JP2017218241A - 巻上機 - Google Patents

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Abstract

【課題】ワイヤや吊り荷に与える衝撃を少なく、確実に作動し得るドラムの緊急停止手段を巻上機に構成する。
【解決手段】ドラム11の回転監視手段及び回転停止手段と前記回転監視手段及び回転停止手段の制御手段とを備えた巻上機1で、回転停止手段は、ドラム11に設定されたロック用周面21とブラケット4に設けられたロック用対向面45との間へ挿入及び引き抜き自在にした楔ブロック5から構成され、制御手段は、回転監視手段から受信した電気信号に基づいて算出されたドラム11の回転変数が回転閾値を超えたと判別すると、前記楔ブロック5をロック用周面21とロック用対向面45との間に挿入させる。
【選択図】図8

Description

本発明は、ブラケットに支持されて正逆回転するドラムにワイヤを巻き取り、前記ワイヤに吊られた吊り荷を吊り上げる巻上機に関する。
巻上機は、不用意に吊り荷が落下しないように、ドラムを正逆回転させる電動機に二重のブレーキを設けたり、ドラムと電動機とを繋ぐ減速機にメカニカルブレーキを設けたりしている。しかし、そもそもドラムと電動機又は減速機との繋がりが断たれると、ドラムは自由落下しようとする吊り荷に引っ張られてワイヤを繰り出すことになる。そこで、ドラムと電動機又は減速機との繋がりが断たれる異常事態(例えば電動機又は減速機の軸の破損等)でも、なお不用意な吊り荷の落下を防止する機構を備えた巻上機が提案されている(特許文献1)。
特許文献1は、半径外向きに延びるレバーをドラム(回転体)の側面に軸着し、前記レバーをドラムの軸心方向に付勢しながら、ドラムが高速回転した際に前記レバーが遠心力で半径外向きに回動するようにし、半径外向きに回動したレバーの先端部に設けた凸部の後面が当接する補強ブロックをドラムの側面に、前記凸部の前面が衝突する衝突ブロックを前記ドラムの側面と対向する部材に、前記補強ブロック及び衝突ブロックが軸方向に干渉しない位置に設けた巻上機(昇降装置)を開示する(特許文献1・[請求項1][0007])。
特許文献1が開示する巻上機は、不用意に吊り荷(昇降体)が落下してドラムが高速回転すると、遠心力によりレバーの先端部が半径外向きに回動し、凸部の後面が補強ブロックに当接して支持された状態となり、そのままドラムが回転すると、前記凸部の前面が衝突ブロックに衝突して、ドラムの回転を停止させ、もって吊り荷の落下を防止する。ドラムの運動エネルギーは、補強ブロック及び衝突ブロックから凸部に加わる剪断力となり、レバーに曲げモーメントが働くことはない、としている(特許文献1・[0008])。
特開2004-331320号公報
特許文献1が開示する巻上機は、異常事態に際して、遠心力で外向きに回動するレバーの凸部が補強ブロック及び衝突ブロックに挟まれることにより、ドラムの回転を停止させる。レバーの凸部が衝突ブロックに衝突することから、ドラムは瞬間的に停止すると考えられ、異常事態の発生から下降し始めていた吊り荷に衝撃が加わる。衝撃は、吊り荷が重量物であれば、ワイヤを切断させる可能性がある。また、衝撃は、吊り荷が破損しやすい物であれば、吊り荷を破損させる虞がある。これから、異常事態に際してドラムを停止させるとしても、衝撃が吊り荷やワイヤにできるだけ伝わらないようにしたい。
また、特許文献1が開示する巻上機は、異常事態に際してドラムを停止させるため、遠心力を与えてレバーを外向きに回動させる必要がある。しかし、通常常態のレバーは、常態としてドラムの軸芯方向に付勢し、補強ブロック及び衝突ブロックに接触しないようにする必要がある。これから、レバーに関して、外向きに回動させようとする遠心力と内向きに回動させようとする付勢力との平衡が難しく、異常事態に際して確実にドラムを停止させるためにレバーが外向きに回動するか、懸念が残る。
異常事態に際して落下による吊り荷の破損を回避するには、ドラムに緊急停止手段が必要である。しかし、特許文献1が開示する巻上機は、ドラムの停止に際してワイヤや吊り荷に衝撃をもたらす問題や、微妙な力関係で平衡するレバーの作動が不確実な問題がある。そこで、ブラケットに支持されて正逆回転するドラムにワイヤを巻き取り、前記ワイヤに吊られた吊り荷を吊り上げる巻上機において、ワイヤや吊り荷に与える衝撃を少なくし、確実に作動し得るドラムの緊急停止手段を構成すべく、検討した。
検討の結果開発したものが、ブラケットに支持されて正逆回転するドラムにワイヤを巻き取り、前記ワイヤに吊られた吊り荷を吊り上げる巻上機において、ドラムの回転監視手段及び回転停止手段と、前記回転監視手段及び回転停止手段の制御手段とを備えており、回転停止手段は、ドラムと同軸で前記ドラムに連動して回転するロック用周面と、前記ロック用周面の半径方向に対向してブラケットに設けられたロック用対向面と、前記ロック用周面とロック用対向面との間へ挿入及び引き抜き自在にブラケットに支持される楔ブロックとから構成され、制御手段は、回転監視手段から受信した電気信号に基づいて算出されたドラムの回転変数が回転閾値を超えたと判別すると、前記楔ブロックをロック用周面とロック用対向面との間に挿入させることを特徴とする巻上機である。
