JP2017219075A - 配管施工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】配管ピットが単独配管の接続作業を行うのに十分な上下方向寸法を備えていない場合であっても、完成配管を強固に固定可能な配管施工方法を提供する。【解決手段】配管ピット10の一端に連続する第1作業用スペース41に搬入した単独配管23に、配管ピット10を移動可能な第1架台110を設置し、単独配管23を、第1作業用スペース41から配管ピット10に向けて移動させた後、第1作業用スペース41に次の単独配管23を搬入し、この次の単独配管23を、仮支持した後、両者を接続するとともに第1架台110を設置した後、配管ピット10に移動させる作業を順次繰り返して、配管ピット10に必要な長さの完成配管A,Bを配置し、その後、第1架台110のローラ113bを、配管ピット10の床Fから離した状態として、第1架台110を配管ピット10の床Fに固定し、完成配管A,Bを敷設することを特徴とする配管施工方法とした。【選択図】図1

Description

本発明は、配管施工方法に関する。
従来、上方が開放された配管ピットに配管を敷設する場合の施工方法は、まず、配管ピットに沿って配管を構成し1本1本が分かれた単独配管を運び込んで並べる。そして、単独配管と単独配管との継目の位置に移動しながら、溶接などの接続作業を行って、単独配管を連続させた完成配管を形成する施工方法が一般的である。
それに対して、横抗など上下方向に閉じられた配管ピットでは、配管ピットの途中に溶接作業用の作業用スペースを確保し、溶接した単独配管を順次、配管ピットに沿って移動させ、完成配管を形成する施工方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この従来技術では、長尺の単独配管を竪坑から引込台車に連結した状態で横坑トンネル内へ移動させ、横抗内の溶接作業用スペースにおいて先に移動させた単独配管と溶接して接続する。そして、接続した単独配管にガイドローラを設け、順次、横抗に設置した棚部に沿って奥へと送出して連続した完成配管を形成した後、ガイドローラを棚部に固定し、完成配管の敷設を終了する。
特開2004−308360公報
しかしながら、上述の従来技術では、配管ピット(横抗)内に溶接などを行う作業用スペースを確保するため、配管ピットの途中に作業用スペースを十分に確保できない場合には、溶接作業を行うのが難しい。しかも、仮設のガイドローラを棚部に固定することで完成配管の固定を行っており、完成配管の安定性に欠けるとともに、ローラが経年劣化した場合、固定が不安定になり安定性が悪化するとともに、所望の配管勾配が得られなくなるおそれもある。特に、配管による搬送物が、水など重量を有している場合、ガイドローラに常時作用する荷重が大きく、不安定になり易い。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、配管ピットの接続作業性を確保でき、かつ、完成配管を安定して強固に固定可能な配管施工方法を提供することを目的とする。
本発明の配管施工方法は、
上方が閉ざされた配管ピットの一端に連続する作業用スペースから前記配管ピットに単独配管を送り込み、前記単独配管どうしを接続して形成した完成配管を前記配管ピットに沿って敷設する配管施工方法であって、
前記作業用スペースに搬入した単独配管に、この単独配管を支持可能であるとともに下部のローラを転動させて前記配管ピットを移動可能な架台を設置し、
前記単独配管を、前記作業用スペースから前記配管ピットに向けて移動させた後、前記作業用スペースに次の単独配管を搬入し、この次の単独配管を、前記配管ピットに送り込んだ前記単独配管と同じ高さに仮支持した後、両者を接続し、前記次の単独配管に前記架台を設置した後、前記配管ピットに移動させる作業を順次繰り返して、前記配管ピットに必要な長さの完成配管を配置し、
その後、前記架台の前記ローラを、前記配管ピットの床から離した状態として、前記架台を前記配管ピットの床に固定し、前記完成配管を敷設することを特徴とする。
本発明の配管施工方法にあっては、配管ピットの一端に連続する作業用スペースにおいて単独配管どうしの接続を行った後、連続した単独配管を配管ピットに移動させるため、配管ピットが十分な上下方向寸法を有していない場合でも、接続作業を円滑に行うことができる。しかも、完成配管は、ローラを配管ピットの床から離した状態で、架台を配管ピットの床に固定するため、ローラが床に接した状態で固定する場合と比較して、ローラの経年劣化の有無にかかわらず強固で安定した固定が可能である。
実施の形態1の配管施工方法を説明するための断面図である。 実施の形態1の配管施工方法を説明するための断面図であって、図1のS2−S2線の位置での断面を示す。 実施の形態1の配管施工方法により接続する水配管およびこれを支持する第1架台を示す図であり、(a)は水配管および第1架台の正面図、(b)は第1架台の側面図、(c)は脚部材の断面図であって、(a)のSc−Sc線の位置での断面を示し、(d)は脚部材の断面図であって、(a)のSd−Sd線の位置での断面を示す。 実施の形態1の配管施工方法により接続する蒸気配管およびこれを支持する第2架台を示す図であり、(a)は蒸気配管および第2架台の正面図、(b)は第2架台の側面図、(c)は脚部材の断面図であって、(a)のsc−sc線の位置での断面を示し、(d)は脚部材の断面図であって、(a)のsd−sd線の位置での断面を示す。 実施の形態1の配管施工方法により第1架台を床に固定した状態を示す断面図である。 実施の形態1の配管施工方法により第1架台を床に固定した後の根巻工程においてカバー部材を設置した状態を示す断面図である。 実施の形態1の配管施工方法により第1架台を床に固定した後の根巻工程においてカバー部材の内側に充填材を充填した状態を示す断面図である。 実施の形態1の配管施工方法における工程の流れを示す工程フロー図である。 実施の形態1と比較する第1比較例における単独配管および架台を示す正面図である。 実施の形態1と比較する第1比較例における単独配管および架台を示す側面図である。 実施の形態1と比較する第1比較例における工程の流れを示す工程フロー図である。 実施の形態1と比較する第2比較例における工程の流れを示す工程フロー図である。
以下、本発明の配管施工方法を実現する最良の形態を、図面に示す実施の形態に基づいて説明する。
