JP2017214321A - 糖尿病における筋肉を増強する組成物及びその利用 - Google Patents

糖尿病における筋肉を増強する組成物及びその利用 Download PDF

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Abstract

【課題】筋肉の増強に関し、より実用的な組成物及びその利用を提供する。【解決手段】歯髄幹細胞及び/又は歯髄幹細胞の培養上清を含む組成物を、糖尿病に伴う筋肉量の低下又は筋力の低下を抑制又は改善するために用いる。【選択図】なし

Description

本明細書は、筋肉の質若しくは量を増強又は改善する組成物及びその利用に関する。
筋肉を増強することは、健康維持・増進のほか、健康的で自立した生活のためにも重要である。一方、加齢や疾患等によって筋萎縮、筋肉量や筋力の低下が生じる場合もある。さらに、運動不足や長期間の安静等による筋肉量や筋力の低下が生じる場合もある。筋肉量や筋力の低下は、運動機能の低下、ひいては身体機能の低下を生じさせることにもなり、その後の生活の質(QOL)に大きな影響がある場合がある。
さらに、運動機能の低下や身体機能の低下は、日常生活における転倒ほか、骨粗しょう症、肥満、代謝障害、精神疾患などを患う危険性を高める可能性もある。糖尿病においては、筋肉量の低下はインスリン抵抗性を増加させ、糖尿病そのものを悪化させる可能性がある。
筋肉量や筋力の低下を抑制するには、日常的な運動やリハビリテーションを実施することが有効である。しかしながら、運動等の継続的な実施は難しい場合もある。
そこで、種々の筋肉増強手段が検討されている。例えば、乳酸やカテキン類などの筋肉増強剤が知られている(特許文献1、2)。
一方、歯髄幹細胞やその培養上清を、歯髄幹細胞の培養上清を含む組成物が、皮膚、骨における損傷や、脳梗塞などの中枢神経疾患における損傷の治療に有効であることが知られている(特許文献3、4)。また、骨髄間葉系幹細胞、末梢血CD133陽性細胞、脂肪由来間葉系幹細胞による骨格筋再生治療も知られている(非特許文献1)。
特開2014−208637号公報 特開2015−12986号公報 国際公開WO2009/072527号 国際公開WO2011/118795号
Stem Cell Research & Therapy 6: 156, 2015
しかしながら、特許文献1、2に開示される方法では、経口投与のほか運動を伴うことが必要であったり、十分な効果が得られない等の問題があった。また、特許文献3では、歯髄幹細胞が、骨や皮膚の再生に有効であることが記載されているが、筋肉には言及がない。また、特許文献4では、歯髄幹細胞の培養上清を、皮膚、骨、歯周組織、脳梗塞、脊髄損傷に投与して、一定の治療効果が得られたことが記載されているが、筋肉には言及がない。非特許文献4には、歯髄由来の幹細胞が筋芽細胞に分化し、筋芽細胞に分化させたのち筋ジストロフィーモデルマウスに移植すると、筋ジストロフィーで欠損しているジストロフィンを産生して骨格筋が再生されたことが記載されている。
本明細書は、糖尿病等によって減少した筋肉の増強に関し、より実用的な組成物及びその利用を提供する。
本発明者らは、歯髄幹細胞の神経保護作用や血流改善作用に基づき、歯髄幹細胞の移植による糖尿病性神経障害の治療について研究していた。そして、歯髄幹細胞を、糖尿病モデル動物の下肢への移植により、低下した下肢部の神経障害の改善に有効であること、及び歯髄幹細胞が筋束間隙に存在していることを確認していた。しかしながら、意外にも、歯髄幹細胞の移植部位において筋力増強や筋束面積の増大を新たに見出し、本発明を完成するに至ったものである。こうした知見に基づき、本明細書は、以下の手段を提供する。
(1)歯髄幹細胞及び/又は歯髄幹細胞の培養上清を含む、筋肉を増強するための組成物。
(2)前記筋肉は、骨格筋である、(1)に記載の組成物。
(3)被筋肉増強部位への注入用である、(1)又は(2)に記載の組成物。
(4)歯髄幹細胞を含む、(1)〜(3)のいずれかに記載の組成物。
(5)凍結歯髄幹細胞を含む、(1)〜(4)のいずれかに記載の組成物。
(6)歯髄幹細胞及び/又は歯髄幹細胞の培養上清を含む、サルコペニアの治療又は改善用組成物。
(7)歯髄幹細胞及び/又は歯髄幹細胞の培養上清を含む、糖尿病に伴うサルコペニアの治療又は改善用組成物。
(8)歯髄幹細胞及び/又は歯髄幹細胞の培養上清を含む、糖尿病に伴う筋肉量の低下又は筋力の低下を抑制又は改善するための組成物。
(9)歯髄幹細胞及び/又は歯髄幹細胞の培養上清を含む、筋束サイズの増大のための組成物。
(10)歯髄幹細胞及び/又は歯髄幹細胞の培養上清の有効量を投与する、非治療的な筋肉の増強方法。
歯髄幹細胞を後肢に投与した正常および糖尿病ラットの後肢の筋力の測定結果を示す図である。 歯髄幹細胞を後肢に投与した正常および糖尿病ラットの後肢の腓腹筋量の測定結果を示す図である。 歯髄幹細胞を後肢に投与した正常および糖尿病ラットの後肢の腓腹筋組織像および腓腹筋単位面積あたりの筋束サイズ測定結果を示す図である。 歯髄幹細胞を後肢に投与した正常および糖尿病ラットの後肢の腓腹筋における血管新生因子および神経栄養因子の遺伝子発現解析結果を示す図である.
