JP2017207116A - 油圧機器用油圧回路 - Google Patents

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俊希 宮島
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Abstract

【課題】第1ポンプによって機器の動作に最低限必要な第1油圧を供給しながら、第2ポンプによって機器の制御に必要な第2油圧を交互に供給する油圧回路において、機器の駆動圧の大小関係が切り替わる際、圧力の変動を好適に抑制する。
【解決手段】第1逆止弁9を備えた第1ライン1によって第1プーリーPu1と第1ポンプ10を接続する。第2逆止弁11を備えた第2ライン2によって、第2プーリーPu2と第1ポンプ10を接続する。第1ライン1から分岐した第1リリーフライン7を、第1リリーフバルブ30を介して第1逆止弁9の上流側と下流側に接続する。第2リリーフライン8についても第2逆止弁11に対し同様に接続する。第1及び第2リリーフバルブ30,40のフィードバック圧として、第2及び第1プーリー駆動圧P2,P1をそれぞれ別個に導入する。第1及び第2リリーフバルブのパイロット圧は、PL圧を別個に導入する。
【選択図】図1

Description

本発明は油圧機器用油圧回路に関し、より詳細には一対で動作する油圧機器に対し第1ポンプによって機器の動作に最低限必要な第1油圧を常時供給しながら、第2ポンプによって機器の制御に必要な第2油圧を交互に供給する油圧機器用油圧回路に関するものである。
従来、エンジンによって常時駆動されるエンジン駆動ポンプと、モータによって駆動される電動ポンプとを備え、エンジン駆動ポンプはベルトを挟むために必要な油圧を常時供給するのに対し、電動ポンプは第1プーリーと第2プーリーとの間でオイルを可逆的に移動させることにより変速比制御のために必要な油圧を供給するベルト式無段変速機(CVT)用油圧回路が知られている(例えば、特許文献1を参照。)。
エンジン駆動ポンプから第1プーリー及び第2プーリーに至るオイル供給系統において、エンジン駆動ポンプの出口にはポンプ用レギュレータが接続され、ポンプ用レギュレータは1次圧力ラインに接続されている。そして、1次圧力ラインは切替弁の入力ポートに接続され、切替弁の2つの出力ポートには第1プーリー2次圧力ライン、第2プーリー2次圧力ラインがそれぞれ接続されている。そして、第1プーリー2次圧力ラインは第1プーリー油室に、第2プーリー2次圧力ラインは第2プーリー油室にそれぞれ接続されている。
切替弁は、入力ポートと2つの出力ポートとに加えて、両軸端にフィードバックポートをそれぞれ有する。各フィードバックポートには各プーリー2次圧力ラインから分岐した第1プーリー駆動圧に係る第1プーリーフィードバックライン、第2プーリー駆動圧に係る第2プーリーフィードバックラインがそれぞれ接続されている。
従って、第1プーリー駆動圧と第2プーリー駆動圧との間に圧力差が発生すると、切替弁の弁体が軸方向に移動し、これにより、プーリー駆動圧が低い側のプーリー(低圧プーリー)と1次圧力ラインとが連通する一方、プーリー駆動圧が高い側のプーリー(高圧プーリー)と1次圧力ラインとが遮断される。つまり、上記CVT用油圧回路では、切替弁によって常時オイルが低圧プーリーへ供給されるように構成されている。
ところで、上記切替弁の弁体は2つの大径部を有し、各大径部は2つの出力ポートを別個に開閉する。つまり、一の大径部が一の出力ポート開口を開けている間、他方の大径部は他の出力ポート開口を閉じている。また、大径部間の周状凹部は、1次圧力ラインと第1プーリー2次圧力ライン、或いは1次圧力ラインと第2プーリー2次圧力ラインを別個に連通させる油路となる。
特開2005−226730号公報
上記特許文献1には、切替弁の出力ポート間距離Xと大径部間距離Yは等しくなるように設計されるという旨の記載がある(例えば、[0035]を参照。)。
しかし、製造機械の精度、部品単体の寸法公差、および組立精度等のため、出力ポート間距離Xと大径部間距離Yが等しくなるように切替弁を製造することは現実には不可能であると考えられる。
従って、切替弁の中立状態においては、大径部が出力ポート開口を完全には閉じていないアンダーラップ位置関係(X<Y)か、或いは大径部が出力ポート開口を閉じているオーバーラップ位置関係(X>Y)かの何れかを取るものと考えられる。
アンダーラップ位置関係の場合、弁体が移動する過程で、2つのプーリーと1次圧力ラインとが互いに連通するバルブストローク位置が存在するようになる。そのため本来閉じるべき出力ポートからオイルが漏れて、プーリーの変速比制御に必要とされる油圧を供給することが出来ず、その結果、プーリー変速比制御が出来なくなるという問題がある。
一方、オーバーラップ位置関係の場合、弁体が移動する過程で、1次圧力ラインが何れのプーリーにも連通していないバルブストローク位置が存在するようになる。そのため、CVTの摩擦伝動に最低限必要とされる油圧を供給することが出来なくなるという問題がある。
そこで、本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み成されたものであり、その目的は、一対で動作する油圧機器に対し第1ポンプによって機器の動作に最低限必要となる第1油圧を常時供給しながら、第2ポンプによって機器の制御に必要となる第2油圧を交互に供給すると共に、油圧機器の駆動圧の大小関係が切り替わる際、駆動圧の圧力変動が好適に抑制され、これにより駆動圧の不連続点が生じないスムーズな油圧機器の変速比制御を可能とさせる油圧機器用油圧回路を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明に係る油圧機器用油圧回路は、一対で動作する第1及び第2油圧機器(Pu1、Pu2)と、前記第1及び第2油圧機器を駆動するために最低限必要となる第1油圧(PL圧)を常時供給する第1ポンプ(10)と、前記第1及び第2油圧機器に対し交互に制御用の第2油圧を供給する第2ポンプ(20)と、前記第1ポンプ(10)と前記第1油圧機器(Pu1)を接続する第1ライン(1)と、前記第1ポンプ(10)と前記第2油圧