以下、本実施形態の運転支援装置を車両1に搭載した例をあげて説明する。
本実施形態では、車両1は、例えば、内燃機関(エンジン、図示されず)を駆動源とする自動車(内燃機関自動車)であってもよいし、電動機(モータ、図示されず)を駆動源とする自動車(電気自動車、燃料電池自動車等)であってもよいし、それらの双方を駆動源とする自動車(ハイブリッド自動車)であってもよい。また、車両1は、種々の変速装置を搭載することができるし、内燃機関や電動機を駆動するのに必要な種々の装置(システム、部品等)を搭載することができる。また、車両1における車輪3の駆動に関わる装置の方式や、数、レイアウト等は、種々に設定することができる。
図1に示されるように、車両1の車体2は、運転者(不図示)が乗車する車室2aを構成している。車室2a内には、乗員としての運転者の座席2bに臨む状態で、操舵部4等が設けられている。本実施形態では、一例として、操舵部4は、ダッシュボード(インストルメントパネル)12から突出したステアリングホイールである。
また、図1に示されるように、本実施形態では、一例として、車両1は、四輪車(四輪自動車)であり、左右二つの前輪3Fと、左右二つの後輪3Rとを有する。さらに、本実施形態では、これら四つの車輪3は、いずれも操舵されうるように(転舵可能に)構成されている。
また、車室2a内のダッシュボード12の車幅方向すなわち左右方向の中央部には、モニタ装置11が設けられている。モニタ装置11には、表示装置8や音声出力装置9が設けられている。表示装置8は、例えば、LCD(liquid crystal display)や、OELD(organic electroluminescent display)等である。音声出力装置9は、例えば、スピーカである。また、表示装置8は、例えば、タッチパネル等、透明な操作入力部10で覆われている。乗員は、操作入力部10を介して表示装置8の表示画面に表示される画像を視認することができる。また、乗員は、表示装置の表示画面に表示される画像に対応した位置において手指等で操作入力部10を触れたり押したり動かしたりして操作することで、操作入力を実行することができる。
また、図2に示すように、ハンドルコラム202には、撮像装置201が設置されている。この撮像装置201は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)カメラ等である。撮像装置201は、座席2bの座部に着座する運転者302の顔が、視野中心に位置するように、視野角及び姿勢が調整されている。この撮像装置201は、運転者302の顔を順次撮影し、撮影により得た画像についての画像データを順次出力する。
また、図2に示すように、座席の枕部2dには、覚醒刺激出力装置310aが設けられている。覚醒刺激出力装置310aは、運転者302に対して、運転者302を覚醒させるための覚醒刺激を後述する刺激データに基づいて出力する。ここで、覚醒刺激としては、嗅覚刺激、聴覚刺激、触覚刺激、視覚刺激等があげられるが、これらに限定されるものではない。
座席の背もたれ部2cには、マッサージ装置310bが設けられている。マッサージ装置310bは、運転者302の腰部に当たる背もたれ部2cの下部を刺激データに基づいて振動させて、運転者302に対してマッサージを行うものである。覚醒刺激出力装置310aとマッサージ装置310bは、刺激出力部の一例である。
なお、覚醒刺激出力装置310a、マッサージ装置310bの配置はこれらに限定されるものではなく、運転者302に各刺激を付与可能な位置に配置されていればよい。
さらに、操舵部4には、運転者が眠くなったことを通知するための操作ボタン203が設けられている。運転者は、眠気の度合いに応じて操作ボタン203を押下する。
