JP2017218953A - 内燃機関用のカム位相可変動弁装置 - Google Patents

内燃機関用のカム位相可変動弁装置 Download PDF

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一範 野々山
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一範 野々山
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Abstract

【課題】遠心式カム位相変更機構において、入力回転部材の、第2カム軸を支持する軸受からのオーバハング量を抑えて軸受の負荷軽減等を達成し、且つ第2動弁カムの位相変更の応答性を高める。
【解決手段】カム位相変更機構Aは、入力回転部材30の、軸受B2と反対側の外側面に隣接し且つ入力回転部材30にピボット軸32で支持した遠心ウエイト50と、同ウエイトを縮径方向に付勢する戻しばね51と、入力回転部材30の内側面に隣接し第2カム軸20に固定の従動フランジ21と、従動フランジ21の従動孔21hと、遠心ウエイト50に連結され且つ入力回転部材30の貫通孔31を通して従動孔21hに摺合する駆動ピン22とを備え、従動孔21hは、駆動ピン22の移動軌跡とは異なる形状を有して従動フランジ21の略半径方向に延びる長孔で構成され、ピボット軸32から遠心ウエイト50の重心までの距離L2が駆動ピン22までの距離L1よりも長い。
【選択図】 図2

Description

本発明は、内燃機関用の動弁装置、特に内燃機関のクランク軸により回転駆動される入力回転部材(例えばカムスプロケット)と、第1動弁カム(例えば排気カム)を有して入力回転部材に一体的に連結される第1カム軸と、第1動弁カムに隣接する第2動弁カム(例えば吸気カム)を有して第1カム軸に同一の軸線上で相対回転可能に連結される第2カム軸と、入力回転部材及び第2動弁カムの間に位置して第2カム軸を機関本体に回転自在に支持させる軸受と、機関回転数の変化に応じて第2動弁カムの第1動弁カムに対する相対位相を変化させ得るように、入力回転部材及び第2カム軸の相互間を連結する遠心式カム位相変更機構とを備えたカム位相可変動弁装置に関する。
上記カム位相可変動弁装置は、例えば、下記の非特許文献1及び特許文献1にもそれぞれ示されるように従来公知である。
SAE論文2014.11.24(TVS Moter社) 特開2006−170117号公報
非特許文献1に示される従来の遠心式カム位相変更機構は、入力回転部材に一体的に結合される駆動板と、この駆動板及び軸受間に配置されて第2カム軸に一体的に連結される従動板と、駆動板に半径方向に延びる駆動溝と、駆動溝とは異なる形状をなして半径方向に延びるように従動板に設けられる従動孔と、これら駆動溝及び従動孔に摺動可能に係合する駆動ピンと、駆動板及び従動板間に配設され且つ機関回転数の上昇に応じて拡径方向に移動して駆動ピンの駆動溝及び従動孔との係合位置を変える遠心ウエイトと、この遠心ウエイトを縮径方向に付勢する戻しばねとより構成され、駆動ピンが駆動溝及び従動孔との係合位置を変えることで、第2カム軸を第1カム軸に対し相対回転させて第2動弁カムの位相を変更できるようになっている。
ところが非特許文献1の動弁装置では、上記遠心式カム位相変更機構が入力回転部材と、第2カム軸を支持する軸受との間に介設されるため、必然的に入力回転部材の軸受からのオーバハング量が大きくなる。このことは、クランク軸から入力回転部材に駆動力が入力されるときの上記軸受の負荷を増大させるのみならず、入力回転部材等の振動を誘起する要因ともなる。
一方、特許文献1に記載の遠心カム位相変更機構は、第2カム軸を低速用位相及び高速用位相にそれぞれ保持する低速用ストッパピン及び高速用ストッパピンを、入力回転部材と第2カム軸間を係脱し得るように配設し、入力回転部材に軸支した遠心ウエイトの遠心力と遠心ウエイトを縮径位置に保持する戻しばねとの力関係に基づいて、両ストッパピンを第2カム軸に対し交互に抜差可能としている。そして、両ストッパピンが抜けているときに、機関弁(吸気弁又は排気弁)から第2カム軸が受ける弁駆動反力を利用して、第2カム軸を入力回転部材に対し相対回転させることで第2動弁カムの位相を変更できるようにしている。
このような特許文献1の遠心式カム位相変更機構は、遠心ウエイト等の主要部品が入力回転部材及び前記軸受間に介在しないので、入力回転部材の前記軸受からのオーバハング量を小さくすることが可能であるものの、第2動弁カムの位相を変更する際には、動弁カムの駆動反力トルクのみを利用する関係からトルク不足を生じることがあって変更応答性が良好ではない、といった欠点がある。また低速用ストッパピン及び高速用ストッパピンを異なるタイミングで抜き差しするために、揺動方向を異にする2種類の遠心ウエイトを必要とすることから、構造が複雑化し、コスト高となる等の欠点もある。
