JP2017208010A - 発炎筒保持具 - Google Patents
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Abstract
Description
<発炎筒保持具>
図1の発炎筒保持具1は、樋状に形成されている。具体的には、当該発炎筒保持具1は、発炎筒の周面が載置される部分の幅方向の両側(中心軸方向と垂直方向の両端側)が上方に突出した形状とされている。当該発炎筒保持具1は、路面に載置して用いられる。当該発炎筒保持具1は、図2に示すように、発炎筒Xの周面における軸方向と平行な少なくとも一部の領域を被覆し、発炎筒Xから発生する炎や高温の燃焼残渣による路面の焦げ付きを抑制する。
底面部2は、発炎筒Xから発生する炎や高温の燃焼残渣の路面への接触を抑制する。底面部2は、長尺状の段ボールシートを折り返して形成されている。具体的には、底面部2は、発炎筒Xを載置する載置部11と、載置部11の後端から載置部11下面全面に重なるように折り返される第1支持部12と、第1支持部12の前端から下面側に折り返される第2支持部13とを有する。第1支持部12は、載置部11の下面全面に重ねられることで、燃焼残渣の漏れを防止し当該発炎筒保持具1の防炎性を全面的に向上させる。一方、第2支持部13は、図1に示すように、当該発炎筒保持具1の前側部分にのみ折り重ねられている。第2支持部13は、当該発炎筒保持具1の前側部分にのみ折り重ねられることで、図4に示すように、発炎筒Xの着火部近傍の下面側の防炎性を向上すると共に、発炎筒Xを着火部側が上方に傾斜した状態で支持する。また、底面部2には、長手方向に一定の間隔をおいて、この長手方向と垂直方向に伸びる複数のミシン目部14が形成されている。なお、「前」とは発炎筒Xを載置した状態におけるこの発炎筒Xの着火部側をいい、「後」とはその逆側を意味する。
一対の側壁3は、発炎筒Xを側方から支持することで、発炎筒Xの当該発炎筒保持具1からの脱落を防止する。一対の側壁3は、底面部2の幅方向両端から上方に立設されている。一対の側壁3は、底面部2の幅方向両端の全領域から連続して設けられている。具体的には、一対の側壁3は、それぞれ載置部11の幅方向両端から連続する外壁16と、外壁16の上端から外壁16の内側に折り重ねられる内壁17とを有し、内壁17の先端(下端)から突出する複数の凸部18が載置部11の幅方向両側に形成される孔19にそれぞれ嵌合されている。一対の側壁3は、外壁16の上端から外壁16の内側に内壁17が折り曲げられていることで、上端に中芯が露出することが防止されている(つまり、一対の側壁3の上端にはライナーが存在している)。当該発炎筒保持具1は、このように一対の側壁3の上端にライナーが存在していることによって、この上端を起点とする発火を抑制することができる。
複数の突出部4は、一対の外壁16の下端から連続して形成されている。複数の突出部4は、当該発炎筒保持具1の上下方向の強度を補強する。複数の突出部4の外面は、一対の外壁16の外面と面一状に形成されている。複数の突出部4の内面には底面部2の側面が当接している。
当該発炎筒保持具1は、発火時の発炎筒Xを、周面における軸方向と平行な少なくとも一部の領域を被覆した状態で保持することで、発炎筒Xの炎による路面の焦げ付きを抑制することができる。当該発炎筒保持具1は、段ボールシートから構成されており液状不燃性材料のような他の材料を要しないので、取扱性に優れると共に比較的低コストで製造することができる。特に、上記段ボールシートが難燃性であるので、当該発炎筒保持具1の燃焼を抑制できるので、路面の焦げ付きをより確実に抑制することができる。また、当該発炎筒保持具1は、段ボールシートの波状の中芯の稜線方向と中心軸方向とのなす角度が上記範囲内であることから、段ボールシートの中芯とライナーとで区画される複数の棒状の空間(この棒状の空間は長手方向が中芯の稜線方向と平行に位置する)が中心軸方向と上記角度で交差した状態で存在している。そのため、当該発炎筒保持具1は、仮に一部に発火したとしても、この空間に燃焼時の不燃性ガスが滞留し防炎効果が高まり、中心軸方向への延焼を抑制することができる。従って、当該発炎筒保持具1は、発火領域の拡大を抑えることで路面の焦げ付きを抑制することができる。加えて、当該発炎筒保持部1は、第2支持部13によって発炎筒Xを着火部側が上方に傾斜した状態で支持することができるので、発炎筒Xから発生する燃焼残渣が当該発炎筒保持具1の前端から路面に漏れることを抑制し、路面の焦げ付きをさらに抑制することができる。
