JP2017210533A - 半導電性樹脂組成物及びこれを用いた電力ケーブル - Google Patents

半導電性樹脂組成物及びこれを用いた電力ケーブル Download PDF

Info

Publication number
JP2017210533A
JP2017210533A JP2016103800A JP2016103800A JP2017210533A JP 2017210533 A JP2017210533 A JP 2017210533A JP 2016103800 A JP2016103800 A JP 2016103800A JP 2016103800 A JP2016103800 A JP 2016103800A JP 2017210533 A JP2017210533 A JP 2017210533A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
semiconductive
resin composition
mass
parts
carbon
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016103800A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6445485B2 (ja
Inventor
翔子 森川
Shoko Morikawa
翔子 森川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujikura Ltd
Original Assignee
Fujikura Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujikura Ltd filed Critical Fujikura Ltd
Priority to JP2016103800A priority Critical patent/JP6445485B2/ja
Publication of JP2017210533A publication Critical patent/JP2017210533A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6445485B2 publication Critical patent/JP6445485B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Conductive Materials (AREA)

Abstract

【課題】十分に低い抵抗を有し且つ優れた耐熱老化性を有する半導電性樹脂組成物及びこれを用いた電力ケーブルを提供すること。【解決手段】エチレン酢酸ビニル共重合体のみからなるベース樹脂と、カーボンとを含む半導電性樹脂組成物であって、ベース樹脂100質量部に対してカーボンが35質量部以上の割合で配合され、ベース樹脂のゲル分率が17%以上である、半導電性樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、半導電性樹脂組成物及びこれを用いた電力ケーブルに関する。
高電圧の電力ケーブルは、導体の表面を絶縁層で被覆することで外部と電気的に絶縁しており、この絶縁層についても表面に半導電層を設けて表面電位を滑らかにし、放電を防止するようにしている。このため、半導電層の体積抵抗率は低い方が好ましい。一般に、半導電層にはカーボンが配合されており、このカーボンは連鎖を作ることによって半導電層に導電性を発現させる。そのため、半導電層にカーボンを大量に配合することで、多数のカーボンを連鎖状にし、その結果、半導電層において十分に低い抵抗を実現させてきた。なお、本明細書において、「半導電」とは、体積抵抗率が1×10〜1×10[Ω・cm]の範囲内にあることを言う。
このような半導電層に用いられる樹脂組成物として、例えば下記特許文献1に記載の半導電性樹脂組成物が知られている。下記特許文献1には、エチレン酢酸ビニル共重合体などのエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体を30〜80質量%含むオレフィン系ポリマー100質量部に対して、導電性カーボンブラックを40〜90質量部の割合で配合し、オレフィン系ポリマーを架橋させた半導電性樹脂組成物が開示されている。
特開2011−46891号公報(請求項1および段落0046)
しかし、上記特許文献1に記載の半導電性樹脂組成物は以下に示す課題を有していた。
すなわち、上記特許文献1に記載の半導電性樹脂組成物は、十分に低い抵抗を有するものの、耐熱老化性の点で改善の余地を有していた。
このため、十分に低い抵抗を有し且つ優れた耐熱老化性を有する半導電性樹脂組成物が求められていた。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、十分に低い抵抗を有し且つ優れた耐熱老化性を有する半導電性樹脂組成物及びこれを用いた電力ケーブルを提供することを目的とする。
本発明者は上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた。その結果、本発明者は、ベース樹脂とカーボンとを含む半導電性樹脂組成物において、ベース樹脂をエチレン酢酸ビニル共重合体のみで構成し、ベース樹脂100質量部に対するカーボンの配合量を特定の範囲とし、ベース樹脂のゲル分率を特定の値以上とすることで、上記課題を解決し得ることを見出した。
