JP2017210630A - 無電解めっき下地剤及びその製造方法並びに該無電解めっき下地剤を用いためっき積層体 - Google Patents
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Abstract
【課題】環境負荷が少なく、密着性に優れる無電解めっき下地剤を提供すること。
【解決手段】バインダーポリマーと、触媒担持担体とを含み、前記担体表面に担持された前記触媒金属微粒子がパラジウム微粒子を含み、前記パラジウム微粒子の平均粒径(D50)が10nm以上43nm以下であることを特徴とする無電解めっき下地剤。
【選択図】図1
【解決手段】バインダーポリマーと、触媒担持担体とを含み、前記担体表面に担持された前記触媒金属微粒子がパラジウム微粒子を含み、前記パラジウム微粒子の平均粒径(D50)が10nm以上43nm以下であることを特徴とする無電解めっき下地剤。
【選択図】図1
Description
本発明は、無電解めっき下地剤及びその製造方法並びに該無電解めっき下地剤を用いためっき積層体に関する。
無電解めっきは、基材をめっき液に浸漬するだけで、基材の種類や形状に関係なく厚さの均一な被膜が得られ、プラスチックやセラミック、ガラス等の不導体材料にも金属めっき膜を形成できることから、自動車部品等の樹脂成形体への高級感や美観の付与といった装飾用途や、電磁遮蔽、プリント基板及び大規模集積回路等の配線技術等、種々の分野において幅広く用いられている。このような無電解めっきを用いて製造されるものの具体例として、電子写真方式を採用する複写機やプリンター等の画像形成装置の定着部材が挙げられる。
前記定着部材としては、例えば、特許文献1には、ポリイミド樹脂製の基層上に、無電解ニッケルめっき層と、電解銅めっき層と、シリコーンゴム層とを有する定着部材が開示されている。
しかしながら、特許文献1の定着部材には、以下の点で問題がある。
すなわち、前記金属めっき層を有する定着部材を形成するためには、通常、ポリマー製の基層表面に、Pd等の触媒金属の前駆体を付与した後、この前駆体を還元により金属化する活性化処理を行う。そして、このような基層へのめっき前処理工程の後、基層表面に無電解金属めっき層を形成する。さらにこれを電極として電解金属めっき層を形成することになる。
すなわち、前記金属めっき層を有する定着部材を形成するためには、通常、ポリマー製の基層表面に、Pd等の触媒金属の前駆体を付与した後、この前駆体を還元により金属化する活性化処理を行う。そして、このような基層へのめっき前処理工程の後、基層表面に無電解金属めっき層を形成する。さらにこれを電極として電解金属めっき層を形成することになる。
ところが、前記めっき前処理を行って形成した無電解金属めっき層は、基層との密着性が悪い。そのため、無電解金属めっき層が基層から剥離しやすい。また、無電解金属めっき層が基層から剥離すれば、その結果として、その上に積層した電解金属めっき層等も基層から剥離してしまう。つまり、前記定着部材は、基層と金属めっき層との密着性に劣るという問題がある。定着部材の使用時に、金属めっき層が基層から剥離すると、電磁誘導加熱による昇温性の低下を招く。定着部材は、通常、定期的な交換を前提とするものではなく、繰り返し使用されるため、耐久性を有することは重要である。
そこで、密着性を改善するために、特許文献2の加熱部材が提案された。特許文献2の加熱部材では、担体表面に触媒金属を担持する触媒担持担体が分散され、該触媒金属担体が金属めっき側の表面に露出した部分を有する無電解めっき下地層を備える。この無電解めっき下地層において、触媒担時担体を構成する触媒金属として、触媒能や無電解金属めっきとの結合性に優れ、汎用性が高い点から、好適にはパラジウムが挙げられている。
特許文献2に限らず、パラジウムを用いる無電解めっき下地層の製造においては、触媒付与性に優れることから、通常、塩化第一スズ溶液が用いられる。そのため、スズを含有する廃液が発生するとともに、担体の凝集や洗浄不足によって残存するSn4+を除去しきれず、残存するSn4+が無電解めっきの反応を阻害し、めっきの密着性不良を起こす原因となっていた。
また、無電解めっき下地層にパラジウム微粒子を含める場合、触媒活性を考慮し、比表面積を大きくするために、平均粒径ができるだけ小さい(例えば、3nm程度)ものが望ましいと考えられていた。
しかしながら、無電解めっき下地層の製造において、パラジウムの反応制御が難しいため、パラジウム微粒子の粒子径も、制御することは困難であった。
本発明は、環境負荷が少なく、密着性に優れる無電解めっき下地剤を提供することを目的とする。また、本発明は、環境負荷が少なく、密着性に優れるめっき積層体を提供することを目的とする。さらに、本発明は、パラジウム微粒子の粒子径の制御が容易な無電解めっき下地剤の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、バインダーポリマーと、触媒担持担体とを含み、前記担体に担持された触媒金属微粒子がパラジウム微粒子を含み、前記パラジウム微粒子の平均粒径(D50)が10nm以上43nm以下である無電解めっき下地剤を提供する。
また、本発明は、基層用ポリマーより形成された基層と、前記無電解めっき下地剤から構成され、前記基層上に積層された無電解めっき下地層と、前記めっき下地層上に積層され、無電解金属めっきにより形成された無電解金属めっき層とを備え、前記無電解金属めっき層側の表面に、担体表面に触媒金属を担持する触媒担持担体が露出した部分を有するめっき積層体を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、触媒金属含有原料溶液を還元剤で還元し、触媒金属微粒子含有溶液を得る工程(A)、前記工程で得られた触媒金属微粒子含有溶液と、担体とを接触させて、表面に触媒金属微粒子を担持する触媒担持担体を得る工程(B)、及び、前記工程で得られた触媒担持担体と、バインダーポリマーとを混合する工程(C)を有し、前記担体に担持された触媒金属微粒子がパラジウム微粒子を含み、前記パラジウム微粒子の平均粒径(D50)が10nm以上43nm以下である無電解めっき下地剤の製造方法を提供する。
本発明の無電解めっき下地剤は、スズ(Sn)の廃液が生じず、環境負荷を低減でき、かつ、密着性に優れる。また、本発明によって、密着性に優れるめっき積層体を提供することができる。さらに、本発明の無電解めっき下地剤の製造方法は、目的とするパラジウム微粒子の粒子径を容易に制御することができる。
本発明の無電解めっき下地剤は、バインダーポリマーと、触媒担持担体とを含み、前記担体表面に担持された前記触媒金属微粒子がパラジウム微粒子を含み、前記パラジウム微粒子の平均粒径(D50)が10nm以上43nm以下であることを特徴とする。
本発明に用いるバインダーポリマーとしては、本発明の効果を妨げない限り特に限定されず、各種の樹脂又はゴムを用いることができる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、これらは市販品を用いることができる。
前記樹脂としては、例えば、ポリアミドイミド樹脂;ポリアミド樹脂;ポリイミド樹脂;ウレタン樹脂;ウレタンシリコーン樹脂;(メタ)アクリル樹脂;(メタ)アクリルシリコーン樹脂;フッ素樹脂(例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、パーフルオロアルコキシアルカン(PFA)、パーフルオロエチレンプロペンコポリマー(FEP)、エチレン・テトラフルオロエチレンコポリマー(ETFE)、テトラフルオロエチレンーパーフルオロジオキソールコポリマー(TFE/PDD)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレン−クロロトリフロオロエチレンコポリマー(ECTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)等);アセタール樹脂;アルキド樹脂;ポリエステル樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンナフタレート(PBN)等);ポリエーテル樹脂(例えば、ポリエーテルイミド(PEI);ポリエーテルスルホン(PES);ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、ポリエーテルエーテルケトンケトン(PEEKK)等の少なくともベンゼン環を2つ以上有する芳香族ポリエーテルケトン等);カーボネート樹脂(例えば、カーボネート骨格(−OーC(=O)−O−)を有するポリカーボネート等);ポリビニルアルコール;ポリビニルピロリドン;セルロース系樹脂(例えば、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等);ポリアクリルアミド;ポリエチレンオキサイド;ポリエチレングリコール;ポリプロピレングリコール;ポリビニルメチルエーテル;ポリアミン(例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、スペルミジン、スペルミン、プトレスシン等のアミノ基が少なくとも2つ以上結合した脂肪族アミン類;イソホロンジアミン等の脂