<発炎筒保持具>
図5の発炎筒保持具21は、樋状に形成されている。当該発炎筒保持具21は、図1の発炎筒保持具1と同様、路面に載置して用いられる。当該発炎筒保持具21は、発炎筒の周面における軸方向と平行な少なくとも一部の領域を被覆し、発炎筒から発生する炎や高温の燃焼残渣による路面の焦げ付きを抑制する。当該発炎筒保持具21は、図1の発炎筒保持具1と同様の難燃性の段ボールシートから構成されている。
底面部22は、発炎筒から発生する炎や高温の燃焼残渣の路面への接触を抑制する。底面部22は、幅方向において下方に湾曲して形成された窪み部を有する。具体的には、底面部22は、下端同士が連結されるよう幅方向中心側に向けて下方に傾斜した一対の傾斜部を有し、さらに具体的には幅方向の断面がV字状に構成されている。当該発炎筒保持具21は、底面部22の幅方向の断面がV字状に構成されることによって、別途側壁を設けなくても発炎筒を側方から支持することができ、この発炎筒のぐらつきを防止することができると共に、発炎筒が当該発炎筒保持具21から脱落することを防止できる。また、底面部22の幅方向の断面がV字状に構成されることによって、発炎筒の下面と底面部22の底部との間に空間が形成されるので、この空間に発炎筒から発生する炎に起因する高温の燃焼残渣を捕集することができ、この燃焼残渣が発炎筒の周面を伝って流れることを抑制することができる。
一対の脚部23は、当該発炎筒保持具21の上下方向の強度を補強する。また、一対の脚部23は、底面部22と当該発炎筒保持具21が載置される路面との間に空間を形成する。一対の脚部23は、底面部22の幅方向両端から下方に立設されている。一対の脚部23は、底面部22の幅方向両端の全領域から連続して設けられている。
一対の係合部24は、一対の脚部23の下端の全領域から連続して設けられている。各係合部24は、それぞれ先端が他の係合部24の先端と係合されている。
当該発炎筒保持具21は、図1の発炎筒保持具1と同様、取扱性に優れると共に、比較的低コストで路面の焦げ付きを抑制することができる。また、当該発炎筒保持具21は、底面部22の底面に中心軸方向に沿って付設される一対の脚部23を備えるので、底面部22と路面との間に空間を設けて発炎筒の燃焼炎温度の路面への伝達を抑制して路面の焦げ付きをさらに抑制し易い。
図6の発炎筒保持具41は、樋状に形成されている。当該発炎筒保持具41は、図1及び図5の発炎筒保持具1,21と同様、路面に載置して用いられる。当該発炎筒保持具41は、発炎筒の周面における軸方向と平行な少なくとも一部の領域を被覆し、発炎筒から発生する炎や高温の燃焼残渣による路面の焦げ付きを抑制する。当該発炎筒保持具41は、図1及び図5の発炎筒保持具1,21と同様の難燃性の段ボールシートから構成されている。
底面部42は、発炎筒から発生する炎や高温の燃焼残渣の路面への接触を抑制する。底面部42は、一対の脚部43の上端の全領域から連続する一対の連接片によって構成されている。底面部42は、当該発炎筒保持具41の幅方向中心部分において一対の連接片の先端(一対の脚部43との連接部と反対側の端縁)同士が突き合わされた状態で保持されることで(例えば一対の連結片の先端同士が連結されることで)構成されている。底面部42は、これにより幅方向において下方に湾曲して形成された窪み部を有する。具体的には、底面部42は、一対の連結片の下端同士が連結されるよう幅方向中心側に向けて下方に傾斜した一対の傾斜部を有し、さらに具体的には幅方向の断面がV字状に構成されている。当該発炎筒保持具41は、底面部42の幅方向の断面がV字状に構成されることによって、別途側壁を設けなくても発炎筒を側方から支持することができ、この発炎筒のぐらつきを防止することができると共に、発炎筒が当該発炎筒保持具41から脱落することを防止できる。また、底面部42の幅方向の断面がV字状に構成されることによって、発炎筒の下面と底面部42の底部との間に空間が形成されるので、この空間に発炎筒から発生する炎に起因する高温の燃焼残渣を捕集することができ、この燃焼残渣が発炎筒の周面を伝って流れることを抑制することができる。
