JP2017217404A - 肘掛け、及び、椅子 - Google Patents
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Abstract
Description
なお、特許文献2に記載の肘掛けでは、前後のガイド機構のガイド突起同士はリテーナプレートを介して相互に連結されている。
本発明に係る肘掛けは、一方向に長手の上層部材と、前記上層部材の下方に配置されて、前記上層部材を支持する下層部材と、前記上層部材の長手方向に離間した前記下層部材と前記上層部材の間の複数箇所に配置され、前記下層部材に対する前記上層部材の前記長手方向と略直交する方向の変位をガイドする複数の第1ガイド機構と、一の前記第1ガイド機構に入力された前記上層部材の長手方向と略直交する方向の操作荷重を、他の前記第1ガイド機構に同期させて伝達する回転伝達要素による同期伝達機構と、を備えていることを特徴とする。
この場合、上層部材への操作荷重の入力により、いずれかの第1ガイド機構のプーリーが保持部材に保持されて下層部材と上層部材のいずれか他方と相対変位すると、その相対変位に応じた回転量が対応する当接部材を通してそのプーリーに与えられる。こうして、一の第1ガイド機構のプーリーが回転すると、その回転が回転軸を通して残余の第1ガイド機構のプーリーに同期した回転として伝達される。残余の第1ガイド機構のプーリーに回転が伝達されると、そのプーリーの回転が、当接している当接部材を上層部材の長手方向と略直交する方向に変位させるようになる。この結果、すべての第1ガイド機構の当接部に同タイミングで操作荷重が入力されるようになる。
この場合、複数の第1機構のプーリーと、同期伝達機構を構成する回転軸とを簡素な部品として構成することが可能になる。したがって、この構成を採用することにより、製品コストの低減を図ることができる。
この場合、プーリーと当接部材は、ピニオンギヤとラックギヤの噛合歯で常時噛合することになるため、プーリーと当接部材の間の滑りを無くすことができるとともに、当接部材に対するプーリーの傾動を抑制することができる。したがって、この構成を採用することにより、すべての第1ガイド機構を確実に同期させることができるとともに、各第1ガイド機構のガタ付きを抑制することができる。
この場合、第1ガイド機構の保持部材が、さらに保持部材のガイド突起と、そのガイド突起と摺動可能に当接するガイド溝と、を有する第2ガイド機構によってもガイドされるため、プーリーを保持する保持部材を、上層部材の長手方向と略直交する方向により安定的にガイドすることが可能になる。
この場合、上層部材を長手方向と略直交する方向に変位させたときに、複数の保持部のうちのいずれかが回転軸を弾性的に保持することにより、操作者に節度感を与えることができる。
この場合、上層部材への操作荷重の入力により、いずれかの第1ガイド機構のプーリーが保持部材に保持されて下層部材と上層部材のいずれか他方と相対変位すると、その相対変位に応じた回転量が対応する当接部材を通してそのプーリーに与えられる。こうして、一の第1ガイド機構のプーリーが回転すると、その回転が連動ベルトを通して残余の第1ガイド機構のプーリーに同方向の同期した回転として伝達される。残余の第1ガイド機構のプーリーに回転が伝達されると、そのプーリーの回転が、当接している当接部材を上層部材の長手方向と略直交する方向に変位させるようになる。この結果、すべての第1ガイド機構の当接部に同タイミングで操作荷重が入力されるようになる。
なお、前記プーリーは外周面に噛合歯を有するピニオンギヤであり、前記当接部材は前記ピニオンギヤに噛合するラックギヤであっても良い。
図1は、本発明の一実施形態に係る椅子100を側部上方から見た図であり、図2は、本発明の一実施形態に係る椅子100を後部上方(背凭れ側)から見た図である。
以下の説明においては、便宜上、座体4に着座した着座者が前を向く方向を「前方」、その反対方向を「後方」と称する。また、椅子100が設置される床面F側とその反対側を結ぶ方向を「上下方向」と称する。また、椅子100の幅方向、つまり前後方向と直交する水平方向を「幅方向」と称する。また、図中において、前方を矢印FRで示し、上方を矢印UPで示し、幅方向の左方を矢印LHで示す。
脚柱12の下部を構成する外筒13は、多岐脚11に回転不能に嵌合して支持されている。脚柱12の上部を構成する内筒14は、上端部に支基2を固定して該支基2を支持するとともに、下部が外筒13に水平方向で回転可能に支持されている。
