JP6610782B2 - ピーク検出方法及びデータ処理装置 - Google Patents

ピーク検出方法及びデータ処理装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6610782B2
JP6610782B2 JP2018520072A JP2018520072A JP6610782B2 JP 6610782 B2 JP6610782 B2 JP 6610782B2 JP 2018520072 A JP2018520072 A JP 2018520072A JP 2018520072 A JP2018520072 A JP 2018520072A JP 6610782 B2 JP6610782 B2 JP 6610782B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
peak
data
peak candidate
scale
evaluation function
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018520072A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2017208304A1 (ja
Inventor
慎司 金澤
弘明 小澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shimadzu Corp
Original Assignee
Shimadzu Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shimadzu Corp filed Critical Shimadzu Corp
Publication of JPWO2017208304A1 publication Critical patent/JPWO2017208304A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6610782B2 publication Critical patent/JP6610782B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N30/00Investigating or analysing materials by separation into components using adsorption, absorption or similar phenomena or using ion-exchange, e.g. chromatography or field flow fractionation
    • G01N30/02Column chromatography
    • G01N30/86Signal analysis
    • G01N30/8624Detection of slopes or peaks; baseline correction
    • G01N30/8631Peaks
    • G01N30/8637Peak shape
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N30/00Investigating or analysing materials by separation into components using adsorption, absorption or similar phenomena or using ion-exchange, e.g. chromatography or field flow fractionation
    • G01N30/02Column chromatography
    • G01N30/86Signal analysis
    • G01N30/8624Detection of slopes or peaks; baseline correction
    • G01N30/8631Peaks
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N30/00Investigating or analysing materials by separation into components using adsorption, absorption or similar phenomena or using ion-exchange, e.g. chromatography or field flow fractionation
    • G01N30/02Column chromatography
    • G01N30/86Signal analysis
    • G01N30/8603Signal analysis with integration or differentiation
    • G01N30/8617Filtering, e.g. Fourier filtering

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Other Investigation Or Analysis Of Materials By Electrical Means (AREA)
  • Investigating Or Analysing Materials By Optical Means (AREA)

Description

本発明は、例えばクロマトグラフで得られるクロマトグラムや、質量分析装置や分光装置等で得られるスペクトルからピークを検出する方法及び該方法を実行するデータ処理装置に関する。
試料に含まれる成分を分析する装置の1つにクロマトグラフがある。クロマトグラフでは試料を移動相の流れに乗せてカラムに導入し、カラム内で試料中の各成分を時間的に分離した後、検出器で検出してクロマトグラムを作成する。そして、クロマトグラムからピークを検出し、ピーク位置から各成分を同定すると共に、ピーク高さや面積から当該成分の濃度を決定する(例えば特許文献1)。これらの操作のために、クロマトグラムからピークをソフトウエアで自動検出する処理が行われている。スペクトルに関しても同様にピークの自動検出が行われている。
非特許文献1には、ウェーブレット変換を用いてマススペクトルのピークを検出することが記載されている。なお、当該方法はマススペクトルに限らず、波長スペクトルやクロマトグラム等にも適用可能である。一般に、ウェーブレット変換では、孤立した(時間的に局在した)波を表す変数tの関数であって、横軸方向の拡大縮小を表すスケール(scale)と呼ばれる定数と、横軸方向の平行移動を表すトランスレーション(translation)と呼ばれる定数を有する、マザーウェーブレットψ(t)と呼ばれる関数を用いる。測定データを変換対象とする場合には、変数tは測定変数であり、マススペクトルの場合には質量電荷比、光スペクトルの場合には波長、クロマトグラムの場合には時間が該当する。ウェーブレット変換では、変数tを横軸とするグラフで表される対象データx(t)とマザーウェーブレットψ(t)の内積である評価関数d
Figure 0006610782

を計算する(上式中、ψ(t)の上に横線を付したものは、関数ψ(t)の複素共役である)。この評価関数dはスケール及びトランスレーションをパラメータとする関数である。そして、スケール及びトランスレーションを変化させつつdの値を計算する。こうしてウェーブレット変換により得られた評価関数dにつき、その値が極大値となるスケール及びトランスレーションを求める。このスケール及びトランスレーションをパラメータとして有するマザーウェーブレットψ(t)が、対象データx(t)との一致度が最も高いことになる。
マザーウェーブレットψ(t)の一例として、メキシカンハット関数
Figure 0006610782

