JP2017213493A - 低風量ドラフトチャンバー - Google Patents
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Abstract
【課題】内部に空気の気流を流入させる際に、機器の静電破壊や機器の誤動作等のトラブルを防ぐことができる低風量ドラフトチャンバーを提供する。【解決手段】低風量ドラフトチャンバー1は、作業空間20で作業を行うために、開口部を通じて空気を作業空間20内の作業面21に送る低風量ドラフトチャンバーであって、作業空間20の作業面21に空気を送るための気流Lを作りながら気流Lの静電気をイオンで中和して除電を行う静電気除去器230を備える。【選択図】図6
Description
本発明は、作業空間を用いて実験や作業を行う際に、空気を低風量ドラフトで通過させる低風量ドラフトチャンバーに関する。
ドラフトチャンバーは、その作業空間において作業者により器具類を用いて実験や作業を行うのに用いられる。この種のドラフトチャンバーは、特許文献1に開示されている。
特許文献1に開示されているドラフトチャンバーの作業台は、天板とその前端に設けたフロントガイド体とで構成されており、フロントガイド体の上方には、エアロフォイルが配置されている。ファンからの空気は、ホースからエアロフォイルを通じて送られ、空気は、エアロフォイルからの噴気流に引かれた状態で、エアロフォイルの上下から、ドラフトチャンバー内に流入するようになっている。
ところで、ドラフトチャンバーの作業空間内に流入する空気は、静電気帯電を伴う粒子を含んでいる。このため、静電気帯電を伴う粒子が作業空間内に入ると、ドラフトチャンバー内に配置された機器の静電破壊や機器の誤動作等のトラブルの原因となる場合がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、内部に空気の気流を流入させる際に、機器の静電破壊や機器の誤動作等のトラブルを防ぐことができる低風量ドラフトチャンバーを提供することにある。
上記課題を達成するため、請求項1に記載の低風量ドラフトチャンバーは、作業空間で作業を行うために、開口部を通じて空気を前記作業空間内の前記作業面に送る低風量ドラフトチャンバーであって、前記作業空間の前記作業面に前記空気を送るための気流を作りながら前記気流の静電気をイオンで中和して除電を行う静電気除去器を備えることを特徴とする。
請求項1に記載の低風量ドラフトチャンバーでは、作業空間の作業面に空気を送るための気流を作りながら、気流の静電気をイオンで中和して除電を行うことができるので、内部に空気を流入させる際に、静電気による作業面にある機器の静電破壊や機器の誤動作等のトラブルを防ぐことができる。
請求項2に記載の低風量ドラフトチャンバーでは、前記静電気除去器は、前記気流を作るためのファンと、前記気流の静電気を前記イオンで中和して除電を行う放電電極部を有することを特徴とする。
請求項2に記載の低風量ドラフトチャンバーでは、ファンが作った気流中の静電気を、イオンで中和して除電を行って、作業空間の作業面へ送ることができる。
請求項3に記載の低風量ドラフトチャンバーは、除電した前記気流の速度を上げるための空気案内部材を有する。
請求項3に記載の低風量ドラフトチャンバーでは、空気案内部材が、除電した気流の速度を上げることができるので、静電気除去器が作る気流の速度が小さくても、気流の速度を上げて気流を作業面側に安定して供給できる。
請求項4に記載の低風量ドラフトチャンバーでは、除電した前記気流の速度をあげた後に、前記気流を均一にして前記作業空間の前記作業面に送る整流部材を有することを特徴とする。
請求項4に記載の低風量ドラフトチャンバーでは、整流部材は、除電した気流の速度をあげた後に、気流を均一にして作業空間の作業面に送ることができ、内部に空気の気流を流入させる際に、気流には静電気が起こらないので、作業面にある機器の静電破壊や機器の誤動作等のトラブルを防ぐことができる。
本発明によれば、内部に空気の気流を流入させる際に、機器の静電破壊や機器の誤動作等のトラブルを防ぐことができる低風量ドラフトチャンバーを提供できる。
以下、図面を用いて、本発明を実施するための形態(以下、実施形態と称する)を説明する。
図1は、本発明の低風量ドラフトチャンバーの実施形態を示す正面図である。図2は、図1に示す低風量ドラフトチャンバー1のA−A線における内部構造例を示す縦方向の断面図である。
