JP2017209873A - 液体吐出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】液体吐出装置の用紙排出部からの異物侵入を防止することができる液体吐出装置を提供する。【解決手段】記録ヘッドにより液体を用紙に吐出するインクジェット記録装置において、用紙を排出する用紙排出部を挟んで対向して設けられ、各々が複数の通気孔を有する第1のガイド板143および第2のガイド板144と、第1のガイド板143の用紙に面していない面側に設けられた第1のファン141と、第2のガイド板144の用紙に面していない面側で第1のファン141に対向して設けられた第2のファン142と、を備え、第1のファン141の送風方向と第2のファン142の送風方向が略等しい。【選択図】図2

Description

本発明は、液体吐出装置に関する。
液体吐出装置の一例であるインクジェット記録装置は、屋内に設置される複写機に比べて小型で移動が容易なため、屋外や工場内などに設置して使用されることも多い。オフィスなどの屋内に比べ、屋外や工場内などに設置すると、埃、砂、塵などの異物が記録装置に降り掛かる可能性が高い。埃、砂、塵などの異物が装置内に侵入すると、インクジェット記録装置の動作に支障を来す故障に繋がる場合もある。
例えば、給紙トレイに用紙をセットする際に埃、砂、塵などの異物が用紙上に付着すると、異物が付着した用紙を搬送することで、用紙搬送用のローラ、ベルト、ガイド板などに傷がつくことがある。また、用紙に直接接触しない部品に対しても、間接的に異物が付着することも想定される。例えば、インクジェット記録装置における記録ヘッドのノズルに異物が付着するとインク吐出不良に繋がる。
また、ジャム処理時やメンテナンス等でインクジェット記録装置の装置カバーを開放した際に異物が記録装置内に侵入すると、上記不具合に繋がることもある。
以上のように、異物が記録装置内に直接侵入したり、用紙を介して内部部品に接触することで間接的に付着、侵入することにより、記録装置本体の動作に支障を来す故障に繋がるという問題があった。この問題を解決するために種々の対策がとられてきた(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。
しかしながら、特許文献1に記載のものにあっては、防塵カバーの開放状態では、周囲の埃、砂、塵などの異物が機内に侵入してしまうという問題があった。特に、プリンタの構成上、用紙排出部は開放されていることが多いため、用紙排出部から異物が侵入しやすい。
また、特許文献2に記載のものにあっても、プリンタ機外の異物が、特に開口部が大きい用紙排出部からプリンタ機内に侵入してしまうという問題は解消されていない。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたものであり、液体吐出装置の用紙排出部からの異物侵入を防止することができる液体吐出装置を提供することを目的とする。
本発明は、上述した課題を解決するために、液体吐出ヘッドにより液体を記録媒体に吐出する液体吐出装置において、前記記録媒体を排出する記録媒体排出部を挟んで対向して設けられ、各々が複数の通気孔を有する第1のガイド板および第2のガイド板と、前記第1のガイド板の前記記録媒体に面していない面側に設けられた第1のファンと、前記第2のガイド板の前記記録媒体に面していない面側で前記第1のファンに対向して設けられた第2のファンと、を備え、前記第1のファンの送風方向と前記第2のファンの送風方向が略等しいことを特徴とする液体吐出装置である。
本発明によれば、液体吐出装置の用紙排出部からの異物侵入を防止することができる液体吐出装置を提供することができる。
図1(a)は本発明の第1の実施形態に係るインクジェット記録装置の概略構成図であり、図1(b)はその概略透視斜視図である。 第1の実施形態に係るインクジェット記録装置の気流発生機構の概略構成図である。 図2のA−A矢視平面図である。 図3に示す第1のガイド板の別の態様を示す図である。 第1の実施形態に係る気流発生機構により発生させた気流を示す説明図である。 第1の実施形態に係る気流発生機構により発生させた別の気流の例を示す説明図である。 本発明の第2の実施形態に係るインクジェット記録装置の気流発生機構の概略構成図である。 第2の実施形態に係る気流発生機構により発生させた気流を示す説明図である。 本発明の第3の実施形態に係るインクジェット記録装置の用紙検出センサの配置を示す説明図である。 第3の実施形態に係るインクジェット記録装置の制御系の概略構成図である。 本発明の第4の実施形態に係るインクジェット記録装置の気流発生機構の概略構成図である。 本発明の第5の実施形態に係るインクジェット記録装置の気流発生機構の概略構成図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