本明細書の開示は、筋肉の増強用の組成物及びその利用に関する。本明細書に開示される筋肉の増強用の組成物(以下、単に、本組成物という。)は歯髄幹細胞及び/又はその培養上清を有効成分として含むことができる。歯髄幹細胞は、骨や皮膚の再生に有効であることが知られ(特許文献3)、歯髄幹細胞の培養上清は、皮膚、骨、歯周組織、脳梗塞、脊髄損傷に投与することで、当該損傷に対して一定の治療効果が得られたことも知られている。さらに、歯髄幹細胞を用いて、歯槽骨再生や筋ジストロフィンの再生に有効であることも報告されている。しかしながら,こうした背景において、歯髄幹細胞やその培養上清を糖尿病における筋肉の増強等に用いることができるか否かは当業者といえども全く予想できるものではなかった。
筋肉の再生や回復は、損傷や炎症反応を伴うことが一般的であり、必ずしも明らかではない。本発明者らが確認したところによれば、歯髄幹細胞やその培養上清によって、筋合成系遺伝子の発現増強、糖尿病条件における筋萎縮系遺伝子の発現低下も確認されており、筋繊維の修復、筋原線維の再形成、筋芽細胞の融合等による筋線維等が促進された結果、筋肉量の増大や、筋力の増大が生じているものと考えられる。
なお、本明細書において「筋肉」とは、特に限定されないが、主に骨格筋(随意筋)である。本明細書における筋肉は、頭部から下肢までの全身に及ぶことができる(具体的には、頭部、頸部、胸部、腹部、背部、上肢、下肢)。例えば、本明細書における筋肉としては、例えば抗重力筋(脊柱起立筋、腹直筋、大臀筋、大腿四頭筋等)が挙げられる。また、下肢の筋肉が挙げられる。下肢の筋肉としては、下肢帯筋、大腿筋、下腿筋、足筋等が挙げられるが、これらの中では下腿筋が好ましい。下腿筋としては、下腿伸筋群の筋肉、腓骨筋、下腿屈筋群の筋肉等が挙げられ、なかでも、下腿伸筋群の筋肉及び下腿屈筋群の筋肉が好ましい。下腿伸筋群の筋肉としては、前頸骨筋、長趾伸筋(長指伸筋)、第三腓骨筋、長母趾伸筋等が挙げられる。下腿屈筋群の筋肉としては、足底筋(足底屈筋)、膝窩筋、下腿三頭筋(腓腹筋、ヒラメ筋等)、長趾屈筋、後頸屈筋、長母趾屈筋等が挙げられる。
また、「筋肉」の「増強」とは、結果的に筋肉が増強される限り特に限定されるわけではないが、主に筋肉量の増大又は筋力の増大を意味することができる。さらに、筋束サイズの増大を意味することもできる。したがって、本組成物は、例えば、筋肉量の増大用途、筋力の増大用途、筋束サイズの増大用途としても使用できる。さらなる本組成物の用途については、後段で詳述する。
以下、本明細書に開示される筋肉を増強するための組成物等の各種実施形態について詳細に説明する。
(筋肉を増強するための組成物:本組成物)
本組成物は、歯髄幹細胞及び/又は歯髄幹細胞の培養上清を含むことができる。本組成物によれば、筋肉量の増大及び/又は筋力の増大のほか、筋束サイズの増大という効果を得ることができる。これにより、筋力の増強が可能となる。
本組成物は、歯髄幹細胞を有効成分とすることもできるし、歯髄幹細胞の培養上清を有効成分として有することもできるし、歯髄幹細胞とその培養上清との双方を有効成分とすることもできる。
本組成物が歯髄幹細胞を有効成分とする場合には、歯髄幹細胞のみを含有し、培養上清を含まないことが好ましい。ただし、夾雑物としての歯髄幹細胞の培養上清や歯髄細胞を含むことも許容されうる。歯髄幹細胞は、例えば、以下に示す方法により、取得することができる。
また、本組成物が歯髄幹細胞の培養上清を有効成分とする場合には、当該培養上清のみを含有し、歯髄幹細胞のほか、歯髄細胞などの細胞成分を含まないことが好ましい。ただし、夾雑物としての、歯髄幹細胞や歯髄細胞を含むことも許容されうる。歯髄幹細胞の培養上清は、例えば、以下に示す方法により取得することができる。
本組成物は、歯髄幹細胞と歯髄幹細胞の培養上清とを有効成分とする場合には、歯髄幹細胞と培養上清とのみを含有し、歯髄細胞を含まないことが好ましい。ただし、夾雑物としての歯髄細胞を含むことは許容されうる。歯髄幹細胞と培養上清は、それぞれを別個に取得してその後それらを混合してもよいし、歯髄幹細胞の培養液自体を有効成分として使用することもできる。
(歯髄幹細胞)
