JP2014224078A - オリゴペプチドを含む皮膚外用剤及びバイオ製品 - Google Patents
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Abstract
【課題】化粧品分野、バイオ分野および医薬品分野において生物学的活性のあるアミノ酸配列が9以上かつ20以下の合成ペプチド水溶液における生物学的に高活性な状態で長期保存可能とした合成ペプチドを含有した皮膚外用剤またはバイオ製剤の提供。
【解決手段】上記合成ペプチド水溶液に、ヒアルロン酸またはビオサッカリドガムを混合させた皮膚外用剤またはバイオ製剤。なお、図中(a)はエイジングプレミアム化粧品、(b)はEGF様合成ペプチドであるオリゴペプチド−24(0.3%)を添加させたエイジングプレミアム化粧品、(c)はEGF様合成ペプチドであるオリゴペプチド−24(0.3%)並びに10mg/mlのヒアルロン酸を添加させたエイジングプレミアム化粧品、を使用したときの各治験者の人数で、シワ個数が3個以上変動(減少または増加)した場合を有効と判定した。
【選択図】図1
【解決手段】上記合成ペプチド水溶液に、ヒアルロン酸またはビオサッカリドガムを混合させた皮膚外用剤またはバイオ製剤。なお、図中(a)はエイジングプレミアム化粧品、(b)はEGF様合成ペプチドであるオリゴペプチド−24(0.3%)を添加させたエイジングプレミアム化粧品、(c)はEGF様合成ペプチドであるオリゴペプチド−24(0.3%)並びに10mg/mlのヒアルロン酸を添加させたエイジングプレミアム化粧品、を使用したときの各治験者の人数で、シワ個数が3個以上変動(減少または増加)した場合を有効と判定した。
【選択図】図1
Description
本発明は、化粧品分野、バイオ分野および医薬品分野における生物活性のあるアミノ酸配列が9以上かつ20以下の合成ペプチドを含有する皮膚外用剤または医薬品及びその保存方法に関する。より詳しくは、生物活性のあるアミノ酸配列が9以上かつ20以下の合成ペプチド水溶液で、合成ペプチドの活性を高めさらには安定化に寄与するヒアルロン酸あるいはビオサッカリドガムを基剤として含む皮膚外用剤またはバイオ製剤に関するものである。
成長因子は、増殖因子あるいは細胞増殖因子とも呼称されており、動物体内において、特定の細胞の増殖や分化を促進させる内因性のタンパク質の総称である。様々な細胞学的・生理学的過程の調節に働いており、標的細胞の表面の受容体タンパク質に特異的に結合することにより、細胞間の信号物質として働くことが可能である。
上皮細胞成長因子(EGF)は、主に上皮細胞に対して細胞増殖を促進させる蛋白質である。1986年にノーベル賞を受賞したコーエンは、成長因子の研究を続けていくうちに、マウスの顎下腺から得た成分を新生マウスに注射したところ、正常の動物に比べて眼瞼の開裂や歯の発育が早期から起こることを見出した。コーエンはマウスの顎下腺からこの熱に安定な蛋白質を分離し、この蛋白質のマウスに対する作用を顕微鏡的に確認したところ、目瞼や歯に対する作用は上皮系細胞の増殖の結果であることを明らかとして、EGFと命名した。EGFは53個のアミノ酸の結合よりなり、分子量は6045である。医薬品あるいはバイオ製品としてのみならず、EGFを化粧品成分として用いることにより、皮膚の上皮層の新生が活発となり、若々しい皮膚に改質させることが期待されている。
上皮細胞成長因子(EGF)は、主に上皮細胞に対して細胞増殖を促進させる蛋白質である。1986年にノーベル賞を受賞したコーエンは、成長因子の研究を続けていくうちに、マウスの顎下腺から得た成分を新生マウスに注射したところ、正常の動物に比べて眼瞼の開裂や歯の発育が早期から起こることを見出した。コーエンはマウスの顎下腺からこの熱に安定な蛋白質を分離し、この蛋白質のマウスに対する作用を顕微鏡的に確認したところ、目瞼や歯に対する作用は上皮系細胞の増殖の結果であることを明らかとして、EGFと命名した。EGFは53個のアミノ酸の結合よりなり、分子量は6045である。医薬品あるいはバイオ製品としてのみならず、EGFを化粧品成分として用いることにより、皮膚の上皮層の新生が活発となり、若々しい皮膚に改質させることが期待されている。
