JP2017214961A - エンジンの防振制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】エンジンのトルク変動による振動を減殺するように、エンジンマウント1のアクチュエータ30を制御する場合に、過渡運転状態においても車体への振動伝達を好適に抑制する。
【解決手段】第1および第2のトルク変動記憶手段(第1および第2の変動波形マップM1,M2)を参照して、慣性力起因トルク変動および燃焼起因トルク変動の波形を算出し、これに基づいてアクチュエータ30を制御する(ステップST5:防振制御手段)。過渡運転状態では定常運転状態との点火時期の差分を算出し(ST7:点火時期差分算出手段)、これに基づき第3のトルク変動記憶手段(位相補正マップM3)を参照して、燃焼起因トルク変動の位相差を算出する(ST8:位相差算出手段)。この位相差を加味してアクチュエータ30を制御する。
【選択図】図3

Description

本発明は、エンジンマウントにアクチュエータを付設して、エンジン振動を減殺するように制御する防振制御装置に関する。
従来より一般に自動車などの車両においては、車体に対してエンジンをエンジンマウントによって弾性マウントし、振動の伝達を抑制するようにしている。また、エンジンマウントにアクチュエータを付設して、エンジンの振動を減殺するような振動(以下、防振振動という)を発生させるようにしたものもある。例えば特許文献1には、エンジンの剛体振動のうち主にトルク変動によるものを減殺するように、エンジンマウントのアクチュエータを制御するという技術が記載されている。
すなわち、前記文献に記載の制御装置では、エンジンの負荷率や回転数があまり変化しない(それぞれの変化率が所定以下の)定常運転状態において、その負荷率および回転数と、防振振動の振幅および位相との好適な関係を特定し、これを防振制御マップとして予め準備しておく。そして、エンジンの運転中にその負荷率および回転数の検出値に基づき前記の防振制御マップを参照して防振振動波形を算出し、これをアクチュエータに印加するようにしている。
これにより定常運転状態であれば、エンジンのピストンやコンロッドなどの運動部分の慣性力に起因するトルク変動(以下、慣性力起因トルク変動ともいう)と、各気筒における間欠的な燃焼に起因するトルク変動(以下、燃焼起因トルク変動ともいう)とによるエンジン振動(剛体振動)を減殺するように、エンジンマウントのアクチュエータによって防振振動を発生させることができる。
特開2015−025479号公報
ところで一般に、自動車に搭載されているエンジンは運転者の操作に応じて負荷率および回転数が広い範囲で変化するものであり、例えばアクセルペダルが大きく踏み込まれた急加速時などには、一時的にエンジンの負荷率および回転数の変化が大きくなる。そして、このような過渡運転状態では、前記した燃焼起因トルク変動の位相が定常運転状態から大きくずれてしまい、エンジンマウントに適切に防振振動を付加できなくなることが分かった。
本発明の発明者は、そのように燃焼起因トルク変動の位相が大きくずれる理由について考察を重ねた結果、この位相と点火時期との間に相関があることに気付いた。これは、過渡運転状態において例えば点火時期が一時的に遅角されると、混合気の燃焼による筒内圧のピークも遅角し、これによって燃焼起因トルク変動の位相も遅角することによると考えられる。
かかる新規な知見に基づいて本発明の目的は、エンジンの過渡運転状態における燃焼状態の変化によって、燃焼起因トルク変動の位相が変化することに対応して、アクチュエータによって発生させる防振振動の位相を適切に補正することにより、過渡運転状態においても車体への振動伝達を好適に抑制することにある。
前記の目的を達成するためにエンジンの過渡運転状態においては、定常運転状態との点火時期の差に応じて燃焼起因トルク変動の位相のずれを算出し、これを加味してアクチュエータを制御するようにした。