図1と図2に示す低風量ドラフトチャンバー1は、研究者や実験者等の作業者が例えば微生物等の試料の無菌操作作業や化学実験作業等、器具類を用いて実験や作業を行うために用いられる。低風量ドラフトチャンバー1は、実験や作業における被処理物を内部の作業空間において処理する際に、作業者が被処理物の影響を受けないように、内部の作業空間の雰囲気を外部から隔離する構造を有している。この低風量ドラフトチャンバー1は、作業者を有害物質から保護することを目的とした局所排気装置であり、危険物質や有害物質の封じ込め機能と、排気機能を有した囲われた作業空間を持っている。
一般に、ドラフトチャンバーとは、化学実験等を行う作業者を有害な雰囲気から保護をする局所排気装置のことを指し、使用される薬品や用途により幾つかの法規制が適用される。法規制は、一般的には実験作業を行う開口部分の排気風速を確保する事により満たされるものであり、定められた排気風速を維持する事により有害な雰囲気が局所排気装置(ドラフトチャンバー)から作業者の側に漏洩しない様になる。
特に、低風量ドラフトチャンバーの定義は、次の通りである。近年は、エネルギーコスト低減を目的として、少ないランニングコストで局所排気装置(ドラフトチャンバー)の運転ができることが望まれている。その様な市場のニーズにより、排気風量を少なくして、一般的なドラフトチャンバーよりも低い前面風速で有害な雰囲気の漏洩防止が可能となる製品開発を行っている。そのためには、低い前面風速においても局所排気装置(ドラフトチャンバー)内から有害な雰囲気が漏洩しない様に、効率よい排気経路の形成やスムーズな気流の制御技術が必要となる。低風量ドラフトチャンバーとして分類される製品は、一般的なドラフトチャンバーに比較して40〜60%減の排気風量で製品として成立している。
そこで、図1と図2の低風量ドラフトチャンバー1は、空気の通常の風量ドラフトを作業空間内に送るいわゆる標準ドラフトチャンバーに比較して、空気の低風量ドラフトを内部の作業空間内に送ることができる。これにより、低風量ドラフトチャンバー1は、従来の通常ドラフトに比べて少ない風量ドラフトで運転して安全性を確保できる。この安全性とは、ドラフト庫内の危険雰囲気が、ドラフト庫内から外部に漏れてこないことである。
このように、低風量ドラフトチャンバー1内の作業空間内に低風量ドラフトで空気を送ることで、通常の風量ドラフトを作業空間内に送る場合に比べて、低風量ドラフトチャンバー1の作動時の省エネルギー化(エコ化)や、低騒音化を図ることができる。すなわち、低風量ドラフトチャンバー1は、風量ドラフト運転エネルギーの低減を図っており、空気の低い風量ドラフトにより空気の低排気量となることから、低ランニングコストが得られる。
低い空気の風速下では、外乱等により低風量ドラフトチャンバー1内の作業空間内の雰囲気が、低風量ドラフトチャンバー1の外部に漏れ易くなる。このような状況では、低風量ドラフトチャンバー1内の作業空間、特に作業面上に滞留している雰囲気(例えば有害ガス)が低風量ドラフトチャンバー1の外部に漏れる量は、低風量ドラフトチャンバー1内の作業空間内に押し込まれるプッシュエアーの質により左右される。このプッシュエアーの質とは、空気を作業空間内に均一に分散して均質流として送ることができる程度をいう。
低風量ドラフトチャンバー1内のドラフト庫内の作業空間内に押し込まれるプッシュエアーを低風量化する場合には、ドラフト庫内19には、作業空間20内に押し込まれるプッシュエアーと作業空間20内から押し出されるプルエアーを形成する必要がある。このため、低風量ドラフトチャンバー1では、プッシュエアーをドラフト庫内19の作業空間20内に送り込む機構が必要になる。そこで、プッシュエアーの質、すなわち均質流のプッシュエアーの送り込みが、低風量ドラフトチャンバーの性能確保に大きく影響する。
次に、図1と図2を参照して、低風量ドラフトチャンバー1の構造例を説明する。
図1と図2に示す低風量ドラフトチャンバー1は、箱状の囲い部分である本体部2を有し、この本体部2の前面部3には、前面開口部(開口部の一例)4が設けられている。この前面開口部4には、開閉シャッタ5が設けられている。この開閉シャッタ5は前面開口部4内が見えるように透明板である。この開閉シャッタ5は、図1では図示しない駆動部のモータを駆動することで、電動によりZ方向(上下方向)に移動可能にすることで、開閉シャッタ5は、前面開口部4を開閉可能である。
図1と図2に示すように、本体部2は、前面部3と、左右の壁面6,7と、背面部8と、天井面9と、底面10を有している。本体部2では、例えば空気から微粒子を除去する例えばHEPAフィルタ(高性能フィルタ)等で空気を清浄化して排気し続けるようになっており、低風量の空気は、前面開口部4を通じて本体部2の内部からHEPAフィルタを通して外部に向かって排気される。