環式ポリアミン類);ポリエチレンイミン;オレフィン系樹脂(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン及び他のオレフィン系単量体(例えば、1−ブテン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、ペンテン、ヘキセン、シクロヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、ビニルシクロヘキサン、オクテン等の炭素数10以下の脂肪族オレフィン系単量体)との共重合樹脂等);ポリ塩化ビニル樹脂;ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂(SAN)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)等のスチレン系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂(例えば、ポリビニルブチラール樹脂等);ポリイソブチレン;ポリテトラヒドロフラン;ポリアニリン、ポリジエン類(例えば、ポリイソプレン、ポリブタジエン等);ポリシロキサン類(例えば、ジメチルポリシロキサン等);ポリスルホン(PSF);ポリ無水酢酸類;ポリ尿素類;ポリスルフィド類(例えば、ジイソプロピルジスルファン、ジメチルトリスルファン等の脂肪族スルフィド等);ポリホスファゼン類;脂肪族ポリケトン類;ポリハロオレフィン類;メラミン樹脂、及びこれらの誘導体若しくは変性体(変性基としては、アミノ基、エポキシ基、カルボキシ基、水酸基、ポリエーテル基、エポキシアルキル基、エポキシポリエーテル基、炭素数1〜10のアルキル基、シロキサン基等)等が挙げられる。これらのうち、ポリアミドイミド樹脂;ポリアミド樹脂;ポリイミド樹脂;ウレタン樹脂;ウレタンシリコーン樹脂;(メタ)アクリル樹脂;(メタ)アクリルシリコーン樹脂;フッ素樹脂;ポリエステル樹脂;ポリビニルアルコール;ポリビニルピロリドン;セルロース系樹脂及びオレフィン系樹脂からなる群から選ばれる1種以上が好ましい。
前記ゴムとしては、例えば、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ブチルゴム(IIR)、クロロプレンゴム(CR)、ヒドリンゴム(ECO、CO)、イソプレンゴム(IR)、ウレタンゴム(U)、シリコーンゴム(Q)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、天然ゴム(NR)等が挙げられる。
本発明に用いる触媒担持担体を構成する担体は、本発明の効果を妨げない限り特に限定されず、例えば、球状、略球状、繊維状、柱状、塊状、略房状等の各種の粒形状とすることができる。担体の材質としては、本発明の効果を妨げない限り特に限定されず、例えば、バインダーポリマーとの親和性を確保しやすく、密着性向上に寄与しやすくなる点から、炭素系材料、金属酸化物、及びシリカからなる群から選択される1種以上が挙げられ、バインダーポリマーとの親和性等の観点から、炭素系材料がより好ましい。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、これらは市販品を用いることができる。
前記炭素系材料としては、特に限定されないが、例えば、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、フラーレン、グラファイト等が挙げられる。前記金属酸化物としては、特に限定されないが、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム等が挙げられる。前記した担体のうち、触媒金属の担持のしやすさ、バインダーポリマーとの親和性、経済性等の観点から、カーボンブラックが特に好ましい。
担体の平均粒径は、バインダーポリマー中での分散性が良好である、めっき下地層表面の平滑性を確保しやすくなる等の観点から、10nm〜10μm程度が好ましく、50nm〜5.0μm程度がより好ましく、100nm〜2.0μm程度がさらに好ましい。また、担体の平均粒径は、担体に担持される触媒金属微粒子の平均粒径よりも大きいことが好ましい。本発明における前記担体の平均粒径は、レーザー回折・散乱式粒子径・粒度分布測定装置[日機装(株)製、「マイクロトラックUPA−EX150」等]により測定することができる。
本発明に用いる触媒担持担体を構成する触媒金属は、少なくともパラジウム(Pd)を含む。前記触媒金属としては、本発明の効果を妨げない限り特に限定されず、パラジウム以外に、無電解金属めっき反応を発現させるのに必要な触媒能を有する金属(本発明において、「金属」には「合金」が含まれる)を使用してもよい。触媒金属としては、パラジウムのみを用いるのが好ましい。前記触媒金属としては、例えば、Pt、Pt以外のPt族、Ag、Au、これらの合金等が挙げられる。
前記触媒担持担体は、具体的には、担体表面が露出した露出部分と、触媒金属が担持された担持部分とが混在した構造を有することができる。この場合には、担体表面とバインダーとの親和性を利用して、触媒担持担体をバインダーポリマーに固定しやすくなる。そのため、めっき積層体とした場合に、めっき下地層と無電解金属めっき層との間の密着性向上に有利である。とりわけ、担体が炭素系材料であり、バインダーポリマーが、ポリアミドイミド樹脂、変性ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、又はこれら樹脂にポリシロキサン化合物をブレンドしたものである場合には、前記効果を得やすくなる。前記変性ポリアミドイミド樹脂としては、例えば、シラン変性ポリアミドイミド樹脂;シロキサン変性ポリアミドイミド等が挙げられる。
また、担体表面を触媒金属によってほとんど覆ってしまう場合に比べ、触媒金属の使用量を低減することができる。そのため、省資源化に寄与できるとともに、めっき積層体の低コスト化にも有利である。
本発明の触媒担持担体において、パラジウムを含む触媒金属は微粒子として担体表面に担持される。担体表面に担持されたパラジウム微粒子は、平均粒径(D50)が10nm以上43nm以下であり、10、15、16、20、21、25、26、28、29、30、31、34、35、37、39、40、41及び43nmのいずれかの値、又はこれらから任意に選択した2つの値の範囲(範囲の端点の値は含めても除いていてもよい)とすることができ、良好なめっき性を得ることができることから、20nm以上40nm以下がより好ましく、25nm以上39nm以下がさらに好ましい。
前記平均粒径(D50)は顕微鏡法による円相当径であり、透過型顕微鏡で観察したPdコロイド粒子100個の粒度分布を求めて、その体積累積50%の位置を平均粒径(D50)とした。
本発明の無電解めっき下地剤では、担体表面に触媒金属を担持する触媒担持担体が、バインダーポリマー中に分散されてなることが好ましい。バインダーポリマーは、主に、触媒担持担体を分散した状態で保持し、めっき下地層を形づくる役割を有している。
本発明の無電解めっき下地剤は、例えば、触媒金属含有原料溶液を還元剤で還元し、触媒金属微粒子含有溶液を得る工程(A)、前記工程で得られた触媒金属微粒子含有溶液と、担体とを接触させて、表面に触媒金属微粒子を担持する触媒担持担体を得る工程(B)、及び、前記工程で得られた触媒担持担体と、バインダーポリマーとを混合する工程(C)を有し、前記担体に担持された触媒金属微粒子がパラジウム微粒子を含み、前記パラジウム微粒子の平均粒径(D50)が10nm以上43nm以下である製造方法によって製造することができる。
[工程(A)]
工程(A)(還元工程)では、触媒金属含有原料溶液を還元剤で還元し、触媒金属微粒子含有溶液を得る。当該工程の反応条件を調整することによって、粒子径の制御が容易になる。また、当該工程を、触媒金属と担体の接触の前に行うことも、粒子径の制御が容易になる一因である。
工程(A)(還元工程)では、触媒金属含有原料溶液を還元剤で還元し、触媒金属微粒子含有溶液を得る。当該工程の反応条件を調整することによって、粒子径の制御が容易になる。また、当該工程を、触媒金属と担体の接触の前に行うことも、粒子径の制御が容易になる一因である。
還元反応用溶媒は、本発明の効果を妨げない限り特に限定されないが、例えば、水、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、エチレングリコール等のアルコール類;塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類;テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等の環状エーテル類;アセトニトリル、ブチロニトリル等のニトリル類;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類等及びこれらの溶媒の混合液が挙げられ、水が好ましい。媒金属含有原料溶液と還元剤を溶解させる溶媒は、異なっていてもよいが、同一のものが好ましい。
前記触媒金属含有原料溶液のpHは、本発明の効果を妨げない限り特に限定されないが、例えば、1.0〜4.5が好ましく、1.3〜4.0がより好ましく、1.5〜3.5がさらに好ましい。pHは、公知の方法によって測定できる。
