JP2017207743A - 電子写真用部材、プロセスカートリッジおよび電子写真画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
Description
該表面層は、ケイ素酸化物を含み、該表面層の膜厚が10nm以上300nm以下である電子写真用部材が提供される。
かかる知見に基づき、本発明者らが更なる検討を重ねた結果、下記の構成を有する電子写真用部材が、トナーに対する帯電付与能が高く、また、高温高湿環境下においても、帯電付与能が低下し難いことを見出した。
バインダー樹脂と、
下記構造式(1)で示される構造、下記構造式(2)で示される構造および下記構造式(3)で示される構造の群から選ばれる少なくとも一つの構造を有する重合体と、を含み、
構造式(2)中、R2は水素原子またはメチル基であり、X2は構造式(5)及び(6)から選択される何れかの構造である。
構造式(3)中、R3は水素原子またはメチル基であり、X3は構造式(7)及び(8)から選択される何れかの構造である。
構造式(6)中、R9は炭素数1以上4以下の2価の炭化水素基であり、R10、R11及びR12は各々独立に炭素数1以上18以下の炭化水素基であり、Y1−はアニオンである。
構造式(1)及び(2)は、分子中の窒素原子に電子供与性基であるアルキル基が結合している構造を有していることにより、分子中の窒素原子の電子密度は高くなっている。一方、これらの構造を、窒素を含む官能基としてみると、アミノ基及びアンモニウム基は電子供与性基として知られていることから、窒素がアルキル基から供与された電子を束縛する力は強くない。そのため、アミノ基やアンモニウム基に含まれる窒素原子が、アルキル基によって供与された電子を適度に放出することができ、帯電付与性が低下しやすい高温高湿度環境下でも、帯電付与性を発揮することができると推測している。
このことから、構造式(1)、(2)及び(3)で示される構造を有する化合物による帯電付与効果を発現させるためには、帯電付与される側の物体(トナー)を、構造式(1)、(2)及び(3)で示される構造の少なくとも一つの構造を有する化合物に接触させることが必要と思われた。ところが、本発明者らの検討によれば、帯電付与される側と、構造式(1)、(2)及び(3)で示される構造の少なくとも一つの構造を有する中間層との間の距離が300nm未満であれば、構造式(1)、(2)及び(3)で示される構造に基づく電子写真用部材の帯電付与効果が発現することを見出した。
構造式(1)、(2)及び(3)で示される構造の少なくとも一つの構造を有する中間層とトナーは十分に近接されていることから、構造式(1)、(2)及び(3)で示される構造に基づく帯電付与効果は発揮され、帯電量は確保されているはずである。それにもかかわらずトナーの帯電量が低下した理由は、トナーの電荷の漏えい量が、構造式(1)、(2)及び(3)で示される構造に基づく帯電付与量よりも大きくなったためであると推測している。
高温高湿環境下では、空気は多量の水分を含んでおり、有機高分子であるアクリル樹脂に水分が浸透し、樹脂中の水分量が増加する。水分量が増加したことにより、表面層中のアクリル樹脂の体積抵抗率が低下し、トナーの電荷の漏えい量が増加し、構造式(1)、(2)及び(3)で示される構造に基づく帯電付与効果を上回り、トナーの帯電量が低下したと推測している。
電子写真用部材とは、現像剤担持体、転写部材、帯電部材、クリーニングブレード、現像剤層厚規制部材等の部材であり、具体例として、現像ローラ、転写ローラ、帯電ローラ等の導電性ローラ、クリーニングブレード、現像ブレード等が挙げられる。以下、本発明に係る電子写真用部材を代表例である導電性ローラによって説明するが、本発明はこれに限定されない。
基体は、導電性ローラの中実または中空の電極及び支持部材として機能するものであり、例えば、アルミニウム、銅、の如き金属または、ステンレス鋼の如き合金;クロム、またはニッケルで鍍金処理を施した鉄;導電性を有する合成樹脂の如き導電性の材質で構成される。
弾性層は、導電性ローラと電子写真感光体(以下、感光体という)との当接部において、所定の幅のニップを形成するために必要な弾性を導電性ローラに与えるものである。なお、弾性層は単一層でも、複数の層で存在しても良い。弾性層は、通常のゴム材の成型体により形成されていることが好ましい。通常のゴム材料として、例えば、以下のものが挙げられる。エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム(EPDM)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、フッ素ゴム、シリコーンゴム、エピクロロヒドリンゴム、NBRの水素化物、ウレタンゴム。
