JP2017207526A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】画像パターンに基づく潤滑剤パターンムラの発生を抑制しつつ、画像形成ユニットの長寿命化を実現することが可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】形成される画像の画像情報に基づいてカバレッジ情報を算出するカバレッジ算出部(制御部10)と、カバレッジ算出部により算出されたカバレッジ情報に基づいてトナー回収部(潤滑剤塗布機構100)におけるトナーの回収効率を制御するトナー回収制御部(制御部10)と、トナー回収制御部により制御されたトナーの回収効率に基づいて、潤滑剤供給部(潤滑剤塗布機構100)から像担持体(感光体ドラム41)への潤滑剤の移動量を制御する滑剤移動量制御部(制御部10)と、を備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、画像形成装置に関する。
従来、電子写真方式による画像形成装置において、像担持体上の残留トナーを除去する手段として、例えば、弾性体からなる平板状のクリーニングブレードを像担持体の表面に当接し、これにより像担持体上の残留トナーを除去するブレードクリーニング方式のクリーニング装置が知られている。
上記の画像形成装置において、像担持体上に塗布された潤滑剤は、クリーニングブレード部において、蓄積されたトナーや外添剤等の粒子により研磨され、像担持体上で摩耗していく。潤滑剤の摩耗量は、クリーニングブレード部に蓄積されたトナーや外添剤の量により変化する。具体的には、蓄積されたトナー量や外添剤量が多い部分では摩耗量が多くなり、トナー量や外添剤量が少ない部分では摩耗量が少なくなる。そのため、潤滑剤塗布機構から潤滑剤を像担持体上の全面に均等に塗布したとしても、形成される画像パターンにより、クリーニングブレード部に蓄積されるトナーや外添剤の量が像担持体との当接部分毎に変化するため、潤滑剤の摩耗量が像担持体の軸方向に変化し、像担持体上の軸方向における潤滑剤の量(以下、滑剤量)に差が生じる。像担持体上の滑剤量は、現像部での像担持体へのトナーの付着に影響を与えるため、軸方向における滑剤量の差に応じた画像ノイズが発生するという課題が生じる。例えば、図19に示す画像パターン(縦帯ベタ)を連続して形成した後、図20に示す画像パターン(全面ハーフトーン)を形成すると、本来であれば全面が均一のハーフトーン画像が形成されるはずである。しかしながら、図19の縦帯ベタを連続して形成したことで、潤滑剤の摩耗量が像担持体の軸方向(図中Q方向)に変化したため、図19の縦帯ベタが形成されていた部分V1におけるトナーの付着量が相対的に少なくなり、画像ノイズが発生する結果となっていた。
上記の課題に対し、像担持体表面のトナーや外添剤を回収するためのクリーニングブラシ(以下、ブラシ)を設けることで、クリーニングブレード部に蓄積されるトナーや外添剤を減らす構成が知られている。上記のブラシを設ける構成によれば、形成される画像パターンによって像担持体上の軸方向における滑剤量に差が生じることを抑制することができる。ここで、ブラシの像担持体との速度比を高く設定する(即ち、ブラシの回転速度を高速にする)と、像担持体からのトナーや外添剤の回収率は高くなる。従って、ブラシの速度設定が高速であればあるほど、図19の画像パターンのように、像担持体上のトナー量・外添剤量が軸方向に差異が大きい画像パターンであっても、クリーニングブレード部に蓄積されるトナーや外添剤の量を減らすことができるので、像担持体上の滑剤量に差が生じることを抑制することができる。
しかしながら、ブラシの回転速度を常時高速に設定した場合、像担持体に対するブラシによる時間当たり研磨量が多くなるため、像担持体及びブラシへのストレスが大きくなり、像担持体の減耗が進行する。像担持体の減耗が進行すると、適正な画像形成品質を継続するための膜厚を維持できなくなるため、像担持体を含む画像形成ユニットの交換時期を早めなければならなくなり、長寿命化することができないという課題がある。
そこで、上記の課題を解決すべく、ブラシの回転速度を適切に制御する技術の一例として、主走査方向に画像領域を分割し、各領域の印字カウント数、即ち、各領域の部分的な印字率(部分カバレッジ)を算出し、部分カバレッジに応じて像担持体上の潤滑剤量を増やす制御を実行する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、他の例として、画像全体の画像面積率(全体カバレッジ)を算出し、全体カバレッジに応じてブラシの回転速度を高速に設定し、像担持体上の潤滑剤量を増やす制御を実行する技術が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2010−169793号公報 特開2010−169937号公報
しかしながら、上記特許文献1及び特許文献2記載の技術のように、ブラシの回転速度を適切に制御したとしても、別の課題が発生していた。
例えば、図19の画像パターン(縦帯ベタ)を連続して形成した場合、ベタ部はトナー量及び外添剤量が多くなる一方、シロ部においてもトナー及び外添剤の一部はクリーニングブレード部に蓄積し、一部はクリーニングブレード部をすり抜けている。ブラシの回転速度を高速に設定した場合、ベタ部のみならず、シロ部で蓄積とすり抜けを繰り返しているトナー及び外添剤の回収率も高くなる。従って、ブラシの回転速度が通常の速度設定である場合と比べ、シロ部のトナー量及び外添剤量が減少するため、シロ部における潤滑剤の摩耗量が減少し、シロ部における滑剤量が過剰となってしまうという課題が生じる。
以上のように、トナーの回収率を高めてベタ部とシロ部の滑剤量の差を縮小することを目的とした動作(ブラシを高速で回転させる動作)が、シロ部の、ひいては全体の滑剤量を上昇させるため、ベタ部とシロ部の滑剤量の差を十分縮小しようとすると、シロ部の滑剤量が過剰になるという関係が成立する。像担持体上の滑剤量が過剰になった場合、クリーニングブレードと像担持体との接触面積が増大するため、クリーニングブレードの摩耗が促進される。クリーニングブレードの摩耗が促進された場合、像担持体上のトナー及び外添剤をクリーニングブレード部で回収することができなくなるため、画像不良が発生する。従って、クリーニングブレードを含む画像形成ユニットの交換時期を早めなければならなくなり、長寿命化することができないという課題が生じる。一方で、クリーニングブレードの摩耗を抑制すべく、ブラシの回転速度を抑えてシロ部の滑剤量を過剰とならないようにした場合、ベタ部とシロ部の滑剤量の差を十分縮小することができなくなり、画像ノイズが発生するという課題が生じる。
本発明は、画像パターンに基づく潤滑剤パターンムラの発生を抑制しつつ、画像形成ユニットの長寿命化を実現することが可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、上記目的を達成するためになされたものであり、
像担持体と、
前記像担持体上に形成された静電潜像に現像剤を供給してトナー像を形成する現像部と、
前記現像部により前記像担持体の表面に形成されたトナー像を中間転写体又は用紙に転写する転写部と、
前記転写部による転写後に前記像担持体の表面に残留したトナーを回収するトナー回収部と、
前記トナー回収部によるトナー回収後に前記像担持体の表面に残留したトナーを除去するクリーニング部と、
前記像担持体に潤滑剤を供給する潤滑剤供給部と、
を備える画像形成装置において、
形成される画像の画像情報に基づいてカバレッジ情報を算出するカバレッジ算出部と、
前記カバレッジ算出部により算出されたカバレッジ情報に基づいて前記トナー回収部における前記トナーの回収効率を制御するトナー回収制御部と、
前記トナー回収制御部により制御された前記トナーの回収効率に基づいて、前記潤滑剤供給部から前記像担持体への前記潤滑剤の移動量を制御する滑剤移動量制御部と、
を備えることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、
前記潤滑剤供給部は、固形潤滑剤及び前記像担持体の双方と当接するように設置され、前記固形潤滑剤から削り出した前記潤滑剤を前記像担持体に供給する回転体を備え、
前記回転体は、更に、前記トナー回収部として機能し、
前記トナー回収制御部は、前記カバレッジ算出部により算出されたカバレッジ情報に基づいて前記回転体の回転速度を制御し、
前記滑剤移動量制御部は、前記トナー回収制御部により制御された前記回転体の回転速度に基づいて前記回転体から前記像担持体への通過面積当たりの前記潤滑剤の移動量を制御することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の画像形成装置において、
前記回転体は、前記現像部よりも前記像担持体の回転方向下流側であって、前記クリーニング部よりも前記像担持体の回転方向上流側に設置されることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載の画像形成装置において、
前記カバレッジ算出部は、前記画像情報に基づいて、前記像担持体上の潜像書き込み領域を主走査方向に分割した複数の領域毎の画像比率である部分カバレッジを算出し、
前記トナー回収制御部は、前記カバレッジ算出部により算出された部分カバレッジの最大値に基づいて前記回転体の回転速度を制御することを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項2又は3に記載の画像形成装置において、
前記カバレッジ算出部は、前記画像情報に基づいて、前記像担持体上の潜像書き込み領域を主走査方向に分割した複数の領域毎の画像比率である部分カバレッジを算出し、
前記トナー回収制御部は、前記カバレッジ算出部により算出された部分カバレッジの最大値と最小値の差に基づいて前記回転体の回転速度を制御することを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の画像形成装置において、
前記カバレッジ算出部は、前記画像情報に基づいて、前記像担持体上の潜像書き込み領域を主走査方向に分割した複数の領域毎の画像比率である部分カバレッジと、全ての前記領域の画像比率の総和に基づいて算出される全体カバレッジと、を算出し、
前記トナー回収制御部は、前記カバレッジ算出部により算出された部分カバレッジの最大値と最小値の差が第1の閾値よりも大きい場合、前記カバレッジ算出部により算出された全体カバレッジが第2の閾値よりも大きいか否かを判定し、
前記全体カバレッジが前記第2の閾値未満であると判定した場合は、前記回転体の回転速度を所定の第1速度よりも速い第2速度に設定し、前記全体カバレッジが前記第2の閾値よりも大きいと判定した場合は、前記回転体の回転速度を前記第2速度よりも速い第3速度に設定することを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項5又は6に記載の画像形成装置において、
前記カバレッジ算出部は、前記画像情報に基づいて、前記像担持体上の潜像書き込み領域を主走査方向に分割した複数の領域毎の画像比率である部分カバレッジと、全ての前記領域の画像比率の総和に基づいて算出される全体カバレッジと、を算出し、
前記トナー回収制御部は、前記カバレッジ算出部により算出された部分カバレッジの最大値と最小値の差が第1の閾値よりも大きい場合、前記回転体の回転速度を所定の第1速度よりも速い速度に設定し、
前記滑剤移動量制御部は、前記カバレッジ算出部により算出された全体カバレッジが第3の閾値よりも小さいか否かを判定し、前記全体カバレッジが前記第3の閾値以上であると判定した場合は、前記回転体から前記像担持体への通過面積当たりの前記潤滑剤の移動量を所定の第1移動量よりも少ない第2移動量に設定し、前記全体カバレッジが前記第3の閾値よりも小さいと判定した場合は、前記回転体から前記像担持体への通過面積当たりの前記潤滑剤の移動量を前記第2移動量よりも少ない第3移動量に設定することを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項2〜7のいずれか一項に記載の画像形成装置において、
前記滑剤移動量制御部は、前記トナー回収制御部により前記回転体の回転速度が高速に制御されるほど、前記像担持体への通過面積当たりの前記潤滑剤の移動量を少なく制御することを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、請求項2〜8のいずれか一項に記載の画像形成装置において、
前記滑剤移動量制御部は、前記トナー回収制御部により前記回転体の回転速度が所定の第1速度よりも速い速度に制御された場合、前記回転体から前記像担持体への前記潤滑剤の移動を抑制することを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、請求項2〜8のいずれか一項に記載の画像形成装置において、
前記回転体の所定の回転方向の前記固形潤滑剤との当接位置よりも下流側であって前記像担持体との当接位置よりも上流側の位置で前記回転体と接触可能に配置され、前記回転体との接触時に前記回転体の表面の潤滑剤を回収する潤滑剤回収部を備え、
前記滑剤移動量制御部は、前記トナー回収制御部により前記回転体の回転速度が所定の第1速度よりも速い速度に制御された場合、前記潤滑剤回収部を前記回転体に接触させることを特徴とする。
請求項11に記載の発明は、請求項2〜8のいずれか一項に記載の画像形成装置において、
前記回転体の所定の回転方向の前記像担持体との当接位置よりも下流側であって前記固形潤滑剤との当接位置よりも上流側の位置で前記回転体と接触し、前記回転体の表面をクリーニングする回転体クリーニング部材を備え、
前記滑剤移動量制御部は、前記トナー回収制御部により前記回転体の回転速度が所定の第1速度よりも速い速度に制御された場合、前記回転体を前記所定の回転方向と逆方向に回転させることを特徴とする。
請求項12に記載の発明は、請求項2〜8のいずれか一項に記載の画像形成装置において、
前記滑剤移動量制御部は、前記トナー回収制御部により前記回転体の回転速度が所定の第1速度よりも速い速度に制御された場合、前記回転体が前記固形潤滑剤から削り出す面積当たりの滑剤量を低減することを特徴とする。
請求項13に記載の発明は、請求項12に記載の画像形成装置において、
前記回転体に対する前記固形潤滑剤の位置、付勢力及び付勢方向の少なくともいずれか一を調整する固形潤滑剤調整部を備え、
前記滑剤移動量制御部は、前記トナー回収制御部により前記回転体の回転速度が所定の第1速度よりも速い速度に制御された場合、前記固形潤滑剤調整部を制御して、前記回転体と前記固形潤滑剤とを結ぶ方向に作用する付勢力を低下させる又は前記回転体への前記固形潤滑剤の押し込み量を低下させることを特徴とする。
