JP2017212223A - 導電性微粒子及びそれを用いた異方性導電材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】圧痕形成能に優れながら小さな圧力で大きな接続面積が得られる導電性微粒子と、これを用いた異方性導電材料を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の導電性微粒子は、樹脂粒子からなる基材と、該基材の表面に形成された少なくとも一層の導電性金属層とを有する導電性微粒子であって、前記樹脂粒子の個数平均粒子径は2.4μm以上であり、前記樹脂粒子がその直径に対して10%変位したときの圧縮弾性率(10%K値)、20%変位したときの圧縮弾性率(20%K値)、30%変位したときの圧縮弾性率(30%K値)の関係が下記式
10%K値>20%K値>30%K値
を満足するとともに、前記樹脂粒子の10%K値が、7,000N/mm2以上であることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、圧痕形成能に優れながら小さな圧力で大きな接続面積が得られる導電性微粒子と、これを用いた異方性導電材料に関する。
従来、電子機器の組み立てにおいて、対向する多数の電極や配線間の電気的接続を行うために、異方性導電材料による接続方式が採用されている。異方性導電材料は、導電性微粒子をバインダー樹脂等に混合した材料であり、例えば異方性導電ペースト(ACP)、異方性導電フィルム(ACF)、異方性導電インク、異方性導電シート等がある。
異方導電接続に用いられる導電性微粒子としては、圧縮変形性に優れるという理由から、一般に、樹脂粒子を基材とし該基材の表面にニッケルなどの導電性金属層が形成されたものが使用される。導電性微粒子として用途に応じて種々な圧縮変形特性のものが要求されるが、導電性微粒子の圧縮変形特性は基材となる樹脂粒子の特性に強く影響される。したがって、導電性微粒子の高機能化における樹脂粒子の設計技術の重要性は一層高まっている。
近年、対向する多数の電極や配線間の電気的接続においては、電気機器に搭載される電子部品の小型化、高密度実装化が進んでおり、電子回路における電極や配線は一層ファインピッチ化する流れにある。電子回路の電極や配線のファインピッチ化が進展するなか、異方性導電材料に用いられる導電性微粒子については、微細な粒子径のものでも確実に低抵抗の電気的接続を達成できる導電性微粒子が要求されている。
接続面積比を高くする方法として、接続状態で導電性金属層と被接続体(電極)との密着が充分に保たれるよう圧痕形成能(具体的には、接続する際、僅かに変形させた時点で圧痕を形成できる特性)を高める方法(例えば特許文献1)が提案されている。
特許文献1では、導電性微粒子の基材となる樹脂粒子が、個数基準の平均分散粒子径が1.0μm〜2.5μmと微細でありながら、樹脂粒子の直径を10%変位したときの圧縮弾性率(10%K値)を12,000N/mm2以上とすることにより、接続媒体に対する圧痕形成能を高めることができ、その結果、充分に低い初期抵抗値を発現させ、しかも安定した接続状態を維持することができる導電性微粒子が開示されている。
また、電子部品の薄膜化が進み、電極や配線の基板としても、より膜厚の薄いガラスや高分子フィルムに移行しつつあり、異方性導電材料に用いられる導電性微粒子については、より低圧でも高い変形率で変形し大きな接続面積を確保できることも重要となってくる。このような導電性微粒子を得るための有効な手段として、基材粒子を軟質性の高い樹脂粒子で構成することにより柔軟性に優れる導電性微粒子とする方法が知られている(特許文献2)。
特許文献2には、導電性微粒子の基材となる樹脂粒子が、10%K値が50kgf/mm2以上250kgf/mm2未満であり、圧縮変形後の回復率が、15〜100%とすることに特徴を有する導電性微粒子が提案されている。該導電性微粒子は適度の圧縮変形性と変形回復率とを併せもつため、接続信頼性に優れたものとなることが開示されている。
国際公開第2012/102199号 特公平9−185069号公報
特許文献1では、個数基準の平均分散粒子径を1.0μm〜2.5μmと極めて微細な領域でありながら、直径を10%変位したときの圧縮弾性率(10%K値)を12,000N/mm2以上と大きく制御した樹脂粒子を基材とすることにより、接続媒体に対する圧痕形成能を高めることができ、その結果、充分に低い初期抵抗値を発現させ、しかも安定した接続状態を維持することができる導電性微粒子が開示されている。ところが、より粒子径の大きい範囲では10%K値を12,000N/mm2以上と高くしても、粒子径が大きくなるほど表面曲率が小さくなるためと考えられるが、圧痕形成能が微細な粒径の場合に比べれば低下することを本発明者らは知見した。
また特許文献2に提案された導電性微粒子は、軟質な樹脂粒子を基材とするために、低圧で高い変形率を確保できる点においては優れるものの、硬度が小さ過ぎるために、電極等への圧痕形成能が十分ではなく電極表面との密着性が不十分となり、抵抗値を十分に低減できない場合があった。さらに従来より導電性微粒子としては、抵抗値を低くするために導電性金属層の最外層を金とするものが使用されてきた。しかしながら省資源、低価格化の流れの中、金使用量を低減し最外層をニッケルや銅等の卑金属層としても低抵抗を達成できる導電性微粒子の開発が必要とされている。本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、粒子径が所定値以上であっても、圧痕形成能に優れながら、且つ、低圧でも大きな変形率を有することによって大きな接続面積を確保できる導電性微粒子と、これを用いた異方性導電材料を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決するべく、導電性微粒子の接続特性(特に電気抵抗値)に対する、基材となる樹脂粒子の圧縮変形特性および粒子径の影響について鋭意検討を行った。基材となる樹脂粒子の平均粒子径が2.5μm以下の領域では圧縮率10%時の圧縮弾性率(10%K値)を12,000N/mm2以上とすれば圧痕形成能に優れ、十分に低い初期抵抗値が達成されることは既に提案したとおりであるが、粒子径がより大きな領域では単に10%圧縮弾性率を高くするのみでは接続抵抗値の低減には限界があることを知見した。さらに所定の粒子径以上の樹脂粒子の場合には、10%K値が12,000N/mm2以下であっても所定値以上有するものであれば、圧縮率をより高い領域(30%程度)まで変形させた時に圧縮率の増大に伴って弾性率が低下していくものとすることにより、圧痕形成能に優れながら且つ、低圧でも大きな変形率を有する導電性微粒子となること、さらに該導電性微粒子を異方性導電接続に用いると低圧でも被接続媒体との密着性に優れたしかも大きな接触面積での接続が可能となり、十分に低抵抗の接続が得られることを見出し本発明を完成した。
すなわち、本発明に係る導電性微粒子は、樹脂粒子からなる基材と、該基材の表面に形成された少なくとも一層の導電性金属層とを有する導電性微粒子であって、前記樹脂粒子の個数平均粒子径は2.4μm以上であり、前記樹脂粒子がその直径に対して10%変位したときの圧縮弾性率(10%K値)、20%変位したときの圧縮弾性率(20%K値)、30%変位したときの圧縮弾性率(30%K値)の関係が下記式
10%K値>20%K値>30%K値
を満足するとともに、前記樹脂粒子の10%K値が、7,000N/mm2以上であることを特徴とする。
本発明の導電性微粒子においては、前記樹脂粒子の圧縮率が直径の10〜50%となる範囲で測定した時、圧縮弾性率が最小となる圧縮率が30%以上であることが好ましい。また前記樹脂粒子が、ビニル重合体粒子であることが好ましい。また前記導電性金属層の最外層がニッケル層であることが好ましい。本発明に係る異方性導電材料は、上記本発明の導電性微粒子がバインダー樹脂に分散してなることを特徴とする。
本発明によれば、個数平均粒子径が2.4μm以上であり、10%、20%および30%変位時の圧縮弾性率の関係が10%K値>20%K値>30%K値を満足し、且つ10%K値が、7,000N/mm2以上となるように制御された樹脂粒子を導電性微粒子の基材とするので、圧痕形成能に優れながら、且つ、低圧でも大きな変形率を有することによって大きな接続面積を確保できる導電性微粒子となる。該導電性微粒子を用いることにより接続抵抗値が低く安定した導電接続が可能となる。
以下の説明において、特に記載がない限り、「%」は「質量%」、「部」は「質量部」をそれぞれ意味し、範囲を表す「A〜B」は「A以上B以下」を意味する。
本発明の導電性微粒子は、樹脂からなる基材と、該基材の表面に形成された少なくとも一層の導電性金属層とから構成される。
樹脂粒子(基材)
本発明における樹脂粒子は、粒子の直径に対して10%変位したときの圧縮弾性率(10%K値)が7000N/mm2以上である。樹脂粒子の10%K値が前記範囲であると、電気的接続に供した際に、圧縮率の低い段階において被接続媒体である電極等の表面に圧痕を形成し易い。そのため、電極との密着性に優れた接続状態が得られ、安定した接続抵抗が得られ易い。樹脂粒子の10%K値が7000N/mm2未満であると、圧痕形成能が不十分なため、安定した接続が得られない虞がある。前記樹脂粒子の10%K値は、好ましくは7500N/mm2以上、より好ましくは8000N/mm2以上、さらに好ましくは8250N/mm2以上である。一方、上限は特に限定されないが、10%K値が高すぎると、電極や基板を損傷してしまう虞がある観点から、好ましくは20000N/mm2以下、より好ましくは18000N/mm2以下、さらに好ましくは17000N/mm2以下である。特に樹脂粒子の10%K値を8500N/mm2以上、15000N/mm2以下の範囲とすれば、電極や基板を傷つけることなく、良好な圧痕が得られるといった効果が得られる。
また本発明における樹脂粒子は、その直径が10%変位したときの圧縮弾性率(10%K値)、20%変位したときの圧縮弾性率(20%K値)、30%変位したときの圧縮弾性率(30%K値)の関係が下記式
10%K値>20%K値>30%K値
を満足するものである。
導電性微粒子を電気接点として用いる場合、接続面積を大きく確保するために通常高い圧縮率(たとえば30%程度)の状態で接続することが好ましい。なお圧縮率とは、圧縮により変位した変位量の、圧縮前粒子直径に対する比率(百分率)である。たとえば圧縮率30%の状態とは、直径に対して30%変位したときの状態と同義である。