歯髄幹細胞は、歯髄から得られる歯髄に由来した幹細胞であれば特に限定されない。永久歯歯髄幹細胞であってもよいし、乳歯歯髄幹細胞であってもよいが、好ましくは、細胞増殖能の観点から、脱落した乳歯もしくは若年時の抜去歯(矯正治療による抜歯もしくは第三大臼歯抜歯)に由来する歯髄幹細胞を用いる。本組成物を適用する個体との関係においては、拒絶反応を抑制又は回避するため、同一生物種(ヒトであればヒト由来)の歯髄幹細胞であることが好ましく、他家歯髄幹細胞であってもよいが、より好ましくは自家歯髄幹細胞を用いる。
歯髄幹細胞は、歯髄細胞の中の接着性細胞として選別可能である。脱落した乳歯や永久歯から採取した歯髄細胞の中の接着性細胞を用いることができる。例えば、ヒトの歯髄幹細胞は、以下の方法により取得することができる。
(1)歯髄の採取
自然に脱落した乳歯(又は抜歯した乳歯、或いは永久歯)をクロロヘキシジンまたはイソジン溶液で消毒した後、歯冠部を分割し歯科用リーマーにて歯髄組織を回収する。
(2)酵素処理
採取した歯髄組織を基本培地(10%ウシ血清・抗生物質含有ダルベッコ変法イーグル培地)に懸濁し、2mg/mlのコラゲナーゼ及びディスパーゼで37℃、1時間処理する。5分間の遠心操作(5000回転/分)により酵素処理後の歯髄細胞を回収する。セルストレーナーによる細胞選別はSHEDやDPSCの神経幹細胞分画の回収効率を低下させるので原則、使用しない。
(3)細胞培養(接着性細胞の選択)
細胞を4cc基本培地で再懸濁し、直径6cmの付着性細胞培養用ディッシュに播種する。5%CO、37℃に調整したインキュベータにて3日間培養した後、コロニーを形成した接着性細胞を0.05%トリプシン・EDTAにて5分間、37℃で処理する。ディッシュから剥離した歯髄細胞を直径10cmの付着性細胞培養用ディッシュに播種し拡大培養を行う。例えば、肉眼で観察してサブコンフルエント(培養容器の表面の約70%を細胞が占める状態)又はコンフルエントに達したときに細胞を培養容器から剥離して回収し、再度、培養液を満たした培養容器に播種する。継代培養を繰り返し行ってもよい。例えば継代培養を1〜8回行い、必要な細胞数(例えば約1×10個/ml)まで増殖させる。尚、培養容器からの細胞の剥離は、トリプシン処理など常法で実施することができる。以上の培養の後、細胞を回収して保存することにしてもよい(保存条件は、例えば、−198℃)。なお、以下の別法も挙げられる。
(別法)
細胞を4cc基本培地で再懸濁し、直径6cmの付着性細胞培養用ディッシュに播種する。培養液(例えば、10%FCS含有DMEM(Dulbecco’s Modified Eagle’s Medium))を添加した後、5%CO、37℃に調整したインキュベータにて2週間程度培養する。培養液を除去した後、PBS等で細胞を1回又は数回洗浄する。この操作(培養液の除去及び細胞の洗浄)に代えて、コロニーを形成した接着性細胞(歯髄幹細胞)を回収することにしてもよい。この場合には例えば、0.05%トリプシン・EDTAにて5分間、37℃で処理し、ディッシュから細胞を剥離する。
(4)細胞の回収
次に、細胞を回収する。トリプシン処理等で培養容器から細胞を剥離した後、遠心処理を施すことによって細胞を回収することができる。このようにして回収した歯髄幹細胞を用いて本組成物を調製することができる。
歯髄幹細胞としては、凍結した状態、すなわち、凍結歯髄幹細胞であってもよい。用時に融解し、再培養することで、凍結を経ていない歯髄幹細胞と同様の機能を保持することができる。歯髄幹細胞の凍結及び融解は、当業者に公知の細胞の凍結保存方法に準じて行うことができる。例えば、商業的に入手可能な凍結用培地に細胞濃度が所定濃度になるようにした細胞懸濁液を、アンプルに対して例えば、1mlを分注し、−1〜2℃/3分程度の冷却速度で凍結し、最終的には、液体窒素中に保存することができる。融解は、例えば、37℃の温湯中にアンプルを投入し、速やかに融解させるようにする。その後、適宜遠心等により細胞を分離することで、融解した歯髄幹細胞を得ることができる。
(歯髄幹細胞の培養上清)
歯髄幹細胞の培養上清は、歯髄幹細胞を培養して得られる細胞培養液の上清である。すなわち、実質的に細胞成分(歯髄幹細胞又は歯髄細胞)を含んでいない液性成分である。培養した歯髄幹細胞は、培養後に細胞成分を分離除去することによって、培養液の液性成分から除去される。培養液からの細胞成分の分離は、当業者に周知の方法で可能である。さらに、培養液に対して各種処理(例えば、遠心処理、濃縮、溶媒の置換、透析、凍結、乾燥、凍結乾燥、希釈、脱塩、保存等)を適宜施した培養上清を用いることにしてもよい。