すなわち本発明は、エチレン酢酸ビニル共重合体のみからなるベース樹脂と、カーボンとを含む半導電性樹脂組成物であって、前記カーボンが前記ベース樹脂100質量部に対して35質量部以上の割合で配合され、前記ベース樹脂のゲル分率が17%以上である、半導電性樹脂組成物である。
本発明の半導電性樹脂組成物によれば、十分に低い抵抗を有し且つ優れた耐熱老化性を有することが可能となる。
上記半導電性樹脂組成物は老化防止剤を更に含み、前記カーボンが前記ベース樹脂100質量部に対して55質量部以上の割合で配合され、前記老化防止剤が前記ベース樹脂100質量部に対して1.5質量部以下の割合で配合されることが好ましい。
この場合、半導電性樹脂組成物の抵抗をより十分に低下させることができる。
上記半導電性樹脂組成物においては、前記カーボンが前記ベース樹脂100質量部に対して65質量部以下の割合で配合され、前記老化防止剤がレスヒンダードフェノール系老化防止剤で構成されることが好ましい。
この場合、半導電性樹脂組成物の抵抗を十分に低下させながら半導電性樹脂組成物の柔軟性をより向上させることができる。
上記半導電性樹脂組成物においては、前記カーボンがファーネスブラックで構成されることが好ましい。
この場合、導体と、導体を包囲するように設けられる絶縁層と、絶縁層を包囲するように設けられる半導電層とを有する電力ケーブルにおいて半導電層として半導電性樹脂組成物を用いた場合に、カーボンがファーネスブラック以外のカーボンで構成される場合に比べて、電力ケーブルの芯出し時に半導電層を絶縁層から容易に剥離することが可能となる。
また本発明は、導体と、前記導体を包囲するように設けられる絶縁層と、前記絶縁層を包囲するように設けられる半導電層とを有し、前記半導電層が上記半導電性樹脂組成物で構成される電力ケーブルである。
この電力ケーブルによれば、半導電層が、十分に低い抵抗を有する半導電性樹脂組成物で構成されるため、半導電層の表面の電位が均一化され、電力ケーブルの放電を抑制することが可能となる。
本発明によれば、十分に低い抵抗を有し且つ優れた耐熱老化性を有する半導電性樹脂組成物及びこれを用いた電力ケーブルが提供される。
本発明の電力ケーブルの一実施形態を示す部分側面図である。 図1のII−II線に沿った断面図である。
以下、本発明の実施形態について図1及び図2を用いて詳細に説明する。
[電力ケーブル]
図1は、本発明に係る電力ケーブルの一実施形態を示す部分側面図である。図2は、図1のII−II線に沿った断面図である。図1及び図2に示すように、電力ケーブル10は、導体1と、導体1を包囲するように設けられる絶縁層2と、絶縁層2を包囲するように設けられる半導電層3とを備えている。
ここで、半導電層3は半導電性樹脂組成物で構成されており、この半導電性樹脂組成物は、エチレン酢酸ビニル共重合体のみからなるベース樹脂と、カーボンとを含む。半導電性樹脂組成物においては、カーボンがベース樹脂100質量部に対して35質量部以上の割合で配合され、ベース樹脂のゲル分率が17%以上となっている。
上記半導電性樹脂組成物は、十分に低い抵抗を有し且つ優れた耐熱老化性を有することが可能となる。このため、電力ケーブル10によれば、半導電層3が、十分に低い抵抗を有する半導電性樹脂組成物で構成されるため、半導電層3の表面の電位が均一化され、電力ケーブル10の放電を抑制することが可能となる。
以下、半導電層3を構成する半導電性樹脂組成物について詳細に説明する。
<ベース樹脂>
上述したようにベース樹脂は、エチレン酢酸ビニル共重合体(以下、単に「EVA」と呼ぶ)のみからなる。この場合、ベース樹脂がEVA及びEVA以外の樹脂の混合樹脂で構成される場合に比べて、ベース樹脂がカーボンを多量に配合することが容易であり、且つより優れた耐熱老化性を半導電性樹脂組成物に付与できる。
ベース樹脂においては、EVAの少なくとも一部が架橋されている。すなわち、ベース樹脂においては、EVAの全部が架橋されていてもよいし、EVAの一部のみが架橋されていてもよい。ベース樹脂において、EVAの一部のみが架橋されている場合には、ベース樹脂には未架橋のEVAが含まれる。なお、EVAを架橋させて得られる架橋体は、EVA同士が直接結合された結合体で構成される。
EVAは、エチレンと酢酸ビニルとの共重合体である。EVAにおける酢酸ビニル含量は特に限定されるものではないが、20〜46質量%であることが好ましい。この場合、酢酸ビニル含量が20質量%未満である場合に比べて、カーボンとEVAとが混合しやすくなるとともに、電力ケーブル10において絶縁層2から半導電層3を容易に剥がすことができるため、電力ケーブル10を容易に解体することが可能となる。一方、酢酸ビニル含量が20〜46質量%である場合、酢酸ビニル含量が46質量%を超える場合と比べると、EVAのみからなる原料樹脂とカーボンとを含む原料の混練物をペレット化した際に、互いがブロッキング(集塊化)しにくくなる。そのため、電力ケーブル10の半導電層3を押出成形する工程においてペレットの取扱性に優れる。
また、ベース樹脂のゲル分率は17%以上である。この場合、ベース樹脂のゲル分率が17%未満である場合と比べて、半導電性樹脂組成物がより十分に低い抵抗を有することが可能となる。但し、ベース樹脂のゲル分率は92%以下であることが好ましい。この場合、ベース樹脂のゲル分率が92%を超える場合に比べて、半導電性樹脂組成物の伸び率がより高くなる。
また、ベース樹脂のゲル分率Y(%)は、ベース樹脂100質量部に対するカーボンの配合量X(質量部)に対して下記式(1)を満たすことが好ましい。

