JP2021092602A - 現像ローラ、現像装置及び画像形成装置 - Google Patents

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【課題】高温高湿条件下におけるかぶりを抑制し、高品質な画像を提供することが可能な現像ローラ及びその現像ローラを用いた現像装置並びに画像形成装置を提供する。【解決手段】軸体2、軸体2の外周面上に弾性層3及び被覆層4をこの順に備える現像ローラであって、被覆層4が、シリコーン変性ポリオール及びポリイソシアネートを重合成分として有するウレタン樹脂を含有し、被覆層4の表面及び表面近傍の被覆層内部に、イソシアネート及び有機金属化合物を含有する現像ローラ1とする。【選択図】図1

Description

本発明は、現像ローラ、現像装置及び画像形成装置に関する。
電子写真方式を採用する複写機、プリンター、ファクシミリ等の画像形成装置に用いられる現像ローラは、トナーに均一な摩擦電荷を付与し、かつ、所定量のトナーを現像領域に安定して搬送する機能を有する。そのため、現像ローラの表面層には、微小な粒子を含有させることより、表面に当該粒子に起因する微小な凹凸を設けることが行われている。しかし、近年の電子写真装置の高速化、長寿命化、高画質化への対応の過程で、トナーも進化し、現像ローラを構成する各種材料の電気的特性を調整し、これにより、現像ローラの現像剤搬送性を向上させることが検討されている。
例えば、特許文献1に、少なくとも現像剤と接触する部分が樹脂組成物により形成されている樹脂被覆層を有し、該樹脂被覆層が、少なくとも結着樹脂と有機金属化合物を含有し、該有機金属化合物が、金属元素としてジルコニウムを有し、配位子として芳香族ジオール、芳香族ヒドロキシカルボン酸又は芳香族ポリカルボン酸を配位しているジルコニウム錯体あるいはジルコニウム塩である摩擦帯電付与部材が開示されている。
特開2000−105500号公報
電子写真方式を採用する画像形成装置においては、初期から大量に画像出力を行うと、高温高湿となり、帯電不足が生じ、画像の白地部に現像剤が現像されてしまう画像不良(以下、「かぶり」とも称する)が発生する場合があった。これまで、帯電不足に対しては、被覆層にイオン導電剤として4級アンモニウム化合物を導入することで対策されていたが、高温高湿条件下におけるかぶりに関しては十分な改善を得ることができなかった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、高温高湿条件下におけるかぶりを抑制し、高品質な画像を提供することが可能な現像ローラ、及びその現像ローラを用いた現像装置並びに画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明者は、初期からの帯電不足を補うとともに、現像ローラのベタ置き抵抗値をコントロールすることで、画質向上と、高温高湿条件下のかぶりを解決することを試みた。
本発明者は、鋭意検討の結果、シリコーン変性ポリオールとイソシアネートによるウレタンは膨潤性が高く、化合物を含浸できるところに着目し、樹脂内部に有機金属化合物を反応又は固着させ、帯電の機能性を持たせることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、軸体と、軸体の外表面に設けられる弾性層と、弾性層より外側に設けられる被覆層とを備える現像ローラであって、被覆層が、シリコーン変性ポリオール及びポリイソシアネートを重合成分として有するウレタン樹脂と粗さ剤とを含有し、被覆層の表面及び表面近傍の被覆層内部に、イソシアネート及び有機金属化合物を含有する現像ローラである。
現像ローラの表面の抵抗値は、1×10Ω以上9×1010Ω以下であることが好ましい。
有機金属化合物は、ヒドロキシ安息香酸の金属化合物であることが好ましい。
本発明の現像装置は、本発明の現像ローラを備える。
本発明の画像形成装置は、本発明の現像ローラを備える。
本発明の現像ローラによれば、高温高湿条件下でのかぶりの発生を抑制し、高品質な画像を提供することができる。
本発明の現像ローラの一実施形態を示す斜視面である。 本発明の画像形成装置の一実施形態を示す概略断面図である。 現像ローラの表面の抵抗値を測定する装置を示す正面図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
[現像ローラ]
本発明の現像ローラ1は、軸体2と、軸体2の外表面に設けられる弾性層3と、弾性層3より外側に設けられる被覆層4を備える。本発明の現像ローラ1は、好ましくは、現像ローラとして用いられるものであるが、そのような用途に限定されるものではない。
<軸体>
軸体2は、好ましくは、導電特性を有する、従来公知の現像ローラに用いられる軸体を用いることができる。軸体2は、例えば、鉄、アルミニウム、ステンレス鋼、及び真鍮からなる群より選択される少なくとも1種の金属で構成されていることが好ましい。なお、このような軸体2は、一般に、「芯金」の名称でも知られている。
軸体2は、絶縁性樹脂を含むものであってもよい。絶縁性樹脂は、例えば、熱可塑性樹脂であってもよく、熱硬化性樹脂であってもよい。軸体2は、例えば、絶縁性樹脂からなる芯体と、この芯体上に設けられたメッキ層と、を備えるものであってよい。このような軸体2は、例えば、絶縁性樹脂からなる芯体にメッキを施して導電化することにより得ることができる。
軸体2は、良好な導電特性を得るために、芯金であることが好ましい。
軸体2の形状は、例えば、棒状、管状等であることが好ましい。軸体2の断面形状は、例えば、円形、楕円形であってもよく、多角形等の非円形であってもよい。軸体2の外周面には、洗浄処理、脱脂処理、プライマー処理等の処理が施されていてもよい。
