JP2017216571A - 通信装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】制御部がDAAの保護を解除する指示を適切なタイミングで行うことができる、通信装置を提供する。
【解決手段】モデム23は、レジスタ21に書き込まれた電圧値が極性反転、又は、読み取った前後の電圧値の差が所定値以上、及び、呼出信号の検出の際、割込信号をASIC41のCPU40に送信する。CPU40は、電圧値が極性反転、読み取った前後の電圧値の差が所定値以上、又は、呼出信号の検出のいずれの割込要因なのかを決定し、その決定した割込要因に従ってFAX通信部30の処理を実行させる。その処理が未完了となった場合、CPU40は、保護確認処理を実行して、モデム23に対してDAA13の保護部16に接続するように指示し、回線電圧計測部15のリセットを指示することで、適切なタイミングで保護部16の保護の解除と回線電圧計測部15のリセットを行う。
【選択図】図2

Description

本発明は、通信装置に関する。
従来、一対の電話回線に接続されるDAA(データアクセスアレンジメント)と、DAAとトランスを介して絶縁された状態で接続され、データを変調および復調するモデム部とから構成される通信部を有する通信装置が知られている。
DAAは、一対の電話回線に加わる電圧値や外部からの呼出信号を検出したことをレジスタに書き込む。モデム部は、DAAのレジスタにアクセスすることにより、回線電圧値の変化時、又は、呼出信号の検出時に、制御部のCPUに割込信号を出力する。CPUは、モデム部にアクセスして、回線電圧値の変化なのか、又は、呼出信号の検出なのかの割込要因を決定し、その決定された割込要因に従ってモデム部等を制御することにより、ファクシミリ受信を行う。
特許文献1の通信装置では、一対の電話回線を介して入力される雷サージから保護するために、一対の電話回線のそれぞれとアース(大地)との間に、ガスアレスタなどのサージ保護素子がそれぞれ設けられる。サージ保護素子は、一定電圧以上の電圧が加わることで短絡する。これにより、雷サージによる大電流がアースに流れ、通信装置が雷サージから保護される。
ところが、2個のサージ保護素子の動作タイミングが異なる場合があり、一対の電話回線間にDAAの回線電圧計測部が計測不能な電圧変動が瞬間的に生じる場合がある。この場合、DAAのレジスタに電圧値として異常に大きな値が書き込まれるとともに、DAAの回線電圧計測部がフリーズする。モデム部は、DAAのレジスタに定期的にアクセスすることにより、一対の電話回線にかかった電圧が異常と認識し、DAAの呼出信号検出部と一対の電話回線との接続を遮断することで、DAAの保護を行う。
DAAの回線電圧計測部が正常な電圧値を計測することができ、正常な電圧値がレジスタに書き込まれれば、モデム部はDAAの保護を解除するが、DAAの回線電圧計測部がフリーズしてしまうと、電話回線に加わる電圧値が異常な電圧値から正常な電圧値に戻っても、その正常な電圧値が回線電圧計測部によってレジスタに書き込まれないため、DAAの保護が解除されない。故に、従来の通信装置では、制御部のCPUがモデム部にコマンドを定期的に出力し、モデム部がDAAの保護状態を確認し、DAAに保護がかかっている場合には、通信部に初期化命令を出力して、DAAの保護を解除していた。
特開2001−109255号公報
しかし、DAAの保護を解除するために制御部のCPUが通信部にコマンドを定期的に出力する方法では、DAAの保護が開始された時点からCPUから通信部にコマンドが出力されるまでの間は、一対の電話回線とDAAとが遮断されているため、外部から電話回線を介して送信される呼出信号をDAAが受信することができない。すなわち、DAAの保護が開始された時点からCPUから通信部にコマンドが出力されるまでの間、通信装置が外部からのファクシミリ受信を行うことができないという問題があった。
本発明の目的は、制御部がDAAの保護を解除する指示を適切なタイミングで行うことができる、通信装置を提供することである。
前記の目的を達成するため、本発明の一の局面に係る通信装置は、電話回線と接続可能な2つの端子を有する回線接続端子と、前記回線接続端子の各端子と一対の接続線によって接続されるデータアクセスアレンジメント部、及び、前記データアクセスアレンジメント部と接続されるモデム部、を有する通信部と、前記一対の接続線の少なくとも一方の接続線と大地とを接続する線上に設けられた第1サージ保護素子と、制御部と、を備え、前記データアクセスアレンジメント部は、前記一対の接続線間の電圧を計測する回線電圧計測部と、前記一対の接続線に接続される呼出信号検出部と、前記モデム部からの指示によって前記一対の接続線と前記呼出信号検出部との接続及び非接続を切り替える保護部と、前記回線電圧計測部が計測した電圧値、及び、前記呼出信号検出部による呼出信号の検出結果が書き込まれるレジスタと、を有し、前記モデム部は、前記レジスタを読み取り、読み取った前後での前記電圧値の極性反転、読み取った前後での前記電圧値の差が第1値以上、又は、呼出信号の検出、のいずれかの割込要因に応じて前記制御部に割込信号を出力し、かつ、読み取った前記電圧値が前記回線電圧計測部の計測範囲である第2値を超えた値であった場合、前記保護部に前記非接続にするように指示し、前記制御部は、前記割込信号が入力された場合に、前記モデム部にアクセスして前記割込信号が出力された割込要因を決定する割込要因決定処理と、前記割込要因決定処理によって決定された前記割込要因に従って、前記通信部に対して前記割込要因毎の処理を実行させる割込要因実行処理と、前記割込要因実行処理の前記決定された割込要因の処理が未完了であった場合、前記モデム部に対して前記保護部に前記非接続を指示しているか否かについて前記制御部への回答を指示する保護指示処理と、前記保護指示処理によって、前記モデム部から前記保護部に非接続を指示しているという回答があった場合、前記モデム部に対して前記保護部に接続するように指示、及び、前記回線電圧計測部に対するリセットの指示を行う保護解除指示処理と、を実行する。
この構成によれば、モデム部は、レジスタに書き込まれた電圧値が極性反転、又は、読み取った前後の電圧値の差が所定値以上、呼出信号の検出の際、割込信号を制御部に送信する。雷サージが回線接続端子に入力された場合における回線電圧計測部が計測する電圧値は、電圧値の大きな変動であるため、雷サージが入力されない通常時の通信装置における電圧値の極性反転や電圧値の差が所定以上になることと区別がつかない。
制御部は、電圧値が極性反転、又は、読み取った前後の電圧値の差が所定値以上、呼出信号の検出のいずれの割込要因なのかを特定し、その特定された割込要因に従って通信部の処理を実行させる。その通信部の処理がなんらかの原因で未完了となった場合、割込要因が通常時の通信装置における電圧値の極性反転や電圧値の差ではなく、雷サージの入力による電圧変動である可能性がある。そこで、制御部は、モデム部に対して保護部に非接続を指示しているか否かについて回答するように指示する。
雷サージによる電圧変動は瞬間的なものであるため、回線電圧計測部がフリーズしていなければ、モデム部は一時的に保護部に保護を指示したとしてもすぐに保護を解除する。
しかし、一旦、回線電圧計測部がフリーズすると、保護部が保護した状態が維持されつづけることになる。制御部が割込要因実行処理を経てもなお、保護部が保護した状態であるというのは、回線電圧計測部がフリーズした状態であると考えられる。
そこで、本願の通信装置では、モデム部に対して保護部に接続するように指示し、回線電圧計測部をリセットすることで、適切なタイミングで保護部の保護の解除と回線電圧計測部のリセットを行うことができる。
本発明の他の局面に係る通信装置は、電話回線と接続可能な2つの端子を有する回線接続端子と、前記回線接続端子の各端子と一対の接続線によって接続されるデータアクセスアレンジメント部、及び、前記データアクセスアレンジメント部と接続されるモデム部、を有する通信部と、前記一対の接続線の少なくとも一方の接続線と大地とを接続する線上に設けられ、透明なガラス管にガスが封入されているガスアレスタと、前記一対の接続線との間を接続するサージ保護素子と、前記ガスアレスタに面して設けられた光検知部と、制御部と、を備え、前記データアクセスアレンジメント部は、前記一対の接続線間の電圧を検出する回線電圧計測部と、前記一対の接続線に接続される呼出信号検出部と、前記モデム部からの指示によって前記一対の接続線と前記呼出信号検出部との接続を非接続及び非接続を切り替える保護部と、前記回線電圧計測部が計測した電圧値、及び、前記呼出信号検出部の検出結果が書き込まれるレジスタと、を有し、前記モデム部は、前記レジスタを読み取り、読み取った前後の前記電圧値の極性反転、読み取った前後の前記電圧値の差が所定値以上、又は、呼出信号の検出、のいずれかの割込要因に応じて前記制御部に割込信号を出力し、かつ、読み取った前記電圧値が前記回線電圧計測部の計測範囲を超えた値であった場合、前記保護部に前記非接続にするように指示し、前記光検知部は、光を検知した際、前記制御部に割込信号を出力し、前記制御部は、前記光検知部からの割込信号の入力から雷サージが入力される所要時間経過後、前記モデム部に対して前記保護部に非接続を指示しているか否かについて前記制御部への回答を指示する第2保護指示処理と、前記第2保護指示処理によって、前記モデム部から前記保護部に非接続を指示しているという回答があった場合、前記モデム部に対して前記保護部に接続するように指示、及び、前記回線電圧計測部に対するリセットの指示を行う第2保護解除指示処理と、を実行する。
