以下、本実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本実施の形態に係る画像形成システム100の全体構成を概略的に示す図である。図2は、本実施の形態に係る画像形成システム100が備える画像形成装置2の制御系の主要部を示す図である。
画像形成システム100は、図1において太線で示す長尺紙Pまたは用紙S(非長尺紙)を記録媒体として使用し、長尺紙Pまたは用紙S上に画像を形成するシステムである。
長尺紙Pは、その搬送方向において例えば、画像形成装置2の本体幅を超える長さを有する長尺紙であり、ロール紙や連続紙を含む。
図1に示すように、画像形成システム100は、長尺紙Pの搬送方向に沿って上流側から、給紙装置1、画像形成装置2および巻き取り装置3が接続されて構成される。給紙装置1および巻き取り装置3は、長尺紙P上に画像を形成する場合に使用される。
給紙装置1は、長尺紙Pを画像形成装置2へ給紙する装置である。給紙装置1の筐体内では、長尺紙Pが支持軸にロール状に巻回されて回転可能に保持されている。給紙装置1は、支持軸に巻回された長尺紙Pを、例えば、繰り出しローラー、給紙ローラー等の複数の搬送ローラー対を経由して、一定の速度で画像形成装置2へ搬送する。給紙装置1の給紙動作は、画像形成装置2が備える制御部101によって制御される。
画像形成装置2は、電子写真プロセス技術を利用した中間転写方式のカラー画像形成装置である。すなわち、画像形成装置2は、感光体ドラム413上に形成されたY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の各色トナー像を中間転写ベルト421に一次転写し、中間転写ベルト421上で4色のトナー像を重ね合わせた後、給紙装置1から給紙された長尺紙P、または、給紙トレイユニット51a〜51cから送出された用紙Sに二次転写することにより、画像を形成する。
また、画像形成装置2には、YMCKの4色に対応する感光体ドラム413を中間転写ベルト421の走行方向に直列配置し、中間転写ベルト421に一回の手順で各色トナー像を順次転写させるタンデム方式が採用されている。
図2に示すように、画像形成装置2は、画像読取部10、操作表示部20、画像処理部30、画像形成部40、用紙搬送部50、定着部60および制御部101を備える。
制御部101は、CPU(Central Processing Unit)102、ROM(Read Only Memory)103、RAM(Random Access Memory)104等を備える。CPU102は、ROM103から処理内容に応じたプログラムを読み出してRAM104に展開し、展開したプログラムと協働して画像形成装置2の各ブロック等の動作を集中制御する。このとき、記憶部72に格納されている各種データが参照される。記憶部72は、例えば不揮発性の半導体メモリ(いわゆるフラッシュメモリ)やハードディスクドライブで構成される。
制御部101は、通信部71を介して、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等の通信ネットワークに接続された外部の装置(例えばパーソナルコンピューター)との間で各種データの送受信を行う。制御部101は、例えば、外部の装置から送信された画像データ(入力画像データ)を受信し、この画像データに基づいて長尺紙Pまたは用紙Sに画像を形成させる。通信部71は、例えばLANカード等の通信制御カードで構成される。
図1に示すように、画像読取部10は、ADF(Auto Document Feeder)と称される自動原稿給紙装置11および原稿画像走査装置12(スキャナー)等を備えて構成される。
自動原稿給紙装置11は、原稿トレイに載置された原稿Dを搬送機構により搬送して原稿画像走査装置12へ送り出す。自動原稿給紙装置11により、原稿トレイに載置された多数枚の原稿Dの画像(両面を含む)を連続して一挙に読み取ることが可能となる。
原稿画像走査装置12は、自動原稿給紙装置11からコンタクトガラス上に搬送された原稿又はコンタクトガラス上に載置された原稿を光学的に走査し、原稿からの反射光をCCD(Charge Coupled Device)センサー12aの受光面上に結像させ、原稿画像を読み取る。画像読取部10は、原稿画像走査装置12による読取結果に基づいて入力画像データを生成する。この入力画像データには、画像処理部30において所定の画像処理が施される。
図2に示すように、操作表示部20は、例えばタッチパネル付の液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)で構成され、表示部21及び操作部22として機能する。表示部21は、制御部101から入力される表示制御信号に従って、各種操作画面、画像の状態、各機能の動作状況、印刷に関する情報等の表示を行う。操作部22は、テンキー、スタートキー等の各種操作キーを備え、ユーザーによる各種入力操作を受け付けて、操作信号を制御部101に出力する。