一方、繊維芽細胞成長(増殖)因子(FGF)は繊維芽細胞に対して細胞増殖を促進させる蛋白質である。すなわち、150から300個のアミノ酸の連なった蛋白質であり、当初は脳の抽出物から精製された。FGFは当初2種類発見され、aFGF(acidicFGFまたはFGF-1またはFGF1)とbFGF(basicFGFまたはFGF-2またはFGF2)と命名されている。現在では、FGF-1、FGF-2、FGF-7(KGF)を含めて、ヒトで22種類のFGFが同定されている。これらのFGFの機能解析が進むことにより、FGFは単なる繊維芽細胞増殖因子ではなく、様々な細胞に対する細胞増殖・分化活性を有する形態形成因子、組織障害のときに働く組織修復因子、生体の恒常性を維持するための代謝調節因子、細胞に栄養分を送るために新たな血管を構築させる血管新生因子として働くことが明らかになっている。したがって、FGFは医薬品、バイオ製剤として発生生物学や再生医療の分野で注目されている。さらに、FGF-1の化粧品成分としての応用として、真皮等に作用して、細胞新生を促し、肌の若返り効果が期待されている。
FGF-7は別名KGFともよばれており、KGFは角化細胞増殖因子、角質細胞増殖因子、ケラチノサイト増殖因子とも訳されている。KGF受容体は、舌、口腔、粘膜、食道、胃、腸、唾液腺、肺、肝臓、膵臓、腎臓、膀胱、乳腺、皮膚 (毛嚢と脂腺)、眼球水晶体といった多くの組織の上皮細胞に存在していることがわかっており、この受容体型チロシンキナーゼと結合して細胞内にシグナルが送られる。
KGFの医薬品、バイオ製剤、化粧品成分の応用として、発毛作用が注目されている。これは、KGFは毛乳頭細胞から産生され、毛母細胞に作用し、毛母細胞の増殖、分裂を促すことで毛髪成長させると解釈されているからである。
KGFの医薬品、バイオ製剤、化粧品成分の応用として、発毛作用が注目されている。これは、KGFは毛乳頭細胞から産生され、毛母細胞に作用し、毛母細胞の増殖、分裂を促すことで毛髪成長させると解釈されているからである。
以上の細胞成長因子は、皮膚外用剤、バイオ製剤、医薬品の成分として期待される半面、成長因子の不安定性が問題となってきている。
成長因子は、常温で、特に水分の存在下で非常に不安定である(特許文献1)。例えば、FGF-1水溶液は、37度の条件下では、12時間後には生物活性度は、初期値の0.1%にまで低下してしまうことが報告されている(非特許文献1)。また、EGF水溶液は、37度の条件下では、48日後には生物活性度は、初期値の62%にまで低下してしまうことが報告されている(特許文献2)。
成長因子は、常温で、特に水分の存在下で非常に不安定である(特許文献1)。例えば、FGF-1水溶液は、37度の条件下では、12時間後には生物活性度は、初期値の0.1%にまで低下してしまうことが報告されている(非特許文献1)。また、EGF水溶液は、37度の条件下では、48日後には生物活性度は、初期値の62%にまで低下してしまうことが報告されている(特許文献2)。
近年、成長因子の変わりに合成ペプチドを化粧品皮膚外用剤の成分として用いられるようになってきた。合成ペプチドは、成長因子より分子量は低く、通常アミノ酸配列が9以上かつ20以下である。これまでに、オリゴペプチド−24(EGF様合成ペプチド、13個のアミノ酸配列、分子量1271)、アセチルデカペプチドー3(FGF様合成ペプチド)、オリゴペプチド−34(TGFβ様合成ペプチド、13個のアミノ酸配列、分子量1468)、オリゴペプチド−20(IGF様合成ペプチド、12個のアミノ酸配列、分子量1476)等が報告されてきた。
成長因子よりは、これら合成ペプチドは安定であり、常温保存が半年から1年可能である。しかしながら、合成ペプチドの1分子あたりの生物活性は、それに対応する成長因子と比較すると1/5から1/100低い。
成長因子よりは、これら合成ペプチドは安定であり、常温保存が半年から1年可能である。しかしながら、合成ペプチドの1分子あたりの生物活性は、それに対応する成長因子と比較すると1/5から1/100低い。
合成ペプチドの生物活性を高める研究はこれまで行われてこなかった。もし、成長因子様合成ペプチドの生物活性を長期的に高活性に維持することが可能であれば、成長因子様合成ペプチドを含む皮膚外用剤及びバイオ製品を長期的に高活性な状態で保存することが可能となり、成長因子様合成ペプチドが有効に作用している皮膚外用剤及びバイオ製品を開発することができる。さらに、EGF様,FGF−1様合成ペプチドの活性を保った皮膚外用剤をヒトに対して使用することにより、皮膚の新生並びに若返り、発毛の促進が期待される。