[第1の実施形態]
まず、本発明に係る液体吐出装置の第1の実施形態に関し、インクジェット記録装置100を例にして、その構成について説明する。
図1(a)は、本実施の形態に係るインクジェット記録装置100の構成を示す概略構成図であり、図1(b)はその概略透視斜視図である。
図1に示すインクジェット記録装置100は、上部に印字機構部104を有している。印字機構部104は、記録装置本体の内部に主走査方向に移動可能なキャリッジ101と、キャリッジ101に搭載した液体吐出ヘッドとしての記録ヘッド102と、記録ヘッド102へインクを供給するインクカートリッジ103とを含んで構成されている。
インクジェット記録装置100は、下部に記録媒体供給トレイとしての給紙トレイ106と、中部に手差しトレイ107と、排紙トレイ108とを備えている。給紙トレイ106は、多数枚の記録媒体としての用紙105を積載可能であり、装置本体に前方側から抜き差し自在に装着することができる。手差しトレイ107は、用紙105を手差しで給紙するためのトレイであり、開倒することができる。給紙トレイ106或いは手差しトレイ107から給送される用紙105を取り込み、印字機構部104によって所要の画像を記録した後、後面側に装着された排紙トレイ108に排紙する。
印字機構部104は、左右の側板に横架したガイド部材である主ガイドロッド109と従ガイドロッド110とでキャリッジ101を主走査方向に摺動自在に保持している。このキャリッジ101には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐出する液体吐出ヘッドからなる記録ヘッド102を装着している。記録ヘッド102の複数のインク吐出口(ノズル)は、主走査方向と交差する方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて配置されている。
また、キャリッジ101には記録ヘッド102に各色のインクを供給するための各インクカートリッジ103を交換可能に装着している。インクカートリッジ103は上方に大気と連通する大気口、下方には記録ヘッド102へインクを供給する供給口を、内部にはインクが充填された多孔質体を有しており、多孔質体の毛管力により記録ヘッド102へ供給されるインクをわずかな負圧に維持している。また、記録ヘッド102としてここでは各色のヘッドを用いているが、各色のインク滴を吐出するノズルを有する1個のヘッドでもよい。ここで、キャリッジ101は後方側(用紙搬送方向下流側)を主ガイドロッド109に摺動自在に嵌装し、前方側(用紙搬送方向上流側)を従ガイドロッド110に摺動自在に載置している。そして、このキャリッジ101を主走査方向に移動走査するため、主走査モータ111で回転駆動される駆動プーリ112と従動プーリ113との間にタイミングベルト114を張装し、このタイミングベルト114をキャリッジ101に固定しており、主走査モータ111の正逆回転によりキャリッジ101が往復駆動される。
一方、給紙トレイ106にセットした用紙105を記録ヘッド102の下方側に搬送するために、給紙トレイ106から用紙105を分離給送する給紙コロ(半月コロ)115と、用紙105を案内するガイド部材117と、搬送ベルト126を張架する搬送ローラ118およびテンションローラ122と、搬送ローラ118の周面に押し付けられる搬送コロ119とが設けられている。搬送ローラ118は副走査モータ121によってギヤ列を介して回転駆動される。テンションローラ122の上方には用紙105を排紙方向へ送り出すために回転駆動される拍車124が設けられている。テンションローラ122の用紙搬送方向下流側には、用紙105を排紙トレイ108に送り出す排紙ローラ123および拍車125が設けられている。