すなわち、本発明は、エンジンのトルク変動に起因する振動を減殺するように、エンジンマウントに付設されたアクチュエータを制御するエンジンの防振制御装置が対象であり、定常運転状態におけるエンジンの運動部分の慣性力に起因するトルク変動の振幅および位相が、エンジン回転数に対応付けて設定されている第1のトルク変動記憶手段と、定常運転状態におけるエンジンの間欠的な燃焼に起因するトルク変動の振幅および位相が、エンジンの負荷率および回転数に対応付けて設定されている第2のトルク変動記憶手段と、それら第1および第2のトルク変動記憶手段にそれぞれ設定されているトルク変動を合成し、その振幅および位相に基づいて、前記アクチュエータを制御する防振制御手段と、を備えている。
そして、前記燃焼に起因するトルク変動の位相が点火時期に対応付けて設定されている第3のトルク変動記憶手段と、エンジンの過渡運転状態において、現在の点火時期と定常運転状態での目標点火時期との差分を算出する点火時期差分算出手段と、前記点火時期の差分に基づき前記第3のトルク変動記憶手段を参照して、前記燃焼に起因するトルク変動の位相のずれを算出する位相差算出手段と、を備え、前記防振制御手段は、前記燃焼に起因するトルク変動の位相のずれを加味して、前記アクチュエータを制御するものとした。
前記の構成により、エンジンの過渡運転状態において基本的には防振制御手段によって、第1および第2のトルク変動記憶手段に第3のトルク変動記憶手段に設定されている燃焼起因トルク変動の位相を加味しながら、それぞれ設定されているトルク変動、即ち慣性力起因トルク変動および燃焼起因トルク変動が合成され、その振幅および位相に基づいて、エンジンマウントのアクチュエータが制御される。これにより、慣性力起因トルク変動および燃焼起因トルク変動による振動が減殺されるようになる。
すなわち、前記第3のトルク変動記憶手段には、エンジンの燃焼起因トルク変動の位相が点火時期に対応付けて設定されているので、過渡運転状態における点火時期の変化によって燃焼起因トルク変動の位相がずれても、これを反映するよう適切にアクチュエータを制御することができる。例えば過渡運転状態において点火時期が遅角されると、定常運転状態との点火時期の差分に基づいて位相差算出手段により、燃焼起因トルク変動の遅角側への位相差が算出され、この位相差の分、燃焼起因トルク変動の位相を補正した上で、慣性力起因トルク変動の振幅および位相と合成し、これによる振動を減殺するようにアクチュエータが制御される。
反対に、過渡運転状態において点火時期が進角されると、定常運転状態との点火時期の差分に基づいて位相差算出手段により、燃焼起因トルク変動の進角側への位相差が算出され、これを加味して防振制御手段によりアクチュエータが制御される。このようにして、アクチュエータの発生する防振振動の位相が適切に制御されることで、過渡運転状態においても車体への振動伝達を抑制することができる。
以上、説明したように本発明に係るエンジンの防振制御装置によると、エンジンマウントに付設したアクチュエータによって防振振動を発生させる場合に、エンジンの過渡運転状態における燃焼状態の変化によって、燃焼起因トルク変動の位相が変化することに対応して、適切に防振振動の位相を変更することができる。これにより、定常運転状態だけでなく過渡運転状態においても、車体への振動伝達を好適に抑制することができる。
実施の形態に係るエンジンマウントの構成を示す断面図である。 エンジンの点火時期と燃焼起因トルク変動の位相との相関を示すグラフ図である。 エンジンマウントの防振制御ルーチンを示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。本実施の形態は一例として、自動車に搭載されたガソリンエンジンのエンジンマウントに本発明を適用する場合について説明する。
−エンジンマウントの概略構成−
図1に一例を示すように、本実施の形態に係るエンジンマウント1は、図示しないエンジン側のブラケットと、車体側のブラケット14との間に配設されるマウント本体10と、これに付設されたアクチュエータ30とを備えている。そして、そのアクチュエータ30をECU100によって制御して、エンジンからの振動のうち、トルク変動に起因するものを減殺する加振力(防振振動)を発生させるようになっている。つまり、エンジンマウント1は、いわゆるアクティブコントロールマウント(ACM:Active Control Mount)である。
