JP2009040238A - 内燃機関の懸架装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】混合気の爆発によって生じる「爆発一次成分及び爆発一次成分以外の成分」を含む機関の振動により車体の特定箇所に生じる振動、を効果的に低減すること。
【解決手段】エンジントルク推定部40Aは、各気筒に備えられた筒内圧センサ41a〜41dにより検出される各気筒の筒内圧Pc1〜Pc4に基いて機関が発生するトルクTqを推定する。特定箇所振動推定部40Bは、そのトルクTqを用いてアクティブマウント装置及びパッシブマウント装置のそれぞれに入力される力の大きさ及び位相を求め、その求めた各力の大きさ及び位相と各マウント装置から特定箇所までの振動の伝達関数とに基いて特定箇所の振動a(ω)を推定する。目標決定部40Cは振動a(ω)と同じ大きさであって逆位相の振動である目標振動と、アクティブマウント装置から特定箇所までの振動の伝達関数の逆関数と、からアクティブマウント装置が発生すべき目標力を求める。
【選択図】 図6

Description

本発明は、内燃機関を車体に懸架(支持)する内燃機関の懸架装置に関する。
従来から、内燃機関を車体に懸架するためのエンジンマウント装置(以下、単に「マウント装置」と称呼する。)に力(加振力)を発生させる機能を付与し、機関の振動に起因して車体に発生する振動をそのマウント装置に力を発生させることによって抑制する内燃機関の懸架装置が知られている。このように積極的に加振力を発生するマウント装置は、アクティブマウント装置(アクティブ・コントロール・マウント及び能動型マウント装置)とも称呼される。一方、積極的に加振力を発生する機構を備えないマウント装置はパッシブマウント装置(受動型マウンド装置)とも称呼される。
このようなアクティブマウント装置を備えた従来の懸架装置の一つは、機関の回転検出センサと車両の特定箇所(例えば、シート位置)に配設された振動センサとを備えている。その懸架装置は、回転検出センサによって取得される機関の回転と同期したパルス信号(例えば、イグニッションパルス信号)を、フィルタを利用する適応制御システムによって処理し、その処理結果に基いてアクティブマウント装置に加振力を発生させる。このとき、適応制御システムは、振動センサによって得られる観測値に基いて前記フィルタの係数を変化させる。これによれば、車両の特定箇所に生じる機関のアイドリングの周波数に相当する低周波数の振動を低減することができる(例えば、特許文献1を参照。)。
特開2005−132140(請求項3、図10等)
上記従来の懸架装置は、機関の回転と同期したイグニッションパルス信号に基いてアクティブマウント装置の加振力を制御しているので、機関の回転に同期した振動、即ち、混合気の爆発によって生じる振動の一次成分を低減することができる。しかしながら、混合気の爆発によって生じる振動は、一次成分以外の成分(即ち、爆発の一次成分よりも高い高次成分及び/又は不正燃焼等による爆発の一次成分よりも低い低次成分等)を含んでいるから、従来の懸架装置はそのような一次成分以外の成分を有する振動を十分に低減することができないという問題を有している。
本発明の内燃機関の懸架装置は、上記課題に対処するために為されたものであって、
「弾性部」と「駆動信号に応答して同弾性部に力を加える力発生部」とを有するとともに内燃機関と車体との間に介装されることにより同機関を同車体に対し支持するアクティブマウント装置と、
弾性部を有するとともに前記機関と前記車体との間に介装されることにより同機関を同車体に対し支持するパッシブマウント装置と、
を備える。
本発明の懸架装置のように、懸架装置がアクティブマウント装置とパッシブマウント装置とを備える場合、車体の特定箇所にはアクティブマウント装置を通して機関から特定箇所に伝達される力及びパッシブマウント装置を通して機関から特定箇所に伝達される力によって加速度(振動)が生じる。そこで、本発明の懸架装置は、車体の特定箇所における加速度を推定するために、第1入力推定手段と、第1振動推定手段と、第2入力推定手段と、第2振動推定手段と、第3振動推定手段と、を備える。
前記第1入力推定手段は、前記機関から前記アクティブマウント装置に加えられる力の周波数領域における大きさ及び位相を取得する。
前記第1振動推定手段は、前記推定された前記アクティブマウント装置に加えられる力の周波数領域における大きさ及び位相と、同アクティブマウント装置から前記車体の特定箇所までの振動の伝達関数と、に基いて、同アクティブマウント装置を通して同特定箇所に伝達される力によって同特定箇所に生じる第1加速度の周波数領域における大きさ及び位相を推定する。
第2入力推定手段は、前記機関から前記パッシブマウント装置に加えられる力の周波数領域における大きさ及び位相を取得する。
第2振動推定手段は、前記推定された前記パッシブマウント装置に加えられる力の周波数領域における大きさ及び位相と、同パッシブマウント装置から前記車体の特定箇所までの振動の伝達関数と、に基いて、同パッシブマウント装置を通して同特定箇所に伝達される力によって同特定箇所に生じる第2加速度の周波数領域における大きさ及び位相を推定する。
前記第3振動推定手段は、前記推定された第1加速度の周波数領域における大きさ及び位相と、前記推定された第2加速度の周波数領域における大きさ及び位相と、に基いて前記アクティブマウント装置を通して前記特定箇所に伝達された力及び前記パッシブマウント装置を通して同特定箇所に伝達された力の両方によって前記特定箇所に生じる加速度の周波数領域における大きさ及び位相を推定する。
このように前記第3推定手段によって求められる特定箇所の加速度(振動)は、機関の爆発によって生じる機関の振動の総ての成分(一次成分、及び、高次成分と低次成分とを含む一次成分以外の成分)を反映した値となる。従って、求められた加速度と同じ大きさで逆位相の加速度を特定箇所に発生させることができれば、その特定箇所の振動を効果的に抑制することができる。
そこで、本発明の懸架装置は、更に、
前記第3振動推定手段により推定された前記特定箇所に生じる加速度の周波数領域における大きさと同じ大きさを有し且つ同第3振動推定手段により推定された同特定箇所に生じる加速度の位相と逆の位相を有する目標加速度を同特定箇所に発生させるように、同目標加速度の周波数領域における大きさ及び位相と、前記アクティブマウント装置から同特定箇所までの振動の伝達関数の逆伝達関数と、に基いて同アクティブマウント装置に発生させるべき目標力を決定し、同決定された目標力を同アクティブマウント装置に発生させるための駆動信号を同アクティブマウント装置に送出する制御手段、を備える。