本発明は、かゝる事情に鑑みてなされたもので、入力回転部材の前記軸受からのオーバハング量の増加を極力抑えながら遠心式カム位相変更機構の設置を可能にして前記軸受の負荷軽減等を達成し、しかも第2動弁カムの位相変更の応答性が良好であると共に遠心ウエイトの軽量化に寄与し得る、構造簡単な内燃機関用のカム位相可変動弁装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、内燃機関のクランク軸により回転駆動される入力回転部材と、第1動弁カムを有して前記入力回転部材に一体的に連結される第1カム軸と、前記第1動弁カムに隣接する第2動弁カムを有して前記第1カム軸に同一の軸線上で相対回転可能に連結される第2カム軸と、前記入力回転部材及び前記第2動弁カムの間に位置して該第2カム軸を機関本体に回転自在に支持させる軸受と、機関回転数の変化に応じて前記第2動弁カムの前記第1動弁カムに対する相対位相を変化させ得るように、前記入力回転部材及び前記第2カム軸の相互間を連結する遠心式カム位相変更機構とを備えた、内燃機関用のカム位相可変動弁装置において、前記カム位相変更機構は、前記入力回転部材の、前記軸受とは反対側の外側面に隣接配置され且つ前記入力回転部材にピボット軸を介して支持されて、縮径位置及び拡径位置間を揺動可能な遠心ウエイトと、前記遠心ウエイトを縮径方向に付勢する戻しばねと、前記入力回転部材の内側面に隣接配置されて前記第2カム軸に一体的に連結される従動フランジと、前記従動フランジに設けた従動孔と、前記遠心ウエイトに連結されると共に前記入力回転部材の貫通孔を通して前記従動孔に摺動可能に係合する駆動ピンとを少なくとも備え、前記貫通孔は、前記遠心ウエイトの前記揺動に連動する前記駆動ピンの移動を許容する形状を有し、前記従動孔は、前記軸線と直交する投影面で見て、前記遠心ウエイトの前記揺動に伴う前記駆動ピンの移動軌跡とは異なる形状を有して前記従動フランジの略半径方向に延びる長孔で構成され、前記ピボット軸の中心から前記遠心ウエイトの重心までの距離が、前記ピボット軸の中心から前記駆動ピンの中心までの距離よりも長く設定されることを第1の特徴とする。
また、本発明は、第1の特徴に加えて、前記遠心ウエイトの重心と前記ピボット軸とを結ぶ仮想線に沿う方向で、前記重心と前記ピボット軸との間に前記駆動ピンが配置されることを第2の特徴とする。
また本発明は、第1又は第2の特徴に加えて、前記駆動ピンが前記遠心ウエイトに固着され、前記遠心ウエイトが前記縮径位置にあるときに、前記投影面で見て、前記軸線を中心とした円弧の接線で且つ前記駆動ピンを横切る接線の上又はその近傍に前記ピボット軸が配置されることを第3の特徴とする。
また本発明は、第1〜第3の何れかの特徴に加えて、前記駆動ピンは、前記遠心ウエイトに設けた連結孔に遊嵌され、前記投影面で見て前記ピボット軸の軸線を中心とする円弧状をなす前記貫通孔と、該貫通孔とは前記投影面で見て形状を異にする前記従動孔とにそれぞれ前記駆動ピンが摺動可能に係合していることを第4の特徴とする。
本発明の第1の特徴において、「従動フランジの略半径方向に延びる長孔」とは、実施形態のように従動フランジの、厳密な意味で半径方向に延びる直線状の長孔のみに限定されず、例えば、孔の長手方向一端と他端とが、同一の半径上に無くても半径方向に互いに離間していて、概ね半径方向に延びる種々の形状の長孔(例えば、従動フランジの半径に対し多少傾斜した直線状、又は多少カーブした円弧状の長孔)をも含む。
本発明の第1の特徴によれば、遠心式カム位相変更機構の主要部(遠心ウエイト等)は入力回転部材の外側に在って、第2カム軸を機関本体に支持させる軸受と入力回転部材との間には、遠心式カム位相変更機構のごく一部だけが配置されるに過ぎないため、遠心式カム位相変更機構の特設に伴う入力回転部材の前記軸受からのオーバハング量の増加を十分に抑えることができる。これにより、クランク軸から入力回転部材に駆動力が入力されるときの軸受の負荷を軽減でき、また入力回転部材等の振動を効果的に抑制しながら、第1動弁カムに対する第2動弁カムの相対位相を機関回転数の変化に応じて変更可能となる。また特に遠心ウエイトは、遠心力と戻しばねの荷重との強弱関係に基づいて揺動し、その揺動に連動して駆動ピンを従動フランジの従動孔に摺動させることで、第2カム軸を第1カム軸に対し相対回転させて第2動弁カムの位相を変更するので、1種類の遠心ウエイトにより、第2動弁カムの位相変更を応答性良く実行可能となり、構造の簡素化、延いてはコスト節減に寄与することができる。
その上、従動孔は、遠心ウエイトのピボット軸回りの揺動に伴う駆動ピンの移動軌跡とは異なる形状を有して従動フランジの略半径方向に延びる長孔で構成されるので、機関運転時に第2カム軸に作用する弁駆動反力トルクが、略半径方向に延びる従動孔の内側面で駆動ピン側に受け止められ、これにより、遠心ウエイトの揺動が弁駆動反力トルクの影響を受けにくくなり、その影響に配慮して遠心ウエイトの遠心力(従ってウエイト重量)を特別に大きくする必要はなくなる。しかも遠心ウエイトのピボット軸の中心から遠心ウエイトの重心までの距離L2が、ピボット軸の中心から駆動ピンの中心までの距離L1よりも長く設定されるので、その両距離の比(即ちレバー比L2/L1)を大きく設定できて、遠心ウエイトにより駆動ピンを軽快に駆動することができる。以上の結果、遠心ウエイトの軽量化、並びに第2動弁カムの位相変更の応答性の向上に寄与することができる。