Zakrzewska M, Krowarsch D, Wiedlocha A, Olsnes S., Otlewski J., J. Mol. Bio., 352, 860-875 (2005)
生物学的活性のあるアミノ酸配列が9以上かつ20以下の合成ペプチドを有効成分とし、ヒアルロン酸またはビオサッカリドガムを基剤として含む高活性で安定な皮膚外用剤及びバイオ製品を提供することにある。
本発明者らは、以上のような点に鑑み、鋭意研究を重ねた結果、生物学的活性のあるアミノ酸配列が9以上かつ20以下の合成ペプチドを有効成分とし、ヒアルロン酸またはビオサッカリドガムを基剤として含む皮膚外用剤及びバイオ製品は、生物活性が高く、なおかつ長期的に維持することが可能であることを見出した。
長期保存可能で高活性な生物学的活性のあるアミノ酸配列が9以上かつ20以下の合成ペプチドを含む皮膚外用剤及びバイオ製品を製造し、これを長期的に高活性で保存することが容易に可能である。
アミノ酸が3個から8個で構成される合成ペプチド又はその誘導体と、分子量が500から5000の範囲にある加水分解コラーゲン又はその誘導体とを含有する皮膚外用剤は、抗老化作用剤として有効であることが報告されている(特許文献3)。しかしながら、アミノ酸配列が少数(8個以下)のために、これらの合成ペプチド自身は生物活性が無い。生物活性のある合成ペプチドは、最低でも9以上のアミノ酸配列が必要である。また、長鎖合成ペプチドは、成長因子と同様に不安定な分子となるために20以下のアミノ酸配列であることが望ましい。
アミノ酸が3個から8個で構成される合成ペプチド又はその誘導体と、分子量が500から5000の範囲にある加水分解コラーゲン又はその誘導体とを含有する皮膚外用剤は、抗老化作用剤として有効であることが報告されている(特許文献3)。しかしながら、アミノ酸配列が少数(8個以下)のために、これらの合成ペプチド自身は生物活性が無い。生物活性のある合成ペプチドは、最低でも9以上のアミノ酸配列が必要である。また、長鎖合成ペプチドは、成長因子と同様に不安定な分子となるために20以下のアミノ酸配列であることが望ましい。
生物活性のあるアミノ酸配列が9以上かつ20以下の合成ペプチドは、皮膚の白色化、皮膚のシワの減少、新生並びに若返り、老化防止効果、並びに育毛効果に寄与するために、本発明は、生物活性のあるアミノ酸配列が9以上かつ20以下の合成ペプチド含有皮膚外用剤の製造並びに保存に最適である。
本発明にかかわるアミノ酸配列が9以上かつ20以下の合成ペプチドは、(1)オリゴペプチド−24(EGF様合成ペプチド、13個のアミノ酸配列、分子量1271)、(2)アセチルデカペプチドー3(FGF様合成ペプチド)、(3)オリゴペプチド−34(TGFβ様合成ペプチド、13個のアミノ酸配列、分子量1468)、(4)オリゴペプチド−20(IGF様合成ペプチド、12個のアミノ酸配列、分子量1476)等である。
生物学的活性のあるアミノ酸配列が9以上かつ20以下の合成ペプチドを水溶液中に溶解した場合には、長期的には合成ペプチドの生物活性が経時的に低下してしまう。従って、合成ペプチド含有皮膚外用剤あるいはバイオ製剤を購入しても、使用前に有る程度の期間保存しておくと、使用時には、合成ペプチドの生物活性は低下しているのが常であった。これを防ぐ最善の策として、生物学的活性のあるアミノ酸配列が9以上かつ20以下の合成ペプチドの安定化剤さらには、高活性に促進させる物質を合成ペプチド水溶液中に添加させることが有効である。
生物学的活性のあるアミノ酸配列が9以上かつ20以下の合成ペプチドを水溶液中に溶解した場合には、長期的には合成ペプチドの生物活性が経時的に低下してしまう。従って、合成ペプチド含有皮膚外用剤あるいはバイオ製剤を購入しても、使用前に有る程度の期間保存しておくと、使用時には、合成ペプチドの生物活性は低下しているのが常であった。これを防ぐ最善の策として、生物学的活性のあるアミノ酸配列が9以上かつ20以下の合成ペプチドの安定化剤さらには、高活性に促進させる物質を合成ペプチド水溶液中に添加させることが有効である。
この安定基材を鋭意探索した結果、ヒアルロン酸並びにビオサッカリドガムが有効であることを突き止めた。これらの安定基材の含有量は、組成物の総量に対して0.00001重量%から90重量%の範囲が好ましい。