機器(Pu2)を接続する第2ライン(2)と、前記第1ライン(1)から分岐した第7ライン(7)と、前記第2ライン(2)から分岐した第8ライン(8)と、フィードバック圧とパイロット圧との力の釣り合いによって前記第7及び第8ライン(7、8)をそれぞれ開閉する第1バルブ(30)及び第2バルブ(40)と、フィードバック圧とパイロット圧との力の釣り合いによって前記第1ポンプ(10)の吐出圧を前記第1油圧(PL圧)に調圧する圧力調整弁(50)とを備えた油圧機器用油圧回路であって、前記第1及び第2ライン(1、2)は、前記第1ポンプ(10)へのオイルの流入を阻止する第1逆止弁(9)及び第2逆止弁(11)をそれぞれ備え、前記第7及び第8ライン(7、8)は、一端が前記第1又は第2逆止弁(9、11)の上流側にそれぞれ接続され且つ他端が該逆止弁(9、11)の下流側にそれぞれ接続され、前記第1及び第2バルブ(30、40)は、フィードバック圧として、前記第2油圧機器(Pu2)の第2駆動圧(P2)又は前記第1油圧機器(Pu1)の第1駆動圧(P1)をそれぞれ別個に取り込むと共に、パイロット圧として前記第1ポンプ(10)の吐出圧(PL圧)を別個に取り込むことを特徴とする。
上記構成では、第7ライン(7)は第1バルブ(30)によって開閉され、且つ第1逆止弁(9)の上流側と下流側とをバイパスする油路となっている。同様に、第8ライン(8)は第2バルブ(40)によって開閉され、且つ第2逆止弁(11)の上流側と下流側とをバイパスする油路となっている。更に、フィードバック圧について第1及び第2油圧機器(Pu1、Pu2)と第1及び第2バルブ(30、40)との接続関係が互いに交差(クロス)する関係となっている。
その結果、例えば、第2油圧機器(Pu2)の第2駆動圧(P2)が第1油圧機器(Pu1)の第1駆動圧(P1)より大きくなるとき、高圧側の第2駆動圧(P2)によって低い側の第1バルブ(30)が開く(リリーフする)ようになる。これにより第7ライン(7)が第1ポンプ(10)に連通するようになる。これにより、低い側の第1油圧機器(Pu1)は第7ライン(7)を介してオイルが第1ポンプ(10)から供給され或いは第1ポンプ(10)に戻されることとなる。この場合、第1逆止弁(9)の前後において圧力差がなくなり、第1逆止弁(9)は閉じるようになる。すなわち、第1バルブ(30)がリリーフすると、第1逆止弁(9)は自動的に閉じるようになる。また、高圧側の第2バルブ(40)は、低圧側の第1駆動圧(P1)が第1ポンプ(10)の吐出圧(PL圧)に等しいため、閉じている。更に、高圧側の第2逆止弁(11)は、下流側の圧力(第2駆動圧)が上流側の圧力(PL圧)より高いため、閉じている。
このように、本油圧回路では、{油圧機器の駆動圧(P1、P2)の大小関係が切り替わる非定常状態(P1=P2)以外の}定常状態(P1<P2、P1>P2)において、オイルは低圧側の第1又は第2バルブ(30、40)を介して第1ポンプ(10)から供給され或いは第1ポンプ(10)に戻されることとなる。一方、駆動圧の大小関係が切り替わる非定常状態(P1=P2)においては、第1及び第2油圧機器の駆動圧(P1、P2)が第1油圧(PL圧)を下回る場合に限り、オイルが次に低圧側となる第1又は第2逆止弁(9、11)を介して第1ポンプ(10)から供給されることとなる。
従って、本油圧回路では、第1及び第2油圧機器の駆動圧(P1、P2)が、第1ポンプ(10)の吐出圧(PL圧)を下回らなくなる。また、駆動圧の大小関係が切り替わる非定常状態(P1=P2)において、第1及び第2油圧機器の駆動圧(P1、P2)が第1油圧(PL圧)を下回る場合に限り、次に低圧側となる第1又は第2逆止弁(9、11)を介してオイルが供給される。他方、上記非定常状態において、第1及び第2油圧機器の駆動圧(P1、P2)が第1油圧(PL圧)を上回る場合は、第1及び第2バルブ(30、40)を介してオイルが第1ポンプ(10)に戻されることとなる。これにより、駆動圧の大小関係が切り替わる非定常状態(P1=P2)において、駆動圧の圧力変動が好適に抑制されることとなる。その結果、第1及び第2油圧機器の駆動圧(P1、P2)の大小関係が交互にスムーズに切り替わるようになる。
また、第1及び第2油圧機器(Pu1、Pu2)を流れるオイル流量(Q1、Q2)の総和は、低圧側の第1又は第2バルブ(30、40)を流れるオイル流量(Q7、Q8)に殆ど等しくなる。これにより、オイル流量を利用して第1及び第2油圧機器(Pu1、Pu2)に対する変速比制御が可能となる。
本発明に係る油圧機器用油圧回路の第2の特徴は、前記第1及び第2バルブ(30、40)は、フィードバック圧とパイロット圧との力の釣り合いに係る少なくとも3つのバルブ位置(A、B、C)を有していることである。
上記構成では、例えば、第2油圧機器(Pu2)の第2駆動圧(P2)が一定圧(PL圧+設定圧)を超える場合は、低圧側の第1バルブ(30)は全開状態(バルブ位置C)となる。一方、第1駆動圧(P1)が一定圧(PL圧+設定圧)を超えない高圧側の第2バルブ(40)は閉状態(バルブ位置A)となる。
更に、第1及び第2油圧機器の駆動圧(P1、P2)の大小関係が切り替わる非定常状態において、第1及び第2逆止弁(9、10)の下流側の圧力(P1、P2)が上流側の圧力(PL圧)より大きくなる場合、第1及び第2バルブ(30、40)は開状態(バルブ位置B)となり、第1油圧(PL圧)を超える余剰圧力に係るオイルを第7ライン(7)及び第8ライン(8)を介して第1ポンプ(10)に戻すこととなる。なお、上記非定常状態において、第1及び第2逆止弁(9、10)の下流側の圧力(P1、P2)が上流側の圧力(PL圧)を下回る場合、第1及び第2バルブ(30、40)は閉状態(バルブ位置A)となるが、次に低圧側となる第1又は第2逆止弁(9、10)が開となり、オイルが第1ポンプ(10)より供給されることとなる。これにより、第1及び第2油圧機器の駆動圧(P1、P2)の大小関係が切り替わる非定常状態(P1=P2)において、駆動圧(P1、P2)の圧力変動が好適に抑制されるようになる。その結果、第1及び第2駆動圧(P1,P2)の大小関係が交互にスムーズに切り替わるようになる。
