JP2017210385A - 疎水化無機ナノ粒子、及び無機ナノ粒子分散液の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
その一方、プラスチックはガラスに比べて一般に屈折率が低いため、光学部材を薄肉化するために素材自体を高屈折率化することが求められる。このため、酸化チタン、酸化ジルコニウム等の無機粒子を樹脂中に分散含有させて、高屈折率で透明性に優れた無機粒子複合化樹脂を実現することが試みられている。例えば、ZrO2は高い屈折率を有しているため、高分子と複合化することで高屈折率光学材料への応用が期待されている。
しかしながら、この方法では、混合液から水を除去する工程に問題がある。凍結乾燥で水を除去した場合には、得られた疎水化無機粒子の有機溶剤への分散性が低いという問題がある。また、混合液に非水溶性有機溶剤と両溶性有機溶剤とを混合して、主に水と両溶性有機溶剤とを共沸により除去する方法では、両溶性有機溶剤の添加混合と蒸発行程を複数回繰り返し行う処理、又は、蒸発行程を実施しつつ両溶性有機溶剤を補充する処理が必要であり、処理に時間とコストがかかるという問題がある。
[1] 下記の工程(A)、(B)からなり、
(A)の分散媒が有機溶剤を含み、(A)の表面修飾剤が有機酸であり、(A)の混合温度が30℃未満である、疎水化無機ナノ粒子の製造方法;
(A)無機ナノ粒子が分散媒中に分散した無機ナノ粒子分散液に、表面修飾剤を混合して混合液にする工程、
(B)前記混合液から溶剤を除去し、疎水化無機ナノ粒子を得る工程。
[2] 工程(A)と(B)の間に、下記の工程(C)、(D)を、1回以上4回以下行う、前記[1]の疎水化無機ナノ粒子の製造方法;
(C)前記混合液から溶剤を除去し、固形物又は液状物を得る工程、
(D)前記固形物又は液状物に再度溶剤を加え、混合液にする工程。
[4] 前記工程(A)の分散媒が有機溶剤を50質量%以上含む、前記[1]〜[3]のいずれかの疎水化無機ナノ粒子の製造方法。
[5] 前記工程(A)の分散媒の比誘電率が60以下である、前記[1]〜[4]のいずれかの疎水化無機ナノ粒子の製造方法。
[6] 前記工程(A)の無機ナノ粒子が酸化ジルコニウムである、前記[1]〜[5]のいずれかの疎水化無機ナノ粒子の製造方法。
[7] 前記[1]〜[6]のいずれかの方法により製造した疎水化無機ナノ粒子を、重合性化合物に分散させる、疎水化無機ナノ粒子分散液の製造方法。
また、このBA等の重合性化合物にジルコニア等の無機粒子がナノスケールで分散した分散液を用いて、種々の方法で重合することにより、ナノ粒子がナノレベルで複合化した樹脂が形成される。
即ち、本発明によって、ジルコニア等の無機粒子がナノレベルで複合化した樹脂を、簡便で効率的な方法で製造することが可能となる。
本発明に係る疎水化無機ナノ粒子は、有機酸で表面処理された疎水化無機ナノ粒子である。本発明における平均粒子径は、5〜500nmにある。本発明における平均粒子径は、分散媒として各種有機溶剤を使用し、固形分濃度1〜5質量%に調整し、超音波分散したものを、動的光散乱法で評価する。
本発明に係る疎水化無機ナノ粒子の製造方法は、下記の工程(A)、(B)からなり、(A)の分散媒が有機溶剤を含むこと、かつ、(A)の表面修飾剤が有機酸であること、かつ(A)の混合温度が30℃未満であることを特徴とする。
(A):無機ナノ粒子が分散媒中に分散した無機ナノ粒子分散液に、表面修飾剤を混合して混合液にする工程。
(B):前記混合液から溶剤を除去し、疎水化無機ナノ粒子を得る工程。
また、工程(A)と(B)の間に、下記の工程(C)、(D)を、1回以上4回以下行ってもよい。
(C):前記混合液から溶剤を除去し、固形物または液状物を得る工程。
(D):前記固形物又は液状物に再度溶剤を加え、混合液にする工程。
