JP2017207449A - ディジタルフィルタを備えた液体クロマトグラフ用データ処理装置 - Google Patents

ディジタルフィルタを備えた液体クロマトグラフ用データ処理装置 Download PDF

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【課題】 どのようなクロマトグラムが得られるか予測できない分析においても、一度の分析(試料導入)で波形データの適正なノイズ除去ができるデータ処理装置を提供する。【解決手段】 データ処理装置20は、液体クロマトグラフの検出器30から出力されたアナログ波形データをディジタル波形データに変換するA/D変換器21と、そのディジタル波形データを記憶し適宜読み出し可能な記憶手段22と、記憶手段22から読み出された波形データを入力し、異なるフィルタ特性で複数の平滑化波形データを出力するディジタルフィルタ手段23と、複数の平滑化波形データに対してクロマトグラム上のピーク情報を算出するピーク情報算出手段24と、ピーク情報に基づいてディジタルフィルタ手段のフィルタ特性を評価する評価手段25と、を備える。【選択図】 図1

Description

本発明は、液体クロマトグラフ分析で得られた波形データにノイズ処理を施すデータ処理装置に関する。
液体クロマトグラフ装置は、溶離液(移動相)供給手段、試料導入手段、分離カラム、検出器、およびそれらを接続する流路から基本的に構成されている。試料に含まれる成分を分析するために試料導入手段により分離カラムの上流に試料が導入されると、溶離液供給手段から供給された溶離液により分離カラムに試料が流入する。液体クロマトグラフは試料中の成分毎に分離カラムを通過する時間が異なることを利用して、分離カラムから溶出された成分を検出器で検出する。また、前記各手段と電気的に接続され、各手段を制御するための装置制御手段、検出されたクロマトグラムに対して解析を行うデータ解析手段(データ処理装置)を備える。
溶離液供給手段としては、カムをモーターで回転させることでプランジャーを往復運動させるカム駆動式のプランジャーポンプや、カムを用いずボールねじやすべりネジをモーターで直接駆動させるプランジャーポンプが知られている。検出器の出力波形から構成されるクロマトグラムは、適宜、ノイズ除去のためにノイズフィルタにかけられる。ノイズフィルタは抵抗器やコンデンサ、コイル、オペアンプ等の電気回路素子で構成されるアナログフィルタや、検出手段から出力されるアナログ電気信号をディジタル信号に変換後にコンピュータで信号処理を施すディジタルフィルタがある。
一般的にノイズには高周波成分が多く含まれていることから、低域通過フィルタ(ローパスフィルタ)が用いられるが、プランジャーの往復動により送液流量や送液圧力が変動すること(脈動)に起因する周期性ノイズが含まれることがあるため、脈動周波数に基づいた帯域遮断フィルタを用いることも提案されている(例えば、特許文献1)。また、クロマトグラムの元波形から周期性ノイズ信号を抽出し、その信号をフーリエ変換し目的信号成分をさらに除去して周期性ノイズ信号波形を再構築し、これを元波形から差し引くことで、微量成分領域でも良好にノイズ除去されたクロマトグラムを得る技術が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平05−215738号公報 特開2014−137350号公報
低域通過フィルタの場合、カットオフ周波数を低く(時定数を大きく)していくと、より多くのノイズを除去可能だが、分析試料のピーク形状にも影響を与えてしまうおそれがある。カットオフ周波数の設定は通常、分析前に行われ、低域通過フィルタを経たクロマトグラムに基づいて分析結果が記録・報告される。低域通過フィルタのカットオフ周波数は、分析試料によるピーク形状に影響を与えない範囲で設定する必要があるが、分析試料によるピーク形状がどのような周波数成分をもつのか推測できない場合、例えば未知試料を測定する場合は、最適なカットオフ周波数を事前に知ることができない。
また、周期性ノイズを除去する帯域阻止フィルタをポンプの動作周波数に合わせて自動的にかける場合、分析試料によるピークがもつ周波数成分がポンプの動作周波数に近い場合はピーク形状が変化してしまう。記録されたクロマトグラムは、フィルタ適用後のデータが記録されているため、別途フィルタをかけない条件、もしくはフィルタの効きを最小限にした条件で同様のクロマトグラフ分析を行い、ピーク形状を比較して初めて、当初のフィルタによってピーク形状が変化していたことに気付くことになる。データ解析におけるピーク検出の際、フィルタによって分析試料によるピーク形状が変化していた場合、ピークの保持時間や高さ、面積、半値幅、理論段数等の計算結果も変化することになり、正確な分析を妨げることとなる。