この構成によれば、一対の接続線の少なくとも1つの接続線に対して、接続線と大地とを接続する線上に設けられ、透明なガラス管にガスが封入されているガスアレスタと、ガスアレスタに面して設けられた光検知部と、が設けられている。雷サージが回線接続端子を介して入力されると、ガスアレスタに充填されているガスが絶縁破壊を起こして短絡することで、雷サージが大地に流れる。その際、ガスアレスタに充填されているガスが発光し、その発光されたガスを光検知部が検知する。光検知部は光を検知すると、制御部に割込信号を出力する。
制御部は、光検知部からの割込信号の入力から、雷サージが入力される所要時間経過後になっても保護部が保護している場合、保護を解除する必要がある。そこで、制御部は、第2保護解除指示処理において、モデム部から保護部に非接続を指示しているという回答があった場合、モデム部に対して保護部に接続するように指示、及び、回線電圧計測部に対するリセットの指示を行うことで、適切なタイミングで保護部の保護を解除することができる。
本発明によれば、制御部がDAAの保護を解除する指示を適切なタイミングで行うことができる。
本発明の一実施形態に係るMFPの電気的構成を示すブロック図である。 FAX通信部の具体的構成を示すブロック図である。 雷サージによりサージ保護素子の端子間に生じる電圧差について説明するための図である。 メインフローチャートである。 回線電圧記憶処理の流れを示すフローチャートである。 第1割込処理の流れを示すフローチャートである。 発信者番号通知処理の流れを示すフローチャートである。 電圧変動検知処理の流れを示すフローチャートである。 保護確認処理の流れを示すフローチャートである。 第2割込処理の流れを示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係るMFPの構成(FAX通信部の具体的構成)を示すブロック図である。
以下では、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
<1.内部構成>
MFP1(Multi−Function Peripheral:通信装置の一例)は、図1に示されるように、FAX通信部30と、LANインターフェイス32と、USBインターフェイス33と、電源部34と、ASIC41と、ROM51と、RAM52と、画像形成部53と、画像読取部54と、操作部55と、表示部56とを備える。
FAX通信部30は、回線接続端子11(回線接続端子の一例)と外付電話接続端子12(外付電話接続端子の一例)とに接続される。回線接続端子11には、電話回線60(図2参照)が接続される。FAX通信部30は、電話回線60(図2参照)を介して接続される交換機を介して、相手先のファックス装置からFAX画像データを受信、又は、相手先のファックス装置に対してFAX画像データを送信することが可能となる。
また、外付電話接続端子12には、外付電話61(図2参照)が接続される。外付電話61は、電話回線60を介して接続される交換機を介して、相手先の電話機と音声信号のやり取りを行うことができる。
LANインターフェイス(LAN I/F)32は、LANケーブルを接続可能な端子(不図示)を備え、その端子を介してコンピュータ等を含むLANに接続される。LANで接続されたコンピュータとの間で、LANインターフェイス32は、画像データや制御命令等を送受信する。
USBインターフェイス(USB I/F)33は、USB端子(不図示)を備え、そのUSB端子を介してコンピュータや、記憶デバイスとして機能するUSBメモリに接続される。そして、USBインターフェイス33は、USB端子に接続されたコンピュータやUSBメモリとの間で、画像データや制御命令等を送受信する。
電源部34は、商用電源に接続可能であって、当該電源から供給される電力を、FAX通信部30や画像形成部53やASIC41といった各部のそれぞれに適合する電力に変換し、供給する。
ASIC41は、CPU40を内蔵している。CPU40は、ASIC41に入力される情報に基づいて、各種の処理のためのプログラムを実行する。そして、CPU40は、画像形成部53(画像処理部の一例)、画像読取部54(画像処理部の一例)、表示部56(表示部の一例)、FAX通信部30(通信部の一例)等を制御する。
特に、CPU40は、電源部34に対して、画像形成部53、画像読取部54、表示部56、FAX通信部30、LANインターフェイス32等の各部への電力供給を停止するように指示することができる。
ROM51には、CPU40によって実行されるプログラム及び各種のデータなどが記憶されている。RAM52(記憶部の一例)は、CPU40がプログラムを実行する際のワークエリアとして使用され、また、FAX通信部30やLANインターフェイス32が受信した画像データが記憶される。
画像形成部53は、RAM52やUSB端子に接続されたUSBメモリに記憶された画像データに対して印刷(カラー印刷又はモノクロ印刷)を実行し、シートに画像を形成する。画像形成の方式は、電子写真方式であってもよいし、インクジェット方式であってもよい。画像形成部53は、FAX通信部30が受信した画像データをシートに画像形成することができる。
画像読取部54は、シートに形成された画像をシートから読み取り、画像データとしてRAM52に記憶させる。CIS(Contact Image Sensor)方式で原稿シートを読み取るように構成されている。
操作部55は、各種の操作ボタンからなる。操作ボタンの押操作により、各種の入力が可能である。操作ボタンには、例えば、各種の指示(例えば、画像処理の開始指示)を確定するためのOKボタン、各種の指示をキャンセルするためのキャンセルボタン、選択するための十字ボタン、数字や文字を入力するためのテンキーなどが含まれる。また、操作ボタンには、MFP1の省電力モードを通常モードに切り替えるためのボタン及び各省電力モードに切り替えるためのボタンが含まれる。操作部55からの各種の操作ボタンの操作がASIC41に入力され、ASIC41は、入力された情報に応じて、各部を制御する。
表示部56は、例えば、液晶表示器からなる。
<2.FAX通信部の詳細な構成>
図2を用いて、回線接続端子11、外付電話接続端子12、FAX通信部30の詳細な構成、FAX通信部30とASIC41との関係ついて説明する。
図2には、FAX通信部30が、回線接続端子11及び外付電話接続端子12とのそれぞれ接続、及び、サージ保護素子Z1(第1サージ保護素子の一例)、サージ保護素子Z2(第2サージ保護素子の一例)が示されている。また、FAX通信部30(通信部の一例)は、DCループ20と、データアクセスアレンジメント13(以降、「DAA13」と称する。データアクセスアレンジメント部の一例)と、トランス14と、モデム23(モデム部の一例)とからなる。
(1) 回線接続端子
回線接続端子11(11A,11B)は、MFP1をケーブルである電話回線60に接続可能に設けられた2つの端子であってモジュラジャックである。回線接続端子11A,11Bは、それぞれ通電経路La,Lbが接続されている。通電経路Laの一端は回線接続端子11Aに接続され、通電経路Laの他端は後述するDAA13に接続される。
(2) 外付電話接続端子
外付電話接続端子12(12A,12B)は、外付電話61を接続可能に設けられたEXT端子である。外付電話接続端子12Bは、接点N5を介して通電経路Laに接続されている。外付電話接続端子12Aは、接点N6を介して通電経路Lbに接続されている。
外付電話61がMFP1に接続されている状態で、外付電話61自体が通電経路La,Lbとの接続を遮断しており、外付電話61と電話回線60を介して接続される交換機との間で閉回路が形成されていない。そして、ユーザが外付電話61の受話器をフックアップすると、外付電話61と電話回線60を介して接続される交換機との間で閉回路が形成される。すると、外付電話61は、MFP1と交換機とを介して接続される相手先の電話機と音声信号のやり取りをすることができる。