(実施の形態1)
実施の形態1の配管施工方法の説明にあたり、まず、配管を敷設する配管ピット10(図1参照)について説明する。
図1の断面図に示すように、配管ピット10は、地下に設けられた地下通路11の下方に設置されている。この配管ピット10および地下通路11は、図2の断面図に示すように、上下左右をコンクリートの壁体12に囲まれ、地下通路11と配管ピット10とが、通路床13により区画されている。
また、図1に示すように、配管ピット10は、上下方向の寸法H1が、人が立つことができない狭い寸法(例えば、1m前後程度の寸法)に形成されている一方で、横方向の全長L1は、数十m程度の寸法に形成された、細長い空間である。
そして、図2に示すように、配管ピット10に敷設する配管は、図外の空調装置用の配管であり、冷水を送るための大径の第1水配管21、第2水配管22(図3参照)と、蒸気を送るための小径の第1蒸気配管31、第2蒸気配管32、第3蒸気配管33(図4参照)を備える。なお、各水配管21,22の説明において、両者を区別することなく総称する場合は、水配管20と表記する。同様に、各蒸気配管31〜33の説明において、個々を区別することなく総称する場合は蒸気配管30と表記する。
水配管20は、それぞれ、図1に示すように、1本の長さが数mの単独配管23を接続して形成するものであり、水配管20を配管ピット10の全長に敷設するのに、例えば、10本以上の単独配管23を接続する。また、蒸気配管30も、横から見た図示は省略するが、同様に複数の単独配管を接続して、配管ピット10の全長に敷設する。そして、必要な全ての単独配管23を接続して完成した水配管20を完成配管Aと称し、完成した蒸気配管30を完成配管Bと称する。
配管ピット10の長手方向(図1の左右方向)の両端には、それぞれ、第1作業用スペース41と第2作業用スペース42が設置されており、両作業用スペース41,42は、配管ピット10と比較して、上方に十分なスペースが確保されている。また、少なくとも、第1作業用スペース41は、図示を省略した搬入路(例えば、上方に開口した縦抗など)から、必要な物資および単独配管23を搬入することが可能となっている。
第1作業用スペース41は、後述する仮支持および溶接作業を行うためのスペースであり、排気装置50、溶接装置60、仮支持装置70が設置されている。
排気装置50は、第1作業用スペース41を上方から覆う排気用フード51と、排気用フード51と外部(地上)とを接続する排気ダクト52と、排気ダクト52の途中に設けられた排風機53と、を備える。したがって、排風機53を作動させることで、排気用フード51に集められた溶接時に発生した煙や熱を第1作業用スペース41から外部(地上)に排出することができる。
仮支持装置70は、単独配管23を、所定の高さ(後述する第1架台110、第2架台120に支持された水配管20、蒸気配管30を構成する単独配管23と同じ高さ)に仮支持するためのもので、支持枠71と、吊り下げ具72とを備える。そして、支持枠71は、単独配管23を吊り下げ具72により吊り下げて支持する吊り下げロッド71aと、この吊り下げロッド71aを、配管ピット10の床Fと略平行(水平)に架け渡した状態で支持する支持枠組71bと、を備える。
第2作業用スペース42には、けん引装置80が設置されている。このけん引装置80は、床Fに打ちこまれたアンカ81と、チェーンあるいはワイヤによりアンカ81につなぎ止められ、レバー82aの操作によりチェーンあるいはワイヤなどのけん引部材82bを巻き取るレバー式ホイスト82(例えば、レバーブロック(商標))を備える。
アンカを打って、人力によりワイヤを巻き取る
次に、水配管20、蒸気配管30を支持する第1架台110および第2架台120について説明する。
図2〜図4に示すように、水配管20は、第1架台110に支持され、蒸気配管30は、第2架台120に支持されている。
まず、第1架台110の構成を説明する。
第1架台110は、図3に示すように、支持部材111、脚部材112,112、ローラ部材113を備える。
支持部材111は、図3(b)に示すように、コの字断面状のチャンネル材を、図3(a)に示すように、水平に横架して形成されている。
脚部材112は、支持部材111と同様のチャンネル材の下端部に、矩形の金属板製のベース板112bを結合して形成されている。なお、ベース板112bには、図3(c)(d)に示すように、一対のボルト穴112cが穿設されている。
ローラ部材113は、ベース板112bの下側に、上下方向の軸を中心に水平方向に回転可能に支持された車軸部材113aと、この車軸部材113aに、水平方向の軸を中心に回転可能に支持されたローラ113bとを備える。
さらに、第1架台110の支持部材111には、水配管20を支持部材111に固定する固定部材114が設けられている。この固定部材114は、金属製ロッドにより、水配管20を、上方から囲むようにU字状に形成され、下端の両端部が支持部材111に締結して固定可能に形成されている。そして、支持部材111および固定部材114と、水配管20との間には、断熱材115(例えば、スリーパー:商品名)が介在され、水配管20から、第1架台110への熱の伝達を遮断する。
なお、水配管20において、第1架台110に支持される部位であって、断熱材115により覆われない部位も、この断熱材115よりも薄い結露防止用の図示を省略した断熱材により覆われる。また、第1架台110は、金属製の水配管20に加え、使用時には、水配管20を流れる冷水の重量も支持するもので、これらを支持可能な強度を有する。
また、第1水配管21と支持部材111との間には、支持部材111と同様のチャンネル材により形成された下駄材116が介在され、第1水配管21は、第2水配管22よりも高い位置に配置される。
これは、図2に示すように、水配管20を配管ピット10に敷設した後のメンテナンス時に、配管ピット10の幅方向(図2の左右方向)の中央側から、第1水配管21の目視および点検作業を容易とするためである。
次に、図4に示す第2架台120について説明する。
第2架台120も、第1架台110とは形状は異なるが、第1架台110と同様に、支持部材121、脚部材122,122、ローラ部材123を備える。
支持部材121は、図4(b)に示すように、L字断面状のチャンネル材を、図4(a)に示すように、水平に横架して形成されている。
