JP2017214370A - 頭皮の健康改善のための化粧料組成物及びその製造方法 - Google Patents

頭皮の健康改善のための化粧料組成物及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、頭皮の皮脂分泌量を制御して毛髪の成長に最適な環境を造成することができるだけでなく、毛髪の強化及び成長を促進することが可能な成長因子を活性化させることにより頭皮の健康を改善することができる化粧料組成物及びその製造方法に関する。
【解決手段】本発明に係る化粧料組成物は、頭皮内に分泌される皮脂の制御により毛髪の成長に適した環境を造成するだけでなく、頭皮内の血行改善により毛髪の成長を促進させ、毛包の活性により毛髪を強化させて脱毛の予防に効果のある成長因子を活性化させることで、頭皮健康改善および脱毛防止効果を持つ。特に、本発明に係る化粧料組成物は、既存のペプチド組成物に比べて、使用上の安全性及び安定性が高いだけでなく、皮膚への吸収性が高いため、頭皮健康の改善に優れた効果を示す。
【選択図】なし

Description

本発明は、頭皮の皮脂分泌量を制御して、毛髪の成長に最適な環境を造成することができるだけでなく、毛髪の強化及び成長を促進することが可能な成長因子を活性化させることにより、頭皮の健康を改善することができる化粧料組成物及びその製造方法に関する。
頭皮は、頭蓋骨の体表を覆っている皮膚組織として毛髪が生えるところであり、外部の物理的刺激や化学的変化を緩衝させて内部を保護する組織であって、他の皮膚組織よりも毛包と血管が豊富で神経の分布も非常に密であり、皮下組織にある血管とリンパ管が頭皮内へ栄養と酸素を供給して毛髪の成長が可能な環境を提供するものである。
このような頭皮は、体内の有害物質や老廃物を排泄するが、角質及び老廃物が皮脂と混ざって表面に積もると、堆積物が頭皮の毛穴を塞ぎ炎症を起こすことや、毛髪を細くする場合がある。
さらに、頭皮は他の皮膚とは異なり、毛髪で覆われているため湿度が高くなり易く、細菌の繁殖に脆弱である。
健康な頭皮は、適当な皮脂分泌量及び弾力を有し、澄明で透明な色をしており、ツヤを有している。このような頭皮に問題が発生すると、乾性頭皮、脂性頭皮、敏感性頭皮、フケ性頭皮、脱毛性頭皮といった形で現れるが、このような症状の現れた頭皮を総称して問題性頭皮という。問題性頭皮のタイプは、次の通りである。
まず、乾燥頭皮は、角化作用が正常に働かなくなり、老化角質が厚くなって、頭皮が澄明で透明な色をしていないのが特徴である。このような状態の頭皮は、油分と水分のバランスが取れていないため非常に乾燥し、カサカサしてツヤがない状態である。さらに、頭皮の血液循環が円滑でないため、角質異常によりフケが積もり、脱毛が誘発されることもある。
また、脂性頭皮は、頭皮の皮脂の分泌が過剰になり、フケと角質が皮脂と絡まっている状態の頭皮であって、皮脂分泌物が毛穴を塞いでいるため、炎症を起こしたり毛髪の成長を妨げたりして脱毛の原因となる。
敏感性頭皮は、鋭敏頭皮とも呼ばれるが、毛細血管が拡張されており、外部からの弱い刺激にもちくちくしたり、発熱現象が起こったりして敏感に反応する頭皮の状態である。敏感性頭皮になると、頭皮の表面から紅斑、炎症及び細い毛細血管を肉眼で確認することができ、毛髪が非常に細い状態になる。
フケ性頭皮は、フケ菌の異常増殖によりフケが積もってかゆみを伴った状態の頭皮である。このようなフケは、乾性フケと脂性フケに区分され、乾性フケは頭皮が乾燥して生じるものであって鱗の形をしており、脂性フケは皮脂に角質が絡み付いているものである。
脱毛性頭皮は、毛髪のサイクルが乱れ、毛髪が寿命を全うできずに抜け落ちる状態の頭皮のことをいう。脱毛が始まる場合、毛髪が一時的に脱落することは殆どなく、徐々に細くなって抜け毛につながるが、このような頭皮は赤みを示すのが特徴である。
これまで脱毛は50代以降の年齢層の悩みと看做されてきたが、最近になって、20〜30代の若い層での脱毛症人口の増加が報告されており、関連業界によると、脱毛に悩む人は約6百万〜7百万人で、その中でも女性が3百万人以上を占めており、これは女性の脱毛症人口が急増しつつあることを示している。
一般に、脱毛の代表的な原因としては、ストレス、シャンプーやムースの過度な使用、パーマや染色、ドライヤーなどの使用による毛髪及び頭皮の損傷、フケや皮脂分泌のアンバランス、男性ホルモンの作用過剰、皮脂分泌の過剰、血液循環の不良、過酸化物や細菌などによる頭皮機能の低下、高熱による深刻な病気、抗がん剤及び各種抗甲状腺剤の服用、経口避妊薬の投与、栄養の不均衡、加工食品の摂取、遺伝的な要因などを挙げることができる。
男性と女性の脱毛にも多少の違いがあるが、男性脱毛症の場合には、95%以上が遺伝的素因に基づく男性ホルモンの過剰分泌に起因する。これを具体的に説明すると、体内で分泌されたテストステロン(Testosterone)という男性ホルモンが特定の酵素によってジヒドロテストステロン(DHT:Dihydro−Testosterone)という物質に転換されるが、テストステロンが頭髪毛乳頭細胞(Hair Follicle Dermal Papilla Cell)に触れると、酵素の作用により活性化して活性型男性ホルモンDHTに変化する。この際、DHTの体内濃度が相対的に高くなり、毛包の縮小が促進されて脱毛が急速に進行するのである。
一方、女性の脱毛症においても、DHTが主な原因として作用するが、幸いにも女性の場合には、分泌される女性ホルモンにより、男性に比べDHTの毛包破壊作用が抑制されている。
このような脱毛現象の治療方法として、局所塗布剤や経口服用剤、健康補助食品、遺伝子移植手術、植毛移植手術、代替医療などの様々な方法が行われているが、未だ満足すべき結果を示す治療方法や物質が現れていない。
また、このような脱毛を予防し且つ頭皮の健康を改善するために、脱毛または発毛の効用を謳う化粧料組成物が数多く提示されているが、既存の市販されている製品は、主成分が合成された化学物質である場合が多いため、頭皮に副作用を誘発することが多い。
さらに、FDAの承認を受けたミノキシジルなどは、脱毛治療薬として適用する場合、体内恒常性の不均衡による性機能の低下やアレルギー、うつ病、局所炎症などの予期しない副作用が発生し、その適用危険性が問題となる。
上述のように、脱毛の原因は様々である。脱毛の原因が毛細血管の病変や圧迫などによる血行障害により毛髪を構成することが可能な栄養物質が正常に供給されなかったことによる場合、又は生理的物質が過剰に累積して浸透圧の恒常性に障害をもたらすことにより頭皮細胞の異常が生じて起こった場合には、毛包周期の異常による細胞死滅異常、皮脂分泌の過剰による角質、老廃物による頭皮環境の悪化、細菌などによる頭皮機能の低下などの様々な症状が併発し、それらによる最終的な結果として脱毛が進行する。
従って、一つの症状だけを解決しても脱毛は改善されないため、様々な原因を一度に改善することができ、脱毛抑制及び頭皮健康の改善効能に相乗効果を与えることができる複合物が求められている。
このような脱毛に対する従来技術として、特許文献1には、皮膚刺激緩和、脱毛防止及び発毛促進効果を示すカフェオイルペンタペプチド、及びこれを含有する脱毛防止及び発毛促進用化粧料組成物に関し、具体的には、カフェ酸とペンタペプチドとを化学結合で連結することにより、皮膚刺激緩和、脱毛防止及び発毛促進効果を持つようにしたカフェオイルペンタペプチドと、これを含有することにより脱毛防止及び発毛促進効果を示す化粧料組成物が提示されている。