支基2には、脚柱12の昇降調整機構と背凭れ7の傾動調整機構が内蔵されている。
座体4は、座フレーム40と、座フレーム40に張設された張材41と、を有している。張材41の上面は、着座者の荷重を受ける荷重支持面とされている。
背フレーム70は、下端が支基2に連結された背後枠70Bと、背後枠70Bの前方に設けられた背前枠80Fと、を有している。
左右の下辺部72は、支基2内の傾動調整機構に連結され、支基2の後部の左右両側から後方側に向かって延びている。下辺部72は、後方に向かうにしたがって次第に上方に傾斜している。また、各下辺部72の椅子幅方向外側の側面には、座体4の側方に配置される後述する肘掛け8が取り付けられている。
各下辺部72の後端部には、側辺部73が連続して形成されている。左右の側辺部73は、上方に向かうにしたがって側辺部73同士の離間幅が次第に拡大するように椅子幅方向の外側に向かって傾斜している。
肘掛け8は、背後枠70Bの下辺部72から椅子幅方向外側へ延びた後に上方に湾曲して延びる前面視L字状の肘掛け支持体15(支持構造体)と、肘掛け支持体15の上端部に支持されて前後方向に延びる肘掛け本体16と、を備えている。
また、係止ピン21は、ピン移動孔22の後端側に移動したときには、係止スリット20bによる係止を解除して昇降案内スリット20a内に至る。このとき、肘掛け本体16の昇降ロックが解除され、肘掛け本体16の自由な昇降が可能になる。
図7に示すように、平面視におけるエンドプレート29の略中央には、短軸円柱状の膨出部30と、膨出部30よりも外径の小さい短軸円柱状の小径部31が突設されている。小径部31は、膨出部30の上面に段差状に突設され、膨出部30と小径部31とは、両者の軸心oが合致するように形成されている。本実施形態においては、膨出部30と小径部31とが枢軸部を構成している。肘掛け本体16は、エンドプレート29の小径部31と膨出部30の上部に回動可能に支持されている。肘掛け本体16は、図8に示すように、エンドプレート29上に載置される下部ユニット16Lと、下部ユニット16L上に載置されている上部ユニット16Uと、を備えている。
下部ユニット16Lは、上方側が開放された収容空間sを形成するとともに収容空間s内に小径部31を突出させた状態でエンドプレート29上に載置されたベース部材32と、収容空間s内でベース部材32に相対回動不能に、かつ一方向のみに相対移動可能に(摺動可能に)係合されるとともに、小径部31と膨出部30とに軸受部33aを介して回動可能に支持された挟持ブロック33と、支基2内の機構を、操作ケーブル34を介して遠隔操作するための操作レバー35と、操作ケーブル34のインナーケーブル34iを下部ユニット16L内で巻回させる前プーリー36f及び後プーリー36rと、収容空間sの上方開放部を閉塞するカバー部材37と、を備えている。
本実施形態においては、挟持ブロック33の左右の端面とベース部材32の側壁32sの内面とが、挟持ブロック33とベース部材32の略水平な一方向の相対変位のみを許容するガイド機構を構成している。また、エンドプレート29の小径部31及び膨出部30と、挟持ブロック33の軸受部33aとは、肘掛け本体16を、肘掛け支持体15(支持構造体)に対して略水平方向に回動可能に連結する回動機構を構成している。
エンドプレート29には、肘掛け支持体15(支持構造体)の内部から小径部31の軸線oの下方を通って小径部31の近傍から操作ケーブル34を肘掛け本体16の内部へと案内するケーブル挿通部57を有している。ケーブル挿通部57は、エンドプレート29の小径部31の軸線oよりも後方側の下面から、エンドプレート29の小径部31の軸線oより前方側の上面と膨出部30の前面とに跨る連続した孔によって構成されている。なお、膨出部30の前方部分は、円弧面の一部が平坦に切り欠かれており、ケーブル挿通部57の肘掛け本体16内に臨む開口57aは、膨出部30の前方側の平坦な面と、その前方側のエンドプレート29の上面とに跨って形成されている。
本実施形態においては、エンドプレート29に形成された回動許容孔58の左右の側壁58sが回動規制機構の支持構造体側の回動規制要素を構成し、挟持ブロック33に突設された変位規制突起59が回動規制機構の肘掛け本体16側の回動規制要素を構成している。支持構造体側の回動規制要素を構成する回動許容孔58の左右の側壁58sと、肘掛け本体16側の回動規制要素を構成する変位規制突起59は、支持構造体である肘掛け支持体15の内部に配置されている。
