以下、本発明の遊技機の一実施形態であるパチンコ機について、図面に基づいて、詳細に説明する。
(1)パチンコ機の構造
以下、本発明の一実施形態としてのパチンコ機について、図面に基づいて詳細に説明する。図1は、パチンコ機1の正面を示したものである。パチンコ機1は、周囲が機枠3で覆われており、その機枠3の正面の上部には、遊技盤2が設置されている。また、遊技盤2の中央よりやや上方には、遊技球レール23によって区画された略円形の遊技領域16が設けられており、当該遊技領域16の前方には、ガラス板を嵌め込んだ前扉4が片開き可能に設置されている。また、遊技領域16の下方には、供給皿7と貯留皿8とが、上下に連設されており、貯留皿8の右側には、発射装置10(図3参照)を操作するためのハンドル9が突設されている。一方、遊技領域16の上方の左右には、効果音を発生させるためのスピーカ14,14が設置されている。
図2は、遊技盤2を示したものであり、遊技領域16の中央上部には、センター部材26が設置されており、そのセンター部材26の略中央には、図柄表示装置6が設けられている。図柄表示装置6は、液晶表示画面を有しており、その液晶表示画面の左表示部位6a、右表示部位6b、中表示部位6cの各表示部位に、一桁の数字や一文字のアルファベット等(たとえば、「0」〜「9」、「A」〜「E」)の所定種類の「装飾図柄」を表示することができるようになっている。さらに、図柄表示装置6は、上記した「装飾図柄」を、様々な背景を動画化あるいは映像化した「背景画像」に重ねて(重なった動画や映像等の画像として)表示することができるようになっている。なお、「背景画像」上への「装飾図柄」の表示は、「背景画像」を表示するためのレイヤー画像と、「装飾図柄」を表示するためのレイヤー画像とを重畳して表示する方法によって行われる。
また、図柄表示装置6の中央下側には、遊技球を入賞可能な始動入賞口20が設けられている。加えて、始動入賞口20の下側には、チューリップ式電動役物17が設けられており、上部の扉部材(爪片)が開閉するようになっている。また、チューリップ式電動役物17の下側には、入賞装置である大入賞装置(大入賞口)18が設置されており、内蔵された作動装置24(図4参照)によって、横長な長方形の板状の扉体が下端縁を中心として片開きするようになっている。一方、センター部材26の左側には、遊技球の通過可能なゲート部材19が設けられている。
さらに、遊技領域2の右下方には、表示部材81が付設されており、当該表示部材81には、2つのLEDによって形成された普通図柄保留ランプ84、1つのLEDによって形成された普通図柄表示器83、7セグメントのLED板によって形成された特別図柄表示器82、4つのLEDによって形成された特別図柄保留ランプ85、4つのLEDによって形成されたラウンドランプ86等が設けられている。普通図柄表示器83は、「当たり図柄」を表示することができるようになっており、特別図柄表示器82は、所定の種類の「特別図柄」を表示することができるようになっている。
また、遊技領域16には、上記部材の他に、各種の態様で発光する電飾ランプ15,15・・、種々の入賞口、風車、および多数の障害釘等が設けられている。なお、各電飾ランプ15,15・・内には、赤色、緑色、青色のLEDが設置されており、電飾ランプ15,15・・を各種の色(赤色、緑色、青色、黄色、白色等)で発光させることができるようになっている。加えて、チューリップ式電動役物17等の各入賞装置の内部には、遊技球の入賞を検出する入賞検出装置37(図4参照)が設けられている。
一方、図3は、パチンコ機1の背面を示したものであり、パチンコ機1の中央よりやや上側には、パチンコ機1の作動内容を制御するためのメイン制御基板31を内蔵したメイン制御装置30が設置されている。また、メイン制御基板31の右下方(パチンコ機1を背面から見た場合の右下方)には、図柄表示装置6の表示内容を制御するための表示制御基板56が設置されている。さらに、表示制御基板56の左側には、遊技領域16に設置された電飾ランプ15,15・・等の発光部材の発光態様を制御するための発光制御基板61、スピーカ14,14から発生させる効果音の発生態様を制御するための効果音制御基板71が設けられている。また、表示制御基板56の下方には、表示制御基板56、発光制御基板61および効果音制御基板71を統合して制御するためのサブ統合基板41が設置されている。加えて、メイン制御装置30の右側には、賞品球や貸球を払い出すための払出制御装置28が設置されている。