請求項14に記載の発明は、請求項12に記載の画像形成装置において、
前記滑剤移動量制御部は、前記トナー回収制御部により前記回転体の回転速度が所定の第1速度よりも速い速度に制御された場合、前記回転体と前記固形潤滑剤との接触面積を小さくすることを特徴とする。
請求項15に記載の発明は、請求項14に記載の画像形成装置において、
前記回転体と前記固形潤滑剤とを圧接させた圧接状態と離間させた離間状態とを切り替える圧接離間部を備え、
前記滑剤移動量制御部は、前記トナー回収制御部により前記回転体の回転速度が所定の第1速度よりも速い速度に制御された場合、前記圧接離間部を制御して、前記回転体と前記固形潤滑剤とを離間させることを特徴とする。
請求項16に記載の発明は、請求項15に記載の画像形成装置において、
前記滑剤移動量制御部は、前記カバレッジ情報と、前記像担持体の回転数又は画像形成枚数と、に基づいて、前記圧接離間部による前記回転体と前記固形潤滑剤との圧接離間を制御することを特徴とする。
請求項17に記載の発明は、請求項2〜16のいずれか一項に記載の画像形成装置において、
前記トナー回収制御部は、エラーにより画像形成動作が強制的に停止した場合、前記回転体の回転速度を所定の第1速度よりも速い速度に設定することを特徴とする。
請求項18に記載の発明は、請求項10〜17のいずれか一項に記載の画像形成装置において、
前記滑剤移動量制御部は、エラーにより画像形成動作が強制的に停止した場合、前記回転体から前記像担持体への通過面積当たりの前記潤滑剤の移動量を少なく制御することを特徴とする。
請求項19に記載の発明は、請求項11を引用する請求項17に記載の画像形成装置において、
前記滑剤移動量制御部は、エラーにより画像形成動作が強制的に停止した場合、前記回転体を前記所定の回転方向に回転させることを特徴とする。
本発明によれば、画像パターンに基づく潤滑剤パターンムラの発生を抑制しつつ、画像形成ユニットの長寿命化を実現することができる。
本実施形態に係る画像形成装置の概略構成を示す図である。 画像形成部の概略構成を示す図である。 本実施形態に係る画像形成装置の制御構造を示す機能ブロック図である。 本実施形態に係る潤滑剤塗布機構の構成を示す側面図である。 感光体ドラム上の潜像書き込み領域を、主走査方向にN個のセグメントに分割した様子の一例を示す図である。 本実施形態に係る画像形成装置の動作を示すフローチャートである。 画像形成装置の動作の変形例を示すフローチャートである。 ΔC=100%時の全体カバレッジと滑剤量との対応関係を示す図である。 潤滑剤塗布部材の回転数を感光体ドラムとの速度差で示す図である。 通過面積当たり潤滑剤移動量を固形潤滑剤の圧離条件で示す図である。 比較例1、2及び実施例1、2の実験結果を示す図である。 変形例2−1に係る潤滑剤塗布機構の構成を示す側面図である。 変形例2−2に係る潤滑剤塗布機構の構成を示す側面図である。 変形例2−3に係る潤滑剤塗布機構の構成を示す側面図である。 変形例2−4に係る潤滑剤塗布機構の構成を示す側面図である。 変形例2−5に係る潤滑剤塗布機構の構成を示す側面図である。 変形例2−6に係る潤滑剤塗布機構の構成を示す側面図である。 変形例2−7に係る潤滑剤塗布機構の構成を示す側面図である。 縦帯ベタの画像パターンの一例を示す図である。 全面ハーフトーンの画像パターンの一例を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
本実施形態に係る画像形成装置1は、電子写真プロセス技術を利用した中間転写方式のカラー画像形成装置であり、図1〜図3に示すように、自動原稿搬送部2と、スキャナー部3と、画像形成部4と、給紙部5と、記憶部6と、操作表示部7と、制御部10と、を備えて構成されている。
自動原稿搬送部2は、原稿Dを載置する載置トレイ、原稿Dを搬送する機構及び搬送ローラー等を備えて構成され、原稿Dを所定の搬送路に搬送する。
スキャナー部3は、光源や反射鏡等の光学系を備えて構成され、所定の搬送路を搬送された原稿D又はプラテンガラスに載置された原稿Dに光源を照射し、反射光を受光する。また、スキャナー部3は、受光した反射光を電気信号に変換して制御部10に出力する。
画像形成部4は、イエロー作像部Yと、マゼンタ作像部Mと、シアン作像部Cと、ブラック作像部Kと、中間転写ベルトTと、定着装置Fと、を備えて構成されている。
各作像部YMCKは、それぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナー像を感光体ドラム41に形成し、感光体ドラム41に形成されたYMCK各色のトナー像を中間転写ベルトTに一次転写する。
なお、各作像部YMCKの構成及び動作は何れも同様であるため、以下、イエロー作像部Yを例に挙げて、画像形成部4が行う一連の画像形成動作について説明する。
感光体ドラム(像担持体)41は、ドラム状の金属基体の外周面に有機光導電体を含有させた樹脂からなる感光層が形成された有機感光体により構成され、図中A方向に回転駆動される。感光層を構成する樹脂としては、例えば、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、メラミン樹脂等が挙げられる。
帯電装置42は、帯電チャージャーを用いて感光体ドラム41を一定の電位に帯電する。
露光装置43は、制御部10からの画像データDyに基づいて感光体ドラム41の非画像領域を露光して露光した部分の電荷を除去し、感光体ドラム41の画像領域に静電潜像を形成する。
現像装置(現像部)44は、感光体ドラム41と現像領域を介して対向するように配置された現像スリーブ441を備える。現像スリーブ441には、例えば、帯電装置42の帯電極性と同極性の直流現像バイアス、又は交流電圧に帯電装置42の帯電極性と同極性の直流電圧が重畳された現像バイアスが印加され、これにより、感光体ドラム41に形成された静電潜像上に現像剤442を供給し、感光体ドラム41にイエローのトナー像を形成する。
なお、現像剤442は、トナーと、トナーを帯電するためのキャリアと、を含む。トナーは、特に限定されず、一般に使用されている公知のトナーを使用することができる。例えば、バインダー樹脂中に、着色剤や必要に応じて荷電制御剤や離型剤等を含有させ、外添剤を処理させたものを使用することができる。トナー粒径は、特に限定されるものではないが、3〜15μm程度が好ましい。
一次転写ローラー(転写部)45は、感光体ドラム41に形成されたイエローのトナー像を中間転写ベルトTに一次転写する。なお、他の作像部MCKも同様に、マゼンタ、シアン、ブラックのトナー像を中間転写ベルトTに一次転写する。これにより、中間転写ベルトT上にYMCK各色のカラーのトナー像が形成される。
中間転写ベルト(中間転写体)Tは、複数のローラーに懸架され回転可能に支持された半導電性エンドレスベルトであり、ローラーの回転に伴って図中B方向に回転駆動される。この中間転写ベルトTは、一次転写ローラー45により、対向するそれぞれの感光体ドラム41に圧着される。一次転写ローラー45のそれぞれには、印加された電圧に応じた転写電流が流れる。これにより、各感光体ドラム41の表面に現像された各トナー像は、それぞれ各一次転写ローラー45により順次中間転写ベルトTに一次転写される。
二次転写ローラー46は、中間転写ベルトTに押圧されて従回転することで、当該中間転写ベルトTに転写されて形成されたYMCK各色のトナー像を給紙部5の給紙トレイ51〜53から搬送されてきた用紙Pに二次転写する。二次転写ローラー46は、中間転写ベルトTを介して二次転写対向ローラー461に当接して配置され、二次転写ローラー46と二次転写対向ローラー461との間で形成される転写ニップを用紙Pが通過することにより、中間転写ベルトT上のトナー像が、用紙Pに二次転写される。
画像形成部4は、YMCK各色のトナー像が二次転写された用紙Pを定着装置Fにより加熱及び加圧し、その後所定の搬送路に通して機外に排出する。
以上が画像形成部4による一連の画像形成動作である。
クリーニング装置(クリーニング部)47は、一次転写後の感光体ドラム41表面に残留する残留トナーや紙紛等の残留物を除去する。クリーニング装置47は、弾性体からなる平板状のクリーニングブレードを感光体ドラム41に当接させるブレードクリーニング方式を採用している。
クリーニング装置48は、二次転写後の中間転写ベルトTに残留する残留物を除去する。
イレーサーランプ49は、クリーニング装置47及び帯電装置42の間に設置され、次の画像形成前に潜像を完全に消去する。
潤滑剤塗布機構100は、クリーニング装置47の上流側に設置され、固形潤滑剤102から削り出した潤滑剤を感光体ドラム41表面に塗布(供給)するとともに、一次転写ローラー45による転写後に感光体ドラム41の表面に残留したトナー及び外添剤を回収する。即ち、潤滑剤塗布機構100は、本発明の潤滑剤供給部及びトナー回収部として機能する。
潤滑剤塗布機構100は、図2及び図4に示すように、潤滑剤塗布部材101と、固形潤滑剤102と、滑剤量制御機構103と、を備えて構成されている。なお、図2では、説明の都合上、滑剤量制御機構103の記載を省略している。
潤滑剤塗布部材101は、例えば、ブラシ、スポンジ等の部材が適しており、本実施形態では、実使用上最も適しているブラシを採用している。潤滑剤塗布部材101は、固形潤滑剤102及び感光体ドラム41の双方と当接するように設置され、固形潤滑剤102から削り出した潤滑剤粒子を感光体ドラム41に供給する。即ち、潤滑剤塗布部材101は、本発明の回転体として機能する。潤滑剤塗布部材101は、現像装置44よりも感光体ドラム41の回転方向下流側であって、クリーニング装置47よりも感光体ドラム41の回転方向上流側に設置される。潤滑剤塗布部材101は、潤滑剤粒子を感光体ドラム41に供給する際、感光体ドラム41との当接圧により潤滑剤粒子を感光体ドラム41上に延展塗布する役割も担っている。
潤滑剤塗布部材101は、感光体ドラム41に対してカウンター方向(表面が逆方向に移動する方向;図中C方向)に回転する。なお、潤滑剤塗布部材101の回転方向は、上記例に限られず、感光体ドラム41に対してウィズ方向(表面が同一方向に移動する方向)に回転するようにしてもよい。なお、潤滑剤粒子をできるだけ感光体ドラム41上に延展塗布するという観点からは、カウンター方向に回転させる構成の方が好ましい。
潤滑剤塗布部材101は、図示しないモーターの回転数を変えることで、回転速度を制御する構成である。具体的には、潤滑剤塗布部材101は、モーターの回転数を上げると回転速度が速くなって潤滑剤の塗布量が増加し、モーターの回転数を下げると回転速度が遅くなって潤滑剤の塗布量が減少する。また、潤滑剤塗布部材101は、モーターの回転数を上げると回転速度が速くなってトナー及び外添剤の回収量が増加し、モーターの回転数を下げると回転速度が遅くなってトナー及び外添剤の回収量が減少する。
固形潤滑剤102は、感光体ドラム41表面に塗布可能で且つ感光体ドラム41の表面エネルギーを低下させてトナーと感光体ドラム41との付着力を低減可能な材料から選択される。例えば、脂肪酸金属塩、フッ素系樹脂等が挙げられ、これらは単独又は2種類以上を混合して用いることもできる。特に、脂肪酸金属塩が好ましい。脂肪酸としては、直鎖状の炭化水素が好ましく、例えば、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸等が好ましく、ステアリン酸が一層好ましい。金属としては、リチウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、亜鉛、カドミウム、アルミニウム、セリウム、チタン、鉄などが挙げられる。これらの中で、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸鉄などが好ましく、特に、ステアリン酸亜鉛が最も好ましい。固形潤滑剤102は、上記の材料を溶融して成形する若しくは上記材料の粒子を圧縮成型することで、潤滑剤塗布部材101で削り出すことが可能な形状に整えられて使用される。
滑剤量制御機構103は、図4に示すように、上面に固形潤滑剤102を載置する板状部材1031と、固形潤滑剤102が載置された板状部材1031を上方に付勢する付勢部材1032と、板状部材1031の上方の所定位置に配置され、板状部材1031の上方への移動を規制する第1ストッパー部材1033と、一端がカム1034aに取り付けられ、カム1034aの回転により板状部材1031を下方に押し下げる第2ストッパー部材1034と、を備えて構成されている。
滑剤量制御機構103は、図4(A)に示すように、第2ストッパー部材1034が退避位置(即ち、板状部材1031と平面視で重ならない位置)に位置する場合、付勢部材1032により上方に付勢された板状部材1031が第1ストッパー部材1033と当接して位置決めされる。この図4(A)に示す板状部材1031及び固形潤滑剤102の位置は、潤滑剤塗布部材101に対して固形潤滑剤102を十分供給可能な位置(初期位置)である。
滑剤量制御機構103は、潤滑剤塗布部材101の回転速度が高速(所定の第1速度(La)よりも速い速度)に制御された場合に、図4(A)の状態から、図示しないモーターを制御してカム1034aを反時計回りに回転させると、カム1034aに取り付けられた第2ストッパー部材1034が板状部材1031の上方を下降して板状部材1031の上面に当接する。なおもカム1034aを回転させると、図4(B)に示すように、第2ストッパー部材1034が板状部材1031を下方に押し下げる。これにより、板状部材1031の上面に載置された固形潤滑剤102は、潤滑剤塗布部材101から離間する方向に移動する。この図4(B)に示す板状部材1031及び固形潤滑剤102の位置は、図4(A)に示す位置と比べ、潤滑剤塗布部材101に対して供給する固形潤滑剤102の量を低減する位置(潤滑剤塗布部材101への固形潤滑剤102の押し込み量が低下する位置)である。即ち、滑剤量制御機構103は、固形潤滑剤102の位置(潤滑剤塗布部材101への付勢力)を制御することで、潤滑剤塗布部材101に供給する滑剤量を制御することができる。従って、潤滑剤塗布部材101が固形潤滑剤102から削り出す面積当たりの滑剤量を低減することができる。即ち、滑剤量制御機構103は、本発明の固形潤滑剤調整部として機能する。
潤滑剤塗布部材101に供給する滑剤量を再度増やしたい場合は、カム1034aを時計回りに回転させて、第2ストッパー部材1034を退避位置に移動させることで、板状部材1031及び固形潤滑剤102を図4(A)に示す位置に移動させる。