また、前記触媒金属含有原料溶液を、還元反応前に加熱してもよく、前記pHの範囲に調製後還元反応前に加熱するのが好ましい。加熱温度は、溶媒にもよるため、特に限定されないが、粒子径の制御が容易になる点から、溶媒の沸点−20℃〜溶媒の沸点+20℃が好ましく、溶媒の沸点−10℃〜溶媒の沸点+10℃がより好ましい。例えば、溶媒が水の場合、加熱温度は、90〜110℃程度がより好ましく、煮沸温度(100℃±5℃)が特に好ましい。加熱時間は、特に限定されないが、5分〜10時間程度が好ましく、10分〜5時間程度がより好ましい。
前記還元剤としては、本発明の効果を妨げない限り特に限定されず、例えば、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウム等の水素化ホウ素金属塩;水素化アルミニウムリチウム、水素化アルミニウムカリウム、水素化アルミニウムセシウム、水素化アルミニウムベリリウム、水素化アルミニウムマグネシウム、水素化アルミニウムカルシウム等の水素化アルミニウム塩;ヒドラジン化合物;クエン酸及びその塩、没食子酸及びその塩、ぎ酸及びその塩、酢酸及びその塩、フマル酸及びその塩、リンゴ酸及びその塩、コハク酸及びその塩、アスコルビン酸及びその塩等のカルボン酸類;タンニン酸及びその塩;メタノール、エタノール、イソプロパノール、ポリオール等の第一級又は第二級アルコール類;トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ジエチルメチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン[TMEDA]、エチレンジアミン四酢酸[EDTA]等の第三級アミン類;ヒドロキシルアミン;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;ジエチルエーテル等のエーテル類;ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド等のアルデヒド類;ぎ酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類;トリ−n−プロピルホスフィン、トリ−n−ブチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリベンジルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリエトキシホスフィン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン[DPPE]、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン[DPPP]、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン[DPPF]、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル[BINAP]等のホスフィン類等が挙げられる。これらは1種を用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。前記塩としては、特に限定されないが、アルカリ金属塩(例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等)、カルシウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩等が挙げられる。これらのうち、還元性が高く、取り扱いも容易な点から、クエン酸及びその塩(好適にはクエン酸ナトリウム(クエン酸三ナトリウム))、タンニン酸及びその塩、没食子酸及びその塩、コハク酸及びその塩;アスコルビン酸及びその塩等が好ましい。
還元剤の使用量は、本発明の効果を妨げない限り特に限定されないが、触媒金属微粒子含有溶液に含まれる触媒に対して、モル比で、触媒:還元剤=1.0:0.1〜1.0:50程度が好ましく、1.0:0.5〜1.0:30程度がより好ましく、1.0:0.8〜1.0:10程度がさらに好ましい。例えば、触媒が塩化パラジウム(PdCl2)の場合、モル比で、塩化パラジウム(PdCl2):還元剤=1.0:0.1〜1.0:50程度が好ましく、1.0:0.5〜1.0:30程度がより好ましく、1.0:0.8〜1.0:10程度がさらに好ましい。
還元反応時の条件としては、本発明の効果を妨げない限り特に限定されないが、例えば、反応温度は、通常、室温(20℃程度)〜溶媒の沸点の近傍(±10℃)であり、溶媒の沸点の近傍(±10℃)が好ましい。例えば、水を溶媒とする場合、溶媒が水の場合、加熱温度は、90〜110℃程度がより好ましく、煮沸温度(100℃±5℃)が特に好ましい。反応時間は、特に限定されないが、1分〜5時間程度が好ましく、5分〜3時間程度がより好ましい。
還元反応後、加熱した場合は、冷却する。冷却後の温度は、特に限定されないが、室温程度(5〜35℃)が好ましい。その後、得られた触媒金属微粒子含有溶液から不純物を除去するために、イオン交換樹脂で触媒金属微粒子含有溶液のイオン交換を行う。イオン交換樹脂は、本発明の効果を妨げない限り特に限定されず、市販品を用いることができる。
工程(A)では、さらに反応促進剤を用いてもよい。反応促進剤としては、本発明の効果を妨げない限り特に限定されないが、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸リチウム等のアルカリ金属炭酸塩;水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属塩;アンモニア等が挙げられる。これらは1種を用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
反応促進剤の使用量は、本発明の効果を妨げない限り特に限定されないが、触媒金属微粒子含有溶液に含まれる触媒に対して、モル比で、触媒:反応促進剤=1.0:0.01〜1.0:10程度が好ましく、粒子径の制御がより容易になる点から、1.0:0.1〜1.0:5.0程度がより好ましく、1.0:0.5〜1.0:3.0程度がさらに好ましい。例えば、触媒が塩化パラジウム(PdCl2)の場合、モル比で、塩化パラジウム(PdCl2):反応促進剤=1.0:0.01〜1.0:10程度が好ましく、1.0:0.1〜1.0:5.0程度がより好ましく、1.0:0.5〜1.0:3.0程度がさらに好ましい。また、反応促進剤の使用量は、例えば、還元剤に対して、モル比で、還元剤:反応促進剤=1.0:0.001〜1.0:10程度が好ましく、粒子径の制御がより容易になる点から、1.0:0.01〜1.0:5.0程度がより好ましく、1.0:0.05〜1.0:3.0程度がさらに好ましい。
[工程(B)]
工程(B)(触媒担持担体製造工程)では、前記工程で得られた触媒金属微粒子含有溶液と、担体とを接触させて、表面に触媒金属微粒子を担持する触媒担持担体を得る。本発明の効果を妨げない限り接触方法は、特に限定されず、例えば、触媒金属微粒子含有溶液に担体を添加、混合させる方法が挙げられる。
工程(B)(触媒担持担体製造工程)では、前記工程で得られた触媒金属微粒子含有溶液と、担体とを接触させて、表面に触媒金属微粒子を担持する触媒担持担体を得る。本発明の効果を妨げない限り接触方法は、特に限定されず、例えば、触媒金属微粒子含有溶液に担体を添加、混合させる方法が挙げられる。
本工程に用いる担体は、界面活性剤等を用いたエッチング処理をしてもよいが、しなくても十分な密着性を有する無電解めっき下地剤が得られる。
工程(B)では、触媒金属微粒子含有溶液と担体とを接触させた後、さらに分散処理を行うのが好ましい。分散処理の方法は、本発明の効果を妨げない限り特に限定されず、一般的に用いられる方法を採用することができる。分散処理の方法としては、例えば、超音波処理が挙げられる。超音波処理の条件は、本発明の効果を妨げない限り特に限定されず、例えば、20kHz以上が好ましい。
工程(B)では、前記接触後に得られる溶液又は必要に応じて分散後に得られる溶液を、脱溶媒・乾燥処理してもよい。脱溶媒・乾燥処理の方法は、特に限定されず、公知の方法を採用できる。また、前記脱溶媒・乾燥処理に続いて、粉砕処理を行ってもよい。粉砕の方法は、特に限定されず、公知の方法を採用できる。
さらに、必要に応じて、パラジウムの粒子径を調整するために、焼結(シンタリング)処理を行ってもよい。焼結の条件は、目的とするパラジウムの平均粒子径に応じて適宜調整することができ、本発明の効果を妨げない限り特に限定されないが、例えば、100〜500℃程度が好ましく、120〜300℃程度がより好ましく、150〜250℃程度がさらに好ましい。焼結時間は、目的とするパラジウムの平均粒子径に応じて適宜調整することができ、本発明の効果を妨げない限り特に限定されないが、例えば、10分〜24時間程度が好ましく、30分〜20時間程度がより好ましい。また、焼結は、真空状態で行うことが好ましい。
[工程(C)]