次に、本実施形態にかかる車両1における運転支援装置を有する居眠り運転防止システムについて説明する。図3は、本実施形態にかかる居眠り運転防止システム100の構成の一例を示すブロック図である。図3に例示されるように、居眠り運転防止システム100では、ECU14や、モニタ装置11、操舵システム13、GPS16等の他、ブレーキシステム18、舵角センサ19、アクセルセンサ20、シフトセンサ21、車輪速センサ22等が、電気通信回線としての車内ネットワーク23を介して電気的に接続されている。車内ネットワーク23は、例えば、CAN(Controller Area Network)として構成されている。ECU14は、車内ネットワーク23を通じて制御信号を送ることで、アクチュエータ13aを含む操舵システム13、アクチュエータ18aを含むブレーキシステム18等を制御することができる。また、ECU14は、車内ネットワーク23を介して、トルクセンサ13b、ブレーキセンサ18b、舵角センサ19、GPS16、シフトセンサ21、車輪速センサ22等の検出結果や、操作入力部等の操作信号等を、受け取ることができる。ここで、ECU14は、運転支援装置の一例である。
ECU14は、例えば、CPU14a(Central Processing Unit)や、ROM14b(Read Only Memory)、RAM14c(Random Access Memory)、表示制御部14d、音声制御部14e、SSD14f(Solid State Drive、フラッシュメモリ)等を有している。CPU14aは、車両1全体の制御を行う。CPU14aは、ROM14b等の不揮発性の記憶装置にインストールされ記憶されたプログラムを読み出し、当該プログラムにしたがって演算処理を実行できる。RAM14cは、CPU14aでの演算で用いられる各種のデータを一時的に記憶する。また、表示制御部14dは、ECU14での演算処理のうち、表示装置8で表示される画像データの合成等を実行する。また、音声制御部14eは、ECU14での演算処理のうち、主として、音声出力装置9で出力される音声データの処理を実行する。また、SSD14fは、書き換え可能な不揮発性の記憶部であって、ECU14の電源がオフされた場合にあってもデータを記憶することができる。なお、CPU14aや、ROM14b、RAM14c等は、同一パッケージ内に集積されうる。また、ECU14は、CPU14aに替えて、DSP(Digital Signal Processor)等の他の論理演算プロセッサや論理回路等が用いられる構成であってもよい。また、SSD14fに替えてHDD(Hard Disk Drive)が設けられてもよいし、SSD14fやHDDは、ECU14とは別に設けられてもよい。
なお、上述した各種センサやアクチュエータの構成や、配置、電気的な接続形態等は、一例であって、種々に設定(変更)することができる。
図4は、本実施形態のECU14の機能的構成を示すブロック図である。図4に示されるように、SSD14fには、3次元顔モデルデータベース401と、処理管理データベース402と、が記憶されている。ECU14は、入力部403と、照合部404と、取得部405と、判定部406と、算出部407と、制御部408と、を備える。これら構成は、SSD14fに格納されているプログラムをCPU14aが実行することで実現されるが、これらの構成を電子回路等のハードウェアで実現するように構成しても良い。
入力部403は、外部から運転者に関する情報を入力する。本実施形態では、入力部403は、運転者に関する情報として、撮像装置201で運転者が撮像された画像データを入力する。さらに、入力部403は、運転者に関する情報として、操舵部4の操作ボタン203が押下されたか否かを示した操作情報を入力する。
3次元顔モデルデータベース401は、統計的顔形状モデルである3次元顔モデルを記憶している。3次元顔モデルは、平均的な被験者の三次元顔形状と、被験者の目や口、鼻等の顔部品の位置と、被験者の目の形状の変化情報とが登録されている。三次元顔モデルは、一例として、CLM(Constrained Local Model),AAM(Active Appearance Model),ASM(Active Shape Model)を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
