JP2017209925A - ポリイミドフィルム積層体の製造方法、それを用いた表示装置の製造方法、およびポリイミドフィルム積層体 - Google Patents

ポリイミドフィルム積層体の製造方法、それを用いた表示装置の製造方法、およびポリイミドフィルム積層体 Download PDF

Info

Publication number
JP2017209925A
JP2017209925A JP2016105998A JP2016105998A JP2017209925A JP 2017209925 A JP2017209925 A JP 2017209925A JP 2016105998 A JP2016105998 A JP 2016105998A JP 2016105998 A JP2016105998 A JP 2016105998A JP 2017209925 A JP2017209925 A JP 2017209925A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyimide
functional layer
polyimide film
film
coating film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2016105998A
Other languages
English (en)
Inventor
崇 網江
Takashi Amie
崇 網江
真史 榊
Masashi Sakaki
真史 榊
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2016105998A priority Critical patent/JP2017209925A/ja
Publication of JP2017209925A publication Critical patent/JP2017209925A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Moulding By Coating Moulds (AREA)
  • Electroluminescent Light Sources (AREA)

Abstract

【課題】本発明は、ポリイミドフィルムと機能層とを十分に密着させることが可能なポリイミドフィルム積層体の製造方法を提供することを主目的とする。【解決手段】本発明は、基材上に、ポリアミック酸を含むポリイミド溶液を塗布して仮乾燥し、ポリイミド塗膜を形成するポリイミド塗膜形成工程と、上記ポリイミド塗膜形成工程後に、上記ポリイミド塗膜上に、機能層を形成する機能層形成工程と、上記機能層形成工程後に、上記ポリイミド塗膜を熱処理することでイミド化し、上記ポリイミド塗膜をポリイミドフィルムとするイミド化工程とを有することを特徴とするポリイミドフィルム積層体の製造方法を提供することにより、上記課題を解決する。【選択図】図1

Description

本発明は、ポリイミドフィルムを有するポリイミドフィルム積層体の製造方法に関する。
近年、表示装置の発達に伴って、液晶表示装置、有機EL表示装置等のフラットパネル表示装置の需要が増加している。最近では、テレビやパーソナルコンピューターの他にも、スマートフォン、タブレット端末等の多機能端末の普及が盛んになっており、益々フラットパネル表示装置の市場は拡大する状況にある。このような状況において、フラットパネル表示装置を構成する各部材に関する研究が盛んに行われている。
フラットパネル表示装置を構成する部材としては、例えばフレキシブル性を有する樹脂層上に、所定の機能層を積層した部材を用いたフレキシブル表示装置が提案されている(例えば、特許文献1)。フレキシブル表示装置は、自在に変形させることができることから、例えばローラブル(巻き取り可能な)モバイル表示装置を実現することができ、よりモバイルに適した表示装置を得ることができるという利点がある。また、フレキシブル表示装置は、例えば長尺のフィルムを用いて連続プロセスによって製造することができ、生産性に優れるという利点もある。
特開2011−027822号公報
ところで、従来、フレキシブル表示装置の場合、フレキシブル性の更なる向上を目指し、各構成部材を薄膜化するという試みがなされているが、樹脂層の厚みの薄膜化には限界があった。本発明の発明者等は、樹脂層を所望の厚みまで薄膜化することについて検討を重ねた結果、樹脂層としてポリイミドフィルムを用いることにより、上記課題を解決できることを見出した。
しかしながら、本発明の発明者等が、ポリイミドフィルム上に機能層を有するポリイミドフィルム積層体を形成したところ、ポリイミドフィルムと機能層との密着性が低く、ポリイミドフィルムから機能層が剥がれる等の不具合が発生しやすいという新たな課題を発見した。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、ポリイミドフィルムと機能層とを十分に密着させることが可能なポリイミドフィルム積層体の製造方法を提供することを主目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、基材上に、ポリアミック酸を含むポリイミド溶液を塗布して仮乾燥し、ポリイミド塗膜を形成するポリイミド塗膜形成工程と、上記ポリイミド塗膜形成工程後に、上記ポリイミド塗膜上に、機能層を形成する機能層形成工程と、上記機能層形成工程後に、上記ポリイミド塗膜を熱処理することでイミド化し、上記ポリイミド塗膜をポリイミドフィルムとするイミド化工程とを有することを特徴とするポリイミドフィルム積層体の製造方法を提供する。
本発明によれば、ポリイミド塗膜上に機能層を形成する機能層形成工程後に、ポリイミド塗膜をイミド化するイミド化工程を有することにより、ポリイミドフィルムおよび機能層の密着性に優れたポリイミドフィルム積層体を得ることができる。
本発明においては、上記イミド化工程後に、上記基材を剥離する剥離工程を有することが好ましい。
また、本発明は、ポリイミドフィルム積層体および表示パネルを有する表示装置の製造方法であって、基材上に、ポリアミック酸を含むポリイミド溶液を塗布して仮乾燥し、ポリイミド塗膜を形成するポリイミド塗膜形成工程と、上記ポリイミド塗膜形成工程後に、上記ポリイミド塗膜上に、機能層を形成する機能層形成工程と、上記機能層形成工程後に、上記ポリイミド塗膜を熱処理することでイミド化し、上記ポリイミド塗膜をポリイミドフィルムとするイミド化工程と上記イミド化工程後に、上記基材を剥離する剥離工程と、上記剥離工程後に、上記基材が剥離された面に上記表示パネルを貼り合せる貼合工程とを有することを特徴とする表示装置の製造方法を提供する。
本発明によれば、ポリイミド塗膜上に機能層を形成する機能層形成工程後に、ポリイミド塗膜をイミド化するイミド化工程を有することにより、ポリイミドフィルムおよび機能層の密着性に優れた表示装置を得ることができる。
さらに、本発明は、ポリイミドフィルムと、上記ポリイミドフィルム上に配置された機能層とを有し、上記ポリイミドフィルムの厚みが12μm以下であり、縦方向に10マス、横方向に10マスである100マスのクロスカッターを用いて、上記機能層を厚み方向に切断し、上記機能層の表面に粘着テープを付着させ、上記粘着テープを引き剥がしたときの上記ポリイミドフィルム上に残存する上記機能層のマス数が、90マス以上であることを特徴とするポリイミドフィルム積層体を提供する。
本発明によれば、ポリイミドフィルム上に機能層を有するポリイミドフィルム積層体であっても、ポリイミドフィルムおよび機能層の密着性に優れたポリイミドフィルム積層体とすることができる。
本発明においては、上記ポリイミドフィルムの上記機能層とは反対側の面に配置された基材を有することが好ましい。
本発明は、ポリイミドフィルム上に所定の機能層を積層したポリイミドフィルム積層体の製造方法であって、ポリイミドフィルムおよび機能層の密着性に優れたポリイミドフィルム積層体を得ることが可能なポリイミドフィルム積層体の製造方法を提供することができるという効果を奏する。
