JP6924951B2 - 油圧駆動装置 - Google Patents

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Description

本発明は、建設機械等で使用される1つの可変容量型ポンプ(以下、可変ポンプと略す)の吐出油を複数のアクチュエータのそれぞれに流入する圧油を制御可能にした流量調整機能を持つ複数の方向切換弁及び各方向切換弁のそれぞれの圧力補償をする複数の圧力補償弁を持つ油圧駆動装置に関する。
例えば、従来から図4に示すように、この種の油圧駆動装置200は、建設機械や農業機械等用を主として用いられ、負荷圧力PLに応じて、可変ポンプ202の吐出流量を制御するロードセンシング機能を備えたものが使用されている(例えば、特許文献1参照)。
また、複数のアクチュエータ210、220を同時に駆動するとき、各アクチュエータ210、220の負荷圧力の差により、互いに干渉してアクチュエータ210、220の速度変化が生じないように、各アクチュエータ210、220への回路に圧力補償弁204、214を設けることで、可変ポンプ202の吐出量を分流するようにされている。
さらに、可変ポンプ202の吐出流量が複数のアクチュエータ210、220を同時駆動させたときの所定要求流量を下まわった場合には、各アクチュエータ210、220に各アクチュエータ210、220の要求流量の比で可変ポンプ202の吐出流量を分配する機能いわゆるアンチサチュレーション機能を持つものが使用されている。
特に従来技術では、コントロールバルブ222内に可変ポンプ202の吐出圧Pdと複数のアクチュエータ210、220のうちの最も高い負荷圧力Pm216(以下、最高負荷圧力と記載する)の差圧を検出する減圧弁231を持ち、検出された差圧Pcは前記圧力補償弁204、214の開く方向に作用し、各アクチュエータ210、220の負荷圧力PLも圧力補償弁204、214を開く方向に、各方向切換弁208、218の1次圧をPzとし、圧力補償弁204、214を閉じる方向に作用させている。
例えば、圧力補償弁204、214の各圧力の受圧面積をA1、A2、A3とし、A1=A2=A3とほぼ同じに設定することで、Pc×A1+PL×A2=Pz×A3が成立するように制御し、全ての方向切換弁208、218の前後差圧がPz−PL=Pcとなり、可変ポンプ202の吐出流量が不足した場合でも各アクチュエータ210、220への流量を分流するアンチサチュレーション機能を実現している。なお、図4において、名称がない符号は、特許文献1の図2に開示されているので、説明を省略する。
特許第3564911号公報
本来従来技術のように、アンチサチュレーション機能を有するロードセンシングシステムでは、理論的には可変ポンプ202の吐出流量が不足しても、同時駆動する各アクチュエータ210、220へ要求流量の比で流量を分配する。
確かに、実際にロードセンシングシステムを搭載する建設機械(例えば、油圧ショベル)を操作する場合、エンジン201の回転数が一般的な定格回転である2000rpm以上では、複数のアクチュエータ210、220が同時操作して、可変ポンプ202の吐出流量よりもアクチュエータ210、220の要求流量の合計が多くなった場合は要求流量の比率で各アクチュエータ210、220に流量は均等に分配される。
しかしエンジン201の回転数が低い場合、例えば1600rpm以下では、可変ポンプ202の吐出流量が小さくなる。この場合、複数のアクチュエータ210、220を同時操作すると、複数のアクチュエータ210、220の要求流量に対し、可変ポンプ202の吐出流量が極端に小さくなる。