この結果、機関の回転に伴って特定箇所に生じる加速度(振動)が、アクティブマウント装置が発生する力に基いて特定箇所に生じる加速度(振動)により相殺されるので、特定箇所の振動を効果的に低減することができる。
この場合、前記内燃機関の懸架装置は、
前記機関が発生するトルクを取得するトルク取得手段を備え、
前記第1入力推定手段は、前記取得されたトルクに基いて前記アクティブマウント装置に加えられる力の周波数領域における大きさ及び位相を取得するように構成され、
前記第2入力推定手段は、前記取得されたトルクに基いて前記パッシブマウント装置に加えられる力の周波数領域における大きさ及び位相を取得するように構成されることが好適である。
発明者は、機関が発生するトルクと、アクティブマウント装置及びパッシブマウント装置のそれぞれに機関から加えられる力の周波数領域における大きさ及び位相と、は所定の関係を有するとの知見を得た。従って、上記構成によれば、アクティブマウント装置及びパッシブマウント装置のそれぞれに加えられる力の周波数領域における大きさ及び位相を、機関の発生するトルクに基いて比較的容易に取得することができる。
この場合、前記トルク取得手段は、前記機関の筒内圧を検出する筒内圧センサを含み、同検出された筒内圧に基いて前記機関が発生するトルクを取得するように構成されることが好適である。
筒内圧と機関が発生するトルクとの間には所定の関係が成立する。従って、上記構成によれば、筒内圧センサによって検出される筒内圧に基いて機関が発生するトルクを精度良く取得することができる。この結果、機関が発生するトルクを用いて求められることになる目標力が精度良く求められるので、特定箇所の振動を一層抑制することが可能となる。
一方、前記機関が吸入空気量を増減するとともに同吸入空気量に応じた燃料を燃焼室に供給する形式の機関である場合、
前記トルク取得手段は、
前記機関に吸入される空気の挙動を物理法則に則って表す空気モデルに基いて同機関の吸入空気量を推定する吸入空気量推定手段と、
前記空気モデルに基いて前記燃焼室内のガス温度を推定する筒内ガス温度推定手段と、
前記機関の運転状態量に基づいて同機関の筒内残留ガス量を推定する筒内残留ガス量推定手段と、を含み、
前記推定された吸入空気量に基いて前記機関の発生するトルクを基本トルクとして推定するとともに、前記推定された燃焼室内のガス温度及び前記推定された筒内残留ガス量に基づいてトルク低下分を推定し、同推定された基本トルクから同推定されたトルク低下分を減じた値を前記機関が発生するトルクとして取得するように構成されることも好適である。
機関が吸入空気量を増減するとともに同吸入空気量に応じた燃料を燃焼室に供給する形式の機関である場合、機関が発生するトルクは吸入空気量に大きく依存する。従って、前記空気モデルを用いて推定される吸入空気量に基いて基本トルク(機関が発生するトルクに略等しいトルク)を求めることができる。一方、筒内残留ガス量が、前記基本トルクを求めるときに前提としている筒内残留ガス量と相違すると、実質的な燃焼タイミングが変化する。その結果、機関が発生するトルクも変動する。更に、燃焼室内のガス温度が高くなるとノッキングが発生するため、機関が発生するトルクも変動する。
従って、上記構成においては、筒内残留ガス量と燃焼室内のガス温度とを推定し、それらに基いて基本トルクからのトルク低下分を求め、そのトルク低下分を基本トルクから減じることにより「機関が発生するトルク」を取得する。これにより、機関が発生するトルクをより精度よく推定することができる。この結果、機関が発生するトルクを用いて求められることになる目標力が精度良く求められるので、特定箇所の振動を一層抑制することが可能となる。なお、筒内残留ガス量推定手段が機関の筒内残留ガス量を推定する際に使用する「機関の運転状態量」は、吸気弁開弁時期、吸気弁閉弁時期、排気弁開弁時期及び排気弁閉弁時期等を含む筒内残留ガス量を決定付ける機関の運転状態量である。
以下、本発明に係る内燃機関の懸架装置の各実施形態について図面を参照しながら説明する。
(第1実施形態)
第1実施形態に係る内燃機関の懸架装置(以下、「第1懸架装置」と称呼する。)は、図1及び図2に示した内燃機関10を車体20に懸架(支持)するようになっている。機関10は、本例において、車体20に対して所謂「横置き」されている。但し、本発明は「縦置き」された機関にも当然に適用することができる。
機関10は、火花点火式・4サイクル・ガソリン燃料噴射式・4気筒の周知の内燃機関である。機関10の概略構造図である図3に示したように、機関10はスロットルバルブ10a、スロットルバルブアクチュエータ10b、インジェクタ10c、点火プラグ10e、吸気弁10f、吸気弁駆動装置10g及び排気弁10h等を備える。
機関10の吸入空気量は、スロットルバルブ10aの開度をスロットルバルブアクチュエータ10bによって変更することにより増減される。インジェクタ10cから噴射される燃料が燃焼室10dに供給される。燃焼室10dへの燃料供給量は、インジェクタ10cからの燃料噴射量に応じて変化する。燃料噴射量は吸入空気量に応じて変更される。即ち、機関10に供給される混合気の空燃比は一定(例えば、理論空燃比)に維持される。燃焼室10dに形成された混合気は点火プラグ10eが発生する火花により点火・燃焼する。点火時期は機関10の運転状態量(例えば、吸入空気量及び機関回転速度)に基いて定められる。これにより、機関10が発生するトルクは、吸入空気量に応じて変更される。吸気弁10fは吸気弁駆動装置10gにより駆動される。吸気弁駆動装置10gは、吸気弁10fの開弁タイミングIO及び閉弁タイミングICを変更できるようになっている。排気弁10hは図示しない周知の排気カムシャフト等により駆動される。なお、本発明が適用される機関は、他の形式の内燃機関(例えば、ディーゼルエンジン及び予混合均質圧縮自着火式内燃機関等)であってもよい。また、気筒数は「4」に限定されない。
図1及び図2を再び参照すると、トランスミッション11は機関10と固定されている。トランスミッション11及び機関10は一体となり車体20に懸架されている。従って、以下において、機関10及びトランスミッション11を、車体20に懸架される「機関」と呼ぶ場合がある。
図2に示したように、機関は、1個の(単一の)アクティブマウント装置31と3個の(複数の)パッシブマウント装置32、33及び34により車体20に支持(懸架)されている。マウント装置31、32、33及び34は、エンジンコンパートメント内において車体20の中央部後方側、左側、中央部前方側及び右側にそれぞれ配置されている。なお、本発明が適用される懸架装置は、少なくとも一つのアクティブマウント装置と少なくとも一つのパッシブマウント装置を備えていればよい。