(3) DCループ
DCループ20は、通電経路La上の接点N1と、通電経路Lb上の接点N2とにそれぞれ接続されている。DCループ20は、後述する閉結制御部19(閉結制御部の一例)からの指示によってDCループ20内のスイッチをオンオフする。DCループ20は、DCループ20内のスイッチ(不図示)がオンの場合、電話回線60を介して接続される交換機との間で閉回路が形成され、DCループ20内のスイッチがオフの場合、閉回路が形成されない。
(4) データアクセスアレンジメント
DAA13は、回線電圧計測部15(回線電圧計測部の一例)と、呼出信号検出部22(呼出信号検出部の一例)と、受信部17と、送信部18と、閉結制御部19(閉結制御部の一例)と、レジスタ21(レジスタの一例)と、保護部16(保護部の一例)とからなる。
(5) 閉結制御部
閉結制御部19は、モデム23からの指示を、トランス14を介して受け、その指示に基づいてDCループ20内のスイッチをオンオフする。
(6) 呼出信号検出部
MFP1はファクシミリ受信する際、交換機が出力する回線電圧に変動成分を重畳させた信号である呼出信号を、呼出信号検出部22を用いて検出する。呼出信号検出部22が呼出信号を受信する際は、DCループ20内のスイッチがオフの場合、すなわち、閉回路が形成されない状態で検出する。
交換機は、呼出信号における通信の規格として定められた所定の間隔の間、回線電圧に変動成分を重畳させた信号を出力し、その後、通信の規格で定められた所定の間隔の間、一定の回線電圧を維持し、再び、所定の間隔の間、回線電圧に変動成分を重畳させた信号を出力する。
呼出信号検出部22は、交換機から回線電圧に変動成分を重畳させた信号である呼出信号を受け取ると、変動成分を抽出する。そして、呼出信号検出部22は、抽出された変動成分を2値化し、立下りから次の立下りまでの間隔である周期を検出する。そして、呼出信号検出部22が検出した周期が、予め通信の規格として定められた呼出信号の周期と一致するか否かを決定する。呼出信号検出部22は、検出した周期が一致する場合は、レジスタ21に呼出信号を検出したことを書き込む。
(7) 受信部、送信部
受信部17は、呼出信号を除く発信者番号通知信号や相手先のファックス装置から送信されるFAX画像データ等の各種FAX信号は、DCループ20内のスイッチがオンの状態、すなわち、交換機との間で閉回路が形成されている場合に、受信部17が受信することができる。
また、送信部18は、USBインターフェイス33を介して接続されるUSBメモリや画像読取部54に読み取られた画像データを、モデム23、トランス14を介して送信することができる。
(8) 回線電圧計測部
回線電圧計測部15は、回線接続端子11A,11B間の電圧値を計測し、その計測した電圧値をレジスタ21に書き込む。回線接続端子11A,11Bに電話回線60が接続されている場合であって、DCループ20内のスイッチがオフの場合(閉回路が形成されない)、回線電圧計測部15は、回線電圧(例えば、48V)を検出し、レジスタ21にその検出した電圧値を書き込む。
交換機は、回線接続端子11A(11B)側をゼロ基準、回線接続端子11B(11A)側を48V、印加されるように一定の回線電圧を印加している。また、交換機は呼出信号を出力する前に、発信者番号通知信号を送信する為に、まず、回線電圧の極性反転を行うことがある。
回線電圧の極性反転とは、回線接続端子11A(11B)側をゼロ基準から回線接続端子11B(11A)側をゼロ基準とし、かつ、回線接続端子11B(11A)側を48Vから回線接続端子11A(11B)側を48Vとすることである。回線電圧計測部15は、−48Vを検出し、レジスタ21にその検出した電圧値を書き込む。
回線接続端子11A,11Bに電話回線60が接続されている場合であって、DCループ20内のスイッチがオンの場合(閉回路が形成)、DCループ20と通電経路La,Lbとによって形成される閉回路に電流が流れる。
すると、通電経路La,Lb、DCループ20が有する抵抗成分によって電圧降下が生じ、回線接続端子11A,11Bの各端子間の電圧値は、回線電圧より低い電圧となる。回線電圧計測部15は、レジスタ21にその検出した電圧値を書き込む。
また、DCループ20内のスイッチがオフの場合(閉回路が形成されない)であっても、上述のように、ユーザが外付電話61の受話器をフックアップすると、外付電話61と電話回線60を介して接続される交換機との間で閉回路が形成されるため、外付電話61と電話回線60との間の通電経路La,Lbに電流が流れることで、外付電話61と通電経路La,Lbが有する抵抗成分によって電圧降下が生じ、回線接続端子11A,11Bの各端子間の電圧値は、回線電圧より低い電圧となる。回線電圧計測部15は、レジスタ21にその検出した電圧値を書き込む。
また、回線電圧計測部15は、回線電圧に変動成分を重畳した呼出信号の最大電圧値を検出することは可能であるが、それ以上の電圧値は検出することができない。故に、回線電圧計測部15は、例えば、後述する縦サージに基づく大きな電圧(縦サージそのものではない)によって、測定可能な電圧値を超えるオーバーフローの値を検出すると、オーバーフローの値である旨をレジスタ21に書き込むことになる。また、回線電圧計測部15は、オーバーフローの値を検出することで、以後、動作が停止し、結果として回線接続端子11A,11B間の電圧を検出することができない、フリーズ状態となる場合がある。
(9) 保護部
接点N3(回線接続端子11Aと呼出信号検出部22との間である)と呼出信号検出部22との間に、保護部16Aが設けられている。また、接点N4(回線接続端子11Bと呼出信号検出部22との間である)と呼出信号検出部22との間に、保護部16Bが設けられている。
保護部16A,16Bは、接点N3と呼出信号検出部22との間、接点N4と呼出信号検出部22との間を通常、それぞれ接続している。呼出信号検出部22が呼出信号を検出可能な状態としている。
一方、保護部16Aは、モデム23のCPU24からの接点N3と呼出信号検出部22との間を接続、非接続とする指示を、トランス14を介して受け取ることが可能である。保護部16Aは、接点N3と呼出信号検出部22との間を非接続にする指示を受け取ると、接点N3と呼出信号検出部22との間を非接続にする。
また、保護部16Aは、接点N3と呼出信号検出部22との間を接続にする指示を受け取ると、接点N3と呼出信号検出部22との間を非接続の状態から接続の状態に切り換える。
同様に、保護部16Bは、モデム23のCPU24からの接点N4と呼出信号検出部22との間を非接続とする指示を、トランス14を介して受け取ることが可能である。保護部16Bは、接点N4と呼出信号検出部22との間を非接続とする指示を受け取ると、接点N4と呼出信号検出部22との間を非接続にする。
また、保護部16Bは、接点N4と呼出信号検出部22との間を接続とする指示を受け取ると、接点N4と呼出信号検出部22との間を非接続の状態から接続の状態に切り換える。
接点N3と呼出信号検出部22との間、接点N4と呼出信号検出部22との間がそれぞれ非接続であると、呼出信号検出部22は、呼出信号を検出不可能な状態となる。接点N3と呼出信号検出部22との間、接点N4と呼出信号検出部22との間を、それぞれ非接続することで、電話回線60、通電経路La,Lbを介して入力される後述する縦サージに基づく大きな電圧変動から呼出信号検出部22を保護する。
(10) モデム
モデム23は、トランス14を介してDAA13に接続されている。トランス14は、絶縁状態を保持しつつモデム23とDAA13とで情報をやり取りする回路である。
モデム23は、トランス14から送られるアナログ信号をデジタル信号に変換しASIC41に出力、又は、ASIC41から送られるデジタル信号をアナログ信号に変換しトランス14に出力することで、信号の変復調を行う回路である。
また、モデム23は、CPU24とレジスタ25とを有している。モデム23のCPU24は、DAA13のレジスタ21を、トランス14を介して常に監視している。そして、モデム23のCPU24は、レジスタ21に書き込まれた電圧値を定期的に読み取る。モデム23のCPU24は、電圧値の極性反転であれば、INT1(POL)をレジスタ25に書き込む。モデム23のCPU24は、所定値以上の電圧値の変化であれば、INT3をレジスタ25に書き込む。
モデム23のCPU24は、レジスタ21に呼出信号を検出したことが書き込まれたことを検出すれば、INT2(RING)をレジスタ25に書き込む。モデム23のCPU24は、INT1(POL)、INT2(RING)、INT3をレジスタ25に書き込むと同時に、ASIC41に対してオン信号である割込信号を出力する。