歯髄幹細胞の培養には、基本培地、或いは基本培地に血清等を添加したもの等を使用可能である。基本培地としてはDMEMの他、イスコフ改変ダルベッコ培地(IMDM)(GIBCO社等)、ハムF12培地(HamF12)(SIGMA社、GIBCO社等)、RPMI1640培地等を用いることができる。二種以上の基本培地を併用することにしてもよい。混合培地の一例として、IMDMとHamF12を等量混合した培地(例えば商品名:IMDM/HamF12(GIBCO社)として市販される)を挙げることができる。また、培地に添加可能な成分の例として、血清(ウシ胎仔血清、ヒト血清、羊血清等)、血清代替物(Knockout serum replacement(KSR)など)、ウシ血清アルブミン(BSA)、抗生物質、各種ビタミン、各種ミネラルを挙げることができる。
歯髄幹細胞の培養上清には、血清を含まないことが好ましい。血清を含まないことで本組成物の安全性が高められる。例えば、血清を含まない培地(無血清培地)で歯髄幹細胞を培養することによって、血清を含まない培養上清を調製することができる。1回又は複数回の継代培養を行うことにし、最後又は最後から数回の継代培養を無血清培地で培養することによっても、血清を含まない培養上清を得ることができる。一方、回収した培養上清から、透析やカラムによる溶媒置換などを利用して血清を除去することによっても、血清を含まない培養上清を得ることができる。
(歯髄幹細胞の培養上清の取得)
歯髄幹細胞の培養には、通常幹細胞に用いられる条件をそのまま適用あるいは適宜変更して適用できる。歯髄幹細胞培養上清の製造は、当業者であれば適宜行うことができる。例えば、以下のような操作で培養上清を取得してもよい。
まず、既に説明したように、歯髄から選抜した接着性細胞(歯髄幹細胞)を、上記した培地で培養する。例えば、細胞を付着性細胞培養用ディッシュに播種し、5%CO、37℃に調整したインキュベータにて培養する。必要に応じて継代培養を行う。例えば、肉眼で観察してサブコンフルエント(培養容器の表面の約70%を細胞が占める状態)又はコンフルエントに達したときに細胞を培養容器から剥離して回収し、再度、培養液を満たした培養容器に播種する。継代培養を繰り返し行ってもよい。例えば継代培養を1〜8回行い、必要な細胞数(例えば約1×10個/ml)まで増殖させる。尚、培養容器からの細胞の剥離は、トリプシン処理など常法で実施することができる。以上の培養の後、細胞を回収して保存することにしてもよい(保存条件は例えば−198℃)。
次いで、選抜・培養した歯髄幹細胞の培養上清を回収する。例えば、スポイトやピペットなどで培養液を吸引して回収することができる。回収した培養上清はそのまま或いは一以上の処理を経た後に本発明の組成物の有効成分として使用される。ここでの処理として、遠心処理、濃縮、溶媒の置換、透析、凍結、乾燥、凍結乾燥、希釈、脱塩、保存(例えば、4℃、−80℃)を例示することができる。
本培養上清に対して適宜濃縮処理を施すこともできる。すなわち、本培養上清は濃縮物として含まれていてもよい。濃縮方法としては公知の手法から当業者であれば適宜選択して用いることができる。例えば、スピンカラム濃縮法、エタノール沈殿濃縮法により、培養上清の濃縮物を得ることができる。本培養上清は、凍結処理がされていてもよく、また、凍結乾燥処理が施されていてもよい。すなわち、本培養上清は、凍結物であっても凍結乾燥物であってもよい。培養上清の凍結又は凍結乾燥及び融解については、タンパク質や有機物を含有する溶液について当業者に公知の凍結方法及び融解方法に準じて実施することができる。
歯髄幹細胞及び/又は歯髄幹細胞の培養上清を含む本組成物は、有効成分以外に他の成分を含むことができる。例えば、歯髄幹細胞の培養に用いた既述の各種基本培地を含む各種培地、こうした培地に添加可能な各種成分を含むことができる。さらに、ヒアルロン酸、コラーゲン、フィブリノーゲン(例えばボルヒール(登録商標))等の生体吸収性材料を含むこともできる。さらにまた、ヒアルロン酸、コラーゲン又はフィブリン糊等のゲル化材料を含むことができる。用いるコラーゲンは可溶性(酸可溶性コラーゲン、アルカリ可溶性コラーゲン、酵素可溶性コラーゲン等)であることが好ましい。また、ロイシン、イソロイシン及びバリンなどの分岐鎖アミノ酸を含む各種アミノ酸から選択される1種又は2種以上を含むことができる。かかるアミノ酸は、骨格筋再生に有用であるからである。