工程(C)(混合工程)では、前記工程(B)で得られた触媒担持担体と、バインダーポリマーとを混合する。これにより本発明の無電解めっき下地剤を調製することができる。
工程(C)(混合工程)では、前記工程(B)で得られた触媒担持担体と、バインダーポリマーとを混合する。これにより本発明の無電解めっき下地剤を調製することができる。
工程(C)の混合に用いる前記溶媒としては、本発明の効果を妨げない限り特に限定されず、例えば、水;イソプロパノール等のアルコール類;酢酸等の有機酸類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン等の芳香族炭化水素類;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテル類;アセトン、エチルメチルケトン、イソブチルメチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化物;n−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類;N−メチル−2−ピロリドン等が使用できる。これらの溶媒は1種を用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
混合時の条件は、本発明の効果を妨げない限り特に限定されない。バインダーポリマーの種類に応じて、必要であれば、撹拌しつつ、加熱してもよい。加熱温度は、本発明の効果を妨げない限り特に限定されない。加熱温度の上限値は、溶媒の沸点−20℃程度であってもよい。
本発明の無電解めっき下地剤の製造方法は、パラジウム微粒子ができる際にバインダーポリマー及び担体を用いないため、目的とするパラジウム微粒子の粒子径を容易に制御することができる。
また、本発明の他の態様として、めっき積層体が挙げられる。本発明のめっき積層体について、以下に説明する。
本発明のめっき積層体の一態様における、めっき下地層の微構造及び積層構造を図1に示す。図1に示されるめっき積層体4は、基層用ポリマーより形成された基層1と、前記無電解めっき下地剤から構成され、前記基層上に積層された無電解めっき下地層2と、前記めっき下地層上に積層され、無電解金属めっきにより形成された無電解金属めっき層3とを備え、前記無電解金属めっき層3側の表面に、担体221の表面に触媒金属222を担持する触媒担持担体22が露出した部分を有する。
本発明のめっき積層体4のめっき下地層において、担体221の表面に触媒金属222を担持する触媒担持担体22がバインダーポリマー21中に分散されてなる態様が好ましい。この場合、基層1とめっき下地層と2の間は、基層用ポリマーとバインダーポリマー、つまり、ポリマー同士の密着になる。それ故、基層とめっき下地層との間の密着性を向上させることができる。前記めっき下地層において、触媒担持担体22をバインダーポリマー21中に分散させる方法は、上述の無電解めっき下地剤において、超音波処理等の分散処理をしたものを、基層と接触させる(例えば、浸漬、塗布等)方法が好適に挙げられる。
また、前記めっき積層体において、めっき下地層は、金属めっき層側の表面に触媒担持担体が露出した部分を有している。そして、金属めっき層のめっき形成時には、めっき下地層の表面に露出する触媒担持担体の触媒金属を核として無電解金属めっきが析出するため、触媒金属と無電解金属めっきとの間は、金属結合により結合される。また、めっき下地層の表面に露出した触媒担持担体のうち、表面に露出していない部分は、バインダーポリマーに固定されている。それ故、めっき下地層と金属めっき層との間における密着性を向上させることができる。なお、前記金属めっき層上に、さらに電解金属めっきや無電解金属めっきを施し、第2の金属めっき層を積層した場合であっても、めっき層同士の密着になるので、良好な密着性を確保することができる。
前記めっき積層体において、基層は、例えば、筒状に形成することができる。他にも例えば、基層は、軸体の外周にロール状に形成することもできる。基層は、1層又は2層以上から構成することができる。基層は、必要に応じて、アルミ板等の金属板に、基層用ポリマーを積層したものを使用してもよい。
筒状の基層を有する場合、基層に用いられる基層用ポリマーとしては、例えば、ポリアミドイミド樹脂、変性ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、変性ポリイミド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、フッ素系樹脂、ポリカーボネート樹脂、これらの樹脂にポリシロキサン化合物をブレンドしたもの等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、これらは市販品を用いることができる。前記基層用ポリマーとしては、好ましくは、ポリアミドイミド樹脂、変性ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、変性ポリイミド樹脂及びこれら樹脂にポリシロキサン化合物をブレンドしたものからなる群から選択される1種以上を含んでいるのが好ましい。前記変性ポリアミドイミド樹脂としては、例えば、シラン変性ポリアミドイミド樹脂;シロキサン変性ポリアミドイミド等が挙げられる。筒状の基層の剛性が高くなるため、めっき積層体の耐久性を向上させるのに有利だからである。
前記ポリシロキサン化合物としては、下記式(1)で表される繰り返し構造を有するシリコーンオイルを好適に用いることができる。この場合には、めっき積層体の屈曲耐久性や靱性を向上させやすくなるからである。これは、前記ポリアミドイミド樹脂等の樹脂からなる海相中に、ポリシロキサン化合物からなる島相がミクロ分散し、海−島構造を形成しやすくなり、ポリシロキサン化合物からなる島相により、応力が緩和されるためであると考えられる。前記ポリシロキサン化合物のブレンド量は、前記樹脂100質量部に対し、好ましくは、0.01〜10質量部程度、より好ましくは、0.1〜5質量部程度とすることができる。めっき積層体の屈曲耐久性、靱性のバランスに優れるからである。
(式中、R1及びR2は、同一又は異なって、水素原子又は有機基を示す。nは正の整数を示す。)
前記式(1)において、R1、R2で表される有機基としては、特に限定はなく、例えば、メチル基、エチル基等の炭素数1〜15のアルキル基;炭素数1〜15のアルコキシ基;フェニル基;アミノ基;エポキシ基;カルボキシル基;エーテル基等が挙げられる。また、前記式1における繰り返し単位nは、正の整数であれば特に限定はないが、好ましくはn=10〜1,000であり、特に好ましくはn=20〜300である。前記シリコーンオイルとしては、特に限定はないが、コストの点から、メチル基、フェニル基、水素原子等を置換基として結合したストレートシリコーンオイル等を好適に用いることができる。
筒状の基層中には、難燃剤、充填剤、レべリング剤、消泡剤等の添加剤を含めてもよい。これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、筒状の基層の厚みは、耐久性の向上、製造容易性等の観点から、20〜200μm程度が好ましく、40〜150μm程度がより好ましく、60〜100μm程度がさらに好ましい。
一方、ロール状の基層を有する場合、基層に用いられる基層用ポリマーとしては、種々の樹脂やゴム(本発明において、ゴムにはエラストマーも含まれる、以下省略)を用いることができる。前記樹脂としては、例えば、ポリアミドイミド樹脂;ポリアミド樹脂;ポリイミド樹脂;ウレタン樹脂;ウレタンシリコーン樹脂;(メタ)アクリル樹脂;(メタ)アクリルシリコーン樹脂;フッ素樹脂(例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、パーフルオロアルコキシアルカン(PFA)、パーフルオロエチレンプロペンコポリマー(FEP)、エチレン・テトラフルオロエチレンコポリマー(ETFE)、テトラフルオロエチレンーパーフルオロジオキソールコポリマー(TFE/PDD)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレン−クロロトリフロオロエチレンコポリマー(ECTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)等);アセタール樹脂;アルキド樹脂;ポリエステル樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンナフタレート(PBN)等);ポリエーテル樹脂(例えば、ポリエーテルイミド(PEI);ポリエーテルスルホン(PES);ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、ポリエーテルエーテルケトンケトン(PEEKK)等の少なくともベンゼン環を2つ以上有する芳香族ポリエーテルケトン等);カーボネート樹脂(例えば、カーボネート骨格(−OーC(=O)−O−)を有するポリカーボネート等);ポリビニルアルコール;ポリビニルピロリドン;セルロース系樹脂(例えば、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等);ポリアクリルアミド;ポリエチレンオキサイド;ポリエチレングリコール;ポリプロピレングリコール;