一対の脚部43は、当該発炎筒保持具41の上下方向の強度を補強する。また、一対の脚部43は、底面部42と当該発炎筒保持具41が載置される路面との間に空間を形成する。一対の脚部43は、底面部42の幅方向両端から下方に立設されている。一対の脚部43は、底面部42の幅方向両端の全領域から連続して設けられている。一対の脚部43の高さとしては、図5の発炎筒保持具21の脚部23と同様とすることができる。一対の脚部43の長手方向長さは、底面部22の長手方向長さと同様とすることができる。
連結部44は、発炎筒から発生する炎や高温の燃焼残渣の路面への接触を抑制する。連結部44は、一対の脚部43の下端間に架け渡されるよう一対の脚部43の下端から連続して設けられる。連結部44は、底面部42の全面を下方から覆っており、これにより、燃焼残渣の漏れを防止し当該発炎筒保持具41の防炎性を全面的に向上させる。
折返し部45は、当該発炎筒保持具41の前側部分にのみ折り重ねられている。折返し部45は、当該発炎筒保持具41の前側部分にのみ折り重ねられることで、発炎筒の着火部近傍の下面側の防炎性を向上すると共に、発炎筒を着火部側が上方に傾斜した状態で支持する。なお、当該発炎筒保持具41は、連結部44及び折返し部45の折曲部の外側にはライナーが存在している。当該発炎筒保持具41は、連結部44及び折返し部45の折曲部の外側にライナーが存在していることによって、この折曲部を起点とする発火を抑制することができる。
当該発炎筒保持具41は、図1の発炎筒保持具1と同様、取扱性に優れると共に、比較的低コストで路面の焦げ付きを抑制することができる。また、当該発炎筒保持具41は、底面部42の底面に中心軸方向に沿って付設される一対の脚部43を備えるので、底面部42と路面との間に空間を設けて発炎筒の燃焼炎温度の路面への伝達を抑制して路面の焦げ付きをさらに抑制し易い。さらに、当該発炎筒保持具41は、底面部42の下方に連結部44が配設されるので、この連結部44によって残渣の漏れを防止し当該発炎筒保持具41の防炎性を促進することができる。加えて、当該発炎筒保持部41は、折返し部45によって発炎筒を着火部側が上方に傾斜した状態で支持することができるので、発炎筒から発生する燃焼残渣が当該発炎筒保持具41の前端から路面に漏れることを抑制し、路面の焦げ付きをさらに抑制することができる。
なお、本発明に係る発炎筒保持具は、上記態様の他、種々の変更、改良を施した態様で実施することができる。例えば当該発炎筒保持具には、発炎筒を固定するための発炎筒固定具によって発炎筒が固定されてもよい。このような発炎筒固定具によって発炎筒を固定可能な発炎筒保持ユニットを図7に示す。
図6の発炎筒保持具(この発炎筒保持具は、段ボールシートの波状の稜線方向が中心軸方向と垂直に位置する)に、発炎筒の後端が発炎筒保持具の後端と一致するように発炎筒を載置した。この発炎筒保持具を構成する段ボールシートの平均厚さは5mmであり、この段ボールシートのJIS−Z2150:1966に示される「45°メッケルバーナー法」に準じた防火等級は2級であった。また、この発炎筒の軸方向長さは340mで、発炎筒の前端及び発炎筒保持具の前端間の距離は50mmであった。さらに、この発炎筒保持具の底面部の幅は65mmであり、底面部の高さは35mmであり、一対の脚部の高さは40mmであった。
実施例1の発炎筒保持具と同様の段ボールシートを用いて構成された図5の発炎筒保持具(この発炎筒保持具は、段ボールシートの波状の稜線方向が中心軸方向と垂直に位置する)に、発炎筒の後端が発炎筒保持具の後端と一致するように実施例1と同様の発炎筒を載置した。発炎筒の前端及び発炎筒保持具の前端間の距離は実施例1と同様50mmであった。また、この発炎筒保持具の底面部の幅は65mmであり、底面部の高さは35mmであり、一対の脚部の高さは40mmであった。