図1に表れているようにマウント本体10は、本体ゴム11と、ダイヤフラム12と、例えばエチレングリコールなどの緩衝液が封入された液室21,22とを備えており、その主液室21の容積が可動部材23の移動によって変化するようになっている。前記マウント本体10の上部において本体ゴム11に埋め込まれた取付金具13には、エンジン側のブラケットの締結ボルトがねじ込まれるボルト孔13aが形成されている。一方、マウント本体10の下部に設けられた複数の車体側ブラケット14には、取付ボルト14aが配設されている。
前記の液室21,22のうち、ゴム弾性体からなる可動部材23などを挟んで本体ゴム11側に形成されているのが主液室21であり、ダイヤフラム12側に形成されているのが副液室22である。つまり、主液室21および副液室22を区画するように可動部材23が設けられている。主液室21および副液室22はオリフィス24を介して連通されており、このオリフィス24を介して液室21,22間で緩衝液が流動する際の抵抗によって、振動が減衰されるようになっている。
そして、前記の可動部材23を上下に移動させるように電磁式のアクチュエータ30が設けられている。一例としてアクチュエータ30は、ソレノイドコイル31、プランジャ32、シャフト33、コイルばね34などを備えている。ソレノイドコイル31によって動作されるプランジャ32にシャフト33の下端部が固定されている一方、このシャフト33の上端部には、可動部材23に埋め込まれた金具35が固定されている。
前記アクチュエータ30のソレノイドコイル31は、ECU100からの通電によって励磁され、プランジャ32を吸引してシャフト33を下向きに移動させる。これに伴い可動部材23が下向きに変形して、主液室21の容積が増大する。反対に、ソレノイドコイル31を消磁すると、シャフト33は上向きに移動して、可動部材23がその弾性力によって上向きに変形し、主液室21の容積は減少する。
このようなアクチュエータ30への通電制御によって可動部材23が上下に往復移動され、主液室21の容積が増大・減少することで、オリフィス24を介して連通される副液室22の容積も増大・減少するようになる。これにより、主液室21および副液室22の圧力が変化し、本体ゴム11などにエンジンからの振動を減殺するような防振振動が付加されるようになる。
−ECU−
前記のようなエンジンマウント1のアクチュエータ30の制御は、エンジン制御用のECU(Electronic Control Unit)100によって行われる。公知のようにECU100は、図示しないが、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)およびバックアップRAMなどを備えている。なお、RAMは、CPUでの演算結果や各センサから入力されたデータなどを一時的に記憶し、バックアップRAMは例えばエンジンの停止時に保存すべきデータなどを記憶する。
ECU100には、例えばエンジンのクランク角センサ101、エアフローメータ102、アクセル開度センサ103などの各種センサおよびスイッチなどが接続されるとともに、スロットル弁105、インジェクタ106、点火プラグのイグナイタ107などが接続されている。そして、それら各種センサなどから入力する信号に基づきCPUが、ROMに記憶された制御プログラムやマップを用いて各種の演算処理を実行することにより、エンジンの吸気量、燃料噴射量、点火時期などの制御を行う。
また、本実施の形態においてECU100には、上述したエンジンマウント1のアクチュエータ30も接続されている。エンジンの運転中は、ピストンやコンロッドなどの運動部分の慣性力や不釣合偶力による振動の他に、その慣性力に起因するトルク変動(以下、慣性力起因トルク変動ともいう)や各気筒における間欠的な燃焼に起因するトルク変動(以下、燃焼起因トルク変動ともいう)によっても振動が生じるが、本実施の形態においてECU100は、それらのトルク変動による振動を減殺するようにアクチュエータ30を制御する。
そのためにECU100は、図1には模式的に示すように、エンジンの定常運転状態におけるエンジン回転数に対応付けて、慣性力起因トルク変動の波形を設定した第1の変動波形マップM1(第1のトルク変動記憶手段)と、エンジンの定常運転状態における負荷率および回転数に対応付けて、同様に燃焼起因トルク変動の波形を設定した第2の変動波形マップM2(第2のトルク変動記憶手段)とを備えている。なお、それらのトルク変動の波形は、適用するエンジンを用いた実験やシミュレーションなどによって予め求められ、マップはECU100のROMに記憶されている。
