JP2017219104A - 内燃機関の潤滑構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡易な構成によって張力付与装置の接触部と案内部材との接触部位が磨耗することを防止できる内燃機関の潤滑構造を提供すること。【解決手段】エンジン1の潤滑構造によれば、チェーンガイド14の上面には、タイミングチェーン9に対向する幅方向の一端14bからタイミングチェーン9から離れた他端14cに向かって下方に傾斜する傾斜面14Aが形成されており、傾斜面14Aの他端14cがチェーンガイド14と接触部15bとの接触部位20に対して鉛直方向の略上方に位置するようにチェーンガイド14が設置されている。【選択図】図1
Description
本発明は、内燃機関の潤滑構造に関する。
一般に、自動車等の車両に搭載される内燃機関においては、内燃機関のカムシャフトを駆動するためのタイミングチェーンを所定の軌道上を移動するように案内するチェーンガイドが設けられている。チェーンガイドは、テンショナ装置によって張力が付与されている。
従来のテンショナ装置を備えた内燃機関としては、例えば、特許文献1に記載されたタイミングトレーン機構が知られている。
このタイミングトレーン機構は、タイミングチェーンに摺接するシューと、シューをタイミングチェーンに向かって付勢する油圧式のテンショナ装置とを備えている。テンショナ装置は、油圧室を有するシリンダと、シューに接触し、油圧によってシューをタイミングチェーンに向かって付勢するピストンとを備えている。
このタイミングトレーン機構は、タイミングチェーンに摺接するシューと、シューをタイミングチェーンに向かって付勢する油圧式のテンショナ装置とを備えている。テンショナ装置は、油圧室を有するシリンダと、シューに接触し、油圧によってシューをタイミングチェーンに向かって付勢するピストンとを備えている。
このような従来のタイミングトレーン機構にあっては、シューとピストンとの接触部位を積極的に潤滑していないので、シューとピストンの接触部位が磨耗してしまう。
本発明は、上記のような問題点に着目してなされたものであり、簡易な構成によって張力付与装置の接触部と案内部材との接触部位が磨耗することを防止できる内燃機関の潤滑構造を提供することを目的とするものである。
本発明は、クランクシャフトに連結されるクランクスプロケットと、カムシャフトに連結されるカムスプロケットと、 前記クランクスプロケットおよび前記カムスプロケットに巻き付けられ、前記クランクシャフトの駆動力を前記カムシャフトに伝達するタイミングチェーンと、 前記タイミングチェーンに接触し、前記タイミングチェーンが所定の軌道上を移動するように案内する案内部材と、前記案内部材に接触する接触部を有し、前記案内部材を前記タイミングチェーンに向かって付勢することにより、前記タイミングチェーンに張力を付与する張力付与装置とを含んで構成される内燃機関に設けられ、前記案内部材と前記接触部との接触部位に潤滑油を供給する潤滑構造であって、前記案内部材の上面に前記タイミングチェーンに対向する幅方向の一端から前記タイミングチェーンから離れた幅方向の他端に向かって下方に傾斜する傾斜面が形成されており、前記傾斜面の他端が前記案内部材と前記接触部との接触部位に対して鉛直方向の略上方に位置するように前記案内部材が設置される。
このように本発明によれば、簡易な構成によって張力付与装置の接触部と案内部材との接触部位が磨耗することを防止できる。
以下、本発明に係る内燃機関の潤滑構造の実施の形態について、図面を用いて説明する。
図1〜図3は、本発明の一実施の形態に係る内燃機関の潤滑構造を示す図である。なお、図1〜図3において、上下左右方向は、車両に搭乗する運転者から見た方向を示しており、各図を用いて部材が移動する方向を表現するときには、車両に搭乗する運転者から見た方向に従う。
図1〜図3は、本発明の一実施の形態に係る内燃機関の潤滑構造を示す図である。なお、図1〜図3において、上下左右方向は、車両に搭乗する運転者から見た方向を示しており、各図を用いて部材が移動する方向を表現するときには、車両に搭乗する運転者から見た方向に従う。
まず、構成を説明する。