中間層は、バインダー樹脂と、下記構造式(1)で示される構造、下記構造式(2)で示される構造および下記構造式(3)で示される構造の群から選ばれる少なくとも一つの構造を有する重合体とを含んでいる。
当該重合体は、トナーに対する摩擦帯電付与性に寄与する。該重合体は、特定の官能基を有するアクリル系モノマー、アクリルアミド系モノマー、または他のビニル重合性モノマーを公知の方法により重合することによって得られる。
(メタ)アクリル酸トリメチルアミノエチルカチオン、(メタ)アクリル酸トリメチルアミノメチルカチオン、(メタ)アクリル酸ジメチル−n−ブチルアミノエチルカチオン、(メタ)アクリル酸トリエチルアミノエチルカチオン、(メタ)アクリル酸ジメチル−n−オクチルアミノエチルカチオン、(メタ)アクリル酸ジエチル−n−オクチルアミノエチルカチオン、(メタ)アクリル酸ジメチルラウリルアミノエチルカチオン、(メタ)アクリル酸ジメチルトリデシルアミノエチルカチオン、(メタ)アクリル酸トリブチルアミノエチルカチオン等の臭化物、塩化物、パラトルエンスルホン酸塩、ナフチルスルホン酸塩。
1−メチル−4−ビニルピリジニウムカチオン、1−エチル−4−ビニルピリジニウムカチオン、1−n−ブチル−4−ビニルピリジニウムカチオン、1−n−オクチル−4−ビニルピリジニウムカチオン、1−ラウリル−4−ビニルピリジニウムカチオン、1−トリデシル−4−ビニルピリジニウムカチオン、1−メチル−4−イソプロペニルピリジニウムカチオン、1−エチル−4−イソプロペニルピリジニウムカチオン、1−n−ブチル−4−イソプロペニルピリジニウムカチオン、1−n−オクチル−4−イソプロペニルピリジニウムカチオン、1−ラウリル−4−イソプロペニルピリジニウムカチオン、1−トリデシル−4−イソプロペニルピリジニウムカチオン等の臭化物、塩化物、パラトルエンスルホン酸塩、ナフチルスルホン酸塩。
1−メチル−2−ビニルピリジニウムカチオン、1−エチル−2−ビニルピリジニウムカチオン、1−n−ブチル−2−ビニルピリジニウムカチオン、1−n−オクチル−2−ビニルピリジニウムカチオン、1−ラウリル−2−ビニルピリジニウムカチオン、1−トリデシル−2−ビニルピリジニウムカチオン、1−メチル−2−イソプロペニルピリジニウムカチオン、1−エチル−2−イソプロペニルピリジニウムカチオン、1−n−ブチル−2−イソプロペニルピリジニウムカチオン、1−n−オクチル−2−イソプロペニルピリジニウムカチオン、1−ラウリル−2−イソプロペニルピリジニウムカチオン、1−トリデシル−2−イソプロペニルピリジニウムカチオン等の臭化物、塩化物、パラトルエンスルホン酸塩、ナフチルスルホン酸塩。
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、n−アミル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、iso−オクチル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート。
バインダー樹脂は、当該重合体の担持体として機能する。バインダー樹脂としては公知の樹脂を用いることができ、特に限定されず、例えば、以下のものが挙げられる。
ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂の如きアミノ樹脂、アミド樹脂、イミド樹脂、アミドイミド樹脂、フェノール樹脂、ビニル樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ポリアルキレンイミン樹脂。
これらの樹脂は単独で用いて良く、2種以上を組み合わせて用いてもよい。中でも、ポリウレタン樹脂及びメラミン樹脂は、中間層の強度とトナーの帯電性の観点から好適に用いられる。さらに、熱硬化性ポリエーテルポリウレタン樹脂、ポリエステルポリウレタン樹脂は、柔軟性を合わせ持つため、特に好適に用いられる。
これらのポリウレタン樹脂は、公知のポリエーテルポリオールやポリエステルポリオールと、イソシアネート化合物との反応により得られる熱硬化性のものが挙げられる。
表面層は、ケイ素酸化物を含んでいる。
〔ケイ素酸化物〕
ケイ素酸化物とは、一般的にSiOx(0<x≦2)で表される化合物である。ケイ素酸化物を含む表面層を形成する方法としては、特に限定されず、例えば以下の方法が挙げられる。ディップコート、スプレーコート、ロールコート、リングコートの如き湿式コート法;真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティングの物理的気相成長(PVD)法;プラズマCVD、熱CVD、レーザーCVDの如き化学的気相成長法(CVD)法。
湿式コート法としては、ゾル−ゲル法を用いる方法や、ポリシラザンを用いる方法がある。中でも、ポリシラザンを用いてポリシラザン膜を含む表面層を形成すると、ポリウレタン樹脂を含む中間層との密着性が向上し、かつ、電子写真用部材の帯電付与性がより高くなるため、特に好ましい。
