JP2017210644A - 溶解性銅陽極、電解銅めっき装置、電解銅めっき方法、及び酸性電解銅めっき液の保存方法 - Google Patents

溶解性銅陽極、電解銅めっき装置、電解銅めっき方法、及び酸性電解銅めっき液の保存方法 Download PDF

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Abstract

【課題】安定してアノードスラッジの発生を抑制することの出来る溶解性銅陽極、電解銅めっき装置、電解銅めっき方法、及び酸性電解銅めっき液の保存方法を提供すること。【解決手段】電解銅めっきに用いる溶解性銅陽極であって、銅材を収容したチタンケースと、当該チタンケースに接触した酸化イリジウム部材とを含むことを特徴とする溶解性銅陽極を採用する。ここで、当該酸化イリジウム部材は、少なくとも表面の材質が酸化イリジウム単体又は酸化イリジウム複合体であることで、アノードスラッジの発生を抑制し、めっき特性の低下を招くことがない。【選択図】図1

Description

本件発明は、溶解性銅陽極、電解銅めっき装置、電解銅めっき方法、及び酸性電解銅めっき液の保存方法に関する。
従来より、プリント配線基板等において銅配線を形成するために電解銅めっきが使用されている。この電解銅めっきは、近年ではウエハーのダマシンめっきにも使用されるようになり、更にTSV(Through Silicon Via)やTGV(Through Glass Via)等への応用も期待されている。また、電解銅めっきに関しては、ビアフィリングやスルーホールフィリング等のめっき技術も確立されつつあり、需要が高まっている。
電解銅めっきを行う場合、陽極として、銅材からなる可溶性陽極を使用する方法と、白金、チタン、酸化イリジウム等からなる不溶性陽極を使用する方法とがある。ここで、可溶性陽極を使用して電解銅めっきを行う場合には、不溶性陽極を使用して電解銅めっきを行う場合に比して設備が簡易でメンテナンス費用もかからず、陽極自体も比較的安価であることから低コスト化を図ることが出来る。また、可溶性陽極を使用して電解銅めっきを行う場合には、不溶性陽極を使用したときのような、めっき液中の添加剤が陽極酸化の影響を受けて分解することに起因しためっき不良を発生する問題も生じない。そのために、現在電解銅めっきを行うに際しては、可溶性陽極を使用することが一般的となっている。
しかし、可溶性陽極を使用して電解銅めっきを行う場合には、陽極の溶解時に一価の銅イオンの不均化反応に起因する金属銅や酸化銅からなるアノードスラッジが大量に発生して、均一電着性等のめっき特性を低下させてしまうという問題がある。
この問題に対しては、例えば特許文献1に記載されているように、薬剤または装置を使用する方法により、アノードスラッジを低減させる試みがなされている。具体的には、特許文献1には、含リン銅を陽極として用いる電解銅めっき液にアルケン類及びアルキン類を添加することにより、アノードスラッジの発生を抑制することとしている。
特許第5659411号
しかし、特許文献1に開示の方法では、添加剤の濃度管理が煩雑であり、安定してアノードスラッジの発生を抑制する効果を維持することが困難である。また、これらの添加剤の添加により銅陽極の溶解が促進されてめっき液中における銅濃度の上昇が起こり、スローイングパワーの低下やめっき外観を悪化させる等の問題が生じていた。
以上のことから、本件発明は、安定してアノードスラッジの発生を抑制することの出来る溶解性銅陽極、電解銅めっき装置、電解銅めっき方法、及び酸性電解銅めっき液の保存方法の提供を目的とする。
そこで、本件発明者等は、鋭意研究を行った結果、以下の方法を採用することで、上記目的を達成するに到った。
本件発明に係る溶解性銅陽極: 本件発明に係る溶解性銅陽極は、電解銅めっきに用いる溶解性銅陽極であって、銅材を収容したチタンケースと、当該チタンケースに接触した酸化イリジウム部材とを含むことを特徴とする。
本件発明に係る溶解性銅陽極は、前記銅材の形状がボール状であることが好ましい。
本件発明に係る溶解性銅陽極は、前記銅材が含リン銅材であることが好ましい。
本件発明に係る溶解性銅陽極を用いた前記電解銅めっきにおけるめっき液が、ジスルフィド化合物を含有した酸性電解銅めっき液であることが好ましい。
本件発明に係る溶解性銅陽極は、前記チタンケース及び前記酸化イリジウム部材の周囲を覆うアノードバッグを更に備えたことが好ましい。
本件発明に係る溶解性銅陽極は、前記銅材と前記酸化イリジウム部材との前記酸性電解銅めっき液に浸漬した表面の面積比率は、1000:10〜1000:200であることが好ましい。
本件発明に係る溶解性銅陽極において、前記酸化イリジウム部材は、少なくとも表面の材質が酸化イリジウム又は酸化イリジウム複合体であることが好ましい。
本件発明に係る溶解性銅陽極は、前記酸化イリジウム部材が、チタン、ジルコニウム、ステンレススチール、及びニッケル合金の何れかからなる基材の表面に酸化イリジウム又は酸化イリジウム複合体を含有した被覆を備えたことが好ましい。