(2)パチンコ機の制御機構
次に、パチンコ機1の制御機構について、図4に基づいて説明する。図4は、パチンコ機1の制御機構を示したブロック図である。メイン制御基板31には、後述する「大当たり判定用乱数取得」を実行するとともに種々の作動部材の動作を制御するメインCPU32、ROMやRAM等の記憶手段33、タイマ34、およびインターフェイス35等が搭載されている。そして、メインCPU32は、インターフェイス35を介して、始動入賞口20、チューリップ式電動役物17等に内蔵された入賞検出装置37、大入賞装置18を作動させるための作動装置24、払出制御装置28等と接続されている。また、メイン制御基板31は、インターフェイス35を介してサブ統合基板41と電気的に接続されている。
また、メイン制御基板31の記憶手段33には、後述する「当たり判定」に使用するaカウンタ、「大当たり判定用乱数取得」に使用するcカウンタ、および、主に「特別図柄」や「装飾図柄」の変動時間である基本変動パターン(図柄変動パターン)を決定するdカウンタ等の複数のカウンタが内蔵されている。各カウンタは、電源投入時から所定の規則にしたがって所定の数値の間をごく短時間(たとえば1割込2.000ms)の内に1ずつ加算しながらループカウントするループカウンタであり、当該カウンタを用いた数値の取得は、乱数の取得とみなすことができる。また、aカウンタは“0”〜“100”(101通り)の間を、cカウンタは“0”〜“700”(701通り)の間を、dカウンタは“0”〜“40”(41通り)の間を夫々ループカウントするようになっている。また、メインCPU32は、遊技球のゲート部材19の通過検出を契機としてaカウンタから1つの数値を取得する一方、遊技球の始動入賞口20またはチューリップ式電動役物17への入賞検出を契機としてcカウンタおよびdカウンタから夫々1つの数値を取得するようになっている。
さらに、メイン制御基板31の記憶手段33には、図5(a)の如き、aカウンタの数値と「普通図柄」とを対応付けた普通図柄決定テーブル、および、図6の如き、dカウンタの数値と基本変動パターンとを対応付けた基本変動パターン決定テーブルが記憶されている。加えて、メイン制御基板31の記憶手段33には、図柄表示装置6において「装飾図柄」が変動表示中に始動入賞口20等へ遊技球が入賞した場合等に、当該入賞に伴うcカウンタおよびdカウンタの取得数値を保留情報として記憶する保留情報記憶部が設けられている。当該保留情報記憶部には、普通図柄表示器83において「普通図柄」の変動表示中に遊技球がゲート部材19を通過した場合におけるaカウンタの取得数値も保留情報として記憶されるようになっており、aカウンタの取得数値、cカウンタおよびdカウンタの取得数値は、夫々4つまで記憶されるようになっている。なお、保留情報記憶部に記憶されている保留情報の数は、表示部材81の普通図柄保留ランプ84および特別図柄保留ランプ85に表示されるようになっている。また、保留情報は、「普通図柄」や「特別図柄」および「装飾図柄」が確定表示される毎に、記憶した順番で順次消化され、当該消化に伴って新たな保留情報が記憶可能となる。
一方、サブ統合基板41には、サブ統合CPU42、記憶手段43、タイマ44、およびインターフェイス45等が搭載されている。当該サブ統合基板41は、インターフェイス45を介して、表示制御基板56、発光制御基板61、および効果音制御基板71と電気的に接続されている。そして、サブ統合CPU42は、後述するようにメイン制御基板31から「大当たり判定用乱数取得」に係る信号を受信すると、その信号の内容に応じて各制御基板を制御し、スピーカ14,14や電飾ランプ15,15・・の動作、図柄表示装置6における「装飾図柄」等の表示動作を制御するようになっている。