なお、滑剤量制御機構103は、図4(B)の状態から、さらにカム1034aを反時計回りに回転させると、第2ストッパー部材1034が板状部材1031をさらに下方に押し下げて、潤滑剤塗布部材101と固形潤滑剤102とが完全に離間する。即ち、滑剤量制御機構103は、本発明の圧接離間部として機能する。この場合、潤滑剤塗布部材101と固形潤滑剤102との接触面積が0となるので、固形潤滑剤102からの潤滑剤の削り出しを停止することができる。以降、潤滑剤塗布部材101から感光体ドラム41へは、潤滑剤塗布部材101の表面に溜め込まれていた潤滑剤が、全て失われるまで供給されることとなる。
また、潤滑剤塗布部材101と感光体ドラム41との当接位置よりも潤滑剤塗布部材101の回転方向下流側且つ潤滑剤塗布部材101と固形潤滑剤8との当接位置よりも潤滑剤塗布部材101の回転方向上流側には、ブレード形状のクリーニング部材104が設置されている。クリーニング部材104は、潤滑剤塗布部材101が感光体ドラム41との当接により感光体ドラム41から回収したトナーや外添剤を、潤滑剤塗布部材101表面から回収する。クリーニング部材104が潤滑剤塗布部材101表面をクリーニングすることで、潤滑剤塗布部材101による次回の固形潤滑剤102からの削り出しと感光体ドラム41からのトナー及び外添剤の回収とを確実に実行させることができる。
なお、クリーニング部材104は、ブレード形状の部材に限られない。クリーニング部材104は、少なくとも潤滑剤塗布部材101表面をクリーニング可能であればよく、例えば、潤滑剤塗布部材101に接触する回転部材と、回転部材表面からトナー及び外添剤を剥離するスクレーパーと、を備える構成であってもよい。
また、潤滑剤塗布部材101よりも感光体ドラム41の回転方向下流側には、図示しない潤滑剤固定化部材を設けるようにしてもよい。潤滑剤固定化部材は、潤滑剤塗布部材101により感光体ドラム41上に供給された潤滑剤を更に感光体ドラム41上に延展塗布するとともに、過剰な潤滑剤粒子を排除する目的で設置される。潤滑剤固定化部材としては、クリーニング装置47と同様、弾性体からなる平板状のブレードが適しており、クリーニング装置47の上流側に潤滑剤塗布機構100を設置する構成の場合、クリーニング装置47が潤滑剤固定化部材の役割を兼用することもできる。一方、クリーニング装置47の下流側に潤滑剤塗布機構100を設置する構成の場合、別途潤滑剤固定化部材を設けることが一般的である。
給紙部5は、複数の給紙トレイ51〜53を備えて構成され、各給紙トレイ51〜53に種類の異なる複数の用紙Pを収容する。給紙部5は、所定の搬送路により収容される用紙Pを画像形成部4に給紙する。
記憶部6は、HDD(Hard Disk Drive)、半導体メモリなどにより構成され、プログラムデータや各種設定データ等のデータを制御部10から読み書き可能に記憶する。また、記憶部60は、過去一定期間のセグメントC1〜Cn(図5参照)毎の画像比率(部分カバレッジ)、セグメントC1〜Cn毎の画像比率の最大値Cmax及び最小値Cmin、最大値Cmaxと最小値Cminの差ΔC、セグメントC1〜Cnの総和により算出される全体カバレッジCall等を記憶する。
操作表示部7は、例えば、タッチパネル付の液晶ディスプレイ(LCD)で構成され、表示部71及び操作部72として機能する。
表示部71は、制御部10から入力される表示制御信号に従って、各種操作画面、各機能の動作状況等の表示を行う。また、ユーザーによるタッチ操作を受け付けて、操作信号を制御部10に出力する。
操作部72は、テンキー、スタートキー等の各種操作キーを備え、ユーザーによる各種入力操作を受け付けて、操作信号を制御部10に出力する。ユーザーは、操作表示部7を操作して、画質設定、倍率設定、応用設定、出力設定及び用紙設定等の画像形成に関する設定、用紙搬送指示、並びに装置の停止操作などを行うことができる。
制御部10は、CPU、RAM、ROM等を備えて構成され、CPUはROMに記憶されている各種プログラムをRAMに展開し、展開された各種プログラムと協働して、自動原稿搬送部2、スキャナー部3、画像形成部4、給紙部5、記憶部6、操作表示部7等の画像形成装置1の各部の動作を統括的に制御する(図3参照)。例えば、制御部10は、スキャナー部3からの電気信号を入力して各種画像処理を行い、画像処理により生成されたYMCK各色の画像データDy、Dm、Dc、Dkを画像形成部4に出力する。また、制御部10は、画像形成部4の動作を制御して用紙Pに画像を形成する。
次に、本実施形態に係る画像形成装置1の動作について説明する。
まず、感光体ドラム41上の潜像書き込み領域に係る部分カバレッジ及び全体カバレッジを算出し、算出したカバレッジ情報(部分カバレッジ及び全体カバレッジ)に基づいて潤滑剤塗布部材101の回転数(回転速度)を制御する処理について説明する。
(潤滑剤塗布部材101の回転数を制御する処理)
本実施形態では、制御部10は、図5に示すように、感光体ドラム41上の潜像書き込み領域を主走査方向(即ち、感光体ドラム41表面の回転方向と直交する方向)に分割し、分割した複数の領域(セグメント)毎に画像比率(部分カバレッジ)を算出する。図5に示す例では、感光体ドラム41上の潜像書き込み領域が、主走査方向にN個のセグメント(C1〜Cn)に分割されている。制御部10は、潜像の書き込み情報(形成される画像の画像情報)に基づいて、分割したセグメント毎に画像比率を算出する。例えば、制御部10は、図5に示す画像の場合、セグメントCi〜Cjの画像比率を100%、それ以外のセグメントの画像比率を50%と算出する。
上記のように、制御部10は、画像形成領域内の各セグメントの画像比率に基づいて各セグメントの部分カバレッジを算出するようにしてもよいが、より高い精度で制御するために、画像と画像の間、画像品質を維持するために実施する各種の印字モード等の画像形成領域外を含む領域(即ち、画像部、背景部に関わらず、現像装置44の動作期間中の全領域)内の各セグメントの画像比率に基づいて各セグメントの部分カバレッジを算出する方がより好ましい。即ち、画像部としてカウントするものとしては、画像形成領域内の画像に限らず、各種印字モード中や画像と画像の間に種々の目的で形成される画像パッチをも含んでいる。
全体カバレッジCallは、上記の全セグメントC1〜Cnの総和により算出される画像比率である。全体カバレッジCallも、部分カバレッジと同様、画像形成領域外を含む全領域から算出されることが好ましい。
本実施形態では、制御部10は、過去一定期間のセグメントC1〜Cn毎の画像比率を算出し、その最大値Cmaxと最小値Cminの差ΔC(=Cmax−Cmin)に基づいて潤滑剤塗布部材101の回転数を制御する。これは、感光体ドラム41上の各セグメントの滑剤量差を許容限界幅の範囲内に収めるために必要となるトナーの回収量が、画像パターンにより異なるために必要となる制御である。ΔCが大きくなるとCmaxのセグメントとCminのセグメントとの転写残トナー量の差が大きくなるため、クリーニング装置47での潤滑剤回収量(摩耗量)の差も大きくなる。従って、ΔCが大きい場合、潤滑剤塗布部材101の回転数を高く設定してトナーの回収率を高くすることで、Cmaxのセグメント及びCminのセグメントにおけるクリーニング装置47に到達するトナー量の差を縮小する必要がある。より好ましくは、ΔCが大きければ大きいほど潤滑剤塗布部材101の回転数を高く設定することで、ΔCが小さい場合の潤滑剤塗布部材101の回転数が低くなって潤滑剤塗布部材101等に掛かるストレスを低減することができるとともに、ΔCが大きい場合であっても確実に潤滑剤パターンムラの発生を抑制することができる。
次に、感光体ドラム41への潤滑剤の供給量の制御を目的として、潤滑剤塗布部材101の通過面積当たりで潤滑剤塗布部材101から感光体ドラム41に移動する潤滑剤の量を抑制する処理について説明する。
(通過面積当たり潤滑剤移動量を抑制する処理)
本実施形態では、潤滑剤塗布部材101と感光体ドラム41とは速度差をもって当接し、ニップを形成している。感光体ドラム41を基準とした場合、単位時間当たりに潤滑剤塗布部材101表面の一定の面積分がニップを通過している。潤滑剤塗布部材101表面には固形潤滑剤102から削り出した潤滑剤が保持されているため、単位時間当たりの潤滑剤塗布部材101の通過面積(単位時間当たり潤滑剤塗布部材通過面積D1)が広い方が、潤滑剤塗布部材101から感光体ドラム41への潤滑剤供給量D3は多くなる。
一方、ニップ部を通過する潤滑剤塗布部材101の面積が同じであっても、面積当たりで潤滑剤塗布部材101から感光体ドラム41により多くの潤滑剤が移動する(通過面積当たり潤滑剤移動量D2が多い)方が、潤滑剤塗布部材101から感光体ドラム41への潤滑剤供給量D3は多くなる。
以上より、潤滑剤塗布部材101から感光体ドラム41への潤滑剤供給量D3は、数式1で表すことができる。
D3=D1×D2 …(1)
潤滑剤塗布部材101の回転数を高く設定すると、単位時間当たり潤滑剤塗布部材通過面積D1は広くなる。従って、通過面積当たり潤滑剤移動量D2が一定のまま潤滑剤塗布部材101の回転数を高く設定した場合、潤滑剤供給量D3は増大する。
即ち、潤滑剤パターンムラの発生を抑制する目的で、潤滑剤塗布部材101の回転数を高く設定した場合、潤滑剤供給量D3が増大し、感光体ドラム41上の滑剤量、特に、部分カバレッジが低いセグメントの滑剤量が過剰となるため、クリーニング装置47の摩耗を促進する。
そこで、本実施形態では、潤滑剤塗布部材101の回転数を高く設定するだけでなく、通過面積当たり潤滑剤移動量D2を低く設定する処理を行う。これにより、単位時間当たり潤滑剤塗布部材通過面積D1が広くなったとしても、潤滑剤供給量D3の増大を抑制することができるので、感光体ドラム41上の滑剤量、特に、部分カバレッジが低いセグメントの滑剤量が過剰となることを抑制することができる。
例えば、潤滑剤塗布部材101の回転数がある閾値以上に設定された場合に、通過面積当たり潤滑剤移動量D2をある一定の低い値に設定するようにしてもよいが、潤滑剤塗布部材101の回転数の設定値が高ければ高いほど、通過面積当たり潤滑剤移動量D2を低い値に設定する方が、より確実に感光体ドラム41上の滑剤量が過剰となることを抑制することができる。
以上を踏まえたうえで、本実施形態に係る画像形成装置1の動作について、図6のフローチャートを参照して説明する。
(実施形態の動作)
まず、制御部10は、所定のサイクルでカウンターを読み取り、潤滑剤塗布部材101の回転数を再設定するタイミングに達したか否かを判定する(ステップS101)。カウンターは、例えば、感光体ドラム41の積算回転数、現像装置44の動作時間、画像形成した枚数などをカウントする。潤滑剤塗布部材101の回転数を再設定するタイミング(カウンター値)は、予め設定されている。
制御部10は、潤滑剤塗布部材101の回転数を再設定するタイミングに達したと判定した場合(ステップS101:YES)、カウンターをリセットして次のステップS102へと移行する。
一方、制御部10は、潤滑剤塗布部材101の回転数を再設定するタイミングに達していないと判定した場合(ステップS101:NO)、カウンター値に1加算して、潤滑剤塗布部材101の回転数を再設定するタイミングに達するまでステップS101の処理を繰り返す。
次に、制御部10は、過去一定期間のセグメントC1〜Cn(図5参照)毎の画像比率(部分カバレッジ)を算出する(ステップS102)。ステップS102で算出された部分カバレッジは、記憶部6に記憶される。
次に、制御部10は、ステップS102で算出されたセグメントC1〜Cn毎の画像比率に基づいて、その最大値Cmax及び最小値Cminと、最大値Cmaxと最小値Cminの差ΔCと、セグメントC1〜Cnの総和により算出される全体カバレッジCallと、を算出する(ステップS103)。ステップS103で算出された最大値Cmax、最小値Cmin、最大値Cmaxと最小値Cminの差ΔC及び全体カバレッジCallは、記憶部6に記憶される。
即ち、制御部10は、ステップS102及びステップS103の処理を行うことで、カバレッジ情報を算出する本発明のカバレッジ算出部として機能する。本発明において、カバレッジ情報には、過去一定期間のセグメントC1〜Cn毎の画像比率(部分カバレッジ)、セグメントC1〜Cn毎の画像比率の最大値Cmax及び最小値Cmin、最大値Cmaxと最小値Cminの差ΔC、セグメントC1〜Cnの総和により算出される全体カバレッジCall等が含まれる。
次に、制御部10は、ステップS103で算出されたΔCが、第1の閾値である閾値Caよりも大きいか否かを判定する(ステップS104)。閾値Caは、潤滑剤パターンムラが発生する虞が生じる程度の、セグメントC1〜Cn間の部分カバレッジの差(ばらつき)を示す値である。
制御部10は、ΔCが閾値Caよりも大きいと判定した場合(ステップS104:YES)、潤滑剤パターンムラの発生の抑制を目的として潤滑剤塗布部材101の回転数を高速に設定する必要があると判断して、次のステップS105へと移行する。
一方、制御部10は、ΔCが閾値Ca以下であると判定した場合(ステップS104:NO)、潤滑剤パターンムラが発生する虞がないと判断して、潤滑剤塗布部材101の回転数をLa(中速)に設定し(ステップS107)、ステップS108へと移行する。回転数Laは、感光体ドラム41上の滑剤量が不足して感光体ドラム41にトナー樹脂や外添剤が埋まり込む「感光体固着」が発生したり、ΔCが小さい場合でもクリーニング装置47に到達するトナー量の差が増大して潤滑剤パターンムラが発生したりすることを抑制するために必要なトナー回収率及び潤滑剤供給量を維持するための最低限の回転数である。
ステップS105において、制御部10は、潤滑剤塗布部材101の回転数を所定の第1速度(La)よりも速い第2速度であるLh(高速)に設定する(ステップS105)。回転数Lhは、回転数Laよりも大きい値である。これにより、トナーの回収率を高くすることができるので、ΔCが大きい場合であっても確実に潤滑剤パターンムラの発生を抑制することができる。
即ち、制御部10は、ステップS105の処理を行うことで、潤滑剤塗布機構100(潤滑剤塗布部材101)におけるトナーの回収効率を制御する本発明のトナー回収制御部として機能する。
次に、制御部10は、潤滑剤塗布部材101から感光体ドラム41への通過面積当たり潤滑剤移動量をM3に設定する(ステップS106)。M3は、初期設定(通常の画像形成時)の潤滑剤移動量(第1移動量)Maよりも少ない量である(図10参照)。これにより、潤滑剤供給量の増大を抑制することができるので、感光体ドラム41上の滑剤量、特に、部分カバレッジが低いセグメントの滑剤量が過剰となることを抑制することができる。
即ち、制御部10は、ステップS106の処理を行うことで、潤滑剤塗布機構100(潤滑剤塗布部材101)における感光体ドラム41への潤滑剤の移動量を制御する本発明の滑剤移動量制御部として機能する。