本件発明に係る溶解性銅陽極は、前記酸化イリジウム複合体が酸化イリジウムに酸化タンタル、酸化チタン、及び白金の何れか一つ又は複数の材料が30〜70%混合されたものであることが好ましい。
本件発明に係る溶解性銅陽極は、前記基材の形状が、メッシュ、シート、管、板、線、棒、及びボール状の何れかであることが好ましい。
本件発明に係る電解銅めっき装置: 本件発明に係る電解銅めっき装置は、上述の溶解性銅陽極を備えたことを特徴とする。
本件発明に係る電解銅めっき方法: 本件発明に係る電解銅めっき方法は、上述の電解銅めっき装置を用い、めっき対象物に電解銅めっきを施す際に直流電流又はPPR電流を使用することを特徴とする。
本件発明に係る電解銅めっき方法は、前記めっき対象物としてプリント配線基板又はウエハーを用いることが好ましい。
本件発明に係る酸性電解銅めっき液の保存方法: 本件発明に係る酸性電解銅めっき液の保存方法は、銅材を収容したチタンケースを構成に含む溶解性銅陽極が浸漬された酸性電解銅めっき液の保存方法であって、少なくとも電解停止中に、当該チタンケースに酸化イリジウム部材を接触させることを特徴とする。
本件発明に係る溶解性銅陽極、電解銅めっき装置、電解銅めっき方法、及び酸性電解銅めっき液の保存方法によれば、効果的にアノードスラッジの発生を抑制することが出来るため、安定的にめっき特性の向上を図ることが出来る。また、本件発明に係る酸性電解銅めっき液の保存方法によれば、電解停止中においても溶解性銅陽極の銅材が溶解するのを抑制してアノードスラッジが発生するのを効果的に抑制することが出来る。
本件発明に係る溶解性銅陽極を電解銅めっき装置に用いた場合を例示した概略断面図である。 実施例1でのビアの充填状況を説明する断面写真である。 実施例2でのビアの充填状況を説明する断面写真である。 実施例3でのビアの充填状況を説明する断面写真である。 実施例4でのビアの充填状況を説明する断面写真である。 実施例5でのビアの充填状況を説明する断面写真である。 実施例6でのビアの充填状況を説明する断面写真である。 比較例1でのビアの充填状況を説明する断面写真である。 比較例2でのビアの充填状況を説明する断面写真である。 比較例3でのビアの充填状況を説明する断面写真である。
以下、図を用いながら、本件発明に係る溶解性銅陽極、電解銅めっき装置、電解銅めっき方法、及び酸性電解銅めっき液の保存方法について説明する。図1は、本件発明に係る溶解性銅陽極を電解銅めっき装置に用いた場合を例示した概略断面図である。
本件発明に係る電解銅めっき装置は、本件発明に係る溶解性銅陽極を備えたものである。当該溶解性銅陽極は、電解銅めっきに用いるものであって、銅材2を収容したチタンケース3と、チタンケース3に接触した酸化イリジウム部材4とを含むことを特徴とする。以下に、これらの構成について説明する。
本件発明に係る溶解性銅陽極を採用した溶解性銅陽極1を構成する銅材2は、電解時に銅イオンを発生させて被めっき部材20の表面に銅めっきを被覆するために用いられる。この銅材2は、ボール状であることが好ましい。銅材2の形状がボール状であることで、銅陽極の表面積を極力大きくすることができ、電解時に銅イオンをより多く発生させてめっき効率をより高めることが出来る。
また、本件発明に係る溶解性銅陽極を構成する銅材2は、含リン銅材であることが好ましい。当該溶解性銅陽極に含リン銅部材を使用することで、電解時にCuPという「ブラックフィルム」と呼ばれる化合物の皮膜を含リン銅部材の表面に形成し、一価の銅イオンの発生を抑制してアノードスラッジの発生を抑制することが可能となる。当該含リン銅部材のアノードスラッジの発生をより抑制する上では、リンの含有量は、0.02%〜0.06%程度とすることが好ましい。含リン銅部材を溶解性銅陽極1に使用することは、電解中の銅溶解をスムーズに行うことが可能となる点で有利である。
本件発明に係る溶解性銅陽極を構成するチタンケース3は、上述した銅材2をめっき液11中に浸漬させた状態で保持可能な形状であれば良く、例えば側壁に複数の孔が形成されたもの(メッシュ状等)を用いることが出来る。チタンケース3の長さは、収容する銅材2の表面積に関係する。例えば、量産現場で定尺基板(1.0m×1.0m)の表面に電解銅めっきを施す場合は、φ60mm×(1100〜1300)mm程度のチタンケースが用いられる。チタンケース3の長さや本数については、使用する陰極及び陽極の電流密度や被めっき部材20の表面に被覆する銅めっきの膜厚分布等が考慮される。本件発明におけるチタンケース3は、汎用のものが使用可能であり、特に限定されるものではない。
