以下に、本発明に係る実施形態の一例を図面に基づき説明する。
《第一実施形態》
[断熱材支持具10]
まず、第一実施形態に係る断熱材支持具10の構成を説明する。図1〜図3は、第一実施形態に係る断熱材支持具10の構成を示す概略図である。なお、以下の説明で用いる+X方向、−X方向、+Y方向、−Y方向、+Z方向及び−Z方向は、図中に示す矢印方向である。また、下記の説明で用いる「X方向」は「+X方向又は−X方向」を、「Y方向」は「+Y方向又は−Y方向」を、「Z方向」は「+Z方向又は−Z方向」を意味する。このX方向、Y方向及びZ方向は、それぞれ、断熱材支持具10が固定される根太92の長手方向、根太92の短手方向(幅方向)、及び根太92の高さ方向に相当する。また、X方向、Y方向及びZ方向は、互いに直交している。
断熱材支持具10は、断熱材を支持する支持具であり、図1に示されるように、床下に配置された根太92(横架材の一例)に固定されて用いられる。断熱材支持具10の支持対象である断熱材としては、例えば、グラスウールやロックウールなどの繊維で形成された断熱ボードや、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂等の樹脂材料による発泡体で形成された断熱ボードが用いられる。
断熱材支持具10は、具体的には、図1に示されるように、第一当接部14A(当接部の一例)と、第二当接部14B(一方側当接部の一例)と、第一断熱材支持部11と、第二断熱材支持部12と、被固定部16と、を備えている。
第一当接部14A及び第二当接部14Bは、図2に示されるように、根太92の下面に当接する部分である。この第一当接部14A及び第二当接部14Bは、高さ方向(Z方向)に厚みを有する板状とされている。第一当接部14A及び第二当接部14Bが根太92の下面に当接した状態(以下、当接部14A、14Bの当接状態という)において、断熱材支持具10は根太92に対して固定される。
第一当接部14Aは、図3に示されるように、断熱材支持具10のY方向の中央部分(中間部分)であって+X方向側部分を構成している。この第一当接部14Aは、Y方向において、根太92の全幅Wで根太92の下面に当接し、X方向において、根太92の全幅Wより短い長さで根太92の下面に当接している。したがって、第一当接部14Aは、平面視にてY方向に長さを有する長方形状とされている。
第二当接部14Bは、第一当接部14Aに対する−X方向側(根太92の長手方向一方側の一例)で、第一当接部14A及び第二断熱材支持部12と一体に設けられている。第二当接部14Bは、第一当接部14Aに対する−X方向側であって、第二当接部14Bに対する+Y方向側に切欠17が形成されることで、Y方向幅が第一当接部14Aよりも狭くされている。
第一断熱材支持部11は、図1及び図2に示されるように、第一当接部14Aと一体に設けられ、第一当接部14Aから+Y方向側へ延び出ている。すなわち、第一断熱材支持部11は、当接部14A、14Bの当接状態において、第一当接部14Aから根太92の+Y方向側の側面(一方の側面の一例)よりも外側(+Y方向側)へ突出する。この第一断熱材支持部11は、高さ方向(Z方向)に厚みを有する板状とされている。
さらに、第一断熱材支持部11のX方向長さは、図3に示されるように、第一当接部14A及び第二当接部14Bを合わせたX方向長さと同じとされている。第一断熱材支持部11のY方向幅は、第一断熱材支持部11のX方向長さよりも狭くされている。したがって、第一断熱材支持部11は、平面視にてX方向に長さを有する長方形状とされている。そして、第二断熱材支持部12は、上面に断熱材の一部(例えば、隅部)が載せられて、当該断熱材を支持する。断熱材は、例えば、平面視にて、Y方向に複数配置された根太92の間に配置される。
第二断熱材支持部12は、図3に示されるように、第一当接部14A及び第二当接部14Bと一体に設けられ、第一当接部14A及び第二当接部14Bから−Y方向側へ延び出ている。すなわち、第二断熱材支持部12は、当接部14A、14Bの当接状態において、図2に示されるように、第一当接部14A及び第二当接部14Bから根太92の−Y方向側の側面(他方の側面の一例)よりも外側(−Y方向側)へ突出する。この第二断熱材支持部12は、高さ方向(Z方向)に厚みを有する板状とされている。
さらに、第二断熱材支持部12のX方向長さは、図3に示されるように、第一当接部14A及び第二当接部14Bを合わせたX方向長さと同じとされている。第二断熱材支持部12のY方向幅は、第一断熱材支持部11のY方向幅よりも若干広く、第二断熱材支持部12のX方向長さよりも狭くされている。したがって、第二断熱材支持部12は、平面視にてX方向に長さを有する長方形状とされている。そして、第二断熱材支持部12は、上面に断熱材の一部(例えば、隅部)が載せられて、当該断熱材を支持する。
被固定部16は、図2に示されるように、第一断熱材支持部11と一体に設けられており、図1に示されるように、第一当接部14Aに対する−X方向側(根太92の長手方向一方側の一例)で第一断熱材支持部11に対して起立されている。具体的には、被固定部16は、第一断熱材支持部11における−X方向端を含む−X方向側部分の−Y方向端から上方(+Z方向)へ延び出ている。したがって、被固定部16のX方向長さは、第一断熱材支持部11のX方向長さよりも短くされている。
そして、被固定部16は、図2に示されるように、根太92の+Y方向側の側面に固定される。具体的には、被固定部16に形成されたビス孔16A(図1参照)に対して通されたビスによって、根太92に固定される。なお、図2及び図3では、当該ビスによって固定される位置が、一点鎖線によって示されている。