アクティブマウント装置31は、図4に示したように、機関10の一部と車体20の一部との間に介装され、機関10と車体20とを接続することにより、機関10を車体20に支持するようになっている。マウント装置31は、力発生部(加振力発生源)31a及び弾性部31bを備えている。
力発生部31aは、弾性部31bと車体20との間に介装された力発生源としての圧電素子の積層体を含んでいる。力発生部31aは、その圧電素子の積層体に電圧が付与されることにより上下方向に伸縮する。これにより、力発生部31aは、弾性部31bに上下方向の力を加えるようになっている。換言すると、力発生部31aは、図5に示したように、力発生部31aに付与される電圧が大きくなるほど大きくなる力を車体20に付与するようになっている。なお、このような力発生部31aを備えるアクティブマウント装置は、例えば、特開平6−183268号公報及び特開平6−183269号公報等に詳細に開示されている。また、力発生源は、プランジャと、そのプランジャを上下方向に移動せしめるソレノイドコイルと、からなっていてもよい。更に、力発生源は、DCモータ等のモータであってもよい。
弾性部31bはゴム等の弾性部材からなる。弾性部31bは接続部材31cと接続され、接続部材31cから上下方向の力を受けるようになっている。なお、弾性部31bは、液体及びゴムからなる液封タイプの弾性部であってもよい。接続部材31c及びエンジンマウントブラケット31dは金属からなる。接続部材31cはボルト31eによってエンジンマウントブラケット31dの一端に固定されている。エンジンマウントブラケット31dの他端は機関10に固定されている。
パッシブマウント装置32は、図示しない弾性部材(弾性部)及びエンジンマウントブラケットを備えている。そのエンジンマウントブラケットの一端は機関に固定され、他端は弾性部材の一部に接続されている。弾性部材の他部は車体20に固定されている。この構造により、パッシブマウント装置32は弾性部材を介して機関を車体20に支持(懸架)している。パッシブマウント装置33及び34のそれぞれは、パッシブマウント装置32と同様の構造を備え、弾性部材を介して機関を車体20に支持している。これらのパッシブマウント装置は、ゴムと、ゴムにより形成された密閉空間に封入された液体と、からなる「液封マウント装置」であってもよい。
更に、第1懸架装置は、図3及び図6に示したように、電気制御装置40と、各気筒に設けられた4個の筒内圧センサ41a〜41dと、クランク角センサ42と、を備えている。
電気制御装置40はCPUを含む周知のマイクロコンピュータである。電気制御装置40は、筒内圧センサ41a〜41dと、クランク角センサ42と、アクティブマウント装置31の力発生部31aと、に接続されている。更に、電気制御装置40は、図3に示したように、アクセル操作量センサ43、スロットルバルブアクチュエータ10b、各気筒に対するインジェクタ10c、各気筒に対する点火プラグ10e及び各気筒に対する吸気弁駆動装置10gに接続されている。電気制御装置40は、各センサから受信した信号を処理し、力発生部31a等に駆動信号(電圧)及び指示信号等を付与するようになっている。
筒内圧センサ41a〜41dは、機関10の第1〜第4気筒の燃焼室内の圧力(筒内圧)をそれぞれ検出し、筒内圧Pc1〜Pc4を表す信号を電気制御装置40にそれぞれ送出するようになっている。
クランク角センサ42は、第1気筒の吸気上死点を基準(0度)とした絶対クランク角(0〜720度)を表す信号θを電気制御装置40に送出するようになっている。
アクセル操作量センサ43は、アクセルペダルの開度(加速操作量)を検出し、アクセルペダル操作量を表す信号Accpを電気制御装置40に送出するようになっている。
次に、上記のように構成された第1懸架装置の作動について説明する。電気制御装置40のCPUは図示しないルーチンを実行することにより機能ブロック図である図6に示した各機能を達成する。この結果、CPUは、車体20の特定箇所の振動を低減するための駆動信号を力発生部31aに送出する。車体20の特定箇所は、車体20及び車体20に支持された部材のうちの振動を抑制したい任意の箇所である。本例においては、特定箇所は車体20に回転可能に支持されたステアリングホイールである。特定箇所は、例えば、運転者の座席位置及び助手席の座席位置等であってもよい。
図6に示したように、CPUは図示しないプログラムを実行することにより、エンジントルク推定部40A、特定箇所振動推定部40B及び目標力決定部(制御手段)40Cの機能を実現するようになっている。
エンジントルク推定部40Aは、筒内圧センサ41a〜41dから筒内圧Pc1〜Pc4のそれぞれを取得し、所定の微小時間が経過する毎に機関10が発生するトルク(エンジントルクの瞬時値)Tqを推定するようになっている。
より具体的に述べると、第n気筒(n=1〜4の整数)の筒内圧Pcn及びクランク角θnと、その第n気筒が発生しているトルクTnと、の関係は所定の関係式(筒内圧−トルク変換式)に基いて一義的に求められる。この所定の関係については後に詳述する。
そこで、エンジントルク推定部40Aは、所定の微小時間(サンプリング時間Δt)が経過する毎に、第n気筒が発生しているトルクTnを、その時点の「第n気筒の筒内圧Pcn及びクランク角θn」と「筒内圧−トルク変換式」とに基いて推定する。その後、エンジントルク推定部40Aは、下記の(1)式に示したように、各気筒のトルクTnを足し合わせることにより、所定の微小時間Δtが経過する毎に機関10が発生しているトルクTqを推定する。なお、(1)式における「m」は気筒数(本例においては「4」)である。
Figure 2009040238
この結果、エンジントルク推定部40Aは、機関10が特定の時刻t1から時系列順に発生しているトルクのデータTq(t1)、Tq(t1+Δt)、Tq(t1+2Δt)・・・Tq(t1+NΔt)を取得する。但し「N」は機関10が発生しているトルクを時間軸上で表す値Tq(t)を得るために必要十分な所定値以上の自然数である。
特定箇所振動推定部40Bは、上記エンジントルク推定部40Aが取得した機関10が発生するトルクのデータTq(t1)、Tq(t1+Δt)、Tq(t1+2Δt)・・・Tq(t1+NΔt)に基いて、特定箇所の加速度(振動)a(ω)を算出するようになっている。特定箇所の加速度a(ω)は、特定箇所の加速度を周波数領域における大きさ及び位相により表す。
