u2は、第1面m1上をスライド移動しつつ、第1面m1を押圧する。この押圧により、第1アーム1804aは、弾性変形により、調節部1804の中心側(中央部1804c側)に撓む。同様に、第2アーム1804bは、弾性変形により、調節部1804の中心側(中央部1804c側)に撓む。これらの弾性変形を伴いつつ、凸u2は凸u1を乗り越える。凸u2が凸u1を乗り越えると、上記弾性変形が回復すると同時に、凸u2は凹r1に入り込む。図49(b)は、凸u2が最も第1方向側の凹r1に入り込んだ状態を示している。
調節部1804を更に第1方向側に押し込むと、上述した弾性変形及び弾性回復を経て、凸u2が前方から2番目の凹r1に入り込む。調節部1804を更に第1方向側に押し込むと、上述した弾性変形及び弾性回復を経て、凸u2が第1方向側から3番目の凸u1の上側に嵌め込まれる。このように、調節部1804は、操作方向S1における複数の位置で、本体部1802に保持される。
第1面m1の傾斜に起因して、調節部1804は、第1方向(挿入方向)には容易に移動する。一方、第2面m2の向きに起因して、調節部1604は、第2方向には容易に移動できない。調節部1804において、挿入方向とは逆方向への移動は規制されている。
前記接続状態において、中央部1804cの先端(下端)が、排出管f30に当接する。調節部1804の移動に伴い、中央部1804cの先端の位置が、変化する。排出管f30の形状の変化に対応して、中央部1804cの先端の位置を変化させることができる。このため、ホース接続具1700は、異なる種類の水栓f10に適応しうる。
[接続状態及び取付状態]
図46が示すように、上側部材1800と下側部材1400とが係合した接続状態により、曲がって延びる排出管f30が挟み込まれている。この挟み込みにより、ホース接続具1700は排出管f30に固定されている。接続状態が維持されている限り、ホース接続具1700が排出管f30から抜けることはない。
接続状態は、上側部材1800及び下側部材1400のうちの一方を他方に対して押し付けることにより、形成される。上側部材1800を下側部材1400に押し付けてもよいし、下側部材1400を上側部材1800に押し付けても良い。接続状態は、ワンタッチで形成される。接続状態の形成は非常に容易である。
図53(a)及び図53(b)は、上側部材1800と下側部材1400との接続について説明する断面図である。この接続では、リング係合体1104が正規装着状態にある。上側部材1800及び下側部材1400の一方を他方に押し付けることで、上側部材1800の当接面M1が係合突出部1104aに当接する。当接面M1は、上側部材1800の端面に近づくほど上側部材1800の内側となるように傾斜している。このため、上側部材1800が下側部材1400側に移動するほど、当接面M1は係合突出部1104aを外側に変位させる。この変位により、リング係合体1104は拡開変形する。上側部材1800の上側係合部1846が係合突出部1104aの位置に達すると、リング係合体1104の弾性復元力により、リング係合体1104が縮径変形する。この縮径変形により、係合突出部1104aが上側係合部1846に入り込む(図53(b))。
このように、第7実施形態は、第4、第5及び第6実施形態と同様に、前述した手順D及び手順Eのいずれによっても装着が可能である。ワンタッチ接続が可能であり、片手での取り付けも可能である。また、リング係合体1104に関して、前記事前装着が可能であり、前記事後装着も可能である。この第6実施形態も、リング係合体タイプであるから、上述した種々の利点を有する。
以上に説明されたとおり、前記第5、第6及び第7実施形態は、前記上側部材が、操作によって前記当接部の位置を変化させうる調節部と、前記調節部を異なる操作方向位置で保持しうる保持部とを有している。
第5実施形態の場合、調節部1304を操作(回転)することにより、当接部(押さえ部1308の下面1308d)の位置が変化する。この当接部の位置とは、排出管f30に対する位置を意味する。また、上述のラチェット機構は、調節部1304を異なる操作方向位置で保持しうる保持部である。なお、第5実施形態では、操作方向S1は、調節部1304の回転方向であり、操作方向位置は、調節部1304の位相である。
第6実施形態の場合、調節部1604を操作(移動)することにより、当接部(中央部1604cの下面)の位置が変化する。また、保持部1640は、調節部1604を異なる操作方向位置で保持しうる。
第7実施形態の場合、調節部1804を操作(移動)することにより、当接部(中央部1804cの下端)の位置が変化する。また、保持部1840は、調節部1804を異なる操作方向位置で保持しうる。
