JP2017211093A - 流体加熱装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】電装品の冷却が十分に行われる流体加熱装置を提供すること。【解決手段】温水(流体)を加熱する流体加熱装置100は、開口部15を有してヒータ21を収容するタンク10と、タンク10の開口部15を塞いで温水が流通する流体室4を形成する天板部23と、流体室4に開口して温水が流通する第1流通口11及び第2流通口12と、を備える。流体室4は、ヒータ21(加熱部22)を収容して第1流通口11が開口するヒータ収容部8と、ヒータ収容部8から天板部23に沿って膨出して第2流通口12が開口する膨出部59と、を有する。IGBT34,35(電装品)は、天板部23に沿って膨出部59の外側に設けられる。【選択図】図3
Description
本発明は、流体を加熱する流体加熱装置に関する。
特許文献1には、流体が流通するタンク内に螺旋状の電熱式ヒータが収容される流体加熱装置が開示されている。
上記タンクの両端部には、供給通路と排出通路が互いに対向するように開口している。供給通路から供給される流体は、タンク内において一方向に流れてヒータの熱を吸収し、排出通路から排出される。
上記流体加熱装置では、ヒータの通電を制御する温度センサ及びスイッチング素子などの電装部品がタンクの上壁部に設けられる。この場合には、ヒータからの伝熱やスイッチング素子の発熱によってタンクの上壁部が温度上昇するために、電装部品を冷却する必要がある。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、電装部品の冷却が十分に行われる流体加熱装置を提供することを目的とする。
本発明のある態様によれば、流体を加熱する流体加熱装置であって、通電されることで発熱するヒータと、前記ヒータの通電を制御する電装部品と、開口部を有して前記ヒータを収容するタンクと、前記タンクの開口部を塞いで流体が流通する流体室を形成する天板部と、前記流体室に流体を流通させる第1流通口及び第2流通口と、を備え、前記流体室は、前記ヒータを収容して前記第1流通口が開口するヒータ収容部と、前記ヒータ収容部から前記天板部に沿って膨出して前記第2流通口が開口する膨出部と、を有し、前記電装部品は、前記天板部に沿って前記膨出部の外側に設けられることを特徴とする流体加熱装置が提供される。
上記態様によれば、ヒータ収容部では、流体がヒータの周りを流通することで、ヒータの熱が流体に伝達される。膨出部では、流体が天板部に沿って流通することで、天板部から流体に放熱することが促される。よって、膨出部の外側に設けられる電装部品の冷却を十分に行うことができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る流体加熱装置100について説明する。
流体加熱装置100は、EV(Electric Vehicle:電動車両)やHEV(Hybrid Electric Vehicle:ハイブリッド車両)などの車両に搭載される車両用空調装置(図示省略)に適用される。流体加熱装置100は、車両用空調装置が暖房運転を実行するために、流体としての温水(熱媒体)を加熱するものである。
図1、図2に示すように、流体加熱装置100は、内部を温水が流通するタンク10と、タンク10内に収容されるヒータユニット20と、ヒータユニット20に電力を供給する電装部品としてのバスバーモジュール30と、ヒータユニット20の動作を制御する制御部としての制御基板40と、バスバーモジュール30及び制御基板40などを覆うカバー50と、を備える。
図3、図4に示すように、タンク10の内部には、ヒータ21を収容して温水が流通する流体室4が設けられるとともに、電装部品を収容する電装室5(制御室)が設けられる。タンク10、ヒータユニット20、及びカバー50は、流体室4及び電装室5を形成するケース9を構成する。
ヒータユニット20は、電熱式ヒータ21と、ヒータ21の周りを覆うように形成されるブロック状の加熱部22と、タンク10との間に流体室4を形成する板状の天板部23(蓋部)と、加熱部22と天板部23とを連結する連結部24と、を有する。ヒータユニット20では、加熱部22、連結部24、及び天板部23が一体に成形される。