また、特許文献2には、ツルドクダミエキス、クララエキス、甘草エキス、IGF−1(Insulin like Growth Factor−1)、PDGF(Platelet derived growth factor)及びMSM(Methyl Sufonyl Methane)を含む複合体組成物が有効成分として含まれている、脱毛防止、発毛促進、フケ生成抑制及び頭皮炎症緩和用の化粧料組成物が提示されている。
しかしながら、このような従来技術においては、化粧料組成物内に含まれているタンパク質成分であるペプチド及び/又は成長因子では、皮膚浸透が非常に難しく、実質的に脱毛予防又は頭皮健康の改善に満足すべき効果を得るのは難しいものであった。
韓国公開特許第2016−0054087号公報 韓国特許第1541533号公報
本発明は上記従来技術の問題点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、皮脂分泌の過剰による角質、老廃物により頭皮環境が悪化したり、毛髪を構成することが可能な栄養物質が血行障害により正常に供給されなかったりするなどの様々な頭皮の問題により発生しうる脱毛を防止するために、頭皮の皮脂分泌の制御により毛髪の成長に最適な環境を提供し、毛髪を成長及び強化させる成長因子を活性化させて頭皮の健康改善によって脱毛防止効果を示す化粧料組成物を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の一実施態様に係る頭皮の健康改善のための化粧料組成物は、インスリン様成長因子−1(Insulin like Growth Factor−1)、サイモシン−β4(Thymosin−β4)及びオリゴペプチドを含み、前記オリゴペプチドは、N−末端アミノ酸がグリシン(Glycine)であり、10〜15個のアミノ酸長さを有することを特徴とする。
前記インスリン様成長因子−1が100重量部に対して、サイモシン−β4を17〜67重量部及びオリゴペプチドを8〜25重量部含むことが好ましく、前記インスリン様成長因子−1、サイモシン−β4及びオリゴペプチドは、担体に包接されて安定化できることが好ましい。
前記担体は、マクロ分子化合物(macromolecule compound)、微小集合体(microassembly)、微小粒子(microparticle)、マイクロスフェア(microsphere)、ナノスフェア(nanosphere)、リポソーム(liposome)、乳濁液(emulsion)、またはこれらの組み合わせであることが好ましい。
前記化粧料組成物は、頭皮細胞内外の酸塩基の恒常性を維持させるために、ヘキシース(hexose)、多価アルコール(polyhydric alcohol)及び電解質化合物を含む複合緩衝液をさらに含むことが好ましく、前記複合緩衝液は、ヘキソース7〜28wt%、多価アルコール2〜8wt%、電解質化合物0.23〜1.559wt%、及び残部水を含み、前記ヘキソース、多価アルコール、電解質及び水の和が100wt%を超えないことが好ましい。
前記化粧料組成物は、溶液、懸濁液、乳濁液、ペースト、ゲル、クリーム、ローション、パウダー、オイル、石鹸、クレンジングフォーム、シャンプー、リンス、トリートメント、ワックス及びスプレーよりなる群から選ばれた剤形を持つことが好ましい。
上記目的を達成するために、本発明の一実施態様に係る頭皮の健康改善のための化粧料組成物の製造方法は、N−末端アミノ酸がグリシン(Glycine)であり且つ10〜15個のアミノ酸長さを有するオリゴペプチドを製造する段階と、前記オリゴペプチド、インスリン様成長因子−1及びサイモシン−β4を混合して混合物を製造する段階と、前記混合物にオイル類、界面活性剤、保湿剤、コンディショニング剤、酸化防止剤、増粘剤、粘結剤、pH調整剤、緩衝剤、着色剤及び香料よりなる群から選ばれたものをさらに含めて化粧料組成物を製造する段階とを含んでなることを特徴とする。
前記混合する段階で、有機相、水相及び界面活性剤を混合してなる溶媒に、前記オリゴペプチド、インスリン様成長因子−1及びサイモシン−β4を含ませて高圧均質化した後、冷却することが好ましく、ヘキソース(hexose)、多価アルコール(polyhydric alcohol)及び電解質化合物を含む複合緩衝液をさらに含んで混合することが好ましい。
本発明の化粧料組成物によれば、頭皮内に分泌される皮脂の制御により毛髪の成長に適した環境を造成できるだけでなく、頭皮内の血行改善により毛髪の成長を促進させ、毛包の活性により毛髪を強化させて脱毛の予防に効果のある成長因子を活性化させることで、頭皮の健康改善による脱毛防止効果を得ることができる。
特に、本発明の化粧料組成物は、従来のペプチド組成物に比べて、使用上の安全性及び安定性が高いだけでなく、皮膚の吸収性が高いため、頭皮の健康改善に優れた効果を示す。
また、本発明の化粧料組成物によれば、前記インスリン様成長因子−1(Insulin like Growth Factor−1)、サイモシン−β4(Thymosin−β4)及びオリゴペプチドを担体に包接して安定化させることにより頭皮に刺激感を与えないうえ、高濃度で深く浸透させることにより頭皮の健康改善によって脱毛の予防に役立てることができる。
以下、本発明の好適な実施例によって詳細に説明するに先立ち、本明細書及び請求の範囲で使用される用語や単語は、通常的かつ辞典的な意味に限定して解釈されてはならず、本発明の技術的思想に符合する意味と概念で解釈されるべきであることを明らかにしておく。
本明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、これは特に特定する記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
「第1」、「第2」などの用語は、1つの構成要素を他の構成要素から区別するためのものであり、これらの用語によって権利範囲が限定されてはならない。例えば、第1構成要素は第2構成要素として命名でき、これと同様に、第2構成要素も第1構成要素として命名できる。
各段階において、識別符号は、説明の便宜のために使用されるものであって、各段階の順序を説明するものではなく、各段階は、文脈上明らかに特定の順序を記載しない限り、明記された順序と異なる順序で実施されることもできる。つまり、各段階は、明記された順序と同じ順序で実施されることもでき、実質的に同時に実施されることも明記された順序と逆の順序で実施されることもできる。
本明細書において、「毛髪」は身体のすべての部分で生える毛を総称するものであり、「発毛」は皮膚から毛髪が生えることを意味し、「脱毛」は正常的に毛髪が存在すべき部位に毛髪がない状態を意味し、例えば、頭皮の成毛が抜けることを意味する。「脱毛防止または脱毛予防」とは、毛包または頭皮から毛髪が脱落する現象が阻止または弱化されることを意味する。
以下、本発明の実施形態に係る頭皮の健康改善のための化粧料組成物及びその製造方法をより詳細に説明する。
まず、本実施形態に係る頭皮の健康改善のための化粧料組成物は、インスリン様成長因子−1(Insulin like Growth Factor−1)、サイモシン−β4(Thymosin−β4)及びオリゴペプチドを含むことができる。
前記オリゴペプチドは、N−末端アミノ酸がグリシン(Glycine)である、10〜15個のアミノ酸長さを有するものを使用することができ、好ましくは、N−末端アミノ酸であるグリシン(Gly)にアラニン(Ala)、バリン(Val)、ロイシン(Leu)、イソロイシン(Ile)、トレオニン(Thr)、セリン(Ser)、システイン(Cys)、メチオニン(Met)、アスパラギン酸(Asp)、アスパラギン(Asn)、グルタミン酸(Glu)、グルタミン(Gln)、リシン(Lys)、アルギニン(Arg)、ヒスチジン(His)、フェニルアラニン(Phe)、チロシン(Tyr)、トリプトファン(Trp)またはプロリン(Pro)の中から選ばれた9〜14個のアミノ酸を好ましい順序で選択して結合された形態であり得る。