この場合、本来負荷圧力PLが低いアクチュエータへの方向切換弁の圧力補償弁はほぼゼロラップに近い状態で制御しなければならない。しかし、精度の良い圧力補償弁をもってしても、流体力や、ドレンポート212などの背圧の影響や、受圧面積のばらつきもあり、圧力補償弁204、214は本来制御すべき位置でつり合わず、必要以上に開いた状態になってつり合っている。その結果、負荷圧力PLの低いアクチュエータに優先的に流量が分配され、負荷圧力PLが高いアクチュエータに流量が分配されない状態が起こる。
エンジン201の定格回転時では、複数のアクチュエータ210、220への流量が均等に分配され、同時操作がバランスよくでき、オペレータの思い通りの操作ができる。しかし、エンジン201の回転数が低くなると同様に複数のアクチュエータ210、220を同時操作しても、負荷圧力PLが高いアクチュエータだけ動かず、オペレータの意図通り操作ができないことが起こる。
これにより、干渉してはいけないものに機械がぶつかることもありうる。近年は、省エネ、環境問題、または深夜での作業で、建設機械を操作するオペレータがエンジン201の回転数を低くして操作することがあるため、無視できない問題となっている。
本発明は係る課題を解決するためになされたもので、機械のエンジンなどの原動機の回転数が定格回転よりも低い場合に負荷の異なる複数のアクチュエータを同時操作を定格回転時と同様に行うことを可能にする油圧駆動装置を提供することを目的とする。
前記の課題を解決するため発明は、
可変ポンプと、
前記可変ポンプの吐出油によって駆動される複数のアクチュエータと、
前記複数のアクチュエータのそれぞれに流入する圧油を制御可能にされた流量調節機能を有する複数の方向制御弁と、
前記複数の方向制御弁のそれぞれの圧力補償をする複数の圧力補償弁と、
前記可変ポンプの吐出圧力(Pd)とアクチュエータの最高負荷圧力(Pm)との差圧に等しい二次圧力(Pc=Pd−Pm)を発生する差圧制御弁と、
前記可変ポンプの吐出油を該可変ポンプの押しのけ容積変更手段に連通させるポンプ流量調整弁と、を有し、
前記複数の圧力補償弁は圧力補償弁を閉じる方向に圧力補償弁の下流側の圧力(Pz)を作用させ、
前記圧力補償弁を開く方向に前記差圧制御弁から出力される二次圧力(Pc)及び前記方向制御弁の下流側圧力であるアクチュエータ負荷圧力(PL)をそれぞれ作用させて圧力補償をするようにし、
前記ポンプ流量調整弁のスプリングの作用力を前記ポンプ流量調整弁を閉じ該可変ポンプの押しのけ容積を増大させる方向に作用させ、
前記二次圧力(Pc)を油路を介して前記ポンプ流量調整弁を開き前記可変ポンプの押しのけ容積を減少させるよう作用させ、
前記複数の圧力補償弁は対応する各前記方向制御弁の上流側に設けられ、
該圧力補償弁は第1の油室の第1の受圧面積に自身の下流側の出口圧力を弁を閉じる方向に作用させ、
第2の油室の第2の受圧面積に前記二次圧力を弁を開く方向に作用させ、
第3の油室の第3の受圧面積に各前記アクチュエータの負荷圧力を弁を開く方向に作用させ、
前記第1の受圧面積と前記第2の受圧面積と前記第3の受圧面積とをほぼ同じとし、
前記複数のアクチュエータのうちの少なくとも2個のアクチュエータのうちの高負荷側アクチュエータの負荷圧力が他方の低負荷側アクチュエータの負荷圧力より大きい負荷特性を有する油圧駆動装置において、
前記複数の圧力補償弁のうち、前記高負荷側アクチュエータに通ずる第一の圧力補償弁はスプリングの作用力が開方向に作用するように該スプリングが設けられ、
前記複数の圧力補償弁のうち、前記低負荷側アクチュエータに通ずる第二の圧力補償弁はスプリングの作用力が閉方向に作用するように該スプリングが設けられたことを特徴とする。
本発明によれば、高負荷側アクチュエータに通ずる第一の圧力補償弁はスプリングの作用力が開方向に作用するように該スプリングが設けられ、低負荷側アクチュエータに通ずる第二の圧力補償弁はスプリングの作用力が閉方向に作用するように該スプリングが設けられている。