画像処理部30は、入力画像データに対して、初期設定又はユーザー設定に応じたデジタル画像処理を行う回路等を備える。例えば、画像処理部30は、制御部101の制御下で、階調補正データ(階調補正テーブル)に基づいて階調補正を行う。また、画像処理部30は、入力画像データに対して、階調補正の他、色補正、シェーディング補正等の各種補正処理や、圧縮処理等を施す。これらの処理が施された画像データに基づいて、画像形成部40が制御される。
図1に示すように、画像形成部40は、入力画像データに基づいて、Y成分、M成分、C成分、K成分の各有色トナーによる画像を形成するための画像形成ユニット41Y、41M、41C、41K、中間転写ユニット42等を備える。
Y成分、M成分、C成分、K成分用の画像形成ユニット41Y、41M、41C、41Kは、同様の構成を有する。図示及び説明の便宜上、共通する構成要素は同一の符号で示し、それぞれを区別する場合には符号にY、M、C、又はKを添えて示すこととする。図1では、Y成分用の画像形成ユニット41Yの構成要素についてのみ符号が付され、その他の画像形成ユニット41M、41C、41Kの構成要素については符号が省略されている。
画像形成ユニット41は、露光装置411、現像装置412、感光体ドラム413、帯電装置414、ドラムクリーニング装置415、及びトナー回収部200等を備える。トナー回収部200については後述する。
感光体ドラム413は、例えばドラム状の金属基体の外周面に、有機光導電体を含有させた樹脂よりなる感光層が形成された有機感光体よりなる。感光体ドラム413は、本発明の「像担持体」に対応する。
制御部101は、感光体ドラム413を回転させる駆動モーター(図示略)に供給される駆動電流を制御することにより、感光体ドラム413を一定の周速度で回転させる。
帯電装置414は、例えば帯電チャージャーであり、コロナ放電を発生させることにより、光導電性を有する感光体ドラム413の表面を一様に負極性に帯電させる。帯電装置414は、本発明の「帯電部」に対応する。
露光装置411は、例えば半導体レーザーで構成され、感光体ドラム413に対して各色成分の画像に対応するレーザー光を照射する。その結果、感光体ドラム413の表面のうちレーザー光が照射された画像領域には、背景領域との電位差により各色成分の静電潜像が形成される。
現像装置412は、二成分逆転方式の現像装置であり、感光体ドラム413の表面に各色成分の現像剤を付着させることにより静電潜像を可視化してトナー像として現像する。現像装置412は、本発明の「現像部」に対応する。
現像装置412が有する現像ローラー412Aは、回転しながら現像剤を担持し、現像剤に含まれるトナーを感光体ドラム413に供給する。具体的には、現像ローラー412Aは、現像バイアス印加部412B(図2参照)から現像バイアスが印加され、感光体ドラム413の表面との間で電位差が発生させられることにより、感光体ドラム413の表面にトナー像を形成する。現像ローラー412Aは、本発明の「現像剤担持体」に対応する。現像バイアス印加部412Bおよび帯電装置414は、本発明の「電位差発生部」に対応する。
ドラムクリーニング装置415は、感光体ドラム413の表面に当接され、弾性を有する平板状のドラムクリーニングブレード等を有し、中間転写ベルト421に転写されずに感光体ドラム413の表面に残留するトナーを除去する。
中間転写ユニット42は、中間転写ベルト421、一次転写ローラー422、複数の支持ローラー423、二次転写ローラー424、及びベルトクリーニング装置426等を備える。
中間転写ベルト421は無端状ベルトで構成され、複数の支持ローラー423にループ状に張架される。複数の支持ローラー423のうちの少なくとも1つは駆動ローラーで構成され、その他は従動ローラーで構成される。例えば、K成分用の一次転写ローラー422よりもベルト走行方向下流側に配置されるローラー423Aが駆動ローラーであることが好ましい。これにより、一次転写部におけるベルトの走行速度を一定に保持しやすくなる。駆動ローラー423Aが回転することにより、中間転写ベルト421は矢印A方向に一定速度で走行する。
中間転写ベルト421は、導電性および弾性を有するベルトであり、表面に高抵抗層を有する。中間転写ベルト421は、制御部101からの制御信号によって回転駆動される。
一次転写ローラー422は、各色成分の感光体ドラム413に対向して、中間転写ベルト421の内周面側に配置される。中間転写ベルト421を挟んで、一次転写ローラー422が感光体ドラム413に圧接されることにより、感光体ドラム413から中間転写ベルト421へトナー像を転写するための一次転写ニップが形成される。一次転写ローラー422は、本発明の「転写部」に対応する。一次転写ニップは、本発明の「転写ニップ」に対応する。