ヒータ21は、加熱部22に鋳込まれる螺旋状の発熱部21cと、天板部23から上方に突出する一対の端子21a,21bと、を有する。なお、発熱部21cは、螺旋状ではなく、例えば、加熱部22内を往復するように形成されてもよい。図3に示すように、ヒータ21(発熱部21c)の中央部を貫通する直線をヒータ21の中心線Oとする。
加熱部22は、発熱部21cの内側を貫通する貫通孔25と、発熱部21cの周りに形成される外壁部26と、発熱部21cの一端側に形成される第1端壁部27と、発熱部21cの他端側に形成される第2端壁部28と、を有する。外壁部26は、貫通孔25と比較して伝熱面積が大きい。
加熱部22は、貫通孔25の内周から突出する複数の内周フィン25aを有する。複数の内周フィン25aは、温水の流れ方向に沿って延び、貫通孔25の全周にわたって等角度間隔で形成される。内周フィン25aは、内周流路52における伝熱面積を、内周フィン25aが設けられない場合と比較して大きくする。
外壁部26は、温水の流れ方向に沿って延びる複数の外周フィン26aを有する。外周フィン26aは、外周流路54における伝熱面積を、外周フィン26aが設けられない場合と比較して大きくする。
タンク10は、流体室4を形成する流体室壁部10bと、電装室5を形成する電装室壁部10aと、を有する。なお、電装室壁部10aは、タンク10に一体に形成される構成に限らず、ヒータユニット20に一体に形成される構成としてもよい。
タンク10の内部には、流体室壁部10bの開口部15が形成される。開口部15は、天板部23によって閉塞される。天板部23は、タンク10に溶接などによって接合される。天板部23は、流体室4と電装室5とを仕切る隔壁である。
タンク10の上部には、電装室壁部10aの開口部19が形成される。開口部19は、カバー50によって閉塞される。カバー50は、電装室壁部10aのボス部65に螺合するボルト(図示省略)によって電装室壁部10aに締結される。
タンク10の側部には、取付座61,62がそれぞれ形成される。取付座61には、電気信号を導く信号線(図示省略)を接続するコネクタ63が取り付けられる。取付座62には、電力を供給する電力供給線(図示省略)を接続するコネクタ64が取り付けられる。
バスバーモジュール30は、天板部23の上部に積層される。バスバーモジュール30は、電力や電気信号を送給可能な金属板(導電材)によって形成される複数のバスバー(図示省略)を有する。
ヒータ21の端子21a,21bには、車両に搭載される電源装置(図示省略)からバスバーモジュール30を介して電力が供給される。ヒータ21は、通電することによって発熱部21cが発熱するシーズヒータ又はPTC(Positive Temperature Coefficient)ヒータである。ヒータ21は、制御基板40からの指令を受けて通電し、タンク10内を流通する温水を加熱する。
制御基板40は、バスバーモジュール30の上部に積層される。制御基板40は、バスバーモジュール30及び一対のIGBT34,35(Insulated Gate Bipolar Transistor:絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)と電気的に接続される。制御基板40は、車両に搭載される上位のコントローラ(図示省略)の指令に基づいてスイッチング素子(電装部品)としてのIGBT34,35を制御する。
図2に示すように、バスバーモジュール30には、バイメタルスイッチ31を収容する収容孔39と、ヒータ温度センサ32を収容する収容孔47と、IGBT34,35を収容する収容孔36,37と、が形成される。天板部23には、バイメタルスイッチ31を取り付けるための凹部23aと、ヒータ温度センサ32を取り付けるための凹部23bと、水温センサ33を取り付けるための孔23cと、が形成される。
バイメタルスイッチ31は、天板部23に締結されるプレート48によって押圧され、凹部23aの底部に接触した状態に保持される。
温度スイッチとしてのバイメタルスイッチ31は、ヒータユニット20の温度を検知し、検知した温度に応じて切り換わる。具体的には、バイメタルスイッチ31は、ヒータユニット20の温度が第1の設定温度よりも上昇した場合にヒータユニット20への電力の供給を遮断する。ヒータユニット20の温度が第1の設定温度と比較して低い第2の設定温度よりも下降した場合に、バイメタルスイッチ31が再び切り換わってヒータユニット20への電力の供給を再開するようにしてもよい。