本実施の形態では、給紙トレイ106に積載された用紙105が給紙コロ115により給紙され、搬送ローラ118とテンションローラ122により張架されている搬送ベルト126によって搬送され、搬送経路上の最下流ローラとなる排紙ローラ123により用紙105を排紙トレイ108へ排出する。このとき、搬送ベルト126直上のキャリッジ101に固定されている記録ヘッド102により用紙表面上にインクを吐出することで画像を記録する。
具体的には、記録時には、キャリッジ101を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド102を駆動することにより、停止している用紙105にインクを吐出して1行分を記録し、用紙105を所定量搬送後次の行の記録を行う。記録終了信号または、用紙105の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了させ用紙105を排紙する。また、キャリッジ101の移動方向右端側の記録領域を外れた位置には、記録ヘッド102の吐出不良を回復するための回復装置129を配置している。回復装置129はキャップ手段と吸引手段とクリーニング手段を有している。キャリッジ101は印字待機中にはこの回復装置129側に移動されてキャッピング手段で記録ヘッド102をキャッピングされ、吐出口部を湿潤状態に保つことによりインク乾燥による吐出不良を防止する。また、記録途中などに記録と関係しないインクを吐出することにより、全ての吐出口のインク粘度を一定にし、安定した吐出性能を維持する。
両面印刷動作の場合は、表面(第1面)を記録ヘッド102により印刷後、搬送ベルト126の駆動方向を逆転させることで、用紙105を反転ローラ131、132まで反転搬送した後、再度搬送ベルト126を正転動作させることで裏面(第2面)の印字動作および排紙ローラ123による用紙排紙動作を行う。
本実施の形態では、搬送ベルト126を張架および駆動しているテンションローラ122と排紙ローラ123を含む図1中、破線で囲まれた部分134に設けられた気流発生機構160Aに特徴を有する。
次に、本実施の形態に係る気流発生機構160Aの構成を説明する。
図2は、第1の実施形態に係るインクジェット記録装置100の気流発生機構160Aの概略構成図である。
本実施の形態に係るインクジェット記録装置100は、第1のファン141と第2のファン142と第1のガイド板143と第2のガイド板144とを備える。
第1のガイド板143および第2のガイド板144は、液体吐出ヘッドである記録ヘッド102より吐出されたインクが表面に付着した用紙105を排出する記録媒体排出部としての用紙排出部140を挟んで用紙搬送路150の下側および上側にそれぞれ対向して設けられている。第1のガイド板143および第2のガイド板144は、それぞれ用紙搬送路150に平行に配置されており、互いに平行になっている。また、第1のガイド板143および第2のガイド板144の各々は、板面に複数の通気孔を有している。
図3は図2のA−A矢視平面図である。図3に示すように、第1のガイド板143の通気孔145は、円形であるが、矩形、三角形など任意の形状としてもよい。通気孔145の配列は、図3に示すような千鳥配列であるが、図4に示すような並列配列でもよい。
第2のガイド板144の通気孔の形状および配列は、第1のガイド板143の通気孔145と同様である。
第1のファン141は、用紙排出部140におけるテンションローラ122と排紙ローラ123との間の用紙搬送路150下側に設けられた第1のガイド板143の下方、すなわち用紙105に面していない面側に設けられている。第2のファン142は、該用紙搬送路150上側に設けられた第2のガイド板144の上方、すなわち用紙105に面していない面側に第1のファン141に対向して設けられている。
第1のファン141は、用紙搬送路150および第1のガイド板143に平行に配置されている。すなわち、第1のファン141は、用紙搬送路150および第1のガイド板143に対して垂直な方向に気流を生じるように配置されている。第2のファン142も同様に、用紙搬送路150および第2のガイド板144に平行に配置されている。すなわち、第2のファン142は、用紙搬送路150および第2のガイド板144に対して垂直な方向に気流を生じるように配置されている。また、第1のファン141および第2のファン142は、それぞれ正逆回転の切り替えが可能になっており、すなわち、送風向き(吸排気)を切り替えることができるようになっている。