また、被固定部16は、Y方向に厚みを有する板状とされている。さらに、被固定部16のZ方向長さは、根太92の高さ方向長さよりも短くされている。このため、当接部14A、14Bの当接状態において、被固定部16の上端が根太92の上端よりも下側(−Z方向側)に位置する。
断熱材支持具10では、図5に示されるように、根太92の長手方向(X方向)に沿って複数配設される。この場合では、各断熱材支持具10は、根太92の+Y方向側の側面に対して被固定部16が固定されており、根太92に対する断熱材支持具10の向きが同じとなっている。なお、第一断熱材支持部11と第二断熱材支持部12との根太92に対する位置が入れ替わるように、例えば、根太92における+Y方向側の側面及び−Y方向側の側面に対して交互に各断熱材支持具10を固定してもよい。
また、断熱材支持具10は、平面状で且つ平面視長方形状の金属板100(図4参照)を加工することで製造(形成)されている。金属板100としては、例えば、表面に防錆塗装を施した炭素鋼、ステンレス鋼などの合金鋼、銅ニッケル合金などの非鉄金属などの各種金属材料を用いることが可能である。
断熱材支持具10は、具体的には、以下のように、金属板100から製造(形成)される。すなわち、まず、金属板100において、被固定部16となる部分116にビス孔16Aを形成する。部分116は、金属板100のY方向の中央部(中間部)であって−X方向側部分を構成している。次に、部分116の+X方向端及び−Y方向端の境界に沿って所定幅の溝102をL字状に形成する。これにより、溝102に対する+X方向側に、第一当接部14Aが形成され、溝102に対する−Y方向側に、第二当接部14Bが形成される。そして、部分116(第一当接部14Aに対する−X方向側部分)と第一断熱材支持部11との境界Lを屈曲させて、部分116を第一断熱材支持部11に対して起立させることで、被固定部16が形成される。このようにして断熱材支持具10が製造(形成)される。
断熱材支持具10は、図1及び図2に示されるように、第一当接部14A及び第二当接部14Bが根太92の下面に当接され、且つ、被固定部16が根太92の側面に当接された状態で、ビス孔16Aに通されたビスによって、被固定部16が根太92に固定される。このとき、被固定部16の上端が根太92の上端よりも下側に位置する。このようにして、断熱材支持具10は、根太92に対して固定される(取り付けられる)。
[断熱材支持具10の作用効果]
断熱材支持具10では、図2に示されるように、当接部14A、14Bの当接状態において、被固定部16の上端が根太92の上端よりも下側に位置し、この状態で、被固定部16が根太92に固定される。
ここで、図6に示される断熱材支持具800(比較例)では、被固定部816が根太92の上面に載置された状態で根太92の上面に固定される。なお、断熱材支持具800は、被固定部816の+Y方向端及び−Y方向端のそれぞれから下方へ延び出て根太92の各側面に当接する当接部814と、各当接部814の下端から外側に張り出した断熱材支持部813と、を有している。
そして、断熱材支持具800では、被固定部816が根太92の上面に載置されるため、被固定部816の厚み分だけ根太92の上面から上方へ突出した状態になる。そして、断熱材支持具800が配設された根太92の上にパーチクルボード等の板材94が配置されると、板材94と根太92との間に隙間96が形成される。板材94と根太92との間に隙間96が形成されると、床鳴りや歩行感の不良の原因となる。
これに対して、本実施形態に係る断熱材支持具10では、図2に示されるように、当接部14A、14Bの当接状態において、被固定部16の上端が根太92の上端よりも下側に位置する。このため、被固定部16が根太92に固定された際に、被固定部16が根太92の上端より上側へ突出しない。したがって、図5に示されるように、断熱材支持具10が固定された根太92の上にパーチクルボード等の板材94を配置しても、板材94と根太92との間に隙間96(図6参照)が形成されることが抑制される。これにより、隙間96に起因する床鳴りや歩行感の不良が抑制される。
また、本実施形態では、金属板100(図4参照)の部分116(第一当接部14Aに対する−X方向側部分)と第一断熱材支持部11との境界Lを屈曲させて、部分116を第一断熱材支持部11に対して起立させることで、被固定部16が形成される。このように、部分116と第一断熱材支持部11との境界を屈曲させるという簡易な加工で、被固定部16を第一断熱材支持部11と一体に設けることができる。したがって、複数個所を屈曲して製造する場合や、複数の金属板を接合して製造する場合などに比べ、形状が単純であると共に、製造工程における工程数が少なく、安価に製造できる。
また、本実施形態では、断熱材支持具10として根太92に固定した場合において、根太92の下面に配置される部分116を被固定部16として用いるので、断熱材支持具10として根太92に固定した場合において根太92のY方向側に突出する部分を被固定部16として用いる構成に比べ、第一断熱材支持部11及び第二断熱材支持部12の面積を広くできる。
また、本実施形態では、第一当接部14Aだけでなく第二当接部14Bも根太92の下面に当接するので、第一当接部14Aのみが当接する構成に比べ、断熱材支持具10が根太92に対して傾きにくく、断熱材支持具10の根太92に対する姿勢が安定する。
また、本実施形態では、断熱材支持具10は、被固定部16が根太92の側面に固定されるので、断熱材支持具10が根太92の下面に固定される構成に比べ、根太92への固定作業がしやすい。