が挙げられる。ここでaはスケール、bはトランスレーションである。非特許文献1では、メキシカンハット関数を用いてウェーブレット変換を行うことにより評価関数dを求める。そのうえで、評価関数dについて、スケールaをある1つの値に固定して測定変数tを変化させたときに極大値となる点を求める操作を、多数のスケールaの値について行う。こうして求めた点を、測定変数tを横軸、スケールaを縦軸とするグラフ上に表すと、スケールaの方向に延びる1又は複数の線状となる。このように線状に表されるデータを「リッジライン」と呼ぶ。そして、リッジライン上で評価関数dが極大値を有するところの測定変数tの値を、対象データ(マススペクトル)におけるピークの位置(tの値)と決定する。この方法によれば、対象データにおけるピークの強弱等に関わらず、ピークを検出することができる。
クロマトグラムには、成分に由来する本来のピークの他に、幅の狭いピーク状のノイズや、緩やかに立ち上がり幅が広いピーク状のバックグラウンドが重畳することがある。非特許文献1に記載の方法では、これらピーク状のノイズやバックグラウンドもピークとして検出してしまい、検出されたピークが真のピークであるのか、ノイズやバックグラウンドであるのかを判別することができない。スペクトルの場合も同様である。
本発明が解決しようとする課題は、ピークの強弱等に関わらずピークを検出することができ、且つ、検出されたピークが真のピークであるかを判別することができるピーク検出方法及びデータ処理装置を提供することである。
上記課題を解決するために成された本発明に係るデータ処理方法は、測定変数に対する測定値の変化を表すグラフのデータからピークを検出する方法であって、
a) 前記データに対して、極大値を1つのみ有するマザーウェーブレットを用いてウェーブレット変換を行うことにより、該マザーウェーブレットのスケール及びトランスレーションをパラメータとする評価関数を求めるウェーブレット変換ステップと、
b) 前記評価関数が極大値を有するところのトランスレーションに基づいて前記データにおけるピーク候補の位置を求めると共に、該ピーク候補に対応するスケールに基づいて該ピーク候補の幅を決定するピーク候補情報取得ステップと
を有することを特徴とする。
ここで、測定変数とは例えばクロマトグラフの場合の時間、光スペクトルの場合の波長、質量電荷比スペクトルの場合の質量電荷比のことを指し、通常、グラフにおいて測定変数は横軸、測定値は縦軸として表現される。
本発明では、極大値を1つのみ有するマザーウェーブレットを用いてウェーブレット変換を行い、評価関数が極大値を有するところのトランスレーションに基づいて前記データにおけるピーク候補の位置を求めると共に、該ピーク候補に対応するスケールに基づいて該ピーク候補の幅を決定する。こうして決定されたピーク候補の幅は、該ピーク候補が試料中の成分に由来する本来のピークであるのか、本来のピークとは異なるもの(ノイズやバックグラウンド等)であるのかを判別する指標となる。
スケールは、ピーク候補の幅と同じ値ではないものの、マザーウェーブレットが極大値を1つのみ有する場合には該幅との間で相関関係がある。なお、マザーウェーブレットが極大値が2つ以上有する場合には、該マザーウェーブレットが前記データにおける複数個のピークとの一致度が高いことを意味している可能性があるため、スケールとデータのピークを対応付けることができない。そのため、本発明では極大値を1つのみ有するマザーウェーブレットを用いる。
前記マザーウェーブレットには、典型的にはメキシカンハット関数が挙げられる。あるいは、ガウス差分と呼ばれる、幅の異なる2つのガウス関数の差を取った関数を前記マザーウェーブレットして用いることもできる。以下、マザーウェーブレットとしてメキシカンハット関数を用いる場合を例として、ピーク候補の幅を決定する方法を説明する。ここでは、ガウス分布を有するピークが1個のみ存在するデータをモデルとして仮定し、該モデルのピークの幅を未知の値σpとする。また、このモデルのデータに対してウェーブレット変換を行うと、内積dtopは、スケールをσfとして
Figure 0006610782