二次転写ローラー424は、駆動ローラー423Aのベルト走行方向下流側に配置されるバックアップローラー423Bに対向して、中間転写ベルト421の外周面側に配置される。中間転写ベルト421を挟んで、二次転写ローラー424がバックアップローラー423Bに圧接されることにより、中間転写ベルト421から長尺紙Pまたは用紙Sへトナー像を転写するための二次転写ニップが形成される。
一次転写ニップを中間転写ベルト421が通過する際、感光体ドラム413上のトナー像が中間転写ベルト421に順次重ねて一次転写される。具体的には、一次転写ローラー422に一次転写バイアスを印加し、中間転写ベルト421の裏面側、つまり一次転写ローラー422と当接する側にトナーと逆極性の電荷を付与することにより、トナー像は中間転写ベルト421に静電的に転写される。
その後、長尺紙Pまたは用紙Sが二次転写ニップを通過する際、中間転写ベルト421上のトナー像が長尺紙Pまたは用紙Sに二次転写される。具体的には、二次転写ローラー424に二次転写バイアスを印加し、長尺紙Pまたは用紙Sの裏面側、つまり二次転写ローラー424と当接する側にトナーと逆極性の電荷を付与することにより、トナー像は長尺紙Pまたは用紙Sに静電的に転写される。トナー像が転写された長尺紙Pまたは用紙Sは定着部60に向けて搬送される。
ベルトクリーニング装置426は、二次転写後に中間転写ベルト421の表面に残留する転写残トナーを除去する。なお、二次転写ローラー424に代えて、二次転写ローラーを含む複数の支持ローラーに、二次転写ベルトがループ状に張架された構成であるいわゆるベルト式の二次転写ユニットを採用しても良い。
定着部60は、長尺紙Pまたは用紙Sの定着面、つまりトナー像が形成されている面側に配置される定着面側部材を有する上側定着部60A、長尺紙Pまたは用紙Sの裏面つまり定着面の反対の面側に配置される裏面側支持部材を有する下側定着部60B、および加熱源等を備える。定着面側部材に裏面側支持部材が圧接されることにより、長尺紙Pまたは用紙Sを挟持して搬送する定着ニップが形成される。
定着部60は、トナー像が二次転写され、搬送されてきた長尺紙Pまたは用紙Sを定着ニップで加熱、加圧することにより、長尺紙Pまたは用紙Sにトナー像を定着させる。定着部60は、定着器F内にユニットとして配置される。また、定着器Fには、エアを吹き付けることにより、定着面側部材または裏面側支持部材から長尺紙Pまたは用紙Sを分離させるエア分離ユニットが配置されていても良い。
用紙搬送部50は、給紙部51、排紙部52、及び搬送経路部53等を備える。給紙部51を構成する3つの給紙トレイユニット51a〜51cには、坪量やサイズ等に基づいて識別された用紙S(規格長尺紙、特殊長尺紙)が予め設定された種類毎に収容される。搬送経路部53は、レジストローラー対53aを含む複数の搬送ローラー対を有する。レジストローラー対53aが配設されたレジストローラー部は、用紙Sまたは長尺紙Pの傾きおよび片寄りを補正する。
給紙トレイユニット51a〜51cに収容されている用紙Sは、最上部から一枚ずつ送出され、搬送経路部53により画像形成部40に搬送される。画像形成部40においては、中間転写ベルト421のトナー像が用紙Sの一方の面に一括して二次転写され、定着部60において定着工程が施される。
また、給紙装置1から画像形成装置2へ給紙された長尺紙Pは、搬送経路部53により画像形成部40に搬送される。そして、画像形成部40において、中間転写ベルト421のトナー像が長尺紙Pの一方の面に一括して二次転写され、定着部60において定着工程が施される。画像形成された長尺紙Pまたは用紙Sは、搬送ローラー対(排紙ローラー対)52aを備えた排紙部52により巻き取り装置3に搬送される。
巻き取り装置3は、画像形成装置2から搬送されてきた長尺紙Pを巻き取る装置である。巻き取り装置3の筐体内では、例えば、長尺紙Pが支持軸に巻回されてロール状に保持される。そのために、巻き取り装置3は、画像形成装置2から搬送されてきた長尺紙Pを、複数の搬送ローラー対(例えば、繰り出しローラー、排紙ローラー)を経由して、一定の速度で支持軸に巻き取る。巻き取り装置3の巻き取り動作は、画像形成装置2が備える制御部101によって制御される。
ところで、例えば、画像形成処理においてカバレッジの低いトナー像の画像形成が連続した場合、画像形成処理におけるトナーの消費量が少ないため、現像装置412内に滞留するトナーの割合が増え、現像装置412内のトナーが劣化してしまう。このような劣化トナーは、帯電性が弱いので、画像形成処理に用いられると、画像カブリ(以下、「カブリ」と言う。)、トナー飛散、トナー飛散に伴うトナーこぼれ等の画像不良が生じる。
このような画像不良を抑制するために、例えば、トナー帯を一定量以上、感光体ドラム413上に排出することで、劣化トナーを現像装置412から排出することが考えられる。しかしながら、現像領域において現像バイアスが印加される際には、十分に帯電したトナーである非劣化トナーが劣化トナーよりも静電潜像に引き付けられやすいので、非劣化トナーも多く排出してしまい、劣化トナーを排出するには効果が小さいものとなっていた。