ASIC41のCPU40は、割込信号を受け取ると、モデム23のレジスタ25にREADコマンドを送信し、モデム23からの応答によってINT1(POL)、INT2(RING)、INT3のうち、いずれの割込要因であるかを決定する。なお、ASIC41のCPU40が行う割込要因の決定処理については、図6の第1割込処理、図10の第2割込処理にて後述する。
ASIC41のCPU40は、通常モードの際、モデム23に電圧値を応答するように指示し、モデム23から応答のあった電圧値をRAM52に書き込む作業を定期的に行う。なお、ASIC41のCPU40が行う回線電圧記憶処理は、図5の回線電圧記憶処理にて後述する。
モデム23のCPU24は、レジスタ21に書き込まれた電圧値を定期的に読み取っている際に、読み取った電圧値がオーバーフローした値が書き込まれていた場合、保護部16A、保護部16Bに対して、接点N3と呼出信号検出部22との間、接点N4と呼出信号検出部22との間を、それぞれ非接続するように指示する。
(10−2) モデム23の省電力モード
次に、FAX通信部の省電力モードにおけるモデム23の動作について説明する。
FAX通信部30のモデム23は、CPU40から省電力モード移行指示を受けると、受信部17、送信部18、閉結制御部19に対して停止するように指示する。また、FAX通信部30のモデム23は、モデム23自身が駆動するクロック周波数を通常モードのクロック周波数より低下させ、かつ、ASIC41のCPU40からの信号のやり取りを遮断する省電力モードに移行する。
FAX通信部30の省電力モードでは、回線電圧計測部15、呼出信号検出部22、レジスタ21は駆動している。FAX通信部30の省電力モードであっても、呼出信号検出部22は相手先装置からの呼出信号を受けることが可能であって、モデム23もASIC41に割込信号を出力することが可能となっている。
また、省電力モード時のFAX通信部30は、ASIC41に割込信号を出力すると、自ら省電力モードから通常モードへ移行する。すなわち、FAX通信部30は、モデム23自身が駆動するクロック周波数を省電力モードのクロック周波数から通常モードのクロック周波数に変更し、かつ、ASIC41のCPU40からの信号のやり取りを遮断から可能にする。
(11) サージ保護素子
サージ保護素子Z1、サージ保護素子Z2は、電話回線60を介して進入してくる瞬間的に例えば1万V以上の高い電圧である雷サージ(縦サージ)からMFP1を保護している。サージ保護素子Z1,Z2は、例えば、透明なガラス管にガスが封入されているガスアレスタが用いられる。
図2においては、サージ保護素子Z1(第1サージ保護素子の一例)は、回線接続端子11AとDAA13との間の通電経路La上の接点N9とグランドGND(大地の一例)との間に設けられる。また、図2においては、サージ保護素子Z2(第2サージ保護素子の一例)は、回線接続端子11AとDAA13との間の通電経路La上の接点N7と回線接続端子11BとDAA13との間の通電経路Lb上の接点N8との間に設けられる。
サージ保護素子Z1は、グランドGNDと接点N9との間に、サージ保護素子Z1の動作電圧3000Vを超える電圧が加わると、短絡する。サージ保護素子Z2は、接点N7と接点N8との間に、サージ保護素子Z2の動作電圧300Vを超える電圧が加わると短絡する。
電話回線60を介して回線接続端子11A,11Bに進入してくる雷サージは、図3(A)に示すように同電圧、同位相である。雷サージからMFP1を保護するためには、(イ)図2のようにサージ保護素子Z1、サージ保護素子Z2を設けるか、又は、(ロ)グランドGNDと通電経路Laとの間、グランドGNDと通電経路Lbとの間、にそれぞれサージ保護素子Z1を設ける、(イ)(ロ)のいずれかのようにサージ保護素子Z1を設ける必要がある。
図3(B)、図3(C)には、サージ保護素子Z1、サージ保護素子Z2のそれぞれの動作応答時間ZT1、ZT2がそれぞれ示されている。動作応答時間ZT1、ZT2とは、雷サージが進入してからサージ保護素子Z1、Z2が短絡するまでに要する時間を意味する。
サージ保護素子Z1は、グランドGNDと接点N9との間に、雷サージによる異常電圧が加わると、サージ保護素子Z1は短絡し、グランドGNDと接点N9の間を接続する。そして、回線接続端子11Aから動作応答時間ZT1において大電流がグランドGNDに流れる。
サージ保護素子Z2は、グランドGNDと接点N8との間に、雷サージによる異常電圧が加わると、まず、サージ保護素子Z2が短絡し、その後、サージ保護素子Z1が短絡する。回線接続端子11Bからサージ保護素子Z2、サージ保護素子Z1を経由して大電流が、動作応答時間ZT2においてグランドGNDに流れる。
上記のような流れでサージ保護素子Z1、サージ保護素子Z2は、雷サージからMFP1を保護しているが、動作応答時間ZT1、動作応答時間ZT2に差が生じるため、図3(D)に示すような瞬間的な電圧差ΔVが生じる。
この瞬間的なΔVは、雷サージの1万Vのような大きな電圧ではなく3000V程度ですが、回線電圧計測部15で計測する範囲を超える大きな電圧であるため、回線電圧計測部15が動作停止を起こす要因となる。
図2においては、一例として(イ)の場合を説明したが、(ロ)グランドGNDと通電経路Laとの間、グランドGNDと通電経路Lbとの間、にそれぞれサージ保護素子Z1を設けたとしても、瞬間的な電圧差ΔVが生じる。
それは、同じ動作電圧3000Vのサージ保護素子Z1をそれぞれ設けたとしても、サージ保護素子Z1が全く同じ部品ではないため、どうしても動作応答時間に差が生じる。そして、(ロ)の場合であっても、図3(D)に示すような瞬間的な電圧差ΔVが生じる。
図3(D)に示すような瞬間的な電圧差ΔVの生じかたは、様々であり、図3(D)に限定されるものではない。例えば、雷サージの入力の仕方によっては、図3(D)の入力の仕方が反転することもあり、回線電圧の極性反転と区別することができない。故に、雷サージが回線接続端子11に入力された場合における回線電圧計測部15が計測する電圧値は、電圧値の大きな変動であるため、雷サージが入力されない通常時の電圧値の極性反転や電圧値の差が所定以上になることと区別がつかない。
<3.メインフローチャート>
CPU40は、図4に示されるメインフローチャートを実行する。
CPU40は、電源部34に対して、LAN I/F部32、USB I/F部33、FAX通信部30、画像形成部53、画像読取部54、操作部55、表示部56である各部へ電力供給を指示する(S10)。
この指示により、MFP1の通常モードが開始となる。MFP1の通常モードとは、LAN I/F部32、USB I/F部33、FAX通信部30、画像形成部53、画像読取部54、操作部55、表示部56に対して電源部34からの電力が供給されていることを意味する。
CPU40は、ASIC41の内部回路を用いて、時間の計測を開始する(S15)。CPU40は、後述する回線電圧記憶処理(図5)を開始(S18)する。回線電圧記憶処理により、電圧値V1が定期的にRAM52に記憶される。
その後、CPU40は、モデム23からの割込信号がASIC41に入力されると(S20:YES)、後述する第1割込処理(S25、図6参照)を行う。第1割込処理では、CPU40は、INT1(POL)、INT2(RING)、INT3のうち、いずれの割込要因であるかを決定し、その特定された割込要因に応じた各種制御を実施する。
ユーザが操作部55を用いてFAX送信指示を行った場合(S30:YES)、CPU40は、FAX送信制御(S35)を行う。FAX送信制御(S35)は、画像読取部54を用いて原稿を読み取り、電話回線60を介して繋がっている相手先装置に対して、FAX通信部30を用いて読取画像を送信する制御である。CPU40は、FAX送信制御(S35)の終了後、ASIC41の内部回路を用いて計測していた時間をリセットし(S40)、S20に戻る。
モデム23からの割込信号の入力が無く(S20:NO)、FAX送信指示が無い場合(S30:NO)、S45に進む。CPU40は、ASIC41の内部回路を用いて計測される時間が所定時間Tを経過していない場合(S45:NO)、S20に戻る。CPU40は、ASIC41の内部回路を用いて計測される時間が所定時間Tを経過している場合(S45:YES)、S50及びS55に進む。
MFP1は、S50及びS55の処理を実行することで、MFP1の通常モードからMFP1の省電力モードへ移行する。MFP1の省電力モードとは、画像形成部53、画像読取部54、表示部56に対して電源部34からの電力が供給されず、FAX通信部30が省電力モードであることを意味する。S50の処理では、CPU40が、FAX通信部30に対して省電力モードへの移行を指示する。