軸体2の軸方向の長さは特に限定されず、設置される画像形成装置の形態に応じて適宜調整してもよい。また、軸体2の直径(外接円の直径)も特に限定されず、設置される画像形成装置の形態に応じて適宜調整すればよい。
<弾性層>
弾性層3は、シリコーンゴムを含むゴム材料から構成される。弾性層3がシリコーンゴムを含むことで、圧縮永久歪みを低減することができるとともに、低温環境下における柔軟性に優れるという効果が得られる。
シリコーンゴムとしては、例えば、ジメチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等のオルガノポリシロキサンの架橋物が挙げられる。また、シリコーンゴムは、これらの変性物であってもよい。
弾性層3は、主としてシリコーンゴムを含んでいることが好ましい。具体的には、弾性層3におけるシリコーンゴムの含有量が、弾性層3の全質量を基準として、30質量%以上であることが好ましく、40質量%以上であることがより好ましく、60質量%以上であることが更に好ましい。
弾性層3は、ゴム材料以外の成分を含んでいてもよい。例えば、弾性層3は、導電性付与剤を更に含んでいてもよい。導電性付与剤は、弾性層3に導電性を付与するための成分であればよく、特に限定されるものではない。導電性付与剤としては、例えば、導電性カーボン、ゴム用カーボン類、金属、導電性ポリマー等を含む導電性粉末等を挙げることができる。導電性粉末としては、カーボンブラックを用いることが好ましく、カーボンブラックとしては、例えば、ケッチェンブラック(登録商標)等のファーネスブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック、サーマルブラック等を挙げることができる。
現像ローラ1においては、軸体2の軸方向の両端で軸体2の外周面が露出するように弾性層3が形成されている。すなわち、軸体2の外周面上には、弾性層3が設けられていない領域が存在している。しかしながら、本発明における、弾性層3の態様はこのような態様に限定されるものではなく、弾性層3が、軸体2の外周面の全面を覆うように設けられていてもよい。
弾性層3は、中実な層が好ましく、層の内部に中空を有していないことが好ましい。本明細書において「中実」とは、層の内部に0.1mm/個以上の中空を有しないことを意味する。
弾性層3のJIS A硬度は、20以上55以下であることが好ましい。弾性層3のJIS A硬度(JIS K 6301)が上記範囲内であることにより、現像ローラ1と被当接体(例えば、感光体等の像担持体)との接触面積(ニップ幅)が大きくなるため、転写効率、帯電効率、及び現像効率等の性能が一層向上する傾向にある。また、被当接体に機械的ダメージを与える可能性が低減される。
弾性層3の厚さは、被当接体との当接状態において被当接体との均一なニップ幅を確保することができる等の観点から、0.5mm以上10mm以下であることが好ましく、1mm以上5mm以下であることがより好ましい。なお、本明細書において「厚さ」とは、現像ローラ1の軸方向に垂直な方向の厚さを意味する。弾性層3の外径は、特に限定されない。外径は、例えば、5mm以上20mm以下であってもよい。なお、本明細書において、「外径」とは、現像ローラ1の軸方向に垂直な断面における外径を意味する。弾性層3の厚さ及び外径は、弾性層3を形成する際に用いるゴム組成物の量を調整する、弾性層3の形成後に弾性層3の外周面を研磨又は研削する、等の方法により調整することができる。
弾性層3の外周面には、プライマー処理、コロナ処理、プラズマ処理、エキシマ処理、UV処理、イトロ処理、フレーム処理等の表面処理が施されていてもよい。
弾性層3は、以下に示すゴム組成物の硬化物であってもよい。
(ゴム組成物)
上記のゴム組成物は、架橋によりシリコーンゴムを構成するゴム成分を含有することが好ましい。このようなゴム成分としては、例えば、オルガノポリシロキサン等のシリコーン生ゴムが挙げられる。
オルガノポリシロキサンとしては、例えば、下記平均組成式で表されるオルガノポリシロキサン等を挙げることができる。
RnSiO(4−n)/2
[Rは、置換されていてもよい一価の炭化水素基を示す。炭化水素基の炭素数は、1以上12以下が好ましく、1以上8以下がより好ましい。複数のRは同一でも異なっていてもよい。nは1.95以上2.05以下の数を示す。]
上記式中のRとしては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、ドデシル基等のアルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、β−フェニルプロピル基等のアラルキル基、及びクロロメチル基、トリフルオロプロピル基、シアノエチル基等、上記の基の炭素原子に結合した水素原子の一部又は全部をハロゲン原子又はシアノ基等で置換された有機基を挙げることができる。
オルガノポリシロキサンは、一分子中にケイ素原子と結合するアルケニル基を少なくとも2個含有するオルガノポリシロキサンであることが好ましい。例えば、上記式中、少なくとも2個のRが上記アルケニル基を有することが好ましい。オルガノポリシロキサンは、ビニル基を有することが更に好ましい。
オルガノポリシロキサンの具体例としては、ジメチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等が挙げられる。オルガノポリシロキサンは、分子鎖末端がトリメチルシリル基、ジメチルビニルシリル基、ジメチルヒドロキシシリル基、トリビニルシリル基等で封鎖されていることが好ましい。
ゴム組成物は、各種の添加剤を含有していてもよい。このような添加剤としては、例えば、導電性付与剤、鎖延長剤、及び架橋剤等の助剤、付加反応触媒等の触媒、反応制御剤、分散剤、老化防止剤、酸化防止剤、充填材、顔料、着色剤、加工助剤、軟化剤、可塑剤、乳化剤、耐熱性向上剤、難燃性向上剤、受酸剤、熱伝導性向上剤、離型剤、溶剤などを挙げることができる。