本発明者らは、本発明にかかわるヒアルロン酸あるいはビオサッカリドガムを含有する生物学的活性のあるアミノ酸配列が9以上かつ20以下の合成ペプチド入り細胞培養液を用いた細胞活性を測定した。このとき、同濃度のアミノ酸配列が9以上かつ20以下の合成ペプチド入り細胞培養液を対照群として用いて細胞活性を測定した。その結果、本発明にかかわるヒアルロン酸あるいはビオサッカリドガムを含有する生物学的活性のあるアミノ酸配列が9以上かつ20以下の合成ペプチド入り細胞培養液は、優れた細胞活性を示した。さらに、本発明にかかわるヒアルロン酸あるいはビオサッカリドガムを含有する生物学的活性のあるアミノ酸配列が9以上かつ20以下の合成ペプチド入り細胞培養液並びに対照群である同濃度のアミノ酸配列が9以上かつ20以下の合成ペプチド入り細胞培養液を30度で6ヶ月保存した後に、細胞活性を測定した。その結果、本発明にかかわるヒアルロン酸あるいはビオサッカリドガムを含有する生物学的活性のあるアミノ酸配列が9以上かつ20以下の合成ペプチド入り細胞培養液は、対照群より特に優れた細胞活性を示した。
さらに、化粧品中に本発明にかかわるヒアルロン酸あるいはビオサッカリドガムを含有する生物学的活性のあるアミノ酸配列が9以上かつ20以下の合成ペプチドを添加させた場合と、対照群である同濃度のアミノ酸配列が9以上かつ20以下の合成ペプチド入り化粧品を調製し、ヒトの目尻に毎日塗布したモニタリング実験を行った。しわの減少度を1ヵ月後に測定した結果、本発明にかかわるヒアルロン酸あるいはビオサッカリドガムを含有する生物学的活性のあるアミノ酸配列が9以上かつ20以下の合成ペプチドを添加させた化粧品を用いた群においては、シワの低下が著しく観察された。
以下、本発明を実施例により説明するが本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
ヒト線維芽細胞(NB1-RGB、理研細胞バンクより入手)を文献(A. Higuchi et al., Cytotechnology 39 (2002) 131)の方法により培養した。その後、20,000/cm2の密度でヒト線維芽細胞を培養した。用いた培地は、(a) MEM-α培地、(b)10ng/mlのEGF(Sigma-Aldrich社製)を添加させたMEM-α培地(Sigma-Aldrich社製)、(c)10ng/mlのEGF様合成ペプチドであるオリゴペプチド−24(Sigma-Aldrich社製)を添加させたMEM-α培地、(d)10ng/mlのEGF様合成ペプチドであるオリゴペプチド−24並びに10mg/mlのヒアルロン酸(Select-HA、
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、Sigma-Aldrich社製)を添加させたMEM-α培地、(e)10ng/mlのEGF様合成ペプチドであるオリゴペプチド−24並びに10mg/mlのビオサッカリドガム(FUCOGEL 1000 PP、Solabia社製)を添加させたMEM-α培地、である。細胞播種時の細胞数をN0と定義し、培養x日後の細胞数をNxとすると、細胞増加率を下記式で定義する。
細胞増加率=(Nx/N0) x 100 (%) (1)
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、Sigma-Aldrich社製)を添加させたMEM-α培地、(e)10ng/mlのEGF様合成ペプチドであるオリゴペプチド−24並びに10mg/mlのビオサッカリドガム(FUCOGEL 1000 PP、Solabia社製)を添加させたMEM-α培地、である。細胞播種時の細胞数をN0と定義し、培養x日後の細胞数をNxとすると、細胞増加率を下記式で定義する。
細胞増加率=(Nx/N0) x 100 (%) (1)
その結果を表1に示す。ヒアルロン酸あるいはビオサッカリドガムを含有する生物学的活性のあるアミノ酸配列が9以上かつ20以下の合成ペプチド(EGF様合成ペプチドであるオリゴペプチド−24)を添加させた培地は、線維芽細胞の増殖性を増大させることが明らかとなった。