FAX通信部30のモデム23は、省電力モード移行指示を受けると、回線電圧計測部15、呼出信号検出部22、レジスタ21を駆動した状態で、受信部17、送信部18、閉結制御部19を停止させる。また、FAX通信部30のモデム23は、モデム23自身が駆動するクロック周波数を通常モードのクロック周波数より低下させ、かつ、モデム23のCPU24からの信号のやり取りを遮断する省電力モードに移行する。
S55の処理では、CPU40が、電源部34に対して電源部34から画像形成部53、画像読取部54、表示部56への電力の供給の停止を指示する。
その後、モデム23からASIC41に割込信号が入力されると(S60:YES)、後述する第2割込処理(S65、図10)を行う。第2割込処理は、CPU40は、省電力モード時におけるINT1(POL)、INT2(RING)、INT3のうち、いずれの割込要因であるかを決定し、その特定された割込要因に応じた各種制御を実施するものである。
後述する第2割込処理(S65、図10)では、一旦、MFP1の省電力モードからMFP1の通常モードへ移行する(図10、S590)。後述する第2割込処理では、MFP1が通常モードを維持するか、MFP1が通常モードから省電力モードへ移行するかを判断している。そして、後述する第2割込処理では、MFP1が通常モードを維持する場合は、フラグ1はオン、MFP1が通常モードから省電力モードへ移行する場合は、フラグ1はオフとなる処理を行っている(図10、S595、S652、S662、S632参照)。
故に、第2割込処理(S65)の終了後、RAM52に設けられているフラグ1がオンである場合(S70:YES)、CPU40は、S15に戻る。
第2割込処理(S65)の終了後、RAM52に設けられているフラグ1がオフである場合(S70:NO)、S50に戻り、一旦、第2割込処理によってMFP1の通常モードに移行した状態から再び、MFP1の省電力モードへ移行する。
モデム23からの割込信号の入力が無く(S60:NO)、操作部55に設けられているオンキーが押されていない場合(S80:NO)、S60に戻る。
モデム23からの割込信号(INT)の入力が無いまま(S60:NO)、オンキーが押された場合(S80:YES)、CPU40は、S10に戻る。S10に戻ることで、MFP1は、MFP1の省電力モードからMFP1の通常モードへ移行する。
<4.回線電圧記憶処理>
図4のメインフローチャートのS18で開始される回線電圧記憶処理の流れは、図5に示されている。
回線電圧記憶処理において、CPU40は、モデム23に電圧値を応答するように指示する(S100)。モデム23から電圧値の応答があると(S105)、CPU40は、その電圧値を電圧値V1としてRAM52に記憶させる(S110)。
CPU40がFAX通信部30に対して省電力モードへの移行を指示していない場合(S115:NO)、S100に戻る。CPU40は、FAX通信部30に対して省電力モードへの移行を指示している場合(S115:YES)、回線電圧記憶処理を終了する。CPU40は、FAX通信部30に対して省電力モードへの移行を指示しない限り(S115:NO)、電圧値V1がRAM52に定期的に記憶される。
<5.第1割込処理>
モデム23からの割込信号がASIC41に入力されると(図4、S20:YES)、CPU40が第1割込処理を行う。第1割込処理について、図6のフローチャートを用いて説明する。
第1割込処理において、CPU40は、モデム23にREADコマンドを送信する(S200)。すると、モデム23は、READコマンドを受け取ると、レジスタ25に記憶されているINT1(POL)、INT2(RING)、INT3のいずれかであることを、ASIC41に向けて応答する。
そして、CPU40は、モデム23からの応答を受け(S205)、モデム23からの応答がINT1(POL)、INT2(RING)、INT3のいずれかであるかを決定する(S210、S240:割込要因決定処理の一例)。
CPU40は、モデム23からの応答がINT1(POL)であった場合には(S210:YES)、CPU40は、後述する発信者番号通知処理(S215)を行う。
発信者番号通知処理の終了後、RAM52に設けられている完了フラグがオンである場合(S220:YES)、CPU40は、FAX受信制御(S225)を行う。FAX受信制御は、電話回線60を介して繋がっている相手先装置からFAX画像データ等の各種FAX信号を受信する制御である。
CPU40は、FAX受信制御(S225)を行った後、ASIC41の内部回路を用いて計測していた時間をリセットし(S230)、第1割込処理を終了する。
なお、この完了フラグは、割込要因の基づく通信手順が完了した場合にオンとなるフラグである。
INT1(POL)であった場合(S210:YES)に、受信部17が発信者番号通知信号を受信し、呼出信号検出部22が呼出信号を受信するという、回線電圧の極性反転を示す割込要因の基づく通信手順が完了したことを示すものである。
一方、発信者番号通知処理の終了後、完了フラグがオフである場合、すなわち未完了フラグがオンである場合(S220:NO)、CPU40は、後述する保護確認処理(S235)を行い、第1割込処理を終了する。
CPU40は、モデム23からの応答がINT2(RING)であった場合(S240:YES)、CPU40は、FAX受信制御(S245)を行った後、ASIC41の内部回路を用いて計測していた時間をリセットし(S230)、第1割込処理を終了する。
モデム23からの応答がINT1(POL)およびINT2(RING)でない場合、つまりINT3であった場合(S240:NO)、CPU40は、後述する電圧変動検知処理(S255)を行う。
電圧変動検知処理の終了後、完了フラグがオンである場合(S260:YES)、CPU40は、ASIC41の内部回路を用いて計測していた時間をリセットし(S265)、第1割込処理を終了する。
電圧変動検知処理の終了後、完了フラグがオフである場合(S260:NO)、CPU40は、後述する保護確認処理(S270)を行い、第1割込処理を終了する。
<6.発信者番号通知処理>
図6に示される第1割込処理のS215で行われる発信者番号通知処理の流れは、図7に示されている。
INT1(POL)であった場合(S210:YES)は、回線電圧の極性反転を示す割込要因である。回線電圧の極性反転を示す割込要因の場合、MFP1は、ナンバーディスプレイサービスの手順を実施する必要がある。
一般的なナンバーディスプレイサービスの手順は、次のような手順に従っている。まず、電話回線60を介して接続される交換機は、一対の通電経路La,Lb間にかかる電圧の極性を反転させることで、MFP1に対して、これから発信者番号通知信号(いわゆる、ナンバーディスプレイ情報)を送信することを伝える。
すると、MFP1は、一対の通電経路La,Lb間を閉結し、交換機との間で閉回路を作ることによって受信部17が発信者番号通知信号を受信することができるようになる。
そして、MFP1は、受信部17が発信者番号通知信号を受信すると、再び、一対の通電経路La,Lb間を開放し、呼出信号検出部22が呼出信号を検出すると、ナンバーディスプレイサービスの手順が完了し、次に、一連のFAX受信制御が行われる。
図7のフローチャートでは、電話回線60を介して接続される交換機から発信者番号通知信号を受信できるように、CPU40は、モデム23に対して、DAA13の閉結制御部19に閉結を指示する(S300)。すると、モデム23は、トランス14を介して閉結制御部19に閉結を指示する。すると、閉結制御部19は、閉結の指示を受けて、DCループ20内のスイッチをオンし、DCループ20と電話回線60を介して接続される交換機との間で閉回路を形成する。
その後、モデム23がDAA13の受信部17を介して相手先装置から発信者番号通知信号を受信した場合(S305:YES)、CPU40は、モデム23が閉結制御部19に開放を指示するよう、モデム23に対して指示する(S310)。モデム23がトランス14を介して閉結制御部19に開放を指示すると、閉結制御部19は、開放の指示を受けて、DCループ20内のスイッチをオフし、DCループ20と交換機との間に形成されている閉回路を開放する。すると、呼出信号検出部22が呼出信号を受信可能な状態となる。
そして、CPU40は、DAA13の呼出信号検出部22が呼出信号を検出すると(S315:YES)、完了フラグをオン(S320)にし、発信者番号通知処理を終了する。この完了フラグは、INT1(POL)であった場合(S210:YES)に、受信部17が発信者番号通知信号を受信し、呼出信号検出部22が呼出信号を受信するという、回線電圧の極性反転を示す割込要因の基づく通信手順が完了したことを示す。
一方、モデム23が相手先装置からの発信者番号を受信せずに(S305:NO)、CPU40が閉結制御部19に閉結を指示してから第1所定時間が経過した場合(S325:YES)、CPU40は、閉結制御部19に開放を指示する(S330)。