ゴム組成物は、液状のゴム組成物であってよく、ミラブル型のゴム組成物であってもよい。
<被覆層>
被覆層4は、現像ローラ1の弾性層表面に設けられるものである。本発明において、被覆層4は下記(A)成分から(D)成分の混合物を塗布して硬化したものである。
(A)シリコーン変性ポリオール
(B)イソシアネート化合物
(C)粒子径が0.2μm以上10μm以下である粗さ剤
(D)希釈溶剤
なお、上記の混合物は、加熱硬化される前は液状である。また、混合物は、片末端ジオール変性シリコーンオイル、ポリオール、四フッ化エチレン共重合体等を含んでもよい。
(A)シリコーン変性ポリオール
シリコーン変性ポリオールは、両末端変性シリコーンオイル及びイソシアネート化合物からなる組成物を重合させプレポリマー化したものである。
−両末端変性シリコーンオイル−
両末端変性シリコーンオイルは、いわゆる、反応性シリコーンオイルの1種であり、イソシアネート化合物と重合する特性を有する。よって、両末端変性シリコーンオイルは、エーテル基、アミノ基(1級又は2級アミノ基)、メルカプト基、又はヒドロキシル基により、シリコーン鎖の両末端が変性されていることが好ましい。これらの両末端変性シリコーンオイルは、両末端エーテル変性シリコーンオイル、両末端アミノ変性シリコーンオイル、両末端メルカプト変性シリコーンオイル、両末端カルボキシル変性シリコーンオイル、両末端フェノール変性シリコーンオイル、両末端カルビノール変性シリコーンオイルとして市販されている。
ここで、本発明で用いられる好ましい両末端変性シリコーンオイルとしては、以下の一般式(1)で示される両末端変性シリコーンオイルを挙げることができる。
Figure 2021092602
一般式(1)において、Rは、−COCOH、又は−COCH−C(CHOH)を示し、nは、20以下の整数を表す。
一般式(1)で示される両末端変性シリコーンオイルの中でも、特に、両末端のRが、−COCOHであり、nが約10であるシリコーンオイルを用いることが好ましい。このようなシリコーンオイルについては、市販のものを適宜入手することができる。
なお、一般式(1)においては、ケイ素原子に結合する官能基は、メチル基となっているが、このメチル基が水素原子で置換された両末端変性シリコーンオイルであってもよい。
被覆層4を形成するための混合物に両末端変性シリコーンオイルを含有することにより、被覆層4に適度な弾性を付与することができるとともに、被覆層4の電気的特性を調整して、被覆層4の比誘電率を低下させることができ、フィルミングの発生を有効に抑制することができる。
−片末端ジオール変性シリコーンオイル−
片末端ジオール変性シリコーンオイルは、両末端変性シリコーンオイルと同様に、反応性シリコーンオイルであるが、シリコーン鎖の一方の末端に、2つのヒドロキシル基が結合しているものである。通常、両末端変性シリコーンオイルとイソシアネート化合物とを重合させた場合、直鎖状のポリウレタンが生成するが、片末端ジオール変性シリコーンオイルを併用することにより、ポリウレタンに分岐鎖が導入され、現像ローラ1のナノレベルの微細な粗さを向上させることができる。
片末端ジオール変性シリコーンオイルとしては、以下の一般式(2)で示される片末端変性シリコーンオイルを挙げることができる。
Figure 2021092602
一般式(2)において、R’は、−COCH−C(CHOH)を示し、nは、20以下の整数を表す。
一般式(2)で示される片末端ジオール変性シリコーンオイルの中でも、特に、nが約10であるシリコーンオイルを用いることが好ましい。なお、一般式(2)においては、ケイ素原子に結合する官能基は、メチル基となっているが、このメチル基が水素原子で置換されたシリコーンオイルであってもよい。
本発明において、シリコーン変性ポリオールの調製のために使用する片末端ジオール変性シリコーンオイルは、両末端変性シリコーンオイル100質量部に対して、1質量部以上10質量部以下であることが好ましく、2質量部以上8質量部以下であることがより好ましい。両末端変性シリコーンオイルに対する片末端ジオール変性シリコーンオイルの使用量を上記の範囲内のものとすることにより、被覆層4の表面粗さを調整することにより、現像性能を良好に維持ししつつ、フィルミングを効果的に防止することができる。
本発明において、シリコーン変性ポリオールのプレポリマー化のために使用するイソシアネート化合物としては、シリコーンオイルに導入された反応性基との反応性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)等のジイソシアネート、及びこれらのイソシアネートの変性体である、アダクト型、ビュレット型、イソシアヌレート型、アロファネート型等を挙げることができる。これらのイソシアネート化合物の中でも、2官能型イソシアネート化合物、イソシアヌレート型イソシアネート化合物とアダクト型イソシアネート化合物であることが好ましく、これらを単独で用いてもよく、組み合わせて用いてもよい。イソシアネート化合物は、その分子鎖が長いほど、より高い柔軟性を有するポリウレタンを生成することができる。
(B)イソシアネート化合物
シリコーン変性ポリオールを硬化するためのイソシアネート化合物としては、ポリウレタンの調製に通常使用される各種イソシアネート化合物、例えば、芳香族イソシアネート化合物、脂肪族イソシアネート化合物、脂環式イソシアネート化合物を用いることができる。