三次元顔モデルには、さらに、変化情報が登録されている。変化情報は、運転者の顔の表情や動作の変化に伴う運転者の目の形状の段階的な変化と、段階ごとの形状パラメータとが対応付けられたデータである。具体的には、変化状態として、顔が無表情で正面を向いて目が開いている状態を標準の状態とし、標準の状態から目を閉じるまでの目の形状の段階的な変化等の各状態が形状パラメータと対応付けられて三次元顔モデルに登録されている。
照合部404は、取得した撮像画像から、複数人の被験者の顔形状、目や口等の顔部品の特徴点を抽出し、運転者の二次元の撮像画像と、三次元顔モデルを構成する三次元顔構造データに適合させる。すなわち、照合部404は、モデルフィッティングとモデルのトラッキングを行う。これにより、照合部404は、運転者の顔の向きを特定(推定)し、さらに、三次元顔モデル上での目の位置の検索を行い特定(推定)することになる。さらには、照合部404は、特定(推定)された運転者の顔の向きと運転者の目の位置を検出し、運転者の上下瞼間の距離である開眼度等を特定している。
本実施形態の取得部405は、照合部404により照合された3次元顔モデルと、当該3次元顔モデルの開眼度等と、から、運転者の眠気レベル(眠気の度合い)を取得する。3次元顔モデルに基づく眠気レベルの判定手法は、周知の手法を問わず、どのような手法を用いても良い。
本実施形態の取得部405は、入力部403により入力された操作情報に基づいて、運転者の眠気レベルを取得する。操作情報は、運転者が眠くなった場合に押下される操作ボタン203が押下されたか否かを示した情報である。このため、取得部405は、操作情報に基づいて、運転者の眠気レベルを判定する。操作ボタン203の押下による眠気レベルの判定手法としては、例えば、操作ボタン203には、「眠い」ボタンが設けられており、取得部405は、押下されるボタンの種類に応じて眠気レベルを判定することが考えられる。例えば、「眠い」ボタンが押下された場合に、眠気レベル3と判定する。なお、本実施形態は、押下可能なボタンを「眠い」ボタンに制限するものではなく、「眠い」、「少し眠い」ボタン等、複数種類のボタンが設けられていても良い。
本実施形態では、眠気レベルを取得するために、画像データから生成された3次元顔モデルと、操作情報と、を用いた例について説明するが、これらの情報に制限するものではなく、運転者に関する情報を用いていれば良い。
処理管理データベース402は、眠気が検出された場合に行う処理を管理するデータベースとする。本実施形態の処理管理データベース402は、3次元顔モデルの検出結果に対応する処理と、操作情報に対応する処理と、を管理している。
図5は、本実施形態の3次元顔モデルの検出結果に応じて実行する処理を対応付けた処理管理データベースを例示した図である。図5に示されるように、効果消失予測時間と、支援レベルと、覚醒刺激と、休憩誘導と、を対応付けて記憶している。
効果消失予測時間は、運転者に対して覚醒刺激の付与を繰り返している場合であっても、当該覚醒刺激による運転者の眠気が解消しなくなる、換言すれば覚醒刺激による効果が消失すると予測される時間を表している。本実施形態においては、取得部405が取得した眠気レベルが所定の閾値(例えば眠気レベル3や、眠気レベル2)が検出された時の時間間隔に基づいて、算出部407により算出される。
本実施形態では、効果消失予測時間が短くなるに従って、制御部408が実行する制御を異ならせる。図5において、実行する制御は、支援レベルと、覚醒刺激と、休憩誘導と、して定められている。そして、支援レベルと、覚醒刺激と、休憩誘導と、を効果消失時間と対応付けて記憶している。これにより効果消失予測時間に応じた制御を実現できる。
支援レベルは、制御部408が実行する制御の度合いを示している。本実施形態では、効果消失予測時間が短くなるに従って支援レベルが大きくなるように設定されている。
覚醒刺激は、運転者に対して付与する覚醒刺激が定められており、タイミングと、強度と、が対応付けられている。タイミングは、覚醒刺激を付与するタイミングを示している。例えば、「眠気レベル3出現時」は、3次元顔モデルから眠気レベル3が検出されたタイミングを示している。「即時」は、常に覚醒刺激を付与していることを示している。強度は、運転者に対して覚醒刺激を付与する強度を示している。
