JP2017210383A - 窒化ホウ素顆粒体の製造方法 - Google Patents

窒化ホウ素顆粒体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】従来のh−BN粒子に比し、流動性と樹脂への分散性に優れるh−BN顆粒体を製造する方法の提供。【解決手段】剥離された六方晶窒化ホウ素(h−BN)粒子を含有するスラリーに、バインダーを添加して混合スラリーを作製する混合スラリー作製工程と、スプレードライヤー法を用いて、混合スラリーを噴霧し乾燥させて、剥離されたh−BN粒子とバインダーとからなる顆粒体を形成する顆粒体形成工程と、を少なくとも備えるh−BN顆粒体の製造方法。前記方法で作製されたh−BN顆粒体と樹脂とを混合したh−BN顆粒体含有フィラー樹脂複合材料。【選択図】なし

Description

本発明は、パワーデバイスや電子機器用の放熱部材に用いられる六方晶窒化ホウ素粒子(以下、「h−BN粒子」と言う場合がある。)を含有する窒化ホウ素顆粒体(以下、「h−BN顆粒体」と言う場合がある。)の製造方法に関する。
近年、パーソナルコンピュータ等の各種電子機器においては、電子部品の高集積化、高密度化に伴って消費電力量が増大し、電子機器の駆動により熱が発生しやすくなっているため、各種の放熱対策が求められている。
そして、この放熱対策の1つとして、熱伝導性に優れたh−BN粒子を使用する技術が提案されている。
例えば、ホウ酸とメラミンの混合物を、所定温度で焼成することにより、鱗片状の一次粒子が配向せずに集合したh−BN粒子が提案されている。そして、このようなh−BN粒子を使用することにより、h−BN粒子の特性を損なうことなく、異方性の小さい樹脂やゴム製品等を製造することができると記載されている(例えば、特許文献1参照)。
また、表面が平均粒子径0.05μm以上1μm以下の窒化ホウ素一次粒子から構成され、この一次粒子が放射状に配置した窒化ホウ素凝集粒子が提案されている。そして、この窒化ホウ素凝集粒子を使用することにより、シート化した時の厚み方向の熱伝導性に優れるパワーデバイス用の放熱シートを製造することができると記載されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平9−202663号公報 特開2015−6980号公報
ここでh−BN粒子は、電気絶縁性・化学的安定性・高い熱伝導性・低硬度等の特徴があるため、上述のごとく、放熱材料用のフィラーとして使用され始めているが、低密度かつ粒子形状が燐片状であるため流動性が乏しく、装置に投入しにくい等のハンドリング性に問題があった。
また、h−BN粒子は、酸化物フィラーに比し、表面の官能基が少なく、樹脂との親和性に劣るため、h−BN粒子と樹脂とを用いてフィラー樹脂複合材料を製造する際に、樹脂中に均一に分散させることが困難であるという問題があった。
そこで、本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、従来のh−BN粒子に比し、流動性と樹脂への分散性に優れるh−BN顆粒体を製造する方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の六方晶窒化ホウ素顆粒体の製造方法は、剥離された六方晶窒化ホウ素粒子を含有するスラリーに、バインダーを添加して混合スラリーを作製する混合スラリー作製工程と、スプレードライヤー法を用いて、混合スラリーを噴霧し乾燥させて、剥離された六方晶窒化ホウ素粒子とバインダーとからなる顆粒体を形成する顆粒体形成工程とを少なくとも備えることを特徴とする。
本発明によれば、従来のh−BN粒子に比し、流動性に優れるとともに、樹脂への分散性に優れるh−BN顆粒体を製造することができる。