芳香族イソシアネート化合物としては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート(2,4−TDI)、2,6−トリレンジイソシアネート(2,6−TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(4,4’−MDI)、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(2,4’−MDI)、1,4−フェニレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート、トリジンジイソシアネート(TODI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、3,3’−ジメチルビフェニル−4,4’−ジイソシアネート等を挙げることができる。
また、脂肪族イソシアネート化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMHDI)、リジンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアナートメチル(NBDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)等を挙げることができる。
さらに、脂環式ポリイソシアネートとしては、例えば、トランスシクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、H6XDI(水添XDI)、H12MDI(水添MDI)、4,4’−ジシクロへキシルメタンジイソシアネート等を挙げることができる。
本発明において、被覆層4を形成するために使用する混合液におけるイソシアネート化合物の使用量は、イソシアネート化合物の反応率が80%以上126%以下、好ましくは95%以上112%以下となるように使用されることが好ましい。
(C)粗さ剤
被覆層4を形成するための混合液は、シリコーンゴム粒子、ウレタン粒子、シリカ、及びアクリル粒子から選ばれる少なくとも1種を含有する。
微粒子の粒子径は、0.2μm以上10μm以下であることが好ましく、0.8μm以上5μm以下であることがより好ましい。粒子径を上記の範囲内のものとすることにより、現像ローラ1の表面粗さが適切に維持され、現像剤搬送性が良好に保たれる一方で、解像度を高い水準に維持して、画質の悪化を防止することができる。粒子径は、現像ローラ1を切断処理した後に、顕微鏡により断面を観察することにより測定することができる。
本発明において使用する微粒子は、100℃以上の温度でも変形又は溶融等しない耐熱性を有することが好ましく、130℃から180℃での耐熱性を有することがより好ましい。これにより、被覆層4の架橋温度においても、微粒子が、変形することを防止することができる。微粒子の耐熱性は、メルトフローインデクサーにおいて、圧力と熱を与えて微粒子が溶けて流れ出すことがないことを確認することにより、評価することができる。
微粒子は、被覆層4中に存在(埋没)していてもよく、その一部が被覆層4の表面に突出していてもよい。また、被覆層4において不均一に分散していてもよく、被覆層4の表面側に偏在していてもよい。
微粒子は、膨潤しやすさを考慮すると、シリコーン粒子が好ましい。シリコーンゴム粒子としては、ジメチルポリシロキサン等、オルガノポリシロキサン、ポリオルガノシルセスオキサンを架橋した構造が好ましい。
なお、シリコーンゴム粒子については、有機基として、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基等のアリール基;ビニル基、アリル基等のアルケニル基;β−フェニルエチル基、β−フェニルプロピル基等のアラルキル基;クロロメチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等の1価ハロゲン化炭化水素基;エポキシ基、アミノ基、メルカプト基、アクリロキシ基、メタクリロキシ基等の反応性基含有有機基から選択される1種又は2種以上の炭素数1以上20以下の1価の有機基から選択される基を有するオルガノポリシロキサン又はオルガノポリシルセスキオキサンから調製することが好ましく、これら、オルガノポリシロキサン又はオルガノポリシルセスキオキサンから調製される粒子を、オルガノアルコキシシランで表面処理した粒子であってもよい。このようなシリコーンゴム粒子としては、例えば、信越化学工業株式会社製の「KMP−597」や、東レ・ダウコーニング株式会社製の「EP−5500」、「EP−2600」、「EP−2601」、「E−2720」、「DY 33−430M」、「EP−2720」、「EP−9215Cosmetic Powder」、「9701Cosmetic Powder」等を使用することができる。
微粒子の含有量は、シリコーン変性ポリオール100質量部に対して、15質量部以上40質量部以下であることが好ましく、20質量部以上35質量部以下であることがより好ましい。微粒子の使用量を、上記使用量の範囲内のものとすることにより、現像ローラ1の表面粗さが適切に維持され、現像剤搬送性が良好に保たれる一方で、解像度を高い水準に維持して、画質の悪化を防止することができる。
(D)希釈溶剤
希釈溶剤としては、水系溶剤、及び有機系溶剤を使用することができ、求められる乾燥速度に応じて、低沸点溶剤、高沸点溶剤を組み合わせて使用することができる。
本発明において、被覆層4を形成するための混合物においては、固形分濃度が10質量%以上50質量%以下の範囲内であることが好ましく、20質量%以上40質量%以下の範囲内であることがより好ましい。固形分濃度が低いと、塗布時に液ダレが起こり易く、乾燥に時間がかかるとともに、固形分濃度が高いと、塗布表面のザラツキを生じたり、厚み制御が難しくなったりする。
本発明において、希釈溶剤としては、相溶性があり上述の微粒子を分散均一化させることができる希釈溶剤を使うことが好ましい。これにより、混合液中で粗さ剤が分散し、被覆層4を、凹みなど不具合のない表面状態にすることができるとともに、混合液中での粗さ剤の沈降を抑制することができる。