図1において、内燃機関としてのエンジン1は、シリンダブロック2と、シリンダブロック2の上部に設けられたシリンダヘッド3と、シリンダブロック2の底部に設けられ、オイルが貯留される図示しないオイルパンとを備えている。
図1において、内燃機関としてのエンジン1は、シリンダブロック2と、シリンダブロック2の上部に設けられたシリンダヘッド3と、シリンダブロック2の底部に設けられ、オイルが貯留される図示しないオイルパンとを備えている。
本実施の形態のエンジン1は、例えば、車両の前方の図示しないエンジンルーム内において縦置きで搭載されており、本実施の形態の車両は、フロントエンジンリヤドライブ(FR)式の車両である。
シリンダブロック2には図示しないシリンダ内に往復移動自在に収容された図示しないピストンと、ピストンの上下運動を回転運動に変換するクランクシャフト4等が収容されている。シリンダブロック2の下部にはクランクシャフト4を収容するクランクケース2Aが一体的に設けられており、クランクケース2Aにはクランクシャフト4を回転自在に支持するクランクハウジング5が取付けられている。
シリンダヘッド3は、クランクシャフト4の回転軸方向に沿って延び、図示しない吸気カムを有する吸気カムシャフト6と、吸気カムシャフト6と平行に配置されてクランクシャフト4の回転軸方向に沿って延び、排気カム7A(図2参照)を有する排気カムシャフト7とを備えている。本実施の形態の吸気カムシャフト6は、本発明の第1のカムシャフトを構成し、排気カムシャフト7は、本発明の第2のカムシャフトを構成する。
シリンダヘッド3には図示しない吸気ポートおよび図示しない排気ポートが形成されており、吸気ポートおよび排気ポートは、吸気カムおよび排気カム7Aの回転に伴って駆動される図示しない吸気バルブおよび排気バルブによって開閉される。
吸気カムシャフト6の延びる方向の端部にはカムスプロケット8が設けられており、カムスプロケット8にはタイミングチェーン9が巻き掛けられている。
吸気カムシャフト6の延びる方向の端部にはカムスプロケット8が設けられており、カムスプロケット8にはタイミングチェーン9が巻き掛けられている。
クランクシャフト4の延びる方向の端部にはクランクスプロケット10が設けられており、クランクスプロケット10にはタイミングチェーン9が巻き掛けられている。これにより、クランクシャフト4の回転は、クランクスプロケット10からタイミングチェーン9を介してカムスプロケット8に伝達される。
カムスプロケット8よりもシリンダヘッド3側において吸気カムシャフト6の延びる方向の端部には吸気カムギヤ11が設けられている。排気カムシャフト7の延びる方向の端部には排気カムギヤ12が設けられており、排気カムギヤ12は、吸気カムギヤ11に噛み合っている。
これにより、カムスプロケット8が回転すると、吸気カムシャフト6が回転し、吸気カムシャフト6の回転が吸気カムギヤ11から排気カムギヤ12を介して排気カムシャフト7に伝達される。このため、1つのカムスプロケット8の回転によって吸気カムシャフト6および排気カムシャフト7が回転する。
吸気カムシャフト6および排気カムシャフト7によって吸気カムおよび排気カムが回転すると、吸気バルブおよび排気バルブがそれぞれ吸気ポートおよび排気ポートを開閉することで、シリンダの上部に形成された燃焼室と吸気ポートおよび排気ポートとを連通および遮断する。
このように、吸気バルブおよび排気バルブがクランクシャフト4の回転に応じて作動される。本実施の形態の吸気カムギヤ11は、本発明の第1のカムギヤを構成し、排気カムギヤ12は、本発明の第2のカムギヤを構成する。
本実施形態のタイミングチェーン9は、図1中、時計回転方向に移動する。タイミングチェーン9の左側、すなわち、クランクスプロケット10に対してタイミングチェーン9の走行方向上流側にはチェーンガイド13が設けられている。チェーンガイド13は、タイミングチェーン9の延びる方向に沿って延びており、側面がタイミングチェーン9に接触している。
タイミングチェーン9の右側、すなわち、クランクスプロケット10に対してタイミングチェーン9の走行方向下流側にはチェーンガイド14が設けられている。チェーンガイド14は、タイミングチェーン9の延びる方向に沿って延びており、側面がタイミングチェーン9に接触している。