上記関係式を満足する樹脂粒子を基材とすることにより、高い圧縮率の状態、すなわち、大きな接続面積を確保し易く低抵抗の接続が得られ易く、しかも圧縮率を高い状態で接続しても、電気接点となる導電性微粒子と被接続媒体との間で過度な圧力を及ぼし合わないため、接続間距離が安定に保たれ、接続抵抗値が一定に保たれることとなり易い。また被接続媒体が薄膜状のガラスや高分子フィルムを基板とする場合でも基板の変形やクラックの生成が抑制され易い。
10%K値が前記範囲であることによって電極との強固な密着が確保されるとともに、さらに上記関係式を満足することによって大きな圧縮率の状態すなわち大きな接触面積での接続状態が安定して維持されることとなる。
さらに、本発明における樹脂粒子は、圧縮率が10〜50%となる範囲で圧縮弾性率を測定した時、圧縮弾性率が最小となる圧縮率が30%以上となるものが好ましい。このような樹脂粒子を基材とする導電性微粒子を用いることにより、より高い圧縮率の状態、すなわちより接触面積の大きい状態での安定した接続が可能となるため、低抵抗で接続信頼性の高い導電接続が得られ易い。圧縮弾性率が最小となる圧縮率の上限は特に限定されないが、効果的に接触面積を拡大できる観点から、50%以下が好ましい。
また、本発明における樹脂粒子の30%K値の値は特に限定されないが、バインダー樹脂の排除性と、電極との広範な接触面積を両立させる観点から、2000N/mm2以上であることが好ましい。より好ましくは、2500N/mm2以上であり、さらに好ましくは2700N/mm2以上である。一方上限は、電極との広範な接触面積を得る観点から、7000N/mm2以下であることが好ましい。より好ましくは、6500N/mm2以下であり、さらに好ましくは6000N/mm2以下である。
また、本発明における樹脂粒子の30%K値の10%K値に対する比率(30%K値/10%K値)は、特に限定されないが、圧痕性と電極との広範な接触面積を両立させる観点から、0.3以上であることが好ましい。より好ましくは、0.32以上であり、さらに好ましくは0.35以上である。一方上限は、0.90以下であることが好ましい。より好ましくは、0.80以下であり、さらに好ましくは0.75以下である。
前記樹脂粒子の10%K値等の各圧縮率における圧縮弾性率は、公知の微小圧縮試験機を用いた圧縮試験にて測定することができ、例えば、公知の微小圧縮試験機(例えば、島津製作所製「MCT−W500」など)を用い、室温で粒子の中心方向へ荷重負荷速度2.2295mN/秒で荷重をかける圧縮試験において、粒子の直径に対して10%変位するまで粒子を変形させたときの圧縮荷重(N)と圧縮変位(mm)を測定し、下記式に基づき求めることができる。なお、上記測定は、室温で行うことが好ましく、より具体的には、25℃の恒温雰囲気中で行うことが好ましい。
Figure 2017212223
(ここで、E:圧縮弾性率(N/mm2)、F:圧縮荷重(N)、S:圧縮変位(mm)、R:粒子の半径(mm)である。)
本発明における樹脂粒子の個数平均粒子径は2.4μm以上である。樹脂粒子の個数平均粒子径が前記範囲内であれば、広範な用途で必要とされる異方性導電ペースト、異方性導電フィルム、異方性導電接着剤、異方性導電インク等の異方性導電材料に適用することができる。上限は特に限定されないが、本発明の効果が顕著に発揮される観点から50μm以下が好ましく、より好ましくは25μm以下、さらに好ましくは12μm以下、特に好ましくは9μm以下である。樹脂粒子の個数平均粒子径が前記範囲内であれば、例えばタッチパネル用、LED用などに用いる半導体実装における電極や配線の電気接続に対して、好適に使用できる。
さらに、導電性微粒子が微細(具体的には、個数平均粒子径が6μm以下)になると、本発明の効果が一層顕著となる。よって、樹脂粒子の個数平均粒子径は、好ましくは5.0μm以下、さらに好ましくは4.0μm以下が好ましいが、より一層好ましくは、3.5μm以下、さらに一層好ましくは3.2μm以下である。
また、下限は電気伝導率の低い金属でも良好な導通性が得られるような電極との接触面積を確保する観点から、2.5μm以上が好ましく、より好ましくは2.55μm以上、さらに好ましくは2.6μm以上である。
前記樹脂粒子の粒子径の個数基準の変動係数(CV値)は、10.0%以下であることが好ましく、より好ましくは8.0%以下、さらに好ましくは5.0%以下、一層好ましくは4.0%以下、特に好ましくは3.0%以下である。このように粒子径の変動係数が小さい樹脂粒子は、単に一次粒子径の大きさが揃っているだけでなく、一次粒子径の単一分散性が極めて高い。そのため、このような樹脂粒子を基材として用いることにより、粒子径が揃っており、かつ凝集が抑制された導電性微粒子が得られる。前記樹脂粒子のCV値の下限は、通常0.5%以上である。
なお、本発明でいう樹脂粒子の個数平均粒子径や粒子径の変動係数は、コールターカウンター法により測定した値であり、測定方法については実施例において後述する。
前記樹脂粒子(基材)の形状は、特に限定されるものではなく、例えば、球状、回転楕円体状、金平糖状、薄板状、針状、まゆ状等のいずれでも良いが、球状が好ましく、特に真球状が好ましい。
本発明における樹脂粒子を構成する材料は特に限定されない。例えば、メラミンホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ベンゾグアナミン−ホルムアルデヒド樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂等のアミノ樹脂;スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン−アクリル樹脂等のビニル重合体;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン等のポリオレフィン;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル類;ポリカーボネート類;ポリアミド類;ポリイミド類;フェノールホルムアルデヒド樹脂;オルガノシロキサン等が挙げられる。これらの樹脂粒子を構成する材料は、単独で用いられてもよく、二種以上が併用されてもよい。
これらの中でも、上述した圧縮変形特性を有する樹脂粒子が得られ易い点から、ビニル重合体、オルガノポリシロキサンが好ましく、特にビニル重合体が好ましい。すなわち樹脂粒子としては、ビニル重合体を含む粒子(ビニル重合体粒子ともいう)およびオルガノポリシロキサンを含む粒子(オルガノポリシロキサン粒子ともいう)が好ましく、ビニル重合体を含む粒子が特に好ましい。
ビニル重合体粒子としては、ビニル重合体のみからなる粒子、ビニル重合体とビニル重合体以外の他の成分とからなる粒子のいずれも好ましい。他の成分としてはポリシロキサン成分が好ましい。本発明でいう、ビニル重合体とは、ビニル系単量体(ビニル基含有単量体)を重合(ラジカル重合)することによって形成されるものが全て含まれる。一方、ポリシロキサン成分とはポリシロキサン骨格を有する成分であり、ポリシロキサン骨格はシラン系単量体を(加水分解)縮合させることによって形成できる。
よってビニル重合体粒子は、ビニル系単量体を含む単量体を重合することにより得ることができるが、好ましい態様においては、原料に用いる単量体としてはビニル系単量体のみの場合と、さらにシラン系単量体を用いる場合がある。シラン系単量体を用いる場合、縮合、または加水分解および縮合させることによりポリシロキサン成分を有するビニル重合体粒子とすることができる。
さらに、本発明における樹脂粒子は、上述した圧縮変形特性を有するものである限り、構造的にも特に限定されないが、特定のコアシェル構造を有するビニル重合体粒子としたものが上述した圧縮変形特性に優れる樹脂粒子が得られ易く好ましい。すなわち、本発明における樹脂粒子の好ましい態様としては、コアと該コアを被覆するシェルとから構成されるコアシェル構造を有し、コアを所定値以上の硬度の高い形態とするとともに、シェルを特定のビニル重合体を含む形態(以下、コアシェル型ビニル重合体粒子ともいう)とするものがあげられる。
コアシェル型ビニル重合体粒子について説明する。
コアシェル型ビニル重合体粒子における、コアは、コアの直径に対して10%変位したときの圧縮弾性率(10%K値)が14,000N/mm2以上であることが好ましい。
このようなコアとして材質は限定されるものではないが、ビニル重合体を含む形態またはオルガノポリシロキサンにより構成されることが好ましく、シェルを必要な厚みに形成し易い観点から、ビニル重合体を含む形態であることがより好ましい。
なお、詳細は後述するが、コアがビニル重合体を含む形態である場合、ビニル系単量体(必要に応じてシラン系単量体)を含む単量体成分を従来公知の重合方法(シラン系単量体を用いる場合は(加水分解および)縮合反応)により得ることができる。一方、シェルは、特定のビニル系単量体を含む単量体成分を重合してなるビニル重合体を含むことが好ましいが詳細は後述する。
<コアについて>
本発明において、コアは、コアの直径に対して10%変位したときの圧縮弾性率(10%K値)が14,000N/mm2以上であることが好ましい。
前記コアは上述したとおり、ビニル重合体を含む形態またはオルガノポリシロキサンにより構成されることが好ましいが、まず、ビニル重合体を含む形態について説明する。
前記コアがビニル重合体を含む形態において、コアを構成する単量体成分として用いることができる単量体全般について説明する。なお、コアを構成する単量体成分とは、コアを形成するための原料となる単量体成分の意味であり、同様の表現については同様の意味を有するものとする。たとえば、シェルの説明において、シェルを構成する単量体成分とは、シェルを形成するための原料となる単量体成分の意味である。
前記コアを構成する単量体成分としては、上述した条件を満足する限り、いわゆるビニル系単量体のみを用いてもよいし、ビニル系単量体とともに、いわゆるシラン系単量体を併用してもよい。ビニル系単量体を用いれば、ビニル基が重合して有機系骨格が形成され、かかる有機系骨格は加圧接続時に優れた弾性変形を発揮しうる。一方、シラン系単量体を用いれば、シラン系単量体の縮合または加水分解・縮合反応によりシロキサン結合を生じてポリシロキサン骨格が形成され、かかるポリシロキサン骨格は加圧接続時に被接続体に対して高い接触圧を発現させ得る。