図1と図2に示すように、本体部2の内部には、ドラフト庫内19が形成されている。このドラフト庫内19は、作業空間20を有している。この作業空間20は、卓状の作業面21を有している。作業空間20では、例えば天井面9の内面には照明器具が取り付けられている。
図1に示すように、ドラフト庫内19の作業空間20は、本体部2の左右幅方向(X方向)に沿って形成され、しかも図2に示すように、本体部2の前後幅方向(Y方向)に沿って形成され、Z方向に沿って形成されている閉鎖空間である。図2に示すように、作業空間20の作業面21は、作業空間20の下面部を形成している。この作業面21は、作業者が作業用の椅子に座った状態で手指を入れて、所定の作業ができる高さに設けられている。
図1と図2に示すように、ドラフトのエプロン部分22が、本体部2の前面部3において、作業面21の前部の位置に設けられている。このエプロン部22は、X方向に沿って形成されている。このエプロン部22は、空気の気流を送り込むための気流の送り込み用流通路80を有している。気流の送り込み用流通路80には、静電気除去器(イオナイザ)30が配置されている。
エプロン部22の気流の送り込み用流通路80は、この静電気除去器30により作られた除電されたプッシュエアーを、本体部2の外部に漏れないようにして、作業空間20の作業面21側へ送り込むための閉鎖型の通路である。静電気除去器230の好ましい構造例は、後で図6を参照して説明する。
このエプロン部分22の下部には、空間部SPが設けられている。この空間部SPには、作業用の椅子に座った作業者の膝を入れるようになっている。
図3は、図2に示す低風量ドラフトチャンバー1の内部構造例において、さらに低風量の空気供給を示す矢印Lで示す気流、矢印LLで示す均質化された気流、別に取り入れる矢印Mで示す気流、そして矢印Nで示す排気の気流を付加して示している。
図3に示す矢印Lで示す気流と、矢印LLで示す均質化された気流は、ドラフト庫内19の作業空間20の作業面21上に、空気の層流を作るために人為的に発生させているプッシュエアーの気流を示している。矢印Mで示す気流は、外部の空気を、前面開口部4を通じてドラフト庫内19内に取り込むプッシュエアーを示している。さらに、矢印Nで示す気流は、ドラフト庫内19から外部に排気するプルエアーを示している。
図4は、図3に示す低風量ドラフトチャンバー1のドラフト庫内19における円形部分Rの詳細を示す図である。図5は、図4に示すドラフト庫内19における矢印Lで示す気流、矢印LLで示す均質化された気流、矢印Mで示す気流、矢印Nで示す排気の気流を、より詳細に示している。なお、ドラフト庫内19においては、矢印Lで示す気流、矢印LLで示す均質化された気流、矢印Mで示す気流は、プッシュエアーであり、矢印Nで示す排気の気流は、プルエアーである。
まず、図3と図4を参照して、低風量ドラフトチャンバー1のドラフト庫内19付近の構造例を、さらに詳しく説明する。
図1に示すように、本体部2のドラフト庫内19は、前面部3と背面部8と左右の側面部6,7により形成されている。ドラフト庫内19の作業空間20の下面部が、作業面21である。この作業面21は、図1に示す本体部2の左右幅方向(X方向)と図3に示す本体部2の前後幅方向(Y方向)に沿って形成されている面である。作業者は、この作業面21の上で、必要な作業を行うことができる。
図5に示すように、すでに説明したように、気流の送り込み用流通路80には、静電気除去器230が設けられている。この静電気除去器230は、作業面21上に矢印LLで示す均質化された気流を形成するために、矢印Lで示す気流を発生させる電動の気流発生手段である。しかも、この静電気除去器230は、作業空間20の作業面21等に配置されている静電破壊や機器の誤動作等のトラブルの原因となる静電気を、イオンで中和して除電を行うための装置でもある。
図1と図5に示すように、作業面21の前側部分には、X方向に沿ってドラフト庫内19のエプロン部分(空気ロホイル部分)22が設けられている。このエプロン部分22は、すでに説明したように、静電気除去器230により作られた矢印Lで示す気流から矢印LLで示す均質化された気流を、本体部2の外部に漏れないようにして、作業面21側に送り込むことができる。