次に、第1のファン141と第2のファン142とにより生成される気流について説明する。
本実施形態では、第1のファン141の送風方向と第2のファン142の送風方向が略等しくなっている。
図5は、第1の実施形態に係る気流発生機構160Aにより発生させた気流を示す説明図である。図5および後で説明する図6では、簡単のため、第1のファン141と第2のファン142との間の空間についてのみ、気流を示しているが、第1のファン141の下方および第2のファン142の上方の空間にも気流が存在することは勿論である。
図5では、第1のファン141および第2のファン142の両方とも、下方向に送風するように設定されている。これにより、第2のファン142は、第2のファン142の上方の空気を第2のガイド板144の方向に送るように作用している。第2のガイド板144には通気孔が形成されているので、気流はその通気孔を通って第1のガイド板143の方向に進む。第1のガイド板143にも同様に通気孔145が形成されているので、気流は第1のガイド板143の通気孔145を通って、第1のガイド板143の下方に進む。第1のファン141は、第1のファン141の上方の空気を第1のファン141の下方に送るように作用している。このようにして、用紙排出部140において用紙搬送路150を上から下に流れる気流が生成される。このような気流により、用紙排出部140から装置内への異物の侵入を阻止することができる。
別法として、図6に示すように、第1のファン141および第2のファン142の両方とも、上方向に送風するように設定してもよい。この設定では、用紙排出部140において用紙搬送路150を下から上に流れる気流が生成される。このような気流によっても、用紙排出部140から装置内への異物の侵入を阻止することができる。
次に、本実施の形態に係るインクジェット記録装置100の効果を説明する。
上述したように、本実施の形態に係るインクジェット記録装置100は、第1のファン141が複数の通気孔145を有する第1のガイド板143の下方に設けられ、第2のファン142が複数の通気孔を有する第2のガイド板144の上方に第1のファン141に対向して設けられており、第1のファン141の送風方向と第2のファン142の送風方向が略等しくなっている。これにより、用紙排出部140において上下に流れる気流が発生する。これにより、装置外の異物が用紙排出部140から侵入するのを防止することができる。
また、複数の通気孔145を有する第1のガイド板143が、用紙排出部140の用紙搬送路150の下側でかつ第1のファン141の上方に配置され、複数の通気孔を有する第2のガイド板144が、用紙搬送路150の上側でかつ第2のファン142の下方に配置されている。これにより、例えば、第1のファン141と第2のファン142の送風方向を共に下向きに設定し、用紙105を第1のガイド板143上に吸着させることにより、用紙排出部140の用紙搬送路150上で用紙105が上方に浮き上がって第2のガイド板144へ接触することで画像乱れが発生するのを防ぐことができる。別言すれば、用紙排出部140の用紙搬送路150においてエア吸引搬送を簡易的に実現することができる。
しかも、本実施の形態では、従来の静電吸着や搬送ベルトによる用紙搬送路でのエア吸引を行う必要がないので、装置本体の小型化を実現することもできる。
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態について説明する。
図7は、第2の実施形態に係るインクジェット記録装置100の気流発生機構160Bの概略構成図である。
図7に示すように、第1のファン141および第2のファン142は、用紙搬送路150の用紙排出方向に対して末広がり状に傾斜して配置されている。
具体的には、第1のファン141および第1のガイド板143と、第2のファン142および第2のガイド板144とが、用紙搬送路150の用紙排出方向に対して所要の角度を有して上下に配置されている。用紙排出方向に対する第1のファン141および第1のガイド板143の角度は、第1のガイド板143に設けられた回転軸部155の回転により任意に調整できるようになっている。第1のファン141は、例えば側板145等を介して第1のガイド板143に一体的に取り付けられている。よって、回転軸部155が回転することにより、第1のガイド板143が傾斜すると共に、第1のファン141も同様の角度で傾斜するようになっている。