また、長尺紙Pに画像形成する際、長尺紙Pの画像間となる部分にトナー帯を排出するが、画像形成部分が長尺紙Pの搬送方向に長いので、画像形成部分における現像装置412の駆動時間が長くなる。そのため、現像装置412内に劣化トナーが蓄積されやすくなるので、画像間において大量のトナー帯を排出しないと、現像装置412内の劣化トナーの割合を減らすことができない。
また、トナー帯は、感光体ドラム413に形成された後、ドラムクリーニング装置415により除去されるが、大量にトナー帯が感光体ドラム413に形成されると、ドラムクリーニング装置415に設けられるクリーニングブレードの劣化を早めてしまい、画像形成の際、クリーニングブレードをトナーがすり抜けることに起因してスジが発生してしまう。
そこで、本実施の形態では、トナー回収部200により、感光体ドラム413上に形成されたトナー像から帯電性が弱い劣化トナーを回収する。これにより、劣化トナーに起因したカブリ等の画像不良を抑制することが可能となる。以下、トナー回収部200の詳細について説明する。図3は、トナー回収部200周辺を示す図である。なお、図3では、現像装置412を図面の見やすさを考慮して簡略化して示している。
図3に示すように、トナー回収部200は、感光体ドラム413の回転方向において、現像ローラー412Aと感光体ドラム413の対向部分である現像ニップより下流側であり、かつ、一次転写ニップよりも上流側に配置されている。つまり、トナー回収部200は、現像後、かつ、一次転写前の感光体ドラム413上のトナーのうち劣化トナーを回収するように構成されている。トナー回収部200は、トナー回収部材210と、回収クリーニング部220と、回収バイアス印加部230とを有している。
トナー回収部材210は、感光体ドラム413上の劣化トナーを回収する部分であり、表面が平滑なローラーである。トナー回収部材210は、感光体ドラム413と接触しており、感光体ドラム413との接触部分(以下、「回収ニップ」と言う。)において、感光体ドラム413と同じ方向に回転する。具体的には、感光体ドラム413は、図示における反時計回りに回転し、トナー回収部材210は、図示における時計回りに回転する。
回収クリーニング部220は、トナー回収部材210の表面に当接する回収クリーニングブレード221等を有し、トナー回収部材210により回収されたトナーを回収部材210上から除去する。
回収バイアス印加部230は、トナー回収部材210と感光体ドラム413との接触部分において、感光体ドラム413上の劣化トナーが感光体ドラム413からトナー回収部材210に移動するような電位差となるような回収バイアスVcをトナー回収部材210に印加する。回収バイアスVcが印加されることでトナー回収部材210は、感光体ドラム413上の劣化トナーを、トナー回収部材210側に電気的に移動させることにより回収する。
次に、トナー回収部材210における劣化トナーの回収動作について説明する。図4は、現像前における現像ニップ部分における電位関係を示す図である。図5は、現像後における現像ニップ部分における電位関係を示す図である。図6は、現像後における感光体ドラム413上のトナー像を示す図である。図7は、トナー回収部200における電位関係を示す図である。図8は、トナー回収後における感光体ドラム413上のトナー像を示す図である。なお、本実施の形態では、帯電したトナーの極性が負極性の場合について例示するが、正極性であっても良い。
図4に示すように、制御部101は、劣化トナーの回収動作をする際、感光体ドラム413における画像が形成されない部分(以下、「非画像部」という)の表面電位、つまり、帯電装置414により帯電される帯電電位を、第1電位V0から第2電位V1になるように制御する。
第1電位V0は、現像ローラー412Aに印加される現像バイアスVdcと同じ負極性で、現像バイアスVdcよりも絶対値の大きい電位である。第1電位V0は、現像ローラー412Aと感光体ドラム413の非画像部との電位差が、非劣化トナーT1および劣化トナーT2が感光体ドラム413側に移動しない電位差になるような電位に設定される。
第2電位V1は、第1電位V0と同じ負極性で、第1電位V0よりも絶対値が小さく、かつ、現像バイアスVdcよりも絶対値が大きい電位である。感光体ドラム413の表面電位が第2電位V1に設定されることで、現像ローラー412Aと感光体ドラム413の非画像部との電位差が、第1電位V0と第2電位V1との差分の絶対値だけ小さくなる。これにより、図5に示すように、現像ローラー412Aと感光体ドラム413の非画像部との電位差が、劣化トナーT2によるカブリが発生する電位差となるので、劣化トナーT2が現像ローラー412Aから感光体ドラム413の非画像部に移動する。なお、第2電位V1は、予め実験等により適切な値を求め、記憶部72等に記憶させておくと良い。