そこで本発明は、どのようなクロマトグラムが得られるか予測できない分析においても、一度の分析(試料導入)で波形データの適正なノイズ除去ができるデータ処理装置を提供することを目的とする。
上記課題を鑑みてなされた本発明は、以下の態様を包含する。
本発明のデータ処理装置は、
液体クロマトグラフ分析で得られた波形データのA/D変換値を記憶し適宜読み出し可能な記憶手段と、
前記記憶手段から読み出された波形データを入力し、異なるフィルタ特性で複数の平滑化波形データを出力するディジタルフィルタ手段と、
前記複数の平滑化波形データに対してクロマトグラム上のピークに関するピーク情報を算出する算出手段と、
前記ピーク情報に基づいて前記ディジタルフィルタ手段の最適なフィルタ特性を選択する評価手段と、
を備えたことを特徴とする。
本発明のデータ処理装置において、前記評価手段としては、例えば、ディジタルフィルタ手段から出力された平滑化の程度が最も小さい特定の平滑化波形データ、又はディジタルフィルタ手段を通さない波形データから算出されたピーク情報を基準値として、各平滑化波形データから算出された対応するピーク情報との比較値を計算し、前記比較値が所定の閾値の範囲内となるようなフィルタ特性のうち、平滑化処理の程度が最も大きいフィルタ特性を最適なフィルタ特性として選択すると、平滑化処理条件の適否を好適に評価することができるため好ましい。なお、最も小さい特定の平滑化波形データ、又はディジタルフィルタ手段を通さない波形データのピーク情報の算出精度がノイズにより大きく損なわれないように、ピークとして認識されるピーク高さの下限値をノイズよりは十分高く、かつ所望する分析精度が得られるピーク高さよりは低く設定しておくことが望ましい。
本発明のデータ処理装置では、選択された最適なフィルタ特性で処理された平滑化波形データを主データ、それ以外のフィルタ特性で処理された平滑化波形データが副データとして記憶手段に格納されるようにしてもよい。
なお、本発明では、ディジタルフィルタ手段の複数のフィルタ特性、ディジタルフィルタ手段から出力される波形データ、ピーク情報算出手段が算出したピーク情報、および評価手段が選択した評価選択情報を少なくとも表示可能な表示手段をさらに備えてあっても良い。
本発明のデータ処理装置では、ディジタルフィルタ手段が帯域阻止フィルタ又は/及び低域通過フィルタであることが好ましい。
帯域阻止フィルタは、帯域の中心周波数をプランジャー往復動ポンプの動作周波数に設定することによりポンプの脈動の影響を低減させることができるため、液体クロマトグラフ分析に使用する送液ポンプの動作周波数を挟んだ可変の帯域幅をフィルタ特性として有することが好ましい。また、ポンプの脈動を原因とする周期ノイズは、完全な正弦波形ではなく歪んだ波形をしていることが多いため、ポンプの動作周波数(基本周波数)の2倍、3倍、4倍といった整数倍の高調波成分を含む。送液ポンプの動作周波数の2倍、3倍、4倍といった整数倍を挟んだ可変の帯域幅をフィルタ特性として有する帯域阻止フィルタをさらに加えると、高調波成分をより低減させることができるため、より好ましい。
前記低域通過フィルタは、可変のカットオフ周波数をフィルタ特性として有し、当該液体クロマトグラフ分析に使用する送液ポンプの動作周波数を挟んだ周波数可変幅をもつことが好ましい。
本発明のデータ処理装置では、波形データの形状に関するピーク情報が、クロマトグラムのピークの保持時間、高さ、面積、半値幅および理論段数のうちの一以上のピーク情報であることが好ましい。これらのピーク情報はクロマトグラフ分析の精度に直結する重要なピーク情報である。
液体クロマトグラフ分析で得られた波形データをいったん記憶手段に記憶させ、その波形データを読み出して、異なるフィルタ特性で複数の平滑化波形データを出力するディジタルフィルタにかける構成を採用することにより、液体クロマトグラフ分析を実施する前に最適なノイズ処理条件を一つに決めるという困難さを回避でき、結果を予測できない分析においても一度の分析(試料導入)で、適正なフィルタ特性を選択することができる。