ポリビニルメチルエーテル;ポリアミン(例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、スペルミジン、スペルミン、プトレスシン等のアミノ基が少なくとも2つ以上結合した脂肪族アミン類;イソホロンジアミン等の脂環式ポリアミン類);ポリエチレンイミン;オレフィン系樹脂(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン及び他のオレフィン系単量体(例えば、1−ブテン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、ペンテン、ヘキセン、シクロヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、ビニルシクロヘキサン、オクテン等の炭素数10以下の脂肪族オレフィン系単量体)との共重合樹脂等);ポリ塩化ビニル樹脂;ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂(SAN)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)等のスチレン系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂(例えば、ポリビニルブチラール樹脂等);ポリイソブチレン;ポリテトラヒドロフラン;ポリアニリン、ポリジエン類(例えば、ポリイソプレン、ポリブタジエン等);ポリシロキサン類(例えば、ジメチルポリシロキサン等);ポリスルホン(PSF);ポリ無水酢酸類;ポリ尿素類;ポリスルフィド類(例えば、ジイソプロピルジスルファン、ジメチルトリスルファン等の脂肪族スルフィド等);ポリホスファゼン類;脂肪族ポリケトン類;ポリハロオレフィン類;メラミン樹脂、及びこれらの誘導体若しくは変性体(変性基としては、アミノ基、エポキシ基、カルボキシ基、水酸基、ポリエーテル基、エポキシアルキル基、エポキシポリエーテル基、炭素数1〜6のアルキル基、シロキサン基等)等が挙げられる。これらのうち、ポリアミドイミド樹脂;ポリアミド樹脂;ポリイミド樹脂;ウレタン樹脂;ウレタンシリコーン樹脂;(メタ)アクリル樹脂;(メタ)アクリルシリコーン樹脂;フッ素樹脂;ポリエステル樹脂;ポリビニルアルコール;ポリビニルピロリドン;セルロース系樹脂及びオレフィン系樹脂からなる群から選ばれる1種以上が好ましい。また、前記ゴムとしては、例えば、シリコーンゴム(Q)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ブチルゴム(IIR)、クロロプレンゴム(CR)、ヒドリンゴム(ECO、CO)、イソプレンゴム(IR)、ウレタンゴム(U)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、天然ゴム(NR)等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、これらは市販品を用いることができる。
ロール状の基層中には、難燃剤、充填剤、架橋剤、架橋助剤、滑剤、可塑剤、軟化剤、酸化防止剤等の添加剤を含めてもよい。これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。ロール状の基層の厚みは、接地性、コスト等の観点から、0.5〜3mm程度が好ましく、1〜1.5mm程度がより好ましい。
前記めっき積層体において、めっき下地層は、基層と無電解金属めっき層との密着性の改善を図るために重要な役割を有する。めっき下地層は、基層上に積層されている。具体的には、めっき下地層は、基層の外周面に沿って形成することができる。めっき下地層は、前記めっき下地剤によって構成される。
前記めっき下地層は、無電解金属めっき層側の表面に、触媒担持担体が露出した部分を有している。これは、前記表面に露出することなく、めっき下地層中に分散されている触媒担持担体と、前記表面に露出している触媒担持担体とが混在しうることを意味する。したがって、めっき下地層中に分散された全ての触媒担持担体が露出していなければならないという意味ではない。
前記表面に露出している触媒担持担体の量は、特に限定されるものではないが、前記表面に露出している触媒担持担体は、めっき下地層の表面にほぼ一様に点在していることが好ましい。これら触媒担持担体に担持される触媒金属を起点に無電解金属めっきが一様に析出できるので、めっき下地層と無電解金属めっき層との密着性が高くなるからである。また、前記表面に露出する触媒担持体の露出量は、担体に担持された触媒金属がバインダーポリマーの外に出ている部分があれば、特に限定されるものではない。
前記めっき下地層において、触媒担持担体の含有量は、無電解金属めっきの析出を確実なものとする、めっき下地層と無電解金属めっき層との密着性を向上させる等の点から、バインダーポリマー100質量部に対し、30質量部以上が好ましく、50質量部以上がより好ましい。また、触媒担持担体の含有量は、めっき下地層の柔軟性に優れる、添加効果が飽和する、経済性等の観点から、バインダーポリマー100質量部に対し、300質量部以下が好ましく、200質量部以下がより好ましい。
また、前記めっき下地層の厚みは、本発明の効果を妨げない限り特に限定されないが、基層と無電解金属めっき層との十分な密着性を確保しやすくなる、層形成性を確保しやすくなる等の観点から、1μm以上が好ましく、2μm以上がより好ましい。また、めっき下地層の厚みは、層形成時間の短縮、経済性等の観点から、30μm以下が好ましく、20μm以下がより好ましい。
前記めっき積層体は、基層用ポリマー及びバインダーポリマーが、同種のポリマーを含む態様が好ましい。この場合には、基層とめっき下地層との親和性が高まり、基層とめっき下地層との間の密着性を向上させやすくなる。好ましくは、基層用ポリマー及びバインダーポリマーが、同種のポリマーであるとよい。なお、前記「同種」とは、ポリマー同士が全く同一である場合だけでなく、ポリマー同士が基本骨格を同じくする場合を含む意味である。したがって、例えば、ある種類の樹脂(ポリアミドイミド樹脂等)に分類される各種樹脂は、それぞれ同種のポリマーであるといえる。ある種類のゴム(シリコーンゴム等)に分類される各種ゴムは、それぞれ同種ポリマーであるといえる。また、未変性ポリマーと変性ポリマー同士、分子量が異なるポリマー同士、重合単位が共通であるポリマー同士等も、同種のポリマーの概念に含まれる。
前記同種のポリマーを用いる場合、前記基層用ポリマーとしては、ポリアミドイミド樹脂、変性ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、これら樹脂に前記ポリシロキサン化合物をブレンドしたもの等を好適に用いることができる。前記変性ポリアミドイミド樹脂としては、例えば、シラン変性ポリアミドイミド樹脂;シロキサン変性ポリアミドイミド等が挙げられる。筒状(ベルト状)にした場合の強度、耐熱性、柔軟性に優れる等の利点があるからである。一方、バインダーポリマーとしては、ポリアミドイミド樹脂、変性ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、これら樹脂に前記ポリシロキサン化合物をブレンドしたもの等を好適に用いることができる。前記基層用ポリマーとの親和性、後述する炭素系材料よりなる担体との親和性、耐熱性に優れる等の利点があるからである。
前記めっき積層体において、無電解金属めっき層は、単体又は後述する第2の金属めっき層とともに、電磁誘導加熱によって発熱する発熱層として機能させることが可能な層である。また、後述する第2の金属めっき層を積層する際の電極として機能させることも可能な層である。無電解金属めっき層は、めっき下地層上に積層されている。具体的には、無電解金属めっき層は、めっき下地層の外周面に沿って形成することができる。
無電解金属めっき層を形成する金属としては、例えば、Cu、Ni、Ag、Pd、Sn、Au及びこれらの合金等が挙げられ、前記した触媒金属(とりわけPd)に対する触媒活性、めっき下地層との密着性に優れる等の利点があるため、Ni及びNi合金が特に好ましい。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
無電解金属めっき層の厚みは、めっき下地層との密着性を確実なものとする、後述する第2の金属めっき層を電解金属めっきにより形成する際に電極として機能させやすい等の観点から、0.1μm以上が好ましく、0.2μm以上がより好ましい。また、無電解金属めっき層の厚みは、後述する第2の金属めっき層を積層する場合には、めっき積層体の変形時における割れ抑制、層形成時間の短縮等の観点から、2μm以下が好ましく、1μm以下がより好ましい。また、無電解金属めっき層の厚みは、後述する第2の金属めっき層を積層しない場合は、30μm以下が好ましく、25μm以下がより好ましい。
前記めっき積層体において、無電解金属めっき層の上に、さらに、電解金属めっき又は無電解金属めっきより形成された第2の金属めっき層が積層されていてもよい。この第2の金属めっき層は、主に、電磁誘導加熱によって発熱する発熱層として機能させることが可能な層である。第2の金属めっき層を形成する金属としては、例えば、Cu、Ni、Ag、Au、Sn、Zn及びこれらの合金等が挙げられ、電磁誘導加熱による昇温性、めっき積層体の柔軟性向上、経済性に優れる等の利点があるため、Cu及びCu合金が特に好ましい。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