実施例1の発炎筒保持具と同様の段ボールシートを用いて構成された図9の発炎筒保持具(この発炎筒保持具は、段ボールシートの波状の稜線方向が中心軸方向と垂直に位置する)に、発炎筒の後端が発炎筒保持具の後端と一致するように実施例1と同様の発炎筒を載置した。発炎筒の前端及び発炎筒保持具の前端間の距離は実施例1と同様50mmであった。また、この発炎筒保持具の底面部の幅は40mmであり、一対の側壁の高さは15mmであった。
図9の発炎筒保持具の一対の側壁と同様の構成を有する内壁の上端からこの一対の内壁の外面に折り重ねられる一対の外壁(この内壁及び側壁は実施例4の発炎筒保持具の側壁を構成する)及びこの外壁から下方に連続する一対の脚部を備える図10の発炎筒保持具61(この発炎筒保持具は、段ボールシートの波状の稜線方向が中心軸方向と垂直に位置する)に、発炎筒の後端が発炎筒保持具の後端と一致するように実施例1と同様の発炎筒を載置した。発炎筒の前端及び発炎筒保持具61の前端間の距離は実施例1と同様50mmであった。また、この発炎筒保持具61の底面部の幅及び一対の側壁の高さは実施例3と同様であり、一対の脚部の高さは10mmであった。
実施例1と同様、格子状網の上面にアルミホイールを敷き、さらにその上に発炎筒を直接置いた。このアルミホイールの表面温度は4℃であった。次に、この発炎筒を発火させ、着火部直下におけるアルミホイールの下面の温度を実施例1と同様にして測定した。このアルミホイール下面の温度の測定結果を表1に示す。
表1に示すように、本発明に係る発炎筒保持具を用いた実施例1〜実施例4は、比較例に比べてアルミホイール下面の温度の上昇が抑えられていることから、発炎筒の炎による路面の焦げ付きを抑制することができることが分かる。また特に、底面部の幅方向の断面がV字状に構成された発炎筒保持具を用いた実施例1及び実施例2は、実施例3及び実施例4よりも路面の焦げ付きを抑制することができることが分かる。これは、底面部の幅方向の断面がV字状に構成された発炎筒保持具によると、発炎筒の下面と底面部の底部との間に空間が形成され、この空間に発炎筒から発生する炎に起因する高温の燃焼残渣を捕集することができるためと考えられる。
2,22,42,52 底面部
3,43,53 側壁
4 突出部
11 載置部
12 第1支持部
13 第2支持部
14 ミシン目部
16 外壁
17 内壁
18 凸部
19 孔
23,43 脚部
24 係合部
31 発炎筒保持ユニット
33 発炎筒固定具
34 係止孔
35 突片
36 開口
44 連結部
45 折返し部
X 発炎筒
Y1,Y2 空間
Claims (4)
- 発炎筒の周面における軸方向と平行な少なくとも一部の領域を被覆する樋状の発炎筒保持具であって、
難燃性の段ボールシートから構成され、
上記段ボールシートの波状の中芯の稜線方向と中心軸方向とのなす角度が45°以上90°以下であることを特徴とする発炎筒保持具。 - 上記発炎筒の周面に沿って配設される帯状の底面部を有する請求項1に記載の発炎筒保持具。
- 上記底面部の両側縁に段ボールシートの中芯とライナーとで区画される空間が開口している請求項2に記載の発炎筒保持具。
- 上記底面部の底面に中心軸方向に沿って付設される脚部をさらに備える請求項2又は請求項3に記載の発炎筒保持具。
Priority Applications (1)
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JP2016101267A JP2017208010A (ja) | 2016-05-20 | 2016-05-20 | 発炎筒保持具 |
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- 2016-05-20 JP JP2016101267A patent/JP2017208010A/ja active Pending
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