本発明のポリイミドフィルム積層体の製造方法の一例を示す概略工程図である。 本発明の表示装置の製造方法により得られる表示装置の一例を示す概略平面図である。 本発明のポリイミドフィルム積層体の一例を示す概略断面図である。 従来のポリイミドフィルム積層体の製造方法の一例を示す概略工程図である。
以下、ポリイミドフィルム積層体の製造方法、それを用いた表示装置の製造方法、およびポリイミドフィルム積層体について説明する。
I.ポリイミドフィルム積層体の製造方法
本発明のポリイミドフィルム積層体の製造方法は、基材上に、ポリアミック酸を含むポリイミド溶液を塗布して仮乾燥し、ポリイミド塗膜を形成するポリイミド塗膜形成工程と、上記ポリイミド塗膜形成工程後に、上記ポリイミド塗膜上に、機能層を形成する機能層形成工程と、上記機能層形成工程後に、上記ポリイミド塗膜を熱処理することでイミド化し、上記ポリイミド塗膜をポリイミドフィルムとするイミド化工程とを有することを特徴とする方法である。
本発明のポリイミドフィルム積層体の製造方法について、図を参照しながら説明する。図1は、本発明のポリイミドフィルム積層体の製造方法の一例を示す概略工程図である。本発明のポリイミドフィルム積層体の製造方法は、図1(a)に示すように、基材1上に、ポリアミック酸を含むポリイミド溶液2”を塗布し、図1(b)に示すように仮乾燥させてポリイミド塗膜2’を形成するポリイミド塗膜形成工程と、ポリイミド塗膜形成工程後に、図1(c)に示すように、ポリイミド塗膜2’上に、機能層形成用組成物3を塗布する機能層形成用組成物塗布工程と、機能層形成用組成物塗布工程後に、ポリイミド塗膜2’を熱処理することでイミド化し、ポリイミド塗膜2’をポリイミドフィルム2とするイミド化工程とを有する。これにより、図1(d)に示すように、基材1、ポリイミドフィルム2および機能層3が積層したポリイミドフィルム積層体10を得ることができる。
従来、フレキシブル表示装置の場合、フレキシブル性の更なる向上を目指し、各構成部材を薄膜化するという試みがなされているが、例えば、機能層を支持する樹脂層の厚みの薄膜化には限界があった。本発明の発明者等は、樹脂層を所望の厚みまで薄膜化することについて検討を重ねた結果、樹脂層としてポリイミドフィルムを用いること、具体的には、塗布法を用いて形成されたポリイミドフィルムを用いることにより、上記課題を解決できることを見出した。
そこで、本発明の発明者等は、次のような方法を用いて、ポリイミドフィルム上に機能層を有するポリイミドフィルム積層体を形成した。すなわち、図4(a)に示すように、基材1上にポリイミド溶液2”を塗布して、図4(b)に示すように仮乾燥させてポリイミド塗膜2’を形成するポリイミド塗膜形成工程を行った。次に、図4(c)に示すように、ポリイミド塗膜をイミド化してポリイミドフィルム2とするイミド化工程を行い、最後にポリイミドフィルム2上に機能層3を形成する機能層形成工程を行うことにより、ポリイミドフィルム積層体10を形成した。このようにして得られたポリイミドフィルム積層体について検討を重ねたところ、本発明の発明者等は、ポリイミドフィルムと機能層との密着性が低く、ポリイミドフィルムから機能層が剥がれる等の不具合が発生しやすいという新たな課題を発見した。
本発明の発明者等は、上記課題を解決する方法について検討を重ねた結果、ポリイミド塗膜をイミド化するイミド化工程を、機能層を形成する機能層形成工程後に行うことにより、上記課題を解決できることを見出した。これは、ポリイミド塗膜においてイミド化が進行する際に、ポリイミド塗膜と機能層との界面において、何らかの化学結合が起こり、結果としてポリイミドフィルムと機能層との密着性が高まることに起因していると推測される。
また、ポリイミド塗膜上に機能層を形成することで、機能層がポリイミド塗膜に浸みこみ、その後ポリイミド塗膜をイミド化するイミド化工程を行うことで、ポリイミドフィルムと機能層との密着性が高まることに起因していると推測される。
以下、本発明のポリイミドフィルム積層体の製造方法を構成する各工程について詳細に説明する。
A.ポリイミド塗膜形成工程
本発明におけるポリイミド塗膜形成工程は、基材上に、ポリアミック酸を含むポリイミド溶液を塗布して仮乾燥し、ポリイミド塗膜を形成する工程である。
本工程は、基材上に、ポリアミック酸を含むポリイミド溶液を塗布して仮乾燥させることにより、ポリイミド塗膜を形成することができる工程であれば特に限定されない。
本工程において、基材上にポリイミド溶液を塗布する方法には、一般的な塗布方法を用いることができるが、例えば、スピンコート法、ダイコート法、ディップコート法、バーコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法等を用いることができる。
本工程において、基材上に塗布されたポリイミド溶液を仮乾燥させる方法としては、例えば所望のポリイミド塗膜が得られる程度に乾燥させる方法であることが好ましい。すなわち、ポリイミド塗膜に含まれる溶剤の含有量が所望の範囲内となり、かつ本工程によりイミド化が進行しない程度に乾燥させる方法であることが好ましい。
仮乾燥させる具体的な方法としては、基材上に塗布されたポリイミド溶液を、加熱することにより乾燥させる方法が挙げられる。このときの加熱方法には、例えば、オーブンやホットプレート等の公知の装置または手法を用いることができる。また、加熱温度は、基材上に塗布したポリイミド溶液を仮乾燥させることができ、かつイミド化が進行しない程度であることが好ましい。本工程においてイミド化が進行しないことにより、後述するイミド化工程の際にイミド化を進行させ、機能層との密着性に優れたポリイミドフィルムを得ることができるからである。具体的な加熱温度は、ポリイミド溶液の種類や加熱時間等に応じて適宜調整することができるが、例えば、40℃以上200℃以下の範囲内であることが好ましく、中でも60℃以上150℃以下の範囲内であることが好ましく、特に80℃以上120℃以下の範囲内であることが好ましい。さらに、加熱時間は、加熱温度等に応じて適宜調整することができるが、例えば、90秒以上90分以下程度とすることができる。仮乾燥を行う際の加熱温度が上記範囲内であることにより、所望のポリイミド塗膜を得ることが可能となる。
以下、本工程において用いられるポリイミド溶液、本工程において形成されるポリイミド塗膜、および本工程において用いられる基材について説明する。
1.ポリイミド溶液
本工程において用いられるポリイミド溶液は、ポリアミック酸を含む材料であり、通常は、さらに溶媒を含む。
ポリイミド溶液に含まれるポリアミック酸は、反応により最終的にポリイミドとなるポリイミド前駆体である。ポリアミック酸は、例えば、下記式(1)で表わすことができる。
Figure 2017209925
(上記式(1)中、Rは4価の有機基であり、Rは2価の有機基であり、nは1以上の自然数である。)
なお、上記式(1)において、Rの4価は、酸二無水物等から誘導されるテトラカルボン酸残基を示し、Rの2価はジアミン残基を示す。また、Rの4価は酸と結合するための価数のみを示しているが、他に更なる置換基を有していても良い。同様に、Rの2価はアミンと結合するための価数のみを示しているが、他に更なる置換基を有していても良い。
ポリアミック酸は、酸二無水物とジアミンを溶液中で混合することにより得ることができる。このように、ポリアミック酸は、酸二無水物とジアミンとの反応により得られるが、最終的に得られるポリイミドに、優れた耐熱性や寸法安定性等を付与するという観点から、上記式(1)におけるRおよびRの少なくとも一方が芳香族化合物であることが好ましく、RおよびRのいずれもが芳香族化合物であることがより好ましい。また、上記式(1)におけるRにおいて、当該Rに結合している4つの基((−CO−)(−COOH))は、同一の芳香環に結合していても良く、異なる芳香環に結合していても良い。同様に、上記化学式(1)におけるRにおいて、当該Rに結合している2つの基((−NH−))は同一の芳香環に結合していても良く、異なる芳香環に結合していても良い。
