JP2017212113A - 高周波加熱装置 - Google Patents

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大森 義治
Yoshiharu Omori
義治 大森
周平 野村
Shuhei Nomura
周平 野村
昌之 久保
Masayuki Kubo
昌之 久保
孝之 明石
Takayuki Akashi
孝之 明石
弘一朗 川添
Koichiro Kawazoe
弘一朗 川添
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Abstract

【課題】省設置スペースで比較的大容量加熱室を実現し、さらには斜入射に対しても漏波遮蔽性能を維持できる高周波加熱装置を提供すること。
【解決手段】チョーク溝開口部5の一部を覆う閉塞壁面20と、チョーク溝4内部に向かって閉塞壁面20から閉塞壁面20と略垂直に延びる内壁面21と、チョーク溝4の最外郭を形成する外壁面23とを備え、内導体素子22と外導体素子24はチョーク溝4長手方向の幅とチョーク溝4長手方向への設置周期を略一致させて、チョーク溝開口部5を挟んで略対向して配置することで、漏波経路8に対抗して、インピーダンスの周期的変化を作り出し、斜入射の労派に対しても漏波遮蔽性能を維持できる。
【選択図】図5

Description

本発明は、本体とドアの間の間隙からのマイクロ波漏洩を防止する高周波加熱装置に関するものである。
省設置スペースで大容量加熱室を実現するため、電子レンジドアのチョーク構造の小型化技術が開発されてきた。
従来、この種のマイクロ波処理装置は、チョーク溝幅や導線幅、実行誘電率を違えた複数段構造とし、チョーク溝深さ寸法を4分の1波長より小さくしたものがある(例えば、特許文献1参照)。この技術はチョーク内に進入したマイクロ波の進行方向の特性インピーダンスを開口側が小さく、終端側が大きい複数段階の値とすることで、4分の1波長より短い距離でインピーダンスを反転させて、開口側のインピーダンスを無限大にしてチョークとして働くものである。チョーク溝に向かって垂直方向に入射する漏波はこのチョークの働きにより遮蔽される。
加熱室からの漏波は、加熱室開口部外周より本体外郭側に延びる導体板で構成される額縁部と、加熱室開口部に対向して開閉自在に設けられたドアにより挟まれた略平行な間隙を伝播する。
チョーク溝はドア外周部を周回する形で設けられ、漏波経路となる間隙に向かって開口を有し、チョーク溝開口部を横切る漏波に対して、遮蔽機能を発揮する。漏波は必ずしもチョーク溝開口部を垂直に横切るのではなく、多くの場合、より浅い角度の斜入射になっている。斜入射の漏波を、チョーク溝開口部に対し垂直成分と周回成分に分けて考えると、垂直成分はチョーク構造の漏波遮蔽機能で止められるが、周回成分に対しては別に伝播抑制機能が必要になる。
従来、この種のマイクロ波処理装置は、チョーク溝の内部に伸びる導体片の先端縁に取り付けた導体板をアドミッタンス素子として、チョーク溝の長手方向に複数配列し、チョーク溝内の長手方向への電波伝播を阻止したものがある(例えば、特許文献2参照)。
特公昭62−49716号公報 特開平10−247586号公報
しかしながら、特許文献1の構成である図1(a)や図8のようにチョーク溝開口部5の幅を狭くするため折返し部6を設けた場合、漏波遮蔽性能を確保するため加熱室開口部2の外周端より本体外郭側に向かって、重なり代部9、チョーク溝開口部5、折返し部6の距離が必要となり、結果として電子レンジの外郭の大型化を招くという課題を有していた。
また、特許文献2の構成である図1(b)や図9においては、重なり代部9と折返し部6を兼ねる構成となっているため、加熱室開口部2の外周端より本体外郭側に向かう距離を短くできるが、漏波経路8から離れたチョーク溝4内でチョーク溝の周回成分11(図
4に記載)を止めても、漏波全電力に対して漏波の周回成分11を遮蔽する効果は限定的となる課題を有していた。