脚部材122は、支持部材121と同様のL字のチャンネル材の下端部に、矩形の金属板製のベース板122bを結合して形成されている。なお、ベース板122bには、図4(c)(d)に示すように、一対のボルト穴122cが穿設されている。
ローラ部材123は、ベース板122bの下側に、上下方向の軸を中心に水平方向に回転可能に支持された車軸部材123aと、この車軸部材123aに、水平方向の軸を中心に回転可能に支持されたローラ123bとを備える。
さらに、第2架台120の支持部材121と蒸気配管30との間には、スライド機構130,130,130が介在されている。
各スライド機構130は、大きさは異なるが、構造は同じであるので、第1蒸気配管31と支持部材121との間に介在されたものを代表して説明する。
スライド機構130は、蒸気配管30が、第2架台120に対して軸方向に沿う方向に相対移動するのを許容するためのものである。すなわち、蒸気配管30は、高熱の蒸気を移送するため、温度変化により軸方向に沿う方向に収縮が生じる。そこで、スライド機構130により、蒸気配管30の軸方向の収縮を許容するようにしている。
スライド機構130は、第2架台120の支持部材121に固定されたレール部材131と、蒸気配管30に固定されたスライド部材132と、を備える。
レール部材131は、板状のベース板131aに、断面L字状の一対のカバー板131b,131bを、開口部131cを挟んで対向配置して形成されている。
スライド部材132は、蒸気配管30の外周を囲んでこの外周に固定された取付部132aと、この取付部132aから垂下され開口部131cを通る垂下片132bと、垂下片132bの下端から左右に延びてカバー板131b,131bに上下方向の移動を規制されたスライド片132cと、を備える。
上記構成のスライド機構130は、蒸気配管30が伸縮した際には、スライド部材132のスライド片132cが、レール部材131に対し、軸方向に沿う方向に移動可能であるとともに、上下方向への相対移動を規制されることにより、第2架台120に支持された状態を維持することができる。
(配管施工方法)
次に、実施の形態1の配管施工方法について順を追って説明する。この配管施工方法の説明にあたり、まず、水配管20の配管施工方法を説明する。
(配管仮支持工程)
配管仮支持工程は、図1に示す第1作業用スペース41に、単独配管23を搬入し、仮支持装置70により仮支持を行う工程である。
すなわち、単独配管23を、図示のように、吊り下げ具72を介して吊り下げロッド71aに吊り下げて、所定の高さに仮支持する。
さらに、最初に搬入した単独配管23(図1において右端に示す単独配管)に対し、軸方向に沿う方向の両端部に第1架台110を設置する。この第1架台110の設置時に、図3に示すように、第1水配管21に対して、支持部材111との間に、さらに、下駄材116を介して設置する。また、支持部材111、下駄材116および固定部材114と水配管20との間に、断熱材115を介在させる。
なお、上述した仮支持および第1架台110の設置作業により、1個の第1架台110に対して、第1、第2水配管21,22を構成する単独配管23,23を並設する。その作業にあたっては、第1水配管21と第2水配管22とを構成する単独配管23,23を同時に並行して仮支持してもよいし、それぞれ、順番に作業を行ってもよい。また、両水配管21,22に対する作業ならびにその後の作業は、同様であるので、以下の説明では、一方のみを、水配管20として説明する。
(配管送り込み工程)
次に、第1架台110を設置した単独配管23を、第1作業用スペース41から配管ピット10に送り込む。この際、図1に示すように、けん引装置80のけん引部材82bを第1架台110に連結しけん引することにより、単独配管23および第1架台110を配管ピット10に送り込む。また、本実施の形態1では、けん引装置80として、レバー式ホイスト82を用いており、第2作業用スペース42に配置された作業者M2がレバー82aを往復操作することにより、単独配管23のけん引を行う。
(配管溶接工程)
単独配管23を配管ピット10に送り出して、第1作業用スペース41における仮支持用のスペースを空けたら、次の単独配管23を搬入し、上述した仮支持を行う。この仮支持により、次に搬入した単独配管23を、先に搬入して第1架台110に支持された単独配管23と同じ高さに仮支持する。
そして、この仮支持した単独配管23と、先に搬入した単独配管23とを、溶接により接続する。この場合、溶接を行う作業者M1は、上下方向に十分な寸法を有した第1作業用スペース41において図示のように溶接作業を行うため、確実な溶接作業を実行可能である。また、溶接により発生した煙や熱は、排気装置50により外部に排出することができ、良好な作業環境を保つことができる。
(断熱材・架台設置工程)
次に搬入して溶接を行った単独配管23に、第1架台110および断熱材115を設置する。この2本目以降の単独配管23については、図示のように、配管ピット10から遠い側の端部に、1個の第1架台110のみ設置する。
(繰り返し作業工程)
以下、上述の配管溶接工程、断熱材・架台設置工程、配管送り込み工程を、順次繰り返し、単独配管23の接続数を増加させつつ、順次、配管ピット10内に送り込む。
(架台固定工程、架台レベル調整工程)
上述した作業の繰り返しにより、配管ピット10の全長に亘り、あるいは、必要な長さだけ、単独配管23を接合し配管ピット10に送り込んで、完成した水配管20(完成配管A)を形成したら、次に、第1架台110の固定作業(架台固定工程)を行う。
この架台固定工程では、まず、ベース板111bに設けられた一対のボルト穴112cを貫通して、配管ピット10の床Fに、アンカ用の穴(図示省略)を穿設する。
次に、一対のボルト穴112cを通して、図5に示す一対のアンカボルト141を床Fに打ち込む。この際、アンカボルト141には、ベース板112bの下側にナット142を設けておく。また、アンカボルト141を打ち込む前に、アンカ用の穴に接着材(図示省略)を充填し、アンカボルト141の固定強度を高める。
次に、ナット142を回転させてアンカボルト141に対しベース板112bと共にナット142を上昇させ、ローラ113bを床Fから離した状態とし、さらに、各第1架台110の高さを調整し、水配管20(完成配管A)に所望の配管勾配を与える。