これにより、第一及び第二の圧力補償弁内の力がつり合って、第一の圧力補償弁が出力油路を介して連通する方向制御弁の前後差圧が、第二の圧力補償弁が出力油路を介して連通する方向制御弁の前後差圧に対して、大きく設定されるので、低負荷側アクチュエータよりも高負荷側アクチュエータに分配される圧油の流量が優先される。
本発明は、エンジンなどの原動機の回転数が定格回転よりも低くなって可変ポンプの吐出流量が複数のアクチュエータの要求流量よりも極端に少なくなった場合でも、複数のアクチュエータを同時操作し、複数のアクチュエータへの圧油の流量分配が適切に行われる油圧駆動装置となり、実機での同時操作がエンジン等の原動機が定格回転時と同様の速度バランスで動くことが可能となる油圧駆動装置を提供することができる。
本発明の実施の形態に係る油圧駆動装置の油圧回路図である。 図1の油圧駆動装置に使用される高負荷側アクチュエータに連通する圧力補償弁の実施の形態の概略縦断面図である。 図1の油圧駆動装置に使用される低負荷側アクチュエータに連通する圧力補償弁の実施の形態の概略縦断面図である。 従来例の油圧駆動装置の油圧回路図である。
以下、本発明の油圧駆動装置につき好適な実施の形態を挙げ、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1の油圧回路図に示すように、本発明の油圧駆動装置11は、ポンプ装置21と、バルブ装置22と、高負荷側アクチュエータ10aと、低負荷側アクチュエータ10b、10cと、から構成されている。
ポンプ装置21は、可変容量型ポンプ2(以下、ポンプ押しのけ容積変更手段という)と、該可変ポンプ2の押しのけ容積変更手段17と、可変ポンプ2の吐出油を可変ポンプ2の押しのけ容積変更手段17に連通させるポンプ流量調整弁38と、を有し、前記ポンプ流量調整弁38のスプリング19の作用力をポンプ流量調整弁38を閉じて可変ポンプ2の押しのけ容積を増大させるように作用させ、二次圧力Pcをパイロット油路33を介してポンプ流量調整弁38を開いて可変ポンプ2の押しのけ容積が減少するように作用させ、二次圧力Pcとスプリング19であらかじめ設定された作用力とをつり合わせることにより、二次圧力Pcが作用する力がスプリング19の作用力よりも大きい場合は、可変ポンプ2の押しのけ容積を小さくするように制御され、逆に、二次圧力Pcが、スプリング19の作用力よりも小さい場合は、可変ポンプ2の押しのけ容積を大きくするように制御されており、これにより、二次圧力Pcに応じて押しのけ容積変更手段17を作動させて可変ポンプ2の吐出量を制御するロードセンシング機能を有する。
バルブ装置22は、複数の圧力制御弁4a、4b、4cと、方向制御弁8a、8b、8cと、該方向制御弁8a、8b、8cの同数(図1の場合、3個)のチェック弁40と、前記方向制御弁8a、8b、8cの数より1個少ない(図1の場合、2個)のシャトル弁13と、差圧制御弁31と、を有し、ポンプ装置21から出力された圧油を制御して各アクチュエータ10a、10b、10cへ供給する。
エンジン等の原動機1で駆動される可変ポンプ2の吐出油路23、3に複数の圧力補償弁4a、4b、4c(うち3個のみ示す)を並列に接続し、各方向制御弁8a、8b、8cの圧力補償をする各圧力補償弁4a、4b、4cの出力油路6a、6b、6cに夫々チェック弁40、40、40を介して複数のアクチュエータ10a、10b、10c(図1では3個のみ示す)にそれぞれに流入する圧油を制御可能にされた流量調節機能を有する方向制御弁8a、8b、8c(図1では3個のみ示す)をそれぞれ接続する。
方向制御弁8a、8b、8cの出力側が夫々のアクチュエータ10a、10b、10cに接続され、夫々のアクチュエータ10a、10b、10cからの戻り油を再び夫々の方向制御弁8a、8b、8cを介してタンク12へ戻すようにされている。