さらに、サブ統合基板41の記憶手段43には、表示部材81の特別図柄表示器82に表示される「特別図柄」が、図5(b)の如く「大当たり判定用乱数取得」の結果に対応付けられて記憶されている。また、記憶手段43には、図柄表示装置6の各表示領域6a〜6cにおいて変動/確定表示される「0」〜「9」の数字やアルファベット、絵柄等からなる「装飾図柄」が記憶されているとともに、図柄表示装置6における「装飾図柄」の詳細な変動態様やキャラクターの動画を用いたキャラクター演出等からなる複数の詳細変動パターン(「装飾図柄」の表示態様としての図柄変動パターン)が、図7の如くメイン制御基板31で決定される基本変動パターンと対応付けられて記憶されている。
なお、各詳細変動パターンにおける「装飾図柄」の変動態様は、変動開始後、まず高速でスクロールされているように見える高速スクロール変動を実行し、徐々にスクロール速度が下がる低速スクロール変動を実行した後、確定表示されるというものである。なお、一部の変動態様においては、低速スクロール変動後に、各表示領域6a〜6cの「装飾図柄」が左表示領域6a、右表示領域6c、中表示領域6bの順で仮停止表示となり、変動再開後に変動開始後に確定表示となる。
詳細変動パターンの内、基本変動パターンAに対応した詳細変動パターンIである「ノーマル」は、仮停止表示を伴わない変動パターンである。また、基本変動パターンBに対応した詳細変動パターンIIである「ノーマルリーチ」は、左表示領域6aに「装飾図柄」が仮停止表示された後、右表示領域6cに同一の「装飾図柄」が仮停止表示された後に、「ノーマル」における右表示領域6cの停止表示から中表示領域6bの停止表示までの時間より長い時間に亘って、中表示領域6bの「装飾図柄」が高速スクロール、低速スクロールを実行した後に、確定表示となる所謂「リーチ表示態様」を伴う変動パターンである。なお、「リーチ表示態様」の成立後は、アニメーション演出に発展することなく、比較的短い時間で中表示領域6bに「装飾図柄」が仮停止表示された後にそのまま確定表示される。
さらに、基本変動パターンCに対応した詳細変動パターンIIIである「ロングリーチ」とは、「ノーマルリーチ」と同様にして「リーチ表示態様」での変動を実行した後、中表示領域6bに「装飾図柄」が仮停止表示されるまでの間に一連の動画を映し出すアニメーション演出へと発展する変動パターンであり、アニメーション演出の終了に伴い中図柄表示領域6bに「装飾図柄」が仮停止表示された後に確定表示される。
また、基本変動パターンDに対応する詳細変動パターンIVである「ショートフリーズ+スーパーリーチ」とは、あたかも図柄表示装置6が故障したかのような表示演出である「フリーズ表示」を実行した後に、「リーチ表示態様」での変動を実行してから、中表示領域6bに「装飾図柄」が仮停止表示されるまでの間にアニメーション演出へと発展し、さらに実録映像を映し出す映像演出へと発展する変動パターンである。当該「ショートフリーズ+スーパーリーチ」においては、図柄の変動開始直後(約0.5秒後)に、全ての表示領域6a〜6cで所定時間(約1.8秒間)に亘って「装飾図柄」が仮停止表示(「フリーズ表示」)された後に、全表示領域6a〜6cの「装飾図柄」が再度変動する。なお、「フリーズ表示」においては、所謂、リーチ図柄(左表示領域6aと右表示領域6cとが同一の「装飾図柄」)は表示されない。しかる後、「リーチ表示態様」が実行された後に、中表示領域6bに「装飾図柄」が仮停止表示されるまでの間にアニメーション演出が実行され、さらに映像演出が実行される。そして、映像演出の終了に伴い中図柄表示領域6bに「装飾図柄」が仮停止表示された後に確定表示される。
また、基本変動パターンEに対応する詳細変動パターンVである「ロングフリーズ+スーパーリーチ」においては、図柄の変動開始直後(約0.5秒後)に、「フリーズ表示」が実行され、全ての表示領域6a〜6cで所定時間(約4.0秒間)に亘って「装飾図柄」が仮停止表示された後に、全表示領域6a〜6cの「装飾図柄」が再度変動する。しかる後、「リーチ表示態様」が実行された後に、中表示領域6bに「装飾図柄」が仮停止表示されるまでの間にアニメーション演出が実行され、さらに映像演出が実行される。そして、映像演出の終了に伴い中図柄表示領域6bに「装飾図柄」が仮停止表示された後に確定表示される。