そして、エンジンの運転中には基本的に前記2つの変動波形マップM1,M2を参照して、慣性力起因トルク変動および燃焼起因トルク変動を合成するとともに、この合成したトルク変動による振動を打ち消すような防振振動波形を、マップM4を参照して算出し、これに基づいて生成した駆動信号をアクチュエータ30に出力する。これにより、エンジンの定常運転状態であれば、慣性力起因トルク変動および燃焼起因トルク変動による振動を減殺するような防振振動波形が生成され、アクチュエータ30の発生する防振振動によってエンジンからの振動が好適に減殺されるようになる。
しかしながら、一般的に自動車に搭載されているエンジンは運転者の操作に応じて負荷率および回転数が広い範囲で変化するものであり、例えばアクセル開度の急増する急加速時など過渡運転状態では、一時的に負荷率およびエンジン回転数の変化が大きくなる。そして、このときには燃焼起因トルク変動の位相が定常運転状態から大きくずれてしまうことから、前記のように適切な防振振動を発生させることができなくなる。
そのように過渡運転状態において燃焼起因トルク変動の位相が定常運転状態から大きくずれてしまう理由について考察を重ねた結果、本発明の発明者は、燃焼起因トルク変動の位相とエンジンの点火時期との間に相関があることに気付いた。すなわち、図2には一例を示すように、エンジンの点火時期と燃焼起因トルク変動の位相との間にはリニアな関係があり、点火時期が遅角すれば、その分、燃焼起因トルク変動の位相も遅角する。
これは、点火時期の遅角によって、気筒内の混合気の燃焼による筒内圧のピークも遅角することになり、この筒内圧によるトルクのピークも遅角することによると考えられる。そこで、本実施の形態では、エンジンの過渡運転状態における点火時期の定常運転状態との差分に応じて、燃焼起因トルク変動の位相のずれ(以下、位相差ともいう)を補正することにより、防振振動の位相を適切に変更するようにしている。
そのためにECU100は、図1には模式的に示すように、エンジンの点火時期と燃焼起因トルク変動の位相との関係を設定した位相補正マップM3(第3のトルク変動記憶手段)も備えている。なお、点火時期と燃焼起因トルク変動の位相との関係は、適用するエンジンを用いた実験やシミュレーションなどによって予め調べたものである。また、位相補正マップM3も一例としてECU100のROMに記憶されている。
−防振制御の具体的な手順−
以下、ECU100によって実行される防振制御のルーチンについて、エンジン振動の回転2次成分の防振の例を図3のフローチャートを参照して具体的に説明する。なお、このルーチンは一例としてエンジン1の運転中に所定条件が成立している場合に、例えば各気筒毎の上死点前の所定のタイミングなどに開始されて、繰り返し実行される。
まず、スタート後のステップST1では、エンジンの定常運転状態か否か判定する。これは、ECU100のRAMに記憶されている負荷率およびエンジン回転数のデータを読み込み、その両方の変化量がそれぞれ予め設定した閾値よりも小さな状態が、予め設定したサイクル数、継続しているか否かによって判定する。なお、エンジン回転数はクランク角センサ101からの信号に基づいて算出され、負荷率は、エアフローメータ102からの信号に基づいて算出された吸気量と、エンジン回転数とから算出されて、それぞれ所定数の燃焼サイクルに亘るデータとしてRAMに記憶されている。
そして、エンジンが定常運転状態ではないと否定判定(NO)すれば、後述のステップST6に進む一方、定常運転状態であると肯定判定(YES)すれば、以下のステップST2〜ST5の処理に進む。エンジンの定常運転状態では、その負荷率および回転数に応じて変動波形マップM1,M2およびマップM4を参照し、エンジンのトルク変動(慣性力起因トルク変動および燃焼起因トルク変動)による振動を打ち消すような防振振動波形を算出することができる。
すなわち、まずステップST2において、エンジンの負荷率および回転数に基づいて第2の変動波形マップM2を参照し、燃焼起因トルク変動の波形を算出する。この波形は、エンジン回転2次成分であれば、その振幅Aおよび位相αを用いて正弦波:Fg = Asin(2θ+α) として表すことができる(例えば、所定の位相変化毎の数値Fgn(n=1〜m)の集合体として第2の変動波形マップM2に設定されている)。