無機ナノ粒子が分散媒中に分散した無機ナノ粒子分散液に、表面修飾剤を混合して混合液にする。
本発明の無機ナノ粒子は、その平均粒径がナノスケールの範囲にあり、分散媒に分散している無機化合物である。平均粒径は30nm以下が好ましく、20nm以下がより好ましい。平均粒径が小さい程、高分子材料と複合化した際に、高い透明性を保ちやすくなる。
無機化合物の種類としては、透明性の高屈折率の無機粒子・樹脂複合体に用いることのできるZrO2(酸化ジルコニウム、ジルコニア)、TiO2(酸化チタン)、SnO2(酸化スズ)、SiO2(酸化ケイ素)等を例示することができる。なかでも、本発明においては、光学部材、光学部品としての利用の観点からジルコニアが好ましい。
これらの無機ナノ粒子は、分散媒中に分散しているものであれば、その製造法や成分、結晶構造等については特に限定されることはない。
無機ナノ粒子分散液は、有機溶剤を含むことを必須とする。無機粒子が沈殿することなくナノスケールで分散すれば、その製造法や添加剤等については特に限定されない。
これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
無機ナノ粒子分散媒中の有機溶剤の割合が高い程、分散媒の極性が低くなり、無機ナノ粒子に表面処理剤が作用しやすく、有機溶剤に対して、より分散性の高い疎水化ナノ粒子を作製することができる。
無機ナノ粒子分散液の具体例としては、酸化ジルコニウムのトルエン分散液(堺化学工業社製、製品名:SZR−T)、メタノール分散液(堺化学工業社製、製品名:SZR−M)、MEK分散液(堺化学工業社製、製品名:SZR−K)が挙げられる。
表面処理剤は、有機酸であることを必須とする。ここで、有機酸としては、カルボン酸類、スルホン酸類が挙げられる。
有機酸としては、炭素数4〜24の飽和又は不飽和のカルボン酸が挙げられる。具体例としては、ブタン酸、イソブタン酸、メタクリル酸、ペンタン酸、イソペンタン酸、ヘキサン酸、オクタン酸、オレイン酸、リノール酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等の脂肪族カルボン酸;クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、リシノレイン酸等の脂肪族オキシカルボン酸;サリチル酸等の芳香族オキシカルボン酸が挙げられる。
これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
無機ナノ粒子に対し、表面処理剤として炭化水素基を有する有機酸を用いることにより、直接の原因は明らかではないが、有機酸が無機ナノ粒子の表面に吸着することにより、疎水化を生じるものと考えられる。
また、表面改質剤として有機酸を用いることで、原料の無機ナノ粒子に比べて、屈折率の低下が少ない疎水化無機ナノ粒子を作製することができる。
有機酸の使用量が少ないと、強く凝集した疎水化無機ナノ粒子得られる場合があり、有機溶剤への分散性が低い。有機酸の使用量が多すぎると未反応の有機酸が増え、疎水化無機ナノ粒子の流動性、有機溶剤への分散性が向上しない場合があり、加えて疎水化無機ナノ粒子の屈折率低下要因となることがある。
混合する際は、好ましくは、無機ナノ粒子分散液に表面処理剤として有機酸を混合し、−20℃〜30℃未満の範囲で、適宜時間、撹拌し、無機ナノ粒子の表面を処理する。
混合する際の温度は30℃未満の範囲であることが必要である。−20℃以上30℃未満が好ましく、0℃以上30℃未満がより好ましく、10℃以上30℃未満が更に好ましい。
混合する際の温度が25℃に近いほど、温度制御にエネルギーがかからずコスト的に有利である。
前記混合液から溶剤を除去し、疎水化無機ナノ粒子を得る。
溶剤除去は、減圧下に、200℃以下で行うことが好ましい。減圧下で溶剤除去を行うと、表面処理の際に、表面処理剤の有機酸と、無機ナノ粒子表面のOH基との相互作用が強くなる。