本発明のデータ処理装置の機能ブロックの構成例を示す図である。 本発明のデータ処理装置において低域通過フィルタを用いた使用形態の一例を示す図である。 本発明のデータ処理装置において帯域阻止フィルタを用いた使用形態の一例を示す図である。 本発明のデータ処理装置において帯域阻止フィルタを用いた実施例において各帯域幅のフィルタを適用した後のクロマトグラムを示す図である。 図4のベースラインの拡大部51を示す図である。 図4のピークトップの拡大部61を示す図である。 本発明のデータ処理装置において帯域阻止フィルタを用いた実施例において各帯域幅のフィルタを適用した後のクロマトグラムに対してピーク情報算出手段により自動ピーク検出をし、ピーク面積を計算した結果を示す図である。 ピーク番号それぞれについて、フィルタを介さないピーク面積との比較値(基準からの変動割合)を%表示した、図7に対応する図である。 本発明のデータ処理装置の表示画面の一例を示す図である。 図9の帯域選択項目部15を拡大した図である。 図9のピーク情報表示部17の内容を抜粋した図である。
本発明のデータ処理装置の構成と使用形態を例示により説明するが、本発明はこの使用形態に限定されるものではない。図1に本発明のデータ処理装置の主要な構成をブロック図として示す。データ処理装置20は、液体クロマトグラフの検出器30から出力されたアナログ波形データをディジタル波形データに変換するA/D変換器21と、そのディジタル波形データを記憶し適宜読み出し可能な記憶手段22と、記憶手段22から読み出された波形データを入力し、異なるフィルタ特性で複数の平滑化波形データを出力するディジタルフィルタ手段23と、複数の平滑化波形データに対してクロマトグラム上のピーク情報を算出するピーク情報算出手段24と、ピーク情報に基づいてディジタルフィルタ手段のフィルタ特性を評価する評価手段25と、ディジタルフィルタ手段から出力される波形データ、ピーク情報算出手段が算出したピーク情報、および評価手段25が選択した評価選択情報を少なくとも表示可能な表示手段26と、を備えている。
次に、本発明のデータ処理装置の使用形態のうち、ディジタルフィルタとして低域通過フィルタを使用した一例について、図2を用いて説明する。まず、液体クロマトグラフ分析によりクロマトグラムの波形データを収集する(S1)。次に、ディジタル化された波形データに対してディジタルフィルタを適用する(S2)。このとき、適用するフィルタ特性として数パターンのカットオフ周波数を設定する。図2では、カットオフ周波数としてAからEまでの5パターンを示したが、パターン数はこれより多くても少なくてもよい。ここではカットオフ周波数Aが最も周波数が高く、B、C・・・と順に周波数が低くなっていくものとする。数パターンのカットオフ周波数を設定する際に、周期性ノイズを除去するためにポンプの動作周波数を利用することができる。ポンプの動作周波数をカットオフ周波数に設定し、更に動作周波数の前後に数パターンのカットオフ周波数を設定する。
ピーク情報算出手段により、数パターンのカットオフ周波数でフィルタがかけられたそれぞれのクロマトグラム(平滑化波形データ)に対し、自動的にピークの検出を行いピーク情報(保持時間、高さ、面積、半値幅、理論段数等)を算出する(S3)。
適正なフィルタ特性すなわち適正な平滑化波形データを選択するために、最もピーク形状の変化が少ない、最も高いカットオフ周波数Aのピーク情報を基準値として、算出された各ピーク情報(カットオフ周波数B,C,D,Eのピーク情報)を比較し、あらかじめ設定された閾値以内となる波形データのうち、最もカットオフ周波数が低いフィルタ特性を検索する(S4)。閾値はピークの変形を判定するための値なので、液体クロマトグラフ装置自身のばらつき(同一条件での分析値の変動)を吸収するように設定する必要があり、装置固定の値としてもよい。また、分析条件やユーザーによって可変設定できるようにしてもよい。図2では、カットオフ周波数B,Cが閾値内、カットオフ周波数D,Eが閾値外の値である場合を例示した。閾値内のクロマトグラムのうち、最もカットオフ周波数が低いクロマトグラムであるカットオフ周波数Cのクロマトグラムが選択される。
こうして、選択されたカットオフ周波数Cのクロマトグラムは主データとして、その他のパターンのクロマトグラムは副データとして記憶手段に格納され、表示手段に表示される(S5)。