本発明の実施形態に係るh−BN顆粒体の構造を示す概略図である。 従来のh−BN粒子を示す概略図である。 本発明の実施形態に係るh−BN顆粒体に配合されるh−BN粒子を示す概略図である。 本発明の実施形態におけるh−BN顆粒体の製造方法において使用する湿式ジェットミル装置の全体構成を示す概略図である。 本発明の実施形態におけるh−BN顆粒体の製造方法において使用するスプレードライヤー装置の全体構成を示す概略図である。 本発明の実施形態におけるh−BN顆粒体を製造する際のスプレードライヤー工程において生成する液滴の構成を示す概略図である。 実施例において作製したh−BN顆粒体の走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。 実施例において作製したh−BN顆粒体を含有する樹脂組成物の走査型電子顕微鏡(SEM)写真(断面図)である。 比較例において使用した従来のh−BN粒子の走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。 比較例において使用した従来のh−BN粒子を含有する樹脂組成物の走査型電子顕微鏡(SEM)写真(断面図)である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
<h−BN顆粒体>
図1は、本発明の実施形態に係るh−BN顆粒体の構造を示す概略図である。
図1に示すように、本実施形態のh−BN顆粒体1は、剥離処理されたh−BN粒子4が集合することにより形成された顆粒体であり、h−BN顆粒体1の内部(即ち、断面形状)においても、剥離処理されたh−BN粒子4が集合した状態にある。
また、h−BN顆粒体1としては、平均粒子径が、30μm以上100μm以下のものを使用することが好ましい。
なお、ここで言う「平均粒子径」とは、50%粒径(D50)を指し、レーザー回折・散乱式粒子径分布測定装置(日機装(株)製、マイクロトラック(登録商標)粒度分布測定装置MT3200)等により測定できる。
また、h−BN顆粒体1の形状は、特に限定されず、球状、粒状、塊状等の形状であってもよい。
<h−BN粒子>
本実施形態のh−BN粒子4としては、ホウ酸、ホウ酸塩等のホウ素化合物と、尿素、メラミン、ジシアンジアミド等の窒素化合物により合成された粒子、または市販のh−BN粒子に対して、後述のジェットミル処理を行ったものを使用することができる。
h−BN粒子の市販品としては、例えば、六方晶窒化ホウ素(昭和電工(株)製、商品名:UHP−1K)を使用することができる。
ここで、図2に示すように、従来、h−BN粒子50においては、その厚み方向において、一次粒子である鱗片状のh−BN粒子51が、ファンデルワールス力(分子間力)により結合しており、h−BN粒子50は、この一次粒子が積層(図2では5層のh−BN粒子51が積層)された積層体(二次粒子)となっているが、上述のごとく、粒子形状が燐片状であるため流動性が乏しく、また、表面の官能基が少ないため、樹脂との親和性に劣り、樹脂中に均一に分散させることが困難であるという問題があった。
一方、本実施形態においては、後述のごとく、例えば、湿式ジェットミルによる剥離処理を行うことにより、複数の鱗片状のh−BN粒子51が積層された積層体から、h−BN粒子51を剥離することができる。従って、本実施形態においては、湿式ジェットミル処理を行うことにより、複数の鱗片状のh−BN粒子51が積層された積層体50から剥離されたh−BN粒子(即ち、従来のh−BN粒子50に比し、鱗片状のh−BN粒子51の積層数が減少した積層体)4を使用することができる。
図3に、本実施形態におけるh−BN粒子(h−BN粒子51が剥離され、h−BN粒子51の積層数が2に減少した積層体)4を示す。
なお、上記湿式ジェットミル法を使用して、積層体から剥離された単層の各h−BN粒子51を、本実施形態のh−BN粒子4として使用してもよい。
次に、本発明の実施形態に係るh−BN顆粒体の製造方法について説明する。
本実施形態においては、複数の六方晶窒化ホウ素粒子が積層された積層体を含有する窒化ホウ素スラリーを作製し、湿式ジェットミル法を使用して、積層体から六方晶窒化ホウ素粒子を剥離する。次に、剥離された六方晶窒化ホウ素粒子を含有する窒化ホウ素スラリーにバインダー等を添加して混合スラリーを作製し、スプレードライヤー法を用いて、混合スラリーを噴霧し乾燥させて、剥離された六方晶窒化ホウ素粒子とバインダーとからなる顆粒体を形成する。
<窒化ホウ素スラリー作製工程>
まず、樹脂製の容器(例えば、樹脂製ポット)に、水(イオン交換水)、原料となるh−BN粒子(複数のh−BN粒子が積層された、剥離処理前の積層体)を投入し、ミキサー(例えば、自転公転式ミキサー)を使用して、所定時間、混合を行い、複数のh−BN粒子が積層された積層体を含有する窒化ホウ素スラリーを作製する。