ポリシラザンは下記一般式(11)で表される構成単位を有するものであり、その製造方法は、特開昭60−145903号公報、特開昭61−89230号公報、および、Polym.Prepr.Am.Chem.Soc.,Div.Polym.Chem,.25,10(1984)にて報告されている。
ゾル−ゲル法によるケイ素酸化物の膜は、有機ケイ素化合物を加水分解させることによって製造することができる。有機ケイ素化合物として具体的には、以下が挙げられる。
テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリプロポキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、プロピルトリプロポキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、フェニルトリプロポキシシラン、デシルトリメトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、デシルトリプロポキシシラン;
ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジプロポキシシラン、ジメチルジブトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジエチルジプロポキシシラン、ジエチルジブトキシシラン、ジプロピルジメトキシシラン、ジプロピルジエトキシシラン、ジプロピルジプロポキシシラン、ジプロピルジブトキシシラン;ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジフェニルジプロポキシシラン、ジフェニルジブトキシシラン;
末端シラノールのジメチルシロキサン。
これらの有機ケイ素化合物は1種単独でまたは二種類以上を組み合わせて使用することができる。水の存在下で、これらの有機ケイ素化合物を加水分解反応させることによって、加水分解性縮合物を得ることができる。加水分解反応の際、温度やpH等を制御することで、所望の縮合度の加水分解性縮合物を得ることができる。また、加水分解反応の際、加水分解反応の触媒として金属アルコキシドなどを利用し、縮合度を制御しても良い。金属アルコキシドとしては、例えば、アルミニウムアルコキシド、チタニウムアルコキシド、ジルコニアアルコキシド及び、これらの錯体(アセチルアセトン錯体など)が挙げられる。
CVD法によってケイ素酸化物の表面層を形成するには、原料ガスとして、通常、ガス状のまたは、ガス状化した有機ケイ素化合物と、必要により炭化水素化合物を用いる。有機ケイ素化合物としては、具体的には以下が挙げられる。
1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、ヘキサメチルジシラザン、ビニルトリメチルシラン、メチルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラン、メチルシラン、ジメチルシラン、トリメチルシラン、テトラメチルシラン、ジエチエルシラン、プロピルシラン、フェニルシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、テタラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、オクタメチルシクロテトラシロキサン。
これらのうち、取扱の容易さから、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、テトラメチルシランが好ましい。
シラン源としては、有機ケイ素化合物に限定されるものではなく、シラン、アミノシラン、シラザンも用いることができる。なお、有機ケイ素化合物等の原料物質がガス状であればそのまま使用し、常温で液体であれば加熱し気化させて不活性ガスにより搬送して用いる。さらに、常温で固体のものでは、加熱して気化させ、不活性ガスにより搬送して用いる。また、原料物質を減圧状態において、気化を促進させても良い。なお、上記原料ガスとともに、または、原料ガスに加えて、真空チャンバ内へ窒素含有ガスあるいは、酸素含有ガスを導入することも可能である。また、不活性ガスとしては、ヘリウム、アルゴンの如きガスが挙げられる。
表面層の膜厚は、10nm以上300nm以下である。表面層の膜厚が10nm以上であるので、多量の印刷によって表面層が剥がれるおそれがない。また、表面層の膜厚が300nm以下であるので、中間層に含まれる特定の構造を有する本発明の重合体のトナーへの帯電付与効果が阻害されるおそれがない。なお、表面層の膜厚が10nm未満の場合、表面層と中間層との密着性が低下し、電子写真画像の形成に供した際に、表面層が中間層からはく離する場合がある。