また第2の特徴によれば、遠心ウエイトの重心とピボット軸とを結ぶ仮想線に沿う方向で、重心とピボット軸との間に上記駆動ピンが配置されるので、遠心ウエイトを特に大型化しなくても、大なる上記レバー比の確保が可能となり、これにより、遠心ウエイトの更なる軽量化及び小型化に寄与することができる。
また第3の特徴によれば、駆動ピンが遠心ウエイトに固着されるので、駆動ピンが入力回転部材の貫通孔内面に強く擦られて摺動するのを回避でき、これにより、駆動ピンが入力回転部材より受ける摩擦抵抗の低減を図り、第2動弁カムの位相変更の応答性の更なる向上に寄与することができる。また、遠心ウエイトが縮径位置にあるときに、カム軸の軸線を中心とした円弧の接線で且つ駆動ピンを横切る接線の上又はその近傍にピボット軸が配置されるので、上記弁駆動反力トルクが、従動フランジの従動孔から駆動ピンを介して遠心ウエイトにピボット軸の略半径方向荷重として作用することとなって、弁駆動反力トルクが遠心ウエイトの揺動に及ぼす影響を最小限とすることができ、これにより、遠心力変化に応じた遠心ウエイトの揺動動作(特に第2動弁カムの低速用位相)の安定化に寄与することができる。
また第4の特徴によれば、駆動ピンは、遠心ウエイトに設けた連結孔に遊嵌され、ピボット軸の軸線を中心とする円弧状をなすよう入力回転部材に設けた貫通孔と、その貫通孔とは形状を異にする従動フランジ側の従動孔とにそれぞれ駆動ピンが摺動可能に係合するので、遠心ウエイトの揺動により駆動される駆動ピンを、入力回転部材の円弧状の貫通孔と、従動フランジの、該貫通孔とは形状を異にする従動孔とに摺動させることで、第2カム軸を第1カム軸に対し相対回転させることができる。これにより、駆動ピンは、遠心ウエイトの連結孔に単に遊嵌させるだけで足りることから、組立工数の削減や組立作業性の向上が図られ、更なるコスト節減が達成可能である。また機関運転時に第2カム軸が受ける弁駆動反力トルクが、従動フランジの従動孔から駆動ピンを介して入力回転部材の円弧状の貫通孔の内側面に略垂直荷重として作用して、入力回転部材に受け止められることから、遠心ウエイトの揺動が、弁駆動反力トルクの影響を受けにくくなり、これにより、遠心力変化に応じた遠心ウエイトの揺動動作(延いては第2動弁カムの低速用位相及び高速用位相)の安定化に寄与することができる。
第1実施形態に係るカム位相変更機構の要部縦断面図(図2の1−1線断面図) 第1実施形態に係るカム位相変更機構を、遠心ウエイトが縮径位置にある状態で示す要部端面図(図1の2矢視図) 第1実施形態に係るカム位相変更機構を、遠心ウエイトが拡径位置にある状態で示す要部端面図(図2対応図) 第1実施形態のカムリフトと位相の関係図であって、(a)は機関が低速回転域にあって遠心ウエイトが縮径位置にある状態を示し、(b)は機関が高速回転域にあって遠心ウエイトが拡径位置にある状態を示す 第2実施形態に係るカム位相変更機構の要部縦断面図(図1対応図)
本発明の実施形態を添付図面に基づいて以下に説明する。
先ず、図1〜図3を参照して、本発明の第1実施形態を説明する。本実施形態は、本発明の遠心作動装置を内燃機関用動弁装置におけるカム位相変更機構に適用した一例である。車両例えば自動二輪車に搭載される内燃機関としてのSOHC型単気筒内燃機関の機関本体、特にシリンダヘッドCHには、複数の動弁用カム(即ち吸・排気カム20c・10c)のうちの一部(実施形態では吸気カム20c)のカム位相だけを機関回転数の増大変化に応じて変更させるカム位相変更機構Aが設けられる。次に、図1〜図3を参照して、カム位相変更機構Aの一例を具体的に説明する。
シリンダヘッドCHには、内燃機関の図示しないクランク軸にチェーン伝動機構33を介して連動回転する第1カム軸10が、軸受B1、B2を介して回転自在に支持される。第1カム軸10の一端部には、スプロケット歯30tを外周に有するカムスプロケット30が、第1カム軸10と一体回転するように適当な固定手段(例えばボルト37及びワッシャ38と、図示しない回止め手段の併用等)により一体的に締結される。カムスプロケット30と、クランク軸に固定の駆動スプロケット(図示せず)と、その両スプロケット間に巻き掛けられる無端状チェーン34とにより、調時伝動系としてのチェーン伝動機構33が構成される。そして、カムスプロケット30は、本発明の入力回転部材を構成している。
第1カム軸10の外周部には、第1動弁カムとしての排気カム10cが一体に形成される。排気カム10cには、シリンダヘッドCHに揺動可能に軸支されて排気弁(図示せず)に係合する排気側ロッカアームR1が摺動可能に当接しており、第1カム軸10の回転に連動して排気カム10cが排気側ロッカアームR1を介して排気弁を開閉駆動する。