より具体的に説明すると、特定箇所振動推定部40Bは、図7に示したように、マウント装置入力推定部400、第1加速度算出部401、第2加速度算出部402、第3加速度算出部403、第4加速度算出部404及び加算部405とからなっている。第1〜第4加速度算出部401〜404は、それぞれ第1〜第4振動算出部とも称呼される。
マウント装置入力推定部400は、上記エンジントルク推定部40Aが取得した機関10が発生するトルクのデータTq(t1)、Tq(t1+Δt)、Tq(t1+2Δt)・・・Tq(t1+NΔt)を用いてエンジントルクTq(ω)を求める。エンジントルクTq(ω)はエンジントルクTq(t)を周波数軸上にて表した値である。そして、マウント装置入力推定部400は、後述する運動方程式を利用した理論とエンジントルクTq(ω)とに基いて、マウント装置31の上下方向における変位を取得する。更に、マウント装置入力推定部400は、推定したマウント装置31の上下方向における変位にマウント装置31の弾性部31bの上下方向のバネ定数を乗じることにより、アクティブマウント装置31に加えられる力(従って、アクティブマウント装置31から車体20に入力される力)F31(jω)を推定する。この力(マウント装置入力)F31(jω)は、周波数領域における大きさ及び位相により表される。更に、マウント装置入力推定部400は、同様にして、マウント装置32〜34のそれぞれから車体20に入力される力(マウント装置入力)F32(jω)〜F34(jω)を推定する。
第1加速度算出部401は、第1伝達関数H31にマウント装置入力推定部400によって推定されたマウント装置入力F31(jω)を乗じることにより、アクティブマウント装置31から車体20に入力された力によって車体20の特定箇所に生じる加速度(振動)a31(ω)(即ち、第1加速度の周波数領域における大きさ及び位相)を推定する。第1伝達関数H31は、アクティブマウント装置31から車体20の特定箇所までの振動の伝達関数である。第1伝達関数H31は、マウント装置31に種々の大きさ及び位相を有する力を入力したときの特定箇所の加速度(振動)の大きさ及び位相を予め実測することにより求められている。
第2加速度算出部402は、第2伝達関数H32にマウント装置入力推定部400によって推定されたマウント装置入力F32(jω)を乗じることにより、マウント装置32から車体20に入力された力によって車体20の特定箇所に生じる加速度(振動)a32(ω)(即ち、第2加速度の周波数領域における大きさ及び位相)を推定する。第2伝達関数H32は、マウント装置32から車体20の特定箇所までの振動の伝達関数である。第2伝達関数H32は、第1伝達関数H31と同様に予め求められている。
第3加速度算出部403は、第3伝達関数H33にマウント装置入力推定部400によって推定されたマウント装置入力F33(jω)を乗じることにより、マウント装置33から車体20に入力された力によって車体20の特定箇所に生じる加速度(振動)a33(ω)(即ち、第3加速度の周波数領域における大きさ及び位相)を推定する。第3伝達関数H33は、マウント装置32から車体20の特定箇所までの振動の伝達関数である。第2伝達関数H33は、第1伝達関数H31と同様に予め求められている。
第4加速度算出部404は、第4伝達関数H34にマウント装置入力推定部400によって推定されたマウント装置入力F34(jω)を乗じることにより、マウント装置34から車体20に入力された力によって車体20の特定箇所に生じる加速度(振動)a34(ω)(即ち、第4加速度の周波数領域における大きさ及び位相)を推定する。第4伝達関数H34は、マウント装置34から車体20の特定箇所までの振動の伝達関数である。第4伝達関数H34は、第1伝達関数H31と同様に予め求められている。
なお、第1加速度算出部401は、取得された機関10のトルクTqに基いて推定される「機関10からアクティブマウント装置31に加えられる力F31(jω)の周波数領域における大きさ及び位相」と、アクティブマウント装置31から車体20の特定箇所までの振動の伝達関数(第1伝達関数H31)と、に基いてアクティブマウント装置31を通して同特定箇所に伝達される力によって同特定箇所に生じる第1加速度の周波数領域における大きさ及び位相(即ち、加速度a31(ω))を推定する第1推定手段を構成している。
また、第2加速度算出部402〜第4加速度算出部404のそれぞれは、取得された機関10のトルクTqに基いて推定される「機関10からパッシブマウント装置32〜34のそれぞれに加えられる力の周波数領域における大きさ及び位相(F32(jω)、F33(jω)及びF34(jω)」と、「パッシブマウント装置32〜34のそれぞれから車体20の特定箇所までの振動の伝達関数(H32、H33及びH34)のそれぞれ」と、に基いてパッシブマウント装置32〜34のそれぞれを通して同特定箇所に伝達される力によって同特定箇所に生じる加速度(第2〜第4加速度)の周波数領域における大きさ及び位相(即ち、加速度a32(ω)、加速度a33(ω)及び加速度a34(ω))を推定する第2推定手段を構成している。
加算部405は、第1〜第4加速度算出部401〜404のそれぞれによって推定された加速度a31(ω)〜加速度a34(ω)を加算することにより、特定箇所に生じる加速度の周波数領域における大きさ及び位相(即ち、加速度a(ω))を推定する。即ち、特定箇所の加速度a(ω)は下記の(2)式により求められる。
Figure 2009040238
このように、加算部405は、前記推定された第1加速度の周波数領域における大きさ及び位相と、前記推定された第2〜第4加速度の周波数領域における大きさ及び位相と、に基いてアクティブマウント装置31を通して前記特定箇所に伝達された力及び前記パッシブマウント装置32〜34を通して同特定箇所に伝達された力の総てによって前記特定箇所に生じる加速度の周波数領域における大きさ及び位相(加速度a(ω))を推定する第3推定手段を構成している。
なお、マウント装置入力推定部400は、次のように構成されてもよい。即ち、マウント装置入力推定部400は、図8に示したように、クランク角θが特定クランク角θ0であるときに機関10が発生するトルクTq(エンジントルクの瞬時値)と、機関10からマウント装置31〜34のそれぞれに入力される力(マウント装置入力)F31(jω)、F32(jω)、F33(jω)及びF34(jω)のそれぞれと、の関係を表すデータを、機関10の回転速度NE毎に記憶している。これらのデータにおいて、マウント装置入力F31(jω)、F32(jω)、F33(jω)及びF34(jω)のそれぞれは、図9にマウント装置入力F31(jω)について例示したように、周波数領域における力の大きさ及び位相により表されている。