さらには、漏波経路8での漏波の周回成分11を遮蔽する効果が限定的な場合、チョーク溝開口部5を垂直方向より浅い角度で斜めに横切る斜入射の漏波に対しては、周回成分11の影響によりチョークの周波数特性がずれるという課題がある。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、省設置スペースで比較的大容量の加熱室を実現し、さらには斜入射の漏波に対しても漏波遮蔽性能を維持できる高周波加熱装置を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の高周波加熱装置は、本体内の加熱室と、被加熱物を加熱するマイクロ波発生装置と、前記加熱室の加熱室開口部を開閉可能とするドアと、を備え、前記ドアは、前記本体と対向する方向にチョーク溝底面及びチョーク溝開口部を有するチョーク溝と、前記チョーク溝のチョーク溝底面と略平行で、前記ドアの中心側から外周側に向けて伸張し、前記チョーク溝開口部の一部を覆う閉塞壁面と、前記チョーク溝内部に向かって前記閉塞壁面から前記閉塞壁面と略垂直に延びる内壁面と、前記チョーク溝の最外郭を形成する外壁面と、を備え、前記内壁面は、前記チョーク溝の長手方向に周期的に並ぶ切欠きにより、複数の内導体素子に分割された構成とし、前記外壁面は、前記チョーク溝の長手方向に周期的に並ぶ切欠きにより、複数の外導体素子に分割された構成とし、前記内導体素子と前記外導体素子は、前記チョーク溝開口部を挟んで略対向して配置されたものである。
これによって、加熱室開口部外周から本体外郭に向かう距離を短くできる。また、チョーク溝開口部を構成する内壁面と外壁面で周期構造を構成したことにより、斜入射に対しても漏波遮蔽性能を維持できる。
本発明のマイクロ波処理装置は、省設置スペースで大容量加熱室を実現し、さらに斜入射に対しても漏波遮蔽性能を維持できる。
(a)従来のチョーク溝近傍の断面図(b)本発明の実施の形態1におけるチョーク溝近傍の断面図 (a)周波数に対する漏波遮蔽性能の解析例を示すグラフ(b)重なり代部に対する漏波遮蔽性能の解析例を示すグラフ (a)従来の周波数に対する漏波遮蔽性能の解析例を示すグラフ(b)本発明の実施の形態の周波数に対する漏波遮蔽性能の解析例を示すグラフ 漏波の漏洩方向を示す斜視図 (a)本発明の実施の形態1におけるチョーク溝近傍の斜視図(b)本発明の実施の形態1におけるチョーク溝近傍のA−A断面図(c)本発明の実施の形態1におけるチョーク溝近傍のB−B断面図 本発明の実施の形態1におけるチョーク溝近傍の断面図 本発明の実施の形態2におけるチョーク溝近傍の断面図 従来のチョーク溝近傍の斜視図 従来のチョーク溝近傍の他の斜視図 本実施の形態における高周波加熱装置の正面図
第1の発明は、本体内の加熱室と、被加熱物を加熱するマイクロ波発生装置と、前記加熱室の加熱室開口部を開閉可能とするドアと、を備え、前記ドアは、前記本体と対向する方向にチョーク溝底面及びチョーク溝開口部を有するチョーク溝と、前記チョーク溝のチョーク溝底面と略平行で、前記ドアの中心側から外周側に向けて伸張し、前記チョーク溝開口部の一部を覆う閉塞壁面と、前記チョーク溝内部に向かって前記閉塞壁面から前記閉塞壁面と略垂直に延びる内壁面と、前記チョーク溝の最外郭を形成する外壁面と、を備え、前記内壁面は、前記チョーク溝の長手方向に周期的に並ぶ切欠きにより、複数の内導体素子に分割された構成とし、前記外壁面は、前記チョーク溝の長手方向に周期的に並ぶ切欠きにより、複数の外導体素子に分割された構成とし、前記内導体素子と前記外導体素子は、前記チョーク溝開口部を挟んで略対向して配置されたことにより、チョーク溝開口部の一部を覆う閉塞壁面により、重なり代部と折返し部を兼ねる構成として、加熱室開口部外周から本体外郭に向かう距離を短くできる。
さらに、漏波経路に直面するチョーク溝開口部の長手方向にインピーダンスの周期的変化を作り出すことができ、ドア周回方向への伝播成分を抑制でき、斜入射に対しても漏波遮蔽性能を維持できる。