一般的に、劣化トナーT2は、現像ローラー412Aと感光体ドラム413の非画像部との電位差が小さくなると、感光体ドラム413の非画像部に移動することが確認されている。この原因としては、以下のような原因が考えられる。
すなわち、劣化トナーT2は、基本的に負極性に帯電されることから、感光体ドラム413の非画像部には移動しないようになっている。現像ニップにおける感光体ドラム413の非画像部に対応する部分には、負極性のトナーが感光体ドラム413から現像ローラー412Aに向かう方向に電界がかけられているからである。しかし、劣化トナーT2は、表面の電荷分布のばらつきが大きくなっていることから、劣化トナーT2の表面において正極性に帯電した部分と、負極性に帯電した部分とが存在する。劣化トナーT2の表面のうち、正極性に帯電した部分が、感光体ドラム413の非画像部に電気的に引き付けられることにより、劣化トナーT2が感光体ドラム413の非画像部に移動するものと考えられる。また、劣化トナーT2の表面の電荷分布のばらつきの程度により、感光体ドラム413の非画像部に移動する劣化トナーT2の量が変動するものと考えられる。
また、感光体ドラム413のトナー像が形成される部分(以下、「画像部」という)の表面電位は、現像バイアスVdcよりも絶対値の小さい第3電位Viに設定されている。つまり、現像ニップにおける感光体ドラム413の画像部に対応する部分には、負極性のトナーが現像ローラー412Aから感光体ドラム413に向かう方向に電界がかけられているので、非劣化トナーT1および劣化トナーT2の両方が感光体ドラム413の画像部に移動する。
このように現像ニップにおける感光体ドラム413の画像部に対応する部分においては、電位差が変動しないので、感光体ドラム413の画像部におけるトナー像の濃度を十分に確保することができる。
現像ニップを通過後、図6に示すように、感光体ドラム413の表面には、非画像部においては、劣化トナーT2のみのトナー像が形成され、画像部においては、非劣化トナーT1および劣化トナーT2の両方を含むトナーTが積層されたトナー像が形成される。
感光体ドラム413の現像ニップを通過した部分が回収ニップに移動すると、図7に示すように、感光体ドラム413の非画像部上の劣化トナーT2がトナー回収部材210に移動する。ここで、回収バイアスVcは第2電位V1の絶対値よりも小さく、かつ、現像バイアスVdcを2で除算した値よりも大きくなるように設定される。このように回収バイアスVcが設定されることで、回収ニップの感光体ドラム413の非画像に対応する部分には、負極性のトナーが感光体ドラム413の非画像部からトナー回収部材210に移動する電界がかけられている。そのため、感光体ドラム413の非画像部の劣化トナーT2はトナー回収部材210側に電気的に引き付けられる。これにより、トナー回収部材210が感光体ドラム413上の劣化トナーT2を回収する。
また、劣化トナーT2は正極性に帯電している部分が存在しうるため、トナー回収部材210側に電気的に引き付けられない場合がある。しかし、劣化トナーT2は、帯電性が弱いので、感光体ドラム413への静電的な付着力が弱い。そのため、トナー回収部材210が感光体ドラム413に接触することで、ファンデルワールス力等の非静電的付着力により、劣化トナーT2がトナー回収部材210に回収される。
また、感光体ドラム413の画像部における劣化トナーT2も、トナー回収部材210により回収される。回収ニップにおける感光体ドラム413の画像部とトナー回収部材210との間では、第3電位Viと回収バイアスVcは共に負極性であり、第3電位Viの絶対値が回収バイアスVcの絶対値よりも小さいので、負極性のトナーがトナー回収部材210側に移動しないような電界となっている。しかし、劣化トナーT2の場合、正極性に帯電した部分が、トナー回収部材210側に引き付けられることにより、トナー回収部材210に回収される。また、劣化トナーT2の負極性に帯電した部分は、非静電的付着力によりトナー回収部材210に回収される。そのため、回収ニップにおける感光体ドラム413の画像部においても劣化トナーT2を効率よく回収することができる。また、トナー回収部材210は、表面が平滑なので、感光体ドラム413の画像部におけるトナー像を乱さずに劣化トナーT2を回収することができる。
なお、非劣化トナーT1も一部非静電的付着力により回収される場合もあるが、感光体ドラム413の画像部におけるトナー量を、画像形成において必要となるトナー量よりも多くしておくことにより、トナー像の濃度に対する影響を低減させることができる。
また、本実施の形態では、回収バイアスVcの下限値を、現像バイアスVdcを2で除算した値としているが、感光体ドラム413の画像部におけるトナー像の濃度を十分に確保できるような値とすれば良い。つまり、感光体ドラム413の画像部の部分における劣化トナーT2がトナー回収部材210側に移動しにくいような値とすれば良い。