楔ブロックは、2側面を挟む角度が鋭角な正面視略三角形で、最も細い幅がロック用周面とロック用対向面との間より狭く、徐変に前記間より広幅となる部材である。ロック用周面とロック用対向面との間とは、ロック用周面の半径方向で、ロック用周面とロック用対向面とが最も近い部分の隙間を指す。回転監視手段は、ドラムの回転に応じて電気信号を制御手段に発信する構成であれば、従来公知の各種構成を利用しうるが、減速機又はモータと別にドラムの回転を監視する観点から、例えばドラムの周方向に等間隔で配置され、前記ドラムに連動して周回する複数のドグと、前記ドグの通過を検知できる位置でブラケットに設けられた回転センサとから構成される回転監視手段を挙げることができる。
本発明の巻上機は、異常事態に際してドラムに制動を掛けるのではなく、ドラムの回転そのものを阻止して吊り荷の落下を防止する。回転監視手段は、ドラムの回転に応じた電気信号を制御手段に発信する。複数のドグと回転センサとから構成される回転監視手段の場合、ドラムの回転に応じて通過するドグを回転センサが検知する度、回転センサが電気信号(パルス信号)を制御手段に発信する。ドグは、物理的な凸部又は凹部のほか、回転センサに検知可能なマークでもよい。回転センサは、光学センサや近接センサを利用できる。
制御手段は、回転センサから受信した電気信号に基づいて、ドラムの回転状態を表す回転変数を算出し、前記回転変数が回転閾値を超えると、楔ブロックを鋭角な先端からロック用周面とロック用対向面との間に挿入させ、ロック用周面に楔ブロックの側面を圧迫させて、前記ロック用周面と楔ブロックの側面との摩擦又は掛合により、ドラムの回転を阻止する。制御手段は、本発明専用に構成してもよいし、巻上機の駆動制御手段を兼用で利用してもよい。回転変数は、例えば電気信号の受信間隔時間である。受信間隔時間は、ドラムの回転が早くなるにつれて短くなる。回転閾値は、回転変数が受信間隔時間である場合、最短間隔時間である。制御手段は、受信間隔時間が最短間隔時間を下回れば、異常事態によりドラムが高速回転していると判別する。
ロック用周面は、ドラムと同軸に回転するロック用リングの外周面であり、ロック用リングは、ドラムと一体に回転するドラム用リングと連結してなり、ロック用リング及びドラム用リングは、周方向に隙間を残して同一円周上に並ぶロック用ブロック及びドラム用ブロックをそれぞれ設け、前記隙間に弾性部材を介在させてドラムの回転方向にロック用ブロック及びドラム用ブロックを掛合させることにより連結する。これにより、楔ブロックがロック用周面とロック用対向面との間に挿入されてロック用リングが急停止しても、弾性部材が弾性変形しながらロック用リングの急停止がドラム用リングに伝達されるため、ドラムがロック用リングに比べて緩やかに停止するようになり、ロック用リングの急停止による衝撃が緩和される。
ドラム用リングは、ドラムと一体に回転することから、ドラムと別体に構成するのではなく、ドラムの一部として構成してもよい。ドラムと別体のドラム用リングは、既製の巻上機に本発明を適用する場合に便利である。ロック用ブロック及びドラム用ブロックは、同一円周上に並び、かつ隣り合うロック用ブロック及びドラム用ブロックの間に弾性部材を介在させる隙間があればよく、大きさや形状が同じで、異なっていてもよい。弾性部材は、ロック用ブロック及びドラム用ブロックに挟まれ、少なくとも周方向に弾性変形するものであればよく、周方向に伸縮するコイルバネやゴムブロックを例示できる。
楔ブロックは、アクチュエータとしてシリンダや電磁ソレノイドを用い、前記シリンダのロッドや電磁ソレノイドのプランジャと直接接続し、ロッドやプランジャの進退により、ロック用周面とロック用対向面との間に挿入及び引き抜き自在にできる。ここで、楔ブロックは、偶数基を点対称な位置関係で配置して、ドラムに掛かる負荷が周方向均等間隔で発生させることが望ましい。この場合、複数の楔ブロックは、それぞれに対応するロック用周面とロック用対向面との間に、同時に挿入される必要がある。これから、ブラケットには、点対称関係で一対のロック用対向面を設け、楔ブロックは、ドラムに同軸な揺動中心を有するシーソー式のロッカーアームの点対称位置に一対連結し、ロッカーアームは、制御手段から発信される作動信号により作動するアクチュエータを連結し、制御手段がドラムの高速回転を判別するとアクチュエータを作動させ、ロッカーアームを揺動させることにより一対の楔ブロックをドラムのロック用周面と一対のロック用対向面との間にそれぞれ挿入させる構成とする。