ヒータ温度センサ32は、凹部23bの底部に接触した状態に保持される。
ヒータ温度センサ32は、ヒータユニット20におけるヒータ21の近傍の温度を検知する。ヒータ温度センサ32は、検知したヒータ21の温度に応じた電気信号を制御基板40に送る。制御基板40は、ヒータ温度センサ32が検知したヒータ21の温度が設定温度よりも高い場合に、ヒータ21への電力の供給を停止させる。
水温センサ33は、天板部23に取り付けられる有底筒状のキャップ43に収容され、キャップ43の底部に接触した状態に保持される。水温センサ33の外周と、キャップ43の内周との間には、環状の空間が設けられる。
キャップ43は、その開口端部の外周が天板部23の孔23cに挿入され、その外周及び底部が流体室4に面するように設けられる。キャップ43は、IGBT34,35と、第2流通口12(排出口)と、の間に配置され、流体室4における第2流通口12の上流側に突出する。
水温センサ33は、キャップ43を介して温水の温度を検知する流体温度検知器として設けられる。水温センサ33は、第2流通口12の近傍において、流体室4から排出される加熱後の温水の温度を検知する。水温センサ33は、検知した温水の温度に応じた電気信号を制御基板40に送る。制御基板40は、水温センサ33が検知した温水の温度が所望の温度になるように、IGBT34,35を介してヒータ21への電力の供給を制御する。
IGBT34,35は、天板部23に締結されるプレート38によって押圧され、天板部23に接触した状態に保持される。天板部23は、電装室5を形成する電装室壁面17を有する。電装室壁面17は、IGBT34,35を接触させる接触部17a,17bを有する。
IGBT34,35は、バスバーモジュール30を介して車両の電源装置に接続される。IGBT34,35は、制御基板40に接続され、制御基板40からの指令信号に応じてスイッチング動作する。IGBT34,35は、スイッチング動作によってヒータユニット20への電力の供給を制御する。これにより、ヒータユニット20は所望の温度に調整され、第2流通口12から排出される温水は所望の温度に調整される。
IGBT34,35は、スイッチング動作を繰り返すことによって発熱する。IGBT34,35が動作可能な温度の最大値は、流体室4を流れる温水の温度と比較して高い。よって、IGBT34,35は、天板部23を介して流体室4を流れる温水に放熱して冷却される。
次に、流体室4に係る構成について説明する。
天板部23は、流体室4を形成する流体室壁面16(天面)を有する。
タンク10の流体室壁部10bは、加熱部22(ヒータ21)の周りにヒータ収容部8(流路)を形成するヒータ収容壁部10cと、ヒータ収容部8から天板部23に沿って膨出する膨出部59(流路)を形成する膨出壁部10dと、を有する。ヒータ収容壁部10cの一端には、外部から温水が供給される第1流通口11(供給口)が開口する。膨出壁部10dの一端には、外部に温水が排出される第2流通口12(排出口)が開口する。
第1流通口11と第2流通口12とは、ヒータユニット20の一端側(図3において左側)に配置される。第1流通口11と加熱部22の貫通孔25とは、ヒータ21の中心線Oが延びる軸方向に並ぶように配置される。第2流通口12は、第1流通口11に比べて天板部23に近い位置に配置される。これにより、流体室4のヒータ収容部8において、第1流通口11から流入した温水が折り返した後に天板部23に沿って流通することで第2流通口12に向かうようになっている。
第2流通口12は、第1流通口11に対してヒータ21の中心線Oが延びる軸方向についてヒータユニット20から遠ざかる方向(下方向)にオフセットされる。これにより、流体室4の膨出部59において、ヒータ収容部8から第2流通口12へと向かう温水が天板部23に沿って流通するようになっている。
タンク10の流体室壁部10bは、第1壁面14a〜第5壁面14e、及び第1底面13a、第2底面13bによって流体室4を形成する。第1壁面14a〜第5壁面14eは、それぞれ上方に向くように鉛直線(基準線)に対して傾斜して形成される。第1底面13a及び第2底面13bは、第1壁面14a(段差)の上下端から略水平方向に延びている。