本件発明に係る溶解性銅陽極を構成する酸化イリジウム部材4は、少なくとも表面の材質が酸化イリジウム単体又は酸化イリジウム複合体であることが好ましい。当該溶解性銅陽極にこのような構成の酸化イリジウム部材4を備えることで、アノードスラッジの発生を抑制し、めっき特性の低下を招くことがない。ここで、酸化イリジウム部材4は、チタン、ジルコニウム、ステンレススチール、及びニッケル合金の何れかからなる基材の表面に、酸化イリジウムを含有した被覆を備えたものとすることが出来る。酸化イリジウム部材4の基材は、上述した材料のような電解によって溶解しない材質であることが好ましい。そして、当該酸化イリジウム複合体は、酸化イリジウムに酸化タンタル、酸化チタン、及び白金の何れか一つ又は複数の材料が30%〜70%混合されたものであることが好ましい。このような酸化イリジウム複合体からなる被覆を備えることで、電極としての耐久性や酸素発生効果を大きく向上させることが出来る。
また、本件発明に係る溶解性銅陽極において、酸化イリジウム部材4の基材の形状は、メッシュ、シート、管、板、線、棒、及びボール状の何れかであることが好ましい。また、酸化イリジウム部材4の寸法は、アノードスラッジの発生を抑制することを考慮すると、ボール状を除いては使用するチタンケースの長さであることが好ましい。酸化イリジウム部材4は、電解中において、溶解性銅陽極の溶解を妨害することなく効率よく微量の酸素を発生させる形状及び寸法であることで、酸化イリジウム部材4の近傍で発生する一価の銅イオンを瞬時に二価の銅イオンに変換してアノードスラッジの生成を抑制することが出来る。
また、本件発明に係る溶解性銅陽極は、チタンケース3及び酸化イリジウム部材4の周囲を覆うアノードバッグ5を更に備えることがより好ましい。当該溶解性銅陽極は、アノードバッグ5を更に備えることで、チタンケース3に収容した銅材2を酸化雰囲気下に安定して保持し、スラッジの原因となる一価の銅イオンを二価の銅イオンに効果的に変換することが出来る。更に、当該溶解性銅陽極は、アノードバッグ5を備えることで、形成されたアノードスラッジをめっき液11中に拡散するのを防ぎ、めっき特性の低下を招くのを防止することが出来る。なお、アノードバッグ5は、汎用のものが使用可能であり、形状や材質等に関しては特に限定されるものではない。
本件発明に係る電解銅めっき装置で用いるめっき液11には酸性銅めっき液が使用される。通常、酸性銅めっき液11は、硫酸銅・五水塩、硫酸、塩化物イオン及び添加剤からなる硫酸銅めっき液が用いられる。例えば、酸性銅めっき液11の組成は、硫酸銅・五水塩30g/L〜250g/L、硫酸30g/L〜250g/L、塩化物イオン30mg/L〜75mg/Lの範囲で使用出来る。また、酸性銅めっき液11の温度は、通常15℃〜60℃の範囲で使用することができ、好ましくは25℃〜35℃である。硫酸銅・五水塩濃度の増加、又は硫酸濃度の増加に伴って硫酸銅・五水塩の結晶が銅陽極上に析出する場合があるので、両者の濃度管理には注意が必要である。
ここで、本件発明に係る電解銅めっき装置で用いる酸性銅めっき液11は、ジスルフィド化合物を含有したものであることが好ましい。近年、電解銅めっきを行う場合に、ブライトナー成分として、例えばビス(3−スルホプロピル)ジスルフィド(以下、単に「SPS」と称す)が使用されている。しかしながら、この場合、SPSが3−メルカプトプロパン−1−スルホン酸(以下、単に「MPS」と称す)に変化することにより、スルーホール浴ではスローイングパワーの低下やめっき外観不良、ビアフィル浴ではフィリング率の低下やめっき外観不良等が発生するという問題が生じる。特に、電解停止して酸性銅めっき液11を放置した場合に、陽極近傍でSPSが還元されてMPSが生成することが確認されている。このMPSの生成は、MPS−Cu錯体からなるアノードスラッジを発生させる原因にもなり得る。しかし、本件発明に係る溶解性銅陽極1を用いた場合、SPSの分解によるMPSの生成を防止することにより、アノードスラッジの発生を抑制し、MPSの悪影響を排除することが可能であるため、上述した問題は生じない。
上述したように、アノードバッグ5を備えた溶解性銅陽極1を用いた場合、アノードバッグ5内に極めて高濃度のMPSを存在させることが出来る。よって、酸化イリジウム部材4を銅材2が充填されたチタンケース3に接触させて電解することにより、極めて効率よくMPSを無害化させることが可能となる。
MPSの発生抑制の観点から、銅材2と酸化イリジウム部材4との酸性電解銅めっき液11に浸漬した表面の面積比率は、1000:10〜1000:200であることが好ましい。銅材2と酸化イリジウム部材4との酸性電解銅めっき液11に浸漬した表面の面積比率は、1000:10未満であれば、酸化イリジウム部材4表面からの酸素発生が極めて少ないため、効率よくMPSの発生を抑制することが出来ない。また、当該面積比率は、1000:200を超えると酸化イリジウム部材4表面からの酸素発生が著しく増加するため、めっき液11中の添加剤を酸化分解して添加剤消耗量が増加する。そのため、当該面積比率は、1000:50〜1000:100がより好ましく、更により好ましくは1000:75〜1000:125である。なお、必要ならば、酸化イリジウム部材4の酸性電解銅めっき液11に浸漬した表面積を調整するため、シリコンゴム等によりマスキングしてもよい。