Y≧43926X−2.391 ・・・(1)
この場合、半導電性樹脂組成物は、ベース樹脂のゲル分率が上記式(1)を満たさない半導電性樹脂組成物と比較して、より十分に低い抵抗を有することが可能となる。
<カーボン>
カーボンは、導電性を有するものであれば特に限定されるものではないが、カーボンとしては、アセチレンブラック、ファーネスブラック、サーマルブラック及びケッチェンブラックなどが挙げられる。中でも、カーボンとしては、ファーネスブラックが好ましい。この場合、電力ケーブル10の半導電層3においてカーボンがファーネスブラック以外のカーボンで構成される場合と比べて、電力ケーブル10の芯出しを行う際に、半導電層3を絶縁層2から容易に剥離することが可能となる。
カーボンは、上述したようにベース樹脂100質量部に対して35質量部以上の割合で配合される。この場合、ベース樹脂100質量部に対するカーボンの配合割合が35質量部未満である場合と比べて、半導電性樹脂組成物の抵抗をより十分に低下させることができる。
ベース樹脂100質量部に対するカーボンの配合割合は55質量部以上であることが好ましい。この場合、ベース樹脂100質量部に対するカーボンの配合割合が55質量部未満である場合に比べて、半導電性樹脂組成物の抵抗をさらに低下させることができる。但し、ベース樹脂100質量部に対するカーボンの配合割合は65質量部以下であることが好ましい。この場合、ベース樹脂100質量部に対するカーボンの配合割合が65質量部を超える場合と比べて、半導電性樹脂組成物の柔軟性をより向上させることができる傾向がある。
カーボンの平均粒径は特に限定されるものではないが、1〜30nmであることが好ましい。この場合、ベース樹脂100質量部に対して、平均粒径が上記範囲を外れるカーボンを同質量部配合した場合に比べて、半導電性樹脂組成物の抵抗をより十分に低下させることができる。
また、上記半導電性樹脂組成物は老化防止剤を更に含んでもよい。
老化防止剤は、ベース樹脂100質量部に対して2質量部以下の割合で配合されることが好ましい。この場合、老化防止剤がベース樹脂100質量部に対して2質量部を超える割合で配合される場合と比べて、半導電性樹脂組成物の架橋度を向上させることができ、抵抗をより十分に低下させることができる。
老化防止剤は、カーボンがベース樹脂100質量部に対して55質量部以上の割合で配合される場合には、ベース樹脂100質量部に対して1.5質量部以下の割合で配合されることがより好ましい。この場合、半導電性樹脂組成物の抵抗をより十分に低下させることができる。但し、老化防止剤は、ベース樹脂100質量部に対して0.1質量部以上の割合で配合されることが好ましい。この場合、老化防止剤がベース樹脂100質量部に対して0.1質量部未満の割合で配合される場合に比べて、半導電性樹脂組成物の熱老化特性をより向上させることができる。
老化防止剤は、特に限定されるものではないが、例えばヒンダードフェノール系老化防止剤、レスヒンダードフェノール系老化防止剤、セミヒンダードフェノール系老化防止剤等が挙げられる。
ヒンダードフェノール系老化防止剤としては、例えばペンタエリトリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナート]、2,2'−チオジエチルビス[3(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナート]などが挙げられる。
レスヒンダードフェノール系老化防止剤としては、例えば4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,5−ジ−tert−ブチルヒドロキノンなどが挙げられる。
セミヒンダードフェノール系老化防止剤としては、例えば2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)などが挙げられる。
中でも、カーボンがベース樹脂100質量部に対して65質量部以下の割合で配合される場合には、老化防止剤がレスヒンダードフェノール系老化防止剤で構成されることが好ましい。この場合、老化防止剤がレスヒンダードフェノール系老化防止剤以外の老化防止剤で構成される場合に比べて、半導電性樹脂組成物の抵抗を十分に低下させながら半導電性樹脂組成物の柔軟性をより向上させることができる。
上記半導電性樹脂組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲で、必要に応じて、無機充填剤、加工助剤、架橋助剤、難燃剤、紫外線吸収剤、軟化剤、可塑剤、滑剤等の添加剤を必要に応じてさらに含んでもよい。
[電力ケーブルの製造方法]
次に、上述した電力ケーブル10の製造方法について説明する。
<導体>
まず導体1を準備する。導体1は、1本の素線のみで構成されてもよく、複数本の素線を束ねて構成されたものであってもよい。また、導体1は、導体径や導体の材質などについて特に限定されるものではなく、用途に応じて適宜定めることができる。
<絶縁層>
次に、導体1を包囲するように絶縁層2を形成する。絶縁層2に用いる絶縁体は特に限定されるものではないが、このような絶縁体としては、例えばポリオレフィン系樹脂を含む絶縁性樹脂組成物等を用いることができる。
<半導電層>