ステップS108において、制御部10は、画像形成部4による画像形成処理が終了したか否かを判定する(ステップS108)。
制御部10は、画像形成処理が終了したと判定した場合(ステップS108:YES)、処理を終了する。
一方、制御部10は、画像形成処理が終了していないと判定した場合(ステップS108:NO)、ステップS101へと移行して、ステップS101以降の処理を繰り返す。
以上の処理により、画像パターンの部分カバレッジ差を考慮して、潤滑剤塗布部材101の回転速度や潤滑剤塗布部材101から感光体ドラム41への通過面積当たりの潤滑剤の移動量を適切に制御することができる。
なお、本実施形態では、潤滑剤塗布機構100をクリーニング装置47の上流側に設置するとともに、潤滑剤塗布機構100(潤滑剤塗布部材101)が感光体ドラム41上のトナーを回収するトナー回収部を兼ねる構成を例示して説明しているが、これに限定されるものではない。
例えば、潤滑剤供給部(潤滑剤塗布機構100)とトナー回収部とを個別に設けた画像形成装置においても、本発明を適用することができる。
(トナー回収部をクリーニング装置47の上流側に個別に設けた場合)
ΔCに応じてトナー回収部(回転体)のトナー回収率を高くする(回転数を高く設定する)ことで、部分カバレッジが高いセグメントのトナー及び外添剤をより多く回収することができるので、クリーニング装置47に蓄積するトナー及び外添剤を低減することができる。これにより、部分カバレッジが高いセグメントと低いセグメントとのクリーニング装置47における潤滑剤の研摩量の差を低減することができるので、潤滑剤パターンムラの発生を抑制することができる。
一方で、トナー回収部のトナー回収率を高くすると、部分カバレッジが低いセグメントのトナー及び外添剤の回収量が増大するため、部分カバレッジが低いセグメントのクリーニング装置47における潤滑剤の研摩量が低下し、感光体ドラム41上の滑剤量が過剰となる。しかしながら、本発明によれば、トナー回収部の回転数を高く設定するだけでなく、別途設けた潤滑剤塗布機構100の潤滑剤塗布部材101からの通過面積当たり潤滑剤移動量を低く設定する処理を行う。これにより、部分カバレッジが低いセグメントにおいても、滑剤量が過剰となることを抑制することができる。
(トナー回収部をクリーニング装置47の下流側に個別に設けた場合)
クリーニング装置47は、感光体ドラム41上のトナー及び外添剤を完全に堰き止めるものではなく、トナー及び外添剤の一部は蓄積とすり抜けを繰り返している。従って、部分カバレッジが高いセグメント(ベタ部)はクリーニング装置47に到達するトナー及び外添剤の量が多くなり、部分カバレッジが低いセグメント(シロ部)と比べ、クリーニング装置47をすり抜けるトナー及び外添剤の量が多くなる。すり抜けたトナー及び外添剤は、クリーニング装置47に次回到達する際に、クリーニング装置47での潤滑剤の研摩に作用する。従って、クリーニング装置47の下流側に設けたトナー回収部により、クリーニング装置47をすり抜けたトナー及び外添剤を回収することで、次回到達時のクリーニング装置47での潤滑剤の研摩を抑制することができる。
また、ΔCに応じてトナー回収部(回転体)のトナー回収率を高くする(回転数を高く設定する)ことで、部分カバレッジが高いセグメントのトナー及び外添剤をより多く回収することができるので、クリーニング装置47に蓄積するトナー及び外添剤を低減することができる。これにより、部分カバレッジが高いセグメントと低いセグメントとのクリーニング装置47における潤滑剤の研摩量の差を低減することができるので、潤滑剤パターンムラの発生を抑制することができる。
一方で、トナー回収部のトナー回収率を高くすると、部分カバレッジが低いセグメントのトナー及び外添剤の回収量が増大するため、部分カバレッジが低いセグメントのクリーニング装置47における潤滑剤の研摩量が低下し、感光体ドラム41上の滑剤量が過剰となる。しかしながら、本発明によれば、トナー回収部の回転数を高く設定するだけでなく、別途設けた潤滑剤塗布機構100の潤滑剤塗布部材101からの通過面積当たり潤滑剤移動量を低く設定する処理を行う。これにより、部分カバレッジが低いセグメントにおいても、滑剤量が過剰となることを抑制することができる。
なお、潤滑剤供給部とトナー回収部とを個別に設ける構成の場合、潤滑剤供給部の回転速度を低速に設定する簡易な制御で、通過面積当たり潤滑剤移動量を低く設定することができる。
また、潤滑剤供給部とトナー回収部とを個別に設ける構成の場合、潤滑剤供給部は、回転体に限られるものではなく、感光体ドラム41に潤滑剤を供給可能であり、且つトナー回収部のトナー回収効率に応じて感光体ドラム41への潤滑剤供給量を制御可能な構成であれば、いかなる構成であってもよい。また、潤滑剤供給部は、感光体ドラム41への潤滑剤の塗布(供給)の機能を有していればよく、クリーニング装置47の上流側に設けても下流側に設けてもよい。
上記のように、潤滑剤供給部とトナー回収部とを個別に設けることで、潤滑剤供給量とトナー回収量とを個別に制御することができるため、制御方法の自由度を高めることができる。
また、潤滑剤塗布機構100(潤滑剤塗布部材101)が感光体ドラム41上のトナーを回収するトナー回収部を兼ねる構成において、潤滑剤塗布機構100をクリーニング装置47の下流側に設置するようにしてもよい。
ΔCに応じて潤滑剤塗布部材101の回転数を高く設定することで、クリーニング装置47をすり抜けたトナー及び外添剤の回収率を高くすることができるので、クリーニング装置47に蓄積するトナー及び外添剤を低減することができる。これにより、部分カバレッジが高いセグメントと低いセグメントとのクリーニング装置47における潤滑剤の研摩量の差を低減することができるので、潤滑剤パターンムラの発生を抑制することができる。
一方で、潤滑剤塗布部材101の回転数を高く設定すると、部分カバレッジが低いセグメントのトナー及び外添剤の回収量が増大するため、部分カバレッジが低いセグメントのクリーニング装置47における潤滑剤の研摩量が低下する。また、潤滑剤塗布部材101の回転数を高く設定すると、単位時間当たり潤滑剤塗布部材通過面積D1が広くなる。従って、特に、部分カバレッジが低いセグメントにおいて、感光体ドラム41上の滑剤量が過剰となる。しかしながら、本発明によれば、潤滑剤塗布部材101の回転数を高く設定するだけでなく、潤滑剤塗布部材101からの通過面積当たり潤滑剤移動量を低く設定する処理を行う。これにより、部分カバレッジが低いセグメントにおいても、滑剤量が過剰となることを抑制することができる。
以上のように、上記のいずれの構成でも本発明の効果を得ることができるが、クリーニング装置47をすり抜けたトナー及び外添剤を回収する構成と比べ、転写残トナーを直接回収する構成の方が、トナー回収部のトナー回収率を高くする(回転数を高くする)ことで、容易に部分カバレッジ差(ベタ部とシロ部の差)による感光体ドラム41上の滑剤量の差を縮小することができるので、クリーニング装置47の上流側にトナー回収部を設ける構成が好適である。また、クリーニング装置47の上流側に設けた潤滑剤塗布機構100(潤滑剤塗布部材101)がトナー回収部を兼ねる構成の方が、部材を簡略化することができるので、より好適である。
(エラー発生時の動作)
なお、通紙JAMなどのエラーにより画像形成動作が強制的に停止された場合、適正な転写が行われず、感光体ドラム41上に通常よりも多量のトナーが残留する。通常よりも多量のトナーがクリーニング装置47に到達すると、クリーニング装置47に蓄積するトナー及び外添剤の量が増大して潤滑剤の研摩が促進される。この状態で、次の画像形成が開始された場合、画像形成される画像のカバレッジ情報とクリーニング装置47に蓄積する実際のトナー及び外添剤の量とが対応しなくなる。本発明は、カバレッジ情報に基づいてクリーニング装置47に蓄積するトナー及び外添剤の量や感光体ドラム41上の滑剤量の増減を想定することで、潤滑剤の供給量を制御するものであるため、カバレッジ情報と実際の蓄積トナー量との乖離を極力小さくする必要がある。
そこで、制御部10は、エラー発生時はカバレッジ情報によらず、潤滑剤塗布部材101の回転数を通常(所定の第1速度(La))よりも高く設定する。これにより、トナー回収効率が高い状態で多量のトナーを回収することができるので、クリーニング装置47に蓄積するトナー及び外添剤の量を低減することができる。そして、エラーの解消後、カバレッジ情報による潤滑剤塗布部材101の回転数の制御を行うことで、感光体ドラム41上の滑剤量を適正に制御することができる。
また、制御部10は、エラー発生時、潤滑剤塗布部材101からの通過面積当たり潤滑剤移動量を低く設定する処理を行う。これにより、感光体ドラム41への潤滑剤供給量が増大して感光体ドラム41上の滑剤量が過剰となることを抑制することができる。
また、制御部10は、滑剤量制御機構103を制御して、潤滑剤塗布部材101からの通過面積当たり潤滑剤移動量を低く設定することで、潤滑剤塗布部材101及び固形潤滑剤102間に作用する付勢力や、潤滑剤塗布部材101と固形潤滑剤102との接触面積を低減することができるので、エラー発生時、多量のトナーを回収した潤滑剤塗布部材101によって固形潤滑剤102がトナー汚染されることを抑制することができる。
以上のように、本実施形態に係る画像形成装置1は、形成される画像の画像情報に基づいてカバレッジ情報を算出するカバレッジ算出部(制御部10)と、カバレッジ算出部により算出されたカバレッジ情報に基づいてトナー回収部(潤滑剤塗布機構100)におけるトナーの回収効率を制御するトナー回収制御部(制御部10)と、トナー回収制御部により制御されたトナーの回収効率に基づいて、潤滑剤供給部(潤滑剤塗布機構100)から像担持体(感光体ドラム41)への潤滑剤の移動量を制御する滑剤移動量制御部(制御部10)と、を備える。
従って、本実施形態に係る画像形成装置1によれば、カバレッジに応じてトナーの回収効率を制御することで部分カバレッジが高いセグメントと低いセグメントとのクリーニング装置47における潤滑剤の研摩量の差を低減することができるので、画像パターンに基づく潤滑剤パターンムラの発生を抑制することができる。
また、カバレッジに応じてトナーの回収効率を制御することで感光体ドラム41に対するトナー回収部による時間当たり研磨量を適切に制御することができるので、感光体ドラム41の減耗を抑制することができる。また、トナーの回収効率が高く設定されて外添剤の回収量が増大し、部分カバレッジが低いセグメントのクリーニング装置47(クリーニングブレード)における潤滑剤の研摩量が低下した場合であっても、潤滑剤の供給量を低減することで感光体ドラム41上の滑剤量を適切な量に調整することができるので、滑剤量の増大に伴うクリーニングブレードの摩耗を抑制することができる。よって、画像形成ユニットの長寿命化を実現することが可能となる。
また、本実施形態に係る画像形成装置1によれば、潤滑剤供給部は、固形潤滑剤102及び像担持体の双方と当接するように設置され、固形潤滑剤102から削り出した潤滑剤を像担持体に供給する回転体(潤滑剤塗布部材101)を備える。回転体は、更に、トナー回収部として機能する。トナー回収制御部は、カバレッジ算出部により算出されたカバレッジ情報に基づいて回転体の回転速度を制御する。滑剤移動量制御部は、トナー回収制御部により制御された回転体の回転速度に基づいて回転体から像担持体への通過面積当たりの潤滑剤の移動量を制御する。
特に、本実施形態に係る画像形成装置1のように、像担持体上に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布部材101がトナー回収部を兼ねる構成においては、トナーの回収率を高めることを目的として潤滑剤塗布部材101の回転速度を高く設定した場合、同時に像担持体への潤滑剤の塗布速度も高く設定される。このため、潤滑剤塗布部材101の回転速度が通常の速度設定である場合と比べ、シロ部の滑剤量が更に上昇するという課題が生じる。
しかしながら、本実施形態に係る画像形成装置1によれば、潤滑剤塗布部材101がトナー回収部を兼ねる構成であっても、潤滑剤の供給量を低減することで感光体ドラム41上の滑剤量を適切な量に調整することができるので、滑剤量の増大に伴うクリーニングブレードの摩耗を抑制することができる。
また、潤滑剤塗布部材101がトナー回収部を兼用することで、部品点数を削減することができるので、装置の小型化やコストダウンを実現することができる。
また、本実施形態に係る画像形成装置1によれば、回転体は、現像部(現像装置44)よりも像担持体の回転方向下流側であって、クリーニング部(クリーニング装置47)よりも像担持体の回転方向上流側に設置される。
従って、本実施形態に係る画像形成装置1によれば、転写後の残トナーを回収することで、より直接的にクリーニング部に蓄積するトナー量及び外添剤量を制御することができるので、感光体ドラム41上の滑剤量を効率的に制御することができる。
また、本実施形態に係る画像形成装置1によれば、カバレッジ算出部は、画像情報に基づいて、像担持体上の潜像書き込み領域を主走査方向に分割した複数の領域毎の画像比率である部分カバレッジを算出する。トナー回収制御部は、カバレッジ算出部により算出された部分カバレッジの最大値と最小値の差に基づいて回転体の回転速度を制御する。
従って、本実施形態に係る画像形成装置1によれば、部分カバレッジが高いセグメントと低いセグメントとのクリーニング装置47における潤滑剤の研摩量の差を低減することができるので、画像パターンに基づく潤滑剤パターンムラの発生を抑制することができる。また、部分カバレッジの最大値と最小値の差に応じて回転速度を制御することで、部分カバレッジの最大値が比較的低い場合であっても、潤滑剤パターンムラの発生を抑制することができる。
また、本実施形態に係る画像形成装置1によれば、滑剤移動量制御部は、トナー回収制御部により回転体の回転速度が高速に制御されるほど、像担持体への通過面積当たりの潤滑剤の移動量を少なく制御する。
従って、本実施形態に係る画像形成装置1によれば、回転速度の高速化に伴う潤滑剤の供給量の増大に臨機応変に対応することができるので、感光体ドラム41上の滑剤量を適宜適切な量に調整することができる。
また、本実施形態に係る画像形成装置1によれば、滑剤移動量制御部は、トナー回収制御部により回転体の回転速度が所定の第1速度よりも速い速度に制御された場合、回転体が固形潤滑剤102から削り出す面積当たりの滑剤量を低減する。
従って、本実施形態に係る画像形成装置1によれば、固形潤滑剤102の消費量を抑制しつつ像担持体への通過面積当たりの潤滑剤の移動量を制御することができるので、固形潤滑剤102の長寿命化を実現することができる。