ビニル系単量体は、ビニル系架橋性単量体とビニル系非架橋性単量体とに分けられ、シラン系単量体はシラン系架橋性単量体とシラン系非架橋性単量体とに分けられる。またビニル系単量体としては、後述するように(メタ)アクリル系単量体、スチレン系単量体およびその他の単量体とに分けられる。なお、本発明において「ビニル基」とは、炭素−炭素二重結合のみならず、(メタ)アクリロイル基、アリル基、イソプロペニル基、ビニルフェニル基、イソプロペニルフェニル基のような重合性炭素−炭素二重結合を有する置換基も含むものとする。また、本明細書において「(メタ)アクリロイル基」、「(メタ)アクリレート」や「(メタ)アクリル」は、「アクリロイル基及び/又はメタクリロイル基」、「アクリレート及び/又はメタクリレート」や「アクリル及び/又はメタクリル」を各々示すものとする。
前記ビニル系架橋性単量体とは、分子内に少なくともビニル基を含む2以上の架橋性基を有するものであり、具体的には、1分子中に2個以上のビニル基を有する単量体(単量体(1))、または、1分子中に1個のビニル基とビニル基以外の官能基(カルボキシ基、ヒドロキシ基等のプロトン性水素含有基、アルコキシ基等の末端官能基等)を有する単量体(単量体(2))が挙げられる。ただし、単量体(2)の場合、ビニル系架橋性単量体として架橋構造を形成させるには、当該単量体(2)が有するカルボキシ基、ヒドロキシ基、アルコキシ基等の反応(結合)相手となる基が他の単量体に存在することが必要となる。
前記ビニル系架橋性単量体のうち前記単量体(1)の例として、例えば、(メタ)アクリル系単量体(1)、スチレン系単量体(1)およびその他の単量体(1)が挙げられる。
(メタ)アクリル系単量体(1)としては、アリル(メタ)アクリレート等のアリル(メタ)アクリレート類;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート等のアルカンジオールジ(メタ)アクリレート;ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、デカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタデカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタコンタヘクタエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート等のジ(メタ)アクリレート類;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等のトリ(メタ)アクリレート類;ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等のテトラ(メタ)アクリレート類;ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等のヘキサ(メタ)アクリレート類などが挙げられる。
スチレン系単量体(1)としては、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、及びこれらの誘導体等の芳香族炭化水素系架橋剤(好ましくはジビニルベンゼン等のスチレン系多官能単量体)などが挙げられる。
その他の単量体(1)としては、N,N−ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルサルファイド、ジビニルスルホン酸等のヘテロ原子含有架橋剤等が挙げられる。
これら単量体(1)は単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ビニル系架橋性単量体のうち前記単量体(2)の例としては、例えば、(メタ)アクリル系単量体(2)、スチレン系単量体(2)が挙げられる。
(メタ)アクリル系単量体(2)としては、例えば、(メタ)アクリル酸、カルボキシメチル(メタ)アクリレート、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、カルボキシプロピル(メタ)アクリレート、カルボキシブチル(メタ)アクリレート、カルボキシペンチル(メタ)アクリレート等のカルボキシ基を有する単量体;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート類等のヒドロキシ基を有する単量体;アミノメチル(メタ)アクリレート、アミノエチル(メタ)アクリレート、アミノプロピル(メタ)アクリレート、アミノブチル(メタ)アクリレート、アミノペンチル(メタ)アクリレート等のアミノアルキル(メタ)アクリレート類、メチルアミノメチル(メタ)アクリレート、エチルアミノメチル(メタ)アクリレート、メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、エチルアミノエチル(メタ)アクリレート、メチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、エチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等のアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート類、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート類等のアミノ基を有する単量体;2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、2−ブトキシエチル(メタ)アクリレート等のアルコキシ基含有(メタ)アクリレート類等が挙げられる。
スチレン系単量体(2)としては、例えば、p−ヒドロキシスチレン等のヒドロキシ基含有スチレン類等のヒドロキシ基を有する単量体;p−メトキシスチレン等のアルコキシスチレン類等のアルコキシ基を有する単量体等が挙げられる。
これら単量体(2)は単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ビニル系非架橋性単量体としては、1分子中に1個のビニル基を有する単量体(単量体(3))か、若しくは前記単量体(2)が有するビニル基以外の官能基と反応する基を有する他の単量体が単量体成分に存在しない場合の単量体(2)が挙げられる。
前記ビニル系非架橋性単量体のうち前記単量体(3)の例としては、例えば、(メタ)アクリル系単量体(3)、スチレン系単量体(3)が挙げられる。
(メタ)アクリル系単量体(3)としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート類;シクロプロピル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロオクチル(メタ)アクリレート、シクロウンデシル(メタ)アクリレート、シクロドデシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、4−t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート等のシクロアルキル(メタ)アクリレート類;フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、トリル(メタ)アクリレート、フェネチル(メタ)アクリレート等の芳香環含有(メタ)アクリレート類等が挙げられる。
スチレン系単量体(3)としては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、エチルビニルベンゼン、p−t−ブチルスチレン等のアルキルスチレン類;o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン等のハロゲン基含有スチレン類等のスチレン系単官能単量体等が挙げられる。これら単量体(3)は単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記シラン系架橋性単量体は、分子内に2以上の架橋性基(アルコキシ基、ビニル基等)を有するものであり、有機重合体骨格(例えば、ビニル系重合体骨格)と有機重合体骨格との架橋構造(第1の形態)を形成するもの;ポリシロキサン骨格とポリシロキサン骨格との架橋構造(第2の形態)を形成するもの;有機重合体骨格(例えば、ビニル系重合体骨格)とポリシロキサン骨格との架橋構造(第3の形態)を形成するもの;に分けられる。これらのなかでは、第3の形態の架橋構造を形成し得るシラン系架橋性単量体が好ましい。
第1の形態を形成し得るシラン系架橋性単量体としては、例えば、ジメチルジビニルシラン、メチルトリビニルシラン、テトラビニルシラン等が挙げられる。これらのシラン系架橋性単量体は単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
第2の形態を形成し得るシラン系架橋性単量体としては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン等の4官能性シラン系単量体;メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン等の3官能性シラン系単量体等が挙げられる。これらのシラン系架橋性単量体は単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
第3の形態を形成し得るシラン系架橋性単量体としては、例えば、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシエトキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリロイル基を有するもの;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン等のビニル基を有するもの;3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシ基を有するもの;3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノ基を有するもの;が挙げられる。シラン系架橋性単量体は単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記シラン系非架橋性単量体として、例えば、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン等のジアルキルシラン等の2官能性シラン系単量体;トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン等のトリアルキルシラン等の1官能性シラン系単量体等が挙げられる。これらのシラン系非架橋性単量体は単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明のコアを構成する単量体成分(以下、単量体Aともいう)として、上述したビニル系単量体、シラン系単量体の中から適宜選択して用いることができ、特に限定されないが、コアを構成する好ましい形態について説明する。