ヒータ収容部8は、加熱部22の両端に設けられる第1端流路51及び第2端流路53と、加熱部22の内側に設けられる内周流路52と、加熱部22の外側に設けられる外周流路54と、を有する。
第1端流路51は、加熱部22の第1端壁部27と、タンク10の第1壁面14aとの間に形成される。第1端流路51には、第1流通口11が開口する。
第1流通口11には、供給パイプ57が挿入される。タンク10から突出する供給パイプ57には、温水が流通する配管(図示省略)が接続される。
図3に示すように、タンク10の外側は、ヒータ収容壁部10cと膨出壁部10dとによって凹状に形成される凹状空間55が形成される。供給パイプ57は、膨出壁部10dに沿って配置され凹状空間55に収まる。
供給パイプ57は、第1流通口11に挿入される基端部57aと、基端部57aから膨出壁部10dに対して離れる方向に曲折する曲折部57cと、排出パイプ58と略平行に延びる先端部57bと、を有する。こうして、供給パイプ57は、クランク状に曲折しており、膨出壁部10dに対して間隙をもって延びるように配置される。
加熱部22の第1端壁部27には、貫通孔25の延長上に開口する環状のインレット部45が形成される。供給パイプ57の基端部57aは、第1壁面14aからタンク10内に突出し、貫通孔25のインレット部45(第1端壁部27)に環状の間隙をもって挿入される。供給パイプ57から供給される温水は、第1端流路51及び内周流路52に導かれる。
上記した構成に限らず、供給パイプ57の基端部57aが間隙を持たずにインレット部45に挿入され、供給パイプ57が貫通孔25に接続される構成としてもよい。この場合には、供給パイプ57から供給される温水の全量が内周流路52に導かれる。
内周流路52は、加熱部22の貫通孔25によって形成される。貫通孔25は、第1流通口11の中心線Oを中心として形成される。内周流路52は、第1流通口11の中心線O上(延長線上)に延びる。
第2端流路53は、加熱部22の第2端壁部28と、タンク10の第2壁面14bとの間に形成される。
第2壁面14bは、ヒータユニット20の加熱部22を介して第1壁面14aに対向するように形成される。内周流路52から流出する温水は、第1端流路51を通じて外周流路54へと流入する。
外周流路54は、加熱部22の外壁部26と、タンク10の第1底面13aと、第3壁面14cと、第4壁面14dと、天板部23の流体室壁面16と、の間に形成される。中心線Oに直交する外周流路54の流路面積は、内周流路52と比較して大きい。
タンク10の第3壁面14c及び第4壁面14dは、互いに対向するように形成される。第3壁面14cと第4壁面14dとの間には、加熱部22が配置される。
膨出部59は、タンク10の第3壁面14cの上部と、第4壁面14dの上部と、第2底面13bと、第5壁面14eと、天板部23の流体室壁面16と、の間に形成される。
図4に2点鎖線で示すように、膨出部59の断面形状は、天板部23の流体室壁面16に沿う扁平形状をしている。膨出部59は、流体室壁面16に沿う幅方向の流路幅L1が流体室壁面16に対する流路高さL2より大きく形成される。中心線Oに直交する膨出部59の流路面積は、外周流路54と比較して小さい。
第5壁面14eは、第1壁面14aに対してヒータユニット20から離れる位置で、ヒータユニット20の加熱部22を介して第2壁面14bに対向するように形成される。第5壁面14eの下端と第1壁面14aの上端との間には、第2底面13bが延設されている。
第5壁面14eには、流体室4から外部に温水を排出する第2流通口12(排出口)が開口する。第2流通口12には、排出パイプ58の基端部58aが挿入される。タンク10から突出する排出パイプ58には、排出される温水を導く配管(図示省略)が接続される。
図4に2点鎖線で示すように、第2流通口12の断面形状は、略長円形に形成される。第2流通口12は、膨出部59と同じく、天板部23に沿う扁平形状をしている。
天板部23の流体室壁面16は、中心線Oと略平行な略水平方向に延びる。天板部23は、加熱部22との間にヒータ収容部8(外周流路54)を形成する天板ヒータ収容部23dと、膨出壁部10dとの間に膨出部59を形成する天板膨出部23eと、を有する。
天板膨出部23eには、流体室壁面16から膨出部59に向けて突出するフィン23fが形成される。フィン23fは、IGBT34が接触する接触部17a,17bの裏側に位置する流体室壁面16から突出する。