プロセスカートリッジは、電子写真画像形成装置の本体に着脱可能に構成されているプロセスカートリッジであって、本発明に係る電子写真用部材を具備している。本発明に係る電子写真画像形成装置は、本発明に係る電子写真用部材を具備している。以下、本発明に係る電子写真用部材を適用し得るプロセスカートリッジ及び電子写真画像形成装置について説明する。
回転機構付オートクレーブ内に、乾燥テトラヒドロフラン 500g及びジメチルアミノエチルメタクリレ−ト(商品名:ライトエステルDM;共栄社化学社製) 130.5g、臭化n−ブチル(東京化成工業社製)119.5gを投入し、60℃の温度で3時間反応させた。次に反応混合物を5℃に冷却し、減圧下で溶媒を留去して、ジメチル−n−ブチルエチルメタクリレートブロマイド(モノマーA−1)を得た。
オートクレーブ内に投入する材料の種類及び量を上記表1に示す条件に変更した以外は製造例A1と同様にして、それぞれ、モノマーA−2〜A−6を得た。
(モノマーA−2):ジメチル−ラウリルエチルメタクリレートブロマイド、
(モノマーA−3):ジメチル−ステアリルエチルメタクリレートブロマイド、
(モノマーA−4):ジメチル-ラウリルプロピルアクリルアミドブロマイド、
(モノマーA−5):4−ビニル−1−メチル ピリジニウムブロマイド、
(モノマーA−6):2−ビニル−1−ヘキシル ピリジニウムブロマイド。
撹拌装置、温度計、還流管、滴下装置および窒素ガス導入管を取り付けた反応容器内に乾燥メチルエチルケトン150.0質量部を仕込み、窒素ガス気流下で温度87℃に昇温し、加熱還流した。次にジメチルアミノエチルメタクリレート(商品名:ライトエステルDM;共栄社化学社製)42.4質量部、n−ラウリルメタクリレート(商品名:ライトエステルL;共栄社化学社製)7.6質量部、開始剤(商品名:カヤエステルO;化薬アクゾ社製)0.3質量部の混合物を1時間かけて徐々に滴下し、温度を87℃に保ったままさらに3時間加熱還流した。次に温度を50℃まで下げた後、減圧下メチルエチルケトン100.0質量部を留去した。放冷して温度を室温まで下げ、重合体B−1を得た。
反応に供するモノマー種及び量を下記表2に示す条件に変更した以外は製造例B1と同様にして、それぞれ、重合体B−2〜B−18を得た。
窒素雰囲気下、反応容器内にポリメリックMDI(商品名:ミリオネートMR−200;東ソー社製)81.4質量部を投入し、反応容器内の温度を65℃に保持しつつ、カーボネートポリオール(商品名:クラレポリオールC−1090;クラレ社製、3−メチル1,5−ペンタンジオール:1,6−ヘキサンジオール=9:1、重量平均分子量=1000、官能基数=2)100.0質量部を徐々に滴下した。滴下終了後、温度65℃で3時間反応させ、メチルエチルケトン80.0質量部を加えた。得られた反応混合物を室温まで冷却し、イソシアネート基含有量5.8質量%のイソシアネート基末端ウレタンプレポリマーC−1を得た。
原料を下記表3に示す材料に変更した以外は、製造例C1と同様にして反応及び冷却を行い、イソシアネート基含有量5.5質量%のイソシアネート基末端ウレタンプレポリマーC−2を得た。
四つ口フラスコにガス吹き込み管、ドライアイスコンデンサー、スターラー、温度計を装着し、系内を窒素で充分に置換して乾燥させた。四つ口フラスコ内に乾燥ピリジン350ml入れ、これを液温−5℃に保った。次いで、この液体を攪拌しながらジクロロシランガス(高千穂化学工業株式会社製)63.4gを200ml/minの速度で四つ口フラスコ内に吹き込み、アダクト体を作成した。さらに、この液体を攪拌しながら水酸化ナトリウム塔と活性炭管を通して乾燥させたアンモニアガスを20.0ml/minの速度で四つ口フラスコ内に拭きこんだ。発熱が止まった時点でアンモニアガスの吹き込みをやめ、四つ口フラスコ内の液体を乾燥ピリジンを用いて洗浄した後、さらに乾燥窒素雰囲気下でろ過をした。ろ液から溶媒を減圧除去した後、得られた液体を撹拌モ−タ−により撹拌しながらキシレン100.0g/トリエチルアミン0.5gの混合溶剤を徐々に加え、さらに撹拌モ−タ−により20分間混合撹拌し、表面層形成用塗料D−1(固形分濃度20.0質量%)を調製した。この塗料を赤外分光法で評価したところ2200cm−1付近にSi−H基由来の特性吸収スペクトルを確認した。
シラン原料とその添加量を下記表4に示す条件に変更した以外は製造例D1と同様にして、それぞれ表面層形成用塗料D−2(固形分濃度20.0質量%)及びD−3(固形分濃度20.0質量%)を得た。
加水分解性シラン化合物として下記表5に示す種類及び量の材料と、水25.9g及び、エタノール69.3gとを混合した後、室温で攪拌した。その後、24時間加熱還流を行った後、メチルエチルケトン150g/エタノール150gの混合溶剤を添加し、固形分2.0質量%になるように調整した。この溶液100gに対し、光カチオン重合開始剤0.34g(商品名:アデカオプトマーSP150;旭電化工業株式会社製)を加え、表面層形成用塗料D−4を調製した。