エプロン部分22の上側には、前面部3の下部の位置において、空気の分岐部55が形成されている。空気の分岐部55がエプロン部分22に設けられていると、空気の分岐部55は、静電気除去器230から送られてくる除電された矢印Lで示す気流を、整流部材40を通すことにより整流して、矢印LLで示す均質化された空気の気流(層流気流)とした後の一部を、分岐することができる。これにより、矢印LLで示す均質化された気流(層流気流)は、作業面21上に層流を形成する矢印LLで示す均質化された気流と、ドラフト庫内19の中央付近へのプッシュエアーの気流と、に分岐することができる。
空気の分岐部55は、折角発生させたプッシュエアーを分岐させて、作業面21上に層流を形成する気流を減量させてしまうことにはなるが、分岐させてドラフト庫内19の中央付近へ斜め上方にプッシュエアーを押し込むことにより、ドラフト庫内19内の雰囲気が外部に漏れることを抑える効果がある。すなわち、この斜め上方へのプッシュエアーの供給が、低風量ドラフトチャンバー1における雰囲気の外部への漏れの抑制の性能確保に役割を果たしている。
次に、図4を参照して、静電気除去器230と空気案内部材31と整流部材40について、説明する。
図4に示すように、空気案内部材31の前端部33内には、空気の整流手段としての整流部材40が配置されている。この整流部材40は、静電気除去器230からの気流Lを整流することで、プッシュエアーの均質化を行って、矢印LLで示す均質化された気流を形成するための整流格子である。
整流部材40は、図4において空気案内部材31の前端部33内で、本体部2の左右幅方向(X方向)に沿って、好ましくは着脱可能に配置されている。この整流部材40の好ましい構造例としては、例えば複数の六角形のハニカムから成るハニカム材であり、プッシュエアーを均質化するのに用いられる。このように、整流部材40の構造例として例えば六角形のハニカム構造を採用することにより、構造的に強度が見込め、組立時に加わる外力に対す変形についても強いというメリットがある。
図4に示すように、この整流部材40の下流側の空気の通路は、ドラフトのエプロン部分22を通じて、ドラフト庫内19の作業面21につながっている。しかも、図2と図3に示すように、背面部8の内側には、空気の排気経路部44,45,46が設けられている。
図4に示す空気案内部材31は、後端部32と、前端部33と、中間部34を有している。この空気案内部材31は、作業面21の下部であって、本体部2の左右幅方向(X方向)に沿って形成されている。静電気除去器230は、空気案内部材31の後端部32に取り付けられている。
図4に示すように、空気案内部材31の後端部32のZ方向の高さ寸法S1は、前端部33のZ方向の高さ寸法S2に比べて大きく設定されており、中間部34は、後端部32から前端部33にかけて空間が細くなるように傾斜して形成されている。空気案内部材31と静電気除去器230は、作業面21の下部に収容するようにして配置されている。このため、空気案内部材31と静電気除去器230は、本体部2の前面側に突出して設けられておらずに納められているので、本体部2の小型化が図れる。
図4に示すように、この後端部32と中間部34は、前端部33に比べて内部容積が大きくなっており、ほぼ断面形状が三角形状に形成されていることから、この部分は、静電気除去器230が作り出した空気を、一時的に溜めるための空気溜まり39として機能する。
整流部材40は、静電気除去器230と、作業面21との間の気流の流路である気流の送り込み用流通路80に設定されている。整流部材40は、静電気除去器230から送られる矢印Lで示す気流を均一な気流にして、すなわち空気の均質化を本体部2の左右幅方向(X方向)に沿って図ることにより、結果的に矢印LLで示す気流は、作業面21上に、均質で安定した空気の層流として送ることができる。
図6は、図4と図5に示す静電気除去器230と、空気案内部材31の一部を含む領域の構造例を拡大して示している。
図6に示す静電気除去器230は、除電器ともいう。静電気除去器230は、作業面21上に空気の層流を作るために矢印Lで示す気流を発生させて、この矢印Lで示す気流を空気案内部材31の後端部32内に送り込むことができる。しかも、静電気除去器230は、この矢印Lで示す気流を空気案内部材31内に送り込む際に、静電破壊や機器の誤動作等のトラブルの原因となる矢印Lで示す気流中の静電気を、イオンで中和して除電を行うことができる。
図6に示す静電気除去器230は、図1において破線の円形で例示するように、矢印X方向に沿って互いに間隔を空けて、例えば3つ設けられている。しかし、矢印LLで示す気流が、作業面21の全体に行き渡るようにするために、静電気除去器230の設定数は、任意に選択できる。