また、本件発明に係る電解銅めっき装置において、適用可能な陰極電流密度は、通常プリント基板のめっきに用いられている含リン銅部材を使用する範囲とすることが好ましい。具体的には、当該陰極電流密度は、0.1A/dm〜10A/dm程度、好ましくは0.5A/dm〜6A/dm、より好ましくは1A/dm〜5A/dmである。陽極電流密度は、通常0.1A/dm〜3A/dmで使用可能であるが、より好ましくは1A/dm〜3A/dmである。酸性銅めっき液11中の銅濃度は、陽極電流密度が低すぎると上昇する傾向があり、陽極電流密度が高すぎると低下する傾向があるため、使用する陰極電流密度により陽極面積の調整が必要である。
ここで、本件発明に係る溶解性銅陽極を用いた場合における、電解停止時及び電解時に得られる効果について述べる。通常は、電解を停止して酸性銅めっき液11を放置すると、銅材2がチタンケース3との接触腐食により、下記化1の式(1)及び式(2)のように溶解が起こる。そして、酸性銅めっき液11がジスルフィド化合物を含有した場合には、その時に放出された電子により、下記化1の式(3)のようにSPSが還元されてMPSが生成する。そのため、酸性銅めっき液11内のMPS濃度が増大する。生成したMPSは、下記化1の式(4)のように一部が酸化されてSPSに変換されるが、一価の銅イオンと結びついたCu(I)MPSは、下記化1の式(5)のようにMPSとなる。
上記化1には、電解停止時に、めっき外観不良の原因となる、銅材2の溶解やMPSが生成する過程を示したが、本件発明に係る溶解性銅陽極は、銅材2を収容したチタンケース3に酸化イリジウム部材4を接触させた構成とすることで、チタンケース3に接触及び酸化イリジウム部材4に間接的に接触させたときに銅材2の腐食電位を銅材2単独の電位よりも卑にすることができ、銅材2が酸性電解銅めっき液11に溶解するのを抑制することが出来る。その結果、電解停止中の銅材2の溶解を抑制してMPSの生成を抑制することが出来る。
また、電解時においては、本件発明における酸化イリジウム部材4をチタンケース3に接触させることで、電解中に酸化イリジウム部材4の表面より活性が高い発生期の酸素を生成してチタンケース3の周囲を酸化雰囲気にし、一価の銅イオンを二価の銅イオンに変換して、CuCl、CuO等からなるアノードスラッジの生成を抑制することが出来る。
以上のことから、本件発明に係る電解銅めっき装置は、本件発明に係る溶解性銅陽極1を備えることで、めっき効率の向上を図りながらも、高品質のめっき皮膜を低コストで形成することが出来る。
本件発明に係る電解銅めっき方法は、上述した電解銅めっき装置を用い、めっき対象物20に電解銅めっきを施す際に直流電流又はPPR(pulse periodic reverse)電流を使用することを特徴とする。
本件発明に係る銅めっき方法においては、めっき対象物20に電解銅めっき処理を施す際に直流電流を使用する場合には、一般的に使用されている条件を適宜採用することが出来る。例えば、電解銅めっき処理を施す際に直流電流を使用する場合には、一定の安定した電流値が得られる直流電源を使用することが出来る。そして、直流を得るための手段としては、三相全波整流器(リップル5%以下)を用いることが出来る。
また、本件発明に係る銅めっき方法においては、めっき対象物20に電解銅めっき処理を施す際にPPR電流を使用することも出来る。ここで、「PPR電流」とは、正電解(めっきを析出させる電解)と、逆電解を短い周期で繰り返すように、電流の方向がパルス波形で周期的に変わる電流をいう。PPR電流によれば、直流電流では得ることの出来ない高い抵抗過電圧を得ることが出来るため、高いめっき付き回り性を確保することが出来る。そのため、高アスペクト比(板厚/穴径)を有するスルーホール基板や、穴径が小さく深いビアの充填には最適である。PPR電流を使用する場合、電流の周期は任意に設定出来るが、正電解時間が逆電解時間より長いことが好ましい。例えば、正電解時間は、0.1msec〜50msecであることが好ましく、より好ましくは1msec〜20msecである。また、逆電解時間は、0.1msec〜5msecであることが好ましく、より好ましくは0.5msec〜2msecである。
また、本件発明に係る銅めっき方法は、上述しためっき対象物20としてプリント配線基板又はウエハーを用いることが好ましい。プリント配線基板は、通常、スルーホール及びブラインドビアホール(BVH)等により層間の電気的接続が図られている。このスルーホールは、例えば、スルーホール径φ0.15mm〜2.8mm、板厚0.6mm〜3.2mmが汎用されている。また、ブラインドビアホールは、ビア径20μm〜200μm程度、深さ10μm〜100μm程度が一般的である。半導体ウエハーでは、導電性に優れた銅配線を硫酸銅めっきにより形成するダマシンプロセスが採用されている。このプロセスは、半導体ウエハー上のサブミクロンのビア及びトレンチを硫酸銅めっきによって充填するものである。これらの安定したビア充填には、ブライトナー成分として用いるSPSの分解によるMPSの生成の抑制が必要であるが、本件発明に係る銅めっき方法によればこのようなSPSの変質を効果的に抑制することが可能となる。