第2の発明は、第1の発明において、前記内導体素子と前記外導体素子は、その先端を互いに逆方向に向けて対向させたことにより、対向する内導体素子と外導体素子の周回方向端面がほぼ一致して相対したコンデンサを形成でき、インピーダンスの切り替わりが明瞭になることで、周回方向への伝播成分が極力抑制でき、斜入射に対しても漏波遮蔽性能を維持できる。
第3の発明は、特に第1または第2の発明において、前記内壁面の切欠きは、前記チョーク溝底面側を開放状とし、複数の前記内導体素子は、前記チョーク溝内部に向かう曲がり部分近傍で繋がった構成とし、前記外壁面の切欠きは、前記チョーク溝開口部側を開放状とし、複数の前記外導体素子は、前記チョーク溝底面から前記本体側に向かう曲がり部分近傍で繋がった構成としたことにより、対向する内導体素子と外導体素子の周回方向端面がほぼ一致して相対したコンデンサを形成でき、インピーダンスの切り替わりが明瞭になることで、周回方向への伝播成分が極力抑制でき、斜入射に対しても漏波遮蔽性能を維持できる。
第4の発明は、特に第1〜第3のいずれかの発明において、複数の前記内導体素子の隣り合う前記内導体素子間を接続する内壁面補強部を備え、前記内壁面補強部の前記チョーク溝内部に向かう先端位置は、対向する前記外導体素子の先端位置と同位置または同位置より前記本体側になる構成としたことにより、内壁面補強部により内導体素子の強度を向上して、相対する外導体素子と正対する位置を保持できるようにし、外導体素子から内壁面補強部へ漏れる電界を最小にし、インピーダンスの切り替わりの明瞭性を維持して、周回方向への伝播成分の抑制を確実にでき、斜入射に対しても漏波遮蔽性能を維持できる。
第5の発明は、特に第1〜第4のいずれかの発明において、複数の前記外導体素子の隣り合う前記外導体素子間を接続する外壁面補強部を備え、前記外壁面補強部の前記本体側に向かう先端位置は、対向する前記内導体素子の先端位置と同位置または同位置より前記チョーク溝底面側になる構成としたことにより、外壁面補強部により外導体素子の強度を向上して、相対する内導体素子と正対する位置を保持できるようにし、内導体素子から外壁面補強部へ漏れる電界を最小にし、インピーダンスの切り替わりの明瞭性を維持して、周回方向への伝播成分の抑制を確実にでき、斜入射に対しても漏波遮蔽性能を維持できる。
第6の発明は、特に第1〜第5のいずれかの発明において、前記内導体素子および前記
外導体素子の設置周期は、4分の1波長より短くしたことにより、漏波経路に直面するチョーク溝開口部の長手方向へのインピーダンスの周期的変化の周期を使用周波数に会った適正な間隔にすることができ、ドア周回方向への伝播成分を抑制でき、斜入射に対しても漏波遮蔽性能を維持できる。
第7の発明は、特に第1〜第6のいずれかの発明において、前記内導体素子および前記外導体素子の前記チョーク溝長手方向の幅は、前記内導体素子および前記外導体素子の設置周期の略半分より大きくしたことにより、対向する内導体素子と外導体素子で形成されるコンデンサの面積を確保でき、インピーダンスの切り替わりが明瞭になることで、周回方向への伝播成分の抑制を確実にでき、斜入射に対しても漏波遮蔽性能を維持できる。
第8の発明は、特に第1〜第7のいずれかの発明において、前記加熱室開口部の外周から本体外郭側に向かう額縁部を設け、前記額縁部と前記閉塞壁面が対向するよう配置し、前記チョーク溝を前記閉塞壁面が覆い始める始端は、前記加熱室開口部の外周と同位置または同位置より前記ドアの中心側であることにより、ドア本体から閉塞壁面までと額縁部が対向する範囲が漏波経路の重なり代部になる。閉塞壁面を重なり代部と同等以上の長さにすることにより、重なり代部の全ての範囲を折返し部と兼ねる構成とでき、加熱室開口部外周端より外側に向かう額縁部の距離を最小化できる。
また、ドア本体の導体板から閉塞壁面の導体板とチョーク溝の導体板に分かれるので、複数の導体板を溶接やカシメ等で接合する必要があり、壁面に凹凸などの変形ができる。閉塞壁面のドア中心側始端が、額縁部の始端位置と略同じかまたはドアの中心側に寄っていると上記接合部の変形部分が額縁部から外れた位置とできるので、漏波遮蔽性能を維持できる。