本発明におけるコアは、下記式で示される架橋度が高いことが好ましく、具体的には70%以上であることが好ましい。
架橋度(%)=(架橋性単量体の含有質量/単量体Aの含有質量)×100
架橋度すなわち、質量基準においてコアを構成する単量体成分総量(単量体Aの合計量)に対する架橋性単量体(以下、架橋性単量体Aともいう)の含有量を70%以上とすることが、上記した10%K値を確保し易い点で好ましい。
本発明のコアにおいて、架橋度は80%以上であることが好ましく、より好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%以上である。また上限は特に限定されず、100%であってもよい。
架橋性単量体Aとしては、前記例示したビニル系架橋性単量体、シラン系架橋性単量体の範囲から任意に選択して使用することができる。中でも、上述のスチレン系架橋性単量体および/またはシラン系架橋性単量体が好ましく用いられる。スチレン系架橋性単量体の中でも好ましい単量体は、ジビニルベンゼンである。シラン系架橋性単量体の中では、第3の形態に該当するシラン系架橋性単量体が好ましく、(メタ)アクリロイル基またはエポキシ基を有するものがより好ましく、(メタ)アクリロイル基を有するものがさらに好ましい。中でも、3官能の(メタ)アクリロイル基を有するシラン系架橋性単量体を用いることが特に好ましい。3官能の(メタ)アクリロイル基を有するシラン系架橋性単量体としては、例えば、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシエトキシプロピルトリメトキシシランが挙げられる。架橋性単量体Aとしてスチレン系架橋性単量体のみを用いる形態、スチレン系架橋性単量体およびシラン系架橋性単量体を併用する形態のいずれも好ましい形態の一つである。
なお、架橋度の計算において、単量体(2)(スチレン系単量体(2)、(メタ)アクリル系単量体(2)、その他の単量体(2))については、単量体(2)が有するビニル基以外の官能基と反応し得る基を有する他の単量体が単量体成分に存在する場合には架橋性単量体Aとして扱い、そのような単量体が存在しない場合は架橋性単量体Aには含めないものとする。
なお、前記コアが、ポリシロキサン成分を含有する場合、ビニル系単量体の使用量は、シラン系単量体100質量部に対して1質量部以上が好ましく、より好ましくは2質量部以上、さらに好ましくは5質量部以上であり、1000質量部以下が好ましく、より好ましくは500質量部以下、さらに好ましくは100質量部以下である。
ポリシロキサン骨格は、ラジカル重合可能な炭素−炭素二重結合(例えば、(メタ)アクリロイル基等のビニル基)を有する重合性ポリシロキサン由来の骨格であることが好ましい。つまり、ポリシロキサン骨格は、構成成分として、少なくとも前記第3の形態(ビニル重合体−ポリシロキサン間架橋)を形成し得るシラン系架橋性単量体(好ましくは(メタ)アクリロイル基を有するもの、より好ましくは3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン)を加水分解及び縮合することにより形成されたポリシロキサン骨格であることが好ましい。
コアが、オルガノポリシロキサン粒子である場合、オルガノポリシロキサン粒子は、ビニル基を含有しないシラン系単量体(シラン系架橋性単量体、シラン系非架橋性単量体)の一種又は二種以上を(共)加水分解縮合することによって得られるものであればよい。前記ビニル基を含有しないシラン系単量体としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン等の3官能性シラン系単量体;3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシ基を有するジ又はトリアルコキシシラン;3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノ基を有するジ又はトリアルコキシシラン等が挙げられる。
コアの10%K値は、14,000N/mm2以上であることが好ましいが、より好ましくは16,000N/mm2以上であり、一方、上限は特に限定されないが、通常、40,000N/mm2以下が好ましく、より好ましくは30,000N/mm2以下、さらに好ましくは25,000N/mm2以下である。コアの10%K値を上記範囲とすることにより、本発明の導電性微粒子の基材となる樹脂粒子の10%K値を前述した好ましい範囲に制御し易くなる。コアの10%K値は樹脂粒子の10%K値と同様の方法により測定できる。
本発明において、コアの粒子径の変動係数は、10%以下であり、好ましくは8%以下、より好ましくは6%以下、さらに好ましくは5%以下である。コアの変動係数を小さくすることによって、導電性微粒子にしたときの機械的特性のばらつきを抑制できる。コアの粒子径の変動係数は、下限は特に限定されないが、例えば、1%以上が好ましく、より好ましくは1.5%以上であり、さらに好ましくは2.0%以上である。
本発明において、コアの個数平均粒子径は、導電性微粒子および基材である樹脂粒子の粒子径に応じて適宜選択すればよいが、通常、0.5μm以上、49μm以下が好ましい。より好ましくは1.0μm以上であり、さらに好ましくは1.5μm以上である。また、より好ましくは24μm以下であり、さらに好ましくは10μm以下である。
微細な導電性微粒子(個数平均粒子径が6μm以下)に用いる樹脂粒子とするためには、本発明のコアの個数平均粒子径は、4.5μm以下が好ましく、より好ましくは3.5μm以下であり、さらに好ましくは3.0μm以下であり、1.0μm以上が好ましく、より好ましくは1.5μm以上であり、さらに好ましくは1.8μm以上である。
なお、コアの個数平均粒子径や粒子径の変動係数は、樹脂粒子の場合と同様に、コールターカウンターにより測定した個数基準の値であり、測定方法については実施例において後述する。
1−2.シェル
本発明における樹脂粒子の好ましい形態であるコアシェル型ビニル重合体粒子において、シェルはシェルを構成する単量体成分として特定のビニル系単量体、すなわち、式(1)
Figure 2017212223
(式中、Rは水素原子またはメチル基、Rは置換基を有していてもよい炭素数4以上の炭化水素基を表す)で表されるビニル系非架橋性単量体(以下、ビニル系単量体(S)ともいう)を含むことが好ましい。硬質なコアを被覆するシェルが、ビニル系単量体(S)を含む単量体成分の重合により形成されるビニル重合体を含むことにより、前述した圧縮変形特性を備えた樹脂粒子とすることができる。
シェルを構成する単量体成分(以下、単量体Bともいう)としては、上述したビニル系単量体(S)を含む限り、他の単量体成分を用いてもよく、たとえば前述したビニル系単量体、シラン系単量体の中から適宜選択して用いることができ、特に限定されない。
前記ビニル系単量体(S)としては、前記(1)においてRが炭素数4以上のアルキル基である化合物、Rが炭素数4以上のシクロアルキル基である化合物およびRが芳香環を含有する炭化水素基である化合物からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
が炭素数4以上のアルキル基である化合物としては、前記(メタ)アクリル系単量体(3)で例示したアルキル(メタ)アクリレート類の内、アルキル鎖の炭素数が4以上のアルキル(メタ)アクリレート類(炭素数4以上のアルキル(メタ)アクリレート類ともいう)が好ましく用いられる。例えば、n−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
が炭素数4以上のシクロアルキル基である化合物としては、前記(メタ)アクリル系単量体(3)で例示したシクロアルキル(メタ)アクリレート類の内、シクロアルキル鎖の炭素数が4以上のシクロアルキル(メタ)アクリレート類(炭素数4以上のシクロアルキル(メタ)アクリレート類ともいう)が好ましく用いられる。例えば、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロオクチル(メタ)アクリレート、シクロウンデシル(メタ)アクリレート、シクロドデシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、4−t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
が芳香環を含有する炭化水素基である化合物としては、前記(メタ)アクリル系単量体(3)で例示した芳香環含有(メタ)アクリレート類が好ましく用いられる。例えば、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、トリル(メタ)アクリレート、フェネチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上述したようにビニル系単量体(S)としては、炭素数4以上のアルキル(メタ)アクリレート類、炭素数4以上のシクロアルキル(メタ)アクリレート類または芳香環含有(メタ)アクリレート類が好ましいが、中でも炭素数4以上のアルキル(メタ)アクリレート類または炭素数4以上のシクロアルキル(メタ)アクリレート類が好ましい。特に樹脂粒子の圧縮変形初期の硬度を高める作用に優れる理由から、アルキル鎖が分岐したアルキル(メタ)アクリレート類およびシクロアルキル(メタ)アクリレート類の中から選択されることが好ましい。アルキル鎖が分岐したアルキル(メタ)アクリレート類としては、例えば、t−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等が好ましく挙げられる。シクロアルキル(メタ)アクリレート類は上述した例示化合物はいずれも好ましく用いることができる。中でも、t−ブチル(メタ)アクリレート、シクロアルキル(メタ)アクリレートが好ましい。
ビニル系単量体(S)の含有率は特に限定されないが、シェルを形成する単量体成分総量100質量%に対し、該単量体の含有率が30質量%以上であることが好ましい。より好ましくは40質量%以上、さらに好ましくは50質量%以上である。また上限は特に限定されず100質量%でもよいが、95質量%以下が好ましく、より好ましくは90質量%以下であり、さらに好ましくは85質量%以下である。