上記化学式(1)で表わされるポリアミック酸は、単一の繰り返し単位からなるものであっても良く、2種以上の繰り返し単位からなるものであっても良い。
上記化学式(1)で表わされるポリアミック酸を合成する方法としては、例えば、ジアミン成分として4,4’−ジアミノジフェニルエーテルをN−メチルピロリドンなどの有機極性溶媒に溶解させた溶液を冷却しながら、そこへ等モルの3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を徐々に加え撹拌することにより合成する方法が挙げられる。なお、ポリアミック酸を合成する際に用いられるジアミンや酸二無水物については、従来公知の材料を用いることができるため、ここでの記載は省略する。
ポリアミック酸の重量平均分子量は、その用途にもよるが、例えば、3,000以上1,000,000以下の範囲内であることが好ましく、5,000以上500,000以下の範囲内であることがさらに好ましく、10,000以上500,000以下の範囲内であることがさらに好ましい。上記下限を有することにより、ポリアミック酸を含むポリイミド溶液を用いてポリイミド塗膜またはポリイミドフィルムを形成した場合に、十分な強度を得ることができる。また、上記上限を有することにより、ポリアミック酸の溶解性の低下を抑制し、表面が平滑で膜厚が均一なポリイミド塗膜またはポリイミドフィルムを得ることができる。なお、上記重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算の値のことをいい、ポリアミック酸そのものの分子量でも良いし、イミド化処理を行った後の分子量でも良い。
本工程においては、ポリイミド溶液におけるポリアミック酸の含有量が、ポリイミド溶液の固形分全体に対して50質量%以上であることが好ましく、中でも70質量%以上であることが好ましい。なお、ここでのポリイミド溶液の固形分とは、溶媒以外の全成分であり、液状のモノマー成分も固形分に含まれる。
ポリイミド溶液は、通常、上述したポリアミック酸の他に溶媒を含む。本工程において用いられる溶媒は、ポリアミック酸を均一に分散または溶解することができるものであることが好ましい。例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル等のエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールモノエーテル類(いわゆるセロソルブ類);メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸n−プロピル、酢酸i−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、前記グリコールモノエーテル類の酢酸エステル(例えば、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート)、メトキシプロピルアセテート、エトキシプロピルアセテート、蓚酸ジメチル、乳酸メチル、乳酸エチル等のエステル類;エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン等のアルコール類;塩化メチレン、1,1−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエチレン、1−クロロプロパン、1−クロロブタン、1−クロロペンタン、クロロベンゼン、ブロムベンゼン、o−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド等のアミド類;N−メチルピロリドンなどのピロリドン類;γ−ブチロラクトン等のラクトン類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類、その他の有機極性溶媒類等が挙げられ、さらには、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、および、その他の有機非極性溶媒類等も挙げられる。これらの溶媒は単独もしくは組み合わせて用いられる。
中でも、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルメトキシアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルフォスホアミド、N−アセチル−2−ピロリドン、ピリジン、ジメチルスルホン、テトラメチレンスルホン、ジメチルテトラメチレンスルホン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、シクロペンタノン、γ−ブチロラクトン、α−アセチル−γ−ブチロラクトン等の極性溶媒が好適なものとして挙げられる。
本工程において用いられるポリイミド溶液は、例えば、ポリアミック酸、溶媒等を含むが、必要に応じてその他の成分を含んでいても良い。その他の成分としては、例えば、ポリアミック酸以外のバインダー樹脂、感光性ポリイミド樹脂等が挙げられる。また、加工特性や各種機能性を付与するという観点から、様々な有機または無機の低分子または高分子化合物を配合しても良い。例えば、染料、界面活性剤、レベリング材、可塑剤、微粒子等を用いることができる。微粒子には、ポリスチレン、ポリテトラフルオロエチレン等の有機微粒子、コロイダルシリカ、カーボン、層状珪酸塩等の無機微粒子等が含まれ、それらは多孔質や中空構造であっても良い。また、その機能または形態としては顔料、フィラー、繊維等がある。
ポリイミド溶液が上述したその他の成分を含む場合、その配合割合は、ポリイミド溶液中、すなわち本発明により得られるポリイミドフィルム中、0.1質量%以上20質量%以下の範囲内であることが好ましい。その他の成分の配合割合が上記範囲内であることにより、その他の成分が有する効果を十分に発揮することができ、かつ、ポリイミド塗膜をイミド化することにより、後述する機能層との密着性を向上させるといった効果を十分に得ることができる。
2.ポリイミド塗膜
本工程におけるポリイミド塗膜は、上述したポリアミック酸を含むポリイミド溶液を基材上に塗布し、仮乾燥させることにより得られるものである。すなわち、ポリイミド塗膜は、ポリイミド溶液に含まれる溶媒が所定量除去されることにより得られるものである。
ここで、「塗膜」とは、膜が硬化乾燥状態に至っていない状態を指す。例えばJIS K 5600−1−1に規定された指触乾燥状態や半硬化乾燥状態を含み、塗膜表面を直接触ることで確認することができる。
また、「ポリイミド溶液に含まれる溶媒が所定量除去される」とは、ポリイミド溶液から溶媒が全て除去されないことを指す。具体的には、ポリイミド塗膜中の溶媒の量が、5wt%以上30wt%以下の範囲内となることが好ましく、中でも、5wt%以上20wt%以下の範囲内となることが好ましく、特に、5wt%以上10wt%以下の範囲内となることが好ましい。ポリイミド塗膜中の溶媒量が上記範囲内であることにより、後述するイミド化工程により、ポリイミドフィルムと後述する機能層との密着性を高めることが可能となる。
本工程におけるポリイミド塗膜は、上述のように、仮乾燥させることにより得ることができるが、本工程において得られるポリイミド塗膜は、ポリアミック酸を含んでいることが好ましい。ここで「ポリイミド塗膜は、ポリアミック酸を含んでいる」とは、本工程における仮乾燥の際に、イミド化が進行していないことを意味する。本工程においてイミド化が進行せず、ポリイミド塗膜がポリアミック酸を含むことにより、後述するイミド化工程においてポリイミド塗膜のイミド化を進行させた際に、イミド化工程においてポリイミド塗膜と機能層との界面を化学結合し、優れた密着性を有するポリイミドフィルムおよび機能層とすることができるからである。また、「本工程における仮乾燥の際に、イミド化が進行していない」とは、例えば、仮乾燥を行うことにより得られたポリイミド塗膜のイミド化率が、50%以下であること、中でも30%以下であることをいい、特に0%であることが好ましい。