第9の発明は、特に第1〜第8のいずれかの発明において、前記外導体素子の先端位置は、前記本体に対向する前記閉塞壁面より、前記本体から離れた位置に配置されたことにより、漏波経路に最も近い外導体素子の先端位置が、相対する内導体素子とコンデンサを形成するので、インピーダンスの周期的変化を漏波経路により近い位置に作り出すことができ、ドア周回方向への伝播成分を抑制でき、斜入射に対しても漏波遮蔽性能を維持できる。
第10の発明は、特に第1〜弟9のいずれかの発明において、前記外導体素子の先端位置は、前記本体の外郭より前記加熱室開口部の中心側に配置したことにより、内導体素子と外導体素子で形成したコンデンサの範囲が、全て漏波経路に対向して配置でき、インピーダンスの切り替わりが明瞭になることで、周回方向への伝播成分の抑制を確実にでき、斜入射に対しても漏波遮蔽性能を維持できる。
第11の発明は、特に第1〜第10のいずれかの発明において、前記外導体素子の先端を前記本体外郭側に曲げて、前記本体側と略平行な面を設けたことにより、外導体素子の先端曲げ部分と額縁部間にもコンデンサを形成し、チョーク溝開口部から漏波経路にかけて広範囲で、インピーダンスの周期的変化を出すことができ、ドア周回方向への伝播成分を抑制でき、斜入射に対しても漏波遮蔽性能を維持できる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図10において、本実施の形態1における高周波加熱装置の正面図を示す。高周波加熱装置の本体50は略直方体で構成され、本体50の内部の加熱室1の加熱室開口部2に対
向してドア3が設置され、ドア3に設置された取っ手41を手前側に引くことにより、ドア3は開閉可能に構成され、ドア3の外周部には、本体50側の額縁部7と対向する方向にチョーク溝開口部5を有するチョーク溝4が設けられている。また、本体50の下部にはマイクロ波発生装置40が設置され、加熱室1内に収納された被加熱物に対してマイクロ波発生装置40から高周波が供給され、被加熱物が加熱される構成となっている。なお、マイクロ波発生装置40が配置されている位置は、本体50の上部や側部であってもよいものとする。
図1(a)は従来のチョーク構造断面図を示す。加熱室1の加熱室開口部2に対向して開閉自在にドア3が設置され、ドア3の外周部には、本体と対向する方向にチョーク溝開口部5を有するチョーク溝4が設けられている。
特許文献1にて説明されているように、チョーク溝4は折返し部6を設けることで、4分の1波長以下の深さでもチョーク溝開口部5近傍のインピーダンスを無限大にして、漏波遮蔽性能を確保している。
加熱室開口部2の外周から本体外郭に向かって導体板で構成した額縁部7が設けられている。ドア3と額縁部7との間の隙間が、加熱室1から本体外郭に向かう漏波経路8になる。
漏波経路8は、加熱室開口部2の外周からチョーク溝開口部5までの重なり代部9とチョーク溝開口部5と折返し部6の区間で構成される。
重なり代部9はその区間長により、加熱室1側の漏波経路8の入り口のインピーダンスを低くして、漏波経路8へのマイクロ波進入を抑制する働きをしている。
図2(a)は、チョーク溝4の漏波遮蔽性能の解析例を示す。横軸は周波数(GHz)、縦軸は遮蔽特性(dB)を示し、グラフの下に行くほど漏波を遮蔽することを示している。チョーク構造の漏波遮蔽性能はグラフに示されるように、周波数に対して変化し、遮蔽効果の得られる周波数帯がある。特に遮蔽特性が−30dBより小さくなる周波数の範囲を帯域幅と呼び、この範囲が広いほど漏波遮蔽性能が良いと判断する指標となっている。
図2(b)は、重なり代部9の区間長と漏波遮蔽性能の帯域幅との関係を解析により求めたグラフを示す。
重なり代部9の区間長が短いと多量の漏波が漏波経路8に進入し、チョーク溝4だけの能力では、十分な漏波遮蔽性能が得られなくなるので、図2(b)に示されるように、漏波遮蔽性能を得るためには、ある程度の長さの重なり代部9の区間長が必要になる。