一例として、前記オリゴペプチドは、Gly−Gln−Gln−Lys−Arg−Ser−Asp−Arg−Leu−Asn−Leu−Ser−Arg、Gly−His−Lys−Gly−Gin−Leu−Tyr−Val−Gln−Len、Gly−Gln−Gln−Lys−Asp−Val−Tyr−Val−Gln−Leu−Tyr、Gly−Glu−Gln−Lys−Asp−Val−Tyr−Val−Gln−Leu−Tyr、Gly−Gln−Lys−Gly−His−Lys−Asp−Val−Leu−Tyr、Gly−His−Lys−Lys−Lys−Gly−His−Lys−Gly−His、Gly−His−Lys−Lys−Gly−His−Lys−Lys−Lys−Gly−His−Lys−Asp−Val、Gly−His−Lys−Gly−His−Lys−Asp−Val−Gln−Leu−Tyr、Gly−His−Lys−Lys−Gly−His−Lys−Glu−Gln−Arg−Tyr−Val−Gln−Leu−Tyr、またはGly−His−Lys−Gly−His−Lys−Lys−Lys−Gly−His−Lysであって、所定の順序で選択されたアミノ酸が順次結合されているペプチドであり得る。
従って、本実施形態の化粧料組成物内に含まれるオリゴペプチドは、N−末端アミノ酸がグリシン(Gly)で始まり、前記グリシンに所定の9〜14個のアミノ酸が所定の順序で結合された形態であれば、特に限定されずに使用可能であり、これは本実施形態の化粧料組成物の使用様態及び使用方法、使用者の健康状態に応じて適宜選択して使用することが好ましい。
さらに好ましくは、前記オリゴペプチドは、塩の形で存在するものを使用することができるが、化合物の最終分離および精製中に作られるか、或いはアミノ基を適切な酸と反応させることにより作られるものであって、例えば、酸付加塩として、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、クエン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、ショウノウ酸塩(camphorate)、カンファースルホン酸塩、ジグルコン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、塩酸塩、水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メシチレンスルホン酸塩、メタンスルホン酸塩、ナフチレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、シュウ酸塩、パモン酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、トリクロロ酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、リン酸塩、グルタミン酸塩、重炭酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、およびウンデカン酸塩が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、前記酸付加塩を形成するために使用できる酸の例としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、およびリン酸などの無機酸と、シュウ酸、マレイン酸、コハク酸およびクエン酸などの有機酸が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
好ましくは、本実施形態のオリゴペプチドは、トリクロロ酢酸塩または酢酸塩の形であるオリゴペプチドを使用することができる。
また、本実施形態に係る頭皮の健康改善のための化粧料組成物に含まれているインスリン様成長因子−1及びサイモシン−β4は、頭皮の循環改善によって毛髪の成長を促進させるか、或いは毛包の活性によって毛髪を強化して脱毛を防止することにより、皮膚組織における発毛及び毛髪の成長に影響を与えることができる。
骨、筋肉、神経、血管、組織などを形成させ、損傷した細胞の再生を助けるうえ、細胞死滅を抑制すると知られているインスリン様成長因子−1(Insulin like Growth Factor−1)は、組織の形成に関与する成長ホルモンとして作用して新しい血管の生成に役立てるだけでなく、細胞再生力の向上、ケラチン細胞増殖の促進、及び毛包の成長を好適な様態で調節することにより、毛髪の成長期を維持させて脱毛を予防することができる。
サイモシン−β4(Thymosin−β4)は、1981年に牛の胸腺から発見されたもので、43個のアミノ酸が結合して分子量は4,982Daであり、理論的な等電点は5.1であって、弱酸性を帯びるタンパク質として知られている。
また、グルタミン酸と、リシン残基などの極性を帯びたアミノ酸とが多く存在し、陰性電荷を帯びるアスパラギン酸とグルタミン酸がすべて11個存在し、リシンとアルギニン酸残基がすべて9個存在し、前記サイモシン−β4の仮想的な2次構造は2つの螺旋構造が含まれていることが知られている。
このように、サイモシン−β4は、細胞の移動と分化の調節因子としての重要な機能を行い、傷の回復と新生血管の生成に役立てることができると知られており、ヘアベッセル(hair vessel)の大きさ及び分布を増加させることにより、毛包及び毛幹の大きさを改善して毛髪の成長を促進させることができる。
本実施形態に係る頭皮の健康改善のための化粧料組成物は、インスリン様成長因子−1(Insulin like Growth Factor−1)100重量部に対して、サイモシン−β4(Thymosin−β4)17〜67重量部及びオリゴペプチド8〜25重量部を含むことができるが、この含有量の範囲は、オリゴペプチドが成長因子を活性化させて頭皮内の血行改善によって毛髪を成長させ且つ毛包を活性化させることで毛髪を強化させるだけではなく、皮脂分泌量を制御して毛髪の成長に最適な環境を造成することができるように繰り返し行われる実験によって導出されたものであって、上記の範囲を逸脱する場合、脱毛予防効果、毛髪成長効果および頭皮健康改善効果を得ることができないか、或いは含有量の超過による明確な効果を得ることができない。
また、本発明に係る頭皮の健康改善のための化粧料組成物は、前述した成長因子であるインスリン様成長因子−1及びサイモシン−β4の他にも、毛髪の成長及び発毛を促進することができるように頭皮の健康を改善させるか或いは脱毛を予防ことができる、上皮成長因子(Eepidermal growth factor、EGF)、形質転換成長因子−α(Transforming growth factor−α、TGF−1)、形質転換成長因子−β(Transforming growth factor−β、TGF−β)、線維芽細胞成長因子(Fibroblast growth factor、FGF)−2、ケラチン細胞成長因子(Keratinocyte growth factor、KGF)、幹細胞因子(Stem Cell factor、SCF)、血小板由来成長因子(Platelet derived growth factor、PDGF)、血管内皮成長因子(Vascular endothelial Growth Factor、VEGF)及び塩基性線維芽細胞成長因子(basic Fibroblast Growth Factor、bFGF)よりなる群から必要に応じて適宜選択してさらに含むことができ、本発明のオリゴペプチドは、これらの成長因子を活性化させることにより、毛髪の成長及び発毛に最適な頭皮状態を造成及び維持することができる。