そして、アンカボルト141の上側から締結ナット143を締結し、第1架台110を床Fに固定する。このように、ローラ113bを床Fから浮かせて固定するため、第1架台110が移動することが無く、かつ、第1架台110の固定強度が、ローラ113bの弾性や劣化の影響を受けることがない。
(架台根巻工程)
次に、第1架台110の腐食を防止するための架台根巻工程を実施する。
この架台根巻工程では、図6Aに示すように、第1架台110の脚部材112のベース板112bおよびローラ部材113の周囲を、カバー部材200により覆う。カバー部材200は、樹脂あるいは木などにより四角筒状に形成され、ベース板112bおよび締結ナット143の位置よりも高い寸法に形成されている。
次に、カバー部材200の内側にモルタルなどの充填材を充填し、ベース板112b、アンカボルト141、各ナット142、143を水密状態として固定する。
これにより、ベース板112b、アンカボルト141、各ナット142、143の腐食を確実に防止するとともに、アンカボルト141のみによる固定よりも強固に固定でき、かつ、外観品質も向上できる。
(蒸気配管の配管施工方法)
次に、蒸気配管30の配管施工方法を説明する。
この蒸気配管30の配管施工方法についても、水配管20と同様に、管仮支持工程、送出工程、配管溶接工程、架台設置工程、繰り返し作業工程、架台固定工程、架台根巻工程を実行する。これらの各工程は、上記の水配管20と同様であるので、水配管20の配管施工との相違点のみを以下に説明する。
前述したように、蒸気配管30は、敷設後、蒸気を送る際に、温度変化により軸方向に収縮するため、蒸気配管30と支持部材121との間にスライド機構130を介在する。
そこで、架台設置工程では、スライド機構130のスライド部材132を蒸気配管30に固定し、一方、スライド機構130のスライド部材132をレール部材131にスライド可能に支持状態とした後に、レール部材131とスライド部材132との相対スライドを規制する。このスライド規制は、単に、ワイヤなどを巻き付けて固定してもよいし、あるいは、レール部材131とスライド部材132とを挟持するバインダなどの治具を用いたり、両者131,132を貫通する孔を形成するとともに、この孔にピン、ネジ、ボルトなどを差し込んで固定したりしてもよいもので、通常使用される固定方法を採用すればよい。
これにより、送出工程、配管溶接工程、架台設置工程、繰り返し作業工程、架台固定工程、架台根巻工程において、第2架台120に対して蒸気配管30が移動することがなく、円滑に上記工程の作業を行うことができる。
また、送出工程にあっては、第1〜第3蒸気配管31〜33を、同時に配管ピット10に送り込むため、各蒸気配管31〜33を1本ずつ送り込む場合と比較して、作業性に優れる。
そして、架台固定工程の実行後、あるいは、その後の架台根巻工程の実行後に、スライド機構130におけるスライド規制を解除する。なお、蒸気配管30を全長に亘って接続した完成配管Bにおいて、1個所、あるいは両端の2箇所で、第2架台120あるいは配管ピット10に対して固定する。また、両端の2箇所で固定する場合は、完成配管Bは、軸方向に沿う方向の1個所に、軸方向の伸縮を吸収する構成を備える。
したがって、蒸気配管30の使用時に熱変化により完成配管Bが伸縮した際には、床Fに固定された第2架台120に対して、蒸気配管30が軸方向に沿う方向に相対移動が可能であり、この移動を規制したものと比較して、完成配管Bのいずれかの箇所に応力集中が生じて変形したり破損したりするのを抑制できる。
(比較例)
次に、本実施の形態1との比較例の配管施工方法について、図面に基づいて説明する。
この比較例の配管施工方法として、第1比較例と第2比較例との2通りの施工方法を例示する。
第1比較例は、特許文献1に記載された施工方法を、実施の形態1において示した配管ピット10と同様の配管ピット02(図8A、図8B参照)における配管施工に適用するとともに、架台01(図8A、図8B参照)に固定するようにした例である。また、第2比較例は、配管ピットの上方が開放されている場合の施工方法をそのまま、実施の形態1の配管ピット10と同様の配管ピット02に適用した例である。
ここで、第1比較例について、図8A,図8Bに基づいて簡単に説明する。
この第1比較例では、配管ピット02に予め所定の間隔で架台01を設置するとともに、架台01の上に仮設レール03を敷設する。そして、実施の形態1において説明した第1作業用スペース41と同様の作業用スペース(図示省略)において、仮設レール03に沿って移動可能なキャスタ04を備えた移動架台05により、単独配管06を支持し、作業用スペースにおいて次の単独配管06どうしを溶接により接続し、順次、配管ピット02に送り込む。
このような第1比較例の配管施工方法を、図9の工程フロー図に基づいて説明すると、まず、配管ピット搬入・運搬工程(A)を実行する。この配管ピット搬入・運搬工程(A)では、架台01および仮設レール03を配管ピット02に搬入、運搬し、さらに架台01を所定間隔で配置する。
次に、架台設置・固定工程(B)を実行する。この架台設置・固定工程(B)では、図8A、図8Bに示すように、架台01を、配管ピット02内の床Fにおいて所定間隔で固定する。なお、架台01としては、図8Bに示すように、架台01の他に仮設架台01bを備える。架台01は、完成配管の敷設後も、完成配管を支持する。一方、仮設架台01bは、仮設レール03に単独配管06の移動を可能とする支持強度を与えるためのもので、完成配管の敷設後、撤去する。
図9に戻り、架台設置・固定工程(B)の次に、架台レベル調整工程(C)を実行する。この架台レベル調整工程(C)では、図8Bに示す架台01および仮設架台01bの脚部材011の高さを、敷設時に完成配管に所定の配管勾配が与えられるように調整する。
図9に戻り、架台レベル調整工程(C)の次に、送り込み用仮設レール設置工程(D)を実施する。この送り込み用仮設レール設置工程(D)では、図8Bに示すように、架台01および仮設架台01bの上に仮設レール03を設置し、この仮設レール03を配管ピット02の全長に亘って設置する。
図9に戻り、送り込み用レール設置工程(D)の次に、配管仮支持工程(E)を実行する。この配管仮支持工程(E)では、実施の形態1にて説明した第1作業用スペース41と同様の作業用スペースにおいて、図8A,図8Bに示すように、移動架台05を介して単独配管06を仮設レール03に載せる。この移動架台05は、その下部に仮設レール03に沿って移動可能なキャスタ04を備える。したがって、単独配管06を、移動架台05に支持した状態で、仮設レール03に沿って配管ピット02に送り込み可能となる。