本発明におけるシェルは、適度な反発特性を付与できる観点から、架橋性単量体を含むことが好ましく、下記式で示される架橋度が5%以上、70%以下の範囲であることが好ましい。
架橋度(%)=(架橋性単量体の含有質量/単量体Bの含有質量)×100
架橋度すなわち、質量基準においてシェルを構成する単量体成分総量(単量体Bの合計量)に対する架橋性単量体(以下、架橋性単量体Bともいう)の含有量を上記範囲とすることが、特に、上記した各圧縮率における圧縮弾性率の関係(10%K値>20%K値>30%K値)を確保し易い点で好ましい。本発明のシェルにおいて前記架橋度は、10%以上、60%以下であることがより好ましく、さらに好ましくは15%以上、50%以下である。
架橋性単量体Bとしては、前記例示したビニル系架橋性単量体、シラン系架橋性単量体の範囲から任意に選択して使用することができる。特にビニル系架橋性単量体を含むことが好ましい。前記ビニル系架橋性単量体の含有率は、単量体Bの合計100質量%に対して、5質量%以上、70質量%以下であることが好ましい。より好ましくは10質量%以上、さらに好ましくは15質量%以上であり、より好ましくは60質量%以下、さらに好ましくは50質量%以下である。ビニル系架橋性単量体の含有率が前記範囲であると、得られるシェルは耐溶剤性とバインダー排除性に優れるものとなる。
なお、架橋度の計算において、前記単量体(2)(スチレン系単量体(2)、(メタ)アクリル系単量体(2))については、単量体(2)が有するビニル基以外の官能基と反応し得る基を有する他の単量体が単量体成分に存在する場合には架橋性単量体Bとして扱い、そのような単量体が存在しない場合は架橋性単量体Bには含めないものとする。
前記シェルが、ポリシロキサン成分を含有する場合、ビニル系単量体の使用量は、シラン系単量体100質量部に対して100質量部以上が好ましく、より好ましくは250質量部以上、さらに好ましくは500質量部以上であり、2000質量部以下が好ましく、より好ましくは1500質量部以下、さらに好ましくは1200質量部以下である。
ポリシロキサン骨格の好ましい形態(たとえばラジカル重合可能な炭素−炭素二重結合を有する重合性ポリシロキサン由来の骨格であること等)は、コアの場合に説明したものと同様である。
さらに、コア直径に対するシェルの厚みの比(シェルの厚み/コア直径)が5/100以上、50/100以下であることが好ましい。このような範囲であると、コア粒子の特徴とシェルの特徴が複合化されやすくなる。より好ましくは、10/100以上、40/100以下である。
本発明において、シェルの厚みは、例えば、100nm以上が好ましく、より好ましくは150nm以上であり、さらに好ましくは200nm以上である。また、5000nm以下が好ましく、より好ましくは2500nm以下であり、さらに好ましくは1000nm以下である。
本発明におけるコアシェル型ビニル重合体粒子の粒子形状、個数平均粒子径、粒子径のCV値(変動係数)、圧縮弾性率等の圧縮変形特性等における好ましい数値範囲等の態様は、樹脂粒子について説明した範囲と同様である。
2.導電性微粒子
本発明の導電性微粒子は、前記基材(樹脂粒子)表面に少なくとも一層の導電性金属層が形成されている。
2−1.導電性金属層
導電性金属層を構成する金属としては特に限定されないが、例えば、金、銀、銅、白金、鉄、鉛、アルミニウム、クロム、パラジウム、ニッケル、ロジウム、ルテニウム、アンチモン、ビスマス、ゲルマニウム、スズ、コバルト、インジウム及びニッケル−リン、ニッケル−ホウ素等の金属や金属化合物、及び、これらの合金等が挙げられる。これらの中でも、金、ニッケル、パラジウム、銀、銅、錫が導電性に優れた導電性微粒子となることから好ましい。また、安価な点で、ニッケル、ニッケル合金(Ni−Au、Ni−Pd、Ni−Pd−Au、Ni−Ag、Ni−P、Ni−B、Ni−Zn、Ni−Sn、Ni−W、Ni−Co、Ni−W、Ni−Ti);銅、銅合金(CuとFe、Co、Ni、Zn、Sn、In、Ga、Tl、Zr、W、Mo、Rh、Ru、Ir、Ag、Au、Bi、Al、Mn、Mg、P、Bからなる群から選択される少なくとも1種の金属元素との合金、好ましくはAg、Ni、Sn、Znとの合金);銀、銀合金(AgとFe、Co、Ni、Zn、Sn、In、Ga、Tl、Zr、W、Mo、Rh、Ru、Ir、Au、Bi、Al、Mn、Mg、P、Bからなる群から選択される少なくとも1種の金属元素との合金、好ましくはAg−Ni、Ag−Sn、Ag−Zn);錫、錫合金(たとえばSn−Ag、Sn−Cu、Sn−Cu−Ag、Sn−Zn、Sn−Sb、Sn−Bi−Ag、Sn−Bi−In、Sn−Au、Sn−Pb等)等が好ましい。
導電性金属層としては、導電性及び接続信頼性の観点から、少なくともニッケル層を有することが好ましい。ニッケル層は単層であっても結晶構造や合金組成の異なる複数の層が積層されたものであってもよい。さらに接続信頼性の観点から最外層がニッケル層であることが好ましい。本発明の導電性微粒子は導電性金属層が最外層がニッケル層からなるものであっても、十分に低い抵抗の接続が可能となり易い。さらに製造コスト抑制の観点からニッケル層のみからなることが好ましい。
前記ニッケル層は、基材粒子に直接形成してもよいし、下地として他の導電性金属層を基材粒子表面に形成し、その上にニッケル層を形成してもよいが、基材粒子に直接形成することが好ましい。なお本発明でいうニッケル層とは、ニッケル又はニッケル合金から構成される層を意味する。ニッケル合金を使用する場合、ニッケル合金中のニッケル含有率は50質量%以上が好ましく、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上である。ニッケル層を構成するニッケル合金としては、上述したニッケル合金の中でも、導電性微粒子の分散性と導電性の双方に優れる観点からNi−P合金、Ni−B合金が好ましい。
前記Ni−P合金中のP(リン)濃度は、15質量%以下が好ましく、より好ましくは10質量%以下である。P濃度が低いほど、ニッケル層の電気抵抗値が低くなる。一方、P濃度が低すぎる場合、磁性による凝集が生じて、導電性微粒子を1次粒子に分散しにくくなる傾向がある。そのため、P濃度は2質量%以上が好ましく、より好ましくは3質量%以上である。低圧での圧縮変形性に特に優れる点からP濃度が10質量%以下であることが好ましい。なお、P濃度は、ニッケル合金中のNiとPとの合計質量に対するP質量の比(P/(P+Ni))である。
前記Ni−B合金中のB(ホウ素)濃度は、7質量%以下が好ましく、より好ましくは5質量%以下である。B濃度が低いほど、ニッケル層の電気抵抗値が低くなる。一方、B濃度が低すぎる場合、磁性による凝集が生じて、導電性微粒子を1次粒子に分散しにくくなる傾向がある。そのため、B濃度は1.0質量%以上が好ましく、より好ましくは1.5質量%以上である。本発明の導電性微粒子は軟質性の高い樹脂粒子を用いるために柔軟性に優れるが、柔軟性に特に優れる点からB濃度が2.0質量%以上であることが好ましい。なお、B濃度は、ニッケル合金中のNiとBとの合計質量に対するB質量の比(B/(B+Ni))である。
一方、高い導電性を要求される場合は、最外層は金、パラジウムまたは銀で構成される金属層であることが好ましく、基材表面にニッケル層を有し、さらに金、パラジウムまたは銀で構成される金属層が積層された形態もより好ましい形態となる。該積層形態において、金やパラジウムなどの他の導電性金属層を構成する上記金属元素が、ニッケル元素と混在した金属層(合金状態の層を含む)を形成している形態も導電性金属層の好ましい形態の一つである。たとえば、ニッケル層を形成した後に、金の置換メッキを施した場合には、ニッケル層を構成するニッケル原子の少なくとも一部が金に置換されるために、上記のような導電性金属層を含む形態となる。
前記導電性金属層の厚さは、0.010μm以上が好ましく、より好ましくは0.030μm以上、さらに好ましくは0.050μm以上であり、0.30μm以下が好ましく、より好ましくは0.25μm以下、さらに好ましくは0.20μm以下、一層好ましくは、0.15μm以下である。基材とする樹脂粒子が微細な粒子径である本発明の導電性微粒子においては、導電性金属層の厚さが上記範囲内であれば、導電性微粒子を異方性導電材料として用いる際に、安定した電気的接続が維持できる。導電性金属層の厚さは、例えば実施例で後述する方法で測定することができる。
なお、前記導電性金属層は、樹脂粒子表面の少なくとも一部を被覆していればよいが、導電性金属層の表面には、実質的な割れや、導電性金属層が形成されていない面が存在しないことが好ましい。ここで、「実質的な割れや、導電性金属層が形成されていない面」とは、走査型電子顕微鏡(倍率1000倍)を用いて任意の10000個の導電性微粒子の表面を観察したときに、導電性金属層の割れ、および、樹脂粒子表面の露出が、実質的に目視で観察されないことを意味する。
なお、前記ニッケル層の厚さは特に限定されるものではないが、上記導電性金属層の厚みと同様の理由から、0.005μm以上、0.3μm以下が好ましい。より好ましくは、0.01μm以上、さらに好ましくは0.05μm以上、より好ましくは0.07μm以上である。上限側は、より好ましくは0.25μm以下、さらに好ましくは0.2μm以下、一層好ましくは0.12μm以下である。
2−2.導電性微粒子
本発明の導電性微粒子の個数平均粒子径は、51μm以下が好ましく、より好ましくは26μm以下、さらに好ましくは13μm以下、より一層好ましくは10μm以下である。
さらに、導電性微粒子が微細(具体的には、個数平均粒子径が6μm以下)になると、本発明の効果が一層顕著となる。よって、個数平均粒子径は、好ましくは6.0μm以下、さらに好ましくは5.0μm以下が好ましいが、より一層好ましくは、4.0μm以下、さらに一層好ましくは3.5μm以下である。
また、下限は電気伝導率の低い金属でも良好な導通性が得られるような電極との接触面積を確保する観点から、2.5μm以上が好ましく、より好ましくは2.6μm以上、さらに好ましくは2.65μm以上である。
個数平均粒子径がこの範囲内であれば、微細化、狭小化された電極や配線の電気接続に対して、好適に使用できる。なお、導電性微粒子の個数平均粒子径としては、フロー式粒子像解析装置(シスメックス社製「FPIA(登録商標)−3000」)を用いて求めた、3000個の粒子の個数基準の平均粒子径を採用することが好ましい。