また、本実施形態に係る画像形成装置1は、回転体に対する固形潤滑剤102の位置、付勢力を調整する固形潤滑剤調整部(滑剤量制御機構103)を備える。滑剤移動量制御部は、トナー回収制御部により回転体の回転速度が所定の第1速度よりも速い速度に制御された場合、固形潤滑剤調整部を制御して、回転体への固形潤滑剤102の押し込み量を低下させる。
従って、本実施形態に係る画像形成装置1によれば、固形潤滑剤102の消費量を抑制しつつ像担持体への通過面積当たりの潤滑剤の移動量を制御することができるので、固形潤滑剤102の長寿命化を実現することができる。
また、本実施形態に係る画像形成装置1によれば、トナー回収制御部は、エラーにより画像形成動作が強制的に停止した場合、回転体の回転速度を所定の第1速度よりも速い速度に設定する。
従って、本実施形態に係る画像形成装置1によれば、トナー回収効率が高い状態で多量の転写残トナーを回収することができるので、クリーニング装置47に蓄積するトナー及び外添剤の量を低減することができる。よって、クリーニング装置47(クリーニングブレード)における潤滑剤の過剰な研摩を抑制することができる。
また、本実施形態に係る画像形成装置1によれば、滑剤移動量制御部は、エラーにより画像形成動作が強制的に停止した場合、回転体から像担持体への通過面積当たりの潤滑剤の移動量を少なく制御する。
従って、本実施形態に係る画像形成装置1によれば、感光体ドラム41への潤滑剤供給量が増大して感光体ドラム41上の滑剤量が過剰となることを抑制することができるので、滑剤量の増大に伴うクリーニングブレードの摩耗を抑制することができる。また、潤滑剤塗布部材101と固形潤滑剤102との接触面積を低減することができるので、エラー発生時、多量のトナーを回収した潤滑剤塗布部材101によって固形潤滑剤102がトナー汚染されることを抑制することができる。
以上、本発明に係る実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
(変形例1;実施形態の動作の変形例)
例えば、図7に示す動作は、実施形態の動作(図6参照)の変形例である。
まず、ステップS201〜ステップS203の処理は、実施形態の動作について示す図6のステップS101〜ステップS103の処理と同様であるので、説明を省略する。
ステップS204において、制御部10は、ステップS203で算出されたΔCが、閾値Caよりも大きいか否かを判定する(ステップS204)。
制御部10は、ΔCが閾値Caよりも大きいと判定した場合(ステップS204:YES)、潤滑剤パターンムラの発生の抑制を目的として潤滑剤塗布部材101の回転数を高速に設定する必要があると判断して、次のステップS205へと移行する。
一方、制御部10は、ΔCが閾値Ca以下であると判定した場合(ステップS204:NO)、潤滑剤パターンムラが発生する虞がないと判断して、潤滑剤塗布部材101の回転数をLa(中速)に設定し(ステップS212)、ステップS213へと移行する。
ステップS205において、制御部10は、ステップS203で算出された全体カバレッジCallが、第2の閾値である閾値Cbよりも大きいか否かを判定する(ステップS205)。閾値Cbは、クリーニング装置47における潤滑剤の過剰な研摩が生じる程度の全体カバレッジを示す値である。
制御部10は、全体カバレッジCallが閾値Cbよりも大きいと判定した場合(ステップS205:YES)、クリーニング装置47における潤滑剤の過剰な研摩の抑制を目的として潤滑剤塗布部材101の回転数をより高速に設定する必要があると判断して、次のステップS206へと移行する。
一方、制御部10は、全体カバレッジCallが閾値Cb以下であると判定した場合(ステップS205:NO)、クリーニング装置47における潤滑剤の過剰な研摩の虞がないと判断して、ステップS208へと移行する。
ステップS206において、制御部10は、潤滑剤塗布部材101の回転数を第2速度よりも速い第3速度であるLH(超高速)に設定する(ステップS206)。回転数LHは、回転数La(中速)や回転数Lh(高速)よりも大きい値であり、ΔCや全体カバレッジCallの値が大きい場合(即ち、感光体ドラム41上のトナー及び外添剤の量が多い場合)であっても、「感光体固着」が発生したり、潤滑剤パターンムラが発生したりすることをより確実に抑制するために必要なトナー回収率及び潤滑剤供給量を維持するための回転数である。
次に、制御部10は、潤滑剤塗布部材101から感光体ドラム41への通過面積当たり潤滑剤移動量をM1に設定し(ステップS207)、ステップS213へと移行する。M1は、第2移動量である潤滑剤移動量M3よりも少ない量である(図10参照)。これにより、潤滑剤の消費量を低減することができる。
ステップS208において、制御部10は、潤滑剤塗布部材101の回転数をLh(高速)に設定する(ステップS208)。回転数Lhは、回転数La(中速)と回転数LH(超高速)の間の値である。
次に、制御部10は、ステップS203で算出された全体カバレッジCallが、第3の閾値である閾値Cc未満であるか否かを判定する(ステップS209)。閾値Ccは、全体のトナー及び外添剤の量が少な過ぎてクリーニング装置47での潤滑剤の研摩が少なくなり、特に、シロ部の滑剤量が過剰になる程度の全体カバレッジを示す値である。
制御部10は、全体カバレッジCallが閾値Cc未満であると判定した場合(ステップS209:YES)、シロ部の滑剤量が過剰になることの抑制を目的として通過面積当たり潤滑剤移動量を少なく設定する必要があると判断して、次のステップS210へと移行する。
一方、制御部10は、全体カバレッジCallが閾値Cc以上であると判定した場合(ステップS209:NO)、シロ部の滑剤量が過剰になる虞がないと判断して、ステップS211へと移行する。
ステップS210において、制御部10は、通過面積当たり潤滑剤移動量を第3移動量であるM2に設定し(ステップS210)、ステップS213へと移行する。M2は、第2移動量であるM3よりも少ない量である(図10参照)。これにより、部分カバレッジが低いセグメントにおいて、滑剤量が過剰となることを抑制することができる。
ステップS211において、制御部10は、通過面積当たり潤滑剤移動量を第2移動量であるM3に設定し(ステップS211)、ステップS213へと移行する。
ステップS213において、制御部10は、画像形成部4による画像形成処理が終了したか否かを判定する(ステップS213)。
制御部10は、画像形成処理が終了したと判定した場合(ステップS213:YES)、処理を終了する。
一方、制御部10は、画像形成処理が終了していないと判定した場合(ステップS213:NO)、ステップS201へと移行して、ステップS201以降の処理を繰り返す。
以上の処理により、画像パターンの部分カバレッジ差のみならず、全体カバレッジも考慮して、潤滑剤塗布部材101の回転速度や潤滑剤塗布部材101から感光体ドラム41への通過面積当たりの潤滑剤の移動量を適切に制御することができる。
図8に、ΔC=100%時の全体カバレッジと滑剤量との対応関係を示す。
具体的には、図8に示す例では、部分カバレッジの最大値Cmaxと最小値Cminの差ΔC=100%時の全体カバレッジCallが5%及び80%の各画像パターンPT1、PT2と感光体ドラム41上の各滑剤量を示すグラフG1、G2と、が示されている。なお、図8に示す例では、カバレッジ情報(部分カバレッジ及び全体カバレッジ)に基づく潤滑剤塗布部材101の回転数の制御を実施していない。図8中の破線E1は、感光体ドラム41上の滑剤量が過不足ない領域を示しており、その上限は供給過剰に伴うクリーニング装置47の摩耗の許容限界値、下限は供給不足に伴う感光体固着の許容限界値を示している。
画像パターンPT2のように、全体カバレッジCallが高い場合、部分カバレッジが高いセグメント(ベタ部)では多量のトナー及び外添剤により潤滑剤の研摩が促進され、感光体ドラム41上の滑剤量は非常に少なくなる。このとき、潤滑剤塗布部材101やクリーニング装置47において多量のトナーが蓄積やすり抜けを繰り返すことにより、主走査方向にトナー及び外添剤の移動が生じる。このため、部分カバレッジが低いセグメント(シロ部)でも潤滑剤の研摩が生じることとなり、シロ部の滑剤量も少なくなる。
即ち、全体カバレッジCallが高い場合に、潤滑剤塗布部材101の回転数を高く設定して滑剤量のベタ/シロ差を小さくしたとしても、多量のトナーが繰り返し画像形成されることで、全体の滑剤量は少な目となり、潤滑剤不足になりやすい。
そこで、更に、通過面積当たり潤滑剤移動量を高く設定したり、潤滑剤塗布部材101の回転数を低く設定した場合と同じ通過面積当たり潤滑剤移動量に設定したりすることで、全体の滑剤量を補うことは可能である。しかしながら、上記の方法では、クリーニング装置47における潤滑剤の研摩が多い状態で潤滑剤の消費量を増やしているため、潤滑剤を無駄に消費してしまい、固形潤滑剤102の寿命が短くなってしまう。
一方、画像パターンPT1のように、全体カバレッジCallが低い場合であっても、ベタ部とシロ部の滑剤量の差は、全体カバレッジCallが高い場合と同等に生じる。しかしながら、全体のトナー及び外添剤の量が少ないことから、クリーニング装置47での潤滑剤の研摩が少なくなり、シロ部の滑剤量は多めとなる。
即ち、全体カバレッジCallが低い場合に、潤滑剤塗布部材101の回転数を高く設定すると、シロ部の滑剤量は過剰となりやすい。
そこで、図7に示す変形例のように、全体カバレッジCallが高い場合は、潤滑剤塗布部材101の回転数をLh(高速)よりも更に大きい回転数LH(超高速)に設定する(図7のステップS206参照)ことで、潤滑剤塗布部材101によるトナー回収効率を更に高めることが可能となり、クリーニング装置47における潤滑剤の研摩を少なくすることができる。また、同時に、通過面積当たり潤滑剤移動量を低く設定する(図7のステップS207参照)ことで、潤滑剤の消費量を低減することができる。
また、図7に示す変形例のように、全体カバレッジCallが低い場合は、潤滑剤塗布部材101の回転数をLh(高速)に設定する(図7のステップS208参照)とともに、通過面積当たり潤滑剤移動量をM3よりも更に少ないM2に設定することで、部分カバレッジが低いセグメントにおいて、滑剤量が過剰となることを抑制することができる。
本発明の効果を確認すべく、コニカミノルタ社製デジタル印刷システム「bizhub PRESS C1070」をベースとした実験機を用いて効果を検証した。
(装置構成)
(1)感光体ドラム41
感光体ドラム41として、アルミニウムからなるドラム状の金属基体の外周面に、ポリカーボネート樹脂からなる厚さ25μmの感光層が形成されたドラム状の有機感光体を用いた。なお、感光体ドラム41は、400[mm/sec]で回転する。
(2)現像装置44
現像装置44として、線速度600[mm/min]で回転駆動される現像スリーブ441を備え、現像スリーブ441に感光体ドラム41の表面電位と同極性のバイアス電圧が印加され、二成分現像剤によって反転現像が行われるものを用いた。
(3)転写装置
中間転写体として、導電性を付与したポリイミド樹脂からなる無端状の中間転写ベルトTを用いた。また、転写部として、中間転写ベルトTを介して感光体ドラム41に圧接し、トナーの帯電極性とは通常、逆極性の電圧を印加する一次転写ローラー45を用いた。
(4)潤滑剤塗布部材
潤滑剤塗布部材101として、導電性ポリエステル繊維を用い、ブラシ毛の長さが3mm、ローラー径がΦ14mmの導電性ファーブラシを用いた。潤滑剤塗布部材101は、感光体ドラム41に対してカウンター方向に回転し、感光体ドラム41との相対速度(速度差)θを0.5〜2.0で変えることができる。
(5)クリーニング装置47
クリーニング装置47として、ウレタンゴムからなる反発弾性率が50%(25℃)、JIS A硬度が70°、厚さが2.00mm、自由長が10mm、幅が324mmのクリーニングブレードを用いた。また、クリーニング装置47を、感光体ドラム41に対する当接荷重が20N/m、当接角が15°となるように設置した。
(6)潤滑剤塗布機構100
固形潤滑剤102として、ステアリン酸亜鉛を使用した。また、固形潤滑剤102を、圧縮バネからなる付勢部材1032により潤滑剤塗布部材101に対して押圧保持した。固形潤滑剤102は、潤滑剤塗布部材101に対して圧接離間が可能に構成されている。
(7)トナー
二成分現像剤を構成するトナーは、乳化重合法により製造された体積平均粒径が6.5μmのトナー粒子からなり、負帯電性を有するものである。トナーは、シリカやチタニアの微粒子を外添処理したものである。
(画像パターン)
画像パターンとして、全体カバレッジの異なる縦帯チャート(ΔC=100%)を作成し、セグメント数N=12となるように分割した。なお、全体カバレッジは、帯幅により調整した。
(潤滑剤塗布部材101の回転数)
潤滑剤塗布部材101の回転数Lは、図9に示すように、感光体ドラム41との相対速度(速度差)θ=1.1〜2に設定した。具体的には、回転数La=1.1、回転数Lh=1.5、回転数LH=2の3段階で設定した。
(通過面積当たり潤滑剤移動量)
通過面積当たり潤滑剤移動量Mは、固形潤滑剤102の圧離条件に基づいて設定される。固形潤滑剤102の圧離条件は、固形潤滑剤102を、潤滑剤塗布部材101に連続して圧接する期間と、潤滑剤塗布部材101から連続して離間する期間と、により決定される。期間は、画像形成する用紙の枚数で表されるが、感光体ドラム41の回転数で表すようにしてもよい。通過面積当たり潤滑剤移動量Mは、図10に示すように、200枚分圧接後に離間する期間に基づいて設定される。具体的には、通過面積当たり潤滑剤移動量Maは、離間する期間が0枚(即ち、常時圧接)である。通過面積当たり潤滑剤移動量M1及びM2は、離間する期間が200枚である。通過面積当たり潤滑剤移動量M3は、離間する期間が100枚である。離間する期間が短ければ短いほど、潤滑剤塗布部材101への潤滑剤供給量は増加するため、M1=M2<M3<Maの順に、潤滑剤供給量は多くなる。通過面積当たり潤滑剤移動量Mは、カバレッジ情報と画像形成枚数(又は感光体ドラム41の回転数)とに基づいて、決定される(図7のステップS204〜ステップS211参照)。即ち、制御部10は、カバレッジ情報と画像形成枚数(又は感光体ドラム41の回転数)とに基づいて、滑剤量制御機構103による潤滑剤塗布部材101と固形潤滑剤102との圧接離間を制御する。
なお、離間期間終了後も画像形成が継続する場合には、再度200枚分圧接されることとなる。
(評価方法)
(1)潤滑剤パターンムラ
図20に示すハーフトーン画像を形成して、潤滑剤パターンムラの発生の有無を確認し、潤滑剤パターンムラが発生したら×、発生しなかったら○として評価した。
(2)シロ部の滑剤量
全体カバレッジを3.5%、20%、70%の3パターンで切り替え、A4横で各3000枚のランニングを実施した。各条件にて3000枚画像形成した後、シロ部(部分カバレッジCn=0%)の滑剤量を測定し、図8に示す破線E1の上限値以下であれば○、上限値を超えていれば過剰と見做して×と評価した。