減圧下で乾燥すると、より低温度で溶剤を除去でき、無機ナノ粒子が強く凝集することなく無機ナノ粒子表面OH基と有機酸が結合し、凝集したとしても容易に単分散できる無機ナノ粒子の状態を保つことができる。
乾燥温度が高すぎると、工程中の無機ナノ粒子同士が強く凝集するためか流動性、分散性が不充分となる場合がある。尚、乾燥温度は一定である必要はなく、例えば、溶剤を概ね除去できるまでは低温度で乾燥し、その後温度を上記範囲の高温で乾燥することもできる。
前記混合液から溶剤を除去し、固形物又は液状物を得る。
溶剤除去は、減圧下ないし流動条件下に、200℃以下で行うことが好ましい。減圧下ないし流動条件下で溶剤除去を行うと、表面処理の際に、表面処理剤の有機酸と、無機ナノ粒子表面のOH基との相互作用が強くなる。
流動下で乾燥する方法としては、ロータリーエバポレーター等の回転乾燥機が用いられる。回転式乾燥機を用いると、無機ナノ粒子が強く凝集することはなく、弱く凝集した無機ナノ粒子が得られるためか、工程中、流動性、分散性に優れた無機ナノ粒子の状態を保つができる。
ここで、減圧下とは、常圧(大気圧)より低ければよい。本発明では、減圧度が概ね200Torr以上、更には500Torr以上であることが好ましい。尚、このときも圧力は一定である必要はなく、徐々に圧力を下げることもできる。
乾燥温度が高すぎると、工程中の無機ナノ粒子同士が強く凝集するためか流動性、分散性が不充分となる場合がある。尚、乾燥温度は一定である必要はなく、例えば、溶剤を概ね除去できるまでは低温度で乾燥し、その後温度を上記範囲の高温で乾燥することもできる。
前記固形物又は液状物に再度溶剤を加え、混合液にする。
混合液を作製する方法としては、前記固形物又は液状物に溶剤を混合して撹拌するか、撹拌しながら混合すればよい。また、溶剤の種類あるいは得られる混合液の濃度によっても異なるが、必要に応じて超音波を照射する等分散を促進する手段を講じることもできる。
溶剤は、公知の溶剤を用いることができる。例えば、芳香族炭化水素類、脂肪族炭化水素類、アルコール類、ケトン類、カルボン酸類、エステル類、エーテル類が挙げられる。
これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
繰り返し回数が少ない程、疎水化無機ナノ粒子を得るための、時間、エネルギー、溶剤が少なくなり、効率的である。
本発明に係る疎水化無機ナノ粒子分散液の製造方法は、前記疎水化無機ナノ粒子を、重合性化合物に分散させることを特徴とする。
分散させる方法としては、重合性化合物に混合して撹拌するか、撹拌しながら混合すればよい。また、分散媒の種類あるいは得られる分散体の濃度によっても異なるが、必要に応じて超音波を照射する等分散を促進する手段を講じることもできる。
本発明の疎水化無機ナノ粒子を重合性化合物に分散させる場合、疎水化無機ナノ粒子の濃度が高くとも、容易に均一に分散し、透明性、安定性に優れた疎水化無機ナノ粒子分散液が得られる。
本発明に係る重合性化合物は、種々の重合体の原料となる化合物が挙げられる。上記重合体は、例えば、熱可塑性アクリル樹脂、熱硬化型アクリル樹脂、紫外線硬化型アクリル樹脂、ポリスチレン、ポリエステル、ポリエーテル、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、フェノール樹脂、シリコーン樹脂が挙げられる。
また、従来のシリコンカップリング剤等により無機ナノ粒子の表面に比較的肉厚の疎水化被膜を設ける方法と比較して、比較的少量の表面処理剤により無機ナノ粒子を疎水化して樹脂との界面を消失させるため、既存の方法により疎水化被膜を設けた無機ナノ粒子と比較して、樹脂に分散させた場合に高い屈折率向上の効果が得られる。