また、図6および図7から明らかなように、基本変動パターンA→基本変動パターンB→基本変動パターンC→基本変動パターンD→基本変動パターンEの順(すなわち、「ノーマル」→「ノーマルリーチ」→「ロングリーチ」→「ショートフリーズ+スーパーリーチ」→「ロングフリーズ+スーパーリーチ」の順)に、「大当たり判定用乱数取得」の結果が「はずれ」であると選択されにくくなっており、「大当たり判定用乱数取得」の結果が「大当たり」であると選択され易くなっている。
さらに、サブ統合基板41の記憶手段43には、図柄表示装置6の液晶表示画面全体に背景として表示される5種類の「背景画像」(「背景画像I」〜「背景画像IV」)も記憶されている。
加えて、サブ統合基板41記憶手段43には、スピーカ14,14の報音動作態様となる音発生パターンが、図8の如く、メイン制御基板31で決定される基本変動パターンと対応付けられて記憶されている。基本変動パターンAに対応した点灯/点滅パターンIは、電飾ランプ15,15・・を主として赤色に点灯/点滅させるものであり、その赤色の点灯/点滅が図柄表示装置6における「装飾図柄」の変動開始から確定表示まで継続される。また、基本変動パターンBに対応した点灯/点滅パターンIIは、電飾ランプ15,15・・を緑色に点灯/点滅させるものであり、その緑色の点灯/点滅が「装飾図柄」の変動開始から確定表示まで継続される。さらに、基本変動パターンCに対応した点灯/点滅パターンIIIは、電飾ランプ15,15・・青色に点灯/点滅させるものであり、その青色の点灯/点滅が「装飾図柄」の変動開始から確定表示まで継続される。加えて、サブ統合基板41の記憶手段43には、電飾ランプ15,15・・を主として黄色に点灯/点滅させる点灯/点滅パターンIVも記憶されている(なお、点灯/点滅パターンIVは、メイン制御基板31で決定される基本変動パターンと対応付けられてはいない)。
また、サブ統合基板の記憶手段43には、スピーカ14の報音動作態様となる音発生パターンが、図9の如く、メイン制御基板31で決定される基本変動パターンと対応付けられて記憶されている。基本変動パターンAに対応した音発生パターンIは、図柄表示装置6における「装飾図柄」の変動開始から確定表示までの間、曲αをスピーカ14,14から出力させ続けるものであり、基本変動パターンBに対応した音発生パターンIIは、「装飾図柄」の変動開始から確定表示までの間、曲βをスピーカ14,14から出力させ続けるものであり、基本変動パターンCに対応した音発生パターンIIIは、「装飾図柄」の変動開始から確定表示までの間、曲γをスピーカ14,14から出力させ続けるものである。加えて、サブ統合基板41の記憶手段43には、曲δをスピーカ14,14から出力させ続けるための音発生パターンIVも記憶されている(なお、音発生パターンIVは、メイン制御基板31で決定される基本変動パターンと対応付けられてはいない)。
(3)パチンコ機の作動内容
上記の如く構成されたパチンコ機1の基本的な作動内容について以下に説明する。遊技者によってハンドル9が回動操作されると、発射装置10が作動し、遊技球レール23,23同士の間(発射通路13)から遊技球が遊技領域16内へ打ち込まれる。そして、遊技領域16内へ打ち込まれた遊技球がゲート部材19を通過すると、当該通過がメインCPU32により検出される。メインCPU32は、ゲート部材19の通過を検出すると、通過検出のタイミングでaカウンタから1つの数値を取得し、取得した数値が所定の「当たり数値(“7”)」であるか否かを判定するという「当たり判定」を実行するとともに、普通図柄表示器83において「普通図柄」を変動表示させる。