加熱室開口部2の外周は本体外郭に対し、少なくとも額縁部7の距離だけ内側に入るので、図1(a)の構成のように額縁部7の距離が長いと、加熱室1の容積が小さくなってしまう。
図1(b)は本発明のチョーク構造断面図を示す。加熱室1の加熱室開口部2に対向して開閉自在にドア3が設置され、ドア3の外周部には、本体50と対向する方向にチョーク溝開口部5およびチョーク溝底面4aを有するチョーク溝4が設けられている。
チョーク溝4は折返し部6を設けることで、自由空間波長をλ、チョーク溝の深さLとして4分の1波長(λ/4)以下の深さとしてもチョーク溝開口部5近傍のインピーダン
スを無限大にして、漏波遮蔽性能を確保している。
加熱室開口部2の外周から本体外郭50aに向かって導体板で構成した額縁部7が設けられている。ドア3と額縁部7との間の隙間が、加熱室1から本体外郭に向かう漏波経路8になる。
漏波経路8は、加熱室開口部2の外周からチョーク溝開口部5までの重なり代部9とチョーク溝開口部5と折返し部6の区間で構成される。
重なり代部9はその区間長により、加熱室1側の漏波経路8の入り口のインピーダンスを低くして、漏波経路8へのマイクロ波進入を抑制する働きをしている。
この図1(b)構成の場合、折返し部6が重なり代部9を兼ねた構成になっているので、額縁部7を短くでき、加熱室1の容積を大きくすることができる。
図4は、漏波の漏洩方向をドアに沿って模式的に表現した説明図を示す。ドア3の外周部にチョーク溝開口部5を有するチョーク溝4があり、漏波はドア中心側から本体外郭に向かう漏波経路8に沿って、チョーク溝開口部5を横切って、本体外郭50aに伝播する。漏波経路8を伝播する漏波を、チョーク溝開口部5に対して、垂直成分10と周回成分11に分けて考えると、垂直成分10はチョーク溝4の漏波遮蔽性能、すなわちドア3の中心から外側方向への漏波遮蔽により、周回成分11は周期構造の伝播抑制性能、すなわちドア3外周の周方向への伝播抑制により止めることができる。
図3は、図2(a)と同様に漏波遮蔽性能の解析例を示す。グラフの縦軸遮蔽特性(dB)方向が下側に落ち込んで、遮蔽効果の得られる周波数帯がある。この周波数帯は、チョーク溝4の構造や、チョーク溝開口部5の横切り方向などにより変わる。
図3(a)は、図9に示す従来例のチョーク構造の漏波遮蔽性能を解析した結果を示す。チョーク溝開口部5へ垂直成分10のみの漏波が進入した場合の漏波遮蔽特性は、入射角度90度の実線で描かれた曲線となり、漏波遮蔽性能が得られる周波数帯と使用周波数がほぼ一致している。しかし、周回成分11を含む入射角度がより浅い漏波(60度あるいは75度)が進入した場合は、点線で描かれた曲線の特性となり、漏波遮蔽性能が得られる周波数帯は、使用周波数域から大きくずれてしまう。この結果は、図9の構成では、周回成分11の伝播を抑制できないことを示している。
図5(a)は本実施の形態1の斜視図を示す。本実施の形態1の断面基本構成は図1(b)で示しており、折返し部6が重なり代部9を兼ねていて、額縁部7の距離を従来例である図1(a)の構成よりも短くできる。ドア3の導体板はチョーク溝開口部5の一部を覆う閉塞壁面20を設け、チョーク溝4内部に向かって閉塞壁面20から閉塞壁面20と略垂直に延びる、すなわち図5(c)では下方に向かって延びる、内壁面21に繋がっている。
内壁面21は、チョーク溝4の長手方向に周期的に並ぶ内壁面の切欠き(内壁切欠き32)により、複数の内導体素子22に分割される。内壁切欠き32は、チョーク溝底面4a側を開放状とし、複数の内導体素子22は、チョーク溝4内部に向かう曲がり部分近傍で繋がった構成としている。
チョーク溝4の最外郭には外壁面23を備え、外壁面23は、チョーク溝4の長手方向に周期的に並ぶ外壁面の切欠き(外壁切欠き33)により、複数の外導体素子24に分割される。外壁切欠き33は、チョーク溝底面4a側を開放状とし、複数の外導体素子24