シーソー式のロッカーアームは、点対称位置に連結した一対の楔ブロックを等量かつ互い違いの向きに進退させる。このため、ロック用周面とロック用対向面との組は、点対称関係で互い違いな方向からそれぞれの楔ブロックが挿入される。ここで、ロッカーアームと楔ブロックとの連結部位は円弧運動をするため、例えばロッカーアーム又は楔ブロックの一方に長孔を設け、他方に設けた連結ピンを前記長孔に挿通すると共に、楔ブロックの進退直交方向を規制して前記楔ブロックが直線運動できる構成とする。アクチュエータは、シリンダや電磁ソレノイドを例示できる。シリンダや電磁ソレノイドは、チューブ(シリンダ)又は本体(電磁ソレノイド)をブラケットに位置固定し、ロッカーアームに連結させたロッド(シリンダ)又はプランジャ(電磁ソレノイド)を進退させることにより、前記ロッカーアームを揺動させる。
一対の楔ブロックを連結したロッカーアームが、前記楔ブロックをロック用周面とロック用対向面との間に挿入する方向、すなわち作動させたアクチュエータが揺動させる方向に傾いてしまうと、不用意にドラムが急停止させられる虞があり、好ましくない。そこで、ロッカーアームは、ブラケットに設けた付勢部材により、作動したアクチュエータが揺動させる方向に抗する付勢力が与えられる構成にするとよい。付勢部材は、作動したアクチュエータが揺動させる方向の逆向きに付勢力を与えるコイルバネや捩りコイルバネ等を例示できる。アクチュエータは、付勢部材の付勢力を越える力でロッカーアームを揺動させ、楔ブロックをロック用周面とロック用対向面との間に挿入する。
また、ロッカーアームは、揺動中心から一端側を相対的に軽く、他端側を相対的に重くして、作動したアクチュエータが揺動させる方向に抗する回転モーメントを発生させるとよい。ロッカーアームは、揺動中心から一端側を相対的に軽く、他端側を相対的に重くすることにより、他端側を水平より下方に下げるように、作動したアクチュエータが揺動させる方向に抗する回転モーメントを発生させる。これにより、ロッカーアームが、不用意に揺動して、楔ブロックをロック用周面とロック用対向面との間に挿入することが抑制できる。両端に重量差を設けたロッカーアームは、上述の付勢部材を併用すれば、不用意に揺動して、楔ブロックをロック用周面とロック用対向面との間に挿入することを抑制しやすい。
本発明の巻上機は、ドラムを制動するのではなく、ドラムの回転自体を禁止して前記ドラムを停止させるため、吊り荷の落下を確実に防止できる効果がある。これは、楔ブロックをロック用周面とロック用対向面との間に挿入することによる効果である。楔ブロックは、楔ブロックをロック用周面とロック用対向面との間に挿入できればよく、小さくても構わない。異常事態に際してドラムに制動を掛ける従来の巻上機は、制動部材と被制動部材との接触面積に比例して制動力が増加するため、ドラムを確実に停止させるには大型化せざるを得なかった。本発明の巻上機は、小さな楔ブロックでドラムを完全に停止させることができ、装置を小型化しながら、ドラムの完全停止という効果が得られる点で優れている。
弾性部材を介してロック用リングとドラム側リングとを連結させた構成は、ロック用リングの急停止による衝撃を緩和してドラム用リング、そしてドラムに伝えることにより、ドラム等の破損を回避する働きを有する。これにより、楔ブロックは、ロック用周面とロック用対向面との間へ素早く挿入し、ドラムの回転を瞬間的に停止させることができ、回転センサがドラムの異常事態を検知してからドラムを停止させるまでの時間を短くできる。これは、ドラムが停止するまでの吊り荷の下降量を小さくできる効果をもたらしている。
シーソー式のロッカーアームの点対称位置に一対連結した楔ブロックは、同時にロック用周面とロック用対向面との間に挿入され、ドラムに掛かる負荷を偏らせることなく、安定してドラムを停止させる。ドラムに掛かる負荷が偏らないことから、ドラムを破損させる可能性を低減する。ブラケットに設けた付勢部材や両端に重量差を設けたロッカーアームは、ロッカーアームが不用意に揺動して、楔ブロックがロック用周面とロック用対向面との間に挿入されないようにし、無意味なドラムの停止を回避する。
本発明を適用した巻上機の一例を表す側面図である。 本例の巻上機における主要部を外側から見た分解斜視図である。 ブラケットとロック用リング及びドラム用リングとの組付関係を外側から見た斜視図である。 ブラケットを内側から見た斜視図である。 通常時のブラケットを外側から見た正面図である。 通常時のブラケットを内側から見た背面図である。 異常事態のブラケットを外側から見た正面図である。 異常事態のブラケットを内側から見た背面図である。
以下、本発明を実施するための形態について図を参照しながら説明する。本発明の巻上機1は、例えば図1に見られるように、従来同種と同様の外観を備える。ドラム11は、下方が開放されたドラムケース111内に収納され、前記ドラムケース111の両端部に設けられたブラケット4,15に支持される。ドラムの回転監視手段及び回転停止手段や制御手段は、一方のブラケット4(図1中左側)側に配置される。ドラム11は、外周面に螺旋状のワイヤ溝が設けられ、ワイヤ12が前記ワイヤ溝に沿って巻き取られる。フックブロック121は、垂下されたワイヤ12に吊り下げられる。他方のブラケット15には、減速機13を挟んでモータ14を備え、前記モータ14にモータ用ブレーキ141が設けられている。