実施例1で調整した培地を6ヶ月25度の恒温相に静置した以外は、実施例1と同様な実験を行った。その結果を表2に示す。ヒアルロン酸あるいはビオサッカリドガムを含有する生物学的活性のあるアミノ酸配列が9以上かつ20以下の合成ペプチド(EGF様合成ペプチドであるオリゴペプチド−24)を添加させた培地は、線維芽細胞の増殖性を増大させることが明らかとなった。さらに、ヒアルロン酸あるいはビオサッカリドガムを含有する培地は、合成ペプチドの細胞活性の維持が無添加系より高いことが明らかとなった。
美容液をヒトの目尻に1日2回,朝と夜1ヶ月塗布して、目尻における抗シワ機能評価試験を美容液使用前と使用後の2回文献(日本香粧品学会誌30 (2006)316)記載のガイドラインに従って行った。美容液として(a)エイジングプレミアム化粧品200ml(無印良品製)、(b)EGF様合成ペプチドであるオリゴペプチド−24(Sigma-Aldrich社製)を0.3%添加させたエイジングプレミアム化粧品、(c)EGF様合成ペプチドであるオリゴペプチド−24(0.3%)並びに10mg/mlのヒアルロン酸(Select-HA、S0451、Sigma-Aldrich社製)を添加させたエイジングプレミアム化粧品、である。30−50歳で文献(日本香粧品学会誌30 (2006)316)記載のシワグレード1から3である女性10名の右目尻並びに左目尻を用いて治験を行った。なお、本治験は、パース社において倫理委員会の了承を得て行った。また、治験者のインフォームドコンセプトも得て治験を行った。シワの評価は、シワ評価機器(皮膚用非接触3D測定システム、Primos Lite、GFM社製)を用いて、シワ個数の測定を行った。
その結果を表3に示す。また、これらの結果をまとめて図1に示す。ヒアルロン酸を含有する生物学的活性のあるアミノ酸配列が9以上かつ20以下の合成ペプチド(EGF様合成ペプチドであるオリゴペプチド−24)を添加させた美容液は、合成ペプチドのみ含有する美容液よりシワの減少が確認された。
その結果を表3に示す。また、これらの結果をまとめて図1に示す。ヒアルロン酸を含有する生物学的活性のあるアミノ酸配列が9以上かつ20以下の合成ペプチド(EGF様合成ペプチドであるオリゴペプチド−24)を添加させた美容液は、合成ペプチドのみ含有する美容液よりシワの減少が確認された。
EGF様合成ペプチドであるオリゴペプチド−24(Sigma-Aldrich社製)を0.3%添加させたエイジングプレミアム化粧品、EGF様合成ペプチドであるオリゴペプチド−24(0.3%)並びに様々な濃度のヒアルロン酸(Select-HA、S0451、Sigma-Aldrich社製)を添加させたエイジングプレミアム化粧品を用いた以外は、実施例3と同様な実験を行った。1mg/ml、10mg/ml、100mg/ml、1mg/mlの濃度のヒアルロン酸を用いた。その結果を表4に示す。また、これらの結果をまとめて図2に示す。10mg/ml以上のヒアルロン酸を添加させたEGF様合成ペプチドであるオリゴペプチド−24を添加させたエイジングプレミアム美容液を用いることによりシワの減少が確認された。
0.3%のEGF様合成ペプチドであるオリゴペプチド−24を添加させたエイジングプレミアム化粧品、0.3%のEGF様合成ペプチドであるオリゴペプチド−24(Sigma-Aldrich社製)並びに様々な濃度のビオサッカリドガム(FUCOGEL 1000 PP、Solabia社製)を添加させたエイジングプレミアム化粧品を用いた以外は、実施例4と同様な実験を行った。1mg/ml、10mg/ml、100mg/ml、1mg/mlの濃度のビオサッカリドガムを用いた。その結果を表5に示す。また、これらの結果をまとめて図3に示す。10ng/ml以上のビオサッカリドガムを添加させたEGF様合成ペプチドであるオリゴペプチド−24を添加させたエイジングプレミアム美容液を用いることによりシワの減少が確認された。
エイジングプレミアム化粧品200ml(無印良品製)の代わりにエイジングケアプレミアムクリーム 50g(無印良品製)を用いた以外は、実施例3と同様な実験を行った。その結果を表6に示す。また、これらの結果をまとめて図4に示す。ヒアルロン酸を含有する生物学的活性のあるアミノ酸配列が9以上かつ20以下の合成ペプチド(EGF様合成ペプチドであるオリゴペプチド−24)を添加させた化粧品は、合成ペプチドのみ含有する化粧品よりシワの個数の減少が確認された。