ポリイミド塗膜の厚みは、本発明により得られるポリイミド積層体の用途等に応じて適宜調整することができるが、例えば、3μm以上50μm以下とすることができ、中でも4μm以上20μm以下とすることができ、特に5μm以上15μm以下とすることができる。ポリイミド塗膜の厚みが上記範囲内であることにより、所望の厚みを有するポリイミドフィルムを得ることができ、また、塗布法を用いることにより、上記範囲のように、ポリイミドフィルムの薄膜化を図ることが可能となる。
3.基材
本工程において用いられる基材は、本発明の製造方法により得られるポリイミドフィルムおよび機能層を支持する部材である。
本工程において用いられる基材の厚みとしては、各部材を支持することができる程度の厚みであり、かつ必要に応じてポリイミドフィルム積層体から剥離することができる程度の厚みであることが好ましい。基材の具体的な厚みは、ポリイミドフィルム積層体のフレキシブル性、すなわちポリイミドフィルム積層体を構成する材料に応じて適宜調整することができ、特に限定されない。例えば、3μm以上50μm以下とすることができる。
本工程において用いられる基材の材料には、例えば、表面にポリイミド溶液を塗布することが可能は材料を採用することができ、具体的には、石英ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、合成石英板等の可撓性のない無機基板が挙げられる。
本工程において用いられる基材は、例えば、ポリイミドフィルムから剥離する際に、優れた剥離性を発揮するために、ポリイミドフィルムに接する側の面に離型処理を施すことができる。離型処理の方法としては、例えば、基材の表面に離型層を形成する方法が挙げられる。離型層は、離型剤を塗布、乾燥させることにより形成することができる。このとき用いられる離型剤としては、例えば、メラミン樹脂系離型剤、シリコーン樹脂系離型剤、フッ素樹脂系離型剤、セルロース樹脂系離型剤、尿素樹脂系離型剤、ポリオレフィン樹脂系離型剤、パラフィン系離型剤、アクリル樹脂系離型剤およびこれらの複合型離型剤等が挙げられる。
B.機能層形成工程
本発明における機能層形成工程は、ポリイミド塗膜形成工程後に、ポリイミド塗膜上に、機能層を形成する工程である。
本工程において形成される機能層としては、例えば、オーバーコート層、バリア層、加飾部、ブラックマトリクス等が挙げられる。そのため、機能層の材料は、採用される機能層の種類に応じて適宜選択することができ、特に限定されないが、例えば、紫外線硬化型樹脂、熱硬化型樹脂、光硬化型樹脂等の硬化型樹脂であることが好ましく、中でも、紫外線硬化型樹脂であることが好ましい。パターン状の機能層の形成を好適に行うことができるからである。すなわち、機能層がパターン状である場合には、本工程では、機能層のパターニングも行われる。
本工程においてパターン状の機能層が形成される場合、現像後のポストベークは、後述するイミド化工程での熱処理と一の工程として行うことができる。なお、具体的な熱処理についての説明は後述するため、ここでの記載は省略する。
以下、機能層がオーバーコート層、バリア層、加飾部、ブラックマトリクスである場合に分けて説明する。
1.オーバーコート層
機能層がオーバーコート層である場合、本工程は、ポリイミド塗膜上に、オーバーコート層を形成する工程である。機能層がオーバーコート層である場合、後述するイミド化工程によりポリイミド塗膜がイミド化されることで、優れた密着性を有するポリイミドフィルムおよびオーバーコート層が積層されたポリイミドフィルム積層体を得ることができる。
オーバーコート層の材料としては、一般的なオーバーコート層と同様とすることができる。例えば、アクリル系樹脂、フェノール系樹脂、フッ素系樹脂、エポキシ系樹脂、カルド系樹脂、ビニル系樹脂、イミド系樹脂、ノボラック系樹脂等の有機材料が挙げられる。
オーバーコート層を形成する方法としては、例えば、オーバーコート層を構成するオーバーコート層形成用組成物を塗布する方法が挙げられる。ここで用いられる塗布方法としては、一般的に公知の塗布方法を適用することができる。例えば、スピンコート、ロールコート、キャストコート等の塗布方法が挙げられる。
オーバーコート層の厚みとしては、本発明により得られるポリイミドフィルム積層体の用途等に応じて適宜調整することができ、特に限定されない。
機能層がオーバーコート層である場合、オーバーコート層のポリイミドフィルム側の面、またはポリイミドフィルムとは反対側の面の少なくとも一方の面に、センサ電極を有していても良い。ここで、センサ電極は、通常、パターン状に形成される。そのため、オーバーコート層のポリイミドフィルム側の面にセンサ電極を有する場合には、センサ電極を介してポリイミドフィルムおよびオーバーコート層が密着することとなる。したがって、オーバーコート層がセンサ電極を有する場合であっても、ポリイミドフィルムおよびオーバーコート層が優れた密着性を有するポリイミドフィルム積層体、すなわちセンサ電極基材を得ることができる。
以下、センサ電極について説明する。
本工程において形成されるセンサ電極としては、透明性を有していても良く、あるいは不透明性を有していても良い。また、センサ電極は、パターン状に形成されることが好ましく、具体的には、細線によるメッシュ状のメッシュ電極であることが好ましい。センサ電極がオーバーコート層のポリイミドフィルム側の面に形成される場合に、センサ電極を介してオーバーコート層およびポリイミドフィルムが接触するため、優れた密着性を有するポリイミドフィルム積層体、すなわちセンサ電極基材とすることができるからである。
本工程において形成されるセンサ電極の材料としては、例えば、銀、金、銅、クロム、プラチナ、アルミニウムの単体、あるいはこれらのいずれかを主体とする合金等が挙げられる。金属合金としては、APCと称される銀、パラジウム、銅の合金が汎用される。また、金属の複合体としては、MAMと称されるモリブデン、アルミニウム、モリブデンの3層構造体等も適用可能である。さらに、例えばPEDOT等の樹脂層形成用組成物に上記金属を加えた導電性高分子を用いることもできる。さらにまた、酸化スズ、ITOと称される酸化インジウムスズ、IZOと称される酸化インジウム亜鉛等の透明導電材料を用いることもできる。
センサ電極は、次のような方法により形成することができる。例えば、オーバーコート層のポリイミド塗膜側の面にセンサ電極が形成される場合には、上述したポリイミド塗膜上に、センサ電極の構成材料である導電性材料を用いて導電層を形成し、次に、導電層上にレジストパターンを形成して、当該レジストパターンをマスクとして導電層をエッチングする方法が挙げられる。このとき、導電層を形成する方法には、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法、イオンプレーティング法等のドライプロセスを用いることができる。なお、オーバーコート層のポリイミド塗膜とは反対側の面にセンサ電極が形成される場合にも、上述した方法と同様にしてセンサ電極を得ることができる。また、パターン状に形成されたセンサ電極のポストベークは、後述するイミド化工程における熱処理と一の工程として行うことができる。これにより、製造工程の削減を図ることが可能となる。
本工程において形成されるセンサ電極が細線によるメッシュ状のメッシュ電極である場合、センサ電極の厚み、線幅、ピッチおよび開口率等については、本発明により得られるポリイミドフィルム積層体、すなわちセンサ電極基材の用途に応じて適宜調整することができ、一般的なセンサ電極と同様とすることができるため、ここでの記載は省略する。本工程において形成されるセンサ電極が細線によるメッシュ状のメッシュ電極であることにより、センサ電極に用いられる材料が不透明な金属材料であったとしても、見かけ上、透明なセンサ電極とすることが可能である。
2.バリア層
機能層がバリア層である場合、本工程は、ポリイミド塗膜上に、バリア層を形成する工程である。機能層がバリア層である場合、後述するイミド化工程によりポリイミド塗膜がイミド化されることで、優れた密着性を有するポリイミドフィルムおよびバリア層が積層されたポリイミドフィルム積層体を得ることができる。