好ましくは、ケラチン細胞の成長及び分化に関与し、新しいヘア生成を調節し、上皮−間葉相互作用に重要な調節因子の役割を果たすだけでなく、紫外線から角質形成細胞を保護して細胞の損傷及び脱毛を予防ことができるケラチン細胞成長因子(Keratinocyte Growth Factor、KGF)、毛細血管の血漿タンパク質透過性を増加させて細胞の分裂と移動を促進し、新しい血管形成を促進し、血管の維持に関与するだけでなく、ヘアベッセル(hair vessel)の大きさ及び分布を増加させることにより、毛包及び毛幹の大きさを改善してヘアの成長を促進させる血管内皮成長因子(Vascular endothelial Growth Factor、VEGF)、及びコラーゲン、エラスチンの合成を増加させて毛髪の成長を促進する塩基性線維牙細胞成長因子(bFGF)、を含むことができる。さらに好ましくは、前記インスリン様成長因子−1(Insulin like Growth Factor−1)100重量部に対して、ケラチン細胞成長因子70〜100重量部、血管内皮成長因子80〜120重量部、及び塩基性線維牙細胞成長因子70〜130重量部をさらに含むことができる。
前記インスリン様成長因子−1、サイモシン−β4およびオリゴペプチドは、担体に包接されて安定化された状態で乳化ベースを含ませて化粧料組成物に製造してこそ、本発明で得ようとする効果の最大値を得ることができる。好ましくは、マクロ分子化合物(macromolecule compound)、微小集合体(microassembly)、微小粒子(microparticle)、マイクロスフェア(microsphere)、ナノスフェア(nanosphere)、リポソーム(liposome)、乳濁液(emulsion)、またはこれらの組み合わせからなる担体に前記インスリン様成長因子−1、サイモシン−β4及びオリゴペプチドを包接して安定化させることにより、乳化ベースによる頭皮の保湿効果を与えることができるだけでなく、これにより頭皮内の吸収速度を向上させてより高い効果を得ることができる。
本実施形態に係る頭皮の健康改善のための化粧料組成物は、頭皮細胞内外の酸と塩基のバランスを調節して、細胞のエネルギー源として使用される単糖類を効果的に浸透させるだけでなく、神経伝達物質の分泌を促進させて頭皮内真皮の血流を調節することで頭皮の健康改善に役立てることが可能な緩衝液をさらに含むことができる。
電解質化合物は、一般に化粧料組成物に使用され、頭皮内の奥深くに無機質を供給することができるだけでなく、皮膚に触れたときにアレルギー反応及び刺激感がないものであれば、特に限定されずに使用可能であるが、好ましくは、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウムおよび硫酸ナトリウムの少なくとも一つを含むことができ、さらに好ましくは、塩化ナトリウム0.1〜1wt%、塩化カリウム0.01〜0.055wt%、塩化カルシウム0.01〜0.034wt%及び硫酸ナトリウム0.11〜0.47wt%含むことができる。
電解質化合物に含まれている塩化ナトリウムは、細胞と浸透圧が等しくなるように0.1wt%以下であることが好ましく、1wt%を超える場合には、浸透圧の差によりむしろ細胞内外の酸と塩基のバランスが崩れて頭皮の健康が悪化するおそれがあり、塩化ナトリウムがイオン化して生成されたナトリウムイオンが0.1wt%未満である場合には、複合緩衝液に含まれて細胞に栄養源として使用できるヘキソース及び多価アルコールの細胞内の二次的な能動輸送の効率が低下して栄養分が正常に供給されないことがある。
電解質化合物に含まれている塩化カリウムからイオン化されたカリウムイオンは、細胞内に存在するものであって、一番濃度が高く、細胞外液内に含まれている陽イオンの中でも、一番高濃度のナトリウムイオンと電気的平衡関係を維持することにより、物質の能動輸送に重要な役割を果たし、カルシウムイオンは細胞外液中における細胞膜のイノシトールリン脂質の分解によってジアシルグリセロールを生成することにより、プロテインキナーゼを活性化させ、角質細胞の増殖を誘発することができる。また、前記硫酸ナトリウムは、体内で代謝され、炭酸水素ナトリウムを発生させてバッファ効果を誘発することにより、酸塩基平衡の恒常性を保たせることができる。
従って、電解質化合物から発生した無機質は、体内に含まれて身体の恒常性を維持させるので、体内と等張に含むときに、頭皮の表面および表皮内でアレルギー反応が発生せず、酸塩基平衡を維持させて細胞膜の物質輸送をスムーズにするだけでなく、ヘキソース及び多価アルコールだけでなく、酸素、タンパク質、脂質およびその他の糖類の供給効率性を増加させることにより、頭皮の健康改善及びこれによる脱毛を防止することができる。
ヘキソース(hexose)は、6つの炭素原子を持つ単糖類として、D−グルコース(D−glucose)、D−グロース(D−gulose)D−マンノース(D−mannose)、D−ガラクトース(D−glalctose)、D−イドース(D−idose)、D−タロース(D−talose)、D−アロース(D−allose)、D−アルトロース(D−altrose)、D−プルクトース(D−fructose)、D−タガトース(D−tagatose)およびL−ソルボース(L−sorbose)よりなる群から1つ以上選択して使用することができ、好ましくは、D−グルコース(D−glucose)及びD−プルクトース(D−fructose)を混合して使用することができる。
これは、D−プルクトースが細胞外液層から細胞内への移動により頭皮細胞のエネルギー源として利用され易く、2倍以上の浸透圧によりD−グルコース(D−glucose)の細胞通過を容易にすることにより、細胞内の栄養供給源として提供されて毛髪の成長に役立てることができる。また、頭皮の表面および表皮内に存在する細菌、特に皮膚糸状菌の成長を阻止して頭皮の健康改善によって脱毛の予防に役立てることができる。
このようなヘキソースは、複合緩衝液内に7〜28wt%で含まれることが好ましく、ヘキソースの含有量が低い場合には所望の効果を得ることが難しく、含有量が超過して含まれる場合には含有量の超過による効果の増大が現れないだけでなく、粘度が増加する傾向を示して、使用者が使用の際に油性感、ベタツキ、重みを感じて使用感が低下するおそれがある。
多価アルコールは、常温(25℃)で固相であって、一般に糖類のカルボニル基を還元して得ることができ、好ましくは、マルチトール、ソルビトール、リビトール、マンニトール、アラビトール、ガラクチトール、キシリトール、エリスリトールおよびイノシトールよりなる群から少なくとも1つを選択して使用することができる。
更に好ましくは、化粧料組成物内に含まれるときにベタツキと強い感じがなくて使用感に優れたソルビトール及び/又はマルチトールを使用することができ、ヘキソースと一緒に頭皮に吸収されて細胞のエネルギー源として使用され、毛髪を健康に保つのに役立てることができるだけでなく、同時に核酸の生合成などにも関与することにより、抗ケトン効果により脂質代謝を改善し、前記頭皮の表皮内の老化が進行した細胞を助けて脱毛を予防することができる。
多価アルコールは、緩衝液内に2〜8wt%で含まれ得るが、2wt%未満で含まれる場合には、期待する効果を得ることができず、8wt%超過で含まれる場合には、粘度が増加して、本実施形態に係る頭皮の健康改善及び脱毛防止のための化粧料組成物に含まれて使用されると、使用者がベタツキを感じたり、毛髪への塗布時に毛髪が重くなることを感じたりして使用感が低下するおそれがある。