同様に、用紙搬送路150の用紙排出方向に対する第2のファン142および第2のガイド板144の角度は、第2のガイド板144に設けられた回転軸部156の回転により任意に調整できるようになっている。第2のファン142は側板146を介して第2のガイド板144に一体的に取り付けられている。よって、回転軸部156が回転することにより、第2のガイド板144が傾斜すると共に、第2のファン142も同様の角度で傾斜するようになっている。
本実施の形態では、用紙排出方向に対する第1のファン141および第1のガイド板143の角度と、用紙排出方向に対する第2のファン142および第2のガイド板144の角度は、常時固定しておく。
次に、第1のファン141と第2のファン142とにより生成される気流について説明する。
図8に示すように、第1のファン141は斜め上向きに送風し、第2のファン142は斜め下向きに送風して、用紙排出方向に向かう気流を発生させるようになっている。
この構成により、用紙排出部140において装置外に向かう気流を発生させることで、装置外の異物が用紙排出部140から侵入するのを効果的に防止することができる。
[第3の実施形態]
次に、第3の実施形態について説明する。
本実施の形態では、用紙排出部140より上流の用紙搬送路上に配置され、用紙105を検出する記録媒体検出センサとしての用紙検出センサ161、162と、用紙検出センサ161、162により取得した用紙の検出情報に基づいて、第1のファン141および第2のファン142のそれぞれの傾斜角度および正逆回転を切り替える切替手段である制御装置等180、163〜170と、をさらに備えている。
ここで、傾斜角度とは、用紙排出部140の用紙搬送路150に対して、第1のファン141および第2のファン142の各々(ファンブレード旋回面)が成す角度をいう。図2に示すように第1のファン141および第2のファン142が傾斜配置されていない場合は、各ファンは用紙搬送路150に平行に配置されているので、傾斜角度は0°である。図7に示すように傾斜配置されている場合には、0°でない所定の傾斜角度を有している。
本実施形態では、図9に示すように、2つの用紙検出センサ161、162が、搬送ベルト126上の用紙搬送経路上に所定距離だけ離間して配置されている。用紙検出センサ161、162は、反射型または透過型のフォトセンサが用いられている。用紙検出センサ161、162により、用紙の先端あるいは後端を検出するようになっている。本実施形態では、2つの用紙検出センサ161、162を用いているが、どちらか一方の用紙検出センサを用いるようにしてもよい。
図10は、本実施形態において上記切替手段を実現する制御系の概略構成図である。
制御装置180は、用紙検出センサ161および用紙検出センサ162に接続されている。また、制御装置180は、各種ドライバ164、166、168、170に接続されている。
ドライバ168は、第1のファン141を回転駆動するためのファンモータ167を正逆回転自在に駆動する。ドライバ170は、第2のファン142を回転駆動するためのファンモータ169を正逆回転自在に駆動する。
また、ドライバ164は、第1のファン141の回転軸部156を回転駆動するための傾斜角度調整用モータ163を駆動する。同様に、ドライバ166は、第2のファン142の回転軸部155を回転駆動するための傾斜角度調整用モータ165を駆動する。傾斜角度調整用モータ163、165に代えて、電磁ソレノイドやカムなどを用いることもできる。
また、制御装置180は、用紙位置検出部181と気流制御部182とを備えている。
用紙位置検出部181は、用紙検出センサ161および用紙検出センサ162により得られたセンサ信号の情報を受け取り、用紙の位置を計算する。具体的には、用紙検出センサ161、162で用紙105の先端あるいは後端を検出した位置と、検出以降あるいは以前の用紙搬送量から用紙の位置を割り出す。用紙搬送量は、制御装置180において副走査モータ121の回転を検出するロータリエンコーダからの検出信号(パルス)に基づいて算出する。
気流制御部182は、用紙位置検出部181から用紙位置の情報を受け取り、用紙位置の情報に基づいて、第1のファン141および第1のガイド板143の傾斜角度、第2のファン142および第2のガイド板144の傾斜角度、第1のファン141および第2のファン142の正逆回転の切り替えを制御する。
次に、制御の方法についてさらに説明する。