図9に戻り、配管仮支持工程(E)の次に、配管溶接工程(F)を実施する。すなわち、作業用スペースにおいて、上述のように、移動架台05に支持された単独配管06どうしを溶接して接続する。
配管溶接工程(F)の次に、配管送り込み工程(G)を実行する。すなわち、単独配管06どうしを溶接したら、順次、仮設レール03に沿って配管ピット02内に送り込み、作業用スペースにおいて、次の単独配管06を配置可能なスペースを確保する。
以上の作業を繰り返し行い、単独配管06を接続し、順次配管ピット02に送り込み、配管ピット02の全長に亘って完成配管を敷設する。
次に、配管仮支持・レベルアップ工程(H)を実行する。この配管仮支持・レベルアップ工程では、完成配管を架台01から上昇させ、その状態に維持する仮支持を行う。その後、送り込み用仮設レール撤去工程(I)を実施し、仮設レール03および移動架台05を撤去する。
すなわち、完成配管により、ガスなどの気体を搬送する場合と比較して、水などの液体を搬送する場合、この搬送物の重量も支持する必要がある。この場合、キャスタ04を備えた移動架台05では、搬送物を含む重量を長期にわたり支持することが難しく、架台01により直接支持する必要がある。このため、一旦、完成配管を上昇させ、仮設レール03および移動架台05を撤去する。
次に、断熱材設置工程(J)を実行する。この断熱設置工程では、上昇させた完成配管と架台01との間に、実施の形態にて説明した断熱材(115)を介在させる。
次に、配管レベルダウン・セット工程(K)を実行する。この配管レベルダウン・セット工程では、前述した配管仮支持・レベルアップ工程において上昇させた完成配管を、架台01に支持される位置まで下降させ、固定具(図示省略)により架台01に固定する。
次に、仮支持撤去工程(L)を実行する。この仮支持撤去工程(L)では、前述した仮設架台01bを撤去する。
次に、架台根巻工程(M)を実行する。この架台根巻工程(M)では、架台01の脚部材011の下端部に対して、モルタルなどにより周囲を囲う根巻を行う。
以上の各工程(A)〜(M)を経て、配管ピット02における完成配管の敷設を終了する。このように、比較例では、全部で13の工程が必要であり、作業工数が多く、作業性に劣る。
加えて、上下に狭い配管ピット02内で行う必要がある工程として、配管ピット内搬入・運搬工程(A)、架台設置・固定工程(B)、架台レベル調整工程(C)、送り込み用仮設レール設置工程(D)、配管仮支持・レベルアップ工程(H)、送り込み用仮設レール撤去工程(I)、断熱材設置工程(J)、配管レベルダウン・セット工程(K)、仮設架台撤去工程(L),架台根巻工程(M)が有り、一層、作業性に劣る。さらに、配管仮支持・レベルアップ工程(H)、配管レベルダウン・セット工程(K)など、上下に狭い配管ピット02内で、完成配管を上昇および下降させるのは、技術的にかなりの困難性を有する。
(第2比較例)
次に、第2比較例について図10に基づいて説明する。
この第2比較例は、前述したように、配管ピット02において、上方が開放された場合と同様の施工方法を適用した場合の例である。
図10において、(A)〜(C)の作業については、第1比較例と同様である。
第2比較例では、架台レベル調整工程(C)の後、配管搬入・運搬作業工程(D2)を実行する。この配管搬入・運搬作業工程(D2)では、単独配管06を配管ピット02の各所に搬入し、配置する。そして、次の配管仮支持工程(E2)において、各単独配管06を架台01の上に仮支持する。
次に、配管溶接工程(F2)を実行する。この溶接配管溶接工程(F2)は、配管ピット02内において、単独配管06どうしを溶接して接続する作業である。
以上の、配管搬入・運搬作業工程(D2)、配管仮支持工程(E2)、配管溶接工程(F2)は、が上下方向の寸法に制限が配管ピット02では、実行が難しい。特に、配管溶接工程(F2)では、限られた空間で溶接自体の実行が難しいのに加え、溶接により生じる煙および熱の排出も困難となる。
次に、配管レベルアップ工程(H2)を実行する。この場合、完成配管を架台01から上昇させる。さらに、断熱材設置工程(J2)を実行して、完成配管と架台01との間に断熱材を介在させる。この場合も、上下寸法が限られた配管ピット02にあっては、実施困難な作業となる。
その後、第1比較例と同様に、配管レベルダウン・セット工程(K)、仮支持撤去工程(L)、架台根巻工程(M)を実行する。
以上のように、第2比較例は、配管ピット02の上方が開放されていたり、十分な上下方向寸法が確保されていたりする場合には、実施可能であるが、上下方向寸法が小さな配管ピット02では、実施困難な施工方法である。
次に、本実施の形態1の配管施工方法の工程の流れを、図7により説明する。なお、この説明では、水配管20を例に挙げる。
本実施の形態1では、まず、第1作業用スペース41において、配管仮支持工程(e)を実行し、単独配管23を仮支持装置70により仮支持する。さらに、第1作業用スペース41において、配管溶接工程(f)を実行し、先に送り込んだ単独配管23と仮支持した単独配管23との溶接を行う。そして、第1作業用スペース41において仮支持した単独配管23に対して断熱材、架台設置工程(g)を実行して、断熱材115および第1架台110を設置する。
次に、配管送り込み工程(h)を実行し、第2作業用スペース42からけん引装置80により第1架台110および溶接により接続された複数の単独配管23を配管ピット10内に送り込む。
そして、これらの第1作業用スペース41および第2作業用スペース42において実行する各工程(e)(f)(g)(h)を順次繰り返し、完成配管Aを配管ピット10内に敷設したら、架台固定工程(i)を実行し、第1架台110を床Fに固定する。この架台固定工程(i)は、配管ピット10内の作業であるが、第1架台110の脚部材112の下端部の固定作業であり、完成配管に対する作業と比較して、上方空間に余裕があり、作業は容易である。
さらに、架台レベル調整工程(j)を実行し、完成配管Aを所定の高さに設置する。この作業も、上記と同様に、第1架台110の脚部材112の下端部のベース板112bの高さの調整であり、完成配管Aに対する作業と比較して、上方空間に余裕があり、作業は容易である。