本件発明に係る酸性電解銅めっき液の保存方法は、銅材2を収容したチタンケース3を構成に含む溶解性銅陽極1が浸漬された酸性電解銅めっき液11の保存方法であって、少なくとも電解停止中に、チタンケース3に酸化イリジウム部材4を接触させることを特徴とする。少なくとも電解停止中に、チタンケース3に酸化イリジウム部材4を接触させることで、上述したように、電解停止中に1価の銅イオンの生成や、めっき液にSPSを用いた場合にMPSの発生を抑制することが出来る。よって、本件発明に係る酸性電解銅めっき液の保存方法によれば、長時間放置した酸性銅めっき液11をそのまま用いて電解を開始したとしてもめっき外観不良が生じにくく、メンテナンスフリーを実現することが出来る。
以上に、本件発明に係る溶解性銅陽極、電解銅めっき装置、電解銅めっき方法、及び酸性電解銅めっき液の保存方法に関して説明したが、以下に本件発明の実施例を示し、本件発明をより詳細に説明する。なお、本件発明はこれらの例により何ら限定されるものではない。
実施例1では、含リン銅アノードを充填させたチタンケースに酸化イリジウム部材を接触させた状態で電解銅めっきを行った場合のビアの充填状況を確認するための試験を行った。以下に、図1を用いて説明を行う。
この実施例1では、まず板厚1.0mm、ビア径100μm、深さ80μmの被めっき部材(プリント基板)20に対し、メルプレートMLB−6001プロセス(メルテックス株式会社製)によりデスミア処理を行った。次いで、メルプレートCU−390プロセス(メルテックス株式会社製)により無電解銅めっきを行った。そして、このプリント基板20をメルプレートCL−1000S(メルテックス株式会社製)にて脱脂、水洗、10%硫酸処理、水洗後、以下に示す条件にて電解銅めっきを行った。
実施例1で用いる酸性銅めっき液11は、硫酸銅・五水塩濃度220g/L、硫酸50g/L、塩化物イオン50mg/Lを含むめっき液に、ルーセントカパーSVF−A(メルテックス株式会社製、ジスルフィド系)0.8mL/L、ルーセントカパーSVF−B(メルテックス株式会社製)20mL/L、ルーセントカパーSVF−L(メルテックス株式会社製)15mL/Lを添加して調整した1.5Lのビアフィル浴を使用した。そして、めっき槽10内には、収容されたビアフィル浴11に浸漬させた状態で溶解性銅陽極1を配置した。溶解性銅陽極1は、銅材(φ25の含リン銅ボール5個)2を収容したチタンケース(φ30mm×150mm)3に酸化イリジウム部材(酸化イリジウムが被覆された棒(φ5mm×100mm))4を接触させた。また、これらチタンケース3及び酸化イリジウム部材4の周囲を覆うアノードバッグ5を更に備えた。なお、図1に示す構成とは異なるが、実施例1では、この溶解性銅陽極1を2セット浸漬した。
実施例1において、銅材2と酸化イリジウム部材4との酸性電解銅めっき液11に浸漬した表面の面積比率は、1000:100であった。また、陰極として5mm×130mmの無電解銅めっきを施したプリント基板20を1dmとなるように酸性銅めっき液11に浸漬した。これに、電流密度2A/dmにて電解量が5AH/Lとなるまで電解し、その後一晩放置した。電解後更に一晩放置させた後のめっき液を用いてCVS法により添加剤を分析・調整し、2A/dmにて15μmめっきした。めっき後、ビア内の充填状況をクロスセクション法にて観察した。
図2には、実施例1でのビアの充填状況の断面写真を示す。ここで、図2(a)には、電解量が5AH/Lとなるまで電解したときの断面写真を示す。また、図2(b)には、電解後更に一晩放置後のめっき液を用いて再度電解銅めっきを行ったときの断面写真を示す。図2(a),(b)より、実施例1でのビアの充填状況は、電解量が5AH/Lとなるまで電解したときと、電解後更に一晩放置後のめっき液を用いて再度電解銅めっきを行ったときで特に変化は見受けられなかった。実施例1で行った評価結果を表1に示す。
実施例2では、実施例1と同様に、含リン銅アノードを充填させたチタンケースに酸化イリジウム部材を接触させた状態で電解銅めっきを行った場合のビアの充填状況を確認するための試験を行った。
この実施例2では、実施例1と同じ被めっき部材20を用いた。また、実施例2では、電解銅めっきを行う前に、実施例1と同じ処理を同じ条件で行った。そして、以下に示す条件にて電解銅めっきを行った。
実施例2で用いる酸性銅めっき液11は、硫酸銅・五水塩濃度150g/L、硫酸150g/L、塩化物イオン50mg/Lを含むめっき液に、ルーセントカパーHCS−A(メルテックス株式会社製、ジスルフィド系)0.3mL/L、ルーセントカパーHCS−B(メルテックス株式会社製)15mL/L、ルーセントカパーHCS−L(メルテックス株式会社製)6mL/Lを添加して調整した1.5Lのフレキシブル基板用ハーフフィル浴を調整した。そして、めっき槽10内には、収容されたフレキシブル基板用ハーフフィル浴11に浸漬させた状態で溶解性銅陽極1を配置した。ここで用いる溶解性銅陽極1は、実施例1と同じ構成のものを用いた。