休憩誘導は、運転者に対して車両1の休憩場所まで案内するための情報が定められており、メッセージと、推奨休憩地と、が対応付けられている。メッセージは、支援レベル、換言すれば効果消失予測時間毎に設定されている。推奨休憩地は、現在の車両1と支援レベルとに基づいて、運転者に対して休憩地を提示するために必要な情報が定められている。A%としては、例えば50%が定められ、B%としては、例えば20%〜30%が定められている。そして、本実施形態においては、当該範囲内の休憩場所となる候補が複数提示される。
図6は、本実施形態の操作情報による操作結果に応じて実行する処理を対応付けた処理管理データベースを例示した図である。図6は、図5と同様に、効果消失予測時間と、支援レベルと、覚醒刺激と、休憩誘導と、を対応付けて記憶している。図5とは、覚醒刺激を付与するタイミングが異なる。図5に示される例では、運転者の顔のトラッキング結果である3次元顔モデルで所定の眠気レベルが検出されたタイミングであるのに対して、図6に示される例では、操作ボタン203が押下されたタイミングという違いがある。換言すれば、所定の操作ボタン203が押下されたタイミングを、眠気レベル3の出現時として、覚醒刺激を付与する。また、支援レベル3になった場合には、操作ボタン203の押下にかかわらず、規定時間間隔で付与し、支援レベル4になった場合には、常に覚醒刺激を付与する。
判定部406は、眠気レベルが所定の閾値以上となったか否かを判定する。所定の閾値は、支援レベル(換言すれば効果予測時間)に応じて異ならせる。例えば、3次元顔モデルから眠気レベルを検出する場合、判定部406は、支援レベル1〜2においては、眠気レベル3を閾値として用い、支援レベル3においては、眠気レベル2を閾値として用いる。
つまり、本実施形態では、支援レベル1〜2においては、運転者はまだ覚醒している状態のため、眠気レベル3を検出すれば良く、支援レベル3においては、運転者は覚醒するのが難しくなりつつあるため、より早い段階、換言すれば眠気レベル2を検出する。そして、閾値となる眠気レベルが検出された時に、覚醒状態を維持させるような制御を行う。
例えば、操作情報から眠気レベルを検出する場合、判定部406は、支援レベルにかかわらず、眠気レベル3を閾値として用いる。つまり、操作ボタン203が押下されたタイミングを、眠気レベルが眠気レベル3以上になったものとして判定する。
算出部407は、判定部406が前回所定の閾値以上の眠気レベルを検出してから、今回所定の閾値以上の眠気レベルを検出するまでの時間間隔に基づいて、効果消失予測時間を算出する。式(1)は、効果消失予測時間Tmaxを算出するための式とする。
Tmax=α1×時間間隔+β1…(1)
パラメータα1及びβ1は、SSD14fに記憶されたパラメータであって、実施態様に応じて定められる。さらに、パラメータα1及びβ1は、今までの運転者の計測結果に応じて調整されても良い。つまり、ECU14が、今までの運転者の眠気レベルの遷移を計測し、SSD14に保存する。そして、ECU14は、計測された眠気レベルの遷移に合うように、パラメータα1及びβ1を調整する。これにより、今回検出された眠気レベルに応じた効果消失予測時間Tmaxの算出精度を向上させることができる。
また、本実施形態は、上述した式(1)で効果消失予測時間Tmaxを算出する手法に制限するものではなく、他の式を用いて効果消失予測時間Tmaxを算出してもよい。変形例としては、下記の式(2)を用いて効果消失予測時間Tmaxを算出する手法が考えられる。
Tmax=α2×時間間隔+α3×今回検出された眠気レベル+β2…(2)
パラメータα2、α3及びβ2は、SSD14fに記憶されたパラメータであって、実施態様に応じて定められる。また、パラメータα2、α3及びβ2も、運転者の計測結果に応じて調整されても良い。