(1)まず、制御装置180の気流制御部182は、用紙位置検出部181で得られた用紙位置の情報に基づいて用紙排出部140の用紙搬送路150に用紙105が存在するか否かを判断する。
(2)用紙排出部140に用紙105が存在しない場合、用紙排出動作が終了して、ユーザが用紙105を取り出せる状況にある。この場合には、気流制御部182は、図5または図6に示すように、第1のファン141と第2のファン142とを傾斜させず、用紙搬送路150に垂直な下方向または上方向に気流を発生させる。これにより、印刷済みの用紙を取り出す時に用紙排出部140から異物が侵入するのを防止する。
(3)用紙排出部140に用紙105が存在している場合、印刷動作中または印刷動作後に用紙搬送路150上で用紙105が搬送されている状況にある。この場合には、気流制御部182は、図7および図8に示すように、第1のファン141と第2のファン142とを傾斜させ、用紙排出方向に向かう気流を発生させる。これにより、用紙排出動作中に用紙排出部140から異物が侵入するのを防止する。
用紙排出動作中に図5または図6に示すような上下方向の気流が発生すると、用紙排出に対して負荷(抵抗)を与えてしまい、排出不良等の搬送不具合に繋がる恐れがある。このため、用紙排出動作中は上述のように傾斜配置にして、生成した気流により用紙排出をアシストすることで排出不良を防ぐことができる。
また、生成した気流により、用紙表または表裏に印字されたインクの乾燥を促すことで、インク未定着による画像汚れ等の不具合防止にも効果が得られる。特に、用紙排出部140の用紙搬送路150が短いインクジェット記録装置100では、記録ヘッド102による作像部直後に用紙排出部140が設けられており、インク未定着のまま用紙排出部140を通過し、その際にガイド板やローラ、コロ等に接触して画像不具合が発生しやすい。用紙排出部140の用紙搬送路150に本実施形態に係る気流発生機構を配置すると、両面印刷の場合であっても、気流により表面のインクを乾燥させることで、上記のような画像不具合を効果的に防止できる。
なお、上記の制御装置180は、ハードウェア、ソフトウェアまたはこれらの組合せにより実現することができる。ここで、ソフトウェアによって実現されるとは、コンピュータがプログラムを読み込んで実行することにより実現されることを意味する。
上述したように、本実施の形態に係るインクジェット記録装置100は、状況に応じて第1のファン141および第2のファン142の傾斜角度および正逆回転の自動切換えを行うことで、用紙排出搬送動作、用紙取り出し手順に影響を与えずに防塵効果を得ることができる。例えば、用紙排出動作後には、第1のファン141と第2のファン142を傾斜させず、送風向き(正逆回転)を同じにして上下方向の気流を発生させることで、用紙取り出し時に用紙排出部140から異物が侵入するのを防ぐことができる。また、用紙排出動作中は、第1のファン141と第2のファン142を傾斜させ、用紙排出方向に気流を発生させることで、用紙排出部140から異物が侵入することを防ぐと共に、用紙の排出に対して余分な負荷を与えないようにすることができる。併せて、用紙105の表面および裏面に当てられる気流により、用紙に印字されたインクの乾燥を促進することもできる。
[第4の実施形態]
次に、第4の実施形態について説明する。
図11は、第4の実施形態に係る気流発生機構160Cの概略構成図である。
本実施の形態では、図11に示すように、第1のファン141により下方向に生成された気流が給紙トレイ106内に導かれるように第1のファン141と給紙トレイ106の間に排気ダクト157が設けられている。
この構成により、インクジェット記録装置100内の各種モータや基板等からの発熱により暖められた空気を第1のファン141および第2のファン142により給紙トレイ106上の用紙105もしくはその周囲に効率的に送ることができる。これにより、給紙トレイ106上の用紙の湿度低下を防止することができる。
特に、冬場の朝一など低温環境下では、用紙表面の湿度低下により給紙トレイ106内で用紙カールが発生し、用紙搬送時のジャムや記録ヘッド102での作像部で記録ヘッド102と用紙が接触する等の搬送不具合が発生し易い。本実施形態の構成により、用紙湿度低下を防止することで、このような搬送不具合を防止することができる。
また、給紙トレイ106内に気流を送り込み、用紙束の紙間に空気を入りこませることで、紙間の捌き効果も同時に得られる。