これらの第5から第7実施形態に例示される調節部では、当接部の位置を調整できるため、異なる種類の水栓に対応することができ、排出管f30の形状の変化にも対応できる。よって、水栓の種類及び形状の変化に対して適応性の高いホース接続具が実現しうる。
本願では、前記当接部が排出管f30に近づくときの操作方向S1が第1方向DR1とされ、前記当接部が排出管f30から遠ざかるときの操作方向S1が第2方向DR2とされる。
第5、第6及び第7実施形態では、第1方向DR1への前記調整部の操作に比較して、第2方向DR2への前記調整部の操作が規制されている。換言すれば、第1方向DR1への前記調整部の操作に比較して、第2方向DR2への前記調整部の操作が行いにくいように構成されている。従って、当接部が排出管f30に当接した状態で、調整部の操作方向位置が維持される。また、当接部が排出管f30を押圧した状態で、調整部の操作方向位置が維持される。したがって、水栓の種類及び形状の変化に対する適応性が更に高まると共に、ホース接続具をより確実に水栓に固定することができる。
第5実施形態では、調節部1304に連動する部材(押さえ部1308)が、当接部を有している。一方、第6実施形態では、調節部1604が、当接部を有している。第7実施形態でも、調節部1804が、当接部を有している。このように、調節部又は調節部に連動する部材が当接部を有することで、調節部の操作によって当接部の位置を変えることが可能となる。
なお、言うまでもなく、第5〜第7実施形態で用いられた調整部等は、第1〜第4実施形態にも適用されうる。
上側部材の材質として、樹脂及び金属が例示される。樹脂としては、強度及び生産性に優れる樹脂が好ましい。成形容易性の観点から、樹脂としては、熱可塑性樹脂が好ましい。成形容易性の観点から、より好ましい樹脂として、ポリプロピレン(PP)、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体(ABS)、ポリアセタール(POM)が例示される。強度の観点から、ポリアセタール(POM)がより好ましい。上述した実施形態において、上側部材の材質は、ポリアセタール(POM)とされた。
係合弾性体の材質として、樹脂及び金属が例示される。樹脂としては、強度及び生産性に優れる樹脂が好ましい。成形容易性の観点から、樹脂としては、熱可塑性樹脂が好ましい。成形容易性の観点から、より好ましい樹脂として、ポリプロピレン(PP)、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体(ABS)、ポリアセタール(POM)が例示される。強度の観点から、ポリアセタール(POM)がより好ましい。上述した実施形態において、係合弾性体の材質は、ポリアセタール(POM)とされた。
スライドリングの材質として、樹脂及び金属が例示される。樹脂としては、安価で生産性に優れる樹脂が好ましい。成形容易性の観点から、樹脂としては、熱可塑性樹脂が好ましい。成形容易性の観点から、より好ましい樹脂として、ポリプロピレン(PP)、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体(ABS)、ポリアセタール(POM)が例示される。安価で且つ強度に優れるとの観点から、ABSがより好ましい。上述した実施形態において、スライドリングの材質は、ABSとされた。
本体部の材質として、樹脂及び金属が例示される。樹脂としては、安価で生産性に優れる樹脂が好ましい。成形容易性の観点から、樹脂としては、熱可塑性樹脂が好ましい。成形容易性の観点から、より好ましい樹脂として、ポリプロピレン(PP)、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体(ABS)、ポリアセタール(POM)が例示される。安価で且つ強度に優れるとの観点から、ABSがより好ましい。上述した実施形態において、本体部の材質は、ABSとされた。
ホース接続部の材質として、樹脂及び金属が例示される。樹脂としては、安価で生産性に優れる樹脂が好ましい。成形容易性の観点から、樹脂としては、熱可塑性樹脂が好ましい。成形容易性の観点から、より好ましい樹脂として、ポリプロピレン(PP)、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体(ABS)、ポリアセタール(POM)が例示される。安価で且つ強度に優れるとの観点から、ABSがより好ましい。上述した実施形態において、ホース接続部の材質は、ABSとされた。