なお、スラリーの均質性の観点から、ミキサーによる攪拌を行いながら、原料となるh−BN粒子を分割して投入することが好ましい。また、高濃度の窒化ホウ素スラリーを作製する場合には、分散剤を使用してもよい。この分散剤としては、例えば、ポリカルボン酸塩、ポリメタアクリル酸塩、及びアミノアルコール、アルキルエーテル等を使用することができる。
<剥離工程>
次に、例えば、特開2012−255055号公報に記載された湿式ジェットミル法を用いて、上述のごとく、複数の鱗片状のh−BN粒子が積層された積層体から、h−BN粒子を剥離し、本実施形態のh−BN粒子(積層数が減少した積層体)4を作製する。
図4は本発明の実施形態に係るh−BN顆粒体の製造方法において使用する湿式ジェットミル装置の全体構成を示す概略図である。
図4に示すように、湿式ジェットミル装置30は、上述の窒化ホウ素スラリー31を収容するタンク32と、窒化ホウ素スラリー31が搬送される搬送路33と、搬送路33を介してタンク32に接続されたポンプ34とを備えている。また、図4に示すように、搬送路33は、分岐部35において、第1搬送路33aと第2搬送路33bに分岐されている。
本工程においては、まず、上述の作製した窒化ホウ素スラリー31を、タンク32の内部に供給するとともに、ポンプ34を駆動させることにより、タンク32内の窒化ホウ素スラリー31を搬送路33へ供給する。
この際、搬送路33に供給された窒化ホウ素スラリー31は、ポンプ34により加圧され、搬送路33内を高速で移動するため、スラリー中の積層体は、その向きを揃えながら移動することになる。
そして、搬送路33内の分岐点において、窒化ホウ素スラリー31が、第1搬送路33aと第2搬送路33bの各々に供給され、衝突部36において、第1搬送路33a内の窒化ホウ素スラリー31と、第2搬送路33b内の窒化ホウ素スラリー31とが衝突する。
そうすると、スラリー内の積層体同士が衝突し、共有結合に比べて弱いファンデルワールス力により結合している複数の鱗片状のh−BN粒子が積層された積層体からh−BN粒子を剥離することが可能になる。
本実施形態においては、このようにして、複数の鱗片状のh−BN粒子が積層された積層体からh−BN粒子を剥離し、本実施形態のh−BN粒子(積層数が減少した積層体)4を作製する。
そして、h−BN粒子4を含むスラリーは、回収用の搬送路37を介して、回収される構成となっている。
なお、h−BN粒子4を効率よく剥離させるとの観点から、50〜200MPaの高圧下、150〜400m/sの速度で窒化ホウ素スラリー31を衝突させる方法が好ましい。
また、窒化ホウ素スラリー作製時に投入される原料となるh−BN粒子の平均粒径は、0.01μm以上100μm未満であることが好ましい。平均粒径が0.01μm未満では、アスペクト比が小さすぎるため、高圧下での高速せん断をスラリー中にて行っても、積層体がせん断流の方向に向かず、剥離ができない場合がある。また、フィラーの結晶性を保つことが困難となり、高い熱伝導率を維持できないおそれがある。一方、平均粒径が100μm以上になると、湿式ジェットミル等の剥離装置の管に積層体が詰まり、剥離工程を実施することができない場合がある。
なお、剥離方法としては、上述の湿式ジェットミル法以外に、例えば、乾式ジェットミル、ボールミル法や、超音波照射等を使用することができる。
<混合スラリー作製工程>
次に、剥離されたh−BN粒子4(h−BN粒子51の積層数が減少した積層体)を含有する窒化ホウ素スラリーにバインダー及び滑剤を添加し、攪拌機を使用して、所定時間、混合することにより、剥離されたh−BN粒子4を含有する混合スラリーを作製する。
ここで、本実施形態においては、混合スラリーにおけるバインダーの配合量を、100質量部のh−BN粒子4に対して、0.5質量部以上10質量部以下の割合となるように設定する。
これは、バインダーの配合量が0.5質量部未満の場合(例えば、バインダーが無添加の場合)であって、h−BN粒子4の含有量が少ない(例えば、混合スラリーにおけるh−BN粒子の濃度が5質量%や10質量%)の場合、スプレードライヤーを行うスラリーの粘度が低く、球状の顆粒体になりにくくなる、あるいは顆粒体の強度が弱くハンドリング時に破壊されてしまうという不都合が生じる場合があるためである。
また、h−BN粒子4の配合量が10質量部より大きい場合は、h−BN粒子4に吸着しきれないバインダーが顆粒体の表面に偏析し、流動性に悪影響を与える不都合が生じる場合があるためである。