《第二実施形態》
[断熱材支持具20]
次に、第二実施形態に係る断熱材支持具20の構成を説明する。図7〜図9は、第二実施形態に係る断熱材支持具20の構成を示す概略図である。なお、断熱材支持具10と同じ点については、説明を適宜省略する。
断熱材支持具20は、図7に示されるように、第一当接部24A(当接部の一例)と、第二当接部24B(一方側当接部の一例)と、第三当接部24C(他方側当接部の一例)と、第一断熱材支持部21と、第二断熱材支持部22と、第一被固定部26と、第二被固定部28と、を備えている。
第一当接部24A、第二当接部24B及び第三当接部24C(以下、当接部24A〜24Cという)は、図8に示されるように、根太92の下面に当接する部分である。この当接部24A〜24Cは、高さ方向(Z方向)に厚みを有する板状とされている。当接部24A〜24Cが、根太92の下面に当接した状態(以下、当接部24A〜24Cの当接状態という)において、断熱材支持具20は根太92に対して固定される。
第一当接部24Aは、図9に示されるように、断熱材支持具20のY方向の中央部分(中間部分)であってX方向の中央部分(中間部分)を構成している。この第一当接部24Aは、Y方向において、根太92の全幅Wで根太92の下面に当接し、X方向において、根太92の全幅Wより短い長さで根太92の下面に当接している。したがって、第一当接部24Aは、平面視にてY方向に長さを有する長方形状とされている。
第二当接部24Bは、第一当接部24Aに対する−X方向側(根太92の長手方向一方側の一例)で、第一当接部24A及び第二断熱材支持部22と一体に設けられている。第二当接部24Bは、第一当接部24Aに対する−X方向側であって、第二当接部24Bに対する+Y方向側に切欠27が形成されることで、Y方向幅が第一当接部24Aよりも狭くされている。
第三当接部24Cは、第一当接部24Aに対する+X方向側(根太92の長手方向他方側の一例)で、第一当接部24A及び第一断熱材支持部21と一体に設けられている。第三当接部24Cは、第一当接部24Aに対する+X方向側であって、第三当接部24Cに対する−Y方向側に切欠29が形成されることで、Y方向幅が第一当接部24Aよりも狭くされている。第三当接部24CのX方向長さ及びY方向幅は、それぞれ、例えば、第二当接部24BのX方向長さ及びY方向幅と同じとされる。
第一断熱材支持部21は、図7及び図8に示されるように、第一当接部24A及び第三当接部24Cと一体に設けられ、第一当接部24A及び第三当接部24Cから+Y方向側へ延び出ている。すなわち、第一断熱材支持部21は、当接部24A〜24Cの当接状態において、第一当接部24A及び第三当接部24Cから根太92の+Y方向側の側面(一方の側面の一例)よりも外側(+Y方向側)へ突出する。また、第一断熱材支持部21のX方向長さは、図9に示されるように、当接部24A〜24Cを合わせたX方向長さと同じとされている。他の点については、第一断熱材支持部21は、第一実施形態の断熱材支持具10における第一断熱材支持部11と同様に構成されている。
第二断熱材支持部22は、図9に示されるように、第一当接部24A及び第二当接部24Bと一体に設けられ、第一当接部24A及び第二当接部24Bから−Y方向側へ延び出ている。すなわち、第二断熱材支持部22は、当接部24A〜24Cの当接状態において、図8に示されるように、第一当接部24A及び第二当接部24Bから根太92の−Y方向側の側面(他方の側面の一例)よりも外側(−Y方向側)へ突出する。第二断熱材支持部22のX方向長さは、図9に示されるように、当接部24A〜24Cを合わせたX方向長さと同じとされている。他の点については、第二断熱材支持部22は、第一実施形態の断熱材支持具10における第二断熱材支持部12と同様に構成されている。
第一被固定部26は、図7に示されるように、第一断熱材支持部21と一体に設けられており、第一当接部24Aに対する−X方向側(根太92の長手方向一方側の一例)で第一断熱材支持部21に対して起立されている。具体的には、第一被固定部26は、第一断熱材支持部21における−X方向端を含む−X方向側部分の−Y方向端から上方(+Z方向)へ延び出ている。したがって、第一被固定部26のX方向長さは、第一断熱材支持部21のX方向長さよりも短くされている。
そして、第一被固定部26は、図8に示されるように、根太92の+Y方向側の側面に固定される。具体的には、第一被固定部26に形成されたビス孔26A(図7参照)に対して通されたビスによって、根太92に固定される。なお、図8及び図9では、当該ビスによって固定される位置が、一点鎖線によって示されている。
第二被固定部28は、図7に示されるように、第二断熱材支持部22と一体に設けられており、第一当接部24Aに対する+X方向側(根太92の長手方向他方側の一例)で第二断熱材支持部22に対して起立されている。具体的には、第二被固定部28は、第二断熱材支持部22における+X方向端を含む+X方向側部分の+Y方向端から上方(+Z方向)へ延び出ている。したがって、第二被固定部28のX方向長さは、第二断熱材支持部22のX方向長さよりも短くされている。
そして、第二被固定部28は、図8に示されるように、根太92の−Y方向側の側面に固定される。具体的には、第二被固定部28に形成されたビス孔28A(図7参照)に対して通されたビスによって、根太92に固定される。なお、図8及び図9では、当該ビスによって固定される位置が、一点鎖線によって示されている。