と表される。ここで、
Figure 0006610782

である。ここで、内積dtopにスケールσf mを乗じた評価関数
S(σp, σf, m)=σf m dtopp, σf) …(5)
を導入する。この評価関数Sがσfの関数として極大値を取るとき、すなわち(∂S/∂σf)=0のとき、
σf=((5+2m)/(1-2m))1/2σp …(6)
となる。
(5)式の評価関数Sにおいてm=0とすれば、内積dtopそのものが評価関数Sとなる。この場合、評価関数Sの極大値におけるスケールをσfmaxとすると、σp=5-1/2σfmaxとなる。また、(5)式においてm=-1とすれば、σpfmaxとなる。mの値をこれら0及び-1以外の値とした場合にも、同様にσfmaxとσpの関係を求めることができる。
そこで、実際のデータをウェーブレット変換することにより得られる内積dから評価関数Sを求め、得られた評価関数Sからリッジラインを作成し、該リッジラインにおいて評価関数Sが極大値となるスケールσfmaxを求めることにより、ピーク候補の幅σpを決定することができる。
なお、メキシカンハット関数以外のウェーブレット関数を用いる場合にも、上記と同様の方法を用いてピーク候補の幅を決定することができる。
本発明に係るピーク検出方法は、
複数の前記ピーク候補のうち前記スケールの値が小さい方から順に1又は複数個のピーク候補を前記データから除去することにより、幅広ピーク候補検出用データを作成し、
前記データを前記幅広ピーク候補検出用データに置き換えて、前記ウェーブレット変換ステップ及び前記ピーク候補情報取得ステップを行う
という処理を行うこともできる。
一般に、幅の広いピーク候補ほどピーク強度が小さくなることから検出し難くなるが、この幅広ピーク候補検出用データを用いた処理によれば、幅の狭いピーク候補の影響を除去したうえで、ウェーブレット変換ステップ、ピーク候補位置決定ステップ及びピーク候補幅決定ステップを行うため、幅の広いピーク候補を検出し易くなる。なお、幅広ピーク候補検出用データを作成する際に一部のピーク候補を除去することは、当該ピーク候補を偽のピークと判別することを意味するのではない。それらのピーク候補については、前記データから除去される前に決定された幅に基づいて真偽を判別すればよい。
本発明に係るデータ処理装置は、測定変数に対する測定値の変化を表すグラフのデータからピークを検出するデータ処理を行う装置であって、
a) 前記データに対して、極大値を1つのみ有するマザーウェーブレットを用いてウェーブレット変換を行うことにより、該マザーウェーブレットのスケール及びトランスレーションを変数とする評価関数を求めるウェーブレット変換部と、
b) 前記評価関数が極大値を有するところのトランスレーションに基づいて前記データにおけるピーク候補の位置を求めると共に、該ピーク候補に対応するスケールに基づいて該ピーク候補の幅を決定するピーク候補情報取得部と
を備えることを特徴とする。
本発明によれば、ウェーブレット変換を行うことでピークの強弱等に関わらずピーク候補を検出することができ、且つ、検出されたピーク候補の幅を決定することができる。こうして決定されたピーク候補の幅に基づいて、該ピーク候補が真のピークであるかを判別することができる。
本発明に係るデータ処理装置の第1実施形態を示す概略構成図。 本発明に係るデータ処理方法の第1実施形態を示すフローチャート。 第1実施形態のデータ処理方法による処理を行った実施例1における処理対象のデータを示すグラフ。 実施例1においてウェーブレット変換により得られた評価関数から、リッジライン及び該リッジライン上の評価関数の極大値の位置を求めた例を示すグラフ。 本発明に係るデータ処理装置の第2実施形態を示す概略構成図。 本発明に係るデータ処理方法の第2実施形態を示すフローチャート。 第2実施形態のデータ処理方法による処理を行った実施例2において、ウェーブレット変換により決定された幅に基づいて、元のデータから幅の狭いピークを除去した例を示すグラフ。 幅の狭いピークを除去したデータをウェーブレット変換することにより得られた評価関数から、幅の広いピークに対応するリッジライン及び該リッジライン上の評価関数の極大値の位置を求めた例を示すグラフ。
図1〜図8を用いて、本発明に係るピーク検出方法及びデータ処理装置の実施形態を説明する。
第1実施形態のデータ処理装置10は、データ記録部1、表示装置2及び入力装置3と共に用いられる。データ記録部1は、液体クロマトグラフやガスクロマトグラフ等が有する検出器によって測定時に得られたデータを記録する装置であり、ハードディスクやメモリ等から成る。データ記録部1は、図1に示した例ではデータ処理装置10の外に設けているが、データ処理装置10内に設けてもよい。表示装置2は、データ処理装置10によるデータ処理中の情報やデータ処理の結果を表示するディスプレイである。入力装置3は、ユーザが必要な情報をデータ処理装置10に入力するための装置であって、キーボードやマウス等から成る。