なお、h−BN顆粒体1の中のh−BN粒子4を結合させるための上記バインダーとしては、例えば、メチルセルロース、ポリビニルブチルラール、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、グリセロール、ラテックス、及びパラフィンワックス等を使用することができる。
また、また顆粒体の流動性を向上させるため滑剤を添加してもよい。滑剤としては、例えば、ステアリン酸塩やポリエチレングリコール等を使用することができる。
<スプレードライヤー工程>
次に、スプレードライヤー法を用いて作製した混合スラリーを処理することにより、h−BN粒子4とバインダー2とからなる顆粒体を形成する。
図5は本発明の実施形態に係るh−BN顆粒体の製造方法において使用するスプレードライヤー装置の全体構成を示す概略図である。
図5に示すように、スプレードライヤー装置10は、顆粒体が造粒される造粒室11と、混合スラリーを噴霧して液滴状にする回転ディスク(アトマイザ)12と、回転ディスク12を回転させるモータ13と、回転ディスク12に混合スラリーを供給するスラリー供給管14とを備えている。
また、モータ13は、回転駆動される軸15を備えており、回転ディスク12は軸15に取り付けられている。そして、この回転ディスク12は、軸15と一体的に回転するように構成されている。
本工程においては、まず、上述の作製した混合スラリーを、スラリー供給管14を介して、回転ディスク12に供給する。そうすると、回転ディスク12の遠心力により、混合スラリーは水平方向(図中の矢印Aの方向)に噴霧され、細かい液滴(微粒化された液体)16となる。
この液滴16は、図6に示すように、自己の表面張力により真球状になっており、バインダーを含んだ水滴6中にh−BN粒子4が分散した状態となっている。
噴霧された液滴16は、図示しない熱風発生機により造粒室11内へと吹き込まれた熱風17により乾燥され、図1に示すh−BN顆粒体1が製造される。
そして、このh−BN顆粒体1と、ポリプロピレン樹脂やポリイミド樹脂等の樹脂とを二軸混練押出装置を使用して、混練・押出することにより、例えば、直径約2mmφの線状のh−BN顆粒体含有樹脂組成物が作製される。
このように、本実施形態においては、スプレードライヤー法を使用して顆粒化することにより、図1に示すように、h−BN粒子4が集合してh−BN顆粒体1の形状が球状になるため、従来のh−BN粒子に比べ、流動性を向上させることが可能になる。その結果、後工程の装置投入等におけるハンドリング性が向上する。また、剥離させたh−BN粒子4にバインダーが付着するため、フィラー樹脂複合材料を製造する際に、樹脂中に均一に分散させることが可能になる。
なお、使用する樹脂としては、特に限定されず、従来公知の熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂を使うことが可能である。好適な樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ乳酸、ポリスチレン系樹脂、ポリ酢酸ビニル、ABS樹脂、AS樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルアルコール、ポリイミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル(PPE)、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチルテレフタレート、ポリフェニレンスルフィド及びエポキシ樹脂からなる群より選択される少なくとも一種の樹脂が挙げられる。これらの樹脂は、2種以上を混合して用いてもよい。
以下に、本発明を実施例に基づいて説明する。なお、本発明は、これらの実施例に限定されるものではなく、これらの実施例を本発明の趣旨に基づいて変形、変更することが可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。
(実施例1〜6)
<窒化ホウ素スラリー作製工程>