後プーリー36rは、上下方向に沿う支持軸42を介してベース部材32の底壁の後端部に回転自在に支持されている。
上記構成において、操作レバー35の操作部35cが引き上げ操作されると、前プーリー36fが前上方に移動してインナーケーブル34iを引出し、支基2内の機構を作動させる。
図8,図12に示すように、上部ユニット16Uの収容空間suには、前後に長い肘掛け本体16の上部ユニット16Uを平行に左右移動させるための後に詳述する同期伝達機構47が設けられている。
前後に長い上部ユニット16Uを左右方向に移動させる場合、上部ユニット16Uの前後端部の何れかを把持して行う操作では、上部ユニット16Uに平面視の傾きが生じてスムーズな左右移動の妨げになったり、意図せずに肘掛け本体16の小径部31回りの回動が生じることがある。これに対し、同期伝達機構47により上部ユニット16Uの前後端部の左右移動を均等化することで、上部ユニット16Uの左右方向の平行移動を補助することができる。
なお、前側支持ブロック43Fは、図9に示すように、操作レバー35の支持軸35aを支持する左右の軸受部32a−1の後部にそれぞれ一体に形成されている。左右の前側支持ブロック43Fの各上面には、ねじ穴32a−2が形成されている。前側の軸受ブロック49Fは、左右の前側支持ブロック43Fの上面に重ねられ、左右の前側支持ブロック43の各ねじ穴32a−2にねじ止めされている。
前後の軸受ブロック49F,49Rには、前後方向に沿って(上部ベース部材44の長手方向に沿って)延出する回転軸50の前後の端部が回転自在に保持されている。回転軸50の前側の軸受ブロック49Fの近傍部には、プーリーの一形態であるピニオンギヤ51Fが一体に設けられている。同様に回転軸50の後側の軸受ブロック49Rの近傍部には、プーリーの一形態である同様のピニオンギヤ51Rが一体に設けられている。
本実施形態の場合、前後のピニオンギヤ51F,51Rとラックギヤ52F,52Rの対は、相互に噛合することにより、下部ユニット16L(下層部材)に対する上部ユニット16U(上層部材)の長手方向と略直交する方向の変位をガイドする第1ガイド機構を構成している。
本実施形態の場合、回転軸50は、前後のピニオンギヤ51F,51Rとラックギヤ52F,52Rの対の作動を相互に連動させ、前後の一方のラックギヤ52Fまたは52Rに入力された長手方向と略直交する方向の操作荷重を、他方のラックギヤ52Rまたは52Fに同期させて伝達する同期伝達機構47の回転伝達要素を構成している。
また、本実施形態においては、回転軸50の大径部55を弾性的に保持可能な複数の凹部56(保持部)が上部ベース部材44の上面に形成されているが、図12中の仮想線で示すように、上部カバー部材45の下面に保持部材60を突設し、その保持部材60に、回転軸50の大径部55を弾性的に保持可能な複数の保持溝60aを設けるようにしても良い。
また、本実施形態においては、回転軸50の前後の端部が前後の軸受ブロック49F,49Rに保持され、回転軸50の前部寄りの外周面と後部寄りの外周面とにピニオンギヤ51F,51R(プーリー)が一体に形成されているが、前後のピニオンギヤ(プーリー)を対応する軸受ブロックに個別に軸支させ、前後のピニオンギヤ(プーリー)を別体の回転軸によって連動可能に連結するようにしても良い。
また、下部ユニット16Lが所定角度以上回動すると、挟持ブロック33からエンドプレート29の回動許容孔58内に突出する変位規制突起59が、回動許容孔58内のいずれか一方の側壁58sに当接し、それによって肘掛け本体16の回動が規制される。
したがって、本実施形態に係る肘掛け8においては、上部ユニット16Uの前後のいずれかに偏って左右方向の操作荷重が入力された場合にも、上部ユニット16Uを左右方向に円滑に変位させることができる。
また、本実施形態に係る肘掛け8においては、回転軸50を用いる回転伝達要素による同期伝達機構47を採用しているため、同期伝達機構47や第1ガイド機構の内部に撓みや偏った押し付け力が生じにくい。
図13は、上部カバー部材とパッド部材を取り去って肘掛け108を上方側から見たときの図である。
上部ユニット116U側の上部ベース部材44の前部領域と後部領域には、左右方向に延びる挿通孔61F,61Rが形成されている。下部ユニット(不図示)には、上方に向かって突出する軸部62F,62Rが固定されており、その軸部62F,62Rが、前後の挿通孔61F,61Rを通して上部ベース部材44の上方に突出している。