また、第一被固定部26及び第二被固定部28(以下、被固定部26、28という)は、Y方向に厚みを有する板状とされている。さらに、被固定部26、28のZ方向長さは、根太92の高さ方向長さよりも短くされている。このため、当接部24A〜24Cの当接状態において、被固定部26、28の上端が根太92の上端よりも下側(−Z方向側)に位置する。なお、被固定部26、28のZ方向長さは、同じとされている。
また、断熱材支持具20は、平面状で且つ平面視長方形状の金属板200(図10参照)を加工することで製造(形成)されている。金属板200としては、例えば、表面に防錆塗装を施した炭素鋼、ステンレス鋼などの合金鋼、銅ニッケル合金などの非鉄金属などの各種金属材料を用いることが可能である。
断熱材支持具20は、具体的には、以下のように、金属板200から製造(形成)される。すなわち、まず、金属板200において、第一被固定部26となる部分226にビス孔26Aを形成し、第二被固定部28となる部分228にビス孔28Aを形成する。部分226は、金属板200のY方向の中央部(中間部)であって−X方向側部分を構成し、部分228は、金属板200のY方向の中央部(中間部)であって+X方向側部分を構成している。
次に、部分226の+X方向端及び−Y方向端の境界に沿って所定幅の溝202をL字状に形成し、部分228の−X方向端及び+Y方向端の境界に沿って所定幅の溝204をL字状に形成する。これにより、溝202に対する+X方向側であって、溝204に対する−X方向側に第一当接部24Aが形成される。また、溝202に対する−Y方向側に第二当接部24Bが形成され、溝204に対する+Y方向側に第三当接部24Cが形成される。
そして、部分226(第一当接部24Aに対する−X方向側部分)と第一断熱材支持部21との境界L1を屈曲させて、部分226を第一断熱材支持部21に対して起立させることで、第一被固定部26が形成される。また、部分228(第一当接部24Aに対する+X方向側部分)と第二断熱材支持部22との境界L2を屈曲させて、部分228を第二断熱材支持部22に対して起立させることで、第二被固定部28が形成される。なお、部分226、228を起立させることで、前述の切欠27、29が形成される。このようにして断熱材支持具20が製造(形成)される。
断熱材支持具20は、図7及び図8に示されるように、当接部24A〜24Cが根太92の下面に当接され、且つ、被固定部26、28が根太92の側面に当接された状態で、ビス孔26A、28Aに通されたビスによって、被固定部26、28が根太92に固定される。このとき、被固定部26、28の上端が根太92の上端よりも下側に位置する。このようにして、断熱材支持具20は、根太92に対して固定される(取り付けられる)。
[断熱材支持具20の作用効果]
断熱材支持具20では、図8に示されるように、当接部24A〜24Cの当接状態において、被固定部26、28の上端が根太92の上端よりも下側に位置し、この状態で、被固定部26、28が根太92に固定される。このため、被固定部26、28が根太92に固定された際に、被固定部26、28が根太92の上端より上側へ突出しない。したがって、断熱材支持具20が固定された根太92の上にパーチクルボード等の板材を配置しても、板材と根太92との間に隙間が形成されることが抑制される。これにより、隙間に起因する床鳴りや歩行感の不良が抑制される。
また、本実施形態では、金属板200(図10参照)の部分226(第一当接部24Aに対する−X方向側部分)と第一断熱材支持部21との境界L1を屈曲させて、部分226を第一断熱材支持部21に対して起立させることで、第一被固定部26が形成される。また、本実施形態では、金属板200の部分228(第一当接部24Aに対する+X方向側部分)と第二断熱材支持部22との境界L2を屈曲させて、部分228を第二断熱材支持部22に対して起立させることで、第二被固定部28が形成される。
このように、境界L1、L2を屈曲させるという簡易な加工で、被固定部26、28を、それぞれ、第一断熱材支持部21及び第二断熱材支持部22と一体に設けることができる。したがって、複数個所を屈曲して被固定部26、28を形成する場合や、複数の金属板を接合して製造する場合などに比べ、形状が単純であると共に、製造工程における工程数が少なく、安価に製造できる。
また、本実施形態では、断熱材支持具20として根太92に固定した場合において、根太92の下面に配置される部分226、228を被固定部26、28として用いるので、断熱材支持具20として根太92に固定した場合において根太92のY方向側に突出する部分を被固定部26、28として用いる構成に比べ、第一断熱材支持部21及び第二断熱材支持部22の面積を広くできる。
また、本実施形態では、第一当接部24Aだけでなく第二当接部24B及び第三当接部24Cも根太92の下面に当接するので、第一当接部24Aのみが当接する構成に比べ、断熱材支持具20が根太92に対して傾きにくく、断熱材支持具20の根太92に対する姿勢が安定する。
また、本実施形態では、被固定部26、28が、根太92の両側の側面にそれぞれ固定されるので、根太92の片側の側面に対して単一の被固定部が固定される構成に比べ、断熱材支持具20の根太92に対する固定強度が高い。
《第三実施形態》
[断熱材支持具30]
次に、第三実施形態に係る断熱材支持具30の構成を説明する。図11〜図13は、第三実施形態に係る断熱材支持具30の構成を示す概略図である。なお、断熱材支持具20と同じ点については、説明を適宜省略する。