これらのデータは、機関10の回転速度NEを所定の回転速度に維持し、且つ、クランク角θが特定クランク角θ0であるときに機関10がトルクTqを出力するように機関10の運転状態を調整したとき、マウント装置31〜34のそれぞれに入力される力(マウント装置入力)F31(jω)、F32(jω)、F33(jω)及びF34(jω)を実測することにより予め求められている。マウント装置入力推定部400は、現時点の機関の回転速度NEと、エンジントルク推定部40Aによって推定された「クランク角θが特定クランク角θ0であるときに機関10が発生するトルクTq」と、これらのデータと、に基いて、実際のマウント装置入力F31(jω)、F32(jω)、F33(jω)及びF34(jω)を取得(推定)する。
再び、図6を参照すると、目標力決定部40Cは、特定箇所振動推定部40Bによって推定された特定箇所の加速度a(ω)を入力する。更に、目標力決定部40Cは、周波数領域において加速度a(ω)と大きさが同じであり且つ加速度a(ω)と逆位相(位相が180度相違する位相の)目標加速度atgt(ω)を求める。
図10の(A)は、周波数領域における特定箇所の加速度a(ω)の位相及び目標加速度atgt(ω)の位相を示したグラフである。図10の(B)は、周波数領域における特定箇所の加速度a(ω)の大きさ(ゲイン)及び目標加速度atgt(ω)の大きさ(ゲイン)を示したグラフである。図10の(C)は、加速度a(ω)による特定箇所の振幅(変位)及び目標加速度atgt(ω)による特定箇所の振幅(変位)をそれぞれ時間軸上で表したグラフである。図10の(C)から明らかなように、加速度a(ω)による振幅と目標加速度atgt(ω)による振幅は特定箇所に生じる変位を互いに相殺するように変化する。なお、加速度a(t)と加速度a(ω)との関係、及び、目標加速度atgt(ω)と目標加速度atgt(t)との関係は下記の(3)式により示される。
Figure 2009040238
そして、目標力決定部40Cは、その目標加速度atgt(ω)に第1伝達関数H31の逆伝達関数H−1 31を乗じることにより、アクティブマウント装置31に発生させるべき目標力(目標振動)を決定する。目標力決定部40Cは、決定した目標力をアクティブマウント装置31に発生させるための駆動信号をアクティブマウント装置31に送出する。
このように、目標力決定部40Cは、特定箇所に生じる加速度a(ω)の周波数領域における大きさと同じ大きさを有し且つ同特定箇所に生じる加速度a(ω)の位相と逆の位相を有する目標加速度atgt(ω)を同特定箇所に発生させるように、同目標加速度atgt(ω)の周波数領域における大きさ及び位相と、第1伝達関数H31の逆伝達関数H−1 31と、に基いてアクティブマウント装置31に発生させるべき目標力Ftgt(ω)を決定する。即ち、目標力決定部40Cは、下記(4)式に基いて目標力Ftgt(ω)を求める。
Figure 2009040238
そして、目標力決定部40Cは、その決定された目標力をアクティブマウント装置31に発生させるための駆動信号をアクティブマウント装置31に送出する制御手段を構成している。具体的には、目標力決定部40Cは、目標力Ftgt(ω)を時間軸上の目標力Ftgt(t)に変換し、その目標力Ftgt(t)がアクティブマウント装置31において発生するように、駆動信号をアクティブマウント装置31の力発生部31aに送出する。この結果、特定箇所の振動が効果的に抑制される。
<ある気筒の筒内圧、クランク角及びその気筒が発生しているトルクとの関係>
次に、エンジントルク推定部40AがエンジントルクTqを推定するために採用した「筒内圧−トルク変換式」の一例について述べる。
いま、図11に示したように、ある気筒の筒内圧がPgであるとし、ピストンヘッドの面積がSであるとすると、ピストンに加えられるガス力Fgは下記の(5)式により求められる。
Figure 2009040238
一方、ピストンの往復動(移動)に伴って移動する部材の慣性質量(例えば、ピストン質量にコネクティングロッドの半分の質量を加えた質量)をmp、クランク半径をr、クランク角速度をω(=dθ/dt)、クランク長さをLとすると、クランク角θにおける2次の項までの慣性力Fiは下記の(6)式により求められる。
Figure 2009040238
一方、ピストンに加わる力Fは、下記の(7)式に示したとおりである。
Figure 2009040238
ピストンに加わる力Fは、ピストンの運動方向と直交する向きの力Rと、コネクティングロッドに沿う向きの力Qと、に分解される。コネクティングロッドに沿う向きの力Qは、更に、クランクの方向分力Gと、この分力Gと直交する向きの分力Hと、に分解される。この分力Hがクランクを回転する力である。従って、この気筒のトルクTは下記の(8)式により求められる。更に、分力Hは下記の(9)式により表される。
Figure 2009040238
Figure 2009040238
これらの式(即ち、(5)式〜(9)式からなる「筒内圧−トルク変換式」)に基けば、筒内圧Pgとクランク角θ(及びω=dθ/dt等)とから、ある気筒のトルクTを求めることができる。従って、エンジントルク推定部40Aは、これらの式と、検出される筒内圧Pc1〜Pc4と、各気筒のクランク角θと、エンジン回転速度から求められるクランク角速度ω等と、から各気筒のトルクTnを計算によりもとめ、それらのトルクTnと上記(1)式とからエンジンのトルクTq(エンジントルクの瞬時値)を推定するように構成されている。
なお、θ1を第1気筒におけるクランク角とするとき、第n気筒のクランク角θnは(10)式により求められる。但し、(10)式を適用する場合、第1気筒、第2気筒、第3気筒及び第4気筒の順に点火が行われる。換言すると、各気筒は、気筒の物理的な配列順ではなく、点火の順序に従って何番気筒であるかが定められる。
Figure 2009040238