そして、「当たり判定」の結果、「当たり」である場合(すなわち、取得数値が「当たり数値」である場合)には、「普通図柄」の変動表示を所定時間(たとえば30秒間)に亘って継続した後、図5(a)の如き「普通図柄(“1”)」を普通図柄表示器83に確定表示させるとともに、チューリップ式電動役物17の爪片を所定の設定時間(たとえば1.0秒間)だけ開動作させる。一方、「当たり判定」の結果、「はずれ」である場合(すなわち、取得した数値が「当たり数値」以外の数値である場合)には、「普通図柄」の変動表示を所定時間に亘って継続した後、図5(a)の如き「普通図柄(“−”)」を普通図柄表示器83に確定表示させる。
また、遊技領域16内を流下する遊技球が図柄始動口20またはチューリップ式電動役物17へ入賞(始動入賞)すると(すなわち、所定条件を充足すると)、当該入賞がメインCPU32により検出される。メインCPU32は、始動入賞を検出すると、入賞検出のタイミングでcカウンタおよびdカウンタから1つの数値を取得し、cカウンタにおける取得数値が所定の「大当たり数値(たとえば“0”または“300”)」(なお、「大当たり数値」以外の数値を「はずれ数値」という)であるか否かを判定するという「大当たり判定用乱数取得」を実行する。
そして、「大当たり判定用乱数取得」の結果、取得数値が「大当たり数値」である場合には、基本変動パターン決定テーブル(図6(b)参照)を用い、dカウンタの取得数値に対応した基本変動パターンを読み出す。一方、「大当たり判定用乱数取得」の結果、取得数値が「大当たり数値」以外の数値である場合には、基本変動パターン決定テーブル(図6(b)参照)を用い、dカウンタの取得数値に対応した基本変動パターンを読み出す。その後、メインCPU32は、「大当たり判定用乱数取得」の結果(取得した乱数が「大当たり数値」であるか「はずれ数値」であるか)、および読み出した基本変動パターン(特に変動継続時間)の種類を示す情報を含んだ指令コマンドを作成するとともに、当該指令コマンドをサブ統合CPU42へと送信する。
サブ統合CPU42では、指令コマンドを受信すると、「大当たり判定用乱数取得」の結果に応じて最終的に確定表示する「装飾図柄」や仮停止表示させる「装飾図柄」を決定する(たとえば、乱数取得等の抽選を実行する)とともに、基本変動パターンに対応した詳細変動パターン(図柄表示態様)を読み出し、タイマ44により計時しながら、読み出した詳細変動パターンにしたがって図柄表示装置6における「装飾図柄」を変動表示させる。なお、図柄表示装置6において、受信した指令コマンドに対応した始動入賞より前の始動入賞に基づいた「装飾図柄」の変動表示が行われている場合には、その(あるいはそれらの)「装飾図柄」の変動表示が終了した後に、受信した指令コマンドに対応した始動入賞に基づく「装飾図柄」の変動表示を開始する。
また、「装飾図柄」の変動表示を実行する際には、当該「装飾図柄」が、サブ統合基板41の記憶手段43に記憶されている「背景画像」の内の一つと重ね合わされて表示される。加えて、後述する「フリーズ表示」を実行しない場合には、「背景画像I」〜「背景画像III」の内のいずれかが、図柄表示装置6の液晶画面に表示され、所定のタイミングで別のもの(「背景画像I」〜「背景画像III」の内の別のもの)に切り替えられる。
一方、サブ統合CPU42では、指令コマンドを受信すると、基本変動パターンに対応する詳細変動パターン(発光態様)を読み出し、タイマ44により計時しながら、図柄表示装置6における「装飾図柄」の変動表示(受信した指令コマンドに対応した始動入賞に基づく「装飾図柄」の変動表示)と同じタイミングで、読み出した詳細変動パターン(発光態様)にしたがって電飾ランプ15,15・・等を発光させる。
加えて、サブ統合CPU42では、指令コマンドを受信すると、基本変動パターンに対応する詳細変動パターン(音発生態様)を読み出し、タイマ44により計時しながら、図柄表示装置6における「装飾図柄」の変動表示(受信した指令コマンドに対応した始動入賞に基づく「装飾図柄」の変動表示)と同じタイミングで、読み出した詳細変動パターン(音発生態様)にしたがってスピーカ14,14から効果音を発生させる。