その後、架台根巻工程(m)を実行し、第1架台110の脚部材112の下端部を充填材300により囲って覆う。この作業も、上方空間に余裕があり、作業は容易である。
このように、実施の形態1では、作業工数が両比較例と比べ、大幅に少なく、作業性に優れる。また、作業自体も、第1、第2作業用スペース41,42において実行する作業が多く、両比較例と比較して、配管ピット02内で行う作業が少なく、作業性に優れる。加えて、本実施の形態1では、配管ピット10内に行う作業も、床Fの近傍の作業であり、上方空間に余裕があり、この点でも、作業性に優れる。
(実施の形態1の効果)
以下に、実施の形態1の効果を列挙する。
1)実施の形態1の配管施工方法は、
上方が閉ざされた配管ピット10の一端に連続する第1作業用スペース41から配管ピット10に単独配管23を送り込み、単独配管23どうしを接続して形成した完成配管A(B)を配管ピット10に沿って敷設する配管施工方法であって、
第1作業用スペース41に搬入した単独配管23に、この単独配管23を支持可能であるとともに下部のローラ113bを転動させて配管ピット10を移動可能な第1架台110を設置し、
単独配管23を、第1作業用スペース41から配管ピット10に向けて移動させた後、第1作業用スペース41に次の単独配管23を搬入し、この次の単独配管23を、配管ピット10に送り込んだ単独配管23と同じ高さに仮支持した後、両者を接続し、次の単独配管23に第1架台110を設置した後、配管ピット10に移動させる作業を順次繰り返して、配管ピット10に必要な長さの完成配管A(B)を配置し、
その後、第1架台110のローラ113bを、配管ピット10の床Fから離した状態として、第1架台110を配管ピット10の床Fに固定し、完成配管A(B)を敷設することを特徴とする。
溶接などの接続作業や、単独配管23に第1架台110を設置する作業などの上下方向に大きな作業空間が必要な作業を、配管ピット10に連続する第1作業用スペース41において実行するため、作業性に優れる。
また、単独配管23を順次、配管ピット10に移動させる際は、単独配管23を支持する第1架台110を、ローラ113bを用いて移動させるため、配管ピット10内において連続する単独配管23を吊り上げるなどの作業が不要であり、作業性に優れる。
さらに、第1架台110を床Fに固定する際には、ローラ113bを床Fから離した状態として固定するため、ローラ113bを床Fに接触させて固定する場合と比較して、第1架台110の安定性が高く、しかも、ローラ113bの経時劣化の影響を受けず、安定した固定性能を得ることができる。これにより、完成配管A(B)の位置も安定し、耐久性に優れるとともに、所望の配管勾配も安定維持が可能である。特に、実施の形態1において示した空調装置用の水配管20の場合、第1架台110に、水配管20に加え、搬送する冷水の重量も作用するため、ローラ113bにより安定して支持するとともに、所定の配管勾配を維持するのが難しい。それに対し、本実施の形態1では、上記のように、安定した固定性能および配管勾配の維持が可能となる。
加えて、前述したように、第1、第2比較例と比較して、作業工数が少なく、工期の短縮を図ることができ、これによりコスト削減も図ることができる。
2)実施の形態1の配管施工方法は、
単独配管23どうしの接続を溶接により行うことを特徴とする。
このように、単独配管23どうしの接続を溶接により行う場合、実施の形態1において示した上下方向の寸法H1が小さな配管ピット10内では、溶接作業を実行するのが難しく、しかも、溶接により生じる煙や熱の排出を行うダクトなどの設置や移動も難しい。これに対し、本実施の形態1では、溶接による接続作業は、配管ピット10の外部の第1作業用スペース41において実行するため、溶接作業の実行が容易であり、排気装置50の設置も容易であり、作業環境を良好に保つことができる。また、溶接作業を、この第1作業用スペース41の1箇所で行うため、溶接作業個所の移動に伴って排気用のダクトを移動させる作業も不要であり、作業性に優れる。
加えて、単独配管23どうしの接続を溶接により行った場合、フランジ接合などの他の接続と比較して、長期にわたりシール性を維持できる。上記のように配管ピット10が狭い場合、点検作業に手間がかかり、短期の定期点検が難しい。このため、このような狭い配管ピット10における配管施工において、溶接による接続を可能とすることは、特に有効である。
3)実施の形態1の配管施工方法は、
第1架台110(第2架台120)を単独配管23に設置する際に、さらに、第1架台110(第2架台120)と単独配管23との間に断熱材115(スライド機構130)を介在させることを特徴とする。
単独配管23に第1架台110を設置する作業を第1作業用スペース41において実行するのに加え、その際に、同時に断熱材115(スライド機構130)の設置も行うため、両作業を狭い配管ピット10にて行うのと比較して、作業性に優れる。
4)実施の形態1の配管施工方法は、
第2架台120を各蒸気配管31〜33を構成する単独配管に設置する際に、さらに、単独配管と第2架台120との間に、第2架台120に対して単独配管の軸方向への移動を許容するスライド機構130を介在させ、かつ、このスライド機構130による単独配管と第2架台120との相対移動を規制した状態で、単独配管を配管ピット10へ移動させ、第2架台120を床Fに固定した後に、前記相対移動の規制を解除し、スライド機構130による単独配管と第2架台120との相対移動が可能な状態とすることを特徴とする。
蒸気配管31〜33を構成する単独配管に第2架台120を設置する作業を第1作業用スペース41において実行するのに加え、その際に、同時にスライド機構130の設置も行うため、両作業を狭い配管ピット10にて行うのと比較して作業性に優れる。
さらに、単独配管を配管ピット10へ移動させる際には、スライド機構130による移動を規制するため、この規制を行わない場合と比較して、単独配管および第2架台120を移動させる作業を円滑に行うことができる。
加えて、第2架台120の固定後は、スライド機構130に対するスライド規制を解除するため、蒸気配管30が温度変化により伸縮した際に、蒸気配管30を第2架台120に対してスライド可能である。したがって、このスライドを行わないものと比較して、伸縮に伴って蒸気配管30に応力集中が生じるのを抑制し、蒸気配管30の破損を抑制するとともに、耐久性の向上を図ることができる。