方向制御弁8a、8b、8cのアクチュエータ負荷圧力取出ポート7a、7b、7cから負荷圧力取出ライン9a、9b、9cを介して取り出した負荷圧力PLa、PLb、PLcは、複数のシャトル弁13がアクチュエータ10a、10b、10cのうちの最高負荷圧力Pm(以下、最高負荷圧力という)を選択し、さらに、差圧制御弁31は可変ポンプ2の吐出圧力Pdと最高負荷圧力Pmとの差圧に等しい二次圧力Pcを発生する。
高負荷側アクチュエータ10aに連通する第一の圧力補償弁4aは、閉じ方向に圧力補償弁4aの、制御油室に圧力補償弁4aの下流側の圧力、すなわち、方向制御弁8aの1次圧Pzaを作用させ、圧力補償弁4aの開方向に吐出圧力Pdと最高負荷圧力Pmとの差圧に等しい二次圧力Pc、方向制御弁の下流側の圧力であるアクチュエータ負荷圧力PLa及びスプリング5aの作用力をそれぞれ作用させるようにしている。
また、低負荷側アクチュエータ10b、10cに連通する第二の圧力補償弁4b、4cは、閉じ方向に各圧力補償弁4b、4cの制御油室に圧力補償弁4b、4cの下流側の圧力、すなわち、各方向制御弁8b、8cの1次圧Pzb、Pzc及びスプリング5b、5cの作用力をそれぞれ作用させ、圧力補償弁4b、4cの開方向に二次圧力Pc及びアクチュエータ負荷圧力PLb、PLcをそれぞれ作用させるようにしている。
これにより、各圧力補償弁4a、4b、4cは可変ポンプ2の吐出量がアクチュエータ10a、10b、10cの所定要求量を下回った場合には、アクチュエータ10a、10b、10cに適切な比で可変ポンプ2の吐出量を分配するアンチサチュレーション機能を有する。
さらに、油圧駆動装置11は、各アクチュエータ10a、10b、10cの負荷圧力PLa、PLb、PLcの増加に応じてそのアクチュエータ10a、10b、10cに通じる圧力補償弁4a、4b、4cの少なくとも1の流量を減少するようにしたものである。
図2に示すように、図1の油圧駆動装置11に使用する圧力補償弁4aは、本体51と、前記本体51に設けた小径本体穴52と、小径本体穴52に続く大径本体穴53と、小径本体穴52(内径d3)に摺動可能に嵌合する小径部61及び大径本体穴53(内径d2)と摺動可能に嵌合する第1及び第2の大径ランド62、63を有するスプール60と、
本体51に順次設けられたアクチュエータの負荷圧力ポート59、二次圧力ポート55、出口ポート56、ポンプ吐出油路3に連通する入口ポート57及びタンクポート58と、を有する。小径本体穴52に嵌合するスプール60の一端に設けた小径部61はスプリング5aを介して本体穴端面71aに当接可能に負荷圧力ポート59に通じる第3の油室75を形成し、そしてスプール60の他端64はタンクポート58に通じるタンク油室72を形成する。
スプール60の小径部61と第1の大径ランド62との接合部を囲む大径本体穴53内には二次圧力ポート55に通じる第2の油室74を形成し、スプール60の他端64に設けられた軸方向穴65(内径d1)にはピストン70が油密に入れ子式に摺動可能に挿入され、かつ、ピストン70の他端はもう一方の本体穴端面71bに当接可能にされてタンクポート58に通じるタンク油室72内に設けられている。軸方向穴65内のスプール60とピストン70との間にはパイロット油路66を介して出口ポート56に通じる第1の油室73が形成されており、第1の油室73の第1の受圧面積A1はピストン70の断面積により、第2の油室74の第2の受圧面積A2は大径本体穴53の断面積から小径穴52の断面積を引いた面積により、そして第3の油室75の第3の受圧面積A3は小径部61の断面積により、それぞれ形成され、かつスプール60には、第1の大径ランド部62に面する第2の大径ランド63に設けた出口ポート56と入口ポート57間を絞る開閉可能な絞り部67とを有する。出口ポート56に通じる第1の油室73には出口圧力Pzaがスプール60を図2で見て左方向に絞り部67を閉じる方向に作用し、第2の油室74の第2の受圧面積A2には二次圧力Pcがスプール60を図2で見て右方向に絞り部67を開く方向に作用し、そして第3の油室75の第3の受圧面積A3には負荷圧力PLaがスプール60を図2で見て右方向に絞り部67を開く方向に作用する。