本発明に係る油圧機器用油圧回路の第3の特徴は、前記第1バルブ(30)及び前記第2バルブ(40)は、外周面に凹凸が形成された弁体(31、41)、該弁体が摺動するボディ(32、42)、及び該弁体を付勢するスプリング(33、43)によって構成され、前記第1又は第2駆動圧(P1、P2)と前記第1ポンプの吐出圧(PL圧)が前記弁体(31、41)の両軸端にそれぞれ作用することである。
上記構成では、第1又は第2油圧機器の駆動圧(P1、P2)が、第1ポンプの吐出圧(PL圧)とスプリング荷重圧(PS)との総和を超えるときに、弁体(31、41)が軸方向に素早く動き始め、対応するバルブ位置(B、C)でバランスするようになる。これにより、第1又は第2油圧機器(Pu1、Pu2)は、第7ライン(7)又は第8ライン(8)を介して瞬時に第1ポンプ(10)に連通するようになる。これにより、駆動圧の大小関係が交互にスムーズに切り替わるようになる。
本発明に係る油圧機器用油圧回路の第4の特徴は、前記第1又は第2駆動圧(P1、P2)が作用する前記弁体(31、41)の作用面積と、前記第1ポンプの吐出圧(PL圧)が作用する前記弁体(31,41)の作用面積は互いに等しいことである。
上記構成では、第1又は第2駆動圧(P1、P2)の大きさと弁体(31、41)の移動量との関係が単純化(直線化)され、油圧機器(Pu1、Pu2)に対する制御性が向上する。
本発明に係る油圧機器用油圧回路の第5の特徴は、前記圧力調整弁(50)に対し前記第1油圧(PL圧)に係るパイロット圧を供給するリニアソレノイド(60)が与えられると共に、該リニアソレノイド(60)の元圧は前記第1ポンプ(10)の吐出圧であることである。
上記構成では、圧力調整弁(50)はパイロット圧を基に第1ポンプ(10)の吐出圧をPL圧に調圧すると共に、そのパイロット圧は、第1ポンプ(10)の吐出圧を元圧としてリニアソレノイド(60)によって作り出される。つまり、第1ポンプ(10)の吐出圧は、リニアソレノイド(60)によって所望の圧力(PL圧)に調圧することが可能となる。
本発明に係る油圧機器用油圧回路の第6の特徴は、前記第1及び第2油圧機器(Pu1、Pu2)は、一対のプーリー機構である。
上記構成では、駆動圧が低い側のプーリーでは第1ポンプ(10)によって駆動圧が常に摩擦伝動に最低限必要とされるPL圧に維持されると共に、駆動圧が高い側のプーリーでは第2ポンプ(20)によってプーリー変速比制御に必要な油圧が過不足なく供給されるようになる。
本発明の油圧機器用油圧回路によれば、一対で動作する第1及び第2油圧機器(Pu1、Pu2)に対し第1ポンプ(10)によって動作上最低限必要となる第1油圧(PL圧)を常時供給しながら、第2ポンプ(20)によって変速比制御上必要となる第2油圧を交互に供給することが可能となる。また、第1及び第2油圧機器の駆動圧(P1、P2)の大小関係が切り替わる際、駆動圧の圧力変動が好適に抑制される。その結果、駆動圧の不連続点が生じないスムーズな油圧機器の変速比制御が可能となる。
また、第1及び第2油圧機器の駆動圧(P1、P2)の大小関係が切り替わった直後に、低圧側の第1又は第2バルブ(30、40)はリリーフし、低圧側の油圧機器は第1ポンプ(10)に連通するようになる。これより、第1及び第2油圧機器(Pu1、Pu2)を流れる流量(Q1、Q2)の総和が、低圧側の第1又は第2バルブ(30、40)を流れる流量(Q7、Q8)に殆ど等しくなる。その結果、オイル流量に基づく第1及び第2油圧機器(Pu1、Pu2)に対する変速比制御が可能となる。
本実施形態に係る油圧回路の構成を簡略化して示した説明図である。 本実施形態に係る第1リリーフバルブ及び第2リリーフバルブを示す要部断面説明図である。 本実施形態に係る第1リリーフバルブのバルブ位置を示す説明図である。 P1>P2且つQ1+Q2≧0という条件の下での油圧回路の動作を示す説明図である。 P1>P2且つQ1+Q2<0という条件の下での油圧回路の動作を示す説明図である。 P1<P2且つQ1+Q2≧0という条件の下での油圧回路の動作を示す説明図である。 P1<P2且つQ1+Q2<0という条件の下での油圧回路の動作を示す説明図である。 P1<P2に移行する直前のP1=P2且つQ1+Q2≧0という条件の下での油圧回路の動作を示す説明図である。 P1>P2に移行する直前のP1=P2且つQ1+Q2≧0という条件の下での油圧回路の動作を示す説明図である。 P1=P2且つQ1+Q2<0という条件の下での油圧回路100の動作を示す説明図である。 本油圧回路におけるプーリー駆動圧の大小関係、オイルの流れる方向、リリーフバルブのバルブ位置ならびに逆止弁の開閉状態との間の相関を示す説明図である。 本実施形態に係る油圧回路の動作結果(プーリー駆動圧、プーリー流量、リリーフバルブ流量、逆止弁流量、リリーフバルブのバルブ位置)を示すグラフである。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る油圧回路100の構成を簡略化して示した説明図である。
この油圧回路100は、第1ポンプ10及び第2ポンプ20を併用してベルト式無段変速機(以下、「CVT」ともいう。)の第1プーリーPu1(図示せず)及び第2プーリーPu2(図示せず)にオイルを供給するCVT用油圧回路である。第1ポンプ10はCVTの摩擦伝動に最低限必要とされる圧力(以下、「PL圧」又は「第1油圧」ともいう。)を供給すると共に、第2ポンプ20はCVTの変速比制御に必要とされる圧力(以下、「変速比圧」又は「第2油圧」ともいう。)を交互に供給する。
本油圧回路100では、プーリー駆動圧が低い側のプーリー(以下、「低圧プーリー」ともいう。)のプーリー駆動圧は、第1ポンプ10によって常にPL圧に維持されると共に、駆動圧が高い側のプーリー(以下、「高圧プーリー」ともいう。)のプーリー駆動圧は、第1ポンプ10によるPL圧に加えて、第2ポンプ20によって変速比圧が付加される。
特に、高圧プーリーのプーリー駆動圧がPL圧と設定圧(スプリング荷重圧)との総和を超える場合、低圧側の第1又は第2リリーフバルブ30,40が開となる(リリーフする)。これにより、第1及び第2逆止弁9,11は閉じ、低圧プーリーは、開となった低圧側のリリーフバルブを介して第1ポンプ10に連通される。従って、第1及び第2プーリー駆動圧P1,P2の大小関係が切り替わった後の定常状態において、オイルは開となった低圧側のリリーフバルブを介して第1ポンプ10から供給され或いは第1ポンプ10に戻される。