閉結制御部19に開放を指示した後、DAA13の呼出信号検出部22が呼出信号を受信すると(S315:YES)、CPU40は、完了フラグをオンにし(S320)、発信者番号通知処理を終了する。
MFP1がナンバーディスプレイに加入していない場合、交換機は、発信者番号通知信号を送信せず、呼出信号を送信する場合もある。故に、呼出信号検出部22が呼出信号を検出した場合は、完了フラグをオン(S320)にし、回線電圧の極性反転を示す割込要因の基づく通信手順が完了したことを示す。
CPU40がモデム23に対して閉結制御部19に開放を指示するよう指示した後、呼出信号検出部22が呼出信号を検出せずに(S335:NO)、CPU40が閉結制御部19に開放を指示してから第2所定時間が経過した場合(S340:YES)、CPU40は、RAM52に設けられている未完了フラグをオンにして(S345)、発信者番号通知処理を終了する。未完了フラグは、呼出信号検出部22が呼出信号を検出しない場合にオンされるフラグである。
以上の処理によって、発信者番号通知処理を終了する。
<7.電圧変動検知処理>
図6に示される第1割込処理のS255で行われる電圧変動検知処理の流れは、図8に示されている。
INT3であった場合(S240:NO)は、まず、電圧変動検知処理において、CPU40は、RAM52から図5に示される回線電圧記憶処理のS110で記憶された電圧値V1を読み出す(S400)。
また、CPU40は、モデム23に電圧値を応答するように指示する(S405)。モデム23から電圧値の応答があると(S410)、CPU40は、その電圧値を電圧値V2とする。
そして、電圧値V2が0である場合(S415:YES)、回線接続端子11a、11bから電話回線60が引き抜かれた場合であるので、CPU40は、表示部56に電話回線60が抜かれた旨を表示させる(S420)。
表示後、CPU40は、完了フラグをオンにして(S425)、電圧変動検知処理を終了する。
一方、電圧値V2が0ではなく(S415:NO)、電圧値V2が電圧値V1の50%以上であった場合(S430:NO)、未完了フラグをオンにして(S440)、電圧変動検知処理を終了する。 電圧値V2が電圧値V1の50%未満であった場合(S430:YES)、外付電話がフックアップされた場合の電圧降下であるため、CPU40は、表示部56に外付電話61が使用中である旨を表示させる(S445)。
表示後、CPU40は、完了フラグをオンにして(S450)、電圧変動検知処理を終了する。
電圧値V2が0である場合は、回線接続端子11a、11bから電話回線60が引き抜かれた場合であるため、表示部56に電話回線60が抜かれた旨を表示させる(S420)ことで、INT3であった場合に対応した処理を完了することができる。そして、完了フラグをオンにする(S425)。
また、電圧値V2が電圧値V1の50%未満であった場合(S430:YES)、外付電話がフックアップされた場合の電圧降下であるため、CPU40は、表示部56に外付電話61が使用中である旨を表示させる(S445)。そして、完了フラグをオンにする(S450)。
しかし、電圧値V2が0ではなく(S415:NO)、電圧値V2が電圧値V1の50%以上であった場合(S430:NO)、どういった原因に基づいてINT3となったのかわからず、INT3
に対応した処理を完了することができないため、未完了フラグをオンにする(S440)。
<8.保護確認処理>
図6に示される第1割込処理のS235,S270で行われる保護確認処理の流れは、図9に示されている。この処理は、いずれも未完了フラグがオンになっている場合に行われる処理である。
INT1(POL)であったにもかかわらず(S210:YES)、少なくとも受信部17が発信者番号通知信号を受信もしなければ、又は、呼出信号検出部22が呼出信号を受信もしない場合、INT1(POL)が、回線電圧の極性反転を示す割込要因でない他の要因による可能性がある。
また、INT3であったにもかかわらず(S240:NO)、電圧値V2が0ではなく(S415:NO)、電圧値V2が電圧値V1の50%以上であった場合(S430:NO)、どういった原因に基づいてINT3となったのかわからず、INT3で想定される要因以外の他の要因による可能性がある。
故に、他の要因による割込の場合が雷サージによって、モデム23がINT1(POL)、INT3をレジスタ25に書き込んだ恐れがある。
保護確認処理において、CPU40は、モデム23に対してDAA13の保護部16の状況を応答するように指示する(S500)。
モデム23から保護部16の状況の応答があり(S505)、その応答が通電経路La,Lb(接点N3,N4)と呼出信号検出部22との非接続を表す場合(S510:YES)、CPU40は、モデム23に対して保護部16による接続及びDAA13の回線電圧計測部15のリセットを指示し(S515)、保護確認処理を終了する。
一方、モデム23から保護部16の状況の応答があり(S505)、その応答が通電経路La,Lb(接点N3,N4)と呼出信号検出部22との接続を表す場合(S510:NO)、CPU40は、モデム23に対してDAA13の回線電圧計測部15のリセットを指示せず(S515:スキップ)、保護確認処理を終了する。
雷サージによる電圧変動は瞬間的なものであるため、回線電圧計測部15がフリーズしていなければ、モデム23は一時的に保護部16に保護を指示したとしてもすぐに保護を解除する。
しかし、一旦、回線電圧計測部15がフリーズすると、保護部16が保護した状態が維持されつづけることになる。発信者番号通知処理又は電圧変動検知処理を経てもなお、保護部16が保護した状態であるというのは、回線電圧計測部15がフリーズした状態であると考えられる。そこで、CPU40は、保護確認処理(図9)を実行して、モデム23に対してDAA13の保護部16の接続及び回線電圧計測部15のリセットを指示することで、適切なタイミングで保護部16の保護の解除と回線電圧計測部15のリセットを行うことができる。
<9.第2割込処理>
図4に示されるメインフローチャートのS65で行われる第2割込処理の流れは、図10に示されている。
第2割込処理において、CPU40は、まず、電源部34に対して電源部34から画像形成部53、画像読取部54、表示部56への電力の供給を指示する(S590)。FAX通信部30は、割込入力(S560:YES)によって自動的に通常モードに移行するため、MFP1は、S590においてMFP1の省電力モードから、一旦、MFP1の通常モードへ移行する。
次に、CPU40は、フラグ1をオフにする(S595)。また、CPU40は、モデム23のレジスタ25にREADコマンドを送信する(S600)。
READコマンドの送信に対してモデム23から応答があり(S605)、その応答がINT1(POL)であった場合には(S610:YES)、CPU40は、前述の発信者番号通知処理(S615)を行う。
発信者番号通知処理の終了後、RAM52に設けられている完了フラグがオンである場合(S620:YES)、CPU40は、FAX受信制御(S625)を行う。
CPU40は、FAX受信制御(S625)を行った後、ASIC41の内部回路を用いて計測していた時間をリセットする(S630)。
そして、CPU40は、MFP1の通常モードを維持する為に、フラグ1をオンにして(S632)、第2割込処理を終了する。
一方、発信者番号通知処理の終了後、完了フラグがオフである場合(S625:NO)、CPU40は、前述の保護確認処理(S635)を行い、フラグ1をオフに維持した状態で第2割込処理を終了する。そして、第2割込処理終了後、図4のS55、S50によって、MFP1の通常モードからMFP1の省電力モードに戻る。
モデム23からの応答がINT2(RING)であった場合(S640:YES)、CPU40は、FAX受信制御(S645)を行った後、ASIC41の内部回路を用いて計測していた時間をリセットする(S650)。
そして、CPU40は、MFP1の通常モードを維持する為に、フラグ1をオンにして(S652)、第2割込処理を終了する。モデム23からの応答がINT1(POL)およびINT2(RING)でない場合、つまりINT3であった場合(S640:NO)、CPU40は、前述の電圧変動検知処理(S655)を行う。
電圧変動検知処理の終了後、完了フラグがオンである場合(S660:YES)、CPU40は、MFP1の通常モードを維持する為に、フラグ1をオンにして(S662)、第2割込処理を終了する。
電圧変動検知処理の終了後、完了フラグがオフである場合(S660:NO)、CPU40は、前述の保護確認処理(S670)を行い、フラグ1をオフに維持した状態で第2割込処理を終了する。
<10.作用効果>