これにより、複数の静電気除去器230は、作業面21上に空気の層流を作るための矢印Lで示す気流を発生して、しかも静電気除去器230は、この矢印Lで示す気流の静電気を、イオンで中和して除電を行うことができる。矢印LLで示す気流は、除電されていることから、作業面21上に置かれたり、作業面21の付近に配置されている機器の静電破壊や、機器の誤動作等のトラブルを防ぐことができる。
ここで、図6に示す静電気除去器230の好ましい構造例を説明する。
図6に示す静電気除去器230は、好ましくはファンを有するブロアタイプの静電気除去器である。静電気除去器230は、空気案内部材31の後端部32に設けられた取付け部220に取り付けられている。静電気除去器230は、ファン231と、フィルタ232と、放電電極部240と、プラスチック製のケース250を備える。
ケース250は、ファン231とフィルタ232と放電電極部240を保持している。ファン231は、モータ233により連続回転することで、空気SRをケース250内に取り込んで矢印Lで示す気流を作って、この矢印Lで示す気流を空気案内部材31の後端部32側に送り込む。フィルタ232は、空気SRを空気案内部材31の後端部32側へ送り込む際に、空気SRから塵等の不要物質を除去する。このフィルタ232は、必要に応じて省くことができる。
図6に示すモータ233が、制御部200の指令により回転する。これにより、ファン231は、空気SRをフィルタ232に通して、矢印Lで示す気流として空気案内部材31の後端部32側に送る込むことにより、矢印Lで示す気流を空気案内部材31の後端部32内に形成することができる。
放電電極部240は、制御部200の指令により、電源260から所定の電圧をかけることで、コロナ放電を行い、イオン300を発生させる。例えば、静電気除去器230がAC方式である場合には、電源260は、放電電極部240の放電針に交流電圧を印加してコロナ放電を行い、プラスイオンとマイナスイオン300を交互に発生させる。また、例えば、静電気除去器230がDC方式である場合には、電源260は、放電電極部240の放電針に直流電圧を印加してコロナ放電を行い、プラスイオンまたはマイナスイオンのどちらかのイオン300だけに発生させる。静電気除去器230は、AC方式であっても、DC方式であっても良い。
このように、放電電極部240がプラスイオンとマイナスイオンを交互に発生させるか、プラスイオンまたはマイナスイオンのどちらかのイオン300だけに発生させると、イオンは、ファン231の回転により、空気案内部材31の後端部32側の矢印Lで示す気流に供給されるようになっている。
次に、上述した低風量ドラフトチャンバー1の動作例を、図5と図6を参照して説明する。
図6に示す制御部200が、図1に示す3つの静電気除去器230を動作させる。各静電気除去器230が動作すると、図6に示す各静電気除去器230のファン231を回転して空気SRを、フィルタ232を通して空気案内部材31の後端部32側へ送り込む。
しかも、放電電極部240は、制御部200の指令により、電源260から所定の電圧をかけることで、コロナ放電を行い、イオン300を発生させる。各静電気除去器230は、静電破壊や機器の誤動作等のトラブルの原因となる矢印Lで示す気流の静電気を、イオンで中和することで、矢印Lで示す気流の除電を行う。
図6に示すように、各静電気除去器230が発生する矢印Lで示す気流は、空気案内部材31の後端部32から中間部34において空気の空気溜まり39で一度溜められる。図5に示すように、空気の流路が、後端部32と中間部34から前端部33に至るに従って、先細りの断面形状になっている。このため、除電された矢印Lで示す気流は、前端部33の整流部材40に向けて流速を上げて送ることができ、流速を上げた矢印Lで示す気流を整流部材40に通過させることができる。
これにより、図5に示す整流部材40は、静電気除去器230から送られる除電して流速を上げた矢印Lで示す気流を、均一(均質)な矢印LLで示す気流に形成する。この矢印LLで示す均質化した気流は、図1に示す本体部2の左右幅方向(X方向)に関して供給することができる。その後、図4に示すように、矢印LLで示す均質化された気流は、本体部2の前面部3のドラフトのエプロン部分22内を通って、上側の空気の分岐部55に達する。