ところで、エンジントルク推定部40Aは次のように構成されてもよい。即ち、エンジントルク推定部40Aは、クランク角θが特定クランク角θ0(時刻t1)であるとき、筒内圧センサ41a〜41dから筒内圧Pc1〜Pc4を取得する。一方、エンジントルク推定部40Aは、一つの気筒がクランク角θi(0〜720度)であるときの筒内圧Pciと、その気筒が発生しているトルクTiの瞬時値と、の関係を表すテーブル(TableTq)を記憶している。更に、エンジントルク推定部40Aは、取得した筒内圧Pc1〜Pc4のうちの第n気筒(n=1〜4の整数)の筒内圧Pcn及びその第n気筒のクランク角θnと、前記テーブル(TableTq)と、を用いて第n気筒のトルクTn(トルクTnの瞬時値)を推定する。その後、エンジントルク推定部40Aは、各気筒のトルクTnを上記(1)式に従って足し合わせることにより、ある時点t1のトルクTq(t1)を推定する。そして、エンジントルク推定部40Aは、所定の微小時間Δtが経過する毎に、同様にしてトルクTqを推定する。即ち、エンジントルク推定部40Aは、機関10が特定の時刻t1から時系列順に発生しているトルクのデータTq(t1)、Tq(t1+Δt)、Tq(t1+2Δt)・・・Tq(t1+NΔt)を取得する。
<エンジントルクとマウントに加えられる力との関係>
次に、特定箇所振動推定部40Bのマウント装置入力推定部400が、マウント装置31〜34のそれぞれに入力される力(マウント装置入力)F31(jω)〜F34(jω)を求める際に採用した「機関10が発生するトルクとマウント装置入力F31(jω)〜F34(jω)のそれぞれとの関係」について述べる。
いま、機関がある特性の弾性部材により車体20に懸架(支持)されていると仮定する。このとき、機関の重心の変位をベクトル(x)、外力ベクトルを(f)、質量マトリクスを(M)、減衰マトリクスを(C)、バネマトリクスを(K)とすると、下記の(11)に示す運動方程式が成立する。外力ベクトルは機関10自身が発生するトルクに基いて同機関10を振動させようとする力のベクトルである。
Figure 2009040238
ここで質量マトリクス(M)は下記の(12)式のように表される。
Figure 2009040238
減衰マトリクス(C)は下記の(13)式のように表される。
Figure 2009040238
バネマトリクス(K)は下記の(14)式のように表される。
Figure 2009040238
また、機関10が所謂「横置きエンジン」であるから、外力ベクトル(f)は一例として下記の(15)式のように表すことができる。Tqは機関10が発生しているトルクである。
Figure 2009040238
ここで、(11)式により示した運動方程式において、外力ベクトル(f)を周波数の関数f(ω)として表記し、ベクトル(x)を周波数の関数x(ω)として表記する。このとき、x(ω)=sinjωtと仮定し、これを上記(11)式に代入して整理すると下記の(16)式が得られる。この(16)式は複素行列に対する連立一次方程式である。(16)式の解x(ω)が、機関の重心の変位の周波数応答を表す。
Figure 2009040238
上記(16)式の左辺第2項(減衰項)は複素行例となる。従って、(16)式をx(ω)について解くことは複雑な計算を要する。そこで、以下に述べるように(16)式を整理する。即ち、(16)式の右辺のf(ω)は下記の(17)式のように表すことができ、解であるx(ω)は下記の(18)式のように表すことができる。
Figure 2009040238
Figure 2009040238
(17)式及び(18)式を(16)式に代入して得られた式を実部と虚部とに分けると(19)式が得られる。
Figure 2009040238
(19)式の第2式の両辺を虚数jにより除すると、(19)式は実数の方程式として扱うことができる。従って、(19)式は下記の(20)式のように記述することができる。
Figure 2009040238
(20)式は単純な連立一次方程式である。従って、(20)式にf(ω)を与えることによりx(ω)を求めることができる。但し、このx(ω)は機関の重心位置における変位ベクトルである。従って、x(ω)に対して、この重心位置とマウント装置31〜34の位置のそれぞれとの関係を用いて座標変換処理を施すことにより、各マウント装置31〜34の変位(周波数軸上で表された変位)を推定することができる。なお、この座標変換処理においては、機関の重心のx軸、y軸及びz軸のそれぞれに沿った並進運動は、各マウント装置31〜34のx軸、y軸及びz軸のそれぞれに沿った並進運動として表れるとの前提が用いられる。更に、この座標変換処理においては、機関の重心のx軸、y軸及びz軸のそれぞれの軸周りの回転運動は、機関の各軸の周りの回転角と、機関とマウント装置31〜34のそれぞれとの距離と、に応じた量(変位)が、各マウント装置31〜34のx軸、y軸及びz軸の何れか軸に沿った並進運動に変換されるとの前提を用いる。
従って、マウント装置31〜34のそれぞれに加わる力(この力は、マウント装置31〜34のそれぞれから車体20に加わる力でもある。)は、このように求められるマウント装置31〜34の変位のうちの上下方向の変位に、マウント装置31〜34の上下方向のバネ定数をそれぞれ乗じることによって推定することができる。
マウント装置入力推定部400は、これらの式に従って、機関10が発生するトルクTq(即ち、トルクの複数のデータTq(t1)、Tq(t1+Δt)、Tq(t1+2Δt)・・・Tq(t1+NΔt)から得られるTq(t)、従って、Tq(ω))を用いることによりマウント装置31〜34のそれぞれに加えられる力(F31(jω)〜F34(jω))の周波数領域における大きさ及び位相を推定する。
(第2実施形態)
第2実施形態に係る内燃機関の懸架装置(以下、「第2懸架装置」と称呼する。)は、エンジントルクTqの時間的な変化を示すTq(t)を第1懸架装置とは相違する手段により推定する点のみにおいて、第1懸架装置と相違している。従って、以下、係る相違点について説明する。
図12に示したように、第2懸架装置の電気制御装置40は、第1懸架装置のエンジントルク推定部40Aに代わるエンジントルク推定部40Dと、制御量決定部40Eと、を備えている。
エンジントルク推定部40Dは、吸入空気量推定部40D1、基本トルク推定部40D2、筒内残留ガス量推定部40D3、筒内ガス温度推定部40D4、トルク低下分推定部40D5及び減算部40D6を備えている。
吸入空気量推定部40D1は、何れも本出願人により出願された出願の公開公報である、特開2007−16660号公報、特開2006−194107号公報及び特開2003−184613号公報等によって周知である「機関に吸入される空気の挙動をエネルギー保存則、運動量保存則及び質量保存則等の物理法則に則って表す空気モデル(物理モデル)」を使用して機関10の吸入する空気量(筒内吸入空気流量)Mcを推定するようになっている。