このような希釈溶剤としては、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、テトラヒドロフラン(THF)、アセトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、トルエン、キシレン、ヘプタン、シクロヘキサノン、イソホロン等の有機溶剤を用いることが好ましい。
(含浸処理)
被覆層4は、イソシアネートと有機金属化合物とを含む含浸液に含浸させることによって、被覆層4の表面及び表面近傍の被覆層4内部に、イソシアネート及び有機金属化合物を含有させることができる。
以下、含浸液について説明する。
含浸液は、少なくとも(a)イソシアネート、(b)有機金属化合物、及び(c)有機溶剤を含有する。抵抗値を調整するためにイオン導電材を含有してもよいし、また、柔軟性を出すために水酸基やアミノ基を持つ材料を含有させてもよい。
(a)イソシアネート
含浸液に含有させるイソシアネートとしては、1官能以上のイソシアネートであればよい。1官能のイソシアネートとしては、オクタデシルイソシアネートなどの脂肪族モノイソシアネート、芳香族モノイソシアネートなどを用いることができる。2官能以上のイソシアネートとしては、上記(B)イソシアネート化合物で挙げたものを用いることができる。
(b)有機金属化合物
有機金属化合物としては、ジルコニウム、アルミニウム、又は亜鉛と、サリチル酸誘導体、芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族オキシカルボン酸、芳香族ジオール、芳香族モノカルボン酸及び芳香族ポリカルボン酸からなる群から選択される芳香族化合物と金属とが、配位及び/又は結合している有機金属化合物が好ましい。金属元素としては、鉄、アルミニウム、ガリウム、マグネシウム、カルシウム、チタン、クロム、亜鉛、ジルコニウム、ハフニウム等が好ましい。
サリチル酸誘導体の金属化合物としては、ジアルキルサリチル酸の金属化合物が好ましく、特に、ジ−tert−ブチルサリチル酸の金属化合物が好ましい
芳香族オキシカルボン酸の金属化合物を構成する芳香族オキシカルボン酸としては、サリチル酸、m−オキシ安息香酸、p−オキシカルボン酸、没食子酸、マンデル酸、トロパ酸等が挙げられる。これらの中でも、2価以上の芳香族カルボン酸を用いることが好ましく、特にイソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ナフタレンジカルボン酸が好ましい。これらの芳香族カルボン酸と金属化合物を形成する金属種としては、2価以上の金属が好ましく、具体的には、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、鉛、鉄、コバルト、ニッケル、亜鉛、銅、ジルコニウム、ハフニウム、アルミニウム、クロム等が挙げられる。
(c)有機溶剤
有機溶剤としては、上記(D)希釈溶剤で挙げた化合物を用いることができる。
被覆層4を形成した後、浸漬液が収容された容器に、現像ローラ1全体を5sec以上30sec以下浸漬する。その後、現像ローラ1を取出し、80℃以上160℃以下、10分以上30分以下乾燥する。
現像ローラ1を上記含浸液に含浸させることにより、被覆層4が溶剤により膨潤し、ウレタン結合内にイソシアネート及び有機金属化合物が取り込まれる。そして、その後の乾燥過程における熱によって、有機溶剤が蒸発し、イソシアネートがウレタン樹脂内でアロファネート結合を形成するとともに、イソシアネートと空気中の水分によりアミンが生成し、このアミンとイソシアネートがウレア結合をしてウレタン樹脂内に固着する。有機金属化合物がウレタン樹脂内及び被覆層4の表面に固着する。
ここでの「固着」とは、共有結合、イオン結合、及び物理的な付着を含むものとする。
また、被覆層4の「表面近傍」とは、有機溶剤が含浸される範囲であり、表面から5μm程度若しくは2.5μm程度の深さを意味するが、本発明では、条件により、イソシアネート及び有機金属化合物は、被覆層の深くまで、すなわち厚みに相当する深さまで含浸されている場合があってもよい。
含浸方法としては、上記方法以外にスプレーで浸漬させる方法、ロールコーターにて浸漬させる方法、ディスペンサーで回転させながら浸漬する方法であってもよい。
上記のようにして作製された被覆層4の厚さは、5μm以上13μm以下があることが好ましく、6μm以上11μm以下であることがより好ましい。
本発明の現像ローラ1は、有機金属化合物を、被覆層を加熱硬化させた後、溶剤によって膨潤させて被覆層内に取り込むことによって、有機金属化合物を組成物に含有させる場合に比べて、有機金属化合物の配合量も少なくなり、抵抗値を調整しやすいという利点がある。また、組成物中に有機金属化合物を含有させる場合には、粘度の調整が難しく、良好な膜質を得ることが難しいという問題があるが、本発明によれば、被覆層4を加熱硬化により形成した後に、有機金属化合物を取り込むため、良好な膜質を得ることができる。
上記のようにして作製された本発明の現像ローラ1は、被覆層4の表面及び表面近傍の被覆層4の内部に、特に、有機金属化合物を含有することによって、初期の帯電不足を補うとともに、現像ローラ1の表面の抵抗値を調整することができるので、画質向上及び高温硬質条件下のかぶりを解決することができる。
(その他の構成)
本発明の現像ローラ1は、軸体2と弾性層3との間、及び弾性層3と被覆層4との間に、接着層を備えてもよい。ここで、特に弾性層3と被覆層4の間に設けられる接着層については、接着層の電気的特性を調整することにより、現像ローラ1としての電気的特性を調整することができ、これにより、現像ローラとしての現像ローラ1の現像性能を良好に調整することができる。