フィン23fは、外周流路54における温水の流れ方向に対向して複数形成される。フィン23fは、流体室壁面16から一定の突出量(高さ)をもって第2端流路53及び膨出部59に突出している。
各フィン23fは、中心線Oと略直交する方向に延設され、中心線O方向に一定の間隔をもって並ぶように形成される。
なお、各フィン23fは、温水の流れ方向に沿って流体室壁面16からの突出量が大きくなるように形成されてもよい。また、各フィン23fは、上記した構成に限らず、中心線Oと略平行となる方向に延設されてもよい。
次に、流体加熱装置100の作用について説明する。
流体室4のヒータ収容部8では、供給パイプ57を通じて供給される温水が、図3に矢印Aで示すように第1端流路51を通じて内周流路52に導かれ、矢印Bで示すように内周流路52を流通する。内周流路52では、内周フィン25aが形成される貫通孔25の内周との熱交換によって温水が加熱される。
続いて、内周流路52から第2端流路53に流出する温水は、第2壁面14bに沿って方向転換し、矢印Cで示すように加熱部22の周りの外周流路54を流通する。外周流路54では、外周フィン26aが形成される外壁部26との熱交換によって温水が加熱される。
続いて、外周流路54及び第1端流路51を流通した温水は、矢印Dで示すように流体室4の膨出部59を流通し、第2流通口12及び排出パイプ58から矢印Eで示すように排出される。
膨出部59を流通する温水は、フィン23fが形成される流体室壁面16を介して天板部23と熱交換することによって加熱される。
膨出部59を流通する温水の流速は、外周流路54を流通する温水の流速と比較して高くなる。天板部23に沿う扁平な膨出部59を流通する温水は、フィン23fの近傍で滞留する淀みが生じることが抑えられる。これにより、天板部23の熱が温水に放熱されることが促される。
以上の実施形態によれば、以下に示す効果を奏する。
温水(流体)を加熱する流体加熱装置100は、通電されることで発熱する発熱部21cを有するヒータ21と、ヒータ21の通電を制御するIGBT34,35などの電装部品と、開口部15を有してヒータ21を収容するタンク10と、タンク10の開口部15を塞いで温水が流通する流体室4を形成する天板部23と、流体室4に温水を流通させる第1流通口11及び第2流通口12と、を備える。IGBT34,35などの電装部品は、天板部23に沿って流体室4の外側(裏側)に設けられる構成とした。
上記構成に基づき、IGBT34,35などの電装部品に生じる熱が流体室4を流通する温水に天板部23を介して伝達される。
また、第1流通口11及び第2流通口12は、ヒータ21に対して同じ側(図3において左側)に配置され、第1流通口11は、ヒータ21の発熱部21cに臨むように配置され、第2流通口12は、ヒータ21の発熱部21cの延長方向(中心線Oが延びる軸方向)から見て第1流通口11と天板部23との間に配置される構成とした。
上記構成に基づき、流体室4では、第1流通口11によって導かれる温水がヒータ21の周り(内外)を折り返すように流通することで、ヒータ21の熱が温水に伝達される。そして、流体室4では、第2流通口12によって導かれる温水が天板部23に沿って流通することで、IGBT34,35などの電装部品に生じる熱が天板部23を介して温水に効率よく伝達される。よって、IGBT34,35などの電装部品の冷却を十分に行うことができる。
さらに、第2流通口12は、第1流通口11に対してヒータ21から離れる方向にオフセットされる。流体室4は、ヒータ21(加熱部22)を収容して第1流通口11が開口するヒータ収容部8と、ヒータ収容部8から天板部23に沿って延びて第2流通口12が開口する膨出部59と、を有する構成とした。
上記構成に基づき、ヒータ収容部8では、温水がヒータ21の周りを流通することで、ヒータ21の熱が温水に効率よく伝達される。膨出部59では、温水が天板部23に沿って速やかに流通する。
さらに、ヒータ21の通電を制御するIGBT34,35などの電装部品は、天板部23に沿って膨出部59の外側に設けられる構成とした。