制御部408は、刺激部411と、案内場所特定部412と、出力制御部413と、を備え、算出部407で算出された効果消失予測時間に基づいて、支援レベルを設定する。そして、刺激部411、案内場所特定部412、及び出力制御部413は、設定された支援レベルに応じた制御を行う。換言すれば、制御部408の各構成は、効果消失予測時間が短くなるに従って、運転者に対して行う制御を異ならせる。
ところで、従来は、眠気レベルが所定の閾値以上となった場合に覚醒刺激を付与していた。図7は、従来の覚醒刺激を付与していたタイミングを例示した図である。図7に示される例では、眠気レベル3が検出された場合に、覚醒刺激を付与している。図7に示される例では、眠気レベル3が検出される時間間隔が短くなっていき、眠気レベル4が検出されるまでを示している。眠気レベル4は、覚醒刺激を付与しても、運転手が覚醒するのが難しくなる、換言すれば運転手が運転するのが難しくなる程度の眠気を示している。図7で示される例では、最初に眠気レベル3が検出されてから眠気レベル4が検出されるまでの、効果消失時間が19.5minとなる。
これに対して、本実施形態の制御部408は、算出された効果消失予測時間に応じて支援レベルを設定し、当該支援レベルに応じて制御を行うことで、効果消失時間が長くなるように制御を行う。
刺激部411は、効果消失予測時間に応じて設定された支援レベルと対応付けられたタイミングで、当該支援レベルと対応付けられた強度による覚醒刺激を、運転者に付与する。本実施形態の刺激部411は、覚醒刺激出力装置310a及びマッサージ装置310bを制御することで、運転者に対して覚醒刺激を与えることができる。
案内場所特定部412は、当該支援レベルと対応付けられた推奨休憩地と、GPS16が取得した車両1の現在位置と、に基づいて、車両1を案内するための休憩場所の候補を特定する。
例えば支援レベル1の場合、案内場所特定部412は、効果消失予測時間Tmax×A%(例えば50%)×車両1の平均速度で、車両1が移動可能な距離を算出する。そして、案内場所特定部412は、現在の車両1が現在進んでいる経路で、当該車両1の現在位置から移動可能な距離内に存在する休憩可能な場所を、休憩場所の候補として特定する。
例えば支援レベル2の場合、案内場所特定部412は、効果消失予測時間Tmax×B%(例えば20〜30%)×車両1の平均速度で、車両1が移動可能な距離を算出する。その後は、支援レベル1と同様とする。
図8は、本実施形態の案内場所特定部412が特定した休憩場所の候補を例示した図である。
図8に示されるように、案内場所特定部412は、支援レベル1の場合、効果消失予測時間Tmax×A%(例えば50%)×車両1の平均速度で算出された移動可能な距離801に存在する第1SA、第1PA、第2SAを休憩場所の候補として特定する。一方、案内場所特定部412は、支援レベル2の場合、効果消失予測時間Tmax×B%(例えば20〜30%)×車両1の平均速度で算出された移動可能な距離802に存在する第1SAを休憩場所の候補として特定する。
出力制御部413は、効果消失予測時間に応じて設定された支援レベルと対応付けられたメッセージを、音声出力装置9から出力する。
さらに、出力制御部413は、案内場所特定部412で特定された休憩場所の候補を、表示装置8に出力する。
メッセージの出力は、どのようなタイミングでも良く、覚醒刺激を付与するタイミングでも良い。他の例としては、一定期間ごとに出力しても良いし、支援レベルに応じて出力する頻度を異ならせても良い。また、休憩場所の候補は、表示装置8に表示し続けても良いし、地図等と交互に表示しても良い。休憩場所の候補の表示手法としては、休憩場所の候補と休憩場所までの距離を文字で表示しても良いし、地図上に休憩場所を表示しても良い。
図9は、本実施形態のECU14による覚醒刺激を付与するタイミングと支援レベルを例示した図である。図9に示される例は、3次元顔モデルから眠気レベルを検出する例とする。そして、図5で示されているように、支援レベル1〜2においては、眠気レベル3が検出されたタイミングで覚醒刺激を付与し、支援レベル3においては、眠気レベル2が検出されたタイミングで覚醒刺激を付与する。