断熱材支持具30は、図11に示されるように、第一当接部24A〜24C、被固定部26、28、第一断熱材支持部21及び第二断熱材支持部22に加えて、第一差込部36(差込部の一例)及び第二差込部38(差込部の一例)を備える点で、断熱材支持具20と異なっている。
第一差込部36は、図12に示されるように、根太92の+Y方向側の側面に差し込まれる部分であり、第一被固定部26と一体に第一被固定部26の上端に設けられている。この第一差込部36は、図13に示されるように、三角形状に形成されており、先端(−Y方向端)が尖っている。そして、第一差込部36が根太92の側面に差し込まれることで、第一被固定部26が根太92に固定される。
第二差込部38は、図12に示されるように、根太92の−Y方向側の側面に差し込まれる部分であり、第二被固定部28と一体に第二被固定部28の上端に設けられている。この第二差込部38は、図13に示されるように、三角形状に形成されており、先端(+Y方向端)が尖っている。そして、第二差込部38が根太92の側面に差し込まれることで、第二被固定部28が根太92に固定される。
このように、断熱材支持具30では、第二差込部38及び第一差込部36は、断熱材支持具10、20におけるビス(固定部)として機能する。このため、ビス孔が不要となるため、断熱材支持具30では、図11に示されるように、被固定部26、28にビス孔26A、28Aが形成されていない。
また、断熱材支持具30では、図13に示されるように、断熱材支持具20の構成に比べ、第一差込部36に対応した三角形状の面積分、切欠27の−Y方向側が拡大されている。このため、第二当接部24B及び第二断熱材支持部22の面積が、断熱材支持具20の構成に比べ、小さくされている。同様に、第二差込部38に対応した三角形状の面積分、切欠29の+Y方向側が拡大されている。このため、第三当接部24C及び第一断熱材支持部21の面積が、断熱材支持具20の構成に比べ、小さくされている。
また、断熱材支持具30は、平面状で且つ平面視長方形状の金属板300(図14参照)を加工することで製造(形成)されている。金属板300としては、例えば、表面に防錆塗装を施した炭素鋼、ステンレス鋼などの合金鋼、銅ニッケル合金などの非鉄金属などの各種金属材料を用いることが可能である。
断熱材支持具30は、具体的には、以下のように、金属板300から製造(形成)される。すなわち、まず、金属板300において、第一被固定部26となる部分226及び第一差込部36となる部分336の+X方向端及び−Y方向端の境界に沿って所定幅の溝302をく字状(V字状)に形成する。また、第二被固定部28となる部分228及び第二差込部38となる部分338の−X方向端及び+Y方向端の境界に沿って所定幅の溝304をく字状(V字状)に形成する。これにより、当接部24A〜24Cが形成される。
そして、部分226(第一当接部24Aに対する−X方向側部分)と第一断熱材支持部21との境界L1を屈曲させて、部分226を第一断熱材支持部21に対して起立させることで、第一被固定部26が形成される。さらに、部分226と部分336との境界L3を屈曲させて、部分336を部分226から−Y方向側へ突出されることで、第一差込部36が形成される。
また、部分228(第一当接部24Aに対する+X方向側部分)と第二断熱材支持部22との境界L2を屈曲させて、部分228を第二断熱材支持部22に対して起立させることで、第二被固定部28が形成される。さらに、部分228と部分338との境界L4を屈曲させて、部分338を部分228から+Y方向側へ突出されることで、第二差込部38が形成される。なお、部分226、228を起立させることで、前述の切欠27、29が形成される。このようにして断熱材支持具30が製造(形成)される。
断熱材支持具30は、図11及び図12に示されるように、当接部24A〜24Cの当接状態で、第一差込部36及び第二差込部38によって、被固定部26、28が根太92に固定される。このとき、第一差込部36及び第二差込部38を含む被固定部26、28の上端が根太92の上端よりも下側に位置する。このようにして、断熱材支持具30は、根太92に対して固定される(取り付けられる)。
[断熱材支持具30の作用効果]
断熱材支持具30は、第二実施形態に係る断熱材支持具20の作用効果に加えて、以下の作用効果を有する。すなわち、断熱材支持具30では、第二差込部38及び第一差込部36は、断熱材支持具10、20におけるビス(固定部)として機能する。このため、ビス等の固定部材が不要となり、部品点数が低減される。
《第四実施形態》
[断熱材支持具40]
次に、第四実施形態に係る断熱材支持具40の構成を説明する。図15〜図17は、第四実施形態に係る断熱材支持具40の構成を示す概略図である。なお、断熱材支持具10と同じ点については、説明を適宜省略する。
断熱材支持具40は、図15に示されるように、当接部44と、第一断熱材支持部41と、第二断熱材支持部42と、被固定部46と、を備えている。この断熱材支持具40は、根太92の長手方向(X方向)に沿って複数配設され、根太92に固定されて用いられる。具体的には、第一断熱材支持部41と第二断熱材支持部42との根太92に対する位置が入れ替わるように、根太92における+Y方向側の側面及び−Y方向側の側面に対して交互に各断熱材支持具40が固定されている。なお、各断熱材支持具40は、同じ向きで、根太92の片側の側面に対して固定される構成であってもよい。以下、図15における−X方向側に配置された断熱材支持具40について説明する。
当接部44は、図16に示されるように、根太92の下面に当接する部分である。この当接部44は、高さ方向(Z方向)に厚みを有する板状とされている。当接部44が根太92の下面に当接した状態(以下、当接部44の当接状態という)において、断熱材支持具40は根太92に対して固定される。