さらに、その目的のみならず、筋肉量維持の観点から、筋肉の減衰を抑制(防止)するため、又は筋肉量の低減を抑制(防止)するためにも使用されることができる。また、本発明の筋肉増強剤は、筋肉の萎縮(例えば、廃用性筋萎縮等)等により減少又は減衰した筋肉(筋肉量、筋力等)を回復させるためにも使用されることができる。
なお、本組成物は、血清(ウシ胎仔血清、ヒト血清、羊血清等)、血清代替物(Knockout serum replacement(KSR)など)、ウシ血清アルブミン(BSA)を含むこともできる。
(本組成物の態様)
歯髄幹細胞及び/又は歯髄幹細胞の培養上清を含む本組成物は、有効成分の種類や形態等に応じて各種態様を採ることができる。本組成物は、液体状(液状、ゲル状など)及び固体状(粉状、細粒、顆粒状など)の形態を採りうる。また、本組成物は、後述する投与方法及び投与量に応じて、公知の各種製剤形態を採りうる。
本組成物は、本組成物の有効成分と薬学的に許容される担体を含む製剤として調製することができる。薬学的に許容される担体とは、一般的に、前記有効成分とは反応しない、不活性の、無毒の、固体又は液体の、増量剤、希釈剤又はカプセル化材料等をいい、例えば、水、エタノール、ポリオール類(例えば、プロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセリン、及びポリエチレングリコール等)、適切なそれらの混合物、植物性油などの溶媒又は分散媒体などが挙げられる。
本組成物は、経口により、非経口により、例えば、口腔内に、皮膚に、皮下に、粘膜に、静脈内に、動脈内に、筋肉内に、腹腔内に投与される。経口投与製剤としては、錠剤、顆粒剤、細粒剤、散剤、カプセル剤、ペレット剤、シロップ剤、液剤、懸濁剤などが挙げられる。非経口投与製剤としては、点滴剤、注射剤、並びに軟膏、クリーム剤、ゲル剤などが挙げられる。なお、本組成物は、製剤形態に応じて、適宜、慣用の添加剤を含んでいてもよい。そのような添加剤には、必要に応じて使用できる。
本組成物の適用対象は、好ましくは温血脊椎動物であり、より好ましくは哺乳動物である。本明細書において哺乳動物は、例えば、ヒト、並びにサル、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ブタなどの非ヒト哺乳動物が挙げられる。適用対象としては、QOL向上の観点からヒトが好ましい。
(本組成物の用途)
本組成物は、筋肉を増強するために用いることができる。また、筋肉を増強するためにという観点から、筋肉を増強するための医薬、すなわち、医薬組成物として使用することができる。この場合、本組成物は、筋肉量減少又は筋力低下に関連する疾患又は症状の予防又は治療薬として取り扱うことが可能である。かかる疾患及び症状(症候群)としては、例えば、サルコペニア、糖尿病に伴うことがあるサルコペニア、炎症性筋疾患、内科的疾患に伴うミオパチー、筋ジストロフィー、先天性ミオパチー、ミトコンドリア脳筋症、糖原病、緊張縮退症、筋萎縮症、筋異栄養症、筋肉退化、筋無力症等が挙げられる。なお、筋萎縮症は、筋タンパク質の分解速度が合成速度を上回ることにより筋タンパク質量が減少して筋細胞が減少若しくは縮小し、筋量又は筋力が低下することをいう。筋萎縮症は、不活動に起因する重力曝露の低減による廃用性筋萎縮と、筋萎縮性側索硬化症等の疾病による進行性筋萎縮とを包含している。
また、本組成物は、筋肉増強作用を通じて以下の用途に用いることができる。例えば、骨折関節損傷、肉離れ、捻挫等の負傷時あるいは整形外科など各種外科手術や内科的疾患後のリハビリテーション用;加齢による(高齢者の)筋力低下の改善用;加齢による(高齢者の)筋肉量減少の改善用;寝たきり状態の改善用にも用いることができる。さらに、本組成物は、筋量又は筋力の改善を望む運動愛好者やアスリート、運動不足者、筋量又は筋力の低下や日常生活の支障の問題はないが体力、筋量又は筋力の維持や向上を所望するヒト、現状では筋量又は筋力の低下の問題はないが将来予想される加齢や不活動等による筋量又は筋力の低下を予防することを所望するヒトのための筋肉増強用に用いることができる。