次に、本発明のデータ処理装置の使用形態のうち、ディジタルフィルタとして帯域阻止フィルタを使用した一例について、図3を用いて説明する。まず、液体クロマトグラフ分析によりクロマトグラムの波形データを収集する(S11)。次に、ディジタル化された波形データに対してディジタルフィルタを適用する(S12)。このとき、適用するフィルタ特性としてポンプの動作周波数を中心とした数パターンの阻止する帯域を設定する。図3では、帯域幅としてAからEまでの5パターンを示したが、パターン数はこれより多くても少なくてもよい。ここでは帯域幅Aが最も帯域が狭く、B、C・・・と順に帯域幅が広くなっていくとする。なお、ポンプの動作周波数の整数倍の周波数を中心とした数パターンの帯域でディジタル帯域阻止フィルタを更にかけてもよい。
ピーク情報算出手段により、数パターンの帯域でフィルタがかけられたそれぞれのクロマトグラム(平滑化波形データ)に対し、自動的にピークの検出を行いピーク情報(保持時間、高さ、面積、半値幅、理論段数等)を算出する(S13)。
適正なフィルタ特性すなわち適正な平滑化波形データを選択するために、最もピーク形状の変化が少ない、最も狭い帯域幅Aのピーク情報を基準値として、算出された各ピーク情報(カットオフ周波数B,C,D,Eのピーク情報)を比較し、あらかじめ設定された閾値以内となる波形データのうち、最も帯域幅が広いフィルタ特性を検索する(S14)。閾値はピークの変形を判定するための値なので、液体クロマトグラフ装置自身のばらつき(同一条件での分析値の変動)を吸収するように設定する必要があり、装置固定の値としてもよい。また、分析条件やユーザーによって可変設定できるようにしてもよい。図3では、帯域幅B,Cが閾値内、帯域幅D,Eが閾値外の値である場合を例示した。閾値内のクロマトグラムのうち、最も帯域幅が広いクロマトグラムである帯域幅Cのクロマトグラムが選択される。
こうして、選択された帯域幅Cのクロマトグラムは主データとして、その他のパターンのクロマトグラフは副データとして記憶手段に格納され、表示手段に表示される(S15)。
本発明のデータ処理装置を液体クロマトグラフに接続した図1の装置構成を用い、下記の測定条件にて東ソー標準ポリスチレンキットPStQuick D(F−128,F−20,F−2,A−2500の4成分を含有)から作製した混合試料の分析を行った。適用したディジタルフィルタは帯域阻止フィルタで、ポンプ動作周波数を中心として、帯域0Hz(フィルタなし)、±0.1Hz、±0.2Hz、±0.3Hz、±0.4Hz、±0.5Hz、±0.6Hz、±0.7Hzの8パターンでフィルタをかけた。ディジタルフィルタは、有限インパルス応答(FIR)フィルタで、フィルタ長101段、ハミング窓関数を用いた。各帯域幅でフィルタを適用した後のクロマトグラムを重ね書きしたものを図4に、そのベースラインの拡大部51を図5に、ピークトップの拡大部61を図6に示す。
図4において、4種類の標準物質F−128,F−20,F−2およびA−2500に対応するピーク1〜4が観測される。4ピークのそれぞれは大小のピーク(1a・1b、2a・2b、3a・3b、4a・4b)に分かれて見える。大きいほうのピーク1a、2a、3a、4aは、帯域0Hz(フィルタなし)〜帯域±0.6Hzのフィルタを介して得た7本のクロマトグラムが重なったものである。小さいほうのピーク1b、2b、3b、4bは、最大の帯域±0.7Hzのフィルタを介して得たクロマトグラムである。図6には大小のピーク3aおよび3bに対応する帯域0Hzから帯域±0.6Hzの拡大ピークトップ(13)および帯域±0.7Hzの拡大ピークトップ(14)が見られる。
図5において、帯域0Hz(フィルタなし)の拡大ベースライン5には、ポンプの脈動に起因した周期性ノイズが観測される。帯域±0.1Hzの拡大ベースライン6では、帯域阻止フィルタによりポンプの動作周波数の信号を抑制しているため周期性ノイズが減少しており、以降、帯域幅を±0.2Hz(7)、±0.3Hz(8)、±0.4Hz(9)、±0.5Hz(10)、±0.6Hz(11)、±0.7Hz(12)と広くしていくとさらにベースラインのノイズが減少していく。
各帯域幅でフィルタを適用した後のクロマトグラムに対し、自動ピーク検出をしてピーク面積を計算した結果を図7に示す。ピーク番号それぞれについて、フィルタを介さないピーク面積を基準とした比較値(基準からの変動割合)を帯域ごとに%表示したものが図8である。閾値は、基準としたピーク面積から1%以上ピーク面積が減少するときと設定した。すなわち、変動割合が99%以下のピークが閾値外となる。帯域0から±0.6Hzまでのピークは4つのピーク全て閾値内となり、帯域±0.7Hzのピークは閾値外となった。閾値内のクロマトグラムのうち最も広い帯域幅を有する±0.6Hzのクロマトグラムが主データとして選択され、その他のクロマトグラムが副データとされた。