は、チョーク溝底面4aから本体50側に向かう曲がり部分近傍で繋がった構成としている。
図5(b)はA−A断面図を示す。内導体素子22と外導体素子24とは、チョーク溝4長手方向の幅およびチョーク溝4長手方向への設置周期を略一致させて、チョーク溝開口部5を挟んで略対向して配置している。また、内導体素子22と外導体素子24とは、その先端を互いに逆方向に向けて(内導体素子22の先端はチョーク溝底面4a向き、外導体素子24の先端は本体50の額縁部7向き)対向させている。
このような配置により、対向する間には電界25が集中する。チョーク溝4の長手方向に見ると、電界25の集中する領域と集中しない領域が交互に生じ、インピーダンスが周期的に変化することになる。
図3(b)は、図5に示す本実施の形態1の漏波遮蔽性能を解析した結果を示す。チョーク溝4へ垂直成分10のみの漏波が進入した場合の漏波遮蔽特性は、入射角度90度の実線で描かれた曲線となり、図3(a)と同様に漏波遮蔽性能が得られる周波数帯と使用周波数がほぼ一致している。
周回成分11を含む入射角度が浅い漏波(60度あるいは75度)が進入した場合は、点線で描かれた曲線の特性となり、漏波遮蔽性能が得られる周波数帯は、使用周波数域あたりである2.5GHz〜2.7GHzあたりにとどまる結果となった。内導体素子22と外導体素子24を略対向させて、漏波経路8に対面する位置で、チョーク溝4の長手方向へのインピーダンスが周期的に変化する構成としたことで、周回成分11の伝播を抑制できるようになったことを示している。
図5(c)はB−B断面図を示す。加熱室1の加熱室開口部2に対向して開閉自在にドア3が設置され、ドア3の外周部には、本体50と対向する方向にチョーク溝開口部5およびチョーク溝底面4aを有するチョーク溝4が設けられている。さらに、チョーク溝4のチョーク溝底面4aと略平行で、ドア3の中心側から外周側に向けて伸張し、前記チョーク溝開口部5の一部を覆う閉塞壁面20は設置され、チョーク溝4内部に向かって閉塞壁面20から閉塞壁面20と略垂直に延びる内壁面21と、チョーク溝4の最外郭を形成する外壁面23とを備えている。内導体素子22と外導体素子24は、内導体素子22の図中下側先端から外導体素子24の図中上側先端の限られた範囲で対向している。また、チョーク溝4長手方向については、図5(b)に示されるように、同期して対向している。このように限られた向かい合う範囲に電界25が集中したコンデンサを形成することができる。このように、内導体素子22と外導体素子24が対向している範囲と、対向する壁面がない範囲(内壁切欠き32および外壁切欠き33)が交互に配置され、インピーダンスの切り替わりが明瞭になるので、チョーク溝4の長手方向へのインピーダンス周期的変化も明瞭となり、周回成分11の伝播を極力抑制できる。
さらに、図5(a)、図5(c)に示されるように、隣り合う内導体素子22間を内壁面補強部26で接続することにより、チョーク溝4の剛性を増すことができ、外力による変形を防止し、漏波遮蔽性能の維持に役立てることができる。内壁面補強部26の図5(c)中下側先端の位置は、対向する外導体素子24の上側先端位置と同位置となり、重なる範囲はないので、電界25が容易に広がることはなく、内導体素子22と外導体素子24で形成されるコンデンサ部分に電界25を集中することができる。なお、内壁面補強部26のチョーク溝4内部に向かう先端位置は、対向する外導体素子24の先端位置と同位置より本体50の額縁部7側に寄る構成としてもよい。
図5(a)、図5(c)に示されるように、隣り合う外導体素子24間を外壁面補強部
27で接続することにより、同様にチョーク溝4の剛性を増すことができ、外力による変形を防止し、漏波遮蔽性能の維持に役立てることができる。外壁面補強部27の図5(c)中上側先端の位置は、対向する内導体素子22の下側先端位置と同位置となり、重なる範囲はないので、同様に電界25が容易に広がることはなく、内導体素子22と外導体素子24で形成されるコンデンサ部分に電界25を集中することができる。なお、外壁面補強部27の本体50側に向かう先端位置は、対向する前記内導体素子の先端位置と同位置よりチョーク溝底面4a側に寄る構成としてもよい。