第1の受圧面積A1、第2の受圧面積A2及び第3の受圧面積A3は、ほぼ等しくなるように形成されている。また、スプール60は、図2で見て左方向へ最大ストロークした場合は、スプール60の左端面が第3の油室75の本体左端面71aに当接し、絞り部67を閉じるようにされている。逆に右方向へ最大ストロークした場合は、スプール60の右端面64及びピストン70の右端面が本体穴右端面71bに当接し、絞り部67は全開となる。スプール60の中間のストロークでは、スプール60の絞り部67によりスプール60の右方向へのストローク量の増大に伴い、開度が増大するように形成されている。
なお、スプリング5aは、方向制御弁8aが操作されていない時にスプール60を右方向へストロークさせ、絞り部67を開く方向に作用する。また、図2は作動原理を概念的に示すためのものであり、本体穴54の両端は開放されていないが、実際には本体穴54を図示しない段付きの通し穴もしくは右側面からの加工穴として構成し、図示しないねじプラグ等の方法で閉止する構造とすることができる。
次に、図2の実施形態についてその作用を説明する。圧力補償弁4aのスプール60に作用する力のつり合いを考える。まず、スプール60を同図右方向すなわち、絞り部67を開く方向に作用する力Foは、負荷圧力をPLa、ポンプ吐出圧力をPd、最高負荷圧力をPm、二次圧力をPc(Pc=Pd−Pm)、スプリング5aの作用力をWaとすると、
Fo=PLa×A3+Pc×A2+Wa・・・(1)式
逆に同図左方向、すなわち絞り部67を閉じ方向に作用する力Fcは、方向制御弁8aの上流側6a、即ち出口ポート56の出口圧力をPzaとすると、
Fc=Pza×A1・・・(2)式
となる。ここで圧力補償弁4aの制御時は両方向の力がつり合っているので(1)式と(2)式は等しいから
PLa×A3+Pc×A2+Wa=Pza×A1・・・(3)式
なる関係が成立する。
ここで、第1の受圧面積A1、第2の受圧面積A2及び第3の受圧面積A3は、ほぼ等しくなるようにされているのでA1=A2=A3となり、(3)式より方向制御弁差圧ΔPa=(Pza−PLa)は、
ΔPa=Pc+Wa・・・(4)式
となる。従って方向制御弁差圧ΔPaは、二次圧力Pcと、スプリング5aの作用力Waにより一定値に決定されるから、個々の負荷圧力PLaによらず常に一定の値となる。
なお、サチュレーション状態では、二次圧力Pcがその状況に応じて小さくなり、方向制御弁差圧も小さくなる。
なお、第3の受圧面積A3と第2の受圧面積A2は等しくてもよいし、等しくなくてもよい。仮に、A2≠A3の場合は、
ΔPa=(Pza−PLa)=(Pc×A2+Wa)/A3・・・(5)式
となり、(5)式に示すようにA2とA3の比率によってΔPaの絶対値を種々変更できる。
なお、第1の受圧面積A1は第3の受圧面積A3との関係で決定される。
図3を参照すると、図1の油圧駆動装置11に使用する圧力補償弁4b、4cの実施の形態の概略縦断面図が示されている。圧力補償弁の断面構造自身は4b、4cともに同じであるので、ここでは代表して圧力補償弁4bを示す。