一方、制御量決定部40Eは、吸入空気量推定部40D1により推定された筒内吸入空気量Mc、図3に示したアクセル操作量センサ43からの信号及びクランク角センサ42から得られるクランク角θの時間的変化率である機関回転速度等に基いて機関10の各種制御量(目標スロットルバルブ開度、燃料噴射量Fi、点火時期θig、吸気弁開弁タイミングIO及び吸気弁閉弁タイミングIC等)を決定するようになっている。制御量決定部40Eは、決定した各種制御量をスロットルバルブアクチュエータ10b、インジェクタ10c、点火プラグ10e及び吸気弁駆動装置10gに送出するようになっている。
基本トルク推定部40D2は、筒内吸入空気量Mcと、機関回転速度と、機関10が発生するトルクの基本値(以下、「基本トルクTqb(t)」と称呼する。)」と、の関係を規定した変換テーブルを備えている。この変換テーブルは、吸気弁開弁タイミングIO及び吸気弁閉弁タイミングICのそれぞれが所定のタイミングであること(即ち、機関10の筒内残留ガス量が所定の値であること)を前提として作成されている。変換テーブルにおける基本トルクTqb(t)は、所定期間、例えば、機関10の1サイクル分(クランク角が720度変化する期間)におけるエンジントルクTqの波形変化を表すデータ群からなっている。
そして、基本トルク推定部40D2は、吸入空気量推定部40D1により推定された筒内吸入空気量Mcと、クランク角センサ42から得られるクランク角θの時間的変化率である機関回転速度と、前記変換テーブルと、に基いて基本トルクTqb(t)を推定するようになっている。
一方、筒内残留ガス量推定部40D3は、吸気弁開弁タイミングIO及び吸気弁閉弁タイミングICと、筒内残留ガス量EGRと、の関係を規定した筒内残留ガス量マップを備えている。そして、筒内残留ガス量推定部40D3は、制御量決定部40Eから吸気弁開弁タイミングIO及び吸気弁閉弁タイミングICを取得し、取得した吸気弁開弁タイミングIO及び吸気弁閉弁タイミングICに基いて実際の筒内残留ガス量EGRを推定するようになっている。
筒内ガス温度推定部40D4は、吸入空気量推定部40D1が用いる空気モデルから燃焼室内のガスの温度Tcを取得するようになっている。
トルク低下分推定部40D5は、実際の筒内残留ガス量EGR及び燃焼室内のガスの温度Tcと、基本トルクTqb(t)のトルク低下分ΔTqと、の関係を規定するトルク低下分マップを備えている。そして、トルク低下分推定部40D5は、筒内残留ガス量推定部40D3によって取得された実際の筒内残留ガス量EGRと筒内ガス温度推定部40D4によって取得された燃焼室内のガスの温度Tcとトルク低下分マップとに基いて実際のトルク低下分ΔTqを推定する。
減算部40D6は基本トルク推定部40D2により推定された基本トルクTqb(t)からトルク低下分推定部40D5により推定されたトルク低下分ΔTqを減じることよりエンジントルクTq(t)を取得する。そして、第2懸架装置は、第1懸架装置と同様、エンジントルクTq(t)を用いて特定箇所振動推定部40B及び目標力決定部40Cにより目標力Ftgt(ω)を求め、力発生部31aが目標力Ftgt(ω)を発生するように力発生部31aに駆動信号を送出する。
機関10が発生するトルクは吸入空気量Mcに大きく依存する。従って、前記空気モデルを用いて推定される吸入空気量Mcに基いて求められる基本トルクTqb(t)は機関10が発生しているトルクを精度良く表す。一方、筒内残留ガス量が、前記基本トルクTqb(t)を求めるときに前提としている筒内残留ガス量と相違すると、実質的な燃焼タイミングが変化する。その結果、機関が発生するトルクが変化する。更に、燃焼室内のガス温度Tcが高くなるとノッキングが発生するため、機関が発生するトルクが低下する。
従って、第2懸架装置においては、上述したように、吸気弁開弁タイミングIO及び吸気弁閉弁タイミングICに基いて筒内残留ガス量EGRを推定し、空気モデルを用いて燃焼室内のガス温度Tcを推定し、推定された筒内残留ガス量EGR及び燃焼室内のガス温度Tcに基いて「基本トルクTqb(t)からのトルク低下分ΔTq」を求める。そして、そのトルク低下分ΔTqを基本トルクTqb(t)から減じることにより「機関が発生するトルクTq(t)」を取得する。これにより、筒内残留ガス量及び/又は燃焼室内のガス温度Tcが変動した場合であっても、機関が発生するトルクTq(t)をより精度よく求めることができる。この結果、機関10が発生するトルクTq(t)を用いて求められることになる目標力が精度良く求められるので、特定箇所の振動を一層抑制することが可能となる。
(その他の懸架装置)
その他の懸架装置として、次に述べる懸架装置も車体に生じる振動を効果的に抑制することができる。この懸架装置は、マウント装置31〜34の総てをアクティブマウント装置に置換する。次に、この懸架装置は、上述した第1及び第2懸架装置と同様の手法により各マウント装置の変位(上下方向の変位)を推定する。
更に、この懸架装置は、周波数領域において表されたマウント装置のそれぞれの変位の大きさと同じ大きさであって同変位の位相と逆の位相を有する変位(目標変位)をマウント装置のそれぞれに発生させるように、マウント装置のそれぞれが発生するべき力(目標力)を決定する。換言すると、この懸架装置は、マウント装置入力F3m(jω)(mは1〜4の整数)の大きさと同じ大きさを有し且つマウント装置入力F3m(jω)と逆位相の力をアクティブマウント装置3mが発生すべき目標力として求める。そして、この懸架装置は、マウント装置のそれぞれが前記決定されたそれぞれの目標力を発生するように、マウント装置のそれぞれに駆動信号を送出する。
これによれば、機関10の運転によって生じるマウント装置のぞれぞれの変位(マウント装置のそれぞれに機関10から入力される力)がマウント装置のそれぞれが発生する力に基く変位によって相殺される。従って、機関から車体20に振動が伝達されない。この結果、車体20の特定箇所を含む車体20全体の振動を抑制することができる。
以上、説明したように、本発明による懸架装置の各実施形態によれば、少なくとも車体20の特定箇所における振動を効果的に抑制することができる。また、上記従来の懸架装置のように新たな振動センサ等を必ずしも必要としないので、懸架装置のコストの高騰を抑制することもできる。
本発明は上記各実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。例えば、上記第2実施形態(第2懸架装置)においては、機関10の吸入空気量及び筒内ガス残留推定量に基いて機関10が発生するトルクを推定していたが、更に、機関10の点火時期及び/又は空燃比にも基いて機関10が発生するトルクを推定してもよい。更に、その場合、トランスミッション11のシフト位置(例えば、D、R、N、Pレンヂ等)及び/又は補機負荷(エアコンディショニングのコンプレッサの稼動状態、ヘッドライト等の電気負荷、及び/又はオルタネータの発電状況)等、機関10に加わる負荷状況を表す値に基いて機関10が発生するトルクをより精度良く推定してもよい。