(3)感光体固着
感光体ドラム41の表面を顕微鏡で観察して、感光体固着の発生の有無を確認し、感光体固着が発生したら×、発生しなかったら○として評価した。
(4)潤滑剤消費量
3000枚の画像形成前後の固形潤滑剤102の重量を電子天秤で測定し、画像形成前の重量から画像形成後の重量を差し引きして3000枚の画像形成中の潤滑剤消費量を測定し、所定の閾値以上であれば大、所定の閾値未満であれば中と評価した。
[比較例1]
ΔC及びCallによらず、常時、潤滑剤塗布部材101の回転数L=La、通過面積当たり潤滑剤移動量M=Maに設定した。
[比較例2]
ΔC(=100%>閾値Ca)に基づいて、潤滑剤塗布部材101の回転数L=Lh(>La)に設定した。また、常時、通過面積当たり潤滑剤移動量M=Maに設定した。
[実施例1]
ΔC(=100%>閾値Ca)に基づいて、潤滑剤塗布部材101の回転数L=Lh(>La)に設定した。また、常時、通過面積当たり潤滑剤移動量M=M3(<Ma)に設定した。
[実施例2]
ΔC(=100%>閾値Ca)及びCall(=3.5%、20%、70%)に基づいて、潤滑剤塗布部材101の回転数L=Lh又はLHに設定した。また、ΔC(=100%>閾値Ca)及びCall(=3.5%、20%、70%)に基づいて、通過面積当たり潤滑剤移動量M=M1、M2、M3のいずれかに設定した。
(実験結果)
比較例1、2及び実施例1、2の実験結果を図11に示す。なお、説明の都合上、比較例1はCall=20%の場合のみ、比較例2はCall=20%及び70%の場合のみ、結果を示している。
(1)ΔC=100%、Call=20%の場合
比較例1では、部分カバレッジ差ΔCが大きいにもかかわらず、潤滑剤塗布部材101の回転数L=Laで一定であるため、ベタ部の潤滑剤が研摩されてベタ部とシロ部の滑剤量の差が大きくなり、潤滑剤パターンムラが発生した。また、ベタ部の滑剤量が不足し、ベタ部に感光体固着の発生が確認された。
一方、比較例2では、部分カバレッジに応じて潤滑剤塗布部材101の回転数L=Lhに設定し、トナー回収効率を高くしたため、潤滑剤パターンムラが解消された。しかしながら、潤滑剤塗布部材101の回転数を高く設定したにもかかわらず、通過面積当たり潤滑剤移動量M=Maで一定であるため、シロ部の滑剤量が過剰となるとともに、潤滑剤消費量が大きくなった。
これに対し、実施例1及び実施例2では、比較例2と同様、潤滑剤塗布部材101の回転数L=Lhに設定したことで、潤滑剤パターンムラが解消された。また、通過面積当たり潤滑剤移動量M=M3に設定し、固形潤滑剤102からの削り出しを低減したため、シロ部の滑剤量が過剰とならないよう抑制されるとともに、潤滑剤消費量も抑制された。
(2)ΔC=100%、Call=70%の場合
実施例1では、極端に高い全体カバレッジにより多量の転写残トナー及び外添剤が生じ、クリーニング装置47に蓄積するトナー及び外添剤の量が増え、副走査方向全域で滑剤量が不足したため、感光体固着が発生した。一方、潤滑剤塗布部材101の回転数L=Lhに設定したことで、ベタ部とシロ部のトナー量及び外添剤量の差は抑制できているため、潤滑剤パターンムラの発生はなかった。
一方、比較例2では、通過面積当たり潤滑剤移動量M=Maに設定し、固形潤滑剤102が潤滑剤塗布部材101に常時圧接するため、感光体ドラム41への潤滑剤供給量が十分多くなり、感光体固着は発生しなかった。また、Call=20%の場合と異なり、副走査方向全域で滑剤量が低下する傾向にあるため、シロ部の滑剤量が過剰となることはなかった。しかしながら、固形潤滑剤102が潤滑剤塗布部材101に常時圧接するため、潤滑剤消費量が大きくなった。
これに対し、実施例2では、潤滑剤塗布部材101の回転数L=LHに設定し、トナー回収効率を更に高くすることで、多量の転写残トナー及び外添剤を回収可能となり、クリーニング装置47における潤滑剤の研磨を抑制することができたため、感光体ドラム41上の滑剤量が不足せず、感光体固着は発生しなかった。一方で、通過面積当たり潤滑剤移動量M=M1に設定し、固形潤滑剤102からの削り出しを更に低減したため、シロ部の滑剤量が過剰とならないよう抑制しつつ、潤滑剤消費量も抑制することができた。
(3)ΔC=100%、Call=3.5%の場合
実施例1では、極端に低い全体カバレッジによりクリーニング装置47における潤滑剤の研磨量が極めて少ない状態となるため、通過面積当たり潤滑剤移動量M=M3に設定して感光体ドラム41上に供給される滑剤量を低減したとしても、感光体ドラム41上に供給される滑剤量に対する研摩量が少なくなり、シロ部の滑剤量が過剰となった。
これに対し、実施例2では、クリーニング装置47における潤滑剤の研磨量が極めて少ない状態となっても、通過面積当たり潤滑剤移動量M=M2に設定して固形潤滑剤102からの削り出しを更に低減したため、感光体ドラム41上に供給される滑剤量と研磨量とのバランスが取れて、シロ部の滑剤量が過剰とならなかった。
以上の通り、実施例2によれば、全体カバレッジの高低にかかわらず、潤滑剤パターンムラによる画像ノイズの発生、潤滑剤消費量の増大、シロ部の滑剤量が過剰となることによるクリーニング装置47(クリーニングブレード)の摩耗促進といった不都合を生じさせることなく画像形成することができるので、より好ましいことがわかった。
以上のように、変形例1に係る画像形成装置1によれば、カバレッジ算出部は、画像情報に基づいて、像担持体上の潜像書き込み領域を主走査方向に分割した複数の領域毎の画像比率である部分カバレッジと、全ての領域の画像比率の総和に基づいて算出される全体カバレッジと、を算出する。トナー回収制御部は、カバレッジ算出部により算出された部分カバレッジの最大値と最小値の差が第1の閾値(Ca)よりも大きい場合、カバレッジ算出部により算出された全体カバレッジが第2の閾値(Cb)よりも大きいか否かを判定し、全体カバレッジが第2の閾値未満であると判定した場合は、回転体の回転速度を所定の第1速度(La)よりも速い第2速度(Lh)に設定し、全体カバレッジが第2の閾値よりも大きいと判定した場合は、回転体の回転速度を第2速度よりも速い第3速度(LH)に設定する。
従って、変形例1に係る画像形成装置1によれば、部分カバレッジが高いセグメントと低いセグメントとのクリーニング装置47における潤滑剤の研摩量の差を低減することができるので、画像パターンに基づく潤滑剤パターンムラの発生を抑制することができる。また、全体カバレッジに応じて回転速度を制御することで、より確実に潤滑剤パターンムラの発生を抑制することができる。
また、変形例1に係る画像形成装置1によれば、トナー回収制御部は、カバレッジ算出部により算出された部分カバレッジの最大値と最小値の差が第1の閾値(Ca)よりも大きい場合、回転体の回転速度を所定の第1速度(La)よりも速い速度(Lh、LH)に設定する。滑剤移動量制御部は、カバレッジ算出部により算出された全体カバレッジが第3の閾値(Cc)よりも小さいか否かを判定し、全体カバレッジが第3の閾値以上であると判定した場合は、回転体から像担持体への通過面積当たりの潤滑剤の移動量を所定の第1移動量(Ma)よりも少ない第2移動量(M3)に設定し、全体カバレッジが第3の閾値よりも小さいと判定した場合は、回転体から像担持体への通過面積当たりの潤滑剤の移動量を第2移動量よりも少ない第3移動量(M2)に設定する。
従って、変形例1に係る画像形成装置1によれば、全体カバレッジが高い場合に、通過面積当たり潤滑剤移動量を少なく設定することで、潤滑剤の消費量を低減しつつ、感光体ドラム41上の滑剤量を十分確保することができる。また、全体カバレッジが低い場合に、通過面積当たり潤滑剤移動量をより少なく設定することで、部分カバレッジが低いセグメントにおいて、滑剤量が過剰となることを抑制することができる。
また、変形例1に係る画像形成装置1は、回転体と固形潤滑剤102とを圧接させた圧接状態と離間させた離間状態とを切り替える圧接離間部(滑剤量制御機構103)を備える。滑剤移動量制御部は、トナー回収制御部により回転体の回転速度が所定の第1速度よりも速い速度に制御された場合、圧接離間部を制御して、回転体と固形潤滑剤102とを離間させる。
従って、変形例1に係る画像形成装置1によれば、例えば、潤滑剤塗布部材101及び固形潤滑剤102間に作用する付勢力や押し込み量を制御する場合と比べ、微小な制御が不要であるため、機械的な誤差により誤って滑剤量を増減する虞を軽減することができる。また、連続的な画像形成により感光体ドラム41上の潤滑剤が回収されつづけることを防止することができるので、感光体ドラム41上の潤滑剤が不足することを抑制することができる。
また、変形例1に係る画像形成装置1によれば、滑剤移動量制御部は、カバレッジ情報と、像担持体の回転数又は画像形成枚数と、に基づいて、圧接離間部による回転体と固形潤滑剤102との圧接離間を制御する。
従って、変形例1に係る画像形成装置1によれば、精度よく潤滑剤塗布部材101と固形潤滑剤102との圧接離間を制御することができるので、感光体ドラム41上の滑剤量をより適切に調整することができる。
(変形例2;実施形態の潤滑剤塗布機構100の変形例)
また、図12〜図18に示す各構成は、実施形態の潤滑剤塗布機構100(図4参照)の変形例である。これらの各構成によれば、潤滑剤塗布部材101から感光体ドラム41への通過面積当たり潤滑剤移動量を少なくすることができる。なお、潤滑剤塗布機構100の構成は上記例に限られず、潤滑剤塗布部材101から感光体ドラム41への通過面積当たり潤滑剤移動量を少なくすることが可能な構成であれば、いかなる構成であってもよい。
以下、各構成を説明するが、説明の簡略化のため、実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。なお、図12〜図18に示す各構成において、説明の便宜上、クリーニング部材104の記載を省略するが、クリーニング部材104は設けられていても設けられていなくてもよい。
(変形例2−1)
図12に示す構成は、通過面積当たりに存在する滑剤量は同じでも、潤滑剤塗布部材101から感光体ドラム41に潤滑剤を移動しにくくする(移動効率を下げる)構成の一例である。
変形例2−1に係る潤滑剤塗布機構100は、潤滑剤塗布部材101と、固形潤滑剤102と、潤滑剤塗布部材101のシャフトへの電圧印加を制御するスイッチ121と、を備えて構成されている。
潤滑剤塗布部材101は、アクリル、ポリエステルなどのマイナスに帯電しやすい繊維からなるブラシである。
ブラシ繊維に削り出された潤滑剤は、ブラシ繊維や繊維に付着したトナー(負帯電列)と摩擦を繰り返すことにより、プラス極性に帯電する。図12に示す例では、潤滑剤塗布部材101の回転速度が高速(所定の第1速度(La)よりも速い速度)に制御された場合に、潤滑剤塗布部材101の回転数が低い場合よりも回転数が高い場合にブラシがマイナスに帯電されるように電位差を制御することで、潤滑剤を静電的にブラシに吸引して感光体ドラム41に移動しにくくする。具体的には、図12(A)及び図12(B)に示すように、スイッチ121により潤滑剤塗布部材101のシャフトへの電圧印加をオンオフすることで、電位差を制御する。これにより、通過面積当たりに存在する滑剤量は同じでも、潤滑剤塗布部材101から感光体ドラム41への潤滑剤の移動を抑制する(移動効率を下げる)ことができる。
なお、電位差を制御する方法としては、上記例の他、例えば、別途設けた電源によりブラシシャフトに印加する電圧を制御する方法等が挙げられる。
また、感光体ドラム41のマイナス表面電位の絶対値を回転数と共に低くする方法であってもよい。例えば、転写領域通過後の感光体ドラム41表面を除電する露光装置を設けるようにし、回転数と共に光量を高くするようにしてもよい。また、転写領域通過後の感光体ドラム41上に対向する帯電装置を設けるようにし、回転数と共に帯電装置によるマイナス帯電量を低くするようにしてもよい。
但し、感光体ドラム41表面の電位に対して潤滑剤塗布部材101表面がマイナスの電位関係となった場合、感光体ドラム41表面のマイナス帯電トナーと潤滑剤塗布部材101との間で静電的な斥力が生じるため、潤滑剤塗布部材101によるトナー回収効率が著しく低下してしまう。従って、感光体ドラム41表面の電位に対して潤滑剤塗布部材101表面がプラスの電位関係を保ったままの状態で、回転数が低いときよりも高いときの方がマイナス寄りとなることで、回転数が高いときの方が相対的に潤滑剤塗布部材101上の潤滑剤が感光体ドラム41に移動しにくくなっていればよい。
図12に示す構成によれば、潤滑剤塗布部材101の回転速度が所定の第1速度(La)よりも速い速度に制御された場合、潤滑剤塗布部材101から感光体ドラム41への潤滑剤の移動を抑制する。従って、図12に示す構成によれば、潤滑剤塗布部材101の周辺に複雑な機構を設けることなく、画像形成装置1内に他の目的で設けられている装置の出力を制御することで、容易に通過面積当たり潤滑剤移動量を低減することができる。また、回転数に応じて連続的に出力制御することも可能であるため、通過面積当たり潤滑剤移動量の連続的な制御を容易に行うことができる。
(変形例2−2)
図13に示す構成は、感光体ドラム41に接触する前の潤滑剤塗布部材101表面の滑剤量を抑制する構成の一例である。
変形例2−2に係る潤滑剤塗布機構100は、潤滑剤塗布部材101と、固形潤滑剤102と、一端がカム131aに取り付けられ、カム131aの回転により潤滑剤塗布部材101に接触する掻き取り部材131と、を備えて構成されている。
掻き取り部材131は、潤滑剤塗布部材101の回転速度が高速(所定の第1速度(La)よりも速い速度)に制御された場合に、図13(B)に示すように、図示しないモーターの制御によるカム131aの回転により、退避位置(図13(A)参照)から、潤滑剤塗布部材101の回転方向の固形潤滑剤102との当接位置よりも下流側であって感光体ドラム41との当接位置よりも上流側の位置に移動して、潤滑剤塗布部材101と接触する。これにより、掻き取り部材131は、潤滑剤塗布部材101表面の潤滑剤を掻き取る(回収する)ことができるので、感光体ドラム41に接触する前の潤滑剤塗布部材101表面の滑剤量を抑制することができる。即ち、掻き取り部材131は、本発明の潤滑剤回収部として機能する。なお、潤滑剤塗布部材101の回転数が再度低く設定されて、潤滑剤塗布部材101表面の滑剤量を抑制する必要がなくなった場合には、カム131aを逆回転させることで、掻き取り部材131を退避位置へと移動させる。