データ処理装置10は、クロマトグラム作成部11、ウェーブレット変換部12、ピーク候補情報取得部13及びピーク決定部14を有する。ピーク候補情報取得部13は、ピーク候補位置決定部131及びピーク候補幅決定部132を有する。これら各部は、実際にはコンピュータのCPUやメモリ等のハードウエア、及びソフトウエアにより具現化されている。以下、図2のフローチャートを用いて、本発明に係るデータ処理方法の第1実施形態を説明すると共に、第1実施形態のデータ処理装置10の各部の機能を説明する。
まず、クロマトグラム作成部11は、データ記録部1からデータを取得して、従来と同様の方法によりクロマトグラムC(t)を作成する(ステップS1)。このクロマトグラムC(t)は上述の「測定値の変化を表すグラフのデータ」に該当し、tは時間であって上述の測定変数に該当する。スペクトルについて処理を行う場合には、クロマトグラムを作成する操作は不要であり、データ記録部1からデータを取得すればよい
次に、ウェーブレット変換部12は、クロマトグラムC(t)をウェーブレット変換することにより、評価関数を求める(ステップS2)。ウェーブレット変換では、前述の(1)式における対象データx(t)をクロマトグラムC(t)とし、マザーウェーブレットψ(t)としてメキシカンハット関数やガウス差分等の極大値を1つのみ有する関数を用いて内積を求める。こうして求めた内積そのものを評価関数としてもよいし、(5)式に示したように内積にσf m(ここでσfはスケール)を乗じたものを評価関数としてもよい。この評価関数は、スケール及びトランスレーションをパラメータとする関数である。
続いて、ピーク候補情報取得部13は、ステップS2で求めた評価関数からリッジラインを作成し(ステップS3)、得られたリッジライン上で評価関数の値が極大値となる点を求める。リッジラインは、スケールσfをある1つの値に固定して測定変数tを変化させたときに極大値となる点を求める操作を、多数のスケールσfの値について行うことにより作成する。ここで得られるリッジラインは1つには限られず、多くの場合には複数存在することから、リッジライン上で評価関数の値が極大値となる点は、それら極大値の各々について求める。ピーク候補位置決定部131は、こうして得られた極大値における測定変数の値をクロマトグラムC(t)においてピーク候補が存在する位置(時間)として求め(ステップS4)、ピーク候補幅決定部132はピーク候補の各々についてスケールに基づきピーク候補の幅を決定する(ステップS5)。これらステップS3〜S5は、前述のピーク候補情報取得ステップに該当する。なお、ステップS4とS5は同時並行で行ってもよいし、ステップS5の方を先に行ってもよい。ピーク候補の幅は、例えば(5)式及び(6)式を用いると、m=0(内積が評価関数)の場合には極大値におけるスケールの5-1/2倍の値、m=-1の場合には極大値におけるスケールと同じ値となる。
その後、ピーク決定部27は、得られた幅の値から、対応するピーク候補が真のピークであるか、ノイズやバックグラウンド等、真のピークではないものであるかを判別し(ステップS6)、処理を終了する。真のピークであるか否かは、典型的には、幅の上限値及び下限値を定めておき、得られた幅が上限値と下限値の間にあれば真のピークであり、それらの間になければ真のピークではない、と判別する。あるいは、位置(時間)を複数の区間に分け、区間毎に幅の上限値及び下限値を定めてもよい。本実施形態ではピーク決定部14がこの判別を自動的に行うが、その代わりに、幅の値を表示装置2に表示したうえで人が判別を行うようにしてもよい。
次に、第1実施形態のデータ処理方法によりピーク検出を行った例(実施例1)を説明する。実施例1では、図3のグラフに示したデータを処理対象とした。このデータには、10個のピーク(P01〜P10)と、それらピークよりも幅が広い1個のピーク状プロファイルPB1が見られる。
本実施例では、このデータに対して、メキシカンハット関数をマザーウェーブレットとするウェーブレット変換を行うことにより内積を求め、その内積にσf -1((5)式においてm=-1)を乗じたものを評価関数とした。この例では、評価関数が極大値を有するところのスケールの値をそのまま、元のデータのピーク候補における幅と決定する。