また、第1カム軸10の外周部には、第2動弁カムとしての吸気カム20cを一体に有して第1カム軸10とは同一軸線X上に配置される円筒状の第2カム軸20が、複数の軸受B3、B4を介して相対回動可能に嵌合、支持される。吸気カム20cには、シリンダヘッドCHに揺動可能に軸支されて吸気弁(図示せず)に係合する吸気側ロッカアームR2が摺動可能に当接しており、第2カム軸20の回転に連動して吸気カム20cが吸気側ロッカアームR2を介して吸気弁を開閉駆動する。
尚、本実施形態では、第1カム軸10を回転自在に支持する複数の上記軸受B1、B2のうちの一部の軸受B2が、吸気カム20cの外側方で第2カム軸20の外周部に装着される。即ち、第1カム軸10は、第2カム軸20及び軸受B3、B4を介してシリンダヘッドCHに回転自在に支持される。
而して、軸受B2は、カムスプロケット30(入力回転部材)及び吸気カム20c(第2動弁カム)の間に位置して第2カム軸20をシリンダヘッドCH(機関本体)に回転自在に支持させる本発明の軸受を構成する。
また第2カム軸20の外端部には、カムスプロケット30の内側面(図1で右側面)に隣接する環状の従動フランジ21が、適当な固定手段(例えば圧入手段やスプライン嵌合等)で一体的に連結される。尚、本実施形態では従動フランジ21を第2カム軸20とは別々に製作して第2カム軸20に後付けで固定しているが、従動フランジ21を第2カム軸20に一体に形成してもよい。
カムスプロケット30には、カムスプロケット30の外側面に隣接する遠心ウエイト50の薄肉の基端部50aがピボット軸32を介して揺動可能に支持される。これにより、遠心ウエイト50は、後述するように所定の縮径位置50X(図2参照)と拡径位置50Y(図3参照)との間で揺動可能である。
遠心ウエイト50は、上記基端部50aと、基端部50aの一端に段差を介して一体に連なり且つ軸方向外側(第2カム軸20から離間する側)に張出す薄肉の中間部50bと、中間部50bの外端に一体に連なる厚肉の先部50mとを備えていて、カムスプロケット30の周方向に先拡がり状に延びるように形成される。
ピボット軸32の基端部32aは、カムスプロケット30に適当な固定手段(本実施形態では圧入)で固着される。また遠心ウエイト50の基端部50aは、ピボット軸32の中間部の外周に揺動可能に嵌合、支持される。そして、ピボット軸32の先端部外周に連設した環状フランジ32bと基端部50aとの間には、遠心ウエイト50を縮径位置50Xの側に常時付勢する後述の戻しばね51の一端末51aが係止される。
またピボット軸32には、遠心ウエイト50とカムスプロケット30の相互間隔を一定に保持するスペーサ35(例えばワッシャ、ディスタンスカラー等)が設けられる。尚、上記スペーサを省略して遠心ウエイト50とカムスプロケット30とを直接的に摺接させるようにしてもよい。
ところで駆動ピン22は、遠心ウエイト50の重心Gとピボット軸32とを結ぶ仮想線に沿う方向(即ち本実施形態では遠心ウエイト50の長手方向と一致し、図2では上下方向)で、重心Gとピボット軸32との間に配置される。上記配置により、ピボット軸32の中心から遠心ウエイト50の重心Gまでの距離L2が、ピボット軸32の中心から駆動ピン22の中心までの距離L1よりも長く設定される。
遠心ウエイト50と第2カム軸20とは、相互を連動させる連動機構Iを介して連結される。連動機構Iは、前記した従動フランジ21と、遠心ウエイト50の中間部50bに設けた連結孔50hに基部22aを固着(本実施形態では圧入固定)した駆動ピン22と、従動フランジ21に設けられて駆動ピン22の先部22bが摺動可能に嵌挿、連結される従動孔21hとを備える。
従動孔21hは、カムスプロケット30の回転軸線Xと直交する投影面(図2参照)で見て、遠心ウエイト50の揺動に伴う駆動ピン22の移動軌跡(即ちピボット軸32の軸線を中心とする円弧状)とは従動孔21hが異なる形状を有して従動フランジ21の半径方向に延びる長孔より構成される。このような従動孔21hの孔形状によれば、遠心ウエイト50に固定されて従動孔21hに係合する駆動ピン22が、遠心ウエイト50の揺動に連動して上記移動軌跡を移動しながら従動孔21hの内側面を摺動することで、従動フランジ21(第2カム軸20)をカムスプロケット30に対し軸線X回りに相対回動させることができる。即ち、従動孔21hの長手方向に沿う内側面は、上記連動のために駆動ピン22と協働するカム面として機能する。
尚、従動孔21hは、本実施形態では従動フランジ21を貫通する貫通孔で構成されるが、カムスプロケット30側に開口する溝状の有底孔で構成してもよい。
而して、遠心ウエイト50がカムスプロケット30に対しピボット軸32回りに揺動すれば、その揺動に連動機構I(即ち駆動ピン22、従動孔21h及び従動フランジ21)を介して第2カム軸20を連動させることで、カムスプロケット30(従って第1カム軸10)に対し第2カム軸20を相対回動させることができる。そして、上記相対回動により、カムスプロケット30に対し第1カム軸10の回転位相を変更しないで第2カム軸20の回転位相のみが変更され、これにより、吸気カム20cの排気カム10cに対する相対位相が変更される。
また、遠心ウエイト50のカムスプロケット30に対する揺動位置が固定された状態では、カムスプロケット30から遠心ウエイト50及び連動機構Iを介して第2カム軸20へ回転駆動力を伝達して、カムスプロケット30に第2カム軸20を連動回転させることができる。