この空気の分岐部55は、整流部材40により整流して矢印LLで示す均質化された空気の気流(層流気流)の一部を分岐して、作業面21上に矢印LLで示す層流を形成する気流と、ドラフト庫内19の作業空間20の中央付近への斜め上方向のプッシュエアーの気流とに分岐する。
図5において、整流部材40により整流された矢印LLで示す気流(層流気流)が、作業面21上に層流を形成するプッシュエアーとして送ることができるとともに、作業空間20の中央付近への斜め上方向のプッシュエアーの気流としても送ることができる。これにより、作業者が実験や作業を行うための作業空間20内に、空気を低風量ドラフトで通過させて、低風量ドラフトチャンバー1内の雰囲気が外部に漏れないようにすることができる。
矢印LLで示す気流が、既に除電された状態で、作業面21上に層流を形成するプッシュエアーとして、作業面21へ送られる。このため、作業面21上に置かれている機器の静電破壊や、機器の誤動作等のトラブルを防ぐことができる。
また、既に除電された矢印LLで示す気流が、作業空間20の中央付近への斜め上方向のプッシュエアーの気流として送ることができる。このため、作業面21から離れた作業面21の上方位置に配置されている機器の静電破壊や、機器の誤動作等のトラブルを防ぐことができる。
また、矢印LLで示す気流が、既に除電された状態であるので、作業空間20の作業面21あるいは作業面21の上方位置において、静電気帯電を伴う粒子が汚染物質となることを防ぐことができる。
図5に示すように、本体部2の前面開口部4からは、矢印Mで示す気流で示すように、外部の空気をドラフト庫内19内に、気流を取り込む。
そして、作業面21に沿って通過した矢印LLで示す均質化されしかも除電された気流と、ドラフト庫内19内を通過した矢印Mで示す気流は、図5と図3に示すように矢印Nで示す排気の気流をプルエアーとして、空気の排気経路部44,45,46を通じて、本体部2の外部へ排気される。
本発明の実施形態の低風量ドラフトチャンバー1は、作業空間20で作業を行うために、開口部4を通じて空気を作業空間20内の作業面21に送る低風量ドラフトチャンバーである。低風量ドラフトチャンバー1は、作業空間20の作業面21に空気を送るための矢印Lで示す気流を作りながら、この矢印Lで示す気流の静電気をイオンで中和して除電を行う静電気除去器230を備える。
これにより、作業空間20の作業面21に空気を送るための矢印Lで示す気流を作りながら矢印Lで示す気流の静電気をイオンで中和して除電を行うことができる。このため、内部に空気を流入させる際に、矢印Lで示す気流と矢印LLで示す気流には静電気が起こらないので、例えば作業面にある機器の静電破壊や機器の誤動作等のトラブルを防ぐことができる。
静電気除去器230は、矢印Lで示す気流を作るためのファン231と、矢印Lで示す気流の静電気をイオンで中和して除電を行う放電電極部240を有する。これにより、作った矢印Lで示す気流の静電気をイオンで中和して除電を行って、除電した矢印LLで示す気流を、作業空間20の作業面21へ安定して送ることができる。
低風量ドラフトチャンバー1は、除電した気流の速度を上げるための空気案内部材31を有する。これにより、空気案内部材31が、除電した矢印Lで示す気流の速度を上げることができるので、静電気除去器230が作る矢印Lで示す気流の速度が小さくても、矢印Lで示す気流の速度を上げて、矢印LLで示す気流を作業面21側に安定して供給できる。
低風量ドラフトチャンバー1は、除電した矢印Lで示す気流の速度をあげた後に、矢印Lで示す気流を均一にして作業空間20の作業面21に送る整流部材40を有する。これにより、整流部材40は、除電した矢印Lで示す気流の速度をあげた後に、矢印LLで示す気流を均一にして作業空間20の作業面21に送ることができる。このため、内部に空気を流入させる際に、矢印Lで示す気流と矢印LLで示す気流には静電気が起こらないので、例えば作業面にある機器の静電破壊や機器の誤動作等のトラブルを防ぐことができる。
以上、実施形態を挙げて本発明を説明したが、各実施形態は一例であり、特許請求の範囲に記載される発明の範囲は、発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々変更できるものである。
図6に示すように、静電気除去器(イオナイザ)230は、プラスイオンとマイナスイオンを交互に発生したり、プラスイオンまたはマイナスイオンのいずれかを発生させるものを採用しているが、この方式に限らず、他の形式の静電気除去器を採用しても良い。
1 低風量ドラフトチャンバー
2 本体部
3 前面部
4 前面開口部(開口部の例)
19 ドラフト庫内