一方、第1及び第2プーリー駆動圧P1,P2がいずれもPL圧と設定圧(スプリング荷重圧)との総和を下回る場合は、第1及び第2リリーフバルブ30,40はいずれも閉状態となる。この場合、例えば、第1及び第2プーリー駆動圧P1,P2の大小関係が切り替わる際、第1及び第2プーリー駆動圧P1,P2の何れかがPL圧を下回るときに限り、オイルが第1逆止弁9又は第2逆止弁11を介して第1ポンプ10から第1又は第2プーリーPu1,Pu2に供給される。これにより、第1及び第2プーリー駆動圧P1,P2の何れもPL圧を下回らなくなると共に、第1及び第2プーリー駆動圧P1,P2の大小関係が切り替わる際、駆動圧の圧力変動が好適に抑制されるようになる。その結果、変速比制御に必要なオイルが第2ポンプ20によって一方のプーリーから他方のプーリーへ交互に移動される場合、第1及び第2プーリー駆動圧P1,P2の大小関係が交互にスムーズに切り替わるようになる。
上記油圧回路100の構成として、エンジンEによって常時駆動される第1ポンプ10と、モータMによって駆動される第2ポンプ20と、第1リリーフライン7を開閉する第1リリーフバルブ30と、第2リリーフライン8を開閉する第2リリーフバルブ40と、第1ポンプ10と第1プーリーPu1とを接続する第1ライン1と、第1ポンプ10と第2プーリーPu2とを接続する第2ライン2と、第1リリーフバルブ30に対しPL圧をパイロット圧として導入する第3ライン3と、第2リリーフバルブ40に対しPL圧をパイロット圧として導入する第4ライン4と、第1リリーフバルブ30に対し第2プーリー駆動圧P2をフィードバック圧として導入する第5ライン5と、第2リリーフバルブ40に対し第1プーリー駆動圧P1をフィードバック圧として導入する第6ライン6と、第1プーリーPu1を第1ポンプ10に連通させる第1リリーフライン7と、第2プーリーPu2を第1ポンプ10に連通させる第2リリーフライン8と、第1プーリーPu1から戻って来るオイルが第1ライン1を通って第1ポンプ10に流入することを阻止する第1逆止弁9と、第2プーリーPu2から戻って来るオイルが第2ライン2を通って第1ポンプ10に流入することを阻止する第2逆止弁11と、第1ポンプ10から吐出されるオイルの圧力をPL圧に調圧するPLレギュレータバルブ50と、PLレギュレータバルブ50にパイロット圧を供給するPLコントロールバルブ60とを具備して構成されている。以下、各構成について更に詳細に説明する。
第1リリーフバルブ30及び第2リリーフバルブ40は、フィードバック圧(プーリー駆動圧)とパイロット圧(第1ポンプ吐出圧)との力の釣り合いによって第1リリーフライン7又は第2リリーフライン8をそれぞれ開閉する。特に、フィードバック圧に関して、第1及び第2プーリーPu1,Pu2と、第1及び第2リリーフバルブ30,40との接続関係がクロスした関係となる。そのため、第1及び第2プーリー駆動圧P1,P2の大小関係が切り替わった後の定常状態において、高圧プーリーに係るリリーフバルブは閉状態となると共に、低圧プーリーに係るリリーフバルブは開状態となる。
また、第1リリーフバルブ30及び第2リリーフバルブ40は、外部に4つのポートを有し、内部に第1リリーフライン7又は第2リリーフライン8を連通させる油路を有している。従って、プーリー駆動圧P1,P2のうち高い側のプーリー駆動圧が、PL圧と設定圧(スプリング荷重圧)との総和を超える場合、これらの油路が連通し、これにより低圧プーリーを第1リリーフライン7又は第2リリーフライン8を介して第1ポンプ10に連通させる。
また、詳細については図3を参照しながら後述するが、第1リリーフバルブ30及び第2リリーフバルブ40は、第1及び第2プーリー駆動圧P1,P2の大小関係ならびにプーリー流量総和Q1+Q2の正負に応じてAからCにて示される3つのバルブ位置(図3)を有している。
第1リリーフライン7は、第1リリーフバルブ30が開くとき、オイルを第1ポンプ10から第1プーリーPu1へ供給するための、又は第1プーリーPu1から戻って来るオイルを第1ポンプ10に戻すためのラインである。
一方、第2リリーフライン8は、第2リリーフバルブ40が開くとき、オイルを第1ポンプ10から第2プーリーPu2へ供給するための、又は第1プーリーPu1から戻って来るオイルを第1ポンプ10に戻すためのラインである。
PLレギュレータバルブ50は、第1ポンプ10の吐出圧を元圧及びフィードバック圧として取り込み、フィードバック圧とパイロット圧及びスプリング荷重との力の釣り合いによって、第1ポンプ10の吐出圧をPL圧に調圧する圧力調整弁である。なお、パイロット圧はPLコントロールバルブ60によって供給される。
PLコントロールバルブ60は、第1ポンプ10の吐出圧を元圧としてリニアソレノイドによって調圧し、その出力値をパイロット圧としてPLレギュレータバルブ50に出力する。
第1ポンプ10は、容積型ポンプ、例えば内接ギヤポンプである。第1プーリーPu1及び第2プーリーPu2に対し、CVTの摩擦伝動に最低限必要とされるPL圧を供給する。なお、以降において、第1ポンプ10、PLレギュレータバルブ50及びPLコントロールバルブ60を含む点線で囲まれた油圧回路を「低圧回路110」と呼ぶことにする。
第2ポンプ20は、一方のプーリーから他方のプーリーへ交互に変速比制御に必要なオイルを移動させる往復式ポンプである。従って、オイルが第1プーリーPu1へ供給される場合、ポートP21は吐出口となり、ポートP22は吸込口となる。他方、オイルが第2プーリーPu2へ供給される場合、ポートP22は吐出口となり、ポートP21は吸込口となる。
図2は、本実施形態に係る第1リリーフバルブ30及び第2リリーフバルブ40を示す要部断面説明図である。また、説明の都合上、各ポートに接続される油路(第3ライン3、第4ライン4、第5ライン5、第6ライン6、第1リリーフライン7、第2リリーフライン8)についても併せて図示されている。
また、第1リリーフバルブ30及び第2リリーフバルブ40の各内部構造において、類似構成については、例えば弁体31,41のように、一の位に同一番号を付し、十の位に各バルブ番号を付してお互いを区別することにする。