図1の油圧駆動装置11に使用する圧力補償弁4bは、本体81と、本体81に設けた小径本体穴82と、小径本体穴82に続く大径本体穴83と、小径本体穴82(内径d3)に摺動可能に嵌合する小径部91及び大径本体穴83(内径d2)と摺動可能に嵌合する第1及び第2の大径ランド92、93を有するスプール90と、本体穴84に沿って本体81に順次設けられたアクチュエータの負荷圧力ポート89、二次圧力ポート85、出口ポート86、ポンプ吐出油路3と連通する入口ポート87及びタンクポート88と、を有する。小径本体穴82に嵌合するスプール90の一端に設けた小径部91は本体穴端面101aに当接可能に負荷圧力ポート89に通じる第3の油室105を形成し、そしてスプール90の他端94はタンクポート88に通じるタンク油室102を形成する。
スプール90の小径部91と第1の大径ランド92との接合部を囲む大径本体穴83内に二次圧力ポート85に通じる第2の油室104を形成し、スプール90の他端94に設けられた段付軸方向穴95(内径d1)にはスプリング5bを介して補助ピストン100が油密に入れ子式に摺動可能に挿入され、かつ、補助ピストン100の他端はもう一方の本体穴端面101bに当接可能にされてタンクポート88に通じるタンク油室102内に設けられている。段付軸方向穴95内のスプール90と補助ピストン100との間にはパイロット油路96を介して出口ポート86に通じる第1の油室103を形成しており、第1の油室103の第1の受圧面積A1は補助ピストン100の断面積により、第2の油室104の第2の受圧面積A2は大径本体穴83の断面積から小径穴82の断面積を引いた面積により、そして第3の油室105の第3の受圧面積A3は小径部91の断面積により、それぞれ形成され、かつスプール90には、第1の大径ランド部92に面する第2の大径ランド93に設けた出口ポート86と入口ポート87間を絞る開閉可能な絞り部97と、を有する。出口ポート86に通じる第1の油室103には出口圧力Pzbがスプール90を図3で見て左方向に絞り部97を閉じる方向に作用し、第2の油室104の第2の受圧面積A2には二次圧力Pcがスプール90を図3で見て右方向に絞り部97を開く方向に作用し、そして第3の油室105の第3の受圧面積A3には負荷圧力PLbがスプール90を図3で見て右方向に絞り部97を開く方向に作用する。
第1の受圧面積A1、第2の受圧面積A2及び第3の受圧面積A3は、ほぼ等しくなるように形成されている。また、スプール90は、図2で見て左方向へ最大ストロークした場合は、スプール90の左端面が第3の油室105の本体左端面101aに当接し、絞り部97を閉じるようにされている。逆に右方向へ最大ストロークした場合は、スプール90の右端面94及び補助ピストン100の右端面が本体穴右端面101bに当接し、絞り部97は全開となるようにされている。スプール90の右方向へのストローク量の増大に伴い、開度が増加するようにされている。なお、スプリング5bは、方向制御弁8aが操作されていない時にスプール90を左方向へストロークさせ、絞り部97を閉じる方向に作用する。また、図3は作動原理を概念的に示すためのものであり、本体穴84の両端は開放されていないが、実際には本体穴84を図示しない段付きの通し穴もしくは右側面からの加工穴として構成し、図示しないねじプラグ等の方法で閉止する構造とすることができる。
次に、図3の実施形態についてその作用を説明する。圧力補償弁4bのスプール90に作用する力のつり合いを考える。まず、スプール90を同図右方向すなわち、絞り部97を開く方向に作用する力Foは、負荷圧力をPLb、ポンプ吐出圧力をPd、最高負荷圧力をPm、二次圧力をPc(Pc=Pd−Pm)とすると、
Fo=PLb×A3+Pc×A2・・・(6)式
逆に同図左方向、すなわち絞り部97を閉じ方向に作用する力Fcは、方向制御弁8aの上流側6a、即ち出口ポート86の出口圧力をPzb、スプリング5bの作用力をWbとすると、
Fc=Pzb×A1+Wb・・・(7)式
となる。ここで圧力補償弁の制御時は両方向の力がつり合っているので(6)式と(7)式は等しいから、
PLb×A3+Pc×A2=Pzb×A1+Wb・・・(8)式
なる関係が成立する。