図4に、リッジラインを求めた結果を示す。図4では、2次元グラフの横軸に時間(測定変数。元のデータの横軸と同じ。)を、縦軸にスケールσfを取り(σfは底が2の対数とした)、以下のようにデータを表した。まず、スケールσfを1つの値に固定し、測定変数を変化させることにより、当該スケールσfの値における評価関数が極大値となる点を求める。この操作を、スケールσfの値を少しずつ変えながら繰り返し行う。そうすると、図4のグラフには、縦軸方向に延びる点の列が1つのピーク候補につき1本ずつ現れる。これら点の列がリッジラインである。そして、各リッジラインにつきそれぞれ、評価関数が極大値となるスケールσfを求めることにより、図4の2次元グラフ上で極大値となる位置を特定することができる。
図4のグラフより、評価関数が極大値となる10個の点(図中の×印)が得られた。これら10個の点はピークP01〜P10に対応しており、いずれもσf、すなわち元のデータの幅がほぼ同じ値となっている。このグラフには、符号Nを付した多数の点列が見られるが、これらはノイズである。
一方、図4のグラフにはピーク状プロファイルPB1に対応する点列も見られるが、σfが大きいところにおいてP05及びP06と重なることによる影響が大きいため、この実施例1からはピーク状プロファイルPB1に対応するピーク候補の幅を見積もることはできなかった。次に、このように他のピークとの重なりがある場合にもピーク候補の幅を見積もることができる方法である、本発明に係る第2実施形態について説明する。
第2実施形態に係るデータ処理装置20の概略構成を図5に示す。このデータ処理装置20は、第1実施形態のデータ処理装置10に幅広ピーク候補検出用データ作成部21を加えた構成を有する。以下、図6のフローチャートを用いて、本発明に係るデータ処理方法の第2実施形態を説明すると共に、幅広ピーク候補検出用データ作成部21の機能を説明する。
まず、ステップS11〜S15では、第1実施形態のピーク処理方法のステップS1〜S5と同様の操作を行うことにより、ピーク候補が存在する位置(時間)及びピーク候補の幅を決定する。
次に、幅広ピーク候補検出用データ作成部21が、ピーク候補のうち、決定された幅の値が小さいものから順に1又は複数個のピーク候補を選択する(ステップS16)。続いて、ステップS17において、幅広ピークの検出操作を実行するか判定する。この判定の方法として、例えば前述のようにピーク状プロファイルPB1のように極大値を求めることができなかった場合にYESとしたり、あるいは、データの内容に関わりなくステップS17を所定回数実行するまでYESとする、等が挙げられる。
ステップS17でYESの場合には、選択されたピーク候補について、真のピークであるか否かを判別する(ステップS18)。そして、クロマトグラムC(t)から、選択されたピーク候補の位置及び幅に対応する範囲内のデータを除去し、当該範囲内のデータを直線や曲線で補間することにより、幅広ピーク候補検出用データを作成する(ステップS19)。その後、ステップS12に戻り、幅広ピーク候補検出用データに基づいてステップS12〜S16の操作を繰り返す。このとき、幅広ピーク候補検出用データでは元のデータよりもピーク又はピーク状プロファイルの数が少なくなっているため、幅の広いピークを検出し易くなる。これらステップS12〜S16の操作は、ステップS17でNOとなるまで繰り返し実行される。
一方、ステップS17でNOの場合には、ピーク決定部が、その時点で残った全てのピーク候補について真のピークであるか否かを判別し(ステップS20)、処理を終了する。
以下、第2実施形態のデータ処理方法によりピーク検出を行った例(実施例2)を説明する。実施例2では、実施例1と同様に図3のグラフに示したデータを処理対象とする。まず、実施例1と同じ方法により、10個のピークP01〜P10を検出する。そして、検出されたピークP01〜P10について求めた位置及び幅に基づいて、元の図3のデータからピークP01〜P10の部分のデータを除去し、除去した部分を補間することにより幅広ピーク候補検出用データを作成した。作成した幅広ピーク候補検出用データのグラフを図7に示す。そして、この幅広ピーク候補検出用データに基づいてリッジラインを作成した。当該リッジラインを図8に示す。ピーク状プロファイルPB1に対応して縦軸方向に延びる点の列が1列形成され、評価関数が極大値となる位置が特定されている。この列の近傍には他の点列がなく、他のピーク等の影響を受けることなくピーク状プロファイルPB1の位置及び幅を決定することができた。なお、ピーク状プロファイルPB1に対応するもの以外の点列は、データの補間の際に生じた不連続性等によるノイズである。
1…データ記録部
2…表示装置
3…入力装置
10、20…データ処理装置
11…クロマトグラム作成部
12…ウェーブレット変換部
13…ピーク候補情報取得部
131…ピーク候補位置決定部
132…ピーク候補幅決定部
14…ピーク決定部
21…幅広ピーク候補検出用データ作成部