[第5の実施形態]
次に、第5の実施形態について説明する。
図12は、第5の実施形態に係る気流発生機構160Dの概略構成図である。
本実施の形態では、図12に示すように、第1のファン141の周辺にヒーター158が設けられている点で、第4の実施形態とは異なる。図12では、第1のファン141の上部にヒーター158が設けられているが、第1のファン141の下部に設けてもよい。
この構成により、ヒーター158により暖められた空気を第1のファン141により排気ダクト157を介して給紙トレイ106上の用紙105もしくはその周囲に送ることができる。これにより、給紙トレイ106上の用紙105の湿度低下をより効果的に防止することができる。
特に、記録装置本体が動作していない待機時(電源はON)は、装置内の各種モータや基板等による発熱が生じない。このような待機時であっても、ヒーター158により第1のファン141の周囲の空気を暖め、その暖まった空気を給紙トレイ106に送ることができる。これにより、第4の実施形態で得られる上記効果と同様の効果を奏することができる。
なお、本明細書および特許請求の範囲において、「液体吐出装置」は、液体吐出ヘッドまたは液体吐出ユニットを備え、液体吐出ヘッドを駆動させて、液体を吐出させる装置である。液体吐出装置には、液体が付着可能なものに対して液体を吐出することが可能な装置だけでなく、液体を気中や液中に向けて吐出する装置も含まれる。
この「液体吐出装置」は、液体が付着可能なものの給送、搬送、排紙に係わる手段、その他、前処理装置、後処理装置なども含むことができる。
例えば、「液体吐出装置」として、インクを吐出させて記録用紙に画像を形成する装置である画像形成装置、立体造形物(三次元造形物)を造形するために、粉体を層状に形成した粉体層に造形液を吐出させる立体造形装置(三次元造形装置)がある。
また、「液体吐出装置」は、吐出された液体によって文字、図形等の有意な画像が可視化されるものに限定されるものではない。例えば、それ自体意味を持たないパターン等を形成するもの、三次元像を造形するものも含まれる。
上記「液体が付着可能なもの」とは、液体が少なくとも一時的に付着可能なものであって、付着して固着するもの、付着して浸透するものなどを意味する。具体例としては、用紙、記録紙、記録用紙、フィルム、布などの被記録用紙、電子基板、圧電素子などの電子部品、粉体層(粉末層)、臓器モデル、検査用セルなどの媒体であり、特に限定しない限り、液体が付着するすべてのものが含まれる。
上記「液体が付着可能なもの」の材質は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックスなど液体が一時的でも付着可能であればよい。
また、「液体」は、液体吐出ヘッドから吐出可能な粘度や表面張力を有するものであればよく、特に限定されないが、常温、常圧下において、または加熱、冷却により粘度が30mPa・s以下となるものであることが好ましい。より具体的には、水や有機溶媒等の溶媒、染料や顔料等の着色剤、重合性化合物、樹脂、界面活性剤等の機能性付与材料、DNA、アミノ酸やたんぱく質、カルシウム等の生体適合材料、天然色素等の可食材料、などを含む溶液、懸濁液、エマルジョンなどであり、これらは例えば、インクジェット用インク、表面処理液、電子素子や発光素子の構成要素や電子回路レジストパターンの形成用液、3次元造形用材料液等の用途で用いることができる。
また、「液体吐出装置」は、液体吐出ヘッドと液体が付着可能なものとが相対的に移動する装置があるが、これに限定するものではない。具体例としては、液体吐出ヘッドを移動させるシリアル型装置、液体吐出ヘッドを移動させないライン型装置などが含まれる。
また、「液体吐出装置」としては他にも、用紙の表面を改質するなどの目的で用紙の表面に処理液を塗布するために処理液を用紙に吐出する処理液塗布装置、原材料を溶液中に分散した組成液をノズルを介して噴射させて原材料の微粒子を造粒する噴射造粒装置などがある。
以上説明したように、本発明に係る液体吐出装置は、液体吐出装置の用紙排出部からの異物侵入を防止することができるという効果を有し、液体吐出装置の全般に有用である。
100 インクジェット記録装置(液体吐出装置)
102 記録ヘッド(液体吐出ヘッド)
105 用紙(記録媒体)
106 給紙トレイ(記録媒体供給トレイ)