カムスプロケット30には、駆動ピン22の中間部が貫通する貫通孔31が設けられる。貫通孔31は、カムスプロケット30に対する遠心ウエイト50の上記揺動に伴う駆動ピン22の、ピボット軸32回りの回動を一定の角度範囲で許容する孔形状に形成される。特に、本実施形態の貫通孔31は、遠心ウエイト50の上記揺動に伴う駆動ピン22の移動軌跡に相当する、ピボット軸32を中心とした円弧状(従って前記投影面で見て従動孔21hとは異なる形状)に形成される。
尚、本実施形態では、駆動ピン22が遠心ウエイト50に固着されていて、遠心ウエイト50の揺動に伴う駆動ピン22の移動軌跡が一定形状(上記円弧状)である。このため、貫通孔31で駆動ピン22の移動を案内する必要はなく、従って、貫通孔31は、駆動ピン22の上記移動軌跡よりも大きな孔(例えば、駆動ピン22よりも幅広の円弧孔や直線孔、大径の円孔等)に形成してもよい。
而して、駆動ピン22は、上記貫通孔31及び/又は従動孔21hの長手方向一方側及び他方側の各内端面とそれぞれ当接することで、駆動ピン22に連係する遠心ウエイト50の、カムスプロケット30に対する半径方向一方側の揺動限界と他方側の揺動限界をそれぞれ規定する。かくして、遠心ウエイト50は、カムスプロケット30に対し、上記一方側及び他方側の揺動限界にそれぞれ対応する縮径位置50X(図2)及び拡径位置50Y(図3)の相互間でピボット軸32回りに揺動可能である。
また本実施形態では、遠心ウエイト50が図2に示す縮径位置50Xにあるときに、ピボット軸32は、カムスプロケット30の回転軸線Xを中心とした円弧の接線で且つ駆動ピン22を横切る接線の上に配置される。尚、ピボット軸32は必ずしも上記接線の上に配置する必要はなく、例えば上記接線の近傍に配置することも可能である。
ところで遠心ウエイト50は、カムスプロケット30に一対設けられており、両遠心ウエイト50を縮径方向に付勢する戻しばね51は、両遠心ウエイト50の相互間に一対、介装される。即ち、本実施形態では、遠心ウエイト50、戻しばね51及び連動機構Iの組は2組有って、カムスプロケット30の回転軸線Xを挟んで点対称に配置される。そして、各々の戻しばね51は、一方の組の遠心ウエイト50のピボット軸32と他方の組の遠心ウエイト50の先部50mとの間にそれぞれ介装される。尚、戻しばね51は、本実施形態では引張コイルばねより構成されるが、それ以外のばね、例えば捩じりコイルばねや板ばねを使用してもよい。
内燃機関が低速回転域(例えば4000rpm未満の回転域、以下同様)にあって、遠心ウエイト50の遠心力による拡径方向の揺動トルクが所定値未満の場合は、遠心ウエイト50が戻しばね51の付勢力で縮径位置50Xに保持される。このときは、後述するように第2カム軸20が吸気カム20cに低速用位相を付与する第1作動態様、即ち、低速回転域において好適な開弁特性で吸気弁を開閉駆動する作動態様となる。
また、内燃機関が高速回転域(例えば4000rpm以上の回転域、以下同様)に移行して、遠心力で遠心ウエイト50の上記揺動トルクが所定値以上になると、その揺動トルクが、戻しばね51の付勢力に抗して遠心ウエイト50を縮径位置50Xから拡径位置50Yへと揺動する。この場合は、遠心ウエイト50の揺動位置に応じて第2カム軸20が進角して吸気カム20cに高速用位相を付与する第2作動態様、即ち、高速回転域において好適な開弁特性で吸気弁を開閉駆動する作動態様となる。
次に、第1実施形態の作用について、図4も併せて参照して説明する。
カム位相変更機構Aは、内燃機関(従ってカムスプロケット30)が低速運転域にあって、遠心力で遠心ウエイト50に生じる拡径方向の揺動トルクが所定値未満のときは、その揺動トルクよりも戻しばね51の付勢力が上回るため、遠心ウエイト50は、戻しばね51の付勢力で縮径位置50Xに保持される。これにより、遠心ウエイト50に連動機構I(即ち駆動ピン22、従動孔21h及び従動フランジ21)を介して連結される第2カム軸20と一体の吸気カム20cは、低速用位相に安定よく保持される。従って、低速回転域で好適な開弁特性(即ち図4(a)に示す吸気弁のリフトカーブを参照)により吸気弁を開閉駆動することができる。
また内燃機関(従ってカムスプロケット30)が高速回転域になって、遠心力の増大に伴い遠心ウエイト50の上記揺動トルクが所定値以上に増大すると、遠心ウエイト50が戻しばね51の付勢力に抗して拡径位置50Yまで揺動し、その揺動に上記連動機構Iを介して第2カム軸20をカムスプロケット30に対し強制的に相対回転させるため、吸気カム20cのカム位相を高速用位相へ変更する。これにより、高速回転域で好適な開弁特性(即ち図4(b)に示す吸気弁のリフトカーブを参照)により吸気弁を開閉駆動することができ、しかも吸気カム20cの位相変更の応答性は良好である。