一方、図柄表示装置6における「装飾図柄」の変動開始に合わせて、特別図柄表示器82においても「特別図柄」の変動を開始する。そして、「装飾図柄」および「特別図柄」の変動を開始してから、実行中の詳細変動パターンの変動時間の経過に伴い、「大当たり判定用乱数取得」の結果に応じた「装飾図柄」を図柄表示装置6に、「特別図柄」を特別図柄表示器82に、夫々確定表示する。つまり、「大当たり判定用乱数取得」の結果が「大当たり数値」の取得である場合には、図柄表示装置6では同一の「装飾図柄」を3つ並べる「大当たり装飾図柄表示態様」(たとえば「“7・7・7”」)で確定表示させ、特別図柄表示器82には「大当たり特別図柄(“7”)」を確定表示させる。また、「大当たり判定用乱数取得」の結果が「はずれ数値」である場合には、図柄表示装置6では3つのうち少なくとも1つの「装飾図柄」が異なる「はずれ装飾図柄表示態様」(たとえば「“1・2・3”」)で確定表示させ、特別図柄表示器82には「はずれ特別図柄(“−”)」を確定表示させる。
そして、「大当たり判定用乱数取得」の結果が「大当たり数値」の取得である場合には、「装飾図柄」および「特別図柄」の確定表示後、大入賞装置18の扉部材を所定回数にわたって断続的に開成させるといった所謂「大当たり状態」を生起させる。したがって、「大当たり状態」が生起した場合には、遊技者は、多くの賞品球を獲得することが可能となる。一方、「大当たり判定用乱数取得」の結果が「はずれ数値」の取得である場合には、「装飾図柄」および「特別図柄」の確定表示を実行し、「大当たり状態」を生起させることなく、始動入賞を契機とした「大当たり判定用乱数取得」を繰り返し実行する。
(4)パチンコ機の特徴部分の説明
パチンコ機1は、上記の如く、図柄表示装置6において変動中の「装飾図柄」の「フリーズ表示」を実行するが、当該「フリーズ表示」と同時に、サブ統合基板41において「フリーズ演出処理」を繰り返し実行し、「装飾図柄」の「フリーズ表示」後に、図柄表示装置6における「背景画像」、電飾ランプ15,15の発光態様、スピーカ14,14からの効果音発生態様の内の少なくとも一部を変更する。
図10は、「フリーズ演出処理」の内容を示すフローチャートであり、当該「フリーズ演出処理」は、主としてサブ統合基板41によって制御される。「フリーズ演出処理」においては、まず、ステップ(以下、単にSで示す)1で、図柄表示装置6において「装飾図柄」の変動表示が開始されたか否か判断される。そして、S1で“YES”と判断された場合には、S2で、その「装飾図柄」の変動態様が「フリーズ表示」を伴うものであるか否か(すなわち、その「装飾図柄」の変動の契機となった始動入賞に対応した「大当たり判定用乱数取得」におけるdカウンタの取得数値が基本変動パターンD,Eに対応したものであったか否か)判断される。S2で、“YES”と判断された場合には、続くS3で、その「フリーズ表示」における「フリーズ時間」(すなわち、仮停止の時間)が、3.0秒以上であるか否か(すなわち、その「装飾図柄」の変動の契機となった始動入賞に対応した「大当たり判定用乱数取得」におけるdカウンタの取得数値が基本変動パターンEに対応したものであったか否か)判断される。
そして、S3で“YES”と判断された場合には、タイマ44の機能により「フリーズ表示」が終了するまでの時間の経過(「装飾図柄」の変動開始から2.3秒間)を待って、S4で、図柄表示装置6における「背景画像」(「背景画像I」〜「背景画像III」のいずれか)を「背景画像IV」に変更する。さらに、S5で、S4と同じタイミングで、電飾ランプ15,15・・の発光態様を「発光パターンI」(赤色の点滅)から「発光パターンIV」(黄色の点滅)に変更する。加えて、S6で、S4,S5と同じタイミングで、スピーカ14,14から発生する効果音の発生態様を「音発生パターンI」(曲α)を主体としたものから「効果音パターンIV」(曲δを主体としたもの)に変更する。
さらに、上記の如く「背景画像」、電飾ランプ15,15・・の発光態様、スピーカ14,14の効果音発生態様を変更した状態で、図柄表示装置6における「装飾図柄」の変動表示を継続した後に、一連の処理を終了する。なお、「装飾図柄」の変動表示は、その「装飾図柄」の変動の契機となった始動入賞に対応した「大当たり判定用乱数取得」におけるdカウンタの取得数値に対応した「図柄変動継続時間」(図6参照)だけ継続され、メイン制御基板31からの図柄変動終了信号の受信と同時に終了する。