導電性微粒子はその表面が平滑であっても凹凸状であっても良いが、バインダー樹脂を効果的に排除して電極との接続を行える点で複数の突起を有することが好ましい。突起を有することで、導電性微粒子を電極間の接続に用いた際の接続信頼性を高めることができる。
導電性微粒子の表面に突起を形成させる方法としては、(1)基材粒子合成における重合工程において、高分子の相分離現象を利用して表面に突起の形成された基材粒子を得た後、無電解メッキにより導電性金属層を形成させる方法;(2)基材粒子表面に、金属粒子、金属酸化物粒子等の無機粒子或いは有機重合体からなる有機粒子を付着させた後、無電解メッキにより導電性金属層を形成させる方法;(3)基材粒子表面に無電解メッキを行った後、金属粒子、金属酸化物粒子等の無機粒子或いは有機重合体からなる有機粒子を付着させ、さらに無電解メッキを行う方法;(4)無電解メッキ反応時におけるメッキ浴の自己分解を利用して、基材粒子表面に突起の核となる金属を析出させ、さらに無電解メッキを行うことによって、突起部を含む導電性金属層が連続皮膜となった導電性金属層を形成する方法;等が挙げられる。
前記突起の高さは20nm〜1000nmであることが好ましく、より好ましくは30nm〜800nm、さらに好ましくは40nm〜600nm、特に好ましくは50nm〜500nmである。突起の高さが前記範囲であると、接続信頼性が一層向上する。なお、突起の高さは、任意の導電性微粒子10個を電子顕微鏡で観察して求める。具体的には、観察される導電性微粒子の周縁部の突起について、導電性微粒子1個につき任意の10個の突起高さを測定し、その測定値を算術平均することにより求められる。前記突起の数は特に限定されないが、高い接続信頼性を確保する点から導電性微粒子の表面を電子顕微鏡で観察したときの任意の正投影面において、少なくとも1個以上の突起を有することが好ましく、より好ましくは5個以上、さらに好ましくは10個以上である。
本発明の導電性微粒子は、表面の少なくとも一部に絶縁性樹脂層を有することもできる。つまり、前記導電性金属層の表面にさらに絶縁性樹脂層を設けた態様であってもよい。このように表面の導電性金属層にさらに絶縁性樹脂層が積層されていると、高密度回路の形成時や端子接続時などに生じやすい横導通を防ぐことができる。前記絶縁性樹脂層としては、導電性微粒子の粒子間における絶縁性が確保でき、一定の圧力及び/又は加熱により容易にその絶縁性樹脂層が崩壊あるいは剥離するものであれば特に限定されず、例えば、ポリエチレンなどのポリオレフィン類;ポリメチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリレート重合体および共重合体;ポリスチレン;等の熱可塑性樹脂やその架橋物;エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アミノ樹脂(メラミン樹脂等)等の熱硬化性樹脂;ポリビニルアルコール等の水溶性樹脂およびこれらの混合物;等が挙げられる。但し、基材粒子に比べて絶縁性樹脂層が硬過ぎる場合には、絶縁性樹脂層の破壊よりも先に基材粒子自体が破壊してしまうおそれがある。したがって、絶縁性樹脂層には、未架橋または比較的架橋度の低い樹脂を用いることが好ましい。
前記絶縁性樹脂層は、単層であっても、複数の層からなるものであってもよい。例えば、単一又は複数の皮膜状の層が形成されていてもよいし、絶縁性を有する粒状、球状、塊状、鱗片状その他の形状の粒子を導電性金属層の表面に付着させた層であってもよいし、さらには、導電性金属層の表面を化学修飾することにより形成された層であってもよく、または、これらが組み合わされたものであってもよい。絶縁性樹脂層の厚さは0.01μm〜1μmが好ましく、より好ましくは0.02μm以上、0.5μm以下、さらに好ましくは0.03μm以上、0.4μm以下である。絶縁性樹脂層の厚さが前記範囲内であれば、導電性粒子による導通特性を良好に維持しつつ、粒子間の電気絶縁性が良好となる。
3.製造方法
本発明の樹脂粒子の製造方法例として、好ましい形態であるコアシェル型ビニル重合体粒子の製造方法について説明する。なお、本発明の樹脂粒子はコアシェル型ビニル重合体粒子に限定されるものではない。たとえばコアシェル型ではないビニル重合体粒子は、以下に説明するコアの形成方法に準じて製造することができる。
コアシェル型ビニル重合体粒子の製造方法としては、コアを形成し、次いで該コアを被覆する様にシェルを形成する。
3−1.コアの製造方法
コアの製造方法としては、上述のコア単量体成分を重合するものであれば、特に制限はなく、乳化重合法、懸濁重合法、分散重合法、第1のシード重合法、ゾルゲルシード重合法等の従来公知の方法を採用できる。コアの粒子径の制御が容易であり粒度分布の小さいコアが得られやすいという点では、例えば、第1のシード重合法によりコアを合成する方法等が好ましく採用される。
前記第1のシード重合法は、シード粒子調製工程、シード粒子にコア単量体成分を吸収させる吸収工程、シード粒子に吸収させたコア単量体成分を重合反応させる重合工程を経てコアを得る方法である。各工程における手法や条件等は、公知のシード重合法の手法を適宜採用すればよく特に制限されないが、例えば以下の手法等が好ましく採用される。
前記シード粒子調製工程において、有機材料のみから構成される樹脂粒子を合成する場合には、前記ビニル系単量体を用いて、ソープフリー乳化重合、分散重合等の方法でシード粒子を調製すればよい。この場合、前記ビニル系単量体としてスチレン等のスチレン系単官能単量体を用いることが好ましい。他方、有機材料とポリシロキサン骨格を有する材料から構成される粒子を合成する場合には、前記シラン系単量体を用いて、水を含む溶媒(例えば、アルコール類、ケトン類、エステル類、(シクロ)パラフィン類、芳香族炭化水素類等の有機溶剤と水との混合溶媒)中で加水分解して縮重合させる方法でシード粒子(ポリシロキサン粒子)を調製すればよい。この場合、前記シラン系単量体として、上記架橋性単量体に相当するシラン系架橋性単量体を用いて重合性ポリシロキサン粒子とすることが好ましい。加水分解し、縮重合させるにあたっては、触媒として、アンモニア、尿素、エタノールアミン、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物等の塩基性触媒を好ましく用いることができ、さらに必要に応じて、アニオン性、カチオン性、非イオン性の界面活性剤や、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の高分子分散剤を併用することができる。
前記吸収工程においてシード粒子にコア単量体成分を吸収させる方法としては、特に制限はなく、例えば、予めシード粒子を溶媒中に分散させたシード粒子分散液にコア単量体成分を加えてもよいし、コア単量体成分を含む溶媒中にシード粒子を加えてもよいが、特に、前者の手法において、重合または加水分解、縮合により得られた反応液をそのままシード粒子分散液とすることが、工程の簡略化、生産性の観点から好ましい。コア単量体成分は、それ単独で添加してもよいし、溶媒に溶解させた溶液として添加してもよいが、シード粒子に効率よく吸収させるうえでは、乳化剤を用いて予め水又は水性媒体(例えば、アルコール類、ケトン類、エステル類等の水溶性有機溶剤またはこれらと水との混合溶媒)に乳化、分散させて乳化液としておき添加することが好ましい。吸収させるコア単量体成分として少なくとも前記ビニル系単量体を用いることが好ましく、コアを構成する単量体成分として上述した好ましい態様(単量体の種類、含有率、架橋度等)となるよう選択して用いることがさらに好ましい。
前記コア単量体成分を乳化剤で乳化分散させる際には、乳化剤としては、例えば、アニオン性界面活性剤や、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、オキシエチレン−オキシプロピレンブロックポリマー等のノニオン性界面活性剤が、シード粒子が単量体成分を吸収した後のシード粒子の分散状態を安定化させることもできる点で好ましく用いられる。また、乳化分散の際に用いる水又は水性媒体の量は、通常、単量体成分の質量に対して0.3倍以上10倍以下である。吸収工程において、コア単量体成分がシード粒子に吸収されたかどうかの判断については、例えば、単量体成分を加える前及び吸収段階終了後に、顕微鏡により粒子を観察し、単量体成分の吸収により粒子径が大きくなっていることを確認することで容易に判断できる。なお、本発明における樹脂粒子を得るためには、下記式で示される吸収倍率は、特に限定されるものではないが、1.0倍以上、50倍以下であることが好ましく、より好ましくは2.0倍以上、30倍以下であり、さらに好ましくは3.0倍以上、20倍以下である。
吸収倍率=(吸収させるコア単量体成分の総質量)/(シード粒子の質量)
前記重合工程において採用する重合方法は、特に限定されず、例えば、ラジカル重合開始剤(例えば、過酸化物系開始剤、アゾ系開始剤等)を用いる方法など公知の方法を用いることができる。ラジカル重合を行う際の反応温度は40℃以上が好ましく、より好ましくは50℃以上であり、100℃以下が好ましく、より好ましくは80℃以下である。反応温度が低すぎると、重合度が十分に上がらず複合粒子の機械的特性が不充分となる傾向があり、一方、反応温度が高すぎると、重合中に粒子間の凝集が起こりやすくなる傾向がある。なお、ラジカル重合を行う際の反応時間は、用いる重合開始剤の種類に応じて適宜変更すればよいが、通常、5分以上が好ましく、より好ましくは10分以上であり、600分以下が好ましく、より好ましくは300分以下である。反応時間が短すぎると、重合度が十分に上がらない場合があり、反応時間が長すぎると、粒子間で凝集が起こり易くなる傾向がある。このような重合工程において、シード粒子が重合性ポリシロキサン粒子である場合、吸収させた単量体成分と重合性ポリシロキサン骨格が有するラジカル重合性基とが重合し、ポリシロキサン骨格とビニル重合体とが複合化する。
3−2.シェルの形成方法
コアに該コアを被覆するようにシェルを形成することにより、コアシェル粒子である樹脂粒子が得られる。シェルの形成方法としては、上述の単量体成分を重合するものであれば特に制限なく、乳化重合法、懸濁重合法、分散重合法、第2のシード重合法、ゾルゲルシード重合法等の従来公知の方法を採用できる。シェル膜厚の制御が容易であり膜厚が均一で粒度分布の小さい樹脂粒子が得られやすいという点では、例えば、第2のシード重合法によりシェルを形成する方法等が好ましく採用される。