かくして、本実施形態では、内燃機関の低速回転域から高速回転域への移行に伴い、遠心ウエイト50が縮径位置50Xから拡径位置50Yに揺動するのに応じて、吸気カム20cのカム位相を低速用位相から高速用位相へと変更(具体的には吸気弁の開閉時期を進角)させることができる。一方、排気カム10cのカム位相は常に一定、即ち高速回転域になっても変化しない。従って、吸気弁の上記進角により、吸・排気弁が共に開いているバルブオーバラップ期間が長くなって掃気効率を高めることができるから、内燃機関の高速運転性能を向上させることができる。
以上説明した第1実施形態によれば、遠心式カム位相変更機構Aの主要部(遠心ウエイト50、戻しばね51等)がカムスプロケット30の軸方向外側に在る一方、第2カム軸20を支持するカムスプロケット30側の軸受B2とカムスプロケット30との間には、カム位相変更機構Aのごく一部(即ち駆動ピン22の一部や従動フランジ21)だけが配置されるため、カム位相変更機構Aの特設に伴うカムスプロケット30の軸受B2からのオーバハング量の増加が十分に抑えられる。これにより、クランク軸からカムスプロケット30に駆動力が入力されるときの軸受B2の負荷を軽減できるばかりか、カムスプロケット30等の振動を効果的に抑制しながら、吸気カム20cのカム位相を機関回転数の変化に応じて支障なく変更できる。
また本実施形態の遠心ウエイト50は、遠心ウエイト50に作用する遠心力と戻しばね51の付勢力との強弱関係に基づいて揺動し、その揺動に機械的に連動して駆動ピン22が従動フランジ21の従動孔21hを長手方向に摺動することで、第2カム軸20を第1カム軸10に対し相対回転させて吸気カム20cのカム位相を変更する。これにより、只1種類の遠心ウエイト50により、吸気カム20cの位相変更を応答性良く実行可能となり、遠心式カム位相変更機構Aの構造簡素化、延いてはコスト節減が図られる。
また本実施形態では、機関運転時に閉弁方向に弾発付勢された吸気弁から第2カム軸20(従って従動フランジ21)に作用する弁駆動反力トルクが、従動フランジ21の半径方向に延びる従動孔21hの内側面で駆動ピン22側に受け止められるため、駆動ピン22に連結した遠心ウエイト50の揺動が、弁駆動反力トルクの影響を受けにくくなり、その影響に配慮して遠心ウエイト50の遠心力(従ってウエイト重量)を特別に大きくする必要はなくなる。その上、本実施形態では、ピボット軸32の中心から遠心ウエイト20の重心Gまでの距離L2が、ピボット軸32の中心から駆動ピン22の中心までの距離L1よりも長く設定されていて、その両距離の比(即ちレバー比L2/L1)を大きく設定できることから、遠心ウエイト50により駆動ピン22を軽快に駆動できる。これらの結果、遠心ウエイト50の軽量化、並びに吸気カム20cの位相変更の応答性の向上に寄与することができる。
しかも本実施形態では、遠心ウエイト50の重心Gとピボット軸32とを結ぶ仮想線に沿う方向(即ち遠心ウエイト50の長手方向)で、重心Gとピボット軸32との間に駆動ピン22が配置(即ち、ピボット軸32から見て重心G及び駆動ピン22が同側に配置)されている。これにより、遠心ウエイト50を特に大型化しなくても、大なる上記レバー比L2/L1の確保が可能となるため、遠心ウエイト50の更なる軽量化及び小型化を達成可能となる。
さらに本実施形態によれば、駆動ピン22が遠心ウエイト50に固着されていて、遠心ウエイト50の揺動に追従移動する駆動ピン22の移動軌跡が一定しているため、駆動ピン22がカムスプロケット30の貫通孔31内を妄りに遊動せず、即ち駆動ピン22が貫通孔31の内面に強く擦られて摺動するのを回避できる。これにより、駆動ピン22がカムスプロケット30より受ける摩擦抵抗の低減を図り、吸気カム20cの位相変更の応答性の更なる向上に寄与することができる。
また本実施形態では、遠心ウエイト50が図2に示す縮径位置50Xにあるときに、カムスプロケット30の回転軸線Xを中心とした円弧の接線で且つ駆動ピン22を横切る接線の上又はその近傍にピボット軸32が配置されている。そのため、機関運転時に第2カム軸20が受ける弁駆動反力トルクが、従動フランジ21から駆動ピン22を介して遠心ウエイト50にピボット軸32の略半径方向荷重として作用することとなり、これにより、弁駆動反力トルクが遠心ウエイト50の揺動に及ぼす影響を最小限とすることができるから、遠心力変化に応じた遠心ウエイト50の揺動動作(特に吸気カム20cの低速用位相)の安定化に寄与することができる。
次に図5を参照して、本発明の第2実施形態を説明する。先の第1実施形態では、駆動ピン22を遠心ウエイト50に固着したものを示したが、本第2実施形態では、駆動ピン22を遠心ウエイト50の連結孔50hに遊嵌(即ち、遊隙62を存して嵌合)させている。
そして、第2実施形態では、連結孔50hに遊嵌した駆動ピン22が外部に妄りに抜け出さないように、連結孔50hの外方開口部を塞ぐ蓋体60が適当な固定手段(第2実施形態では複数のボルト61)を以て遠心ウエイト50に着脱可能に固定され、また従動フランジ21に設けられる従動孔21hは、有底孔で構成される。
尚、上記連結孔50hと駆動ピン22との間に遊隙62を設けたことで、遠心ウエイト50の、遠心力変化に応じた揺動の初期に駆動ピン22に若干の作動遅れが発生するが、上記遊隙62は、上記作動遅れが実質上、問題ない程度の小さなクリアランスに設定されるので、上記遊隙62を特設しても、第2実施形態の遠心式カム位相変更機構Aの基本的な作動に支障を来たす虞れはない。