図9に示す表示画面は、適用したディジタルフィルタの8通りの帯域をリスト表示する帯域選択項目部15(拡大図10を参照)と、主データとして選択されたフィルタ特性(帯域)に対応するクロマトグラム表示部16と、自動的にピーク検出されたピークの情報(保持時間、面積、高さ、面積%、半値幅、理論段数、分離能、非対称係数)を数値表示したピーク情報表示部17(拡大図11を参照)とから構成される。帯域選択項目部15において、主データとして選択された帯域±0.6Hzの項目がハイライト18されている(図10)。
[測定条件]
カラム:TSKgel SuperHZM−M×3本
溶媒:テトラヒドロフラン
流量:0.35mL/min
温調温度:ポンプオーブン、カラムオーブン、示差屈折率検出器すべて40℃
試料:東ソーPStQuick D
(F−128:分子量1090000,F−20:分子量190000,F−2:分子量18100,A−2500:分子量2500)
30μL注入
1 F−128のピーク
2 F−20のピーク
3 F−2のピーク
4 A−2500のピーク
5 帯域0Hz(フィルタなし)の拡大ベースライン
6 帯域±0.1Hzの拡大ベースライン
7 帯域±0.2Hzの拡大ベースライン
8 帯域±0.3Hzの拡大ベースライン
9 帯域±0.4Hzの拡大ベースライン
10 帯域±0.5Hzの拡大ベースライン
11 帯域±0.6Hzの拡大ベースライン
12 帯域±0.7Hzの拡大ベースライン
13 帯域0Hzから帯域±0.6Hzの拡大ピークトップ
14 帯域±0.7Hzの拡大ピークトップ
15 帯域選択項目部
16 クロマトグラム表示部
17 ピーク情報表示部
18 ハイライト
20 データ処理装置
21 A/D変換器
22 記憶手段
23 ディジタルフィルタ手段
24 ピーク情報算出手段
25 評価手段
26 表示手段
27 制御部およびデータバス
30 液体クロマトグラフ検出器
51 ベースライン拡大部
61 ピークトップ拡大部

Claims (7)

  1. 液体クロマトグラフ分析で得られた波形データのA/D変換値を記憶し適宜読み出し可能な記憶手段と、
    前記記憶手段から読み出された波形データを入力し、異なるフィルタ特性で複数の平滑化波形データを出力するディジタルフィルタ手段と、
    前記複数の平滑化波形データに対してクロマトグラム上のピーク情報を算出するピーク情報算出手段と、
    前記ピーク情報に基づいて前記ディジタルフィルタ手段の中から最適なフィルタ特性を選択する評価手段と、
    を備えたことを特徴とするデータ処理装置。
  2. 前記評価手段は、平滑化の程度が最も小さい特定の平滑化波形データ又はディジタルフィルタ手段を通さない波形データから算出されたピーク情報を基準値として、各平滑化波形データから算出された対応するピーク情報との比較値を計算し、前記比較値が所定の閾値の範囲内となるようなフィルタ特性のうち、平滑化処理の程度が最も大きいフィルタ特性を選択することを特徴とする請求項1に記載のデータ処理装置。
  3. 前記ディジタルフィルタ手段が、帯域阻止フィルタ又は/及び低域通過フィルタであることを特徴とする請求項1又は2に記載のデータ処理装置。
  4. 前記帯域阻止フィルタが、当該液体クロマトグラフ分析に使用する送液ポンプの動作周波数を挟んだ可変の帯域幅をフィルタ特性として有する帯域阻止フィルタである請求項3に記載のデータ処理装置。
  5. ディジタルフィルタ手段が、前記送液ポンプの動作周波数の整数倍を挟んだ可変の帯域幅をフィルタ特性として有する帯域阻止フィルタをさらに加えたものである請求項4に記載のデータ処理装置。
  6. 前記低域通過フィルタは、可変のカットオフ周波数をフィルタ特性として有し、当該液体クロマトグラフ分析に使用する送液ポンプの動作周波数を挟んだ周波数可変幅をもつことを特徴とする請求項3から5のいずれかに記載のデータ処理装置。
  7. 前記波形データの形状に関するピーク情報が、クロマトグラムのピークの保持時間、高さ、面積、半値幅および理論段数のうちの一以上のピーク情報である請求項1から6のいずれかに記載のデータ処理装置。
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