そして、制御部408は、効果消失予測時間Tmaxが閾値T1以上で、支援レベル1の場合に、眠気レベル3が検出されたタイミングで、刺激部411が、運転者に対して、覚醒刺激を弱で付与すると共に、出力制御部413が、「早めの休憩でリフレッシュしましょう。」と出力制御する。さらに、効果消失予測時間Tmaxの50%の時間内にたどり着ける場所を、休憩場所の候補として案内する。
そして、制御部408は、支援レベル1〜2においては、眠気レベル3が検出された時間間隔に基づいて、支援レベルを変更するか否かを判定する。図9に示される例では、制御部408は、時間間隔901に基づいて算出された効果消失予測時間Tmaxが、閾値T1(図5参照)より小さくなった時に、支援レベル2に切り替える。
制御部408は、支援レベル2において、眠気レベル3が検出されたタイミングで、刺激部411が、運転者に対して、覚醒刺激を強で付与すると共に、出力制御部413が、「覚醒支援効果が得られ難くなっています。休憩しましょう。」と出力制御する。さらに、出力制御部413が、効果消失予測時間Tmaxの20〜30%の時間内にたどり着ける場所を、休憩場所の候補として案内する。
また、制御部408は、時間間隔902に基づいて算出された効果消失予測時間Tmaxが、閾値T2(図5参照)より小さくなった時に、支援レベル3に切り替える。
制御部408は、支援レベル3において、眠気レベル2が検出されたタイミングで、刺激部411が、運転者に対して、覚醒刺激を強で付与すると共に、出力制御部413が、「覚醒支援効果が期待できません。すぐに休憩して下さい。」と出力制御する。さらに、出力制御部413が、最も近い休憩場所を案内する。また、覚醒支援効果が得られる期間を明示しても良い。
さらに、制御部408は、支援レベル3の時に、眠気レベル2が検出された後、眠気レベル3が検出されるまでの時間間隔903に基づいて算出された効果消失予測時間Tmaxが、閾値T3(図5参照)より小さくなった時に、支援レベル4に切り替える。
制御部408は、支援レベル4において、刺激部411が、常に覚醒刺激を強で付与し続けると共に、出力制御部413が、「危険な状態です。すぐに停車して下さい。」と出力制御する。必要に応じて、制御部408が、車両1の自動減速、停車制御を行っても良い。
図9で示される例では、最初に眠気レベル3が検出されてから眠気レベル4が検出されるまでの、効果消失時間が47.6minとなる。本実施形態では、支援レベル、換言すれば効果消失予測時間に応じて、刺激付与の強度やタイミングを異ならせることで、従来と比べて覚醒刺激の効果がなくなるまでの時間を延ばすことができる。
本実施形態では、眠気レベルが所定の閾値以上の場合に覚醒刺激を付与し、当該タイミングで、効果消失予測時間を算出した。そして、効果消失予測時間に応じて支援レベルを設定する。そして支援レベルに応じて、覚醒刺激を付与するタイミング、及び刺激強度が定められると共に、休憩場所を適切なタイミングで表示できる。
次に、本実施形態のECU14における居眠り運転防止処理について説明する。図10は、本実施形態のECU14における上述した処理の手順を示すフローチャートである。
図10に示されるように、制御部408は、支援レベルの初期設定を行う(S1001)。本実施形態では、初期設定として、支援レベル1を設定する。
次に、入力部403は、撮像装置201で撮像された画像データや、操作ボタン203を押下されたか否かを示した操作情報を入力する(S1002)。
次に、照合部404は、入力された画像データから、運転者の顔を照合できたか否かを判定する(S1003)。
運転者の顔を照合できたと判定した場合(S1003:Yes)、取得部405は、画像データから特定された運転者の3次元顔モデルから、運転者の眠気レベルを取得する(S1004)。
一方、運転者の顔を照合できなかったと判定した場合(S1003:No)、取得部405は、操作情報から、運転者の眠気レベルを取得する(S1005)。本実施形態では、操作ボタン203が押下されたタイミングで眠気レベル3が検出されたものとみなす。