図5(a)、図5(b)に示される内導体素子22と外導体素子24で形成されるコンデンサ部分の配置周期30は、自由空間波長をλとして、4分の1波長(λ/4)より短い周期とすることで、周回成分11の伝播を抑制するのに最適な寸法となっている。
内導体素子22と外導体素子24で形成されるコンデンサ部分のチョーク溝4の長手方向への導体素子幅31は、コンデンサ部分の配置周期30の略半分より大きくし、電界25が集中するのに、内導体素子22と外導体素子24が向かい合う限られた範囲が十分な大きさとしている。
図5(a)、図5(c)に示されるように、本実施の形態においては、加熱室開口部2の外周から本体外郭50a側に向かう額縁部7を設け、額縁部7と閉塞壁面20が対向するよう配置されている。
ドア3の導体板は閉塞壁面20から内壁面21まで繋がる一体の板で構成されている。チョーク溝4は断面U字状の導体板を閉塞壁面20の始端付近に接続している。閉塞壁面20がチョーク溝4を覆い始めるドア中心側の始端が、額縁部7の始端位置と略同位置、すなわち図5(c)の上下方向で一直線上、またはドア3の中心側に寄っている構成としているので、チョーク溝4は断面U字状の導体板とドア3の導体板との接続部28は、漏波経路8から外れた加熱室開口部2側となり、漏波遮蔽性能に影響しない配置になっている。
図6は漏波経路説明用の断面図を示す。外導体素子24の先端位置が、本体50に対向する閉塞壁面20より、本体50の額縁部7から離れた位置に配置されているので、漏波経路8はチョーク溝開口部5に寄った経路となり、インピーダンスの周期的変化をより漏波経路8に近い位置に作り出すことができる。
外導体素子24の先端位置は、本体外郭50aより加熱室開口部2の中心側に配置していて、額縁部7と対向しているので、チョーク溝開口部5に内導体素子22と外導体素子24で構成するコンデンサは、全てが漏波経路8と対面し、インピーダンスの周期的変化を漏波経路8に近い位置に確実に作り出すことができる。
(実施の形態2)
本実施の形態2においては、実施の形態1と異なる点のみ以下説明し、その他の構成および内容は実施の形態1と同様とする。
図7は本発明の実施の形態2におけるチョーク溝4近傍の断面図を示す。外導体素子24の先端を曲げた折曲げ部32を設けることで、外導体素子24と額縁部7の間にも電界25の集中部分を作り出すことができ、内導体素子22と外導体素子24で構成するコンデンサと同期して漏波経路8を塞ぐようにインピーダンスの周期的変化を作り出すことができる。
以上のように、漏波遮蔽性能を発揮するのに必要な構造の折返し部6と重なり代部9を
兼ねる構成を使用して、かつ、漏波経路8と対面した位置で、漏波の周回成分11方向に、インピーダンスの周期的変化を確実に作り出すことができるので、本発明の高周波加熱装置は、省設置スペースで大容量の加熱室を実現し、さらに斜入射に対しても漏波遮蔽性能を極力維持することができる。
以上のように、本発明にかかるマイクロ波処理装置は、省設置スペースで大容量加熱室を実現し、漏洩するマイクロ波を確実に遮蔽できるので、電子レンジで代表されるような誘電加熱を利用した加熱装置や生ゴミ処理機などにも適用できる。
1 加熱室
2 加熱室開口部
3 ドア
4 チョーク溝
4a チョーク溝底面
5 チョーク溝開口部
6 折返し部
7 額縁部
8 漏波経路
9 重なり代部
10 垂直成分
11 周回成分
20 閉塞壁面
21 内壁面
22 内導体素子
23 外壁面
24 外導体素子
25 電界
26 内壁面補強部
27 外壁面補強部
28 接続部
30 配置周期
31 導体素子幅
32 折曲げ部
50 本体
50a 本体外郭

Claims (11)

  1. 本体内の加熱室と、
    被加熱物を加熱するマイクロ波発生装置と、
    前記加熱室の加熱室開口部を開閉可能とするドアと、を備え、