次に、絶縁層2を包囲するように半導電層3を形成する。半導電層3は、例えばEVAのみからなる原料樹脂と、カーボンとを含む原料を混練し、チューブ状の混練物を押し出して絶縁層2上に連続的に被覆した後、原料樹脂を架橋させることで形成することができる。このとき、架橋は、原料樹脂を架橋して得られるベース樹脂のゲル分率が17%以上となるように行われる。
混練は、例えばバンバリーミキサー、タンブラ、加圧ニーダ、混練押出機、二軸押出機、ミキシングロール等の混練機で行うことができる。また架橋方法としては、原料中に架橋剤を添加しておき、押出後に混練物を加熱して原料樹脂を架橋させる化学架橋法や、原料中に架橋剤を添加せず、押出後に混練物に電子線を照射して原料樹脂を架橋させる電子線架橋法等を用いることができる。中でも、架橋法としては、化学架橋法を用いることが好ましい。
上記半導電性樹脂組成物の製造方法において、架橋法として化学架橋法を用いる場合には、原料に含める架橋剤は、原料樹脂を架橋させることができるものであれば特に限定されるものではないが、例えばジクミルパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイドなどが挙げられる。
また化学架橋法を用いる場合の架橋条件は、上記半導電性樹脂組成物中の原料樹脂のゲル分率が17%以上となる条件であればよい。具体的には、架橋は、140〜200℃、5〜160分という架橋条件で行えばよい。
上記半導電性樹脂組成物を製造する際には、半導電性樹脂組成物において、原料樹脂100質量部に対するカーボンの配合量を70質量部以下とすることが好ましい。この場合、原料のムーニー粘度が低下して原料の加工性がより向上し、半導電性樹脂組成物を製造しやすくなる。
以上のようにして電力ケーブル10が得られる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態ではチューブ状の混練物を絶縁層2上に連続的に被覆した後、混練物中の原料樹脂を架橋させることで半導電層3を形成しているが、テープ状に成形した半導電性樹脂組成物を絶縁層2に巻きつけることで半導電層3を形成してもよい。
上記実施形態では、半導電性樹脂組成物が電力ケーブルの半導電層に適用されているが、本発明の半導電性樹脂組成物の用途は、電力ケーブルの半導電層に限定されるものではない。例えば、本発明の半導電性樹脂組成物は、帯電防止プラスチック製品などの用途に用いることもできる。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明の内容をより具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜10及び比較例1〜4)
100℃に加熱したオイルロール(製品名「オイルロール152Φ×390L」、大竹機械工業社製)で原料樹脂を溶融させ、原料樹脂100質量部に対してカーボン、老化防止剤及び架橋助剤を、表1〜3に示す配合量(単位は質量部)で配合し、十分に混練した後、温度を90℃程度まで低下させ、架橋剤を表1〜3に示す配合量(単位は質量部)で配合して原料を得た。そして、この原料を混練して混練物を得た。
上記原料樹脂、カーボン、老化防止剤、架橋助剤及び架橋剤としては具体的には下記のものを用いた。
(1)原料樹脂
EVA1:商品名「エバフレックスEV150」、三井デュポンポリケミカル社製、酢酸ビニル含量:33%
EVA2:商品名「エバフレックスV523」、三井デュポンポリケミカル社製、酢酸ビニル含量:33%
ニトリルブタジエンゴム(NBR):商品名「Nipol DN219」、日本ゼオン社製
(2)カーボン
ファーネスブラック、商品名「トーカブラック#5500」、東海カーボン社製、平均粒径:25nm
(3)老化防止剤
老化防止剤1:レスヒンダードフェノール系老化防止剤、商品名「ノクラック300」、大内新興化学工業社製
老化防止剤2:ヒンダードフェノール系老化防止剤、商品名「イルガノックス1010」、BASF社製
(4)架橋助剤
TAIC(トリアリルイソシアヌレート)、商品名「タイク」、日本化成社製
(5)架橋剤
DCP(ジクミルパーオキサイド)、商品名「パーカドックスBC−FF」、化薬アクゾ社製
続いて、上記の混練物を、電熱プレス(製品名「VS−216」、江東工業所社製)を用いて、160℃で40分加圧しながら加熱することで原料樹脂を架橋させ、厚さ1mmの半導電性樹脂組成物からなるシートを得た。
上記のようにして得られた半導電性樹脂組成物のシートについて、JIS C3005 4.25に基づいてゲル分率を測定した。結果を表1〜3に示す。
[特性評価]
上記のようにして得られた実施例1〜10及び比較例1〜4の半導電性樹脂組成物のシートについて、以下のようにして抵抗、耐熱老化性、機械的特性及び柔軟性の評価を行った。また、実施例1〜10及び比較例1〜4の混練物については、以下のようにして加工性の評価を行った。
<抵抗>
抵抗の評価は体積抵抗率に基づいて行った。体積抵抗率は以下のようにして測定した。すなわち、上記のようにして得られた実施例1〜10及び比較例1〜4の半導電性樹脂組成物のシートを20mm×80mmの寸法に切断し、シートの両端に幅5mmずつ導電塗料で電極を形成し、90℃に設定した恒温槽において、携帯用ホイートストンブリッジ(製品名:「275597」、横河電機製作所製)を用いて体積抵抗率の測定を行った。結果を表1〜3に示す。なお、体積抵抗率の合格基準は下記の通りとした。