続いてステップST3でも同様に、エンジンの負荷率および回転数に基づいて第1の変動波形マップM1を参照し、慣性力起因トルク変動の波形を算出する。この波形は、エンジン回転2次成分であれば、その振幅Bおよび位相βを用いて正弦波:Fi = Bsin(2θ+β) として表すことができる(例えば、所定の位相変化毎の数値Fin(n=1〜m)の集合体として第2の変動波形マップM2に設定されている)。
そして、ステップST4に進んで、前記2つのトルク変動の波形を合成し、エンジンのトルク変動波形:Fg+Fi = Csin(2θ+γ) を算出した後に、マップM4を参照して振動波形: C’sin(2θ+γ’) を算出し、これを打ち消すような防振振動波形: −C’sin(2θ+γ’) を算出する。そして、ステップST5において前記の防振振動が発生するように、エンジンマウント1のアクチュエータ30へ通電制御を行う。すなわち、防振振動波形をデューティ比のパルス信号に変換して増幅回路に出力し、ここで電流値に変換してアクチュエータ30のソレノイドコイル31に出力して、ルーチンを終了する(エンド)。
つまり、エンジンの定常運転状態であれば、第1および第2の変動波形マップM1,M2並びにマップM4を参照して演算される防振振動波形によって、アクチュエータ30に防振振動を発生させることにより、慣性力起因トルク変動および燃焼起因トルク変動による振動を減殺して、エンジン振動の車体への伝達を好適に抑制することができる。
これに対し、前記ステップST1において定常運転状態にないと否定判定(NO)してステップST6に進んだとき、即ちエンジンの過渡運転状態においては、まず、前記ステップST2と同様にして燃焼起因トルク変動の波形を算出する。続いてステップST7において、エンジンの現在の点火時期(制御値)と定常運転状態での目標点火時期との差分を算出する。
そして、その点火時期の差分に基づいてステップST8では、ROMに記憶されている位相補正マップM3を参照して、燃焼起因トルク変動の位相差(位相のずれ)を算出し、この位相差を用いてステップST9では、燃焼起因トルク変動の位相αを補正する。すなわち、点火時期が定常運転状態に比べて進角側になっていれば、燃焼起因トルク変動の位相αを位相差の分、進角させる一方、点火時期が遅角側になっていれば、燃焼起因トルク変動の位相αを遅角させる。
続いてステップST10において、前記ステップST3と同様にして慣性力起因トルク変動の波形を算出し、その後、前記のステップS4、ステップS5に進んで、2つの波形を合成した波形:Fg+Fi = Csin(2θ+γ) による振動を、マップM4を参照して算出し、これを打ち消すような防振振動波形が発生するように、エンジンマウント1のアクチュエータ30へ通電制御を行って、ルーチンを終了する(エンド)。
つまり、エンジンの過渡運転状態においては、定常運転状態との点火時期の差分に応じて燃焼起因トルク変動の位相差を算出し、これによって補正した上で防振制御波形を算出するようにしているので、この防振制御波形に基づいてアクチュエータ30を制御することにより、それが発生する防振振動の位相を適切に変更して、エンジン振動を効果的に減殺することができる。
前記図3のフローのステップST6〜ST10の後に、ステップST4、ST5を実行することによってECU100は、エンジンの過渡運転状態において、第1および第2の変動波形マップM1,M2にそれぞれ設定されている慣性力起因トルク変動および燃焼起因トルク変動の振幅および位相に基づいて、エンジンマウント1のアクチュエータ30を制御する防振制御手段を構成する。この防振制御手段は、燃焼起因トルク変動の位相差を加味して、アクチュエータ30を制御するものである。
また、ECU100は、ステップST7を実行することによって、エンジンの過渡運転状態において、現在の点火時期と定常運転状態での目標点火時期との差分を算出する点火時期差分算出手段を構成し、ステップST8を実行することによって、算出した点火時期の差分に基づき位相補正マップM3を参照して、燃焼起因トルク変動の位相差(位相のずれ)を算出する位相差算出手段を構成する。