第1リリーフバルブ30は、弁体31とボディ32とスプリング33とから構成されている。弁体31には軸方向左側から順に、第3ポートP3と第2ポートP2とを連通するための第1周状凹部31aと、第2ポートP2を絞る又は閉じるための中空円筒部31bとがそれぞれ形成されている。
ボディ32には軸方向右側から順に、低圧回路110からPL圧を導入するための第1ポートP1と、第1プーリーPu1から戻って来るオイルを低圧回路110に戻すための又は低圧回路110から第1プーリーPu1へオイルを供給するための第2ポートP2及び第3ポートP3と、フィードバック圧(第2プーリー駆動圧P2)を導入するための第4ポートP4とがそれぞれ形成されている。さらに弁体31が突き当たる左エンド部32aと、スプリング33が突き当たる右エンド部32bとがそれぞれ形成されている。
弁体31において、第2プーリー駆動圧P2が作用する軸方向の投影面積(ピストン作用面積)S1と、PL圧が作用する軸方向の投影面積(ピストン作用面積)S2は等しくなっている。これは第2リリーフバルブ40の弁体41においても同様である。
従って、第1リリーフバルブ30において、第2プーリー駆動圧P2がPL圧とスプリング荷重圧PS(=スプリング33の荷重÷ピストン作用面積)との総和を上回る場合、弁体31が軸方向右側に移動して、第2ポートP2を開とし第1プーリーPu1を低圧回路110に連通させる。
また、第2リリーフバルブ40も同様に、第1プーリー駆動圧P1がPL圧とスプリング荷重圧PSとの総和を上回る場合、弁体41が軸方向右側に移動して、第2ポートP2を開とし第2プーリーPu2を低圧回路110に連通させる。
図3は、本実施形態に係る第1リリーフバルブ30のバルブ位置を示す説明図である。
バルブ位置Aでは、PL圧と設定圧(スプリング荷重圧PS)との総和が第2プーリー駆動圧P2を上回っており、弁体31がスプリング33に押されて左エンド部32aに突き当たっている状態である。この場合、第2ポートP2は閉じた状態である。従って、第1リリーフライン7は非連通状態である。
バルブ位置Bは、第2ポートP2が僅かに開いた状態である。バルブ位置Aにおいて、第2プーリー駆動圧P2がPL圧と設定圧(スプリング荷重圧PS)との総和を上回るとき、弁体31は軸方向右側に移動し始める。そして、第2プーリー駆動圧P2がPL圧とスプリング荷重圧PSとの総和に最初に等しくなるバルブ位置Bで弁体31は静止する。
バルブ位置Cは、第2ポートP2が完全に開いた状態(全開状態)である。弁体31がバルブ位置AからBまで移動してもなお、第2プーリー駆動圧P2がPL圧とスプリング荷重圧PSとの総和より大きい場合は、弁体31はバルブ位置Cまで移動してバルブ位置Cで静止する。なお、弁体31は右エンド部32bに突き当たっていても良い。
このように、第1リリーフバルブ30は、第2プーリー駆動圧P2の大きさに応じて、バルブ位置AからBへ、又はバルブ位置AからCへ移動することにより、開度が異なる2つの開状態を形成する。これにより、定常状態又は非定常状態において第1プーリーPu1は低圧プーリーになるとき、低圧回路110に連通されるようになる。
図4から図9は、本実施形態に係る油圧回路100の動作を示す説明図である。なお、図4から図9中の実線は、高い側のプーリー駆動圧に係るラインを示している。点線は、低い側のプーリー駆動圧(=PL圧)に係るラインを示している。また、Q1又はQ2は各プーリーへ供給されるオイル或いは各プーリーから戻って来るオイルの流量を示している。また、Q7又はQ8は第1リリーフライン7又は第2リリーフライン8を流れるオイルの流量を示している。符号は、オイルがプーリーへ供給される場合を正とし、オイルがプーリーから戻って来る場合を負としている。
図4は、P1>P2且つQ1+Q2≧0という条件の下での油圧回路100の動作を示す説明図である。
P1>P2のため、第1プーリーPu1が高圧プーリーであり、第2プーリーPu2が低圧プーリーとなる。第1プーリー駆動圧P1とPL圧の圧力差により第2リリーフバルブ40は全開となり,第2プーリーPu2には摩擦伝動に最低限必要なPL圧が供給される。このとき、第2逆止弁11の前後において圧力差は生じないため、第2逆止弁11は閉じた状態である。また、第2プーリー駆動圧P2をフィードバック圧とする第1リリーフバルブ30はバルブ位置Aで安定している。この場合、第1リリーフライン7は閉じているため、高圧プーリーである第1プーリーPu1は、低圧回路110に連通していない状態である。すなわち、第1プーリー流量Q1はゼロ、すなわちQ1=0で安定している。
他方、第1プーリー駆動圧P1は、PL圧と設定圧との総和より高い状態である。その結果、第1逆止弁9は閉じた状態である。また、第1プーリー駆動圧P1をフィードバック圧とする第2リリーフバルブ40はバルブ位置Cで安定している。この場合、第2リリーフライン8は開いているため、第2プーリーPu2は低圧回路110に連通している状態である。すなわち、Q1+Q2≧0より、第2プーリー流量Q2は正であり、第2プーリーPu2へオイルが低圧回路110から供給されている状態である。従って、全体として低圧回路110からプーリーへオイルが供給されている状態である。
図5は、P1>P2且つQ1+Q2<0という条件の下での油圧回路100の動作を示す説明図である。
P1>P2のため、第1逆止弁9及び第2逆止弁11の各開閉状態ならびに第1リリーフバルブ30及び第2リリーフバルブ40の各バルブ位置は図4の場合と同じである。
従って、第1プーリー流量Q1はゼロで安定している。一方、Q1+Q2<0より、第2プーリー流量Q2は負であり、第2プーリーPu2からオイルが低圧回路110に戻されている状態である。従って、全体としてプーリーから低圧回路110へオイルが戻されている状態である。
図6は、P1<P2且つQ1+Q2≧0という条件の下での油圧回路100の動作を示す説明図である。