本組成物の投与経路は特に限定されない。本組成物が含有する有効成分の態様や本組成物の適用部位や対象とする疾患に応じて公知の各種投与形態を採用できる。たとえば、非経口投与は、全身投与であってもよいし局所投与であってもよい。より具体的には、筋肉量減少部位、筋力減少部位への注入(移植)が挙げられる。また、静脈内投与、動脈内投与、門脈内投与、皮内投与、皮下投与、筋肉内投与、腹腔内投与、口腔内投与等が挙げられる。
本組成物の用法用量は特に限定されない。本組成物の適用対象の年齢、体重、病態等を勘案して設定することができる。投与スケジュールとしては例えば一日一回〜数回、二日に一回、或いは三日に一回などを採用できる。投与スケジュールの作成においては、適用対象の性別、年齢、体重、病態などを考慮することができる。
本組成物の投与量は、個体の状態、体重、性別、年齢、有効成分の活性、投与経路、投与スケジュール、製剤形態又はその他の要因により適宜決定することができる。例えば、歯髄幹細胞を有効成分として、筋肉に対して注射などにより投与する場合、歯髄幹細胞を、筋肉10cm3あたり10個以上10個以下程度、好ましくは、10個以上10個以下程度である。
また、歯髄幹細胞の培養上清を筋肉に対して注射などにより投与する場合、歯髄幹細胞を、筋肉10cmあたり10個以上10個以下程度に用いる培養上清、好ましくは、10個以上10個以下程度に用いる培養上清を適宜濃縮して用いる。
さらに、歯髄幹細胞と歯髄幹細胞の培養上清とを筋肉に対して注射などにより投与する場合は、歯髄幹細胞と培養上清について、それぞれ、既述の投与量を組み合わせた投与量とすることができる。
なお、本組成物の有効成分の投与量は、本組成物の有効成分を異なる投与量で投与し、その結果得られる、筋肉量の質量、筋力、筋束サイズを測定することで、適宜決定することができる。また、前記有効成分の投与又は摂取は、全身投与でもよいし、局所投与でもよい。
本明細書によれば、ヒトなどの個体に、本組成物を投与することにより、個体の筋肉を増強する方法も提供される。この方法は、また、本組成物の投与の目的により、治療的又は非治療的に個体の筋肉を増強する方法のほか、各種疾患や症状を予防、治療又は改善する方法として実施できる。
なお、本明細書において、「治療」とは、個体における疾患や症状を治癒させたり軽快させることをいう。また、「予防」とは個体における疾患や症状の発症を、防止若しくは遅延、あるいは個体の疾患若しくは症状の発症のリスクを低下させることをいう。「予防」とは、個体における疾患や症状の発症を、防止若しくは遅延、あるいは個体の疾患若しくは症状の発症のリスクを低下させることをいう。また、本明細書において「改善」とは、疾患、症状若しくは状態の好転、疾患、症状若しくは状態の悪化の防止若しくは遅延、又は疾患、症状若しくは状態の進行の抑止若しくは遅延をいう。また、本明細書において「非治療的」とは、医療行為、すなわち、治療による人体への処置行為を含まないことをいう。
以下、本明細書を具現化した具体例について説明するが、本明細書の開示は以下の実施例に限定されるものではない。
(1)糖尿病の誘導
実験動物には6週齢雄性、Sprague-Dawley(SD)ラット(ChubuKagaku Shizai,Nagoya,Japan)に一晩絶食後、ストレプトゾシン(STZ)(Sigma Chemical Co., MO,USA)を腹腔内投与した(60mg/kg)。STZ投与1週間後、血糖値を測定し、14mmol/l以上を糖尿病とした。動物は、12時間の明暗サイクルの人工照明下、室温(23+1.0℃)及び湿度(45±10%)で飼育し、自由飲水下で固形飼料を与えた。
(2)歯髄幹細胞の分離・培養
6週齢雄性SDラット及びGFPラット(SD-Tg(CAG-EGFP)Cz-0040sb)(Japan SLC,Inc., Hamamatsu,Japan)にペントバルビタール(1.5mg/kg)を腹腔内投与し屠殺後、上下顎中切歯の抜歯を行った。抜去歯より歯髄組織を採取し、0.1%コラゲナーゼおよび0.25%トリプシン/EDTA溶液を用いて酵素処理を行った後、プラスチックディッシュに播種し、α-minimum essential medium(α-MEM) (GIBCO Lab Inc., Grand Island, NY)に20%ES細胞用ウシ胎児血清(GIBCO)、および1%penicillin-streptomycin(G1BCO)を、添加した培養液を用いて、歯髄幹細胞の分離、培養を行った。