20 作業空間
21 作業面
22 ドラフトのエプロン部分(閉鎖型の通路の一例)
31 空気案内部材
40 整流部材
44 空気の排気経路部
230 静電気除去器(イオナイザ)
231 ファン
240 放電電極部
L 除電された気流
LL 除電された気流
2 本体部
3 前面部
4 前面開口部(開口部の例)
19 ドラフト庫内
20 作業空間
21 作業面
22 ドラフトのエプロン部分(閉鎖型の通路の一例)
31 空気案内部材
40 整流部材
44 空気の排気経路部
230 静電気除去器(イオナイザ)
231 ファン
240 放電電極部
L 除電された気流
LL 除電された気流
Claims (4)
- 作業空間で作業を行うために、開口部を通じて空気を作業空間内の作業面に送る低風量ドラフトチャンバーであって、
前記作業空間の前記作業面に空気を送るための気流を作りながら前記気流の静電気をイオンで中和して除電を行う静電気除去器を備えることを特徴とする低風量ドラフトチャンバー。 - 前記静電気除去器は、前記気流を作るためのファンと、前記気流の静電気を前記イオンで中和して除電を行う放電電極部を有することを特徴とする請求項1に記載の低風量ドラフトチャンバー。
- 除電した前記気流の速度を上げるための空気案内部材を有することを特徴とする請求項1または2に記載の低風量ドラフトチャンバー。
- 除電した前記気流の速度をあげた後に、前記気流を均一にして前記作業空間の作業面に送る整流部材を有することを特徴とする請求項3に記載の低風量ドラフトチャンバー。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016108079A JP2017213493A (ja) | 2016-05-31 | 2016-05-31 | 低風量ドラフトチャンバー |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016108079A JP2017213493A (ja) | 2016-05-31 | 2016-05-31 | 低風量ドラフトチャンバー |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017213493A true JP2017213493A (ja) | 2017-12-07 |
Family
ID=60575008
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016108079A Pending JP2017213493A (ja) | 2016-05-31 | 2016-05-31 | 低風量ドラフトチャンバー |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2017213493A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112413783A (zh) * | 2020-11-24 | 2021-02-26 | 浙江华卓机电科技有限公司 | 一种用于电子仪器室的过滤系统 |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001165760A (ja) * | 1999-11-08 | 2001-06-22 | Sartorius Gmbh | 静電的に荷電された重さ計量物を重さ計量するための化学天びん |
JP2009078961A (ja) * | 2007-09-04 | 2009-04-16 | Mitsubishi Materials Corp | クリーンベンチ |
US20130183893A1 (en) * | 2010-11-13 | 2013-07-18 | Waldner Laboreinrichtungen Gmbh & Co. Kg | Extractor Apparatus |
JP2015009187A (ja) * | 2013-06-28 | 2015-01-19 | ヤマト科学株式会社 | 低風量ドラフトチャンバー |
-
2016
- 2016-05-31 JP JP2016108079A patent/JP2017213493A/ja active Pending
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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