P1<P2のため、第2プーリーPu2が高圧プーリーであり、第1プーリーPu1が低圧プーリーとなる。第2プーリー駆動圧P2とPL圧の圧力差により第1リリーフバルブ30は全開となり,第1プーリーPu1には摩擦伝動に最低限必要なPL圧が供給される。このとき、第1逆止弁9の前後において圧力差は生じないため、第1逆止弁9は閉じた状態である。また、第1プーリー駆動圧P1をフィードバック圧とする第2リリーフバルブ40はバルブ位置Aで安定している。この場合、第2リリーフライン8は閉じているため、第2プーリーPu2は低圧回路110に連通していない状態である。すなわち、第2プーリー流量Q2はゼロ、Q2=0で安定している。
他方、第2プーリー駆動圧P2は、PL圧と設定圧との総和より高い状態である。その結果、第2逆止弁11は閉じた状態である。また、第2プーリー駆動圧P2をフィードバック圧とする第1リリーフバルブ30はバルブ位置Cで安定している。この場合、第1リリーフライン7は開いているため、第1プーリーPu1は低圧回路110に連通している状態である。すなわち、Q1+Q2≧0より、第1プーリー流量Q1は正であり、第1プーリーPu1へオイルが低圧回路110から供給されている状態である。従って、全体として低圧回路110からプーリーへオイルが供給されている状態である。
図7は、P1<P2且つQ1+Q2<0という条件の下での油圧回路100の動作を示す説明図である。
P1<P2のため、第1逆止弁9及び第2逆止弁11の各開閉状態ならびに第1リリーフバルブ30及び第2リリーフバルブ40の各バルブ位置は図6の場合と同じである。
従って、第2プーリー流量Q2はゼロで安定している。一方、Q1+Q2<0より、第1プーリー流量Q1は負であり、第1プーリーPu1からオイルが低圧回路110に戻されている状態である。従って、全体としてプーリーから低圧回路110へオイルが戻されている状態である。
図8は、P1<P2に移行する直前のP1=P2且つQ1+Q2≧0という条件の下での油圧回路100の動作を示す説明図である。
P1<P2に移行する直前であるから、オイルが第2ポンプ20によって第1プーリーPu1側から第2プーリーPu2側へ移動され始める。なお、上記図4及び図5より、オイルが移動され始める前においては、高圧プーリーである第1プーリーPu1の第1プーリー流量Q1はゼロである。従って、オイルが第2ポンプ20によって第1プーリーPu1側から第2プーリーPu2側へ移動され始めることにより、第1プーリーPu1側においてオイルが減少し第1プーリー駆動圧P1がPL圧より一時的に低下する。これにより、第1逆止弁9の前後において圧力差が生じ、低圧回路110からオイルが第1逆止弁9を通して第1プーリーPu1側に供給されるようになる。そして、第1プーリー駆動圧P1がPL圧に等しくなるときに、第1逆止弁9は閉じるようになる。
なお、オイルが第2ポンプ20によって第1プーリーPu1側から第2プーリーPu2側へ移動され始めることにより、第2プーリー駆動圧P2がPL圧から増加し始める。そのため、第2プーリー駆動圧P2をフィードバック圧とする第1リリーフバルブ30が動き始める。これにより、第1リリーフライン7は閉じているが、第3ライン3を介してオイルが低圧回路110へ戻される。
図9は、P1>P2に移行する直前のP1=P2且つQ1+Q2≧0という条件の下での油圧回路100の動作を示す説明図である。
P1>P2に移行する直前であるから、オイルが第2ポンプ20によって第2プーリーPu2側から第1プーリーPu1側へ移動され始める。なお、上記図6及び図7よりオイルが移動され始める前においては、高圧プーリーである第2プーリーPu2の第2プーリー流量Q2はゼロである。従って、オイルが第2ポンプ20によって第2プーリーPu2側から第1プーリーPu1側へ移動され始めることにより、第2プーリーPu2側においてオイルが減少し第2プーリー駆動圧P2がPL圧より一時的に低下する。これにより、第2逆止弁11の前後において圧力差が生じ、低圧回路110からオイルが第2逆止弁11を通して第2プーリーPu2側に供給されるようになる。そして、第2プーリー駆動圧P2がPL圧に等しくなるときに、第2逆止弁11は閉じるようになる。
なお、オイルが第2ポンプ20によって第2プーリーPu2側から第1プーリーPu1側へ移動され始めることにより、第1プーリー駆動圧P1がPL圧から増加し始める。そのため、第1プーリー駆動圧P1をフィードバック圧とする第2リリーフバルブ40が動き始める。これにより、第2リリーフライン8は閉じているが、第4ライン4を介してオイルが低圧回路110へ戻される。
図10は、P1=P2且つQ1+Q2<0という条件の下での油圧回路100の動作を示す説明図である。
P1=P2且つQ1+Q2<0より、オイルが第1プーリーPu1及び第2プーリーPu1から低圧回路110へ戻っている状態である。この場合、第1逆止弁9及び第2逆止弁11はそれぞれ弁が閉まる方向にオイルが流れるから、いずれも閉じた状態となる。その結果、第1プーリーPu1及び第2プーリーPu1から戻って来るオイルの流れが第1逆止弁9及び第2逆止弁11によって阻まれる。オイルの流れが阻まれることにより、第1プーリー駆動圧P1及び第2プーリー駆動圧P2が一時的にPL圧を超えるようになる。
第1プーリー駆動圧P1が一時的にPL圧を超えることにより、第1プーリー駆動圧P1をフィードバック圧とする第2リリーフバルブ40において、第2リリーフライン8が連通状態となる。なお、第1プーリー駆動圧P1はPL圧と設定圧との総和より僅かに大きい程度であるため、第2リリーフバルブ40はバルブ位置Bで安定する。
一方、第2プーリー駆動圧P2をフィードバック圧とする第1リリーフバルブ30において、第1リリーフライン7が連通状態となる。なお、第2プーリー駆動圧P2はPL圧と設定圧との総和より僅かに大きい程度であるため、第1リリーフバルブ30はバルブ位置Bで安定する。
図4から図7に示される通り、第1及び第2プーリー駆動圧P1,P2の大小関係が切り替わった後の定常状態において、低圧プーリーに係るリリーフバルブはバルブ位置Cで安定し、高圧プーリーに係るリリーフバルブはバルブ位置Aで安定する。従って、オイルは、低圧側の第1リリーフライン7又は第2リリーフライン8を通って低圧回路110から第1プーリーPu1又は第2プーリーPu2へ供給され、或いは低圧回路110に戻される。