アクリル重合体 1.0g(ヒタロイド HA1470;日立化成株式会社製)を、メチルエチルケトン99.0gに溶解させて、表面層形成用塗料D−5(固形分濃度1.0質量%)を調製した。
実施例1〜23及び比較例1〜5は、導電性ローラの作製及び評価、並びに現像ローラとしての評価に関する。
1.弾性ローラの作製
ステンレス鋼(SUS304)製の直径6mmの基体に、プライマー(商品名、DY35−051;東レダウコーニング社製)を塗布し、温度180℃に加熱したオーブンで20分間焼きつけ基体とした。この基体を金型内に配置し、下記表6に示す材料を混合した付加型シリコーンゴム組成物を金型内に形成されたキャビティに注入した。
下記表7に示す材料を撹拌混合した。次に、総固形分比が30質量%となるようにメチルエチルケトンを加えた後、サンドミルにて混合した。更に、メチルエチルケトンを加えて粘度10〜12cpsに調整して中間層形成用塗料を調製した。
まず、先に調製した表面層形成用塗料D−2を、キシレンを用いて、固形分濃度5.0質量%に希釈した。この希釈塗料中に、上記で作製した、中間層を有する弾性ローラを浸漬し、表面層を形成した。具体的には、日本特許公開昭57−5047号公報に記載されているが如き、浸漬槽の上端から塗料をオーバーフローさせる浸漬塗工方法を用いて、中間層の表面に上記希釈塗料の塗膜を形成した。尚、浸漬槽への弾性ローラの進入速度を500mm/min、最下点での停止時間1秒間、浸漬槽からの弾性ローラを引き上げ速度を400mm/minとした。
希釈塗料の塗膜を形成後、室温(温度25℃)にて10分間乾燥させ、次いで、温度80℃、相対湿度90%の環境下で2時間加熱して、該塗膜を硬化させて表面層を形成した。こうして導電性ローラ1を製造した。膜厚は148nmであった。
中間層と表面層のシリカ付着量、摩擦帯電量を測定するため、以下の方法で「シート1」を作成した。ステンレス鋼(SUS304)製の薄板上に、中間層形成用塗料 2.0gをバーコータ(#120)にて塗布し、加熱硬化させた。続いて、表面層形成用塗料D−1 2.0gをバーコータ(#120)にて塗布し、加熱硬化させた。尚、加熱硬化は、前記導電性ローラ1の製造の場合と同条件にて実施した。このようにして得られたシートを用いて、以下の方法によって「シートによる評価」を実施した。評価結果を表10に示す。
シート1を、気温50℃、相対湿度95%の環境下、60日間放置した。その後12時間室温下に放置した後、日本工業規格(JIS)K5600−5−6:1999(ISO 2409:1992)「塗料一般試験方法−第5部:塗膜の機械的性質−第6節:付着性(クロスカット法)に基づき、表面層と中間層の付着性を評価した。
ランクA:いずれの格子の目も剥がれが見られない。
ランクB:カットが交差する部分で、小さな剥がれがみられる(明確に5%を上回っていない)。
ランクC:カットが交差する部分で、カットの線に沿って剥がれている(5%以上15%未満)。
ランクD:カットの線に沿って全面的に剥がれている。
ランクE:全面的に剥がれている。
この評価は、高温高湿環境下におけるシリカ付着量の評価である。
シート1上に、疎水性シリカ(商品名 Aerosil R972、日本アエロジル社製)を3.0g載せた。次いで、ポリテトラフルオロエチレン製の平板をそれらの上に載せて、2.94N荷重で平板に対してシート1を圧接させた。気温40℃、相対湿度95%の環境下で、10分間放置した。次いで、シート1を平板に対する圧接状態から解放し、シート1の表面をエアブローした。その後、シート1の質量を測定した。測定したシートの質量mから、シリカを付着させる前のシートの質量m0を差し引いた値「m−m0」を、シリカ付着量とした。
シート1を気温32℃、相対湿度85%の環境(以下、「H/H環境」と称する)下に6時間以上放置し、その後、同環境下で、下記手順に従って摩擦帯電量を測定した。
以下の評価は、導電性ローラ1を現像ローラとして用いた場合の評価に関する。
導電性ローラ1を現像ローラとして、図3に示す構成を有するレーザープリンター(商品名:HP Color Laserjet Enterprise CP4515dnHP社製)用のマゼンタトナーカートリッジに装填し、これを上記レーザープリンターに設置した。このレーザープリンターをH/H環境下に6時間以上放置した。次いでサイズが4ポイントのアルファベットの「E」の文字が、A4サイズの紙の面積に対し被覆率が1%となるように印字される画像(以下、「E文字画像」ともいう)を所定枚数のコピー用紙に対して連続出力した。