一方、S3で“NO”と判断された場合(すなわち、「フリーズ表示」が行われるが、「フリーズ時間」が3.0秒未満であると判断された場合)には、図柄表示装置6における「背景画像」の変更および電飾ランプ15,15・・の発光態様の変更を行うことなく、S6で、スピーカ14,14から発生させる効果音の発生態様を「音発生パターンI」(曲α)を主体としたものから「効果音パターンIV」(曲δを主体としたもの)に変更する。
また、S2で“NO”と判断された場合(すなわち、「フリーズ表示」が行われないと判断された場合)には、図柄表示装置6における「背景画像」、電飾ランプ15,15・・の発光態様、およびスピーカ14,14の音発生態様を変更することなく、一連の処理を終了する。
したがって、パチンコ機1においては、「大当たり判定用乱数取得」においてcカウンタ(大当たり決定カウンタ)が所定の「大当たり乱数」を取得した場合であって、dカウンタが“9”〜“20”の内のいずれかを取得した場合(12通り)、および、「大当たり判定用乱数取得」においてcカウンタが所定の「大当たり乱数」以外の数値を取得した場合であって、dカウンタが“35”〜“38”の内のいずれかを取得した場合(4通り)に、1.8秒間の「フリーズ表示」が実行された後に、「スーパーリーチ態様」で「装飾図柄」が変動する。そして、そのように1.8秒間の「フリーズ表示」が実行された場合には、図柄表示装置6における「背景画像」の変更および電飾ランプ15,15・・の発光態様の変更は行われず、スピーカ14,14の音発生態様のみ変更される。
さらに、パチンコ機1においては、「大当たり判定用乱数取得」においてcカウンタが所定の「大当たり乱数」を取得した場合であって、dカウンタが“21”〜“40”の内のいずれかを取得した場合(20通り)、および、「大当たり判定用乱数取得」においてcカウンタが所定の「大当たり乱数」以外の数値を取得した場合であって、dカウンタが“39”〜“40”の内のいずれかを取得した場合(2通り)に、4.0秒間の「フリーズ表示」が実行された後に、「スーパーリーチ態様」で「装飾図柄」が変動する。そして、そのように4.0秒間の「フリーズ表示」が実行された場合には、図柄表示装置6における「背景画像」、電飾ランプ15,15・・の発光態様、およびスピーカ14,14の音発生態様が変更される。
また、上記の如く、パチンコ機1における「大当たり」生起時(「大当たり判定用乱数取得」においてcカウンタが所定の「大当たり乱数」を取得する場合)にdカウンタによって各基本変動パターンが取得される確率(期待値)は、パターンA<パターンB<パターンC<パターンD<パターンEの順になっており、「はずれ」時(「大当たり判定用乱数取得」においてcカウンタが所定の「大当たり乱数」以外の数値を取得する場合)にdカウンタによって各変動態様が抽選される確率(期待値)は、パターンA>パターンB>パターンC>パターンD>パターンEの順になっている。それゆえ、長期間に亘って遊技を継続した遊技者にとっては、「装飾図柄」の確定表示前に、「フリーズ表示」が行われたときには、行われなかったときよりも高い確率で「大当たり」が生起し、「フリーズ表示」の時間が長く、「フリーズ表示」後に「背景画像」が変更されたときには、変更されなかったときよりも高い確率で「大当たり」が生起するように感じられることになる。したがって、遊技者にとっては、見掛け上、「装飾図柄」の確定表示前に、所定時間以上の「フリーズ表示」が行われて、図柄表示装置6における「背景画像」が変更され、電飾ランプ15,15・・の発光態様が変更されたときには、所定時間未満の「フリーズ表示」が行われたときや、「フリーズ表示」が行われなかったときよりも、「大当たり」の生起確率が高いように感じられることになる。
(5)パチンコ機の効果