これらチェーンガイド13、14は、タイミングチェーン9を両側から挟み込むように保持することで、所定の軌道上を移動するようにタイミングチェーン9の移動を案内する。
これらチェーンガイド13、14は、タイミングチェーン9を両側から挟み込むように保持することで、所定の軌道上を移動するようにタイミングチェーン9の移動を案内する。
チェーンガイド14の上部には揺動軸14aが設けられており、チェーンガイド14は、揺動軸14aを中心に左右方向に揺動する。
シリンダブロック2には油圧式のテンショナ装置15が設けられている。テンショナ装置15は、シリンダブロック2に固定された油圧シリンダ15Aと、油圧シリンダ15Aから突出するピストン15Bとを備えており、ピストン15Bの先端に設けられた接触部15bがチェーンガイド14に当接している。
シリンダブロック2には油圧式のテンショナ装置15が設けられている。テンショナ装置15は、シリンダブロック2に固定された油圧シリンダ15Aと、油圧シリンダ15Aから突出するピストン15Bとを備えており、ピストン15Bの先端に設けられた接触部15bがチェーンガイド14に当接している。
油圧シリンダ15Aにはシリンダブロック2に形成された図示しないオイル通路から高圧のオイルが供給される。これにより、油圧シリンダ15Aからピストン15Bが押し出され、ピストン15Bがチェーンガイド14を押圧する。
チェーンガイド14は、ピストン15Bによって押圧されると、揺動軸14aを支点にしてタイミングチェーン9に向かって付勢されることにより、タイミングチェーン9に一定の強さの張力を付与する。
これにより、タイミングチェーン9は、撓むことなく所定の軌道上を移動し、クランクスプロケット10からカムスプロケット8に駆動力を伝達する。本実施の形態のチェーンガイド14は、本発明の案内部材を構成し、テンショナ装置15は、本発明の張力付与装置を構成する。
本実施の形態のチェーンガイド14は、例えば、樹脂から構成されており、ピストン15Bは、例えば、金属から構成されている。
本実施の形態のチェーンガイド14は、例えば、樹脂から構成されており、ピストン15Bは、例えば、金属から構成されている。
シリンダブロック2およびシリンダヘッド3の前側側面2B、3Aの幅方向両側(左右方向両側)には一対の内側壁17、18が形成されており、内側壁17、18は、シリンダブロック2およびシリンダヘッド3の前側側面2B、3Aから前方に突出している。
カムスプロケット8、タイミングチェーン9、クランクスプロケット10、チェーンガイド13、14およびテンショナ装置15は、シリンダブロック2およびシリンダヘッド3の前側面2B、3Aおよび内側壁17、18によって囲まれる空間19に設置されている。本実施の形態の前側側面2Bは、本発明のシリンダブロックの側面を構成し、前側側面3Aは、本発明のシリンダヘッドの側面を構成する。
図1〜図3において、チェーンガイド14の上面には傾斜面14Aが形成されている。傾斜面14Aは、タイミングチェーン9に対向する幅方向(左右方向)の一端14bからタイミングチェーン9から離れた幅方向の他端14cに向かって下方に傾斜している。すなわち、本実施の形態の傾斜面14Aは、車両の左方から右方に向かって下方に傾斜している。
チェーンガイド14は、傾斜面14Aの他端14cがチェーンガイド14と接触部15bとの接触部位20に対して鉛直方向の略上方に位置するように設置されている。なお、本実施の形態の鉛直方向としては、水平面に対して直交する方向だけに限らず、水平面に対してある程度の傾斜角で傾斜する方向も含む。
排気カムシャフト7は、チェーンガイド14よりも上方に設置されており、チェーンガイド14は、排気カムギヤ12の右端12aよりも吸気カムシャフト6側に設置されている。
排気カムシャフト7は、チェーンガイド14よりも上方に設置されており、チェーンガイド14は、排気カムギヤ12の右端12aよりも吸気カムシャフト6側に設置されている。
排気カムシャフト7の内部にはオイル通路7Bが形成されており、オイル通路7Bは、排気カムシャフト7の軸線方向に延びている。オイル通路7Bは、シリンダヘッド3に設けられた図示しないオイル通路に連通しており、オイル通路7Bにはシリンダヘッド3に設けられたオイル通路からオイルが供給される。