前記第2のシード重合法は、コア表面にシェル単量体成分を被覆させる被覆工程、コア表面でシェル単量体成分を重合反応させる重合工程を経てコアシェル粒子を得る方法である。
前記被覆工程において、コア表面にシェル単量体成分を被覆させる方法としては、特に制限はなく、例えば、予めコアを溶媒中に分散させたコア分散液にシェル単量体成分を加えてもよいし、シェル単量体成分を含む溶媒中にコアを加えてもよいが、特に、前者の手法において、コアの重合により得られた反応液をそのままコア分散液とすることが、工程の簡略化、生産性の観点から好ましい。シェル単量体成分は、それ単独で添加してもよいし、溶媒に溶解させた溶液として添加してもよいが、コア表面に効率よくシェル単量体成分を被覆させるうえでは、乳化剤を用いて予め水又は水性媒体に乳化、分散させて乳化液としておき添加することが好ましい。コア表面に被覆させるシェル単量体成分として少なくとも上述したビニル系単量体(S)を用いることが好ましく、シェアを構成する単量体成分として上述した好ましい態様(単量体の種類、含有率、架橋度等)となるよう選択して用いることがさらに好ましい。
水性媒体としては、上記第1のシード重合法で用いられる水性媒体と同様のものを用いることができ、シェル単量体成分を乳化剤で乳化分散させる際には、乳化剤として、上記第1のシード重合法で用いられる乳化剤と同様のものを用いることができる。
被覆工程において、シェル単量体成分がコア表面に分散されコアがシェル単量体成分により被覆されたかどうかの判断については、反応液が乳濁液であり、沈澱等が発生しないことで容易に判断できる。なお、本発明におけるコアシェル型ビニル重合体粒子を得るためには、下記式で示される被覆倍率は、特に限定されるものではないが、0.01倍以上、20倍以下であることが好ましく、より好ましくは0.03倍以上、15倍以下であり、さらに好ましくは0.05倍以上、10倍以下である。
被覆倍率=(被覆させるシェル単量体成分の総質量)/(コアの総質量)
被覆工程後の重合工程における重合方法は特に限定されない。例えば、ラジカル重合開始剤(例えば、過酸化物系開始剤、アゾ系開始剤等)を用いる方法など公知の方法を用いることができ、ラジカル重合を行う際の反応温度および反応時間はコアの製造方法における反応温度および反応時間について説明した範囲と同様の範囲で適宜選択することができる。
合成後、コアシェル型ビニル重合体粒子は、通常、乾燥され、場合によっては熱処理(焼成)に付される。乾燥温度は特に限定されないが、通常40℃〜250℃の範囲である。以上のようにして樹脂粒子は、個数平均粒子径や粒子径の変動係数等について上述した範囲を満足するよう調製される。なお、コアをオルガノポリシロキサン粒子とする際にも、上記シェルの形成方法と同様に行うことによりコアシェル型ビニル重合体粒子が得られる。
3−3.導電性金属層の形成方法
樹脂粒子(基材)に導電性金属層を形成し、必要に応じてさらに絶縁性樹脂層を形成することにより、導電性微粒子が得られる。導電性金属層の形成方法および絶縁性樹脂層の形成方法は特に限定されないが、例えば導電性金属層は、基材表面に無電解メッキ法、電解メッキ法等によってメッキを施す方法;基材表面に真空蒸着、イオンプレーティング、イオンスパッタリング等の物理的蒸着方法により導電性金属層を形成する方法;等により形成できる。これらの中でも特に無電解メッキ法が、大掛かりな装置を必要とせず容易に導電性金属層を形成できる点で好ましい。
4.異方性導電材料
本発明の異方性導電材料は、上記本発明の導電性微粒子がバインダー樹脂に分散してなる。異方性導電材料の形態は特に限定されず、例えば、異方性導電フィルム、異方性導電ペースト、異方性導電接着剤、異方性導電インクなど様々な形態が挙げられる。これらの異方性導電材料を相対向する基板同士や電極端子間に設けることにより、良好な電気的接続が可能になる。なお、本発明の導電性微粒子を用いた異方性導電材料には、液晶表示素子用導通材料(導通スペーサーおよびその組成物)も含まれる。異方性導電材料の好適な用途としてはICチップと配線付きガラス基板との接続実装用(COG)や配線付きフレキシブルプリント基板と配線付きガラス基板との接続実装用(FOG)に好適に用いられる。
前記バインダー樹脂としては、絶縁性の樹脂であれば特に限定されず、例えば、アクリル樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂、スチレン−ブタジエンブロック共重合体などの熱可塑性樹脂;グリシジル基を有する単量体やオリゴマーおよびイソシアネートなどの硬化剤との反応により硬化する硬化性樹脂組成物;光や熱により硬化する硬化性樹脂組成物;等が挙げられる。なお、本発明の異方性導電材料は、前記バインダー樹脂中に本発明の導電性微粒子を分散させ、所望の形態とすることで得られるが、例えば、バインダー樹脂と導電性微粒子とを別々に使用し、接続しようとする基材間や電極端子間に導電性微粒子をバインダー樹脂とともに存在させることによって接続してもかまわない。
本発明の異方性導電材料において、導電性微粒子の含有量は、用途に応じて適宜決定すればよいが、例えば、異方性導電材料の全量に対して1体積%以上が好ましく、より好ましくは2体積%以上、さらに好ましくは5体積%以上であり、50体積%以下が好ましく、より好ましくは30体積%以下、さらに好ましくは20体積%以下である。導電性微粒子の含有量が少なすぎると、充分な電気的導通が得られ難い場合があり、一方、導電性微粒子の含有量が多すぎると、導電性微粒子同士が接触してしまい、異方性導電材料としての機能が発揮され難い場合がある。
本発明の異方性導電材料におけるフィルム膜厚、ペーストや接着剤の塗工膜厚、印刷膜厚等については、使用する本発明の導電性微粒子の粒子径と、接続すべき電極の仕様とを考慮し、接続すべき電極間に導電性微粒子が狭持され、且つ接続すべき電極が形成された接合基板同士の空隙がバインダー樹脂層により充分に満たされるように、適宜設定することが好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。なお、以下においては、特に断りのない限り、「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」を意味する。
1.物性測定方法
各種物性の測定は以下の方法で行った。
<シード粒子、コアおよび樹脂粒子の個数平均粒子径・変動係数(CV値)>
樹脂粒子及びコアの場合には、樹脂粒子又はコア0.005部に、乳化剤であるポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩(第一工業製薬株式会社製「ハイテノール(登録商標)N−08」)の1%水溶液20部を加え、超音波で10分間分散させた分散液を測定試料とし、シード粒子の場合には、加水分解、縮合反応で得られた分散液をポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩(第一工業製薬株式会社製「ハイテノール(登録商標)N−08」)の1%水溶液により希釈したものを測定試料として、粒度分布測定装置(ベックマンコールター社製「コールターマルチサイザーIII型」)により30000個の粒子の粒子径(μm)を測定し、個数平均粒子径を求めた。樹脂粒子及びコアにおける個数基準での粒子径の標準偏差は、下記式に従って粒子径の変動係数(CV値)を算出した。
粒子の変動係数(%)=100×(粒子径の標準偏差/個数平均粒子径)
また、シェルの膜厚は下記式に従って算出した。
シェル膜厚(μm)=(樹脂粒子の個数平均粒子径(μm)−シェル被覆を行う前のコア粒子の個数平均粒子径(μm))/2
<樹脂粒子の10%K値、20%K値、30%K値、40%K値等>
微小圧縮試験機(島津製作所社製「MCT−W500」)を用いて、室温(25℃)において、試料台(材質:SKS材平板)上に散布した粒子1個について、直径50μmの円形平板圧子(材質:ダイヤモンド)を用いて、「標準表面検出」モードで、粒子の中心方向へ一定の負荷速度(2.2295mN/秒)で荷重をかけ、圧縮変位が粒子径の10%になったときの荷重値(mN)とそのときの変位量(μm)、圧縮変位が粒子径の10%〜50%の範囲において各変位における荷重値(mN)とそのときの変位量(μm)を測定した。得られた荷重値(mN)を圧縮荷重(N)に換算し、得られた変位量(μm)を圧縮変位(mm)に換算し、樹脂粒子の個数平均粒子径(μm)から粒子の半径(mm)を算出し、これらを用いて下記式に基づき各変位における圧縮弾性率(10%K値、20%K値、30%K値、40%K値等)を算出した。なお、測定は各試料について、異なる10個の粒子に対して行い、平均した値を各樹脂粒子の各変位における圧縮弾性率(10%K値、20%K値、30%K値、40%K値)とした。また得られた各変位における圧縮弾性率(各K値)の相対比、例えば20%K値/10%K値(K20/K10)等を算出した。また圧縮変位曲線からK値が極小となる変位(以下、極小圧縮率という)とその変位における圧縮弾性率(以下、K値極小値という)を求めた。
Figure 2017212223
(ここで、E:圧縮弾性率(N/mm2)、F:圧縮荷重(N)、S:圧縮変位(mm)、R:粒子の半径(mm)である。)
<コア粒子の10%K値>
コア粒子の圧縮変形特性は、樹脂粒子の10%K値等の測定方法と同様にして行い、10%K値についても樹脂粒子の10%K値と同様にして求めた。
<導電性金属層の膜厚>
フロー式粒子像解析装置(シスメックス社製「FPIA(登録商標)−3000」)を用いて、基材粒子(樹脂粒子)3000個の個数平均粒子径X(μm)および導電性微粒子3000個の個数平均粒子径Y(μm)を測定した。なお、測定は、粒子0.25部に、乳化剤であるポリオキシエチレンオレイルエーテル(花王株式会社製「エマルゲン(登録商標)430」)の1.4%水溶液17.5部を加え、超音波で10分間分散させた後に行なった。そして、下記式に従って導電性金属層の膜厚を算出した。
導電性金属層膜厚(μm)=(Y−X)/2
<リン含有率(%)>
導電性微粒子0.05gに王水4mlを加え、加熱下で攪拌することにより金属層を溶解しろ別した。得られたろ液を試料として、誘導結合プラズマ発光分光分析装置(ICP、島津製作所社製:「ICPE−9000」)を用いて、ニッケル及びリンの含有質量を分析した。ニッケル及びリンの合計質量に対するリンの質量の比を導電性金属層(ニッケル層)におけるリン含有率(%)として求めた。
2.導電性微粒子の製造
2−1.基材(樹脂粒子)の作製
製造例1