接着層は、有機チタン化合物及び/又は有機ジルコニウム化合物を含有していることが好ましく、これらの有機金属化合物と、シランカップリング剤とを含有していることがより好ましい。有機チタン化合物及び有機ジルコニウム化合物と、シランカップリング剤とを併用することにより、接着層の抵抗値をコントロールさせて、現像性能を良好に維持するとともに、弾性層3と被覆層4との接着性を良好なものとすることができる。有機チタン化合物としては、アルコキシ基を含有するチタン化合物、チタンキレート化合物等が挙げることができ、有機ジルコニウム化合物としては、アルコキシ基を含有するジルコニウム化合物、ジルコニウムキレート化合物等を挙げることができる。これらの、有機チタン化合物及び有機ジルコニウム化合物は、市販されているものを適宜使用することができる。
<現像ローラの表面の抵抗値>
本発明の現像ローラ1の表面の抵抗値は、1×10Ω以上9×1010Ω以下であることが好ましく、1×10Ω以上1×10Ω以下であることがより好ましい。現像ローラの表面の抵抗値は、被覆層のシリコーン変性ポリオールとイソシアネートの組み合わせで、9×10以下になるようにすることが好ましい。必要であれば、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸リチウム、過塩素酸カルシウム、塩化リチウム、リチウムビスイミド、カリウムビスイミド等のイオン導電材、ピリジウム系、イミダゾール系、4級アンモニウム系等のイオン液体で抵抗値をコントロールすることが可能である。
ただし、基本的にカーボンによる電子導電は抵抗値がバラツキ、コントロールしにくい領域のため、使用しない。
[現像装置及び画像形成装置]
本発明の現像ローラ1は、現像装置及び画像形成装置における現像剤担持体として、好適に用いることができる。本実施形態において、画像形成装置における現像ローラ1以外の構成は特に限定されない。本発明の現像ローラ1を備えた現像装置及び画像形成装置10の一例を、図2を参照して説明する。
画像形成装置10は、各色(黒色、シアン、マゼンタ、黄色)の現像ユニットB、C、M及びYに装備された複数の像担持体11B、11C、11M及び11Yを転写搬送ベルト6上に直列に配置したタンデム型カラー画像形成装置であり、現像ユニットB、C、M及びYが転写搬送ベルト6上に直列に配置されている。現像ユニットBは、像担持体11B例えば感光体(感光ドラムとも称される。)と、帯電手段12B例えば帯電ローラと、露光手段13Bと、現像装置20Bと、転写搬送ベルト6を介して像担持体11Bに当接する転写手段14B例えば転写ローラと、クリーニング手段15Bとを備えている。
現像装置20Bは、本発明の現像装置の一例であり、図2に示されるように、本発明の現像ローラ1と現像剤22Bとを備えている。したがって、この画像形成装置10において、現像ローラ1は、現像剤担持体23B、23C、23M及び23Yとして装着されている。現像装置20Bは、具体的には、一成分非磁性の現像剤22Bを収容する筐体21Bと、現像剤22Bを像担持体11Bに供給する現像剤担持体23Bと、現像剤担持体23Bに現像剤22Bを供給するトナー供給ローラ25Bと、現像剤22Bの厚みを調整する現像剤量調節手段24B例えばブレードとを備えてなる。現像装置20Bにおいて、現像剤量調節手段24Bは、図2に示されるように、現像剤担持体23Bの外周面に接触又は圧接している。すなわち、現像装置20Bは「接触式現像装置」である。現像ユニットC、M及びYは現像ユニットBと基本的に同様に構成されており、同じ要素には、同じ符号と各ユニットを示す記号C、M又はYとを付して、説明を省略する。
画像形成装置10において、現像装置20Bの現像剤担持体23Bは、その表面が像担持体11Bの表面に接触又は圧接するように配置されている。現像装置20C、20M及び20Yも、現像装置20Bと同様に、その表面が現像剤担持体23C、23M及び23Yが像担持体11C、11M及び11Yの表面に接触又は圧接するように配置されている。すなわち、この画像形成装置10は「接触式画像形成装置」である。
定着手段30は、現像ユニットYの下流側に配置されている。この定着手段30は、記録体16を通過させる開口部35を有する筐体34内に、定着ローラ31と、定着ローラ31の近傍に配置された無端ベルト支持ローラ33と、定着ローラ31及び無端ベルト支持ローラ33に巻き掛けられた無端ベルト36と、定着ローラ31と対向配置された加圧ローラ32とを備え、無端ベルト36を介して定着ローラ31と加圧ローラ32とが互いに当接又は圧接するように回転自在に支持されてなる圧力熱定着装置である。画像形成装置10の底部には、記録体16を収容するカセット41が設置されている。転写搬送ベルト6は複数の支持ローラ42に巻回されている。
画像形成装置10に使用される現像剤22B、22C、22M及び22Yはそれぞれ、摩擦により帯電可能な現像剤であれば、乾式現像剤でも湿式現像剤でもよく、また、非磁性現像剤でも磁性現像剤でもよい。各現像ユニットB、C、M及びYの筐体21B、21C、21M及び21Y内には、一成分非磁性の、黒色現像剤22B、シアン現像剤22C、マゼンタ現像剤22M及び黄色現像剤22Yがそれぞれ収納されている。
画像形成装置10は、以下のようにして記録体16にカラー画像を形成する。まず、現像ユニットBにおいて、帯電手段12Bで帯電した像担持体11Bの表面に露光手段13Bにより静電潜像が形成され、現像剤担持体23Bにより供給された現像剤22Bで黒色の静電潜像が現像される。そして、記録体16が転写手段14Bと像担持体11Bとの間を通過する際に黒色の静電潜像が記録体16表面に転写される。次いで、現像ユニットBと同様にして、現像ユニットC、M及びYによって、静電潜像が黒像に顕像化された記録体16に、それぞれシアン像、マゼンタ像及び黄色像が重畳され、カラー像が顕像化される。次いで、カラー像が顕像化された記録体16は、定着手段30によりカラー像が永久画像として記録体16に定着される。このようにして、記録体16にカラー画像を形成することができる。