バリア層の材料としては、一般的なバリア層と同様とすることができる。例えば、熱硬化型材料、紫外線硬化型材料、有機無機ハイブリッド材料、ゾルゲル材料、およびアクリル酸亜鉛等が挙げられる。
バリア層を形成する方法としては、バリア層の材料に応じて適宜選択することができるが、例えば、ゾルゲル法が挙げられる。
バリア層の厚みとしては、本発明により得られるポリイミドフィルム積層体の用途等に応じて適宜調整することができ、特に限定されない。
機能層がバリア層である場合、バリア層のポリイミドフィルム側の面、またはポリイミドフィルムとは反対側の面の少なくとも一方の面に、センサ電極を有していても良い。なお、センサ電極を有する場合の具体的な説明は、上述した「1.オーバーコート層」の項に記載した内容と同様とすることができるため、ここでの記載は省略する。
3.加飾部
機能層が加飾部である場合、本工程は、ポリイミド塗膜上に、加飾部を形成する工程である。機能層が加飾部である場合、後述するイミド化工程によりポリイミド塗膜がイミド化されることで、優れた密着性を有するポリイミドフィルムおよび加飾部が積層されたポリイミドフィルム積層体、すなわち加飾部材を得ることができる。
加飾部の材料としては、加飾部が呈する色に応じて適宜選択することができる。加飾部が黒色を呈する黒色加飾部である場合、黒色加飾部の材料は、後述するブラックマトリクスの材料と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。また、加飾部が白色を呈する白色加飾部である場合、白色加飾部の材料には、例えば、例えば、酸化チタン、シリカ、タルク、カオリン、クレイ、硫酸バリウム、水酸化カルシウム等を用いることができる。
加飾部を形成する方法としては、例えば、スパッタリング法、真空蒸着法、塗布法等により加飾層を形成し、その後、フォトリソグラフィ法により加飾層をパターニングすることにより、加飾部を形成することができる。なお、パターン状に形成された加飾部のポストベークは、後述するイミド化工程における熱処理と一の工程として行うことができる。これにより、製造工程の削減を図ることが可能となる。
加飾部の厚みとしては、本発明により得られるポリイミドフィルム積層体、すなわち加飾部材の用途等に応じて適宜調整することができ、特に限定されない。
4.ブラックマトリクス
機能層がブラックマトリクスである場合、本工程は、ポリイミド塗膜上に、ブラックマトリクスを形成する工程である。機能層がブラックマトリクスである場合、後述するイミド化工程によりポリイミド塗膜がイミド化されることで、優れた密着性を有するポリイミドフィルムおよびブラックマトリクスが積層されたポリイミドフィルム積層体、すなわち遮光部材を得ることができる。
本工程において形成されるブラックマトリクスは、例えば、バインダー樹脂に黒色顔料を分散させることにより得ることができる。黒色顔料としては、例えば、チタンブラック(低次酸化チタン、酸窒化チタン等)、カーボンブラック等が挙げられる。また、ブラックマトリクスの主成分となるバインダー樹脂は、感光性樹脂を含有することが好ましい。感光性樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリ桂皮酸ビニル系樹脂、環化ゴム、等の反応性ビニル基等の光反応性基を有する感光性樹脂を1種以上用いることができる。アクリル系樹脂では、例えば、アルカリ可溶性樹脂、多官能アクリレート系モノマー、光重合開始剤、その他添加剤等からなる感光性樹脂をバインダー樹脂の樹脂成分として用いることができる。なお、バインダー樹脂は、上述した材料の他にも、光増感剤、分散剤、界面活性剤、安定剤、レベリング剤などの、公知の各種添加剤を含むことができる。
ブラックマトリクスは、次のような方法により形成することができる。例えば、上述した樹脂層上に、スパッタリング法、真空蒸着法、塗布法等によりブラックマトリクス層を形成し、フォトリソグラフィ法によりブラックマトリクス層をパターニングする方法を用いることができる。なお、パターン状に形成されたブラックマトリクスのポストベークは、後述するイミド化工程における熱処理と一の工程として行うことができる。これにより、製造工程の削減を図ることが可能となる。
本工程において形成されるブラックマトリクスの厚み、線幅、遮光性等については、本発明により得られるポリイミドフィルム積層体、すなわちブラックマトリクス基材の用途に応じて適宜調整することができ、一般的なブラックマトリクスと同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
本工程において形成される機能層がブラックマトリクスである場合、パターン状に形成されたブラックマトリクスの開口部に着色部を形成し、本発明により得られるポリイミドフィルム積層体を、カラーフィルタ基材とすることができる。なお、このとき用いられる着色部は、一般的なカラーフィルタに用いられる着色部と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
C.イミド化工程
本発明におけるイミド化工程は、機能層形成工程後に、ポリイミド塗膜を熱処理することでイミド化し、ポリイミド塗膜をポリイミドフィルムとする工程である。
本工程は、ポリイミド塗膜を熱処理することでイミド化し、ポリイミド塗膜をポリイミドフィルムとすることができる工程であれば特に限定されない。
ポリイミド塗膜を熱処理する方法としては、例えば、オーブンやホットプレート等を用いて加熱する方法が挙げられる。
一般的に、ポリアミック酸は150℃程度から徐々にイミド化が進行し、200℃以上の温度においてほぼイミド化が完了すると言われている。一方、より高度な信頼性を求めるためには、より完全にイミド化を進行させることが必要であり、その場合には、最終的に得られるポリイミドフィルムのガラス転移温度(Tg)により近い温度、中でもポリイミドフィルムのガラス転移温度(Tg)よりも高い温度での加熱を行うことが好ましい。
本工程により得られるポリイミドフィルムのガラス転移温度(Tg)は、ポリイミドフィルムを構成する材料の種類に応じて適宜調整することができ、特に限定されないが、例えば、200℃以上370℃以下の範囲内であることが好ましく、中でも250℃以上360℃以下の範囲内であることが好ましく、特に270℃以上350℃以下の範囲内であることが好ましい。ポリイミドフィルムのガラス転移温度(Tg)が上記範囲内であることにより、本工程における熱処理温度を、機能層が劣化しない程度の範囲内に設定することができる。
本工程における熱処理温度としては、イミド化を良好に進行させることを目的として、ポリイミドフィルムのガラス転移温度(Tg)に応じて適宜調整することが好ましい。また、仮に、上述した機能層形成工程において形成される機能層がポストベークを要する場合は、本工程における熱処理が、機能層のポストベークを兼ねていても良い。したがって、ポリイミドフィルムのガラス転移温度(Tg)に加え、機能層のポストベーク温度を考慮して熱処理温度を調整することが好ましい。具体的には、熱により機能層が変質または劣化せず、かつ良好にポストベークを行える程度の熱処理温度に調整することが好ましい。本工程における具体的な熱処理温度は、例えば、210℃以上380℃以下の範囲内であることが好ましく、中でも260℃以上370℃以下の範囲内であることが好ましく、特に280℃以上360℃以下の範囲内であることが好ましい。
なお、ポリイミドフィルムのガラス転移温度(Tg)は、動的粘弾性測定によって、tanδ(tanδ=損失弾性率(E’’)/貯蔵弾性率(E’))のピーク温度から求められる。動的粘弾性測定としては、例えば、粘弾性測定装置Solid Analyzer RSA II(Rheometric Scientific社製)によって、周波数1Hz、昇温速度5℃/minにより行うことができる。