また、図8及び図9に示される通り、プーリー駆動圧の大小関係が切り替わる非定常状態において、オイルが低圧回路110から供給される場合(すなわち、Q1+Q2≧0の場合)、第1リリーフバルブ30及び第2リリーフバルブ40はともにバルブ位置Aで安定する。この場合、オイルは次に低圧側となる第1逆止弁9(P1<P2に移行する場合)又は第2逆止弁11(P1>P2)を通って低圧回路110から供給される。
これとは逆に、図10に示される通り、プーリー駆動圧の大小関係が切り替わる非定常状態において、オイルが低圧回路110に戻される場合(すなわち、Q1+Q2<0の場合)、第1リリーフバルブ30及び第2リリーフバルブ40はともにバルブ位置Bで安定する。この場合、オイルは第1リリーフライン7及び第2リリーフライン8を通って低圧回路110に戻される。
図11は、本油圧回路100におけるプーリー駆動圧P1,P2の大小関係、オイルの流れる方向、リリーフバルブのバルブ位置ならびに逆止弁の開閉状態の相関を示す説明図である。なお、ケース1からケース6は、上記図4から図10にそれぞれ対応している。
本油圧回路100に係るプーリー駆動圧P1,P2の大小関係は、P1>P2、P2>P1及びP1=P2という3つのケースに大別される。なお、P1=P2となるのは、プーリー駆動圧P1,P2の大小関係が切り替わるときである。
オイルの流れる方向は、全体としてオイルが低圧回路110から供給される場合(すなわち、Q1+Q2≧0の場合)と、全体としてオイルが低圧回路110に戻される場合(すなわち、Q1+Q2<0の場合)の2ケースに大別される。
第1リリーフバルブ30及び第2リリーフバルブ40のバルブ位置は、ケース1から4に示されるように、第1及び第2プーリー駆動圧の切替時を除き、オイルの流れる方向に拘わらず、高圧プーリーに係るリリーフバルブはバルブ位置Aで安定し、低圧プーリーに係るリリーフバルブはバルブ位置Cで安定する。すなわち、第1及び第2プーリー駆動圧P1,P2の大小関係が切り替わった後の定常状態において、高圧プーリーに係るリリーフバルブは閉状態となり、低圧プーリーに係るリリーフバルブは開状態となる。
一方、ケース5a及び5bに示されるように、第1及び第2プーリー駆動圧P1,P2の切替時では、オイルが低圧回路110から供給される場合(すなわち、Q1+Q2≧0の場合)、第1リリーフバルブ30及び第2リリーフバルブ40はともにバルブ位置Aで安定する。また、ケース6に示されるように、オイルが低圧回路110に戻される場合(すなわち、Q1+Q2<0の場合)、第1リリーフバルブ30及び第2リリーフバルブ40はともにバルブ位置Bで安定する。
次に、第1逆止弁9及び第2逆止弁11のバルブ開閉状態について、ケース1から4に示されるように、第1及び第2プーリー駆動圧の切替時以外では、高圧プーリー駆動圧は、PL圧より高い状態にあるため、高圧プーリーに係る逆止弁は閉状態となる。一方、低圧プーリー駆動圧はPL圧に等しい状態にあり、逆止弁前後において圧力差は生じないため、低圧プーリーに係る逆止弁も閉状態となる。従って、第1及び第2プーリー駆動圧P1,P2の切替時以外では、第1逆止弁9及び第2逆止弁11はともに閉状態となる。
また、ケース5a及び5bに示されるように、第1及び第2プーリー駆動圧P1,P2の切替時で、オイルが低圧回路110から供給される場合(すなわち、Q1+Q2≧0の場合)、次に低圧側となる逆止弁は開状態となり、次に高圧側となる逆止弁は閉状態となる。
ケース6に示されるように、第1及び第2プーリー駆動圧P1,P2の切替時で、オイルが低圧回路110に戻される場合(すなわち、Q1+Q2<0の場合)、第1逆止弁9及び第2逆止弁11はともに閉状態となる。
図12は、PLコントロールバルブ60(リニアソレノイド)によって第1ポンプ10の吐出圧がPL圧に等しくなるように制御するのと同時に、モータM(第2ポンプ20)によってオイルをプーリー間で交互に移動させたときの、第1及び第2プーリーPu1,Pu2、第1及び第2リリーフバルブ30,40及び第1及び第2逆止弁9,11の各動作結果を示すグラフである。
なお、図12(a)は、第1及び第2プーリー駆動圧P1,P2を、同(b)は第1及び第2プーリーPu1,Pu2に供給される又は第1及び第2プーリーPu1,Pu2から戻って来る各オイル流量Q1,Q2を、同(c)は第1及び第2リリーフバルブ30,40を流れる各オイル流量Q30,Q40を、同(d)は第1及び第2逆止弁9,11を流れる各オイル流量Q9,Q11を、同(e)は第1及び第2リリーフバルブ30,40の各バルブ位置を、それぞれ示している。また、流量の符号について、オイルが低圧回路110から供給される向きを正とし、オイルが低圧回路110に戻される向きを負としている。
また、最下段に記載された各番号は、図11の各ケース番号に対応している。また、第1リリーフバルブ30及び第2リリーフバルブ40を流れる各オイル流量Q30,Q40は、第1リリーフライン7を流れるオイル流量Q7、第2リリーフライン8を流れるオイル流量Q8によってそれぞれ示されている。
先ず図12(a)に示されるように、各プーリー駆動圧P1,P2は、圧力変動等の不連続点を生じることなく大小関係がスムーズに交互に切り替わっていることが分かる。また、低圧プーリーに係るプーリー駆動圧は、CVTの摩擦伝動に最低限必要とされるPL圧に常に維持されていることが分かる。
次に、図12(b)から(d)に示されるように、低圧プーリーは、第1及び第2プーリー駆動圧P1,P2の切替時において、全体としてオイルが低圧回路110から供給される場合(ケース5a、ケース5b)は、次に低圧側となる逆止弁を介してオイルが供給されることが分かる。一方、プーリー駆動圧の切替時において全体としてオイルが低圧回路110に戻される場合(ケース6)は、オイルは第1及び第2リリーフバルブ30,40を介して低圧回路110に戻されることが分かる。なお、第1及び第2プーリー駆動圧P1,P2の大小関係が切り替わった後(ケース1から4)では、低圧側のリリーフバルブを介してオイルが低圧プーリーに低圧回路110から供給され、或いは低圧回路110に戻されることが分かる。従って、全体を通して、第1及び第2プーリー駆動圧P1,P2の大小関係が切り替わった後では高圧プーリーのオイル流量はゼロで安定することが分かる。