140 用紙排出部(記録媒体排出部)
141 第1のファン
142 第2のファン
143 第1のガイド板
144 第2のガイド板
161、162 用紙検出センサ(記録媒体検出センサ)
163、165 傾斜角度調整用モータ(切替手段)
164、166 ドライバ(切替手段)
167、169 ファンモータ(切替手段)
168、170 ドライバ(切替手段)
180 制御装置(切替手段)
特許第5782732号公報 特開2006−69739号公報

Claims (8)

  1. 液体吐出ヘッドにより液体を記録媒体に吐出する液体吐出装置において、
    前記記録媒体を排出する記録媒体排出部を挟んで対向して設けられ、各々が複数の通気孔を有する第1のガイド板および第2のガイド板と、
    前記第1のガイド板の前記記録媒体に面していない面側に設けられた第1のファンと、
    前記第2のガイド板の前記記録媒体に面していない面側で前記第1のファンに対向して設けられた第2のファンと、
    を備え、前記第1のファンの送風方向と前記第2のファンの送風方向が略等しいことを特徴とする液体吐出装置。
  2. 液体吐出ヘッドにより液体を記録媒体に吐出する液体吐出装置において、
    前記記録媒体を排出する記録媒体排出部を挟んで対向して設けられ、各々が複数の通気孔を有する第1のガイド板および第2のガイド板と、
    前記第1のガイド板の前記記録媒体に面していない面側に設けられた第1のファンと、
    前記第2のガイド板の前記記録媒体に面していない面側で前記第1のファンに対向して設けられた第2のファンと、
    を備え、前記第1のファンおよび前記第2のファンは、記録媒体排出方向に対して末広がり状に傾斜して配置され、前記第1のファンおよび前記第2のファンにより前記記録媒体排出方向に向かう気流を発生させることを特徴とする液体吐出装置。
  3. 液体吐出ヘッドにより液体を記録媒体に吐出する液体吐出装置において、
    前記記録媒体を排出する記録媒体排出部を挟んで対向して設けられ、各々が複数の通気孔を有する第1のガイド板および第2のガイド板と、
    前記第1のガイド板の前記記録媒体に面していない面側に設けられた第1のファンと、
    前記第2のガイド板の前記記録媒体に面していない面側で前記第1のファンに対向して設けられた第2のファンと、
    前記記録媒体排出部より上流の記録媒体搬送路上に配置され、前記記録媒体を検出する記録媒体検出センサと、
    前記記録媒体検出センサにより取得した前記記録媒体の検出情報に基づいて、前記第1のファンおよび前記第2のファンのそれぞれの傾斜角度および正逆回転を切り替える切替手段と、
    を備えることを特徴とする液体吐出装置。
  4. 前記切替手段は、前記記録媒体排出部に前記記録媒体が存在しないとき、前記第1のファンおよび前記第2のファンを傾斜させないことを特徴とする請求項3に記載の液体吐出装置。
  5. 前記切替手段は、前記記録媒体排出部に前記記録媒体が存在しているとき、前記第1のファンおよび前記第2のファンを記録媒体排出方向に対して末広がり状に傾斜させることを特徴とする請求項3または4に記載の液体吐出装置。
  6. 前記切替手段は、記録媒体排出動作中は前記第1のファンおよび前記第2のファンを記録媒体排出方向に対して末広がり状に傾斜させて、生成した気流により前記記録媒体の排出をアシストすることを特徴とする請求項3〜5のいずれか一項に記載の液体吐出装置。
  7. 液体吐出ヘッドにより液体を記録媒体に吐出する液体吐出装置において、
    前記記録媒体を排出する記録媒体排出部を挟んで対向して設けられ、各々が複数の通気孔を有する第1のガイド板および第2のガイド板と、
    前記第1のガイド板の前記記録媒体に面していない面側に設けられた第1のファンと、
    前記第2のガイド板の前記記録媒体に面していない面側で前記第1のファンに対向して設けられた第2のファンと、
    を備え、前記第1のファンにより生成された気流が記録媒体供給トレイ内に導かれるように前記第1のファンと前記記録媒体供給トレイの間に排気ダクトが設けられていることを特徴とする液体吐出装置。
  8. 前記第1のファンの周辺にヒーターが設けられていることを特徴とする請求項7に記載の液体吐出装置。
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