上記構成に基づき、膨出部59では、温水が天板部23に沿って流通することで、天板部23の熱が温水に速やかに且つ効率よく伝達される。これにより、流体加熱装置100では、天板部23及びIGBT34,35、水温センサ33などの電装部品の冷却が十分に行われ、天板部23及び電装部品の温度上昇が抑えられる。
なお、上記した構成に限らず、第1流通口11及び第2流通口12は、ヒータ21の両側(図3において左側と右側)にそれぞれ配置される構成としてもよい。
また、天板部23は、電装室5を形成する電装室壁面17と、流体室4を形成する流体室壁面16と、を有する。膨出部59は、IGBT34(スイッチング素子)が天板部23に接触する接触部17a,17bの裏側に位置する流体室壁面16によって形成される構成とした。
上記構成に基づき、IGBT34,35が発生する熱は、天板部23を通じて膨出部59を流通する温水に伝達される。これにより、IGBT34,35は、十分に冷却され、ヒータ21に供給される電力を制御する作動状態が維持される。
また、天板部23は、流体室壁面16から膨出部59に向けて突出するフィン23fを有する構成とした。
上記構成に基づき、IGBT34,35が発生する熱は、天板部23のフィン23fから膨出部59を流通する温水に伝達される。天板部23が温水と熱交換を行うための伝熱面積は、フィン23fが設けられない場合に比べて大きくなる。よって、天板部23が温水に放熱する熱伝達効率が向上する。
また、膨出部59の流路断面積は、ヒータ収容部8の流路断面積に比べて小さい構成とした。
上記構成に基づき、膨出部59では、ヒータ収容部8に比べて温水の流速が高められ、天板部23の熱が温水に効率よく伝達される。
また、温水の流れ方向に直交する膨出部59の断面形状は、天板部23に沿う流路幅L1が天板部23に対する流路高さL2より大きい扁平形状である構成とした。
上記構成に基づき、天板部23に沿って流通する温水の流速が高められるとともに、天板部23の周りに温水の流れが滞留する淀みが生じることが抑えられる。これにより、天板部23の熱が温水に効率よく伝達される。
また、タンク10は、膨出部59を形成する膨出壁部10dの外側に窪む凹状空間55が形成される。第1流通口11に接続して温水を導く供給パイプ57(配管)は、膨出壁部10dに沿って凹状空間55(膨出部59の外側)に配置される構成とした。
上記構成に基づき、供給パイプ57が膨出部59(タンク10)の外側に窪む凹状空間55に収まるため、流体加熱装置100の小型化が図れる。これにより、流体加熱装置100は、車両のエンジンルームの限られたスペースに搭載されることが可能になる。
タンク10は、膨出部59を形成する膨出壁部10dの外側に窪む凹状空間55が形成されるため、流体室4の容積が削減される。これにより、流体加熱装置100では、これを循環する温水の量が削減されるため、温水の温度上昇を促進させることができる。
また、供給パイプ57(配管)は、膨出壁部10dに対して離れる方向に曲折する曲折部57cを有する構成とした。
上記構成に基づき、供給パイプ57は、膨出壁部10dに対して間隙をもって延びる。このため、車両に設けられるファン(図示省略)からの送風や走行風が供給パイプ57と膨出壁部10dとの間を流通する。これにより、膨出壁部10dの周では、外気の流れが滞留することが抑えられ、膨出壁部10dの放熱が促される。
また、流体加熱装置100は、ヒータ21の周りを覆うように形成されて温水を加熱する加熱部22をさらに備え、加熱部22は天板部23と一体に形成される構成とした。
上記構成に基づき、ヒータ収容部8では、第1流通口11によって導かれる温水が加熱部22の周りを流通することで、ヒータ21の熱が加熱部22を介して温水に伝達される。加熱部22の表面積が温水との間で熱交換を行うための伝熱面積になる。したがって、ヒータ21と温水とを直接接触させる場合と比較して、温水と熱交換を行うための伝熱面積を大きくすることができる。よって、ヒータ21が温水を加熱する熱伝達効率が向上する。
ヒータ21が発生する熱は、加熱部22を通じて天板部23にも伝達される。膨出部59では、第2流通口12によって導かれる温水が天板部23に沿って流通することで、天板部23の熱が温水に効率よく伝達される。これにより、天板部23及びIGBT34,35、水温センサ33などの電装部品の温度上昇が抑えられる。
よって、流体加熱装置100は、ヒータ21が温水を加熱する熱伝達効率が向上することと、IGBT34,35、水温センサ33などの電装部品の耐熱性が向上することと、を両立することができる。