(3)幹細胞の同定
6週齢雄性GFPラット歯髄より分離・培養した3出断t目の歯髄幹細胞(GFP-OPSCs)を用いて同定を行った。抗体はPE標識ハムスター抗ラットC029モノクロナール抗体、PE標識マウス抗ラットCD90、CD45モノクロナール抗体(Becton Dickinson, F ranklin Lakes, NJ)を用いた。コントロールとして、PE標識ハムスター19Mモノクロナール抗体、PE標識マウス19Gモノクロナール抗体(Becton Dickinson)を使用した。MACS (Miltenyi Biotec, Bergisch Gladbach, Germany) を用いてフローサイトメトリーを行い、解析ソフトはMACSQuant (Miltenyi Biotec)を使用した。
(4)多分化能評価
歯髄幹細胞を脂肪細胞、骨芽細胞、軟骨細胞の分化誘導培地で培養し、多分化能の検討を行った。脂肪細胞分化誘導培地は、10%FBS含有α-MEM培地に1%Adipogenic Supplement(R&D systems, Minneapolis, MN, USA) を添加した。14日間培養後、oil red 0(Polysciences, Warrington, PA)染色およびfattyacid-binding protein-4 (FABP-4)免疫染色を行った。骨芽細胞分化誘導培地は、10%FBS含有α−MEM培地に5% Osteogenic Supplement (R&D systems)を添加した。21日間培養後、1%Alizarin red S (Merck, Darmstadt, Germany)染色およびosteocalcin(R&D systems)免疫染色を行った。軟骨細胞分化誘導培地は、1%ITS Supplement (R&D systems)含有Dulbecco’s Modified Eagle' s Medium(D−MEM)/F−12培地(GIBCO)を用いた。21日間のペレッ卜培養後、5μmの凍結切片を作製し、Aggrecan(R&D systems)免疫染色を行った。
(5)歯髄幹細胞の移植及び歯髄幹細胞移植後の評価
糖尿病誘導8週後に6適齢雄性GFPラットから採取したGFP-DPSCs(lx106cells/rat)を正常ラット及び糖尿病ラット片側後肢骨格筋に10か所に分けて移植した。対照側に
は生理食塩水を投与した。移植4週間後に以下の測定を行った。
(a)筋力の測定
握力メーター(Columbus 社)を用いて、常法によりラット後肢の筋力を測定した。結果を図1に示す。図1に示すように、正常ラット及び糖尿病ラットともに、歯髄幹細胞の投与により筋力が増大した。投与前に対する投与後の筋力の増大程度は、糖尿病ラットのほうが大きかった(約1.2倍)。
(b)腓腹筋量の測定
腓腹筋湿潤量を測定した。結果を図2に示す。正常ラットでは、投与前後で筋肉量に変化はなかったが、糖尿病ラットでは筋肉量の増大が観察された。
(c)組織学的評価
後肢骨格筋の筋束1本あたりの面積をImageJを用いて計測した。結果を、図3に示す。図3に示すように、正常ラット及び糖尿病ラットの双方で、歯髄幹細胞の投与により筋束サイズの増大を確認できた。糖尿病ラットでは,正常ラットと比較して本来的に筋束サイズが小さい傾向があったが、歯髄幹細胞の移植は,特に、比較的大径サイズの筋束を増大させる傾向があった。一方、糖尿病ラットでは、1000μm2〜2000μm2の小さいサイズの筋束の割合が、全体の4分の1程度を占めていたが、歯髄幹細胞投与によってサイズの小さい筋束は1割程度に減少し、9000μm2〜10000μmなど、従来全く存在しなかった筋束サイズ領域の筋束を観察することができた。
(d)筋肉内血流量及び筋肉内血管数の測定
レーザー血流計(OMEGAFLO, OMEGAWAVE, Inc, Japan)を用いて後肢骨格筋血流を測定した。すなわち、正常ラット及び糖尿病ラットにつき、ペントパルビタールを用いて、深く麻酔し、後肢を切開し、切開部にセンサーをあてて、計測値を読み取った。また、切開部位の切片を常法により調製し、免疫染色により筋束あたりの血管数を計測した。その結果、歯髄幹細胞の移植により、移植部位の筋肉血流が増大することがわかった。また、歯髄幹細胞の移植により、移植側骨格筋の毛細血管数がお増大することがわかった。また、正常ラットにおいてよりも、糖尿病ラットにおいて、血流及び血管数とも増大程度が大きいこともわかった。