ドラム11は、モータ14の回転が伝わる限り、モータ用ブレーキ141の制動により停止する。本発明は、減速機13の歯車や歯車軸、モータ14のモータ軸、モータ用ブレーキ141のブレーキ軸等の駆動伝達系が破損し、モータ用ブレーキ141の制動力がドラム11に伝わらない異常事態に際して、ドラム11のみが高速回転してワイヤ12が繰り出される場合、前記ドラム11を停止させる。本発明の回転監視手段、回転停止手段及び制御手段の構成要素は、図2〜図4に見られるように、ブラケット4を挟んだ内側及び外側に配置されている。ブラケット4の外側は、ブラケットカバー48が被せられ、ロッカーアーム42(後掲図2ほか参照)等が保護されている。
回転監視手段は、複数のドグ23と回転センサ44とから構成される。ドグ23は、ドラム11に連動するロック用リング2のブラケット4に向いた端面に、周方向等間隔で設けられる。回転センサ44は、前記ドグ23の通過を検知できる位置でブラケット4に設けられる。ロック用リング2は、金属製リングで、外周面をロック用周面21とし、4個のロック用ブロック22を内周面から半径方向内向き、かつ周方向等間隔に突出させている。ロック用ブロック22は、周方向に直交する側面が半径方向に延びる正面視略台形状で、ドラム11の回転軸方向にロック用リング2と同厚の突部である。ロック用ブロック22は、周方向に直交する側面の一方をドラム用ブロック31に、前記側面の他方を弾性部材であるゴムブロック32に接面させる。
ロック用リング2は、ワイヤ12を繰り出すドラム11の回転方向に、ゴムブロック32を介してロック用ブロック22をドラム用ブロック31に掛合させ、またワイヤ12を巻き取るドラム11の回転方向に、ロック用ブロック22をドラム用ブロック31に直接掛合させて、ドラム用リング3に連動して回転する。ドラム用リング3は、ロック用リング2の内側に嵌め込まれるリング状部分と、ドラム11の端面に宛がわれ、接続されるフランジ状部分とを一体に形成した金属部材である。リング状部分は、円形断面の開口を有する環状の連結ハブ35を突出させ、4個のドラム用ブロック31を前記連結ハブ35の外周面から半径方向外向き、かつ周方向等間隔に突出させている。
ドラム用リング3のフランジ状部分には、周方向等間隔でビス貫通孔及びピン貫通孔を交互に設けている。ドラム11は、端面に前記ビス貫通孔及びピン貫通孔に対応するビス捩じ込み穴及びピン嵌合穴を設けている。ドラム用リング3は、前記フランジ状部分をドラム11の端面に宛がい、ビス貫通孔を通してビス捩じ込み穴に捩じ込む固定ビス33でドラム11と連結し、ピン貫通孔を通してピン嵌合穴に差し込む連結ピン34で回転方向にドラム11と掛合する。連結ピン34は、ピン貫通孔及びピン嵌合穴と密に嵌合することにより、ドラム11とドラム用リング3との連結関係を正確に特定する。ドラム用リング3は、ドラム11の回転開始や回転停止に際し、ドラム11の回転方向の負荷がドラム11との連結部分に掛かるが、ドラム11の回転軸方向の負荷がドラム11との連結部分には掛からない。このため、ドラム用リング3とドラム11とは、ドラム11の回転軸方向の連結を4個の固定ビス33で済ませ、4個の連結ピン34を加えてドラム11の回転方向の負荷に対抗する。
ロック用リング2とドラム用リング3とは、ロック用リング2の内側にドラム用リング3のリング状部分をドラム11側から差し込み、ロック用ブロック22及びドラム用ブロック31を周方向に掛合させて、ドラム11の回転方向に連動させる。ロック用リング2は、ブラケット4に向けて突出するドラム用リング3のリング状部分に外嵌した連結リング24で、ロック用ブロック22のブラケット4側内周縁を押さえ込むことにより、ドラム用リング3との分離を防止している。ロック用リング2は、ドラムの回転軸方向の負荷が掛からないので、ロック用ブロック22を連結リング24で押さえ込むだけで、ドラム用リング3との分離を防止できる。連結リング24は、併せてゴムブロック32も押さえ込み、ロック用ブロック22及びドラム用ブロック31の隙間から前記ゴムブロック32が逸脱することを防止する。
ロック用ブロック22及びドラム用ブロック31は、隙間を残して同一円周上に並ぶ。本例のロック用ブロック22及びドラム用ブロック31は、ドラム11がワイヤ12を巻き取る方向で前記ロック用ブロック22及びドラム用ブロック31の側面を当接させ、ドラム11からワイヤ12を繰り出す方向で前記隙間大のゴムブロック32を挟んで掛合させる(図3参照)。ロック用ブロック22及びドラム用ブロック31は、ドラム11がワイヤ12を巻き取る場合、直ちに掛合してドラム11とロック用リング2とを連動させるが、ドラム11からワイヤ12を繰り出す場合、ゴムブロック32を圧縮する時間だけ遅延して、ドラム11とロック用リング2とを連動させる。
回転停止手段は、ドラム11に連動して回転するロック用リング2のロック用周面21と、前記ロック用周面21の半径方向に対向してブラケット4に設けられたロック用対向面45と、前記ロック用周面21とロック用対向面45との間へ挿入及び引き抜き自在にブラケット4に支持される楔ブロック5とから構成される。本例のロック用対向面45は、ロック用リング2のロック用周面21に対向する垂直面で、ブラケット4の内側に形成した凹部の側面のうち、点対称な位置関係にある一対の側面を利用している。楔ブロック5は、ロック用周面21と右側(図4中左側)のロック用対向面45との間へ上方から挿入され、ロック用周面21と左側(図4中右側)のロック用対向面45との間へ下方から挿入さる(後掲図6参照)。