(合格基準)90℃における体積抵抗率が300Ω・cm以下であること

ここで、「300Ω・cm」は、半導電性樹脂組成物によって電力ケーブルの半導電層を形成した場合にこの値を超えると、6.6kVの電圧において放電のリスクが高まることを示す体積抵抗率の値である。
<耐熱老化性>
耐熱老化性の評価は、熱老化後の伸び残率に基づいて行った。熱老化後の伸び残率は以下のようにして測定した。すなわち、上記のようにして得られた実施例1〜10及び比較例1〜4の半導電性樹脂組成物のシートをJIS3号スーパーダンベル(ダンベル社製)で打ち抜き、JIS3号ダンベル試験片を作製した。このダンベル試験片について、引張試験機(製品名「STOROGRAPH−R1」、東洋精機製作所製)を用いて引張試験を行い、熱老化前の伸び率を測定した。また、このダンベル試験片を140℃に設定したオーブン(製品名「GEEROVEN」、TOYOSEIKI社製)に7日間保管したものについても、引張試験機(製品名「STOROGRAPH−R1」、東洋精機製作所製)を用いて引張試験を行い、熱老化後の伸び率を測定した。熱老化前の伸び率及び熱老化後の伸び率から下記式に基づいて伸び残率を算出した。

伸び残率(%)=100×熱老化後の伸び率/熱老化前の伸び率

結果を表1〜3に示す。表1〜3において、伸び残率の合格基準は下記の通りとした。なお、引張試験において、引張速度は200mm/minとした。

(合格基準)熱老化後の伸び残率が80%以上であること
<加工性>
加工性の評価は、ムーニー粘度に基づいて行った。ムーニー粘度は、実施例1〜10及び比較例1〜4の半導電性樹脂組成物の作製途中で得られた混練物について、ムーニー粘度計(製品名「SMV−300RT」、株式会社島津製作所製)を用いて測定した。結果を表1〜3に示す。なお、ムーニー粘度試験は、測定温度100℃でL型ロータを用いて、予熱1分、測定時間4分の条件で行った。
<機械的特性>
機械的特性の評価は、引張強度に基づいて行った。引張強度の測定は以下のようにして行った。すなわち、上記のようにして得られた実施例1〜10及び比較例1〜4の半導電性樹脂組成物のシートをJIS3号スーパーダンベル(ダンベル社製)で打ち抜き、JIS3号ダンベル試験片を作製した。この試験片について、引張試験機(製品名「STOROGRAPH−R1」、東洋精機製作所製)を用いて引張試験を行い、引張強度を測定した。結果を表1〜3に示す。なお、引張試験において、引張速度は200mm/minとした。
<柔軟性>
柔軟性の評価は、伸び率に基づいて行った。伸び率の測定は以下のようにして行った。すなわち、上記のようにして得られた実施例1〜10及び比較例1〜4の半導電性樹脂組成物のシートをJIS3号スーパーダンベル(ダンベル社製)で打ち抜き、JIS3号ダンベル試験片を作製した。この試験片について、引張試験機(製品名「STOROGRAPH−R1」、東洋精機製作所製)を用いて引張試験を行い、伸び率を測定した。結果を表1〜3に示す。なお、引張試験において、引張速度は200mm/minとした。

Figure 2017210533
Figure 2017210533
Figure 2017210533
表1〜3に示す結果より、実施例1〜10の半導電性樹脂組成物は、抵抗及び耐熱老化性について合格基準に達していた。これに対し、比較例1〜4の半導電性樹脂組成物は、抵抗又は耐熱老化性について合格基準に達していなかった。