本実施形態に係る頭皮の健康改善のための化粧料組成物は、使用様態及び方法に応じてその他の成分をさらに含むことができ、例えば、殺菌剤、防腐剤、粘結剤、増粘剤、固着剤、賦形剤、着色剤、安定化剤、pH調整剤、緩衝剤、等張化剤(tonicity agent)、溶剤、酸化防止剤、紫外線防止剤、結晶析出防止剤、消泡剤、及び特性向上剤を挙げることができる。
殺菌剤は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、塩化ベンザルコニウム(benzalkonium chloride)、塩化ベンゼトニウム(benzethonium chloride)及び塩化セチルピリジニウム(cetylpyridinium chloride)などの陽イオン界面活性剤が挙げられる。
防腐剤は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、p−ヒドロキシベンゾエートエステル(p−hydroxybenzoate esters)、クロロブタノール(chlorobutanol)及びクレゾール(cresol)が挙げられる。
粘結剤、増粘剤および固着剤は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、澱粉、デキストリン、セルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルデンプン、プルラン、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、グアーガム、ローカストビーンガム、アラビアゴム、キサンタンガム、ゼラチン、カゼイン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール、エチレン/プロピレンブロックポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム及びポリビニルピロリドンが挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
結合剤は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水、エタノール、プロパノール、単シロップ、ブドウ糖液、デンプン液、ゼラチン液、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルデンプン、メチルセルロース、エチルセルロース、シェラック、リン酸カルシウム、およびポリビニルピロリドンが挙げられる。
着色剤は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酸化チタン及び酸化鉄が挙げられる。
安定化剤は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。たとえば、トラガカント(tragacanth)、アラビアゴム(gum Arabic)、ゼラチン(gelatin)、ピロ亜硫酸ナトリウム(sodium pyrosulfite)、EDTA、チオグリコール酸(thioglycolic acid)及びチオ乳酸(thiolactic acid)が挙げられる。
pH調整剤及び前記緩衝剤は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム及びリン酸ナトリウムが挙げられる。
等張化剤は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、塩化ナトリウム及びグルコースが挙げられる。
また、現代人が持っているストレスに対するアロマテラピーのような効果を付与すると同時に、頭皮の安定化のために香料添加剤をさらに含むことができ、香料添加剤は、メントール(menthol)、ラバンジン油(lavandin oil)、ビサボロール(bisabolol)、ソルビトール(sorbitol)、およびローズヒップオイル(rosehip oil)よりなる群から選択される1つ以上を使用することができるが、これらに限定されるものではない。
例示的に、メントール(menthol)は、精神的安定感と頭皮の血液循環を助けるとともに頭皮の熱を冷やす役割を果たし、前記ラベンジン油(lavandin oil)は、心身の安定感を与えるうえ、皮膚トラブルに効果があり、損傷した頭皮の皮膚再生にも効果がある。
香料添加剤は、全体組成物の100重量部に対して0.01〜0.03重量部さらに含むことが好ましく、その含有量が0.01重量部未満である場合には、アロマセラピー効果または皮膚安定効果が不十分であり、その含有量が0.03重量部を超過する場合には、頭皮刺激を引き起こすおそれがある。
本実施形態の化粧料組成物は、当業界で通常製造される如何なる剤形にも製造でき、好ましくは、溶液、懸濁液、乳濁液、ペースト、ゲル、クリーム、ローション、パウダー、オイル、石鹸、クレンジングフォーム、シャンプー、リンス、トリートメント、ワックス及びスプレーよりなる群から選ばれた剤形に製造できるが、これに限定されない。
さらに好ましくは、本実施形態に係る頭皮の健康改善のための化粧料組成物の剤形がペースト、クリームまたはゲルである場合には、動物性油、植物性油、ワックス、パラフィン、デンプン、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、シリカ、タルクまたは酸化亜鉛をさらに含むことができ、剤形がパウダーまたはスプレーである場合には、ラクトース、タルク、シリカ、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウムまたはポリアミドパウダーをさらに含むことができ、特に剤形がスプレーである場合には、さらにクロロフルオロヒドロカーボン、プロパン/ブタンまたはジメチルエーテルなどの推進剤をさらに含むことができる。
本実施形態の化粧料組成物の剤形が溶液または乳濁液である場合には、溶媒、溶媒和剤または乳濁剤をさらに含み、これに含まれる溶媒としては、水、エタノール、イソプロパノール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチルグリコールオイル、グリセロール脂肪族エステル、ポリエチレングリコール、又はソルビタンの脂肪酸エステル等が挙げられる。
本実施形態の化粧料組成物の剤形が懸濁液である場合には、水、エタノール又はプロピレングリコールなどの液状の希釈剤、エトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールエステル及びポリオキシエチレンソルビタンエステルなどの懸濁剤、微小結晶性セルロース、アルミニウムメタヒドロキシド、ベントナイト、寒天又はトラガカント等を更に含むことができる。
また、本実施形態の化粧料組成物は、一般に化粧料組成物が適用できる部位、すなわち、頭皮だけでなく、発毛している身体部位であれば、どこでも適用することができる。例えば、外傷による傷跡であって毛髪または毛が破損した部位、単純美容効果を目的とする広い額又はM型額、睫毛、眉毛、及び無毛症の症状改善にも使用することができる。
本実施形態の化粧料組成物の適用対象となる毛髪には、頭髪、眉毛、睫毛、陰毛、脇の下の毛、胸毛、鼻毛、脚の毛などの各種体毛が含まれ得る。
本発明の一実施形態に係る頭皮の健康改善及び脱毛防止のための化粧料組成物の製造方法は、N−末端アミノ酸がグリシン(Glycine)であり且つ10〜15個のアミノ酸長さを有するオリゴペプチドを製造する段階と、オリゴペプチド、インスリン様成長因子−1及びサイモシン−β4を混合して混合物を製造する段階と、前記混合物にオイル類、界面活性剤、保湿剤、コンディショニング剤、酸化防止剤、増粘剤、粘結剤、pH調整剤、緩衝剤、着色剤、および香料よりなる群から選ばれたものをさらに含めて化粧料組成物を製造する段階と、を含む。