楔ブロック5は、ドラム11の回転軸方向がロック用対向面45の幅とほぼ同じで、前記回転軸方向から見て、挿入方向の先端の幅がロック用周面21とロック用対向面45との間より狭く、徐変に前記間より広幅となる台形部分と、前記台形部分から等幅に延びる平行部分とから構成される金属ブロックである。台形部分は、ロック用対向面45に摺接する外側面が平行部分の外側面に連続する垂直面で、内側面のみが傾斜面で先細りとなっている。台形部分の内側面は、挿入方向に直交して延びる凸条が並ぶ噛み込み歯53を形成している。本例の楔ブロック5は、挿入方向に延びる長尺なガイドピン用長孔52を台形部分及び等幅部分それぞれに設け、左右に延びる短尺な連動ピン用長孔51を台形部分及び等幅部分の境界位置に設けている。
上下2つのガイドピン用長孔52は、ブラケット4に固定されるガイドピン46をそれぞれ貫通させ、楔ブロック5の進退方向を上下方向に規制する。ガイドピン46は、長ネジで、ネジ頭を掛合させて楔ブロック5の逸脱を防止する。連動ピン用長孔51は、ブラケット4の外側に軸着されたロッカーアーム42から突出する連動ピン421が差し込まれ、前記ロッカーアーム42の揺動に従って楔ブロック5を昇降させる。連動ピン用長孔51は、揺動するロッカーアーム42に従って円弧軌道を描く連動ピン421の水平方向の変位を吸収し、楔ブロック5が水平方向にずれることなく、前記連動ピン421の上下方向の変位に従って昇降可能にしている。
ブラケット4は、ドラムケース111に接続され、ドラム11を回転自在に支持する金属部材で、ドラムケース111に接続される円盤部分と、ブラケットカバー48を被せる変形長方形部分とが一体となった構成である。外形円盤部分は、ドラムケース111を接合する接続ネジの接続ネジ孔が周縁部分に設けられている。ブラケット4は、ドラム11に向けた内側に凹部を形成し、前記凹部を囲む内周面の垂直面であるロック用対向面45に添わせて楔ブロック5を昇降自在に取り付け、ブラケットカバー48を被せる外側に、シーソー式のロッカーアーム42、前記ロッカーアーム42のアクチュエータである電磁ソレノイド41、そして回転監視手段を構成する回転センサ44を配置している。
楔ブロック5は、外側面を平坦なロック用対向面45に添わせ、ガイドピン用長孔52に通したガイドピン46により、ブラケット4に対して昇降自在に取り付けられる。ガイドピン46は、長ネジで、ブラケット4の内側から前記ガイドピン用長孔52に貫通させてブラケット4の外側に突出させ、前記ブラケット4の外側でナットを捩じ込み、ネジ頭で楔ブロック5を押さえ込んだ状態で固定する。ブラケット4は、内側からドラム11の回転中心に向けて突出させた支持突起471に支持ベアリング47を支持させている。支持突起471は、ロック用リング2及びドラム用リング3に貫通させ、ドラム11の端面に支持ベアリング47を押し当てて、ドラム11を回転自在に支持する。
ロッカーアーム42は、端部に向かって幅が狭くなる先細りアーム部424と、端部に向かって同幅な平行幅アーム部425とからなる金属板である。ロッカーアーム42は、ブラケット4の外側からドラム11と同軸で突出させた揺動軸422に、先細りアーム部424及び平行幅アーム部425の境界付近で軸着している。先細りアーム部424及び平行幅アーム部425は、それぞれ同一円周上からドラム11に向けて連動ピン421,421を突出させ、ブラケット4に設けた点対称関係にある一対の連動ピン用開口43を通し、前記連動ピン421,421を対応する楔ブロック5の連動ピン用長孔51,51に通している。
本例のロッカーアーム42は、ブラケット4の外側から見て、右端側を先細りアーム部424、同左端側を平行幅アーム部425として、ブラケット4の揺動軸422に取り付けている。アクチュエータである電磁ソレノイド41は、平行幅アーム部425の上方から下向きにプランジャ411を突出させてブラケット4に固定される。電磁ソレノイド41は、専用電源を設けてもよいが、例えばモータ14への給電を分岐して給電されるようにしてもよい。プランジャ411は、連結ロッド412を介して平行幅アーム部425の連動ピン421と揺動軸422との間に接続されている。電磁ソレノイド41は、非作動状態でプランジャ411の上端に設けた掛止突起413を本体に掛止させるまで前記プランジャ411を下方に降ろし、作動するとプランジャ411を引き上げて、前記プランジャ411が接続された平行幅アーム部425を持ち上げる。