図13に示す構成によれば、潤滑剤塗布部材101の回転速度が所定の第1速度(La)よりも速い速度に制御された場合、潤滑剤回収部(掻き取り部材131)を潤滑剤塗布部材101に接触させる。従って、図13に示す構成によれば、掻き取り部材131により潤滑剤塗布部材101表面の潤滑剤を掻き取る(回収する)ことができるので、潤滑剤塗布部材101の回転速度が速い速度に設定された場合であっても、感光体ドラム41に接触する前の潤滑剤塗布部材101表面の滑剤量を抑制することができる。
(変形例2−3)
図14に示す構成は、感光体ドラム41に接触する前の潤滑剤塗布部材101表面の滑剤量を抑制する構成の他の例である。
変形例2−3に係る潤滑剤塗布機構100は、潤滑剤塗布部材101と、固形潤滑剤102と、クリーニング部材(回転体クリーニング部材)140と、を備えて構成されている。
クリーニング部材140は、潤滑剤塗布部材101に接触して潤滑剤塗布部材101表面からトナー及び外添剤を回収する回転部材141と、回転部材141表面からトナー及び外添剤を剥離するスクレーパー142と、を備えて構成されている。クリーニング部材140は、潤滑剤塗布部材101の回転方向の感光体ドラム41との当接位置よりも下流側であって固形潤滑剤102との当接位置よりも上流側の位置に配置され、回転部材141が潤滑剤塗布部材101と接触するようになっている。
図14に示す構成では、感光体ドラム41に接触する前の潤滑剤塗布部材101表面の滑剤量を抑制する必要が生じた場合(即ち、潤滑剤塗布部材101の回転速度が高速(所定の第1速度(La)よりも速い速度)に制御された場合)、潤滑剤塗布部材101の回転方向を、所定の回転方向(通常の画像形成時(図14(A)参照)の回転方向;カウンター方向)と逆方向(ウィズ方向)に回転させる(図14(B)参照)。潤滑剤塗布部材101を逆方向に回転させることで、固形潤滑剤102から削り出した潤滑剤を保持する潤滑剤塗布部材101の表面が、感光体ドラム41と接触する前にクリーニング部材140(回転部材141)と接触する。これにより、クリーニング部材140は、感光体ドラム41に接触する前の潤滑剤塗布部材101表面の潤滑剤を掻き取ることができる。従って、感光体ドラム41に接触する前の潤滑剤塗布部材101表面の滑剤量を抑制することができる。
なお、回転部材141の回転数を通常の画像形成時(図14(A)参照)よりも高く設定することで、感光体ドラム41に接触する前の潤滑剤塗布部材101表面の潤滑剤をより多く掻き取ることができる。即ち、回転部材141の回転数を制御することで、潤滑剤塗布部材101から回収する滑剤量を制御することができる。
なお、潤滑剤塗布部材101の回転数が再度低く設定されて、潤滑剤塗布部材101表面の滑剤量を抑制する必要がなくなった場合には、潤滑剤塗布部材101の回転方向を通常の画像形成時と同一方向に回転させるとともに、回転部材141の回転数を通常の画像形成時と同一の回転数に設定する。
図14に示す構成によれば、潤滑剤塗布部材101の回転速度が所定の第1速度(La)よりも速い速度に制御された場合、潤滑剤塗布部材101を所定の回転方向と逆方向に回転させる。従って、図14に示す構成によれば、別途部材を設けることなく潤滑剤塗布部材101表面の潤滑剤を回収することができるので、装置の小型化やコストダウンを実現することができる。また、回転数に応じて連続的に出力制御することも可能であるため、通過面積当たり潤滑剤移動量の連続的な制御を容易に行うことができる。
なお、クリーニング部材140の構成は、上記構成に限られず、例えば、回転部材141及びスクレーパー142の代わりに、実施形態のクリーニング部材104を設けるようにしてもよい。
また、図14の構成の場合において、通紙JAMなどのエラーにより画像形成動作が強制的に停止した場合は、潤滑剤塗布部材101の回転速度を所定の第1速度よりも速い速度に設定されたとしても、潤滑剤塗布部材101を、所定の回転方向と逆方向(ウィズ方向)ではなく、トナー回収効率が高い所定の回転方向(カウンター方向)に回転させるようにするとよい。
これにより、トナー回収効率をより高めることができるので、クリーニング装置47に蓄積するトナー及び外添剤の量をさらに低減することができる。よって、クリーニング装置47(クリーニングブレード)における潤滑剤の過剰な研摩をさらに抑制することができる。
(変形例2−4)
図15に示す構成は、潤滑剤塗布部材101が固形潤滑剤102から削り出す面積当たりの滑剤量を低減する構成の一例である。
変形例2−4に係る潤滑剤塗布機構100は、潤滑剤塗布部材101と、潤滑剤塗布部材101の上面側に配置され、自重により潤滑剤塗布部材101を下方に付勢する固形潤滑剤102と、潤滑剤塗布部材101の回転軸を中心として固形潤滑剤102を回転移動可能に保持する固形潤滑剤保持ユニット150と、を備えて構成されている。
固形潤滑剤保持ユニット150は、アーム材151により、ベアリングを介して潤滑剤塗布部材101の回転軸に接続される。また、固形潤滑剤保持ユニット150は、一端が画像形成装置1内の所定位置に固定された付勢部材152により付勢部材152の方向に引っ張られて(付勢されて)いる。また、固形潤滑剤保持ユニット150は、図示しないモーターの制御により回転するカム153と当接している。
固形潤滑剤保持ユニット150は、カム153が初期位置(図15(A)参照)にある場合、カム153により付勢部材152による付勢方向と反対方向に押圧され、固形潤滑剤102を潤滑剤塗布部材101の鉛直上方に固定する。潤滑剤塗布部材101の回転速度が高速(所定の第1速度(La)よりも速い速度)に制御された場合に、その状態から、モーターの回転に伴いカム153を回転させると、付勢部材152による付勢力に抗する力が弱まるため、潤滑剤塗布部材101の回転軸を中心として固形潤滑剤保持ユニット150及び固形潤滑剤102が付勢部材152の方向に回転する(図15(B)参照)。これにより、固形潤滑剤102(固形潤滑剤保持ユニット150)の自重が作用する方向が、潤滑剤塗布部材101と固形潤滑剤102とを結ぶ方向から変化するため、潤滑剤塗布部材101と固形潤滑剤102との間に作用する付勢力を変更する(低下させる)ことができる。従って、潤滑剤塗布部材101が固形潤滑剤102から削り出す面積当たりの滑剤量を低減することができる。即ち、固形潤滑剤保持ユニット150、アーム材151、付勢部材152及びカム153は、本発明の固形潤滑剤調整部として機能する。
なお、潤滑剤塗布部材101の回転数が再度低く設定されて、潤滑剤塗布部材101表面の滑剤量を抑制する必要がなくなった場合には、カム153を初期位置まで回転させることで、固形潤滑剤102及び固形潤滑剤保持ユニット150を潤滑剤塗布部材101の鉛直上方に固定する。
図15に示す構成によれば、潤滑剤塗布部材101の回転速度が所定の第1速度(La)よりも速い速度に制御された場合、潤滑剤塗布部材101が固形潤滑剤102から削り出す面積当たりの滑剤量を低減する。より具体的には、固形潤滑剤調整部(固形潤滑剤保持ユニット150、アーム材151、付勢部材152及びカム153)を制御して、潤滑剤塗布部材101と固形潤滑剤102とを結ぶ方向に作用する付勢力を低下させる。従って、図15に示す構成によれば、固形潤滑剤102の消費量を抑制しつつ像担持体への通過面積当たりの潤滑剤の移動量を制御することができるので、固形潤滑剤102の長寿命化を実現することができる。また、潤滑剤塗布部材101及び固形潤滑剤102間に作用する付勢力を低減することができるので、エラー発生時、多量のトナーを回収した潤滑剤塗布部材101によって固形潤滑剤102がトナー汚染されることを抑制することができる。
(変形例2−5)
図16に示す構成は、潤滑剤塗布部材101が固形潤滑剤102から削り出す面積当たりの滑剤量を低減する構成の他の例である。
変形例2−5に係る潤滑剤塗布機構100は、潤滑剤塗布部材101と、固形潤滑剤102と、潤滑剤塗布部材101に対する固形潤滑剤102の付勢力及び付勢方向を調整する固形潤滑剤調整部160と、を備えて構成されている。
固形潤滑剤調整部160は、上面に固形潤滑剤102を載置する板状部材161と、固形潤滑剤102の移動方向を規制するガイド部材162と、一端がベアリングを介して画像形成装置1内の所定位置に設けられた軸に接続され、当該軸を中心として回動可能に保持されたアーム材163と、板状部材161とアーム材163の他端とを接続するとともに、板状部材161(固形潤滑剤102)を引っ張り上げる方向(略上方)に付勢する付勢部材164と、アーム材163と当接し、図示しないモーターの制御により回転するカム165と、を備えて構成されている。
アーム材163は、潤滑剤塗布部材101の回転速度が高速(所定の第1速度(La)よりも速い速度)に制御された場合に、カム165を初期位置(図16(A)参照)から回転させることで下方に押圧され、画像形成装置1内の所定位置に設けられた軸を中心として回動する(図16(B)参照)。アーム材163の回動に伴い、付勢部材164と接続されたアーム材163の他端の位置が変動することで、付勢部材164による固形潤滑剤102に対する付勢方向が変更される。ここで、固形潤滑剤102は、ガイド部材162により移動方向を規制されているため、付勢部材164による付勢方向の変動に伴い、潤滑剤塗布部材101と固形潤滑剤102との間に作用する付勢力を変更する(低下させる)ことができる。従って、潤滑剤塗布部材101が固形潤滑剤102から削り出す面積当たりの滑剤量を低減することができる。
図16に示す構成によれば、固形潤滑剤調整部160を制御して、潤滑剤塗布部材101と固形潤滑剤102とを結ぶ方向に作用する付勢力を低下させる。従って、図16に示す構成によれば、固形潤滑剤102の消費量を抑制しつつ像担持体への通過面積当たりの潤滑剤の移動量を制御することができるので、固形潤滑剤102の長寿命化を実現することができる。また、潤滑剤塗布部材101及び固形潤滑剤102間に作用する付勢力を低減することができるので、エラー発生時、多量のトナーを回収した潤滑剤塗布部材101によって固形潤滑剤102がトナー汚染されることを抑制することができる。
(変形例2−6)
図17に示す構成は、潤滑剤塗布部材101が固形潤滑剤102から削り出す面積当たりの滑剤量を低減する構成の他の例である。
変形例2−6に係る潤滑剤塗布機構100は、潤滑剤塗布部材101と、固形潤滑剤102と、上面に固形潤滑剤102を載置する板状部材171と、固形潤滑剤102が載置された板状部材171を上方に付勢する付勢部材172と、固形潤滑剤102よりも潤滑剤塗布部材101の回転方向上流側に配置され、固形潤滑剤102の移動方向を規制する第1ガイド部材173と、固形潤滑剤102よりも潤滑剤塗布部材101の回転方向下流側に配置され、潤滑剤塗布部材101から遠い方の端部がベアリングを介して画像形成装置1内の所定位置に設けられた軸に接続され、当該軸を中心として回動可能に保持された第2ガイド部材174と、を備えて構成されている。
第2ガイド部材174は、図示しないモーターの制御により回転するカム175と当接している。第2ガイド部材174は、カム175が初期位置(図17(A)参照)にある場合、カム175により潤滑剤塗布部材101の回転による固形潤滑剤102の押し出し方向と反対方向に押圧され、固形潤滑剤102を潤滑剤塗布部材101の鉛直下方に固定する。その状態から、モーターの回転に伴いカム175を回転させると、潤滑剤塗布部材101による押し出し力に抗する力が弱まるため、固形潤滑剤102が押し出し方向(潤滑剤塗布部材101の回転方向下流側)に押し出されるとともに、第2ガイド部材174が押し出し方向に回転する(図17(B)参照)。これにより、潤滑剤塗布部材101と固形潤滑剤102との接触面積を小さくすることができる。従って、潤滑剤塗布部材101が固形潤滑剤102から削り出す面積当たりの滑剤量を低減することができる。
なお、潤滑剤塗布部材101の回転数が再度低く設定されて、潤滑剤塗布部材101表面の滑剤量を抑制する必要がなくなった場合には、カム175を初期位置まで回転させることで、固形潤滑剤102を潤滑剤塗布部材101の鉛直下方に固定する。
図17に示す構成によれば、潤滑剤塗布部材101の回転速度が所定の第1速度(La)よりも速い速度に制御された場合、潤滑剤塗布部材101と固形潤滑剤102との接触面積を小さくする。従って、図17に示す構成によれば、固形潤滑剤102の消費量を抑制しつつ像担持体への通過面積当たりの潤滑剤の移動量を制御することができるので、固形潤滑剤102の長寿命化を実現することができる。また、潤滑剤塗布部材101と固形潤滑剤102との接触面積を低減することができるので、エラー発生時、多量のトナーを回収した潤滑剤塗布部材101によって固形潤滑剤102がトナー汚染されることを抑制することができる。
(変形例2−7)
図18に示す構成は、潤滑剤塗布部材101が固形潤滑剤102から削り出す面積当たりの滑剤量を低減する構成の他の例である。
変形例2−7に係る潤滑剤塗布機構100は、潤滑剤塗布部材101と、固形潤滑剤102と、薄いシート材からなり、潤滑剤塗布部材101と接触するマスク部材181と、一端がマスク部材181と接続され、他端が画像形成装置1内の所定位置に固定された付勢部材182と、を備えて構成されている。
マスク部材181は、潤滑剤塗布部材101と接触する面(上面)側がマイナス帯電極性のテフロン(登録商標)やPET材により形成されている。マスク部材181は、付勢部材182により潤滑剤塗布部材101から遠ざかる方向に引っ張られて(付勢されて)いる(図18(A)参照)。
潤滑剤塗布部材101の回転数を高く設定すると、潤滑剤塗布部材101と固形潤滑剤102、潤滑剤塗布部材101とマスク部材181との摩擦が促進される。これにより、潤滑剤塗布部材101表面の潤滑剤はプラス極性に、マスク部材181はマイナス極性に帯電する。従って、マスク部材181は、潤滑剤塗布部材101により静電的に吸引され、付勢部材182による付勢力に抗して、潤滑剤塗布部材101との接触面積を広くする。マスク部材181は、潤滑剤塗布部材101との接触面積の増大及び潤滑剤塗布部材101の回転数の増大により、潤滑剤塗布部材101の回転方向下流側へと接触移動する。接触移動したマスク部材181の先端は、潤滑剤塗布部材101と固形潤滑剤102とのニップ部へと侵入し、ニップ部の一部をマスクして、潤滑剤塗布部材101と固形潤滑剤102との接触面積を小さくする(図18(B)参照)。マスク部材181の先端は、潤滑剤塗布部材101の回転数に応じて引き込まれ、マスク部材181と潤滑剤塗布部材101との接触面積が更に増大し、マスク部材181がニップ部へと侵入する力が強くなり、マスク部材181によるマスク面積は広くなる。従って、潤滑剤塗布部材101が固形潤滑剤102から削り出す面積当たりの滑剤量を低減することができる。