感光体ドラム413上の劣化トナーT2をトナー回収部200により回収すると、図8に示すように、感光体ドラム413上の画像部から、非劣化トナーT1または劣化トナーT2の何れかによらず、トナー層の表面電位が回収バイアスVcと等しくなるまでトナーTが除去される。また、感光体ドラム413上の非画像部から、劣化トナーT2が除去される。このように本実施の形態では、非劣化トナーT1および劣化トナーT2のうち、劣化トナーT2を積極的に回収することができるので、劣化トナーT2の回収効率を向上させることができ、ひいてはカブリ等の画像不良の発生を抑制することができる。
また、画像間においてトナー帯を形成することなく、劣化トナーT2をトナー回収部200により回収するので、ドラムクリーニング装置415における負荷を低減することができる。そのため、ドラムクリーニング装置415のクリーニングブレードが劣化しにくくなるので、画像形成においてクリーニングブレードをトナーがすり抜けることによるスジの発生を抑制することができる。この効果は、長尺紙Pに画像形成する際において特に顕著なものとなる。
ところで、例えば、一般的に、感光体ドラム413に対向することで劣化トナーT2を回収するためキャリアー回収ローラーが知られている。キャリアー回収ローラーは、感光体ドラム413と非接触で対向しており、マグネットが内包されている。キャリアー回収ローラーは、電圧が印加されることで、感光体ドラム413との間に磁界及び電界を発生させてキャリアー又はトナーを回収する。しかし、この構成では、電界の向きによって回収可能なトナーは、正極性及び負極性の何れか一方に限定されるので、例えば、正極性に帯電した劣化トナーT2を回収することができない。
しかし、本実施の形態では、感光体ドラム413とトナー回収部材210が接触しているので、非静電付着力と、回収バイアスVcによって発生させる静電気力の何れか、または両方によって、劣化トナーT2を回収することができる。そのため、正極性および負極性の両方の劣化トナーT2を回収することができる。
また、例えば特許文献1に記載の現像装置では、画像形成中において、画像領域の外側にトナー帯を形成することで劣化トナーを排出している。しかし、この構成では、画像領域の外側をトナー帯の形成領域としているので、画像領域の幅が限定されてしまい、また、トナー帯の形成が画像のカバレッジによって見込み制御されるので、形成されるトナー帯には、劣化トナー以外の非劣化トナーが多く含まれる可能性が高いものとなっていた。
しかし、本実施の形態では、画像形成領域上に劣化トナーT2を排出するので、画像形成領域の幅を限定することなく、また、劣化トナーT2を効率よく回収することができる。
また、特開2006−201698号公報には、現像ローラーの回転方向における現像ニップよりも上流側にトナー回収部材が設けられた構成が開示されている。この構成では、現像ニップよりも前に劣化トナーを回収してカブリ等を抑制している。この構成であると、現像ローラーとトナー回収部材との対向部分から現像ニップまでの間において、現像ローラー上のトナーが現像ローラーの回転により揺さぶられることで再帯電してしまい、感光体ドラム上で現像されるトナーの濃度が不安定になり、ひいては画像形成における濃度にムラが発生しやすくなる。
しかし、本実施の形態では、トナー回収部200により劣化トナーT2を回収した後に、感光体ドラム413上に残されたトナーが再帯電することはないので、感光体ドラム413上で現像されるトナーの濃度が不安定になることを抑制することができる。
また、特開2012−022072号公報には、現像ローラーの回転方向における現像ニップよりも下流側にトナー回収部材が設けられた構成が開示されている。この構成では、現像ローラーから感光体ドラムにトナーを移動させた後における現像ローラー上のトナーを回収するようになっている。この構成では、劣化トナーを含むトナーが感光体ドラムに移動した後における現像ローラー上のトナーを回収するので、感光体ドラム上の劣化トナーを回収することができない。
しかし、本実施の形態では、感光体ドラム413上からトナー回収部200により劣化トナーT2を回収することができる。
また、現像ローラー上の劣化トナーを回収する構成の場合、現像ローラーが現像装置から露出している部分が少ないので、トナー回収部材を設ける箇所が限定されてしまい、トナー回収部材を配置しにくい。しかし、本実施の形態では、感光体ドラム413にトナー回収部材210を対向させるので、現像ローラー上の劣化トナーを回収する構成と比較して、トナー回収部材210を設けることが可能な範囲が広い。そのため、トナー回収部材210を設けやすい箇所にトナー回収部材210を配置しやすくすることができる。