その後、新しいコピー用紙に白ベタ画像を出力し、白ベタ画像の出力中にプリンターを停止した。この時、感光体上に付着したトナーをテープ(商品名、CT18;ニチバン社製)ではがし取り、反射濃度計(商品名、TC−6DS/A;東京電飾社製)にて反射率Rを測定した。テープの反射率R0を基準としたときの反射率の低下量「R0−R」(%)を測定し、これを「かぶり値」とした。
印字率1%の画像を100枚出力した後に測定したかぶり値を「初期かぶり値」、印字率1%の画像を15000枚出力した後に測定したものを「耐久後かぶり値」とした。
トナーに対する現像ローラの帯電付与性を評価するために、摩擦帯電量を測定した。上記かぶり画像評価の際に、現像ローラの、現像ブレードと感光体との当接位置に挟まれた部分のうち範囲が狭い部分に担持されたトナーを、金属円筒管と円筒フィルターにより吸引捕集し、その際、金属円筒管を通じてコンデンサに蓄えられた電荷量Q(測定機商品名、8252;エーディーシー社製)と、吸引されたトナーの質量Mを測定した。これらの値から、単位質量あたりの電荷量Q/M(μC/g)を算出した。負帯電性のトナーを用いる場合、単位質量あたりの電荷量の符号が負であり、絶対値が大きいほど、現像ローラの帯電付与性が高いと言える。測定されたQ/M値を「摩擦帯電量」とし、かぶり値の評価と同様に、100枚出力後に測定した値を「トナーの初期摩擦帯電量W1」とし、15000枚出力後に測定した値を「トナーの耐久後摩擦帯電量W2」とした。またW2/W1を算出し、「帯電量保持率」とした。
中間層に含まれる重合体、その使用量及び表面層形成用塗料を表9に示す条件に変更した以外は、実施例1と同様にして、それぞれ、導電性ローラ2〜18、および、シート2〜18を作製し、評価した。評価結果を表10に示す。
1.中間層の形成
下記表8に示す材料を撹拌混合した。次に、総固形分比が30質量%となるようにメチルエチルケトンを加えた後、サンドミルにて混合した。更に、メチルエチルケトンを加えて粘度10〜12cpsに調整して中間層形成用塗料19を調製した。これら以外は、実施例1と同様にして、基体の外周に膜厚約15μmの中間層を設けた。
中間層を形成したローラを、図4に示したプラズマCVD装置内に設置した。このプラズマCVD装置は、真空チャンバ41、平行におかれた平板電極42、原料ガスボンベ及び原料液体タンク43、原料供給手段44、チャンバ内のガス排気手段45、高周波を供給する高周波供給電源46及び弾性ローラ11を回転するモータ47により構成されている。
また、実施例1にかかる「シート1」の作製方法と同じ方法にて、ステンレス鋼(SUS304)製のシート上に、本実施例に係る中間層および表面層を形成したシート19を作製した。
実施例1と同様にして各評価を実施した。評価結果を表10に示す。
1.中間層の形成
実施例19と同様にして、基体の外周に膜厚約15μmの中間層を設けた。
中間層を形成したローラに対して、図6に示す構成を有する塗工装置を用いて表面層形成用塗料D−4を塗布し、以下の操作で中間層の表面に当該塗料の塗膜を形成した。
塗膜を形成したローラに、低圧水銀ランプ(東芝ライテック株式会社製)を用いて、波長254nmの紫外線を、積算光量が9000mJ/cm2になるように照射し、塗膜を硬化させ表面層を形成した。こうして、導電性ローラ20を作製した。硬化後の表面層の膜厚は143nmであった。また、実施例1にかかる「シート1」の作製方法と同じ方法にて、ステンレス鋼(SUS304)製のシート上に、本実施例に係る中間層を形成した。次いで、中間層の表面上に、上記2に記載の方法にて、表面層を形成して、シート20を作製した。
実施例1と同様にして各評価を実施した。評価結果を表10に示す。
重合体として重合体B−18を用いた以外は、実施例19と同様にして、基体の外周に中間層を設けた。また表面層形成用塗料の種類及び使用量を表9に示す条件に変更した以外は、実施例1と同様にして表面層を形成して、それぞれ導電性ローラ21〜23、および、シート21〜23を作製し、各評価を実施した。評価結果を表10に示す。
表面層形成用塗料D−2の使用量を表9に示す条件に変更し、加熱硬化前までの塗工〜乾燥工程を2度繰り返した以外は実施例1と同様にして導電性ローラC1、および、シートC1を作製し、各評価を実施した。この時の表面層の膜厚は480nmであった。
中間層に含まれる重合体、その使用量及び表面層形成用塗料を表9に示す条件に変更した以外は、実施例1と同様にして導電性ローラC2、および、シートC2を作製し、各評価を実施した。この時の表面層の膜厚は3nmであった。
中間層に含まれる重合体、その使用量及び表面層形成用塗料を表9に示す条件に変更した以外は、実施例20と同様にして、それぞれ導電性ローラC3及びC4、並びに、シートC3およびC4を作製し、各評価を実施した。
中間層に含まれる重合体及びその使用量を表9に示す条件に変更し、実施例1と同様にして、弾性ローラ上に中間層を形成させた。このようにして中間層の樹脂を最外層として有する導電性ローラC5、および、シートC5を作製し、各評価を実施した。なお、本比較例においては、「4−1.接着性評価」は、行わなかった。