ここで、第1の受圧面積A1、第2の受圧面積A2及び第3の受圧面積A3は、ほぼ等しくなるようにされているのでA1=A2=A3となり、(8)式より方向制御弁差圧ΔPb=(Pzb−PLb)は、
ΔPb=Pc−Wb・・・(9)式
となる。従って方向制御弁差圧ΔPbは、二次圧力Pcと、スプリング5bの作用力Wbにより一定値に決定されるから、個々の負荷圧力PLbによらず常に一定の値となる。
なお、サチュレーション状態では、二次圧力Pcがその状況に応じて小さくなり、方向制御弁差圧も小さくなる。
なお、第3の受圧面積A3と第2の受圧面積A2は等しくてもよいし、等しくなくてもよい。仮に、A2≠A3の場合は、
ΔPb=(Pzb−PLb)=(Pc×A2−Wb)/A3・・・(10)式
となり、(10)式に示すようにA2とA3の比率によってΔPbの絶対値を種々変更できる。なお、第1の受圧面積A1は第3の受圧面積A3との関係で決定される。
本発明の実施の形態に係る油圧駆動装置11、圧力補償弁4a、4b、4cは基本的には以上のように構成されて、動作するものである。次に、バルブ装置22(図1参照)を構成する圧力補償弁4a、4b、4c内に挿設されているスプール60、90に作用する力のつり合いにより制御される各アクチュエータ10a、10b、10cへの圧油の流量分配について説明する。
図1に示す油圧駆動装置11は、同時操作する複数のアクチュエータ10a、10b、10cを有し、参照符号10aは負荷圧力が最も高く設定されているアクチュエータで、10b、10cはアクチュエータ10aに比べ十分に負荷圧力が低く設定されているアクチュエータである。負荷圧力が高いアクチュエータ10aに連通する圧力補償弁4aには開く方向に作用するスプリング5aを設け、負荷圧力が低いアクチュエータ10b、10cに連通する圧力補償弁4b、4cには閉じ方向に作用するスプリング5b、5cを設けている。
前述のように、アクチュエータ10aに連通する方向制御弁8aの前後差圧ΔPaは、
ΔPa=Pc+Wa・・・(4)式
であり、アクチュエータ10b、10cに連通する方向制御弁8b、8cの前後差圧ΔPb、ΔPcは、
ΔPb=Pc−Wb・・・(9)式
ΔPc=Pc−Wc・・・(11)式
となる。ここで、(4)式と(9)、(11)式を比較すると、方向切換弁8aの前後差圧ΔPaが方向切換弁8b、8cの前後差圧ΔPb、ΔPcに対し大きく設定されることになる。方向切換弁8a、8b、8cは切り換えた位置で、各アクチュエータ10a、10b、10cに応じた開口面積となるよう設定されており、方向切換弁8a,8b,8cを通過する流量は、方向切換弁を通過する流量をQ、方向切換弁の開口面積をS、油の密度をρ、流量係数をαとすると、一般に以下の式であらわされる。
Q=α・S・√(2×ΔP/ρ)・・・(12)式
よって、(4)式、(9)式、(11)式、(12)式から、低い設定負荷圧力のアクチュエータ10b、10cに比べて、設定負荷圧力の高いアクチュエータ10aの流量の分配が優先されることになる。
これにより、エンジンなどの原動機1の回転数が定格回転よりも低くなった場合でも複数のアクチュエータ10a、10b、10cを同時操作し、可変ポンプ2の吐出流量が複数のアクチュエータ10a、10b、10cの要求流量よりも極端に少なくなった場合でも、複数のアクチュエータ10a、10b、10cへの流量分配が適切に行われる油圧駆動装置11となり、実機での同時操作がエンジン等の原動機1が定格回転時と同様の速度バランスで動くことが可能となる。
1 原動機
2 可変容量型油圧ポンプ
3、23 ポンプ吐出油路
4a、4b、4c 圧力補償弁
5a、5b、5c スプリング
6a、6b、6c 出力油路
7a、7b、7c 負荷圧力取出ポート
8a、8b、8c 方向制御弁
9a、9b、9c 負荷圧力取出ライン