流体加熱装置100は、加熱部22と天板部23とが一体に形成されるため、組み立て作業が容易になる。
また、加熱部22は、第1流通口11から供給される温水が流通する貫通孔25と、貫通孔25の延長上に開口するインレット部45と、を有する。そして、第1流通口11に挿入される供給パイプ57を備え、供給パイプ57はインレット部45の内周に間隙をもって挿入される構成とした。
上記構成に基づき、第1流通口11に供給される温水は、供給パイプ57及びインレット部45を通じて貫通孔25内の内周流路52に導かれるとともに、供給パイプ57とインレット部45との間隙を通じて第1端流路51に導かれる。供給パイプ57がインレット部45の内周に間隙をもって挿入される長さを変えることにより、貫通孔25内の内周流路52と、第1端流路51とに分配される温水の流量割合が変えられる。こうして、流体室4において加熱部22の周りを流通する温水の速度分布を調整することができる。
また、第1流通口11は外部からヒータ収容部8に流入する温水を導き、第2流通口12は膨出部59から外部に流出する温水を導く構成とする。流体加熱装置100は、電装部品として膨出部59を流通する温水の温度を検知する水温センサ33(流体温度検知器)を備える。そして、水温センサ33は、IGBT34に比べて第2流通口12(排出口)に近い位置に配置される構成とした。
上記構成に基づき、IGBT34,35が発生する熱は、天板部23を介して膨出部59を流通する温水に伝達されることにより、天板部23を介して水温センサ33に伝達されることが抑えられる。これにより、流体室4を流れる温水の温度を検知する精度を高められる。そして、水温センサ33は、天板部23の熱を吸収して第2流通口12(排出口)に向かう温水を検知するため、第2流通口12から外部に導かれる温水の温度を的確に検知することができる。
また、天板部23には、膨出部59に突出するキャップ43が取り付けられる。水温センサ33は、キャップ43の内部に収容され、キャップ43に接触する構成とした。
上記構成に基づき、キャップ43は、天板部23に比べて薄肉に形成されることで、天板部23の熱が水温センサ33に伝達されることを抑制する熱抵抗部として働く。これにより、水温センサ33は、天板部23からの熱伝達によって加熱されることが抑えられ、流体室4を流れる温水の温度を検知する精度を高められる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
上記実施形態では、第1流通口11から供給された温水が内周流路52を流れた後に、外周流路54及び膨出部59を流れて第2流通口12から排出される。これに限らず、第1流通口11から供給された温水が膨出部59及び外周流路54を流れた後に、内周流路52を流れて第2流通口12から排出されるようにしてもよい。
上記実施形態では、ヒータ21は、筒状の加熱部22の内部に設けられる。これに限らず、加熱部22を廃止して、ヒータ21が温水を直接加熱するように構成してもよい。
4 流体室
8 ヒータ収容部
10 タンク
10d 膨出壁部
11 第1流通口
12 第2流通口
15 開口部
17a,17b 接触部
21 ヒータ
22 加熱部
23 天板部
23f フィン
34,35 IGBT(電装部品)
55 凹状空間
57 供給パイプ(配管)
59 膨出部
100 流体加熱装置
8 ヒータ収容部
10 タンク
10d 膨出壁部
11 第1流通口
12 第2流通口
15 開口部
17a,17b 接触部
21 ヒータ
22 加熱部
23 天板部
23f フィン
34,35 IGBT(電装部品)
55 凹状空間
57 供給パイプ(配管)
59 膨出部
100 流体加熱装置
Claims (7)
- 流体を加熱する流体加熱装置であって、
通電されることで発熱するヒータと、
前記ヒータの通電を制御する電装部品と、
開口部を有し、前記ヒータを収容するタンクと、
前記タンクの開口部を塞いで流体が流通する流体室を形成する天板部と、
前記流体室に流体を流通させる第1流通口及び第2流通口と、を備え、
前記流体室は、
前記ヒータを収容し、前記第1流通口が開口するヒータ収容部と、
前記ヒータ収容部から前記天板部に沿って膨出し、前記第2流通口が開口する膨出部と、を有し、