5)実施の形態1の配管施工方法は、
第1架台110、第2架台120は、単独配管23を支持する支持部材111,121と、この支持部材111,121の下側に設けられた脚部材112,122と、この脚部材112,122の下端部に取り付けられたローラ113b,123bと、を備え、
第1架台110、第2架台120を床Fに固定する際に、まず、床Fにアンカ部材としてのアンカボルト141を固定した後、このアンカボルト141に対して、脚部材112,122を上昇させてローラ113b,123bを床Fから離した状態とした後、脚部材112,122をアンカボルト141に固定することを特徴とする。
ローラ113b,123bを床Fから離す作業と、脚部材112,122を床Fに固定する作業とを、同箇所で行うことができ、作業性に優れる。
特に、本実施の形態1では、アンカボルト141を、ベース板112b,122bに貫通させて床Fに固定し、このアンカボルト141に対してナット142を回転させてベース板112b,122bおよび脚部材112,122を上昇させ、ナット142および締結ナット143により脚部材112,122を固定するようにしている。したがって、脚部材112,122を上昇させる構成を利用して固定も行うため、それぞれを別の部材を用いて行うものと比較して、部品点数の削減によるコストダウンと、作業工数削減による作業効率向上とを図ることができる。加えて、この固定構造により、第1架台110には、完成配管Aの重量に加え、搬送する冷水の荷重が作用するが、この第1架台110を床Fに、強固に安定して固定することができる。
6)実施の形態1の配管施工方法は、
脚部材112,122をアンカ部材としてのアンカボルト141に固定した後に、さらに、脚部材112,122の下部の周囲に型枠材としてのカバー部材200を設け、このカバー部材200の内側に充填材300を充填することを特徴とする。
したがって、アンカボルト141およびベース板112b,122bを含む脚部材112,122の下端部を充填材300により覆って雰囲気から遮断するため、各配管20,30の結露や漏れ、配管ピット10の湿気などの影響による腐食を防止できるとともに、固定強度の向上および維持を図ることができる。
7)実施の形態1の配管施工方法は、
第1架台110、第2架台120の設置時に、支持部材111,121に、複数の各水配管21,22、各蒸気配管31〜33を構成する単独配管を並列に支持し、
単独配管を配管ピット10に向けて移動させる際に、同時に複数の単独配管を移動させ、
次の前記単独配管の仮支持、接続、移動時に、複数の次の単独配管を並列に仮支持するとともに、それぞれ、先に移動させた単独配管に接続した後、同時に移動させる作業を順次繰り返し、複数の完成配管A(B)(各水配管21,22、各蒸気配管31〜33)を並列に敷設することを特徴とする。
このように、同時に複数の単独配管の仮支持、接続、移動を行うため、各完成配管A(B)を構成する単独配管の仮支持、接続、移動を、それぞれ、独立して行うものと比較して、作業効率に優れる。
8)実施の形態1の配管施工方法は、
配管ピット10は、第1作業用スペース41とは反対側の端部に配管ピット10に連続する第2作業用スペース42を備え、
単独配管23を配管ピット10へ移動させる際には、第2作業用スペース42に設置したけん引装置80により、第1架台110、第2架台120を第2作業用スペース42側にけん引することを特徴とする。
したがって、複数の単独配管23を接続した配管を、第1作業用スペース41側から押込むのと比較して、単独配管23の接続部分に横方向の荷重が作用することなく、真直ぐに配管ピット10内に引き込むことができ、作業性に優れる。
9)実施の形態1の配管施工方法は、
けん引装置80として、レバー式ホイストを用いることを特徴とする。
したがって、第2作業用スペース42が、地下のような狭い空間であっても、けん引装置80の搬入が容易である。加えて、けん引作業の際に、人力による調整により、連続した単独配管23の状態に注意を払いながら、少しずつ引き込むことができ、モータなどの駆動装置により、急激に引き込む場合と比較して、安定した引き込み作業を行うことができる。
以上、本発明を実施の形態に基づき説明してきたが、具体的な構成については、この実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
例えば、実施の形態では、配管ピットとして、地下通路の下方に設けられたものを示したが、上方が閉ざされた配管ピットであれば、上下水道やガス管などの集合配管、統合配管などに適用することもできる。
したがって、実施の形態では、単独配管と架台との間に断熱材を介在した例を示したが、配管により外気と温度が異なる物質を移送しない場合は、断熱材を設ける必要はない。あるいは、実施の形態では、蒸気配管とスライド機構との間に、断熱材を介在させない例を示したが、さらに、断熱材を介在させてもよい。
また、架台として、支持部材、脚部材、ローラ部材を備えたものを示したが、これに限定されるものではなく、例えば、脚部材を有しない箱状のものなどを適用することができる。そして、ローラとしても、図示した車輪状のものに限らず、球状のものを用いてもよい。さらに、架台は、実施の形態では、複数の単独配管を並列に支持したものを示したが、これに限定されず、1本の単独配管を支持するようにしてもよい。
また、配管として、水配管、蒸気配管を示したが、管であれば、ガス管など、気体を送るものや、電線、信号線を配索するものなど、他の用途のものにも適用できる。さらに、配管として、金属製のものを示したが、これに限定されず、樹脂などの他の素材により形成されたものを用いることができる。
したがって、単独配管どうしの接続も、溶接に限らず、例えば、端部のフランジどうしをボルト、ナットなどの締結具により締結して接続するものや、接着剤を用いたり、溶着を用いたりして、接続するものを用いてもよい。
また、実施の形態では、ローラを上昇させて床から離す構成および架台を固定する構成として、アンカボルトとナットとを用いた例を示したが、これに限定されない。例えば、ジャッキアップを行う装置を用いて、架台を上昇させてもよい。そして、脚部材の床への固定も、ボルト、ナットなどのアンカ部材を用いずに、コンクリートなどにより架台を固めて固定するなど、他の固定構造を用いて固定してもよい。さらに、アンカ部材としても、床に強固に固定可能なものであれば、アンカボルトに限定されるものではない。