実施例2において、銅材2と酸化イリジウム部材4との酸性電解銅めっき液11に浸漬した表面の面積比率は、実施例1と同じ1000:100であった。また、実施例1と同様に、陰極として5mm×130mmの無電解銅めっきを施したプリント基板20を1dmとなるように酸性銅めっき液11に浸漬した。これに、電流密度3A/dmにて電解量が5AH/Lとなるまで電解し、その後一晩放置した。電解後更に一晩放置させた後のめっき液を用いてCVS法により添加剤を分析・調整し、3A/dmにて15μmめっきした。めっき後、ビア内の充填状況をクロスセクション法にて観察した。
図3には、実施例2でのビアの充填状況の断面写真を示す。ここで、図3(a)には、電解量が5AH/Lとなるまで電解したときの断面写真を示す。また、図3(b)には、電解後更に一晩放置後のめっき液を用いて再度電解銅めっきを行ったときの断面写真を示す。図3(a),(b)より、実施例2でのビアの充填状況は、電解量が5AH/Lとなるまで電解したときと、電解後更に一晩放置後のめっき液を用いて再度電解銅めっきを行ったときで特に変化は見受けられなかった。実施例2で行った評価結果を表1に示す。
実施例3では、実施例1と同様に、含リン銅アノードを充填させたチタンケースに酸化イリジウム部材を接触させた状態で電解銅めっきを行った場合のビアの充填状況を確認するための試験を行った。
この実施例3では、実施例1と同じ被めっき部材20を用いた。また、実施例3では、電解銅めっきを行う前に、実施例1と同じ処理を同じ条件で行った。そして、以下に示す条件にて電解銅めっきを行った。
実施例3で用いる酸性銅めっき液11は、実施例1と同じものを用いた。また、実施例3で用いる溶解性銅陽極1は、酸化イリジウム部材4として酸化イリジウムが被覆された板(20mm×120mm×1mm))を用いることを除き、実施例1と同じ構成のものを用いた。
実施例3において、銅材2と酸化イリジウム部材4との酸性電解銅めっき液11に浸漬した表面の面積比率は、1000:200であった。そして、実施例1と同様に、陰極として5mm×130mmの無電解銅めっきを施したプリント基板20を1dmとなるように酸性銅めっき液11に浸漬した。これに、実施例1と同じ条件で電解し、めっき後、ビア内の充填状況をクロスセクション法にて観察した。
図4には、実施例3でのビアの充填状況の断面写真を示す。ここで、図4(a)には、電解量が5AH/Lとなるまで電解したときの断面写真を示す。また、図4(b)には、電解後更に一晩放置後のめっき液を用いて再度電解銅めっきを行ったときの断面写真を示す。図4(a),(b)より、実施例3でのビアの充填状況は、電解量が5AH/Lとなるまで電解したときと、電解後更に一晩放置後のめっき液を用いて再度電解銅めっきを行ったときで特に変化は見受けられなかった。実施例3で行った評価結果を表1に示す。
実施例4では、実施例1と同様に、含リン銅アノードを充填させたチタンケースに酸化イリジウム部材を接触させた状態で電解銅めっきを行った場合のビアの充填状況を確認するための試験を行った。
この実施例4では、実施例1と同じ被めっき部材20を用いた。また、実施例4では、電解銅めっきを行う前に、実施例1と同じ処理を同じ条件で行った。そして、以下に示す条件にて電解銅めっきを行った。
実施例4で用いる酸性銅めっき液11は、実施例1と同じものを用いた。また、実施例4で用いる溶解性銅陽極1は、酸化イリジウム部材4としてIrO−Pt(0.3)が被覆された線(φ1mm×120mm)を用いることを除き、実施例1と同じ構成のものを用いた。
実施例4において、銅材2と酸化イリジウム部材4との酸性電解銅めっき液11に浸漬した表面の面積比率は、1000:10であった。そして、実施例1と同様に、陰極として5mm×130mmの無電解銅めっきを施したプリント基板20を1dmとなるように酸性銅めっき液11に浸漬した。これに、実施例1と同じ条件で電解し、めっき後、ビア内の充填状況をクロスセクション法にて観察した。
図5には、実施例4でのビアの充填状況の断面写真を示す。ここで、図5(a)には、電解量が5AH/Lとなるまで電解したときの断面写真を示す。また、図5(b)には、電解後更に一晩放置後のめっき液を用いて再度電解銅めっきを行ったときの断面写真を示す。図5(a),(b)より、実施例4でのビアの充填状況は、電解量が5AH/Lとなるまで電解したときと、電解後更に一晩放置後のめっき液を用いて再度電解銅めっきを行ったときで特に変化は見受けられなかった。実施例4で行った評価結果を表1に示す。
実施例5では、実施例1と同様に、含リン銅アノードを充填させたチタンケースに酸化イリジウム部材を接触させた状態で電解銅めっきを行った場合のビアの充填状況を確認するための試験を行った。