Claims (2)

  1. 測定変数に対する測定値の変化を表すグラフのデータからピークを検出する方法であって、
    記データに対して、極大値を1つのみ有するマザーウェーブレットを用いてウェーブレット変換を行うことにより、該マザーウェーブレットのスケール及びトランスレーションをパラメータとする評価関数を求めるウェーブレット変換ステップと、
    記評価関数が極大値を有するところのトランスレーションに基づいて前記データにおけるピーク候補の位置を求めると共に、該ピーク候補に対応するスケールに基づいて該ピーク候補の幅を決定するピーク候補情報取得ステップと
    複数の前記ピーク候補のうち前記スケールの値が小さい方から順に1又は複数個のピーク候補を前記データから除去することにより、幅広ピーク候補検出用データを作成する幅広ピーク候補検出用データ作成ステップと、
    を有し、
    前記幅広ピーク候補検出用データ作成ステップを実行した後、前記データを前記幅広ピーク候補検出用データに置き換えて、再び前記ウェーブレット変換ステップ及び前記ピーク候補情報取得ステップを行う
    ことを特徴とするピーク検出方法。
  2. 測定変数に対する測定値の変化を表すグラフのデータからピークを検出するデータ処理を行う装置であって、
    記データに対して、極大値を1つのみ有するマザーウェーブレットを用いてウェーブレット変換を行うことにより、該マザーウェーブレットのスケール及びトランスレーションを変数とする評価関数を求めるウェーブレット変換部と、
    記評価関数が極大値を有するところのトランスレーションに基づいて前記データにおけるピーク候補の位置を求めると共に、該ピーク候補に対応するスケールに基づいて該ピーク候補の幅を決定するピーク候補情報取得部と
    複数の前記ピーク候補のうち前記スケールの値が小さい方から順に1又は複数個のピーク候補を前記データから除去することにより、幅広ピーク候補検出用データを作成する幅広ピーク候補検出用データ作成部と、
    を備え、
    前記幅広ピーク候補検出用データ作成部によって前記幅広ピーク候補検出用データを作成した後に、前記データを前記幅広ピーク候補検出用データに置き換えて、再び前記ウェーブレット変換部及び前記ピーク候補情報取得部による処理を行う
    ことを特徴とするデータ処理装置。
JP2018520072A 2016-05-30 2016-05-30 ピーク検出方法及びデータ処理装置 Active JP6610782B2 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2016/065915 WO2017208304A1 (ja) 2016-05-30 2016-05-30 ピーク検出方法及びデータ処理装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2017208304A1 JPWO2017208304A1 (ja) 2019-02-28
JP6610782B2 true JP6610782B2 (ja) 2019-11-27

Family

ID=60479215

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018520072A Active JP6610782B2 (ja) 2016-05-30 2016-05-30 ピーク検出方法及びデータ処理装置

Country Status (4)

Country Link
US (1) US20200378933A1 (ja)
JP (1) JP6610782B2 (ja)
CN (1) CN109219748B (ja)
WO (1) WO2017208304A1 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112415511A (zh) * 2020-12-04 2021-02-26 安徽圭目机器人有限公司 基于小波变换的浅层对地雷达信号去除地面波的方法
CN114895315A (zh) * 2022-05-10 2022-08-12 上海灵昉科技有限公司 一种基于多峰检测的传感器图像处理方法以及处理装置
CN117851734A (zh) * 2023-12-05 2024-04-09 广东省水利水电科学研究院 基于小波变点检测的小波分析方法、系统及存储介质