第2の金属めっき層を有する場合には、無電解金属めっき層を形成する金属と異なる金属種を選択したり、無電解金属めっき層と異なる厚みを選択したりしやすくなる。そのため、めっき積層体における金属めっき層の構成の自由度が向上する。それ故、例えば、無電解金属めっき層よりも低電気抵抗な金属を選択すること等により、電磁誘導加熱により発熱させやすくなる等の利点がある。また、無電解金属めっき層の厚みよりも第2の金属めっき層の厚みを厚く形成すること等により、電磁誘導加熱により発熱させやすくなる等の利点がある。なお、無電解金属めっき層と第2の金属めっき層との間は、めっき層同士の密着になるので、良好な密着性を確保することができる。そのため、基層と無電解金属めっき層との密着性が確保されておれば、基層から第2の金属めっき層が剥離することはほとんどない。
第2の金属めっき層は、無電解金属めっき層上に積層されている。具体的には、第2の金属めっき層は、無電解金属めっき層の外周面に沿って形成することができる。第2の金属めっき層は、1層又は2層以上から構成することができる。第2の金属めっき層が複数層から構成されている場合、各層は、電解金属めっき、無電解金属めっきのいずれから形成されていてもよい。また、各層は、同じ金属から形成されていてもよいし、異なる金属から形成されていてもよい。また、各層の厚みも適宜配分することができる。
第2の金属めっき層の厚みは、前記発熱層としての機能を確保しやすくする等の観点から、3μm以上が好ましく、5μm以上がより好ましい。また、第2の金属めっき層の厚みは、柔軟性、短時間での発熱性、層形成時間の短縮等の観点から、30μm以下が好ましく、20μm以下がより好ましい。
前記めっき積層体は、その用途が特に限定されるものではなく、種々の被加熱体を加熱するために用いることができる。前記めっき積層体は、例えば、電子写真方式の画像形成装置における定着部材として用いることができる。この際、前記無電解金属めっき層又は金属めっき層は、電磁誘導加熱によって発熱する発熱層とすることができる。この場合には、発熱層の密着性に優れ、剥離等が生じ難いため、めっき積層体の耐久性に優れる。そのため、加圧ロール等と圧接させた状態で使用した場合でも、長期にわたって良好な画像を形成することができる。前記画像形成装置としては、例えば、電子写真方式を採用する複写機、プリンター、ファクシミリ、複合機、POD(Print On Demand)装置等が挙げられる。
本発明のめっき積層体の製造方法は、例えば、基層用ポリマーより形成された基層表面に、バインダーポリマーと触媒担持担体とを含むめっき下地層形成用材料を層状に塗工する工程と、形成された塗工層表面のバインダーポリマーを除去し、触媒担持担体を露出させてめっき下地層を形成する工程と、形成されためっき下地層表面に無電解金属めっきを施し、無電解金属めっき層を形成する工程とを有することができる。さらに、必要に応じて、無電解金属めっき層上に電解金属めっき又は無電解金属めっきを施し、第2の金属めっき層を形成する工程を追加することができる。前記製造方法によれば、上記構成のめっき積層体を得ることができる。さらに、その製造時に煩雑なめっき前処理工程を行う必要がない。そのため、製造ラインの小型化に寄与することが可能となり、製造性にも優れている。
前記めっき積層体の製造方法について、より具体的に説明する。基層が筒状である場合、基層形成用材料(塗料)を、円筒状又は円柱状の金型の外周面に塗工し、乾燥させる。必要に応じて、熱処理することができる。塗工方法としては、例えば、ディップコート法、ディスペンサーコート法(ノズルコート法)、ロールコート法、リングコート法等が挙げられる。一方、基層がロール状である場合、基層形成用材料(混練物)を、ロール成形金型内に注入して熱処理する。あるいは、基層形成用材料(混練物)を押出成形することもできる。このように、基層の形状等を考慮し、基層用ポリマーより形成された基層を準備する。
次に、バインダーポリマーと触媒担持担体とを含む無電解めっき下地剤(塗料)を、基層の外周面に塗工し、乾燥させる。必要に応じて熱処理することができる。無電解めっき下地剤は、上述した製造方法で製造することができる。前記基層への塗工方法には、上述した方法を適用することができる。具体的には、層形成が容易である等の観点から、塗工方法としてディップコート法を選択することができる。
次いで、形成された塗工層表面におけるバインダーポリマーを除去し、触媒担持担体を露出させる。これによりめっき下地層を形成することができる。バインダーポリマーの除去は、バインダーポリマーを各種溶媒により溶解させることが可能である場合には、適当な溶媒を用いてバインダーポリマーを選択的に溶解させる(エッチングする)ことにより行うことができる。他にも、ブラスト処理、研磨処理等の除去手段を用いることも可能である。
めっき下地層を形成した後は、めっき下地層上に、従来公知の方法を用いて無電解金属めっきを施すことにより、無電解金属めっき層を形成することができる。例えば、市販品の無電解めっき液を用いて形成できる。さらに、必要に応じて、無電解金属めっき層上に、従来公知の方法を用いて電解金属めっきを施すことにより、第2の金属めっき層を形成することができる。例えば、市販品の電解めっき液を用いて形成できる。あるいは、無電解金属めっき層上に、従来公知の方法を用いて無電解金属めっきを施すことにより、第2の金属めっき層を形成することができる。さらに、前記めっき積層体の製造方法は、必要に応じて、無電解金属めっき層表面、あるいは、第2の金属めっき層表面に、ゴム弾性層を形成する工程を追加することができる。また、必要に応じて、ゴム弾性層表面に、表層を形成する工程を追加することもできる。
前記バインダーポリマーとして、例えば、N−メトキシメチル化ナイロン樹脂等の水溶性を有するものを用いた場合には、無電解金属めっきを施したときに、無電解金属めっき液の含浸性に優れる。そのため、前記バインダーポリマーの除去を省略することが可能となる。この場合、めっき下地層は、バインダーポリマー中に触媒担持担体が分散されてなり、かつ、無電解金属めっき層側に、無電解金属めっき液の含浸により析出した無電解金属めっきを含む含浸層を有している。そのため、この含浸層中に含まれる無電解金属めっきと含浸層の外側にある無電解金属めっき層とが結合している。また、含浸層中の無電解金属めっきによるアンカー効果等も期待される。その結果、基層と無電解金属めっき層との密着性を向上させることができる。
本発明は、本発明の効果を奏する限り、本発明の技術的範囲内において、上記の構成を種々組み合わせた態様を含む。
次に、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではなく、多くの変形が本発明の技術的思想内で当分野において通常の知識を有する者により可能である。
[実施例1]
[触媒金属含有原料溶液の作製]
まず、塩化パラジウム溶液を作製した。塩化パラジウム(PdCl2)(粉末)1.68gを3.65wt%(1mol/L)の塩酸水溶液20mLと純水500mLとの混合液に溶解した後、1Lになるように純水でメスアップして、塩化パラジウム溶液を得た。これを、1g/Lのパラジウム原料溶液(1g/L−Pd原料)として使用した。
[触媒金属含有原料溶液の作製]
まず、塩化パラジウム溶液を作製した。塩化パラジウム(PdCl2)(粉末)1.68gを3.65wt%(1mol/L)の塩酸水溶液20mLと純水500mLとの混合液に溶解した後、1Lになるように純水でメスアップして、塩化パラジウム溶液を得た。これを、1g/Lのパラジウム原料溶液(1g/L−Pd原料)として使用した。
[還元剤溶液の作製]
還元剤としては、クエン酸ナトリウム(クエン酸三ナトリウム)とタンニン酸を用いた。具体的には、クエン酸ナトリウムを純水で10wt%に希釈したクエン酸ナトリウム溶液と、タンニン酸を純水で1.43wt%に希釈したタンニン酸溶液とを用いた。反応促進剤として、炭酸カリウムを用いた。具体的には、炭酸カリウムを純水で13.82wt%(1mol/L)に希釈した炭酸カリウム溶液を用いた。
還元剤としては、クエン酸ナトリウム(クエン酸三ナトリウム)とタンニン酸を用いた。具体的には、クエン酸ナトリウムを純水で10wt%に希釈したクエン酸ナトリウム溶液と、タンニン酸を純水で1.43wt%に希釈したタンニン酸溶液とを用いた。反応促進剤として、炭酸カリウムを用いた。具体的には、炭酸カリウムを純水で13.82wt%(1mol/L)に希釈した炭酸カリウム溶液を用いた。
[工程(A)]