判定部406は、取得された眠気レベルが、支援レベルに対応する所定の閾値以上となったか否かを判定する(S1006)。なお、本実施形態では、支援レベル1〜2の場合には、眠気レベル3が閾値となる。また、支援レベル3の場合には、3次元顔モデルから眠気レベルを取得したか否かに応じて、閾値が異なる。3次元顔モデルから眠気レベルを取得した場合には、眠気レベル2が閾値となり、操作情報から眠気レベルを取得した場合には、眠気レベル3が閾値となる。判定部406は、支援レベルに対応する所定の閾値以上ではないと判定された場合(S1006:No)、S1003から再び処理を行う。
一方、判定部406は、支援レベルに対応する所定の閾値以上であると判定した場合(S1006:Yes)、刺激部411は、支援レベルに対応する覚醒刺激を、運転者に付与する(S1007)。但し、刺激部411は、支援レベル3であって、操作情報に基づいて眠気レベルを検出している場合には、眠気レベルの検出によらず、規定時間間隔毎に覚醒刺激を付与する。
そして、算出部407は、前回閾値以上の眠気レベルが検出されてから、今回閾値以上の眠気レベルが検出されるまでの時間間隔が存在するか否かを判定する(S1008)。時間間隔が存在しない、換言すれば閾値以上の眠気レベルが検出されたのが今回初めての場合(S1008:No)、S1003から再び処理を行う。なお、本実施形態では、支援レベル1〜2においては、閾値以上の眠気レベルが検出されたタイミングで、覚醒刺激を付与している。このため、閾値以上の眠気レベルが検出される時間間隔は、覚醒刺激を付与する時間間隔とも称することができる。
一方、算出部407が、時間間隔が存在すると判定した場合(S1008:Yes)、時間間隔に基づいて効果消失予測時間を算出する(S1009)。
そして、制御部408が、算出された効果消失予測時間に基づいて、支援レベルを設定する(S1010)。
そして、制御部408が、次に覚醒刺激を付与するために、支援レベルと対応付けられた閾値(覚醒刺激を与えるタイミング)と、強度とを設定する(S1011)。
さらに、案内場所特定部412は、効果消失予測時間に基づいて車両1が移動可能な距離を算出し、当該距離内に存在する休憩場所の候補を特定する(S1012)。
そして、出力制御部413が、特定された休憩場所の候補を表示装置8に出力すると共に、支援レベルに対応するメッセージを出力する(S1013)。
その後、制御部408は、支援レベルが3以下であるか否かを判定する(S1014)。支援レベルが3以下であると判定された場合(S1014:Yes)、S1003から再び処理を行う。
一方、制御部408は、支援レベルが3より大きい(支援レベルが4である)と判定された場合(S1014:No)、刺激部411が常に強刺激を付与すると共に、出力制御部413が休憩の警告メッセージの出力し、必要に応じて制御部408が車両1の停止制御を行う(S1015)。
以上説明したとおり、上述した実施形態によれば、効果消失予測時間を算出し、当該効果消失予測時間の違いに応じて、実行する処理を異ならせた。例えば、効果消失予測時間に応じて、休憩誘導内容に強弱を付けることで運転者の時隔値休憩の選択必要性の感覚的ギャップを低減することができる。出力制御部413により出力されるメッセージや休憩場所を効果消失予測時間に応じて変更することで、休憩の必要性の説得力を向上させることができる。これにより、運転者が休憩を選択する可能性が向上する。
従来、刺激を付与した場合に、刺激により眠気が解消するため、運転者が休憩を選択しなくなる可能性もあった。本実施形態では、効果消失予測時間に応じて、提示する休憩場所の候補を変更することで、運転者の感覚に合った休憩場所を提示できる。これにより休憩を選択する可能性を上昇させることができる。
本実施形態では、効果消失予測時間を算出して、当該効果消失予測時間に応じて実行する処理を異ならせることで、運転者に対する処理(例えば覚醒刺激)の効果が消失するまでの時間の延長につながる適切な支援を実現できる。
つまり、運転者の眠気の度合いに応じて適切な刺激強度、及び刺激付与するタイミングを調整できるため、眠気を解消する効果を高めると共に、刺激付与の煩わしさを低減できる。
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。