そして、当接部44は、図17に示されるように、Y方向において、根太92の全幅Wで根太92の下面に当接し、X方向において、根太92の全幅Wより広い長さで根太92の下面に当接している。したがって、当接部44は、平面視にてX方向に長さを有する長方形状とされている。
第一断熱材支持部41は、図15及び図16に示されるように、当接部44と一体に設けられ、当接部44から+Y方向側へ延び出ている。すなわち、第一断熱材支持部41は、当接部44の当接状態において、当接部44から根太92の+Y方向側の側面(一方の側面の一例)よりも外側(+Y方向側)へ突出する。第一断熱材支持部41は、具体的には、図17に示されるように、当接部44の+X方向端を含む+X方向側部分から+Y方向側へ延び出ている。したがって、第一断熱材支持部41のX方向長さは、当接部44のX方向長さよりも短くされている。そして、第一断熱材支持部41は、上面に断熱材の一部(例えば、隅部)が載せられて、当該断熱材を支持する。断熱材は、例えば、平面視にて、Y方向に複数配置された根太92の間に配置される。
第二断熱材支持部42は、図16に示されるように、当接部44と一体に設けられ、当接部44から−Y方向側へ延び出ている。すなわち、第二断熱材支持部42は、当接部44の当接状態において、当接部44から根太92の−Y方向側の側面(他方の側面の一例)よりも外側(−Y方向側)へ突出する。さらに、第二断熱材支持部42のX方向長さは、図17に示されるように、当接部44のX方向長さと同じとされている。第二断熱材支持部42のY方向幅は、第一断熱材支持部41のY方向幅よりも若干広く、第二断熱材支持部42のX方向長さよりも狭くされている。したがって、第二断熱材支持部42は、平面視にてX方向に長さを有する長方形状とされている。そして、第二断熱材支持部42は、上面に断熱材の一部(例えば、隅部)が載せられて、当該断熱材を支持する。
被固定部46は、図16に示されるように、当接部44と一体に設けられており、図17に示されるように、第一断熱材支持部41に対する−X方向側(根太92の長手方向一方側の一例)で当接部44に対して起立されている。具体的には、被固定部46は、当接部44における−X方向端を含む−X方向側部分の+Y方向端から上方(+Z方向)へ延び出ている。したがって、被固定部46のX方向長さは、当接部44のX方向長さよりも短くされている。
そして、被固定部46は、図16に示されるように、根太92の+Y方向側の側面に固定される。具体的には、被固定部46に形成されたビス孔46A(図15参照)に対して通されたビスによって、根太92に固定される。なお、図16及び図17では、当該ビスによって固定される位置が、一点鎖線によって示されている。
また、被固定部46は、Y方向に厚みを有する板状とされている。さらに、被固定部46のZ方向長さは、第一断熱材支持部41のY方向幅と同じとされており、根太92の高さ方向長さよりも短くされている。このため、当接部44の当接状態において、被固定部46の上端が根太92の上端よりも下側(−Z方向側)に位置する。
また、断熱材支持具40は、平面状で且つ平面視長方形状の金属板400(図18参照)を加工することで製造(形成)されている。金属板400としては、例えば、表面に防錆塗装を施した炭素鋼、ステンレス鋼などの合金鋼、銅ニッケル合金などの非鉄金属などの各種金属材料を用いることが可能である。
断熱材支持具40は、具体的には、以下のように、金属板400から製造(形成)される。すなわち、まず、金属板400において、被固定部46となる部分446にビス孔46Aを形成する。部分446は、金属板400の+Y方向側であって−X方向側の部分を構成している。
次に、金属板400の+Y方向端におけるX方向中間部分から部分446の+X方向端の境界に沿って−Y方向へ所定幅の溝402を形成する。これにより、溝402に対する+X方向側には、第一断熱材支持部41が形成される。そして、部分446(第一断熱材支持部41に対する−X方向側部分)と当接部44との境界Lを屈曲させて、部分446を当接部44に対して起立させることで、被固定部46が形成される。このようにして、断熱材支持具40が製造(形成)される。
断熱材支持具40は、図15及び図16に示されるように、当接部44が根太92の下面に当接され、且つ、被固定部46が根太92の側面に当接された状態で、ビス孔46Aに通されたビスによって、被固定部46が根太92に固定される。このとき、被固定部46の上端が根太92の上端よりも下側に位置する。このようにして、断熱材支持具40は、根太92に対して固定される(取り付けられる)。
[断熱材支持具40の作用効果]
断熱材支持具40では、図16に示されるように、当接部44の当接状態において、被固定部46の上端が根太92の上端よりも下側に位置し、この状態で、被固定部46が根太92に固定される。このため、被固定部46が根太92に固定された際に、被固定部46が根太92の上端より上側へ突出しない。したがって、断熱材支持具40が固定された根太92の上にパーチクルボード等の板材を配置しても、板材と根太92との間に隙間が形成されることが抑制される。これにより、隙間に起因する床鳴りや歩行感の不良が抑制される。
また、本実施形態では、金属板400(図18参照)の部分446(第一断熱材支持部41に対する−X方向側部分)と当接部44との境界Lを屈曲させて、部分446を当接部44に対して起立させることで、被固定部46が形成される。このように、境界Lを屈曲させるという簡易な加工で、被固定部46を当接部44と一体に設けることができる。したがって、複数個所を屈曲して被固定部46を形成する場合や、複数の金属板を接合して製造する場合などに比べ、形状が単純であると共に、製造工程における工程数が少なく、安価に製造できる。