連結ロッド412は、プランジャ411及び平行幅アーム部425それぞれに屈曲自在で接続しており、直線運動するプラジャ411と円弧運動する平行幅アーム部425とのずれを、プランジャ411及び平行幅アーム部425それぞれに対する屈曲により吸収する。本例の連結ロッド412は、断面コ字状に折り曲げた板金部材のフランジを周方向に互い違いに対向させ、両板金部材の対向する底部間にコイルバネを介在させた構成である。一方の板金部材のフランジ端をプランジャ411に軸着し、他方の板金部材のフランジ端を平行幅アーム部425に接続している。コイルバネは、プランジャ411及び連結ロッド412の接続部位と平行アーム部425及び連結ロッド412の接続部位との距離が遠くなると圧縮され、逆に前記距離が近くなると伸張して、それぞれの場合に復元力を発生させる。
本例のロッカーアーム42は、揺動範囲において、先細りアーム部424を水平より上、平行アーム部425を水平より下にした傾倒姿勢にある。このため、本例のロッカーアーム42は、先細りアーム部424及び平行幅アーム部425の重量差により、電磁ソレノイド41が作動して揺動させるロッカーアーム42の回転方向(右回り方向)に抗する左回りの回転モーメントが与えられる。また、本例のロッカーアーム42は、先細りアーム部424とブラケット4との間に捩りコイルバネ423を架け渡し、電磁ソレノイド41が作動して揺動させるロッカーアーム42の回転方向(右回り方向)に抗する左回りの付勢力が与えられる。こうして、本例のロッカーアーム42は、電磁ソレノイド41が作動しない限り、不用意に揺動しない。また、左回りに働く回転モーメントや付勢力は、ロック用周面21とロック用対向面45との間に挿入した楔ブロック5を引き抜きやすくする働きもある。
回転センサ44は、ロック用リング2に設けられたドグ23の周回軌道に向けて、ブラケット4の外側から内側に向けて突出した状態で設けられ、ドラム11の回転に合わせて正面近傍を通過するドグ23を検知する。本例の回転センサ44は、非接触式の近接センサで、金属ブロックであるドグ23が通過し始めると発信し始め、通過が終わると停止するパルス信号(電気信号)を、ドグ23が通過する度に制御部6へ送り出す。回転センサ44は、専用電源を設けてもよいが、例えばモータ14への給電を分岐して給電されるようにしてもよい。
制御部6は、回転センサ44からのパルス信号から、ドラム11が高速回転していると判別すると、電磁ソレノイド41に作動信号を送る制御手段である。制御部6は、専用制御装置(インターバルメータ等)又は汎用制御装置(PLC又はパソコン等)やドラム11の回転制御装置を利用できる。制御部6は、専用制御装置であればブラケット4に取り付けられ、モータ14への給電を分岐して給電される。また、制御部6は、汎用制御装置であれば巻上機1外に設置され、外部商用電源から給電される。制御部6と回転センサ44及び電磁ソレノイド41とは、有線又は無線により結ばれる。
制御部6は、回転センサ44から受信したパルス信号の信号間隔から、回転センサ44を通過するドグ23の通過間隔時間tn(後掲図5参照)を回転変数として算出する。制御部6は、予め回転閾値として基準間隔時間ts(後掲図5参照)が設定されており、前記通過間隔時間tnと基準間隔時間tsとを比較する。本例の場合、通過間隔時間tnが基準間隔時間ts未満であれば正常事態と判別し、通過間隔時間tnが基準間隔時間ts以上であれば異常事態と判別する。制御部6は、異常事態を判別すると、電磁ソレノイド41に作動信号を発信する。
巻上機1の異常事態としてドラム11の高速回転を監視する場合、回転センサ44とドグ23との組み合わせを用いながら、回転センサ44が単位時間あたりに検出するドグ23の数からドラム11の回転数を回転変数として算出し、予め設定された回転閾値である基準回転数と比較する方法も考えられる。本例のように、回転センサ44を通過するドグ23の通過間隔時間tnを回転変数とすれば、ドラム11が高速回転をし始めた段階で直ぐに異常事態を判別しうる利点がある。これにより、本発明によりドラム11が停止するまでの吊り荷の落下を最小限に抑制できる。
本発明を適用した巻上機1は、次のようにドラム11を緊急に停止させる。本例の巻上機1は、減速機13の歯車や歯車軸、モータ14のモータ軸、モータ用ブレーキ141のブレーキ軸等の駆動伝達系が破損し、モータ用ブレーキ141の制動力がドラム11に伝わらない異常事態になった場合、吊り荷の重さに従ってドラム11のみが高速回転してワイヤ12を繰り出す状態となる。そして、制御部6がドラム11の回転状態を表す回転変数から前記異常事態を判別すると、ドラム11を緊急停止させる。
ドラム11が通常回転でワイヤ12を繰り出している場合も、図5に見られるように、回転センサ44は、通過するドグ23を検知して、パルス信号を制御部6に発信する。制御部6は、先に受信したパルス信号の立ち上がり時間と後に受信したパルス信号の立ち上がり時間との差分から、通過間隔時間tnを算出する。図示では、説明の便宜上、通過間隔時間tnを一定に描いているが、例えばドラム11は回転開始及び回転停止の際に加減速するから、通過間隔時間tnが一定とは限らない。いずれにせよ、通過間隔時間tnが予め設定された基準間隔時間ts未満である限り、制御部6は、異常事態と判別しないので、電磁ソレノイド41を作動させる作動信号を発信せず、ロッカーアーム42も揺動しない。