オリゴペプチドを製造する段階は、一般にペプチドを合成する方法であれば特に限定されずに使用可能であるが、好ましくは、固相のポリマー支持体を用いて合成する固相ペプチド合成方法を用いることができ、上述の方法で製造されたオリゴペプチドのα−アミノ基は、酸または塩基感受性官能基によって保護できる。このときのアミノ酸の保護基は、ペプチド縮合反応条件で安定した性質を持たなければならず、延長されるペプチド鎖の破壊なしに、またはそれに含有された任意のキラル中心のラセミ体化なしに容易に除去可能な性質を持たなければならない。
従って、適切な保護基としては、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)、t−ブトキシカルボニル(Boc)、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)、ビフェニルイソプロピル−オキシカルボニル、t−アミルオキシカルボニール、イソボルニルオキシカルボニル、(α,α)−ジメチル−3,5−ジメトキシベンジルオキシカルボニル、O−ニトロフェニルスルフェニル、2−シアノ−t−ブチルオキシカルボニルなどが挙げられ、このような目的で、当業界に知られている適切な他の保護基も本発明の範囲内で使用可能である。
本実施形態のオリゴペプチド合成で使用されたアミノ酸の最も好適な保護基としては、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)保護基を使用することができる。
特に、本実施形態のオリゴペプチド合成で使用されるアミノ酸残基の保護基としては、N−メチルグルタミン酸の場合にはt−ブチル(t−Bu)であり、リシンの場合にはt−ブトキシカルボニル(Boc)であり、セリンの場合には7t−ブチル(t−Bu)であり、トレオニンおよびアロトレオニンの場合にはt−ブチル(t−Bu)であり、システインの場合にはトリチル(Trt)であることが好ましいが、これに限定されるものではない。
固相ペプチド合成方法において、C−末端アミノ酸は好適な固相支持体または樹脂に付着できる。この合成のために有用である好適な固相支持体としては、段階的縮合−脱保護反応の試薬及び反応条件に不活性であり、使用される媒質に不溶性である物質が好ましく、例えば、リンクアミド(rink amide)またはリンクアミド4−メチルベンジルヒドリルアミン樹脂(rink amide MBHA resin)が挙げられる。
特に、C−末端アミドペプチドに対して好ましい固相支持体は、Novabiochem Corporationから市販されているリンクアミド4−メチルベンジルヒドリルアミン樹脂であり得る。
C−末端アミド(amide)は、ジクロロメタン、N−メチルピロリドン(NMP)またはDMFなどの溶媒中で10℃〜50℃の温度、好ましくは30℃の温度条件で、1〜24時間4−ジメチルアミノピリシン(DMAP)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)、N−メチルモルホリン(NMM)、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ−トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウム−ヘキサフルオロホスフェート(BOP)又はビス(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)ホスフィン塩化物(BOPCI)の存在又は不在下で、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)、[O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)、又はO−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)にカルボン酸を活性化させて縮合によって樹脂又は固相支持体に縮合(結合、カップリング)することができる。
固相支持体がリンクアミド4−メチルベンジルヒドリルアミン樹脂である場合には、好ましい保護基としてのFmoc官能基は、C−末端アミノ酸に縮合する前に、2級アミン溶液、好ましくは20%のピペリシンDMF溶液を過量使用して切断する。脱保護された4−(2’,4’−ジメトキシフェニル−Fmoc−アミノメチル)フェノキシアセトアミドエチル樹脂に目的のアミノ酸を縮合するために使用される好適な試薬としては、好適に保護されたアミノ酸に対してDMF溶媒中で縮合反応する、N−メチルモルホリン(NMM)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)およびO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート](HATU)、O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)またはN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)などの縮合反応試薬である。
本実施形態で行われる連続的なアミノ酸の縮合は、関連技術分野で広く知られている自動ペプチドシ合成器を利用するか、或いは手動で直接行うことができる。好ましい合成反応の条件としては、Fmoc基で保護されたグリシンモノマーを2級アミン溶液、好ましくはピペリシンで処理して脱保護させた後、十分に過量の溶媒で洗浄し、縮合を所望する別のそれぞれの保護されたアミノ酸を続いて3〜7倍モル過量添加し、好ましくはDMF溶媒中で反応を行わせることにより、N−末端アミノ酸がグリシン(Glycine)であるオリゴペプチドを製造することができる。
本実施形態の固相樹脂を用いたオリゴペプチド合成の最終段階では、オリゴペプチドを連続的にまたは1回の操作で樹脂から得ようとするオリゴペプチドを除去し、それぞれアミノ酸の残基を保護している保護基を脱保護させることができる。樹脂からのオリゴペプチドの除去および残基に存在する保護基の脱保護条件では、一般に樹脂−ペプチド間の結合を切断する切断試薬カクテル、例えば、トリフルオロ酢酸(TFA)、トリイソプロピルシラン(TIS)、チオアニソール、水またはエタンジチオール(EDT)などから構成されたジクロロメタン混合カクテル溶液を処理して得ることができる。
こうして得られた混合溶液は、冷蔵保管されたジエチルエーテル溶媒を過量処理することにより沈殿物を生成させることができる。この沈殿物を遠心分離して完全に沈殿させ、過量のトリフルオロ酢酸、トリイソプロピルシラン、チオアニソール、水およびエタンジチオールなどを一次除去し、上述の手続きを2回以上繰り返し行って固形化させた沈殿物を得ることができる。
この際、完全に脱保護されたオリゴペプチド塩は、水とアセトニトリル溶媒から構成された混合溶媒、および逆相高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて分離精製することができる。分離精製されたオリゴペプチドの溶液は、凍結乾燥を用いて完全に濃縮乾燥させることにより、固相のオリゴペプチドを得ることができる。