冷却管、温度計、滴下口を備えた四つ口フラスコに、イオン交換水2000部と、25%アンモニア水16部、メタノール1200部を入れ、攪拌下、滴下口から3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製、「KBM503」)28.5部、及びビニルトリメトキシシラン(信越化学工業社製、「KBM1003」)41.5部の混合液を添加して、シラン化合物の加水分解、縮合反応を行って、ポリシロキサン粒子(重合性ポリシロキサン粒子)の乳濁液を調製した。反応開始から2時間後、得られたポリシロキサン粒子の乳濁液をサンプリングし、粒子径を測定したところ、個数平均粒子径は1.80μmであった。
次いで、乳化剤としてポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩(第一工業製薬社製、「ハイテノール(登録商標)NF−08」)の20%水溶液0.4部をイオン交換水100部で溶解した溶液に、ジビニルベンゼン(新日鐡化学社製「DVB960」)17.5部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業社製、「V−65」)0.9部を溶解した溶液を加え、乳化分散させて単量体成分の乳化液を調製した。
さらに、調製したポリシロキサン粒子の乳濁液に、上記単量体成分の乳化液を添加し1時間攪拌した後、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩(第一工業製薬社製、「ハイテノール(登録商標)NF−08」)の20%水溶液4.2部を加え、窒素雰囲気下で反応液を65℃まで昇温させて2時間保持し、単量体成分のラジカル重合を行った。ラジカル重合後の乳濁液を固液分離し、得られたケーキをイオン交換水、メタノールで洗浄した後、320℃で1時間窒素雰囲気下で熱処理(焼成)し、コア粒子を得た。コア粒子の個数平均粒子径は2.00μm、粒子径の変動係数は3.7%であった。
メタノール900部、イオン交換水1800部、25%アンモニア水1.8部、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩の20%水溶液4.5部を混合した溶液にコア粒子100部を分散させた後、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン25部を加え、2時間攪拌してコア粒子分散液を調整した。
ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩の20%水溶液6.3部をイオン交換水250部で溶解した溶液に、t−ブチルメタクリレート175.0部、トリエチレングリコールジメタクリレート75.0部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)2.8部を溶解した溶液を加え、乳化分散させた単量体成分の乳化液をコア粒子分散液に加え1時間攪拌した後、窒素雰囲気下で反応液を65℃まで昇温させて2時間保持し、単量体成分のラジカル重合を行った。ラジカル重合後の乳濁液を固液分離し、得られたケーキをイオン交換水、メタノールで洗浄した後、40℃で12時間真空乾燥させて樹脂粒子(1)を得た。樹脂粒子(1)の個数平均粒子径は3.21μm、粒子径の変動係数は2.7%であった。
製造例2〜7、12、13
製造例1において、コア粒子径、シェル膜厚等を表1に示される条件とした以外は製造例1と同様にしてコア粒子を合成し、さらにシェルを形成させることによって樹脂粒子(2)〜(7)、(12)、(13)を得た。
製造例8〜11
製造例3において、表1に示される組成、粒子径等の条件でコア粒子を合成し、シェル形成を行わなかったこと以外は、製造例3と同様にして、樹脂粒子(8)〜(11)をそれぞれ得た。
樹脂粒子(1)〜(13)におけるコアおよびシェルを構成する単量体組成、コア粒子の熱処理温度、シェルおよびコアをそれぞれ構成する単量体総量の質量比(シェル/コア質量比)等の製造条件、コア粒子の個数平均粒子径、樹脂粒子の個数平均粒子径、シェルの膜厚については表1に、コア粒子の10%K値、樹脂粒子の10%K値、20%K値、30%K値、40%K値、これらの比(K20/K10等)、K値極小値、極小圧縮率を表2に示す。
Figure 2017212223
表1中、コアおよびシェルを構成する単量体成分を略号で示したが、各略号に対応する化合物名は、以下のとおりである。
MPTMS: 3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
VTMS; ビニルトリメトキシシラン
nBMA: n−ブチルメタクリレート
tBMA: t−ブチルメタクリレート
1.6HXA: 1,6−ヘキサンジオールジアクリレート
1.6HX: 1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート
3EGDMA: トリエチレングリコールジメタクリレート
DVB: ジビニルベンゼン
St: スチレン
Figure 2017212223
2−2.導電性微粒子の作製
(導電性金属層の形成)
実施例1
樹脂粒子(1)に水酸化ナトリウムによるエッチング処理を行った後、二塩化スズ溶液によるセンシタイジングを行った。さらに二塩化パラジウム溶液によるアクチベーティングを行い、パラジウム核を形成させた。次いで、パラジウム核を形成させた触媒化樹脂粒子10部をイオン交換水500部に添加し、超音波処理を10分間行い、粒子を十分分散させて微粒子懸濁液を得た。別途、硫酸ニッケル六水和物濃度が50g/L、次亜リン酸ナトリウム一水和物濃度が30g/L、クエン酸ナトリウム濃度が40g/Lであり、水酸化ナトリウム水溶液でpHを7.0に調整した無電解ニッケルメッキ液を調製した。前記微粒子懸濁液を70℃で撹拌しながら、該無電解ニッケルメッキ液50部を徐々に添加して、膜厚が0.1μmになるまで基材粒子の無電解ニッケルめっきを行った。その後、イオン交換水で洗浄後、アルコール置換を行って真空乾燥を行い、導電性微粒子(1)を得た。導電性微粒子(1)の導電性金属層の膜厚は0.1μmであり、導電性金属層(ニッケルメッキ層)におけるリン含有率は5.5%であった。
実施例2〜7、比較例1〜6
実施例1において基材として表3に示す樹脂粒子を用いたこと以外は、実施例1と同様にして導電性微粒子(2)〜(7)、(c1)〜(c6)を作製した。得られた導電性微粒子における導電性金属層の膜厚及びリン含有率は表3に示すとおりであった。
実施例8
基材として樹脂粒子(2)を用い、メッキ液を硫酸ニッケル六水和物濃度が50g/L、次亜リン酸ナトリウム一水和物濃度が60g/L、クエン酸ナトリウム濃度が40g/Lであり、水酸化ナトリウム水溶液でpHを7.5に調整した無電解ニッケルメッキ液を使用したこと以外は、実施例1と同様にして導電性微粒子を作製した。得られた導電性微粒子における導電性金属層の膜厚及びリン含有率は表3に示すとおりであった。
<異方性導電材料の評価>
実施例および比較例で得られた導電性微粒子を用い、下記の方法に従い、異方性導電材料(異方性導電ペースト)の調製および接続構造体の作製を行い、圧痕形成の有無および初期抵抗値を評価した。評価結果を表3に示す。
すなわち、自転公転式攪拌機を用いて、導電性微粒子2.0部に、バインダー樹脂としてエポキシ樹脂(三井化学社製「ストラクトボンド(登録商標)XN−5A」)100部を添加して10分間攪拌して分散させ、導電性ペーストを得た。
得られた異方性導電ペーストを、30μmピッチにITO電極が配線されたガラス基板と30μmピッチにアルミパターンを形成したガラス基板との間に挟みこみ、3MPa、170℃の圧着条件で熱圧着するとともに、バインダー樹脂を硬化させることによって接続構造体を得た。
得られた接続構造体の電極間の初期抵抗値を測定し、初期抵抗値が5Ω以下の場合を「◎」、5Ω以上10Ω以下の場合を「○」、10Ωを超える場合を「×」と評価した。また、異方性導電フィルムが接触した側の電極表面を金属顕微鏡(倍率:1000倍)で観察し、圧痕が観察されたものを「○」、圧痕が確認されなかったものを「×」、と評価した。
Figure 2017212223
実施例はいずれも、基材である樹脂粒子の個数平均粒子径は2.4μm以上、10%K値が7,000N/mm2以上、10%K値>20%K値>30%K値なる条件を満足する樹脂粒子を基材とする導電性微粒子を異方導電接続に用いたものであるが、いずれの実施例においても圧痕形成能に優れ初期抵抗値が低いものであった。一方、10%K値>20%K値>30%K値なる条件を満足しない樹脂粒子を用いた導電性微粒子の場合(比較例1,2および6)並びに10%K値が7,000N/mm2未満の樹脂粒子を用いた導電性微粒子の場合(比較例3〜5)においては、初期抵抗値が満足するレベルでなかった。
また実施例においてニッケル層におけるリン含有率が11.2%と高い場合に比べて、10%以下の場合のほうが初期抵抗値が一層低い接続が得られた。
本発明の導電性微粒子は、例えば、異方性導電ペースト、異方性導電フィルム、異方性導電接着剤、異方性導電インク等の異方性導電材料に好適に用いられる。特に、本発明の導電性微粒子は、例えば半導体実装用の異方性導電フィルム、異方性導電接着剤などに有用である。

Claims (5)

  1. 樹脂粒子からなる基材と、該基材の表面に形成された少なくとも一層の導電性金属層とを有する導電性微粒子であって、前記樹脂粒子の個数平均粒子径は2.4μm以上であり、前記樹脂粒子がその直径に対して10%変位したときの圧縮弾性率(10%K値)、20%変位したときの圧縮弾性率(20%K値)、30%変位したときの圧縮弾性率(30%K値)の関係が下記式
    10%K値>20%K値>30%K値
    を満足するとともに、
    前記樹脂粒子の10%K値が、7,000N/mm2以上であることを特徴とする導電性微粒子。
  2. 前記樹脂粒子の圧縮率が直径の10〜50%となる範囲で測定した時、圧縮弾性率が最小となる圧縮率が30%以上である、請求項1記載の導電性微粒子。
  3. 前記樹脂粒子が、ビニル重合体粒子である、請求項1または2に記載の導電性微粒子。
  4. 前記導電性金属層の最外層がニッケル層である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の導電性微粒子。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の導電性微粒子をバインダー樹脂に分散してなることを特徴とする異方性導電材料。
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