左右の楔ブロック5は、図6に見られるように、揺動しないロッカーアーム42の連動ピン421に従って、ロック用リング2のロック用周面21に対して僅かな隙間を残して噛み合い歯53を対向させた位置に留まっている。本例の楔ブロック5は、外側面を平坦なロック用対向面45に接面させているため、ロッカーアーム42の連動ピン421に従った位置でがたつくことなく位置固定される。このように、通過間隔時間tnが基準間隔時間ts未満であれば、楔ブロック5がロック用リング2に接触することはなく、前記ロック用リング2と連動するドラム11は回転を続ける。
ドラム11が何らかの理由で高速回転してワイヤ12を繰り出し始めると、図7に見られるように、回転センサ44から制御部6に発信されるパルス信号の通過間隔時間tnが、時間間隔の短い異常間隔時間taになる。制御部6は、常に先後するパルス信号の時間間隔を算出している。このため、制御部6は、ドラム11が回転し始めた段階で通過間隔時間tnが基準間隔時間ts未満で問題なくても、前記ドラム11の回転途中に異常時間間隔taが前記基準間隔時間ts以上、即ちドラム11が高速回転すれば、作動信号を発信して、電磁ソレノイド41を作動させ、プランジャ411を引き上げる。
プランジャ411は、連結ロッド412を介して平行幅アーム部425を引き上げ、ロッカーアーム42を右回りに揺動させる。これにより、ロッカーアーム42は、左側の連動ピン421を上昇、右側の連動ピン421を下降させ、図8に見られるように、左側(図8中は右側)の楔ブロック5が上昇し、また同右側(図8中は左側)の楔ブロック5が下降して、それぞれの対応するロック用リング2のロック用周面21とロック用対向面45との間に挿入される。楔ブロック5が、噛み込み歯53をロック用周面21に噛み込ませると、それ以上の上昇又は下降が制限され、停止する(図8中、ブラケット4の内側から見ているため、外側から見た場合と左右が反転する)。
ロッカーアーム42は、楔ブロック5が昇降可能状態にあれば、連動ピン421を連動ピン用長孔51に掛合させて揺動可能である。しかし、ロック用周面21とロック用対向面45との間に楔ブロック5が挿入されて停止すると、連動ピン421が連動ピン用長孔51に掛合することから、ロッカーアーム42は揺動が制限される。ところが、プランジャ411は内部の固定鉄心に密着するまで引き上げられる。これにより、プランジャ411と平行幅アーム部425とを結ぶ連結ロッド412は、内蔵されたコイルバネを圧縮し、平行幅アーム部425を引き上げる付勢力を発生させる。このコイルバネによる付勢力は、ロック用周面21に噛み込み歯53を噛み込ませた楔ブロック5の状態維持を助ける。
本例の制御部6は、一度でも基準間隔時間ts以上となる異常間隔時間taを算出すれば、直ちに電磁ソレノイド41の作動信号を発信する。この場合、たまたま一度だけ異常間隔時間taが算出されても作動信号を発信し、電磁ソレノイド41を作動させる。しかし、回転センサ44の誤作動によって異常間隔時間taが算出する虞もある。このため、例えば基準間隔時間ts以上の異常間隔時間taが続けて複数回算出されたり、基準間隔時間ts以上の異常間隔時間taが単位時間あたりに規定回数以上算出されたりする場合に、初めて電磁ソレノイド41へ作動信号を発信するようにしてもよい。
本例の楔ブロック5は、噛み込み歯53をロック用周面21に引っかからせて、ロック用リング2に引き込まれるようにロック用周面21とロック用対向面45との間に深く挿入され、更に前記噛み込み歯53をロック用周面21に噛み込ませることにより、ロック用リング2を介してドラム11を確実に停止させる。ロック用周面21とロック用対向面45との間に挿入された楔ブロック5は、上述したように、連結ロッド412に発生したコイルバネによる付勢力に加え、前記噛み込み歯53をロック用周面21に噛み込ませることにより、外部から力を加えることなく挿入位置を維持し、ドラム11の停止状態を安定に維持する。
ここで、楔ブロック5は、少なくとも噛み込み歯53の部分の材質を、ロック用リング2のロック用周面21の材質より硬度を高くするとよい。この場合、噛み込み歯53及びロック用周面21を金属としながら硬度差を設けるほか、例えばロック用周面21に柔らかい樹脂バンド等を巻き付けて、噛み込み歯53に対して硬度差を設けてもよい。噛み込み歯53及びロック用周面21の硬度差が小さいと、ロック用周面21に対する噛み込み歯53の摩擦力を主としてロック用リング2を停止させるが、前記硬度差が大きくなると、噛み込み歯53がロック用周面21に噛み込むことで物理的な掛合による抵抗力を主としてロック用リング2を停止できる。
楔ブロック5がロック用周面21とロック用対向面45との間に挿入されるとロック用リング2が停止するが、ドラム11と連動するロック用リング3は回転を続けようとして、停止したロック用ブロック22にドラム用ブロック31を接近させ、シリコンゴムブロック32を圧縮変形させてから停止する(図8参照)。これにより、ロック用リング2が急停止しても、ドラム用リング3は若干遅れて停止し、ワイヤ12を伝って吊り荷に加わる衝撃が小さくなる。ゴムブロック32による緩衝機能は、ワイヤ12を繰り出す方向にドラム11が回転する場合にだけ働き、ワイヤ12を巻き上げる方向にドラム11が回転する場合、ロック用ブロック22とドラム用ブロック31とは直ちに掛合するため、ロック用リング2とドラム用リング3との回転にずれを生じない。