現像装置20Bは、現像ローラ1を備えており、現像剤搬送性に優れるとともにトナーフィルミングの発生を抑えて、高濃度で高画質の画像を長期にわたって形成することに貢献できる。また、この現像装置20Bを備えた画像形成装置は高濃度で高画質の画像を長期にわたって形成できる。
本発明の現像装置及び画像形成装置は、上記したものに限定されることはなく、本発明の目的を達成することができる範囲において、種々の変更が可能である。
画像形成装置は、電子写真方式の画像形成装置とされているが、この発明において、画像形成装置10は、電子写真方式には限定されず、例えば、静電方式の画像形成装置であってもよい。また、本発明の現像ローラ1が配設される画像形成装置10は、各色の現像ユニットを備えた複数の像担持体を転写搬送ベルト上に直列に配置したタンデム型カラー画像形成装置に限られず、例えば、単一の現像ユニットを備えたモノクロ画像形成装置、像担持体上に担持された現像剤像を無端ベルトに順次一次転写を繰り返す4サイクル型カラー画像形成装置等であってもよい。また、画像形成装置に用いられる現像剤は、一成分非磁性現像剤とされているが、この発明においては、一成分磁性現像剤であってもよく、二成分非磁性現像剤であっても、また、二成分磁性現像剤であってもよい。
画像形成装置は、現像剤像担持体の表面が像担持体の表面に接触又は圧接して配置される接触式画像形成装置である。なお、本発明の画像形成装置10は、現像剤担持体の表面が像担持体の表面に接触しないように間隙を有して配置される非接触式画像形成装置であってもよい。
本発明の画像形成装置10は、本発明の現像ローラ1を備えるため、高温高湿の条件下でのかぶりの発生が抑制され、高品質な画像を提供することができる。
以上、本発明を、実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記の実施形態に記載の発明の範囲には限定されないことは言うまでもなく、上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。また、そのような変更又は改良を加えた発明も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
以下、本発明について、実施例を挙げて詳細に説明する。なお、本発明は、以下に示す実施例に何ら限定されるものではない。
(被覆層用組成物)
以下の化合物を混合して被覆層組成物を調製した。
・シリコーン変性ポリオール 38.2質量部
・イソシアネート(商品名「TPA−100」、旭化成株式会社製) 7.6質量部
・球状粒子(商品名「EP−2601」、東レ・ダウコーニング社製) 5.4質量部
・触媒 ネオスタン(商品名「U−100」、日東化成株式会社製) 0.04質量部
・有機溶剤 シンナー(商品名「EU−1F」、大日精化工業株式会社製)130質量部
(含浸液の調製)
以下の化合物を混合及び攪拌して含浸液を調製した。
・酢酸エチル 100質量部
・ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI:ジフェニルメタンジイソシアネート)
2質量部
・ヒドロキシ安息香酸ジルコニウム(商品名「TN−105」、保土谷化学工業株式会社製) 1質量部
[実施例1]
以下の手順により、実施例1の現像ローラを作製した。
(現像ローラの作製)
快削鋼SUM23で構成されている軸体(直径7.5mm、長さ274.1mm)の表面にシリコーン系プライマーを塗布した後、ギヤオーブン中で150℃乾燥させた。この操作により、軸体の外周面をプライマー処理した。
(弾性層の形成)
シリコーンゴムから形成されたゴム組成物を用いた押出成形により、軸体の外周面上にゴム材料からなる弾性体を成形した。なお、押出成形では、シリコーンゴムから形成されたゴム組成物を、赤外線加熱炉(IR炉)を用いて360℃で5分間加熱し、さらに、ギヤオーブンを用いて200℃で4時間加熱して硬化させた。これにより、プライマー処理された軸体の外周面上にゴム組成物の硬化物からなる弾性層を形成した。
弾性層は中実な層であり、弾性層の厚さは4.25mmであった。
(被覆層の形成)
次に、弾性層の外周面をUV処理した。その後、UV処理された弾性層上に、表1に示す混合液をスプレー法によって塗布した。塗布された混合液を150℃から160℃で30分間加熱した。
次に、含浸液が収容された容器に、被覆層まで形成した現像ローラを10秒浸し引き揚げた。160℃20分乾燥し、現像ローラを得た。乾燥後の被覆層の厚さは11μmであった。
[実施例2]
ヒドロキシ安息香酸ジルコニウムを、ヒドロキシ安息香酸亜鉛(商品名「BONTRON E−304」、オリエント化学工業株式会社製)に変更した以外は、実施例1と同様に現像ローラを作製した。
[実施例3]
ヒドロキシ安息香酸ジルコニウムを、ヒドロキシ安息香酸鉄(商品名「BONTRON X−11」、オリエント化学工業株式会社製)に変更した以外は、実施例1と同様に現像ローラを作製した。
[実施例4]
ジフェニルメタンジイソシアネートを、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)に変更した以外は、実施例1と同様に現像ローラを作製した。
[実施例5]
ヒドロキシ安息香酸ジルコニウムの配合量を、0.5質量部に変更した以外は、実施例1と同様に現像ローラを作製した。
[実施例6]
ヒドロキシ安息香酸亜鉛の配合量を、2質量部に変更した以外は実施例2と同様に作製した。
[実施例7]
イオン導電材として、カリウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(商品名「EF−112」、三菱マテリアル電子化成株式会社製)を0.1質量部添加した以外は、実施例2と同様に現像ローラを作製した。