また、本実施形態では、断熱材支持具40として根太92に固定した場合において、根太92の+Y方向に突出する部分446を被固定部46として用いるので、断熱材支持具40として根太92に固定した場合において根太92の下面に配置される部分を被固定部46として用いる構成に比べ、当接部44の面積を広くできる。
また、本実施形態では、断熱材支持具40は、被固定部46が根太92の側面に固定されるので、断熱材支持具40が根太92の下面に固定される構成に比べ、根太92への固定作業がしやすい。
《第五実施形態》
[断熱材支持具50]
次に、第五実施形態に係る断熱材支持具50の構成を説明する。図19〜図21は、第五実施形態に係る断熱材支持具50の構成を示す概略図である。なお、断熱材支持具40と同じ点については、説明を適宜省略する。
断熱材支持具50は、図19に示されるように、当接部55と、一対の第一断熱材支持部51、53と、一対の第二断熱材支持部52、54と、第一被固定部56と、第二被固定部58と、を備えている。当接部55は、断熱材支持具40における当接部44と同様に構成されている。
一対の第一断熱材支持部51、53は、図19に示されるように、当接部55と一体に設けられ、当接部55から+Y方向側へ延び出ている。すなわち、一対の第一断熱材支持部51、53は、当接部55の当接状態において、当接部55から根太92の+Y方向側の側面(一方の側面の一例)よりも外側(+Y方向側)へ突出する。
第一断熱材支持部51は、図21に示されるように、当接部55の+X方向端を含む+X方向側部分から+Y方向側へ延び出ている。したがって、第一断熱材支持部51のX方向長さは、当接部55のX方向長さよりも短くされている。また、第一断熱材支持部53は、第一断熱材支持部51に対して、−X方向側に間隔をおいて配置されている。具体的には、第一断熱材支持部53は、当接部55の−X方向端を含む−X方向側部分から+Y方向側へ延び出ている。したがって、第一断熱材支持部53のX方向長さは、当接部55のX方向長さよりも短くされている。なお、第一断熱材支持部51、53のX方向長さは、同じとされている。
そして、第一断熱材支持部51、53は、上面に断熱材の一部(例えば、隅部)が載せられて、当該断熱材を支持する。断熱材は、例えば、平面視にて、Y方向に複数配置された根太92の間に配置される。
一対の第二断熱材支持部52、54は、図19に示されるように、当接部55と一体に設けられ、当接部55から−Y方向側へ延び出ている。すなわち、一対の第二断熱材支持部52、54は、当接部55の当接状態において、当接部55から根太92の−Y方向側の側面(他方の側面の一例)よりも外側(−Y方向側)へ突出する。
第二断熱材支持部52は、図21に示されるように、当接部55の+X方向端を含む+X方向側部分から−Y方向側へ延び出ている。したがって、第二断熱材支持部52のX方向長さは、当接部55のX方向長さよりも短くされている。
また、第二断熱材支持部54は、第二断熱材支持部52に対して、−X方向側に間隔をおいて配置されている。具体的には、第二断熱材支持部54は、当接部55の−X方向端を含む−X方向側部分から−Y方向側へ延び出ている。したがって、第二断熱材支持部54のX方向長さは、当接部55のX方向長さよりも短くされている。なお、第二断熱材支持部52、54のX方向長さは、同じとされている。そして、第二断熱材支持部52、54は、上面に断熱材の一部(例えば、隅部)が載せられて、当該断熱材を支持する。
第一被固定部56は、図19に示されるように、当接部55と一体に設けられており、図21に示されるように、一対の第一断熱材支持部51、53の間で当接部55に対して起立されている。具体的には、第一被固定部56は、当接部55におけるX方向の中央部分の+Y方向端から上方(+Z方向)へ延び出ている。したがって、第一被固定部56のX方向長さは、当接部55のX方向長さよりも短くされている。
そして、第一被固定部56は、図20に示されるように、根太92の+Y方向側の側面に固定される。具体的には、第一被固定部56に形成されたビス孔56A(図19参照)に対して通されたビスによって、根太92に固定される。なお、図20及び図21では、当該ビスによって固定される位置が、一点鎖線によって示されている。
第二被固定部58は、図19に示されるように、当接部55と一体に設けられており、図21に示されるように、一対の第二断熱材支持部52、54の間で当接部55に対して起立されている。具体的には、第二被固定部58は、当接部55におけるX方向の中央部分の−Y方向端から上方(+Z方向)へ延び出ている。したがって、第二被固定部58のX方向長さは、当接部55のX方向長さよりも短くされている。
そして、第二被固定部58は、図20に示されるように、根太92の−Y方向側の側面に固定される。具体的には、第二被固定部58に形成されたビス孔58A(図19参照)に対して通されたビスによって、根太92に固定される。なお、図20及び図21では、当該ビスによって固定される位置が、一点鎖線によって示されている。
第一被固定部56及び第二被固定部58(以下、被固定部56、58という)のZ方向長さは、それぞれ、第一断熱材支持部51、53のY方向幅及び第二断熱材支持部52、54のY方向幅と同じとされており、根太92の高さ方向長さよりも短くされている。このため、当接部55の当接状態において、被固定部56、58の上端が根太92の上端よりも下側(−Z方向側)に位置する。なお、被固定部56、58のZ方向長さは、同じとされている。