まず、300ミリリットルの樹脂製の容器に、イオン交換水を190g、原料となるh−BN粒子(昭和電工(株)製、商品名:UHP−1)を5g投入し、自転公転式ミキサー(シンキー(株)製、商品名:ARE−250)を使用して、2000rpmの回転速度で、1分間、攪拌した。次に、h−BN粒子を2.5g投入し、自転公転式ミキサーを使用して、2000rpmの回転速度で、1分間、攪拌した。更に、h−BN粒子を2.5g投入し、自転公転式ミキサーを使用して、2000rpmの回転速度で、1分間、攪拌することにより、原料となるh−BN粒子の含有量が5質量%(合計投入量が10g)である、実施例1の窒化ホウ素スラリーを作製した。
また、同様の方法により、表1に示すように、原料となるh−BN粒子の含有量が10質量%、15質量%、20質量%、30質量%、及び40質量%である窒化ホウ素スラリーを作製し、実施例2〜6の窒化ホウ素スラリーとした。
<剥離工程>
次に、作製した各実施例の窒化ホウ素スラリーを、湿式ジェットミル装置((株)ジーナス製、商品名:GENUS SP)に供給し、湿式ジェットミル法(圧力:150MPa)を用いて、窒化ホウ素スラリーにおける積層体から、h−BN粒子を剥離し、本実施例のh−BN粒子(積層数が減少した積層体)を作製した。
次に、各濃度における窒化ホウ素スラリーに含まれるh−BN粒子1gと蒸留水20gによりスラリーを作製して鋳込み成形を行い、この成形体の破断面を走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察し、各濃度におけるh−BN粒子の厚みを測定した。以上の結果を表1に示す。
なお、h−BN粒子(剥離粒子)の厚みは、SEM写真から150個以上の厚さを測定し、個数分布の積算百分率の50%の値を平均厚さとすることにより決定した。
(実施例7)
<混合スラリー作製工程>
次に、実施例3の窒化ホウ素スラリー(原料となるh−BN粒子の含有量が15質量%の窒化ホウ素スラリー)を剥離処理したスラリー100gに、バインダー(中京油脂(株)製、商品名:(レゼム SB−A)3.7gと滑剤(中京油脂(株)製、商品名:セロゾール920)0.4gとを添加し、自転公転攪拌機(クラボウ(株)製、商品名:マゼルスターKK−400W)を使用して、2分間、攪拌することにより、h−BN粒子とバインダーと滑剤が混合された混合スラリーを作製した。
なお、混合スラリーにおけるバインダーの配合量が、h−BN粒子100質量部に対して10質量部となるようにバインダーを投入した。
<スプレードライヤー工程>
次に、作製した混合スラリーを、スプレードライヤー装置(大川原化工機(株)製、商品名:FOC−16)に供給し、スプレードライヤー法を用いて、混合スラリーを噴霧し乾燥させることにより、h−BN顆粒体を作製した。作製したh−BN顆粒体の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を図7に示す。
なお、スプレードライヤー工程においては、入口温度を180℃、回転ディスクの回転数を12000rpm、混合スラリーの供給量を30g/minに設定して行った。また、得られた顆粒体の平均粒子径は70μmであった。
<流動性評価>
次に、パウダーテスター(ホソカワミクロン(株)製、商品名:PT−X)を使用して、作製したh−BN顆粒体の流動性を評価した。より具体的には、上記パウダーテスターを使用して、安息角[°]、スパチュラ角[°]、ゆるめかさ密度[g/cm3]、固めかさ密度[g/cm3]および凝集度[%]を測定し、ゆるめかさ密度[g/cm3]と固めかさ密度[g/cm3]から圧縮度[%]を求めた。そして、安息角[°]、圧縮度[%]、スパチュラ角[°]および凝集度[%]をCarrの指数表を使用して流動性指数に変換し、変換した各流動性指数の合計をh−BN顆粒体の流動性指数として評価した。以上の結果を表2に示す。
<h−BN顆粒体含有樹脂組成物の作製>
次に、作製したh−BN顆粒体と、ポリプロピレン樹脂(日本ポリプロ(株)製、商品名:NOVATEC−PPMA3)とを、二軸混練押出装置(Technovel Corporation製、商品名:KZW20TW−30MG−HN(−600)−KGS)を使用して、直径が約2mmφの線状のh−BN顆粒体含有樹脂組成物を作製した。
なお、h−BN顆粒体の供給量は2.2g/分、ポリプロピレン樹脂の供給量は7.3g/分とした。また、h−BN顆粒体含有樹脂組成物全体に対するh−BN顆粒体の配合量が10vol%となるようにh−BN顆粒体を投入し一回処理を行った。
<分散性評価>