上述の製造方法で得られた固相のN−末端アミノ酸がグリシン(Glycine)であり且つ10〜15個のアミノ酸長さを有するオリゴペプチド、インスリン様成長因子−1及びサイモシン−β4を更に含めて混合物を混合する段階は、30〜90℃の温度で水相に界面活性剤を混合した後、界面活性剤の含まれている水相と有機相とを混合して製造された溶媒に前記オリゴペプチド、インスリン様成長因子−1およびサイモシン−β4を含ませて50〜2000barで高圧均質化させることにより、機械的応力によって担体に前記オリゴペプチド、インスリン様成長因子−1およびサイモシン−β4が包接される形態のエマルジョンを製造することができ、これを冷却して混合物を製造することができる。
混合段階で、ヘキソース(hexose)、多価アルコール(polyhydric alcohol)および電解質化合物を含む複合緩衝液を更に含むことができ、前記混合物に、必須成分であるオリゴペプチド、インスリン様成長因子−1、サイモシン−β4および複合緩衝液以外にも、他の成分を使用目的などに応じて当業者が困難なく適切に選定して配合することができる。
好ましくは、オイル類、界面活性剤、保湿剤、コンディショニング剤、酸化防止剤、増粘剤、粘結剤、pH調整剤、緩衝剤、着色剤、および香料よりなる群から選択されたものをさらに含めて化粧料組成物を製造する段階を経て、本実施形態に係る頭皮健康の改善および脱毛防止のための化粧料組成物を製造することができる。
以下、本発明の実施例を説明する。しかし、本発明の範囲がこれらの好適な実施例に限定されるものではなく、当業者であれば、本発明の権利範囲内で、本明細書に記載された内容の様々な変形形態を実施することができる。
[製造例1]
〔オリゴペプチドの製造〕
Novabiochem corporationから購入した2−クロロトリチルクロリド樹脂(2−chlorotrityl chloride resin)(gあたり0.6mmolがロードされた樹脂)を自動ペプチド合成器に入れた。樹脂を15mLのDMFに溶媒和させ、5分間十分に反応(swelled)させた後、20%(w/v)ピペリシンDMF溶液を15mL添加し、攪拌(shaking)し、ピペリシンDMF溶液を除去した後、15mLのDMF溶媒および15mLのMC溶媒を用いて洗浄し、再び15mLのMC溶媒を用いて洗浄した。
Fmoc−gly−OH0.5mmol、1−O−ベンゾトリアゾール−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(1−O−benzotriazole−N,N,N’,N’−tetramethyluronium hexafluorophosphate、HBTU)0.5mmol、及びN,N−ジイソプロピルエチレンアミン(N,N−diisopropylethylamine、DIEA)0.5mmolを無水DMF20mlに溶かして4分間活性化させた。その後、活性化した溶液を樹脂と混合し、30分間結合反応を行った。20mlのMCおよび20mlのDMFで樹脂を40秒間洗浄した後、DMFに溶かした20%のピペリシン(piperidine)によってFmoc保護基を除去した。
その後、樹脂をさらに洗浄した後、選定されたアミノ酸の順序に従って、Fmoc保護化されたアミノ酸(Fmoc−Gln(Trt)、Fmoc−Gln(Trt)、Fmoc−Lys(Boc)、Fmoc−Arg(Pbf)、Fmoc−Ser(tBu)、Fmoc−Asp(OtBu)、Fmoc−Arg(Pbf)、Fmoc−Leu、Fmoc−Asn(Trt)、Fmoc−Leu、Fmoc−Ser(tBu)、Fmoc−Arg(Pbf)の順で)で順次投入して反応を行い、全体アミノ酸配列の合成が完了した後、未反応アミンを、無水酢酸およびルチジンが含まれているDMFを用いて10分間攪拌(shaking)した。
未反応アミンは、2−(9H−fluoren−9−yl)ethylcarbamatedによって保護するために、(2−(9H−フルオレン−9−イル)エチルカルバメート−O−スクシニミド)(2−(9H−fluoren−9−yl)ethylcarbamate−O−succinimide)を用いて10分間反応させた後、樹脂を40秒間20mlのMCと20mlのDMFとの混合液を用いて洗浄した。
脱漏溶液[TFA(Trifluroacetic acid)2%、トリイソプロピルシラン(triisopropylsilane)2%]を投入し、常温で時々振盪しながら2時間反応を維持した後、フィルタリングして樹脂をろ過し、冷たいエーテルを加えて沈殿を誘導した後、乾燥させてオリゴペプチドを得た。
得られたオリゴペプチドは、C−18カラムを用いて100分にわたって25〜35ml/minの流速で10%〜90%のアセトニトリル/水の濃度勾配溶媒系を使用する逆相HPLCによって精製した。
[実験例1]
〔オリゴペプチドの安定性〕
製造例1で製造されたオリゴペプチドの人体安定性を確認するために、ヒト角質形成細胞であるHaCaT細胞株を用いて、細胞毒性による皮膚および頭皮刺激があるかどうかを確認した。
この試験に使用されたHaCaT細胞株は、37℃、95%CO培養器で培養した。培養容器の85〜90%の面積だけの培養度をみると、トリプシン(trypsin)処理で細胞を脱着させて計数した後、5×10cells/cmで継代培養した。細胞培養には、10%FBS(Fetal Bovine Serum、GIBCO、Cat.No.,26140−079、USA)、100U/mLのペニシリン(penicillin)、および100μg/mLのストレプトマイシン(streptomycin)が添加されたDMEM(Dulbecco’s Modified Eagle Medium、GIBCO、Cat.No.11995−065、USA)を使用した。継代培養のために75 T−flask(NUNC,Cat.No.156499、Danmark)を使用し、細胞毒性試験のためには24ウェルプレート(NUNC,Cat.No.,142475、Danmark)試験方法を使用した。
ヒト角質形成細胞を24ウェルプレートに5×10cells/wellずつ同一に、血球計数器(hemacytometer)を用いて計数した後に分注した。10%FBSを含有するDMEMで48時間培養して、培養容器の表面積の40〜50%だけ培養されると、前記オリゴペプチドがそれぞれ50ppm、100ppmで含有されたFBS−free DMEMに交換して24時間さらに培養した。培養後、MTT[3−(4,5−dimethylthiazol−2−yl)−2,5−diphenyl tetrazolium bromide](Sigma M5655、USA)溶液(2.5mg/mL)を50μL添加し、3時間さらに培養した。その後、細胞培養液を全て捨て、200μLのジメチルスルホキシド(dimethyl sulfoxide)(DMSO、Sigma D2650、USA)を各ウェルあたり200μL処理して攪拌した後、100μLずつを採取して96ウェルに移し、ELISA(Enzyme−Linked Immunosorbent Assay)によって570nmで吸光度を測定した。
細胞毒性は、純水を用いた対照群の吸光強度を基準にパーセンテージで表示し、表1に示した。
Figure 2017214370
表1の結果より、ウェル当たり初期培養5×10細胞が培養容器の表面積の40〜50%ほど培養された時点で、製造例1で製造されたオリゴペプチドを50ppm、100ppm添加して対照群と比較した細胞毒性はないことが確認された。これは、製造例1で製造されたオリゴペプチドを長期間使用しても、細胞毒性による皮膚および頭皮刺激が誘発されないことを示唆する。
[製造例2]
〔化粧料組成物の製造〕