[実施例8]
イオン導電材として、カリウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(商品名「EF−112」、三菱マテリアル電子化成株式会社製)を0.5質量部添加した以外は、実施例2と同様に現像ローラを作製した。
[比較例1]
被覆層のシリコーン変性ポリオールをポリエステルポリオール28質量部に変更し、イソシアネートを14質量部に変更し、触媒を0.02質量部に変更し、含浸液をヒドロキシ安息香酸ジルコニウム1質量部にした以外は、実施例1と同様に現像ローラを作製した。
[比較例2]
含浸液に有機金属化合物を配合しないこと以外は、実施例1と同様に現像ローラを作製した。
[比較例3]
含浸処理を行わなかったこと以外は実施例1と同様に現像ローラを作製した。
[評価]
上記実施例及び比較例について、以下の評価を行った。
(現像ローラの表面の抵抗値)
上記実施例及び比較例の現像ローラの表面の抵抗値を測定した。図3に測定装置を示す。
図3に示すように、金メッキ板51上に、現像ローラ1を乗せ、両端部に重さ500gのおもり52を掛け、印加電圧100Vでシャフト53と金メッキ板51との抵抗値を、超高抵抗/微少電流計「5450」(株式会社エーディーシー製)54を用いて測定した。
(帯電量及び帯電評価)
接触型モノクロ画像形成装置、商品名:HL−L2360DN(ブラザー工業株式会社製)に、上記実施例及び比較例の現像ローラを装着し、温度23℃湿度55%の条件で、初期印字後の帯電量を吸引式小型帯電量測定装置、商品名:212HS(トレック社製)にて、現像ローラの表面に形成されたトナーを吸引して帯電量Q/M(μC/g)を測定し、以下の評価基準で評価した。
A:帯電量が15μC/g以上
B:帯電量が10μC/g以上15μC/g未満
C:帯電量が10μC/g未満
(印字濃度及びフィルミング量の測定)
現像ローラについて、以下のようにして、印字濃度及びフィルミング量を測定した。画像形成装置には、接触型モノクロ画像形成装置、商品名:HL−L2360DN(ブラザー工業株式会社製)を用いた。この画像形成装置の現像装置内に、上記実施例及び比較例の現像ローラを装着した。次いで、温度23℃湿度55%の条件で、ベタ画像を形成し、印字評価を確認した。4000枚印刷後のフィルミング状況と、4000枚印刷後の画像品質(ベタ印字の初期印字形成部分と終期印字形成部分との濃度段差率)を評価した。濃度測定にはX−Rite社製のX−Rite500分光濃度計を使用した。
印字濃度は、下記評価基準により評価した。本試験において、印字濃度は、評価がAであると合格である。
A:濃度段差率が96〜100%であり、かつ印字ドットがきれいであった
B:濃度段差率が92〜95%であり、かつその他の不具合(印字ドットが粗い)があった
C:濃度段差率が91%以下であり、かつその他の不具合があった
トナー付着(フィルミング)は、現像剤の付着量により評価した。具体的には、4000枚印字した後の現像ローラの表面に付着している現像剤を吸引後、フィルミング重量測定ジグに転写した質量を測定した。フィルミング評価については、転写した現像剤の質量で下記基準により評価した。本試験において、フィルミング量は、評価がAまたはBであると合格である。
A:0mg以上0.003mg以下
B:0.003mgより多く0.006mg以下
C:0.006mgより多い
評価結果を表1に示す。
Figure 2021092602
表1に示すように、本発明の現像ローラは、シリコーン変性ポリオールを用いることにより、1×10Ω以上9×1010Ω以下の範囲に調整することが可能である。一方、ポリエステルポリオールを用いた比較例1は、含浸できず抵抗値にムラが生じた。
また、イソシアネートと有機金属化合物が含浸された本発明の現像ローラは、帯電量が上がり、印字濃度が良好であり、フィルミングも良好に防止できることが分かった。
1 現像ローラ
2 軸体
3 弾性層
4 被覆層
6 転写搬送ベルト
10 画像形成装置
11B、11C、11M、11Y 像担持体
12B、12C、12M、12Y 帯電手段
13B、13C、13M、13Y 露光手段
14B、14C、14M、14Y 転写手段
15B、15C、15M、15Y クリーニング手段
16 記録体
20B、20C、20M、20Y 現像装置
21B、21C、21M、21Y、34 筐体
22B、22C、22M、22Y 現像剤
23B、23C、23M、23Y 現像剤担持体
24B、24C、24M、24Y 現像剤量調節手段
25B、25C、25M、25Y トナー供給ローラ
30 定着手段
31 定着ローラ
32 加圧ローラ
33 無端ベルト支持ローラ
35 開口部
36 無端ベルト
41 カセット
42 支持ローラ
B、C、M、Y 現像ユニット
51 金メッキ板
52 おもり
53 シャフト
54 抵抗測定器

Claims (5)

  1. 軸体と、該軸体の外表面に設けられる弾性層と、弾性層より外側に設けられる被覆層とを備える現像ローラであって、
    前記被覆層が、シリコーン変性ポリオール及びポリイソシアネートを重合成分として有するウレタン樹脂と粗さ剤を含有し、
    前記被覆層の表面及び該表面近傍の被覆層内部に、イソシアネート及び有機金属化合物を含有する現像ローラ。
  2. 前記現像ローラの表面の抵抗値が、1×10Ω以上9×1010Ω以下である請求項1記載の現像ローラ。
  3. 前記有機金属化合物が、ヒドロキシ安息香酸の金属化合物である請求項1又は2記載の現像ローラ。
  4. 請求項1から3いずれか1項記載の現像ローラを備えた現像装置。
  5. 請求項1から3いずれか1項記載の現像ローラを備えた画像形成装置。
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