EGF様合成ペプチドであるオリゴペプチド−24(Sigma-Aldrich社製)を0.3%添加させたエイジングケアプレミアムクリーム化粧品、EGF様合成ペプチドであるオリゴペプチド−24(0.3%)並びに様々な濃度のヒアルロン酸(Select-HA、S0451、Sigma-Aldrich社製)を添加させたエイジングケアプレミアムクリーム化粧品を用いた以外は、実施例4と同様な実験を行った。1mg/ml、10mg/ml、100mg/ml、10mg/mlの濃度のヒアルロン酸を用いた。その結果を表7に示す。また、これらの結果をまとめて図4に示す。10mg/ml以上のヒアルロン酸を添加させたEGF様合成ペプチドであるオリゴペプチド−24を添加させたエイジングプレミアム美容液を用いることによりシワの減少が確認された。
ヒト腹水由来幹細胞を文献(A. Higuchi et al., Tissue Engineering, Part A, 17(21-22) (2011))の方法により培養した。4継体目のヒト腹水由来幹細胞を、10,000/cm2の密度で培養した。用いた培地は、(a) DMEM/MCDB201培地(シグマ社製)、(b)10ng/mlのFGF−1(シグマ社製)を添加させたDMEM/MCDB201培地(シグマ社製)、(c)10ng/mlのFGF様合成ペプチドであるアセチルデカペプチドー3(Sigma-Aldrich社製)を添加させたDMEM/MCDB201培地、(d)10ng/mlのFGF様合成ペプチドであるアセチルデカペプチドー3並びに10mg/mlのヒアルロン酸(Select-HA、S0451、Sigma-Aldrich社製)を添加させたDMEM/MCDB201培地、(e)10ng/mlのFGF様合成ペプチドであるアセチルデカペプチドー3並びに10mg/mlのビオサッカリドガム(FUCOGEL 1000 PP、Solabia社製)を添加させたDMEM/MCDB201培地、である。
その結果を表8に示す。ヒアルロン酸ビオサッカリドガムを含有する生物学的活性のあるアミノ酸配列が9以上かつ20以下の合成ペプチド(FGF様合成ペプチドであるアセチルデカペプチドー3)を添加させた培地は、ヒト腹水由来幹細胞の増殖性を増大させることが明らかとなった。
実施例8で調整した培地を6ヶ月25度の恒温相に静置した以外は、実施例1と同様な実験を行った。その結果を表9に示す。ヒアルロン酸(Select-HA、S0451、Sigma-Aldrich社製)あるいはビオサッカリドガム(FUCOGEL 1000 PP、Solabia社製)を含有する生物学的活性のあるアミノ酸配列が9以上かつ20以下の合成ペプチド(FGF様合成ペプチドであるアセチルデカペプチドー3) (Sigma-Aldrich社製)を添加させた培地は、ヒト腹水由来幹細胞の増殖性を増大させることが明らかとなった。さらに、ヒアルロン酸あるいはビオサッカリドガムを含有する培地は、合成ペプチドの細胞活性の維持が無添加系より高いことが明らかとなった。
Claims (4)
- 生物学的活性のあるアミノ酸配列が9以上かつ20以下の合成ペプチドを有効成分とし、ヒアルロン酸またはビオサッカリドガムを基剤として含む高活性で安定な皮膚外用剤及びバイオ製品
- 合成ペプチドが上皮細胞成長因子(epidermal growth factor, EGF)様である請求項1に記載の皮膚外用剤及びバイオ製剤
- 合成ペプチドが線維芽細胞成長因子(Fibroblast growth factor, FGF)様である請求項1に記載の皮膚外用剤及びバイオ製剤
- 皮膚外用剤が、化粧品、化粧水、毛髪剤、育毛促進剤、毛髪水、毛髪クリーム、栄養クリーム、マッサージクリーム、エッセンス、アイクリーム、アイエッセンス、クレンジングクリーム、クレンジングフォーム、クレンジングウォーター、パック、ボディーローション、ボディークリーム、ボディーオイル、ボディーエッセンス、メイカップベース、ファウンデーション、シャンプー、リンス、ボディーソープであることを特徴とする請求項1に記載の皮膚外用剤
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- 2013-05-17 JP JP2013104746A patent/JP2014224078A/ja active Pending
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