次に、作製したh−BN顆粒体含有樹脂組成物におけるh−BN顆粒体の分散性について評価した。より具体的には、作製した線状のh−BN顆粒体含有樹脂組成物からぺレットを切り出し、アクリル樹脂(ストルアス製、商品名:クラロシット)中に埋めた後、ペレット表面を研磨し、走査型顕微鏡(SEM)を使用して、ポリプロピレン樹脂中におけるh−BN顆粒体の分散性を評価した。h−BN顆粒体含有樹脂組成物の走査型電子顕微鏡(SEM)写真(断面図)を図8に示す。
(比較例1)
<従来のh−BN粒子の厚み測定、及び流動性評価>
ます、原料となるh−BN粒子(昭和電工(株)製、商品名:UHP−1K)を1g用意し、このh−BN粒子を、上述の実施例の場合と同様にして、走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察し、h−BN粒子の厚みを測定した。以上の結果を表1に示す。また、使用したh−BN粒子の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を図9に示す。
次に、上述の実施例の場合と同様にして、h−BN粒子の流動性を評価した。以上の結果を表2に示す。
<従来のh−BN粒子含有樹脂組成物の作製>
次に、原料となるh−BN粒子(昭和電工(株)製、商品名:UHP−1K)と、ポリプロピレン樹脂(日本ポリプロ(株)製、商品名:NOVATEC−PPMA3)とを、二軸混練押出装置(Technovel Corporation製、商品名:KZW20TW−30MG−HN(−600)−KGS)を使用して、直径が約2mmφの線状のh−BN粒子含有樹脂組成物を作製した。
なお、h−B粒子の供給量は2.1g/分、ポリプロピレン樹脂の供給量は7.3g/分とした。また、h−BN粒子含有樹脂組成物全体対するh−B粒子の配合量が10vol%となるようにh−B粒子を投入し一回処理を行った。
<分散性評価>
次に、上述の実施例の場合と同様にして、作製したh−BN粒子含有樹脂組成物におけるh−BN粒子の分散性について評価した。h−BN粒子含有樹脂組成物の走査型電子顕微鏡(SEM)写真(断面図)を図10に示す。
表1に示すように、湿式ジェットミル法による処理を行った実施例3のh−BN粒子の厚みは、湿式ジェットミル法による処理を行っていない比較例1のh−BN粒子の厚みに比し、薄くなっており、実施例3においては、湿式ジェットミル法を使用することにより、原料となるh−BN粒子(積層体)からh−BN粒子が剥離されている(即ち、積層体における積層数が減少している)ことがわかる。
また、表2に示すように、比較例1に比し、実施例7のh−BN顆粒体の流動性指数は向上しており、実施例7のh−BN顆粒体は流動性に優れることがわかる。
また、図8に示すように、実施例7のh−BN顆粒体を使用したh−BN顆粒体含有樹脂組成物においては、ポリプロピレン樹脂中にh−BN顆粒体が認められず、h−BN粒子が均一に分散しており、樹脂への分散性が極めて優れていることがわかる。
一方、図10に示すように、比較例1の従来のh−BN粒子を使用したh−BN粒子含有樹脂組成物においては、h−BN粒子が凝集しており、実施例7に比し、樹脂への分散性が劣ることがわかる。
以上説明したように、本発明は、h−BN顆粒体の製造方法に適している。
1 h−BN顆粒体
2 バインダー
4 h−BN粒子(一次粒子が剥離された積層体)
10 スプレードライヤー装置
30 湿式ジェットミル装置
31 窒化ホウ素スラリー
32 タンク
33 搬送路
33a 第1搬送路
33b 第2搬送路
34 ポンプ
35 分岐部
36 衝突部
50 h−BN粒子(積層体)
51 h−BN粒子(一次粒子)

Claims (2)

  1. 剥離された六方晶窒化ホウ素粒子を含有するスラリーに、バインダーを添加して混合スラリーを作製する混合スラリー作製工程と、
    スプレードライヤー法を用いて、前記混合スラリーを噴霧し乾燥させて、剥離された前記六方晶窒化ホウ素粒子と前記バインダーとからなる顆粒体を形成する顆粒体形成工程と
    を少なくとも備えることを特徴とする六方晶窒化ホウ素顆粒体の製造方法。
  2. 請求項1に記載の方法により製造された六方晶窒化ホウ素顆粒体と樹脂とを混合することを特徴とする六方晶窒化ホウ素顆粒体含有樹脂組成物の製造方法。
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