パチンコ機1は、上記の如く、「装飾図柄」の変動の内の一部の場合に、「装飾図柄」の変動表示開始から変動表示終了までの間に一定時間に亘って「装飾図柄」を仮停止させる「フリーズ表示」が実行されるとともに、その「フリーズ表示」の継続時間が所定の時間(3.0秒)以上である場合には、仮停止後の「装飾図柄」の変動表示態様の一部が変更され、その変更に対応して見掛け上の「大当たり状態」の生起確率が変化するので、趣向性が高く、長期間に亘って遊技者の遊技意欲を高く保持することができる。
また、パチンコ機1は、図柄表示装置6が「装飾図柄」の変動表示中に「背景画像」を重ねて表示するものであるとともに、「フリーズ表示」の継続時間が所定の時間(3.0秒)以上である場合に、仮停止後の「装飾図柄」の変動表示中に図柄表示装置6に表示される「背景画像」が変更され、その変更に対応して見掛け上の「大当たり状態」の生起確率が変化するので、遊技の内容が非常に趣向性に富んでいる。
また、パチンコ機1は、「フリーズ表示」の継続時間が所定の時間(3.0秒)以上である場合に、遊技盤2の盤面上に設けられた電飾ランプ15,15・・の発光態様が変更され、その変更に対応して見掛け上の「大当たり状態」の生起確率が変更するので、遊技の内容がきわめて斬新かつエキサイティングである。
(6)パチンコ機の変更例
なお、本発明の遊技機の構成は、上記実施形態の態様に何ら限定されるものではなく、図柄始動口、図柄表示装置、大入賞装置、メイン制御基板、表示制御基板、発光制御基板、効果音制御基板、サブ統合基板等の形状・構造等の構成を、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することができる。
たとえば、本発明の遊技機は、上記実施形態の如く、「フリーズ表示」が所定の時間以上である場合に図柄表示装置における「背景図柄」、電飾ランプの「発光態様」およびスピーカの音発生態様を変更するとともに、「フリーズ表示」が所定の時間未満である場合にスピーカの音発生態様のみを変更するものに限定されず、「フリーズ表示」の継続時間に応じて変更する「装飾図柄」の変動態様を必要に応じて適宜変更することができる。加えて、本発明の遊技機は、上記実施形態の如く、「フリーズ表示」の継続時間に拘わらず仮停止後に同じ種類の「リーチ表示態様」(アニメーション演出+映像演出)で「装飾図柄」の変動表示を継続するものに限定されず、「フリーズ表示」の継続時間によって仮停止後の詳細な「装飾図柄」の表示態様(アニメーション演出や映像演出等)を異ならせることも可能である。
加えて、フリーズ表示の内容は、上記実施形態の如く、単純に装飾図柄を所定の時間のみ仮停止表示するものに限定されず、「背景画像」(あるいは「背景図柄」および「装飾図柄」)を真っ暗なもの(黒色や灰色等のモノトーンの画像(あるいはそれに近い画像)を表示するもの)としたり、発射装置による遊技球の発射を強制的に停止させたりすることも可能である。
また、「フリーズ表示」の継続時間に応じて「装飾図柄」の変動態様(「背景図柄」、電飾ランプの「発光態様」、スピーカの「音発生態様」等)を変更するための「フリーズ表示演出処理」は、上記実施形態の如く、「装飾図柄」の変動開始と同じタイミングで行うものに限定されず、「装飾図柄」の変動開始以外のタイミング(たとえば、始動入賞のタイミング)で行い、「フリーズ表示」中に実行すべき処理の内容をRAM等の記憶手段に記憶させておくことも可能である。
また、本発明の遊技機は、上記実施形態の如く、長時間の「フリーズ表示」を伴う詳細変動パターン(図柄表示態様)と、短時間の「フリーズ表示」を伴う詳細変動パターン(図柄表示態様)とを、予め制御基板(上記実施形態ではサブ統合基板)の記憶手段に記憶させたものに限定されず、制御基板によって種々の条件に応じて「フリーズ表示」の時間を変化させるように構成することも可能である。そのように構成することにより、「フリーズ表示」の継続時間が多様化するため、遊技内容をよりエキサイティングなものとすることが可能になる。
加えて、本発明の遊技機は、上記実施形態の如きパチンコ機ばかりでなく、スロットマシーン等の他の遊技機として応用することも可能である。