第2実施形態の、その他の構成は、基本的に第1実施形態と同様であり、各構成部材には、第1実施形態と同様の参照符号を付してある。
そして、第2実施形態も、第1実施形態と同様の作用効果を達成可能である。更に第2実施形態によれば、駆動ピン22は、遠心ウエイト50の連結孔50hに遊嵌され、ピボット軸32の軸線を中心とする円弧状をなすよう(即ち遠心ウエイト50の揺動に伴う駆動ピン22の移動軌跡に一致するよう)にカムスプロケット30に設けた貫通孔31と、従動フランジ21の半径方向に延びる従動孔21hとに駆動ピン22が摺動可能に係合している。そして、遠心ウエイト50の揺動により駆動される駆動ピン22を、カムスプロケット30の円弧状の貫通孔31と、従動フランジ21の、貫通孔31とは形状を異にする従動孔21hとに摺動させることで、第2カム軸20を第1カム軸10に対し相対回転させることができる。
これにより、駆動ピン22は、遠心ウエイト50には固着せずに、遠心ウエイト50の連結孔50hに単に遊嵌させるだけで足りることから、組立工数の削減や組立作業性の向上が達成され、更なるコスト節減が図られる。また内燃機関の運転時、第2カム軸20が機関弁から受ける弁駆動反力トルクが、従動フランジ21(従動孔21h)から駆動ピン22を介してカムスプロケット30の円弧状の貫通孔31の内側面に略垂直荷重として作用して、カムスプロケット30に受け止められるため、遠心ウエイト50の揺動が、弁駆動反力トルクの影響を受けにくくなる。これにより、遠心力変化に応じた遠心ウエイト50の揺動動作(延いては吸気カム20cの低速用位相及び高速用位相)の安定化が図られる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
例えば、前記実施形態では、本発明のカム位相変更機構を、動弁カムとしての吸気カム20cの位相変更に用いたものを示したが、本発明では、動弁カムとしての排気カム10cの位相変更に用いるようにしてもよい。その場合には、内燃機関の低速回転域では排気カム10cに低速回転域で好適な低速用位相を付与し、また高速回転域では排気カム10cに、低速用位相よりも遅角させた高速用位相を付与するように、第1カム軸10を制御可能であり、その場合には、高速回転域において排気弁を遅角させることによりバルブオーバラップ期間が長くなって掃気効率を高めることができる。
また前記実施形態では、第1、第2動弁カム10c、20cのうちの何れか一方を排気カム10c、また何れか他方を吸気カム20cとしたものを示したが、本発明では、第1、第2動弁カム10c、20cを両方とも吸気カム(即ち第1、第2吸気カム)とし又は両方とも排気カム(即ち第1、第2排気カム)とした内燃機関に適用してもよい。
また、前記実施形態では、動弁装置が設けられる内燃機関を単気筒エンジンとしたものを示したが、多気筒(例えば2気筒)エンジンに適用してもよい。この場合は、各気筒毎に本発明のカム位相変更機構を設けるようにする。
また、前記実施形態では、動弁装置が設けられる内燃機関をSOHC型エンジンとしたものを示したが、本発明は、DOHC型エンジンに適用してもよい。この場合は、吸気弁及び排気弁毎に設けられる吸気用カム軸及び排気用カム軸のうちの少なくとも一方のカム軸に本発明のカム位相変更機構を設けるようにする。
また、前記実施形態では自動二輪車用内燃機関を示したが、本発明は、自動二輪車以外の車両に搭載される内燃機関に適用してもよく、或いは車両用以外の用途の内燃機関(例えば定置式の内燃機関)に適用してもよい。
尚、機関回転数(特に車両用内燃機関の場合は車速)と吸、排気バルブの開閉タイミングとの最適な関係は、内燃機関の構造や仕様によって様々に設定可能である。例えば、内燃機関の機種や要求特性によっては、吸気カム20cを高速回転域では低速回転域のときよりも遅角させるようにしてもよく、或いは、排気カム10cを高速回転域では低速回転域のときよりも進角させるようにしてもよい。
また前記実施形態では、入力回転部材として、内燃機関のクランク軸に動弁カム軸を連動回転させる調時伝動系のカムスプロケット30を例示したが、内燃機関のクランク軸に連動回転する入力回転部材であれば、実施形態のカムスプロケットに限定されず、例えば、調時伝動系のカムプーリ、歯車等であってもよい。
また前記実施形態では、駆動ピン22をカムスプロケット30の貫通孔31及び/又は被動フランジ21の従動孔21hの長手方向両端面とそれぞれ当接することで、駆動ピン22に連係する遠心ウエイト50の、カムスプロケット30に対する揺動限界(延いては吸気カム20cの低速用位相及び高速用位相)を規定するものを示したが、本発明では、第1,第2カム軸10,20相互の嵌合面の何れか一方に位置決めピンを、また何れか他方に、位置決めピンが一定角度の範囲で摺動可能に係合する位置決め溝をそれぞれ設けることで、上記揺動限界(延いては吸気カム20cの低速用位相及び高速用位相)を規定するようにしてもよい。