また、架台の固定において、根巻工程により、架台の下端部に充填材を充填して固める例を示したが、これに限定されず、充填材を充填することなく固定するようにしてもよい。この場合、アンカボルトなどのアンカ部材としては、耐腐食性に優れるSUSなどを用いるのが好ましい。また、アンカ部材、ベース板には、耐腐食性を向上させるために、塗料などを塗布してもよい。あるいは、外観品質を向上するために、カバー部材などにより覆ってもよい。
また、実施の形態では、スライド機構として、架台側のレール部材と、単独配管側のスライド部材とを用いた例を示したが、その構成は限定されない。要は、両者のスライドを可能とすればよく、レール部材とスライド部材との配置を逆にしてもよいし、その形状も軸方向に沿う方向の相対移動を、上下方向の移動規制を行うものであれば、これに限定されない。
また、実施の形態では、単独配管および単独配管どうしが接続されたものを、配管ピットに移動させる手段として、けん引装置を示したが、これに限定されず、第1作業用スペース側から、架台あるいは単独配管を配管ピット側に押込む構成を用いてもよい。さらに、けん引装置を用いる場合も、実施の形態において示したレバー式ホイストに限定されるものではなく、モータや油圧駆動装置などを用いてけん引するものを用いてもよい。
A,B 完成配管
F 床
10 配管ピット
20 水配管
21 第1水配管
22 第2水配管
23 単独配管
30 蒸気配管
31 第1蒸気配管
32 第2蒸気配管
33 第3蒸気配管
41 第1作業用スペース
42 第2作業用スペース
50 排気装置
60 溶接装置
70 仮支持装置
80 けん引装置
82 レバー式ホイスト
110 第1架台
111 支持部材
112 脚部材
113b ローラ
115 断熱材
120 第2架台
121 支持部材
122 脚部材
123b ローラ
130 スライド機構
141 アンカボルト(アンカ部材)
200 カバー部材(型枠材)
300 充填材

Claims (9)

  1. 上方が閉ざされた配管ピットの一端に連続する作業用スペースから前記配管ピットに単独配管を送り込み、前記単独配管どうしを接続して形成した完成配管を前記配管ピットに沿って敷設する配管施工方法であって、
    前記作業用スペースに搬入した単独配管に、この単独配管を支持可能であるとともに下部のローラを転動させて前記配管ピットを移動可能な架台を設置し、
    前記単独配管を、前記作業用スペースから前記配管ピットに向けて移動させた後、前記作業用スペースに次の単独配管を搬入し、この次の単独配管を、前記配管ピットに送り込んだ前記単独配管と同じ高さに仮支持した後、両者を接続し、前記次の単独配管に前記架台を設置した後、前記配管ピットに移動させる作業を順次繰り返して、前記配管ピットに必要な長さの完成配管を配置し、
    その後、前記架台の前記ローラを、前記配管ピットの床から離した状態として、前記架台を前記配管ピットの床に固定し、前記完成配管を敷設することを特徴とする配管施工方法。
  2. 請求項1に記載の配管施工方法において、
    前記単独配管どうしの接続を溶接により行うことを特徴とする配管施工方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載の配管施工方法において、
    前記架台を前記単独配管に設置する際に、さらに、前記架台と前記単独配管との間に断熱材を介在させることを特徴とする配管施工方法。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の配管施工方法において、
    前記架台を前記単独配管に設置する際に、さらに、前記単独配管と前記架台との間に、前記架台に対して前記単独配管の軸方向への移動を許容するスライド機構を介在させ、かつ、このスライド機構による前記単独配管と前記架台との相対移動を規制した状態で、前記単独配管を前記配管ピットへ移動させ、前記架台を前記床に固定した後に、前記相対移動の規制を解除し、前記スライド機構による前記単独配管と前記架台との相対移動が可能な状態とすることを特徴とする配管施工方法。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の配管施工方法において、
    前記架台は、前記単独配管を支持する支持部材と、この支持部材の下側に設けられた脚部材と、この脚部材の下端部に取り付けられたローラと、を備え、
    前記架台を前記床に固定する際に、まず、前記床にアンカ部材を固定した後、このアンカ部材に対して、前記脚部材を上昇させて前記ローラを前記床から離した状態とした後、前記脚部材を前記アンカ部材に固定することを特徴とする配管施工方法。
  6. 請求項5に記載の配管施工方法において、
    前記脚部材を前記アンカ部材に固定した後に、さらに、前記脚部材の下部の周囲に型枠材を設け、この型枠材の内側に充填材を充填することを特徴とする配管施工方法。
  7. 請求項5または請求項6に記載の配管施工方法において、
    前記架台の設置時に、前記支持部材に、複数の前記単独配管を並列に支持し、
    前記単独配管を前記配管ピットに向けて移動させる際に、同時に複数の前記単独配管を移動させ、
    前記次の前記単独配管の仮支持、接続、移動時に、複数の次の前記単独配管を並列に仮支持するとともに、それぞれ、先に移動させた前記単独配管に接続した後、同時に移動させる作業を順次繰り返し、複数の完成配管を並列に敷設することを特徴とする配管施工方法。
  8. 請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の配管施工方法において、
    前記配管ピットは、前記作業用スペースとは反対側の端部に前記配管ピットに連続する第2の作業用スペースを備え、
    前記単独配管を前記配管ピットへ移動させる際には、前記第2の作業用スペースに設置したけん引装置により、前記架台を前記第2の作業用スペース側にけん引することを特徴とする配管施工方法。
  9. 請求項8に記載の配管施工方法において、
    前記けん引装置として、レバー式ホイストを用いることを特徴とする配管施工方法。
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