このことから、本発明の半導電性樹脂組成物が、十分に低い抵抗を有し且つ優れた耐熱老化性を有していることが確認された。
1…導体
2…絶縁層
3…半導電層
10…電力ケーブル

Claims (5)

  1. エチレン酢酸ビニル共重合体のみからなるベース樹脂と、
    カーボンとを含む半導電性樹脂組成物であって、
    前記カーボンが前記ベース樹脂100質量部に対して35質量部以上の割合で配合され、
    前記ベース樹脂のゲル分率が17%以上である、半導電性樹脂組成物。
  2. 前記半導電性樹脂組成物が老化防止剤を更に含み、
    前記カーボンが前記ベース樹脂100質量部に対して55質量部以上の割合で配合され、
    前記老化防止剤が前記ベース樹脂100質量部に対して1.5質量部以下の割合で配合される、請求項1に記載の半導電性樹脂組成物。
  3. 前記カーボンが前記ベース樹脂100質量部に対して65質量部以下の割合で配合され、
    前記老化防止剤がレスヒンダードフェノール系老化防止剤で構成される、請求項1又は2に記載の半導電性樹脂組成物。
  4. 前記カーボンがファーネスブラックで構成される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の半導電性樹脂組成物。
  5. 導体と、
    前記導体を包囲するように設けられる絶縁層と、
    前記絶縁層を包囲するように設けられる半導電層とを有し、
    前記半導電層が請求項1〜4のいずれか一項に記載の半導電性樹脂組成物で構成される電力ケーブル。
JP2016103800A 2016-05-25 2016-05-25 半導電性樹脂組成物及びこれを用いた電力ケーブル Active JP6445485B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016103800A JP6445485B2 (ja) 2016-05-25 2016-05-25 半導電性樹脂組成物及びこれを用いた電力ケーブル

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016103800A JP6445485B2 (ja) 2016-05-25 2016-05-25 半導電性樹脂組成物及びこれを用いた電力ケーブル

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017210533A true JP2017210533A (ja) 2017-11-30
JP6445485B2 JP6445485B2 (ja) 2018-12-26

Family

ID=60475325

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016103800A Active JP6445485B2 (ja) 2016-05-25 2016-05-25 半導電性樹脂組成物及びこれを用いた電力ケーブル

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6445485B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023090504A1 (ko) * 2021-11-17 2023-05-25 엘에스전선 주식회사 스피커 케이블