[疎水化ジルコニア粒子(1)の製造]
[工程(A)]
表面処理剤として、メタクリル酸(和光純薬工業社製)0.30gとラウリン酸(和光純薬工業社製)0.20gを広口フラスコに投入した。次いで、添加溶剤として、トルエン(和光純薬工業社製)45gとメタノール(和光純薬工業社製)6gを、上記フラスコに投入した。
次いで、ジルコニアのトルエン/メタノール分散液(堺化学工業社製、商品名:SZR−T、無機粒子濃度33.7質量%、体積基準メジアン径18.7nm)5.0gを上記フラスコに投入した。次いで、25℃中、1時間程度撹拌した。
次いで、ロータリーエバポレーターにて、減圧度が690〜750Torr程度になるまで圧力を徐々に下げながら、40℃で濃縮を行った。フラスコに透明で粘性のある固形物または液状物が残った。
次いで、上記フラスコに、溶剤として2〜9g程度のトルエンを添加し、フラスコを超音波洗浄器(BRANSONIC 220、ヤマト科学社製)にかけ、再度混合液とした。この時、上記固形物又は液状物が分散し、透明のジルコニアトルエン混合液が得られた。
上記、工程(C)、(D)を3回行った。最終的に、透明のジルコニアトルエン混合液が得られた。
次いで、上記ジルコニア混合液をガラス製サンプル管に移した。真空デシケーター(RVD−250、アズワン社製)に上記サンプル管を移し、冷却トラップを接続したダイヤフラムポンプを用いて、減圧度750Torr以上で25℃中、6時間乾燥を行い、疎水化ジルコニア粒子(1)を調製した。
疎水化ジルコニア粒子(1)0.1gをトルエン、n−ブチルアクリレート(BA)(三菱化学社製)、メチルメタクリレート(MMA)(三菱レイヨン社製 商品名:アクリエステルM)それぞれ9.9gに混合し、超音波洗浄器に10分間かけ、固形分濃度1質量%の疎水化ジルコニア粒子(1)のトルエン分散液、BA分散液、MMA分散液をそれぞれ調製した。
表1に製造工程を示す。
[疎水化ジルコニア粒子(2)の製造]
[工程(A)]
表面処理剤として、メタクリル酸0.30gとラウリン酸0.20gを広口フラスコに投入した。次いで、添加溶剤として、トルエン45gとメタノール6gを、上記フラスコに投入した。
次いで、ジルコニアのトルエン/メタノール分散液(SZR−T、無機粒子濃度33.7質量%、体積基準メジアン径18.7nm)5.0gを上記フラスコに投入した。次いで、25℃中、2時間程度撹拌した。
次いで、ロータリーエバポレーターにて、減圧度が700Torr程度になるまで圧力を徐々に下げながら、70℃で濃縮を行った。フラスコに透明で粘性のある固形物が残った。次いで、真空デシケーター(RVD−250、アズワン社製)に上記広口フラスコを移し、冷却トラップを接続したダイヤフラムポンプを用いて、減圧度750Torr以上で25℃中、6時間乾燥を行い、疎水化ジルコニア粒子(2)を調製した。
疎水化ジルコニア粒子(2)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、疎水化ジルコニア粒子(2)のトルエン分散液、BA分散液、MMA分散液をそれぞれ調製した。
[疎水化ジルコニア粒子(3)の製造]
[工程(A)]
表面処理剤として、メタクリル酸0.27gとラウリン酸0.18gを広口フラスコに投入した。次いで、添加溶剤として、トルエン1.3gとメタノール44gを、上記フラスコに投入した。
次いで、ジルコニアのメタノール分散液(堺化学工業社製、商品名:SZR−M、無機粒子濃度30.0質量%、体積基準メジアン径3.4nm)5.0gを上記フラスコに投入した。次いで、25℃中、2時間程度撹拌した。
次いで、ロータリーエバポレーターにて、減圧度が650〜750Torr程度になるまで圧力を徐々に下げながら、40℃で濃縮を行った。フラスコに透明で粘性のある固形物または液状物が残った。