この実施例5では、実施例1と同じ被めっき部材20を用いた。また、実施例5では、電解銅めっきを行う前に、実施例1と同じ処理を同じ条件で行った。そして、以下に示す条件にて電解銅めっきを行った。
実施例5で用いる酸性銅めっき液11は、実施例1と同じものを用いた。また、実施例5で用いる溶解性銅陽極1は、酸化イリジウム部材4としてIrO−TiO(0.7)が被覆された板(10mm×120mm×1mm)を用いることを除き、実施例1と同じ構成のものを用いた。
実施例5において、銅材2と酸化イリジウム部材4との酸性電解銅めっき液11に浸漬した表面の面積比率は、実施例1と同じ1000:100であった。また、実施例1と同様に、陰極として5mm×130mmの無電解銅めっきを施したプリント基板20を1dmとなるように酸性銅めっき液11に浸漬した。これに、実施例1と同じ条件で電解し、めっき後、ビア内の充填状況をクロスセクション法にて観察した。
図6には、実施例5でのビアの充填状況の断面写真を示す。ここで、図6(a)には、電解量が5AH/Lとなるまで電解したときの断面写真を示す。また、図6(b)には、電解後更に一晩放置後のめっき液を用いて再度電解銅めっきを行ったときの断面写真を示す。図6(a),(b)より、実施例5でのビアの充填状況は、電解量が5AH/Lとなるまで電解したときと、電解後更に一晩放置後のめっき液を用いて再度電解銅めっきを行ったときで特に変化は見受けられなかった。実施例5で行った評価結果を表1に示す。
実施例6では、実施例1と同様に、含リン銅アノードを充填させたチタンケースに酸化イリジウム部材を接触させた状態で電解銅めっきを行った場合のビアの充填状況を確認するための試験を行った。
この実施例6では、実施例1と同じ被めっき部材20を用いた。また、実施例6では、電解銅めっきを行う前に、実施例1と同じ処理を同じ条件で行った。そして、以下に示す条件にて電解銅めっきを行った。
実施例6で用いる酸性銅めっき液11は、実施例1と同じものを用いた。また、実施例6で用いる溶解性銅陽極1は、酸化イリジウム部材4としてIrO−Ta(0.3)が被覆された板(5mm×100mm×1mm)を用いることを除き、実施例1と同じ構成のものを用いた。
実施例6において、銅材2と酸化イリジウム部材4との酸性電解銅めっき液11に浸漬した表面の面積比率は、1000:50であった。また、実施例1と同様に、陰極として5mm×130mmの無電解銅めっきを施したプリント基板20を1dmとなるように酸性銅めっき液11に浸漬した。これに、実施例1と同じ条件で電解し、めっき後、ビア内の充填状況をクロスセクション法にて観察した。
図7には、実施例6でのビアの充填状況の断面写真を示す。ここで、図7(a)には、電解量が5AH/Lとなるまで電解したときの断面写真を示す。また、図7(b)には、電解後更に一晩放置後のめっき液を用いて再度電解銅めっきを行ったときの断面写真を示す。図7(a),(b)より、実施例6でのビアの充填状況は、電解量が5AH/Lとなるまで電解したときと、電解後更に一晩放置後のめっき液を用いて再度電解銅めっきを行ったときで特に変化は見受けられなかった。実施例6で行った評価結果を表1に示す。
比較例
[比較例1]
比較例1では、含リン銅アノードを充填させたチタンケースに酸化イリジウム部材を接触させない状態で電解銅めっきを行った場合のビアの充填状況を確認するための試験を行った。
比較例1では、含リン銅アノードを充填させたチタンケースに酸化イリジウム部材を接触させない状態で電解銅めっきを行った以外は実施例1と同じ条件で試験を行ったため、ここでの説明は省略する。
図8には、比較例1でのビアの充填状況の断面写真を示す。ここで、図8(a)には、電解量が5AH/Lとなるまで電解したときの断面写真を示す。また、図8(b)には、電解後更に一晩放置後のめっき液を用いて再度電解銅めっきを行ったときの断面写真を示す。図8(a),(b)より、比較例1でのビアの充填状況は、電解量が5AH/Lとなるまで電解したときに比べて、電解後更に一晩放置後のめっき液を用いて再度電解銅めっきを行ったときのビアの充填状況の悪化が顕著に見受けられた。比較例1で行った評価結果を表1に示す。
[比較例2]
比較例2では、比較例1と同様に、含リン銅アノードを充填させたチタンケースに酸化イリジウム部材を接触させない状態で電解銅めっきを行った場合のビアの充填状況を確認するための試験を行った。
比較例2では、含リン銅アノードを充填させたチタンケースに酸化イリジウム部材を接触させない状態で電解銅めっきを行った以外は実施例2と同じ条件で試験を行ったため、ここでの説明は省略する。
図9には、比較例2でのビアの充填状況の断面写真を示す。ここで、図9(a)には、電解量が5AH/Lとなるまで電解したときの断面写真を示す。また、図9(b)には、電解後更に一晩放置後のめっき液を用いて再度電解銅めっきを行ったときの断面写真を示す。図9(a),(b)より、比較例2でのビアの充填状況は、電解量が5AH/Lとなるまで電解したときに比べて、電解後更に一晩放置後のめっき液を用いて再度電解銅めっきを行ったときのビアの充填状況の悪化が顕著に見受けられた。比較例2で行った評価結果を表1に示す。