    前記ドアは、
    前記本体と対向する方向にチョーク溝底面及びチョーク溝開口部を有するチョーク溝と、前記チョーク溝のチョーク溝底面と略平行で、前記ドアの中心側から外周側に向けて伸張し、前記チョーク溝開口部の一部を覆う閉塞壁面と、
    前記チョーク溝内部に向かって前記閉塞壁面から前記閉塞壁面と略垂直に延びる内壁面と、
    前記チョーク溝の最外郭を形成する外壁面と、を備え、
    前記内壁面は、前記チョーク溝の長手方向に周期的に並ぶ切欠きにより、複数の内導体素子に分割された構成とし、
    前記外壁面は、前記チョーク溝の長手方向に周期的に並ぶ切欠きにより、複数の外導体素子に分割された構成とし、
    前記内導体素子と前記外導体素子は、前記チョーク溝開口部を挟んで略対向して配置されたことを特徴とする高周波加熱装置。
  2. 前記内導体素子と前記外導体素子は、その先端を互いに逆方向に向けて対向させた、
    請求項1に記載の高周波加熱装置。
  3. 前記内壁面の切欠きは、前記チョーク溝底面側を開放状とし、
    複数の前記内導体素子は、前記チョーク溝内部に向かう曲がり部分近傍で繋がった構成とし、
    前記外壁面の切欠きは、前記チョーク溝開口部側を開放状とし、
    複数の前記外導体素子は、前記チョーク溝底面から前記本体側に向かう曲がり部分近傍で繋がった構成とした、
    請求項1または2に記載の高周波加熱装置。
  4. 複数の前記内導体素子の隣り合う前記内導体素子間を接続する内壁面補強部を備え、
    前記内壁面補強部の前記チョーク溝内部に向かう先端位置は、
    対向する前記外導体素子の先端位置と同位置または同位置より前記本体側になる構成とした請求項1〜3のいずれか1項に記載の高周波加熱装置。
  5. 複数の前記外導体素子の隣り合う前記外導体素子間を接続する外壁面補強部を備え、
    前記外壁面補強部の前記本体側に向かう先端位置は、
    対向する前記内導体素子の先端位置と同位置または同位置より前記チョーク溝底面側になる構成とした請求項1〜4のいずれか1項に記載の高周波加熱装置。
  6. 前記内導体素子および前記外導体素子の設置周期は、4分の1波長より短くしたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の高周波加熱装置。
  7. 前記内導体素子および前記外導体素子の前記チョーク溝長手方向の幅は、前記内導体素子および前記外導体素子の設置周期の略半分より大きくしたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の高周波加熱装置。
  8. 前記加熱室開口部の外周から本体外郭側に向かう額縁部を設け、
    前記額縁部と前記閉塞壁面が対向するよう配置し、
    前記チョーク溝を前記閉塞壁面が覆い始める始端は、
    前記加熱室開口部の外周と同位置または同位置より前記ドアの中心側であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の高周波加熱装置。
  9. 前記外導体素子の先端位置は、前記本体に対向する前記閉塞壁面より、前記本体から離れた位置に配置されたことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の高周波加熱装置。
  10. 前記外導体素子の先端位置は、前記本体の外郭より前記加熱室開口部の中心側に配置したことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の高周波加熱装置。
  11. 前記外導体素子の先端を前記本体外郭側に曲げて、前記本体側と略平行な面を設けたことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の高周波加熱装置。
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