次いで、上記フラスコに、溶剤として2〜9g程度のトルエンを添加し、フラスコを超音波洗浄器(BRANSONIC 220、ヤマト科学社製)にかけ、再度混合液とした。この時、上記固形物又は液状物が分散し、透明のジルコニアトルエン混合液が得られた。
上記、工程(C)、(D)を3回行った。最終的に、透明のジルコニア混合液が得られた。
次いで、上記ジルコニア混合液をガラス製サンプル管に移した。真空デシケーター(RVD−250、アズワン社製)に上記サンプル管を移し、冷却トラップを接続したダイヤフラムポンプを用いて、減圧度750Torr以上で25℃中、6時間乾燥を行い、疎水化ジルコニア粒子(3)を調製した。
疎水化ジルコニア粒子(3)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、疎水化ジルコニア粒子(3)のトルエン分散液、BA分散液、MMA分散液をそれぞれ調製した。
[疎水化ジルコニア粒子(4)の製造]
[工程(A)]
表面処理剤として、メタクリル酸0.39gとラウリン酸0.26gを広口フラスコに投入した。次いで、添加溶剤として、メタノール36g、トルエン1.4g、純水10gを、上記フラスコに投入した。
次いで、ジルコニアの水分散液(堺化学工業社製、商品名:SZR−W、無機粒子濃度30.0質量%、体積基準メジアン径4.6nm)7.0gを上記フラスコに投入した。次いで、25℃中、1時間程度撹拌した。
次いで、ロータリーエバポレーターにて、減圧度が600〜720Torr程度になるまで圧力を徐々に下げながら、40℃で濃縮を行った。フラスコに白濁した液状物が残った。
次いで、上記フラスコに、溶剤として2〜9g程度のメタノール及びトルエンを添加し、フラスコを超音波洗浄器(BRANSONIC 220、ヤマト科学社製)にかけ、再度混合液とした。この時、白濁したジルコニア混合液が得られた。
上記、工程(C)、(D)を3回行った。最終的に、白濁したジルコニア混合液が得られた。
次いで、上記ジルコニア混合液をガラス製サンプル管に移した。真空デシケーター(RVD−250、アズワン社製)に上記サンプル管を移し、冷却トラップを接続したダイヤフラムポンプを用いて、減圧度750Torr以上で25℃中、6時間乾燥を行い、疎水化ジルコニア粒子(4)を調製した。
疎水化ジルコニア粒子(4)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、疎水化ジルコニア粒子(4)のトルエン分散液、BA分散液、MMA分散液をそれぞれ調製した。
[疎水化ジルコニア粒子(5)の製造]
[工程(A)]
表面処理剤として、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製、商品名:KBM−503)0.50gを広口フラスコに投入した。次いで、添加溶剤として、トルエン45gとメタノール6gを、上記フラスコに投入した。
次いで、ジルコニアのトルエン/メタノール分散液(SZR−T、無機粒子濃度33.7質量%、体積基準メジアン径18.7nm)5.1gを上記フラスコに投入した。次いで、25℃中、1時間程度撹拌した。
次いで、ロータリーエバポレーターにて、減圧度が700Torr程度になるまで圧力を徐々に下げながら、70℃で濃縮を行った。フラスコに透明で粘性のある固形物が残った。次いで、真空デシケーター(RVD−250、アズワン社製)に上記広口フラスコを移し、冷却トラップを接続したダイヤフラムポンプを用いて、減圧度750Torr以上で25℃中、6時間乾燥を行い、疎水化ジルコニア粒子(5)を調製した。
疎水化ジルコニア粒子(5)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、疎水化ジルコニア粒子(5)のトルエン分散液、BA分散液、MMA分散液をそれぞれ調製した。
[疎水化ジルコニア粒子(6)の製造]