従って、第1及び第2プーリーPu1,Pu2のオイル流量Q1,Q2の総和は、低圧リリーフバルブを流れるオイル流量Q30,Q40と、第1及び第2逆止弁9,11を流れるオイル流量Q9,Q11との総和に等しくなることが分かる。
また、図12(e)に示されるように、第1及び第2プーリー駆動圧P1,P2の大小関係が切り替わった後(ケース1から4)では、高圧側のリリーフバルブはバルブ位置Aで安定し、低圧側のリリーフバルブはバルブ位置Cで安定することが分かる。
また、第1及び第2プーリー駆動圧P1,P2の切替時において、全体としてオイルが低圧回路110から供給される場合(ケース5a、ケース5b)は、第1リリーフバルブ30及び第2リリーフバルブ40はともにバルブ位置Aで安定することが分かる。一方、プーリー駆動圧の切替時において全体としてオイルが低圧回路110に戻される場合(ケース6)は、第1リリーフバルブ30及び第2リリーフバルブ40はともにバルブ位置Bで安定することが分かる。
以上の通り、本発明の油圧回路100によれば、第1及び第2プーリー駆動圧P1,P2の大小関係が切り替わった後(ケース1から4)では、オイルは常にプーリー駆動圧が低い側の低圧プーリーに係るリリーフバルブを介して低圧回路110から供給され又は低圧回路110に戻されることとなる。この場合、プーリー駆動圧が高い側の高圧プーリーに係るオイル流量はゼロで安定する。
他方、第1及び第2プーリー駆動圧P1,P2について圧力差がなくなるプーリー駆動圧切替時において、全体としてオイルが低圧回路110から供給される場合(ケース5a、ケース5b)、プーリー駆動圧がPL圧を下回るときに限り、次に低圧側となる逆止弁を介してオイルが供給される。また、プーリー駆動圧切替時において全体としてオイルが低圧回路110に戻される場合(ケース6)、プーリー駆動圧がPL圧を上回るときに限り、第1リリーフバルブ30及び第2リリーフバルブ40の両方のバルブを介してオイルが低圧回路110に戻される。
これにより、第1及び第2プーリー駆動圧P1,P2の大小関係が切り替わる際、プーリー駆動圧の圧力変動が好適に抑制される。その結果、第2ポンプ20を駆動するモータMとPLコントロールバルブ60のリニアソレノイドによって、駆動圧の不連続点が生じないスムーズなプーリー変速比制御が可能となる。
また、第1及び第2プーリーPu1,Pu2に供給される又は第1及び第2プーリーPu1,Pu2から戻って来る各オイル流量Q1,Q2は、低圧側の第1又は第2リリーフバルブ30,40を流れるオイル流量Q30,Q40に殆ど等しくなる。そのため、オイル流量に基づいたプーリー変速比制御が可能となる。
更に、第1リリーフバルブ30及び第2リリーフバルブ40は、ともに内部に単一の連通油路のみを持つ簡素な構造であると共に、互いに別個独立に動作するように構成されている。これにより、油圧回路全体の寸法及び重量を小さくすることが可能となる共に、信頼性の高い油圧回路とすることが可能となる。
1 第1ライン
2 第2ライン
3 第3ライン
4 第4ライン
5 第5ライン
6 第6ライン
7 第1リリーフライン(第7ライン)
8 第2リリーフライン(第8ライン)
9 第1逆止弁
10 第1ポンプ
11 第2逆止弁
20 第2ポンプ
30 第1リリーフバルブ(第1バルブ)
40 第2リリーフバルブ(第2バルブ)
50 PLレギュレータバルブ(圧力調整弁)
60 PLコントロールバルブ(リニアソレノイド)
100 油圧回路
110 低圧回路

Claims (6)

  1. 一対で動作する第1及び第2油圧機器と、前記第1及び第2油圧機器を駆動するために最低限必要となる第1油圧を常時供給する第1ポンプと、前記第1及び第2油圧機器に対し交互に制御用の第2油圧を供給する第2ポンプと、前記第1ポンプと前記第1油圧機器を接続する第1ラインと、前記第1ポンプと前記第2油圧機器を接続する第2ラインと、前記第1ラインから分岐した第7ラインと、前記第2ラインから分岐した第8ラインと、フィードバック圧とパイロット圧との力の釣り合いによって前記第7及び第8ラインをそれぞれ開閉する第1バルブ及び第2バルブと、フィードバック圧とパイロット圧との力の釣り合いによって前記第1ポンプの吐出圧を前記第1油圧に調圧する圧力調整弁とを備えた油圧機器用油圧回路であって、
    前記第1及び第2ラインは、前記第1ポンプへのオイルの流入を阻止する第1逆止弁及び第2逆止弁をそれぞれ備え、
    前記第7及び第8ラインは、一端が前記第1又は第2逆止弁の上流側にそれぞれ接続され且つ他端が該第1及び第2逆止弁の下流側にそれぞれ接続され、
    前記第1及び第2バルブは、フィードバック圧として、前記第2油圧機器の第2駆動圧又は前記第1油圧機器の第1駆動圧をそれぞれ別個に取り込むと共に、
    パイロット圧として前記第1ポンプの吐出圧を別個に取り込むことを特徴とする油圧機器用油圧回路。
  2. 前記第1及び第2バルブは、フィードバック圧とパイロット圧との力の釣り合いに係る少なくとも3つのバルブ位置を有していることを特徴とする請求項1に記載の油圧機器用油圧回路。
  3. 前記第1バルブ及び前記第2バルブは、外周面に凹凸が形成された弁体、該弁体が摺動するボディ、及び該弁体を付勢するスプリングによって構成され、
    前記第1又は第2駆動圧と前記第1ポンプの吐出圧が前記弁体の両軸端にそれぞれ作用することを特徴とする請求項1又は2に記載の油圧機器用油圧回路。
  4. 前記第1又は第2駆動圧が作用する前記弁体の作用面積と、前記第1油圧が作用する前記弁体の作用面積は互いに等しいことを特徴とする請求項3に記載の油圧機器用油圧回路。
  5. 前記圧力調整弁に対し前記第1油圧に係るパイロット圧を供給するリニアソレノイドが与えられると共に、該リニアソレノイドの元圧は前記第1ポンプの吐出圧であることを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の油圧機器用油圧回路。
  6. 前記第1及び第2油圧機器は、一対のプーリー機構であることを特徴とする請求項1から5の何れかに記載の油圧機器用油圧回路。
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