(e)遺伝子発現解析1
後肢骨格筋における増殖・栄養因子(basic fibroblast growth factor(bFGF)、vascular endothelial growth factor(VEGF)、nerve growth factor (NGF)及びneurotrophin-3(NT−3)の遺伝子発現をreal−time PCR法により解析した。結果を図4に示す。すなわち、骨格筋をホモジナイズ後、常法によりRNAを回収して、これらの増殖因子に対応するプライマー及びプローブを用いてリアルタイムPCRを実施した。その結果、正常ラット・糖尿病ラットともに、bFGF発現増強を認めたが,VEGF、NGF及びNT−3においては,糖尿病ラットでのみ増殖・栄養因子の発現増強を確認できた。
(f)移植DPSCsの局在
後肢骨格筋における移植した歯髄幹細胞の存在を蛍光免疫染色により確認した。その結果、後肢体骨格筋の筋束と筋束との間に歯髄幹細胞が存在していることがわかった。
(g)遺伝子発現解析2
後肢骨格筋における筋萎縮マーカー(Atrogin−1、MuRF−1)の遺伝子発現をreal−time PCR法により解析した。すなわち、骨格筋をホモジナイズ後、常法によりRNAを回収して、これらの増殖因子に対応するプライマー及びプローブを用いてリアルタイムPCRを実施した。その結果、糖尿病ラットにおいては、歯髄幹細胞の移植によってAtrogin−1、MuRF−1が顕著に減少していた。これに対して正常ラットにおいては、歯髄幹細胞移植前後で大きな変化はなかった。
(6)歯髄幹細胞の培養上清の筋管細胞への添加の効果
ラット骨格筋由来のL6筋芽細胞を用い、2%ウマ血清を含むDMEM培地で7日間培養してL6筋管細胞へ分化させた。その後、PBSで細胞を洗浄後、無血清培養液(通常グルコースのDMEM及び高グルコース(25mM)DMEM)に交換した。24時間培養した歯髄幹細胞の培養上清を回収し、L6筋管細胞に添加して、24時間後にRNAを回収し、筋合成マーカー(PGC−1α、PPARα、PPARδ、UCP−3)の遺伝子発現解析を行った。その結果、通常グルコース濃度では、歯髄幹細胞の培養上清を添加しても、PGC−1αのみ増大したが、他は培養上清添加なしと同等か減少した。一方、高グルコース濃度では、PGC−1α、PPARδ、UCP−3が培養上清添加により増大していた。
また、L6筋芽細胞を上記と同様の手順で無血清培養液(通常グルコースのDMEM及び高グルコース(25mM)DMEM)に交換後、24時間培養した歯髄幹細胞の培養上清を回収し、L6筋芽細胞に添加した.数時間後にRNAを回収し、筋分化マーカー(Myogenin、MyoD1)の遺伝子発現解析を行った。その結果、正常グルコース培地では、歯髄幹細胞の培養上清の添加によりMyogeninのみ増加したが、高グルコース培地では、MyogeninとともにMyoD1も増加した。

Claims (10)

  1. 歯髄幹細胞及び/又は歯髄幹細胞の培養上清を含む、筋肉を増強するための組成物。
  2. 前記筋肉は、骨格筋である、請求項1に記載の組成物。
  3. 被筋肉増強部位への注入用である、請求項1又は2に記載の組成物。
  4. 歯髄幹細胞を含む、請求項1〜3のいずれかに記載の組成物。
  5. 凍結歯髄幹細胞を含む、請求項1〜4のいずれかに記載の組成物。
  6. 歯髄幹細胞及び/又は歯髄幹細胞の培養上清を含む、サルコペニアの治療又は改善用組成物。
  7. 歯髄幹細胞及び/又は歯髄幹細胞の培養上清を含む、糖尿病に伴うサルコペニアの治療又は改善用組成物。
  8. 歯髄幹細胞及び/又は歯髄幹細胞の培養上清を含む、糖尿病に伴う筋肉量の低下又は筋力の低下を抑制又は改善するための組成物。
  9. 歯髄幹細胞及び/又は歯髄幹細胞の培養上清を含む、筋束サイズの増大のための組成物。
  10. 歯髄幹細胞及び/又は歯髄幹細胞の培養上清の有効量を投与する、非治療的な筋肉の増強方法。
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