[工程(B)]
ジルコニアのトルエン/メタノール分散液(SZR−T、無機粒子濃度33.7質量%、体積基準メジアン径18.7nm)2.0gをガラス製サンプル管に投入した。真空デシケーター(RVD−250、アズワン社製)に上記サンプル管を移し、冷却トラップを接続したダイヤフラムポンプを用いて、減圧度750Torr以上で25℃中、6時間乾燥を行い、疎水化ジルコニア粒子(6)を調製した。
疎水化ジルコニア粒子(6)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、疎水化ジルコニア粒子(6)のトルエン分散液、BA分散液、MMA分散液をそれぞれ調製した。
また、分散性が高い分散液については、以下の方法で平均粒径を測定し、結果を表1に示した。
疎水化ジルコニア粒子分散液をガラス製透明サンプル管に投入し、透明性を目視し観察し、以下の基準で評価した。
透明性の高い分散液である。 : ○
沈降粒子は無いが白濁が認められる分散体である。 : △
沈降粒子が認められる分散体である。 : ×
疎水化ジルコニア粒子分散液中の疎水化ジルコニア粒子の平均粒子径を、濃厚系粒径アナライザー(FPAR−1000、大塚電子社製)を用いて動的光散乱法で測定した。
固形分濃度1質量%の疎水化ジルコニア粒子分散液をガラス製透明サンプル管に投入し、25℃で9日間静置した後、目視で透明性を観察し、以下の基準で評価した。
透明性の高い分散体である : ○
白濁あるいは沈降粒子が認められる分散体である。 : ×
比較例2は、ジルコニアのトルエン/メタノール分散液にシランカップリング剤を25℃で混合した後、溶剤を除去し疎水化ジルコニア粒子を得たものであるが、トルエン、BA及びMMAに対する分散性が悪い。
これに対して、実施例1〜3は、ジルコニアのトルエン/メタノール分散液又はメタノール分散液にカルボン酸を25℃で混合した後、溶剤を除去し疎水化ジルコニア粒子を得たものであるが、トルエン、BA及びMMAに対する分散性がよい。
Claims (7)
- 下記の工程(A)、(B)からなり、
(A)の分散媒が有機溶剤を含み、(A)の表面修飾剤が有機酸であり、(A)の混合温度が30℃未満である、疎水化無機ナノ粒子の製造方法;
(A)無機ナノ粒子が分散媒中に分散した無機ナノ粒子分散液に、表面修飾剤を混合して混合液にする工程、
(B)前記混合液から溶剤を除去し、疎水化無機ナノ粒子を得る工程。 - 工程(A)と(B)の間に、下記の工程(C)、(D)を、1回以上4回以下行う、請求項1に記載の疎水化無機ナノ粒子の製造方法;
(C)前記混合液から溶剤を除去し、固形物又は液状物を得る工程、
(D)前記固形物又は液状物に再度溶剤を加え、混合液にする工程。 - 前記工程(A)の有機酸がカルボン酸である、請求項1又は2に記載の疎水化無機ナノ粒子の製造方法。
- 前記工程(A)の分散媒が有機溶剤を50質量%以上含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の疎水化無機ナノ粒子の製造方法。
- 前記工程(A)の分散媒の比誘電率が60以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の疎水化無機ナノ粒子の製造方法。
- 前記工程(A)の無機ナノ粒子が酸化ジルコニウムである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の疎水化無機ナノ粒子の製造方法。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法により製造した疎水化無機ナノ粒子を、重合性化合物に分散させる、疎水化無機ナノ粒子分散液の製造方法。
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