前後のピニオンギヤ151F,151Rの上部には、円環状のベルト係合部151F−a,151R−aが一体に設けられている。前後のピニオンギヤ151F,151Rのベルト係合部151F−a,151R−aには、中央部で交差するように半回転捩られた連動ベルト64が巻回されている。
本実施形態においては、前側のピニオンギヤ151Fとラックギヤ152Fの対と、後側のピニオンギヤ151Rとラックギヤ152Rの対がそれぞれ第1ガイド機構を構成し、連動ベルト64が同期伝達機構147の回転伝達要素を構成している。
本実施形態の肘掛け108の場合も、上記の実施形態のほぼ同様の基本的な効果を得ることができる。
16L 下部ユニット(下層部材)
16U 上部ユニット(上層部材)
47,147 同期伝達機構
49F,49R 軸受ブロック(保持部材)
50 回転軸
51F,51R,151F,151R ピニオンギヤ(プーリー,第1ガイド機構)
52F,52R,152F,152R ラックギヤ(当接部材,第1ガイド機構)
53F−a,53R―a ガイド溝(第2ガイド機構)
54F,54R ガイド突起(第2ガイド機構)
56 凹部(保持部)
64 連動ベルト
100 椅子
Claims (9)
- 一方向に長手の上層部材と、
前記上層部材の下方に配置されて、前記上層部材を支持する下層部材と、
前記上層部材の長手方向に離間した前記下層部材と前記上層部材の間の複数箇所に配置され、前記下層部材に対する前記上層部材の前記長手方向と略直交する方向の変位をガイドする複数の第1ガイド機構と、
一の前記第1ガイド機構に入力された前記上層部材の長手方向と略直交する方向の操作荷重を、他の前記第1ガイド機構に同期させて伝達する回転伝達要素による同期伝達機構と、を備えていることを特徴とする肘掛け。 - 前記第1ガイド機構は、
前記下層部材と前記上層部材のいずれか一方に固定された保持部材と、
前記保持部材に回転可能に保持されたプーリーと、
前記下層部材と前記上層部材のいずれか他方に固定され、前記プーリーの外周面に当接して、前記下層部材と前記上層部材の前記長手方向と略直交する方向の相対変位に応じて前記プーリーを回転させる当接部材と、を有し、
前記同期伝達機構は、各前記第1ガイド機構の前記プーリーを同期回転可能に連結する回転軸を有していることを特徴とする請求項1に記載の肘掛け。 - 前記回転軸は、各前記プーリーの軸と一体に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の肘掛け。
- 前記プーリーは外周面に噛合歯を有するピニオンギヤであり、
前記当接部材は前記ピニオンギヤに噛合するラックギヤであることを特徴とする請求項2または3に記載の肘掛け。 - 前記保持部材はガイド突起を有し、
前記下層部材と前記上層部材のいずれか他方は、前記ガイド突起と摺動可能に当接するガイド溝を有し、
前記ガイド突起と前記ガイド溝とは、前記下層部材に対する前記上層部材の長手方向と略直交する方向の変位をガイドする第2ガイド機構を構成していることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の肘掛け。 - 前記下層部材と前記上層部材のいずれか他方は、前記下層部材と前記上層部材の長手方向と略直交する方向の任意の相対位置において、前記回転軸を弾性的に保持する複数の保持部を有していることを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載の肘掛け。
- 前記第1ガイド機構は、
前記下層部材と前記上層部材のいずれか一方に固定された保持部材と、
前記保持部材に回転可能に保持されたプーリーと、
前記下層部材と前記上層部材のいずれか他方に固定され、前記プーリーの外周面に当接して、前記下層部材と前記上層部材の前記長手方向と略直交する方向の相対変位に応じて前記プーリーを回転させる当接部材と、を有し、
前記同期伝達機構は、各前記第1ガイド機構の前記プーリーを同方向に同期回転可能に連結する連動ベルトを有していることを特徴とする請求項1に記載の肘掛け。 - 前記プーリーは外周面に噛合歯を有するピニオンギヤであり、
前記当接部材は前記ピニオンギヤに噛合するラックギヤであることを特徴とする請求項7に記載の肘掛け。 - 請求項1〜8のいずれか1項に記載の肘掛けを備えていることを特徴とする椅子。
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