本工程における熱処理時間としては、上述した熱処理温度や、ポリイミドフィルムの材料等に応じて適宜調整することができ、特に限定されない。例えば、30分以上120分以下程度の熱処理時間とすることができる。
本工程における熱処理は、ポリイミドフィルムや機能層の酸化を防止するために、窒素やアルゴン等の不活性雰囲気下で行うことが好ましい。
本工程は、ポリイミド塗膜をイミド化してポリイミドフィルムとする工程であるが、その際、より完全にイミド化が進行することが好ましい。本工程によるポリイミド塗膜のイミド化率は、ポリイミド塗膜を硬化してポリイミドフィルムとし、機能層との密着性を十分に得られる程度であることが好ましく、具体的には、80%以上であることが好ましく、中でも90%以上であることが好ましく、特に100%、すなわち、ポリアミック酸を含まないものとすることが好ましい。なお、イミド化率は、例えば、赤外線吸収スペクトルを用いて確認することができる。具体的には、ポリイミドフィルムに含まれるイミド結合由来のC=O二重結合のピーク面積から定量することにより求めることができる。
本工程により得られるポリイミドフィルムは、寸法安定性の観点から、所定の線熱膨張係数を有することが好ましい。機能層との密着性の低下を抑制することができ、また、機能層がパターン状である場合には、機能層との位置ずれを抑制することが可能となるからである。ポリイミドフィルムが有する具体的な線熱膨張係数としては、例えば、60ppm以下が好ましく、0ppm〜40ppmの範囲がさらに好ましい。
ここで、本発明における線熱膨張係数とは、本発明により得られたポリイミドフィルムの熱機械的分析装置(TMA)によって求めることができる。熱機械的分析装置(例えばThermo Plus TMA8310(リガク社製)によって、昇温速度を10℃/min、評価サンプルの断面積当たりの加重が同じになるように引張り加重を1g/25000μmとして得られる。
D.剥離工程
本発明における剥離工程は、イミド化工程後に、基材を剥離する工程である。
本工程において、ポリイミドフィルムから基材を剥離する方法としては、例えば、物理的手法により基材を剥離する方法や、レーザー光を基材側から照射し、当該基材を透過したレーザー光がポリイミドフィルムに吸収され、基材およびポリイミドフィルムを剥離する方法が挙げられる。
本工程が、レーザー光を基材側から照射し、基材およびポリイミドフィルムを剥離する方法である場合、レーザー光には、基材およびポリイミドフィルムの界面における結合を切り離すことができるような波長域のレーザーを用いることができる。具体的には、レーザー光が有する波長域が紫外線領域であることが好ましい。紫外線領域としては、例えば300nm以上400nm以下の範囲内であることが好ましく、中でも320nm以上380nm以下の範囲内であることが好ましく、特に340nm以上360nm以下の範囲内であることが好ましい。このようなレーザー光としては、例えば、XeCl、XeF等のエキシマレーザー、YAG、YVO等の固体レーザー、半導体レーザー等が挙げられる。本工程では、例えばポリイミドフィルムが透明なポリイミド溶液を用いて構成されている場合、308nmのエキシマレーザーや355nmの固体レーザーを用いることができる。
レーザー光の照射方法としては、基材およびポリイミドフィルムの界面に十分にレーザー光を照射することができる方法であることが好ましく、基材の平面視上、一方の方向へ、露光装置を移動させながらスキャンする方法が挙げられる。
本工程において、ポリイミドフィルムから基材を良好に剥離するために、予め、基材とポリイミドフィルムとの間にレーザー光を吸収するレーザー吸収層を配置していても良い。レーザー吸収層の材料は、レーザー光を照射することにより、レーザーアブレーションが起こり得る材料であることが好ましい。このようなレーザー吸収層の具体的な材料については、レーザー光の種類等に応じて適宜選択することができ、一般的にレーザー吸収層として用いられるものと同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。また、レーザー吸収層の厚みや形成方法についても、一般的なレーザー吸収層と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
E.その他の工程
本発明においては、上述した工程の他にも、必要に応じてその他の工程を有していても良い。その他の工程としては、例えば、その他の部材を形成する工程が挙げられる。具体的には、本発明により得られるポリイミドフィルム積層体をセンサ電極基材として用いる場合に、センサ電極である透明電極層の骨見えを抑制することが可能な不可視化層を形成する工程や、その他にも、衝撃吸収層を形成する工程等が挙げられる。
F.ポリイミドフィルム積層体
本発明により得られるポリイミドフィルム積層体は、機能層に応じて様々な構成とすることができる。例えば、機能層がバリア層である場合には、当該バリア層上にさらにセンサ電極を形成し、基材、ポリイミドフィルム、バリア層、およびセンサ電極が順に積層されたポリイミドフィルム積層体、すなわちセンサ電極基材とすることができる。また、例えば、機能層がオーバーコート層である場合には、当該オーバーコート層上にさらにバリア層を形成しても良く、さらに当該バリア層上にセンサ電極を形成しても良い。この場合、基材、ポリイミドフィルム、オーバーコート層、バリア層、およびセンサ電極が順に積層されたポリイミドフィルム積層体、すなわちセンサ電極基材とすることができる。
II.表示装置の製造方法
本発明の表示装置の製造方法は、ポリイミドフィルム積層体および表示パネルを有する表示装置の製造方法であって、基材上に、ポリアミック酸を含むポリイミド溶液を塗布して仮乾燥し、ポリイミド塗膜を形成するポリイミド塗膜形成工程と、上記ポリイミド塗膜形成工程後に、上記ポリイミド塗膜上に、機能層を形成する機能層形成工程と、上記機能層形成工程後に、上記ポリイミド塗膜を熱処理することでイミド化し、上記ポリイミド塗膜をポリイミドフィルムとするイミド化工程と、上記イミド化工程後に、上記基材を剥離する剥離工程と、上記剥離工程後に、上記基材が剥離された面に上記表示パネルを貼り合せる貼合工程とを有する製造方法である。
以下、本発明の表示装置の製造方法について、図を参照しながら説明する。本発明においては、例えば、機能層が加飾部であり、ポリイミドフィルム積層体が加飾部材である場合には、例えば、図2(a)に示すように、ポリイミドフィルム積層体10を表示パネル30に貼り合せて表示装置100とすることができる。なお、図2(a)では、加飾部材として機能するポリイミドフィルム積層体10と表示パネル30との間に、タッチパネルの位置検知を行うことが可能なセンサ電極20を有する例について示している。
一方、本発明においては、例えば、機能層がブラックマトリクスおよびセンサ電極が積層され、ポリイミドフィルム積層体がセンサ電極基材である場合には、例えば、図2(b)に示すように、ポリイミドフィルム積層体10を表示パネル30に貼り合せて表示装置100とすることができる。なお、図2(b)では、ポリイミドフィルム積層体10の表示パネル30とは反対側の面に、加飾部材40を有する例について示している。
なお、本発明の表示装置の具体的な構成については、例えば、特許第5392641号と同様とすることができるため、ここでの詳しい記載は省略する。
本発明によれば、ポリイミド塗膜上に機能層を形成する機能層形成工程後に、ポリイミド塗膜をイミド化するイミド化工程を有することにより、ポリイミドフィルムおよび機能層の密着性に優れた表示装置を得ることができる。
なお、具体的な効果については、上記「I.ポリイミドフィルム積層体の製造方法」の項に記載した内容と同様とすることができるため、ここでの記載は省略する。
以下、本発明の表示装置の製造方法における各工程について説明する。なお、ポリイミド塗膜形成工程、機能層形成工程、イミド化工程、および剥離工程については、上記「I.ポリイミドフィルム積層体の製造方法」の項に記載した内容と同様とすることができるため、ここでの記載は省略する。
A.貼合工程