[比較例3]
比較例3では、比較例1と同様に、含リン銅アノードを充填させたチタンケースに酸化イリジウム部材を接触させない状態で電解銅めっきを行った場合のビアの充填状況を確認するための試験を行った。
比較例3では、含リン銅アノードを充填させたチタンケースに酸化イリジウム部材を接触させない状態にし、特許第5659411号記載のビアフィル浴にマレイン酸5g/L添加して電解銅めっきを行った以外は実施例1と同じ条件で試験を行ったため、ここでの説明は省略する。
図10には、比較例3でのビアの充填状況の断面写真を示す。ここで、図7(a)には、電解量が5AH/Lとなるまで電解したときの断面写真を示す。また、図7(b)には、電解後更に一晩放置後のめっき液を用いて再度電解銅めっきを行ったときの断面写真を示す。図7(a),(b)より、比較例3でのビアの充填状況は、電解量が5AH/Lとなるまで電解したときに比べて、電解後更に一晩放置後のめっき液を用いて再度電解銅めっきを行ったときのビアの充填状況の悪化が顕著に見受けられた。比較例3で行った評価結果を表1に示す。
以上の結果より、電解銅めっきに用いる溶解性銅陽極を、銅材を収容したチタンケースに酸化イリジウム部材を接触させた構成とすることで、電解停止中の銅材の溶解を抑制してMPSの生成を抑制することが出来ることが分かった。このことから、銅材を収容したチタンケースに酸化イリジウム部材を接触させた構成の溶解性銅陽極を用いて電解銅めっきを行った場合には、アノードスラッジの発生を抑制し、MPSの悪影響を効果的に排除することが可能であることが理解出来る。
本件発明に係る溶解性銅陽極、電解銅めっき装置、電解銅めっき方法、及び酸性電解銅めっき液の保存方法によれば、安定してアノードスラッジの発生を抑制することが出来る。また、本件発明に係る溶解性銅陽極は、従来から汎用されているチタンケースに含リン銅ボールを収容した構成のものに装着して用いることが出来るため、新たに設備を導入することがなく経済的である。
1・・・溶解性銅陽極
2・・・銅材
3・・・チタンケース
4・・・酸化イリジウム部材
5・・・アノードバッグ
10・・・めっき槽
11・・・めっき液(酸性銅めっき液)
20・・・被めっき部材(めっき対象物)

Claims (14)

  1. 電解銅めっきに用いる溶解性銅陽極であって、
    銅材を収容したチタンケースと、当該チタンケースに接触した酸化イリジウム部材とを含むことを特徴とする溶解性銅陽極。
  2. 前記銅材の形状がボール状である請求項1に記載の溶解性銅陽極。
  3. 前記銅材が含リン銅材である請求項1又は請求項2に記載の溶解性銅陽極。
  4. 前記電解銅めっきに用いるめっき液は、ジスルフィド化合物を含有した酸性電解銅めっき液である請求項1〜請求項3のいずれかに記載の溶解性銅陽極。
  5. 前記チタンケース及び前記酸化イリジウム部材の周囲を覆うアノードバッグを更に備えた請求項1〜請求項4のいずれかに記載の溶解性銅陽極。
  6. 前記銅材と前記酸化イリジウム部材との前記酸性電解銅めっき液に浸漬した表面の面積比率は、1000:10〜1000:200である請求項1〜請求項5のいずれかに記載の溶解性銅陽極。
  7. 前記酸化イリジウム部材は、少なくとも表面の材質が酸化イリジウム又は酸化イリジウム複合体である請求項1〜請求項6のいずれかに記載の溶解性銅陽極。
  8. 前記酸化イリジウム部材は、チタン、ジルコニウム、ステンレススチール、及びニッケル合金の何れかからなる基材の表面に酸化イリジウム又は酸化イリジウム複合体を含有した被覆を備えた請求項7に記載の溶解性銅陽極。
  9. 前記酸化イリジウム複合体は、酸化イリジウムに酸化タンタル、酸化チタン、及び白金の何れか一つ又は複数の材料が30〜70%混合されたものである請求項7又は請求項8に記載の溶解性銅陽極。
  10. 前記基材の形状は、メッシュ、シート、管、板、線、棒、及びボール状の何れかである請求項8又は請求項9に記載の溶解性銅陽極。
  11. 請求項1〜請求項10のいずれかに記載の溶解性銅陽極を備えたことを特徴とする電解銅めっき装置。
  12. 請求項11に記載の電解銅めっき装置を用い、
    めっき対象物に電解銅めっきを施す際に直流電流又はPPR電流を使用することを特徴とする電解銅めっき方法。
  13. 前記めっき対象物としてプリント配線基板又はウエハーを用いる請求項12に記載の電解銅めっき方法。
  14. 銅材を収容したチタンケースを構成に含む溶解性銅陽極が浸漬された酸性電解銅めっき液の保存方法であって、
    少なくとも電解停止中に、当該チタンケースに酸化イリジウム部材を接触させることを特徴とする酸性電解銅めっき液の保存方法。
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