10a、10b、10c アクチュエータ
11 油圧駆動装置
12 タンク
13 シャトル弁
16 最高負荷圧力ライン
17 押しのけ容積変更手段
19 スプリング
21 ポンプ装置
22 バルブ装置
31 差圧制御弁
32 二次圧力ライン
33 パイロット油路
34a、34b、34c 負荷圧力ライン
38 ポンプ流量調整弁
40 チェック弁
51、81 本体
52、82 小径本体穴
53、83 大径本体穴
54、84 本体穴
55、85 二次圧力ポート
56、86 出口ポート
57、87 入口ポート
58、88 タンクポート
59、89 負荷圧力ポート
60、90 スプール
61、91 小径部
62、92 第1の大径ランド
63、93 第2の大径ランド
64、94 他端
65 軸方向穴
66、96 パイロット油路
67、97 絞り部
70 ピストン 100 補助ピストン
71a、71b、101a、101b 本体穴端面
72、102 タンク油室
73、103 第1の油室
74、104 第2の油室
75、105 第3の油室
95 段付軸方向穴
Pc 二次圧力
Pd ポンプ吐出圧力
PLa、PLb、PLc アクチュエータ負荷圧力
Pm 最高負荷圧力
Pza、Pzb、Pzc 圧力補償弁の下流側の圧力
Wa、Wb、Wc スプリング力

Claims (1)

  1. 可変ポンプと、
    前記可変ポンプの吐出油によって駆動される複数のアクチュエータと、
    前記複数のアクチュエータのそれぞれに流入する圧油を制御可能にされた流量調節機能を有する複数の方向制御弁と、
    前記複数の方向制御弁のそれぞれの圧力補償をする複数の圧力補償弁と、
    前記可変ポンプの吐出圧力(Pd)とアクチュエータの最高負荷圧力(Pm)との差圧に等しい二次圧力(Pc=Pd−Pm)を発生する差圧制御弁と、
    前記可変ポンプの吐出油を該可変ポンプの押しのけ容積変更手段に連通させるポンプ流量調整弁と、を有し、
    前記複数の圧力補償弁は圧力補償弁を閉じる方向に圧力補償弁の下流側の圧力(Pz)を作用させ、
    前記圧力補償弁を開く方向に前記差圧制御弁から出力される二次圧力(Pc)及び前記方向制御弁の下流側圧力であるアクチュエータ負荷圧力(PL)をそれぞれ作用させて圧力補償をするようにし、
    前記ポンプ流量調整弁のスプリングの作用力を前記ポンプ流量調整弁を閉じ該可変ポンプの押しのけ容積を増大させる方向に作用させ、
    前記二次圧力(Pc)を油路を介して前記ポンプ流量調整弁を開き前記可変ポンプの押しのけ容積を減少させるよう作用させ、
    前記複数の圧力補償弁は対応する各前記方向制御弁の上流側に設けられ、
    該圧力補償弁は第1の油室の第1の受圧面積に自身の下流側の出口圧力を弁を閉じる方向に作用させ、
    第2の油室の第2の受圧面積に前記二次圧力を弁を開く方向に作用させ、
    第3の油室の第3の受圧面積に各前記アクチュエータの負荷圧力を弁を開く方向に作用させ、
    前記第1の受圧面積と前記第2の受圧面積と前記第3の受圧面積とをほぼ同じとし、
    前記複数のアクチュエータのうちの少なくとも2個のアクチュエータのうちの高負荷側アクチュエータの負荷圧力が他方の低負荷側アクチュエータの負荷圧力より大きい負荷特性を有する油圧駆動装置において、
    前記複数の圧力補償弁のうち、前記高負荷側アクチュエータに通ずる第一の圧力補償弁はスプリングの作用力が開方向に作用するように該スプリングが設けられ、
    前記複数の圧力補償弁のうち、前記低負荷側アクチュエータに通ずる第二の圧力補償弁はスプリングの作用力が閉方向に作用するように該スプリングが設けられたこと
    を特徴とする油圧駆動装置。
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