リング係合体1104は、強度に優れているのが好ましく、且つ、撓んで戻るという特性が必要である。リング係合体1104の材質として、樹脂が好ましい。樹脂としては、成形容易性の観点から、熱可塑性樹脂が好ましい。成形容易性の観点から、ポリプロピレン(PP)、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体(ABS)及びポリアセタール(POM)がより好ましい。強度に優れるとの観点から、POMがより好ましい。
押さえ部1308(第5実施形態)の材質として、樹脂及び金属が例示される。樹脂としては、強度及び生産性に優れる樹脂が好ましい。成形容易性の観点から、樹脂としては、熱可塑性樹脂が好ましい。成形容易性の観点から、より好ましい樹脂として、ポリプロピレン(PP)、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体(ABS)、ポリアセタール(POM)が例示される。強度の観点から、ポリアセタール(POM)がより好ましい。上述した第5実施形態において、押さえ部1308の材質は、ポリアセタール(POM)とされた。
上側部材の本体部(第5〜第7実施形態)の材質として、樹脂及び金属が例示される。樹脂としては、強度及び生産性に優れる樹脂が好ましい。成形容易性の観点から、樹脂としては、熱可塑性樹脂が好ましい。成形容易性の観点から、より好ましい樹脂として、ポリプロピレン(PP)、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体(ABS)、ポリアセタール(POM)が例示される。強度の観点から、ポリアセタール(POM)がより好ましい。上述した第5〜第7実施形態において、上側部材の本体部の材質は、ポリアセタール(POM)とされた。
逆回転防止部材1306(第5実施形態)は、強度に優れているのが好ましく、且つ、撓んで戻るという特性が必要である。逆回転防止部材1306の材質として、樹脂が好ましい。樹脂としては、成形容易性の観点から、熱可塑性樹脂が好ましい。成形容易性の観点から、ポリプロピレン(PP)、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体(ABS)及びポリアセタール(POM)がより好ましい。強度に優れるとの観点から、ポリアセタール(POM)がより好ましい。上述した第5実施形態において、逆回転防止部材1306の材質は、ポリアセタール(POM)とされた。
調節部1304(第5実施形態)の材質として、樹脂及び金属が例示される。樹脂としては、強度及び生産性に優れる樹脂が好ましい。成形容易性の観点から、樹脂としては、熱可塑性樹脂が好ましい。成形容易性の観点から、ポリプロピレン(PP)、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体(ABS)、ポリアセタール(POM)がより好ましい。強度に優れるとの観点から、ポリアセタール(POM)がより好ましい。上述した第5実施形態において、調節部1304の材質は、ポリアセタール(POM)とされた。
調節部1604(第6実施形態)は、強度に優れているのが好ましく、且つ、撓んで戻るという特性が必要である。調節部1604の材質として、樹脂が好ましい。樹脂としては、成形容易性の観点から、熱可塑性樹脂が好ましい。成形容易性の観点から、ポリプロピレン(PP)、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体(ABS)及びポリアセタール(POM)がより好ましい。強度に優れるとの観点から、ポリアセタール(POM)がより好ましい。上述した第6実施形態において、調節部1604の材質は、ポリアセタール(POM)とされた。
調節部1804(第7実施形態)は、強度に優れているのが好ましく、且つ、撓んで戻るという特性が必要である。調節部1804の材質として、樹脂が好ましい。樹脂としては、成形容易性の観点から、熱可塑性樹脂が好ましい。成形容易性の観点から、ポリプロピレン(PP)、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体(ABS)及びポリアセタール(POM)がより好ましい。強度に優れるとの観点から、ポリアセタール(POM)がより好ましい。上述した第7実施形態において、調節部1804の材質は、ポリアセタール(POM)とされた。
本願には、独立形式請求項に係る発明に含まれない他の発明も記載されている。本願の請求項及び実施形態に記載されたそれぞれの形態、部材、構成等は、それぞれが有する作用効果に基づく発明として認識される。
上記各実施形態で示されたそれぞれの形態、部材、構成等は、これら実施形態の全ての形態、部材又は構成をそなえなくても、個々に、本願請求項に係る発明をはじめとした、本願記載の全発明に適用されうる。