なお、排気カムシャフト7にはオイル通路7Bに連通するように半径方向に延びるオイル通路が形成されており、このオイル通路は、オイル通路7Bに供給されたオイルを排気カム7Aに供給する。
オイル通路7Bは、排気カムシャフト7の延びる方向の端部に形成された開口部7bを有する。オイル通路7Bを流れるオイルは、開口部7bを通して下方に導かれ、傾斜面14Aに接触する。したがって、本実施の形態の排気カムシャフト7とチェーンガイド14とは、開口部7bから排出されるオイルが傾斜面14Aに接触するように設置されている。すなわち、開口部7bと傾斜面14Aとが鉛直軸に対して重なるように排気カムシャフト7とチェーンガイド14とが設置されている。
チェーンガイド14は、内側壁17に対向しており、内側壁17は、傾斜面14Aの他端14cと、接触部位20とを結んだ鉛直方向の仮想線21に対してチェーンガイド14から右方に離れた位置に形成されている。
次に、作用を説明する。
ピストン15Bの接触部15bは、チェーンガイド14に接触しており、チェーンガイド14がピストン15Bによって押圧されると、チェーンガイド14は、揺動軸14aを支点にしてタイミングチェーン9に向かって付勢される。これにより、タイミングチェーン9に一定の強さの張力が付与される。
ピストン15Bの接触部15bは、チェーンガイド14に接触しており、チェーンガイド14がピストン15Bによって押圧されると、チェーンガイド14は、揺動軸14aを支点にしてタイミングチェーン9に向かって付勢される。これにより、タイミングチェーン9に一定の強さの張力が付与される。
ピストン15Bの接触部15bは、油圧シリンダ15Aに供給される油圧を受けてチェーンガイド14側に荷重を印加するとともに、チェーンガイド14を介してタイミングチェーン9の張力による荷重を受ける。
このため、接触部15bとチェーンガイド14の接触部位20が摺動して磨耗することがある。特に、本実施の形態のチェーンガイド14が樹脂から構成され、当接部15bが金属から構成されているので、接触部15bに比べてチェーンガイド14が磨耗し易い。このため、接触部位20をオイルによって潤滑して、接触部位20が磨耗することを防止する必要がある。
本実施の形態のエンジン1の潤滑構造によれば、チェーンガイド14の上面には、タイミングチェーン9に対向する幅方向の一端14bからタイミングチェーン9から離れた幅方向の他端14cに向かって下方に傾斜する傾斜面14Aが形成されており、傾斜面14Aの他端14cがチェーンガイド14と接触部15bとの接触部位20に対して鉛直方向の略上方に位置するようにチェーンガイド14が設置されている。
これにより、排気カムシャフト7の開口部7bから排出されるオイルを傾斜面14Aに接触させ、傾斜面14Aに沿って一端14b側から他端14cに導いた後、接触部位20に滴下させることができる。
このため、チェーンガイド14に傾斜面14Aを形成するだけの簡易な構成によってチェーンガイド14と接触部15bとの接触部位20とを潤滑することができ、接触部位20が磨耗することを防止できる。
なお、ピストン15Bは、金属ではなく、樹脂から構成されてもよく、チェーンガイド14は、樹脂ではなく金属から構成されてもよい。ピストン15Bおよびチェーンガイド14の材料は、金属や樹脂に限定されるものではない。
また、傾斜面14Aに接触させたオイルの一部を傾斜面14Aに沿って他端14c側から一端14b側に導いた後、チェーンガイド14とタイミングチェーン9の接触部位に供給することができる。このため、チェーンガイド14とタイミングチェーン9の接触部位を潤滑することができる。
また、本実施の形態のエンジン1の潤滑構造によれば、シリンダヘッド3に回転自在に支持された吸気カムシャフト6および排気カムシャフト7を備えている。さらに、吸気カムシャフト6の延びる方向の端部に吸気カムギヤ11が設けられ、排気カムシャフト7の延びる方向の端部に吸気カムギヤ11に噛み合う排気カムギヤ12が設けられている。これに加えて、カムスプロケット8が吸気カムシャフト6に設けられている。
これにより、チェーンガイド14を、排気カムギヤ12の右端12aよりも吸気カムシャフト6側に設置することができる。このため、吸気カムシャフト6および排気カムシャフト7の延びる方向と直交する方向のエンジン1の幅(左右方向長さ)を短くすることができ、エンジン1を小型化できる。