製造例1で製造されたオリゴペプチド、インスリン様成長因子−1およびサイモシン−β4、ヘキソース(hexose)、多価アルコール(polyhydric alcohol)および電解質化合物を含む複合緩衝液、その他の成分を表2に記載の比率で混合して化粧料組成物を製造した。
より詳細には、下記その他の成分を混合し、80℃まで加温して単一相として製造した後、55℃でオリゴペプチド、インスリン様成長因子−1、サイモシン−β4および複合緩衝液を混合した後、1000barで3回高圧乳化機を通過させた後、冷却することで、化粧料組成物である実施例1〜3及び比較例1〜4を製造した。
Figure 2017214370
[実験例2]
〔化粧料組成物の経皮吸収率の評価〕
製造例2で製造された化粧料組成物の脱毛防止効果を確認するために、経皮吸収試験を行った。経皮吸収はヘアレスモルモットの皮膚を対象に平方1cmの面積に区画した後、各試料を0.5gずつ坪量して、汚れないように処理し、30分後にテープストリッピング方法で4回にわたって実験した。皮膚表面のアミノ基の含有量を基準として、濃度はHPLCで溶媒処理後に分析した。その結果を下記表3に示す。
比較例5は、製造例2における実施例2と同様の製造方法で製造するが、高圧乳化機を使用せずに攪拌機を用いて混合して製造した。
Figure 2017214370
実験の結果、比較例1及び3〜5の剤形では、本実施形態のオリゴペプチドおよび成長因子が皮膚の表面に主に存在しており、皮膚浸透が起こらなかったことが分かる。特に、比較例5の場合は、ほぼ皮膚浸透が起こらなかったことが分かる。
一方、実施例1〜3及び比較例2の剤形では、皮膚の中にほとんど浸透したことが分かる。
すなわち、本実施形態のオリゴペプチド、インスリン様成長因子−1およびサイモシン−β4などを好適な含有量で混合した後、本実施形態の担体によって包接して化粧料組成物に製造するときに皮膚吸収力が著しく上昇することを確認することができた。
[実験例3]
〔化粧料組成物の官能評価(脱毛防止効果)〕
製造例2で製造された化粧料組成物の脱毛防止効果を確認するために、それぞれ成人男女50人ずつを対象に、実施例1〜3及び比較例1〜5を一緒に支給して3ヶ月間追跡することにより、その効果を確認した。
Figure 2017214370
表4の結果より、実施例1〜3の場合は比較例1〜5に比べて脱毛の改善に役立ったという評価が優勢であることを確認することができる。
これに対し、オリゴペプチドの含有量が最も高い比較例2の場合は、むしろ脱毛の改善に役立ったという評価が実施例1〜3に比べて低かったのはもとより、使用の際に重苦しく、頭皮健康改善および脱毛防止効果の観点からは比較的優れるものの、使用感が低いという評価を受けた。
[実験例4]
〔オリゴペプチドによる化粧料組成物の官能評価(脱毛防止効果)〕
製造例1で製造された実施例2と、実施例2と同様の製造方法で製造されるが、Gly−His−Lys−Gly−Gin−Leu−Tyr−Val−Gln−Lenの順序を持つオリゴペプチドを含む実施例4と、Gly−His−Lys−Lys−Gly−His−Lys−Glu−Gln−Arg−Tyr−Val−Gln−Leu−Tyrの順序を持つオリゴペプチドを含む実施例5を用いて脱毛防止効果を確認するために、それぞれ成人男女50人ずつを対象に3ヶ月間追跡することにより、その脱毛防止効果を確認した。
Figure 2017214370
表5の結果より、実施例4および5の場合は、実施例2と比較して脱毛の改善に役立ったという評価に大きな差がないことを確認することができた。
従って、本実施形態に係る頭皮の健康改善のための化粧料組成物によれば、頭皮内に分泌される皮脂を制御することにより、毛髪の成長に適する環境を造成するだけでなく、頭皮内の血行改善により毛髪の成長を促進させ、毛包の活性により毛髪を強化させて脱毛の予防に効果がある成長因子を活性化させると同時に、頭皮への使用時に刺激感がなく、高濃度で深く浸透させることにより、頭皮の健康改善によって脱毛の予防に役立てることができる。

Claims (10)

  1. インスリン様成長因子−1(Insulin like Growth Factor−1)、サイモシン−β4(Thymosin−β4)及びオリゴペプチドを含み、
    前記オリゴペプチドは、N−末端アミノ酸がグリシン(Glycine)であり、10〜15個のアミノ酸長さを有することを特徴とする、頭皮の健康改善のための化粧料組成物。
  2. 前記インスリン様成長因子−1が100重量部に対して、サイモシン−β4を17〜67重量部及びオリゴペプチドを8〜25重量部を含むことを特徴とする、請求項1に記載の頭皮の健康改善のための化粧料組成物。
  3. 前記インスリン様成長因子−1、サイモシン−β4およびオリゴペプチドは担体に包接されて安定化されたことを特徴とする、請求項1に記載の頭皮の健康改善のための化粧料組成物。
  4. 前記担体は、マクロ分子化合物(macromolecule compound)、微小集合体(microassembly)、微小粒子(microparticle)、マイクロスフェア(microsphere)、ナノスフェア(nanosphere)、リポソーム(liposome)、乳濁液(emulsion)、またはこれらの組み合わせであることを特徴とする、請求項3に記載の頭皮の健康改善のための化粧料組成物。
  5. 頭皮の細胞内外の酸塩基の恒常性を維持させるために、ヘキソース(hexose)、多価アルコール(polyhydric alcohol)及び電解質化合物を含む複合緩衝液をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の頭皮の健康改善のための化粧料組成物。
  6. 前記複合緩衝液は、ヘキソース7〜28wt%、多価アルコール2〜8wt%、電解質化合物0.23〜1.559wt%、及び残部水を含み、
    前記ヘキソース、多価アルコール、電解質及び水の和が100wt%を超えないことを特徴とする、請求項5に記載の頭皮の健康改善のための化粧料組成物。
  7. 前記化粧料組成物は、溶液、懸濁液、乳濁液、ペースト、ゲル、クリーム、ローション、パウダー、オイル、石鹸、クレンジングフォーム、シャンプー、リンス、トリートメント、ワックス、及びスプレーよりなる群から選ばれた剤形を持つことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の頭皮の健康改善のための化粧料組成物。
  8. N−末端アミノ酸がグリシン(Glycine)であり且つ10〜15個のアミノ酸長さを有するオリゴペプチドを製造する段階と、
    前記オリゴペプチド、インスリン様成長因子−1及びサイモシン−β4を混合して混合物を製造する段階と、
    前記混合物にオイル類、界面活性剤、保湿剤、コンディショニング剤、酸化防止剤、増粘剤、粘結剤、pH調整剤、緩衝剤、着色剤、および香料よりなる群から選ばれたものをさらに含めて化粧料組成物を製造する段階と、を含んでなる、頭皮の健康改善のための化粧料組成物の製造方法。
  9. 前記混合する段階で、
    有機相、水相及び界面活性剤を混合してなる溶媒に、前記オリゴペプチド、インスリン様成長因子−1及びサイモシン−β4を含ませて高圧均質化した後、冷却することを特徴とする、請求項8に記載の頭皮の健康改善のための化粧料組成物の製造方法。
  10. 前記混合する段階で、ヘキソース(hexose)、多価アルコール(polyhydric alcohol)及び電解質化合物を含む複合緩衝液をさらに含めて混合することを特徴とする、請求項8に記載の頭皮の健康改善のための化粧料組成物の製造方法。
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