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0698921A (ja) * 1992-09-18 1994-04-12 Daikyo Seiko:Kk 医薬品,医療用具品用の積層ゴム栓
JPH11329077A (ja) * 1998-05-21 1999-11-30 Yazaki Corp 半導電層用組成物及び電力ケーブル
JP2002363352A (ja) * 2001-06-01 2002-12-18 Nippon Unicar Co Ltd 架橋性半導電性樹脂組成物およびそれを用いた電力ケーブル
JP2006160801A (ja) * 2004-12-03 2006-06-22 Japan Polypropylene Corp 導電性ポリプロピレン系樹脂組成物
JP2013026048A (ja) * 2011-07-22 2013-02-04 Viscas Corp 直流電力ケーブル及び直流電力線路の製造方法
JP2015074678A (ja) * 2013-10-07 2015-04-20 株式会社ブリヂストン 柔軟電極、及びこれを用いたエレクトロデバイス
JP2016170994A (ja) * 2015-03-13 2016-09-23 日立金属株式会社 送電ケーブル

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0698921A (ja) * 1992-09-18 1994-04-12 Daikyo Seiko:Kk 医薬品,医療用具品用の積層ゴム栓
JPH11329077A (ja) * 1998-05-21 1999-11-30 Yazaki Corp 半導電層用組成物及び電力ケーブル
JP2002363352A (ja) * 2001-06-01 2002-12-18 Nippon Unicar Co Ltd 架橋性半導電性樹脂組成物およびそれを用いた電力ケーブル
JP2006160801A (ja) * 2004-12-03 2006-06-22 Japan Polypropylene Corp 導電性ポリプロピレン系樹脂組成物
JP2013026048A (ja) * 2011-07-22 2013-02-04 Viscas Corp 直流電力ケーブル及び直流電力線路の製造方法
JP2015074678A (ja) * 2013-10-07 2015-04-20 株式会社ブリヂストン 柔軟電極、及びこれを用いたエレクトロデバイス
JP2016170994A (ja) * 2015-03-13 2016-09-23 日立金属株式会社 送電ケーブル

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023090504A1 (ko) * 2021-11-17 2023-05-25 엘에스전선 주식회사 스피커 케이블

Also Published As

Publication number Publication date
JP6445485B2 (ja) 2018-12-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6523405B2 (ja) 耐熱性シラン架橋性樹脂組成物及びその製造方法、耐熱性シラン架橋樹脂成形体及びその製造方法、並びに、耐熱性シラン架橋樹脂成形体を用いた耐熱性製品
MX2008013588A (es) Composicion de poliolefina entrecruzable, que posee resistencia a la arborescencia.
KR102664628B1 (ko) 반도전성 차폐 조성물
JP5299850B2 (ja) ゴム組成物及びこれを被覆した絶縁電線
JP5533351B2 (ja) 絶縁電線
JP6445485B2 (ja) 半導電性樹脂組成物及びこれを用いた電力ケーブル
JP2011171004A (ja) 電線・ケーブル
JP2012074173A (ja) 絶縁電線
JP2016170993A (ja) 送電ケーブル
JP2012230847A (ja) 絶縁電線
JP6564258B2 (ja) 半導電性樹脂組成物およびこれを用いた電力ケーブル
JP2019059847A (ja) 半導電性樹脂組成物及びこれを用いた電力ケーブル
JP2012074182A (ja) 絶縁電線
JP5601180B2 (ja) 絶縁電線
JP6298441B2 (ja) 半導電性樹脂組成物及びこれを用いた電力ケーブル
JP2017147109A (ja) 絶縁電線およびケーブル
JP2016170994A (ja) 送電ケーブル
JP6521362B2 (ja) 送電ケーブル
JP6649815B2 (ja) ケーブル及びシース層用組成物
WO2017134731A1 (ja) 導電性熱可塑性エラストマー組成物、及び感圧スイッチ
JP6523012B2 (ja) 耐熱性シラン架橋樹脂成形体及び耐熱性シラン架橋性樹脂組成物とそれらの製造方法、シランマスターバッチ、並びに、耐熱性製品
JP2011222324A (ja) 電力ケーブル及びそれに用いる半導電性樹脂組成物
JP2012138326A (ja) 絶縁電線
JP2012248347A (ja) 絶縁電線
JP2012015066A (ja) 絶縁電線

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180320

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20180518

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180531

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20181030

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20181129

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6445485

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350