これに加えて、タイミングチェーン9を排気カムギヤ12の右端12aよりも吸気カムシャフト6側に設置することで、タイミングチェーン9を内側壁17から吸気カムシャフト6側に離すことができ、傾斜面14Aからオイルを下方に誘導するためのスペースを十分に確保できる。
また、本実施の形態のエンジン1の潤滑構造によれば、シリンダブロック2およびシリンダヘッド3の前側側面2B、3Aの幅方向の両側に前側側面2B、3Aから外方(前方)に突出する一対の内側壁17、18が設けられており、チェーンガイド14が内側壁17に対向するようにして前側側面2B、3Aと内側壁17、18とによって囲まれる空間19に設置されている。
さらに、タイミングチェーン9を排気カムギヤ12の右端12aよりも吸気カムシャフト6側に設置することで、内側壁17が、傾斜面14Aの他端14cと、接触部位20とを結んだ鉛直方向の仮想線21に対してチェーンガイド14から離れた位置に形成されている。
これにより、傾斜面14Aからオイルを下方に誘導するためのスペースを十分に確保して、オイルが内側壁17によって遮られることを防止でき、接触部位20に確実に誘導することができる。
これに加えて、吸気カムシャフト6および排気カムシャフト7の延びる方向と直交する方向のエンジン1の幅が長くなったとしても、エンジン1が大型化するのを抑制しつつ、傾斜面14Aからオイルを下方に誘導するためのスペースを十分に確保できる。
また、本実施の形態のエンジン1の潤滑構造によれば、チェーンガイド14よりも上方に設置された排気カムシャフト7の内部にオイル通路7Bが形成されており、オイル通路7Bが、排気カムシャフト7の延びる方向の端部に形成された開口部7bを有する。
さらに、開口部7bから排出されるオイルが傾斜面14Aに接触するように排気カムシャフト7とチェーンガイド14とが設置されている。すなわち、開口部7bと傾斜面14Aとが鉛直軸に対して重なるように排気カムシャフト7とチェーンガイド14とが設置されている。
これにより、排気カムシャフト7に形成されたオイル通路7Bから開口部7bを通して傾斜面14Aにオイルを供給できる。このため、接触部位20を潤滑するための専用のオイル供給装置を設けることや、シリンダブロック2やシリンダヘッド3にオイル供給通路を新規に形成することを不要にできる。このため、エンジン1の製造コストが増加することや製造が面倒になることを防止できる。
なお、本実施の形態のエンジン1の潤滑構造は、オイル通路7Bから開口部7bを通して傾斜面14Aにオイルを供給しているが、これに限定されるものではない。例えば、空間19にはタイミングチェーン9とカムスプロケット8およびクランクスプロケット10とを潤滑するためのオイルが存在する。このオイルは、タイミングチェーン9とカムスプロケット8との接触部位から傾斜面14Aに導かれるので、このオイルを傾斜面14Aから接触部位20に供給してもよい。
また、本実施の形態の潤滑構造は、シリンダヘッド3に2つのカムシャフトを有するDOHC(Double Over Head Camshaft)方式のエンジン1に適用されているが、これに限定されるものではなく、SOHC(Single Over Head Camshaft)方式のエンジンに適用されてもよい。
また、本実施の形態のエンジン1は、クランクシャフト4の駆動力を1つのカムスプロケット8から吸気カムギヤ11および排気カムギヤ12に伝達しているが、これに限定されるものではない。
例えば、吸気カムシャフト6および排気カムシャフト7の延びる方向の端部にそれぞれカムスプロケットを設け、このカムスプロケットとクランクスプロケットとにタイミングチェーン9を巻き付けてもよい。
この場合には、クランクシャフト4の駆動力をタイミングチェーンから2つのカムスプロケットに伝達することで、吸気カムシャフト6および排気カムシャフト7を回転することができる。
本発明の実施の形態を開示したが、当業者によっては本発明の範囲を逸脱することなく変更が加えられうることは明白である。すべてのこのような修正および等価物が次の請求項に含まれることが意図されている。