本発明における貼合工程は、上記「I.ポリイミドフィルム積層体の製造方法 D.剥離工程」の項で説明した工程と同様の剥離工程後に、基材が剥離された面に表示パネルを貼り合せる工程である。
本工程において、ポリイミドフィルム積層体の基材が剥離された側の面に表示パネルを貼り合せる方法としては、一般的な表示装置の製造方法において用いられる貼り合せ方法と同様とすることができ、例えば、粘着層を介して両者を圧着する方法が挙げられる。
本工程において用いられる粘着層の材料は、所定の光透過性を有することが好ましい。中でも、所定のフレキシブル性を有することが好ましい。このような粘着層の材料としては、例えば、光硬化性樹脂や熱硬化性樹脂等の一般的な材料が挙げられる。
粘着層の厚みは、粘着層としての粘着力を発揮することができる程度の厚みであることが好ましく、粘着層の材料等に応じて適宜調整することができる。なお、具体的な粘着層の厚みについては、一般的な表示装置に用いられる粘着層と同様とすることができるため、ここでの記載は省略する。
本工程においては、表示パネルおよびポリイミドフィルムの表面に付したアライメントマークを用いて、所望の位置に貼り合せても良い。なお、アライメントマークについては、表示装置の製造工程において一般的に用いられるものと同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
本工程において用いられる表示パネルは、液晶表示パネル、電界発光(EL)パネルが代表的であるが、その他、電子ペーパーパネル、ブラウン管によるディスプレイ装置でも良く、公知の各種表示パネルでも良い。
上述した表示パネルについては、一般的な表示装置に用いられるものと同様とすることができるため、ここでの具体的な説明は省略する。
B.その他の工程
本発明においては、上述した工程の他にも、必要に応じてその他の工程を有していても良い。なお、その他の工程については、一般的な表示装置の製造方法に用いられる工程等が挙げられるため、ここでの記載は省略する。
III.ポリイミドフィルム積層体
本発明のポリイミドフィルム積層体は、ポリイミドフィルムと、上記ポリイミドフィルム上に配置された機能層とを有し、上記ポリイミドフィルムの厚みが12μm以下であり、縦方向に10マス、横方向に10マスである100マスのクロスカッターを用いて、上記機能層を厚み方向に切断し、上記機能層の表面に粘着テープを付着させ、上記粘着テープを引き剥がしたときの上記ポリイミドフィルム上に残存する上記機能層のマス数が、90マス以上であることを特徴とする部材である。
以下、本発明のポリイミドフィルム積層体について、図を参照しながら説明する。
図3(a)、(b)は本発明のポリイミドフィルム積層体10の一例を示す概略断面図である。図3(a)に示すように、本発明のポリイミドフィルム積層体10は、ポリイミドフィルム2と、ポリイミドフィルム2上に配置された機能層3とを有しても良く、図3(b)に示すように、ポリイミドフィルム2の機能層3とは反対側の面に基材1をさらに有していても良い。なお、本発明においては、ポリイミドフィルムの厚みが12μm以下であり、かつポリイミドフィルムおよび機能層が所定の密着性を有することを特徴とする。
本発明によれば、ポリイミドフィルム上に機能層を有するポリイミドフィルム積層体であっても、ポリイミドフィルムおよび機能層の密着性に優れたポリイミドフィルム積層体とすることができる。
なお、具体的な効果については、上記「I.ポリイミドフィルム積層体の製造方法」の項に記載した内容と同様とすることができるため、ここでの記載は省略する。
本発明においては、ポリイミドフィルムおよび機能層が所定の密着性を有する。ここで、所定の密着性は、次のような実験により明らかにすることができる。すなわち、本発明においては、縦方向に10マス、横方向に10マスである100マスのクロスカッターを用いて、機能層を厚み方向に切断し、機能層の表面に粘着テープを付着させ、粘着テープを引き剥がしたときのポリイミドフィルム上に残存する機能層のマス数が、90マス以上である。本発明においては、中でも95マス以上であることが好ましく、特に100マスであることが好ましい。本発明におけるポリイミドフィルムおよび機能層が、上述のような所定の密着性を有することにより、樹脂層の薄膜化を目的としてポリイミドフィルムを用いた場合であっても、ポリイミドフィルム上に形成される機能層との密着性に優れたポリイミドフィルム積層体を得ることができる。
なお、上述した方法によりポリイミドフィルムおよび機能層の密着性を評価する際、クロスカッターを用いて機能層を厚み方向に切断すれば良いが、より正確にポリイミドフィルムおよび機能層の密着性を評価するためには、クロスカッターを用いて機能層のみを厚み方向に切断することが好ましい。ポリイミドフィルムの機能層とは反対側の面に基材を有する場合に、ポリイミドフィルムおよび基材の密着性が影響することを抑制できるからである。
本発明におけるポリイミドフィルムは、厚みが12μm以下であれば良く、中でも10μm以下であることが好ましい。本発明においては、上記「I.ポリイミドフィルム積層体の製造方法」の項に記載したように、ポリイミドフィルムを塗布法により形成することができるため、薄膜化が可能となる。また、本発明においては、ポリイミドフィルムの厚みが上記範囲内であることにより、ポリイミドフィルム積層体を表示装置等に用いた際に、表示装置全体としての厚みを薄くすることが可能となる。
本発明におけるポリイミドフィルム積層体は、ポリイミドフィルムの機能層とは反対側の面に基材を有していても良く、有さなくても良い。ポリイミドフィルム積層体が基材を有する場合には、基材をキャリア基材として用いることが可能である。したがって、例えば、上記「II.表示装置の製造方法」の項に記載したように、本発明のポリイミドフィルム積層体を表示装置等に用いる場合には、基材を有しないことが好ましい。
本発明のポリイミドフィルム積層体についてのその他の詳細な説明については、上記「I.ポリイミドフィルム積層体の製造方法」の項に記載した内容と同様とすることができるため、ここでの記載は省略する。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
[実施例1〜4]
(ポリイミド塗膜形成工程)
基材(材料:ガラス)上に、スピンコート法を用いて、ポリイミド溶液(溶媒:NMP(N−メチルー2−ピロリドン))を塗布した。その後、100℃のホットプレート上に3分間仮乾燥させて、ポリイミド塗膜(厚み:15μm)を形成した。なお、ポリイミド溶液には、ポリイミド溶液A(Tg:340℃)、ポリイミド溶液B(Tg:350℃)、ポリイミド溶液C(Tg:270℃)、ポリイミド溶液D(Tg:270℃)を用いた。
(機能層形成工程)
得られたポリイミド塗膜上に、機能層としてオーバーコート層を形成した。具体的には、ポリイミド塗膜上に、オーバーコート層を構成するオーバーコート層形成用組成物(材料:紫外線硬化型樹脂)を塗布し、ホットプレートを用いた加熱により仮乾燥させ、その後、紫外線照射をすることにより硬化させた。
(イミド化工程)
機能層形成工程後、所定の温度条件下にて、ポリイミド塗膜および機能層を焼成し、ポリイミド塗膜においてイミド化を進行させて、ポリイミドフィルム積層体を得た。
本工程における加熱条件については、下記表1に示す。
[比較例1〜4]
ポリイミド塗膜形成工程後にイミド化工程を行い、その後、機能層形成工程を行ったこと以外は、実施例1〜4と同様にポリイミドフィルム積層体を得た。
[評価]
ポリイミドフィルムおよび機能層の密着性について評価した。具体的には、次のような方法により密着性を評価した。すなわち、縦方向に10マス、横方向に10マスである100マスのクロスカッターを用いて、機能層を厚み方向に切断し、機能層の表面に粘着テープを付着させ、粘着テープを引き剥がしたときの、ポリイミドフィルム上に残存する機能層のマス数を測定することにより密着性を評価した。
結果は、下記表1に示す。
Figure 2017209925
1 …基材
2” …ポリイミド溶液
2’ …ポリイミド塗膜
2 …ポリイミドフィルム