以上のように、モデム23は、レジスタ21に書き込まれた電圧値が極性反転、又は、読み取った前後の電圧値の差が所定値以上、及び、呼出信号の検出の際、割込信号をASIC41のCPU40に送信する。雷サージが回線接続端子11に入力された場合における回線電圧計測部15が計測する電圧値は、電圧値の大きな変動であるため、雷サージが入力されない通常時の電圧値の極性反転や電圧値の差が所定以上になることと区別がつかない。
ASIC41のCPU40は、電圧値が極性反転、読み取った前後の電圧値の差が所定値以上、又は、呼出信号の検出のいずれの割込要因なのかを決定し、その決定した割込要因に従ってFAX通信部30の処理を実行させる。そのFAX通信部30の処理がなんらかの原因で未完了となった場合、割込要因が通常時の電圧値の極性反転や電圧値の差ではなく、雷サージの入力による電圧変動である可能性がある。そこで、CPU40は、保護確認処理を実行し、モデム23に対して保護部16に非接続を指示しているか否かについて回答するように指示する。
雷サージによる電圧変動は瞬間的なものであるため、回線電圧計測部15がフリーズしていなければ、モデム23は一時的に保護部16に保護を指示したとしてもすぐに保護を解除する。
しかし、一旦、回線電圧計測部15がフリーズすると、保護部16が保護した状態が維持されつづけることになる。発信者番号通知処理又は電圧変動検知処理を経てもなお、保護部16が保護した状態であるというのは、回線電圧計測部15がフリーズした状態であると考えられる。そこで、CPU40は、保護確認処理を実行して、モデム23に対してDAA13の保護部16の接続及び回線電圧計測部15のリセットを指示することで、適切なタイミングで保護部16の保護の解除と回線電圧計測部15のリセットを行うことができる。
電話回線60を介して接続される交換機は、一対の通電経路La,Lb間にかかる電圧の極性を反転させることで、MFP1に対して、これから発信者番号通知信号(いわゆる、ナンバーディスプレイ情報)を送信することを伝える。
すると、MFP1は、一対の通電経路La,Lb間を閉結し、交換機との間で閉回路を作ることによって発信者番号通知信号を受信することができるようになる。
ところが、雷サージが回線接続端子11に入力された場合にも、電圧の極性が反転することがある。
そこで、閉結後に発信者番号通知信号を第1所定時間経過したとしても受信しない場合、交換機による電圧の極性反転ではなく雷サージが回線接続端子11に入力された場合が考えられるため、ASIC41のCPU40は、モデム23に対して保護部16に非接続を指示しているか否かについて回答するように指示する。
MFP1がナンバーディスプレイに加入していない場合、相手先装置がナンバーディスプレイサービスで発信したとしても、交換機が発信者番号通知信号を送信せず、呼出信号を送信する。故に、モデム23が第1所定時間を経過しても発信者番号通知信号を受信せず、かつ、第1所定時間経過後、閉結制御部19に開放が指示され、呼出信号が検出されない場合、雷サージが回線接続端子11に入力された可能性がある。そのため、ASIC41のCPU40は、保護確認処理を実行して、モデム23に対して保護部16に非接続を指示しているか否かについて回答するように指示する。
割込要因が読み取った前後の電圧値の差が所定値以上と決定された場合であっても、それがMFP1の制御によって生じた電圧差なのか、それとも雷サージの入力による電圧差なのか見分けがつかない。
故に、回線電圧記憶処理によってRAM52に記憶された電圧値から、RAM52に記憶された割込信号入力後の電圧値が、RAM52に記憶された割込信号入力前の電圧値に対する所定割合の値以上であった場合、MFP1の制御によって生じた電圧差ではないため、雷サージによる可能性がある。ASIC41のCPU40は、保護確認処理を実行して、モデム23に対して保護部16に非接続を指示しているか否かについて回答するように指示する。
外付電話61のフックアップによって、一対の通電経路La,Lbにかかる回線電圧から外付電話61のオフフックに伴う電圧降下分の値が生じることがある。その場合、単に読み取った前後の電圧値の差が所定値以上だけでは、外付電話61のフックアップによるものか、雷サージによる電圧変動なのかを特定することはできない。
そこで、読み取った前後の電圧値の差が所定値未満と決定された場合は、外付電話61のフックアップであると特定される。この場合、表示部56に外付電話61の使用中である旨の情報を表示させることができる。
一方、読み取った前後の電圧値の差が所定値以上の場合は、雷サージの可能性があるとして、ASIC41のCPU40は、モデム23に対して保護部16に非接続を指示しているか否かについて回答するように指示することができる。
FAX通信部30は、割込要因を特定した際にASIC41のCPU40に割込信号を出力する機能は維持するが、モデム23とASIC41のCPU40との信号のやり取りを不能にする省電力モードを有する。
省電力モードでは、ASIC41のCPU40は、モデム23にアクセスできないようにすることで、モデム23を有するFAX通信部30の消費電力を下げるようにしている。
従来のように、定期的にFAX通信部30にコマンドを出力する方法であると、省電力モードに移行したモデム23に対してASIC41のCPU40はアクセスすることができないので、モデム23の省電力モードを解除してからASIC41のCPU40がモデム23にアクセスするようにしていた。
その場合、定期的にFAX通信部30を省電力モードから解除する必要があり省電力の効果があまり得られなかった。しかし、割込信号の入力に応じてスリープモードから通常モードへ切り替え、割込要因決定処理を行うことで、頻繁に省電力モードを解除する必要がなく、割込信号が入力されたときだけFAX通信部30が省電力モードから解除されるので省電力の効果が高くすることができる。
雷サージが入力された場合は、通常モードに復帰する必要がないため、再び、スリープモードに戻すことで省電力効果を得ることができる。
<11.第2実施形態>
図11は、本発明の第2実施形態に係るMFP1の構成(FAX通信部30の具体的構成)を示すブロック図である。図11において、図2に示される各部に相当する部分には、それらの各部と同一の参照符号が付されている。また、以下では、その同一の参照符号が付された部分の説明を省略する。
図11に示されるMFP1では、フォトダイオード26(光検知部の一例)がガスアレスタからなるサージ保護素子Z1に面して設けられている。雷サージが回線接続端子11を介して入力されると、ガスアレスタに充填されているガスが絶縁破壊を起こして短絡することで、雷サージが大地に流れる。その際、ガスアレスタに充填されているガスが発光し、その発光されたガスをフォトダイオード26が検知する。フォトダイオード26は、光を検知すると、ASIC41に割込信号を出力する。
ASIC41のCPU40は、フォトダイオード26からの割込信号の入力から、雷サージが入力される所要時間経過後になっても保護部16が保護している場合、その保護を解除する必要がある。そこで、CPU40は、保護部16が非接続である場合、モデム23に対して保護部16に接続するように指示、及び、回線電圧計測部15に対するリセットの指示を行うことで、適切なタイミングで保護部16の保護の解除及び回線電圧計測部15のリセットを行うことができる。
<12.変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、更に他の形態で実施することも可能である。
本発明の実施の形態では、(イ)図2のようにサージ保護素子Z1、サージ保護素子Z2を設ける場合について説明したが、(ロ)グランドGNDと通電経路Laとの間、グランドGNDと通電経路Lbとの間、にそれぞれサージ保護素子Z1を設けた場合であってもよい。(ロ)の場合は、回線接続端子11AとDAA13との間の通電経路La上の接点N7と回線接続端子11BとDAA13との間の通電経路Lb上の接点N8との間に設けられるサージ保護素子Z2を、横サージ対策として更に設けても良い。
また、ASIC41が複数のCPUを備え、複数のCPUが協働して各処理を実行してもよい。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
1 MFP、11 回線接続端子、12 外付電話接続端子、
13 データアクセスアレンジメント、15 回線電圧計測部、16 保護部、
17 受信部、19 閉結制御部、21 レジスタ、22 呼出信号検出部、
23 モデム、26 フォトダイオード、30 FAX通信部、34 電源部、
41 ASIC、52 RAM、53 画像形成部、54 画像読取部、
56 表示部、60 電話回線、61 外付電話、
Z1 サージ保護素子、Z2 サージ保護素子

Claims (8)

  1. 電話回線と接続可能な2つの端子を有する回線接続端子と、