また、第2電位V1は、画像形成装置2の周囲の環境条件に応じて変更されるように制御されても良い。トナーの平均帯電量は、環境条件によって変動する。具体的には、トナーの平均帯電量は、低温低湿条件(温度10℃、湿度10%)のとき、44μC/gであり、常温常湿条件(温度20℃、湿度50%)のとき、35μC/gであり、高温高湿条件(温度30℃、湿度80%)のとき、32μC/gである。例えば、環境条件が高温高湿条件になるほど、現像装置412内の劣化トナーT2の割合が増えるので、第2電位V1の絶対値を小さくする制御を行えば良い。これにより、現像ニップにかけられる電界を小さくなり、感光体ドラム413の非画像部に劣化トナーT2を移動しやすくすることができ、移動する劣化トナーT2の量を適切に制御することができる。
また、第2電位V1は、トナー像のカバレッジに応じて変更されるように制御されても良い。例えば、トナー像のカバレッジが低カバレッジになるほど、現像装置412内の劣化トナーT2の割合が増えるので、第2電位V1の絶対値を小さくする制御を行えば良い。これにより、現像ニップにおいて、感光体ドラム413上の非画像部と現像ローラー412Aとの間に形成される電界を小さくできるため、感光体ドラム413の非画像部に劣化トナーT2を移動しやすくすることができ、移動する劣化トナーT2の量を適切に制御することができる。
また、第2電位V1は、現像装置412内の現像剤の使用履歴に応じて変更されるように制御されても良い。一般的に、現像剤の使用を継続するとカバレッジ変化における耐性が低下し、現像装置412内の劣化トナーT2の割合が増えるので、第2電位V1の絶対値を小さくする制御を行えば良い。これにより、現像ニップにおいて、感光体ドラム413上の非画像部と現像ローラー412Aとの間に形成される電界を小さくできるため、感光体ドラム413の非画像部に劣化トナーが移動しやすくすることができ、移動する劣化トナーT2の量を適切に制御することができる。
また、画像形成をするとき、トナー回収部材210の回転速度を、感光体ドラム413の回転速度と同じにするように制御しても良い。これにより、感光体ドラム413の画像部におけるトナー像を乱すことなく、劣化トナーT2の回収を行うことができる。
また、画像形成をしないとき、トナー回収部材210の回転速度を、感光体ドラム413の回転速度と異ならせるように制御しても良い。これにより、トナー回収部材210と感光体ドラム413が回収ニップにおいて互いに擦れ合うので、非静電的付着力による劣化トナーT2の回収効果を向上させることができる。
また、トナー回収部材210は、制御部101の制御の下、感光体ドラム413と接触/離間することが可能に構成されていても良い。この場合、制御部101は、トナー回収部材210を、感光体ドラム413上に形成されたトナー像のカバレッジが所定カバレッジ(例えば、5%)未満の場合は感光体ドラム413に接触させ、トナー像のカバレッジが所定カバレッジ以上の場合は感光体ドラム413から離間させるように制御することができる。感光体ドラム413に形成されたトナー像のカバレッジが所定カバレッジ以上の場合、現像装置412内の劣化トナーT2の割合が大きくないと想定できる。そのため、このような場合、トナー回収部材210を感光体ドラム413に接触させなくすることで、トナー回収部材210が感光体ドラム413に接触することによりトナー像が乱れることを回避することができる。
また、トナー回収部材210を感光体ドラム413から離間させたとき、感光体ドラム413の非画像部における表面電位を第2電位V1のままとすると、劣化トナーT2が非画像部に移動してしまう。この場合、トナー回収部材210による回収動作が行われないので、カブリが発生してしまう。そのため、トナー回収部材210を感光体ドラム413から離間させる場合、感光体ドラム413の非画像部における表面電位を第1電位V0にすることが望ましい。これにより、トナー回収部材210を感光体ドラム413から離間させたときに、カブリが発生することを抑制することができる。
その他、上記実施の形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
最後に、本実施の形態に係る画像形成装置2の評価実験について説明する。
図1に示す画像形成システム100を用いて、本実施の形態に係る回収動作の有効性について確認した。以下、実施例1,2および比較例1,2における実験条件について説明する。
実施例1,2および比較例1,2においては、2成分の現像剤を用いる。トナーの平均粒径は6.5μmである。キャリアーの平均粒径は33μmである。感光体ドラム413の回転速度は600mm/sである。
表1における「V0」は、感光体ドラム413の非画像部における表面電位を示す。「Vdc」は、現像ローラー412Aに印加される現像バイアスを示す。「Vc」は、トナー回収部材210に印加される回収バイアスを示す。「標準値」は、トナー回収部200における回収動作をOFFにしたときの、各電位V0,Vdc,Vcの値であり、「回収動作ON」は、トナー回収部200における回収動作をONにしたときの各電位V0,Vdc,Vcの値である。また、回収動作をOFFにしたときとは、トナー回収部材210を感光体ドラム413から離間させたときである。回収動作をONにしたときとは、トナー回収部材210を感光体ドラム413に接触させたときである。