3 …機能層
10 …ポリイミドフィルム積層体
100…表示装置

Claims (5)

  1. 基材上に、ポリアミック酸を含むポリイミド溶液を塗布して仮乾燥し、ポリイミド塗膜を形成するポリイミド塗膜形成工程と、
    前記ポリイミド塗膜形成工程後に、前記ポリイミド塗膜上に、機能層を形成する機能層形成工程と、
    前記機能層形成工程後に、前記ポリイミド塗膜を熱処理することでイミド化し、前記ポリイミド塗膜をポリイミドフィルムとするイミド化工程と
    を有することを特徴とするポリイミドフィルム積層体の製造方法。
  2. 前記イミド化工程後に、前記基材を剥離する剥離工程を有することを特徴とする請求項1に記載のポリイミドフィルム積層体の製造方法。
  3. ポリイミドフィルム積層体および表示パネルを有する表示装置の製造方法であって、
    基材上に、ポリアミック酸を含むポリイミド溶液を塗布して仮乾燥し、ポリイミド塗膜を形成するポリイミド塗膜形成工程と、
    前記ポリイミド塗膜形成工程後に、前記ポリイミド塗膜上に、機能層を形成する機能層形成工程と、
    前記機能層形成工程後に、前記ポリイミド塗膜を熱処理することでイミド化し、前記ポリイミド塗膜をポリイミドフィルムとするイミド化工程と、
    前記イミド化工程後に、前記基材を剥離する剥離工程と、
    前記剥離工程後に、前記基材が剥離された面に前記表示パネルを貼り合せる貼合工程と
    を有することを特徴とする表示装置の製造方法。
  4. ポリイミドフィルムと、
    前記ポリイミドフィルム上に配置された機能層と
    を有し、
    前記ポリイミドフィルムの厚みが12μm以下であり、
    縦方向に10マス、横方向に10マスである100マスのクロスカッターを用いて、前記機能層を厚み方向に切断し、前記機能層の表面に粘着テープを付着させ、前記粘着テープを引き剥がしたときの前記ポリイミドフィルム上に残存する前記機能層のマス数が、90マス以上であることを特徴とするポリイミドフィルム積層体。
  5. 前記ポリイミドフィルムの前記機能層とは反対側の面に配置された基材を有することを特徴とする請求項4に記載のポリイミドフィルム積層体。
JP2016105998A 2016-05-27 2016-05-27 ポリイミドフィルム積層体の製造方法、それを用いた表示装置の製造方法、およびポリイミドフィルム積層体 Pending JP2017209925A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016105998A JP2017209925A (ja) 2016-05-27 2016-05-27 ポリイミドフィルム積層体の製造方法、それを用いた表示装置の製造方法、およびポリイミドフィルム積層体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016105998A JP2017209925A (ja) 2016-05-27 2016-05-27 ポリイミドフィルム積層体の製造方法、それを用いた表示装置の製造方法、およびポリイミドフィルム積層体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2017209925A true JP2017209925A (ja) 2017-11-30

Family

ID=60475131

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016105998A Pending JP2017209925A (ja) 2016-05-27 2016-05-27 ポリイミドフィルム積層体の製造方法、それを用いた表示装置の製造方法、およびポリイミドフィルム積層体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2017209925A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020025018A (ja) * 2018-08-07 2020-02-13 東京エレクトロン株式会社 プローブ装置、プローブの検査方法、及び記憶媒体
CN112209628A (zh) * 2020-10-10 2021-01-12 拓米(成都)应用技术研究院有限公司 一种柔性复合盖板及其制作方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020025018A (ja) * 2018-08-07 2020-02-13 東京エレクトロン株式会社 プローブ装置、プローブの検査方法、及び記憶媒体
JP7176284B2 (ja) 2018-08-07 2022-11-22 東京エレクトロン株式会社 プローブ装置、プローブの検査方法、及び記憶媒体
CN112209628A (zh) * 2020-10-10 2021-01-12 拓米(成都)应用技术研究院有限公司 一种柔性复合盖板及其制作方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7438869B2 (ja) 表示装置、表示装置用のポリイミドフィルム、ポリイミドフィルム及びポリイミド前駆体
TWI602882B (zh) 聚醯亞胺前驅體樹脂組合物
KR102358122B1 (ko) 플렉시블 기판의 제조 방법
JP5660249B1 (ja) ポリイミド前駆体、ポリイミド、それを用いたフレキシブル基板、カラーフィルタおよびその製造方法、ならびにフレキシブル表示デバイス
US10209554B2 (en) Method for manufacturing laminated resin black-matrix substrate
JP6332616B2 (ja) 高分子前駆体フィルム層/無機基板積層体、およびその製造方法、高分子フィルム層/無機基板積層体の製造方法、およびフレキシブル電子デバイスの製造方法
JP2011222780A (ja) 薄膜トランジスタ基板および薄膜トランジスタの製造方法
JP2019119779A (ja) ポリイミドフィルムの製造方法及びガラス−ポリイミド積層体
JP2018028053A (ja) 透明ポリイミドフィルムの製造方法
JP2017209925A (ja) ポリイミドフィルム積層体の製造方法、それを用いた表示装置の製造方法、およびポリイミドフィルム積層体
TWI711659B (zh) 聚醯亞胺膜的製造方法
JP2020109166A (ja) ポリイミド前駆体組成物及びそれから生じるポリイミドフィルム及びフレキシブルデバイス、ポリイミドフィルムの製造方法
JP7079076B2 (ja) ポリイミド前駆体及びそれから生じるポリイミド
JP2017213689A (ja) ポリイミドフィルム積層体の製造方法、それを用いた表示装置の製造方法、およびポリイミドフィルム積層体
JP6718736B2 (ja) 耐熱性有機高分子層の剥離方法およびフレキシブル配線板の製造方法
CN106170178B (zh) 耐热性有机高分子层的剥离方法及柔性布线板的制造方法
TW201908371A (zh) 聚醯亞胺膜、積層體、顯示器用表面材料、觸控面板構件、液晶顯示裝置、及有機電激發光顯示裝置
JP7039947B2 (ja) ポリイミドフィルム、ポリイミド前駆体、ポリイミドフィルムの製造方法、及び表示装置用部材
CN109476951B (zh) 剥离层形成用组合物和剥离层
JP6962323B2 (ja) 剥離層形成用組成物
JP2018187914A (ja) 積層体、表示装置の製造方法およびフレキシブル表示装置
KR20190100228A (ko) 기판 보호층 형성용 조성물
JP7265864B2 (ja) ポリイミド前駆体及びポリイミド
TWI797437B (zh) 附有導電層之基材及觸控面板
JP2017066396A (ja) ポリイミド前駆体溶液及びその製造方法並びにポリイミドフィルムの製造方法及び積層体の製造方法