マスク部材181は、ニップ部に侵入しやすいよう薄く形成されることが好ましく、100μm以下の厚みであることが好ましい。また、マスク部材181は、固形潤滑剤102と対向する面(下面)と比べ、潤滑剤塗布部材101と対向する面(上面)の表面粗さが粗い方が、潤滑剤塗布部材101との接触によりニップ部へと引き込まれやすく、より好ましい。
なお、潤滑剤塗布部材101の回転数が再度低く設定されて、潤滑剤塗布部材101表面の滑剤量を抑制する必要がなくなった場合には、潤滑剤塗布部材101によりマスク部材181の先端を引き込む力が弱くなるため、マスク部材181は付勢部材182による付勢力により、ニップ部から引き出されて初期位置(図18(A)参照)へと離脱する。
図18に示す構成によれば、潤滑剤塗布部材101の回転速度が所定の第1速度(La)よりも速い速度に制御された場合、潤滑剤塗布部材101と固形潤滑剤102との接触面積を小さくする。従って、図18に示す構成によれば、固形潤滑剤102の消費量を抑制しつつ像担持体への通過面積当たりの潤滑剤の移動量を制御することができるので、固形潤滑剤102の長寿命化を実現することができる。また、潤滑剤塗布部材101と固形潤滑剤102との接触面積を低減することができるので、エラー発生時、多量のトナーを回収した潤滑剤塗布部材101によって固形潤滑剤102がトナー汚染されることを抑制することができる。
(その他の変形例)
また、上記実施形態では、算出された部分カバレッジの最大値Cmaxと最小値Cminの差(ΔC)に基づいて潤滑剤塗布部材101の回転速度を制御するようにしているが、これに限定されるものではない。例えば、算出された部分カバレッジの最大値Cmaxに基づいて潤滑剤塗布部材101の回転速度を制御するようにしてもよい。
以上のように、カバレッジ算出部により算出された部分カバレッジの最大値に基づいて回転体の回転速度を制御することで、部分カバレッジが高いセグメントと低いセグメントとのクリーニング装置47における潤滑剤の研摩量の差を低減することができるので、画像パターンに基づく潤滑剤パターンムラの発生を抑制することができる。
また、上記実施形態では、トナーの回収効率を制御する方法として、潤滑剤塗布部材101の回転速度を制御する方法を例示して説明しているが、これに限定されるものではない。例えば、潤滑剤塗布部材101の回転速度を制御する代わりに、潤滑剤塗布部材101の回転方向を制御する方法であってもよい。また、潤滑剤塗布部材101の回転速度を制御する代わりに、潤滑剤塗布部材101と感光体ドラム41との間の距離を制御する方法であってもよい。
また、上記実施形態では、感光体ドラム41及び現像装置44をYMCK各色用に4組用意してそれぞれにYMCKの各色の画像を形成させ、中間転写ベルトT上で重ね合わせるカラーの画像形成装置を例示して説明しているが、これに限定されるものではない。例えば、感光体ドラム41と現像装置44とを1組のみ有する単色の画像形成装置に対しても、本発明を適用することができる。
また、中間転写ベルトTや一次転写ローラー45、二次転写対向ローラー461等を省略して、感光体ドラム41から直接用紙Pに転写する直接転写方式の画像形成装置に対しても、本発明を適用することができる。
その他、従来から用いられる電子写真各プロセス技術は、画像形成装置の目的に応じて任意の構成と組み合わせることができる。
その他、画像形成装置を構成する各装置の細部構成及び各装置の細部動作に関しても、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
1 画像形成装置
2 自動原稿搬送部
3 スキャナー部
4 画像形成部
41 感光体ドラム(像担持体)
42 帯電装置
43 露光装置
44 現像装置(現像部)
45 一次転写ローラー(転写部)
46 二次転写ローラー
47 クリーニング装置(クリーニング部)
48 クリーニング装置
49 イレーサーランプ
100 潤滑剤塗布機構(潤滑剤供給部、トナー回収部)
101 潤滑剤塗布部材(回転体)
102 固形潤滑剤
103 滑剤量制御機構(固形潤滑剤調整部、圧接離間部)
1031 板状部材
1032 付勢部材
1033 第1ストッパー部材
1034 第2ストッパー部材
104 クリーニング部材
131 掻き取り部材(潤滑剤回収部)
140 クリーニング部材(回転体クリーニング部材)
150 固形潤滑剤保持ユニット(固形潤滑剤調整部)
151 アーム材(固形潤滑剤調整部)
152 付勢部材(固形潤滑剤調整部)
153 カム(固形潤滑剤調整部)
160 固形潤滑剤調整部
T 中間転写ベルト(中間転写体)
F 定着装置
5 給紙部
6 記憶部
7 操作表示部
10 制御部(カバレッジ算出部、トナー回収制御部、滑剤移動量制御部)

Claims (19)

  1. 像担持体と、
    前記像担持体上に形成された静電潜像に現像剤を供給してトナー像を形成する現像部と、
    前記現像部により前記像担持体の表面に形成されたトナー像を中間転写体又は用紙に転写する転写部と、
    前記転写部による転写後に前記像担持体の表面に残留したトナーを回収するトナー回収部と、
    前記トナー回収部によるトナー回収後に前記像担持体の表面に残留したトナーを除去するクリーニング部と、
    前記像担持体に潤滑剤を供給する潤滑剤供給部と、
    を備える画像形成装置において、
    形成される画像の画像情報に基づいてカバレッジ情報を算出するカバレッジ算出部と、
    前記カバレッジ算出部により算出されたカバレッジ情報に基づいて前記トナー回収部における前記トナーの回収効率を制御するトナー回収制御部と、
    前記トナー回収制御部により制御された前記トナーの回収効率に基づいて、前記潤滑剤供給部から前記像担持体への前記潤滑剤の移動量を制御する滑剤移動量制御部と、
    を備えることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記潤滑剤供給部は、固形潤滑剤及び前記像担持体の双方と当接するように設置され、前記固形潤滑剤から削り出した前記潤滑剤を前記像担持体に供給する回転体を備え、
    前記回転体は、更に、前記トナー回収部として機能し、
    前記トナー回収制御部は、前記カバレッジ算出部により算出されたカバレッジ情報に基づいて前記回転体の回転速度を制御し、
    前記滑剤移動量制御部は、前記トナー回収制御部により制御された前記回転体の回転速度に基づいて前記回転体から前記像担持体への通過面積当たりの前記潤滑剤の移動量を制御することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記回転体は、前記現像部よりも前記像担持体の回転方向下流側であって、前記クリーニング部よりも前記像担持体の回転方向上流側に設置されることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記カバレッジ算出部は、前記画像情報に基づいて、前記像担持体上の潜像書き込み領域を主走査方向に分割した複数の領域毎の画像比率である部分カバレッジを算出し、
    前記トナー回収制御部は、前記カバレッジ算出部により算出された部分カバレッジの最大値に基づいて前記回転体の回転速度を制御することを特徴とする請求項2又は3に記載の画像形成装置。
  5. 前記カバレッジ算出部は、前記画像情報に基づいて、前記像担持体上の潜像書き込み領域を主走査方向に分割した複数の領域毎の画像比率である部分カバレッジを算出し、
    前記トナー回収制御部は、前記カバレッジ算出部により算出された部分カバレッジの最大値と最小値の差に基づいて前記回転体の回転速度を制御することを特徴とする請求項2又は3に記載の画像形成装置。
  6. 前記カバレッジ算出部は、前記画像情報に基づいて、前記像担持体上の潜像書き込み領域を主走査方向に分割した複数の領域毎の画像比率である部分カバレッジと、全ての前記領域の画像比率の総和に基づいて算出される全体カバレッジと、を算出し、
    前記トナー回収制御部は、前記カバレッジ算出部により算出された部分カバレッジの最大値と最小値の差が第1の閾値よりも大きい場合、前記カバレッジ算出部により算出された全体カバレッジが第2の閾値よりも大きいか否かを判定し、
    前記全体カバレッジが前記第2の閾値未満であると判定した場合は、前記回転体の回転速度を所定の第1速度よりも速い第2速度に設定し、前記全体カバレッジが前記第2の閾値よりも大きいと判定した場合は、前記回転体の回転速度を前記第2速度よりも速い第3速度に設定することを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
  7. 前記カバレッジ算出部は、前記画像情報に基づいて、前記像担持体上の潜像書き込み領域を主走査方向に分割した複数の領域毎の画像比率である部分カバレッジと、全ての前記領域の画像比率の総和に基づいて算出される全体カバレッジと、を算出し、
    前記トナー回収制御部は、前記カバレッジ算出部により算出された部分カバレッジの最大値と最小値の差が第1の閾値よりも大きい場合、前記回転体の回転速度を所定の第1速度よりも速い速度に設定し、
    前記滑剤移動量制御部は、前記カバレッジ算出部により算出された全体カバレッジが第3の閾値よりも小さいか否かを判定し、前記全体カバレッジが前記第3の閾値以上であると判定した場合は、前記回転体から前記像担持体への通過面積当たりの前記潤滑剤の移動量を所定の第1移動量よりも少ない第2移動量に設定し、前記全体カバレッジが前記第3の閾値よりも小さいと判定した場合は、前記回転体から前記像担持体への通過面積当たりの前記潤滑剤の移動量を前記第2移動量よりも少ない第3移動量に設定することを特徴とする請求項5又は6に記載の画像形成装置。
  8. 前記滑剤移動量制御部は、前記トナー回収制御部により前記回転体の回転速度が高速に制御されるほど、前記像担持体への通過面積当たりの前記潤滑剤の移動量を少なく制御することを特徴とする請求項2〜7のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  9. 前記滑剤移動量制御部は、前記トナー回収制御部により前記回転体の回転速度が所定の第1速度よりも速い速度に制御された場合、前記回転体から前記像担持体への前記潤滑剤の移動を抑制することを特徴とする請求項2〜8のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  10. 前記回転体の所定の回転方向の前記固形潤滑剤との当接位置よりも下流側であって前記像担持体との当接位置よりも上流側の位置で前記回転体と接触可能に配置され、前記回転体との接触時に前記回転体の表面の潤滑剤を回収する潤滑剤回収部を備え、
    前記滑剤移動量制御部は、前記トナー回収制御部により前記回転体の回転速度が所定の第1速度よりも速い速度に制御された場合、前記潤滑剤回収部を前記回転体に接触させることを特徴とする請求項2〜8のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  11. 前記回転体の所定の回転方向の前記像担持体との当接位置よりも下流側であって前記固形潤滑剤との当接位置よりも上流側の位置で前記回転体と接触し、前記回転体の表面をクリーニングする回転体クリーニング部材を備え、
    前記滑剤移動量制御部は、前記トナー回収制御部により前記回転体の回転速度が所定の第1速度よりも速い速度に制御された場合、前記回転体を前記所定の回転方向と逆方向に回転させることを特徴とする請求項2〜8のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  12. 前記滑剤移動量制御部は、前記トナー回収制御部により前記回転体の回転速度が所定の第1速度よりも速い速度に制御された場合、前記回転体が前記固形潤滑剤から削り出す面積当たりの滑剤量を低減することを特徴とする請求項2〜8のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  13. 前記回転体に対する前記固形潤滑剤の位置、付勢力及び付勢方向の少なくともいずれか一を調整する固形潤滑剤調整部を備え、
    前記滑剤移動量制御部は、前記トナー回収制御部により前記回転体の回転速度が所定の第1速度よりも速い速度に制御された場合、前記固形潤滑剤調整部を制御して、前記回転体と前記固形潤滑剤とを結ぶ方向に作用する付勢力を低下させる又は前記回転体への前記固形潤滑剤の押し込み量を低下させることを特徴とする請求項12に記載の画像形成装置。
  14. 前記滑剤移動量制御部は、前記トナー回収制御部により前記回転体の回転速度が所定の第1速度よりも速い速度に制御された場合、前記回転体と前記固形潤滑剤との接触面積を小さくすることを特徴とする請求項12に記載の画像形成装置。
  15. 前記回転体と前記固形潤滑剤とを圧接させた圧接状態と離間させた離間状態とを切り替える圧接離間部を備え、
    前記滑剤移動量制御部は、前記トナー回収制御部により前記回転体の回転速度が所定の第1速度よりも速い速度に制御された場合、前記圧接離間部を制御して、前記回転体と前記固形潤滑剤とを離間させることを特徴とする請求項14に記載の画像形成装置。
  16. 前記滑剤移動量制御部は、前記カバレッジ情報と、前記像担持体の回転数又は画像形成枚数と、に基づいて、前記圧接離間部による前記回転体と前記固形潤滑剤との圧接離間を制御することを特徴とする請求項15に記載の画像形成装置。
  17. 前記トナー回収制御部は、エラーにより画像形成動作が強制的に停止した場合、前記回転体の回転速度を所定の第1速度よりも速い速度に設定することを特徴とする請求項2〜16のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  18. 前記滑剤移動量制御部は、エラーにより画像形成動作が強制的に停止した場合、前記回転体から前記像担持体への通過面積当たりの前記潤滑剤の移動量を少なく制御することを特徴とする請求項10〜17のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  19. 前記滑剤移動量制御部は、エラーにより画像形成動作が強制的に停止した場合、前記回転体を前記所定の回転方向に回転させることを特徴とする請求項11を引用する請求項17に記載の画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019152824A (ja) * 2018-03-06 2019-09-12 コニカミノルタ株式会社 画像形成装置および画像形成制御方法
JP2019159051A (ja) * 2018-03-12 2019-09-19 コニカミノルタ株式会社 画像形成装置、画像不具合軽減方法、およびコンピュータプログラム

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