以上、説明したように本実施の形態の防振制御装置によると、エンジンマウント1に付設したアクチュエータ30によって防振振動を発生させる場合に、まず、エンジンの負荷率および回転数に基づき、第1および第2の変動波形マップM1,M2並びにマップM4を参照して、エンジンのトルク変動による振動を打ち消すような防振振動を発生させる。これにより、定常運転状態においてエンジン振動を減殺し、車体への振動伝達を好適に抑制することができる。
また、エンジンの過渡運転状態においては一時的に点火時期が補正されて、燃焼状態が変化することによって、燃焼起因トルク変動の位相が変化することがあるが、これに対応して定常運転状態との点火時期の差分に基づき、位相補正マップM3を参照して位相差が算出され、これによって燃焼起因トルク変動の位相が補正される。これにより、過渡運転状態においては、点火時期の変化による燃焼起因トルク変動の位相のずれを反映するようにアクチュエータ30が制御され、発生する防振振動によって車体への振動伝達を好適に抑制することができる。
−他の実施の形態−
上述した実施の形態では、エンジンマウント1のアクチュエータ30をエンジン制御用のECU100によって制御し、エンジンのトルク変動に起因する振動を減殺するようにしているが、これに限らず、エンジン制御用のECU100とは別のECUによってアクチュエータ30を制御するようにしてもよいし、トルク変動による振動だけでなく、エンジンの運動部分の慣性力や不釣り合い偶力による振動も減殺するように、アクチュエータ30を制御するようにしてもよい。
また、前記実施の形態では、いわゆる液体封入式のエンジンマウント1にアクチュエータ30を付設した場合について説明したが、これにも限定されない。例えばマウント本体10には液室21,22が設けられておらず、本体ゴム11などを加振するようにアクチュエータが設けられていてもよい。
さらに、前記実施の形態では、自動車に搭載されたガソリンエンジンのエンジンマウント1に本発明を適用した場合について説明したが、これにも限定されず、本発明は、例えばディーゼルエンジンやアルコールエンジン、ガスエンジンなどのエンジンマウントに適用することもでき、また、自動車以外の車両のエンジンマウントに適用することも可能である。
本発明は、いわゆるアクティブコントロールマウントの制御によって、エンジンの定常運転状態だけでなく過渡運転状態においても車体への振動伝達を好適に抑制できるものであり、例えば自動車のエンジンマウントに適用して効果が高い。
1 エンジンマウント
30 アクチュエータ
100 ECU(防振制御手段、点火時期差分算出手段、位相差算出手段)
M1 第1の変動波形マップ(第1のトルク変動記憶手段)
M2 第2の変動波形マップ(第2のトルク変動記憶手段)
M3 位相補正マップ(第3のトルク変動記憶手段)

Claims (1)

  1. エンジンのトルク変動に起因する振動を減殺するように、エンジンマウントに付設されたアクチュエータを制御するエンジンの防振制御装置であって、
    定常運転状態におけるエンジンの運動部分の慣性力に起因するトルク変動の振幅および位相が、エンジン回転数に対応付けて設定されている第1のトルク変動記憶手段と、
    定常運転状態におけるエンジンの間欠的な燃焼に起因するトルク変動の振幅および位相が、エンジンの負荷率および回転数に対応付けて設定されている第2のトルク変動記憶手段と、
    前記第1および第2のトルク変動記憶手段にそれぞれ設定されているトルク変動を合成し、その振幅および位相に基づいて、前記アクチュエータを制御する防振制御手段と、
    前記燃焼に起因するトルク変動の位相が点火時期に対応付けて設定されている第3のトルク変動記憶手段と、
    エンジンの過渡運転状態において、現在の点火時期と定常運転状態での目標点火時期との差分を算出する点火時期差分算出手段と、
    前記点火時期の差分に基づき前記第3のトルク変動記憶手段を参照して、前記燃焼に起因するトルク変動の位相のずれを算出する位相差算出手段と、を備え、
    前記防振制御手段は、前記燃焼に起因するトルク変動の位相のずれを加味して、前記アクチュエータを制御することを特徴とするエンジンの防振制御装置。
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