また前記実施形態では、駆動ピン22が、遠心ウエイト50の重心Gとピボット軸32とを結ぶ仮想線に沿う方向(即ち実施形態では遠心ウエイト50の長手方向)で、重心Gとピボット軸32との間に配置されるものを示したが、本発明では、駆動ピン22の位置は実施形態に限定されず、例えば、ピボット軸32を間に挟むように遠心ウエイト50の重心Gと駆動ピン22とを配置してもよい。但し、その場合でも、ピボット軸32の中心から遠心ウエイト50の重心Gまでの距離L2は、ピボット軸32の中心から駆動ピン22の中心までの距離L1よりも長く設定される。
A・・・・・・カム位相変更機構
B2・・・・・軸受
CH・・・・・シリンダヘッド(機関本体)
G・・・・・・重心
L1・・・・・ピボット軸の中心から駆動ピンの中心までの距離
L2・・・・・ピボット軸の中心から遠心ウエイトの重心までの距離
X・・・・・・回転軸線(軸線)
10,20・・・第1,第2カム軸
10c・・・・排気カム(第1動弁カム)
20c・・・・吸気カム(第2動弁カム)
21・・・・・従動フランジ
21h・・・・従動孔
22・・・・・駆動ピン
30・・・・・カムスプロケット(入力回転部材)
31・・・・・貫通孔
32・・・・・ピボット軸
50・・・・・遠心ウエイト
50h・・・・連結孔
50X・・・・縮径位置
50Y・・・・拡径位置
51・・・・・戻しばね

Claims (4)

  1. 内燃機関のクランク軸により回転駆動される入力回転部材(30)と、第1動弁カム(10c)を有して前記入力回転部材(30)に一体的に連結される第1カム軸(10)と、前記第1動弁カム(10c)に隣接する第2動弁カム(20c)を有して前記第1カム軸(10)に同一の軸線(X)上で相対回転可能に連結される第2カム軸(20)と、前記入力回転部材(30)及び前記第2動弁カム(20c)の間に位置して該第2カム軸(20)を機関本体(CH)に回転自在に支持させる軸受(B2)と、機関回転数の変化に応じて前記第2動弁カム(20c)の前記第1動弁カム(10c)に対する相対位相を変化させ得るように、前記入力回転部材(30)及び前記第2カム軸(20)の相互間を連結する遠心式カム位相変更機構(A)とを備えた、内燃機関用のカム位相可変動弁装置において、
    前記カム位相変更機構(A)は、前記入力回転部材(30)の、前記軸受(B2)とは反対側の外側面に隣接配置され且つ前記入力回転部材(30)にピボット軸(32)を介して支持されて、縮径位置(50X)及び拡径位置(50Y)間を揺動可能な遠心ウエイト(50)と、前記遠心ウエイト(50)を縮径方向に付勢する戻しばね(51)と、前記入力回転部材(30)の内側面に隣接配置されて前記第2カム軸(20)に一体的に連結される従動フランジ(21)と、前記従動フランジ(21)に設けた従動孔(21h)と、前記遠心ウエイト(50)に連結されると共に前記入力回転部材(30)の貫通孔(31)を通して前記従動孔(21h)に摺動可能に係合する駆動ピン(22)とを少なくとも備え、
    前記貫通孔(31)は、前記遠心ウエイト(50)の前記揺動に連動する前記駆動ピン(22)の移動を許容する形状を有し、
    前記従動孔(21h)は、前記軸線(X)と直交する投影面で見て、前記遠心ウエイト(50)の前記揺動に伴う前記駆動ピン(22)の移動軌跡とは異なる形状を有して前記従動フランジ(21)の略半径方向に延びる長孔で構成され、
    前記ピボット軸(32)の中心から前記遠心ウエイト(50)の重心(G)までの距離(L2)が、前記ピボット軸(32)の中心から前記駆動ピン(22)の中心までの距離(L1)よりも長く設定されることを特徴とする、内燃機関用のカム位相可変動弁装置。
  2. 前記遠心ウエイト(50)の重心(G)と前記ピボット軸(32)とを結ぶ仮想線に沿う方向で、前記重心(G)と前記ピボット軸(32)との間に前記駆動ピン(22)が配置されることを特徴とする、請求項1に記載の内燃機関用のカム位相可変動弁装置。
  3. 前記駆動ピン(22)が前記遠心ウエイト(50)に固着され、
    前記遠心ウエイト(50)が前記縮径位置(50X)にあるときに、前記投影面で見て、前記軸線(X)を中心とした円弧の接線で且つ前記駆動ピン(22)を横切る接線の上又はその近傍に前記ピボット軸(32)が配置されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の内燃機関用のカム位相可変動弁装置。
  4. 前記駆動ピン(22)は、前記遠心ウエイト(50)に設けた連結孔(50h)に遊嵌され、
    前記投影面で見て前記ピボット軸(32)の軸線を中心とする円弧状をなす前記貫通孔(31)と、該貫通孔(31)とは前記投影面で見て形状を異にする前記従動孔(21h)とにそれぞれ前記駆動ピン(22)が摺動可能に係合していることを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載の内燃機関用のカム位相可変動弁装置。
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