本発明の第1実施形態に係る内燃機関の懸架装置を搭載した車両の概略側面図である。 図1に示した車両のエンジンコンパートメントの概略平面図である。 図1に示した懸架装置のシステム図である。 図1に示したアクティブマウント装置と機関との接続関係を示した図である。 図1に示したアクティブマウント装置の入力電圧と同アクティブマウント装置が発生する力との関係を示したグラフである。 図3に示した電気制御装置の機能ブロック図である。 図6に示した特定箇所振動推定部の機能ブロック図である。 図7に示したマウント装置入力推定部の変形例が備えるデータを示した図である。 図8に示したデータの具体例である。 図1に示した懸架装置の作動を説明するためのグラフである。 図6に示したエンジントルク推定部が採用したエンジントルク推定原理を説明するための図である。 本発明の第2実施形態に係る内燃機関の懸架装置が備える電気制御装置の機能ブロック図である。
符号の説明
10…内燃機関、10a…スロットルバルブ、10b…スロットルバルブアクチュエータ、10c…インジェクタ、10d…燃焼室、10e…点火プラグ、10f…吸気弁、10g…吸気弁駆動装置、10h…排気弁、11…トランスミッション、20…車体(車両)、31…アクティブマウント装置、31a…力発生部、31b…弾性部、31c…接続部材、31d…エンジンマウントブラケット、31e…ボルト、32〜34…パッシブマウント装置、40…電気制御装置、40A…エンジントルク推定部、40B…特定箇所振動推定部、40C…目標力決定部、41a〜41d…筒内圧センサ、42…クランク角センサ、43…アクセル操作量センサ、400…マウント装置入力推定部、401…第1加速度算出部、402…第2加速度算出部、403…第3加速度算出部、404…第4加速度算出部、405…加算部。

Claims (4)

  1. 弾性部と、駆動信号に応答して同弾性部に力を加える力発生部と、を有するとともに、内燃機関と車体との間に介装されることにより同機関を同車体に対し支持するアクティブマウント装置と、
    弾性部を有するとともに前記機関と前記車体との間に介装されることにより同機関を同車体に対し支持するパッシブマウント装置と、
    を備えた内燃機関の懸架装置であって、
    前記機関から前記アクティブマウント装置に加えられる力の周波数領域における大きさ及び位相を取得する第1入力推定手段と、
    前記推定された前記アクティブマウント装置に加えられる力の周波数領域における大きさ及び位相と、同アクティブマウント装置から前記車体の特定箇所までの振動の伝達関数と、に基いて、同アクティブマウント装置を通して同特定箇所に伝達される力によって同特定箇所に生じる第1加速度の周波数領域における大きさ及び位相を推定する第1振動推定手段と、
    前記機関から前記パッシブマウント装置に加えられる力の周波数領域における大きさ及び位相を取得する第2入力推定手段と、
    前記推定された前記パッシブマウント装置に加えられる力の周波数領域における大きさ及び位相と、同パッシブマウント装置から前記車体の特定箇所までの振動の伝達関数と、に基いて、同パッシブマウント装置を通して同特定箇所に伝達される力によって同特定箇所に生じる第2加速度の周波数領域における大きさ及び位相を推定する第2振動推定手段と、
    前記推定された第1加速度の周波数領域における大きさ及び位相と、前記推定された第2加速度の周波数領域における大きさ及び位相と、に基いて、前記アクティブマウント装置を通して前記特定箇所に伝達された力及び前記パッシブマウント装置を通して同特定箇所に伝達された力の両方によって前記特定箇所に生じる加速度の周波数領域における大きさ及び位相を推定する第3振動推定手段と、
    前記第3振動推定手段により推定された前記特定箇所に生じる加速度の周波数領域における大きさと同じ大きさを有し且つ同第3振動推定手段により推定された同特定箇所に生じる加速度の位相と逆の位相を有する目標加速度を同特定箇所に発生させるように、同目標加速度の周波数領域における大きさ及び位相と、前記アクティブマウント装置から同特定箇所までの振動の伝達関数の逆伝達関数と、に基いて、同アクティブマウント装置に発生させるべき目標力を決定し、同決定された目標力を同アクティブマウント装置に発生させるための駆動信号を同アクティブマウント装置に送出する制御手段と、
    を備えた内燃機関の懸架装置。
  2. 請求項1に記載の内燃機関の懸架装置において、
    前記機関が発生するトルクを取得するトルク取得手段を備え、
    前記第1入力推定手段は、前記取得されたトルクに基いて前記アクティブマウント装置に加えられる力の周波数領域における大きさ及び位相を取得するように構成され、
    前記第2入力推定手段は、前記取得されたトルクに基いて前記パッシブマウント装置に加えられる力の周波数領域における大きさ及び位相を取得するように構成された内燃機関の懸架装置。
  3. 請求項2に記載の内燃機関の懸架装置において、
    前記トルク取得手段は、前記機関の筒内圧を検出する筒内圧センサを含み、同検出された筒内圧に基いて前記機関が発生するトルクを取得するように構成された内燃機関の懸架装置。
  4. 請求項2に記載の内燃機関の懸架装置において、
    前記機関は吸入空気量を増減するとともに同吸入空気量に応じた燃料を燃焼室に供給する形式の機関であり、
    前記トルク取得手段は、
    前記機関に吸入される空気の挙動を物理法則に則って表す空気モデルに基いて同機関の吸入空気量を推定する吸入空気量推定手段と、
    前記空気モデルに基いて前記燃焼室内のガス温度を推定する筒内ガス温度推定手段と、
    前記機関の運転状態量に基づいて同機関の筒内残留ガス量を推定する筒内残留ガス量推定手段と、を含み、
    前記推定された吸入空気量に基いて前記機関の発生するトルクを基本トルクとして推定するとともに、前記推定された燃焼室内のガス温度及び前記推定された筒内残留ガス量に基づいてトルク低下分を推定し、同推定された基本トルクから同推定されたトルク低下分を減じた値を前記機関が発生するトルクとして取得するように構成された内燃機関の懸架装置。
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