1Lの丸底フラスコに1g/Lのパラジウム原料溶液200gと純水731.61gとを混合した。このとき、3.65wt%(1mol/L)塩酸溶液を少量添加して、pHが2.3になるように調整した。これを1時間煮沸還流した。ここに前記クエン酸ナトリウム溶液15g、前記タンニン酸溶液35g、前記炭酸カリウム溶液1.25gを混合して投入した。これらの溶液を投入して10分間煮沸還流した後、フラスコを氷水中に入れ、室温まで冷却した。その後、不純物を除去するためにイオン交換樹脂(アンバーライトMB−1(オルガノ株式会社製)70gでイオン交換することで、Pdコロイド粒子のコロイド溶液(以下、「Pdコロイド溶液」と称する)(X1)を調製した。得られたPdコロイド粒子について、透過型顕微鏡で観察したPdコロイド粒子100個の粒度分布を求めて、その体積累積50%の位置を平均粒径(D50)とした。本実施例のPdコロイド粒子の平均粒径は、10nmであった。
1Lの丸底フラスコに1g/Lのパラジウム原料溶液200gと純水731.61gとを混合した。このとき、3.65wt%(1mol/L)塩酸溶液を少量添加して、pHが2.3になるように調整した。これを1時間煮沸還流した。ここに前記クエン酸ナトリウム溶液15g、前記タンニン酸溶液35g、前記炭酸カリウム溶液1.25gを混合して投入した。これらの溶液を投入して10分間煮沸還流した後、フラスコを氷水中に入れ、室温まで冷却した。その後、不純物を除去するためにイオン交換樹脂(アンバーライトMB−1(オルガノ株式会社製)70gでイオン交換することで、Pdコロイド粒子のコロイド溶液(以下、「Pdコロイド溶液」と称する)(X1)を調製した。得られたPdコロイド粒子について、透過型顕微鏡で観察したPdコロイド粒子100個の粒度分布を求めて、その体積累積50%の位置を平均粒径(D50)とした。本実施例のPdコロイド粒子の平均粒径は、10nmであった。
[工程(B)]
次に、前記Pdコロイド溶液(X1)に、担体のカーボンブラック(商品名:サーマックス(Thermax)N990、平均粒径:280nm、キャンカーブ(cancarb)社製)を加えた後、45kHzの超音波を90分照射して、Pd微粒子とカーボンブラックの分散液を得た。続いて、前記分散液をエバポレータで脱水乾燥したのち、メノウ乳鉢で粉砕し、Pd微粒子担持カーボンブラックを得た。
[工程(C)]
さらに、前記Pd担持カーボンブラック2.7gに前記ポリアミドイミド樹脂ワニス2.4g及びN−メチル−2−ピロリドン34.9gを加え、よく撹拌し、Pd担持カーボン分散ポリアミドイミド液(無電解めっき下地剤)(Y1)を得た。
次に、前記Pdコロイド溶液(X1)に、担体のカーボンブラック(商品名:サーマックス(Thermax)N990、平均粒径:280nm、キャンカーブ(cancarb)社製)を加えた後、45kHzの超音波を90分照射して、Pd微粒子とカーボンブラックの分散液を得た。続いて、前記分散液をエバポレータで脱水乾燥したのち、メノウ乳鉢で粉砕し、Pd微粒子担持カーボンブラックを得た。
[工程(C)]
さらに、前記Pd担持カーボンブラック2.7gに前記ポリアミドイミド樹脂ワニス2.4g及びN−メチル−2−ピロリドン34.9gを加え、よく撹拌し、Pd担持カーボン分散ポリアミドイミド液(無電解めっき下地剤)(Y1)を得た。
次に、以下のようにして、めっき基層形成アルミ板を得た。めっき基材として、幅25mm、長さ100mmに裁断した厚さ1mmのアルミ板を用意し、これをポリアミドイミド樹脂ワニス(商品名:HPC-5012、日立化成(株)製)に浸漬した後、一定速度で引き上げる方法により該アルミ板に前記ポリアミドイミド樹脂ワニスを塗布した。次いで、該アルミ板を200℃で乾燥させ、めっき基層を形成し、めっき基層形成アルミ板を得た。
前記Pd担持カーボン分散ポリアミドイミド液に、めっき基層形成アルミ板を浸漬した後、一定速度で引き上げる方法により該アルミ板に前記Pd担持カーボン分散ポリアミドイミド液を塗布した。次いで、該アルミ板を200℃で乾燥させ、めっき下地層を形成した。形成しためっき下地層を40℃の200g/LのNaOH水溶液に10分間浸漬させることでエッチングし、純水で10分間水洗した。続いて、80℃で乾燥させ、Pd担持カーボンが析出しためっき下地層を形成したアルミ板を得た。
ニッケルめっきは、無電解めっき液(商品名:トップピエナ650ニッケル、奥野製薬工業(株)製)を用い、前記めっき下地層を形成したアルミ板を60分浸漬させ、ニッケルめっきを析出させた。ニッケルめっきの析出の度合いを目視で確認し、下記評価基準で評価した。結果を下記表1に示す。
<めっき性評価基準>
A:めっきの析出面積が全体の80%以上
B:めっきの析出面積が全体の50%以上80%未満
C:めっきの析出面積が全体の30%以上50%未満
D:めっきの析出面積が30%未満
<めっき性評価基準>
A:めっきの析出面積が全体の80%以上
B:めっきの析出面積が全体の50%以上80%未満
C:めっきの析出面積が全体の30%以上50%未満
D:めっきの析出面積が30%未満
[実施例2]
Pdコロイド溶液調製時において、パラジウム原料溶液と混合する純水量を744.94gとし(溶液のpH2.3)、Pd還元時のクエン酸ナトリウム溶液の使用量を10gとした以外は、実施例1と同じ製法でPdコロイド溶液(X2)を調製した。
Pdコロイド粒子の平均粒径を実施例1と同様の方法で求めたところ、本実施例におけるPdコロイド粒子の平均粒径は、20nmであった。
実施例1のPdコロイド溶液(X1)に代えて、前記Pdコロイド溶液(X2)を用いた以外は実施例1と同じ方法で、Pd担持カーボン分散ポリアミドイミド液(Y2)を得て、該ポリアミドイミド液を用いて、めっき下地層を形成した後、ニッケルめっきを析出させた。得られたニッケルめっきについて、実施例1と同じ評価方法・基準で析出の度合いを評価した。結果を下記表1に示す。
Pdコロイド溶液調製時において、パラジウム原料溶液と混合する純水量を744.94gとし(溶液のpH2.3)、Pd還元時のクエン酸ナトリウム溶液の使用量を10gとした以外は、実施例1と同じ製法でPdコロイド溶液(X2)を調製した。
Pdコロイド粒子の平均粒径を実施例1と同様の方法で求めたところ、本実施例におけるPdコロイド粒子の平均粒径は、20nmであった。
実施例1のPdコロイド溶液(X1)に代えて、前記Pdコロイド溶液(X2)を用いた以外は実施例1と同じ方法で、Pd担持カーボン分散ポリアミドイミド液(Y2)を得て、該ポリアミドイミド液を用いて、めっき下地層を形成した後、ニッケルめっきを析出させた。得られたニッケルめっきについて、実施例1と同じ評価方法・基準で析出の度合いを評価した。結果を下記表1に示す。
[実施例3]
Pdコロイド溶液調製時において、パラジウム原料溶液と混合する純水量を751.75gとし(溶液のpH2.3)、Pd還元時のクエン酸ナトリウム溶液の使用量を5gとした以外は、実施例1と同じ製法でPdコロイド溶液(X3)を調製した。
Pdコロイド粒子の平均粒径を実施例1と同様の方法で求めたところ、本実施例におけるPdコロイド粒子の平均粒径は、35nmであった。
実施例1のPdコロイド溶液(X1)に代えて、前記Pdコロイド溶液(X3)を用いた以外は実施例1と同じ方法で、Pd担持カーボン分散ポリアミドイミド液(Y3)を得て、該ポリアミドイミド液を用いて、めっき下地層を形成した後、ニッケルめっきを析出させた。得られたニッケルめっきについて、実施例1と同じ評価方法・基準で析出の度合いを評価した。結果を下記表1に示す。
Pdコロイド溶液調製時において、パラジウム原料溶液と混合する純水量を751.75gとし(溶液のpH2.3)、Pd還元時のクエン酸ナトリウム溶液の使用量を5gとした以外は、実施例1と同じ製法でPdコロイド溶液(X3)を調製した。
Pdコロイド粒子の平均粒径を実施例1と同様の方法で求めたところ、本実施例におけるPdコロイド粒子の平均粒径は、35nmであった。
実施例1のPdコロイド溶液(X1)に代えて、前記Pdコロイド溶液(X3)を用いた以外は実施例1と同じ方法で、Pd担持カーボン分散ポリアミドイミド液(Y3)を得て、該ポリアミドイミド液を用いて、めっき下地層を形成した後、ニッケルめっきを析出させた。得られたニッケルめっきについて、実施例1と同じ評価方法・基準で析出の度合いを評価した。結果を下記表1に示す。
[実施例4]
Pdコロイド溶液調製時において、パラジウム原料溶液と混合する純水量を733.25gとし(溶液のpH2.3)、Pd還元時の還元剤として、クエン酸ナトリウムに代えて2wt%没食子酸溶液を50g使用し、反応促進剤としての炭酸カリウム溶液を1.0g使用した以外は、実施例1と同じ製法でPdコロイド溶液(X4)を調製した。
Pdコロイド粒子の平均粒径を実施例1と同様の方法で求めたところ、本実施例におけるPdコロイド粒子の平均粒径は、10nmであった。
実施例1のPdコロイド溶液(X1)に代えて、前記Pdコロイド溶液(X4)を用いた以外は実施例1と同じ方法で、Pd担持カーボン分散ポリアミドイミド液(Y4)を得て、該ポリアミドイミド液を用いて、めっき下地層を形成した後、ニッケルめっきを析出させた。得られたニッケルめっきについて、実施例1と同じ評価方法・基準で析出の度合いを評価した。結果を下記表1に示す。
Pdコロイド溶液調製時において、パラジウム原料溶液と混合する純水量を733.25gとし(溶液のpH2.3)、Pd還元時の還元剤として、クエン酸ナトリウムに代えて2wt%没食子酸溶液を50g使用し、反応促進剤としての炭酸カリウム溶液を1.0g使用した以外は、実施例1と同じ製法でPdコロイド溶液(X4)を調製した。
Pdコロイド粒子の平均粒径を実施例1と同様の方法で求めたところ、本実施例におけるPdコロイド粒子の平均粒径は、10nmであった。