なかでも、実施例1〜18では、中間層に構造式(4)で示される構造を有するため、現像ローラはトナーの摩擦帯電量が高く、耐久後のかぶりも2%未満である。特に実施例1〜4、8、12〜15、17、18では、中間層に構造式(1)もしくは(2)中のX1が構造式(5)である構造を有することから、現像ローラはトナーの初期摩擦帯電量が高い値であり、トナーの耐久後摩擦帯電量も高い値を保持している。
表面層の膜厚が480nmで膜厚が大きい比較例1は、シートでの評価における摩擦帯電量が低く、現像ローラはトナーの初期摩擦帯電量が低く、かぶりの値も4%以上と高い値である。これは、表面層の膜厚が大きいため、中間層の帯電付与効果が抑制されたと考えられる。
表面層の膜厚が3nmで薄膜の比較例2は、シートでの評価における摩擦帯電量が高く、また現像ローラにおけるトナーの初期摩擦帯電量が高いものの、トナーの耐久後摩擦帯電量が低い値である。これに伴い、かぶりも発生している。
また、最外層の材料が一般的なアクリル樹脂である比較例3、および、1級アミン化合物を有する比較例4では、シートでの評価における摩擦帯電量や、トナーの初期摩擦帯電量が低く、かぶりを生じた。
最外層を有しない比較例5では、シートでの評価における摩擦帯電量は高いものの、シリカの付着量が多い。そのため、現像ローラにおいてもシリカが付着しやすいので、トナーの初期摩擦帯電量は高いものの、トナーの耐久後摩擦帯電量が低い値である。
実施例24〜29及び比較例6〜9は、現像ブレードの作製及び評価に関する。
1.弾性層形成用塗料の調製
下記表11に示す材料を撹拌混合して現像ブレードの弾性層形成用塗料を調製した。
下記表12に示す材料を撹拌混合した。次に、総固形分比が30質量%となるようにメチルエチルケトンを加えた後、サンドミルにて混合した。ついで、更に、メチルエチルケトンで粘度10〜12cpsに調整して中間層形成用塗料を調製した。
基体として、厚さ0.08mmのステンレス鋼製のシート(日新製鋼社製)を、長さ215mm、幅23mmの寸法にプレス切断した。次に、切断したステンレス鋼製シートの、長さ215mm、幅23mmの面(側面)を前記弾性層形成用塗料中に1.5mmの深さで浸漬して、その側面上に当該塗料の塗膜を形成し、室温にて30分間乾燥させた。さらに温度120℃にて30分間加熱処理することで、SUSシートの側面に膜厚が10μmの弾性層を設けた。
こうして得られた現像ブレードについて、以下の評価を行った。
レーザープリンター(商品名:HP Color Laserjet Enterprise CP4515dn HP社製)用のシアントナーカートリッジに、上記で作製した現像ブレード1を装填した。このシアントナーカートリッジを用いた以外は、実施例1と同様にして画像を出力し、実施例1と同様にして「5−1.かぶり画像評価」及び「5−2.トナーの摩擦帯電量の測定」を行った。評価結果を表14に示す。
中間層に含まれる重合体、その使用量及び表面層形成用塗料を表13に示す条件に変更した以外は、実施例24と同様にして、それぞれ現像ブレード25〜29を作製し、各評価を行った。評価結果を表14に示す。
中間層に含まれる重合体、その使用量及び表面層形成用塗料を表13に示す条件に変更した以外は、実施例24と同様にして、それぞれ現像ブレードC6〜C9を作製し、各評価を行った。評価結果を表14に示す。尚、「ポリメントNK380」(商品名、日本触媒社製)は、アミノエチル化アクリルポリマーである。
実施例30〜35及び比較例10〜12は、導電性ローラの作製及び帯電ローラとしての評価に関する。
1.ゴム組成物の作製
下記表15に示す材料を加圧式ニーダーで混合し、A練りゴム組成物1を得た。さらに、該A練りゴム組成物1の77質量部と、下記表16に示す他の材料をオープンロールにて混合し、未加硫ゴム組成物1を得た。
直径6mmのステンレス鋼(SUS304)製の円柱の周面に、プライマー(商品名、DY35−051;東レダウコーニング社製)を塗布し、温度180℃に加熱したオーブンで20分間焼きつけて基体を得た。この基体及び前記未加硫ゴム組成物1をクロスヘッド押出機に供給して、基体上に未加硫ゴム弾性層を設け、温度160℃に加熱したオーブン内で70分間加熱して未加硫ゴム弾性層を硬化させた。その後、弾性層の表面を回転砥石で研磨した。これによって中央部直径が8.5mm、中央部から両端部側へ各90mmの位置における各直径が8.4mmの弾性ローラ30を得た。
下記表17に示す材料を撹拌混合した。次に、総固形分比が30質量%となるようにメチルエチルケトンを加えた後、サンドミルにて混合した。この混合液に、メチルエチルケトンを添加して粘度10〜12cpsに調整して、中間層形成用塗料を調製した。