前記電装部品は、前記天板部に沿って前記膨出部の外側に設けられることを特徴とする流体加熱装置。 - 請求項1に記載の流体加熱装置であって、
前記膨出部は、前記電装部品が接触する接触部の裏側に位置する前記天板部によって形成されることを特徴とする流体加熱装置。 - 請求項2に記載の流体加熱装置であって、
前記天板部は、前記膨出部に向けて突出するフィンを有することを特徴とする流体加熱装置。 - 請求項1から3のいずれか一つに記載の流体加熱装置であって、
前記膨出部の流路断面積は、前記ヒータ収容部の流路断面積に比べて小さいことを特徴とする流体加熱装置。 - 請求項1から4のいずれか一つに記載の流体加熱装置であって、
前記膨出部は、前記天板部に沿う扁平な断面形状を有することを特徴とする流体加熱装置。 - 請求項1から5のいずれか一つに記載の流体加熱装置であって、
前記タンクは、前記膨出部を形成する膨出壁部を有し、
前記第1流通口に接続される配管は、前記膨出壁部に沿って前記膨出部の外側に設けられることを特徴とする流体加熱装置。 - 請求項1から6のいずれか一つに記載の流体加熱装置であって、
前記ヒータの周りを覆うように形成されて流体を加熱する加熱部をさらに備え、
前記加熱部は、前記天板部と一体に形成されることを特徴とする流体加熱装置。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016102133A JP2017211093A (ja) | 2016-05-23 | 2016-05-23 | 流体加熱装置 |
EP16817798.8A EP3319399A4 (en) | 2015-06-30 | 2016-06-22 | Fluid heating device |
CN201680038937.5A CN107710867B (zh) | 2015-06-30 | 2016-06-22 | 流体加热装置 |
US15/740,412 US10773568B2 (en) | 2015-06-30 | 2016-06-22 | Fluid-heating device |
PCT/JP2016/068579 WO2017002690A1 (ja) | 2015-06-30 | 2016-06-22 | 流体加熱装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2016102133A JP2017211093A (ja) | 2016-05-23 | 2016-05-23 | 流体加熱装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2017211093A true JP2017211093A (ja) | 2017-11-30 |
Family
ID=60474683
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016102133A Pending JP2017211093A (ja) | 2015-06-30 | 2016-05-23 | 流体加熱装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2017211093A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP4428466A1 (en) | 2023-03-09 | 2024-09-11 | Valeo Systèmes Thermiques | Vehicular temperature control system |
-
2016
- 2016-05-23 JP JP2016102133A patent/JP2017211093A/ja active Pending
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EP4428466A1 (en) | 2023-03-09 | 2024-09-11 | Valeo Systèmes Thermiques | Vehicular temperature control system |
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