また、回収バイアスVcは、例えば以下の式(1)のように算出される。
回収バイアスVc=k×(第1電位V0−2×A)・・・(1)
kは、0〜1の範囲内に設定される。表1では、kを0.8に設定して回収バイアスVcを算出している。Aは、第1電位V0と第2電位V1の差分であるが、例えば以下の式(2)のように算出される。
A=−|第1電位V0−現像バイアスVdc|×0.4・・・(2)
なお、第1電位V0および現像バイアスVdcは、環境条件および現像剤の使用履歴によって値が変更されるので、それに伴いAの値が変動するようになっている。
トナー回収部材210は、ローラーの外径が22±0.2mm、ローラーの軸の外径が10mm、ローラーの硬度(アスカーC型)が40±3°、ローラーの材質が、イオン導電剤が混入された発泡ニトリルゴム、表面の材質が半導体ポリイミド樹脂のものとなっている。
実施例1における画像形成動作では、形成される画像のカバレッジが5%未満のときに回収動作をONにし、カバレッジが5%以上のときに回収動作をOFFにし、トナー回収部材210の回転速度を、感光体ドラム413と同様に600mm/sに設定する。また、実施例1における画像間動作では、常時回収動作をONにし、トナー回収部材210の回転速度を720mm/sに設定する。
実施例2における画像形成動作では、実施例1と同様の設定条件とする。実施例2における画像間動作では、回収動作をOFFにして、トナー帯を形成する。例えば、長尺紙Pの場合、図9に示すように、長尺紙Pの搬送方向における複数のトナー像P1の間である画像間にトナー帯P2を形成する。トナー帯P2は、トナー帯P2を形成する直前に印刷した出力画像領域(トナー像P1)の面積の5%に相当する面積になるように形成される。トナー帯P2は、大半が中間転写ベルト421に移動し、感光体ドラム413上に残留したトナーがドラムクリーニング装置415により除去される。
比較例1においては、図10に示すような現像ローラー412Aの回転方向における現像ニップよりも下流側にトナー回収部200が配置される構成を用いる。
表2は、比較例1における電位関係を示す。表2における各項目は、表1と同様である。
トナー回収部材210は、外径が16mmであり、回転速度が600mm/sに設定され、現像ローラー412Aとの距離が0.27mm離間されて配置される。
比較例1では、形成される画像のカバレッジが5%未満のときに回収動作をONにし、カバレッジが5%以上のときに回収動作をOFFにする。また、比較例1では、回収動作ON/OFFに関わらず、現像ローラー412Aとトナー回収部材210に形成される磁気ブラシとが接触するようになっている。
比較例2では、トナー回収部200を設けない構成とする。比較例2では、形成される画像のカバレッジが5%未満のときに、画像間においてトナー帯を形成する。トナー帯は、現像画像面積の5%に相当する面積とする。
以上のような条件とした実施例1,2および比較例1,2においてカット紙を用いる実験1および長尺紙Pを用いる実験2を行うことにより、カブリの発生の有無と、ドラムクリーニングブレードの劣化に起因するスジの発生の有無について確認した。また、実験1では、用紙サイズをA3サイズとし、実験2では、長尺紙サイズを2100mm×297mmとした。また、実験1,2では、環境条件を高温高湿条件、つまり、温度30℃、湿度80%とした。
表3は、実験1における評価結果を示す。表4は、実験2における評価結果を示す。
表3および表4における「○」は、カブリまたはスジが発生しなかったことを示す。また、「×」は、カブリまたはスジが発生したことを示す。
実験1では、表3に示すように、比較例1,2においては何れも、カバレッジが1%から25%に切り替わる際、つまり、低カバレッジが続いた後、高カバレッジに切り替わる初期段階でカブリが発生したことを確認した。また、比較例2では、低カバレッジが長期間継続した累積印刷枚数が200000枚目以降において継続的にカブリが発生したことを確認した。また、比較例1では、トナー回収部200による回収動作があるため、比較例2よりもカブリが発生しにくかったが、200000枚目以降においてカブリの程度が悪化し、300000枚目以降は不良レベルまで悪化したことを確認した。
それに対し、実施例1,2では、実験終了まで良好な画像を得ることができたことを確認した。なお、実施例1,2および比較例1,2では、カット紙であり、長尺紙のように画像間に大量のトナー帯を形成しないので、ドラムクリーニング装置415における負荷が許容範囲内であったため、スジの発生がなかった。
実験2では、表4に示すように、カブリについては、実験1と同様の結果となった。スジについては、比較例2において、長尺紙の画像間におけるトナー帯の量が多いので、スジの発生が確認された。それに対し、実施例1,2では、実験終了まで良好な画像を得ることができたことを確認した。