中間層を形成させたローラを、表面層形成用塗料D−2中に実施例1と同様にして浸漬して中間層の表面に塗膜を形成し、その塗膜を硬化させて、表面層を形成した。このようにして導電性ローラ30を作製した。なお、表面層の膜厚は148nmであった。
レーザープリンター(商品名:HP Color Laserjet Enterprise CP4515dn HP社製)用のシアントナーカートリッジに装着されている、感光体上の転写残トナーのクリーニング手段であるクリーニングブレードを取り外した。また、帯電ローラとして、前記導電性ローラ30を装着した。このシアントナーカートリッジを、上記レーザープリンターに装填し、H/H環境下に2時間放置した。次いでA4サイズの紙の面積に対し、被覆率が0.5%となるようなE文字画像を、連続画像出力する耐久試験を行った。また、100枚目、および、20000枚目の画像出力後に、ハーフトーン画像(感光体の回転方向と垂直方向に幅1ドット、間隔2ドットの横線を描く画像)を出力した。得られた2枚のハーフトーン画像を目視で観察し、横スジの発生状況を以下の基準により評価した。100枚目の画像出力後に出力したハーフトーン画像の評価結果を「初期横スジ画像評価」とし、20000枚目の画像出力後に出力したハーフトーン画像の評価結果を「耐久後横スジ画像評価」とした。
ランクA:横スジが全く発生しない。
ランクB:横スジが画像端部のみに軽微に発生する。
ランクC:横スジが画像のほぼ半分の領域に発生し、目立つ。
導電性ローラ30を、H/H環境下に6時間以上放置した後、下記手順に従って摩擦帯電量を測定した。図7に示す測定部を、カスケード式表面帯電量測定装置TS−100AT(商品名、京セラケミカル社製)に接続して使用した。絶縁支持棒58に帯電ローラ52を設置した。キャリア53を粉体投入口51に投入して10秒間落下させてキャリア53を接触帯電した。キャリアとしては、標準キャリアN−01(日本画像学会)を使用した。絶縁板55上に設置された受け皿54内に落下したキャリア53の総帯電量を、コンデンサ56と並列に接続された電位計57で測定し、帯電量Q〔μC〕とした。さらに、受け皿54内に落下したキャリアの質量M(g)を測定し、これらの値から、単位質量あたりの帯電量Q/M(μC/g)を算出し、この値を「帯電ローラの初期摩擦帯電量w1」とした。
中間層に含まれる重合体、その使用量及び表面層形成用塗料を表18に示す条件に変更した以外は、実施例30と同様にして、導電性ローラ31〜35を作製し、評価した。評価結果を表19に示す。
中間層に含まれる重合体、その使用量及び表面層形成用塗料を表18に示す条件に変更した以外は、実施例30と同様にして、導電性ローラC10〜C12を作製し、評価した。比較例13では、実施例30において、表面層を形成しなかった以外は同様にして、導電性ローラC13を作製した。評価結果を表19に示す。
12 基体
13 弾性層
14 中間層
15 表面層
17 プロセスカートリッジ
Claims (6)
- 基体と、
該基体上の弾性層と、
該弾性層の表面を被覆している中間層と、
該中間層の表面を被覆している表面層と、を有する電子写真用部材であって、
該中間層は、
バインダー樹脂と、
下記構造式(1)で示される構造、下記構造式(2)で示される構造および下記構造式(3)で示される構造の群から選ばれる少なくとも一つの構造を有する重合体と、を含み、
該表面層は、ケイ素酸化物を含み、
該表面層の膜厚が10nm以上300nm以下であることを特徴とする電子写真用部材:
構造式(2)中、R2は水素原子またはメチル基であり、X2は構造式(5)及び(6)から選択される何れかの構造である。
構造式(3)中、R3は水素原子またはメチル基であり、X3は構造式(7)及び(8)から選択される何れかの構造である。]、
構造式(6)中、R9は炭素数1以上4以下の2価の炭化水素基であり、R10、R11及びR12は各々独立に炭素数1以上18以下の炭化水素基であり、Y1−はアニオンである。]、
構造式(8)中、R14は炭素数1以上13以下の炭化水素基であり、Y3−はアニオンである。]。 - 前記重合体は、構造式(1)で示される構造または構造式(2)で示される構造を有し、X1が構造式(5)で示される構造を有する請求項1または2に記載の電子写真用部材。
- 電子写真画像形成装置の本体に着脱可能に構成されているプロセスカートリッジであって、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の電子写真用部材を具備していることを特徴とするプロセスカートリッジ。
- 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の電子写真用部材を具備していることを特徴とする電子写真画像形成装置。
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