ロック用周面21とロック用対向面45との間に楔ブロック5が挿入され、停止したドラム11は、次の手順で停止状態を解除する。まず、ロック用周面21とロック用対向面45との間に楔ブロック5が挿入され、ドラム11が停止している場合、多くの場合、減速機13又はモータ14のどこかが破損しているため、破損部位を修理する。楔ブロック5がロック用周面21とロック用対向面5との間に挿入されている限り、ドラム11は回転できないため、修理作業中にドラム11が不用意に回転することを防止できる。
減速機13又はモータ14の破損部位が修理されると、制御部6の操作により、電磁ソレノイド41に発信されていた作動信号を停止し、前記電磁ソレノイド41のプランジャ411を下げる。プランジャ411は、左回りの回転モーメントや付勢力を受けて左回りに揺動するロッカーアーム42に引っ張られるほか、重力に従って下降する。プランジャ411は、上端の掛止突起413を本体に掛止して、下降量が制限される。ロッカーアーム42は、プランジャ411の下降が制限されるまで、左回りに揺動する。ロッカーアーム42が揺動すると、左側の連動ピン412が下降、右側の連動ピン412が上昇する。そして、前記連動ピン412が掛合する楔ブロック5は、下降(左側、例えば図8中は右側)又は上昇(右側、例えば図8中は左側)して、それぞれロック用リング2のロック用周面21とロック用対向面45との間から引き抜かれる。こうして、ロック用リング2が自由状態となり、ドラム11の停止状態が解除される。
1 巻上機
11 ドラム
12 ワイヤ
13 減速機
14 モータ
2 ロック用リング
21 ロック用周面
22 ロック用ブロック
23 ドグ
24 連結リング
3 ドラム用リング
31 ドラム用ブロック
32 ゴムブロック
33 固定ビス
34 連結ピン
35 連結ハブ
4 ブラケット
41 電磁ソレノイド
42ロッカーアーム
43 連動ピン用開口
44 回転センサ
45 ロック用対向面
46 ガイドピン
47 支持ベアリング
5 楔ブロック
51 連動ピン用長孔
52 ガイドピン用長孔
53 噛み込み歯
6 制御部

Claims (6)

  1. ブラケットに支持されて正逆回転するドラムにワイヤを巻き取り、前記ワイヤに吊られた吊り荷を吊り上げる巻上機において、
    ドラムの回転監視手段及び回転停止手段と、前記回転監視手段及び回転停止手段の制御手段とを備えており、
    回転停止手段は、ドラムと同軸で前記ドラムに連動して回転するロック用周面と、前記ロック用周面の半径方向に対向してブラケットに設けられたロック用対向面と、前記ロック用周面とロック用対向面との間へ挿入及び引き抜き自在にブラケットに支持される楔ブロックとから構成され、
    制御手段は、回転監視手段から受信した電気信号に基づいて算出されたドラムの回転変数が回転閾値を超えたと判別すると、前記楔ブロックをロック用周面とロック用対向面との間に挿入させることを特徴とする巻上機。
  2. 回転監視手段は、ドラムの周方向に等間隔で配置され、前記ドラムに連動して周回する複数のドグと、前記ドグの通過を検知できる位置でブラケットに設けられた回転センサとから構成される請求項1記載の巻上機。
  3. ロック用周面は、ドラムと同軸に回転するロック用リングの外周面であり、
    ロック用リングは、ドラムと一体に回転するドラム側リングと連結してなり、
    ロック用リング及びドラム用リングは、周方向に隙間を残して同一円周上に並ぶロック用ブロック及びドラム用ブロックをそれぞれ設け、前記隙間に弾性部材を介在させてドラムの回転方向にロック用ブロック及びドラム用ブロックを掛合させることにより連結した請求項1又は2いずれか記載の巻上機。
  4. ブラケットは、点対称関係で一対のロック用対向面を設け、
    楔ブロックは、ドラムに同軸な揺動中心を有するシーソー式のロッカーアームの点対称位置に一対連結し、
    ロッカーアームは、制御手段から発信される作動信号により作動するアクチュエータを連結し、
    制御手段がドラムの高速回転を判別するとアクチュエータを作動させ、ロッカーアームを揺動させることにより一対の楔ブロックをドラムのロック用周面と一対のロック用対向面との間にそれぞれ挿入させる請求項1〜3いずれか記載の巻上機。
  5. ロッカーアームは、ブラケットに設けた付勢部材により、作動したアクチュエータが揺動させる方向に抗する付勢力が与えられる請求項4記載の巻上機。
  6. ロッカーアームは、揺動中心から一端側を相対的に軽く、他端側を相対的に重くして、作動したアクチュエータが揺動させる方向に抗する回転モーメントを発生させる請求項4又は5いずれか記載の巻上機。
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