実施例1のPdコロイド溶液(X1)に代えて、前記Pdコロイド溶液(X4)を用いた以外は実施例1と同じ方法で、Pd担持カーボン分散ポリアミドイミド液(Y4)を得て、該ポリアミドイミド液を用いて、めっき下地層を形成した後、ニッケルめっきを析出させた。得られたニッケルめっきについて、実施例1と同じ評価方法・基準で析出の度合いを評価した。結果を下記表1に示す。
[実施例5]
実施例1のPd微粒子担持カーボンブラックに、真空状態で200℃、12時間の加熱処理を実施し、シンタリング(焼結)によりPdの粒径を大きくした以外は、実施例1と同じ製法でPdコロイド溶液(X5)を調製した。
Pdコロイド粒子の平均粒径を実施例1と同様の方法で求めたところ、本実施例におけるPdコロイド粒子の平均粒径は、35nmであった。
実施例1のPdコロイド溶液(X1)に代えて、前記Pdコロイド溶液(X5)を用いた以外は実施例1と同じ方法で、Pd担持カーボン分散ポリアミドイミド液(Y5)を得て、該ポリアミドイミド液を用いて、めっき下地層を形成した後、ニッケルめっきを析出させた。得られたニッケルめっきについて、実施例1と同じ評価方法・基準で析出の度合いを評価した。結果を下記表1に示す。
実施例1のPd微粒子担持カーボンブラックに、真空状態で200℃、12時間の加熱処理を実施し、シンタリング(焼結)によりPdの粒径を大きくした以外は、実施例1と同じ製法でPdコロイド溶液(X5)を調製した。
Pdコロイド粒子の平均粒径を実施例1と同様の方法で求めたところ、本実施例におけるPdコロイド粒子の平均粒径は、35nmであった。
実施例1のPdコロイド溶液(X1)に代えて、前記Pdコロイド溶液(X5)を用いた以外は実施例1と同じ方法で、Pd担持カーボン分散ポリアミドイミド液(Y5)を得て、該ポリアミドイミド液を用いて、めっき下地層を形成した後、ニッケルめっきを析出させた。得られたニッケルめっきについて、実施例1と同じ評価方法・基準で析出の度合いを評価した。結果を下記表1に示す。
[比較例1]
担体として、炭素系材料であるカーボンブラック(商品名:サーマックス(Thermax)N990、キャンカーブ(cancarb)社製)30gを準備した。このカーボンブラックを、60質量%の硝酸水溶液に50℃で10分間浸漬させた。これにより、カーボンブラック表面をエッチング処理した。次いで、これをろ過、水洗した後、アミノカルボン酸系界面活性剤[奥野製薬工業(株)製、「コンディライザーSP」]に50℃で10分間浸漬させた。これにより、カーボンブラック表面の表面調整を行った。次いで、これをろ過、水洗した後、Pd−Sn錯体コロイド溶液[奥野製薬工業(株)製、「OPC−80キャタリスト」]に25℃で10分間浸漬させた。これにより、カーボンブラック表面にPd−Sn錯体を吸着させた。次いで、これをろ過、水洗した後、10質量%の塩酸水溶液に25℃で10分間浸漬させた。これにより、カーボンブラック表面に金属Pdを生成させた。次いで、これをろ過、水洗、乾燥することにより、粉末状のPd担持カーボンを得た。Pd粒子の平均粒径は、実施例1と同様の方法で求めた。本比較例のPdコロイド粒子の平均粒径は、45nmであった。
担体として、炭素系材料であるカーボンブラック(商品名:サーマックス(Thermax)N990、キャンカーブ(cancarb)社製)30gを準備した。このカーボンブラックを、60質量%の硝酸水溶液に50℃で10分間浸漬させた。これにより、カーボンブラック表面をエッチング処理した。次いで、これをろ過、水洗した後、アミノカルボン酸系界面活性剤[奥野製薬工業(株)製、「コンディライザーSP」]に50℃で10分間浸漬させた。これにより、カーボンブラック表面の表面調整を行った。次いで、これをろ過、水洗した後、Pd−Sn錯体コロイド溶液[奥野製薬工業(株)製、「OPC−80キャタリスト」]に25℃で10分間浸漬させた。これにより、カーボンブラック表面にPd−Sn錯体を吸着させた。次いで、これをろ過、水洗した後、10質量%の塩酸水溶液に25℃で10分間浸漬させた。これにより、カーボンブラック表面に金属Pdを生成させた。次いで、これをろ過、水洗、乾燥することにより、粉末状のPd担持カーボンを得た。Pd粒子の平均粒径は、実施例1と同様の方法で求めた。本比較例のPdコロイド粒子の平均粒径は、45nmであった。
次に、実施例1と同様に、アルミ板にポリアミドイミドによるめっき基層を形成した。また、実施例1のPd担持カーボンブラックに代えて、前記粉末状のPd担持カーボンを用いて工程(C)を行った以外は、実施例1と同じ方法でPd担持カーボン分散ポリアミドイミド液を得た。
さらに、実施例1のPd担持カーボン分散ポリアミドイミド液(Y1)に代えて、前記Pd担持カーボン分散ポリアミドイミド液(Y6)を用いた以外は、実施例1と同じ方法で、めっき下地層を形成した後、ニッケルめっきを析出させた。得られたニッケルめっきについて、実施例1と同じ評価方法・基準で析出の度合いを評価した。結果を下記表1に示す。
さらに、実施例1のPd担持カーボン分散ポリアミドイミド液(Y1)に代えて、前記Pd担持カーボン分散ポリアミドイミド液(Y6)を用いた以外は、実施例1と同じ方法で、めっき下地層を形成した後、ニッケルめっきを析出させた。得られたニッケルめっきについて、実施例1と同じ評価方法・基準で析出の度合いを評価した。結果を下記表1に示す。
上記結果から、本発明の無電解めっき下地剤は、めっき性に優れ、密着性に優れることが確認できた。
本発明の無電解めっき下地剤は、密着性に優れ、密着不良を起こしにくい。また、本発明の無電解めっき下地剤を用いためっき積層体は、担体の凝集や洗浄不足によって残存するSn4+が存在せず、残存するSn4+に起因する密着不良を起こしにくいため、耐久性にも優れ、定期的な交換を前提としない加熱部材等に使用する場合に特に有用である。
1 基層
2 めっき下地層
21 バインダーポリマー
22 触媒担持担体
221 担体
222 触媒金属
3 無電解金属めっき層
4 めっき積層体
2 めっき下地層
21 バインダーポリマー
22 触媒担持担体
221 担体
222 触媒金属
3 無電解金属めっき層
4 めっき積層体
Claims (12)
- バインダーポリマーと、触媒担持担体とを含み、前記担体表面に担持された前記触媒金属微粒子がパラジウム微粒子を含み、前記パラジウム微粒子の平均粒径(D50)が10nm以上43nm以下であることを特徴とする無電解めっき下地剤。
- 前記触媒担持担体が、バインダーポリマー中に分散されてなることを特徴とすることを特徴とする請求項1記載の無電解めっき下地剤。
- 前記パラジウム微粒子の平均粒径(D50)が、20nm以上40nm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の無電解めっき下地剤。
- 前記触媒担持担体は、炭素系材料、金属酸化物、及びシリカからなる群から選択される1種以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の無電解めっき下地剤。
- 基層用ポリマーより形成された基層と、請求項1〜4のいずれか1項に記載の無電解めっき下地剤から構成され、前記基層上に積層された無電解めっき下地層と、前記めっき下地層上に積層され、無電解金属めっきにより形成された無電解金属めっき層とを備え、前記無電解金属めっき層側の表面に、担体表面に触媒金属を担持する触媒担持担体が露出した部分を有することを特徴とするめっき積層体。
- 前記無電解金属めっき層上に、さらに、電解金属めっき又は無電解金属めっきより形成された第2の金属めっき層が積層されていることを特徴とする請求項5記載のめっき積層体。
- 前記無電解金属めっき層を形成する金属は、Cu、Ni、Ag、及びこれらの合金から選択される1種又は2種以上であることを特徴とする請求項5又は6に記載のめっき積層体。
- 触媒金属含有原料溶液を還元剤で還元し、触媒金属微粒子含有溶液を得る工程(A)、
前記工程で得られた触媒金属微粒子含有溶液と、担体とを接触させて、表面に触媒金属微粒子を担持する触媒担持担体を得る工程(B)、及び、
前記工程で得られた触媒担持担体と、バインダーポリマーとを混合する工程(C)を有し、
前記担体に担持された触媒金属微粒子がパラジウム微粒子を含み、前記パラジウム微粒子の平均粒径(D50)が10nm以上43nm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載された無電解めっき下地剤の製造方法。 - 前記触媒金属含有原料溶液のpHが、1.0〜4.5であることを特徴とする請求項8記載の無電解めっき下地剤の製造方法。
- 前記還元において、さらに反応促進剤を用いることを特徴とする請求項8又は9に記載の無電解めっき下地剤の製造方法。
- 前記工程(B)において、さらに分散処理を行うことを特徴とする請求項8〜10のいずれか1項に記載の無電解めっき下地剤の製造方法。
- 前記パラジウム微粒子の平均粒径(D50)が、20nm以上40nm以下であることを特徴とする請求項8〜11のいずれか1項に記載の無電解めっき下地剤の製造方法。
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