また、断熱材支持具50は、平面状で且つ平面視長方形状の金属板500(図22参照)を加工することで製造(形成)されている。金属板500としては、例えば、表面に防錆塗装を施した炭素鋼、ステンレス鋼などの合金鋼、銅ニッケル合金などの非鉄金属などの各種金属材料を用いることが可能である。
断熱材支持具50は、具体的には、以下のように、金属板500から製造(形成)される。すなわち、まず、金属板500において、第一被固定部56となる部分556にビス孔56Aを形成し、第二被固定部58となる部分558にビス孔58Aを形成する。部分556は、金属板500のX方向の中央部(中間部)であって+Y方向側部分を構成し、部分558は、金属板200のX方向の中央部(中間部)であって−Y方向側部分を構成している。
次に、金属板500の+Y方向端から部分556の+X方向端及び−X方向端の境界に沿って−Y方向へ所定幅の溝501、503を形成する。これにより、溝501に対する+X方向側に第一断熱材支持部51が形成され、溝503に対する−X方向側に第一断熱材支持部53が形成される。また、金属板500の−Y方向端から部分558の+X方向端及び−X方向端の境界に沿って+Y方向へ所定幅の溝502、504を形成する。これにより、溝502に対する+X方向側に第二断熱材支持部52が形成され、溝504に対する−X方向側に第二断熱材支持部54が形成される。
そして、部分556と当接部55との境界L1を屈曲させて、部分556を当接部55に対して起立させることで、第一被固定部56が形成される。また、部分558と当接部55との境界L2を屈曲させて、部分558を当接部55に対して起立させることで、第二被固定部58が形成される。このようにして、断熱材支持具50が製造(形成)される。
断熱材支持具50は、図19及び図20に示されるように、当接部55が根太92の下面に当接され、且つ、被固定部56、58が根太92の側面に当接された状態で、ビス孔56A、58Aに通されたビスによって、被固定部56、58が根太92に固定される。このとき、被固定部56、58の上端が根太92の上端よりも下側に位置する。このようにして、断熱材支持具50は、根太92に対して固定される(取り付けられる)。
[断熱材支持具50の作用効果]
断熱材支持具50では、図20に示されるように、当接部55の当接状態において、被固定部56、58の上端が根太92の上端よりも下側に位置し、この状態で、被固定部56、58が根太92に固定される。このため、被固定部56、58が根太92に固定された際に、被固定部56、58が根太92の上端より上側へ突出しない。したがって、断熱材支持具50が固定された根太92の上にパーチクルボード等の板材を配置しても、板材と根太92との間に隙間が形成されることが抑制される。これにより、隙間に起因する床鳴りや歩行感の不良が抑制される。
また、本実施形態では、金属板500(図22参照)の部分556と当接部55との境界L1を屈曲させて、部分556を当接部55に対して起立させることで、第一被固定部56が形成される。また、部分558と当接部55との境界L2を屈曲させて、部分558を当接部55に対して起立させることで、第二被固定部58が形成される。このように、境界L1、L2を屈曲させるという簡易な加工で、被固定部56、58を当接部55と一体に設けることができる。したがって、複数個所を屈曲して被固定部56、58を形成する場合や、複数の金属板を接合して製造する場合などに比べ、形状が単純であると共に、製造工程における工程数が少なく、安価に製造できる。
また、本実施形態では、断熱材支持具50として根太92に固定した場合において、根太92のY方向に突出する部分556、558を被固定部56、58として用いるので、断熱材支持具50として根太92に固定した場合において根太92の下面に配置される部分を被固定部56、58として用いる構成に比べ、当接部55の面積を広くできる。
また、本実施形態では、被固定部26、28が、根太92の両側の側面にそれぞれ固定されるので、根太92の片側の側面に対して単一の被固定部が固定される構成に比べ、断熱材支持具20の根太92に対する固定強度が高い。
[変形例]
断熱材支持具10、20、30、40、50は、それぞれ、一枚の金属板100、200、300、400、500から製造されていたが、これに限られず、複数の金属板から製造されていてもよい。この場合、当接部、第一断熱材支持部、第二断熱材支持部及び被固定部の各部は、溶接等により接合されていてもよい。また、被固定部が接合される場合には、当接部、第一断熱材支持部及び第二断熱材支持部のいずれか複数に接合されていてもよく、被固定部は、当接部、第一断熱材支持部及び第二断熱材支持部の少なくとも一方に設けられていればよい。
断熱材支持具10、20、30、40、50が固定される横架材としては、根太92に限られず、大引であってもよい。
断熱材支持具30では、第一差込部36及び第二差込部38の両方を備えていたが、第一差込部36及び第二差込部38の一方を備える構成であってもよい。また、差込部は、断熱材支持具10における被固定部16、断熱材支持具40における被固定部46、及び断熱材支持具50における被固定部56、58のいずれかに設けてもよい。
本発明は、上記の実施形態に限るものではなく、その主旨を逸脱しない範囲内において種々の変形、変更、改良が可能である。例えば、上記に示した実施形態及び変形例は、適宜、複数を組み合わせて構成してもよい。