    前記回線接続端子の各端子と一対の接続線によって接続されるデータアクセスアレンジメント部、及び、前記データアクセスアレンジメント部と接続されるモデム部、を有する通信部と、
    前記一対の接続線の少なくとも一方の接続線と大地とを接続する線上に設けられた第1サージ保護素子と、
    制御部と、
    を備え、
    前記データアクセスアレンジメント部は、
    前記一対の接続線間の電圧を計測する回線電圧計測部と、
    前記一対の接続線に接続される呼出信号検出部と、
    前記モデム部からの指示によって前記一対の接続線と前記呼出信号検出部との接続及び非接続を切り替える保護部と、
    前記回線電圧計測部が計測した電圧値、及び、前記呼出信号検出部による呼出信号の検出結果が書き込まれるレジスタと、
    を有し、
    前記モデム部は、
    前記レジスタを読み取り、読み取った前後での前記電圧値の極性反転、読み取った前後での前記電圧値の差が第1値以上、又は、呼出信号の検出、のいずれかの割込要因に応じて前記制御部に割込信号を出力し、かつ、読み取った前記電圧値が前記回線電圧計測部の計測範囲である第2値を超えた値であった場合、前記保護部に前記非接続にするように指示し、
    前記制御部は、
    前記割込信号が入力された場合に、前記モデム部にアクセスして前記割込信号が出力された割込要因を決定する割込要因決定処理と、
    前記割込要因決定処理によって決定された前記割込要因に従って、前記通信部に対して前記割込要因毎の処理を実行させる割込要因実行処理と、
    前記割込要因実行処理の前記決定された割込要因の処理が未完了であった場合、前記モデム部に対して前記保護部に前記非接続を指示しているか否かについて前記制御部への回答を指示する保護指示処理と、
    前記保護指示処理によって、前記モデム部から前記保護部に非接続を指示しているという回答があった場合、前記モデム部に対して前記保護部に接続するように指示、及び、前記回線電圧計測部に対するリセットの指示を行う保護解除指示処理と、
    を実行する、通信装置。
  2. 請求項1に記載の通信装置であって、
    前記データアクセスアレンジメント部は、更に、
    前記モデム部からの指示によって前記一対の接続線間を閉結、又は、開放する閉結制御部と、
    前記一対の接続線間から信号を受信する受信部と、
    を有し、
    前記制御部は、
    前記割込要因実行処理において、
    前記割込要因決定処理によって前記割込要因が前記極性反転と決定された場合、前記モデム部に対して前記閉結制御部の閉結を実行させ、
    前記モデム部が前記受信部を介して発信者番号通知信号を受信した場合、所定の処理を前記通信部に実行させ、
    前記保護指示処理において、
    前記モデム部が前記受信部を介して第1所定時間を経過しても発信者番号通知信号を受信しない場合、前記制御部への前記回答を指示する、
    通信装置。
  3. 請求項2に記載の通信装置であって、
    前記制御部は、
    前記保護指示処理において、
    前記モデム部が前記受信部を介して前記第1所定時間を経過しても発信者番号通知信号を受信せず、かつ、前記第1所定時間経過後、前記モデム部に対して前記閉結制御部の開放を指示し、前記呼出信号を検出できない場合、前記制御部への前記回答を指示する、
    通信装置。
  4. 請求項1に記載の通信装置であって、
    更に、
    記憶部、を備え、
    前記制御部は、
    更に、
    前記モデム部に対して前記電圧値の応答を指示し、前記電圧値を前記記憶部に順次に記憶させる電圧記憶処理、
    を実行し、
    前記保護指示処理において、
    前記割込要因決定処理によって前記割込要因が読み取った前後の前記電圧値の差が所定値以上と決定された場合であって、かつ、前記記憶部に記憶された前記割込信号入力後の前記電圧値が、前記記憶部に記憶された前記割込信号入力前の前記電圧値に対する所定割合の値以上であった場合、前記制御部への前記回答を指示する、
    通信装置。
  5. 請求項4記載の通信装置であって、
    更に、
    外付電話と接続可能な2つの端子を有する外付電話接続端子と、
    表示部と、
    を備え、
    前記回線接続端子の各端子と前記データアクセスアレンジメント部との間の各接点と、前記外付電話接続端子の各端子と、がそれぞれ一対の第2接続線によって接続され、
    前記割込信号入力前の前記電圧値に対する所定割合の値は、一対の接続線にかかる回線電圧から前記外付電話のオフフックに伴う電圧降下分の値であって、
    前記制御部は、
    前記割込要因実行処理において、
    前記割込要因決定処理によって前記要因が前記読み取った前後の前記電圧値の差が所定値未満と決定された場合、前記表示部に情報を表示させ、
    前記保護指示処理において、
    前記割込要因決定処理によって前記要因が読み取った前後の前記電圧値の差が所定値以上と決定された場合、前記制御部への前記回答を指示する、
    通信装置。
  6. 請求項5に記載の通信装置を有する画像形成装置であって、
    更に、
    電源部と、
    画像形成部と、
    を備え、
    前記通信部は、
    前記モデム部から前記割込要因を特定した際に前記制御部に前記割込信号を出力する機能は維持するが、前記モデム部と前記制御部との信号のやり取りを不能にするモデムスリープモードを有し、
    前記制御部は、
    前記電源部から前記画像形成部及び前記通信部及び前記表示部に対して電力供給させる通常モード処理と、
    前記通常モード処理開始時、前記割込信号の入力時、又は、前記通信部に対する送信命令時である、いずれかの時から所定時間の間、前記割込信号の入力又は前記送信命令が無い場合、前記電源部からの前記画像形成部及び前記表示部への電力供給を停止させ、
    前記通信部を前記モデムスリープモードにするスリープモード処理と、
    を実行し、
    前記割込信号の入力に応じて前記スリープモード処理から前記通常モード処理へ切り替え、前記割込要因決定処理を行う、
    画像形成装置。
  7. 請求項6に記載の画像形成装置であって、
    前記制御部は、
    前記割込信号の入力に応じて前記スリープモード処理から前記通常モード処理へ切り替わった後、保護解除指示処理による指示が行われた場合、再び、前記スリープモード処理へ移行させる、
    画像形成装置。
  8. 電話回線と接続可能な2つの端子を有する回線接続端子と、
    前記回線接続端子の各端子と一対の接続線によって接続されるデータアクセスアレンジメント部、及び、前記データアクセスアレンジメント部と接続されるモデム部、を有する通信部と、
    前記一対の接続線の少なくとも一方の接続線と大地とを接続する線上に設けられ、透明なガラス管にガスが封入されているガスアレスタと、
    前記一対の接続線との間を接続するサージ保護素子と、
    前記ガスアレスタに面して設けられた光検知部と、
    制御部と、
    を備え、
    前記データアクセスアレンジメント部は、
    前記一対の接続線間の電圧を検出する回線電圧計測部と、
    前記一対の接続線に接続される呼出信号検出部と、
    前記モデム部からの指示によって前記一対の接続線と前記呼出信号検出部との接続を非接続及び非接続を切り替える保護部と、
    前記回線電圧計測部が計測した電圧値、及び、前記呼出信号検出部の検出結果が書き込まれるレジスタと、
    を有し、
    前記モデム部は、
    前記レジスタを読み取り、読み取った前後の前記電圧値の極性反転、読み取った前後の前記電圧値の差が所定値以上、又は、呼出信号の検出、のいずれかの割込要因に応じて前記制御部に割込信号を出力し、かつ、読み取った前記電圧値が前記回線電圧計測部の計測範囲を超えた値であった場合、前記保護部に前記非接続にするように指示し、
    前記光検知部は、
    光を検知した際、前記制御部に割込信号を出力し、
    前記制御部は、
    前記光検知部からの割込信号の入力から雷サージが入力される所要時間経過後、前記モデム部に対して前記保護部に非接続を指示しているか否かについて前記制御部への回答を指示する第2保護指示処理と、
    前記第2保護指示処理によって、前記モデム部から前記保護部に非接続を指示しているという回答があった場合、前記モデム部に対して前記保護部に接続するように指示、及び、前記回線電圧計測部に対するリセットの指示を行う第2保護解除指示処理と、
    を実行する、通信装置。
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