1...エンジン(内燃機関)、2...シリンダブロック、2B...前側側面(シリンダブロックの側面)、3...シリンダヘッド、3A...前側側面(シリンダブロックの側面)、6...吸気カムシャフト(第1のカムシャフト)、7...排気カムシャフト(第2のカムシャフト)、7B...オイル通路、7b...開口部(オイル通路の開口部)、8...カムスプロケット、9...タイミングチェーン、10...クランクスプロケット、11...吸気カムギヤ(第1のカムギヤ)、12...排気カムギヤ(第2のカムギヤ)、14...チェーンガイド、14A...傾斜面(チェーンガイドの傾斜面)、14b...一端(傾斜面の一端)、14c...他端(傾斜面の他端)、15...テンショナ装置(張力付与装置)、15b...接触部(張力付与装置の接触部)、17,18...内側壁(シリンダブロックとシリンダヘッドとの内側壁)、19...空間、20...接触部位、21...仮想線
Claims (5)
- クランクシャフトに連結されるクランクスプロケットと、
カムシャフトに連結されるカムスプロケットと、
前記クランクスプロケットおよび前記カムスプロケットに巻き付けられ、前記クランクシャフトの駆動力を前記カムシャフトに伝達するタイミングチェーンと、
前記タイミングチェーンに接触し、前記タイミングチェーンが所定の軌道上を移動するように案内する案内部材と、
前記案内部材に接触する接触部を有し、前記案内部材を前記タイミングチェーンに向かって付勢することにより、前記タイミングチェーンに張力を付与する張力付与装置とを含んで構成される内燃機関に設けられ、前記案内部材と前記接触部との接触部位に潤滑油を供給する潤滑構造であって、
前記案内部材の上面に、前記タイミングチェーンに対向する幅方向の一端から前記タイミングチェーンから離れた幅方向の他端に向かって下方に傾斜する傾斜面が形成されており、
前記傾斜面の他端が前記案内部材と前記接触部との接触部位に対して鉛直方向の略上方に位置するように前記案内部材が設置されていることを特徴とする内燃機関の潤滑構造。 - 前記カムシャフトが、前記シリンダヘッドに回転自在に支持された第1のカムシャフトおよび第2のカムシャフトを備えており、
前記第1のカムシャフトの延びる方向の端部に第1のカムギヤが設けられており、
前記第2のカムシャフトの延びる方向の端部に、前記第1のカムギヤに噛み合う第2のカムギヤが設けられており、
前記カムスプロケットが前記第1のカムシャフトおよび前記第2のカムシャフトのいずれか一方に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の潤滑構造。 - 前記第1のカムシャフトおよび前記第2のカムシャフトのいずれか他方は、前記案内部材よりも上方に設置されており、
前記第1のカムシャフトおよび前記第2のカムシャフトのいずれか他方の内部にオイル通路が形成されており、
前記オイル通路は、前記第1のカムシャフトおよび前記第2のカムシャフトのいずれか他方の延びる方向の端部に形成された開口部を有し、
前記開口部から排出されるオイルが前記傾斜面に接触するように前記第1のカムシャフトおよび前記第2のカムシャフトのいずれか他方と前記案内部材とが設置されていることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の潤滑構造。 - 前記開口部と前記傾斜面とは、鉛直軸に対して重なることを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の潤滑構造。
- 前記シリンダヘッドの下部に設けられたシリンダブロックを有し、
前記シリンダブロックおよび前記シリンダヘッドの側面の幅方向の両側には前記シリンダブロックおよび前記シリンダヘッドの側面から外方に突出する一対の内側壁が設けられており、
前記案内部材は、前記一対の内側壁の一方と対向するようにして前記シリンダブロックおよびシリンダヘッドの側面と前記一対の内側壁によって囲まれる空間に設置されており、
前記一対の内側壁の一方は、前記傾斜面の他端と、前記接触部位とを結んだ鉛直方向の仮想線に対して前記案内部材から離れた位置に形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の内燃機関の潤滑構造。
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