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3390343B2 (ja) * 1998-06-30 2003-03-24 株式会社山武 振動成分検出方法および振動成分検出装置およびプログラム記憶媒体
JP2001218747A (ja) * 2000-02-10 2001-08-14 Tokyo Denki Univ 心電図解析システム、および、そのためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体
US20040102906A1 (en) * 2002-08-23 2004-05-27 Efeckta Technologies Corporation Image processing of mass spectrometry data for using at multiple resolutions
JP4218824B2 (ja) * 2002-11-13 2009-02-04 隆之 大河内 木材の年輪箇所検出方法および年輪幅計測方法
CN101726607A (zh) * 2008-10-24 2010-06-09 上海申瑞电力科技股份有限公司 气体检测中低频微弱信号的检测方法
CN101929989A (zh) * 2009-06-24 2010-12-29 陈喆 一种代谢谱峰位置分辨与对齐的方法
GB2477986C (en) * 2010-02-22 2013-12-25 Toshiba Res Europ Ltd Method and apparatus for crest factor reduction
CN102735759A (zh) * 2012-07-13 2012-10-17 南京信息工程大学 一种基于脊的兰姆波信号去噪方法
US9080246B2 (en) * 2012-10-12 2015-07-14 Galvanotech Selective plating apparatus and method
US10198630B2 (en) * 2013-09-09 2019-02-05 Shimadzu Corporation Peak detection method

Also Published As

Publication number Publication date
US20200378933A1 (en) 2020-12-03
WO2017208304A1 (ja) 2017-12-07
CN109219748B (zh) 2021-03-12
JPWO2017208304A1 (ja) 2019-02-28
CN109219748A (zh) 2019-01-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6610678B2 (ja) ピーク検出方法及びデータ処理装置
CN111316095B (zh) 波形分析装置
JP6610782B2 (ja) ピーク検出方法及びデータ処理装置
JPWO2015056329A1 (ja) 波形中のピーク端点検出方法および検出装置
Zushi et al. Pixel-by-pixel correction of retention time shifts in chromatograms from comprehensive two-dimensional gas chromatography coupled to high resolution time-of-flight mass spectrometry
Bauer et al. Evaluation of peak-picking algorithms for protein mass spectrometry
US10928367B2 (en) Peak extraction method and program
Mani-Varnosfaderani et al. Estimating complicated baselines in analytical signals using the iterative training of Bayesian regularized artificial neural networks
TWI493168B (zh) 分析質譜的方法、電腦程式及系統
JP6256162B2 (ja) 信号波形データ処理装置
JP2011257206A (ja) ピーク検出方法及び装置
JP6493076B2 (ja) ピーク波形処理装置
Sloboda Boundary transformation representation of attractor shape deformation
JP7414125B2 (ja) 波形情報推定方法及び装置、並びに、ピーク波形処理方法及び装置
Hanke et al. Fourier transform assisted deconvolution of skewed peaks in complex multi-dimensional chromatograms
Parastar et al. Automated 2D peak detection in gas chromatography-ion mobility spectrometry through persistent homology
JP6597883B2 (ja) ピーク検出方法及びデータ処理装置
IL305192A (en) Methods and systems for Raman spectrum-based identification of chemical compounds
WO2018037487A1 (ja) データ処理方法及び装置
US20230280316A1 (en) Learning data producing method, waveform analysis device, waveform analysis method, and recording medium
JP7480843B2 (ja) ピークトラッキング装置、ピークトラッキング方法およびピークトラッキングプログラム
JP7571791B2 (ja) ピーク形状推定装置およびピーク形状推定方法
US20230280318A1 (en) Learning data producing method, waveform analysis device, waveform analysis method, and recording medium
WO2022230162A1 (ja) 分析装置及び分析装置用波形処理プログラム
Milani et al. Generating realistic data through modeling and parametric probability for the numerical evaluation of data processing algorithms in two-dimensional chromatography

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181026

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181026

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20191001

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20191014

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6610782

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151